JP2022178934A - 二量体を形成する環状一本鎖抗体 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い抗原結合活性および安定性を有する低分子抗体を提供する。【解決手段】本発明は、重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)が第1のペプチドリンカーで連結された一本鎖抗体(scFv)であって、そのN末端とC末端が第2のペプチドリンカーで連結されて環状構造を形成し、第1のペプチドリンカーが1~12個のアミノ酸からなる、前記一本鎖抗体を提供する。【選択図】図2

Description

本発明は、環状一本鎖抗体、およびその製造方法に関する。
モノクローナル抗体は、腫瘍学、慢性炎症性疾患、移植、感染症、循環器内科、または眼科疾患を含む様々な臨床現場において治療物質として利用され、さらに、検査薬、センサー素子等、様々な用途で利用されている。抗体の主要な機能は抗原(標的分子)に対して特異的に結合することであり、抗原は、Fvドメインにより認識されている。
抗体のFvドメインは重鎖由来のFvドメイン(VH)と軽鎖由来のFvドメイン(VL)から成る。Fvドメインを抗体から切り出してきた断片であるFv断片においても多くの抗体が標的結合能を維持しており、抗体の抗原結合機能の最小単位を成す。一本鎖抗体(scFv: single-chain Fv)はVHとVLをペプチドリンカーにより連結したものである。一本鎖抗体に含まれるVHとVLは会合し、抗原結合部位を形成する。例えば、終末糖化産物(AGEs)を認識するscFvについて報告がされている(非特許文献1)。
scFvは一般に会合して多量体を形成する特性を有しており、scFvが形成する二量体、三量体、および四量体に関して報告がされている(非特許文献2~4)。一本鎖抗体において、VHとVLが分子内で会合できない程度にペプチドリンカーが短い場合、分子間でVHとVLが会合することにより二量体を形成することが知られている(非特許文献8)。そのような一本鎖抗体は特にダイアボディと呼ばれている。会合して抗原結合部位を形成するVHとVLをリンカーで連結した作製したダイアボディはホモ二量体を形成し、一つの抗原に対して結合能を有する。一方で、異なる抗原への結合部位を形成する2組のVHとVLを組み合わせてリンカーで連結して形成した2種類のペプチドを会合させてヘテロ二量体を形成することにより、二重特異性のダイアボディを調製することができる。ダイアボディについては多数の研究報告がされている(特許文献4~6、非特許文献9)。
一般にモノクローナル抗体はCHO細胞やハイブリドーマといった真核生物由来の細胞が生産に使用され、生産に多大なコストを要する。scFvやダイアボディは分子量が25kDa程度であり、全長抗体に比べてその分子量は著しく小さい。そのため、大腸菌などの原核生物をホストとして使用する生産が可能となり(非特許文献5)、scFvやダイアボディは全長抗体に比べて生産コストの面で優位性を有している。
scFvの三量体に相当する環状一本鎖三重特異性抗体に関しても報告がされている(特許文献1)。さらに、ソルターゼを用いる方法やインテイン反応を利用した環状一本鎖抗体の合成(特許文献2および3、非特許文献6および7)、および環化により分子間の会合が抑制され凝集体の発生量が低下することが報告されている(特許文献2)。
特表2005-501517 A WO2020/013126 A1 US2010/129807 A1 特開2010-119303 A 特表2008-507258 A 特開2004-242638 A
Fukuda, N. et al., Molecules. 2017, 22, 1695; PEI, X.Y., et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 1997, 94, 9637-9642; Todorovska, A. et al., Journal of Immunological Methods 248 (2001) 47-66; Lawrence, L.J. et al., FEBS Letters 425 (1998) 479-484; Liu, C. et al., Journal of Biochemistry, 166, 6, 2019, 455-462; Yamauchi, S. et al, Molecules 2019, 24, 2620; Liu, C. et al., Journal of Biochemistry, 168, 3, 2020, 257-263. Holliger, P. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 90, 6444-6448, 1993 Aubrey, N., et al., Cell. Mol. Life Sci. 60 (2003) 617-628 Cai, Y., et al., Oncotarget, 2017, 8(12), 20187-20197
scFvやダイアボディなどの低分子抗体は、組織への透過性、製造の容易さ、コンジュゲーションなどでの利用、およびアンタゴニスト抗体の取得可能性などにおいて、特徴を有しており、医薬品としての研究が広く行われている。一方で、医薬品の有効成分として好ましい特性、例えば高い安定性および高い結合活性を有する低分子抗体が求められている。
本発明者らは、二量体を形成するようにデザインした環状のscFvが高い安定性および高い結合活性などの医薬品の有効成分として好ましい特性を有することを見いだし、本発明を完成させるに至った。
本発明により、以下の発明が提供される。
[1]重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)が第1のペプチドリンカーで連結された一本鎖抗体(scFv)であって、そのN末端とC末端が第2のペプチドリンカーで連結されて環状構造を形成し、第1のペプチドリンカーが1~12個のアミノ酸からなる、前記一本鎖抗体。
[2]第1のペプチドリンカーが9個以下のアミノ酸からなる、[1]に記載の一本鎖抗体。
[3]第1のペプチドリンカーが5~9個のアミノ酸からなる、[1]に記載の一本鎖抗体。
[4]第2のペプチドリンカーが22~28個のアミノ酸からなる、[1]または[2]に記載の一本鎖抗体。
[5]環状構造がペプチド結合のみで形成されている、[1]~[3]のいずれかに記載の一本鎖抗体。
[6]VHとVLが分子間で会合して、2つの抗原結合部位を有する二量体を形成する、[1]~[4]のいずれかに記載の一本鎖抗体。
[7]2つの抗原結合部位が同じ抗原への結合特定性を有する、[6]に記載の一本鎖抗体。
[8]2つの抗原結合部位が2つの異なる抗原への結合特定性を有する、[6]に記載の一本鎖抗体。
[9]VHおよびVLが同一で非環状の一本鎖抗体と比較して、凝集体形成が抑制されている、[1]~[8]のいずれかに記載の一本鎖抗体。
[10]第2のペプチドリンカーがトランスペプチダーゼにより形成される、[1]~[9]のいずれかに記載の一本鎖抗体。
[11]トランスペプチダーゼがソルターゼである、[10]に記載の一本鎖抗体。
[12]第2のペプチドリンカーがアミノ酸配列:LPXTG(ここで、Xは任意のアミノ酸残基を表す)を含む、[1]~[11]のいずれかに記載の一本鎖抗体。
[13]第2のペプチドリンカーがスプリットインテインによるトランス-スプライシング反応により形成される、[1]~[9]のいずれかに記載の一本鎖抗体。
[14][1]~[9]のいずれかに記載の一本鎖抗体の製造方法であって、
1)重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)が第1のペプチドリンカーで連結された一本鎖抗体(scFv)であって、N末端およびC末端にトランスペプチダーゼ認識配列を有する非環状ペプチドを調製する工程;
2)トランスペプチダーゼを用いて前記一本鎖抗体のN末端およびC末端のトランスペプチダーゼ認識配列から第2のペプチドリンカーを形成し、前記一本鎖抗体を環化する工程
を含む、前記製造方法。
[15]トランスペプチダーゼがソルターゼである、[14]に記載の製造方法。
[16]非環状ペプチドのN末端のトランスペプチダーゼ認識配列がLPXTG(ここで、Xは任意のアミノ酸残基を表す)を含む、[14]または[15]に記載の製造方法。
[17]非環状ペプチドのC末端のトランスペプチダーゼ認識配列がGGを含む、[14]~[16]のいずれかに記載の製造方法。
[18][1]~[9]のいずれかに記載の環状一本鎖抗体の製造方法であって、
1)重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)が第1のペプチドリンカーで連結された一本鎖抗体(scFv)であって、N末端にスプリットインテインのC末端側断片(Int-C)およびC末端にスプリットインテインのN末端側断片(Int-N)をそれぞれ有する非環状ペプチドを調製する工程;
2)スプリットインテインによるトランス-スプライシング反応により第2のペプチドリンカーを形成し、前記一本鎖抗体を環化する工程
を含む、前記製造方法。
[19]スプリットインテインのC末端側断片(Int-C)としてDnaE-Int-C、N末端側断片(Int-N)としてDnaE-Int-Nが用いられる、[18]に記載の製造方法。
[20][18]の工程1に記載の非環状ペプチドのアミノ酸配列をコードする塩基配列を含む核酸。
[21][20]に記載の核酸を含有する組換えベクター。
[22][21]に記載の組換えベクターを導入した形質転換体。
[23]重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)が第1のペプチドリンカーで連結された一本鎖抗体(scFv)の水溶液中での分子間会合を抑制する方法であって、
1)該一本鎖抗体のN末端とC末端を第2のペプチドリンカーで連結して環状の一本鎖抗体に変換する工程;および
2)該環状の一本鎖抗体の水溶液を調製する工程
を含み、環状の一本鎖抗体が[1]~[9]のいずれかに記載の一本鎖抗体である、前記方法。
[24][1]~[13]のいずれかに記載の一本鎖抗体を含有する、医薬組成物。
本発明により、抗原に対する高い結合活性および高い安定性を有する環状scFv、特に二量体を形成する環状scFv、が提供される。当該環状scFvは、分析や診断用のセンサー素子や医薬品などとして利用することができる。
図1は、実施例1で行ったゲル濾過精製の各フラクションのUV吸収と、SDS-PAGEの結果を示すグラフである。 図2は、試験例2で行った環状scFvの抗原結合活性試験の結果を示すグラフである。 図3は、二量体を形成するアダリムマブ環状scFvおよび非環状scFvの凝集性を評価するために、動的光散乱測定 (DLS:Dynamic Light Scattering)を行った結果を示すグラフである。
本発明の一つの側面において、環状scFvの分子間でVHとVLが会合することにより二量体を形成することができる。二量体は、2つの抗原結合部位を有する、2価の抗体として機能する。環状scFvにより形成され2価の抗体として機能する二量体を、環状ダイアボディと以下称する場合がある。
本発明の一つの側面において、環状scFvにより形成される二量体は、2種類の抗原結合部位を形成するように設計された2種類の環状scFvから形成されるヘテロ二量体であってもよい。2種類の抗原結合部位を有する二量体は二重特異性抗体として機能する。
本発明の一つの側面において、環状scFvにより形成される二量体は、1種類の抗原結合部位を形成するように設計されたホモ二量体であってもよい。単一の抗原結合部位を有する二量体は二重特異性抗体として機能する。
本発明の一つの側面によれば、環状scFvは共有結合による環状構造を有する。環状scFvは、インテインを用いたインテイン反応、Native Chemical Ligation、グルタミナーゼを利用する方法、および化学的に連結する方法により製造することができる。例えば、環状scFvは特許文献2などに記載の方法により製造することができる。
本発明の一つの実施態様において、環状scFvの製造は、トランスペプチダーゼを用いた酵素的連結方法により行われる。トランスペプチダーゼとしては、例えばソルターゼが挙げられ、公知のソルターゼ酵素(Chenら、PNAS 108: 11399-11404、2011; Poppら、Nat Chem Biol 3: 707-708, 2007)を利用することができる。ソルターゼの好ましい例として、ソルターゼAが挙げられる。また、膜貫通領域を欠く可溶性の短縮型ソルターゼA(SrtA;黄色ブドウ球菌SrtAのアミノ酸残基60~206)が使用することもできる(Ton-That, H., et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 96 (1999) 12424-12429; Ilangovan, H., et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 98 (2001) 6056-6061)。短縮型可溶性ソルターゼA変種は、大腸菌(E.coli)において作製することができる。
ソルターゼは、あるタンパク質のN末端を別のタンパク質のC末端付近の位置に共有結合で連結するために用いることができ、分子内での環化反応にも利用することができる。ソルターゼは、例えば、N末端GGG及びC末端LPXTGX’n(式中、X及びX’は、任意に独立して選択されるアミノ酸であり、nは、例えば1~99を含む任意の数のアミノ酸(例えば、天然アミノ酸)であり得る)を認識する。ソルターゼは、次いで、2つのペプチド配列中のグリシン残基の転位を容易にして、2つのペプチド配列間の共有結合及びGX’nの放出をもたらす。本発明の一つの態様において、ソルターゼを用いた酵素的連結のための連結部位をN末端とC末端に有する一本鎖抗体を環化することにより、環状scFvが製造される。
上記配列中のXとX’の例としては、天然アミノ酸、具体的には、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、プロリン、およびバリンなどが挙げられ、より具体的には、Xはグルタミン酸、およびX’はロイシンなどが挙げられる。
VHおよびVLは「イムノグロブリンフォールド」と呼ばれる100~120程度のアミノ酸残基より構成され、同じ全体的な形態を有し、主にβシートからなる。環状scFvの作製に用いる非環状のscFvは、N末端にグリシンを有し、C末端領域にLPXTG (Xは任意のアミノ酸残基)を有する。当該非環状scFvにおいて、N末端からVHおよびVLの順に位置していてもVL およびVHの順に位置していてもよい。
抗体においてVHおよびVLに該当する領域は公知の知見に基づいて判断することができる。例えば、Martin, A.C.R. Accessing the Kabat Antibody Sequence Database by Computer PROTEINS: Structure, Function and Genetics, 25 (1996), 130-133;およびElvin A. Kabat, Tai Te Wu, Carl Foeller, Harold M. Perry, Kay S. Gottesman (1991) Sequences of Proteins of Immunological Interestなどの文献を参酌することができる。本発明の一つの側面において、VH領域は、Kabatの配列番号0から113のアミノ酸配列として定義され、VL領域は、Kabatの配列番号0から109のアミノ酸配列として定義される。一つの態様において、VH、VL領域とも、フレームワーク4のC末端側2~3残基は二次構造を取らない抗体については、当該残基を含まない領域をVH、またはVLと定義することができる。
VHおよびVL領域の末端付近にはβシートが存在する。環状scFvの製造に用いる非環状scFvにおいて、連結部位 (オリゴグリシンGmとLPXTG) と配列上最も近接するβシートとの間のアミノ酸残基数は3残基以上が好ましく、より好ましくは5残基以上である。N末端のGlyについては配列上最も近接するβシートからのアミノ酸残基数は3残基以上が好ましく、より好ましくは5残基以上である。
本発明の一つの態様において、環状scFvの製造は、タンパク質スプライシング反応であるインテイン反応、より具体的には、スプリットインテインを用いたトランス-スプライシング反応を利用することができる。
インテインを2つに分割したもののうちN末端側断片をInt-N、C末端側断片をInt-Cと表記する。一つの態様において、本発明の環状一本鎖抗体は、Int-CのC末端に環化を行いたいタンパク質のN末端を融合し、さらに、そのC末端側にInt-NのN末端を融合させたタンパク質を作製することで製造することができる。具体的には、環状scFvを得るために、Int-CのC末端に非環状のscFvのN末端を融合し、非環状のscFvのC末端にInt-NのN末端を連結したポリペプチド鎖を用意し、自発的に環状化反応を行うことができる。本発明においては、タンパク質を環状化するため、インテインタンパク質を用いた細胞内環化反応を使用することができる。インテインタンパク質にはNostoc punctiforme 由来のDnaE (NpuDnaE)が使用可能であり、より具体的には特許文献2において配列番号15、配列番号16で示されるアミノ酸配列からなるタンパク質であるDnaE-Int-N (DnaE-N)、DnaE-Int-C(DnaE-C)、が使用可能である。
本発明の一つの態様において、タンパク質を環化するためのインテインタンパク質としては、Nostoc punctiforme由来のDnaEを使用することができる。より具体的には特許文献2において配列番号15、配列番号16で示されるアミノ酸配列からなるタンパク質であるDnaE-N、DnaE-Cを使用することができる。このDnaE-C、DnaE-Nとの間に目的タンパク質を連結したポリペプチド鎖においては、DnaEの自己触媒能によって自発的にスプライシングが進行し、目的タンパク質のN末端のアミノ基とC末端のカルボニル基の間でペプチド結合(アミド結合)が形成された環化タンパク質が合成される。当該反応の基質となるポリペプチドを細胞内に発現させることにより、上記の環化反応を細胞内において行うこともできる。
スプリットインテインを利用する場合、一つの態様において、環化反応の基質となるポリペプチドは、環化のためのペプチド結合(アミド結合)が生じる箇所のアミノ基側またはカルボン酸側のいずれかの残基がシステイン残基またはセリン残基であり、カルボン酸側の残基はプロリン残基以外である。
スプリットインテインを利用する環化により形成される第2のペプチドリンカーは、例えば、CFNGT、CFN、CYNGT、またはCYNから選択されるアミノ酸配列を含んでいてもよい。一つの態様において、これらのアミノ酸配列のCのアミノ基が環化のためのペプチド結合(アミド結合)を形成する。
また第2のペプチドリンカーは、GSGSSのアミノ酸配列を含んでいてもよい。一つの態様において、当該アミノ酸配列のSのカルボキシル基が環化のためのペプチド結合(アミド結合)を形成する。
環状scFvの製造に用いる非環状scFvにおいて、重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)は第1のペプチドリンカーで連結されている。本発明の一つの態様において、第1のペプチドリンカーのアミノ酸残基数としては、例えば、12残基以下、11残基以下、10残基以下、9残基以下、8残基以下、7残基以下、6残基以下、または5残基以下であり、1残基以上、2残基以上、3残基以上、または4残基以上である。第1のペプチドリンカーを構成するアミノ酸は、天然アミノ酸であれば特に限定されない。当該アミノ酸の例としては、グリシン、アラニン、バリン、イソロイシン、ロイシン、セリン、トレオニン、システイン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、チロシン、プロリン、グルタミン酸、アスパラギン酸、グルタミン、アスパラギン、リシン、アルギニン、ヒスチジンなどが挙げられ、具体的には、グリシン、アラニン、セリン、フェニルアラニン、グルタミン酸、アルギニンなどが挙げられる。
本発明の一つの側面において、第1のペプチドリンカーは、例えば3~10残基のペプチドであり、構成するアミノ酸は天然アミノ酸から選択される。本発明の一つの態様において、以下の配列が挙げられる。第1のペプチドリンカーは、GGGGSGGGGSGGGGSに含まれる3~10残基のペプチド断片であってもよい。
本発明の一つの態様において、環状scFvは、N末端側からVH、第1のペプチドリンカー、およびVLの順で連結する構造を有していてもよく、またはN末端側からVL、第1のペプチドリンカー、およびVHの順で連結する構造を有していてもよい。
環状scFvの製造に用いる非環状scFvの環化により、重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)の間に第2のペプチドリンカーが形成される。本発明の一つの態様において、第2のペプチドリンカーのアミノ酸残基数としては、例えば、14残基以上、15残基以上、16残基以上、17残基以上、18残基以上、19残基以上、20残基以上、21残基以上であり、31残基以下、30残基以下、29残基以下、28残基以下、27残基以下、26残基以下である。第2のペプチドリンカーを構成するアミノ酸は、天然アミノ酸であれば特に限定されない。当該アミノ酸の例としては、グリシン、アラニン、バリン、イソロイシン、ロイシン、セリン、トレオニン、システイン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、チロシン、プロリン、グルタミン酸、アスパラギン酸、グルタミン、アスパラギン、リシン、アルギニン、ヒスチジンなどが挙げられ、具体的には、グリシン、アラニン、セリン、フェニルアラニン、グルタミン酸、アルギニンなどが挙げられる。第2のペプチドリンカーの残基数は、環化反応の進行、会合特性に影響する。
本発明の一つの側面において、環状scFvの製造方法は特に限定されないが、以下の方法が例示される。
(1)scFvのN末端にグリシンを導入する。N末端にグリシンを有するタンパク質の作製は発現ホストに内在するアミノペプチダーゼを利用する、グリシンの前にTEV Proteaseの認識配列 (ENLYFQ / G ただし、認識配列中の/は切断部位を示す) やHRV3Cプロテアーゼの認識配列 (LEVLFQ /GG ないしは LEVLFQ / GPただし、認識配列中の/は切断部位を示す)などのタンパク質分解酵素の切断配列を挿入しておくことで、タンパク質分解酵素で消化することでN末端にグリシンを有するscFvを作製することができる。
(2)(1)で例示される手順により作製されたN末端にグリシンを有し、C末端にLPXTG配列を含むscFvに対してソルターゼAを作用させることで環状scFvを作製することができる。中性付近 (pH 5.5~9.5)の緩衝液中で連結反応を行うこととなる。使用するソルターゼAによってはさらにカルシウムイオンを反応液中に添加することが必要となる。
(3)環状scFvを作製するのに用いるscFvの作製には大腸菌、酵母、哺乳細胞、昆虫細胞等を含むあらゆる宿主を用いることができ、プロモーターとしてはT7、Taq、lac等を含むあらゆるプロモーターを用いることができる。
環化反応の基質となるペプチドは、目的の環状ペプチドを得るために必要な構造に加えて、可溶性を高めるに別のペプチドやタンパク質、またはその断片と融合していてもよい。融合に用いられるペプチドおよびタンパク質としては、マルトース結合タンパク質(MBP)、チオレドキシン、グルタチオンS-トランスフェラーゼ(GST)、プロテインGB1ドメイン(GB1)などが挙げられる。
ドデシル硫酸ナトリウム-ポリアクリルアミドゲル電気泳動 (SDS-PAGE)を用いてscFvが環化されたことを検出することができる。scFvが環化されると電気泳動において移動度が変化する。そのため、環化されていないscFvの移動度と比較することで環状scFvを検出できる。この際、環化されずにLPXTG配列中のグリシンから先の領域が切断された産物も生じ得る。この切断産物と環状scFvを区別する方法としては以下の方法が例示される。環状scFvはカルボキシペプチダーゼやアミノペプチダーゼにより消化されないが上記の切断産物は消化される。その他の方法としては、質量分析が挙げられる。
本明細書における「一本鎖抗体(scFv)」は、全長抗体の重鎖由来のFvドメイン(VH)と軽鎖由来のFvドメイン(VL)をペプチドリンカーにより連結して得られる一本鎖Fv断片(scFv)を意味する。ここでペプチドリンカーは、一本鎖抗体が抗原結合性を有するのに適した配列であれば特に限定されず、例えば、10個以上のアミノ酸、具体的には10~27個のアミノ酸、より具体的には15~20個のアミノ酸から構成される。ペプチドリンカーを構成するアミノ酸は、天然アミノ酸であれば特に限定されない。当該アミノ酸の例としては、グリシン、アラニン、バリン、イソロイシン、ロイシン、セリン、トレオニン、システイン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、チロシン、プロリン、グルタミン酸、アスパラギン酸、グルタミン、アスパラギン、リシン、アルギニン、ヒスチジンなどが挙げられ、具体的には、グリシン、アラニン、セリン、フェニルアラニン、グルタミン酸、アルギニンなどが挙げられる。
一本鎖抗体は、VLドメインのC末端とVHドメインのN末端をペプチドリンカーで連結する構造、またはVHドメインのC末端とVLドメインのN末端をペプチドリンカーで連結する構造のいずれを有していてもよい。
本発明で用いるscFvは、成書(例えば、Carl A. K. Borrebaeck 編集, (1995) Antibody Engineering (Second Edition), Oxford University Press, New York;John McCafferty, Hennie Hoogenboom, Dave Chiswell 編集, (1996) Antibody Engineering, A Practical Approach, IRL Press, Oxfordなど)および文献(例えば、Biochim. Biophys. Acta - Protein Structure and Molecular Enzymology 1385, 17-32 (1998)、Molecules. 2017 22:e1695、Journal of Biochemistry 161:37-43など)に記載の方法により製造することができる。
本発明の一つの側面において、環状scFvは、遺伝子工学的手法により調製した形質転換体の培養により製造することができる。環状一本鎖抗体を製造するための環化反応の基質となる非環状ペプチドのアミノ酸配列をコードする核酸は、化学合成、PCR、カセット変異法、部位特異的変異導入法などにより合成することができる。たとえば、末端に20塩基対程度の相補領域を有する100塩基程度までのオリゴヌクレオチドを複数、化学合成し、これらを組み合わせてオーバーラップ伸長法を行うことにより目的の核酸を全合成することができる。上記の環化反応の基質として使用する非環状ペプチドを本明細書では非環状一本鎖抗体と呼ぶ場合がある。このとき、非環状ペプチドおよび非環状一本鎖抗体は重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)などの一本鎖抗体として必要な要素を含むが、抗原結合活性の有無は特に問わない。
本発明の組換えベクターは、適当なベクターに上記の核酸を連結(挿入)することにより得ることができる。本発明で使用するベクターとしては、宿主中で複製可能なもの又は目的の核酸を宿主ゲノムに組み込み可能なものであれば特に限定されない。例えば、バクテリオファージ、プラスミド、コスミド、ファージミドなどが挙げられる。
プラスミドDNAとしては、放線菌由来のプラスミド(例えばpK4,pRK401,pRF31等)、大腸菌由来のプラスミド(例えばpBR322,pBR325,pUC118,pUC119,pUC18等)、枯草菌由来のプラスミド(例えばpUB110,pTP5等)、酵母由来のプラスミド(例えばYEp13,YEp24,YCp50等)などが挙げられ、ファージDNAとしてはλファージ(λgt10、λgt11、λZAP等)が挙げられる。さらに、レトロウイルス又はワクシニアウイルスなどの動物ウイルス、バキュロウイルスなどの昆虫ウイルスベクターを用いることもできる。
本発明の一つの態様において、プラスミドDNAはpNMK(特許文献2および非特許文献7)を鋳型として用いて調製することができる。本発明の別の態様において、pET28やpRSF-Duetなどのベクター(いずれもミリポア社)を用いて作製可能な同様のコンストラクトを用いることができる。
ベクターに遺伝子を挿入するには、まず、精製されたDNAを適当な制限酵素で切断し、遺伝子を適当なベクターDNAの制限酵素部位又はマルチクローニングサイトに挿入して遺伝子をベクターに連結する方法などが採用される。遺伝子は、本発明の改良型タンパク質が発現されるようにベクターに組み込まれることが必要である。そこで、本発明のベクターには、プロモーター、遺伝子の塩基配列のほか、所望によりエンハンサーなどのシスエレメント、スプライシングシグナル、ポリA付加シグナル、選択マーカー、リボソーム結合配列(SD配列)、開始コドン、終止コドンなどを連結することができる。また、製造するタンパク質の精製を容易にするためのタグ配列を連結することもできる。タグ配列としては、Hisタグ、GSTタグ、MBPタグなどの公知のタグをコードする塩基配列を利用することができる。
遺伝子がベクターに挿入されたか否かの確認は、公知の遺伝子工学技術を利用して行うことができる。たとえば、プラスミドベクターなどの場合、コンピテントセルを用いてベクターをサブクローニングし、DNAを抽出後、DNAシーケンサーを用いてその塩基配列を特定することで確認できる。他のベクターについても細菌あるいは他の宿主を用いてサブクローニング可能なものは、同様の手法が利用できる。また、薬剤耐性遺伝子などの選択マーカーを利用したベクター選別も有効である。
形質転換体は、本発明の組換えベクターを、本発明の改良型タンパク質が発現し得るように宿主細胞に導入することにより得ることができる。形質転換に使用する宿主としては、タンパク質又はポリペプチドを発現できるものであれば特に限定されるものではない。例えば、細菌(大腸菌、枯草菌等)、酵母、植物細胞、動物細胞(COS細胞、CHO細胞等)、昆虫細胞が挙げられる。
細菌を宿主とする場合は、組換えベクターが該細菌中で自律複製可能であると同時に、プロモーター、リボゾーム結合配列、開始コドン、本発明の改良型タンパク質をコードする核酸、転写終結配列により構成されていることが好ましい。大腸菌としては、例えばエッシェリヒア・コリ(Escherichia coli)DH5αなどが挙げられ、枯草菌としては、例えばバチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)などが挙げられる。細菌への組換えベクターの導入方法は、細菌にDNAを導入する方法であれば特に限定されるものではない。例えばカルシウムイオンを用いる方法、エレクトロポレーション法等が挙げられる。
細胞内での環状ペプチドの合成を行う場合、環化反応の基質となるペプチドに加えて、当該ペプチドのフォールディングに関与するペプチドを共発現させてもよい。共発現させるペプチドの例としては、スルフヒドリルオキシダーゼ(例えば、Erv1pなど)、ジスルフィドイソメラーゼ(例えば、DsbC、PDIなど)、MarR様調節因子(例えば、SlyAなど)、TF (トリガーファクター)、およびペプチジルプロリルイソメラーゼ(PPIase、例えば、シクロフィリン、FKBP、およびPin1、など、具体的には、FKBP12)などが挙げられる。
本発明の1つの態様において、環状scFvの分子量は、例えば10,000~60,000Da、具体的には15,000~50,000Da、より具体的には20,000~40,000Da、さらに具体的には25,000~30,000Daの分子量を有する。
本発明の一つの側面において、環状scFvの抗原結合活性はEC50(すなわち50%結合濃度)の値により表される。EC50値は、例えば、ELISA、ウェスタンブロット、FACSなどの当技術分野で公知の方法によって得られた測定結果から算出することができる。本発明の一つの側面において、環状scFvの抗原結合活性は解離速度定数(Kd)、解離定数(KD)などにより表される。これらは例えば表面プラズモン共鳴を利用した公知の方法によって得られた測定結果から算出することができる。
以下、実施例にて本発明を例証するが本発明を限定することを意図するものではない。
[実施例1]環状scFv (15残基リンカー)の作製
pET21-DsbCの構築
大腸菌(BL-21(DE3)株)の懸濁液を鋳型とし、次のプライマーセットでPCRを行い、ジスルフィド異性化酵素(DsbC)をコードする遺伝子を増幅した。
5’-GATGACGCGGCAATTCAACAAACGTTAGCCAAAATGGGCATC-3’DsbC-Fw
5’-TTATTTACCGCTGGTCATTTTTTGGTGTTCGTCGAGGAATTC-3’DsbC-Rv
増幅したDsbC遺伝子を鋳型とし、以下のプライマーセットで再度PCRを行った。
DsbC-pET21-NEB-Fw
5’-CTTTAAGAAGGAGATATACCATGGATGACGCGGCAATTCAACAAACGTTAGCC-3’
DsbC-pET21-NEB-Rv
5’-GGTGCTCGAGTGCGGCCGCTTATTTACCGCTGGTCATTTTTTGGTGTTCGTCGAGG-3’
増幅した産物をプライマーとし、pET21-d (Novagen)を鋳型としてPCRを行うことでDsbCの遺伝子をpET21-dにクローニングし、プラスミド(pET21-DsbC)を得た。
アダリムマブ環状scFvの発現プラスミドの構築
15残基からなる第1のペプチドリンカーを有するscFvの環化体を得るために、以下の手法でプラスミドを構築した。pNMK(特許文献2および非特許文献7)を鋳型とし、以下のプライマー(pNpuDnaE-NEBuilder-Fw、pNpuDnaE-NEBuilder-Rv)を用いてPCRによりベクター断片を増幅した。
5’-TGCGGCCGCGTGGTGGTGATGATGATGGGTACC-3’ pNpuDnaE-NEBuilder-Rv
5’-GGATCCGGGAGCTCGTGTTTAAGCTATGAAAC-3’ pNpuDnaE-NEBuilder-Fw
アダリムマブの一本鎖抗体(アダリムマブ-scFv)をコードするDNA(合成遺伝子)を水に溶かし、pNMKにクローニングした。クローニングはNEBuilder (NEB社)を使用し、試薬のマニュアルに従ってクローニングを行い、ベクター(pNMK-HumHL15L)を得た。アダリムマブ-scFvをコードするDNA(合成遺伝子)の配列を以下に示す。
caccacgcggccgcagaagttcaactggtggagtctggtggaggtttagtacagccgggtcgcagtctgcgcttgtcttgcgcagcatctggatttacatttgatgattacgcgatgcactgggttcgtcaggctcccggaaaggggcttgagtgggtatctgcaattacatggaacagcggtcacatcgactatgccgactcggttgaaggacgttttactatctcccgtgataatgcaaaaaatagtctttatttgcaaatgaactccctgcgtgctgaggatacagccgtttactactgcgccaaagtctcgtacctttcaaccgcatcttctttagattattggggccagggtacacttgtcacagttagctctgggggtggtggaagtggcggagggggaagtggcggcggtggtagtgatattcaaatgactcaatcaccatcatctctgagcgcatctgttggagaccgcgttacaattacctgccgcgcaagccaggggattcgtaactacctggcctggtaccaacagaagccgggtaaggctcccaaactgctgatttatgcggccagtaccttacagtccggggtaccatcacgcttctcggggtctggttccggcaccgacttcactcttaccatcagttcattacaaccagaagatgtagccacctattactgtcagcgttacaaccgtgcgccctacactttcggccaaggcacaaaagtggaaatcacttctggatccgggagctcg
アダリムマブ環状scFvの調製
大腸菌(SHuffle T7株(NEB社))をpNMK-HumHL15LおよびpET21-DsbCにより形質転換した。寒天培地上のコロニーを少量のTB培地(50 μg/mL カナマイシン、100 μg/mL アンピシリン、50 μg/mL ストレプトマイシン)に植菌し、終夜30℃で振盪培養した。この培養液をOD600が0.5となるようにTB培地(50 μg/mL カナマイシン、50 μg/mL クロラムフェニコール、50 μg/mL ストレプトマイシン)300 mLに加え、OD600が2.5~3.5に達するまで30℃で振盪培養した。氷浴中で20分間静置することで急冷した。その後、終濃度 1 mMになるようIPTG(イソプロピルβ-D-チオガラクトピラノシド)を添加することで発現誘導を行い、15℃で3日間振盪培養した。
培養した大腸菌を遠心により集菌し (6,000 rpm, 10分間, 4℃)、大腸菌1 gあたり10 mLのソニケーションバッファ(*1) に懸濁させて、超音波破砕した(Ampl 60%, 5 min x 2, 氷冷下)。破砕後、遠心分離し (12,000 rpm, 30 min, 4℃)、可溶性画分を回収し、Ni-NTA superflow 樹脂(2 mL)(富士フイルム和光純薬)にアプライした。樹脂量の10倍量の洗浄バッファ(*2)で洗浄した後、溶出バッファ1(*3)で1 mL, 6 mLの順に溶出させ、6 mLの画分を回収した。回収したサンプルをアミロースレジン (NEB社) 1 mLにアプライし、4℃にて1時間ローテートし、非吸着画分を回収した。遠心 (12,000 rpm, 15 min, 4℃)により沈殿を取り除き、HiLoad 16/600 Superdex 200 pg (担体容量:122 mL)(GEヘルスケア)) と溶出バッファ2(*4) を用い、AKTA pureシステム(GEヘルスケア)によりゲル濾過による精製を行った。1.0 mL/minの流速で分離を行い、タンパク質の溶出が見られたフラクションをSDS-PAGEにより分析し、目的のタンパク質を含むフラクションを回収した(図1)。
*1:50 mM Tris-HCl(pH8.0), 100 mM NaCl
*2:50 mM Tris-HCl(pH8.0), 200 mM NaCl, 10 mM イミダゾール
*3:50 mM Tris-HCl(pH8.0), 200 mM NaCl, 250 mM イミダゾール
*4:50 mM HEPES(pH7.0), 150 mM NaCl, 5 mM EDTA
得られたアダリムマブ環状scFv(15残基リンカー)のアミノ酸配列を以下に示す(ペプチドリンカー部分に下線を付す):
CFNGTHHHHHHAAAEVQLVESGGGLVQPGRSLRLSCAASGFTFDDYAMHWVRQAPGKGLEWVSAITWNSGHIDYADSVEGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCAKVSYLSTASSLDYWGQGTLVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSDIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQGIRNYLAWYQQKPGKAPKLLIYAASTLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDVATYYCQRYNRAPYTFGQGTKVEITSGSGSS
[実施例2]環状scFv (10残基リンカー、5残基リンカーおよび3残基リンカー)の作製
10残基リンカー、5残基リンカー、および3残基リンカーを第1のペプチドリンカーとして有するアダリムマブ環状scFvの発現用プラスミドはpNMK-HumHL15Lを鋳型とし、以下のプライマーセットを用いてPCRを行うことにより作製した。発現・精製は実施例1に記載の方法と同様の方法により行った。
3残基リンカー(GGS)の作製用プライマーセット
Hum_shL3_Fw
5’-GTCACAGTTAGCTCTGGTGGTAGTGATATTC-3’
Hum_shL3_Rv
5’-GAATATCACTACCACCAGAGCTAACTGTGAC-3’
5残基リンカー(GGGGS)の作製用プライマーセット
Hum_shL5_Fw (25 bp,75.3℃)
5’-GTTAGCTCTGGCGGCGGTGGTAGTG-3’
Hum_shL5_Rv (25 bp,75.3℃)
5’-CACTACCACCGCCGCCAGAGCTAAC-3
10残基リンカー(GGGGSGGGGS)の作製用プライマーセット
Hum_shL10_Fw (30 bp,88.3℃)
5’-CTCTGGGGGTGGTGGAAGTGGCGGCGGTGG-3’
Hum_shL10_Rv (30 bp,88.3℃)
5’-CCACCGCCGCCACTTCCACCACCCCCAGAG-3’
[参考例1]非環状scFv (15残基リンカー)の作製
pRMH(Kobashigawa Y., et al., Biol. Pharm. Bull. 2021;44(1):125-130. doi: 10.1248/bpb.b20-00759) を鋳型とし、以下のプライマー(pCold-MK-NEBulder-Fw、pCold-MK-NEBulder-Rv)を用いてPCRによりベクター断片を増幅した。
5’-GCGGCCGCACTCGAGCACCACCACC-3’ pCold-MK-NEBulder-Fw
5’-CATATGGGGCCCCTGGAACAGAACTTCCAGCG-3’ pCold-MK-NEBulder-Rv
アダリムマブの一本鎖抗体(アダリムマブ-scFv)をコードするDNAを水に溶かしたものを鋳型として以下のプライマー(HumHL-RMH-NEB-Fw、HumHL-RMH-NEB-Rv)を用いてアダリムマブ-scFvの遺伝子を増幅した。
5’-CAGGGGCCCCATATGGAAGTTCAACTGGTGGAGTCTGGTGG-3’ HumHL-RMH-NEB-Fw
5’-CTCGAGTGCGGCCGCAGAAGTGATTTCCACTTTTGTGCCTTGGCCG-3’ HumHL-RMH-NEB-Rv
NEBuilder (NEB社)を使用し、増幅したアダリムマブ-scFvの遺伝子を増幅したpRMHベクターにクローニングした。クローニングは、試薬のマニュアルに従って行い、ベクター(pRMH-HumHL15L)を得た。発現・精製はアダリムマブ環状scFv(15残基リンカー)に記載の方法と同様の方法により行った。
[試験例1]アダリムマブ環状scFvの二量体形成の確認
アダリムマブ環状scFvのゲル濾過精製で得た各分画をSDS-PAGEにより分析した結果を図1に示す。15残基リンカーと10残基リンカーの環状scFvは溶出バッファ量85~90mLにおいて環状scFvが主に溶出するのに対し、5残基リンカーと3残基リンカーの環状scFvではその付近での溶出は認められず、より高分子量側の溶出バッファ量75~80mLにおいて環状scFvが主に溶出することが確認された。この結果から、5残基リンカーと3残基リンカーの環状scFvはバッファ中で単量体としては存在せず、二量体を形成していることが確認された。
[試験例2]二量体を形成する環状scFvの抗原結合活性試験
(1)抗原(ヒトTNFα)の調製のためのプラスミド(pRGH)の構築
GB1、ヘキサヒスチジンタグ、HRV3Cプロテアーゼ認識配列およびマルチクローニングサイト(MCS)をコードするフラグメントを、オリゴヌクレオチドpRGHf(5'-GTTTAACTTTAATAAGGAGATATACCATGGAGTACAAAC-3 ')およびpRGHr(5'-CCAAGGGGTTATGCTAGTTATTGCTCAGCG-3 ')、を使用して文献記載のpGBHPS(Kobashigawa, Y, et al., J. Biomol. NMR.2009, 43, 145-150.)を鋳型として増幅した。 このPCR産物をプライマーとし、pRSFDuet-1(Novagen)を鋳型としてPCRを行い、GB1、ヘキサヒスチジンタグ、HRV3Cプロテアーゼ認識配列およびマルチクローニングサイト(MCS)をコードするフラグメントをpRSFDuet-1にクローニングし、プラスミド(pRGH)を得た。
(2)ヒトTNFαの発現および精製
pRGHを鋳型とし、以下のプライマー(pCold-MK-NEBulder-Fw、pCold-MK-NEBulder-Rv)を用いてPCRによりベクター断片を増幅した。合成したヒトTNFα(hTNFα)のDNA(合成遺伝子)を水に溶かしたものを、NEBuilder (NEB社)を使用し、pRGHベクターにクローニングした。クローニングは、試薬のマニュアルに従って行い。ベクター(pRGH-hTNFα)を得た。合成したヒトTNFα(hTNFα)のDNA配列を以下に示す:
caggggccccatatggtacgctcgtcctcacgcacgccgtcggacaaaccggtggcccatgtcgtcgctaatccccaggccgaaggccagcttcagtggttaaatgaccgtgctaacgctttgttagcaaatggagtggagttacgcgacaatcaattggtcgtaccttccgaaggtttatatcttatttactcacaagtgttgttcaagggacagggatgtccatcgacccatgtgttgctgacacatacgatctcgcgcatcgcagtgagctatcaaaccaaggtcaaccttctgtctgctattaagtcgccgtgccagcgcgaaactcctgagggcgcagaagccaagccctggtatgaaccaatttaccttggcggagttttccaacttgaaaagggtgaccgtctgagcgcggaaattaaccgccccgactatttagacttcgcggaatcaggacaggtttattttggcattatcgcattggcggccgcactcgag
大腸菌(Shuffle T7 株(NEB社))を pRGH-hTNFα およびpET21-DsbCにより形質転換し、各種抗生物質が所定の終濃度(50 μg/mL カナマイシン、100 μg/mL アンピシリン、50 μg/mL ストレプトマイシン)になるように加えた30 mLのTB培地に植菌し、終夜30℃で振盪培養した。この培養液を各種抗生物質が上記の終濃度になるように加えた300 mLのTB培地に植え継ぎ、OD600が2.5~3.0に達するまで30℃で振盪培養した。氷浴中で30 分間静置して急冷し、終濃度1 mMになるようにIPTGを添加した。その後、15℃で3日間振盪培養した。培養した大腸菌を遠心により集菌し、超音波破砕した。破砕後の可溶性画分をNi-NTAアフィニティーカラム(Ni-NTAアガロース:富士フイルム和光純薬)により精製した後、HRV3Cプロテアーゼ(GEヘルスケア)により、GB1およびHis-tagを切断した。遠心(12,000 rpm, 15 分間, 4℃)により沈殿画分を取り除き、HiLoad 16/600 Superdex 200 pg(担体容量:122 mL)(GEヘルスケア)と溶出バッファ3(*5) を用い、AKTA pureシステム(GEヘルスケア)により精製を行った。1.0 mL/minの流速で分離を行い、タンパク質の溶出が見られたフラクションをSDS-PAGEにより分析し、目的のタンパク質を含むフラクションを回収した。
*5:50 mM HEPES(pH7.0), 150 mM NaCl, 5 mM EDTA
得られたhTNFαのアミノ酸配列を以下に示す:
VRSSSRTPSDKPVAHVVANPQAEGQLQWLNDRANALLANGVELRDNQLVVPSEGLYLIYSQVLFKGQGCPSTHVLLTHTISRIAVSYQTKVNLLSAIKSPCQRETPEGAEAKPWYEPIYLGGVFQLEKGDRLSAEINRPDYLDFAESGQVYFGIIAL
(3)アダリムマブ環状scFvの二量体の抗原結合活性試験
96穴マルチプレートに所定の濃度のhTNFαを加え4℃で一晩放置した。洗浄(0.05% PBS-T 300μL 3回) 後、2% skim milk/PBS 150μLを加え、25℃で1時間放置した。洗浄後、2% skim milk/PBS で2 倍希釈したアダリムマブ環状scFv (15残基リンカー) (25 μg/mL)、もしくは、アダリムマブ環状scFv (5残基リンカー) (25 μg/mL)を100 μL加え、25℃で1時間放置した。その後Penta-His HRP Conjugate(キアゲン)を2,000倍希釈して100 μLずつ加えた。洗浄後TMB溶液(TMB Microwell Peroxidase Substrate、フナコシ(KPL))を反応させ、450nmの波長で吸光度を検出した。結果を図2に示す。
EC50 (50%効果濃度)は、環状scFv (5残基リンカー)が0.4 μg/mL、環状scFv (15残基リンカー)が6.4 μg/mLであり、二量体を形成する環状scFvは対照の環状scFvに比べて約16倍高い抗原結合活性を有することを確認した。
[試験例3]
凝集性の評価をDynaPro NanoStar(Wyatt社)を用いた動的光散乱測定 (DLS:Dynamic Light Scattering)により行った。測定は25℃で行った。精製したscFv試料をAmicon ultra centrifugal filter unit (MWCO : 10000) を用いた限界濾過により 5 mg/mLまで濃縮し、4℃にて9日間静置した。動的光散乱の直前に遠心によって試料中の不純物を除いた (12000 rpm, 20 min, 4℃)。上清画分を用いてDLS測定を行った。その結果、アダリムマブ環状scFv二量体はピーク形状の変化は見られなかったが、アダリムマブ非環状scFv二量体はピーク形状が広がっており、凝集が起こり始めていることが確認された(図3)。また、アダリムマブ非環状scFv では9日目には50nmおよび1000nm程度のところに小さいながらもピークがみられており、凝集体が若干生じているのが確認できるが、アダリムマブ非環状scFvではそれらのピークは観測されていない。
遠心後の溶液中に溶けているアダリムマブ環状scFvおよびアダリムマブ非環状scFvの濃度を280nmにおける吸光度により定量した。その結果、アダリムマブ非環状scFvでは溶液中に溶けているアダリムマブ非環状scFvの濃度が1割程度低下しており、一部が沈殿し、溶液中から失われていた。一方、アダリムマブ環状scFvの濃度は9日後も変化しておらず、沈殿は生じていなかった。
Figure 2022178934000002

Claims (22)

  1. 重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)が第1のペプチドリンカーで連結された一本鎖抗体(scFv)であって、そのN末端とC末端が第2のペプチドリンカーで連結されて環状構造を形成し、第1のペプチドリンカーが1~12個のアミノ酸からなる、前記一本鎖抗体。
  2. 第1のペプチドリンカーが9個以下のアミノ酸からなる、請求項1に記載の一本鎖抗体。
  3. 第1のペプチドリンカーが5~9個のアミノ酸からなる、請求項1に記載の一本鎖抗体。
  4. 第2のペプチドリンカーが22~28個のアミノ酸からなる、請求項1または2に記載の一本鎖抗体。
  5. 環状構造がペプチド結合のみで形成されている、請求項1~3のいずれか1項に記載の一本鎖抗体。
  6. VHとVLが分子間で会合して、2つの抗原結合部位を有する二量体を形成する、請求項1~4のいずれか1項に記載の一本鎖抗体。
  7. 2つの抗原結合部位が同じ抗原への結合特定性を有する、請求項6に記載の一本鎖抗体。
  8. 2つの抗原結合部位が2つの異なる抗原への結合特定性を有する、請求項6に記載の一本鎖抗体。
  9. VHおよびVLが同一で非環状の一本鎖抗体と比較して、凝集体形成が抑制されている、請求項1~8のいずれか1項に記載の一本鎖抗体。
  10. 第2のペプチドリンカーがトランスペプチダーゼにより形成される、請求項1~9のいずれか1項に記載の一本鎖抗体。
  11. トランスペプチダーゼがソルターゼである、請求項10に記載の一本鎖抗体。
  12. 第2のペプチドリンカーがアミノ酸配列:LPXTG(ここで、Xは任意のアミノ酸残基を表す)を含む、請求項1~11のいずれか1項に記載の一本鎖抗体。
  13. 第2のペプチドリンカーがスプリットインテインによるトランス-スプライシング反応により形成される、請求項1~9のいずれか1項に記載の一本鎖抗体。
  14. 請求項1~9のいずれか1項に記載の一本鎖抗体の製造方法であって、
    1)重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)が第1のペプチドリンカーで連結された一本鎖抗体(scFv)であって、N末端およびC末端にトランスペプチダーゼ認識配列を有する非環状ペプチドを調製する工程;
    2)トランスペプチダーゼを用いて前記一本鎖抗体のN末端およびC末端のトランスペプチダーゼ認識配列から第2のペプチドリンカーを形成し、前記一本鎖抗体を環化する工程
    を含む、前記製造方法。
  15. トランスペプチダーゼがソルターゼである、請求項14に記載の製造方法。
  16. 非環状ペプチドのN末端のトランスペプチダーゼ認識配列がLPXTG(ここで、Xは任意のアミノ酸残基を表す)を含む、請求項14または15に記載の製造方法。
  17. 非環状ペプチドのC末端のトランスペプチダーゼ認識配列がGGを含む、請求項14~16のいずれか1項に記載の製造方法。
  18. 請求項1~9のいずれか1項に記載の環状一本鎖抗体の製造方法であって、
    1)重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)が第1のペプチドリンカーで連結された一本鎖抗体(scFv)であって、N末端にスプリットインテインのC末端側断片(Int-C)およびC末端にスプリットインテインのN末端側断片(Int-N)をそれぞれ有する非環状ペプチドを調製する工程;
    2)スプリットインテインによるトランス-スプライシング反応により第2のペプチドリンカーを形成し、前記一本鎖抗体を環化する工程
    を含む、前記製造方法。
  19. スプリットインテインのC末端側断片(Int-C)としてDnaE-Int-C、N末端側断片(Int-N)としてDnaE-Int-Nが用いられる、請求項18に記載の製造方法。
  20. 請求項18の工程1に記載の非環状ペプチドのアミノ酸配列をコードする塩基配列を含む核酸。
  21. 請求項20に記載の核酸を含有する組換えベクター。
  22. 請求項21に記載の組換えベクターを導入した形質転換体。
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