JP2022178770A - 排気装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】排気レゾネータによって触媒の暖機性能向上に伴うエンジン出力の低下を抑える。【解決手段】排気装置(40)は、エンジン(20)の排気ポート(31L、31R)から排出された排気ガスを浄化している。排気装置には、前記エンジンの排気ポートから排気ガスが流れ込む排気管(41L、41R)と、前記排気管の下流にて前記エンジンの前方に配置された触媒(45)と、前記触媒の上流にて前記排気管に接続された排気レゾネータ(42)と、が設けられている。【選択図】図3
Description
本発明は、排気装置に関する。
従来、鞍乗型車両の排気装置として、エンジンの下方に排気レゾネータを設けたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の排気レゾネータは、ヘルムホルム式のレゾネータであり、排気管の途中から分岐した接続管に接続されている。排気管の下流には消音器が接続されており、この消音器の外面に排気レゾネータが下方から支持されている。排気レゾネータによって消音器の上流側で排気管の一部に膨張室が形成されることで、排気管長を変更することなく排気脈動が調整されて所望のエンジン出力が得られている。
ところで、排気ポートに触媒を近づけることで、高温の排気ガスによって触媒の暖機性能を向上させることができるが、排気脈動と排気タイミングの不整合によってエンジン出力が低下する場合がある。この場合、排気ポートに触媒が近づけられることで排気管長が短くなるため、排気管長の調整によって排気脈動を調整することは難しい。エンジンの排気量の増加や吸気系の変更等の対策も考えられるが、いずれもコストが増加すると共にレイアウト変更を招いてしまう。また、特許文献1の記載の排気レゾネータは触媒との位置関係までは検討されていない。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、排気レゾネータによって触媒の暖機性能向上に伴うエンジン出力の低下を抑えることができる排気装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様の排気装置は、エンジンの排気ポートから排出された排気ガスを浄化する排気装置であって、前記エンジンの排気ポートから排気ガスが流れ込む排気管と、前記排気管の下流にて前記エンジンの前方に配置された触媒と、前記触媒の上流にて前記排気管に接続された排気レゾネータと、を備えていることで上記課題を解決する。
本発明の一態様の排気装置によれば、触媒の暖機性能向上のために排気ポートに触媒を近づけて排気管が短くなっても、排気管に接続された排気レゾネータによって排気脈動を調整することができる。よって、排気管長を変更することなく、触媒の暖機性能向上に伴うエンジン出力の低下を抑えることができる。
本発明の一態様の排気装置は、エンジンの排気ポートから排出された排気ガスを浄化する。排気装置は、エンジンの排気ポートから排気管に排気ガスが流れ込んでおり、排気管の下流にてエンジンの前方に触媒が配置され、触媒の上流にて排気管に排気レゾネータが接続されている。触媒の暖機性能向上のために排気ポートに触媒を近づけて排気管が短くなっても、排気管に接続された排気レゾネータによって排気脈動を調整することができる。よって、排気管長を変更することなく、触媒の暖機性能向上に伴うエンジン出力の低下を抑えることができる。
以下、添付図面を参照して、本実施例について詳細に説明する。図1は本実施例のエンジンの斜視図である。図2は本実施例のエンジンの側面図である。また、以下の図では、矢印FRは車両前方、矢印REは車両後方、矢印Lは車両左方、矢印Rは車両右方をそれぞれ示している。
図1及び図2に示すように、鞍乗型車両は、ダブルクレードル型の車体フレーム10にエンジン20や電装系等の各種部品を搭載して構成されている。車体フレーム10は、ヘッドパイプ11から左右に分岐して後方に延びる一対のメインフレーム12L、12Rと、ヘッドパイプ11から下方に延びるダウンフレーム13と、ダウンフレーム13の下端から左右に分岐して斜め下方に延びる一対のロアフレーム14L、14Rとを有している。メインフレーム12L、12Rの後側は下方に屈曲しており、ロアフレーム14L、14Rの下側は後方に屈曲してメインフレーム12L、12Rに接合されている。
エンジン20は、クランクケース21の上部にシリンダ22を配置した並列2気筒エンジンである。シリンダ22の上部にはシリンダヘッド23が取り付けられ、シリンダヘッド23の上部にはヘッドカバー24が取り付けられている。クランクケース21の下部には、オイルが貯留されるオイルパン25が取り付けられている。クランクケース21の左側面にはケース内のマグネト室を覆うマグネトカバー26が取り付けられ、クランクケース21の右側面にはケース内のクラッチ室を覆うクラッチカバー27が取り付けられている。クランクケース21の前部には、オイルから異物を除去するオイルフィルタ28が取り付けられている。
ダウンフレーム13の前側には、エンジン20内の冷却水を放熱するラジエータ32が取り付けられている。ラジエータ32の下方には、エンジン20の一対の排気ポート31L、31R(図3参照)から排出された排気ガスを浄化する排気装置40が取り付けられている。排気装置40には一次触媒(触媒)45及び二次触媒53が設けられている。一次触媒45はエンジン20の前方に配置され、二次触媒53はエンジン20の下方に配置されている。一次触媒45が排気ポート31L、31Rに近づけられて早期に活性化され、触媒反応によって加熱された排気ガスによって二次触媒53が早期に活性化されている。
ところで、一次触媒45が排気ポート31L、31Rに近づけられた結果、排気脈動と排気タイミングの不整合によってエンジン出力が低下する場合がある。この場合、排気ポート31L、31Rと一次触媒45の間の排気管41L、41Rが短いため、排気管長によって排気脈動を調整することは難しい。エンジン20や吸気系の設計変更によってエンジン出力の低下を補うことも考えられるが、コストが増加すると共にレイアウト変更が生じるという不具合がある。そこで、本実施例の排気装置40では、一次触媒45の上流にて排気管41Lに排気レゾネータ42を接続して排気脈動を調整している。
以下、図3及び図4を参照して、排気装置について詳細に説明する。図3は、本実施例のエンジンの正面図である。図4は、本実施例の排気装置の後面図である。
図3及び図4に示すように、排気装置40は、排気管41L、41R、排気レゾネータ42、集合管43、一次触媒45、屈曲管47、チャンバ51、二次触媒53、テールパイプ54を備えている。排気装置40によってエンジン20の前方から下方に回り込んで後方に延びる排気通路が形成されている。排気装置40では、エンジン20の排気ポート31L、31Rから排気管41L、41Rに排気ガスが流れ込み、一次触媒45及び二次触媒53によって排気ガス中の一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)、窒素化合物(NOx)等の大気汚染物質が浄化される。また、排気装置40では、チャンバ51によって排気音が抑えられている。
排気管41L、41Rは、車両上下方向に延びる中心線Cを挟んで車幅方向の一方側(左側)及び他方側(右側)から延出している。一方側の排気管41Lは排気ポート31Lから前方に延出して集合管43に接続され、他方側の排気管41Rは排気ポート31Rから前方に延出した後に左方向に延びて集合管43に接続されている。このように、排気管41Lが排気管41Rよりも短く形成されて、排気管41L、41Rの排気管長に差分が付けられている。排気管41Lの途中には排気レゾネータ42が接続されており、排気レゾネータ42によって排気脈動が調整されている。なお、排気レゾネータ42の詳細については後述する。
集合管43の上流側は二股に分かれており、集合管43の下流側は円筒状に形成されている。集合管43の上流側には排気管41L、41Rが接続され、集合管43の下流側には一次触媒45を収容した一次触媒ケース44が形成されている。排気管41L、41Rを通過した排気ガスが集合管43で集合されて一次触媒45に送られる。集合管43の外周面には上流排気ガスセンサ(不図示)用の取付ボス46が形成されている。上流排気ガスセンサによって排気管41L、41Rから流入した排気ガスの平均的な酸素濃度が検出される。上流排気ガスセンサの検出結果は燃料噴射量のフィードバック制御に使用される。
一次触媒45は、スタータ触媒として機能する小型の触媒であり、排気管41L、41Rの下流にてエンジン20の前方に配置されている。上記したように、排気管41Lが排気管41Rよりも短いため、車両上下方向に延びる中心線Cよりも左側(車幅方向の一方側)に集合管43が位置し、この集合管43の一次触媒ケース44に一次触媒45が収容されている。一次触媒45は正面視にてロアフレーム14Lに重なる高さに位置付けられている。一次触媒45はハニカム状又は格子状の仕切板の表面に触媒物質を付着させたものであり、集合管43から流入した排気ガスが一次触媒45を通過する際に大気汚染物質が酸素と反応して浄化される。
排気管41Lの管長が短いため、排気ポート31Lから一次触媒45に高温の排気ガスが流入して、一次触媒45が短時間で暖機されて排気ポート31Lからの排気ガスの浄化性能が向上される。この場合、排気管41Rの管長が長く排気ガスの温度が下がり易くなっているが、排気管41Lからの高温の排気ガスによって一次触媒45が短時間で暖機することで、排気ポート31Rからの排気ガスに対する浄化性能も向上されている。このように、排気管41L、41Rに対して、あえて管長に差分を付けることによって、一次触媒45の早期活性化を実現している。
屈曲管47は、上流側の縦筒部分と下流側の横筒部分を連ねた略L字管状に形成されている。屈曲管47の上流には集合管43が接続され、屈曲管47の下流にはチャンバ51が接続されている。集合管43内の一次触媒45を通過した排気ガスが屈曲管47によってエンジン20の下方のチャンバ51に導かれている。屈曲管47の外周面には下流排気ガスセンサ(不図示)用の取付ボス48が形成されている。下流排気ガスセンサによって一次触媒45を通過した排気ガスの平均的な酸素濃度が検出される。下流排気ガスセンサの検出結果は燃料噴射量のフィードバック制御及び触媒劣化の診断に使用される。
チャンバ51の上流側には二次触媒53を収容した二次触媒ケース52が形成されている。二次触媒ケース52は左側から右側(車幅方向の一方側から他方側)に向かって斜め後方に延びている。二次触媒53は、メイン触媒として機能する大型の触媒であり、屈曲管47の下流にてエンジン20の下方に配置されている。また、二次触媒53は中心線Cよりも右側(車幅方向の他方側)に位置している。二次触媒53はハニカム状又は格子状の仕切板の表面に触媒物質を付着させたものであり、屈曲管47から流入した排気ガスが二次触媒53を通過する際に大気汚染物質が酸素と反応して浄化される。
チャンバ51の下流側には排気音を低減するための消音室(不図示)が形成されている。チャンバ51は中心線Cよりも右側にて前後方向に延びている。二次触媒53から消音室に排気ガスが入り込むと、消音室で排気ガスが膨張されることで排気音が低減される。チャンバ51の外壁は二重筒構造になっており、内筒と外筒の隙間に吸音用のグラスウールが詰められている。チャンバ51の下流側からテールパイプ54が後方に延びており、テールパイプ54の下流にマフラ(不図示)が接続されている。このように、排気装置40にはチャンバ51とマフラによって二段階に分けて排気音が低減されている。
図3及び図5を参照して、排気レゾネータについて説明する。図5は本実施例のエンジンの上面図である。なお、図5では説明の便宜上、車体フレームを省略している。
図3に示すように、一次触媒45の上流にて排気管41Lの途中に有底筒状の排気レゾネータ42が接続されており、排気レゾネータ42は排気管41Lから排気管41Rに沿ってダウンフレーム13を越えて右側の排気ポート31Rまで延びている。排気レゾネータ42は、集合管43よりも上方でクランク軸33(図2参照)よりも前方かつ上方に位置付けられている。排気レゾネータ42の外径は排気管41Lの外径と同程度に形成されており、排気レゾネータ42内の通路と排気管41L内の通路が連通穴を通じて連なっている。連通穴の直径は、排気レゾネータ42の内径を最大径とし、最適な排気脈動効果が得られる大きさに調整されている。
排気レゾネータ42は排気管41L、41Rの間に配置されており、排気レゾネータ42の容積の調整にエンジン20の前方の既存の空きスペースが有効に活用されている。空きスペースに排気レゾネータ42が配置されるため、他部品のレイアウトに対する排気レゾネータ42の影響が最小限に抑えられている。また、排気レゾネータ42が車幅方向に長いストレートパイプ状に形成されているため、排気レゾネータ42の長さによって容積を容易に調整できる。排気レゾネータ42の長さ(容積)は、排気管41L、41Rの間に収まるサイズで、最適な排気脈動効果が得られる大きさに調整されている。
図5に示すように、排気レゾネータ42が排気管41Rの左右の延在部分に沿って延びていることで、排気レゾネータ42が目立ち難くなって外観性が向上されている。さらに、排気レゾネータ42は排気管41Rの左右の延在部分の上方かつ後方に位置付けられている。排気レゾネータ42が排気管41Rの左右の延在部分の上方に位置付けられることで、一次触媒45を排気ポート31Lに近づけることができ、一次触媒45が前輪(不図示)に干渉することもない。排気レゾネータ42が排気管41Rの後方に位置付けられることで、排気管41Rの後方に排気レゾネータ42が隠れて外観性が向上されている。また、ライダーと排気レゾネータ42の接触を回避して安全性が確保される。
車両側面視で排気レゾネータ42は排気管41L、41Rに重なっており(図2参照)、排気管41L、41Rよりも前方にはみ出さないように排気レゾネータ42が位置付けられている。排気レゾネータ42の上方にはラジエータ32が位置付けられおり(図2参照)、このラジエータ32の前面よりも車両後方に排気レゾネータ42が位置付けられている。このように、排気レゾネータ42はラジエータ32、排気管41L、41R、ダウンフレーム13に囲まれた空間に配置されており、これらの部材によって外部の衝撃等から排気レゾネータ42が保護されている。
排気レゾネータ42は排気管41Lの排気通路を分岐させて、排気レゾネータ42に向かう排気ガスの流れを作り出している。上記した暖機性能向上のために排気管41Lが短くされても、排気タイミングに整合するように排気レゾネータ42によって排気脈動が適切に調整される。短い排気管41Lに排気レゾネータ42が接続されているため、排気管41L、41Rの排気管長の際によって排気脈動に大きなズレが起きた場合でも、この排気脈動のズレが排気レゾネータ42によって補正される。よって、排気レゾネータ42によってエンジン出力の低下が抑えられている。
より詳細には、排気管41Lの圧力波は排気レゾネータ42に入り込み、排気レゾネータ42の閉塞端で反射されて集合管43に向けて伝搬される。排気管41Lの下流の開放端で圧力波が反転して反射されて排気管41Lの上流側に伝搬される。このときの圧力密度の低い部分が、排気レゾネータ42の容積等によって排気バルブの開閉タイミングに合わせられて排気脈動が調整されている。エンジン20の前方の一次触媒45の上流の排気管41Lに排気レゾネータ42が接続されることで、エンジン20の前方の一次触媒45の暖機性能が高められると共に十分な排気脈動効果が得られている。
以上、本実施例によれば、触媒の暖機性能向上のために排気ポート31Lに一次触媒45を近づけて排気管41Lが短くなっても、排気管41Lに接続された排気レゾネータ42によって排気脈動が調整される。よって、排気管41Lの排気管長を変更することなく、一次触媒45の暖機性能向上に伴うエンジン出力の低下が抑えられる。
なお、本実施例では、左側の排気管に排気レゾネータが片持ちで支持されているが、排気レゾネータはダウンフレームや右側の排気管にブラケット等を介して固定されていてもよい。また、図6の第1の変形例に示すように、排気レゾネータ62が排気管61Lから排気管61Rに沿って延在し、排気レゾネータ62が排気管61Rの左右の延在部分の外周面に溶接されていてもよい。これにより、排気レゾネータ62が安定的に支持される。
また、本実施例では、左側の排気管に排気レゾネータが直に接続されているが、排気レゾネータは接続管を介して左側の排気管に接続されてもよい。例えば、図7の第2の変形例に示すように、左側の排気管65Lから右側に向けて細径の接続管66が延びており、接続管66の先端に太径の排気レゾネータ67が接続されていてもよい。中心線Cを挟んで一次触媒68の反対側の空きスペースを有効的に活用して排気レゾネータ67の容積を調整することができる。
また、本実施例では、左側の排気管に排気レゾネータが接続されているが、左右の排気管に排気レゾネータが接続されていてもよい。例えば、図8の第3の変形例に示すように、左右の排気管71L、71Rが排気レゾネータ72を介して接続されており、排気レゾネータ72の内側空間が隔壁73によって任意の容積で区分けされていてもよい。これにより、1つの排気レゾネータ72を複数の排気管71L、71R(気筒)で兼用することができる。
また、本実施例では、排気レゾネータがストレートパイプ状に形成されたが、排気レゾネータの形状は特に限定されない。例えば、図9の第4の変形例に示すように、プレス加工によって折り曲げた板材75を排気管76の外周面に貼り合わせることで、排気管76の外周面と板材75によって排気レゾネータ77を形成してもよい。特に、排気管76の背面に板材75を貼り合わせることで、排気管76の背面側の空きスペースを排気レゾネータ77に利用することができる。
また、本実施例では、エンジンが並列2気筒エンジンである構成を例示したが、エンジンの種類は特に限定されず、例えばエンジンが単気筒エンジンでもよいし、2気筒以上の多気筒エンジンでもよい。多気筒エンジンの場合には、気筒毎に容積を変えた排気レゾネータが設けられていてもよい。
また、本実施例では、左側の排気管が右側の排気管よりも短く形成されたが、右側の排気管が左側の排気管よりも短く形成されてもよい。この場合、右側の排気管に排気レゾネータが接続されてもよい。
また、本実施例では、排気レゾネータが右側の排気管の左右の延在部分に沿って延在しているが、排気レゾネータは右側の排気管の左右の延在部分に交差していてもよい。
また、本実施例では、右側の排気管の上方かつ後方に排気レゾネータが位置付けられているが、排気管と排気レゾネータの位置関係は特に限定されない。
また、本実施例では、排気装置に一次触媒及び二次触媒が設けられているが、排気装置には少なくとも1つの触媒が設けられていればよい。
また、本実施例の排気装置は上記の鞍乗型車両のエンジンに限らず、他のタイプの鞍乗型車両のエンジンに採用されてもよい。また、鞍乗型車両は自動二輪車に限定されず、エンジンが搭載された乗り物であればよい。なお、鞍乗型車両とは、運転者がシートに跨った姿勢で乗車する車両全般に限定されず、運転者がシートに跨らずに乗車するスクータタイプの車両も含んでいる。
以上の通り、本実施例の排気装置(40)は、エンジン(20)の排気ポート(31L、31R)から排出された排気ガスを浄化する排気装置であって、エンジンの排気ポートから排気ガスが流れ込む排気管(41L、41R)と、排気管の下流にてエンジンの前方に配置された触媒(一次触媒45)と、触媒の上流にて排気管(41L)に接続された排気レゾネータ(42)と、を備えている。この構成によれば、触媒の暖機性能向上のために排気ポートに触媒を近づけて排気管が短くなっても、排気管に接続された排気レゾネータによって排気脈動を調整することができる。よって、排気管長を変更することなく、触媒の暖機性能向上に伴うエンジン出力の低下を抑えることができる。
本実施例の排気装置において、触媒は車両上下方向に延びる中心線(C)よりも車幅方向の一方側に配置され、当該一方側で排気レゾネータが排気管に接続されている。この構成によれば、中心線を挟んで一方側に触媒が配置されることで他方側に空きスペースが確保される。空きスペースを有効に活用して、排気レゾネータの容積を調整することができる。
本実施例の排気装置において、排気管は複数の排気管であり、排気レゾネータが隣り合う排気管の間に配置されている。この構成によれば、エンジンの前方の既存の空きスペースを有効に活用して、排気レゾネータの容積を調整することができる。また、他部品のレイアウトに対する排気レゾネータの影響を最小限に抑えることができる。
本実施例の排気装置において、排気管は長さが異なる複数の排気管であり、排気レゾネータが最も短い排気管に接続されている。この構成によれば、排気管長の差異によって排気脈動に大きなズレが起きた場合でも、排気脈動のズレを排気レゾネータによって補正することができる。
本実施例の排気装置において、排気管は、中心線を挟んで車幅方向の一方側及び他方側の排気管であり、他方側の排気管が一方側に車幅方向に延びており、排気レゾネータが一方側の排気管から当該他方側の排気管に沿って他方側に延びている。この構成によれば、他方側の排気管の排気管長を確保しつつ、一方側の排気管に接続された排気レゾネータによって排気脈動を調整することができる。また、排気レゾネータを車幅方向に延ばすことで必要な容積が確保し易くなり、他方側の排気管に排気レゾネータを沿わせることで排気レゾネータを目立ち難くして外観性を向上させることができる。
本実施例の排気装置において、排気レゾネータが他方側の排気管の上方に位置し、正面視にて一方側の排気管から他方側の排気ポートまで延びている。この構成によれば、一方側の排気管及び他方側の排気管の間の空きスペースを有効に活用して、排気レゾネータの容積を調整することができる。また、他方の排気管の上方に排気レゾネータが位置するため、排気ポートに触媒を近づけることができ、触媒が前輪に干渉することもない。
本実施例の排気装置において、排気レゾネータが他方側の排気管の後方に位置している。この構成によれば、他方側の排気管の後方に排気レゾネータが隠れて外観性が向上される。また、ライダーと排気レゾネータの接触を回避して安全性が確保される。排気レゾネータが排気管に囲まれるため、外部の衝撃等から排気レゾネータを保護することができる。
なお、本実施例を説明したが、他の実施例として、上記実施例及び変形例を全体的又は部分的に組み合わせたものでもよい。
また、本発明の技術は上記の実施例に限定されるものではなく、技術的思想の趣旨を逸脱しない範囲において様々に変更、置換、変形されてもよい。さらには、技術の進歩又は派生する別技術によって、技術的思想を別の仕方で実現することができれば、その方法を用いて実施されてもよい。したがって、特許請求の範囲は、技術的思想の範囲内に含まれ得る全ての実施態様をカバーしている。
20 :エンジン
31L :排気ポート
31R :排気ポート
40 :排気装置
41L :排気管
41R :排気管
42 :排気レゾネータ
45 :一次触媒(触媒)
31L :排気ポート
31R :排気ポート
40 :排気装置
41L :排気管
41R :排気管
42 :排気レゾネータ
45 :一次触媒(触媒)
Claims (7)
- エンジンの排気ポートから排出された排気ガスを浄化する排気装置であって、
前記エンジンの排気ポートから排気ガスが流れ込む排気管と、
前記排気管の下流にて前記エンジンの前方に配置された触媒と、
前記触媒の上流にて前記排気管に接続された排気レゾネータと、を備えていることを特徴とする排気装置。 - 前記触媒は車両上下方向に延びる中心線よりも車幅方向の一方側に配置され、当該一方側で前記排気レゾネータが前記排気管に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の排気装置。
- 前記排気管は複数の排気管であり、
前記排気レゾネータが隣り合う排気管の間に配置されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の排気装置。 - 前記排気管は長さが異なる複数の排気管であり、
前記排気レゾネータが最も短い排気管に接続されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の排気装置。 - 前記排気管は、中心線を挟んで車幅方向の一方側及び他方側の排気管であり、
前記他方側の排気管が一方側に車幅方向に延びており、前記排気レゾネータが前記一方側の排気管から当該他方側の排気管に沿って他方側に延びていることを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の排気装置。 - 前記排気レゾネータが前記他方側の排気管の上方に位置し、正面視にて前記一方側の排気管から他方側の排気ポートまで延びていることを特徴とする請求項5に記載の排気装置。
- 前記排気レゾネータが前記他方側の排気管の後方に位置していることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の排気装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021085802A JP2022178770A (ja) | 2021-05-21 | 2021-05-21 | 排気装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021085802A JP2022178770A (ja) | 2021-05-21 | 2021-05-21 | 排気装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2022178770A true JP2022178770A (ja) | 2022-12-02 |
Family
ID=84239238
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2021085802A Pending JP2022178770A (ja) | 2021-05-21 | 2021-05-21 | 排気装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2022178770A (ja) |
-
2021
- 2021-05-21 JP JP2021085802A patent/JP2022178770A/ja active Pending
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Legal Events
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