JP2022178673A - ポンプ装置 - Google Patents

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Abstract

Figure 2022178673000001
【課題】軸方向におけるポンプ装置の長さを小さなものにできるとともに、ポンプ装置の信頼性の低下を抑制できるポンプ装置を提供する。
【解決手段】回転体は、ポンプ翼ユニットと、タービン翼ユニットと、を含み、タービン翼ユニットとポンプ翼ユニットとは別体で構成され、環状のディスク部がシュラウド壁部の外周面に固定されており、シュラウド壁部の内周側には、回転体の軸方向における一方側から他方側に向かって流れる液体が遠心ポンプ翼に流入する液体流路が形成され、ディスク部の外周側には、他方側から一方側に向かって流れる気体が軸流タービン翼を通過する気体流路が形成される。
【選択図】 図2

Description

本開示は、液体を送るためのポンプ装置に関する。
燃料ポンプなどの液体ポンプをタービンにより駆動するターボ機械が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、駆動軸の一方側に燃料ポンプが接続され、駆動軸の他方側にタービンが接続されたターボ機械であって、駆動軸の中央に発電機が取り付けられたターボ機械が開示されている。
特開2007-205353号公報
特許文献1に記載されたような、駆動軸の一方側に燃料ポンプが接続され、駆動軸の他方側にタービンが接続されたターボ機械は、その駆動軸の軸線方向の長さが大きなものになるため、その大型化や重量化を招く虞がある。このようなターボ機械は、発電機のような動力(駆動軸の回転力)を回収する装置、又は電動機のような動力(駆動軸の回転力)を付与する装置が駆動軸に取り付ける構成にした場合には、その駆動軸の軸線方向の長さが大きなものになるとともに、駆動軸に取り付けられる軸受やシールが多くなりやすい。
また、上記タービンの高温の作動流体により、駆動軸に取り付けられた軸受やシールが熱による劣化や性能低下を招く虞があり、駆動軸に取り付けられた軸受やシールを冷却するための冷却構造を設ける必要がある。このため、ターボ機械の大型化、重量化および部品点数が増加し、これによりターボ機械の信頼性が低下する虞がある。
上述した事情に鑑みて、本開示の少なくとも一実施形態の目的は、軸方向におけるポンプ装置の長さを小さなものにできるとともに、ポンプ装置の信頼性の低下を抑制できるポンプ装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本開示の少なくとも一実施形態に係るポンプ装置は、
回転体と、前記回転体を収容するケーシングと、を備えるポンプ装置であって、
前記回転体は、ポンプ翼ユニットと、タービン翼ユニットと、を含み、
前記ポンプ翼ユニットは、
ハブ部と、
前記ハブ部の外周面に前記回転体の周方向に間隔をあけて設けられた複数の遠心ポンプ翼と、
前記複数の遠心ポンプ翼の先端に接続するように前記周方向に沿って形成された環状のシュラウド壁部と、
を含み、
前記タービン翼ユニットは、
前記周方向に沿って形成された環状のディスク部と、
前記環状のディスク部の外周面に前記周方向に間隔を空けて設けられた複数の軸流タービン翼と、
を備え、
前記タービン翼ユニットと前記ポンプ翼ユニットとは別体で構成され、前記環状のディスク部が前記シュラウド壁部の外周面に固定されており、
前記シュラウド壁部の内周側には、前記回転体の軸方向における一方側から他方側に向かって流れる液体が前記遠心ポンプ翼に流入する液体流路が形成され、
前記ディスク部の外周側には、前記他方側から前記一方側に向かって流れる気体が前記軸流タービン翼を通過する気体流路が形成される。
本開示の少なくとも一実施形態によれば、軸方向におけるポンプ装置の長さを小さなものにできるとともに、ポンプ装置の信頼性の低下を抑制できるポンプ装置が提供される。
本開示の一実施形態にかかるポンプ装置1を備えるポンプシステム10における回転軸線LAに沿った断面を模式的に示す概略断面図である。 図1に示したポンプ装置1における回転軸線LAに沿った断面を拡大した概略断面図である。 図2におけるディスク部35近傍を拡大した概略断面図である。 軸方向視におけるディスク部35の貫通孔55の配置を示す図である。 図3に示したポンプ装置1の構成例を説明するための概略断面図である。 図5に示したシュラウド壁部34とディスク部35について、軸方向に直交する断面を模式的に示す概略断面図である。 軸方向視におけるキー溝94及びキー突起95の形状の一例を示す概略図である。 軸方向視におけるキー溝94及びキー突起95の形状の他の一例を示す概略図である。 軸方向視におけるキー溝94及びキー突起95の形状の他の一例を示す概略図である。 ディスク部35が貫通孔55を含まない場合について、ポンプ装置1の回転軸線LAに沿った断面の一部を示す概略断面図である。 貫通孔55を含まないディスク部35の軸方向視図である。
以下、添付図面を参照して本開示の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
(ポンプシステムの全体構成)
図1は、本開示の一実施形態にかかるポンプ装置1を備えるポンプシステム10における回転軸線LAに沿った断面を模式的に示す概略断面図である。図2は、図1に示したポンプ装置1における回転軸線LAに沿った断面を拡大した概略断面図である。
図1に示すように、ポンプシステム10は、少なくともポンプ装置1を備える。
例えば図1又は図2に示されるように、ポンプ装置1は、回転体25と、回転体25を収容するケーシング26とを備える。
回転体25は、回転シャフト2と、ポンプ翼ユニット28と、ポンプ翼ユニット28とは別体で構成されたタービン翼ユニット30と、を含む。ここで、「ポンプ翼ユニット28とタービン翼ユニット30とが別体で構成されている」とは、回転体25の組立前においてポンプ翼ユニット28とタービン翼ユニット30とが別部品として構成されていることを意味する。
ポンプ翼ユニット28は、回転シャフト2に設けられた環状のハブ部3と、ハブ部3の外周面31に周方向に間隔をあけて設けられた複数の遠心ポンプ翼4と、複数の遠心ポンプ翼4の先端41に接続するように回転体25の周方向に沿って形成された環状のシュラウド壁部34(シュラウド側板)と、を含む。また、タービン翼ユニット30は、環状のディスク部35(タービンディスク)と、環状のディスク部35の外周面51に回転体25の周方向に間隔を空けて設けられた複数の軸流タービン翼6と、を備える。ここで、タービン翼ユニット30は、環状のディスク部35がシュラウド壁部34の外周面36に固定されることでポンプ翼ユニット28に固定されている。
ハブ部3の外周面31は、回転体25の回転軸線LAに沿った断面において凹状に湾曲した凹湾曲面31Aを含む。凹湾曲面31Aは、回転体25の軸方向における一方側端(前方側端)32から軸方向における他方側端(後方側端)33に向かうにつれて回転軸線LAからの距離が大きくなるように構成されている。
以下では、回転体25の軸方向すなわち回転シャフト2の回転軸線LAの延在する方向を単に「軸方向」と記載し、回転体25の周方向すなわち回転シャフト2の周方向を単に「周方向」と記載し、回転体25の径方向すなわち回転シャフト2の径方向を単に「径方向」と記載する。
また、軸方向における凹湾曲面31Aの後方側端33に対して前方側端32が位置する上記一方側(図中右側)を前方側と定義し、軸方向における前方側とは反対側(上記他方側、図中左側)を後方側と定義する。
例えば図2に示されるように、シュラウド壁部34は、回転軸線LAに沿った断面において凸状に湾曲した凸湾曲面52Aを含む内周面52を有する。凸湾曲面52Aは、軸方向における前方側端521から後方側端522に向かうにつれて回転軸線LAからの距離が大きくなるように構成されている。遠心ポンプ翼4は、その基端がハブ部3の凹湾曲面31Aに設けられ、上記基端とは反対側に位置する先端41が、シュラウド壁部34の凸湾曲面52Aに接続している。シュラウド壁部34の凸湾曲面52Aは、ハブ部3の凹湾曲面31Aよりも径方向における外側に位置し、凹湾曲面31Aとの間に隙間を有して配置されている。
環状のディスク部35は、外周面51と、軸方向における前方側(上記一方側)を向く前方側側面78(一方側側面)と、軸方向における後方側(上記他方側)を向く後方側側面80(他方側側面)と、内周面60とを含む。図示する例示的形態では、ディスク部35における後述の気体流路13に面する外周部65の軸方向の厚さは、ディスク部35におけるシュラウド壁部34に嵌合する内周部66の軸方向の厚さよりも大きい。
ポンプ装置1は、シュラウド壁部34の凸湾曲面52Aとハブ部3の凹湾曲面31Aとにより形成された遠心流路11であって、軸方向に沿って導入された液体を径方向における外側に向かって流すための遠心流路11を有する。
また、シュラウド壁部34の内周側には、軸方向における一方側(前方側)から他方側(後方側)に向かって流れる液体が遠心ポンプ翼4に流入する液体流路12が形成され、ディスク部35の外周側には、上記他方側(後方側)から上記一方側(前方側)に向かって流れる気体が軸流タービン翼6を通過する気体流路13が形成されている。
図2に示されるように、液体流路12は、前方側から遠心流路11に繋がっている。液体流路12を後方側に向かって流れる液体は、遠心流路11に前方側から導入される。軸流タービン翼6は、後方側から前方側に向かって流れる気体が導入されて回転する。ポンプ翼ユニット28及びタービン翼ユニット30は、軸流タービン翼6の回転に伴い回転シャフト2とともに一体的に回転する。ポンプ翼ユニット28が回転することにより発生した吸引力により、液体を液体流路12から遠心流路11に吸い込んで昇圧させるようになっている。
ポンプ装置1は、軸流タービン翼6を含む軸流タービン10Aと、遠心ポンプ翼4を含む遠心ポンプ10Bと、を備えており、軸流タービン10Aと遠心ポンプ10Bとが径方向に一体化されている。
上記の構成によれば、ポンプ装置1は、複数の遠心ポンプ翼4の先端41に接続するように周方向に沿って形成された環状のシュラウド壁部34と、シュラウド壁部34の外周面36に固定された環状のディスク部35と、ディスク部35の外周面51に周方向に間隔を空けて設けられた複数の軸流タービン翼6と、を備える。このようなポンプ装置1は、軸流タービン10Aおよび遠心ポンプ10Bを径方向に一体化させることで、その軸方向における長さを小さくすることができ、ポンプ装置1のコンパクト化及び小型軽量化が図れる。
また、上記の構成によれば、ポンプ装置1は、シュラウド壁部34の内周側には、前方側から後方側に向かって流れる液体が遠心ポンプ翼4に流入する液体流路12が形成され、ディスク部35の外周側には、後方側から前方側に向かって流れる気体が軸流タービン翼6を通過する気体流路13が形成されている。この構成によれば、シュラウド壁部34、ディスク部35及び軸流タービン翼6は、液体流路12を流れて遠心ポンプ翼4を通過する液体により冷却されるため、その耐熱性を向上できる。また、気体流路13を流れる気体の熱は、液体流路12を流れて遠心ポンプ翼4を通過する液体により遮熱されるため、ディスク部35及びシュラウド壁部34を通じて、ハブ部3や回転シャフト2に伝達されるのを抑制できる。これにより、回転シャフト2に取り付けられた軸受やシールの熱による劣化や性能低下を抑制できる。したがって、ポンプ装置1は、回転シャフト2に取り付けられる軸受やシールを冷却するための冷却構造を不要化又は簡略化することができ、ポンプ装置1の大型化、重量化および部品点数の増加を抑制でき、ポンプ装置1の大型化、重量化および部品点数の増加に伴う信頼性の低下を抑制できる。
ここで、ポンプ装置1において、タービン翼ユニット30がポンプ翼ユニット28とは別体で構成されてディスク部35がシュラウド壁部34の外周面36に固定されていることの技術的意義について説明する。
仮に、ポンプ翼ユニット28とタービン翼ユニット30とを所謂3DプリンターによるAM造形(Additive Manufacturing)で一体的に製造した場合、軸流タービン翼6等の面粗度が大きい(粗い)ことや加工精度の低さに起因する性能低下が懸念される。また、AM造形は、ポーラスの発生や材料の不均一性が懸念されるため、材料試験を別途行うことで耐力・母材評価を実施する必要があり、当該評価に起因するコストや開発期間を要する。また、ポンプ翼ユニット28とタービン翼ユニット30とをAM造形で一体的に製造した場合、設計条件における回転体25の回転数がある程度高い場合、シュラウド壁部34とディスク部35との接続部近傍(ディスク部35の基端部近傍)に大きな遠心応力が発生するため、適切な強度を確保することが困難となりやすい。
これに対し、ポンプ装置1では、ポンプ翼ユニット28がタービン翼ユニット30とは別体で構成されてディスク部35がシュラウド壁部34の外周面36に固定されているため、ディスク部35とシュラウド壁部34とで遠心応力が切り離されて、シュラウド壁部34とディスク部35との境界近傍における遠心応力を低減することができる。これにより、回転体25の高速回転の条件下であっても回転体25の破損を抑制することができる。
また、部品(例えば、タービン翼ユニット30)を単体で機械加工(例えば切削加工、研削加工及び/又は研磨等)することが可能となるため、該部品の面粗度及び加工精度の改善により性能を向上することができる。例えばポンプ翼ユニット28をAM造形により一体的に製造し、高温の流体に晒されて強度条件の厳しいタービン翼ユニット30を精密鋳造及び機械加工により製造してもよい。また、ポンプ翼ユニット28を精密鋳造及び機械加工等により製造する場合には、ポンプ翼ユニット28に使用実績の多い金属材等を使用することが可能となるため、ポンプ装置1の強度面の信頼性を向上することができる。
また、ポンプ翼ユニット28とタービン翼ユニット30とで相互に異なる材料を使用することができるため、試験条件に応じて材料を部分的に変更することが可能となり、設計条件が厳しくない部分に安価な材料を使用することができ、コスト低減が可能となる。
例えば、タービン翼ユニット30の方がポンプ翼ユニット28よりも高温の流体に晒されるため、タービン翼ユニット30にポンプ翼ユニット28よりも耐熱性の高い材料を使用してもよい。
例えば、ポンプ翼ユニット28にはチタン又はアルミニウム合金等の材料を使用し、タービン翼ユニット30にはインコネル(登録商標)等のニッケル基超合金の材料を使用してもよい。
幾つかの実施形態では、上述したケーシング26は、例えば図1に示されるように、回転体25を収容する本体側ケーシング7と、本体側ケーシング7の前方側に締結される入口側ケーシング8と、をさらに備える。入口側ケーシング8の内部には、遠心ポンプ翼4に液体を導入するための液体導入路81と、液体導入路81の外周側に形成された気体排出路82であって軸流タービン翼6を通過した気体を排出するための気体排出路82と、が形成されている。
例えば図2に示すように、上述した液体流路12は、遠心流路11に繋がる本体側軸方向流路12Aと、本体側軸方向流路12Aに繋がる液体導入路81と、を含む。図示される実施形態では、シュラウド壁部34の内周面52は、上述した凸湾曲面52Aと、凸湾曲面52Aの前方側端521よりも前方側に形成された案内面52Bと、を含む。案内面52Bは、軸方向に沿って延在する本体側軸方向流路12Aを形成する。液体導入路81は、入口側ケーシング8の後方側の端面83の内周端から軸方向に沿って前方側に延在する入口側軸方向流路81Aを含む。図示する例示的な構成では、案内面52Bと入口側軸方向流路81Aの流路壁面810とが面一になるように本体側軸方向流路12Aと入口側軸方向流路81Aとが接続されている。
例えば図1に示すように、入口側ケーシング8には、液体導入路81に液体を導入するための液体導入孔85が形成されている。液体導入孔85は、入口側ケーシング8の液体導入路81を形成する内面811に形成された内側開口端851と、入口側ケーシング8の外周面86に形成された外側開口端852と、を有する。液体導入孔85は、気体排出路82とは回転シャフト2の周方向においてずれた位置に形成されている。外側開口端852から導入された液体は、入口側軸方向流路81Aおよび本体側軸方向流路12Aを後方側に向かって流れて、遠心ポンプ翼4に導かれる。
例えば図1に示すように、本体側ケーシング7の内部には、遠心ポンプ翼4を通過した液体を排出するための液体排出路71と、軸流タービン翼6に気体を導入するための気体導入路72と、が形成されている。本体側ケーシング7は、液体排出路71を形成する液体排出路形成部710と、気体導入路72を形成する気体導入路形成部720と、を含む。
液体排出路71は、上述した遠心流路11の外周側にスクロール状に形成されたスクロール流路71Aを含む。液体排出路71は、本体側ケーシング7の外周面73に形成された液体排出口74を有する。液体排出口74は、径方向における外側に向かって開口している。遠心ポンプ翼4を通過した液体は、液体排出路71を流れた後に、液体排出口74から本体側ケーシング7の外部に排出される。
上述した気体流路13は、気体導入路72と、気体排出路82と、を含む。不図示の気体導入口から導入された気体は、気体導入路72を流れた後に、軸流タービン翼6に導かれる。軸流タービン翼6を通過した気体は、気体排出路82を流れた後に、不図示の気体排出口から排出される。
図示される実施形態では、気体導入路72に軸流タービン10Aのノズル(静翼)14が設けられている。なお、軸流タービン10Aは、衝動タービン、反動タービン又は衝動反動タービンのうちの何れであってもよい。
図示される実施形態では、入口側ケーシング8は、後方側における外周面86から径方向における外側に突出するフランジ部87を含む。入口側ケーシング8は、フランジ部87を周方向に間隔を空けて設けられた複数の締結部材15(図示例では締結ボルト)により本体側ケーシング7の前方側の端部76に締結することで、本体側ケーシング7に締結されている。
上記の構成によれば、ポンプ装置1は、本体側ケーシング7および本体側ケーシング7の前方側に締結される入口側ケーシング8を備え、入口側ケーシング8の内部には、液体導入路81と、液体導入路81の外周側に形成された気体排出路82が形成されている。これにより、入口側ケーシング8の軸方向における長さを小さなものにでき、ひいてはポンプ装置1のコンパクト化や小型軽量化が図れる。
幾つかの実施形態では、例えば図2に示すように、シュラウド壁部34の外周面36は、環状のディスク部35の内周面60に嵌合する嵌合面61と、嵌合面61からディスク部35の後方側側面80に沿って径方向における外側に延在する段差面75と、を含む。
かかる構成によれば、嵌合面61をディスク部35の内周面60に嵌合させるとともにディスク部35の後方側側面80をシュラウド壁部34の段差面75に当接させることにより、径方向及び軸方向の各々におけるディスク部35の位置決め(タービン翼ユニット30の位置決め)をすることができる。
幾つかの実施形態では、例えば図2に示すように、回転体25は、シュラウド壁部34の外周面36に固定されたナット62(軸用ナット)を更に備える。ナット62は、シュラウド壁部34の外周面36における嵌合面61の前方側に形成されたネジ部63に螺合しており、環状のディスク部35の前方側側面78に当接するようにシュラウド壁部34の外周面36に固定されている。図1に示す構成では、入口側ケーシングにおける後方側の端面83には、液体流路12の外周側かつ気体排出路82の内周側に、ナットの少なくとも一部を収容するナット収容凹部64が形成されている。
かかる構成によれば、環状のディスク部35の前方側側面78に当接するようにシュラウド壁部34の外周面36のネジ部63にナット62が固定されているため、タービン翼ユニット30がポンプ翼ユニット28から軸方向に抜けることを防ぐ抜け止めとしてナット62が機能する。これにより、ポンプ翼ユニット28とタービン翼ユニット30とを別体で構成することによる上述の利益を享受しつつ、ポンプ装置1を安定的に運転することができる。
幾つかの実施形態では、上述したポンプ装置1において、上記気体および上記液体を設計流量としたときに、液体流路12を流れる液体の圧力をP1(ポンプ入口圧力)、遠心ポンプ翼4を通過した液体の圧力をP2(ポンプ出口圧力)、軸流タービン翼6の入口における気体の圧力をP3(ノズル14と軸流タービン翼6との間の圧力)とすると、P1<P3<P2を満たすように構成されている。
液体流路12を流れて遠心ポンプ翼4を通過する液体は、ポンプ装置1の駆動により遠心力が付与されて昇圧する。通常のポンプでは、ポンプ出口圧力P2とポンプ入口圧力P1との圧力差による上記液体の多量のリークが生じることになる。上記の構成によれば、ポンプ装置1における液体のリーク量は、ポンプ出口圧力P2とポンプ入口圧力P1との圧力差よりも圧力差が小さい、ポンプ出口圧力P2と翼間圧力P3と圧力差に応じた量になる。これにより、ポンプ装置1における液体のリーク量を、通常のポンプに比べて低減できる。
(ディスク部及びその周囲の詳細構成)
図3は、図2におけるディスク部35近傍を拡大した概略断面図である。
幾つかの実施形態では、例えば図3に示すように、上述したポンプ装置1において、環状のディスク部35の外周部65における前方側の端面53と、ケーシング26における端面53に対向する静止壁16との間には、前方側隙間(一方側隙間)17が形成されている。また、環状のディスク部35の外周部65における後方側の端面54と、ケーシング26における端面54に対向する静止壁18との間には、後方側隙間(他方側隙間)19が形成されている。環状のディスク部35には、ディスク部35を軸方向に沿って貫通する複数の貫通孔55が形成されている。複数の貫通孔55は、例えば図4に示すように、周方向に間隔を空けて配置されている。図3に示すように、貫通孔55の各々は、前方側隙間17又は前方側隙間17に繋がる前方側空間(一方側空間)20と、後方側隙間19又は後方側隙間19に繋がる後方側空間(他方側空間)21と、を連通している。
図示される実施形態では、環状のディスク部35の端面53は、軸流タービン翼6が取り付けられた外周面51の前方側端から径方向における内側に径方向に沿って延在している。静止壁16は、端面53に対向して配置される入口側ケーシング8の後方側の端面83からなる。図示される実施形態では、前方側隙間17は、入口側ケーシング8の端面83におけるナット収容凹部64よりも径方向の外側の部分88と端面53との間に形成されている。前方側隙間17は、気体流路13における軸流タービン翼6よりも前方側(下流側)、且つ気体排出路82よりも後方側(上流側)に繋がる。
前方側空間20は、前方側隙間17の内周側に形成された空間であり、環状のディスク部35と入口側ケーシング8との間に形成された空間である。前方側空間20は、その内周側に形成された液体流路12に繋がる。
図示される実施形態では、環状のディスク部35の端面54は、軸流タービン翼6が取り付けられた外周面51の後方端から径方向における内側に径方向に沿って延在している。静止壁18は、端面54に対向して配置される本体側ケーシング7の前方側の端面77からなる。すなわち、図示される実施形態では、後方側隙間19は、端面54と端面77との間に形成されている。後方側隙間19は、気体流路13におけるノズル14よりも前方側(下流側)、軸流タービン翼6よりも後方側(上流側)に繋がる。
シュラウド壁部34は、軸流タービン翼6が取り付けられたディスク部35の外周面51よりも後方側、且つ外周面51よりも径方向における内側に位置する後方側外周面56を有する。後方側外周面56は、上記段差面75よりも後方側且つ径方向における外側に位置する。後方側空間21は、後方側隙間19の内周側に形成された空間であり、後方側外周面56と後方側外周面56に対向する本体側ケーシング7の内周面79との間に形成される隙間22を通じて遠心流路11の出口に連通している。内周面79は、上記端面77における径方向の内側端から後方側に軸方向に沿って延在している。
貫通孔55は、ディスク部35の前方側に形成された前方側開口端551と、ディスク部35の後方側に形成された後方側開口端552と、を有する。図示される実施形態では、前方側開口端551は、ディスク部35の前方側側面78における端面53の内周側に連なる面58(ディスク部35の内周部66における前方側の面58)に形成され、後方側開口端552は、ディスク部35の後方側側面80における端面54の内周側に連なる面59(ディスク部35の内周部66における後方側の面59)に形成されている。前方側開口端551は、前方側空間20に繋がり、後方側開口端552は、後方側空間21に繋がる。なお、他の幾つかの実施形態では、前方側開口端551が端面53に形成されて前方側隙間17に繋がるようになっていてもよいし、後方側開口端552が端面54に形成されて後方側隙間19に繋がるようになっていてもよい。図示される実施形態では、貫通孔55は、前方側開口端551の中心と回転軸線LAとの距離が、後方側開口端552の中心と回転軸線LAとの距離と同じになっている。
また、上記貫通孔55を備えるポンプ装置1では、液体流路12を流れる液体の圧力をP1(ポンプ入口圧力)、遠心ポンプ翼4を通過した液体の圧力をP2(ポンプ出口圧力)、軸流タービン翼6の入口における気体の圧力をP3(ノズル14と軸流タービン翼6との間の圧力)、後方側隙間19の圧力をP4、気体排出路82における気体の圧力(タービン出口圧力)をP5、前方側空間20の圧力をP6とすると、P1<P2>P4=P5>P1を満たすようなポンプ装置1の設計条件において、P5>P6>P1を満たすようなP1とP5の中間圧力P6が得られる。
上記の構成によれば、遠心ポンプ翼4を通過する液体は、ポンプ装置1の駆動により遠心力が付与されて昇圧する。この昇圧した液体の一部は、上記隙間22を介して後方側隙間19や後方側空間21に流入する。後方側隙間19や後方側空間21に流入した液体(ポンプリーク液)の一部は、ポンプ装置1の駆動により貫通孔55を通過して前方側隙間17や前方側空間20に送られる。この液体により、軸流タービン翼6、環状のディスク部35、シュラウド壁部34の前方側の部分及びナット62を冷却できる。これにより、これらの部品に要求される耐熱性のレベルを下げることが可能となり、各種部品の材料コストを低減することができる。特に、ナット62を冷却することにより、ナット62の緩みや熱伸びを抑制することができるため、ポンプ装置1の信頼性を高めることができる。
また、上記の構成によれば、前方側隙間17や前方側空間20には、貫通孔55を通じて後方側隙間19や後方側空間21に存在する流体が流入するため、貫通孔55が形成されていない場合に比べて、前方側隙間17や前方側空間20の圧力を高められる。これにより、ポンプ装置1では、上記圧力P1~P6について、P1<P2>P4≒P5>P1を満たす設計条件において、P5>P6>P1を満たすようなP1とP5の中間圧力P6が前方側隙間17の圧力P6として得られるため、軸流タービン翼6を通過した気体が前方側隙間17や前方側空間20を通過して液体流路12に流入することを抑制できる。軸流タービン翼6を通過した気体の液体流路12への流入を抑制することで、液体流路12又は遠心流路11におけるキャビテーションの発生を抑制できる。
また、貫通孔55を設けることにより、ディスク部35における前後差圧を小さくすることができ、回転体25を回転可能に支持する不図示の軸受に作用するスラスト荷重を低減することができるため、ポンプ装置1の信頼性を高めることができる。
幾つかの実施形態では、例えば図3に示すように、貫通孔55におけるナット62側の開口端である前方側開口端551と回転体25の回転軸線LAとの距離d1は、ナット62の外周面93と回転体25の回転軸線LAとの距離の最大値d2よりも小さい。すなわち、軸方向視において、貫通孔55とナット62とが少なくとも部分的にオーバーラップしている。
かかる構成によれば、貫通孔55を通じて前方側空間20に流入した流体がナット62に沿って流れるため、ナット62を効果的に冷却することができる。これにより、ナット62の緩みや熱伸びを効果的に抑制することができる。
幾つかの実施形態では、例えば図3に示すように、ナット62における軸方向の後方側(上記他方側)を向く他方側端面89は、ディスク部35に当接する当接面90と、径方向における当接面90の外側端から軸方向における前方側に向かうにつれて径方向における外側に向かうように径方向に対して傾斜した斜め方向に延在する傾斜面91と、を含む。また、傾斜面91は、貫通孔55の軸線の延長線LB上に位置する部分92を含む。
かかる構成によれば、貫通孔55を通じて前方側空間20に流入した流体がナット62の傾斜面91に導かれてナット62の外周面93上を流れるため、ナット62を効果的に冷却することができる。これにより、ナット62の緩みや熱伸びを効果的に抑制することができる。
(キー及びキー溝)
図5は、図3に示したポンプ装置1の構成例を説明するための概略断面図である。図6は、図5に示したシュラウド壁部34とディスク部35について、軸方向に直交する断面を模式的に示す概略断面図である。
幾つかの実施形態では、例えば図5及び図6に示すように、ディスク部35の内周面60とシュラウド壁部34の外周面36のうち一方にはキー溝94が形成され、ディスク部35の内周面60とシュラウド壁部34の外周面36のうち他方には、キー溝94に係合するキー突起95が形成される。図示される実施形態では、シュラウド壁部34の外周面36にキー溝94が形成され、ディスク部35の内周面60にキー突起95が形成されている。キー溝94及びキー突起95の各々は、軸方向に沿って延設されている。
この場合、キー突起95及びキー溝94の形状は特に限定されず、例えば図7Aに示すように、ディスク部35の内周部66から周方向における両側に突出する一対の突起951をキー突起95が有していてもよいし、例えば図7Bに示すように、径方向における複数(図示する例では2つ)の位置においてディスク部35から周方向における両側に突出する突起951の対をキー突起95が有していてもよいし、例えば図7Cに示すように、径方向における3以上の位置においてディスク部35から周方向における両側に突出する突起951の対をキー突起95が有するようにキー突起95がツリー形状であってもよい。
かかる構成によれば、ディスク部35をシュラウド壁部34に対して周方向に位置決めすることができる。これにより、回転体25の回転中のシュラウド壁部34に対するディスク部35のすべりを抑制することともに、アンバランスを抑制して回転体25の回転を安定させることができる。なお、ここでの「アンバランス」とは、製造公差や組立時の誤差による同心度の誤差のことを意味しており、アンバランスが大きくなると回転中に重心が傾くため、軸振動が大きくなって回転体25とケーシング26とが接触するリスクが大きくなる。このため、上記のようにキー溝94が設けられている場合には、一度バランス作業で回転体25のバランスを修正しておけば、組立を実施した後に分解してもう一度組みなおす場合も同じ状態が再現できるため、アンバランスを抑制できる。
(回転力回収装置又は回転力付与装置)
幾つかの実施形態では、例えば図1に示すように、ポンプシステム10は、ポンプ装置1と、回転シャフト2の回転力を回収するように構成された回転力回収装置96、又は、回転シャフト2に回転力を付与するように構成された回転力付与装置98、の何れか一方と、を備える。回転力回収装置96又は回転力付与装置98は、回転シャフト2に取り付けられる。回転力回収装置96は例えば発電機であってもよく、回転力付与装置98は、例えば電動モータであってもよい。
かかる構成によれば、ポンプシステム10が回転力回収装置96を備える場合には回転シャフト2の回転力を回収することができ、ポンプシステム10が回転力付与装置98を備える場合には回転シャフト2の回転をアシストすることができる。
本開示は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
例えば、上述したタービン翼ユニット30のディスク部35には、周方向に間隔を空けて複数の貫通孔55が形成されていたが、ディスク部35の貫通孔55の数は限定されず、例えば1つであってもよいし、例えば図8及び図9に示すように、環状のディスク部35における内周面60よりも径方向外側には貫通孔が設けられていなくともよい。また、図5等に示したキー溝94及びキー突起95を備えるポンプ装置1においても、環状のディスク部35における内周面60よりも径方向外側には貫通孔が設けられていなくともよい。
また、例えば、図5及び図6に示される実施形態では、シュラウド壁部34の外周面36にキー溝94が形成され、ディスク部35の内周面60にキー突起95が形成された構成を例示したが、他の実施形態では、シュラウド壁部34の外周面36にキー突起が形成され、ディスク部35の内周面60にキー突起に係合するキー溝が形成されてもよい。
上述した実施形態ではナット62を備えたポンプ装置1を開示したが、ポンプ装置1にナット62は必須ではない。例えば、タービン翼ユニット30がポンプ翼ユニット28とは別体で構成されてディスク部35の内周面60とシュラウド壁部34の外周面36とが焼き嵌め又は圧入等により固定されていてもよい。
上記各実施形態に記載の内容は、例えば以下のように把握される。
(1)本開示の少なくとも一実施形態に係るポンプ装置は、
回転体(例えば上述の回転体25)と、前記回転体を収容するケーシング(例えば上述のケーシング26)と、を備えるポンプ装置であって、
前記回転体は、ポンプ翼ユニット(例えば上述のポンプ翼ユニット28)と、タービン翼ユニット(例えば上述のタービン翼ユニット30)とを含み、
前記ポンプ翼ユニットは、
ハブ部(例えば上述のハブ部3)と、
前記ハブ部の外周面に前記回転体の周方向に間隔をあけて設けられた複数の遠心ポンプ翼(例えば上述の遠心ポンプ翼4)と、
前記複数の遠心ポンプ翼の先端に接続するように前記周方向に沿って形成された環状のシュラウド壁部(例えば上述のシュラウド壁部34)と、
を含み、
前記タービン翼ユニットは、
前記周方向に沿って形成された環状のディスク部(例えば上述のディスク部35)と、
前記環状のディスク部の外周面に前記周方向に間隔を空けて設けられた複数の軸流タービン翼(例えば上述の軸流タービン翼6)と、
を備え、
前記タービン翼ユニットと前記ポンプ翼ユニットとは別体で構成され、前記環状のディスク部は前記シュラウド壁部の外周面に固定されており、
前記シュラウド壁部の内周側には、前記回転体の軸方向における一方側から他方側に向かって流れる液体が前記遠心ポンプ翼に流入する液体流路(例えば上述の液体流路12)が形成され、
前記ディスク部の外周側には、前記他方側から前記一方側に向かって流れる気体が前記軸流タービン翼を通過する気体流路(例えば上述の気体流路13)が形成される。
上記(1)に記載のポンプ装置によれば、ポンプ装置の回転体は、複数の遠心ポンプ翼の先端に接続するように周方向に沿って形成された環状のシュラウド壁部と、シュラウド壁部の外周面に固定された環状のディスク部と、ディスク部の外周面に周方向に間隔を空けて設けられた複数の軸流タービン翼と、を備えている。すなわち、このようなポンプ装置は、軸流タービンの回転体と遠心ポンプの回転体とが径方向に一体化されている。このため、ポンプ装置の軸方向における長さを小さくすることができ、ポンプ装置のコンパクト化及び小型軽量化が図れる。
また、上記(1)に記載のポンプ装置によれば、シュラウド壁部の内周側には、一方側から他方側に向かって流れる液体が遠心ポンプ翼に流入する液体流路が形成され、ディスク部の外周側には、上記他方側から上記一方側に向かって流れる気体が軸流タービン翼を通過する気体流路が形成されている。この構成によれば、シュラウド壁部、ディスク部及び軸流タービン翼は、液体流路を流れて遠心ポンプ翼を通過する液体により冷却されるため、その耐熱性を向上できる。また、気体流路を流れる気体の熱は、液体流路を流れて遠心ポンプ翼を通過する液体により遮熱されるため、ディスク部及びシュラウド壁部を通じて、ハブ部に伝達されるのを抑制できる。これにより、軸受やシールの熱による劣化や性能低下を抑制できる。したがって、ポンプ装置は、軸受やシールを冷却するための冷却構造を不要化又は簡略化することができ、ポンプ装置の大型化、重量化および部品点数の増加を抑制でき、ポンプ装置の大型化、重量化および部品点数の増加に伴う信頼性の低下を抑制できる。
また、仮に、ポンプ翼ユニットとタービン翼ユニットとを所謂3DプリンターによるAM造形(Additive Manufacturing)で一体的に製造した場合、軸流タービン翼等の面粗度が大きい(粗い)ことや加工精度の低さに起因する性能低下が懸念される。また、AM造形は、ポーラスの発生や材料の不均一性が懸念されるため、材料試験を別途行うことで耐力・母材評価を実施する必要があり、当該評価に起因するコストや開発期間を要する。また、ポンプ翼ユニットとタービン翼ユニットとをAM造形で一体的に製造した場合、設計条件における回転体の回転数がある程度高い場合、シュラウド壁部とディスク部との接続部近傍(ディスク部の基端部近傍)に大きな遠心応力が発生するため、適切な強度を確保することが困難となりやすい。
これに対し、上記(1)に記載のポンプ装置では、ポンプ翼ユニットがタービン翼ユニットとは別体で構成されてディスク部がシュラウド壁部の外周面に固定されているため、ディスク部とシュラウド壁部とで遠心応力が切り離されて、シュラウド壁部とディスク部との境界近傍における遠心応力を低減することができる。これにより、回転体の高速回転の条件下であっても回転体の破損を抑制することができる。
また、部品(例えば、軸流タービン翼及びディスク部)を単体で機械加工(例えば切削加工、研削加工及び/又は研磨等)することが可能となるため、該部品の面粗度及び加工精度の改善により性能を向上することができる。例えばポンプ翼ユニットをAM造形により一体的に製造し、高温の流体に晒されて強度条件の厳しいタービン翼ユニットを精密鋳造及び機械加工により製造してもよい。また、金属又は金属同等の材料強度で評価することが可能となり、ポンプ装置の信頼性を向上することができる。
また、ポンプ翼ユニットとタービン翼ユニットとで相互に異なる材料を使用することができるため、試験条件に応じて材料を部分的に変更することが可能となり、設計条件が厳しくない部分に安価な材料を使用することができ、コスト低減が可能となる。
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)に記載のポンプ装置において、
前記ディスク部は、前記外周面と、前記軸方向における前記一方側を向く一方側側面(例えば上述の前方側側面78)と、前記軸方向における他方側を向く他方側側面(例えば上述の後方側側面80)と、内周面(例えば上述の内周面60)とを含み、
前記シュラウド壁部の外周面は、前記ディスク部の内周面に嵌合する嵌合面(例えば上述の嵌合面61)と、前記嵌合面から前記ディスク部の前記他方側側面に沿って前記回転体の径方向における外側に延在する段差面(例えば上述の段差面75)と、を含む。
上記(2)に記載のポンプ装置によれば、嵌合面をディスク部の内周面に嵌合させるとともにディスク部の他方側側面をシュラウド壁部の段差面に当接させることにより、径方向及び軸方向の各々におけるディスク部の位置決め(タービン翼ユニットの位置決め)をすることができる。
(3)幾つかの実施形態では、上記(1)又は(2)に記載のポンプ装置において、
前記ディスク部は、前記外周面と、前記軸方向における前記一方側を向く一方側側面(例えば上述の前方側側面78)と、前記軸方向における他方側を向く他方側側面(例えば上述の後方側側面80)と、内周面(例えば上述の内周面60)とを含み、
前記回転体は、前記ディスク部の前記一方側側面に当接するように前記シュラウド壁部の外周面に固定されたナット(例えば上述のナット62)を更に備える。
上記(3)に記載のポンプ装置によれば、環状のディスク部の一方側側面に当接するようにシュラウド壁部の外周面にナットが固定されているため、タービン翼ユニットがポンプ翼ユニットから軸方向に抜けることを防ぐ抜け止めとしてナットが機能する。これにより、ポンプ翼ユニットとタービン翼ユニットとを別体で構成することによる上述の利益を享受しつつ、ポンプ装置を安定的に運転することができる。
(4)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(3)の何れかに記載のポンプ装置において、
前記ディスク部には、軸方向に貫通する少なくとも1つの貫通孔(例えば上述の貫通孔55)が形成される。
上記(4)に記載のポンプ装置によれば、遠心ポンプ翼を通過する液体は、ポンプ装置の駆動により遠心力が付与されて昇圧する。この昇圧した液体の一部は、ケーシングとシュラウド壁部との隙間を介してシュラウド壁部の外周側に流出し、ディスク部の貫通孔を通過してディスク部の上記一方側の空間に送られる。この液体により、軸流タービン翼、環状のディスク部、シュラウド壁部の上記一方側の部分及びナットを冷却できる。これにより、これらの部品に要求される耐熱性のレベルを下げることが可能となり、各種部品の材料コストを低減することができる。特に、ナットを冷却することにより、ナットの緩みや熱伸びを抑制することができるため、ポンプ装置の信頼性を高めることができる。
また、貫通孔を設けることにより、ディスク部における前後差圧を小さくすることができ、回転体を回転可能に支持する不図示の軸受に作用するスラスト荷重を低減することができるため、ポンプ装置の信頼性を高めることができる。
(5)幾つかの実施形態では、上記(3)に記載のポンプ装置において、
前記ディスク部には、軸方向に貫通する少なくとも1つの貫通孔(例えば上述の貫通孔55)が形成され、
前記貫通孔における前記ナット側の開口端と前記回転体の回転軸線との距離(例えば上述の距離d1)は、前記ナットの外周面と前記回転軸線との距離の最大値(例えば上述の最大値d2)よりも小さい。
上記(5)に記載のポンプ装置によれば、貫通孔を通過した流体がナットに沿って流れるため、ナットを効果的に冷却することができる。これにより、ナットの緩みや熱伸びを効果的に抑制することができる。
(6)幾つかの実施形態では、上記(5)に記載のポンプ装置において、
前記ナットにおける前記軸方向の他方側を向く他方側端面は、前記ディスクに当接する当接面(例えば上述の当接面90)と、前記回転体の径方向における前記当接面の外側端から前記軸方向における前記一方側に向かうにつれて前記径方向における外側に向かうように傾斜した斜め方向に延在する傾斜面(例えば上述の傾斜面91)と、を含み、
前記傾斜面は、前記貫通孔の軸線の延長線上に位置する部分(例えば上述の部分92)を含む。
上記(6)に記載のポンプ装置によれば、貫通孔を通過した流体がナットの傾斜面に導かれてナットの外周面上を流れるため、ナットを効果的に冷却することができる。これにより、ナットの緩みや熱伸びを効果的に抑制することができる。
(7)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(6)の何れかに記載のポンプ装置において、
前記ディスク部と前記シュラウド壁部のうち一方にはキー溝(例えば上述のキー溝94)が形成され、
前記ディスク部と前記シュラウド壁部のうち他方には、前記キー溝に係合するキー突起(例えば上述のキー突起95)が形成される。
上記(7)に記載のポンプ装置によれば、ディスク部をシュラウド壁部に対して周方向に位置決めすることができる。これにより、回転体の回転中のシュラウド壁部に対するディスク部のすべりを抑制することともに、アンバランスを抑制して回転体の回転を安定させることができる。
1 ポンプ装置
2 回転シャフト
3 ハブ部
4 遠心ポンプ翼
6 軸流タービン翼
7 本体側ケーシング
8 入口側ケーシング
10 ポンプシステム
10A 軸流タービン
10B 遠心ポンプ
11 遠心流路
12 液体流路
12A 本体側軸方向流路
13 気体流路
14 ノズル
15 締結部材
16,18 静止壁
17 前方側隙間
19 後方側隙間
20 前方側空間
21 後方側空間
22 隙間
25 回転体
26 ケーシング
28 ポンプ翼ユニット
30 タービン翼ユニット
31,36,51,73,86,93 外周面
31A 凹湾曲面
32,521 前方側端
33,522 後方側端
34 シュラウド壁部
35 ディスク部
41 先端
52,60,79 内周面
52A 凸湾曲面
52B 案内面
53,54,77 端面
55 貫通孔
56 後方側外周面
58,59 面
61 嵌合面
62 ナット
63 ネジ部
64 ナット収容凹部
65 外周部
66 内周部
71 液体排出路
71A スクロール流路
72 気体導入路
74 液体排出口
75 段差面
76 端部
78 前方側側面
80 後方側側面
81 液体導入路
81A 入口側軸方向流路
82 気体排出路
83 端面
84 出口開口端
85 液体導入孔
86 外周面
87 フランジ部
88,92 部分
89 他方側端面
90 当接面
91 傾斜面
94 キー溝
95 キー突起
96 回転力回収装置
98 回転力付与装置
551 前方側開口端
552 後方側開口端
710 液体排出路形成部
720 気体導入路形成部
811 内面
851 内側開口端
852 外側開口端
951 突起
LA 回転軸線

Claims (7)

  1. 回転体と、前記回転体を収容するケーシングと、を備えるポンプ装置であって、
    前記回転体は、ポンプ翼ユニットと、タービン翼ユニットと、を含み、
    前記ポンプ翼ユニットは、
    ハブ部と、
    前記ハブ部の外周面に前記回転体の周方向に間隔をあけて設けられた複数の遠心ポンプ翼と、
    前記複数の遠心ポンプ翼の先端に接続するように前記周方向に沿って形成された環状のシュラウド壁部と、
    を含み、
    前記タービン翼ユニットは、
    前記周方向に沿って形成された環状のディスク部と、
    前記環状のディスク部の外周面に前記周方向に間隔を空けて設けられた複数の軸流タービン翼と、
    を備え、
    前記タービン翼ユニットと前記ポンプ翼ユニットとは別体で構成され、前記環状のディスク部が前記シュラウド壁部の外周面に固定されており、
    前記シュラウド壁部の内周側には、前記回転体の軸方向における一方側から他方側に向かって流れる液体が前記遠心ポンプ翼に流入する液体流路が形成され、
    前記ディスク部の外周側には、前記他方側から前記一方側に向かって流れる気体が前記軸流タービン翼を通過する気体流路が形成された、ポンプ装置。
  2. 前記ディスク部は、前記外周面と、前記軸方向における前記一方側を向く一方側側面と、前記軸方向における他方側を向く他方側側面と、内周面とを含み、
    前記シュラウド壁部の外周面は、前記ディスク部の内周面に嵌合する嵌合面と、前記嵌合面から前記ディスク部の前記他方側側面に沿って前記回転体の径方向における外側に延在する段差面と、を含む、請求項1に記載のポンプ装置。
  3. 前記ディスク部は、前記外周面と、前記軸方向における前記一方側を向く一方側側面と、前記軸方向における他方側を向く他方側側面と、内周面とを含み、
    前記回転体は、前記ディスク部の前記一方側側面に当接するように前記シュラウド壁部の外周面に固定されたナットを更に備える、請求項1又は2に記載のポンプ装置。
  4. 前記ディスク部には、前記軸方向に貫通する少なくとも1つの貫通孔が形成された、請求項1乃至3の何れか1項に記載のポンプ装置。
  5. 前記ディスク部には、前記軸方向に貫通する少なくとも1つの貫通孔が形成され、
    前記貫通孔における前記ナット側の開口端と前記回転体の回転軸線との距離は、前記ナットの外周面と前記回転軸線との距離の最大値よりも小さい、請求項3に記載のポンプ装置。
  6. 前記ナットにおける前記軸方向の他方側を向く他方側端面は、前記ディスク部に当接する当接面と、前記回転体の径方向における前記当接面の外側端から前記軸方向における前記一方側に向かうにつれて前記径方向における外側に向かうように傾斜した斜め方向に延在する傾斜面と、を含み、
    前記傾斜面は、前記貫通孔の軸線の延長線上に位置する部分を含む、請求項5に記載のポンプ装置。
  7. 前記ディスク部と前記シュラウド壁部のうち一方にはキー溝が形成され、
    前記ディスク部と前記シュラウド壁部のうち他方には、前記キー溝に係合するキー突起が形成された、請求項1乃至6の何れか1項に記載のポンプ装置。
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