JP2022178394A - 電源システム及びその制御方法 - Google Patents

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勇治 志塚
Yuji Shizuka
光泰 井野
Mitsuyasu Ino
英之 藤田
Hideyuki Fujita
学 長谷部
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Abstract

【課題】正常に動作する他の電圧変換器から、異常状態の電気回路又は電圧変換器を切り離すことにより、他の電圧変換器を適切に保護することが可能な電源システム及びその制御方法を提供する。【解決手段】電源システム10では、複数の電圧変換器24a~24dの入力側34に複数のバッテリ12a~12dが接続される。複数の電圧変換器24a~24dの出力側36は、互いに並列接続される。電源システム10及びその制御方法では、複数の電圧変換器24a~24dの出力側36の並列接続位置39よりも電圧変換器24a~24d側での電気回路51の異常か又は電圧変換器24a~24dの異常を取得する。【選択図】図1

Description

本発明は、複数の電圧変換器を互いに並列接続した電源システム、及び、該電源システムの制御方法に関する。
特許文献1には、複数の電圧変換部を備える電源システムが開示されている。複数の電圧変換器の各々の入力側には、蓄電部が接続される。複数の電圧変換器の出力側は、互いに並列に接続される。複数の電圧変換器の各々は、スイッチング素子を有する。スイッチング素子は、外部から供給されるパルス信号によってオン又はオフする。この場合、パルス信号のデューティが変化することで、電圧変換器の変圧率が変化する。これにより、複数の電圧変換器の各々は、蓄電部の電圧を変圧率に応じた所望の電圧に変換できる。
国際公開第2020/054828号
しかしながら、電圧変換器側の電気回路の異常、又は、電圧変換器の異常があると、電圧変換器は、蓄電部の電圧を変換できない場合がある。具体的に、断線等によってスイッチング素子へのパルス信号の供給が途切れている場合、スイッチング素子をオン又はオフできない。スイッチング素子に異常がある場合でも、スイッチング素子をオン又はオフできない。さらに、電圧変換器の入力側又は出力側の電気回路に異常がある場合には、蓄電部の電圧を変換できないか、又は、変換した電圧を出力できない。このような異常状態の電気回路又は電圧変換器は、正常に動作する他の電圧変換器から電気的に切り離す必要がある。
本発明は、上述した課題を解決することを目的とする。
本発明の第1の態様は、放電可能な複数の蓄電部と、入力側が複数の前記蓄電部に接続されると共に出力側が互いに並列接続され、前記入力側に接続される複数の前記蓄電部の電圧を変換し、変換した前記電圧を前記出力側に出力する複数の電圧変換器とを備える電源システムに関する。前記電源システムは、複数の前記電圧変換器の前記出力側の並列接続位置よりも前記電圧変換器側での電気回路の異常、又は、前記電圧変換器の異常を取得する取得部を備える。
本発明の第2の態様は、放電可能な複数の蓄電部を複数の電圧変換器の入力側に接続し、複数の前記電圧変換器の出力側を互いに並列接続した電源システムの制御方法に関する。前記制御方法では、先ず、複数の前記電圧変換器の前記出力側の並列接続位置よりも前記電圧変換器側での電気回路の異常、又は、前記電圧変換器の異常を取得する。次に、前記電気回路に配置され又は前記電圧変換器内に配置された断続部を遮断状態に切り替える。
本発明によれば、正常に動作する他の電圧変換器から、異常状態の電気回路又は電圧変換器を切り離すことができる。これにより、他の電圧変換器を適切に保護できる。
本実施形態に係る電源システムの回路構成図である。 図1の電圧変換器の回路構成図である。 図2の断続部の回路構成図である。 ゲート信号のタイミングチャートである。 第1変形例の回路構成図である。 第2変形例の回路構成図である。
本実施形態に係る電源システム10は、図1に示すように、複数のバッテリ12a~12d(蓄電部)と、均等化ユニット14と、制御装置16と、モータジェネレータECU(MG-ECU)18と、パワードライブユニット(PDU)20とを有する。図1では、4個のバッテリ12a~12dが配置される場合を図示する。以下、4個のバッテリ12a~12dを、第1~第4バッテリ12a~12dともいう。電源システム10では、少なくとも2個のバッテリが配置されていればよい。電源システム10は、例えば、二輪車又は四輪車等の電動車両22の電源システムに適用される。
複数のバッテリ12a~12dは、充放電可能である。複数のバッテリ12a~12dは、不図示のバッテリパックにそれぞれ収容される。バッテリパックは、電源システム10に対して着脱可能である。バッテリパックは、バッテリ12a~12dを監視するバッテリマネジメントシステム(BMU)を有する。
本実施形態では、少なくとも1つのバッテリパックが電源システム10に対して着脱可能であればよい。各バッテリパック、均等化ユニット14、制御装置16、MG-ECU18及びPDU20は、CAN(Controller Area Network)を構成する不図示の通信線等を介して、信号又は情報の送受信が可能である。
均等化ユニット14は、複数の電圧変換器24a~24dと、複数の電流計測器26a~26dと、複数の入力側電圧計測器28a~28dと、出力側電圧計測器30と、複数の温度センサ32とを有する。
複数の電圧変換器24a~24dの各々は、例えば、1次側である入力側34と2次側である出力側36とを有するDC/DCコンバータである。複数の電圧変換器24a~24dは、それぞれ、入力側34に接続されるバッテリ12a~12dの電圧を任意の変圧率Trで変換する。変換された電圧は、出力電圧V0として出力側36に出力される。以下、バッテリ12a~12dの電圧をバッテリ電圧V1~V4ともいう。変圧率Trには、昇圧率Truと降圧率Trdとがある。
均等化ユニット14内には、第1~第4バッテリ12a~12dに対応して、4個の電圧変換器24a~24dが配置される。以下、4個の電圧変換器24a~24dを、第1~第4電圧変換器24a~24dともいう。以下の説明では、第1~第4電圧変換器24a~24dが任意の降圧率Tr1~Tr4でバッテリ電圧V1~V4を降圧する場合を説明する。従って、降圧されたバッテリ電圧V1~V4は、出力電圧V0として出力側36に出力される。
第1~第4電圧変換器24a~24dの入力側34は、バッテリ12a~12dにそれぞれ接続される。すなわち、第1~第4バッテリ12a~12dの正極端子は、第1~第4電圧変換器24a~24dの入力側34の正極端子38pに接続される。第1~第4バッテリ12a~12dの負極端子は、第1~第4電圧変換器24a~24dの入力側34の負極端子38mに接続される。
第1~第4電圧変換器24a~24dの出力側36は、並列接続位置39で互いに並列接続される。これにより、第1~第4電圧変換器24a~24dは、PDU20に対して並列に接続される。この場合、第1~第4電圧変換器24a~24dの出力側36の正極端子40pは、PDU20の正極端子に接続される。第1~第4電圧変換器24a~24dの出力側36の負極端子40mは、PDU20の負極端子に接続される。
複数の入力側電圧計測器28a~28dは、第1~第4電圧変換器24a~24dの入力側34に接続された電圧センサである。すなわち、複数の入力側電圧計測器28a~28dの正極端子は、第1~第4電圧変換器24a~24dの入力側34の正極端子38pに接続される。複数の入力側電圧計測器28a~28dの負極端子は、第1~第4電圧変換器24a~24dの入力側34の負極端子38mに接続される。以下の説明では、均等化ユニット14内の4個の入力側電圧計測器28a~28dを、第1~第4電圧計測器28a~28dともいう。
複数の電流計測器26a~26dは、第1~第4電圧変換器24a~24dの入力側34で、第1~第4電圧計測器28a~28dの正極端子と第1~第4電圧変換器24a~24dの正極端子38pとの間に接続された電流センサである。以下の説明では、均等化ユニット14内の4個の電流計測器26a~26dを、第1~第4電流計測器26a~26dともいう。
出力側電圧計測器30は、第1~第4電圧変換器24a~24dの出力側36で、PDU20の正極端子と負極端子との間に接続された電圧センサである。
複数の温度センサ32は、それぞれ、第1~第4電圧変換器24a~24dが有するスイッチング素子42H、42L(図2参照)の温度を検出する。図1では、2個の温度センサ32を設けた場合を図示する。
PDU20は、三相ブリッジ型のインバータを有する。PDU20の入力側には、第1~第4電圧変換器24a~24dが並列に接続される。PDU20の出力側には、三相交流のモータ44が電気的に接続される。モータ44は、電源システム10の負荷である。
力行時には、第1~第4バッテリ12a~12dから第1~第4電圧変換器24a~24dを介してPDU20に直流電力が供給される。PDU20は、直流電力を三相の交流電力に変換してモータ44に供給する。これにより、電動車両22は、モータ44の駆動によって走行する。
回生時には、PDU20は、モータ44が発電した交流電力を直流電力に変換する。これにより、PDU20は、第1~第4電圧変換器24a~24dを介して第1~第4バッテリ12a~12dを充電する。
MG-ECU18は、PDU20及びモータ44を制御するためのECU(電子制御装置)である。MG-ECU18は、制御装置16及びPDU20との間で信号又は情報の送受信が可能である。
すなわち、MG-ECU18は、制御信号をPDU20に供給する。制御信号は、モータ44のトルクの指令値を示す信号である。これにより、PDU20のインバータが有するスイッチング素子は、制御信号の供給によって動作する。一方、PDU20は、PDU20の状態等をMG-ECU18に送信する。モータ44は、該モータ44の状態等をMG-ECU18に送信する。MG-ECU18は、PDU20及びモータ44から送信された情報等に基づいて、モータ44の要求出力を算出する。算出された要求出力は、制御装置16に送信される。
制御装置16は、均等化ユニット14を制御するためのECUである。制御装置16は、異常判断部45(第1検出部)、制御部46、指令部48及びテーブル50を有する。
異常判断部45は、制御装置16からスイッチング素子42H、42Lに供給される制御信号としてのゲート信号を、均等化ユニット14から取得する。異常判断部45は、取得したゲート信号に基づいて、電圧変換器24a~24dに関わる異常の有無を判断する。この場合、当該異常には、均等化ユニット14における並列接続位置39よりも電圧変換器24a~24d側での電気回路51の異常と、電圧変換器24a~24dの異常とがある。異常の有無の判断手法については後述する。
なお、電気回路51とは、均等化ユニット14内において、該均等化ユニット14でのバッテリ12a~12dとの接続箇所と、並列接続位置39との間の電気的な構成要素をいう。このような構成要素としては、電圧変換器24a~24dの入力側34及び出力側36の配線と、電圧変換器24a~24d内のスイッチング素子42H、42L等の回路素子及び配線とがある。電気回路51の異常とは、配線の断線等のように、電気回路51が正常な機能を奏しない状況をいう。電圧変換器24a~24dの異常とは、電圧変換器24a~24dが正常な電圧変換動作を行えない状況をいう。
第1~第4電圧計測器28a~28dは、バッテリ電圧V1~V4をそれぞれ計測する。第1~第4電流計測器26a~26dは、第1~第4電流I1~I4をそれぞれ計測する。出力側電圧計測器30は、出力電圧V0を計測する。複数の温度センサ32は、第1~第4電圧変換器24a~24dの温度をそれぞれ計測する。制御部46は、第1~第4電圧計測器28a~28d、第1~第4電流計測器26a~26d、及び、第1~第4電流I1~I4の各計測結果と、異常判断部45の判断結果とを取得する。
制御部46は、MG-ECU18からの要求出力と、テーブル50に格納された入力側34を流れる電流の目標値とに基づいて、変圧率Tr等を算出する。制御部46は、異常判断部45の判断結果が電気回路51又は電圧変換器24a~24dの異常を示す判断結果である場合、当該電気回路51に関わる電圧変換器24a~24d、又は、異常状態の電圧変換器24a~24dの動作を停止させることを決定する。
指令部48は、制御部46が算出した変圧率Trに基づく制御信号であるゲート信号を、均等化ユニット14に出力する。ゲート信号は、変圧率Trに応じたデューティを有するパルス信号である。デューティを変更することで、変圧率Trが変化する。指令部48は、電圧変換器24a~24dの動作停止を制御部46が決定した場合、当該電圧変換器24a~24dの動作停止を均等化ユニット14に指示する。
次に、第1~第4電圧変換器24a~24dの構成例について、図2を参照しながら説明する。第1~第4電圧変換器24a~24dは、例えば、降圧型又は昇降圧型のDC/DCコンバータである。DC/DCコンバータの構成及び動作は、周知である。ここでは、第1~第4電圧変換器24a~24dの各構成要素の接続関係について簡単に説明する。
入力側34の正極端子38pと負極端子38mとの間には、コンデンサ52が接続される。コンデンサ52には、下記の2組の回路が並列接続される。すなわち、コンデンサ52には、直列接続された2つのスイッチング素子42H、42Lが並列に接続される。2つのスイッチング素子42H、42Lの中点位置には、コイル54の一端が接続される。この場合、2つのスイッチング素子42H、42Lとコイル54とで1組の回路が構成される。コンデンサ52には、2組の回路が並列接続される。
各回路において、一方のスイッチング素子42Hは、コンデンサ52の正極端子38p側に接続されるハイサイドのスイッチング素子である。他方のスイッチング素子42Lは、コンデンサ52の負極端子38m側と出力側36の負極端子40mとに接続されるローサイドのスイッチング素子である。コイル54の他端は、出力側36の正極端子40pに接続される。出力側36の正極端子40pと負極端子40mとの間には、コンデンサ56が接続される。
各スイッチング素子42H、42Lは、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)58と、ツェナダイオード60とを有する。MOSFET58とツェナダイオード60とは、並列に接続される。ツェナダイオード60は、寄生ダイオードである。
各スイッチング素子42H、42Lのゲート端子62は、ゲート信号供給線64と監視線66とに接続される。ゲート信号供給線64は、指令部48からのゲート信号をゲート端子62に供給する。前述のように、各スイッチング素子42H、42Lは、MOSFETである。そのため、ゲート信号は、変圧率Trに応じたデューティを有する電圧パルス信号である。
監視線66の一端は、ゲート信号供給線64とゲート端子62との接続箇所に接続される。監視線66の他端は、異常判断部45(図1参照)に接続される。従って、監視線66は、ゲート端子62から異常判断部45にまで延びている。監視線66は、ゲート端子62に供給されるゲート信号を異常判断部45に出力する。監視線66及び異常判断部45は、後述する取得部67を構成する。図1では煩雑さを避けるため、ゲート信号供給線64及び監視線66の図示を省略している。
上記各回路において、2つのスイッチング素子42H、42Lの中点位置には、断続部68が配置される。図2には、中点位置におけるスイッチング素子42H寄りの箇所に断続部68を配置した場合を図示する。なお、断続部68は、中点位置におけるスイッチング素子42L寄りの箇所に配置されてもよい。
断続部68には、指令部48からの制御信号を供給するための信号供給線70が接続される。断続部68は、制御信号の供給に基づき遮断状態又は接続状態に切り替わる。断続部68が接続状態の場合、スイッチング素子42Hとスイッチング素子42Lとが電気的に接続される。これにより、第1~第4電圧変換器24a~24dは、電圧変換動作が可能となる。一方、断続部68が遮断状態の場合、スイッチング素子42Hとスイッチング素子42Lとが電気的に遮断される。これにより、第1~第4電圧変換器24a~24dの電圧変換動作は不能となる。
図3は、断続部68の回路構成を示す。断続部68は、スイッチング素子72、2つのダイオード74、76及び2つのコンデンサ78、80を有する。断続部68は、信号供給端子82、高電位側端子84及び低電位側端子86をさらに有する。信号供給端子82は、信号供給線70(図2参照)に接続される。高電位側端子84は、スイッチング素子42Hに接続される。低電位側端子86は、スイッチング素子42Lに接続される。
スイッチング素子72は、MOSFETである。この場合、ダイオード76のアノードは、信号供給端子82に接続される。ダイオード76のカソードは、コンデンサ80を介して、スイッチング素子72のゲート端子に接続される。ゲート端子には、信号供給線70から信号供給端子82、ダイオード76及びコンデンサ80を介して、制御信号が供給される。制御信号は、電圧信号である。スイッチング素子72は、電圧信号の供給によってオン又はオフする。
スイッチング素子72のゲート端子とドレイン端子との間には、コンデンサ78が接続される。スイッチング素子72のゲート端子とソース端子との間には、ダイオード74が接続される。ダイオード74のアノードは、スイッチング素子72のソース端子に接続される。ダイオード74のカソードは、スイッチング素子72のゲート端子に接続される。
各ダイオード74、76は、逆流防止ダイオードである。また、コンデンサ78の静電容量を変化させることで、スイッチング素子24のスイッチング速度を調整できる。コンデンサ80は、カップリングコンデンサである。
ここで、指令部48(図1参照)は、信号供給線70、信号供給端子82、ダイオード76及びコンデンサ80を介してスイッチング素子72のゲート端子にハイレベルの電圧信号を供給する。これにより、スイッチング素子72はオンとなる。この結果、2つのスイッチング素子42H、42Lは、電気的に接続される。すなわち、断続部68は、2つのスイッチング素子42H、42Lを電気的に接続する接続状態に切り替わる。
指令部48は、信号供給線70、信号供給端子82、ダイオード76及びコンデンサ80を介してスイッチング素子72のゲート端子にローレベルの電圧信号を供給する。これにより、スイッチング素子72はオフとなる。この結果、2つのスイッチング素子42H、42Lは、電気的に遮断される。すなわち、断続部68は、2つのスイッチング素子42H、42Lを電気的に遮断する遮断状態に切り替わる。
次に、本実施形態に係る電源システム10の動作について、図4を参照しながら説明する。ここでは、図1~図3も参照しながら説明する。この動作説明では、電源システム10の動作中、電気回路51の異常、又は、電圧変換器24a~24dの異常を、取得部67が取得する場合について説明する。
指令部48は、制御部46による制御に基づき、信号供給線70を介して断続部68にハイレベルの電圧信号を供給する。これにより、断続部68のスイッチング素子72はオンとなる。この結果、断続部68は、接続状態に切り替わる。2つのスイッチング素子42H、42Lは、断続部68を介して電気的に接続される。
次に、指令部48は、制御部46による制御に基づき、ゲート信号供給線64を介して、スイッチング素子42H、42Lのゲート端子62にゲート信号を供給する。これにより、スイッチング素子42H、42Lは、供給されたゲート信号のデューティに応じてオン又はオフする。この結果、電圧変換器24a~24dは、該デューティに応じた変圧率Trで、入力側34のバッテリ電圧V1~V4を変換する。変換された電圧は、出力側36に出力される。
この場合、取得部67の監視線66は、ゲート端子62に供給されるゲート信号を異常判断部45に出力する。取得部67の異常判断部45は、監視線66を介してゲート信号を取得する。異常判断部45は、取得したゲート信号に基づいて、電気回路51又は電圧変換器24a~24dの異常の有無を判断する。異常判断部45は、異常の有無の判断結果を制御部46に出力する。
図4は、監視線66(図2参照)から異常判断部45(図1参照)に入力されるゲート信号のタイミングチャートである。異常判断部45は、時点t1でゲート信号の入力が途絶した場合、途絶した状態が一定時間T継続するかどうかを判断する。その後、時点t1から一定時間T経過した時点t2において、ゲート信号の入力が途絶している場合、異常判断部45は、電気回路51又は電圧変換器24a~24dに何らかの異常が発生したと判断する。
均等化ユニット14には、4個の電圧変換器24a~24dが配置される。そのため、4個の電圧変換器24a~24dの各々と異常判断部45との間に監視線66が接続される。従って、異常判断部45は、4個の電圧変換器24a~24d及び電気回路51の各々について、異常の有無を判断する。
ゲート信号の入力が継続する場合、又は、ゲート信号の入力が途絶しても一定時間T経過前にゲート信号の入力が再開した場合、異常判断部45は、電気回路51又は電圧変換器24a~24dが正常であると判断する。
異常判断部45は、監視線66を介して入力されるゲート信号と、指令部48から均等化ユニット14に送信されるゲート信号とを比較してもよい。これにより、電気回路51又は電圧変換器24a~24dの異常の有無を正確に判断できる。
制御部46は、異常判断部45の判断結果に基づき、断続部68の接続状態を維持するか、又は、遮断状態に切り替えるかを決定する。制御部46は、決定した結果を指令部48に通知する。ここで、電気回路51又は電圧変換器24a~24dの異常を示す判断結果である場合、制御部46は、断続部68を遮断状態に切り替えることを決定する。電気回路51又は電圧変換器24a~24dが正常であることを示す判断結果である場合、制御部46は、断続部68を接続状態に維持することを決定する。
断続部68を遮断状態に切り替える旨の決定が通知された場合、指令部48は、信号供給線70を介して断続部68にローレベルの電圧信号を供給する。これにより、スイッチング素子72はオフとなる。この結果、断続部68は、遮断状態に切り替わる。そのため、2つのスイッチング素子42H、42Lの電気的な接続は遮断される。従って、異常と判断された電気回路51に関わる電圧変換器24a~24d、又は、異常と判断された電圧変換器24a~24dは、電圧変換動作が不能となる。この結果、当該電圧変換器24a~24dは、正常に動作する他の電圧変換器24a~24dから電気的に切り離される。
一方、断続部68の接続状態を維持する旨の決定が通知された場合、指令部48は、信号供給線70を介した断続部68へのハイレベルの電圧信号の供給を継続する。これにより、断続部68は、接続状態を維持する。この結果、電圧変換器24a~24dは、電圧変換動作を継続して行える。
図5は、本実施形態に係る電源システム10の第1変形例を示す。図1~図3中の構成要素と同じ構成要素については、同じ参照符号を付けて詳細な説明を省略する。第1変形例において、取得部67の異常判断部45は、電圧変換器24a~24dの出力側36を流れる電流に基づいて、電気回路51の異常の有無を判断する。
第1変形例において、2つのコイル54の各々には、電流計測器90(第2検出部)が直列に接続される。各電流計測器90は、コイル54を流れる電流を逐次検出する。各電流計測器90の検出結果は、監視線66を介して異常判断部45に逐次出力される。従って、第1変形例では、取得部67が各電流計測器90、監視線66及び異常判断部45を有する。
出力側36の正極端子40pと、2つのコイル54の他端側の接続点との間には、2つの断続部68a、68bが直列に接続される。
一方の断続部68a(第1一方向断続部)は、MOSFET92aとダイオード94aとを有する。MOSFET92aとダイオード94aとは、並列に接続される。
MOSFET92aは、指令部48から信号供給線70aを介してゲート端子に供給される電圧信号によってオン又はオフする。この場合、ゲート端子にハイレベルの電圧信号が供給されると、MOSFET92aがオンとなる。これにより、断続部68aは、接続状態となる。この結果、各コイル54と他方の断続部68bとは、電気的に接続される。一方、ゲート端子にローレベルの電圧信号が供給されると、MOSFET92aがオフとなる。これにより、断続部68aは、遮断状態となる。この結果、各コイル54と他方の断続部68bとは、電気的に遮断される。
ダイオード94aは、各コイル54から正極端子40pへの電流の流れを許容する。ダイオード94aは、正極端子40pから各コイル54への電流の流れを阻害する。従って、断続部68aは、電圧変換器24a~24dから並列接続位置39への電流の流れを許容する。断続部68aは、並列接続位置39から電圧変換器24a~24dへの電流の流れを阻害する。
他方の断続部68b(第2一方向断続部)は、MOSFET92bとダイオード94bとを有する。MOSFET92bとダイオード94bとは、並列に接続される。
MOSFET92bは、指令部48から信号供給線70bを介してゲート端子に供給される電圧信号によってオン又はオフする。この場合、ゲート端子にハイレベルの電圧信号が供給されると、MOSFET92bがオンとなる。これにより、断続部68bは、接続状態となる。この結果、一方の断続部68aと正極端子40pとは、電気的に接続される。一方、ゲート端子にローレベルの電圧信号が供給されると、MOSFET92bがオフとなる。これにより、断続部68bは、遮断状態となる。この結果、一方の断続部68aと正極端子40pとは、電気的に遮断される。
ダイオード94bは、正極端子40pから一方の断続部68aへの電流の流れを許容する。ダイオード94bは、一方の断続部68aから正極端子40pへの電流の流れを阻害する。従って、断続部68bは、並列接続位置39から電圧変換器24a~24dへの電流の流れを許容する。断続部68bは、電圧変換器24a~24dから並列接続位置39への電流の流れを阻害する。
第1変形例において、異常判断部45は、2つの電流計測器90から監視線66を介して入力される検出結果、すなわち、電流の値が所定値以上であるか否かを判断する。2つの電流計測器90での検出結果のうち、少なくとも一方の検出結果が所定値以上である場合、異常判断部45は、電気回路51に何らかの異常が発生したと判断する。すなわち、異常判断部45は、電圧変換器24a~24dを含む電気回路51に異常が発生したと判断する。
制御部46は、電気回路51の異常を示す判断結果である場合、断続部68a、68bを遮断状態に切り替えることを決定する。指令部48は、制御部46の決定を受け、信号供給線70a、70bを介してMOSFET92a、92bにローレベルの電圧信号を供給する。これにより、MOSFET92a、92bはオフする。この結果、断続部68a、68bは、接続状態から遮断状態に切り替わる。そのため、異常と判断された電気回路51に関わる電圧変換器24a~24dは、電圧変換動作が不能となる。従って、当該電圧変換器24a~24dは、正常に動作する他の電圧変換器24a~24dから電気的に切り離される。
制御部46は、電気回路51が正常であることを示す判断結果である場合、断続部68a、68bを接続状態に維持することを決定する。指令部48は、制御部46の決定を受け、信号供給線70a、70bを介したMOSFET92a、92bへのハイレベルの電圧信号の供給を維持する。これにより、MOSFET92a、92bは、オン状態を維持する。この結果、断続部68a、68bは、接続状態を維持する。従って、電圧変換器24a~24dは、電圧変換動作を継続して行える。
図6の第2変形例では、2つのコイル54の接続点と一方の断続部68aとの間に1個の電流計測器90が配置される。従って、取得部67は、1個の電流計測器90と監視線66と異常判断部45(図1参照)とを有する。第2変形例において、電流計測器90は、出力側36を流れる電流を逐次検出する。電流計測器90の計測結果は、監視線66を介して異常判断部45に逐次出力される。これにより、第2変形例でも、第1変形例(図5参照)と同様の効果が得られる。
以上説明したように、本実施形態は、放電可能な複数のバッテリ12a~12d(蓄電部)と、入力側34が複数のバッテリ12a~12dに接続されると共に出力側36が互いに並列接続され、入力側34に接続される複数のバッテリ12a~12dの電圧(バッテリ電圧V1~V4)を変換し、変換したバッテリ電圧V1~V4を出力側36に出力する複数の電圧変換器24a~24dとを備える電源システム10に関する。電源システム10は、複数の電圧変換器24a~24dの出力側36の並列接続位置39よりも電圧変換器24a~24d側での電気回路51の異常、又は、電圧変換器24a~24dの異常を取得する取得部67を備える。
また、本実施形態は、放電可能な複数のバッテリ12a~12dを複数の電圧変換器24a~24dの入力側34に接続し、複数の電圧変換器24a~24dの出力側36を互いに並列接続した電源システム10の制御方法に関する。この制御方法では、先ず、複数の電圧変換器24a~24dの出力側36の並列接続位置39よりも電圧変換器24a~24d側での電気回路51の異常、又は、電圧変換器24a~24dの異常を取得する。次に、電気回路51に配置され又は電圧変換器24a~24d内に配置された断続部68、68a、68bを遮断状態に切り替える。
このように、正常に動作する他の電圧変換器24a~24dから、異常状態の電気回路51又は電圧変換器24a~24dを切り離すことができる。これにより、他の電圧変換器24a~24dを適切に保護できる。
ここで、電源システム10は、電気回路51に配置され又は電圧変換器24a~24d内に配置され、遮断状態又は接続状態に切り替える断続部68、68a、68bと、断続部68、68a、68bを制御する制御部46とを備える。
これにより、異常状態の電気回路51又は電圧変換器24a~24dを、正常な他の電圧変換器24a~24dから容易に切り離すことができる。
この場合、制御部46は、電気回路51の異常又は電圧変換器24a~24dの異常を取得部67が取得したときに、断続部68、68a、68bを遮断状態に制御する。
これにより、断続部68、68a、68bを正確且つ確実に遮断状態に切り替えることができる。
電圧変換器24a~24dは、直列接続された2つのスイッチング素子42H、42Lを1組の回路とし、入力側34と出力側36との間で、2つの組の回路を並列接続して構成される。この場合、断続部68は、直列接続された2つのスイッチング素子42H、42Lの中点位置に配置される。
これにより、断続部68を遮断状態に切り替えると、電圧変換器24a~24dは、電圧変換動作が不能となる。この結果、異常な電圧変換器24a~24dを、正常な他の電圧変換器24a~24dから容易且つ確実に切り離すことができる。
取得部67は、電圧変換器24a~24dを制御するためのゲート信号(制御信号)を取得(検出)する異常判断部45(第1検出部)を有する。異常判断部45は、一定時間T(所定時間)以上、ゲート信号を検出できないときに、電圧変換器24a~24dの異常と判断する。
ゲート信号を検出できない場合、電圧変換器24a~24dの電圧変換動作が適切に行われていない可能性がある。従って、一定時間T以上、ゲート信号を検出できなければ、当該電圧変換器24a~24dを異常と判断する。これにより、異常と判断した電圧変換器24a~24dを、正常な他の電圧変換器24a~24dから確実に切り離すことができる。
複数の断続部68a、68bは、電気回路51で互いに直列に配置される。この場合、一方の断続部68aは、電圧変換器24a~24dから並列接続位置39への電流の流れを許容し、並列接続位置39から電圧変換器24a~24dへの電流の流れを阻害する第1一方向断続部として機能する。他方の断続部68bは、並列接続位置39から電圧変換器24a~24dへの電流の流れを許容し、電圧変換器24a~24dから並列接続位置39への電流の流れを阻害する第2一方向断続部として機能する。
これにより、異常な電気回路51から正常に動作する電圧変換器24a~24dを容易且つ確実に切り離すことができる。異常な電気回路51から当該電圧変換器24a~24dに流れる循環電流等の過電流を遮断できる。
取得部67は、電気回路51を流れる電流を検出する電流計測器90(第2検出部)を有する。取得部67は、電流計測器90が所定値以上の電流を検出したときに、電気回路51の異常と判断する。
これにより、異常な電気回路51から正常に動作する電圧変換器24a~24dを容易且つ確実に切り離すことができる。この結果、異常な電気回路51から当該電圧変換器24a~24dに流れる循環電流等の過電流を遮断できる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得る。
10…電源システム
12a~12d…バッテリ(蓄電部) 24a~24d…電圧変換器
34…入力側 36…出力側
39…並列接続位置 45…異常判断部
51…電気回路 67…取得部
68、68a、68b…断続部

Claims (8)

  1. 放電可能な複数の蓄電部と、
    入力側が複数の前記蓄電部に接続されると共に出力側が互いに並列接続され、前記入力側に接続される複数の前記蓄電部の電圧を変換し、変換した前記電圧を前記出力側に出力する複数の電圧変換器と、
    を備える電源システムにおいて、
    複数の前記電圧変換器の前記出力側の並列接続位置よりも前記電圧変換器側での電気回路の異常、又は、前記電圧変換器の異常を取得する取得部を備える、電源システム。
  2. 請求項1記載の電源システムにおいて、
    前記電気回路に配置され又は前記電圧変換器内に配置され、遮断状態又は接続状態に切り替える断続部と、
    前記断続部を制御する制御部と、
    を備える、電源システム。
  3. 請求項2記載の電源システムにおいて、
    前記制御部は、前記電気回路の前記異常又は前記電圧変換器の前記異常を前記取得部が取得したときに、前記断続部を前記遮断状態に制御する、電源システム。
  4. 請求項2又は3記載の電源システムにおいて、
    前記電圧変換器は、直列接続された2つのスイッチング素子を1組の回路とし、前記入力側と前記出力側との間で、2つの組の前記回路を並列接続して構成され、
    前記断続部は、直列接続された2つの前記スイッチング素子の中点位置に配置される、電源システム。
  5. 請求項2~4のいずれか1項に記載の電源システムにおいて、
    前記取得部は、前記電圧変換器を制御するための制御信号を検出する第1検出部を有し、前記第1検出部が所定時間以上、前記制御信号を検出できないときに、前記電圧変換器の前記異常と判断する、電源システム。
  6. 請求項2又は3記載の電源システムにおいて、
    複数の前記断続部が前記電気回路で互いに直列に配置され、
    複数の前記断続部は、
    前記電圧変換器から前記並列接続位置への電流の流れを許容し、前記並列接続位置から前記電圧変換器への電流の流れを阻害する第1一方向断続部と、
    前記並列接続位置から前記電圧変換器への電流の流れを許容し、前記電圧変換器から前記並列接続位置への電流の流れを阻害する第2一方向断続部と、
    である、電源システム。
  7. 請求項2、3又は6のいずれか1項に記載の電源システムにおいて、
    前記取得部は、前記電気回路を流れる電流を検出する第2検出部を有し、前記第2検出部が所定値以上の電流を検出したときに、前記電気回路の前記異常と判断する、電源システム。
  8. 放電可能な複数の蓄電部を複数の電圧変換器の入力側に接続し、複数の前記電圧変換器の出力側を互いに並列接続した電源システムの制御方法において、
    複数の前記電圧変換器の前記出力側の並列接続位置よりも前記電圧変換器側での電気回路の異常、又は、前記電圧変換器の異常を取得し、
    前記電気回路に配置され又は前記電圧変換器内に配置された断続部を遮断状態に切り替える、電源システムの制御方法。
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