JP2022178390A - エポキシ樹脂組成物、エポキシ樹脂接着剤、及びエポキシ樹脂硬化物 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物、エポキシ樹脂接着剤、及びエポキシ樹脂硬化物 Download PDF

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Abstract

【課題】保存安定性に優れ、低温条件下で硬化した硬化物が優れた機械特性を示す、一液型エポキシ樹脂組成物を提供する。
【解決手段】25℃で測定した粘度が6500mPa・s以上である第一のエポキシ樹脂と、6500mPa・s未満である第二のエポキシ樹脂と、硬化剤とを含むエポキシ樹脂組成物であって、
毎秒5℃で昇温した際のゲル化温度(TB)が170℃以下であり、
毎秒5℃で昇温した際の増粘開始温度(TA)と、前記ゲル化温度(TB)は、
前記第一のエポキシ樹脂と前記硬化剤とを含み、前記第二のエポキシ樹脂を含まない組成物の増粘開始温度(TA0)とゲル化温度(TB0)に対し、
A-TA0が0℃以上であり、
かつ、
C=(TB-TB0)/(TA-TA0)が、0.5以上である、
エポキシ樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、エポキシ樹脂組成物、エポキシ樹脂接着剤、及びエポキシ樹脂硬化物に関する。
エポキシ樹脂及びエポキシ樹脂組成物は、電子機器、電気電子部品の絶縁材料、封止材料、接着剤、導電性材料等の幅広い用途に利用されている。特に電子機器では、高機能化、小型化、薄型化に伴い、半導体チップの小型集積化、回路の高密度化と共に、生産性の大幅な改善や、電子機器のモバイル用途における可搬性、信頼性の向上等が求められている。
従来から、使用時にエポキシ樹脂と硬化剤との二成分を混合して硬化させる、いわゆる二成分系エポキシ樹脂組成物(以下、「二液型エポキシ樹脂組成物」と記載することがある。)が知られている。この二液型エポキシ樹脂組成物においては、低温で良好に硬化させることを目的として前記硬化剤として液状のアミン系硬化剤を使用してエポキシ樹脂組成物を硬化させる方法が知られている。
しかしながら、前記二液型エポキシ樹脂組成物では、エポキシ樹脂と硬化剤とを別々に保管する必要があり、使用時にそれぞれを計量した上で迅速に均一混合する必要があり、操作が煩雑であるという問題点を有している。
また、エポキシ樹脂と硬化剤とを一旦混合してしまうと、その後の可使時間が限定され、使い切らなかった残分は廃棄せざるを得ない、という問題点を有している。
さらに、従来公知の二液型エポキシ樹脂組成物は、保管容易性、取り扱い性、配合頻度(製造効率)、硬化性、及び硬化物の物性の全ての点において実用レベルでの要求を満たすことは困難であり、未だ改良の余地がある、という問題点を有している。
上述した二液型エポキシ樹脂組成物の問題点に鑑み、一成分系エポキシ樹脂組成物(以下、「一液型エポキシ樹脂組成物」と記載することがある。)が提案されている。
かかる一液型エポキシ樹脂組成物としては、例えば、BF3-アミン錯体、アミン塩、変性イミダゾール化合物等の潜在性硬化剤を、エポキシ樹脂に配合した一液型エポキシ樹脂組成物が挙げられる。
しかしながら、前記一液型エポキシ樹脂組成物は、貯蔵安定性に優れているものの、硬化性に劣る傾向にあり、両特性を両立することが困難な傾向にある、という問題点を有している。
かかる問題点に対し、アミン系硬化剤を含むコアを特定のシェルで被覆したマイクロカプセル型硬化剤を用いたエポキシ樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
前記マイクロカプセル型硬化剤は、保存安定性や硬化物の被着体との良好な密着性が得られる硬化剤であるジシアンジアミドに対して、硬化温度を下げるための硬化促進剤としてもはたらくという機能も有している。このようなマイクロカプセル型硬化剤の機能に鑑み、マイクロカプセル型硬化剤とジシアンジアミドを併用したエポキシ樹脂組成物も提案されている。かかるエポキシ樹脂組成物は、保存安定性に優れ、被着体、特に鋼板に対するせん断接着強度が高い硬化物が得られる、という利点を有するものとされている(例えば、特許文献2参照)。
特許第5258018号公報 特開2018-162392号公報
しかしながら、特許文献1、2に開示されているエポキシ樹脂組成物は、保存安定性、及び低温条件下での硬化性に関して未だ改善の余地があるという問題点を有している。よって、環境負荷低減や地球温暖化防止の観点から、より一層、保存安定性、及び低温条件下での硬化性について、特性の向上を図ったエポキシ樹脂組成物が求められている。
具体的には、低温条件下で硬化させることができ、その硬化物が引張応力に対して十分に高い破壊強度や伸度を有する一液型エポキシ樹脂組成物が求められている。
そこで本発明においては、保存安定性に優れ、低温条件下で硬化した硬化物が十分な機械特性を示す、一液型エポキシ樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意研究を重ねた結果、25℃で測定した粘度が所定の値以上であるである第一のエポキシ樹脂と、所定の値未満である第二のエポキシ樹脂と、硬化剤とを含むエポキシ樹脂組成物を考案した。詳細には、前記エポキシ樹脂組成物は、毎秒5℃で昇温した際のゲル化温度(TB)が所定の温度以下であるものとし、かつ、当該ゲル化温度(TB)と、毎秒5℃で昇温した際の増粘開始温度(TA)とが、前記第一のエポキシ樹脂と前記硬化剤とを含み前記第二のエポキシ樹脂を含まない組成物の増粘開始温度(TA0)とゲル化温度(TB0)に対し、TA-TA0、及びC=(TB-TB0)/(TA-TA0)を、所定の値以上に特定することにより上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
〔1〕
25℃で測定した粘度が6500mPa・s以上である第一のエポキシ樹脂と、6500mPa・s未満である第二のエポキシ樹脂と、硬化剤とを含むエポキシ樹脂組成物であって、
毎秒5℃で昇温した際のゲル化温度(TB)が170℃以下であり、
毎秒5℃で昇温した際の増粘開始温度(TA)と、前記ゲル化温度(TB)は、
前記第一のエポキシ樹脂と前記硬化剤とを含み、前記第二のエポキシ樹脂を含まない組成物の増粘開始温度(TA0)とゲル化温度(TB0)に対し、
A-TA0が0℃以上であり、
かつ、
C=(TB-TB0)/(TA-TA0)が、0.5以上である、
エポキシ樹脂組成物。
〔2〕
前記硬化剤は、コアシェル構造を有する硬化剤を含み、前記コアシェル構造は加熱により破壊されうる、前記〔1〕に記載のエポキシ樹脂組成物。
〔3〕
前記硬化剤は、シアナミド系硬化剤を含む、前記〔1〕又は〔2〕に記載のエポキシ樹脂組成物。
〔4〕
前記シアナミド系硬化剤は、ジシアンジアミドである、前記〔3〕に記載のエポキシ樹脂組成物。
〔5〕
前記Cが、0.65以上である、前記〔1〕乃至〔4〕のいずれか一に記載のエポキシ樹脂組成物。
〔6〕
前記TBが、140℃以下である、前記〔5〕に記載のエポキシ樹脂組成物。
〔7〕
前記〔1〕乃至〔6〕のいずれか一に記載のエポキシ樹脂組成物を含む、エポキシ樹脂接着剤。
〔8〕
前記〔1〕乃至〔6〕のいずれか一に記載のエポキシ樹脂組成物の硬化物であるエポキシ樹脂硬化物。
本発明によれば、保存安定性に優れ、低温条件下で硬化した硬化物が優れた機械特性を示す、一液型エポキシ樹脂組成物を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」と言う。)について詳細に説明する。
以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜変形して実施できる。
〔エポキシ樹脂組成物〕
本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂と硬化剤とを含む。
また、本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、少なくとも二種のエポキシ樹脂を含有する。
本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、前記エポキシ樹脂として、25℃で測定した粘度が6500mPa・s以上である第一のエポキシ樹脂と、6500mPa・s未満である第二のエポキシ樹脂とを含有する。
本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、毎秒5℃で昇温した際のゲル化温度(TB)が170℃以下のエポキシ樹脂組成物である。
また、本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、毎秒5℃で昇温した際の増粘開始温度(TA)と、前記ゲル化温度(TB)が、前記第二のエポキシ樹脂を含まず第一のエポキシ樹脂と前記硬化剤とを含む組成物(以下、比較組成物、と記載する場合がある。)の、毎秒5℃で昇温した際の増粘開始温度(TA0)及び毎秒5℃で昇温した場合のゲル化温度(TB0)に対して、TA-TA0が0℃以上であり、C=(TB-TB0)/(TA-TA0)が0.5以上である。
エポキシ樹脂組成物のゲル化温度、及び増粘開始温度は、後述する実施例に記載する方法により測定することができる。
本実施形態のエポキシ樹脂組成物が、上記構成を備えることにより、低温条件下で硬化した場合の硬化物が破断強度等、機械特性に優れたものとなる。
なお、本明細書中、「低温条件下」とは、170℃以下であることを示し、好ましくは、130℃以下である。
本実施形態のエポキシ樹脂組成物が、上記特性を得られる要因は、以下のように考えられるが、これに限定されない。
すなわち、本実施形態のエポキシ樹脂組成物が、上記条件を満たすということは、第二のエポキシ樹脂を加えることにより、相対的に高温条件下での硬化性が低温条件下での硬化性よりも高まることを意味している。換言すると、このようなエポキシ樹脂組成物は、ゲル化反応が開始してから硬化するまでの速度が温度差に対して急峻であると言える。ここで、組成物の硬化性に差を生じる要因として、硬化剤の種類が同じであるならば、硬化剤のエポキシ基への反応性ではなく、硬化剤が組成物中に均一に存在しているかどうかが重要であると考えられる。すなわち、硬化剤が均一に存在せず、例えば分布が均一で無い場合、濃度が低い部分は硬化時の粘度上昇が遅く、結果的に温度に対する急峻性が低いことになる。このように、ゲル化反応が開始してから硬化するまでの速度が温度差に対して急峻である場合、低温条件下で硬化することにより、その硬化度合いは、硬化物内で比較的均一なものとなり、その結果、引張応力が集中して破断の起点となるようなミクロな欠陥(不均一)が少ないことが考えられ、引張応力に対して強靭で高い破断強度を示し、硬化物の機械強度が良好なものとなる。
また、本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、前記硬化剤として、加熱により破壊されうるコアシェル構造を有するエポキシ樹脂硬化剤を含むことが好ましい。
本実施形態のエポキシ樹脂組成物において、上述した効果を奏する要因は、以下のように考えられる。
本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、25℃で測定した粘度が6500mPa・s未満である第二のエポキシ樹脂を加えることによって、TA―TA0が0℃以上、かつ、C=(TB-TB0)/(TA―TA0)が0.5以上の条件を満たしているものとなったエポキシ樹脂組成物である。詳細には、TA―TA0が0℃以上、すなわち増粘開始温度が低温化しており、これは、硬化剤の反応性が低い温度の時点で硬化剤の放出を促すシェル膜の破壊が起きていることを意味している。また、C=(TB-TB0)/(TA―TA0)が0.5以上であることは、硬化剤の反応性が高まる温度となった時点において、エポキシ樹脂組成物において反応急峻性が損なわれないことを意味している。
すなわち、第二のエポキシ樹脂と、加熱により破壊されうるコアシェル構造を有する硬化剤とを組み合わせたことにより、コアシェル構造の破壊が起きる温度が低下し、その後の硬化剤の反応性が高まる温度となる時点まで硬化剤の拡散に十分な時間が確保でき、かつ、反応が急峻な系では硬化反応が系中で均一に進行できることを意味している。このような硬化条件を経た場合、その硬化度合いは、硬化物内で均一なものとなり、その結果、引張応力が集中して破断の起点となるようなミクロな欠陥(不均一)が少ないことが考えられ、引張応力に対して強靭で高い破断強度を示すと考えられる。単純にシェルを薄くして低温硬化を実現した場合や、硬化剤の軟化点を下げて低温硬化を実現した場合と比較して、より低温から硬化反応を進行することができ、硬化度が高いことも高い破断強度に寄与すると考えられる。
本実施形態のエポキシ樹脂組成物において、上記C=(TB―TB0)/(TA―TA0)は、上述したように、硬化剤の放出を促すシェル膜の破壊を起こさせ、同時に反応急峻性が比較的損なわれないようにする観点から、0.5以上であるものとし、0.6以上であることが好ましく、0.65以上であることがより好ましく、2.0以上であることがさらに好ましい。
上記C=(TB―TB0)/(TA―TA0)の上限値は特に限定されないが、エポキシ樹脂組成物の硬化反応の再現性の観点から、10.0以下であることが好ましく、9.5以下であることがより好ましく、9.0以下であることがさらに好ましい。
すなわち、Cが前記範囲にあることにより、所定の昇温パターンに対して広いマージンで再現性よく硬化反応を実施させることができ、使い勝手が良いエポキシ樹脂組成物が得られる、という効果を奏する。
前記Cの値は、硬化剤の濃度や第一のエポキシ樹脂と第二のエポキシ樹脂との比率を適切に設定することにより、上記数値範囲に制御することができる。
また、本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、毎秒5℃で昇温した際のゲル化温度(TB)が、実使用におけるプロセス制御の容易性の観点から、170℃以下であるものとし、140℃以下であることが好ましく、130℃以下であることがより好ましい。
本実施形態のエポキシ樹脂の毎秒5℃で昇温した際のゲル化温度(TB)は、硬化剤の種類や濃度を適切に選択することにより、上記温度範囲に制御することができる。
(第一のエポキシ樹脂)
本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、25℃で測定した粘度が6500mPa・s以上である第一のエポキシ樹脂を含有する。
第一のエポキシ樹脂としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、テトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂、テトラブロモビフェニル型エポキシ樹脂、ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂、ベンゾフェノン型エポキシ樹脂、フェニルベンゾエート型エポキシ樹脂、ジフェニルスルフィド型エポキシ樹脂、ジフェニルスルホキシド型エポキシ樹脂、ジフェニルスルホン型エポキシ樹脂、ジフェニルジスルフィド型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、ヒドロキノン型エポキシ樹脂、メチルヒドロキノン型エポキシ樹脂、ジブチルヒドロキノン型エポキシ樹脂、レゾルシン型エポキシ樹脂、メチルレゾルシン型エポキシ樹脂、カテコール型エポキシ樹脂等の2官能型エポキシ樹脂類;トリアジン型エポキシ樹脂等の3官能型エポキシ樹脂類;テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン型エポキシ樹脂、ジアミノベンゼン型エポキシ樹脂等の4官能型エポキシ樹脂類;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ブロモ化フェノールノボラック型エポキシ樹脂等の多官能型エポキシ樹脂類;及び脂環式エポキシ樹脂類、これらのエポキシ樹脂をイソシアネート等で変性したエポキシ樹脂等が挙げられる。
これらのエポキシ樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(第二のエポキシ樹脂)
本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、前記第一のエポキシ樹脂に加えて、第二のエポキシ樹脂を含有する。
前記第二のエポキシ樹脂は、25℃で測定した粘度が、6500mPa・s未満である。
第二のエポキシ樹脂としては、以下に限定されるものではないが、単官能脂肪族骨格エポキシ化合物、単官能芳香族骨格のエポキシ化合物、ポリオキシアルキレン骨格のエポキシ樹脂、脂肪族骨格のエポキシ樹脂、脂環式骨格のエポキシ樹脂、ダイマー酸変性のエポキシ樹脂等が挙げられる。
粘度が低いエポキシ樹脂は、アウトガスや加熱硬化による膜厚減少(膜べり)を引き起こすことなく、エポキシ樹脂組成物の粘度を下げることができる。エポキシ樹脂組成物の製品としてのハンドリングや、一般に増粘を引き起こす充填剤(フィラー)等の配合自由度を向上することができる観点から、第二のエポキシ樹脂は、25℃で測定した粘度が6500mPa・s未満であるものとし、好ましくは2000mPa・s以下であり、より好ましくは500mPa・s以下である。
第二のエポキシ樹脂としては、以下に限定されるものではないが、例えば、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ポリオキシアルキレンジグリシジルエーテル等の脂肪族エポキシ樹脂;3,4-エポキシ-6-メチルシクロヘキシルメチル-3,4-エポキシ-6-メチルシクロヘキサンカルボキシレ-ト、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、1-エポキシエチル-3,4-エポキシシクロヘキサン等の脂環式エポキシ樹脂;フタル酸ジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ダイマー酸グリシジルエステル等のグリシジルエステル;テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、テトラグリシジルジアミノジフェニルスルホン、トリグリシジルアミノフェノール、トリグリシジルアミノクレゾール、テトラグリシジルキシリレンジアミン等のグリシジルアミン類等が挙げられる。
(硬化剤)
本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、硬化剤を含有する。
硬化剤は、加熱により破壊されうるコアシェル構造を有するエポキシ樹脂硬化剤であることが好ましい。
加熱により破壊されうるコアシェル構造を有するエポキシ樹脂硬化剤としては、以下に限定されるものではないが、アミン系硬化剤を含むコアを特定のシェルで被覆したマイクロカプセル型潜在性硬化剤が好ましい。
前記マイクロカプセル型潜在性硬化剤としては、例えば、ノバキュア(登録商標) HX-3721、HX-3722、HX-3088、HX-3921HP、HXA9322HP(旭化成製)、AER(登録商標)ハードナー D1207、D1301(旭化成製)等が挙げられる。また、潜在性硬化剤として、一液型エポキシ樹脂組成物の硬化剤として知られている、シアナミド系硬化剤、具体的にはジシアンジアミド、また、BF3-アミン錯体、アミン塩、変性イミダゾール化合物等を併用することができる。
前記マイクロカプセル型潜在性硬化剤は、コアに低分子アミン化合物を含有することが好ましい。これにより硬化段階における硬化の急峻性が高くなり、良好な保存安定性を担保しつつ低温条件下での硬化において、良好な引張強度を有する硬化物が実現できる。
低分子アミン化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、3級アミノ基を含む低分子アミン化合物が挙げられる。
3級アミノ基を含む低分子アミン化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン、N,N-ジメチル-エチルアミン、N,N-ジメチル-ブチルアミン、N,N-ジメチルデシルアミン、N,N-ジメチル-m-トルイジン、N,N-ジメチル-p-トルイジン、2,6,10-トリメチル-2,6,10-トリアザウンデカン、N,N’-ジメチルピペラジン、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1-アザビシクロ[2.2.2]オクタン-3-オン、1、8-ジアザビシクロ(5,4,0)-ウンデセン-7、1、5-ジアザビシクロ(4,3,0)-ノネン-5、ヘキサメチレンテトラミン等の3級アミン類;1-メチルイミダゾール、2-メチルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、1-ビニルイミダゾール、1-アリルイミダゾール、2-メチル-1-ビニルイミダゾール、N-アセチルイミダゾール等のイミダゾール類;ジメチルアミノベンズヒドロール、ビス[4-(ジメチルアミノ)フェニル]メタン、4,4’-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、2-ジエチルアミノ-N-(2,6-ジメチルフェニル)アセトアミド等の芳香族3級アミン類;2-ジメチルアミノピリジン、4-ジメチルアミノピリジン等の3級アミノ基を有するアミノピリジン類等が挙げられる。
これらの低分子アミン化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記マイクロカプセル型潜在性硬化剤のコア中に含まれる低分子アミン化合物は、エポキシ樹脂と前記低分子アミン化合物との反応物であるアミンアダクトとして含有されることが好ましい。
アミンアダクトを構成するエポキシ樹脂としては、上述した第一及び第二のエポキシ樹脂として例示したものが挙げられる。
アミンアダクトの製造方法は特に限定されず、所望するアミンアダクトの構造等を考慮して、適宜好適な条件を選択することができる。
アミンアダクトの製造方法としては、エポキシ樹脂と、前記低分子アミン化合物とを反応させる方法が挙げられる。反応条件としては、必要に応じて溶剤の存在下において、50~250℃の温度で0.1~10時間反応させることが好ましい条件として挙げられる。
溶剤としては、以下に限定されないが、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、ミネラルスピリット、ナフサ等の炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)等のケトン類;酢酸エチル、酢酸-n-ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル類;メタノール、イソプロパノール、n-ブタノール、ブチルセロソルブ、ブチルカルビトール等のアルコール類;水等が挙げられる。これらの溶剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。溶剤は、反応終了後、蒸留等により反応系から除去されることが好ましい。
前記マイクロカプセル型潜在性硬化剤のコア中には、アミンアダクトと、上述した低分子アミン化合物を混合して含有させることもできる。
アミンアダクトと低分子アミン化合物を混合して用いる場合の、含有される低分子アミン化合物の濃度は2~15質量%が好ましく、3~14質量%がより好ましく、4~10質量%がさらに好ましく、4~7質量%がさらにより好ましい。
前記マイクロカプセル型潜在性硬化剤のコア中に含まれる低分子アミン化合物の割合が2~15質量%であることにより、本実施形態のエポキシ樹脂組成物において、硬化性と保存安定性の両立が可能となる。
前記マイクロカプセル型潜在性硬化剤のコアの平均粒子径は、12μm以下であることが好ましい。平均粒子径が12μm以下であることにより、一層均質な硬化物を得ることができる。また、コアの平均粒子径が12μm以下であることにより、希釈剤、充填剤、顔料、染料、流れ調整剤、増粘剤、強化剤、離型剤、湿潤剤、安定剤、難燃剤、界面活性剤、有機溶剤、導電性微粒子、結晶性アルコール、その他の樹脂類等を配合した際に大粒径の凝集物の生成を防止でき、硬化物の十分な長期信頼性が得られる。
なお、前記平均粒子径とは、メジアン径で定義される平均粒子径を意味する。より具体的には、粒度分布計(堀場製作所社製、「HORIBA LA-920」)を用い、レーザー回析・光散乱法で測定されるストークス径をいう。ここで、前記マイクロカプセル型潜在性硬化剤のコアの平均粒子径を制御する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、塊状のエポキシ樹脂用硬化剤の粉砕工程において精密な制御を行う方法、塊状のエポキシ樹脂用硬化剤の粉砕工程として粗粉砕工程と微粉砕工程を行い、さらに精密な分級装置を用いて所望の平均粒子径のものを分級して得る方法、塊状のエポキシ樹脂用硬化剤を溶媒に溶解させたエポキシ樹脂用硬化剤溶液を噴霧乾燥させる方法等が挙げられる。
コア材の微粉砕に用いる装置としては、例えば、ボールミル、アトライタ、ビーズミルのほか、ジェットミルに代表されるような衝撃式粉砕装置等を必要に応じて使用可能である。また、微粉砕品をさらに精密に分級することで反応の均一性や加熱による反応の急峻性を高めることができる。分級のための方法は特に限定されないが、例えば、粉砕後、分級により所定の平均粒径の粉粒体を得るため、篩(例えば、325メッシュや250メッシュ等の標準篩)や分級機を用いて分級する方法や、粒子の比重に応じて、風力による分級を行う方法等が挙げられる。使用する分級機としては、湿式分級機や乾式分級機が挙げられるが、一般には乾式分級機が好ましい。
前記マイクロカプセル型潜在性硬化剤のコアの形状は、以下に限定されず、例えば、球状、顆粒状、粉末状、不定形等のいずれでもよい。これらの中でも、エポキシ樹脂組成物の低粘度化の観点から、コアの形状は、球状が好ましい。なお「球状」とは、真球は勿論のこと、不定形の角が丸みを帯びた形状をも包含する。
前記マイクロカプセル型潜在性硬化剤は、用途に応じた粘度や混合の容易性の確保のために、上述した第一のエポキシ樹脂、第二のエポキシ樹脂以外の合成樹脂を含んでいてもよい。
第一のエポキシ樹脂、第二のエポキシ樹脂以外の合成樹脂としては、以下に限定されるものではないが、例えば、エポキシ樹脂、フェノール系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ナイロン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ウレタン系樹脂等が挙げられる。これらの中でも、第一のエポキシ樹脂、第二のエポキシ樹脂以外の合成樹脂は、エポキシ樹脂、フェノール系樹脂、ウレタン系樹脂が好ましい。また、エポキシ樹脂やフェノール樹脂等をアミン系化合物やイソシアネート系化合物等の活性水素化合物により、変性して用いることもできる。
エポキシ系樹脂としては、以下に限定されるものではないが、例えば、2以上のエポキシ基を持つエポキシ樹脂、2以上のエポキシ基を持つエポキシ樹脂と2以上の活性水素を持つ化合物との反応により生成する樹脂、2以上のエポキシ基を持つ化合物・活性水素1つと炭素-炭素2重結合とを持つ化合物との反応生成物等が挙げられる。これらの中でも、安定性と低温速硬化性の観点から、2以上のエポキシ基を持つ化合物と2以上の活性水素を持つ化合物との反応により生成する樹脂、特にアミン系硬化剤と2つ以上のエポキシ基をもつエポキシ樹脂との反応生成物が好ましい。これらの中でも、本実施形態のエポキシ樹脂を用いた硬化物において、優れた安定性と、低温硬化性を得る観点から、アミン系硬化剤とエポキシ樹脂との反応生成物が好ましい。
前記マイクロカプセル型潜在性硬化剤のシェルは、フェノール系樹脂、ウレタン系樹脂を用いることが好ましい。
フェノール系樹脂としては、以下に限定されるものではないが、例えば、フェノール・ホルムアルデヒド重縮合物、クレゾール・ホルムアルデヒド重縮合物、レゾルシノール・ホルムアルデヒド重縮合物、ビスフェノールA・ホルムアルデヒド重縮合物、フェノール・ホルムアルデヒド重縮合物のポリエチレンポリアミン変性物等が挙げられる。
ウレタン系樹脂としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ブチルイソシアネート、シクロヘキシルイソシアネート、オクタデシルイソシアネート、フェニルイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート等のイソシアネート単量体、あるいはその縮合物、その重合体と、モノアルコール、多価アルコールの重縮合物等が挙げられる。これらの中でも、モノアルコール又は多価アルコールと、モノイソシアネート又は多価イソシアネートの付加生成物であるウレタン樹脂が好ましい。
前記マイクロカプセル型潜在性硬化剤を構成するシェルは、さらに、イソシアネート化合物、活性水素化合物、エポキシ樹脂用硬化剤、エポキシ樹脂、及びアミン化合物からなる群より選ばれるいずれか2種以上の反応生成物を含むことが好ましい。
イソシアネート化合物としては、硬化剤のコアに含まれているものを適用できる。
活性水素化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、水、少なくとも1個の1級アミノ基及び/又は2級アミノ基を有する化合物、少なくとも1個の水酸基を有する化合物等が挙げられる。また、活性水素化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記少なくとも1個の1級アミノ基及び/又は2級アミノ基を有する化合物としては、例えば、脂肪族アミン、脂環式アミン、芳香族アミン等が挙げられる。脂肪族アミンとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン等のアルキルアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等のアルキレンジアミン;ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン等のポリアルキレンポリアミン;ポリオキシプロピレンジアミン、ポリオキシエチレンジアミン等のポリオキシアルキレンポリアミン類等が挙げられる。脂環式アミンとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、シクロプロピルアミン、シクロブチルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルアミン、イソホロンジアミン等が挙げられる。芳香族アミンとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、アニリン、トルイジン、ベンジルアミン、ナフチルアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン等が挙げられる。
少なくとも1個の水酸基を有する化合物としては、例えば、アルコール化合物、フェノール化合物等が挙げられる。アルコール化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、メチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、アミルアルコール、ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ラウリルアルコール、ドテシルアルコール、ステアリルアルコール、エイコシルアルコール、アリルアルコール、クロチルアルコール、プロパルギルアルコール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、シンナミルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチル等のモノアルコール類;エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、水添ビスフェノールA、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多価アルコール類;少なくとも1個のエポキシ基を有する化合物と、少なくとも1個の水酸基、カルボキシル基、1級アミノ基、2級アミノ基、又はチオール基を有する化合物との反応により得られる、2級水酸基を1分子中に2個以上有する化合物等の多価アルコール類等が挙げられる。これらのアルコール化合物においては、1級アルコール、2級アルコール、3級アルコールのいずれでもよい。
フェノール化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、石炭酸、クレゾール、キシレノール、カルバクロール、モチール、ナフトール等のモノフェノール類、カテコール、レゾルシン、ヒドロキノン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ピロガロール、フロログルシン、2-(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の多価フェノール類等が挙げられる。
これら少なくとも1個の水酸基を有する化合物としては、潜在性や耐溶剤性の観点から、好ましくは多価アルコール類や多価フェノール類であり、より好ましくは多価アルコール類である。
上述したようなイソシアネート化合物、活性水素化合物、エポキシ樹脂用硬化剤、エポキシ樹脂、及びアミン化合物からなる群より選ばれる2種以上の反応物を生成する反応条件としては、特に限定されないが、通常、-10℃~150℃の温度範囲で、10分間~12時間の反応時間である。イソシアネート化合物と活性水素化合物とを用いる場合の配合比は、(イソシアネート化合物中のイソシアネート基):(活性水素化合物中の活性水素)(当量比)として、好ましくは1:0.1~1:1000の範囲である。
前記反応は、必要により所定の分散媒中で行うことができる。
分散媒としては、溶媒、可塑剤、樹脂類等が挙げられる。溶媒としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、ミネラルスピリット、ナフサ等の炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)等のケトン類;酢酸エチル、酢酸-n-ブチル、プロピレングリコールモノメチルエチルエーテルアセテート等のエステル類;メタノール、イソプロパノール、n-ブタノール、ブチルセロソルブ、ブチルカルビトール等のアルコール類;水等が挙げられる。可塑剤としては、例えば、フタル酸ジブチル、フタル酸ジ(2-エチルヘキシル)等のフタル酸ジエステル系可塑剤;アジピン酸ジ(2-エチルヘキシル)等の脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤;リン酸トリクレジル等のリン酸トリエステル系可塑 剤;ポリエチレングリコールエステル等のグリコールエステル系可塑剤等が挙げられる。
樹脂類としては、以下に限定されるものではないが、例えば、シリコーン樹脂類、エポキシ樹脂類、フェノール樹脂類等が挙げられる。
上記の中でも、エポキシ樹脂とエポキシ樹脂硬化剤との反応は、通常-10℃~150℃、好ましくは0℃~100℃の温度範囲で、1時間~168時間、好ましくは2時間~72時間の反応時間で行われる。また、分散媒としては、好ましくは溶媒、可塑剤である。
なお、上述したような反応生成物が、前記シェル(S)中に占める割合としては、通常1質量%以上であり、好ましくは50質量%以上であり、100質量%であってもよい。
前記マイクロカプセル型潜在性硬化剤において、コアの表面を被覆するシェルを形成させる方法としては、例えば、以下の(1)~(3)のような方法が挙げられる。
(1)分散媒である溶剤中に、シェルの成分と、平均粒径12μm以下であるエポキシ樹脂用硬化剤の粒子を溶解・分散させた後、分散媒中のシェルの成分の溶解度を下げて、エポキシ樹脂用硬化剤の粒子の表面にシェルを析出させる方法。
(2)平均粒径12μm以下であるエポキシ樹脂用硬化剤の粒子を分散媒に分散させ、この分散媒に上記のシェルを形成する材料を添加してエポキシ樹脂用硬化剤の粒子上に析出させる方法。
(3)分散媒に上記のシェルを形成する原材料成分を添加し、平均粒径12μm以下であるエポキシ樹脂用硬化剤の粒子の表面を反応の場として、そこでシェル形成材料を生成する方法。
ここで、前記(2)、(3)の方法は、反応と被覆を同時に行うことができるので好ましい。
なお、分散媒としては、溶媒、可塑剤、樹脂等が挙げられる。また、溶媒、可塑剤、樹脂としては、上述したイソシアネート化合物、活性水素化合物、エポキシ樹脂用硬化剤、エポキシ樹脂、及びアミン化合物からなる群より選ばれるいずれか2種以上の反応生成物を得る際に使用できる溶媒、可塑剤、樹脂の例として挙げたものが使用できる。
前記(2)、(3)の方法でシェルを形成した後、マイクロカプセル型潜在性硬化剤である硬化剤を分散媒から分離してもよい。分離する方法は特に限定されないが、シェルを形成した後の未反応の原料や、コア材の凝集物を分散媒と共に分離・除去できることから、ろ過により分散媒、及び未反応のシェル形成材料を除去する方法が好ましい。
ろ過の方法は特に限定されないが、カートリッジフィルタを用いて加圧ろ過する方法や、メッシュを張った容器にマイクロカプセル型潜在性硬化剤の分散液を注ぎ入れて自重でろ過する、いわゆる自然ろ過方式を用いることができる。
前記カートリッジフィルタの素材やメッシュ材は、硬化剤やエポキシ樹脂やその他の合成樹脂等、マイクロカプセル型潜在性硬化剤に含まれる化合物に対して、反応したり溶解したりしない素材であればいずれも用いることができるが、ポリエチレン製やポリプロピレン製のカートリッジフィルタやメッシュがコストや入手の容易性の観点から好ましい。
メッシュ材を用いる場合、その目開きが20メッシュ~600メッシュであることが好ましく、より好ましくは40~300メッシュである。40~300メッシュ程度を用いることで、実用的な分散媒や凝集物の除去と、生産性(ろ過速度)を両立できる。また、ろ過を行う際にカートリッジフィルタやろ過容器を加温してろ過速度を速めることもできる。
なお、シェルの形成反応は、通常、-10℃~150℃、好ましくは0℃から100℃の温度範囲で、10分間~72時間、好ましくは30分間~24時間の反応時間で行われる。また、シェルの厚みとしては、5nm~1000nmであることが好ましく、より好ましくは10nm~100nmである。シェルの厚みを5nm以上とすることで、本実施形態のエポキシ樹脂組成物の貯蔵安定性を一層向上させることができる。また、シェルの厚みを1000nm以下とすることで、硬化性を一層向上させることができる。なお、ここでいう厚みは、平均層厚であり、透過型電子顕微鏡により測定することができる。
本実施形態のエポキシ樹脂組成物において、第一のエポキシ樹脂、第二のエポキシ樹脂に対する硬化剤の含有量は特に限定されないが、エポキシ樹脂のエポキシ当量に対して、硬化剤の活性水酸基当量が0.5~3.0であることが好ましく、0.7~2.0当量であることがより好ましく、0.8~1.5当量であることがさらに好ましい。
また、本実施形態のエポキシ樹脂組成物に用いる硬化剤としては、上述したマイクロカプセル型硬化剤と、一般にエポキシ樹脂用硬化剤として使用されるあらゆるマイクロカプセル型ではない硬化剤とを組み合わせて使用することができる。マイクロカプセル型ではない硬化剤とマイクロカプセル型硬化剤を併用したエポキシ樹脂組成物も、本実施形態として好ましい。
その場合、併用することができるマイクロカプセル型ではない硬化剤として、エポキシ樹脂に対して硬化剤としてはたらくことが知られている酸無水物やシアナミド化合物、フェノール樹脂、ポリチオール化合物といった成分が挙げられる。
前記酸無水物としては、特に限定されないが、例えば、無水コハク酸、無水ドデシニルコハク酸、無水マレイン酸、メチルシクロペンタジエンと無水マレイン酸の付加物、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸等の脂肪族多塩基酸無水物、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロリメリット酸等の芳香族多塩基酸無水物、が挙げられる。
また、前記のマイクロカプセル型ではない硬化剤としては、シアナミド化合物、特に、ヒドラジド系硬化剤、及び、グアニジン系硬化剤よりなる群から選ばれる少なくとも1種のエポキシ樹脂硬化剤が好ましい。
ヒドラジド系硬化剤としては、以下に限定されないが、例えば、コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、フタル酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド、p-オキシ安息香酸ヒドラジド、サリチル酸ヒドラジド、フェニルアミノプロピオン酸ヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド等が挙げられる。グアニジン系硬化剤としては、以下に限定されないが、例えば、ジシアンジアミド、メチルグアニジン、エチルグアニジン、プロピルグアニジン、ブチルグアニジン、ジメチルグアニジン、トリメチルグアニジン、フェニルグアニジン、ジフェニルグアニジン、トルイルグアニジン等が挙げられる。中でも、入手性の観点からアジピン酸ジヒドラジド、ジシアンジアミドが好ましく、ジシアンジアミドがより好ましい。
(その他の添加剤)
本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、さらに、その他の添加剤として、安定剤、改質剤等を含んでいてもよい。
安定剤としては、例えば、B(OR)3(但し、Rは水素原子、アルキル基あるいはアリール基を表す。)で表されるホウ酸化合物が好ましい。ホウ酸化合物の配合量は、本実施形態のエポキシ樹脂組成物全体を100質量部に対して0.01~10質量部であり、好ましくは0.1~3質量部である。0.01質量部以上の添加量とすることにより貯蔵時の安定性を確保でき、また10質量部以下とすることにより硬化反応の阻害を防止でき、硬化不良の誘発を防止できる。
また、添加剤としては、表面平滑性を向上させる目的で、消泡剤、レベリング剤を添加することが可能である。
さらに、本実施形態のエポキシ樹脂組成物には、他の硬化性樹脂を配合することもできる。このような硬化性樹脂としては、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、硬化性アクリル樹脂、硬化性アミノ樹脂、硬化性メラミン樹脂、硬化性ウレア樹脂、硬化性シアネートエステル樹脂、硬化性ウレタン樹脂、硬化性オキセタン樹脂、硬化性エポキシ/オキセタン複合樹脂等が挙げられるがこれらに限定されない。
さらにまた、本実施形態のエポキシ樹脂組成物には、必要に応じて、上述した成分以外に、添加剤として、希釈剤、顔料、染料、流れ調整剤、増粘剤、強化剤、離型剤、湿潤剤、難燃剤、界面活性剤等を、配合することができる。
〔エポキシ樹脂組成物の製造方法〕
本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、上述した第一のエポキシ樹脂、第二のエポキシ樹脂、硬化剤、必要に応じて硬化促進剤、その他の添加剤を混合することによって得ることができる。
本実施形態のエポキシ樹脂組成物の混合方法は、特に限定されず、一般的な混合設備と加工条件が適用される。例えば、第一のエポキシ樹脂、第二のエポキシ樹脂、硬化剤、必要に応じて硬化促進剤、その他添加剤成分等を、3本ロール等のミキシングロール、ディゾルバ、プラネタリミキサ、ニーダ、押出し機等を用いて均一になるまで充分に混合してエポキシ樹脂組成物を得る方法が挙げられる。
また、本実施形態のエポキシ樹脂組成物の成分は、化学成分の混合物の組成分析方法として知られている公知の方法を用いることにより特定することができる。例えば、以下の例に限定されないが、エポキシ樹脂組成物を溶媒にて適度に希釈し、エポキシ樹脂、硬化剤、顔料、染料といった各成分の溶解性が異なることを利用して分離を行い、その後、各成分を各種クロマトグラフ法により分析する方法が挙げられる。
エポキシ樹脂成分の分析には、液体クロマトグラフィ(LC)やゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)といった分離方法を用いて溶媒への親和性や分子量の違いにより分離したのち、核磁気共鳴スペクトル(NMR)や電界脱離質量分析法(FD/MS)といった同定方法で配合比を推定し分析することができる。本実施形態において適用したパラメータを決定する際に、配合比既知の組成物の組成の確認や、配合比未知の組成物の組成の同定に、好適に利用することが可能である。
〔エポキシ樹脂接着剤〕
本実施形態のエポキシ樹脂接着剤は、上述した本実施形態のエポキシ樹脂組成物を含有する。
本実施形態のエポキシ樹脂接着剤は、以下に限定されないが、例えば、本実施形態のエポキシ樹脂組成物に対し、酸化カルシウムや微粉末シリカといった充填剤を配合し、所望の接着用途に応じた寸法安定性や粘度を付与することにより製造できる。
本実施形態のエポキシ樹脂接着剤は、例えば、以下の例に限定されないが、蓋つきの容器に充填した接着剤を、プラスチックのパレットを用いて適量を取り出し、接着部位に塗布する方法や、シリンジやディスペンサーに充填した形で供給して被着体に直接塗布する方法で使用できる。
〔エポキシ樹脂硬化物〕
本実施形態のエポキシ樹脂硬化物は、上述した本実施形態のエポキシ樹脂組成物を硬化することにより得られる。
硬化条件は、例えば、以下の例に限定されないが、所望の型に入れたエポキシ樹脂組成物や被着体に塗布したエポキシ樹脂組成物を、所定の温度に加熱したチャンバー又は所定の昇温プログラムを設定した高温チャンバーやアニール炉に投入するバッチ式の加熱方法や、コンベア炉に投入して連続的に加熱する方法、シーズヒーター、フィンヒーター、リボンヒーター等のヒーターで周囲から加熱する方法等、公知の方法を用いることが好ましい。
以下、本実施形態について、具体的な実施例及び比較例を挙げて説明するが、本実施形態は、以下の実施例に限定されない。
なお、実施例及び比較例において適用した測定方法を下記に示す。
以下において特に断りのない限り、「部」は質量基準である。
〔物性及び特性の測定方法〕
(増粘開始温度、ゲル化温度)
JIS K 7244に準拠し、実施例及び比較例のエポキシ樹脂組成物に対して、平行平板振動レオメータによるせん断粘度を測定した。
測定にはサーモフィッシャー株式会社製HAAKE MARS-IIを用い、あらかじめ所定の温度に温めておいた熱板(アルミニウム製)の上に、試料をポリエチレン製のシリンジで約0.1mL量り取り、アルミニウム製パラレルプレート間の動的粘度として測定した。
5℃/minの昇温速度で、25℃から250℃まで加熱した際、加熱によりいったん減少した粘度が、エポキシ樹脂組成物中の硬化剤とエポキシ樹脂の反応開始に伴い上昇に転じる際の温度を増粘開始温度TA、動粘度が10,000mPa・sに到達した温度をゲル化温度TBと定義した。
また、第二のエポキシ樹脂を含まない組成物(比較組成物)である後述する参照例1、2においては、上記と同様の方法により測定を行い、それぞれ増粘開始温度TA0、ゲル化温度TB0と示した。
(引張強度(引張破断強度、引張伸度))
実施例及び比較例のエポキシ樹脂組成物を使用して、JIS K 7238に準拠して試験片を作製した。縦:55mm×幅35mm×厚み2mmのギャップを備えたテフロン(登録商標)製の型に未硬化のエポキシ樹脂組成物を流し込み、内温が所定の温度で安定したESPEC株式会社製小型高温チャンバーST-110B2の中に投入し、60分間加熱を行ったのち小型高温チャンバーから取出し、室温環境下に放置し、室温になるまで冷やしてエポキシ樹脂硬化物を得た。
前記エポキシ樹脂硬化物を回転刃式のカッターで約5mm幅に切断し、引張試験用の試験片を得た。
なお、小型高温チャンバーの内温は、実施例1~9、比較例1~5、及び8については130℃、実施例10~11、比較例6~7については170℃に設定した。
続いて、実施例及び比較例のエポキシ樹脂組成物から得た試験片を使用して、JIS K 7162に準拠し島津製作所社製AGX-5kNXを使用して、チャック間距離10mm、ロードセル5kN、5mm/minの定速で引張を行い、試験片が破断して2つ以上に分離する際の最大荷重を測定し、試験片の断面積で割り返した値を破断強度(MPa)とした。
得られた破断強度から、以下の基準に基づき引張破断強度を評価した。
◎:引張破断強度が40MPa以上であった場合。
○:引張破断強度が30MPa以上40MPa未満であった場合。
×:引張破断強度が30MPa未満であった場合。
また、試験片が破断して2つ以上に分離した際のロードセルの変位を測定し、引張荷重ゼロの時点のチャック間距離で割り返した値を、破断伸度(%)とした。
得られた破断伸度から、以下の基準に基づき引張破断伸度を評価した。
◎:引張破断伸度が5%以上であった場合。
○:引張破断伸度が1%以上5%未満であった場合。
×:引張破断伸度が1%未満であった場合。
(保存安定性)
実施例及び比較例のエポキシ樹脂組成物に対して、E型粘度計(TVE-35H、東機産業株式会社社製)を用いて、JIS K7233に準拠して25℃における粘度を測定した。
また、保存安定性の指標として、初期の粘度に対して、40℃で28日間保持した後の粘度を測定し粘度の倍数を増粘率として算出した。
増粘率は1.5倍以下が好ましく、1.2~1.5倍未満がより好ましく、1.0~1.2倍未満がより好ましく、1.0倍未満がさらに好ましいものとして評価した。
〔実施例1~11〕、〔比較例1~8〕、〔参照例1、2〕
シンキー社製品「あわとり練太郎ARE-310」に、PP(ポリプロピレン)容器を取り付けた。
下記に示すエポキシ樹脂組成物の材料として、エポキシ樹脂、硬化剤を、下記表1~3に示す配合量にて配合し、2000rpmで、撹拌3分間、脱泡2分間の設定で撹拌した。
各配合物が混ざっていることを目視で確認した。
(エポキシ樹脂組成物の材料)
<第一のエポキシ樹脂>
jER828:三菱ケミカル社製 ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量182g/eq、粘度12300mPa・s(測定温度:25℃、以下、粘度の測定温度は同様とする。)
<第二のエポキシ樹脂>
EHG:四日市合成社製 2-エチルヘキシルグリシジルエーテル、エポキシ当量186g/eq、粘度800mPa・s
GPE:グリシジルフェニルエーテル(試薬)、エポキシ当量186g/eq、粘度800mPa・s
GAN:日本化薬社製 グリシジルアニリン、エポキシ当量83g/eq、粘度5400mPa・s
GOT:日本化薬社製 グリシジルトルイジン、エポキシ当量86g/eq、粘度6300mPa・s
HDG:三菱ケミカル社製 1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、エポキシ当量112g/eq、粘度1200mPa・s
NPG:阪本薬品工業社製 ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、エポキシ当量139g/eq、粘度2900mPa・s
PDG:ポリプロピレングリコール(400)ジグリシジルエーテル(試薬)、エポキシ当量467g/eq、粘度3900mPa・s
TBG:p-ターシャリーブトキシフェニルグリシジルエーテル(試薬)、エポキシ当量201g/eq、粘度4200mPa・s
CDG:1,4-シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル(試薬)、エポキシ当量135g/eq、粘度4000mPa・s
8EG:阪本薬品工業社製 ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、エポキシ当量277g/eq、粘度2900mPa・s
DDG:三菱ケミカル社製 ダイマー酸グリシジルエステル、エポキシ当量521g/eq、粘度6300mPa・s
jER806:三菱ケミカル社製 ビスフェノールF型エポキシ樹脂、エポキシ当量163g/eq、粘度2500mPa・s
<硬化剤>
DICY:三菱ケミカル社製 DICY-7 ジシアンジアミド型潜在性硬化剤
H-1:旭化成株式会社製 加熱により破壊されうるコアシェル構造を有するエポキシ樹脂硬化剤 ノバキュア(登録商標) HX-3088
H-2:旭化成株式会社製 加熱により破壊されうるコアシェル構造を有するエポキシ樹脂硬化剤 AER(登録商標)ハードナー D1301
Figure 2022178390000001
Figure 2022178390000002
Figure 2022178390000003
実施例1~11のエポキシ樹脂組成物は、保存安定性が良好であり、かつ、硬化物の伸度が高く、強度や弾性率などの硬化物物性も良好であることが確認された。
一方、パラメータCの値が所定の範囲にない比較例1~2、4~5、8のエポキシ樹脂組成物、及びゲル化温度TBの値が170℃を超えている比較例6~7は、伸度や強度などの硬化物物性の少なくとも一つが基準を満たしておらず、高い伸度を示した比較例3のエポキシ樹脂組成物も保存安定性が良好ではなく、実使用において使い勝手の悪いことが示唆された。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、電子機器、電気電子部品の絶縁材料、封止材料、接着剤、導電性材料等の幅広い用途において、産業上の利用可能性を有している。

Claims (8)

  1. 25℃で測定した粘度が6500mPa・s以上である第一のエポキシ樹脂と、6500mPa・s未満である第二のエポキシ樹脂と、硬化剤とを含むエポキシ樹脂組成物であって、
    毎秒5℃で昇温した際のゲル化温度(TB)が170℃以下であり、
    毎秒5℃で昇温した際の増粘開始温度(TA)と、前記ゲル化温度(TB)は、
    前記第一のエポキシ樹脂と前記硬化剤とを含み、前記第二のエポキシ樹脂を含まない組成物の増粘開始温度(TA0)とゲル化温度(TB0)に対し、
    A-TA0が0℃以上であり、
    かつ、
    C=(TB-TB0)/(TA-TA0)が、0.5以上である、
    エポキシ樹脂組成物。
  2. 前記硬化剤は、コアシェル構造を有する硬化剤を含み、前記コアシェル構造は加熱により破壊されうる、
    請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
  3. 前記硬化剤は、シアナミド系硬化剤を含む、
    請求項1又は2に記載のエポキシ樹脂組成物。
  4. 前記シアナミド系硬化剤は、ジシアンジアミドである、
    請求項3に記載のエポキシ樹脂組成物。
  5. 前記Cが、0.65以上である、
    請求項1乃至4のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  6. 前記TBが、140℃以下である、
    請求項5に記載のエポキシ樹脂組成物。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物を含む、
    エポキシ樹脂接着剤。
  8. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物の硬化物であるエポキシ樹脂硬化物。
JP2021085162A 2021-05-20 2021-05-20 エポキシ樹脂組成物、エポキシ樹脂接着剤、及びエポキシ樹脂硬化物 Pending JP2022178390A (ja)

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