JP2022177557A - 樹脂成形装置及び樹脂成形品の製造方法 - Google Patents

樹脂成形装置及び樹脂成形品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】樹脂成形品の品質不良を低減する。【解決手段】被覆体7が巻かれた樹脂材料Jが収容されるポット21が形成された第1の成形型2と、第1の成形型2に対向して設けられ、ポット21に対向する部分にカル部32が形成された第2の成形型3とを備え、第1の成形型2又は第2の成形型3の少なくとも一方に、キャビティ31が形成されるとともに、キャビティ31にカル部32を接続するランナ部33が形成されており、カル部32の内面においてランナ部33に対応する位置に凹部3M又は凸部3Tが形成されている。【選択図】図4

Description

本発明は、樹脂成形装置及び樹脂成形品の製造方法に関するものである。
樹脂材料を用いて樹脂成形を行う樹脂成形方法としては、成形型のポット内に収容した樹脂材料をプランジャによって成形型のキャビティに押し出すことにより、成形対象物を樹脂封止するものがある。
ここで、ポット内に収容される樹脂材料は、搬送時やポットへの装着時に樹脂粉塵が発生してしまう。この樹脂粉塵は、封止設備に悪影響を与えるだけでなく清掃作業も必要となる。このため、樹脂材料から発生する粉塵を防止するものとして、特許文献1に示す樹脂ペレットが考えられている。この樹脂ペレットは、表面に糊粉やワックスからなる発塵防止膜を成膜して、樹脂粉塵の発生を抑制するものである。
特開平11-291242号公報
しかしながら、ポット内の樹脂材料をプランジャによってキャビティに押し出す際に、溶融した樹脂材料がポットの内面とプランジャとの摺動部に侵入し、それによって残滓である樹脂カスが発生してしまう。
そこで本発明は、ポットの内面と樹脂材料との間に樹脂材料を取り囲む被覆体を配置して樹脂カスを低減するとともに、樹脂成形品の品質不良を低減することをその主たる課題とするものである。
すなわち本発明に係る樹脂成形装置は、被覆体が巻かれた樹脂材料が収容されるポットが形成された第1の成形型と、前記第1の成形型に対向して設けられ、前記ポットに対向する部分にカル部が形成された第2の成形型とを備え、前記第1の成形型又は前記第2の成形型の少なくとも一方に、キャビティが形成されるとともに、当該キャビティに前記カル部を接続するランナ部が形成されており、前記カル部の内面において前記ランナ部に対応する位置に凹部又は凸部が形成されていることを特徴とする。
このように構成した本発明によれば、ポットの内面と樹脂材料との間に樹脂材料を取り囲む被覆体を配置して樹脂カスを低減するとともに、樹脂成形品の品質不良を低減することができる。
本発明の一実施形態に係る樹脂成形装置の構成を模式的に示す断面図である。 同実施形態の樹脂材料を取り囲む被覆体の一例を示す模式図である。 同実施形態の樹脂成形装置の機能ブロック図である。 同実施形態においてカル部に凹部を設けた構成を模式的に示す断面図である。 同実施形態において(a)凹部とランナ部との位置関係を示す平面図、(b)凹部と被覆体との関係を示す断面図である。 同実施形態においてカル部に凸部を設けた構成を模式的に示す断面図である。 同実施形態において(a)凸部とランナ部との位置関係を示す平面図、(b)凸部と被覆体との関係を示す断面図である。 同実施形態の樹脂成形品の製造方法を説明するための図である。 同実施形態の樹脂成形品の製造方法を説明するための図である。 ポット及び樹脂材料の変形例を示す(a)斜視図、(b)平面図、(c)断面図である。 変形実施形態においてカル部に凹部を設けた構成を模式的に示す断面図である。 変形実施形態においてカル部に凹部を設けた構成を模式的に示す斜視図及び部分拡大斜視図である。
次に、本発明について、例を挙げてさらに詳細に説明する。ただし、本発明は、以下の説明により限定されない。
上述した樹脂カスの問題に対して本願発明者は、ポットの内面と樹脂材料との間に樹脂材料を取り囲む被覆体を配置することにより、溶融した樹脂材料がポットの内面とプランジャとの摺動部に侵入しにくくして、樹脂カスを低減することを考えている。
ところが、プランジャの上昇により、被覆体がカル部の内面に接触して溶融した樹脂材料を堰き止めてしまい、溶融した樹脂材料がランナ部に流動しにくくなってしまう。この状態で、被覆体が破れた場合には、その破れた部分から樹脂材料が流動するものの、破れていない部分からは樹脂材料が流れにくい。その結果、キャビティの各所で樹脂材料が充填するタイミングや量がばらついてしまい、樹脂成形品の品質不良となる場合がある。
そこで、本発明の樹脂成形装置は、被覆体が巻かれた樹脂材料が収容されるポットが形成された第1の成形型と、前記第1の成形型に対向して設けられ、前記ポットに対向する部分にカル部が形成された第2の成形型とを備え、前記第1の成形型又は前記第2の成形型の少なくとも一方に、キャビティが形成されるとともに、当該キャビティに前記カル部を接続するランナ部が形成されており、前記カル部の内面において前記ランナ部に対応する位置に凹部又は凸部が形成されていることを特徴とする。
この樹脂成形装置であれば、カル部の内面においてランナ部に対応する位置に凹部又は凸部が形成されているので、被覆体がカル部の内面に接触した場合に、溶融した樹脂材料が凹部を通って被覆体を迂回してランナ部に流れ、又は、被覆体が凸部に接触して変形し、凸部と被覆体との間に形成された隙間からランナ部に流れることになる。その結果、プランジャで溶融した樹脂材料を押し出した場合に、被覆体に関わらず、キャビティに樹脂材料が充填されるタイミング及び量のばらつきが低減されて、樹脂成形品の品質の不良を低減することができる。
また、樹脂成形時にポットの内面と樹脂材料との間に樹脂材料を取り囲む被覆体が配置されることになり、樹脂材料がポットの内面に触れないようにでき、ポットの内面に付着する樹脂カスを低減することができる。また、被覆体により樹脂材料が取り囲まれているので、たとえモールドアンダーフィル(MUF)用樹脂やクリアレジンなどの高流動樹脂であったとしても、ポットの内面とプランジャとの摺動部に溶融した樹脂材料が侵入しにくくなり、摺動部に侵入した樹脂材料によって発生する樹脂カスを低減することができる。このように樹脂カスを低減することにより、次の樹脂成形へのコンタミネーションを低減でき樹脂成形品の品質を向上することができる。また、樹脂カスによる設備トラブルを防止でき、清掃作業の頻度も低減できる。さらに、被覆体を用いることにより、樹脂成形品の品質の安定化を実現できるとともに、プランジャの摺動抵抗の増大を防止できるので、ポット及びプランジャの長寿命化も実現できる。
被覆体はポットの内側周面に沿った状態でプランジャにより押し出されることが考えられる。この被覆体に対して溶融した樹脂材料の流動が妨げられにくくするためには、前記凹部又は凸部は、平面視において前記ポットの開口縁の周方向の一部を横切るように形成されていることが望ましい。
より具体的には、前記凹部又は前記凸部は、前記カル部の内面において、前記被覆体の前記第2の成形型側の端部が当たる部分に形成されていることが望ましい。
本発明の樹脂成形装置の具体的な実施の態様としては、前記ポットは、平面視において円ではない形状をなすものであり、前記ポットに収容される前記樹脂材料は、平面視において前記ポットに対応して円ではない形状であることが望ましい。例えば、前記ポットは、平面視において縦横寸法が異なる形状をなすものであり、前記ポットに収容される前記樹脂材料は、平面視において前記ポットに対応して縦横寸法が互いに異なるものであることが望ましい。
さらに、上述した樹脂成形装置を用いた樹脂成形品の製造方法も本発明の一態様である。
<本発明の一実施形態>
以下に、本発明に係る樹脂成形装置の一実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下に示すいずれの図についても、わかりやすくするために、適宜省略し又は誇張して模式的に描かれている。同一の構成要素については、同一の符号を付して説明を適宜省略する。
<樹脂成形装置100の基本構成>
本実施形態の樹脂成形装置100は、電子部品Wxが接続された成形対象物Wを、樹脂材料Jを用いたトランスファ成形によって樹脂成形するものである。
ここで、成形対象物Wとしては、例えば金属製基板、樹脂製基板、ガラス製基板、セラミックス製基板、回路基板、半導体製基板、配線基板、リードフレーム等であり、配線の有無は問わない。また、樹脂成形のための樹脂材料Jは、例えば熱硬化性樹脂を含む複合材料であり、樹脂材料Jの形態は、例えば円柱状をなすタブレット状の固形である。また、成形対象物Wの上面に接続される電子部品Wxとしては、例えばベアチップ、抵抗素子、キャパシタ素子等の電子素子又はこれらの電子素子の少なくとも1つが樹脂封止された状態のものである。
具体的に樹脂成形装置100は、図1に示すように、樹脂材料Jを用いて樹脂成形する樹脂成形機構10を備えており、当該樹脂成形機構10は、樹脂材料Jを収容するポット21が形成された第1の成形型2(以下、下型2)と、当該下型2に対向して設けられ、樹脂材料Jが注入されるキャビティ31が形成された第1の成形型3(以下、上型3)と、下型2及び上型3を型締めする型締め機構(不図示)とを有する。下型2は、型締め機構により昇降する可動盤(不図示)に下型保持部材4を介して設けられている。上型3は、上部固定盤(不図示)に上型保持部材(不図示)を介して設けられている。なお、下型保持部材4は、例えば、ヒータープレートや断熱プレート等を有している。
下型2には、例えば複数のポット21が下型2の上面に開口して形成されている。このポット21は、下型2に形成された貫通孔2Hにより構成されており、当該貫通孔2Hは、例えば超硬合金製や鋼材製の円筒状をなすポット部材20を下型2に嵌めることにより形成されている。ポット21は、樹脂材料Jの形状に対応した形状をなしており、本実施形態では、樹脂材料Jが円柱状であることから、ポット21もそれに合わせて断面円形状をなすものである。その他、下型2の上面には、成形対象物Wが装着される装着部22が形成されている。
また、上型3の下面(型面)には、下型2の装着部22に装着された成形対象物Wの電子部品Wxを収容するキャビティ31が形成されている。また、上型3の下面には、下型2のポット21に対向する部分に凹部であるカル部32が形成されるとともに、当該カル部32とキャビティ31とを接続するランナ部33が形成されている。
そして、樹脂成形機構10は、下型2の複数のポット21に収容された樹脂材料Jを押し出す複数のプランジャ51を有するプランジャユニット5と、プランジャ51がポット21内で進退移動するようにプランジャユニット5を移動させる駆動機構6とを備えている。
プランジャユニット5は、下型2の下方に設けられており、プランジャ51が、下型2の貫通孔2Hに挿入して設けられている。そして、プランジャ51の上面は、下型2のポット21の底面を構成する。また、プランジャ51は、ポット21において加熱されて溶融した樹脂材料Jをポット21から上型3に向かって押圧するものである。
駆動機構6は、プランジャユニット5を下型2に対して相対移動させるものであり、これにより、プランジャ51はポット21内において進退する(昇降する)。本実施形態の駆動機構6は、プランジャユニット5に対して下型2とは反対側(プランジャユニット5の下側)に設けられている。ここで、駆動機構6としては、例えば、サーボモータとボールねじ機構とを組み合わせたものや、エアシリンダや油圧シリンダとロッドとを組み合わせたもの等を用いることができる。
そして、型締め機構により下型2及び上型3を型締めした状態でプランジャユニット5を上昇させると、樹脂成形機構10に備えられたヒータ(不図示)の熱により溶融した樹脂材料Jがキャビティ31に注入される。これにより、キャビティ31内に収容された成形対象物Wの電子部品Wxが樹脂封止される。
<樹脂成形品Pの製造方法の特徴部分>
次に、上記の樹脂成形装置100を用いた樹脂成形品Pの製造方法の特徴部分について説明する。
図1に示すように、下型2のポット21に樹脂材料Jを収容する場合に、ポット21の内面と樹脂材料Jとの間に、樹脂材料Jがポット21の内面に接触しないように被覆体7を配置する。
この被覆体7は、ポット21内において樹脂材料Jが押し出される方向を開放しつつ樹脂材料Jの全周を取り囲むものである。具体的に被覆体7は、ポット21内において樹脂材料Jの上面を覆うことなく樹脂材料Jの外側周面の全周を取り囲む。
この被覆体7は、1回の樹脂成形ごとに廃棄される消耗材であり、例えば、紙製、樹脂製、セルロース製、織布製、不織布製、又はこれらの複合材製のものを挙げることができる。なお、複合材としては、フィラーを含有した樹脂フィルム、紙に例えば10μm以下の耐熱フィルム等の樹脂フィルムをラミネートしたもの、紙に樹脂をコーティング(塗布)したもの、紙に樹脂を含浸させたもの、パルプと樹脂の繊維を混ぜて紙として抄いたもの等が考えられる。これら被覆体7は、樹脂材料Jによって樹脂封止をするための成形温度(例えば170℃程度)において溶融及び熱分解しない材料から構成されている。
具体的に被覆体7は、図2に示すように、例えば矩形状をなすシート状のものであり、樹脂材料Jの外側周面に巻き付けられた状態でポット21に配置される。ここで、図2の(d)展開図に示すように、被覆体7の幅寸法L1は、樹脂材料Jの外側周面の軸方向全体を覆う寸法であり、被覆体7の長さ寸法L2は、樹脂材料Jの外側周面の周りを1巻き以上できる寸法である。例えば、被覆体7の幅寸法L1は、樹脂材料Jの幅寸法よりも0.5~3mm程度長く、被覆体7の長さ寸法L2は、樹脂材料Jの外周を1周とした場合、1.1~1.5周分である。このようにシート状の被覆体7を樹脂材料Jに巻く構成にすることで、被覆体7の構成を簡単にでき、加工コストを低減することができる。
また、被覆体7の厚みは、ポット21の内面とプランジャ51とのクリアランス(隙間)よりも大きく、被覆体7自体がポット21の内面とプランジャ51と摺動部に侵入しないように構成されている。例えばクリアランスが10μmに対して、被覆体7の厚みは50μmである。
そして、被覆体7は、ポット21の内面に密着するように構成されている。具体的に被覆体7は、ポット21内で溶融又は軟化した樹脂材料Jから加わる内圧によって被覆体7がポット21の内面に密着する構成としている。本実施形態では、被覆体7を樹脂材料Jに巻くとともに当該被覆体7を周方向に拘束しない構成としており、樹脂材料Jと被覆体7とが密着しておらず、これらの間に隙間が生じ得る状態である。これにより、被覆体7は、溶融又は軟化した樹脂材料Jから加わる内圧によって径方向に拡がりやすく、ポット21の内面に密着しやすくなる。なお、溶融又は軟化した樹脂材料Jから加わる内圧とは、主として、プランジャ51による注入動作中において、溶融又は軟化した樹脂材料Jがプランジャ51に押されて周方向に広がる、又は、溶融又は軟化した樹脂材料Jがプランジャ51及び上型3のカル部32から押されて周方向に広がることにより生じる圧力である。
このように被覆体7がポット21の内面に密着する構成とすることで、被覆体7がポット21の内面とプランジャ51との摺動部を塞ぐ構成となり、溶融した樹脂材料Jが摺動部により一層侵入しにくくなる。また、被覆体7は、ポット21内で溶融又は軟化した樹脂材料Jから加わる内圧によってポット21の内面に密着するものであることから、被覆体7をポット21に配置する際にポット21の内面に密着させる必要がなく、被覆体7をポット21内に配置しやすくできる。
次に、被覆体7をポット21の内面と樹脂材料Jとの間に配置する方法について説明する。
被覆体7をポット21の内面と樹脂材料Jとの間に配置する方法としては、(1)樹脂材料Jをポット21に収容する前に、ポット21に被覆体7を配置する方法、(2)樹脂材料Jをポット21に収容する前に、当該樹脂材料Jを被覆体7で覆い、被覆体7で覆われた樹脂材料Jをポット21に収容することで、被覆体7をポット21に配置する方法を挙げることができる。
上記(1)において、ポット21に被覆体7を配置する構成としては、被覆体搬送機構(不図示)によりポット21に配置する構成が考えられる。上記(2)において、ポット21に被覆体7を配置する構成としては、樹脂成形装置外で予め人又は機械により樹脂材料Jが被覆体7に覆われたものを準備し、樹脂材料搬送機構(不図示)によりポット21に配置する構成、又は、樹脂成形装置内で樹脂材料Jに被覆体7を巻きつける等によって樹脂材料Jを被覆体7で覆う被覆体巻き機構を設けておき、当該被覆体巻き機構によって樹脂材料Jが被覆体7に覆われたものを、樹脂材料搬送機構によりポット21に配置する構成が考えられる。なお、樹脂材料搬送機構により搬送される途中に被覆機構部を設けても良い。
上述した樹脂成形品Pの製造方法を自動化する構成例として、本実施形態の樹脂成形装置100は、図3に示すように、樹脂材料Jの外側周面に被覆体7を巻く被覆体巻き機構8と、被覆体7が巻かれた状態の樹脂材料Jを樹脂成形機構10に搬送する樹脂材料搬送機構9とをさらに備えており、樹脂成形機構10は、被覆体7が巻かれた状態の樹脂材料Jを用いて樹脂成形するものである。これら被覆体巻き機構8、樹脂材料搬送機構9及び樹脂成形機構10は、制御部COMにより制御される。
<カル部32の特徴構成1>
本実施形態では、図1、図4及ぶ図5に示すように、カル部32の内面(ここでは、上面32a)においてランナ部33に対応する位置に凹部3Mが形成されている。本実施形態では、1つのカル部32に対して4つのランナ部33が接続されており、これら4つのランナ部33に対応して各ランナ部33の接続箇所又はその近傍に凹部3Mが形成されている(図5(a)参照)。例えば、凹部3Mは、平面視において、カル部32の上面32aにおいて、ポット21の中心とランナ部33の入口部とを結ぶ線上に形成されている。なお、図5(a)では、凹部3Mが、ポット21の中心とランナ部33の入口部とを結ぶ直線上に形成されているが、ポット21の中心とランナ部33の入口部とを結ぶ曲線上に形成されていても良い。
また、凹部3Mは、図5(a)に示すように、平面視においてポット21の開口縁の周方向の一部を横切るように形成されている。さらに、凹部3Mは、カル部32の内面において、被覆体7の上型3側の端部(上端部)が当たる部分に形成されている。本実施形態の凹部3Mは、平面視において円形状をなすものである。なお、凹部3Mは、平面視において円形状に限られず、楕円形状、長円形状、又は、矩形状などの多角形状であっても良い。
この構成において、プランジャ51で被覆体7に巻かれた樹脂材料Jを押し出すと、図5(b)に示すように、被覆体7がカル部32の上面32aにおいて凹部3M以外の部分に接触する。ここで、凹部3Mによって溶融した樹脂材料Jのランナ部33への流路が確保される。この状態において、溶融した樹脂材料Jは、凹部3Mを介して被覆体7を迂回し、被覆体7を内側から外側に流れてランナ部33に流入してキャビティ31に充填される。このように凹部3Mを形成することによって、溶融した樹脂材料Jの流動する位置を設定することができる。
<カル部32の特徴構成2>
また、図6及ぶ図7に示すように、カル部32の内面(ここでは、上面32a)においてランナ部33に対応する位置に凸部3Tを形成しても良い。本実施形態では、1つのカル部32に対して4つのランナ部33が接続されており、これら4つのランナ部33に対応して各ランナ部33の接続箇所又はその近傍に凸部3Tが形成されている(図7(a)参照)。例えば、凸部3Tは、カル部32の上面32aにおいて、ポット21の中心とランナ部33の入口部とを結ぶ線上に形成されている。なお、図7(a)では、凸部3Tが、ポット21の中心とランナ部33の入口部とを結ぶ直線上に形成されているが、ポット21の中心とランナ部33の入口部とを結ぶ曲線上に形成されていても良い。
また、凸部3Tは、図7(a)に示すように、平面視においてポット21の開口縁の周方向の一部を横切るように形成されている。さらに、凸部3Tは、カル部32の内面において、被覆体7の上型3側の端部(上端部)が当たる部分に形成されている。本実施形態の凸部3Tは、平面視において楕円形状又は長円形状をなし、長手方向に直交する断面が矩形状をなすものである。なお、凸部3Tは、平面視において楕円形状又は長円形状に限られず、円形状又は矩形状などの多角形状であっても良い。また、凸部3Tは、長手方向に直交する断面が下に尖った形状であっても良いし、長手方向に直交する断面において先端面が上に凹んだ形状であっても良い。
この構成において、プランジャ51で被覆体7に巻かれた樹脂材料Jを押し出すと、図7(b)に示すように、被覆体7の上端部が凸部3Tに接触して押し潰される。そうすると、被覆体7の凸部3Tに押し潰された部分と凸部3Tとの間に隙間Sが形成される。この状態において、溶融した樹脂材料Jは、被覆体7と凸部3Tとの間の隙間Sを介して、被覆体7を内部から外側に流れてランナ部33に流入してキャビティ31に充填される。このように凸部3Tを形成することによって、溶融した樹脂材料Jの流動する位置を設定することができる。
<樹脂成形品Pの製造方法の全体工程>
次に、樹脂成形品Pの製造方法の全体工程について、図8及び図9を参照して説明する。なお、図8及び図9では、上型3のカル部32に凹部3Mが形成された例を示している。
まず、図8(a)に示すように、型開きされた状態の下型2のポット21内に樹脂材料J及び被覆体7を収容する。また、下型2の装着部22に成形対象物Wを装着する。
そして、図8(b)に示すように、上型3及び下型2を型締めして成形対象物Wを上型3と下型2とで挟み込む。このとき、成形対象物Wの電子部品Wxは、上型3のキャビティ31内に収容された状態となる。
そして、ポット21内で溶融した樹脂材料Jをプランジャ51によって押し出す。これにより、図8(c)に示すように、溶融した樹脂材料Jは、上型3のカル部32及びランナ部33を通過してキャビティ31に導入される。特に本実施形態では、カル部32に形成した凹部3Mによって、溶融した樹脂材料Jが被覆体7を迂回するので、溶融した樹脂材料Jをランナ部33に流動しやすい。
なお、カル部32には、凹部3Mに代えて凸部3Tが形成されてもよい。この場合、ポット21内で溶融した樹脂材料Jをプランジャ51によって押し出すと、凸部3Tによって、被覆体7の上端部が凸部3Tに接触して押し潰される。そうすると、被覆体7と凸部3Tとの間の隙間Sを介して、溶融した樹脂材料Jが、溶融した樹脂材料Jをランナ部33に流動しやすい(図7参照)。
そして、図9(a)に示すように、溶融した樹脂材料Jを硬化に必要な所要時間だけ加熱することによって硬化させて、硬化樹脂を形成する。これにより、キャビティ31内の電子部品Wxとその周辺の基板とは、キャビティ31の形状に対応して成形された硬化樹脂(封止樹脂)内に封止される。
次に、硬化に必要な所要時間の経過後において、図9(b)に示すように、上型3と下型2とを型開きして、封止済基板(樹脂成形品P)を不要樹脂J1とともに離型して一体的に搬送する。ここで、不要樹脂J1は、カル部32に残留した樹脂(カルJ11)及びランナ部33に残留した樹脂(ランナJ12)とからなる。その後、成形型(上型3及び下型2)から離れた別のスペースで、図9(c)に示すように、樹脂成形品Pから不要樹脂J1を除去し、不要樹脂J1を廃棄する。ここで、樹脂成形後において被覆体7は、カル部32又はランナ部33に残留し、カル部32及びランナ部33に残留した不要樹脂J1(カルJ11又はランナJ12)内に含まれており、当該不要樹脂J1とともに廃棄される。
<本実施形態の効果>
本実施形態の樹脂成形装置100によれば、カル部32の内面32aにおいてランナ部33に対応する位置に凹部3M又は凸部3Tが形成されているので、被覆体7がカル部32の内面32aに接触した場合に、溶融した樹脂材料Jが凹部3Mを通って被覆体7を迂回してランナ部33に流れ、又は、被覆体7が凸部3Tに接触して変形し、凸部3Tと被覆体7との間に形成された隙間Sからランナ部33に流れることになる。その結果、プランジャ51で溶融した樹脂材料Jを押し出した場合に、被覆体7に関わらず、キャビティ31に樹脂材料Jが充填されるタイミング及び量のばらつきが低減されて、樹脂成形品Pの品質の不良を低減することができる。
また、樹脂成形時にポット21の内面と樹脂材料Jとの間に樹脂材料Jを取り囲む被覆体7が配置されることになり、樹脂材料Jがポット21の内面に触れないようにでき、ポット21の内面に付着する樹脂カスを低減することができる。また、被覆体7により樹脂材料Jが取り囲まれているので、たとえモールドアンダーフィル(MUF)用樹脂やクリアレジンなどの高流動樹脂であったとしても、ポット21の内面とプランジャ51との摺動部に溶融した樹脂材料Jが侵入しにくくなり、摺動部に侵入した樹脂材料Jによって発生する樹脂カスを低減することができる。ここで、被覆体7は、樹脂材料Jが押し出される方向を開放しているので、プランジャ51による樹脂材料Jの押し出しを邪魔することもない。
このように樹脂カスを低減することにより、次の樹脂成形へのコンタミネーションを低減でき樹脂成形品Pの品質を向上することができる。また、樹脂カスによる設備トラブルを防止でき、清掃作業の頻度も低減できる。さらに、被覆体7を用いることにより、プランジャ51の摺動抵抗の増大を防止できるので、樹脂成形品Pの品質の安定化を実現できるとともに、ポット21及びプランジャ51の長寿命化も実現できる。
<その他の変形実施形態>
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
例えば、前記実施形態では、ポットが下型に形成されており、キャビティが上型に形成されたものであったが、ポット又はキャビティは何れの成形型に形成されたものであっても良い。また、前記実施形態において、キャビティ及びランナ部は、下型に形成されたものであっても良い。
その他、被覆体7がポット21の内面に密着する構成としては、被覆体7をシート状の弾性部材とし、ポット21内に丸めて配置することで弾性部材の復元力によりポット21の内面に密着する構成とすることも考えられる。
また、被覆体7は、ポット21内において樹脂材料Jとプランジャ51の上面との間に配置してもよい。このとき、被覆体7は、樹脂材料Jの外側周面だけでなく底面を覆う構成とすることが考えられる。
また、ポット及びプランジャは、断面円形状のものに限られず、例えば、断面矩形状等のその他の形状のものであっても良い。
さらに、図10に示すように、ポット21及びプランジャ51により形成される樹脂収容空間が浅い構成とし、当該ポット21内に樹脂材料Jを面状に収容する構成としても良い。ここで、収容される樹脂材料Jとしては、粉粒体状、液状又は板状であることが考えられる。この構成においては、粉粒体状又は液状の樹脂材料Jの場合には、被覆体7を樹脂材料に巻きつけることができないため、あるいは、板状の樹脂材料Jの場合には、樹脂材料Jの厚みが小さく巻きつけることが難しいため、予め被覆体7をポット21内に配置することが考えられる。なお、被覆体7は、ポット21内に配置された状態において底を有する構成であっても良いし、底を有さない構成であっても良い。
そして、図10に示す構成においても、上型3のカル部32に凹部3M又は凸部3Tを設けて、被覆体7により溶融した樹脂材料Jの流動が妨げられないようにしても良い。図11及ぶ図12では、1つのキャビティ31に3つのランナ部33が接続された構成であり、各ランナ部33に対応する位置に凹部3Mを設けた構成である。なお、各ランナ部33に対応する位置に凸部を設けた構成としても良い。
また、樹脂成形装置はマルチプランジャ方式に限定されず、1つのプランジャを有するものであっても良い。この場合、プランジャユニットは1つのプランジャを有する構成となる。
その上、一対の成形型は、上型及び下型に限られず、トランスファ成形に用いることができるその他の成形型(例えば、中間プレートが存在しているトップゲートタイプの成形型)であっても良い。
その他、本発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
100・・・樹脂成形装置
J ・・・樹脂材料
P ・・・樹脂成形品
2 ・・・第1の成形型(下型)
21 ・・・ポット
3 ・・・第2の成形型(上型)
32 ・・・カル部
32a・・・カル部の内面(上面)
3M ・・・凹部
3T ・・・凸部
33 ・・・ランナ部
7 ・・・被覆体

Claims (5)

  1. 被覆体が巻かれた樹脂材料が収容されるポットが形成された第1の成形型と、
    前記第1の成形型に対向して設けられ、前記ポットに対向する部分にカル部が形成された第2の成形型とを備え、
    前記第1の成形型又は前記第2の成形型の少なくとも一方に、キャビティが形成されるとともに、当該キャビティに前記カル部を接続するランナ部が形成されており、
    前記カル部の内面において前記ランナ部に対応する位置に凹部又は凸部が形成されている、樹脂成形装置。
  2. 前記凹部又は凸部は、平面視において前記ポットの開口縁の周方向の一部を横切るように形成されている、請求項1に記載の樹脂成形装置。
  3. 前記凹部又は前記凸部は、前記カル部の内面において、前記被覆体の前記第2の成形型側の端部が当たる部分に形成されている、請求項1又は2に記載の樹脂成形装置。
  4. 前記ポットは、平面視において縦横寸法が異なる形状をなすものであり、
    前記ポットに収容される前記樹脂材料は、平面視において前記ポットに対応して縦横寸法が互いに異なるものである、請求項1乃至3の何れか一項に記載の樹脂成形装置。
  5. 請求項1乃至4の何れか一項に記載の樹脂成形装置を用いた樹脂成形品の製造方法。
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