JP2022176710A - バックル装置及びバックル装置用カバー部材 - Google Patents

バックル装置及びバックル装置用カバー部材 Download PDF

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Masamitsu Kagawa
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Abstract

【課題】追加部品がなくても、容易にアンカ部材によってカバー部材を保持させることが可能な技術を提供することを目的とする。【解決手段】バックル装置は、車両に取付けられるアンカ部材30と、乗員拘束用のウエビングに取付けられたタングが装着されるバックル本体と、前記バックル本体とアンカ部材とを連結する連結部材と、筒状にされ、連結部材が収容されると共に、一端部にアンカ部材の一部が挿入され他端部にバックル本体の一部が挿入されるカバー部材60と、を備え、カバー部材の一端部にアンカ部材の一部が挿入された状態において、アンカ部材の厚さ方向一方側で、アンカ部材の幅方向の両角部30e1とカバー部材の内面とが第1接触部70で接触し、アンカ部材の厚さ方向他方側で、アンカ部材の幅方向の両角部30e2よりも内側で、アンカ部材の厚さ方向他方側の面とカバー部材の内面とが第2接触部72で接触している。【選択図】図5

Description

この開示は、車両に取付けられるアンカ部材に連結部材によって連結されたバックル本体と、連結部材を覆いバックル装置を支持するカバー部材とを備えたバックル装置及び、バックル装置用カバー部材に関する。
特許文献1に開示のバックル装置は、インナウエビングによってアンカプレートに連結されている。このインナウエビングは筒状のインナブーツで覆われている。インナブーツの上部はバックル装置を覆い、下部はアンカプレートの上部を覆っている。
インナブーツはクリップによってアンカプレートに固定されている。また、インナブーツの下部に形成された固定片及びアンカプレートに内側テープが巻付けられることによっても、インナブーツがアンカプレートに固定されている。
特許文献2の開示のバックル本体は、長尺帯状のベルトによってアンカに連結されている。ベルトは、インナブーツによって覆われている。インナブーツのうち上側の収容部がバックル装置を覆っている。インナブーツのうち収容部より下側に支持部が設けられ、支持部の下部にアンカが収容されている。支持部の下部にアンカが収容された状態で、支持部の下部のアンカ掴部がアンカの先端の角部を覆っている。
アンカ掴部には、下方に開口するポケット部が形成され、ポケット部内の対面には、複数対の突起部が互いに接近するように突出して設けられている。突起部の突出先端の間隔がアンカの先端部の厚さよりも小さくなっている。アンカがアンカ掴部のポケット部に挿入配置された状態で、アンカが突起部の突出先端の間に挿入されることで、インナブーツがアンカの厚さ方向に傾倒することが抑制される。
特開2013-035465号公報 特開2020-066332号公報
特許文献1によると、インナブーツの下部をアンカプレートで保持するために、クリップと内側テープとが追加されており、それらを組付けるための手間が必要となる。
特許文献2によると、アンカをインナブーツに挿入し、下側のアンカ掴部にアンカの先端の角部が覆われるようにするためには、支持部の断面における内部の幅がアンカの幅以上となるように、支持部の幅を大きく広げるよう作業が必要となる。このため、インナブーツの装着作業が困難である。
そこで、本開示は、追加部品がなくても、容易にアンカ部材によってカバー部材を保持させることが可能な技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、バックル装置は、車両に取付けられるアンカ部材と、乗員拘束用のウエビングに取付けられたタングが装着されるバックル本体と、前記バックル本体と前記アンカ部材とを連結する連結部材と、筒状にされ、前記連結部材が収容されると共に、一端部に前記アンカ部材の一部が挿入され他端部に前記バックル本体の一部が挿入されるカバー部材と、を備え、前記カバー部材の一端部に前記アンカ部材の一部が挿入された状態において、前記アンカ部材の厚さ方向一方側で、前記アンカ部材の幅方向の両角部と前記カバー部材の内面とが第1接触部で接触し、前記アンカ部材の厚さ方向他方側で、前記アンカ部材の幅方向の両角部よりも内側で、前記アンカ部材の厚さ方向他方側の面と前記カバー部材の内面とが第2接触部で接触しているものである。
また、上記課題を解決するため、バックル装置用カバー部材は、上記カバー部材であるバックル装置用カバー部材であって、前記カバー部材は弾性変形可能な部材であり、前記アンカ部材が挿入されていない状態において、前記カバー部材の一端部の内幅は、前記アンカ部材の幅よりも小さいものである。
このバックル装置又はバックル装置用カバー部材によると、追加部品がなくても、容易にアンカ部材によってカバー部材を保持させることが可能となる。
実施形態に係るバックル装置を示す正面図である。 バックル装置を示す側面図である。 バックル装置の一部を断面にした正面図である。 バックル装置の一部を断面にした側面図である。 アンカ保持筒部とアンカ部材とを示す図である。 アンカ保持筒部の初期形状とアンカ部材との関係を示す図である。 変形例に係るアンカ保持筒部とアンカ部材とを示す図である。 他の変形例に係るアンカ保持筒部とアンカ部材とを示す図である。 さらに他の変形例に係るアンカ保持筒部とアンカ部材とを示す図である。
以下、実施形態に係るバックル装置及びバックル装置用カバー部材について説明する。
<バックル装置の全体構成について>
図1はバックル装置20を示す正面図であり、図2はバックル装置を示す側面図である。図3はバックル装置20の一部を断面にした正面図であり、図4はバックル装置20の一部を断面にした側面図である。
バックル装置20は、車両におけるシートベルトを固定するための装置である。バックル装置20は、例えば、車両10に固定具12を介して取付けられる。車両10におけるバックル装置20の固定箇所は、例えば、座席の外側方に存在するフロア又は座席のフレームである。座席は、例えば、リア席、前席のベンチシートである。バックル装置20は、車両10にネジ又は溶接等によって固定された固定具12に、ネジ止等によって固定される。バックル装置20は、座席から上方に突出し、斜め上方又は上方を向いた姿勢で支持される。
車両には、バックル装置20とは別に、乗員拘束用のウエビング14が設けられている。ウエビング14には、タング15が取付けられている。3点式のシートベルトを前提とすると、タング15に設けられたウエビング挿通孔15hにウエビング14が挿通されている。これにより、タング15は、ウエビング14にその長手方向に移動可能に取付けられる。このタング15がバックル装置20に装着されることによって、ウエビング14が乗員を拘束した状態に保つことができる。
なお、本バックル装置20が適用されるシートベルトは、3点式のシートベルトであってもよいし、2点式のシートベルトであってもよい。
バックル装置20は、アンカ部材30と、バックル本体40と、連結部材50と、カバー部材60とを備える。
アンカ部材30は、車両10に取付けられる部材である。アンカ部材30が車両に取付けられることによって、バックル本体40がタング15を装着するのに適した位置及び姿勢に保持される。
アンカ部材30は、金属板等によって形成されており、車両側固定部32と、連結部34と、本体部36を含む。車両側固定部32は車両10に固定される部分であり、連結部34は連結部材50が連結される部分である。本体部36は、車両側固定部32と連結部34との間に介在する部分である。本実施形態では、車両側固定部32にボルト挿通孔32hが形成されている。ボルトBがボルト挿通孔32h及び固定具12に形成されたボルト挿通孔に挿通された状態で、ナットに螺合されることで、車両側固定部32が固定具12を介して車両10に固定される。
連結部34には、連結部材50が挿通される連結用孔34hが形成されている。連結用孔34hは、連結部34の表裏に貫通する孔であり、アンカ部材30の幅方向に細長い形状に形成されている。
バックル本体40は、タング15が着脱可能に装着される部材である。例えば、タング15がバックル本体40のタング挿入口42に挿入されると、バックル本体40内に設けられた抜止め片がタング15に形成された孔に引っ掛る。これにより、タング15がバックル本体40に対して抜け止状態で保持され、ウエビング14が乗員を拘束可能な状態となる。この状態で、バックル本体40に設けられた解除ボタン44を押すと、抜止め片が移動してタング15に対する引っ掛り状態が解除される。これにより、タング15は、バックル本体40から離脱することができる。これにより、ウエビング14による乗員の拘束が解除される。
バックル本体40のうちタング挿入口42とは反対側の端部に、連結用延出片46が延出している。連結用延出片46には、連結用孔46hが形成されている。連結用孔46hは、バックル本体40の幅方向に長い貫通孔形状に形成されている。
なお、バックル本体40には、タング15に対する抜止め片の引っ掛り状態を検出する検出部が組込まれてもよい。検出部は、例えば、バックル本体40にタング15が挿入されることによって、タング又は当該タングの動きに連動する可動部によって押されてオフ状態とオン状態との間で切替るスイッチであってもよい。この検出部の検出信号を利用して、乗員に対するシートベルトの装着の有無が検出され得る。
連結部材50は、バックル本体40とアンカ部材30とを連結する部材である。連結部材50は、アンカ部材30に対するバックル本体40の位置を変更できるように、変形可能な部材であることが好ましい。すなわち、座席に着座する乗員の体型、座席のポジション(背もたれの傾き、座席の前後位置)等に応じて、乗員を拘束するウエビング14の経路が変更されることがある。ウエビング14の経路が変更されると、ウエビング14に取付けられるタング15の位置も異なってしまう。そこで、タング15の位置変更に対応できるように、連結部材50は変形可能な部材であることが好ましい。
かかる連結部材50は、例えば、緯糸と経糸を交差させて織った帯状部材によって構成されていてもよい。連結部材50は、バックル本体40の連結用延出片46及びアンカ部材30の連結部34に連結される。
例えば、帯状部材の一端部を連結部34の連結用孔34hに挿通させる。また、連結部材50を構成するための帯状部材の他端部を連結用延出片46の連結用孔46hに挿通させる。そして、帯状部材の一端部及び他端部を、帯状部材の長手方向中間部に重ね合せた状態とし(図4参照)、その重ね合せ部分を縫糸51によって縫い合せる(図3参照)。これにより、連結部材50の一端部が連結用孔34hに挿通されると共に、連結部材50の他端部が連結用孔46hに挿通された状態に保たれ、連結部材50がアンカ部材30とバックル本体40とを連結した状態に保つ。
連結部材50がアンカ部材30とバックル本体40とを連結状態に保つ構成は上記例に限られない。例えば、帯状部材の一端部と他端部とが重ね合わされず、帯状部材の長手方向中間部に別々に縫付けられていてもよい。また、縫付けでは無く、カシメ金具によって連結部材50がアンカ部材30又はバックル本体に連結された状態に保たれてもよい。
連結部材50は、帯状部材によって構成される必要は無い。連結部材は、バックル本体40が引っ張られた場合に、アンカ部材30に対してバックル本体40が所定距離以上離れないように連結状態に保つ部材であればよい。連結部材は、例えば、アンカ部材30とバックル本体40とを連結状態に保つ紐、ロープであってもよい。
カバー部材60は、筒状に形成された部材である。カバー部材60の長手方向中間部に連結部材50が収容される。カバー部材60の長手方向一端部にアンカ部材30の一部が挿入される。カバー部材60の他端部にバックル本体40の一部が挿入される。
バックル本体40、連結部材50及びアンカ部材30は、カバー部材60に対して次のように収容される。すなわち、バックル本体40とアンカ部材30とが連結部材50によって連結された組合せ部品を準備する。そして、アンカ部材30を、カバー部材60の他端部側の開口60Bからカバー部材60内に挿入する。続いて、アンカ部材30をカバー部材60の一端部側の開口60Aに向けて移動させて、アンカ部材30の先端部を開口60Aから延出させる。この作業は、例えば、アンカ部材30に連結された長尺作業部材を、カバー部材60に先通し、開口60Aから延出した長尺作業部材を引っ張ることによって行われてもよい。アンカ部材30の先端部が開口60Aから延出した状態が、後述する保持構造によって保持される。
カバー部材60は、バックル本体40をタング15の装着に適した位置に保ち、かつ、ウエビング14の位置に応じてバックル本体40の位置調整を可能とする部材である。
即ち、アンカ部材30とバックル本体40とは帯状部材によって構成された連結部材50によって連結されている。かかる帯状部材は、乗員を拘束するための引張り力に耐え得る引っ張り強度を有するものの、剛性は小さい。このため、バックル本体40を、タング15の装着に適した姿勢、例えば、座席のフレームから突出し、かつ、タング挿入口42を上に向けた姿勢に保つことは難しい。
そこで、カバー部材60として、アンカ部材30を支えることができる程度の剛性を有する筒状の部材が用いられる。このカバー部材60の一端部にアンカ部材30の一部が挿入されることで、カバー部材60がアンカ部材30に対して一定の姿勢に保たれる。また、カバー部材60の他端部にバックル本体40の一部が挿入されることで、カバー部材60に対してバックル本体40が一定姿勢に保たれる。このように、カバー部材60の剛性によって、アンカ部材30に対してバックル本体40がタング15の装着に適した姿勢に保たれる。
また、カバー部材60として、バックル本体40の重力によって加わる力を超える外力が加わることによって、弾性変形し得る筒状の部材が用いられる。例えば、カバー部材60は、エラストマー等の樹脂によって形成される。このため、乗員の体格等に応じてウエビング14の位置が変った場合に、ウエビング14に取付けられたタング15の位置に応じて、カバー部材60が弾性変形し、バックル本体40の位置及び姿勢が変ることができる。また、バックル本体40からタング15が抜かれると、カバー部材60の弾性力によって、バックル本体40の位置及び姿勢が初期の位置及び姿勢に戻ることができる。
アンカ部材30及びカバー部材60についてより具体的に説明する。
<アンカ部材について>
アンカ部材30は、バックル装置20を支え、かつ、ウエビング14の引っ張りに耐え得る強度を持つ部材であり、金属板等によって構成される。アンカ部材30は、車両側固定部32と本体部36と連結部34とがこの順で直線状に並ぶように形成されている。
車両側固定部32は、先端部が丸く形成された板状に形成されている。車両側固定部32に、ボルトBが挿通されるボルト挿通孔32hが形成されている。
連結部34は、太幅部分34aからバックル本体40側に向けて細幅部分34bが延出する板形状に形成されている。太幅部分34aは、連結部材50よりも太幅に形成されている。連結部34のうち太幅部分34aに、連結用孔34hが形成される(図3参照)。連結用孔34hは、概略的には、太幅部分34aの幅方向に長い孔形状に形成されている。太幅部分34aの幅方向における連結用孔34hの長さは、連結部材50を構成する帯状部材の幅よりも小さい。連結用孔34hのうち車両側固定部32側の縁は、当該車両側固定部32側に向けて凸となる曲線を描いている。連結用孔34hのうちバックル本体40側の縁の長手方向中間部は、太幅部分34aの幅方向に延びる直線状を描いている。連結用孔34hのうちバックル本体40側の縁の長手方向両端部は、バックル本体40側に向けて凸となる曲線を描いている。
細幅部分34bの幅は、連結部材50を構成する帯状部材の幅と同程度か大きい(僅かに大きい)寸法に設定されている。細幅部分34bの両側縁は、太幅部分34aの両側縁よりも幅方向の内側に位置する。このため、カバー部材60は、太幅部分34aの両側縁に接触するが、細幅部分34bの両側縁には接触しない。細幅部分34bは省略されてもよい。
連結部材50がアンカ部材30に連結された状態で、連結部材50のうち連結用孔34hに挿通された部分は、当該連結用孔34hの幅(アンカ部材30の幅方向における寸法)に応じた幅となるように、変形する。この際、連結部材50のうち連結用孔34hに挿通された部分が、連結用孔34hのうちバックル本体40側の縁の形状に応じて、車両側固定部32側に凸となる曲線を描くように変形する。このため、連結用孔34h内における連結部材50の挿通状態が安定する。これにより、連結部材50が、車両側固定部32とは逆側に安定して延出する。連結用孔34hは、方形状孔、楕円状孔等であってもよい。
また、連結部材50のうち連結用孔34hに挿通された部分の両隣の部分は、細幅部分34bの両面を通ってバックル本体40側に延び出る。このため、細幅部分34bによって、アンカ部材30の厚さ方向において連結部材50が支持され、連結部材50がアンカ部材から当該アンカ部材30の延長方向に沿って安定して延出することができる。
本体部36は、上記車両側固定部32と連結部34との間に設けられ、当該車両側固定部32と連結部34とを繋ぐ部分である。ここでは、本体部36は、平行な一対の側縁36aを含む板形状に形成されている。一対の側縁36aは、車両側固定部32の一対の側縁に対して直線的に連なっている。また、一対の側縁36aは、連結部34の太幅部分34aの一対の側縁に対しても直線的に連なっている。このため、アンカ部材30全体としてみると、アンカ部材30は、車両に固定される部分から連結部材50に固定される部分に向けて延び、かつ、互いに平行な一対の側縁を有しており、当該一対の側縁よりも外方にはみ出る部分を有しない形状に形成されている。
本アンカ部材30のうち連結部34及び本体部36がカバー部材60の一端部内に収容される。
<カバー部材について>
カバー部材60は、上記したように、筒状に形成されており、アンカ部材30に対してバックル本体40を位置及び姿勢調整可能な状態で、所定の位置及び姿勢に保持する役割を有している。
より具体的には、カバー部材60は、樹脂等によって金型一体形成された部材である。カバー部材60は、両端が開口する筒形状に形成される。カバー部材60は、アンカ保持筒部62と、中間筒部66と、バックル保持筒部68とを備える。アンカ保持筒部62と中間筒部66とバックル保持筒部68とはこの順で、1つの筒をなすように繋がっている。換言すれば、筒形状をなすカバー部材60の一端部がアンカ保持筒部62であり、他端部がバックル保持筒部68であり、その中間部が中間筒部66である。
中間筒部66は、連結部材50を収容可能な形状、より具体的には、扁平な筒形状に形成されている。中間筒部66の内幅は、連結部材50の長手方向中間部の幅と同じか大きい(僅かに大きい)。中間筒部66の内高さは、連結部材50の長手方向中間部の厚さと同じか大きい(僅かに大きい)。なお、中間筒部66の幅方向とは、カバー部材60の長手方向に対して直交する断面形状における、長手方向(図3の左右方向)である。このため、中間筒部66の内幅とは、カバー部材60の長手方向に対して直交する断面における、長手方向の内部寸法である。また、中間筒部66の高さ方向とは、カバー部材60の長手方向に対して直交する断面形状における、短手方向(図4の左右方向)である。このため、中間筒部66の内高さとは、カバー部材60の長手方向に対して直交する断面における、短手方向の内部寸法である。なお、この高さ方向(短手方向)は、アンカ部材30の厚さ方向と同じである。なお、アンカ保持筒部62及びバックル保持筒部68についても、幅方向及び高さ方向、内幅及び内高さが同様に定義される。
バックル保持筒部68は、中間筒部66に連なる基端側から開口60B側に向けて徐々に大きくなる。バックル保持筒部68のうち開口60B側は、バックル本体40のうち連結部材50が連なる側の後端部に被さることができる程度の形状に形成されている。好ましくは、バックル保持筒部68のうち開口60B側は、バックル本体40の後端部に4方から接した状態で被さることができる形状に形成される。バックル保持筒部68の内周面には、バックル受部69が突設される。バックル受部69は、開口60Bよりも奥側で、開口60B側に向く受面69fを有している。
バックル本体40の後端部が上記バックル保持筒部68内に収容された状態で、バックル保持筒部68の開口60B側の内周面がバックル本体40の後端部の外周面を囲むように被さると共に、受面69fがバックル本体40の後端面に接する。これにより、バックル本体40がバックル保持筒部68、つまりカバー部材60の他端部に対して一定位置及び一定姿勢で保持される。
アンカ保持筒部62は、中間筒部66に連なる基端側から開口60A側に延びる形状に形成されている。アンカ保持筒部62は、カバー部材60の長手方向全体において同幅部分が続く形状に形成される。また、中間筒部66のうちアンカ保持筒部62側の部分は、アンカ保持筒部62の幅と同じである。このため、カバー部材60の一端側は、同幅部分が連続する形状に形成されている。
アンカ保持筒部62は、開口60Aに向けて徐々に高さ寸法が小さくなる形状に形成されている。本実施形態では、アンカ保持筒部62のうち高さ方向一方側の板状部分63は、開口60Aに向けて徐々に内向き傾斜する形状に形成されている(図4参照)。この板状部分63の内周面の傾斜によって、アンカ部材30が開口60Aにガイドされる。
アンカ保持筒部62のうち高さ方向他方側の板状部分64は、内向き傾斜部分64aと平板部64bとを含む(図4参照)。内向き傾斜部分64aは、開口60Aに向けて上記板状部分63よりも急な角度で内向き傾斜している。平板部64bは、内向き傾斜部分64aから開口60Aに向けて、カバー部材60の長手方向に沿った姿勢で延在する。内向き傾斜部分64aによって、アンカ部材30が開口60Aにガイドされる。また、内向き傾斜部分64aから平板部64bに移行する部分の内部に、連結部材50のうちアンカ保持筒部62側の端部を引込むことによって、連結部材50の端部が板状部分63と平板部64bとの間に挟み込まれる。これにより、連結部材50の端部がアンカ部材30の連結部34と共に、アンカ保持筒部62によって保持される。
アンカ部材30の一部である連結部34及び本体部36がアンカ保持筒部62内に収容される。この状態で、アンカ保持筒部62の内周面が、連結部34及び本体部36に対してその幅方向両側及び厚さ方向両側から接触する。これにより、アンカ保持筒部62に対してアンカ部材30がその幅方向及び厚さ方向に位置決めされた状態で保持される。
本実施形態では、アンカ保持筒部62の開口60A側の内面が、本体部36に対してその幅方向両側及び厚さ方向両側から接触する。これにより、アンカ保持筒部62が、アンカ部材30に対してその幅方向及び厚さ方向に位置決めされ、アンカ部材30に対して保持された状態となる。アンカ保持筒部62によるアンカ部材30の保持構造を中心とした説明が以下になされる。
<アンカ部材によるカバー部材の保持構造について>
図5はアンカ保持筒部62にアンカ部材30の連結部34及び本体部36が収容された状態におけるアンカ保持筒部62の開口60Aとアンカ部材30とを示す図である。図5においてアンカ部材30が収容される前(弾性変形する前)のアンカ保持筒部62の初期形状が2点鎖線で示される。また、初期形状のアンカ保持筒部62からの変形方向が、白抜きの矢印で示される。
同図に示すように、カバー部材60の一端部であるアンカ保持筒部62内に、アンカ部材30の一部である連結部34及び本体部36が収容された状態において、アンカ部材30の厚さ方向一方側(図5の上側)で、アンカ部材30とカバー部材60とが第1接触部70で接触し、アンカ部材30の厚さ方向他方側(図5の下側)で、アンカ部材30とカバー部材60とが第2接触部72で接触する。
第1接触部70は、アンカ部材30の厚さ方向一方側で、アンカ部材30の幅方向の両角部30e1とカバー部材60の内面とが接触する部分である。第1接触部70は、少なくともアンカ保持筒部62の開口60Aの縁近くに設けられる。
本実施形態では、アンカ部材30の厚さ方向一方側において、アンカ部材30の両角部30e1のみがカバー部材60の内面に接触している。より具体的には、アンカ保持筒部62の開口60A側の内面には、幅方向両側にアンカ部材30の厚さ方向一方側に向けて徐々に内側に向う形状の湾曲面R1が形成されており、この両湾曲面R1が、アンカ部材30の両角部30e1に接している。湾曲面R1は、アンカ保持筒部62の開口60A側の内面のうち角部30e1に対向する面であり、外側に凸となる曲面をなしている。
本実施形態では、アンカ部材30の厚さ方向一方側の面30f1のうち両角部30e1の間の部分は、カバー部材60の内面に接触していない。換言すれば、一対の第1接触部70の間において、アンカ部材30の一方側の面30f1とカバー部材60の内面との間には隙間が設けられている。なお、一対の第1接触部70の間において、アンカ部材30のアンカ部材30の一方側の面30f1とカバー部材60の内面とが全体的又は部分的に接触してもよいが、アンカ部材30の一方側の面30f1とカバー部材60の内面との間に隙間が設けられる方が、面30f2とカバー部材60の内面とが小さい面積で接触し合うことになるので、カバー部材60をアンカ部材30に組付ける際の抵抗力を小さくすることができる。
第2接触部72は、アンカ保持筒部62の厚さ方向他方側で、アンカ部材30の幅方向の両角部30e2よりも内側で、アンカ部材30の厚さ方向他方側の面30f2とカバー部材60の内面とが接触する部分である。
第2接触部72は、アンカ部材30の幅方向において部分的に設けられることが好ましい。また、アンカ部材30の厚さ方向他方側で、アンカ部材30の幅方向の両角部30e2よりも内側で、アンカ部材30の厚さ方向他方側の面30f2とカバー部材60の内面とは、第2接触部72でのみ接触していること、即ち、第2接触部72を除いて、離れた状態となっていることが好ましい。これにより、面30f2とカバー部材60の内面とは、小さい面積で接触し合うことになる。これにより、カバー部材60をアンカ部材30に組付ける際の抵抗力を小さくすることができる。
本実施形態では、アンカ保持筒部62の開口60A側の内面のうち、アンカ部材30の面30f2に対向する部分に、幅方向において部分的に突出する突出部65が形成されている。突出部65の数は限定されず、1つでも複数でもよいが、ここでは、突出部65は、2つ形成される。より具体的には、2つの突出部65が、平板部64bの内面に幅方向において間隔をあけて設けられる。2つの突出部65は、平板部64bの幅方向中央を基準として、幅方向で同じ距離離れた位置に設けられる。
突出部65は、アンカ保持筒部62の長手方向においても部分的に突出している。より具体的には、突出部65は、開口60Aの縁から奥側に所定の範囲(例えば、1-3mm程度の範囲)で突設され、平板部64bのうち突出部65よりも奥側の部分は平坦に形成されている。この突出部65がアンカ部材30の厚さ方向他方側の面30f2に接触することで、部分的な接触箇所である第2接触部72が設けられる。
突出部65がアンカ保持筒部62のうち開口60Aの縁に隣接する部分で突出する形状であれば、アンカ部材30をアンカ保持筒部62に挿入する作業を容易にできる。すなわち、アンカ部材30をアンカ保持筒部62内に挿入する際、アンカ部材30が突出部65に達する前の状態では、突出部65はアンカ部材30に接触せず、従って、アンカ部材30を軽い力で挿入できる。このため、アンカ部材30の初期の挿入作業が容易となる。
上記突出部65は、カバー部材60を金型成形する際に、溶融した樹脂を流し込むためのゲートの跡に残った突起部分を利用して形成されてもよい。すなわち、カバー部材60を金型成形する際に、樹脂を流し込むためのゲートが、アンカ保持筒部62の開口60Aの縁よりも奥側に対向する部分に設けられる。金型内に流し込まれた樹脂が硬化する際には、ゲートに残っていた樹脂も、カバー部材60を形成する樹脂と一体となって硬化する。このため、金型内でカバー部材60が成型された後、金型からカバー部材60を離型すると、ゲートに対応する部分にゲート跡として突起部分が形成される。その突起部分をそのまま利用して、又は、突起部分を切断又は削り加工することによって、突出部65が形成されてもよい。例えば、ゲート跡のうちアンカ保持筒部62内から外方に向く部分は、アンカ保持筒部62の開口60Aの縁から奥側に向うにつれて、アンカ保持筒部62の基端側(中間筒部66側)に向うように傾斜して、突出部65が後述の突出長T3まで徐々に高くなるように加工されてもよい。突出部65がゲート跡によって形成されることは必須ではなく、金型設計段階で予定された金型面によって形成されてもよい。
突出部65の形状は上記例に限られない。突出部65は、カバー部材60の長手方向に沿ってより奥まで、例えば平板部64bの全長にわたって設けられてもよい。
本実施形態では、アンカ部材30の厚さ方向他方側で、アンカ部材30の幅方向の両角部30e2とカバー部材60の内面とが接触している。より具体的には、アンカ保持筒部62の開口60A側の内面には、幅方向両側にアンカ部材30の厚さ方向他方側に向けて徐々に内側に向う形状の湾曲面R2が形成されている。この両湾曲面R2が、アンカ部材30の両角部30e2に接しており、この接触部を第3接触部74とする。湾曲面R2は、アンカ保持筒部62の開口60A側の内面のうち角部30e2に対向する面であり、外側に凸となる曲面をなしている。なお、本実施形態では、後述する図6に示すように、初期形状における湾曲面R2の曲率半径は、湾曲面R1の曲率半径よりも小さい。
また、本実施形態では、アンカ部材30の厚さ方向他方側の面30f2は、第2接触部72と第3接触部74との間で、カバー部材60の内面に接触していない。換言すれば、第2接触部72と第3接触部74との間において、面30f2とカバー部材60の内面との間には隙間が設けられている。
図6はアンカ保持筒部62の開口60A側とアンカ部材30との大きさ関係を示す図である。図6におけるアンカ保持筒部62の開口60A側の形状は、アンカ部材30を収容する前の初期形状である。また、図6では、アンカ部材30のうち本体部36の断面形状(車両側固定部32から連結部34に向う方向に対して直交する断面形状)が示される。
アンカ部材30の幅をW1、厚さをT1とする。カバー部材60のうちアンカ保持筒部62の開口60A側の初期内幅(初期最大幅)をW2、初期内高さ(初期最大高さ)を(アンカ部材30の厚さ方向における内面間の間隔)T2とする。
例えば、実施形態では、初期形状におけるカバー部材60の初期内幅W2は、アンカ部材30の幅W1よりも小さく設定されている。そして、カバー部材60のアンカ保持筒部62にアンカ部材30が挿入された状態において、アンカ保持筒部62の内幅がアンカ部材30の幅以上となるように、アンカ保持筒部62が弾性変形する(図5)。
また、実施形態では、初期形状におけるカバー部材60の初期高さT2は、アンカ部材30の厚さT1よりも大きくされている。この初期高さT2は、アンカ保持筒部62にアンカ部材30が挿入された状態において、第1接触部70及び第2接触部72における接触が成立するように、アンカ保持筒部62にアンカ部材30が挿入されることによって、アンカ保持筒部62が幅方向に弾性変形する程度、それと共にアンカ保持筒部62の高さが圧縮される程度、アンカ部材30の厚さT1、突出部65の突出長T3を考慮して設定される。
そして、アンカ保持筒部62にアンカ部材30が挿入されることによって、アンカ保持筒部62が幅方向(図5の矢印F1方向)に弾性変形すると、アンカ保持筒部62は高さ方向で圧縮される。これにより、アンカ保持筒部62の板状部分63が、アンカ部材30の面30f1に近づく方向(図5の矢印F2方向)に変位する。
また、同様に平板部64bは、アンカ部材30の面30f2に近づく方向(図5の矢印F3方向)に変位するので、平板部64bの突出部65が面30f2に押付けられる。これにより、平板部64bは、突出部65の設けられた部分が他の部分に対して盛り上がった形に弾性変形する。
これらの弾性変形が元に戻ろうとする弾性力により、アンカ保持筒部62の内面が第1接触部70でアンカ部材30に押し当てられ、また、突出部65が第2接触部72でアンカ部材30に押し当てられるので、カバー部材60がアンカ部材30に対して保持される。また、アンカ保持筒部62の内面とアンカ部材30には、第1接触部70と第2接触部72で摩擦力が発生するので、摩擦力によってもカバー部材60がアンカ部材30に対して保持される。
本実施形態では、アンカ保持筒部62の内面は第3接触部74でもアンカ部材30に押付けられるが、湾曲面R2の曲率半径が湾曲面R1の曲率半径よりも小さいので、初期形状においてアンカ保持筒部62の内面とアンカ部材30が接触する部分の内幅は、湾曲面R2での内幅が、湾曲面R1での内幅よりも大きくなるために、アンカ部材30が挿入された際に、湾曲面R2におけるアンカ保持筒部62の幅方向での弾性変形は、湾曲面R1における弾性変形より小さくなり、発生する弾性力も小さくなる。このため、第3接触部74においてアンカ保持筒部62の内面がアンカ部材30に押付けられる力や、それにより発生する摩擦力は、第1接触部70での押付けられる力や摩擦力よりも小さい。したがって、第3接触部74は、第1接触部70や第2接触部72に対して補助的なものであるが、湾曲面R1と湾曲面R2の曲率半径が同じであっても良く、必要とされるアンカ保持筒部62の内面がアンカ部材30に押付けられる力や、それにより発生する摩擦力を考慮して設定されればよい。
具体的には、例えば、アンカ部材30の幅W1が37.5mm、初期内幅W2は37.2mmに設定され、アンカ部材30の厚さT1が3.2mm、初期高さT2は6.3mm、突出長T3は1.6mmに設定されてもよい。
また、上記初期寸法を前提として、アンカ部材30がアンカ保持筒部62に収容された状態において、アンカ部材30の厚さ方向一方側の面30f1とアンカ保持筒部62の内面との距離G1は、1.5mmとなるように設定されてもよい。
また、2つの突出部65は、アンカ部材30を幅方向に4等分した場合において、外側の等分領域よりも内側(つまり、4等分領域のうち中央寄りの2つの領域)内に位置していてもよい。
また、例えば、アンカ部材30の幅W1が37.5mmである前提として、2つの突出部65の外向き面間の距離W3が16.8mmであり、2つの突出部65の間隔W4が9.2mmであってもよい。
<効果等>
このように構成されたバックル装置20及びカバー部材60によると、カバー部材60のアンカ保持筒部62にアンカ部材30の本体部36が挿入された状態において、アンカ部材30の厚さ方向一方側で、アンカ部材30の幅方向の両角部30e1とカバー部材60の内面とが第1接触部70で接触することによって、カバー部材60がアンカ部材30の幅方向において保持される。また、この第1接触部70に加えて、アンカ部材30の厚さ方向他方側で、アンカ部材30の幅方向の両角部30e2よりも内側で、アンカ部材30の厚さ方向他方側の面30f2面とカバー部材60の内面とが第2接触部72で接触することによって、カバー部材60がアンカ部材30の厚さ方向において保持される。このため、アンカ部材30をカバー部材60に挿入することで、カバー部材を固定するための追加部品がなくても、容易にアンカ部材30によってカバー部材60を保持させることが可能となる。
また、アンカ部材30の厚さ方向他方側で、アンカ部材30の両角部30e2よりも内側で、アンカ部材30の厚さ方向他方側の面30f2とカバー部材60の内面とが、第2接触部72を除いて離れた状態となっているため、カバー部材60がアンカ部材30の面30f2に接触する面積を小さくできる。これにより、カバー部材60をアンカ部材30に組付ける際の抵抗力を小さくでき、カバー部材60を容易にアンカ部材30に組付けることができる。
また、第2接触部72が、アンカ部材30の幅方向において複数設けられている。このため、カバー部材60が捩れるように変形した場合でも、少なくとも1つの第2接触部72における接触状態が保たれ易い。これにより、カバー部材60がアンカ部材30の面30f2に押付けられる状態が保たれ易くなり、アンカ部材30によるカバー部材60の保持状態が保たれ易い。
また、アンカ部材30の厚さ方向他方側で、アンカ部材30の両角部30e2とカバー部材60の内面とが2箇所で接触する。この2箇所の第3接触部74によっても、アンカ部材30の幅方向において、アンカ部材30によってカバー部材60が保持される。このため、アンカ部材30によってカバー部材60がよりしっかりと保持される。
また、カバー部材60のアンカ保持筒部62の初期内幅W2がアンカ部材30の幅W1よりも小さく、アンカ部材30がカバー部材60に挿入された際にカバー部材60が幅方向に広げられて弾性変形した状態となり、カバー部材60の弾性力によってカバー部材60の内面が、第1接触部70と第2接触部72とでアンカ部材30に押付けられる構成とすることで、アンカ部材30によってカバー部材60をしっかりと保持させることが可能となる。
また、カバー部材60のアンカ保持筒部62に突出部65が形成されており、この突出部65とカバー部材60の内面との接触部分が第2接触部72とされることによって、部分的な第2接触部72を容易に成立させることができる。また、突出部65がアンカ保持筒部62の長手方向においても部分的に突出させることで、アンカ部材30が突出部65に達して初めて、カバー部材60の内面がアンカ部材30の厚さ方向他方側の面30f2に押付けられるようになる。これにより、カバー部材60をアンカ部材30に組付ける際に、突出部65がアンカ部材30に接触するまでは、カバー部材60とアンカ部材30との接触による抵抗力を小さくできるため、カバー部材60を組付け易い。
{変形例}
上記実施形態の変形例について説明する。
図7に示すように、アンカ部材30とカバー部材60との間に電線80が設けられてもよい。上記したように、バックル本体40には、シートベルトの装着の有無を検出するための検出部が設けられることがあり、電線80は、当該検出部から引出された検出信号出力用の電線であることが想定される。
電線80は、アンカ部材30のいずれかの面30f1、30f2と、カバー部材60との間に通される。カバー部材60は、電線80の直径に応じて、外側に弾性変形し、電線80をアンカ部材30のいずれかの面30f1、30f2に向けて押付ける。この状態においても、上記実施形態において説明したように、第1接触部70及び第2接触部72における接触状態が保たれている。そのためには、電線80は、アンカ部材30の厚さ方向一方側の面30f1とカバー部材60の内面との間の隙間を利用して、第1接触部70の間(つまり、両角部30e1の間)に設けられることが好ましい。
図8に示すように、突出部65が1つであり、これにより、アンカ部材30の厚さ方向他方側におけるアンカ部材30とカバー部材60との接触箇所である第2接触部72が1つのみ設けられた構成であってもよい。この場合、突出部65は、アンカ部材30の幅方向中央に設けられてもよいし、幅方向中央からずれた位置に設けられてもよい。突出部65は、両角部30e2から離れた位置に設けられることが好ましい。
また、部分的な第2接触部を形成するための突出部は、カバー部材60の内面から突出して形成される必要は無く、アンカ部材30の厚さ方向他方側の面30f2から突出するように形成されてもよい。
図9に示すように、アンカ部材30の厚さ方向他方側において、両角部30e2が、カバー部材60に対応するカバー部材160の内面に接触しなくてもよい。例えば、カバー部材160のうち湾曲面R2の曲率半径を、上記実施形態の場合よりも小さくしたり、突出部65の突出長を上記実施形態の場合よりも大きくしたりすることで両角部30e2からカバー部材160の内面を離すことができる。これにより、第3接触部74を無くしてカバー部材60の内面がアンカ部材30に接触する部分を減らすことで、カバー部材60をアンカ部材30に組付ける際の抵抗力を小さくでき、カバー部材60のアンカ部材30への組付け性を向上することができる。
なお、上記実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組合わせることができる。
上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
本明細書及び図面は下記の各態様を開示する。
第1の態様は、車両に取付けられるアンカ部材と、乗員拘束用のウエビングに取付けられたタングが装着されるバックル本体と、前記バックル本体と前記アンカ部材とを連結する連結部材と、筒状にされ、前記連結部材が収容されると共に、一端部に前記アンカ部材の一部が挿入され他端部に前記バックル本体の一部が挿入されるカバー部材と、を備え、前記カバー部材の一端部に前記アンカ部材の一部が挿入された状態において、前記アンカ部材の厚さ方向一方側で、前記アンカ部材の幅方向の両角部と前記カバー部材の内面とが第1接触部で接触し、前記アンカ部材の厚さ方向他方側で、前記アンカ部材の幅方向の両角部よりも内側で、前記アンカ部材の厚さ方向他方側の面と前記カバー部材の内面とが第2接触部で接触している、バックル装置である。
これにより、カバー部材の一端部にアンカ部材の一部が挿入された状態において、アンカ部材の厚さ方向一方側で、アンカ部材の幅方向の両角部とカバー部材の内面とが第1接触部で接触することによって、カバー部材がアンカ部材の幅方向において保持される。また、この第1接触部に加えて、アンカ部材の厚さ方向他方側で、アンカ部材の幅方向の両角部よりも内側で、アンカ部材の厚さ方向他方側の面とカバー部材の内面とが第2接触部で接触することによって、カバー部材がアンカ部材の厚さ方向において保持される。このため、アンカ部材をカバー部材に挿入することで、追加部品がなくても、容易にアンカ部材によってカバー部材を保持させることが可能となる。
第2の態様は、第1の態様に係るバックル装置であって、前記第2接触部は、前記アンカ部材の幅方向において部分的に設けられており、前記アンカ部材の厚さ方向他方側で、前記アンカ部材の幅方向の両角部よりも内側で、前記アンカ部材の厚さ方向他方側の面と前記カバー部材の内面とが、前記第2接触部を除いて、離れた状態となっていてもよい。これにより、カバー部材がアンカ部材に接触する面積を小さくできるので、カバー部材をアンカ部材に組付ける際の抵抗力を小さくでき、カバー部材を容易にアンカ部材に組付できる。
第3の態様は、第1又は第2の態様に係るバックル装置であって、前記第2接触部が、前記アンカ部材の幅方向において複数設けられてもよい。これにより、カバー部材が捩れた場合でも、少なくとも1つの第2接触部における接触状態が保たれ易い。これにより、カバー部材がアンカ部材の厚さ方向他方側の面に押付けられる状態を保つことができ、アンカ部材によるカバー部材の保持状態が保たれ易い。
第4の態様は、第1から第3のいずれか1つの態様に係るバックル装置であって、前記アンカ部材の厚さ方向他方側で、前記アンカ部材の幅方向の両角部と前記カバー部材の内面とが接触していてもよい。これにより、この2箇所の接触部によっても、アンカ部材の幅方向において、アンカ部材によってカバー部材が保持される。このため、アンカ部材によってカバー部材がよりしっかりと保持される。
第5の態様は、第1から第4のいずれか1つの態様に係るバックル装置であって、前記カバー部材は、弾性変形可能な部材であり、前記カバー部材の一端部に前記アンカ部材が挿入されていない状態において、前記カバー部材の一端部の内幅は、前記アンカ部材の幅よりも小さく、前記アンカ部材の一部が挿入された状態において、前記カバー部材が弾性変形し、前記カバー部材の弾性力によって、前記カバー部材の内面が、前記第1接触部と前記第2接触部とで前記アンカ部材に押付けられているものである。これにより、カバー部材の弾性力によってカバー部材の内面がアンカ部材に押付けられるため、アンカ部材によってカバー部材をしっかりと保持させることが可能となる。
第6の態様は、第1から第5のいずれか1つの態様に係るバックル装置であって、前記カバー部材の一端部の内面うち前記アンカ部材の厚さ方向他方側に対向する部分に突出部が形成され、前記第2接触部は、前記突出部と前記アンカ部材との接触部分とされていてもよい。これにより、カバー部材から突出する突出部によって第2接触部を容易に形成できる。
第7の態様は、第1から第4のいずれか1つに記載の前記カバー部材であるバックル装置用カバー部材であって、弾性変形可能な部材であり、前記アンカ部材が挿入されていない状態において、前記カバー部材の一端部の内幅は、前記アンカ部材の幅よりも小さい、バックル装置用カバー部材である。
このバックル装置用カバー部材によると、カバー部材の一端部にアンカ部材の一部が挿入された状態においてカバー部材が弾性変形する。これにより、カバー部材の弾性力によって、前記カバー部材の内面が前記アンカ部材に押付けられるので、アンカ部材にカバー部材を容易に保持させることが可能となる。
第8の態様は、第7の態様に係るバックル装置用カバー部材であって、前記カバー部材の一端部の内面うち、前記アンカ部材の厚さ方向他方側の面に対向する部分に突出部が形成され、前記第2接触部は、前記突出部と前記アンカ部材との接触部分とされていてもよい。これにより、カバー部材から突出する突出部をアンカ部材に接触させることによって、アンカ部材にカバー部材をしっかりと保持させることが可能となる。
10 車両
14 ウエビング
15 タング
20 バックル装置
30 アンカ部材
30e1、30e2 角部
30f1 アンカ部材の厚さ方向一方側の面
30f2 アンカ部材の厚さ方向他方側の面
40 バックル本体
50 連結部材
60、160 カバー部材
62 アンカ保持筒部
68 バックル保持筒部
70 第1接触部
72 第2接触部
74 第3接触部

Claims (8)

  1. 車両に取付けられるアンカ部材と、
    乗員拘束用のウエビングに取付けられたタングが装着されるバックル本体と、
    前記バックル本体と前記アンカ部材とを連結する連結部材と、
    筒状にされ、前記連結部材が収容されると共に、一端部に前記アンカ部材の一部が挿入され他端部に前記バックル本体の一部が挿入されるカバー部材と、
    を備え、
    前記カバー部材の一端部に前記アンカ部材の一部が挿入された状態において、前記アンカ部材の厚さ方向一方側で、前記アンカ部材の幅方向の両角部と前記カバー部材の内面とが第1接触部で接触し、前記アンカ部材の厚さ方向他方側で、前記アンカ部材の幅方向の両角部よりも内側で、前記アンカ部材の厚さ方向他方側の面と前記カバー部材の内面とが第2接触部で接触している、バックル装置。
  2. 請求項1記載のバックル装置であって、
    前記第2接触部は、前記アンカ部材の幅方向において部分的に設けられており、
    前記アンカ部材の厚さ方向他方側で、前記アンカ部材の幅方向の両角部よりも内側で、前記アンカ部材の厚さ方向他方側の面と前記カバー部材の内面とが、前記第2接触部を除いて、離れた状態となっている、バックル装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のバックル装置であって、
    前記第2接触部が、前記アンカ部材の幅方向において複数設けられる、バックル装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1つに記載のバックル装置であって、
    前記アンカ部材の厚さ方向他方側で、前記アンカ部材の幅方向の両角部と前記カバー部材の内面とが接触している、バックル装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1つに記載のバックル装置であって、
    前記カバー部材は、弾性変形可能な部材であり、前記アンカ部材が挿入されていない状態において、前記カバー部材の一端部の内幅は、前記アンカ部材の幅よりも小さく、
    前記カバー部材の一端部に前記アンカ部材の一部が挿入された状態において、前記カバー部材が弾性変形し、前記カバー部材の弾性力によって、前記カバー部材の内面が、前記第1接触部と前記第2接触部とで前記アンカ部材に押付けられている、バックル装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1つに記載のバックル装置であって、
    前記カバー部材の一端部の内面うち前記アンカ部材の厚さ方向他方側に対向する部分に突出部が形成され、
    前記第2接触部は、前記突出部と前記アンカ部材との接触部分である、バックル装置。
  7. 請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の前記カバー部材であるバックル装置用カバー部材であって、
    前記カバー部材は弾性変形可能な部材であり、前記アンカ部材が挿入されていない状態において、前記カバー部材の一端部の内幅は、前記アンカ部材の幅よりも小さい、バックル装置用カバー部材。
  8. 請求項7に記載のバックル装置用カバー部材であって、
    前記カバー部材の一端部の内面うち、前記アンカ部材の厚さ方向他方側の面に対向する部分に突出部が形成され、
    前記第2接触部は、前記突出部と前記アンカ部材との接触部分である、バックル装置用カバー部材。
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