JP2022176656A - 車両用アンテナ装置 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、車両用アンテナ装置に関する。
近年、車両には、特にウィンドシールドに可視光カメラ、レーダー、センサ類等、様々な電子機器が、ブラケット内に集約され装備される傾向がある。また、従来から、ウィンドシールド等の車両用窓ガラスには、放送波受信用の導体からなるアンテナパターン(アンテナ)が配置される場合がある。このような場合、ウィンドシールドにおいて、車両の乗員の視界を必要以上に遮らないようにするために、電子機器と、アンテナとが近接して配置される。一方で、電子機器と、アンテナとが近接して配置される場合、電子機器等から発せられるノイズにより、アンテナの動作が不安定になり、所望のアンテナ利得が得られなくなるおそれがある。
そこで、車両用窓ガラスにおいて、電子機器と、アンテナとが近接して配置される場合に生じるノイズを低減する技術が検討されている(例えば、特許文献1及び2)。特許文献1には、センサより大きい導電パターンにより開口部を形成することで、センサより外側にあるアンテナへ重畳されるノイズを低減することが開示されている。また、特許文献2には、レーダー装置の動作に伴い発生するノイズを低減するため、レーダー装置の周囲に導線からなるノイズ除去線を配置する構成が開示されている。
特許文献1及び特許文献2に開示された技術では、電子機器から発生するノイズを低減するが、電子機器とECU等とを接続する配線によって生じる共振によるアンテナへの結合を考慮していない。そのため、特許文献1及び特許文献2に開示された技術を用いたとしても、上記電子機器とECU等とを接続する配線によって生じる共振によってアンテナの受信感度が低減してしまう。
本発明は、電子機器とアンテナとが近接して配置されたときに、電子機器の配線に基づく、アンテナの受信感度の低減を抑制する車両用窓アンテナ装置の提供を目的とする。
本発明の一態様にかかる車両用アンテナ装置は、電子機器と、前記電子機器の近傍に配置され、所定周波数帯の電波を送受するアンテナと、前記電子機器と車両に設置されるECUとを接続する伝送線路と、前記電子機器と接続し、所定の長さLSを有する導体である少なくとも1つのスタブと、を備え、前記少なくとも1つのスタブの長さLSは、前記伝送線路の長さに応じて、前記アンテナが送受する周波数帯に含まれる電波のアンテナ利得の低下を抑制するように設定される。
上述の車両用アンテナ装置において、前記電子機器は、車両用窓ガラスに取り付けられ、前記車両用窓ガラスを通して前記車両の外部情報を取得してもよい。
上述の車両用アンテナ装置において、前記アンテナは、前記車両用窓ガラスの近傍に取り付けられてもよい。
上述の車両用アンテナ装置において、前記アンテナは、前記車両用窓ガラスの表面に取り付けられているか又は前記車両用窓ガラス内に封入されてもよい。
上述の車両用アンテナ装置において、前記車両用窓ガラスは、ウィンドシールドを含んでもよい。
上述の車両用アンテナ装置において、前記車両用窓ガラスは、リアガラスを含んでもよい。
上述の車両用アンテナ装置において、前記少なくとも1つのスタブは、前記電子機器のアース電位部と電気的に接続されてもよい。
上述の車両用アンテナ装置において、前記少なくとも1つのスタブは、前記電子機器から単線で延伸してもよい。
上述の車両用アンテナ装置において、前記少なくとも1つスタブは、前記電子機器と反対側の端部がアースに接続されているショートスタブを含み、前記アンテナが送受する電波の周波数帯をλとし、前記ショートスタブ周辺の誘電体の波長短縮率をkとし、N≧0の整数とするとき、前記ショートスタブの長さLSSは、(0.05×(λ/2)+(λ/2)×N)×k≦LSS≦(1.0×(λ/2)+(λ/2)×N)×kを満たしてもよい。
上述の車両用アンテナ装置において、前記ショートスタブは、空中配線されてもよい。
上述の車両用アンテナ装置において、前記ショートスタブは、前記電子機器のアース線と共通してもよい。
上述の車両用アンテナ装置において、前記少なくとも1つのスタブは、前記電子機器と反対側の端部が開放端となっているオープンスタブを含み、前記アンテナが送受する電波の周波数帯をλとし、前記オープンスタブ周辺の誘電体の波長短縮率をkとし、M≧0の整数とするとき、前記オープンスタブの長さLOSは、(0.1×(λ/4)+(λ/2)×M)×k≦LOS≦(1.0×(λ/4)+(λ/2)×M)×kを満たしてもよい。
上述の車両用アンテナ装置において、前記オープンスタブは、前記電子機器が取り付けられる車両用窓ガラス上に配置され、前記kは、前記車両用窓ガラスの波長短縮率でもよい。
上述の車両用アンテナ装置において、前記電子機器は、前記車両用窓ガラスを加熱する電熱線を含み、前記オープンスタブは、前記電熱線から延伸してもよい。
上述の車両用アンテナ装置において、前記オープンスタブは、前記アンテナから遠ざかるように延伸してもよい。
上述の車両用アンテナ装置において、前記オープンスタブは、前記車両の金属ボディと容量結合してもよい。
上述の車両用アンテナ装置において、前記電子機器と前記少なくとも1つのスタブの接続点と、前記アンテナの給電点との距離は、500mm以下でもよい。
上述の車両用アンテナ装置において、前記少なくとも1つのスタブは、第1スタブと第2スタブとを含み、前記第1スタブの長さは、前記第2スタブの長さと異なってもよい。
上述の車両用アンテナ装置において、前記伝送線路の長さは、前記伝送線路が、前記車両の金属ボディの端部と交差する位置から前記ECUまでの長さLと、前記位置から前記電子機器までの長さdとを含み、前記長さLの範囲は、1800mm~5000mmでもよい。
上述の車両用アンテナ装置において、前記アンテナは、VHF帯域~UHF帯域の周波数の電波を受信可能でもよい。
上述の車両用アンテナ装置において、前記アンテナは、DAB Band III及び地上デジタル放送波の少なくとも一方の電波を受信可能でもよい。
本発明の一態様によれば、電子機器とアンテナとが近接して配置されたときに、電子機器の配線に基づく、アンテナの受信感度の低減を抑制する車両用アンテナ装置を提供できる。
以下、本発明を適用した具体的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。説明を明確にするため、以下の記載及び図面は、適宜、省略、及び簡略化がなされている。各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略される。なお、各実施形態において、平行、水平、垂直等の方向には、本発明の効果を損なわない程度のずれが許容される。また、実施の形態を説明するための図面において、方向について特に記載しない場合には、図面上での方向をいうものとする。
(第1の実施形態)
図1を用いて、第1の実施形態にかかる車両用アンテナ装置100について説明する。図1は、第1の実施形態にかかる車両用アンテナ装置の模式図である。図1は、後述する車両用窓ガラス20が車両に取り付けられた状態での車内視の図であり、車両用窓ガラス20のうち、電子機器30及びアンテナ40が配置される部分の拡大図である。図1において、X軸方向は、水平方向及び車幅方向に対応し、Y軸方向は、水平方向に直交する鉛直方向に対応する。なお、図1は、車内視の図として説明するが、車外視の図として参照されてもよい。
図1を用いて、第1の実施形態にかかる車両用アンテナ装置100について説明する。図1は、第1の実施形態にかかる車両用アンテナ装置の模式図である。図1は、後述する車両用窓ガラス20が車両に取り付けられた状態での車内視の図であり、車両用窓ガラス20のうち、電子機器30及びアンテナ40が配置される部分の拡大図である。図1において、X軸方向は、水平方向及び車幅方向に対応し、Y軸方向は、水平方向に直交する鉛直方向に対応する。なお、図1は、車内視の図として説明するが、車外視の図として参照されてもよい。
図1に示すように、第1の実施形態にかかる車両用アンテナ装置100は、車両用窓ガラス20と、電子機器30と、アンテナ40と、伝送線路50と、ECU(Electronic Control Unit)60と、スタブ70とを備える。
車両用窓ガラス20は、車両用アンテナ装置100が配置される車両の一部を構成する誘電体であり、全面がガラス板で構成されてもよい。また、電子機器30近傍の誘電体は、車両用窓ガラス20に限らず、一部または全部が樹脂を含んでもよく、例えば樹脂によって覆われるルーフ上のシャークフィンであったりエアロパーツであったりしてもよい。以降、電子機器30近傍の誘電体は車両用窓ガラス20として説明する。車両用窓ガラス20は、車両の金属ボディ10に取り付けられており、車体筐体に形成されたボディフランジに固定される。車両用窓ガラス20の上部は、金属ボディ10の端部10a近傍でウレタン樹脂等によって固定される。車両用窓ガラス20は、ウィンドシールドでもよく、リアガラスでもよく、サイドガラスでもよく、リアクォーターガラスでもよく、ルーフガラスでもよい。なお、図1は、車両用窓ガラス20の上部を表す図として図示されているが、電子機器30及びアンテナ40が配置される位置が、例えば、車両用窓ガラス20の下部、左部又は右部である場合、端部10aは、当該位置に対応する端部と読み替えられてもよい。
電子機器30は、例えば、可視光カメラ、(ミリ波を含む)レーダー並びに、赤外線センサ、レインセンサ、温湿度センサ、結露センサ等のセンサ、カメラ前方の車両用窓ガラス20を加熱して防曇及び防氷効果を奏する電熱線を含む。電子機器30は、車両の運転席の上部に配置されるブラケット(筐体)内に配置されてもよく、例えば、オーバーヘッドコンソール内など天井に埋め込まれるように取り付けられてもよい。電子機器30は、筐体を介して車両用窓ガラス20に取り付けられてもよく、車両用窓ガラス20に直接、取り付けられてもよい。電子機器30は、車両用窓ガラス20を通して車両の外部情報を取得したり、車室内の情報を取得したりする。
アンテナ40は、所定周波数帯の電波を送受するアンテナである。アンテナ40は、VHF(Very High Frequency)帯域~UHF(Ultra High Frequency)帯域の周波数の電波を受信可能なアンテナでもよい。具体的には、アンテナ40は、周波数が30MHz~3GHzの電波を受信可能なアンテナでもよい。また、アンテナ40は、VHF帯域~UHF帯域に含まれる、DAB(Digital Audio Broadband)のBand III(174MHz~240MHz)の電波、及び地上デジタルテレビ放送波(470MHz~710MHz)の電波のうち、少なくとも一方を受信可能なアンテナでもよい。なお、アンテナ40は、FM放送波の周波数帯(76MHz~108MHz)、760MHzを含む狭帯域のITS(Intelligent Transport Systems)の電波を受信可能なアンテナでもよい。
さらに、アンテナ40は、LTE(Long Term Evolution)周波数帯の電波を送受可能なアンテナ、GNSS(Global Navigation Satellite System)及びSDARS(Satellite Digital Audio Radio Service)等の衛星通信用周波数帯の電波を受信可能なアンテナ、5G(第5世代移動通信システム)の周波数帯の電波を送受可能なアンテナでもよい。5G用のアンテナとしては、車車間通信や路車間通信等のV2X(Vehicle to Everything)に用いられるDSRC(Dedicated Short Range Communication)と呼ばれる狭域通信用の周波数帯(例えば、5.8GHz帯)の電波を送受可能なアンテナが挙げられる。また、アンテナ40は、上記例示したアンテナのうち1つに限らず、複数のアンテナを含んで1箇所に統合化して配置されてもよく、複数のアンテナが車両用窓ガラス20近傍に個々に分散して配置されてもよい。なお、「送受」とは、アンテナ40が電波を「送信」または「受信」若しくは「送信」及び「受信」の両方を可能とする意味で用いる。
アンテナ40は、電子機器30からの距離が、例えば、500mm以下となるように配置されてもよい。該距離が500mm超であれば、アンテナ40が電子機器30と十分に離れて配置されるので、双方のアイソレーションが取れ、アンテナ40のアンテナ感度が低下しにくい。一方、アンテナ40と電子機器30とを離すとしても、レイアウト上の制限が生じるため、該距離が500mm以下でアンテナ40のアンテナ感度の低下を抑制できると配置の自由度が向上し好ましい。また、該距離は、350mm以下でもよく、200mm以下でもよく100mm以下でもよい。さらに、該距離はとくに下限を設けなくてもよいが、例えば、0mm以上でもよく、5mm以上でもよく、10mm以上でもよく、30mm以上でもよく、50mm以上でもよい。アンテナ40と、電子機器30との間の距離は、後述する給電部41の中心と、電子機器30の中心との間の距離である。アンテナ40は、車両用窓ガラス20の近傍に取り付けられる。
アンテナ40は、車両用窓ガラス20の表面に取り付けられてもよい。もしくは、アンテナ40は、車両用窓ガラス20の内部に封入されてもよい。もしくは、アンテナ40は、誘電体上であればリアスポイラー等の樹脂からなるエアロパーツ内に配置されてもよく、誘電体が空気であってアンテナ40が空中配線されてもよい。もしくは、アンテナ40は、金属上に配置されてもよい。アンテナ40が、金属上に配置される例としては、車両の金属ルーフ上に設置される突起状の樹脂製レドーム内のアンテナ(いわゆるシャークフィンアンテナ)でもよい。シャークフィンアンテナは車両ルーフの後部に配置される場合が多いので、電子機器としては、例えば、リアガラス近傍に取り付けられるハイマウントストップランプ及び可視光カメラ(バックカメラ)が例示できる。
アンテナ40は、車両用アンテナ装置100が配置される車両の乗員の視界を損なわない位置に配置される。なお、本実施の形態では、アンテナ40は、車両用窓ガラス20上部への配置として説明するが、これに限らない。
図1において、アンテナ40は、給電部41と、線条エレメント42とを備える。図1に示すアンテナ40は、いわゆる単極型アンテナである。なお、アンテナ40は、アース部(不図示)と、アース部に接続する線条エレメントとをさらに備える、いわゆる双極型アンテナでもよい。給電部41は、金属ボディ10に近接して配置される。給電部41(及びアース部)は、同軸ケーブル(不図示)等の伝送線路を介して、通信機器(不図示)と接続する。
線条エレメント42は、導体で構成されるアンテナエレメントである。線条エレメント42は、一端が給電部41と接続され、他端が開放端となっている。線条エレメント42は、例えば、L字形状をしている。線条エレメント42は、給電部41と、点42aを接続点として点42aで接続され、点42aからY軸負方向に点42bまで延伸する。線条エレメント42は、点42bからX軸正方向に点42cまで延伸する。なお、図1では、線条エレメント42の形状は、L字形状であるが、車両用アンテナ装置100が配置される車両に応じて、線条エレメントで閉ループを形成するなど、任意に設定されてよい。
伝送線路50は、電子機器30と、車両用アンテナ装置100が配置される車両に設置されるECU60とを接続する。伝送線路50は、例えば、AV線であり、CAN(Controller Area Network)の規格に準拠した通信線としてツイストペアケーブルが使用されてもよい。伝送線路50の長さは、点50aからECU60までの長さLと、点50aから電子機器30までの長さdとを含む。点50aは、伝送線路50が、車両の金属ボディの端部(端部10a)と交差する位置である。長さLの範囲としては、1800mm~5000mmが例示できる。長さLの上限及び下限は、車両によって異なるが、例えば、1900mm以上でもよく、2000mm以上でもよく、4000mm以下でもよく、3500mm以下でもよく、3000mm以下でもよく、2500mm以下でもよい。長さdは、例えば、5mm以上でもよく、10mm以上でもよく、50mm以上でもよく、100mm以上でもよい。さらに、長さdは、300mm以下でもよく、200mm以下でもよく150mm以下でもよい。
ECU60は、電子機器30を制御する制御装置である。なお、車両用アンテナ装置100が配置される車両には、ECU60に加えて、エンジン制御用、ブレーキ制御用、及び安全制御用のECUが設けられてもよい。
一端が電子機器30と接続して延伸する導体(導線)であるスタブ70は、他端がアースと接続されるショートスタブでもよく、該他端が開放端となるオープンスタブでもよい。スタブ70は、電子機器30と点70a(接続点70a)において接続し、所定の長さLsを有する導体であり、電子機器30のアースと同電位の端子と接続したり、0[V]超の直流電位の端子と接続したりできるが、アースと同電位の端子と接続する方が安定するので好ましい。つまり、スタブ70は、電子機器30のアース電位部と接続される方が電気的に安定するので好ましい。また、スタブ70は、分岐及び閉ループを形成せずに、電子機器30から単線で延伸する導線が好ましい。
ここで、電子機器30が、車両用窓ガラス20に取り付けられて、伝送線路50を介してECUと接続されると、電子機器30は疑似的なアンテナとしても機能する。そのため、電子機器30が、アンテナ40の近傍に配置される場合、アンテナ40が送受する特定の周波数帯の電波に対して電子機器30と結合することでアンテナ40の感度低下を引き起こす。つまり、電子機器30が、アンテナ40が送受する、同じ周波数帯域内に共振する周波数を有する場合、アンテナ40の利得低下を引き起こす。そこで、第1の実施形態にかかる車両用アンテナ装置100は、長さLsのスタブ70を備え、伝送線路50における長さLに応じて、長さLsを調整することで、アンテナ40が送受する周波数帯に含まれる電波のアンテナ利得の低下を抑制できる。長さLsは、スタブ70が電子機器30と接続する点70aから点70aと反対の端部までの長さである。なお、本実施形態では、スタブ70は、ショートスタブとして説明する。また、スタブ70は、ショートスタブであるため、以降の説明において、長さLsを長さLssとして記載することがある。
スタブ70は、電子機器30と反対側の端部が金属ボディ10(アース)に接続されている。スタブ70は、電子機器30のアース線により構成されてもよい。言い換えると、スタブ70は、電子機器30のアース線と共通してもよい。また、スタブ70は、電子機器30と接続する端部から反対側の端部までの少なくとも一部が空中配線されてもよい。
このように、上記条件において、スタブ70の長さLssが、上記式(1)を満たすように設定されることで、アンテナ40が送受する周波数帯に含まれる電波のアンテナ利得の低下を抑制できる。
次に、車両用アンテナ装置100におけるアンテナ40のアンテナ利得について説明する。車両用アンテナ装置100におけるアンテナ40のアンテナ利得を評価するため、スタブ70を備える車両用アンテナ装置100と、車両用アンテナ装置100に対して、スタブ70を有さない構成とにおけるアンテナ40のアンテナ利得を比較した。なお、本実施形態では、車両用アンテナ装置100に対して、スタブ70のみを除いた構成を「デフォルト構成」と称する。
車両用アンテナ装置100と、デフォルト構成とにおけるアンテナ40のアンテナ利得を比較するため、アンテナ40のS11パラメータをシミュレーションにより評価した。
まず、評価結果を示す前に、シミュレーションで使用した、アンテナ40、電子機器30及び伝送線路50のS11パラメータの周波数特性について説明する。
図2を用いて、アンテナ40のS11パラメータの周波数特性を説明する。ここでは、給電部41において、アンテナ40の入力電力と、反射電力との比をシミュレーションで算出することにより、アンテナ40のS11パラメータを算出した。なお、以降に示すS11パラメータの周波数特性を示す図においても、図2と同様に、横軸は周波数[MHz]を表し、縦軸はS11パラメータの値[dB]を表す。
図2に示すように、シミュレーションで使用したアンテナ40は、周波数が200MHzにおいて共振するように線条エレメント42の長さを設定した。また、アンテナ40は、周波数が200MHzにおいて、S11パラメータの値が-7.1dBになるように設定されている。
次に、図3を用いて、電子機器30のS11パラメータの周波数特性を説明する。ここでは、電子機器30と点50aとの距離(伝送線路50における長さd)を100mmとし、点50aにおいて、電子機器30の入力電力と、反射電力との比をシミュレーションで算出することにより、電子機器30のS11パラメータを算出した。図3に示すように、シミュレーションで使用した電子機器30は、周波数が180MHzにおいて共振するように設定されている。また、電子機器30は、周波数が180MHzにおいて、S11パラメータの値が-27.4dBになるように設定されている。
図4を用いて、伝送線路50のS11パラメータの周波数特性を説明する。図4は、伝送線路のS11パラメータの周波数特性を示す図である。シミュレーションで使用した伝送線路50は、伝送線路50における長さLが2870mmに設定され、点50aからECU60側に1mm離れた位置から2本の信号線が60Ωで終端されるモデルとした。点50aにおいて、伝送線路50の入力電力と、反射電力との比をシミュレーションで算出することにより、伝送線路50のS11パラメータを算出した。図4に示すように、伝送線路50はS11パラメータが極小値(約-12dB)となる周波数が周期的となるモデルである。なお、S11パラメータが約-12dBとなる周波数では、伝送線路50は、50Ωに整合が取れている。
次に、車両用アンテナ装置100と、デフォルト構成とにおけるアンテナ40のアンテナ利得の比較結果を説明する。
まず、図5を用いて、電子機器30と、アンテナ40との距離が200mmに設定され、スタブ70の長さLssが550mmに設定された場合の車両用アンテナ装置100と、デフォルト構成とのアンテナ利得の比較結果を説明する。図5は、車両用アンテナ装置と、デフォルト構成とにおけるアンテナのアンテナ利得を比較するための図である。なお、図5では、アンテナ40の共振周波数である周波数200MHzのアンテナ利得の低減を抑制することを目的として、スタブ70の長さLssを550mmに設定している。
まず、図5を用いて、電子機器30と、アンテナ40との距離が200mmに設定され、スタブ70の長さLssが550mmに設定された場合の車両用アンテナ装置100と、デフォルト構成とのアンテナ利得の比較結果を説明する。図5は、車両用アンテナ装置と、デフォルト構成とにおけるアンテナのアンテナ利得を比較するための図である。なお、図5では、アンテナ40の共振周波数である周波数200MHzのアンテナ利得の低減を抑制することを目的として、スタブ70の長さLssを550mmに設定している。
図5は、車両用アンテナ装置100において、給電部41におけるアンテナ40のS11パラメータ、及びデフォルト構成において、給電部41におけるアンテナ40のS11パラメータの周波数特性を示す図である。なお、シミュレーションでは、図2~図4に示した特性を有する、電子機器30、アンテナ40及び伝送線路50を使用した。また、スタブ70は、空中配線されており、スタブ70の周辺の波長短縮率kを1.0とした。
図5において、点線は、デフォルト構成におけるアンテナ40のS11パラメータの周波数特性を示し、実線は、車両用アンテナ装置100におけるアンテナ40のS11パラメータの周波数特性を示す。図5に示すように、デフォルト構成の場合、アンテナ40の共振周波数である200MHzにおいて、S11パラメータの値が-4.5dBとなっている。つまり、デフォルト構成の場合、電子機器30及び伝送線路50の共振により、周波数が200MHzにおけるアンテナ40のS11パラメータの値が-7dBから-4.5dBに劣化してしまう。なお、S11パラメータが低いほど、電子機器30及び伝送線路50の共振による、アンテナ40に与えるアンテナ利得の低下を抑制できる。
これに対して、車両用アンテナ装置100の場合、アンテナ40の共振周波数である200MHzにおいて、S11パラメータの値が-6.2dBとなる。また、周波数が205MHzにおいて、S11パラメータは、極小値である-6.4dBとなる。つまり、車両用アンテナ装置100がスタブ70を含む構成であるため、電子機器30及び伝送線路50の共振による、アンテナ40の受信感度の低減を抑制できる。
ここで、伝送線路50における長さLは2870mm、波長短縮率kは1.0、アンテナ40が送受する電波の周波数200MHz(λ≒1499mm)、スタブ70の長さLssは550mmである。これらの値を用いて計算すると、スタブ70の長さLssは、整数Nが0のときに式(1)~式(3)を満たす。すなわち、車両用アンテナ装置100は、スタブ70を備え、さらに、スタブ70の長さLssが式(1)~式(3)を満たすことから、デフォルト構成と比較して、アンテナ40の受信感度の低減を抑制できる。
次に、図6を用いて、電子機器30とアンテナ40との距離が200mmであり、スタブ70の長さLssが550mmである場合の車両用アンテナ装置100と、デフォルト構成とのアンテナ利得の比較結果を説明する。図6は、車両用アンテナ装置と、デフォルト構成とにおけるアンテナのアンテナ利得を比較するための図である。
図6は、車両用アンテナ装置100における、給電部41におけるアンテナ40のS11パラメータ、及びデフォルト構成における、給電部41におけるアンテナ40のS11パラメータの周波数特性を示す図である。なお、シミュレーションでは、図2及び図4に示した特性を有する、アンテナ40及び伝送線路50を使用した。電子機器30については、電子機器30と点50aとの距離(伝送線路50における長さd)を50mmとしたときの特性を使用した。また、スタブ70周辺の波長短縮率kを1.0とした。スタブ70の長さLssは550mmである。
図6において、点線は、デフォルト構成におけるアンテナ40のS11パラメータの周波数特性を示し、実線は、車両用アンテナ装置100におけるアンテナ40のS11パラメータの周波数特性を示す。デフォルト構成の場合、S11パラメータの値は、周波数198MHz付近を第1の変曲点として、周波数が高くなるにつれて急峻に立ち上り、周波数211MHz付近を第2の変曲点として、さらに周波数が高くなるにつれて緩やかに立ち上る特性となった。つまり、周波数が210MHz近傍において、アンテナ40は、電子機器30及び伝送線路50の共振の影響を受けて、アンテナ40の受信感度が低下していることを表している。
これに対して、車両用アンテナ装置100は、周波数が210MHz近傍において、S11パラメータの値が、デフォルト構成よりも低い値となり、S11パラメータの傾きは、概ね一定となる。つまり、スタブ70の長さLssが、周波数が210MHz近傍において、アンテナ40の受信感度の低下を抑制できる長さ(550mm)に設定されていることから、車両用アンテナ装置100は、アンテナ40の受信感度の低減を抑制できる。
ここで、伝送線路50における長さLは2870mmであり、波長短縮率kは1.0であり、スタブ70の長さLssは550mmである。また、図6に示す一例では、アンテナ40が送受する電波の周波数であって、アンテナ40の受信感度の低下を低減する対象周波数は210MHzである。これらの値を用いて計算すると、スタブ70の長さLssは、整数Nが0のときに式(1)~式(3)を満たす。すなわち、車両用アンテナ装置100は、スタブ70を備え、さらに、スタブ70の長さLssが式(1)~式(3)を満たすことから、デフォルト構成と比較して、アンテナ40の受信感度の低減を抑制できる。
次に、図7を用いて、電子機器30とアンテナ40との間の距離と、周波数200MHzにおける、アンテナ40のS11パラメータとの関係を説明する。図7は、電子機器30とアンテナとの間の距離と、周波数200MHzにおける、アンテナのS11パラメータとの関係を示す図である。なお、シミュレーションでは、図2~図4に示した特性を有する、電子機器30、アンテナ40及び伝送線路50を使用した。また、スタブ70周辺の波長短縮率kを1.0とし、スタブ70の長さLssを550mmに設定した。
図7において、横軸は、電子機器30とアンテナ40との間の距離[mm]を示し、縦軸は、S11パラメータの値[dB]を示している。実線は、周波数が200MHzにおけるS11パラメータであって、車両用アンテナ装置100におけるアンテナ40のS11パラメータを表している。点線は、周波数が200MHzにおけるS11パラメータであって、デフォルト構成におけるアンテナ40のS11パラメータを表している。
図7に示すように、電子機器30と、アンテナ40との間の距離が50mm~400mmの範囲において、S11パラメータは、デフォルト構成よりも車両用アンテナ装置100の方が低くなる。つまり、電子機器30とアンテナ40との距離が50mm~400mmの範囲において、車両用アンテナ装置100は、デフォルト構成よりも、アンテナ40が、電子機器30及び伝送線路50からの共振の影響を受けていないことが分かる。このように、電子機器30とアンテナ40との距離が50mm~400mmの範囲において、車両用アンテナ装置100は、デフォルト構成よりも、アンテナ40の受信感度の低下が抑制できている。
次に、図8を用いて、スタブ70の長さLssと、周波数が200MHzにおける、車両用アンテナ装置100のアンテナ40のS11パラメータとの関係を説明する。図8は、スタブの長さと、アンテナのS11パラメータとの関係を示す図である。なお、シミュレーションでは、図2~図4に示した特性を有する、電子機器30、アンテナ40及び伝送線路50を使用した。また、スタブ70周辺の波長短縮率kを1.0とした。
図8において、横軸はスタブ70の長さLss[mm]を表し、縦軸はS11パラメータの値[dB]を表している。実線は、周波数200MHzにおける、車両用アンテナ装置100のアンテナ40のS11パラメータの値[dB]を表している。図8において、S11パラメータが最大値(極大値)となる長さLss[mm]、及びS11パラメータが最小値(極小値)となる長さLss[mm]等、S11パラメータが実質的に同一値となる長さLss[mm]を確認すると、周期性を有することが分かる。例えば、S11パラメータが極小値を示すスタブ70の長さLss[mm]は、550mmと1300mmである。ここで、周波数は200MHzであるため、半波長(1/2波長)[mm]は、電波の速度である3.0×108[m/s]を200×106[Hz]及び2で除算した値である750[mm](=0.75[m])となる。つまり、スタブ70の長さLss[mm]は、アンテナ40が送受する電波の波長λ[mm]の半分の距離ずつ増える毎に、アンテナ40の受信感度の低減を抑制できる。したがって、スタブ70の長さLssが、式(1)~式(3)を満たす場合、車両用アンテナ装置100は、アンテナ40の受信感度の低減を抑制できる。
(第2の実施形態)
次に、図9を用いて、第2の実施形態にかかる車両用アンテナ装置200について説明する。図9は、第2の実施形態にかかる車両用アンテナ装置200の構成の模式図であって、電子機器30と、アンテナ40と、伝送線路50と、ECU60と、スタブ80とを備える。
次に、図9を用いて、第2の実施形態にかかる車両用アンテナ装置200について説明する。図9は、第2の実施形態にかかる車両用アンテナ装置200の構成の模式図であって、電子機器30と、アンテナ40と、伝送線路50と、ECU60と、スタブ80とを備える。
車両用アンテナ装置200は、第1の実施形態にかかる車両用アンテナ装置100におけるスタブ70が、スタブ80に置き換わった構成である。電子機器30、アンテナ40、伝送線路50、及びECU60の構成は、第1の実施形態と同様であるため、これらの構成について、第1の実施形態と共通する記載は適宜割愛する。
スタブ80は、導体の一方が開放端となるオープンスタブである。スタブ80は、電子機器30と点80aにおいて接続し、所定の長さLosを有する導体である。スタブ80は、車両用窓ガラス20上に配置されてもよい。なお、スタブ80は、オープンスタブであるため、スタブ80の長さをLosとして記載するが、スタブ80の長さは、第1の実施形態と同様に、一般化した記載であるLsとして記載されてもよい。
スタブ80は、分岐及び閉ループを形成せずに、電子機器30から単線で延伸する。スタブ80は、例えば、L字形状をしており、点80aからY軸正方向に点80bまで延伸し、点80bから点80cまでX軸負方向に延伸する。とくに、スタブ80は、アンテナ40から遠ざかるように延伸する。スタブ80は、電子機器30と反対側の端部である点80cが開放端となっており、オープンスタブを構成する。なお、図9では、スタブ80は、L字形状に限らず、オープンスタブを構成可能な任意の形状とできる。
スタブ80のうち、点80bから点80cまでの部分は、金属ボディ10の端部10aと近接してもよい。スタブ80のうち、点80bから点80cまでの部分は、金属ボディ10の端部10aとの距離が5mm~30mmでもよい。つまり、金属ボディ10と、スタブ80のうち、点80bから点80cまでの部分とが容量結合部として構成される。容量結合部は、導体部と所定の容量値により容量結合される。スタブ80のうち、点80bから点80cまでの部分が、特定の特性インピーダンスを有する線路を形成する。なお、スタブ80は、容量結合部の有無、容量結合部を有するときの長さは任意に設定できる。また、スタブ80における電子機器30との接続点80aは、電子機器30のアース電位部でもよい。
スタブ80の長さLosは、伝送線路50における長さLに応じて、アンテナ40が送受する周波数帯に含まれる電波のアンテナ利得の低下を抑制するように設定される。スタブ80の長さLosは、アンテナ40が送受する電波の波長λ[mm]と、スタブ80周辺の誘電体の波長短縮率kとの関係が、以下の式(4)を満たすように設定される。なお、スタブ80が、車両用窓ガラス20上に配置される場合、以下の式(4)において、波長短縮率kは、車両用窓ガラス20の波長短縮率となり、スタブ80が空中配線の場合空気の波長短縮率(k=1.0)となる。
ここで、M≧0の整数である。
このように、上記条件において、スタブ80の長さLosが、上記式(4)を満たすように設定されることで、アンテナ40が送受する周波数帯に含まれる電波のアンテナ利得の低下を抑制できる。
次に、車両用アンテナ装置200におけるアンテナ40のアンテナ利得について説明する。車両用アンテナ装置200におけるアンテナ40のアンテナ利得を評価するため、スタブ80を備える車両用アンテナ装置200と、車両用アンテナ装置200に対して、スタブ80を有さない構成とのアンテナ利得を比較して評価した。なお、本実施形態では、車両用アンテナ装置200に対して、スタブ80のみ除いた構成を「デフォルト構成」と称する。
車両用アンテナ装置200と、デフォルト構成とにおけるアンテナ40のアンテナ利得を比較するため、アンテナ40のS11パラメータをシミュレーションで算出し評価した。
まず、図10を用いて、電子機器30と、アンテナ40との距離が200mmであり、スタブ80の長さLosが190mmである場合の車両用アンテナ装置200と、デフォルト構成とのアンテナ利得の比較結果を説明する。なお、シミュレーションでは、図2及び図4に示した特性を有する、アンテナ40及び伝送線路50を使用した。電子機器30については、電子機器30と点50aとの距離(伝送線路50における長さd)を50mmとしたときの特性を使用した。また、スタブ80は、中空配線を想定し、スタブ80周辺の波長短縮率kを1.0とした。
図10は、車両用アンテナ装置200において、給電部41におけるアンテナ40のS11パラメータ、及びデフォルト構成において、給電部41におけるアンテナ40のS11パラメータの周波数特性を示す図である。
図10において、点線は、デフォルト構成におけるアンテナ40のS11パラメータの周波数特性を示し、実線は、車両用アンテナ装置200におけるアンテナ40のS11パラメータの周波数特性を示す。図10に示すように、デフォルト構成の場合、デフォルト構成の場合、S11パラメータは、周波数197MHz付近を第1の変曲点として、周波数が高くなるにつれて急峻に立ち上り、周波数211MHz付近を第2の変曲点として、さらに周波数が高くなるにつれて緩やかに立ち上る特性となった。つまり、周波数が210MHz近傍において、アンテナ40は、電子機器30及び伝送線路50の共振の影響を受けており、アンテナ40の受信感度が低下していることを表している。
これに対して、車両用アンテナ装置200は、アンテナ40の受信感度が低下している周波数210MHzに対して、アンテナ40の受信感度の低下を抑制するために、スタブ80の長さLosが190mmに設定されている。そのため、周波数が210MHz近傍において、S11パラメータの値が、デフォルト構成よりも低い値となり、S11パラメータの傾きは、概ね一定となる。つまり、車両用アンテナ装置200は、スタブ80の長さLosが、アンテナ40の受信感度の低下を低減する対象周波数である210MHzに対して調整されているため、アンテナ40の受信感度の低減を抑制できる。
ここで、伝送線路50における長さLは2870mmであり、波長短縮率kは1.0であり、アンテナ40が送受する電波の周波数帯は210MHzであり、スタブ80の長さLosは190mmである。これらの値を用いて計算すると、スタブ80の長さLosは、Mが0のときに式(4)~式(6)を満たす。すなわち、車両用アンテナ装置200は、スタブ80を備え、さらに、スタブ80の長さLosが式(4)~式(6)を満たすことから、デフォルト構成と比較して、アンテナ40の受信感度の低減を抑制できる。
次に、図11を用いて、電子機器30と、アンテナ40との距離が200mmであり、車両用窓ガラス20上に配置されたスタブ80の長さLosが205mmである場合の車両用アンテナ装置200と、デフォルト構成とのアンテナ利得の比較結果を説明する。図11は、車両用アンテナ装置と、デフォルト構成とにおけるアンテナのアンテナ利得を比較するための図である。
図11は、車両用アンテナ装置200において、給電部41におけるアンテナ40のS11パラメータ、及びデフォルト構成において、給電部41におけるアンテナ40のS11パラメータの周波数特性を示す図である。なお、シミュレーションでは、図2及び図4に示した特性を有する、アンテナ40及び伝送線路50を使用した。電子機器30については、電子機器30と点50aとの距離(伝送線路50における長さd)を50mmとしたときの特性を使用した。スタブ80周辺(車両用窓ガラス20)の波長短縮率kは、0.67とした。
図11において、点線は、デフォルト構成におけるアンテナ40のS11パラメータの周波数特性を示し、実線は、車両用アンテナ装置200におけるアンテナ40のS11パラメータの周波数特性を示す。デフォルト構成の場合、S11パラメータは、周波数197MHz付近を第1の変曲点として、周波数が高くなるにつれて急峻に立ち上り、周波数211MHz付近を第2の変曲点として、さらに周波数が高くなるにつれて緩やかに立ち上る特性となった。つまり、周波数が210MHz近傍において、アンテナ40は、電子機器30及び伝送線路50の共振の影響を受けており、アンテナ40の受信感度が低下していることを表している。
これに対して、車両用アンテナ装置200は、アンテナ40の受信感度が低下している周波数210MHzに対して、アンテナ40の受信感度の低下を抑制するために、スタブ80の長さLosが205mmに設定されている。そのため、周波数が210MHz近傍において、S11パラメータの値が、デフォルト構成よりも低い値となり、S11パラメータの傾きは、概ね一定となる。つまり、車両用アンテナ装置200は、スタブ80の長さLosが、アンテナ40の受信感度の低下を低減する対象周波数である210MHzに対して調整されているため、アンテナ40の受信感度の低減を抑制できる。
ここで、伝送線路50における長さLは2870mmであり、スタブ80周辺(車両用窓ガラス20)の波長短縮率kは0.67であり、スタブ80の長さLosは205mmである。また、図11に示す一例では、アンテナ40が送受する電波の周波数であって、アンテナ40の受信感度の低下を低減する対象周波数λは210MHzである。これらの値を用いて、計算すると、スタブ80の長さLosは、Mが0のときに式(4)~式(6)を満たすことが分かる。すなわち、車両用アンテナ装置200は、スタブ80を備え、さらに、スタブ80の長さLosが式(4)~式(6)を満たすことから、デフォルト構成と比較して、アンテナ40の受信感度の低減を抑制できる。なお、車両用窓ガラス20が単板の場合、波長短縮率kは約0.67を例示でき、中間膜を2枚のガラスで挟持した為替ガラスの場合、波長短縮率kは約0.5を例示できる。
次に、図12を用いて、電子機器30と、アンテナ40との間の距離と、周波数200MHzにおける、アンテナ40のS11パラメータの値との関係を説明する。図12は、電子機器30と、アンテナ40との間の距離と、周波数200MHzにおける、アンテナのS11パラメータの値との関係を示す図である。なお、シミュレーションでは、図2~図4に示した特性を有する、電子機器30、アンテナ40及び伝送線路50を使用した。また、スタブ80は、中空配線を想定し、スタブ80周辺の波長短縮率kは、1.0とした。なお、スタブ80の長さLosは320mmである。
図12において、横軸は、電子機器30と、アンテナ40との間の距離[mm]を示し、縦軸は、S11パラメータの値[dB]を示している。実線は、周波数が200MHzにおけるS11パラメータであって、車両用アンテナ装置200におけるアンテナ40のS11パラメータを表している。点線は、周波数が200MHzにおけるS11パラメータであって、デフォルト構成におけるアンテナ40のS11パラメータを表している。
図12に示すように、電子機器30と、アンテナ40との間の距離が50mm~200mmの範囲において、S11パラメータは、車両用アンテナ装置200の方が、デフォルト構成よりも低くなる。つまり、電子機器30とアンテナ40との距離が50mm~200mmの範囲において、車両用アンテナ装置200は、デフォルト構成よりも、アンテナ40が、電子機器30及び伝送線路50からの共振の影響を受けていない。なお、電子機器30とアンテナ40との距離が200mm~400mmの場合、S11パラメータは、デフォルト構成の方が、車両用アンテナ装置200よりも若干小さくなるが、実質的に同一の値である。これは、電子機器30とアンテナ40との距離が離れていることから、アンテナ40が、電子機器30の共振の影響を受けにくくなったため、車両用アンテナ装置200と、デフォルト構成とでS11パラメータが実質的に同一の値となったと考えられる。以上のように、電子機器30とアンテナ40との距離が50mm~200mmの範囲において、車両用アンテナ装置200は、デフォルト構成よりも、アンテナ40の受信感度の低下が抑制できている。また、電子機器30とアンテナ40との距離が200mm~400mmにおいて、車両用アンテナ装置200は、デフォルト構成と同様に、アンテナ40の受信感度の低下が抑制できている。
次に、図13を用いて、スタブ80の長さLosと、周波数が210MHzにおける、車両用アンテナ装置200のアンテナ40のS11パラメータとの関係を評価した。なお、シミュレーションでは、図2及び図4に示した特性を有する、アンテナ40及び伝送線路50を使用した。電子機器30については、電子機器30と点50aとの距離(伝送線路50における長さd)を50mmとしたときの特性を使用した。スタブ80は、中空配線を想定し、スタブ80周辺の波長短縮率kは、1.0とした。
図13において、横軸はスタブ80の長さLos[mm]を表し、縦軸はS11パラメータの値[dB]を表している。実線は、周波数210MHzにおける、車両用アンテナ装置200のアンテナ40のS11パラメータの値[dB]を表している。図13において、S11パラメータが最大値(極大値)となる長さLos[mm]、及びS11パラメータが最小値(極小値)となる長さLos[mm]等、S11パラメータが実質的に同一値となる長さLos[mm]を確認すると、周期性を有することが分かる。例えば、S11パラメータが極小値を示すスタブ80の長さLos[mm]は、200mmと920mmである。つまり、スタブ80の長さLos[mm]が、アンテナ40が送受する電波の波長λの半分の距離ずつ増える毎に、アンテナ40の受信感度の低減を抑制できる。したがって、スタブ80の長さLosが、式(4)~式(6)を満たす場合、車両用アンテナ装置200は、アンテナ40の受信感度の低減を抑制できる。
(変形例1)
第2の実施形態において、電子機器30が(カメラ周りのガラス防曇、防氷用の)電熱線を含む場合、スタブ80を以下に示すように配置してもよい。図14は、変形例1にかかる車両用アンテナ装置300の構成例を示す図である。車両用アンテナ装置300は、電子機器30と、アンテナ40と、伝送線路50と、ECU60と、スタブ80とを備える。電子機器30は、電熱部90と、カメラ150とを備える。車両用アンテナ装置300は、第2の実施形態にかかる車両用アンテナ装置200の電子機器30の具体例として、電熱部90と、カメラ150とを備える構成である。なお、アンテナ40、伝送線路50、ECU60及びスタブ80は、第2の実施形態と同様であるため説明を適宜割愛する。また、図14では便宜上、電子機器30における電熱部90とカメラ150とは離間するように図示しているが、実際は、カメラ150の撮像部は車両用窓ガラス20の平面視で電熱部90と重複する。
第2の実施形態において、電子機器30が(カメラ周りのガラス防曇、防氷用の)電熱線を含む場合、スタブ80を以下に示すように配置してもよい。図14は、変形例1にかかる車両用アンテナ装置300の構成例を示す図である。車両用アンテナ装置300は、電子機器30と、アンテナ40と、伝送線路50と、ECU60と、スタブ80とを備える。電子機器30は、電熱部90と、カメラ150とを備える。車両用アンテナ装置300は、第2の実施形態にかかる車両用アンテナ装置200の電子機器30の具体例として、電熱部90と、カメラ150とを備える構成である。なお、アンテナ40、伝送線路50、ECU60及びスタブ80は、第2の実施形態と同様であるため説明を適宜割愛する。また、図14では便宜上、電子機器30における電熱部90とカメラ150とは離間するように図示しているが、実際は、カメラ150の撮像部は車両用窓ガラス20の平面視で電熱部90と重複する。
電熱部90は、車両用窓ガラス20の電熱部である。電熱部90は、例えば、車両用窓ガラス20の透過領域の防氷及び防曇を目的として設けられる。透過領域は、車内に設置された情報デバイス等の電子機器30が、車外から車両用窓ガラス20を透過して電波を受信したり、車外へ車両用窓ガラス20を透過して信号を送信したりする領域である。電熱部90は、電熱線91と、給電部92と、アース部93とを備える。電熱線91は、少なくとも一部が透過領域に配置される。電熱線91は、給電部92から直流電圧が印加され、電熱線91の抵抗によって加熱されることで、透過領域を加熱する。また、給電部92及びアース部93は、図示しない電気配線(ハーネス等)を介して、透過領域近傍から離れて配置される直流電源へ接続される。図14に示すように、給電部92及びアース部93のうち、少なくとも1つは、カメラ150に接続される。なお、アース部93に接続される側のアース部側電気配線は、直流電源付近に接続してアースを取る配置でもよく、金属ボディ10の任意の位置に接続してアースを取る配置でもよい。
カメラ150は、実施の形態2の電子機器30の具体例であり、例えば、可視光カメラである。上述したように、カメラ150は、電熱部90の給電部92及びアース部93のうち、少なくとも1つと接続される。
スタブ80は、例えば、オープンスタブである。スタブ80は、電熱部90の電熱線91と、点80aで接続される。言い換えると、スタブ80は、点80aをアース電位部として、電熱線91のアース電位部から延伸する。スタブ80は、分岐及び閉ループを形成せずに、電熱部90のアース電位部である点80aから単線で延伸する。スタブ80は、例えば、L字形状をしており、点80aからY軸正方向に点80bまで延伸し、点80bから点80c(開放端)までX軸負方向に延伸する。なお、スタブ80と電熱部90との接続点である点80aは、電熱線91の任意の位置としてもよい。また、スタブ80と電熱部90とが接続する点は、アース電位部に限られない。
このように、変形例1にかかる車両用アンテナ装置300の電熱部90が電熱線91を含み、オープンスタブであるスタブ80が、電熱線91のアース電位部から延伸する構成としても、第2の実施形態と同様の効果が得られる。
(変形例2)
上述した第1の実施形態及び第2の実施形態に対して以下のような変形を施してもよい。第1の実施形態及び第2の実施形態では、車両用アンテナ装置は、1つのスタブを備える構成としたが、2つ以上のスタブを備える構成としてもよい。図15は、変形例2にかかる車両用アンテナ装置400の構成例を示す図である。車両用アンテナ装置400は、第1の実施形態にかかる車両用アンテナ装置100に、スタブ110が追加された構成である。このように、車両用アンテナ装置400は、スタブ70に加えて、スタブ110を備える。言い換えると、車両用アンテナ装置400は、第1のスタブであるスタブ70と、第2のスタブであるスタブ110とを備える。
上述した第1の実施形態及び第2の実施形態に対して以下のような変形を施してもよい。第1の実施形態及び第2の実施形態では、車両用アンテナ装置は、1つのスタブを備える構成としたが、2つ以上のスタブを備える構成としてもよい。図15は、変形例2にかかる車両用アンテナ装置400の構成例を示す図である。車両用アンテナ装置400は、第1の実施形態にかかる車両用アンテナ装置100に、スタブ110が追加された構成である。このように、車両用アンテナ装置400は、スタブ70に加えて、スタブ110を備える。言い換えると、車両用アンテナ装置400は、第1のスタブであるスタブ70と、第2のスタブであるスタブ110とを備える。
スタブ70は、第1の実施形態におけるスタブ70と同様である。スタブ110は、オープンスタブでもよく、ショートスタブでもよい。なお、変形例2において、スタブ110は、スタブ70と同様に、ショートスタブであるとして説明する。
スタブ110は、点110aにおいて電子機器30と接続する。点110aは、点70aと同じ位置でもよく、異なる位置でもよい。スタブ110は、スタブ70と、アンテナ40の受信感度の低減を抑制する周波数が異なっている。スタブ70は、例えば、200MHz等の第1の周波数におけるアンテナ40の受信感度の低減を抑制し、スタブ110は、例えば、210MHz等の第2の周波数におけるアンテナ40の受信感度の低減を抑制する。なお、スタブ70及びスタブ110が、アンテナ40の受信感度の低減を抑制する周波数は、上記に限られず、適宜設定されてもよい。
スタブ70及びスタブ110は、式(1)~式(3)を満たすように長さが設定される。上記したように、スタブ70がアンテナ40の受信感度の低減を抑制する第1の周波数は、スタブ110がアンテナ40の受信感度の低減を抑制する第2の周波数と異なるため、スタブ70の長さは、スタブ110の長さと異なるように設定されてよい。このように、車両用アンテナ装置400が、2つ以上のスタブを備え、各スタブが、異なる周波数帯において、アンテナ40の受信感度の低減を抑制するようにしてもよい。このようにすれば、車両用アンテナ装置400は、複数の周波数帯、ひいてはより広帯域にわたって、アンテナ40の受信感度の低減を抑制できる。
以上、本発明を上記実施形態に則して説明したが、本発明は上記実施の形態の構成にのみ限定されるものではなく、本願特許請求の範囲の請求項の発明の範囲内で当業者であればなし得る各種変形、修正、組み合わせを含むことは勿論である。例えば、第1の実施形態及び第2の実施形態において、車両用アンテナ装置が、2つ以上の車両用窓ガラス及びスタブを備える構成としてもよい。この場合、2つの車両用窓ガラスのうちの一方が、ウィンドシールドでもよく、他方が、リアガラスでもよい。また、2つのスタブは、一方がオープンスタブ、他方がショートスタブでもよく、両方がオープンスタブでもよく、両方がショートスタブでもよい。
10 金属ボディ
10a 端部
20 車両用窓ガラス
30 電子機器
40 アンテナ
41、92 給電部
42 線条エレメント
50 伝送線路
60 ECU
70、80、110 スタブ
90 電熱部
91 電熱線
93 アース部
100、200、300、400 車両用アンテナ装置
150 カメラ
10a 端部
20 車両用窓ガラス
30 電子機器
40 アンテナ
41、92 給電部
42 線条エレメント
50 伝送線路
60 ECU
70、80、110 スタブ
90 電熱部
91 電熱線
93 アース部
100、200、300、400 車両用アンテナ装置
150 カメラ
Claims (21)
- 電子機器と、
前記電子機器の近傍に配置され、所定周波数帯の電波を送受するアンテナと、
前記電子機器と車両に設置されるECUとを接続する伝送線路と、
前記電子機器と接続し、所定の長さLSを有する導体である少なくとも1つのスタブと、を備え、
前記少なくとも1つのスタブの長さLSは、前記伝送線路の長さに応じて、前記アンテナが送受する周波数帯に含まれる電波のアンテナ利得の低下を抑制するように設定される、車両用アンテナ装置。 - 前記電子機器は、車両用窓ガラスに取り付けられ、前記車両用窓ガラスを通して前記車両の外部情報を取得する、請求項1に記載の車両用アンテナ装置。
- 前記アンテナは、前記車両用窓ガラスの近傍に取り付けられている、請求項2に記載の車両用アンテナ装置。
- 前記アンテナは、前記車両用窓ガラスの表面に取り付けられているか又は前記車両用窓ガラス内に封入されている、請求項2又は3に記載の車両用アンテナ装置。
- 前記車両用窓ガラスは、ウィンドシールドを含む、請求項2~4のいずれかに記載の車両用アンテナ装置。
- 前記車両用窓ガラスは、リアガラスを含む、請求項2~5のいずれかに記載の車両用アンテナ装置。
- 前記少なくとも1つのスタブは、前記電子機器のアース電位部と電気的に接続される、請求項1~6のいずれか1項に記載の車両用アンテナ装置。
- 前記少なくとも1つのスタブは、前記電子機器から単線で延伸する、請求項1~7のいずれか1項に記載の車両用アンテナ装置。
- 前記少なくとも1つスタブは、前記電子機器と反対側の端部がアースに電気的に接続されているショートスタブを含み、
前記アンテナが送受する電波の波長をλとし、前記ショートスタブ周辺の誘電体の波長短縮率をkとし、N≧0の整数とするとき、
前記ショートスタブの長さLSSは、
(0.05×(λ/2)+(λ/2)×N)×k≦LSS≦(1.0×(λ/2)+(λ/2)×N)×k
を満たす、請求項1~8のいずれか1項に記載の車両用アンテナ装置。 - 前記ショートスタブは、空中配線されている、請求項9に記載の車両用アンテナ装置。
- 前記ショートスタブは、前記電子機器のアース線と共通する、請求項9又は10に記載の車両用アンテナ装置。
- 前記少なくとも1つのスタブは、前記電子機器と反対側の端部が開放端となっているオープンスタブを含み、
前記アンテナが送受する電波の波長をλとし、前記オープンスタブ周辺の誘電体の波長短縮率をkとし、M≧0の整数とするとき、
前記オープンスタブの長さLOSは、
(0.1×(λ/4)+(λ/2)×M)×k≦LOS≦(1.0×(λ/4)+(λ/2)×M)×k
を満たす、請求項1~11のいずれか1項に記載の車両用アンテナ装置。 - 前記オープンスタブは、前記電子機器が取り付けられる車両用窓ガラス上に配置され、前記kは、前記車両用窓ガラスの波長短縮率である、請求項12に記載の車両用アンテナ装置。
- 前記電子機器は、前記車両用窓ガラスを加熱する電熱線を含み、
前記オープンスタブは、前記電熱線から延伸する、請求項13に記載の車両用アンテナ装置。 - 前記オープンスタブは、前記アンテナから遠ざかるように延伸する、請求項12~14のいずれか1項に記載の車両用アンテナ装置。
- 前記オープンスタブは、前記車両の金属ボディと容量結合する、請求項12~15のいずれか1項に記載の車両用アンテナ装置。
- 前記電子機器と前記少なくとも1つのスタブの接続点と、前記アンテナの給電点との距離は、500mm以下である、請求項1~16のいずれか1項に記載の車両用アンテナ装置。
- 前記少なくとも1つのスタブは、第1スタブと第2スタブとを含み、
前記第1スタブの長さは、前記第2スタブの長さと異なる、請求項1~17のいずれか1項に記載の車両用アンテナ装置。 - 前記伝送線路の長さは、前記伝送線路が、前記車両の金属ボディの端部と交差する位置から前記ECUまでの長さLと、前記位置から前記電子機器までの長さdとを含み、
前記長さLの範囲は、1800mm~5000mmである、請求項1~18のいずれかに記載の車両用アンテナ装置。 - 前記アンテナは、VHF帯域~UHF帯域の周波数の電波を受信可能である、請求項1~19のいずれかに記載の車両用アンテナ装置。
- 前記アンテナは、DAB Band III及び地上デジタル放送波の少なくとも一方の電波を受信可能である、請求項20に記載の車両用アンテナ装置。
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JP2021083195A JP2022176656A (ja) | 2021-05-17 | 2021-05-17 | 車両用アンテナ装置 |
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2021
- 2021-05-17 JP JP2021083195A patent/JP2022176656A/ja active Pending
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