JP2022176085A - メタ型エステル系芳香族ジアミン、およびその製造方法、並びにそれらのメタ型エステル系芳香族ジアミンを原料とするポリイミド - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、新規なメタ型エステル系芳香族ジアミン、およびその製造方法、並びにポリイミド合成を提供することを目的とする。【解決手段】例えば、下記の反応によって得られる化合物(b)である。TIFF2022176085000074.tif57145【選択図】なし
Description
本発明は、ポリイミドをはじめとした高機能性高分子および種々の有機化合物のための原料として有用な、メタ型エステル系芳香族ジアミン及びその誘導体、及びその製造方法に関する。
情報通信分野において使用されるプリント配線基板等では高速・大容量通信が求められており、そのため従来よりも高周波数帯使用が期待されている。しかし、高周波数化することで伝送損失が増大するという問題がある。伝送損失は抵抗損失と誘電損失の寄与に分けられる。そのうち、抵抗損失は周波数に比例して熱に変わる特徴があり、誘電損失は周波数、誘電正接、比誘電率に比例する特徴がある。
高周波数帯での使用に耐えうる材料には、耐熱性に加え、優れた電気特性、特に低誘電率、低誘電正接であることが求められている。優れた高耐熱性材料として,例えばポリイミド樹脂(PI)やポリアミド樹脂が知られている(非特許文献1、2)。しかし、これらの樹脂は分子内に極性の高いイミド基、あるいはアミド基構造を有しており、これらの寄与のため、多くのPIの誘電率(k)は3.0を越えるのが通常である。また、優れた電気特性を有するPI材料として、例えばポリエステルイミド樹脂(PEI)が知られている(非特許文献3)。しかし、熱可塑性に乏しく、溶融時の流動性が悪い、溶剤溶解性が乏しい、加工性に劣るといった問題がある。
Pathrick R.A.et,al「Journal of Applied Polymer Science」、vol.132、p.41684-41692、2015年.
Akhter Z.et,al「Polymer Bulletin」vol.74、p.3889-3906、2017年.
Masatoshi Hasegawa.et al.「Polymers」、vol.12、p.859、2020年.
S. Tamai et al.「Polymer」、vol.37、p.3683-3692、1996年.
優れた高耐熱性と電気特性を有する材料として、PIの低誘電率化が提案されている。PIはそのモノマーであるジアミンの設計の多様性から、低誘電率化の分子設計には魅力的な材料である。PIの低誘電率化の基本的な考えは、高誘電率に寄与するイミド基濃度をどのように希釈(低減)していくかにある。PI中のイミド基濃度を下げるには,芳香族ジアミンとして代表的なオキシジアニリンのような二核体に代え、三核以上の芳香環を有するジアミンを採用するのが有効である。更にPI主鎖にエステル部を導入するのが、PIの吸湿性を低下させ、低誘電率化に有効である(非特許文献3)。しかし、非特許文献3に記載の芳香族ジアミンでは、PI主鎖の直線性が高まる分、PI樹脂の加工性を損なうことになる。PIの加工性を向上させるにはメタ型芳香族ジアミンを原料とするのが有効であるが(非特許文献4)、PIの低誘電率化には寄与しない。
そこで、優れた高耐熱性と電気特性、加工性を同時に実現するには、メタ型エーテル系芳香族ジアミンをPIの原料とするのが有効である。しかし、メタ型エーテル系芳香族ジアミン前駆体の製造には145-150℃/5時間、さらに170-180℃/18時間という過酷な反応条件を要する(非特許文献4)。一方、エステル系芳香族ジアミン前駆体は室温/12時間という穏やかな反応条件で合成できる。本発明は上記事情に鑑み、ポリイミド樹脂などの樹脂原料、また、電子材料やこれらの中間体や原料として有用な、容易に製造できるメタ型エステル系芳香族ジアミン化合物及びその誘導体、並びにその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記のような芳香族ジアミンの問題点を鋭意検討した結果、3-アミノベンゾイルオキシを有し、三核または四核体であるビス(3-アミノベンゾイルオキシ)化合物である新規のメタ型エステル系芳香族ジアミン、及び、五核体のメタ型エステル系芳香族ジアミンを製造し、本発明を成すに至った。
すなわち本発明は、下記式(1)で表される化合物及びその製造方法を提供する。
式(1)において、Xは下記(a)、(b)、又は(c)であり、
式(1)におけるR1、R2、R3、及びR4、及び(a)、(b)、(c)におけるR5、R6、R7、R8、R9、及びR10は、互いに独立に、水素原子、炭素原子数1~6の、置換されていてもよいアルキル基、又は、炭素原子数1~3のアルコキシ基であり、但し、R7、R8、R9、及びR10の少なくとも1は前記アルキル基又はアルコキシ基である。
また本発明は、下記式(1’)で表される化合物及びその製造方法を提供する。
式(1’)において、Xは下記(d)であり、
R1、R2、R3、R4、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19及びR20は、互いに独立に、水素原子、炭素原子数1~6の、置換されていてもよいアルキル基、又は、炭素原子数1~3のアルコキシ基である。
さらに本発明は上記ジアミン化合物と、酸無水物と、任意でその他のジアミン化合物との反応物であるポリイミド化合物を提供する。
本発明のメタ型エステル系芳香族ジアミンは各種溶媒への溶解性に優れる。また、本発明のメタ型エステル系芳香族ジアミンは3核以上の芳香環を有するため得られるポリイミドのイミド濃度を下げることができ、エステル部を有するため得られるポリイミドの吸湿性を下げることができる。従ってポリイミドの低誘電率化に有効である。更に本発明のエステル系芳香族ジアミンはメタ型であり、加工性の高いポリイミド原料として好適に使用できる。
本発明の一の態様は、下記式(1)で表されるメタ型エステル系芳香族ジアミンに関する。
式(1)において、Xは下記(a)、(b)、又は(c)であり、
式(1)におけるR1、R2、R3、及びR4、及び(a)、(b)、及び(c)におけるR5、R6、R7、R8、R9、及びR10は、互いに独立に、水素原子、炭素原子数1~6の、置換されていてもよいアルキル基、又は、炭素原子数1~3のアルコキシ基であり、但し、R7、R8、R9、及びR10の少なくとも1は前記アルキル基又はアルコキシ基である。
本発明の別の態様は下記式(1’)で表されるメタ型エステル系芳香族ジアミンに関する。
式(1’)において、Xは下記(d)であり、
R1、R2、R3、R4、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19及びR20は、互いに独立に、水素原子、炭素原子数1~6の、置換されていてもよいアルキル基、又は、炭素原子数1~3のアルコキシ基である。
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19及びR20で表される、炭素原子数1~6の、置換されていてもよいアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ペンチル、ネオペンチル、シクロペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル基が挙げられる。炭素原子数1~3のアルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ基が挙げられる。R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19及びR20は、互いに異なっていても、同一であってもよい。好ましくは水素原子または炭素原子数1~6のアルキル基である。より好ましくは上記(a)、(b)及び(d)においては、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17及びR18が全て水素原子であるのがよい。上記(c)においては、R1、R2、R3、R4は水素原子であるのが好ましく、R7、R8、R9、及びR10の少なくとも1はメチル基であるのが好ましい。
好ましくは、下記式(1a)又は(1b)で表される四核体化合物、又は下記式(1c)で表される三核体化合物である。
式(1a)及び(1b)中、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は上記の通りであり、好ましくは水素原子である。
式(1c)中、R1、R2、R3、及びR4は上記の通りであり、好ましくは水素原子であり、R7、R8、R9、及びR10は上記の通りであり、このうち少なくとも1はメチル基である。
また、上記式(d)として好ましくは下記式(1d)で表される。
(1d)
式(1d)中、R1、R2、R3、R4、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17及びR18は上記の通りであり、好ましくは水素原子である。R19及びR20は上記の通りであり、好ましくはメチル基である。
式(1d)中、R1、R2、R3、R4、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17及びR18は上記の通りであり、好ましくは水素原子である。R19及びR20は上記の通りであり、好ましくはメチル基である。
上記式(d)において置換基及び芳香環の結合位置は特に制限されない。好ましくはXが下記構造を有する化合物である。
R1、R2、R3、R4、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17及びR18は上記の通りであり、好ましくは水素原子である。R19及びR20は上記の通りであり、好ましくはメチル基である。式中*で示される箇所は酸素原子との結合を示す。
以下、製造方法について、より詳細に説明する。
上記ニトロ基の還元反応は、特に限定されるものではなく、ニトロ基をアミノ基に還元する公知の方法を用いることが出来る。例えば、芳香族ジニトロ化合物の還元方法としては、接触還元、ベシャン還元、亜鉛末還元、塩化スズ還元、及びヒドラジン還元等が挙げられる。
還元反応に用いられる溶剤は例えば、メタノール、エタノール、1-プロパノール、イソプロパノール、1-ブタノール、2-メトキシエタノール、及び2-エトキシエタノールなどのアルコール系溶剤、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、N,N’-ジメチルイミダゾリジノンなどのアミド系溶剤、及び、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、及びジエチレングリコールなどのエーテル系溶剤が挙げられるが、芳香族ジニトロ化合物が溶解する溶媒であれば、これらに限定されることはない。溶剤の量は適宜調整されればよい。
還元反応に使用される触媒は上記各還元反応の触媒として公知の触媒を使用すればよい。例えば、接触還元またはヒドラジン還元に用いられる触媒としては、活性炭、カーボンブラック、グラファイト、アルミナなどに担持させたパラジウム、白金、ロジウムなどの貴金属触媒、ラネーニッケル触媒、及びスポンジニッケル触媒が挙げられる。触媒の量は特に制限されるものでないが、芳香族ジニトロ化合物に対して、通常0.1~10wt%である。
還元反応の反応温度及び時間は適宜選択されればよい。例えば、50~150℃の範囲にある温度、好ましくは60~130℃の範囲にある温度で、1~35時間、好ましくは3~10時間反応させればよい。反応生成物の処理方法は特に制限されるものではない。例えば、触媒を除去し、冷却した後、生成した固体を濾過、水洗、乾燥することにより、上記一般式(1)で示される化合物を得ることができる。また、更に必要に応じて、再度、晶析濾過、カラム分離等の方法にて精製すれば、高純度品を得ることが出来る。
上記式(3)で表される化合物は公知の方法で製造することができる。例えば、それぞれに対応するジオール化合物とm-ニトロ安息香酸塩化物との縮合により製造できる。
上記式(1)で表されるメタ型エステル系芳香族ジアミンは、各種溶媒への溶解性に優れ、ポリイミドの原料として有用である。例えば、上記式(1)で表されるメタ型エステル系芳香族ジアミンを酸無水物と反応させることにより、ポリイミド化合物を提供することができる。
酸無水物は、ポリイミドの原料として用いられている従来公知のものであればよい。例えば、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノン-3,4,3’,4’-テトラカルボン酸二無水物、4,4’-(2,2-ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物、2,2-ビス〔3-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)フェニル〕プロパン二無水物、2,2-ビス〔4-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)フェニル〕プロパン二無水物、および3,3’,4,4’-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物およびオキシ-4,4’-ジフタル酸二無水物からなる群から選択される少なくとも1の酸二無水物である。
上記ジアミン化合物と酸無水物の反応条件や反応比率は特に制限されるものでなく、従来公知の方法に従い、適宜選択されればよい。例えば、反応条件は25~30℃の範囲にある温度で0.5~24時間反応させればよい。反応比率は1.00とすればよい。得られるポリイミド化合物は、好ましくは数平均分子量2,000~200,000、好ましくは10,000~50,000を有するのがよい。該数平均分子量は例えばGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー、THF)により、測定される値である。
上記ポリイミド化合物としては、本発明のジアミン化合物以外の任意のジアミン化合物をさらに反応させてもよい。ポリイミド化合物において全ジアミン化合物に由来する単位の合計モルに対する本発明のジアミン化合物に由来する単位の割合は10モル%~100モル%であるのが好ましい。本発明のジアミン化合物以外の任意のジアミン化合物としては、例えば、1,4-フェニレンジアミン、1,3-フェニレンジアミン、1,2-フェニレンジアミン、2,4-ジアミノトルエン、2,6-ジアミノトルエン、m-キシリレンジアミン、p-キシリレンジアミン、2,2’-ジメチルベンジジン、3,3’-ジメチルベンジジン、2,2’-ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、3,4’-ジアミノジフェニルエーテル、3,3’-ジアミノジフェニルエーテル、4,4’-ジアミノジフェニルスルホン、3,3’-ジアミノジフェニルスルホン、4,4’-ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’-ジアミノベンズアニリド、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、9,9’-ビス(4-アミノフェニル)フルオレン、9,9’-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]フルオレンからなる群から選択される1以上である。
本発明のポリイミド化合物からなる成形物としては、例えば高速・大容量通信用材料が挙げられる。
以下、実施例を示し、本発明をより詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものでない。
下記実施例において用いた測定方法及び装置は以下の通りである。
HPLC測定にはSHIMADZU製SPD-20Aを使用し、融点測定にはYAMATO製MP-21を使用した。
1H核磁気共鳴スペクトル分析には、Avance iii HD 400(Bruker Biospin)を用い、測定溶媒は重DMSOを用いた。
13C核磁気共鳴スペクトル分析には、Avance iii HD 400(Bruker Biospin)を用い、測定溶媒は重DMSOを用いた。
赤外分光測定には日本分光製FT/IR-4700を使用し、ATR法により測定した。
精密質量分析には、Waters製のXevo g2-XS QTofを使用した。
下記実施例において用いた測定方法及び装置は以下の通りである。
HPLC測定にはSHIMADZU製SPD-20Aを使用し、融点測定にはYAMATO製MP-21を使用した。
1H核磁気共鳴スペクトル分析には、Avance iii HD 400(Bruker Biospin)を用い、測定溶媒は重DMSOを用いた。
13C核磁気共鳴スペクトル分析には、Avance iii HD 400(Bruker Biospin)を用い、測定溶媒は重DMSOを用いた。
赤外分光測定には日本分光製FT/IR-4700を使用し、ATR法により測定した。
精密質量分析には、Waters製のXevo g2-XS QTofを使用した。
[実施例1]
2,2’-ビス[4-(3-ニトロベンゾイルオキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパンの合成
メカニカル撹拌機と温度計を備えた300mL4つ口フラスコにビスフェノールAF 25.2g(75mmol)とTHF(テトラヒドロフラン)200mL、トリエチルアミン16.0g(158mmol)を仕込み、室温にて溶かした(薄い黄色透明溶液)。MNBC(m-ニトロ安息香酸クロライド)25.0g(158mmol)を加えると、すぐに白色沈殿が生じた。内温が25℃から55℃に上昇し、間もなく冷めた。そのまま室温で1時間撹拌して、HPLCにてMNBCの消失を確かめた。室温のまま、トリエチルアミン塩酸塩を濾別して、エバポレータで溶媒を留去した。得られた白色固体をイオン交換水300mLでスラリー洗浄・濾過し、ケーキをアセトニトリル260mLに加熱溶解させた。5℃まで徐冷し、濾過・乾燥して、白色針状晶36.0g/収率76%、mp 195.2-196.5℃、HPLC純度98.7%の生成物を得た。該生成物は上記式(a)で示される2,2’-ビス[4-(3-ニトロベンゾイルオキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン(以下、ジニトロ体1という)であった。TOF-MS(ESI):633.073(M)-
2,2’-ビス[4-(3-ニトロベンゾイルオキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパンの合成
[実施例2]
2,2’-ビス[4-(3-アミノベンゾイルオキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパンの合成
300mLのSUSオートクレーブに上記実施例1で得たジニトロ体1を22.5g(35mmol/純度換算)と、5%Pd/C 0.261g(0.113g as Dry)、THF 150mLを仕込み、密封した。窒素置換4回と水素置換4回を繰り返し、石鹸水でガス漏れがないことを確認した。水素0.8MPa定圧の下、撹拌150rpmで50℃に昇温した。撹拌数を1000rpmに上げ、水素導入弁を開けた。内温60-65℃を保ちながら、38分間で理論量の水素を吸収させ、さらに10分熟成して内圧が降下しないことを確かめた。窒素置換の上、オートクレーブを開封し、使用済み触媒を熱時濾過した。水添母液からエバポレータで溶媒を留去して、得られた白色固体をイソプロパノール150mLに加熱溶解させた。活性炭0.4gを加えて、還流下30分間撹拌した。活性炭を濾別して、イオン交換水90mLを加えた。生じた沈殿を加熱溶解させて、5℃まで徐冷し、濾過・乾燥して、淡黄色針状晶18.5g/収率92%、mp 159.6-160.5℃、HPLC純度99.6%の生成物を得た。該生成物を1H-NMRおよび13C-NMRにて構造解析した。結果を図1~図4に示す。生成物は、上記式(b)で示される2,2’-ビス[4-(3-アミノベンゾイルオキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパンであった。TOF-MS(ESI):575.1414(M+H)+
2,2’-ビス[4-(3-アミノベンゾイルオキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパンの合成
[実施例3]
ビス[4-(3-ニトロベンゾイルオキシ)フェニル]スルホンの合成
メカニカル撹拌機と温度計を備えた300mL4つ口フラスコにビスフェノールS12.8g(51mmol)とアセトニトリル200mL、トリエチルアミン16.0g(158mmol)を仕込み、50℃に昇温した(白色スラリー)。MNBC(m-ニトロ安息香酸クロライド)25.0g(158mmol)を加えると、すぐに内温が50℃から70℃に上昇し、間もなく冷めた。60℃を保ちながら1時間撹拌した。50℃にて白色沈殿を濾取し、ケーキをメタノールで洗浄した。風乾して、白色粉末27.3g/収率95%、mp 252-253℃、HPLC純度98%の生成物を得た。該生成物は上記式(c)で示されるビス[4-(3-ニトロベンゾイルオキシ)フェニル]スルホン(以下、ジニトロ体2という)であった。
ビス[4-(3-ニトロベンゾイルオキシ)フェニル]スルホンの合成
[実施例4]
ビス[4-(3-アミノベンゾイルオキシ)フェニル]スルホンの合成
300mLのSUSオートクレーブに上記実施例3で得たジニトロ体2を22.5g(35mmol/純度換算)と、5%Pd/C 0.261g(0.113g as Dry)、THF 150mLを仕込み、密封した。窒素置換4回と水素置換4回を繰り返し、石鹸水でガス漏れがないことを確認した。水素0.8MPa定圧の下、撹拌150rpmで50℃に昇温した。撹拌数を1000rpmに上げ、水素導入弁を開けた。内温60-65℃を保ちながら85分間で理論量の水素を吸収させ、さらに20分熟成して内圧が降下しないことを確かめた。窒素置換の上、オートクレーブを開封し、ジアミンが析出していたので、そのままエバポレータで水添母液から溶媒を留去して、アセトニトリル350mLに加熱溶解させた。活性炭0.4g加えて、還流下30分間撹拌した。活性炭を濾別して、イオン交換水40mLを加えた。生じた沈殿を加熱溶解させて、5℃まで徐冷し、濾過・乾燥して、淡黄色結晶状粉末14.5g/収率74%、mp 235-236℃、HPLC純度94%の生成物を得た。該生成物を1H-NMRおよび13C-NMRにて構造解析した。結果を図5~図8に示す。生成物は、上記式(d)で示されるビス[4-(3-アミノベンゾイルオキシ)フェニル]スルホンであった。
TOF-MS(ESI):489.1106(M+H)+
ビス[4-(3-アミノベンゾイルオキシ)フェニル]スルホンの合成
TOF-MS(ESI):489.1106(M+H)+
[実施例5]
1-メチル-2,5-ビス(3-ニトロベンゾイルオキシ)ベンゼンの合成
メカニカル撹拌機と温度計を備えた300mL4つ口フラスコにメチルヒドロキノン 9.3g(75mmol)とTHF200mL、トリエチルアミン16.0g(158mmol)を仕込み、室温にて溶かした(無色透明溶液)。MNBC(m-ニトロ安息香酸クロライド)25.0g(158mmol)を加えると、すぐに白色沈殿が生じた。内温が25℃から58℃に上昇し、間もなく冷めた。そのまま室温で1時間撹拌して、HPLCにてMNBCの消失を確かめた。室温のまま、白色沈殿を濾取し、ケーキをTHFで洗浄して、イオン交換水400mLで30分間、60℃にてスラリー洗浄した。60℃のまま濾過し、ケーキをメタノールで洗浄した。風乾して、白色粉末24.6g/収率78%、mp 198.0-199.2℃、HPLC純度99.3%の生成物を得た。該生成物は上記式(e)で示される1-メチル-2,5-ビス(3-ニトロベンゾイルオキシ)ベンゼン(以下、ジニトロ体3という)であった。
1-メチル-2,5-ビス(3-ニトロベンゾイルオキシ)ベンゼンの合成
[実施例6]
1-メチル-2,5-ビス(3-アミノベンゾイルオキシ)ベンゼンの合成
300mLのSUSオートクレーブに上記実施例5で得たジニトロ体3を22.5g(35mmol/純度換算)と、5%Pd/C 0.261g(0.113g as Dry)、THF 150mLを仕込み、密封した。窒素置換4回と水素置換4回を繰り返し、石鹸水でガス漏れがないことを確認した。水素0.8MPa定圧の下、撹拌150rpmで50℃に昇温した。撹拌数を1000rpmに上げ、水素導入弁を開けた。内温60-65℃を保ちながら30分間で理論量の水素を吸収させ、さらに10分熟成して内圧が降下しないことを確かめた。窒素置換の上、オートクレーブを開封し、使用済み触媒を熱時濾過した。水添母液からエバポレータで溶媒を留去して、得られた白色固体をイソプロパノール500mLに加熱溶解させた。活性炭0.4g加えて、還流下30分間撹拌した。活性炭を濾別して、イオン交換水500mLを加えた。生じた沈殿を加熱溶解させて、5℃まで徐冷し、濾過・乾燥して、淡黄色結晶状粉末11.7g/収率61%、mp 148-150℃、HPLC純度96%を有する生成物を得た。該生成物を1H-NMRおよび13C-NMRにて構造解析した。結果を図9~図12に示す。生成物は、上記式(f)で示される1-メチル-2,5-ビス(3-アミノベンゾイルオキシ)ベンゼンであった。
TOF-MS(ESI):363.1336(M+H)+
1-メチル-2,5-ビス(3-アミノベンゾイルオキシ)ベンゼンの合成
TOF-MS(ESI):363.1336(M+H)+
[実施例7]
1,2,4-トリメチル-3,6-ビス(3-ニトロベンゾイルオキシ)ベンゼンの合成
メカニカル撹拌機と温度計を備えた300mL4つ口フラスコにトリメチルヒドロキノン11.4g(75mmol)と、アセトニトリル200mL、トリエチルアミン16.0g(158mmol)を仕込み、室温にて溶かした(無色透明溶液)。MNBC(m-ニトロ安息香酸クロライド)25.0g(158mmol)を加えると、すぐに淡黄色沈殿が生じた。内温が18℃から57℃に上昇し、粘度も増した。70℃に加熱すると徐々に粘度が下がり、2時間後、25℃に冷やして、白色沈殿を濾取し、ケーキをメタノールで洗浄した。風乾して、白色粉末27.3g/収率81%、mp 226.0-226.8℃、HPLC純度99.9%を有する生成物を得た。該生成物は上記式(g)で示される1,2,4-トリメチル-3,6-ビス(3-ニトロベンゾイルオキシ)ベンゼン(以下、ジニトロ体4という)であった。
1,2,4-トリメチル-3,6-ビス(3-ニトロベンゾイルオキシ)ベンゼンの合成
[実施例8]
1,2,4-トリメチル-3,6-ビス(3-アミノベンゾイルオキシ)ベンゼンの合成
300mLのSUSオートクレーブに上記実施例7で得たジニトロ体4を22.5g(35mmol/純度換算)と、5%Pd/C 0.261g(0.113g as Dry)、THF 150mLを仕込み、密封した。窒素置換4回と水素置換4回を繰り返し、石鹸水でガス漏れがないことを確認した。水素0.8MPa定圧の下、撹拌150rpmで50℃に昇温した。撹拌数を1000rpmに上げ、水素導入弁を開けた。内温60-65℃を保ちながら50分間で理論量の水素を吸収させ、さらに10分熟成して内圧が降下しないことを確かめた。窒素置換の上、オートクレーブを開封し、使用済み触媒を熱時濾過した。水添母液からエバポレータで溶媒を留去して、得られた白色固体をイソプロパノール500mLに加熱溶解させた。活性炭0.4gを加えて、還流下30分間撹拌した。活性炭を濾別して、イオン交換水500mLを加えた。生じた沈殿を加熱溶解させて、5℃まで徐冷し、一次晶を濾過した。濾液を2/3に濃縮して、生じた二次晶を濾過し、先の一次晶と合わせて乾燥した。淡黄色結晶状粉末18.9 g/収率94%、mp 187-189℃、HPLC純度97%の生成物を得た。該生成物を1H-NMRおよび13C-NMRにて構造解析した。結果を図13~図16に示す。生成物は、上記式(h)で示される1,2,4-トリメチル-3,6-ビス(3-アミノベンゾイルオキシ)ベンゼンであった。
TOF-MS(ESI):391.1643(M+H)+
1,2,4-トリメチル-3,6-ビス(3-アミノベンゾイルオキシ)ベンゼンの合成
TOF-MS(ESI):391.1643(M+H)+
[実施例9]
[1,4-フェニレンビス(プロパン-2,2-ジイル)]ビス(4,1-フェニレン)
ビス(3-ニトロベンゾエート)の合成
撹拌機、温度計、デーンスタック、ジムロート冷却管を備えた500mL四つ口フラスコに、ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1,4-ジイソプロピルベンゼン26.0g(72mmol)、アセトニトリル200mL、トリエチルアミン16.0g(158mmol)を仕込み、300rpmで撹拌した(白色スラリー)。その後、MNCB(m-ニトロ安息香酸クロライド)25.0g(158mmol)を加え75℃で3時間撹拌した(MNCBを加えると内温が50℃まで上昇した)。25℃まで冷却し白色沈殿を桐山ロート110mmφ、No.5C濾紙で濾過し、メタノール100mLで浸漬洗浄し、イオン交換水200mLで浸漬洗浄し90℃、-0.1MPaで16h減圧乾燥して、白色粉末のニトロ体40.6g、収率88%、LC純度(Area%)98.8%、融点(目視)208-209℃で得た。該生成物は上記式(i)で示される[1,4-フェニレンビス(プロパン-2,2-ジイル)]ビス(4,1-フェニレン)ビス(3-ニトロベンゾエート)(以下、ジニトロ体5という)であった。TOF-MS(ESI):643.209(M-H)-
[1,4-フェニレンビス(プロパン-2,2-ジイル)]ビス(4,1-フェニレン)
ビス(3-ニトロベンゾエート)の合成
[実施例10]
[1,4-フェニレンビス(プロパン-2,2-ジイル)]ビス(4,1-フェニレン)
ビス(3-アミノベンゾエート)の合成
300mLオートクレーブにジニトロ体5を15.0g(23mmol)、DMF100mL、ラネーNi1.0gを仕込み、密閉した。窒素置換4回と水素置換4回を繰り返し、オートクレーブの内圧を0.8MPaに調製してリークチェックを行い、水素漏れがない事を確認した後、水素導入バルブを閉めて密閉した。200rpmで撹拌しながら、予熱しておいたマントルヒーターで加熱して、90℃になったところで攪拌速度を1000rpmとし、水素導入バルブを開け、水添反応を開始した(この時点を反応開始0minとした)。反応は90±1℃、0.80MPa定圧下で行った。大流量計で瞬間水素吸収がなくなるまで反応を行った。このとき、水添時間は50minであった。水素導入バルブを閉めて、60min撹拌し、内圧の降下がないことを確認し撹拌を止めて、オートクレーブ内の水素を排気したのち、窒素置換(ゲージ圧0~0.3MPa)を3 回行った。オートクレーブを開封したジアミンが析出していたため、エバポレータで溶媒を留去し、アセトニトリル200mLを加えて加熱溶解させ、触媒を濾過した。濾液を5℃まで冷却した(約20℃で淡灰白色粉末析出)。粉末を桐山ロート110mmφ、No.5C濾紙で濾過し、メタノール30mL、イオン交換水30mLで浸漬洗浄し、90℃、-0.1MPaで16h減圧乾燥して、淡灰白色粉末7.9g、収率97%、LC純度98.6%、融点(目視)284-285℃で得た。該生成物は上記式(j)で示される[1,4-フェニレンビス(プロパン-2,2-ジイル)]ビス(4,1-フェニレン)ビス(3-アミノベンゾエート)であった。
TOF-MS(ESI):585.276(M+H)+
[1,4-フェニレンビス(プロパン-2,2-ジイル)]ビス(4,1-フェニレン)
ビス(3-アミノベンゾエート)の合成
TOF-MS(ESI):585.276(M+H)+
[実施例11]
[1,3-フェニレンビス(プロパン-2,2-ジイル)]ビス(4,1-フェニレン)
ビス(3-ニトロベンゾエート)の合成
撹拌機、温度計、デーンスタック、ジムロート冷却管を備えた500mL四つ口フラスコに、ビスフェノールM26.0g(75mmol)、アセトニトリル200mL、トリエチルアミン16.0g(158mmol)、を仕込み、300rpmで撹拌した(無色透明)。その後、MNCB(m-ニトロ安息香酸クロライド)25.0g(158mmol)を加え60℃で2時間撹拌した(MNCBを加えると内温が42℃まで上昇した)。30℃まで冷却し白色沈殿を桐山ロート110mmφ、No.5C濾紙で濾過し、メタノール100mLで浸漬洗浄し、イオン交換水200mLで浸漬洗浄し90℃、-0.1MPaで16h減圧乾燥して、白色粉末、収率82%(重量18.6g)、LC純度99.1%、融点(目視)160-161℃で得た。該生成物は上記式(k)で示される[1,3-フェニレンビス(プロパン-2,2-ジイル)]ビス(4,1-フェニレン)ビス(3-ニトロベンゾエート)(以下、ジニトロ体6という)であった。TOF-MS(ESI):643.209(M-H)-
[1,3-フェニレンビス(プロパン-2,2-ジイル)]ビス(4,1-フェニレン)
ビス(3-ニトロベンゾエート)の合成
[実施例12]
[1,3-フェニレンビス(プロパン-2,2-ジイル)]ビス(4,1-フェニレン)
ビス(3-アミノベンゾエート)の合成
300mLオートクレーブにジニトロ体6を17.0g(26mmol)、THF 120mL、5% Pd/C 0.1g(as dry)を仕込み、密閉した。窒素置換4回と水素置換4回を繰り返し、オートクレーブの内圧を0.8MPaに調製してリークチェックを行い、水素漏れがない事を確認した後、水素導入バルブを閉めて密閉した。200rpmで撹拌しながら、予熱しておいたマントルヒーターで加熱して、60℃になったところで攪拌速度を1000rpmとし、水素導入バルブを開け、水添反応を開始した(この時点を反応開始0minとした)。反応は65±1℃、0. 80MPa定圧下で行った。大流量計で瞬間水素吸収がなくなるまで反応を行った。このとき、水添時間は28minであった。水素導入バルブを閉めて60min撹拌し、内圧の降下がないことを確認し撹拌を止めて、オートクレーブ内の水素を排気したのち、窒素置換(ゲージ圧0~0.3MPa)を 3回行った。オートクレーブを開封し触媒を濾過し、濾液を5℃まで冷却したが、結晶が析出しないためエバポレータで溶媒を留去(ペースト状)し、メタノール100mLを加えて加熱溶解させ10℃まで冷却すると白色粉末が析出した。桐山ロート110mmφ、No.5C濾紙で濾過し、メタノール50mL、イオン交換水100mLで浸漬洗浄し、90℃、-0.1MPaで16h減圧乾燥し、白色粉末、収率98%(重量15.0g)、LC純度99.5%、融点(目視)161-162℃で得た。該生成物は上記式(m)で示される[1,3-フェニレンビス(プロパン-2,2-ジイル)]ビス(4,1-フェニレン)ビス(3-アミノベンゾエート)であった。TOF-MS(ESI):585.276(M+H)+
[1,3-フェニレンビス(プロパン-2,2-ジイル)]ビス(4,1-フェニレン)
ビス(3-アミノベンゾエート)の合成
[比較例1]
1,4-ビス(4-アミノベンゾイルオキシ)ベンゼンの合成/ヒドロキノン型p-ジアミン
(n)
メカニカル撹拌機と温度計を備えた300mL4つ口フラスコにヒドロキノン8.3g(75mmol)とアセトニトリル200mL、トリエチルアミン16.0g(158mmol)を仕込み、45℃に加熱して溶かした(赤褐色透明溶液)。PNBC(m-ニトロ安息香酸クロライド)25.0g(158mmol)を加えると、すぐに白色沈殿が生じた。内温が45℃から68℃に上昇し、間もなく冷めた(薄い緑白色スラリー)。そのまま45℃で1時間撹拌して、HPLCにてPNBCの消失を確かめた。室温まで冷やしてから、白色沈殿を濾取し、ケーキをメタノールで洗浄した。風乾して、白色粉末22.4g/収率73%、mp 263-264.5℃、HPLC純度99.6%を有する生成物を得た。該生成物は上記式(n)で示される化合物(以下、ジニトロ体5という)である。
300mLSUSオートクレーブに上記ジニトロ体(n)を22.5g(53mmol/純度換算)と、5%Pd/C 0.130g(0.056g as dry)、メチルセロソルブ(MC)150mLを仕込み、密封した。窒素置換4回と水素置換4回を繰り返し、石鹸水でガス漏れがないことを確認した。水素0.8MPa定圧の下、撹拌150rpmで70℃に昇温した。撹拌数を1000rpmに上げ、水素導入弁を開けた。内温85~90℃を保ちながら42分間で理論量の水素を吸収させ、さらに20分熟成して内圧が降下しないことを確かめた。窒素置換の上、オートクレーブを開封し、白色ムース状スラリーにDMFを1L加えて、還流温度にて溶解させた。使用済み触媒を熱時濾過し、濾液を徐冷して、生じた沈殿を5℃にて濾取した。ケーキにγ-ブチロラクトン200mLを加え、165℃まで加熱して溶かした。30℃まで徐冷して、生じた沈殿を濾取した。ケーキをメタノールで洗浄し風乾して、桃白色粉12.6g/収率71%、mp>300℃、HPLC純度96%を有する生成物を得た。該生成物は上記式(p)で示される1,4-ビス(4-アミノベンゾイルオキシ)ベンゼンである。
1,4-ビス(4-アミノベンゾイルオキシ)ベンゼンの合成/ヒドロキノン型p-ジアミン
メカニカル撹拌機と温度計を備えた300mL4つ口フラスコにヒドロキノン8.3g(75mmol)とアセトニトリル200mL、トリエチルアミン16.0g(158mmol)を仕込み、45℃に加熱して溶かした(赤褐色透明溶液)。PNBC(m-ニトロ安息香酸クロライド)25.0g(158mmol)を加えると、すぐに白色沈殿が生じた。内温が45℃から68℃に上昇し、間もなく冷めた(薄い緑白色スラリー)。そのまま45℃で1時間撹拌して、HPLCにてPNBCの消失を確かめた。室温まで冷やしてから、白色沈殿を濾取し、ケーキをメタノールで洗浄した。風乾して、白色粉末22.4g/収率73%、mp 263-264.5℃、HPLC純度99.6%を有する生成物を得た。該生成物は上記式(n)で示される化合物(以下、ジニトロ体5という)である。
[比較例2]
2,5-ビス(4-アミノベンゾイルオキシ)トルエンの合成/メチルヒドロキノン型p-ジアミン
(q)
メカニカル撹拌機と温度計を備えた300mL4つ口フラスコにメチルヒドロキノン9.3g(75mmol)と、アセトニトリル200mL、トリエチルアミン16.0g(158mmol)を仕込み、室温のまま溶かした(薄い黄色透明溶液)。PNBC(m-ニトロ安息香酸クロライド)25.0g(158mmol)を加えると、すぐに白色沈殿が生じた。内温が19℃から39℃に上昇し、さらに加熱して80℃に昇温した(白色スラリー)。そのまま1時間撹拌して、HPLCにてPNBCの消失を確かめた。室温まで放冷し、白色沈殿を濾取して、ケーキをメタノールで洗浄した。風乾して、白色粉末24.8g/収率98%、mp 269-270.5℃、HPLC純度98%を有する生成物を得た。該生成物は上記式(q)で示される化合物(以下、ジニトロ体6という)である。
300mLSUSオートクレーブに上記ジニトロ体(q)を10.6g(25mmol/純度換算)と、5%Pd/C 0.065g(0.028g as dry)、メチルセロソルブ(MC)180mLを仕込み、密封した。窒素置換4回と水素置換4回を繰り返し、石鹸水でガス漏れがないことを確認した。水素0.8MPa定圧の下、撹拌150rpmで70℃に昇温した。撹拌数を1000rpmに上げ、水素導入弁を開けた。内温90~95℃を保ちながら42分間で理論量の水素を吸収させ、さらに20分熟成して内圧が降下しないことを確かめた。窒素置換の上、オートクレーブを開封し、使用済み触媒を熱時濾過した。イオン交換水45mLを加えて(白色スラリー)、還流温度まで加熱して溶解させた。20℃まで放冷して、生じた沈殿を濾過・乾燥して、薄い黄色粉末粉末7.5g/収率83%、mp271.5-273℃、LC純度96%を得た。該生成物は上記式(r)で示される2,5-ビス(4-アミノベンゾイルオキシ)トルエンである。
2,5-ビス(4-アミノベンゾイルオキシ)トルエンの合成/メチルヒドロキノン型p-ジアミン
メカニカル撹拌機と温度計を備えた300mL4つ口フラスコにメチルヒドロキノン9.3g(75mmol)と、アセトニトリル200mL、トリエチルアミン16.0g(158mmol)を仕込み、室温のまま溶かした(薄い黄色透明溶液)。PNBC(m-ニトロ安息香酸クロライド)25.0g(158mmol)を加えると、すぐに白色沈殿が生じた。内温が19℃から39℃に上昇し、さらに加熱して80℃に昇温した(白色スラリー)。そのまま1時間撹拌して、HPLCにてPNBCの消失を確かめた。室温まで放冷し、白色沈殿を濾取して、ケーキをメタノールで洗浄した。風乾して、白色粉末24.8g/収率98%、mp 269-270.5℃、HPLC純度98%を有する生成物を得た。該生成物は上記式(q)で示される化合物(以下、ジニトロ体6という)である。
ジアミンの溶解性
上記実施例及び比較例で得たジアミンの融点と各種溶媒への溶解性を下記表1に示す。下記表1において、+++は室温にて可溶、++は加熱して可溶、+は加熱して半溶、-は溶媒に不溶である。
パラ型ジアミンの中でも特に、無置換のヒドロキノン型p-ジアミン(融点>300℃、比較例1)はDMF(N,N-ジメチルホルムアミド)にしか熱時溶解しなかった。中央のベンゼン環にメチル基を持つメチルヒドロキノン型p-ジアミン(融点272-273℃、比較例2)も、MC(メチルセロソルブ)やDMSO(ジメチルスルホキシド)などの高極性溶媒にようやく熱時溶解する程度であった。一方、メタ型ジアミンの融点はそれぞれ比較的低く、各種溶媒に対する溶解性も高い。特にビスフェノールAFタイプは様々な溶媒に溶けやすかった。このようにして本発明の効果を確認した。
上記実施例及び比較例で得たジアミンの融点と各種溶媒への溶解性を下記表1に示す。下記表1において、+++は室温にて可溶、++は加熱して可溶、+は加熱して半溶、-は溶媒に不溶である。
パラ型ジアミンの中でも特に、無置換のヒドロキノン型p-ジアミン(融点>300℃、比較例1)はDMF(N,N-ジメチルホルムアミド)にしか熱時溶解しなかった。中央のベンゼン環にメチル基を持つメチルヒドロキノン型p-ジアミン(融点272-273℃、比較例2)も、MC(メチルセロソルブ)やDMSO(ジメチルスルホキシド)などの高極性溶媒にようやく熱時溶解する程度であった。一方、メタ型ジアミンの融点はそれぞれ比較的低く、各種溶媒に対する溶解性も高い。特にビスフェノールAFタイプは様々な溶媒に溶けやすかった。このようにして本発明の効果を確認した。
[実施例13]
実施例2で得たジアミン化合物(ビスフェノールAF型m-ジアミン、式(b))とピロメリット酸二無水物(PMDA)の重合によるポリイミドの合成
メカニカル撹拌機と温度計、コンデンサーを備えた100mLセパラブルフラスコに実施例2で得たジアミン化合物(ビスフェノールAF型m-ジアミン、式(b))3.78g(6.58mmol)とm-クレゾール20mLを仕込み、室温にて溶かした(黄金色粘稠溶液)。窒素気流下、ピロメリット酸二無水物(PMDA)1.44g(6.60mmol)を加え、そのまま2時間撹拌した。この間、粘度が高くなるにしたがって、撹拌数を300rpmから400rpm、400rpmから500rpmに上げた。イソキノリン0.50g(3.8mmol)を加え、更に4時間撹拌した。重合液を0.5g採取し、メタノール30mLに注いだ。生じた白色沈殿を濾取・乾燥して、FT-IRにてポリアミド酸の生成を確かめた。結果を図17に示す。
上記粘稠な重合液にm-クレゾール30mLを追加し、190℃に加熱して、14時間撹拌した。室温まで放冷し、メタノール300mLに重合液を注いだ。生じた沈殿を濾取し、ケーキをメタノールで洗浄して、真空乾燥器で加熱した(180℃/8時間)。黄色粉末3.8g(収率84%)を得た。FT-IRにてポリイミドが合成できていることを確認した。結果を図18に示す。得られたポリイミドはN-メチルピロリドン(NMP)に室温にて可溶であった。
実施例2で得たジアミン化合物(ビスフェノールAF型m-ジアミン、式(b))とピロメリット酸二無水物(PMDA)の重合によるポリイミドの合成
上記粘稠な重合液にm-クレゾール30mLを追加し、190℃に加熱して、14時間撹拌した。室温まで放冷し、メタノール300mLに重合液を注いだ。生じた沈殿を濾取し、ケーキをメタノールで洗浄して、真空乾燥器で加熱した(180℃/8時間)。黄色粉末3.8g(収率84%)を得た。FT-IRにてポリイミドが合成できていることを確認した。結果を図18に示す。得られたポリイミドはN-メチルピロリドン(NMP)に室温にて可溶であった。
[実施例14]
上記実施例9においてPMDAを4,4’-オキシジフタル酸無水物(ODPA)に替えた他は、上記実施例9を繰り返して、実施例2で得たジアミン化合物とODPAの重合によるポリイミドを合成した。得られたポリイミド粉末のFT-IRスペクトルを図19に示す。得られたポリイミドはNMPに室温にて可溶であった。
上記実施例9においてPMDAを4,4’-オキシジフタル酸無水物(ODPA)に替えた他は、上記実施例9を繰り返して、実施例2で得たジアミン化合物とODPAの重合によるポリイミドを合成した。得られたポリイミド粉末のFT-IRスペクトルを図19に示す。得られたポリイミドはNMPに室温にて可溶であった。
[実施例15]
上記実施例9においてPMDAを4,4’-(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物(6FDA)に替えた他は、上記実施例9を繰り返して、実施例2で得たジアミン化合物と6FDAの重合によるポリイミドを合成した。得られたポリイミド粉末のFT-IRスペクトルを図20に示す。得られたポリイミドはNMPに室温にて可溶であった。
上記実施例9においてPMDAを4,4’-(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物(6FDA)に替えた他は、上記実施例9を繰り返して、実施例2で得たジアミン化合物と6FDAの重合によるポリイミドを合成した。得られたポリイミド粉末のFT-IRスペクトルを図20に示す。得られたポリイミドはNMPに室温にて可溶であった。
[実施例16]
上記実施例9において、実施例2で得たジアミン化合物を実施例4で得たジアミン化合物(ビスフェノールS型m-ジアミン)に替え、PMDAを4,4’-オキシジフタル酸無水物(ODPA)に替えた他は、上記実施例9を繰り返して、実施例4で得たジアミン化合物とODPAの重合によるポリイミドを合成した。得られたポリイミド粉末のFT-IRスペクトルを図21に示す。得られたポリイミドはNMPに室温にて可溶であった。
上記実施例9において、実施例2で得たジアミン化合物を実施例4で得たジアミン化合物(ビスフェノールS型m-ジアミン)に替え、PMDAを4,4’-オキシジフタル酸無水物(ODPA)に替えた他は、上記実施例9を繰り返して、実施例4で得たジアミン化合物とODPAの重合によるポリイミドを合成した。得られたポリイミド粉末のFT-IRスペクトルを図21に示す。得られたポリイミドはNMPに室温にて可溶であった。
[実施例17]
上記実施例9において、実施例2で得たジアミン化合物を実施例6で得たジアミン化合物(メチルヒドロキノン型m-ジアミン)に替え、PMDAを4,4’-オキシジフタル酸無水物(ODPA)に替えた他は、上記実施例9を繰り返して、実施例6で得たジアミン化合物とODPAの重合によるポリイミドを合成した。得られたポリイミド粉末のFT-IRスペクトルを図22に示す。得られたポリイミドはNMPに室温にて可溶であった。
上記実施例9において、実施例2で得たジアミン化合物を実施例6で得たジアミン化合物(メチルヒドロキノン型m-ジアミン)に替え、PMDAを4,4’-オキシジフタル酸無水物(ODPA)に替えた他は、上記実施例9を繰り返して、実施例6で得たジアミン化合物とODPAの重合によるポリイミドを合成した。得られたポリイミド粉末のFT-IRスペクトルを図22に示す。得られたポリイミドはNMPに室温にて可溶であった。
[実施例18]
上記実施例9において、実施例2で得たジアミン化合物を実施例8で得たジアミン化合物(トリメチルヒドロキノン型m-ジアミン)に替え、PMDAを4,4’-オキシジフタル酸無水物(ODPA)に替えた他は、上記実施例9を繰り返して、実施例8で得たジアミン化合物とODPAの重合によるポリイミドを合成した。得られたポリイミド粉末のFT-IRスペクトルを図23に示す。得られたポリイミドはNMPに室温にて可溶であった。
上記実施例9において、実施例2で得たジアミン化合物を実施例8で得たジアミン化合物(トリメチルヒドロキノン型m-ジアミン)に替え、PMDAを4,4’-オキシジフタル酸無水物(ODPA)に替えた他は、上記実施例9を繰り返して、実施例8で得たジアミン化合物とODPAの重合によるポリイミドを合成した。得られたポリイミド粉末のFT-IRスペクトルを図23に示す。得られたポリイミドはNMPに室温にて可溶であった。
本発明のメタ型エステル系芳香族ジアミンは、新規なポリイミド原料として好適に使用することができ、該化合物から誘導されるポリイミド分野の可能性を大きく広げ、優れた高耐熱性と電気特性を有する材料としての可能性が期待できる。
[実施例14]
上記実施例13においてPMDAを4,4’-オキシジフタル酸無水物(ODPA)に替えた他は、上記実施例13を繰り返して、実施例2で得たジアミン化合物とODPAの重合によるポリイミドを合成した。得られたポリイミド粉末のFT-IRスペクトルを図19に示す。得られたポリイミドはNMPに室温にて可溶であった。
上記実施例13においてPMDAを4,4’-オキシジフタル酸無水物(ODPA)に替えた他は、上記実施例13を繰り返して、実施例2で得たジアミン化合物とODPAの重合によるポリイミドを合成した。得られたポリイミド粉末のFT-IRスペクトルを図19に示す。得られたポリイミドはNMPに室温にて可溶であった。
[実施例15]
上記実施例13においてPMDAを4,4’-(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物(6FDA)に替えた他は、上記実施例13を繰り返して、実施例2で得たジアミン化合物と6FDAの重合によるポリイミドを合成した。得られたポリイミド粉末のFT-IRスペクトルを図20に示す。得られたポリイミドはNMPに室温にて可溶であった。
上記実施例13においてPMDAを4,4’-(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物(6FDA)に替えた他は、上記実施例13を繰り返して、実施例2で得たジアミン化合物と6FDAの重合によるポリイミドを合成した。得られたポリイミド粉末のFT-IRスペクトルを図20に示す。得られたポリイミドはNMPに室温にて可溶であった。
[実施例16]
上記実施例13において、実施例2で得たジアミン化合物を実施例4で得たジアミン化合物(ビスフェノールS型m-ジアミン)に替え、PMDAを4,4’-オキシジフタル酸無水物(ODPA)に替えた他は、上記実施例13を繰り返して、実施例4で得たジアミン化合物とODPAの重合によるポリイミドを合成した。得られたポリイミド粉末のFT-IRスペクトルを図21に示す。得られたポリイミドはNMPに室温にて可溶であった。
上記実施例13において、実施例2で得たジアミン化合物を実施例4で得たジアミン化合物(ビスフェノールS型m-ジアミン)に替え、PMDAを4,4’-オキシジフタル酸無水物(ODPA)に替えた他は、上記実施例13を繰り返して、実施例4で得たジアミン化合物とODPAの重合によるポリイミドを合成した。得られたポリイミド粉末のFT-IRスペクトルを図21に示す。得られたポリイミドはNMPに室温にて可溶であった。
[実施例17]
上記実施例13において、実施例2で得たジアミン化合物を実施例6で得たジアミン化合物(メチルヒドロキノン型m-ジアミン)に替え、PMDAを4,4’-オキシジフタル酸無水物(ODPA)に替えた他は、上記実施例13を繰り返して、実施例6で得たジアミン化合物とODPAの重合によるポリイミドを合成した。得られたポリイミド粉末のFT-IRスペクトルを図22に示す。得られたポリイミドはNMPに室温にて可溶であった。
上記実施例13において、実施例2で得たジアミン化合物を実施例6で得たジアミン化合物(メチルヒドロキノン型m-ジアミン)に替え、PMDAを4,4’-オキシジフタル酸無水物(ODPA)に替えた他は、上記実施例13を繰り返して、実施例6で得たジアミン化合物とODPAの重合によるポリイミドを合成した。得られたポリイミド粉末のFT-IRスペクトルを図22に示す。得られたポリイミドはNMPに室温にて可溶であった。
[実施例18]
上記実施例13において、実施例2で得たジアミン化合物を実施例8で得たジアミン化合物(トリメチルヒドロキノン型m-ジアミン)に替え、PMDAを4,4’-オキシジフタル酸無水物(ODPA)に替えた他は、上記実施例13を繰り返して、実施例8で得たジアミン化合物とODPAの重合によるポリイミドを合成した。得られたポリイミド粉末のFT-IRスペクトルを図23に示す。得られたポリイミドはNMPに室温にて可溶であった。
上記実施例13において、実施例2で得たジアミン化合物を実施例8で得たジアミン化合物(トリメチルヒドロキノン型m-ジアミン)に替え、PMDAを4,4’-オキシジフタル酸無水物(ODPA)に替えた他は、上記実施例13を繰り返して、実施例8で得たジアミン化合物とODPAの重合によるポリイミドを合成した。得られたポリイミド粉末のFT-IRスペクトルを図23に示す。得られたポリイミドはNMPに室温にて可溶であった。
Claims (21)
- 式(1b)において、R1、R2、R3、及びR4が水素原子であり、R5及びR6が互いに独立に水素原子または炭素原子数1~6のアルキル基である、請求項3記載の化合物。
- 式(1c)において、R1、R2、R3、及びR4が水素原子であり、R7、R8、R9、及びR10は互いに独立に水素原子または炭素原子数1~6のアルキル基であり、R7、R8、R9、及びR10の少なくとも1は前記アルキル基である、請求項5記載の化合物。
- 式(d)においてR1、R2、R3、及びR4が水素原子であり、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19及びR20が互いに独立に水素原子または炭素原子数1~6のアルキル基である、請求項2記載の化合物。
- 下記式(1)で表される化合物の製造方法であって
下記式(2)
で表される化合物の二つのニトロ基を還元して上記式(1)で表される化合物を得る工程を含む、前記製造方法。 - R1、R2、R3、及びR4が水素原子であり、R5及びR6が互いに独立に水素原子または炭素原子数1~6のアルキル基である、請求項10記載の製造方法。
- R1、R2、R3、及びR4が水素原子であり、R7、R8、R9、及びR10は互いに独立に水素原子または炭素原子数1~6のアルキル基であり、R7、R8、R9、及びR10の少なくとも1は前記アルキル基である、請求項12記載の製造方法。
- R1、R2、R3、及びR4が水素原子であり、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19及びR20が互いに独立に水素原子または炭素原子数1~6のアルキル基である、請求項14記載の製造方法。
- 請求項1~8のいずれか1項記載の化合物と酸無水物との反応物である、ポリイミド化合物。
- 前記酸無水物が、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノン-3,4,3’,4’-テトラカルボン酸二無水物、4,4’-(2,2-ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物、2,2-ビス〔3-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)フェニル〕プロパン二無水物、2,2-ビス〔4-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)フェニル〕プロパン二無水物、3,3’,4,4’-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物およびオキシ-4,4’-ジフタル酸二無水物からなる群から選択される少なくとも1である、請求項17記載のポリイミド化合物。
- 数平均分子量2,000~200,000を有する、請求項17または18に記載のポリイミド化合物。
- 請求項1~8のいずれか1項記載の化合物と、酸無水物と、請求項1~8記載の化合物以外のジアミン化合物との反応物であるポリイミド化合物であって、請求項1~8のいずれか1項記載の化合物に由来する単位と前記請求項1~8記載の化合物以外のジアミン化合物に由来する単位の合計モルに対する請求項1~8のいずれか1項記載の化合物に由来する単位の割合が、10モル%~100モル%である、請求項17~19のいずれか1項記載のポリイミド化合物。
- 請求項17~20のいずれか1項に記載のポリイミド化合物からなる成型物。
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