JP2022175042A - 封入装置及び画像形成システム - Google Patents

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昂大 松田
Takahiro Matsuda
道貴 鈴木
Michitaka Suzuki
伸宜 鈴木
Nobuyasu Suzuki
勇介 柴崎
Yusuke Shibazaki
晶 國枝
Akira Kunieda
賢裕 渡邉
Kenhiro Watanabe
拓哉 森永
Takuya Morinaga
真悟 吉澤
Shingo Yoshizawa
信 日高
Makoto Hidaka
一好 松尾
Kazuyoshi Matsuo
真治 浅見
Shinji Asami
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Abstract

【課題】封筒に封入物を押し入れる際に、折れ曲がりや撓みを防止する封入装置を提供する。【解決手段】封入位置に搬送された封筒にシート状の媒体を封入する封入装置(100)において、封入位置にある封筒の開口に向けて媒体を押し込む媒体押込機構(160)を備え、媒体押込機構(160)は、媒体を封筒に押し込む際の当該媒体に当接する当接部位において、媒体の厚み方向への当該媒体の端部の移動を規制する移動規制部(161)を備える。【選択図】図4

Description

本発明は、封入装置及び画像形成システムに関する。
封筒に封入物を自動的に封入する封入装置が知られている。シート状の媒体に対して所定の折り処理を行った「折りシート」を封入物とする封入装置も知られている。そして、封入物としてのシートに画像を形成する画像形成装置と連動させて、画像が形成された折りシートを自動的に封入する画像形成システムも知られている。
画像が形成された折りシート(封入物)を自動的に封筒に封入するときに、封筒の開口に入れられた封入物に対して当て材を当接させて封入物を封筒内に押し入れる構成が開示されている(特許文献1を参照)。
特許文献1に開示されている構成は、封入物を押し入れるときに、封入物に皺が発生しないように、当て材が封入物に接する当接位置が平面になっている。したがって、当て材を封入物に押し当てたときに、その当接した位置から封入物の端部がズレてしまい、折れ曲がりや撓みなどが発生する、という課題がある。
本発明は、封筒に封入物を押し入れる際に、折れ曲がりや撓みを防止する封入装置を提供することを目的とする。
上記技術的課題を解決するため、本発明の一態様は、封入位置に搬送された封筒にシート状の媒体を封入する封入装置であって、前記封入位置にある前記封筒の開口に向けて前記媒体を押し込む媒体押込機構を備え、前記媒体押込機構は、前記媒体を前記封筒に押し込む際の当該媒体に当接する当接部位において、前記媒体の厚み方向への当該媒体の端部の移動を規制する移動規制部を備える、ことを特徴とする。
本発明によれば、封筒に封入物を押し入れる際に、折れ曲がりや撓みを防止することができる。
本発明に係る画像形成システムの実施形態を示す正面外観図。 上記実施形態に係る制御構成の例を示すブロック図。 本発明に係る封入装置の実施形態の内部構成図。 本発明に係る封入装置が備える封入物押込部の実施形態を示す概略構成図。 上記封入物押込部の動作の一例を示す概略構成図。 上記封入装置の一実施形態に係る封入動作の一工程を例示する図。 上記封入装置の一実施形態に係る封入動作の一工程を例示する図。 上記封入装置の一実施形態に係る封入動作の一工程を例示する図。 上記封入装置の一実施形態に係る封入動作の一工程を例示する図。 上記封入装置の一実施形態に係る封入動作の一工程を例示する図。 上記封入装置の一実施形態に係る封入動作の一工程を例示する図。 上記封入装置の一実施形態に係る封入動作の一工程を例示する図。 上記封入装置の一実施形態に係る封入動作の一工程を例示する図。 上記封入装置の一実施形態に係る封入動作の一工程を例示する図。 上記封入装置の一実施形態に係る封入動作の一工程を例示する図。 上記封入装置の一実施形態に係る封入動作の一工程を例示する図。 上記封入装置の一実施形態に係る封入動作の一工程を例示する図。 上記封入物押込部の効果を説明するための比較図。 上記封入物押込部が備える移動規制部の第一実施形態を示す図。 上記封入物押込部が備える移動規制部の第二実施形態を示す図。 上記封入物押込部が備える移動規制部の第三実施形態を示す図。 上記封入物押込部が備える移動規制部の第四実施形態を示す図。 上記封入物押込部が備える移動規制部の第五実施形態を示す図。 上記封入物押込部が備える移動規制部の第五実施形態の一部を示す図。 上記封入物押込部が備える移動規制部の第五実施形態の一部を示す図。 上記実施形態に適用可能なシート処理装置の例を示す内部構成図。 上記実施形態に適用可能なシート処理装置の別例を示す内部構成図。
[画像形成システムの実施形態]
まず、本発明に係る画像形成システムの実施形態について説明する。図1は画像形成システムの一例としてのプリントシステム1の正面外観図である。プリントシステム1は、画像形成装置200と、シート処理装置としての折り装置300と、封入装置の実施形態としての封入封緘装置100と、後処理装置400と、を有している。
画像形成装置200は、所定の方式により、シート状の媒体に対して画像を形成して搬出する。画像が形成されたシート状の媒体(以下、単に「シートS」とする)は、折り装置300において所定の折り処理が施されて、封入封緘装置100に搬出される。なお、折り装置300が折り処理を行なわずに封入封緘装置100へシートSを搬出してもよい。シートSに対する折り処理の実施又は不実施の指示は、画像形成装置200からの指示又は折り装置300に対するシステム利用者の指示による。
封入封緘装置100は、シートSの搬入方向の上流側に配置される装置(画像形成装置200又は折り装置300)から搬出されたシートSや、シートSに対して折り処理を行ってから搬出された折りシートSfを封筒に自動的に封入して封緘する封入封緘処理を行なう。封入封緘処理を施さないで下流側に搬出するシートSについては、封入封緘装置100を通過して後処理装置400に搬出される。後処理装置400では搬入されたシートSに対してステイプル処理などの後処理を施す。
封入封緘装置100は、折り処理を施された折りシートSfを、封筒に対して適切な向きで封入する処理を施すことができる。封入封緘装置100は、封入物としての折りシートSfに形成された宛先などを、封筒に予め形成されている透明窓に合わせるように、折りシートSfの搬送の向きの反転の要否を判定する。そして、反転が必要な場合は、封入位置の上流側の搬送経路を利用して折りシートSfを反転させてから封入位置へと搬送する搬送機構を備える。折りシートSfに対する反転制御及び搬送制御の詳細は後述する。なお、封入封緘装置100は、折り処理が施されていない封入物としてのシートSも、同様に封入することができる。
ここで、本発明に係る実施形態の説明に用いる「座標軸」について説明する。図1に示すように、プリントシステム1の載置面と平行する軸であって、プリントシステム1を構成する各装置の並び方向に沿う軸をY軸とする。そして、Y軸を示す矢印の方向を「+Y方向」とし、逆方向を「-Y方向」とする。画像形成装置200において画像が形成されたシートSは、+Y方向に搬出され、その後、+Y方向の下流側に配置される各装置へと搬送される。
また、同じくプリントシステム1の載置面と平行する軸であって、プリントシステム1の奥行き方向に沿う軸をX軸とする。そして、X軸を示す矢印の方向を「+X方向」とし、逆方向を「-X方向」とする。
またX軸とY軸に直交する軸であって、プリントシステム1の高さ方向に沿う軸をZ軸とする。そして、Z軸を示す矢印の方向を「+Z方向」とし、逆方向を「-Z方向」とする。
以下の説明において用いる図面にも、上記と同様の座標軸を付記しているときは、その説明に用いられる方向の定義は、上記と同様のものとする。
[プリントシステム1の機能ブロック]
プリントシステム1の全体の機能ブロックについて、図2を用いて説明する。以下の説明において、搬送されて封筒Eに封入される媒体としての封入物は、画像形成装置200において画像が形成され、折り装置300において所定の折り処理が行なわれた折りシートSfを前提にする。図2では折りシートSfの移動経路(搬送経路)を破線で表示し、各機能ブロック間で信号の送受に用いられる通信路は実線で表示している。なお、シートSの移動経路(搬送経路)も破線で表示されている。
画像形成装置200は、例えば、既知の電子写真プロセスによりシートSに画像を形成する装置である。画像形成装置200は、表示部210と、操作部220と、給シート部230と、作像部240と、定着部250と、プリンタ制御部260と、を備える。
表示部210は、ユーザに各種機能の状態や操作内容を知らせるための表示をする。操作部220は、ユーザが処理動作モードや処理部数の設定、及び封入封緘装置100において封入する際に反転を必要とする設定等の設定操作を行うための操作インターフェースに相当する。給シート部230は、シートSをストックして一枚毎に分離して給送するシート給送機構を備える。作像部240は、感光体に潜像を形成しシートSへと画像を転写させる。定着部250は、シートSに転写された画像を定着させる。プリンタ制御部260は、上記の各ブロック機能ブロックの動作を制御する。
折り装置300は、画像形成装置200から搬送されたシートSを画像形成装置200のプリンタ制御部260から通信ライン207を通じて指定された折り種(折り方)でシートに対する折り処理を施すシート折り部310、折り装置300全体を制御する折り制御部320を有する。折り制御部320は、プリンタ制御部260及び下流に接続された封入封緘制御部150と通信も制御する。なお、シート折り部310において折り処理を行なわずに封入封緘装置100へと搬出してもよい。
[シート折り部310における異なる折り動作の例]
シート折り部310には、複数の種類がある。ここで、異なる折り方を実現するシート折り部310の実施形態を図26及び図27を用いて説明する。図26に示すシート折り部310を、以下の説明において「Aタイプ」と表記し、図27に示すシート折り部310を、同様に「Bタイプ」と表記する。なお、図26及び図27では、シートSに画像が形成されている印字面(「画像形成面Ps」ともいう)に△記号を付している。すなわち、以下の説明ではシートSの一方の面に画像形成が行なわれているものとする。
図26に例示するように、画像形成装置200からシート折り部310に搬入されてきたシートSは、搬送方向における下面側が画像形成面Psに相当する。
まず、図26(a)に示すように、画像形成装置200から搬送ローラ対311に向けてシートSが搬送されてくる。
搬送ローラ対311によって下流側に搬送されたシートSは、図26(b)に示すように、第一折りローラ312、第一折り搬送ローラ313,第二折りローラ314により所定位置まで搬送される。
その後、図26(c)に示すように、第一折り搬送ローラ313と第二折りローラ314が逆転し、シートSに第一の折り目が形成される。
第一の折り目が形成されたシートSは、図26(d)に示すように、第一折りローラ312と第二折りローラ314及び第二折り搬送ローラ316によってシートSが搬入経路とは別の経路に搬送されて所定の位置で停止する。
その後、図26(e)に示すように、第二折り搬送ローラ316が逆転し、第三折りローラ315も回転して、下流方向へと搬送されることにより、第二の折り目が形成されて、外三つ折りが完成する。この場合、折りシートSfの画像形成面Psは、搬送方向下側の面に位置することになる。
Bタイプのシート折り部310の場合について説明する。タイプBのシート折り部310は、図27に示すように、画像形成装置200から搬入されてきたシートが-Z方向へと搬送されながら折り処理が行われる。搬入時のシートSの画像形成面Psは、例えば+Y方向に向いている。
まず、図27(a)に示すように、画像形成装置200から第一搬送ローラ対321に向けてシートが搬送されてくる。
続いて、図27(b)に示すように、シートは、第一搬送ローラ対321と、第一折りローラ323と、第一折り搬送ローラ322によって所定位置まで下方に搬送されて、その後停止する。
その後、図27(c)に示すように、第一折り搬送ローラ322と、第一折りローラ323が逆転し、第二折りローラ324が回転することにより、第一の折り目が形成される。
さらに、図27(d)に示すように、第二搬送ローラ対326も回転してシートが搬送されて所定位置で停止する。
その後、図27(e)に示すように、第二搬送ローラ対326が逆転して、第二折り搬送ローラ325の回転によって折りシートSfは上方に搬送されて、第二折りローラ324と第二折り搬送ローラ325によって第二の折り目が形成されて、外三つ折りが完成する。この場合、折りシートSfの画像形成面Psは、Aタイプとは異なり、搬送方向上側の面に位置することになる。この様に、AタイプとBタイプのように、異なるタイプのシート折り部310によって同じ外三つ折りを行った場合であっても、搬送方向に対する印字面の位置(方向)が異なるものとなる。すなわち、宛先などが印字されている面が、シート折り部310のタイプによって異なることがある。そこで、後述するように、本実施形態に係る封入封緘装置100では、シート折り部310のタイプを示す情報に基づいて、折りシートSfを搬送中に反転させて印字面の位置を一定の方に統一させることができる。
[封入封緘装置100の説明]
図2に戻る。封入封緘装置100は、シート反転部110、封入部120、封緘部130及び封入封緘制御部150を有する。
シート反転部110は、シート折り部310から搬入された折りシートSfを折り制御部320から通信ライン105を通じて封入封緘制御部150に伝えられた制御モード(折り方の種類、印字面の位置などを含む)により所定の処理を行う。シート反転部110では、折りシートSfを搬送方向下流へ搬送する搬送処理、折りシートSfの搬送方向端部を入れ換える反転処理などを行う。反転処理を行った折りシートSfは、封入部120もしくは後処理装置400へと搬送される。
封入部120は、シート反転部110から搬送されてきた折りシートSfを封入可能な位置に封筒Eを移動させて、封筒Eを所定の位置で待機させ、待機している封筒Eに封入物を封入させる構成を備える。また、封入部120は、封筒Eの開口を開放する状態になるようにフラップefを維持し、搬送されてきた折りシートSfが封筒Eへと封入されるように、折りシートSfの端部を封筒Eの開口に向けて押し込む機構を備える。これら機構により、所定の位置で保持されて開口が開放されている状態の封筒Eに対して折りシートSfの封入処理が実行される。
封緘部130は、折りシートSfが封入された封筒Eのフラップefを閉じてから、封緘した封筒Eを排出トレイ137へ排出する処理を行う。
封入封緘制御部150は、シート反転部110、封入部120及び封緘部130を構成する複数の搬送ローラ及や、封筒Eの搬送経路を切り替える切替爪の動作を制御する。封入封緘制御部150は、プリンタ制御部260及び折り制御部320から、折りシートSfに関する情報としての「封入対象情報」を受け取り、受け取った封入対象情報に含まれる各情報で示されている内容に基づいて、折りシートSfの反転制御や封入制御を含む搬送制御を行う。
なお、「封入対象情報」とは、封入物であるシートSや、折りシートSfに係る情報である。より詳細には、封筒Eへの封入されるときのシートSや折りシートSfの先頭となる端部の方向を規定する情報を含む。また、例えば、折りシートSfに対する折り処理の種類を規定する「折り種情報」が含まれる。また、上流側装置の一つである画像形成装置200からの動作指示情報として、後述する反転搬送処理の要否を規定する「反転要否情報」が含まれる。また、例えば、折りシートSfに対し画像が形成されている画像形成面を示す印字面情報が含まれる。また、例えば、折り処理を行ったシート折り部310の種類(AタイプかBタイプか)を示す「処理装置情報」が含まれる。
後処理装置400は、後処理部410と、後処理制御部420と、を有する。後処理部410は、上流側から搬送されてきたシートSに対し、後処理制御部420の制御により、所定の後処理を実行する。後処理制御部420は、プリンタ制御部260、折り制御部320、及び封入封緘制御部150から通信ライン403を通じて伝えられた動作モードにより、後処理制御部420における後処理動作を制御する。
プリンタ制御部260、折り制御部320、封入封緘制御部150及び後処理制御部420は、相互に連結されていて、各通信ライン(207、105、403)を介して制御に必要な情報のやり取りが行なわれるように構成されている。したがって、各制御部(260、320、150、420)の連携によって、シートS及び折りシートSfに対してユーザが行うことを要求する処理モードに関する情報や、シートサイズが相互に共有される。これによって、各機構が所定のタイミングと所定の工程によって所定の処理を実行可能とする制御情報がプリントシステム1全体において共有される。
なお、図1及び図2においてプリントシステム1の構成例として、封入封緘装置100の下流に後処理装置400が接続された例を示した。代表的な後処理装置400としてはステイプル処理を行うフィニッシャや、スタッカ、製本機などがある。また、プリントシステム1のシステム構成としては封入封緘装置100が最下流となる構成でもよい。
[封入封緘装置100における搬送構成]
次に、図3を用いて、封入封緘装置100が有するシート反転部110と、封入部120と、封緘部130と、を構成する搬送ローラや、搬送物の搬送方向を切り替える切替爪、及び、これらが配置される搬送経路について説明する。
[シート反転部110の構成]
図3に示すようにシート反転部110は、搬入経路1100、第一搬送経路1101、第二搬送経路1102、スイッチバック搬送経路1103、第四搬送経路としての封入搬送経路1104、シート搬出経路1109として区別される複数の搬送経路を有する。
搬入経路1100には、入口ローラ101が配置されている。搬入経路1100は、上流側に位置する装置(例えば、折り装置300)から排出された折りシートSfを受け入れる経路である。封入封緘制御部150が、上流側の制御部(プリンタ制御部260、折り制御部320)から折りシートSfに関する情報としての封入対象情報を受け取り、入口ローラ101の回転開始及び停止を制御する。
入口ローラ101の下流側に設けられる複数の搬送経路の一つであって、搬入経路1100から分岐する第一搬送経路1101には、第一搬送手段としての第一搬送ローラ111と、第一中間搬送ローラ114が配置されている。また、第一搬送経路1101には、搬送されてきた折りシートSfの端部(後端)を検知する第一媒体センサとしての第一シート検知センサ118が配置されている。第一シート検知センサ118は、第一中間搬送ローラ114と第一搬送ローラ111との間に配置されている。
また、入口ローラ101の下流側に設けられる搬送経路の一つであって、第一搬送経路1101とは異なる方向に搬入経路1100から分岐する第二搬送経路1102には、第二搬送手段としての第二搬送ローラ112と、第二中間搬送ローラ115が配置されている。また第二搬送経路1102には、搬送されてきた折りシートSfの端部(後端)を検知する第二媒体センサとしての第二シート検知センサ119が配置されている。第二シート検知センサ119は、第二中間搬送ローラ115と第二搬送ローラ112の間に配置されている。
また、シート反転部110は、スイッチバック搬送経路1103を有している。スイッチバック搬送経路1103は、第一搬送ローラ111の下流位置において第一搬送経路1101に合流する合流位置と、第二中間搬送ローラ115の上流位置において第二搬送経路1102から分岐する分岐位置とを繋ぐ搬送経路である。スイッチバック搬送経路1103によって、第二搬送経路1102を下流方向に搬送されていた折りシートSfが搬送方向を切り替えて、スイッチバック搬送によって第一搬送経路1101へと搬送される。第三搬送経路としてのスイッチバック搬送経路1103には、第三搬送手段としてのスイッチバック搬送ローラ113が配置されている。
また、第一搬送経路1101に続く下流側の搬送経路であって、シート反転部110を通過したシートS又は折りシートSfを下流側の後処理装置400へと搬出するシート搬出経路1109が設けられている。そして、シート搬出経路1109には、出口ローラ102が配置されている。
折り装置300から搬入された折りシートSfに対して、後述する封入処理を行なわないときは、折りシートSfは搬入経路1100から第一搬送経路1101を通過し、シート搬出経路1109を介して下流側の装置へと排出される。
また、シート反転部110には、第一搬送ローラ111の下流において第一搬送経路1101から分岐する搬送経路であって、折りシートSfが封入される封筒Eを保持する封入ローラ121へと続く第四搬送経路としての封入搬送経路1104を有している。封入搬送経路1104は後述するとおり、封筒搬送経路1105へと連続するように構成されている。
また、シート反転部110には、搬入経路1100から第一搬送経路1101又は第二搬送経路1102のいずれかに折りシートSfを搬送するための分岐位置において、分岐手段としての分岐爪10が配置されている。分岐爪10は、搬入経路1100に搬入された折りシートSfに係る封入対象情報に基づいて、当該折りシートSfを第一搬送経路1101側に搬送させるか第二搬送経路1102側に搬送させるかを切り替える。
また、シート反転部110は、スイッチバック搬送経路1103から第一搬送経路1101に合流する合流位置に第一切替手段としての第一切替爪11が配置されている。第一切替爪11は、搬入経路1100から第一搬送経路1101側に搬送された折りシートSfを第一搬送ローラ111側へ搬送させる状態と、折りシートSfをスイッチバック搬送経路1103から第一搬送経路1101側へ搬送させる状態と、を切り換える。
また、シート反転部110は、第二搬送経路1102からスイッチバック搬送経路1103に分岐する分岐位置に第二偏向手段としての第二切替爪12が配置されている。第二切替爪12は、搬入経路1100から第二搬送経路1102側に搬送された折りシートSfを第二搬送ローラ112へ搬送させる状態と、折りシートSfを第二搬送経路1102からスイッチバック搬送経路1103へとスイッチバック搬送させる状態と、を切り換える。
また、シート反転部110は、第一搬送経路1101から封入搬送経路1104に分岐する分岐位置に第三偏向手段としての第三切替爪13が配置されている。第三切替爪13は、第一搬送経路1101によって搬送されてきた折りシートSfを封入搬送経路1104へ搬送させる状態と、シート搬出経路1109へと搬送する状態と、を切り換える。
第一搬送経路1101に搬送された折りシートSfは、第一中間搬送ローラ114によって第一搬送ローラ111へと搬送される。第一搬送ローラ111は、搬送されてきた折りシートSfを下流へ搬送する。ここで、第三切替爪13が図3に示す状態のときは、折りシートSfが封入搬送経路1104へと搬送される。なお、第一中間搬送ローラ114から第一搬送ローラ111へ搬送されてくる折りシートSfの後端が第一シート検知センサ118で検知されてから、所定の距離を搬送されたときは、折りシートSfがすでに封入搬送経路1104へと移動をしている状態になるから、シート反転部110において回転している各ローラの動作を停止する。
第二搬送経路1102に搬送された折りシートSfは、第二中間搬送ローラ115によって第二搬送ローラ112へと搬送される。搬送されてきた折りシートSfの後端が第二シート検知センサ119で検知してから所定の距離を搬送されたときに第二搬送ローラ112は、一旦停止した後に逆転する。これによって、折りシートSfは、スイッチバック搬送経路1103へスイッチバック搬送をする状態になる。このとき、第二搬送ローラ112の逆転の前、または同時に、折りシートSfの後端が第二切替爪12を通過したタイミングにおいて(これも、第二シート検知センサ119の検知に基づいて判定される)、第二切替爪12を回動させる。これによって、折りシートSfがスイッチバック搬送経路1103へと搬送される状態に切り換わる。
折りシートSfが第二搬送経路1102からスイッチバック搬送経路1103へと案内されるとき、スイッチバック搬送ローラ113によって折りシートSfは、第一搬送経路1101に向けて搬送される。
[封入部120の構成]
図3に示すように封入部120は、シート反転部110から封入物であるシートS又は折りシートSfを受け入れて封筒Eへの封入を行うための第四搬送経路としての封入搬送経路1104と連結する封筒搬送経路1105が設けられている。封筒搬送経路1105は、封筒Eを所定の位置まで搬送して保持し、封入物が封入された封筒Eを封緘経路1106へと搬送する搬送経路として機能する。
そして、封筒搬送経路1105において搬送されてきた折りシートSfを受け入れる位置に搬送されてきた封筒Eを保持する封入ローラ121を備える。また、折りシートSfを受け入れる位置に封筒Eを搬送するための第一縦搬送ローラ122と第二縦搬送ローラ123を、封筒搬送経路1105に備える。
また、封入ローラ121と第一縦搬送ローラ122の間であって、封筒搬送経路1105の側方には、封入物押込部160が配置されている。封入物押込部160の詳細は後述する。
そして、封筒搬送経路1105に続く封緘経路1106への連結位置には、フラップ開ローラ124を備える。フラップ開ローラ124は、封筒セットトレイ127から搬出された封筒Eを上記の所定の位置へと搬送する前に、のフラップefを開けるフラップ開機構を備える。
封筒搬送経路1105に封筒搬入経路1107が合流する合流点には封筒スイッチバック切替爪21が配置されている。封筒搬入経路1107には、分離ローラ125と、封筒搬送ローラ126が配置されていて、封筒搬入経路1107の端部には封筒セットトレイ127が配置されている。
封筒セットトレイ127には、複数の封筒Eが載置されている。封筒セットトレイ127に載置されている封筒Eは、フラップefの反対端となる底部が、分離ローラ125側に向けられている。したがって、封筒セットトレイ127から搬出されるときの封筒Eの搬送方向において先端が封筒Eの底部に当たり、後端がフラップefの設けられている側に当たる。すなわち、封筒セットトレイ127に積載されている封筒Eは、封入口及びフラップefは分離ローラ125の反対側に向けられている。
分離ローラ125によって、封筒セットトレイ127に載置されている複数の封筒Eからピックアップされた一つの封筒Eは、封筒搬送ローラ126とフラップ開ローラ124によって封筒スイッチバック切替爪21を超える位置まで搬送される。
封筒スイッチバック切替爪21は、封筒セットトレイ127から取り出された封筒Eを封緘経路1106にまで一旦搬送させるための位置と、封筒搬送経路1105においてシート反転部110側に封筒Eを搬送するための位置と、の間で回動する。すなわち、封筒スイッチバック切替爪21は、封筒Eの搬送方向を切り替える部材である。
第一縦搬送ローラ122及び第二縦搬送ローラ123は、封筒Eを封筒搬送経路1105の所定の位置に搬送して保持する。ここでの所定の位置は、後述するように、封筒Eの開口の位置(フラップefの位置)が封入ローラ121よりも下方であり、第一縦搬送ローラ122よりも上方に相当する位置である。
封入ローラ121は、シート反転部110から搬送されてきた折りシートSfを封筒Eへと封入する方向に回転する搬送ローラの一種である。
[封緘部130の構成]
図3に示すように封緘部130には、封緘経路1106に第三縦搬送ローラ131と第四縦搬送ローラ132が配置されている。また、封緘経路1106から分岐する封筒排出経路1108を有している。そして、封緘経路1106と封筒排出経路1108の分岐位置には、封筒排出切替爪31が配置されている。封筒排出経路1108には、封筒排出ローラ133が配置されていて、端部には、封筒排出経路1108は配置されている。
第三縦搬送ローラ131及び第四縦搬送ローラ132は、封筒Eを封緘経路1106の所定の位置に搬送して保持する。
封筒排出切替爪31は、封入搬送経路1104においてフラップ開ローラ124側から第三縦搬送ローラ131へと封筒Eを搬送する位置と、封入搬送経路1104から封筒排出経路1108へ封筒Eを搬送する位置と、の間で回動し、封筒Eの搬送方向を切り替える部材である。
封筒排出ローラ133は、封筒排出トレイ134に向けて封筒Eを排出するローラである。
封筒排出トレイ134は、排出された封筒Eを載置するトレイである。
以上説明したとおり、封入封緘装置100は、シート反転部110から、封入部120と封緘部130へと折りシートSfを搬送する搬送経路が、縦方向(Z方向)において連結されて配置されている。折りシートSfの搬送経路でもあり封筒Eの搬送経路でもあるこの搬送経路は、封入部120の封筒搬送経路1105と封緘部130の封緘経路1106を、縦方向(Z方向)において連結した縦搬送経路に相当する。
[封入物押込部160の構成]
次に、封入部120が備える封入物押込部160の構成について、図4を用いて説明する。図4は、封入物押込部160の主要な構造の概要を示している。媒体押込機構としての封入物押込部160は、主な構成として、押込爪161、爪回転軸162、スライド部163、バネ164、スライド用棒軸165、ベルト固定部166、回転ギヤ167、歯付ベルト168、封筒開封爪169を備える。
移動規制部を備える押込爪161は、封筒搬送経路1105において封入物(例えば、折りシートSf)がシート反転部110から搬送されてきたときに、押込爪161が封入物と当接する位置にある状態を、押込爪161の初期状態とする。初期状態にある押込爪161に対して、-Z方向へ搬送されてくる封入物が押込爪161の上面側に当接すると、押込爪161は-Z方向に押される。封入物に押されると、押込爪161は図4における反時計方向に回動する。その結果、封入物としての折りシートSfが封筒Eへ進行可能な封入状態になる。
なお、押込爪161は、上記のような外力が加わらないとき、バネ164によって封筒搬送経路1105の幅方向に横断するような状態である初期状態(図4に示す状態)に戻るように付勢されている。
押込爪161は、爪回転軸162を回転中心として回動する。爪回転軸162は、スライド部163に固定されている。
スライド部163には、バネ164の一端が固定されている。そして、バネ164の他端は押込爪161の端部に固定されている。したがって、押込爪161が爪回転軸162によって、反時計方向に回転するとき、バネ164の付勢力に抗う方向の回動することになる。すなわち、バネ164の付勢力よりも大きな力で押込爪161の先端側を下方に押し込むことで、封筒Eに封入可能な状態になる。
なお、押込爪161に対して時計方向に回転する力が加わったときは、押込爪161の後端側が、バネ164や、バネ164が固定されているスライド部163に当接する。したがって、押込爪161は反時計方向には回転不能になっている。
スライド部163は、スライド用棒軸165に摺動可能に保持されている。また、スライド部163は、押込爪161側の反対側の端部にベルト固定部166が設けられている。このベルト固定部166は、回転ギヤ167に対して嵌合する歯付ベルト168に固定されている。スライド用棒軸165は、封筒搬送経路1105に沿ってスライド部163を摺動させるためのガイド部材である。したがって、スライド部163は、封筒搬送経路1105が延びている方向(Z方向)に摺動可能に保持されていることになる。
回転ギヤ167は、封入封緘制御部150によって回転が制御される。回転ギヤ167が回転すると、これに掛け回されている歯付ベルト168が回動する。歯付ベルト168が回動すると、その回動方向において、ベルト固定部166によって固定されているスライド部163が移動する。このスライド部163の移動方向は、上述したとおり、Z方向である。回転ギヤ167が回転することで、スライド部163がスライド用棒軸165に案内されて、Z方向において摺動する。
また、封入物押込部160は、封筒Eの開口部分を一時的に拡張して保持するための封筒開封爪169を備える。封筒開封爪169も、封入封緘制御部150によって動作が制御されるが、詳細な構造や動作の説明を省略する。このとき、封筒Eが封入物を受け入れる位置に保持されているとき、封筒開封爪169によって封筒Eの開口には拡張方向(-Y方向)に押された状態で保持されている。これによって、封筒Eに封入物を封入するときの、封筒Eと封入物の摩擦などが軽減されて、確実に封入できる状態になる。
[封入物押込部160の動作]
次に、封入物押込部160の動作について、図5を用いて説明する。まず、図5(a)に示すように、封入物である折りシートSfが、封入搬送経路1104側(図4参照)から封筒搬送経路1105へと搬送されてきたとき、押込爪161は、封筒搬送経路1105を横断する初期状態で保持されている。-Z方向へ搬送されてきた折りシートSfが押込爪161に当接すると、折りシートSfによって押込爪161が押されて、爪回転軸162を回転中心として回動する。
この回動によって、押込爪161は封筒搬送経路1105から退避するので、封入可能状態になる。押込爪161を通過すると、押込爪161を下方に向けて押す外力(押圧力)が無くなる。そこで、バネ164の付勢によって、初期状態(図4参照)に戻る。折りシートSfが押込爪161の位置よりも-Z方向へ搬送された先に封筒Eが保持されている。
その後、押込爪161が初期状態に戻った後に、図5(b)に例示するように、回転ギヤ167が回転して、スライド部163を-Z方向へと移動させる。この移動によって、折りシートSfの搬送方向後端は、押込爪161の下面の一部に相当する当接部位によって、-Z方向に押され、封筒Eの内部へと押し込まれる。すなわち、押込爪161が、スライドして移動する-Z方向が「押し込み方向」に相当する。
[封入封緘処理の流れ]
次に、封入封緘装置100における封入動作及び封緘動作の一連の流れの例について、図6から図17を用いて説明する。なお、各図において、各動作段階の説明に用いられる構成にのみ符号等を付している。
まず、図6に示すように、封筒セットトレイ127に積載されている複数の封筒Eから分離ローラ125によって一つずつ分離された後、封筒Eを封筒搬送ローラ126によって、フラップ開ローラ124まで搬送させる。このとき、封筒スイッチバック切替爪21と封筒排出切替爪31は、図6に例示する方向に向いている。また、フラップ開ローラ124と第三縦搬送ローラ131と第四縦搬送ローラ132は、封筒Eを下方に搬送する方向に回転し、封筒Eを封入搬送経路1104における所定の位置にまで搬送する。
続いて、図7に示すように、封筒Eがフラップ開ローラ124を通過しきる前に、フラップ開機構によってフラップefを開いた状態にし、フラップ開ローラ124と第三縦搬送ローラ131と第四縦搬送ローラ132の回転を継続して、続く図8の状態に至る。
図8に示すように、封筒Eのフラップefが開いた状態になった後であってフラップefがフラップ開ローラ124を抜けた位置に至った後において、第三縦搬送ローラ131と第四縦搬送ローラ132が逆転して、封筒Eを、封入部120の所定の位置に向けてスイッチバック搬送する。また、スイッチバック搬送が開始される前、または同時に、封筒スイッチバック切替爪21が図8で示す方向に回動する。これによって、封筒搬送経路1105の上方に向けて封筒Eを搬送することができる状態になる。
続いて、図9に示すように、フラップefが第一縦搬送ローラ122を抜けた位置に至るまで、第二縦搬送ローラ123と第一縦搬送ローラ122によって封筒Eが搬送される。フラップefが第一縦搬送ローラ122を抜けた位置に至れば、第二縦搬送ローラ123と第一縦搬送ローラ122の回転を停止させて、封入待機動作に入る。
この封入待機動作に入る位置が、封筒Eに封入物を封入する所定の位置に相当する。所定の位置にて停止した封筒Eに対して折りシートSfを封入する。
なお、封筒Eを所定の位置まで搬送する制御においては、分離ローラ125が封筒Eを取り出してから、各搬送ローラの回転量から封筒Eの搬送量を算出し、搬送量と搬送経路長に基づいて封入搬送経路1104内での封筒Eの位置を判断すればよい。
図10に示すように、封筒Eを封入位置に保持した状態で、封入封緘装置100は、上流側装置(折り装置300)から折りシートSfを入口ローラ101で受け入れて第一搬送経路1101へと搬送する。
続いて、図11に示すように、折りシートSfを第一中間搬送ローラ114と第一搬送ローラ111によって下流に搬送する。このとき、第一切替爪11と第三切替爪13は、図11に示す状態になっているので、折りシートSfは、第一搬送経路1101から封入搬送経路1104へと搬送される。
その後、図12に示すように、封入搬送経路1104から封筒搬送経路1105へと搬送された折りシートSfは、封入ローラ121によって、さらに下方へと搬送される。其の結果、折りシートSfは、第一縦搬送ローラ122などによって、封筒搬送経路1105の所定の封入位置で保持され開口が開放された状態の封筒Eへと封入される。この封入動作において、図5(a)及び図5(b)に示したように、封入物押込部160が動作をして、押込爪161によって折りシートSfが封筒Eに押し込まれる。
続いて、図13に示すように、と第一縦搬送ローラ122と第二縦搬送ローラ123を回転させて、封筒Eを下方に搬送して、図14に示すように、封筒Eを第四縦搬送ローラ132まで搬送する。封入後の封筒Eは、フラップefが封筒排出切替爪31を抜ける位置に至るまで搬送される。
その後、図15に示すように、第三縦搬送ローラ131と第四縦搬送ローラ132との間で、封緘機構によってフラップefを閉じて、封筒Eを封緘する。
その後、図16に示すように、第三縦搬送ローラ131と第四縦搬送ローラ132を逆転して、封緘された封筒Eを第三縦搬送ローラ131と第四縦搬送ローラ132によってスイッチバック搬送する。第三縦搬送ローラ131と第四縦搬送ローラ132が逆転する以前に、封筒排出切替爪31を回動させて、図16に示す状態にする。これによって、封入された封筒Eは、封入搬送経路1104から封筒排出経路1108へと搬送される。
その結果、図17に示すように、封緘された封筒Eが封筒排出ローラ133により、封筒排出トレイ134に排出される。
[封入物押込動作の比較例]
次に、封入物押込部160が備える押込爪161が封入物(折りシートSf)を押し込むときに当接する面が平面の場合において生ずる課題について説明する。図18に示すように、封入物としての折りシートSfの後端を下方へと押圧する当接部位が平面であるとき、折りシートSfの端から、折りシートSfの長さ方向に向けて押圧力が加わる。この場合、押込爪161の当接部位によって押される折りシートSfの端部は、封筒Eの厚み方向(Y方向)においてばらばらの方向に向きやすい。このように、端部がばらばらの方向に向いている状態で、押込爪161による押し込み動作が行なわれると、折りシートSfの端部が撓んでしまう、意図しない折れの発生、または皺の発生など、封入物の形状を変形させることになる。
また、折りシートSfが薄紙など、コシの弱いものの場合、この傾向は顕著になりやすい。したがって、折りシートSfの種類や、押し込み動作の条件によって、折りシートSfの端部の揃え精度が低下する。
この点、本実施形態に係る押込爪161は、以下において説明するとおり、折りシートSfが当接する当接面1610において、図20に示すような折りシートSfの端部の特定方向への移動を規制する移動規制部1611を有している。なお、特定方向とは、封筒Eの厚み方向、すなわち、折りシートSfの厚み方向を指す。したがって、移動規制部1611によって、比較例のような構造により折りシートSfの厚み方向の移動や、それに起因する端部の変形の発生を低減し、防止することができる。
[封入物押込部160の第一実施形態]
次に、封入物押込部160の第一実施形態について、図19を用いて説明する。本実施形態に係る封入物押込部160が備える押込爪161aは、押し込み対象である折りシートSfに対して、複数の箇所で当接する当接部位を有している。例えば、図19(a)に示すように、折りシートSfの幅方向(搬送方向に対する直交方向であってX方向)において、複数の当接面1610を備える構成が本実施形態に含まれる。
また、図19(b)に示すように、幅方向に複数の押込爪161bを所定の間隔を空けて配置することで、離散的に配置された複数の当接部位によって折りシートSfの端部を押し込むことができる構成も本実施形態に含まれる。本実施形態において、押込爪161a又は押込爪161bによる複数の当接面1610が、折りシートSfの厚み方向の移動を規制するための移動規制部1611に相当する。
なお、本実施形態に係る押込爪161を、折りシートSfの幅方向の複数箇所で当接させずに、特定の一箇所のみで当接させた場合、図19(c)の比較例に例示するように、封筒Eへの封入時に封入物が当接箇所を中心にして回動する。このように、角度θでスキューして、封筒Eに確実に封入することが困難になる可能性が高い。
これに対し、押込爪161aのように、複数の当接部位によって折りシートSfに当接する構造であれば、図19(d)に示すように、仮にスキューしたとして、その角度θ’は角度θよりも小さくなる。すなわち、本実施形態に係る押込爪161aのように、複数の箇所で当接する構造であれば、折りシートSfが封入時により安定した状態で封入される。当該効果は、折りシートSfの幅方向において連続する当接部を備える構造を採用しても同様である。
[封入物押込部160の第二実施形態]
次に、封入物押込部160の第二実施形態について、図20を用いて説明する。本実施形態に係る封入物押込部160が備える押込爪161cは、押し込み対象である折りシートSfが押し込み時において、折りシートSfの厚み方向に拡がることを規制する移動規制部1611cを備えている。
移動規制部1611cは、例えば、図20(a)に示すように、押込爪161cの先端部分を下方の突出させた構造である。突出方向及び突出寸法は、折りシートSfの厚み方向への移動を規制できる程度であればよいが、図20(b)に示すように、封入物の長さ方向(搬送方向)に長尺であってもよい。
この移動規制部1611cを備える押込爪161cによって、折りシートSfの端部を下方の押し込むと、図20(c)に示すように、折りシートSfが厚み方向に膨らもうとすることを規制することができる。これによって、封入物の変形を防止しつつ、安定して封入することができる。
[封入物押込部160の第三実施形態]
次に、封入物押込部160の第三実施形態について、図21を用いて説明する。本実施形態に係る封入物押込部160が備える押込爪161dは、図21(a)に示すように、折りシートSfを押し込むときに当接する当接部位に形成されている移動規制部1611dとして傾斜溝1612を備えている。
傾斜溝1612は、少なく側面の一方が、折りシートSfの厚み方向に傾斜する傾斜面になっている。すなわち、傾斜溝1612は、折りシートSfの当接方向に傾斜を有している。図21(b)に示すように、折りシートSfの端部が押込爪161dの一部に当接して湾曲した状態になっても、傾斜溝1612の傾斜によって、その最深部側に端部が集中する状態になる。これによって、押し込み動作時に、傾斜溝1612の位置から当接部の端部が厚み方向に移動することを防止できる。その結果、折りシートSfの後端を適切に保持しながら封筒Eに押し込むことができるので、封入物としての折りシートSfの端部の揃え精度を高めつつ、安定して押し込むことができる。
また、図21(c)に示すように、折りシートSfの押し込み方向と、厚み方向のいずれにも直交する直交方向としての、折りシートSfの幅方向に沿った溝を、折りシートSfの厚み方向において、複数の傾斜溝1612aを備えてもよい。傾斜溝1612aであれば、図21(d)に示すように、押し込み動作時に、複数の傾斜溝1612aにばらけた状態で折りシートSfの端部が当接し、厚み方向への移動が規制される。したがって、複数の折りシートSfを封筒Eに封入する際に、傾斜溝1612よりも、各折りシートSfの端部を適切に捉えて押し込むことができる。なお、特に、傾斜溝1612aが押込爪161bの長さ方向において幅広であれば、図21(a)で示した傾斜溝1612と同様の効果を得ることができる。
なお、図21(c)に例示した複数の傾斜溝1612aは、折りシートSfの幅方向に対して平行のものを例示しているが、幅方向に対して一定の角度を持ったものや、当接面を十字に掘った形状の傾斜溝1612aなどでもよい。平行の傾斜溝1612aや交差線状の傾斜溝1612aを用いることにより、より多用なばらつきに対応可能になる。
[封入物押込部160の第四実施形態]
次に、封入物押込部160の第四実施形態について、図22を用いて説明する。本実施形態に係る封入物押込部160が備える押込爪161eは、図22(a)に示すように、封入物を押し込むときに当接する当接部位に備える移動規制部1611eとして、弾性部材1613を備えている。
弾性部材1613としては、スポンジ、凝膠材、高い摩擦係数を持つシート部材などを用いることができる。いずれも、当接状態において封入物の端部が厚さ方向に滑ることや、ズレることを規制する性質を発揮するものであればよい。
例えば、図22(b)に示すように、弾性部材1613がスポンジや凝膠材などの弾力を発揮する素材であるとき、当接した封入物の後端の位置に合わせて凹む。これによって、封入物の厚み方向への移動を規制することができる。
弾性部材1613が、高い摩擦係数を持つシートであれば、当接した封入物の後端は、滑りにくく、厚み方向への移動が規制されて、適切に押し込むことができる。
[封入物押込部160の第五実施形態]
次に、封入物押込部160の第五実施形態について、図23を用いて説明する。本実施形態に係る封入物押込部160が備える押込爪161fは、図23(a)に示すように、封入物を押し込むときに当接する当接部位において、押込面1614を備えている。押込面1614は、押込爪161fの内部に取り付けられている押込バネ1615によって、折りシートSfの端部側に付勢されている。
折りシートSfに当接した状態で押込爪161fによる押し込み動作を行ったとき、押込バネ1615が縮む方向に力が加わり、其の結果、折りシートSfの長さ方向に押込面1614は移動する。
折りシートSfを封筒Eに押し込む際に、封筒Eの長さに対して、折りシートSfの長さがわずかに長い場合や、折りシートSfが薄い素材の場合など、押し込む強さによって折りシートSfの後端が曲がってしまう場合がある。
本実施形態に係る押込面1614の位置は図23(a)に示す押込バネ1615のバネ長Lと、図23(b)に示す押込バネ1615のバネ長L’の範囲で変化する。この押込バネ1615の弾性力によって、押込面1614の位置が変化し、これによって、折りシートSfの当接時に押し込み強さが緩和されて、折りシートSfの押し込み強さによる後端の折れ曲がりを防止することができる。
[封入物押込部160の第六実施形態]
次に、封入物押込部160の第6実施形態について、図24及び図25を用いて説明する。本実施形態に係る封入物押込部160bは、封筒搬送経路1105に押込確認センサ1616を備えている。押込確認センサ1616は、所定の位置に搬送された封筒Eに対して折りシートSfが適切に封入されているか否かを検知するためのセンサである。
例えば折りシートSfが封筒Eに押し込まれた後であっても(図5(b)参照)、端部が封筒Eから飛び出ているなど、十分に封入がされていないとき、押込確認センサ1616によって、折りシートSfが検知される。したがって、押込確認センサ1616が折りシートSfを検知したときは、適切に封入されていない状態と判定する。このとき、図25に示すように、押込爪161eが第一回転ギヤ1617と、第二回転ギヤ1618からなる回転機構によって、押込爪161gの当接位置が折りシートSfに接触する接触角度を調整する。この二つのギヤの回転角度を調整することで、折りシートSfの後端をより捉え易くできる。
第一回転ギヤ1617は、押込爪161gの端部に配置された回転軸を中心にして回動するように構成されていて、第二回転ギヤ1618の回転に連動して回転する。第二回転ギヤ1618は、封入物押込部160が配置されている筐体に保持されたギヤ回転軸1618aに軸支されていて、封入封緘制御部150によって回転角度が制御されるように構成されている。
例えば、図25(a)に例示するように、複数の折りシートSfを封入するときに、各端部の位置にばらつきがあり、押込爪161gが折りシートSfに当接する角度が「θ」であって、例え押し込んだとしても、折りシートSfの一枚にしか当接しない場合、その一枚の折りシートSfの端部が曲がってしまう状態になる。この状態で押し込み動作を行っても、折りシートSfが完全に封入がされず、押込確認センサ1616によって、折りシートSfの封入しきれなかった端部が検知され、未封入であると判定される。この場合、第一回転ギヤ1617と第二回転ギヤ1618の回転角度を調節して、接触角度を「θ」から「θ’」へと変更して、再度の押し込み動作を実行する。これによって、図25(b)に例示するように、好適な接触角度で複数枚の折りシートSfの後端を押し込むことができる。その結果、封入物を封筒Eに好適な状態で封入することができる。
以上説明した各実施形態において、封入物を封筒Eに封入する際に、封入物の押し込み動作時に当接する部分を工夫することにより、封入物の封入を確実に行うことができ、折れ曲がりや撓みを防止することができる。これによって、封入時に封入物を痛めずに当て入れる効果を高めることができる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、その技術的要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であり、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項の全てが本発明の対象となる。上記実施形態は、好適な例を示したものであるが、当業者であれば、開示した内容から様々な変形例を実現することが可能である。そのような変形例も、特許請求の範囲に記載された技術的範囲に含まれる。
1 :プリントシステム
110 :シート反転部
120 :封入部
121 :封入ローラ
122 :第一縦搬送ローラ
123 :第二縦搬送ローラ
124 :フラップ開ローラ
125 :分離ローラ
126 :封筒搬送ローラ
127 :封筒セットトレイ
130 :封緘部
150 :封入封緘制御部
160、160b :封入物押込部
161、161a、161b、161c、161d、161e、161f、161g:押込爪
162 :爪回転軸
163 :スライド部
164 :バネ
165 :スライド用棒軸
166 :ベルト固定部
167 :回転ギヤ
168 :歯付ベルト
169 :封筒開封爪
200 :画像形成装置
300 :折り装置
410 :後処理部
1104 :封入搬送経路
1105 :封筒搬送経路
1106 :封緘経路
1107 :封筒搬入経路
1108 :封筒排出経路
1109 :シート搬出経路
1610 :当接面
1611、1611c、1611d、1611e :移動規制部
1612、1612a :傾斜溝
1613 :弾性部材
1614 :押込面
1615 :押込バネ
1616 :押込確認センサ
1617 :第一回転ギヤ
1618 :第二回転ギヤ
特開2016-203392号公報

Claims (10)

  1. 封入位置に搬送された封筒にシート状の媒体を封入する封入装置であって、
    前記封入位置にある前記封筒の開口に向けて前記媒体を押し込む媒体押込機構を備え、
    前記媒体押込機構は、前記媒体を前記封筒に押し込む際の当該媒体に当接する当接部位において、前記媒体の厚み方向への当該媒体の端部の移動を規制する移動規制部を備える、
    ことを特徴とする封入装置。
  2. 前記移動規制部は、前記媒体の押し込み方向との直交方向に複数配置されている、
    請求項1に記載の封入装置。
  3. 前記移動規制部は、前記厚み方向との直交方向に沿って形成された溝である、
    請求項1又は2に記載の封入装置。
  4. 前記溝は、少なくとも一方の側面が前記厚み方向に傾斜する傾斜面である、
    請求項3に記載の封入装置。
  5. 前記移動規制部は、前記当接部位を前記封筒の押し込み方向へ付勢する弾性部材を備える、
    請求項1乃至4のいずれか一項に記載の封入装置。
  6. 前記移動規制部は、前記当接部位に、前記媒体押込機構よりも摩擦係数が高い部材を備える、
    請求項1乃至5のいずれか一項に記載の封入装置。
  7. 前記媒体押込機構は、前記媒体を押し込む際に当該媒体へ当接する前記当接部位の角度を可変する回転機構を備える、
    請求項1乃至6のいずれか一項に記載の封入装置。
  8. 前記回転機構は、
    前記媒体への当接部位が備わる端部の反対端を回転軸とする第一回転ギヤと、
    当該第一回転ギヤを所定の角度に固定する第二回転ギヤと、
    当該第二回転ギヤを所定の角度に回転させるギヤ回転軸と、
    を備える、
    請求項7に記載の封入装置。
  9. 前記媒体押込機構は、前記媒体の押し込み方向に端部を回動する回転軸を備え、
    当該端部において前記移動規制部を備える、
    請求項1乃至8のいずれか一項に記載の封入装置。
  10. シート状の媒体に画像を形成する画像形成装置と、
    前記画像が形成された前記媒体を複数重ね合わせて封筒に封入する請求項1乃至6のいずれか一項に記載の封入装置と、
    を備えることを特徴とする画像形成システム。
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