JP2022173924A - 即席フライ麺及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】通常の即席フライ麺と同等の良好な食味食感、及び優れた製麺適性を有する、低糖質化された即席フライ麺及びその製造方法を提供する。【解決手段】10質量%~50質量%の難消化性澱粉を含む即席フライ麺であって、α化澱粉の含有量が3質量%以下、小麦たん白の含有量が5質量%以下であり、密度が0.7mg/mm3~1.0mg/mm3である、即席フライ麺。【選択図】図1A
Description
本開示は、低糖質の即席フライ麺及びその製造方法に関する。
肥満、脂肪肝、糖尿病などの生活習慣病の予防を目的とした低糖質食品が広く知られている。低糖質麺類としては、例えば、低糖質ラーメン、及び低糖質パスタが挙げられる。
麺類を低糖質化する手法として、麺類の主原料である小麦粉を、レジスタントスターチとも呼ばれる難消化性澱粉に置き換えることが知られている。難消化性澱粉を用いることで麺類を低糖質化して、低カロリーの麺類を提供することができる。しかし、難消化性澱粉を配合した麺類は、通常の麺類と比較して粉っぽい食感を有しており、製麺適性も低いことが多い。
難消化性澱粉を配合した麺類において、粉状原料の結合を促進することにより、食感を改善し製麺適性を高める方法として、α化澱粉、小麦たん白(グルテン)などの添加剤を使用することが知られている。
特許文献1(国際公開第2018/143090号)には、「レジスタントスターチを含有する穀粉組成物と、水とを含有し、該穀粉組成物における該レジスタントスターチの含有量が5質量%以上である麺生地であって、前記穀粉組成物がさらに、α化澱粉及びα化穀粉からなる群から選択される1種以上のα化穀粉類を含有する麺生地」が記載されている。
特許文献2(特開2020-043781号公報)には、「揚げ麺類を製造するための粉体組成物であって、粉体組成物100質量部あたり、3~80質量部の難消化性澱粉および15質量部以下のα化澱粉を含有し、たん白質含量が15質量%以下である、上記組成物」が記載されている。
特許文献3(国際公開第2018/216706号)には、「小麦、タピオカ、トウモロコシ及び甘藷のいずれか1つ以上に由来する難消化性澱粉10~60質量%と、原料澱粉に対して0.1℃以上糊化開始温度が低い加工澱粉5~30質量%とを含有し、かつ蛋白質含量が8~20質量%である、麺用ミックス」が記載されている。
麺類の食感及び製麺適性の向上を目的として、α化澱粉、小麦たん白などを麺類に配合することは、製造工程に蒸煮を含まない生麺又は乾麺の製造、及び家庭などにおける少量の麺類の製造には効果的である。
しかし、即席フライ麺の大量生産においては、蒸煮工程を含む複数の工程が連続して行われる。α化澱粉の種類によっては、α化澱粉が配合された麺線を蒸煮工程で蒸煮すると、蒸煮後の麺線表面が粘着性を帯びる傾向があり、その結果、麺線同士が付着するおそれがある。そのように付着した麺線を含む麺塊(喫食単位の量の麺線の塊)は、その後の油揚げ工程で均一に揚げることが難しい。また、α化澱粉の添加量が多いと喫食時の食味食感がα化澱粉に依存したものになり、いわゆる澱粉食感の強いものになり好ましくない。
粉末原料の結合を促進させるためには、大量の小麦たん白を麺線に配合する必要がある。しかし、小麦たん白を大量に使用すると、麺線が硬くなって喫食時の食感が損なわれ、麺類のカロリーも高くなり、更には麺類の製造コストが増大する。
α化澱粉、小麦たん白以外の添加剤として、増粘多糖類(例えばアルギン酸エステル)を麺線に配合すると、ゴムのように過度の弾性を呈する食感、又は表面のみが乾いた食感が麺線に付与されてしまう。食感を改善する目的で加工澱粉を添加すると、糖質量が高くなってしまう。
このように、低糖質麺類において、小麦粉の配合量を減らしてα化澱粉、小麦たん白などの添加剤の配合量を増やすと、麺類の製造は可能になるものの、得られる麺類の食感は満足行くものではなく、製麺適性も低下する。
本開示は、通常の即席フライ麺と同等の良好な食味食感、及び優れた製麺適性を有する、低糖質化された即席フライ麺及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、ドウを減圧下で押し出して得られる小塊から麺帯を形成し、得られた麺帯を切り出して麺線とすることで、α化澱粉及び小麦たん白の使用量を減らしても、低糖質原料を使用した麺の食味食感及び製麺適性が改善されることを見出した。
また、本発明者は、低糖質原料を主原料に添加すること、及びドウを減圧下で押し出して一旦小塊形状とした後に製麺することの相乗効果で、麺線を油揚げする際に麺線表面に発生する火膨れを抑制できることを更に見出した。
本発明は、以下の実施形態を包含する。
[1]
10質量%~50質量%の難消化性澱粉を含む即席フライ麺であって、α化澱粉の含有量が3質量%以下、小麦たん白の含有量が5質量%以下であり、密度が0.7mg/mm3~1.0mg/mm3である、即席フライ麺。
[2]
10質量%~50質量%の難消化性澱粉を含む即席フライ麺であって、α化澱粉の含有量が3質量%以下、小麦たん白の含有量が5質量%以下であり、切断強度が105mN/mm2~145mN/mm2である、即席フライ麺。
[3]
前記難消化性澱粉が甘藷由来である、[1]又は[2]のいずれかに記載の即席フライ麺。
[4]
α化澱粉の含有量が0.1質量%以上である、[1]~[3]のいずれかに記載の即席フライ麺。
[5]
小麦たん白の含有量が0.1質量%以上である、[1]~[4]のいずれかに記載の即席フライ麺。
[6]
即席フライ麺の製造方法であって、
固形分基準で10質量%~50質量%の難消化性澱粉を含む麺線原料からドウを形成することと、
前記ドウを減圧下で押し出して小塊を得ること、
前記小塊から麺帯を形成すること、
前記麺帯を切り出して麺線を形成すること、
前記麺線を蒸煮すること、及び
蒸煮した前記麺線を油揚げすること
を含む、即席フライ麺を製造する方法であって、前記即席フライ麺のα化澱粉の含有量が3質量%以下であり、小麦たん白の含有量が5質量%以下である、方法。
[7]
前記蒸煮の前に、前記麺線に水を噴霧することを更に含む、[6]に記載の方法。
[8]
前記難消化性澱粉が甘藷由来である、[6]又は[7]のいずれかに記載の方法。
[9]
α化澱粉の含有量が0.1質量%以上である、[6]~[8]のいずれかに記載の方法。
[10]
小麦たん白の含有量が0.1質量%以上である、[6]~[9]のいずれかに記載の方法。
10質量%~50質量%の難消化性澱粉を含む即席フライ麺であって、α化澱粉の含有量が3質量%以下、小麦たん白の含有量が5質量%以下であり、密度が0.7mg/mm3~1.0mg/mm3である、即席フライ麺。
[2]
10質量%~50質量%の難消化性澱粉を含む即席フライ麺であって、α化澱粉の含有量が3質量%以下、小麦たん白の含有量が5質量%以下であり、切断強度が105mN/mm2~145mN/mm2である、即席フライ麺。
[3]
前記難消化性澱粉が甘藷由来である、[1]又は[2]のいずれかに記載の即席フライ麺。
[4]
α化澱粉の含有量が0.1質量%以上である、[1]~[3]のいずれかに記載の即席フライ麺。
[5]
小麦たん白の含有量が0.1質量%以上である、[1]~[4]のいずれかに記載の即席フライ麺。
[6]
即席フライ麺の製造方法であって、
固形分基準で10質量%~50質量%の難消化性澱粉を含む麺線原料からドウを形成することと、
前記ドウを減圧下で押し出して小塊を得ること、
前記小塊から麺帯を形成すること、
前記麺帯を切り出して麺線を形成すること、
前記麺線を蒸煮すること、及び
蒸煮した前記麺線を油揚げすること
を含む、即席フライ麺を製造する方法であって、前記即席フライ麺のα化澱粉の含有量が3質量%以下であり、小麦たん白の含有量が5質量%以下である、方法。
[7]
前記蒸煮の前に、前記麺線に水を噴霧することを更に含む、[6]に記載の方法。
[8]
前記難消化性澱粉が甘藷由来である、[6]又は[7]のいずれかに記載の方法。
[9]
α化澱粉の含有量が0.1質量%以上である、[6]~[8]のいずれかに記載の方法。
[10]
小麦たん白の含有量が0.1質量%以上である、[6]~[9]のいずれかに記載の方法。
本発明によれば、通常の即席フライ麺と同等の良好な食味食感、及び優れた製麺適性を有する、低糖質化された即席フライ麺が提供される。
上述の記載は、本発明の全ての実施形態及び本発明に関する全ての利点を開示したものとみなしてはならない。
以下、本発明の代表的な実施形態を例示する目的でより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施形態に限定されない。
本開示における「麺類」とは、低糖質原料として難消化性澱粉、及び任意にα化澱粉、小麦たん白、穀粉(例えば小麦粉)、一般的な澱粉、加工澱粉等の粉末原料を主原料として含み、線状に加工され、茹でる、煮る、炒める、熱湯を注加する、そのまま又は注水して電子レンジで加熱するなどの調理により喫食可能な状態となる食品を意味する。麺類として、例えば、うどん、きしめん、中華麺、そば、パスタ等が挙げられる。調理前の麺類の状態として、生麺、乾麺、蒸麺、茹で麺、冷凍麺、及び即席麺等が挙げられる。
本開示における「即席フライ麺」とは、製造時に麺線を蒸煮又は茹でた後、油揚げにより麺に含まれる水分が約2質量%~約10質量%となるまで乾燥された麺類であり、喫食時に熱湯を注加する、又は注水して電子レンジで加熱することにより調理される麺類を意味する。
本開示における「即席フライ麺の密度」とは、実施例に記載の手順に従い決定される密度(mg/mm3)を意味する。
本開示における「即席フライ麺の切断強度」とは、実施例に記載の手順に従い、5分間の湯戻し完了後から、その後1分経過した時点で測定される、麺線の断面積1mm2あたりの切断強度(mN/mm2)を意味する。
本開示における「麺線の断面積」とは、麺線の長さ方向に直交する断面形状の面積を意味する。
[即席フライ麺]
一実施態様の即席フライ麺は、10質量%~50質量%の難消化性澱粉を含む。即席フライ麺のα化澱粉の含有量は3質量%以下であり、小麦たん白の含有量は5質量%以下である。
一実施態様の即席フライ麺は、10質量%~50質量%の難消化性澱粉を含む。即席フライ麺のα化澱粉の含有量は3質量%以下であり、小麦たん白の含有量は5質量%以下である。
一実施態様では、即席フライ麺の密度は0.7mg/mm3~1.0mg/mm3である。
別の実施態様では、即席フライ麺の切断強度は105mN/mm2~145mN/mm2である。
〈難消化性澱粉〉
難消化性澱粉は、低カロリー特性を即席フライ麺に付与する。難消化性澱粉とは、ヒトの消化酵素に対して抵抗性を示す澱粉及び澱粉分解物の総称である。難消化性澱粉としては、例えば、澱粉原料に由来するもの、及び澱粉分解物に由来する難消化性デキストリン及び還元難消化性デキストリンが挙げられる。難消化性デキストリンとは、澱粉を焙焼し、アミラーゼで加水分解した後、難消化性成分を抽出することにより得られる水溶性の食物繊維である。還元難消化性デキストリンは、難消化性デキストリンの還元物である。難消化性澱粉は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
難消化性澱粉は、低カロリー特性を即席フライ麺に付与する。難消化性澱粉とは、ヒトの消化酵素に対して抵抗性を示す澱粉及び澱粉分解物の総称である。難消化性澱粉としては、例えば、澱粉原料に由来するもの、及び澱粉分解物に由来する難消化性デキストリン及び還元難消化性デキストリンが挙げられる。難消化性デキストリンとは、澱粉を焙焼し、アミラーゼで加水分解した後、難消化性成分を抽出することにより得られる水溶性の食物繊維である。還元難消化性デキストリンは、難消化性デキストリンの還元物である。難消化性澱粉は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
難消化性澱粉の原料としては、例えば、甘藷澱粉、小麦澱粉、キャッサバ澱粉、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、馬鈴薯澱粉、及びタピオカ澱粉が挙げられる。麺の風味に雑味(えぐみ)が少なく、スープへの溶出が少ないことから、甘藷由来の難消化性澱粉を好適に使用することができる。
難消化性澱粉の食物繊維含有量は、特に限定されないが、例えば、60質量%以上、又は70質量%以上である。
即席フライ麺における難消化性澱粉の含有量は、10質量%~50質量%であり、好ましくは20~48質量%であり、より好ましくは30~45質量%である。難消化性澱粉の含有量を10質量%以上とすることにより、麺線表面の火膨れの発生を抑制することができる。難消化性澱粉の含有量を50質量%以下とすることにより、良好な製麺適性及び食味食感を得ることができる。
〈α化澱粉〉
即席フライ麺はα化澱粉を含んでもよい。α化澱粉を使用することで、粉末原料の結合を促進して、製麺適性及び食味食感を高めることができる。α化澱粉の原料としては、例えば、小麦澱粉、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、馬鈴薯澱粉、及びタピオカ澱粉が挙げられる。α化澱粉は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
即席フライ麺はα化澱粉を含んでもよい。α化澱粉を使用することで、粉末原料の結合を促進して、製麺適性及び食味食感を高めることができる。α化澱粉の原料としては、例えば、小麦澱粉、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、馬鈴薯澱粉、及びタピオカ澱粉が挙げられる。α化澱粉は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
即席フライ麺におけるα化澱粉の含有量は、3質量%以下であり、好ましくは2質量%以下であり、より好ましくは1質量%以下である。α化澱粉の含有量を3質量%以下とすることにより、喫食時の食味食感が、いわゆる澱粉食感の強いものになることを防止することができる。即席フライ麺におけるα化澱粉の含有量は、例えば、0.1質量%以上、0.2質量%以上、又は0.5質量%以上とすることができる。
〈小麦たん白〉
即席フライ麺は小麦たん白を含んでもよい。小麦たん白を使用することで、粉末原料の結合を促進して、製麺適性及び食味食感を高めることができる。小麦たん白は特に限定されない。小麦たん白は粉末状であることが好ましい。粉末状の小麦たん白は活性グルテンとも呼ばれる。小麦たん白の粉末化の方法としては、例えば、スプレードライ、ドラムドライ、及びフリーズドライが挙げられる。小麦たん白として、アルカリ処理、酸処理、酵素処理等により小麦たん白の物性を適宜改良したタイプを使用してもよい。小麦たん白は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
即席フライ麺は小麦たん白を含んでもよい。小麦たん白を使用することで、粉末原料の結合を促進して、製麺適性及び食味食感を高めることができる。小麦たん白は特に限定されない。小麦たん白は粉末状であることが好ましい。粉末状の小麦たん白は活性グルテンとも呼ばれる。小麦たん白の粉末化の方法としては、例えば、スプレードライ、ドラムドライ、及びフリーズドライが挙げられる。小麦たん白として、アルカリ処理、酸処理、酵素処理等により小麦たん白の物性を適宜改良したタイプを使用してもよい。小麦たん白は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
即席フライ麺における小麦たん白の含有量は、5質量%以下であり、好ましくは4質量%以下であり、より好ましくは3質量%以下である。小麦たん白の含有量を5質量%以下とすることにより、ドウ及び麺線の硬さが過度に増加することを防止して、減圧押出による小塊の製造を可能にし、また、麺線の良好な食感を保持することができる。即席フライ麺における小麦たん白の含有量は、例えば、0.1質量%以上、0.2質量%以上、又は0.5質量%以上とすることができる。
〈穀粉〉
即席フライ麺は、穀粉を含んでもよい。穀粉を使用することで、穀粉に特徴的な風味を即席フライ麺に付与することができる。穀粉としては、例えば、小麦粉、米粉、大麦粉、ライ麦粉、蕎麦粉、及びとうもろこし粉が挙げられる。穀粉は単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
即席フライ麺は、穀粉を含んでもよい。穀粉を使用することで、穀粉に特徴的な風味を即席フライ麺に付与することができる。穀粉としては、例えば、小麦粉、米粉、大麦粉、ライ麦粉、蕎麦粉、及びとうもろこし粉が挙げられる。穀粉は単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
一実施態様では、即席フライ麺は穀粉として小麦粉を含む。小麦粉としては、例えば、強力粉、準強力粉、中力粉、薄力粉、及びデュラム粉が挙げられる。
即席フライ麺における穀粉の含有量は、20質量%~90質量%とすることができ、好ましくは30質量%~75質量%であり、より好ましくは40質量%~60質量%である。
〈その他の成分〉
即席フライ麺は、その他の成分として、難消化性澱粉以外の一般的な澱粉、加工澱粉、増粘多糖類、かんすい、色粉、食塩、甘味料、全卵粉、卵黄粉、卵白粉、大豆たん白、香辛料、香料、ビタミン、ミネラル、油脂、乳化剤、膨張剤などを含んでもよい。増粘多糖類、かんすい、色粉、食塩などの水溶性又は水分散性の成分は、後述するこね水に溶解又は分散させてもよい。
即席フライ麺は、その他の成分として、難消化性澱粉以外の一般的な澱粉、加工澱粉、増粘多糖類、かんすい、色粉、食塩、甘味料、全卵粉、卵黄粉、卵白粉、大豆たん白、香辛料、香料、ビタミン、ミネラル、油脂、乳化剤、膨張剤などを含んでもよい。増粘多糖類、かんすい、色粉、食塩などの水溶性又は水分散性の成分は、後述するこね水に溶解又は分散させてもよい。
一般的な澱粉としては、例えば、小麦澱粉、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、サゴ澱粉、及び米澱粉が挙げられる。澱粉は単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。即席フライ麺における澱粉の含有量は、0.1質量%~20質量%とすることができ、好ましくは1質量%~10質量%である。
加工澱粉としては、例えば、小麦澱粉、キャッサバ澱粉、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉などの未加工澱粉に、エーテル化、エステル化、アセチル化、リン酸架橋、酸化などの処理、又はこれらの2種以上の処理を行ったものが挙げられる。加工澱粉は単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。即席フライ麺における加工澱粉の含有量は、0.1質量%~20質量%とすることができ、好ましくは1質量%~10質量%である。
増粘多糖類としては、例えば、アルギン酸エステル、グアーガム、ペクチン、カラギーナン、キサンタンガム、プルラン、及びアラビアガムが挙げられる。増粘多糖類は単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。即席フライ麺における増粘多糖類の含有量は、0.01質量%~2質量%とすることができ、好ましくは0.1質量%~1質量%である。
即席フライ麺におけるその他の成分の含有量の合計は、一般に0.01質量%~20質量%であり、0.1質量%~10質量%であることが好ましい。
〈密度〉
一実施態様の即席フライ麺は、難消化性澱粉を含む従来の即席フライ麺と比較して密度が高い傾向がある。いかなる理論に拘束される訳ではないが、このような高い密度は、後述するように、ドウを減圧下で押し出して得られる小塊から麺帯を形成し、得られた麺帯を切り出して麺線を形成することで、麺線内部の空隙が低減されることに起因すると考えられる。このように高い密度を有する即席フライ麺は、食味食感に優れている。この実施態様において、即席フライ麺の密度は、0.7mg/mm3~1.0mg/mm3であり、好ましくは0.71mg/mm3~0.98mg/mm3であり、より好ましくは0.72mg/mm3~0.95mg/mm3である。
一実施態様の即席フライ麺は、難消化性澱粉を含む従来の即席フライ麺と比較して密度が高い傾向がある。いかなる理論に拘束される訳ではないが、このような高い密度は、後述するように、ドウを減圧下で押し出して得られる小塊から麺帯を形成し、得られた麺帯を切り出して麺線を形成することで、麺線内部の空隙が低減されることに起因すると考えられる。このように高い密度を有する即席フライ麺は、食味食感に優れている。この実施態様において、即席フライ麺の密度は、0.7mg/mm3~1.0mg/mm3であり、好ましくは0.71mg/mm3~0.98mg/mm3であり、より好ましくは0.72mg/mm3~0.95mg/mm3である。
〈切断強度〉
別の実施態様の即席フライ麺は、通常の即席フライ麺と同等又はそれ以上の切断強度を有する。いかなる理論に拘束される訳ではないが、このような高い切断強度は、後述するように、ドウを減圧下で押し出して得られる小塊から麺帯を形成し、得られた麺帯を切り出して麺線を形成することで、粉末原料同士の結合が促進されることに起因すると考えられる。この実施態様において、即席フライ麺の切断強度は、105mN/mm2~145mN/mm2であり、好ましくは110mN/mm2~135mN/mm2であり、より好ましくは120mN/mm2~130mN/mm2である。
別の実施態様の即席フライ麺は、通常の即席フライ麺と同等又はそれ以上の切断強度を有する。いかなる理論に拘束される訳ではないが、このような高い切断強度は、後述するように、ドウを減圧下で押し出して得られる小塊から麺帯を形成し、得られた麺帯を切り出して麺線を形成することで、粉末原料同士の結合が促進されることに起因すると考えられる。この実施態様において、即席フライ麺の切断強度は、105mN/mm2~145mN/mm2であり、好ましくは110mN/mm2~135mN/mm2であり、より好ましくは120mN/mm2~130mN/mm2である。
[即席フライ麺の製造方法]
一実施態様の即席フライ麺の製造方法は、固形分基準で10質量%~50質量%の難消化性澱粉を含む麺線原料からドウを形成することと、ドウを減圧下で押し出して小塊を得ること、小塊から麺帯を形成すること、麺帯を切り出して麺線を形成すること、麺線を蒸煮すること、及び蒸煮した麺線を油揚げすることを含む。即席フライ麺のα化澱粉の含有量は3質量%以下であり、小麦たん白の含有量は5質量%以下である。
一実施態様の即席フライ麺の製造方法は、固形分基準で10質量%~50質量%の難消化性澱粉を含む麺線原料からドウを形成することと、ドウを減圧下で押し出して小塊を得ること、小塊から麺帯を形成すること、麺帯を切り出して麺線を形成すること、麺線を蒸煮すること、及び蒸煮した麺線を油揚げすることを含む。即席フライ麺のα化澱粉の含有量は3質量%以下であり、小麦たん白の含有量は5質量%以下である。
〈ドウの形成〉
ドウは、難消化性澱粉を含む主原料と、水、食塩、増粘多糖類、かんすい、色粉等の副原料とを混捏することにより形成することができる。主原料と副原料を合わせて麺線原料という。副原料を水に溶解させた溶液をこね水ともいう。混捏に使用される装置は特に限定されない。混捏装置としては、例えば、ニーダ、及びプラネタリーミキサが挙げられる。
ドウは、難消化性澱粉を含む主原料と、水、食塩、増粘多糖類、かんすい、色粉等の副原料とを混捏することにより形成することができる。主原料と副原料を合わせて麺線原料という。副原料を水に溶解させた溶液をこね水ともいう。混捏に使用される装置は特に限定されない。混捏装置としては、例えば、ニーダ、及びプラネタリーミキサが挙げられる。
麺線原料中の難消化性澱粉の含有量は、固形分基準で10質量%~50質量%であり、好ましくは20~48質量%であり、より好ましくは30~45質量%である。難消化性澱粉の含有量を10質量%以上とすることにより、麺線表面の火膨れの発生を抑制することができる。難消化性澱粉の含有量を50質量%以下とすることにより、良好な製麺適性及び食味食感を得ることができる。
主原料に含まれる成分としては、難消化性澱粉に加えて、例えば、上記のα化澱粉、小麦たん白、穀粉、一般的な澱粉、加工澱粉などの粉末原料が挙げられる。これらの粉末原料の含有量は、上記の即席フライ麺が得られるように適宜決定することができる。
ドウの含水量は、混捏装置及び混捏条件、所望するドウの硬さなどに応じて適宜決定することができる。ドウの含水量は、使用するこね水の量により調整することができる。ドウの含水量は、30質量%~50質量%とすることができ、好ましくは40質量%~45質量%である。
〈減圧押出〉
得られたドウを押出成形機に投入して減圧押出する。得られた押出物を切断することにより、小塊を得ることができる。ドウを減圧押出することで、ドウの内部構造が緻密になり、粉末原料同士の結合を促進することができる。小塊の形状は様々であってよく、例えば、円筒状、球状、平板状、及び不定形が挙げられる。使用可能な押出成形機は、ドウが投入されるバレル内部を減圧できるものであれば特に限定されない。押出成形機としては、例えば、特開昭61-132132号公報に記載された麺生地製造装置における脱気装置を好適に使用することができる。
得られたドウを押出成形機に投入して減圧押出する。得られた押出物を切断することにより、小塊を得ることができる。ドウを減圧押出することで、ドウの内部構造が緻密になり、粉末原料同士の結合を促進することができる。小塊の形状は様々であってよく、例えば、円筒状、球状、平板状、及び不定形が挙げられる。使用可能な押出成形機は、ドウが投入されるバレル内部を減圧できるものであれば特に限定されない。押出成形機としては、例えば、特開昭61-132132号公報に記載された麺生地製造装置における脱気装置を好適に使用することができる。
減圧押出は、押出成形機の装置内の真空度を86kPa~101kPaとした減圧下でドウに圧力を加えることにより行うことができる。押出成形機に取り付けられるダイスの孔の直径(最大径)は、5mm~50mmとすることができる。ダイスの孔の形状は特に限定されない。ダイスの孔の形状としては、例えば、円形、楕円形、三角形、及び四角形が挙げられる。
押出物がダイス出口から押し出されるときに、ダイス出口近辺に配置されたカッターなどを用いて間欠的に押出物を切断することにより、小塊を得ることができる。押出方向に沿った小塊の長さは、例えば、5mm~300mmとすることができる。別の実施形態では、減圧押出により直接麺帯を押し出してもよい。
〈麺帯形成〉
得られた小塊を圧延ロールに通してシート状の粗麺帯を形成し、2枚又は3枚の粗麺帯を複合機により重ね、次の圧延ロールに通して所定の厚みまで薄くすることにより、麺帯を形成することができる。複合機及び圧延ロールとして公知のものを使用することができる。麺帯の厚さは麺線の切出しに適した程度であればよく、例えば、0.5mm~10mmとすることができる。
得られた小塊を圧延ロールに通してシート状の粗麺帯を形成し、2枚又は3枚の粗麺帯を複合機により重ね、次の圧延ロールに通して所定の厚みまで薄くすることにより、麺帯を形成することができる。複合機及び圧延ロールとして公知のものを使用することができる。麺帯の厚さは麺線の切出しに適した程度であればよく、例えば、0.5mm~10mmとすることができる。
〈麺線切出し〉
麺線切出装置を用いて麺帯を切断することにより、麺線を形成することができる。麺線切出装置として公知のものを使用することができる。切刃としては、例えば、丸刃及び角刃が挙げられる。麺線の幅は、例えば、1mm~10mmとすることができる。麺線の厚さは、例えば、1mm~10mmとすることができる。
麺線切出装置を用いて麺帯を切断することにより、麺線を形成することができる。麺線切出装置として公知のものを使用することができる。切刃としては、例えば、丸刃及び角刃が挙げられる。麺線の幅は、例えば、1mm~10mmとすることができる。麺線の厚さは、例えば、1mm~10mmとすることができる。
〈蒸煮〉
得られた麺線を蒸煮することにより、麺線に含まれる澱粉をα化することができる。これにより、麺線を即席フライ麺として喫食できる状態にすることができる。蒸煮装置として公知のものを使用することができる。蒸煮は、一般に99℃~100℃の水蒸気に麺線を1~5分間曝すことにより行うことができる。
得られた麺線を蒸煮することにより、麺線に含まれる澱粉をα化することができる。これにより、麺線を即席フライ麺として喫食できる状態にすることができる。蒸煮装置として公知のものを使用することができる。蒸煮は、一般に99℃~100℃の水蒸気に麺線を1~5分間曝すことにより行うことができる。
〈乾燥〉
蒸煮した(α化した)麺線を乾燥用バスケットに一食ずつ成形充填して麺塊の形状とし、油揚げ乾燥することにより、即席フライ麺を得ることができる。成形充填の前に、麺線は、一般に40cm~70cmの長さに切断される。油揚げ乾燥は、120℃~160℃の油を用いて1~3分間行うことができる。油揚げ乾燥に使用される油としては、例えば、パーム油、ラード油、及びごま油が挙げられる。
蒸煮した(α化した)麺線を乾燥用バスケットに一食ずつ成形充填して麺塊の形状とし、油揚げ乾燥することにより、即席フライ麺を得ることができる。成形充填の前に、麺線は、一般に40cm~70cmの長さに切断される。油揚げ乾燥は、120℃~160℃の油を用いて1~3分間行うことができる。油揚げ乾燥に使用される油としては、例えば、パーム油、ラード油、及びごま油が挙げられる。
〈噴霧〉
蒸煮の前に、麺線に水を噴霧することが好ましい。これにより、特に麺線表面近傍における澱粉のα化を促進して、即席フライ麺の食感をより高めることができる。噴霧水としては、例えば、イオン交換水、及び飲用水が挙げられる。噴霧水に、食塩、醤油、油脂などを添加することもできる。
蒸煮の前に、麺線に水を噴霧することが好ましい。これにより、特に麺線表面近傍における澱粉のα化を促進して、即席フライ麺の食感をより高めることができる。噴霧水としては、例えば、イオン交換水、及び飲用水が挙げられる。噴霧水に、食塩、醤油、油脂などを添加することもできる。
本開示の即席フライ麺は、低糖質即席ラーメン、低糖質即席焼きそば、低糖質即席そば、低糖質即席うどんなどの低糖質食品に好適に使用することができる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
粉末原料として使用した成分を表1に示す。
こね水に混合した成分を表2に示す。
即席フライ麺を以下の手順で製造した。
表2に記載の成分を320mLの水に溶解してこね水を調製した。増粘多糖類として、アルギン酸エステルとグアーガムを質量比4:1で使用した。こね水中の各成分の質量%を表3~7に示す。
表1に記載の成分を混合して得られた1kgの主原料に320mLの上記こね水を添加して、ミキサーで10分間混合してドウを得た。主原料中の各成分の質量%を表3~7に示す。
直径20mmの円形の孔を有するダイスを取り付けた押出成形機のバレルにドウを入れ、バレル内部の圧力を100kPaに減圧し、脱気しながらドウを押し出して押出物を得た。得られた押出物を25mmの長さの円筒状に切断して小塊を得た。
小塊を複合圧延機に投入し、複合及び圧延して麺帯を形成した。得られた麺帯を16番丸切刃で麺線厚が1.20mmとなるように切り出して麺線を得た。得られた麺線の断面積は1.70~2.98mm2であった。
麺線に水を噴霧した後、温度100℃の水蒸気を用いて蒸煮装置内で3分間蒸煮した。
蒸煮した麺線に塩水を噴霧した後、長さ30cmに切断した麺線を直径120mmの乾燥用バスケットに成形充填して70gの麺塊の形状とし、150℃のパーム油で2分間油揚げすることにより麺線を乾燥して、即席フライ麺を得た。
即席フライ麺を以下の項目について評価した。
1.製麺適性
製麺適性を以下の5段階で評価した。
5:通常の即席フライ麺と同様に製造することができた。
4:麺線の切り出しから油揚げ乾燥まで連続生産でも問題ないと考えられる。
3:麺線の切り出しから油揚げ乾燥まで麺帯のべたつきあるが、概ね連続生産できると考えられる。
2:麺線の切り出しから油揚げ乾燥まで、麺帯のつながりが悪い、あるいは麺帯のべとつきがあり、生産上懸念がある。
1:麺線表面が粘着性を帯びて麺線同士が付着する、油揚げ乾燥が不十分になるなど、即席フライ麺を製造することができなかった。
製麺適性を以下の5段階で評価した。
5:通常の即席フライ麺と同様に製造することができた。
4:麺線の切り出しから油揚げ乾燥まで連続生産でも問題ないと考えられる。
3:麺線の切り出しから油揚げ乾燥まで麺帯のべたつきあるが、概ね連続生産できると考えられる。
2:麺線の切り出しから油揚げ乾燥まで、麺帯のつながりが悪い、あるいは麺帯のべとつきがあり、生産上懸念がある。
1:麺線表面が粘着性を帯びて麺線同士が付着する、油揚げ乾燥が不十分になるなど、即席フライ麺を製造することができなかった。
2.火膨れ
乾燥後の麺線表面における火膨れの有無を目視で観察した。
乾燥後の麺線表面における火膨れの有無を目視で観察した。
3.食味食感
喫水容量510mLのポリスチレンカップ(厚木プラスチック株式会社製)に、60gの麺線を入れ、ポリスチレンカップに100℃の熱湯を喫水線まで入れて、素早くアルミ箔で蓋をして5分間放置した。蓋を取った後、麺線を割り箸を用いて解して湯戻しを完了した。
喫水容量510mLのポリスチレンカップ(厚木プラスチック株式会社製)に、60gの麺線を入れ、ポリスチレンカップに100℃の熱湯を喫水線まで入れて、素早くアルミ箔で蓋をして5分間放置した。蓋を取った後、麺線を割り箸を用いて解して湯戻しを完了した。
湯戻しした麺線の食味食感を以下の5段階で評価した。
5:通常の即席フライ麺と同等の食味食感を有していた。
4:麺線の芯の粘りと表面の弾力のバランスが良好であり、食味も良好であった。
3:麺線の芯の粘りと表面の弾力のバランスがやや良好であり、食味もほぼ良好であった。
2:麺線の芯の粘りと表面の弾力のバランスが悪いか、食味に違和感があった。
1:麺線が塊状になって、食味食感を評価することができなかった。
5:通常の即席フライ麺と同等の食味食感を有していた。
4:麺線の芯の粘りと表面の弾力のバランスが良好であり、食味も良好であった。
3:麺線の芯の粘りと表面の弾力のバランスがやや良好であり、食味もほぼ良好であった。
2:麺線の芯の粘りと表面の弾力のバランスが悪いか、食味に違和感があった。
1:麺線が塊状になって、食味食感を評価することができなかった。
4.密度
即席フライ麺から麺線6本を任意に選択し、長さ20~45mm程度に切断して試料とした。各試料の長さ及び質量を測定した。麺線の質量は、分析用電子天びんGH-120(研精工業株式会社製)を用いて小数第4位(g)まで測定した。デジタルマイクロスコープVHX-700F(株式会社キーエンス製)を用いて、各試料の任意の5か所で断面積を測定し、平均値を算出した。各試料の密度を式:
密度(mg/mm3)=質量(g)×1000/[長さ(mm)×断面積(mm2)]
から算出し、6本の試料の平均値を即席フライ麺の密度とした。
即席フライ麺から麺線6本を任意に選択し、長さ20~45mm程度に切断して試料とした。各試料の長さ及び質量を測定した。麺線の質量は、分析用電子天びんGH-120(研精工業株式会社製)を用いて小数第4位(g)まで測定した。デジタルマイクロスコープVHX-700F(株式会社キーエンス製)を用いて、各試料の任意の5か所で断面積を測定し、平均値を算出した。各試料の密度を式:
密度(mg/mm3)=質量(g)×1000/[長さ(mm)×断面積(mm2)]
から算出し、6本の試料の平均値を即席フライ麺の密度とした。
5.切断強度
喫水容量510mLのポリスチレンカップ(厚木プラスチック株式会社製)に、60gの麺線を入れ、ポリスチレンカップに100℃の熱湯を喫水線まで入れて、素早くアルミ箔で蓋をして5分間放置した。蓋を取った後、麺線を割り箸を用いて解して湯戻しを完了した。
喫水容量510mLのポリスチレンカップ(厚木プラスチック株式会社製)に、60gの麺線を入れ、ポリスチレンカップに100℃の熱湯を喫水線まで入れて、素早くアルミ箔で蓋をして5分間放置した。蓋を取った後、麺線を割り箸を用いて解して湯戻しを完了した。
湯戻し完了後から1分、3分、及び5分経過した時点で、素早く湯を麺線から分離した。麺線をレオメータ(商品名NRM-2010-CW、不動工業株式会社製)のプレートに載せ、湯を麺線から分離してから10秒後に、テーブル速度2cm/分で直径0.27mmのピアノ線を麺線に押し付けて切断した。麺線が完全に切断されたときの荷重を測定した。4本の麺線について得られた測定値の平均を切断強度とした。切断強度は以下の式で定義される。
切断強度(mN/mm2)=測定値(gf)×9.80665/麺線の断面積(mm2)
切断強度(mN/mm2)=測定値(gf)×9.80665/麺線の断面積(mm2)
即席フライ麺の原料、製造条件及び評価結果を表3~7に示す。
実施例1~4については、製麺適性及び食味食感が良好であり、火膨れもなく、麺線の強度も十分であった。実施例1と実施例2の比較から、α化澱粉及び小麦たん白を増量すると麺線の強度が向上した。実施例3と実施例4の比較から、難消化性澱粉を増量すると麺線の強度は低下するが、難消化性澱粉の含有量が高いほど火膨れの発生が効果的に抑制され、麺線の表面は滑らかであった。
比較例1では、減圧押出を使用しなかったため、製麺適性が劣っており、麺線の内部に空隙が多く存在したため密度が低く、食味食感(特に歯ごたえ)も劣っていた。比較例1では火膨れも発生し、難消化性澱粉を同量配合した実施例2と比較して麺線の強度も低かった。但し、α化澱粉及び小麦たん白を増量したため、麺線を製造することはできた。比較例2では、製麺適性及び食味食感は良好であったが、麺線の強度が高すぎるため、乾燥時に水分が外部に放出されにくく、火膨れが多量に発生した(実施例3と比較例2の比較)。難消化性澱粉の配合量が少なく、低糖質化も不十分であった。比較例3では、難消化性澱粉を多量に配合したため、麺線の強度が不十分であった。比較例4では、難消化性澱粉の代わりに通常の加工澱粉を配合したところ、火膨れが多量に発生し、蒸煮後に麺線同士が付着し、湯戻し後もそのまま付着した状態であったため、麺線の切断強度を測定することができなかった。
甘藷由来の難消化性澱粉を使用した実施例5が、製麺適性及び食味食感に特に優れていた。
難消化性澱粉の配合量が10質量%~50質量%である実施例3、9~11及び4が、製麺適性及び食味食感に優れていた。難消化性澱粉の配合量が5質量%である比較例2では麺線表面に火膨れが発生した。難消化性澱粉の配合量が55質量%である比較例3では、製麺適性及び食味食感の両方が低下した。
実施例12、5、13及び14の比較から、α化澱粉を少量配合すると、製麺適性及び食味食感を高めることができる。
実施例15、5、16及び17の比較から、小麦たん白を少量配合すると、製麺適性及び食味食感を高めることができる。
本開示の即席フライ麺及びその製造方法は、低糖質即席ラーメン、低糖質即席焼きそば、低糖質即席そば、低糖質即席うどんなどの低糖質食品に好適に使用することができる。
Claims (10)
- 10質量%~50質量%の難消化性澱粉を含む即席フライ麺であって、α化澱粉の含有量が3質量%以下、小麦たん白の含有量が5質量%以下であり、密度が0.7mg/mm3~1.0mg/mm3である、即席フライ麺。
- 10質量%~50質量%の難消化性澱粉を含む即席フライ麺であって、α化澱粉の含有量が3質量%以下、小麦たん白の含有量が5質量%以下であり、切断強度が105mN/mm2~145mN/mm2である、即席フライ麺。
- 前記難消化性澱粉が甘藷由来である、請求項1又は2のいずれかに記載の即席フライ麺。
- α化澱粉の含有量が0.1質量%以上である、請求項1~3のいずれか一項に記載の即席フライ麺。
- 小麦たん白の含有量が0.1質量%以上である、請求項1~4のいずれか一項に記載の即席フライ麺。
- 即席フライ麺の製造方法であって、
固形分基準で10質量%~50質量%の難消化性澱粉を含む麺線原料からドウを形成することと、
前記ドウを減圧下で押し出して小塊を得ること、
前記小塊から麺帯を形成すること、
前記麺帯を切り出して麺線を形成すること、
前記麺線を蒸煮すること、及び
蒸煮した前記麺線を油揚げすること
を含む、即席フライ麺を製造する方法であって、前記即席フライ麺のα化澱粉の含有量が3質量%以下であり、小麦たん白の含有量が5質量%以下である、方法。 - 前記蒸煮の前に、前記麺線に水を噴霧することを更に含む、請求項6に記載の方法。
- 前記難消化性澱粉が甘藷由来である、請求項6又は7のいずれかに記載の方法。
- α化澱粉の含有量が0.1質量%以上である、請求項6~8のいずれか一項に記載の方法。
- 小麦たん白の含有量が0.1質量%以上である、請求項6~9のいずれか一項に記載の方法。
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