JP2022172480A5 - - Google Patents

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JP2022172480A5
JP2022172480A5 JP2020153323A JP2020153323A JP2022172480A5 JP 2022172480 A5 JP2022172480 A5 JP 2022172480A5 JP 2020153323 A JP2020153323 A JP 2020153323A JP 2020153323 A JP2020153323 A JP 2020153323A JP 2022172480 A5 JP2022172480 A5 JP 2022172480A5
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背景
説得力のある証拠は、細胞質の非受容体型チロシンキナーゼであるフォーカルアドヒージョン(focal adhesion)キナーゼ(FAK)すなわちPTK2が細胞-マトリックスシグナル伝達経路における不可欠な役割を担い(Clark及びBrugge 1995,Science 268:233~239)、PTK2の異常な活性化が腫瘍の転移可能性の増加と関連する(Owensら,1995,Cancer Research 55:2752~2755)ことを示唆する。FAKは当初、v-Srcによって形質転換された細胞において高度にチロシン-リン酸化された125kDaのタンパク質として同定された。FAKはヒトにおいてPTK2遺伝子によってコードされる。その後、FAKは、フォーカルアドヒージョンに局在するチロシンキナーゼであることが見出された。フォーカルアドヒージョンは、培養細胞とその下層の基質との接触点であり、強いチロシンリン酸化の部位である。FAKは、細胞外マトリックス(ECM)がインテグリンに結合することに応答してリン酸化され、その結果活性化する。近年、FAK mRNAレベルの増加は腫瘍の浸潤性形質転換を伴い、FAKの発現の減弱(アンチセンスオリゴヌクレオチドの使用による)は腫瘍細胞においてアポトーシスを誘導することが、研究により示されている(Xuら,1996,Cell Growth and Diff.7:413~418)。FAKは、大半の組織型において発現することに加えて、甲状腺、前立腺、子宮頸部、結腸、直腸、口腔上皮、卵巣及び乳房のがんを含む、例えば高度に浸潤性の転移における大半のヒトがんにおいて、上昇したレベルで見出される。したがって、対象におけるFAKを阻害するための化合物、化合物の組み合わせ、組成物、及び方法が望まれる。
RAS/RAF/MEK/ERKシグナル伝達経路の成分もまた、異常な細胞成長、例えばがんの処置のための機会を表す。
国際公開第2015/120289号は、がんを有する対象を処置する方法であって、治療有効量の、MEK阻害剤(例えば、GDC-0623、コビメチニブ、トラメチニブ、ピマセルチブ、AZD6244)と組み合わせたFAK阻害剤(例えばVS-6063)を対象に投与し、それによって対象を処置するステップを含む方法を開示する。
国際公開第2014/059095号、及びBr J Cancer.2019年5月;120(10):975~981は、がんの処置における、特定のFAK阻害剤と特定のMEK阻害剤(トラメチニブ)とを含む組み合わせの使用に関する。
概要
FAK阻害剤(例えばVS-6063)とRAF/MEK二重阻害剤(例えばCH5126766)との組み合わせは、腫瘍特異的な細胞傷害性リンパ球の発生及び効力を増強し、本明細書に記載される疾患又は障害(例えば異常な細胞成長、例えばがん(例えば本明細書に記載されるがん))をより有効に処置するための有望な手法を提供することができる。VS-6063又はその薬学上許容され得る塩(FAK阻害剤)は、CH5126766又はその薬学上許容され得る塩(RAF/MEK二重阻害剤)と組み合わせて使用して、本明細書に記載される疾患又は障害、例えば異常な細胞成長(例えば本明細書に記載されるがん)を処置することができる。
したがって、例えば、対象(例えばヒト)における異常な細胞成長、例えばがん(例えばRAS変異を有するがん)を処置するために使用することができる、ある特定の組み合わせ(例えば本明細書に記載される組み合わせ(例えば、RAF/MEK二重阻害剤と組み合わせたFAK阻害剤))が本明細書で提供される。
がんを有する対象を処置する方法であって、治療有効量の、CH5126766又はその薬学上許容され得る塩(RAF/MEK二重阻害剤)と組み合わせたVS-6063又はその薬学上許容され得る塩(FAK阻害剤)を対象に投与し、それによって対象を処置するステップを含み、がんがRAS変異を有するがんである方法が本明細書に記載される。一部の実施形態では、RAS変異はKRAS変異又はNRAS変異である。
がんを有する対象を処置する方法であって、治療有効量の、RAF/MEK二重阻害剤と組み合わせたVS-6063又はその薬学上許容され得る塩を対象に投与するステップを含み、RAF/MEK二重阻害剤がCH5126766又はその薬学上許容され得る塩である方法が本明細書に記載される。一部の実施形態では、がんは、RAS、BRAF又はNF-1における変異によって引き起こされる。一部の実施形態では、がんはRAS変異を有するがんである。他の態様では、がんはKRAS変異又はNRAS変異を有する。
がんを処置するための、RAF/MEK二重阻害剤と組み合わせたVS-6063又はその薬学上許容され得る塩の使用であって、RAF/MEK二重阻害剤がCH5126766又はその薬学上許容され得る塩である使用が本明細書に記載される。一部の実施形態では、がんは、RAS、BRAF又はNF-1における変異によって引き起こされる。一部の実施形態では、がんはRAS変異を有する。他の態様では、がんはKRAS変異又はNRAS変異を有する。
がんを有する対象を処置する方法であって、治療有効量の、FAK阻害剤と組み合わせたCH5126766又はその薬学上許容され得る塩を対象に投与するステップを含み、FAK阻害剤がVS-6063又はその薬学上許容され得る塩である方法が本明細書に記載される。一部の実施形態では、がんは、RAS、BRAF又はNF-1における変異によって引き起こされる。一部の実施形態では、がんはRAS変異を有する。他の態様では、がんはKRAS変異又はNRAS変異を有する。
がんを処置するための、FAK阻害剤と組み合わせたCH5126766又はその薬学上許容され得る塩の使用であって、FAK阻害剤がVS-6063又はその薬学上許容され得る塩である使用が本明細書に記載される。一部の実施形態では、がんは、RAS、BRAF又はNF-1における変異によって引き起こされる。一部の実施形態では、がんはRAS変異を有する。他の態様では、がんはKRAS変異又はNRAS変異を有する。
がんを有する対象を処置する方法であって、治療有効量の、FAK阻害剤と組み合わせたRAF/MEK二重阻害剤を対象に投与するステップを含み、RAF/MEK二重阻害剤がCH5126766又はその薬学上許容され得る塩であり、FAK阻害剤がVS-6063又はその薬学上許容され得る塩である方法が本明細書に記載される。
がんを処置するための、FAK阻害剤と組み合わせたRAF/MEK二重阻害剤の使用であって、RAF/MEK二重阻害剤がCH5126766又はその薬学上許容され得る塩であり、FAK阻害剤がVS-6063又はその薬学上許容され得る塩である使用が本明細書に記載される。
一部の実施形態では、がんは、RAS、BRAF又はNF-1における変異によって引き起こされる。
一部の実施形態では、がんは、卵巣がん、肺がん、結腸がん及び膵臓がんから選択される。一部の実施形態ではがんは卵巣がんである。一部の実施形態では卵巣がんは低異型度漿液性卵巣がんである。一部の実施形態ではがんは肺がんである。他の実施形態ではがんは結腸がんである。一部の実施形態ではがんは膵臓がんである。一部の実施形態では、がんは、低異型度漿液性卵巣がん、肺がん、結腸がん、及び膵臓がんから選択される。
一部の態様では、RAF/MEK二重阻害剤(例えばCH5126766)は週2回投与される。一部の態様では、FAK阻害剤(例えばVS-6063)は1日2回投与される。他の態様では、FAK阻害剤(例えばVS-6063)は1日1回投与される。一部の実施形態では、RAF/MEK二重阻害剤(例えばCH5126766)及びFAK阻害剤(例えばVS-6063)は少なくとも3週間投与される。一部の実施形態では、RAF/MEK二重阻害剤(例えばCH5126766)及びFAK阻害剤(例えばVS-6063)は、3週間の投与とその後の1週間の休止のサイクルで独立に投与される。一部の実施形態では、RAF/MEK二重阻害剤(例えばCH5126766)及びFAK阻害剤(例えばVS-6063)の両方は、3週間の投与とその後の1週間の休止のサイクルで同時に投与される。
一部の態様では、RAF/MEK二重阻害剤(例えばCH5126766)は約0.5mg~約10mgの用量で投与される。さらなる実施形態では、RAF/MEK二重阻害剤(例えばCH5126766)は約4mgの用量で投与される。他の実施形態では、RAF/MEK二重阻害剤(例えばCH5126766)は3.2mgの用量で投与される。一部の実施形態では、FAK阻害剤(例えばVS-6063)は約100mg~約400mgの用量で投与される。一部の実施形態では、FAK阻害剤(例えばVS-6063)は約100mg~約500mgの用量で投与される。さらなる実施形態では、FAK阻害剤(例えばVS-6063)は約200mg~約500mgの用量で投与される。他の実施形態では、FAK阻害剤(例えばVS-6063)は約200mg~約600mgの用量で投与される。一部の態様では、RAF/MEK二重阻害剤(例えばCH5126766)は約0.5mg~約10mgの用量で投与され、FAK阻害剤(例えばVS-6063)は約100mg~約400mgの用量で投与される。一部の実施形態では、RAF/MEK二重阻害剤(例えばCH5126766)は週2回約4mgの用量で投与され、FAK阻害剤(例えばVS-6063)は1日2回約200mgの用量で投与される。一部の実施形態では、RAF/MEK二重阻害剤(例えばCH5126766)は週2回3.2mgの用量で投与され、FAK阻害剤(例えばVS-6063)は1日2回200mgの用量で投与される。一部の実施形態では、RAF/MEK二重阻害剤(例えばCH5126766)は週2回約4mgの用量で投与され、FAK阻害剤(例えばVS-6063)は1日2回約400mgの用量で投与される。一部の実施形態では、RAF/MEK二重阻害剤(例えばCH5126766)は週2回3.2mgの用量で投与され、FAK阻害剤(例えばVS-6063)は1日2回400mgの用量で投与される。
発明の詳細な説明
異常な細胞成長、例えばがんを処置するための方法であって、FAK阻害剤及びRAF/MEK二重阻害剤を投与するステップを含み、FAK阻害剤がVS-6063又はその薬学上許容され得る塩であり、RAF/MEK二重阻害剤がCH5126766又はその薬学上許容され得る塩である方法がとりわけ本明細書に記載される。
処置及び投与の方法
本明細書に記載される方法は、本明細書に記載される疾患又は障害(例えば異常な細胞成長、例えばがん(例えば本明細書に記載されるがん))を患っている対象(例えばヒト対象)を、RAF/MEK二重阻害剤と組み合わせたFAK阻害剤を用いて処置することに関し、ここで、FAK阻害剤はVS-6063又はその薬学上許容され得る塩であり、RAF/MEK二重阻害剤はCH5126766又はその薬学上許容され得る塩である。本明細書において、「組み合わせて」投与されるというのは、2つ(又は3つ以上)の異なる処置が、対象が障害に罹患している間に対象に送達されること、例えば、2つ以上の処置が、対象が障害を有すると診断された後、かつその障害が治癒する若しくは排除されるか又は処置が他の理由のために終わる前に、送達されることを意味する。一部の実施形態では、一方の処置の送達は、第2の処置の送達が開始する際に依然として行われており、そのため投与の点で重複が存在する。このことは本明細書において「同時」又は「並行した送達」と称される場合がある。他の実施形態では、一方の処置の送達は他方の処置の送達が開始する前に終了する。いずれかの場合の一部の実施形態では、組み合わされた投与により処置はより有効である。例えば、第2の処置は、第1の処置の非存在下で投与される場合に見られるであろうより有効である、例えば、同等の効果がより少ない第2の処置で見られるか、又は第2の処置が症状をより大きな程度軽減する、あるいは類似の状況が第1の処置に関して見られる。一部の実施形態では、送達は、症状の軽減、又は障害に関連する他のパラメータが、一方の処置の非存在下で送達される他方の処置で観察され得るものよりも大きい、というものである。2つの処置の効果は、やや相加的である、完全に相加的である、又は相加的な場合よりも大きい。送達は、送達される第1の処置の効果が、第2の処置が送達される際も依然として検出可能である、というものであり得る。
一部の実施形態では、方法は、RAF/MEK二重阻害剤(例えばCH5126766)の投与の前にFAK阻害剤(例えばVS-6063)の投与を含む。一部の実施形態では、方法は、RAF/MEK二重阻害剤(例えばCH5126766)の投与の後にFAK阻害剤(例えばVS-6063)の投与を含む。一部の実施形態では、方法は、RAF/MEK二重阻害剤(例えばCH5126766)の投与と並行してFAK阻害剤(例えばVS-6063)の投与を含む。一部の実施形態では、FAK阻害剤はVS-6063(PF-04554878、デファクチニブ)又はその薬学上許容され得る塩である。一部の実施形態では、RAF/MEK二重阻害剤はCH5126766又はその薬学上許容され得る塩である。
腫瘍微小環境
本明細書に記載される化合物の組み合わせはまた、対象(例えば本明細書に記載されるがんを有する対象)における腫瘍微小環境を調節するか又は整える方法も対象とする。本明細書において、「腫瘍微小環境」とは、周囲血管、免疫細胞、線維芽細胞、骨髄由来炎症性細胞、リンパ球、シグナル伝達分子、及び細胞外マトリックス(ECM)を含む、腫瘍が存在する細胞の環境を指す。腫瘍及び周囲微小環境は密接に関係し、常に相互作用する。腫瘍は、細胞外シグナルを放出し、腫瘍血管新生を促進し、末梢免疫寛容を誘導することによって微小環境に影響を与えることができる一方で、微小環境における免疫細胞は、がん性細胞の成長及び進化に影響を及ぼすことができる。
本明細書において、「免疫抑制細胞」という用語は、免疫抑制性の腫瘍微小環境に寄与するか又は促進する細胞を指す。本明細書において「腫瘍関連免疫抑制細胞」とも称される、腫瘍微小環境における免疫抑制細胞の集団の存在は、腫瘍の免疫応答に対する耐性を増加させ、結果として腫瘍保護、腫瘍回避、及び/又は腫瘍転移をもたらす。何らかの形で打ち消されない限り、腫瘍関連免疫抑制細胞は免疫介在性抗がん処置の有効性を低下することができる。骨髄由来抑制細胞(MDSC)及び制御性T細胞を含む多数の腫瘍関連免疫抑制細胞が存在する。
一部の実施形態では、本明細書に記載される化合物の組み合わせは、腫瘍特異的な細胞傷害性リンパ球又は抗腫瘍細胞傷害性T細胞の効力を増強する。一部の実施形態では、本明細書に記載されるFAK阻害剤(例えばVS-6063)は、腫瘍微小環境における免疫抑制細胞を標的とする。一部の実施形態では、本明細書に記載されるFAK阻害剤(例えばVS-6063)は、密集した線維形成性間質の腫瘍-間質調節、並びに/又はFAK制御性炎症誘発性及び/若しくは線維化促進性サイトカイン分泌を介したT細胞浸潤に対する障壁として作用する。一部の実施形態では、BRAF阻害は、FAK依存性がん生存シグナル伝達(例えば黒色腫における)をもたらす間質細胞(例えば、がん活性化線維芽細胞、細胞接着因子)を活性化させる。
異常な細胞成長
本明細書に記載される方法は、対象(例えばヒト対象)における異常な細胞成長の処置を対象とする。本明細書において、異常な細胞成長とは、別段の指示がない限り、正常な制御機構に依存しない細胞成長(例えば接触阻害の喪失)を指す。これは以下の細胞の異常な成長を含む:(1)例えば変異型チロシンキナーゼを発現すること又は受容体型チロシンキナーゼを過剰発現することによって増殖する腫瘍細胞(腫瘍)、(2)例えば異常なチロシンキナーゼ活性化が生じる、他の増殖性疾患の良性及び悪性細胞、(3)例えば受容体型チロシンキナーゼによって増殖する任意の腫瘍、(4)例えば異常なセリン/トレオニンキナーゼ活性化によって増殖する任意の腫瘍、及び(5)例えば異常なセリン/トレオニンキナーゼ活性化が生じる、他の増殖性疾患の良性及び悪性細胞。異常な細胞成長は、上皮(例えば、癌腫、腺癌);間葉系(例えば肉腫(例えば、平滑筋肉腫、ユーイング肉腫));造血(例えば、リンパ腫、白血病、骨髄異形成(例えば前がん性));又は他の(例えば、中皮腫及び起源不明の他の腫瘍)細胞における細胞成長を指すことができる。
一部の実施形態では、方法は、非血液悪性腫瘍の処置に有効である。一部の実施形態では、方法は、膵臓、非小細胞肺癌(NSCLC)、小細胞肺癌(SCLC)、中皮腫、乳がん、及び卵巣がんの処置に有効である。ある実施形態では、乳がんはトリプルネガティブ乳がん(例えば、エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体、及びHer2/neuに関する遺伝子を発現しない乳がん)である。ある実施形態では、肺がんは非小細胞肺がん(NSCLC)、例えばKRAS変異NSCLCである。ある実施形態では、卵巣がんは進行卵巣がん(例えば、進行卵巣がん又は転移性卵巣がん)である。ある実施形態では、卵巣がんは低異型度漿液性卵巣がんである。ある実施形態では、低異型度漿液性卵巣がんはKRAS変異低異型度漿液性卵巣がんである。ある実施形態では、方法は中皮腫(例えば悪性胸膜中皮腫、例えば外科的に切除可能な悪性胸膜中皮腫)の処置に有効である。一部の実施形態では、がんは膵臓がんである。
腫瘍性疾患
異常な細胞成長は腫瘍性疾患を指すことができる。「腫瘍性疾患」とは、自律的成長又は複製の能力を有する細胞によって特徴付けられる疾患又は障害、例えば、増殖性細胞成長によって特徴付けられる異常な状態である。異常な細胞成長又は分裂の結果としての組織の異常な塊、又は「新生物」は、良性、前がん性(上皮内癌)又は悪性(がん)であり得る。
例示的な腫瘍性疾患としては、癌腫、肉腫、転移性疾患(例えば、前立腺、結腸、肺、乳房、及び肝臓起源から生じる腫瘍)、造血腫瘍性疾患、例えば白血病、転移性腫瘍が挙げられる。化合物を用いた処置は、腫瘍性疾患の少なくとも1つの症状の緩解、例えば、細胞増殖の抑制、腫瘍量の減少などに有効な量であり得る。
がん
一部の実施形態では、本発明の方法は、例えば、固形腫瘍、軟組織腫瘍、及びそれらの転移を含むがんの処置に有用であり得る。一部の実施形態では、本発明の方法は、MEK-ERK経路が活性化するがんの処置に有用であり得る。開示される方法はまた、非固形がんを処置することにも有用である。例示的な固形腫瘍としては、種々の器官系の悪性腫瘍(例えば、肉腫、腺癌、及び癌腫)、例えば、肺、乳房、リンパ系、胃腸(例えば結腸)、及び泌尿生殖器(例えば、腎腫瘍、尿路上皮腫瘍、又は精巣腫瘍)、咽頭、前立腺、及び卵巣の悪性腫瘍が挙げられる。例示的な腺癌としては、結腸直腸がん、腎細胞癌、肝臓がん(例えば肝細胞癌)、肺の非小細胞癌、膵臓(例えば転移性膵臓腺癌)、及び小腸のがんが挙げられる。
がんとしてはまた、子宮がん(子宮内膜がん、子宮腫瘍、子宮頸がんなど)、胆道がん(biliary cancer)、及び胆道がん(biliary tract cancer)(胆管癌(cholangiocarcinoma)、胆管がん(bile duct cancer)、胆嚢がんなど)も挙げることができる。
がんは原発性腫瘍であり得る、すなわち腫瘍成長開始の解剖学的部位に位置し得る。がんはまた転移性であり得る、すなわち腫瘍成長開始の解剖学的部位以外の少なくとも1つの第2の解剖学的部位に現れ得る。がんはまた再発がん、すなわち処置後、がんが検出不能であった一定期間の後に再び生じるがんであり得る。再発がんは、最初の腫瘍と同じ場所に、例えば解剖学的に最初の腫瘍の付近に、又は最初の腫瘍と同じ領域に、例えば最初の腫瘍の付近に位置するリンパ節に、又は最初の腫瘍から距離を置いて、例えば最初の腫瘍から解剖学的に離れた領域に、解剖学的に位置し得る。
がんはまたRAS変異を有することもあり、これはがんがRAS遺伝子(HRAS、NRAS、又はKRAS)の変異によって引き起こされることを意味する。がんはまたKRAS変異を有することもあり、これはがんがKRAS遺伝子の変異によって引き起こされることを意味する。がんはまたNRAS変異を有することもあり、これはがんがNRAS遺伝子の変異によって引き起こされることを意味する。一部の実施形態では、がんはRAS遺伝子(例えばKRAS遺伝子)の変異によって引き起こされる卵巣がんである。一部の実施形態では、がんは低異型度卵巣がん又は粘液性卵巣がんであり、どちらもRAS遺伝子(例えばKRAS遺伝子)の変異によって引き起こされる。一部の実施形態では、がんはRAS遺伝子(例えばKRAS遺伝子)の変異によって引き起こされる肺がんである。一部の実施形態では、がんはRAS遺伝子(例えば、KRAS遺伝子又はNRAS遺伝子)の変異によって引き起こされる結腸がんである。一部の実施形態では、がんはRAS遺伝子(例えばKRAS遺伝子)の変異によって引き起こされる膵臓がんである。
がんとしてはまた、例えば、上皮がん、乳房、肺、膵臓、結腸直腸(例えば転移性結腸直腸、例えばKRAS変異転移性)、前立腺、頭頸部、黒色腫、急性骨髄性白血病、及び膠芽腫も挙げることができる。例示的な乳がんとしては、トリプルネガティブ乳がん、基底様乳がん、低クローディン型乳がん、治療に耐性の浸潤性、炎症性、化生性、及び進行Her-2陽性又はER-陽性がんが挙げられる。
がんにおいて変異した遺伝子の例としてはまた、EGFR、FGFR、ALK、ROS1、PI3K、NF-1、BRAF、HRAS、KRAS、及びNRASも挙げられる。がんは、好ましくはKRAS変異及び/又はNRAS変異がんであり、より好ましくは、KRAS変異若しくはNRAS変異結腸がん、又はKRAS変異固形がん(好ましくは、卵巣がん、肺がん(特に非小細胞肺がん)、結腸がん、及び膵臓がん)である。
他のがんとしては、脳、腹部、食道、胃腸、神経膠腫、肝臓、舌、神経芽腫、骨肉腫、卵巣、網膜芽腫、ウィルムス腫瘍、多発性骨髄腫、皮膚、リンパ腫、血液及び骨髄がん(例えば、進行血液学的悪性腫瘍、白血病、例えば、急性骨髄白血病(例えば初発又は二次性)、急性リンパ芽球性白血病、急性リンパ性白血病、T細胞白血病、血液学的悪性腫瘍、進行骨髄増殖性疾患、骨髄異形成症候群、再燃又は難治性多発性骨髄腫、進行骨髄増殖性疾患)、網膜、膀胱、子宮頸部、腎臓、子宮内膜、髄膜腫、リンパ腫、皮膚、子宮、肺、非小細胞肺、上咽頭癌、神経芽腫、固形腫瘍、血液悪性腫瘍、扁平上皮癌、精巣、甲状腺、中皮腫、脳 外陰、肉腫、腸、口腔、内分泌、唾液、精母細胞性セミノーマ、散発性甲状腺髄様癌、非増殖性精巣細胞、悪性肥満細胞に関連するがん、非ホジキンリンパ腫、並びにびまん性大細胞型B細胞リンパ腫が挙げられる。
例示的ながんとしては、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄白血病、副腎皮質癌、AIDS関連リンパ腫、AIDS関連悪性腫瘍、肛門がん、星細胞腫、胆管がん、肝外、膀胱がん;骨がん、骨肉腫/悪性線維性組織球腫、脳幹神経膠腫、脳腫瘍、脳幹神経膠腫、小脳星細胞腫、脳星細胞腫/悪性神経膠腫、上衣腫、髄芽腫、テント上原始神経外胚葉性腫瘍、視路及び視床下部神経膠腫;乳がん;気管支腺腫/カルチノイド、カルチノイド腫瘍、カルチノイド腫瘍、胃腸;癌腫、副腎皮質;癌腫、島細胞;原発不明の癌腫;中枢神経系リンパ腫、原発性;小脳星細胞腫、脳星細胞腫/悪性神経膠腫、子宮頸がん;慢性リンパ性白血病;慢性骨髄性白血病;慢性骨髄増殖性疾患;腱鞘の明細胞肉腫;結腸がん;結腸直腸がん;皮膚T細胞リンパ腫;子宮内膜がん;上衣腫、上皮がん、卵巣;食道がん;食道がん、ユーイングファミリー腫瘍;頭蓋外胚細胞腫瘍、性腺外胚細胞腫瘍;肝外胆管がん;眼がん、網膜芽腫;胆嚢がん;胃がん;胃がん;胃腸カルチノイド腫瘍;胚細胞腫瘍、頭蓋外、胚細胞腫瘍、性腺外;胚細胞腫瘍、卵巣;妊娠性絨毛性腫瘍;神経膠腫、神経膠腫、視路及び視床下部;有毛細胞白血病;頭頸部がん;肝細胞(肝臓)がん;ホジキンリンパ腫;ホジキンリンパ腫;妊娠中のホジキンリンパ腫;下咽頭がん;視床下部及び視路神経膠腫;島細胞癌(膵内分泌);カポジ肉腫;腎臓がん;咽頭がん;咽頭がん;白血病、急性リンパ芽球性;白血病、急性リンパ芽球性;白血病、急性骨髄;白血病、急性骨髄;白血病、慢性リンパ性;白血病、慢性骨髄性;白血病、有毛細胞;口唇及び口腔がん;肝臓がん;肺がん、非小細胞;肺がん、小細胞;リンパ芽球性白血病、リンパ性白血病、慢性;リンパ腫、AIDS関連;リンパ腫、中枢神経系(原発性);リンパ腫、皮膚T細胞;リンパ腫、ホジキン;リンパ腫、ホジキン;リンパ腫、ホジキン、妊娠中;リンパ腫、非ホジキン;リンパ腫、非ホジキン;非ホジキン、妊娠中;リンパ腫、原発性中枢神経系;マクログロブリン血症、ワルデンシュトレーム;男性乳がん;悪性中皮腫、成人;悪性中皮腫;悪性胸腺腫;髄芽腫、メルケル細胞癌;中皮腫、悪性;転移性原発不明扁平上皮性頸部がん;多発性内分泌腫瘍症候群、多発性骨髄腫/形質細胞新生物;菌状息肉症;骨髄異形成症候群;骨髄性白血病、慢性;骨髄白血病、骨髄腫、多発性;骨髄増殖性疾患、慢性;鼻腔及び副鼻腔がん;上咽頭がん;上咽頭がん;神経芽腫;非ホジキンリンパ腫、妊娠中の非ホジキンリンパ腫;非小細胞肺がん;口のがん;口腔及び口唇がん;中咽頭がん;骨肉腫/骨の悪性線維性組織球腫;卵巣がん;卵巣上皮がん;卵巣胚細胞腫瘍;卵巣低悪性度腫瘍;膵臓がん;膵臓がん;膵臓がん、島細胞;副鼻腔及び鼻腔がん;副甲状腺がん;陰茎がん;褐色細胞腫;松果体及びテント上原始神経外胚葉性腫瘍;下垂体腫瘍;形質細胞新生物/多発性骨髄腫;胸膜肺芽腫;妊娠及び乳がん;妊娠及びホジキンリンパ腫;妊娠及び非ホジキンリンパ腫;原発性中枢神経系リンパ腫;原発性肝臓がん;原発性肝臓がん;前立腺がん;直腸がん;腎細胞(腎臓)がん;腎細胞がん;腎盂及び尿管、移行上皮がん;網膜芽腫;横紋筋肉腫;唾液腺がん;唾液腺がん;肉腫、ユーイングファミリー腫瘍;肉腫、カポジ;肉腫(骨肉腫)/骨の悪性線維性組織球腫;肉腫、横紋筋肉腫;肉腫、軟組織;肉腫、軟組織;セザリー症候群;皮膚がん;皮膚がん;皮膚がん(黒色腫);皮膚癌、メルケル細胞;小細胞肺がん;小腸がん;軟組織肉腫;軟組織肉腫;原発不明扁平上皮性頸部がん、転移性;胃がん;胃がん;テント上原始神経外胚葉性腫瘍;T細胞リンパ腫、皮膚;精巣がん;胸腺腫;胸腺腫、悪性;甲状腺がん;甲状腺がん;腎盂及び尿管の移行上皮がん;絨毛性腫瘍、妊娠性;原発部位不明のがん;尿管及び腎盂、移行上皮がん;尿道がん;子宮肉腫;膣がん;視路及び視床下部神経膠腫;外陰がん;ワルデンシュトレームマクログロブリン血症;並びにウィルムス腫瘍が挙げられる。上述のがんの転移もまた、本明細書に記載される方法に従って処置することができる。
一部の実施形態では、腫瘍は、造血及びリンパ系組織の腫瘍、又は血液、骨髄、リンパ、及びリンパ系に影響を及ぼす腫瘍である。血液学的悪性腫瘍としては、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、急性単球性白血病、他の白血病、ホジキンリンパ腫、及び非ホジキンリンパ腫が挙げられる。
一部の実施形態では、腫瘍は固形腫瘍である。一部の実施形態では、固形腫瘍は局所進行又は転移性である。一部の実施形態では、固形腫瘍は標準的な治療後の難治性(例えば耐性)である。
本明細書に記載される方法は、障害及び/又は障害に関連する症状を軽減、緩解、又は完全に排除して、より悪化することを防止するか、進行の速度を遅らせるか、又は初めに排除された場合には障害の再発の速度を最低限にする(すなわち再燃を回避する)ことができる。好適な用量及び治療レジメンは、使用される具体的な化合物及び/又は医薬組成物、並びに化合物及び/又は医薬組成物の送達様式に応じて変わり得る。一部の実施形態では、方法は、本明細書に記載される組み合わせを用いて処置した対象の、平均生存期間を統計的に有意に増加させ、平均無増悪生存期間を統計的に有意に増加させ、及び/又は再発の速度を統計的に有意に低下させる。
一部の実施形態では、がんは、肺がん(例えば、非小細胞肺がん(NSCLC)、例えばKRAS変異NSCLC;転移性がん)、骨がん、膵臓がん、皮膚がん、頭部若しくは頸部のがん、子宮がん、卵巣がん(例えば、切除不能な低悪性度卵巣がん、進行若しくは転移性卵巣がん)、直腸がん、肛門領域のがん、胃がん、結腸がん、乳がん(例えばトリプルネガティブ乳がん(例えば、エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体、及びHer2/neuに関する遺伝子を発現しない乳がん))、子宮がん、卵管の癌腫、子宮内膜の癌腫、子宮頸部の癌腫、膣の癌腫、外陰の癌腫、ホジキン病、食道のがん、小腸のがん、内分泌系のがん、甲状腺のがん、副甲状腺のがん、副腎のがん、軟組織の肉腫、尿道のがん、陰茎のがん、前立腺がん、慢性若しくは急性白血病、リンパ球性リンパ腫、膀胱のがん、腎臓(例えば、ウィルムス腫瘍、ラブドイド腫瘍;腎腫(例えば中胚葉性腎腫))若しくは尿管のがん、腎細胞癌、腎盂の癌腫、中枢神経系(CNS)の新生物、原発性CNSリンパ腫、脊髄軸(spinal axis)腫瘍、脳幹神経膠腫、下垂体腺腫、中皮腫(例えば悪性胸膜中皮腫、例えば外科的に切除可能な悪性胸膜中皮腫)、又は前述のがんのうちの1つ又は複数の組み合わせである。一部の実施形態では、がんは、卵巣がん、膵臓がん、非小細胞肺がん、頭頸部がんである。一部の実施形態では、がんは転移性である。一部の実施形態では、異常な細胞成長は局所再発している(例えば、対象は局所再発疾患、例えばがんを有する)。
本発明の方法では、治療有効量の、RAF/MEK二重阻害剤と組み合わせたFAK阻害剤の単回及び複数回投与が企図され、ここで、FAK阻害剤はVS-6063又はその薬学上許容され得る塩であり、RAF/MEK二重阻害剤はCH5126766又はその薬学上許容され得る塩である。組み合わせ、例えば本明細書に記載される組み合わせ、例えば、RAF/MEK二重阻害剤(例えばCH5126766)と組み合わせたFAK阻害剤(例えばVS-6063)は、対象の状態の性質、重症度及び程度に応じて一定の間隔で投与することができる。一部の実施形態では、本明細書に記載される組み合わせ、例えば、RAF/MEK二重阻害剤と組み合わせたFAK阻害剤は単回投与で投与され、ここで、FAK阻害剤はVS-6063又はその薬学上許容され得る塩であり、RAF/MEK二重阻害剤はCH5126766又はその薬学上許容され得る塩である。一部の実施形態では、本明細書に記載される組み合わせ、例えば、RAF/MEK二重阻害剤と組み合わせたFAK阻害剤は複数回投与で投与され、ここで、FAK阻害剤はVS-6063又はその薬学上許容され得る塩であり、RAF/MEK二重阻害剤はCH5126766又はその薬学上許容され得る塩である。一部の実施形態では、治療有効量の本明細書に記載される組み合わせ、例えば、RAF/MEK二重阻害剤(例えばCH5126766)と組み合わせたFAK阻害剤(例えばVS-6063)は、一定の間隔で定期的に(例えば、1、2、3、4、5若しくは6日ごと、又は1、2、3、4、5、6、7、8若しくは9週ごと、又は1、2、3、4、5、6、7、8、9か月若しくはそれ以上の期間ごとに1、2、3、4、5、6、7、8、9、10回又はそれ以上の回数)経口投与され得る。一部の実施形態では、治療有効量の本明細書に記載される組み合わせ、例えば、定期的に(例えば週2回)経口投与され得るRAF/MEK二重阻害剤(例えばCH5126766)と組み合わせたFAK阻害剤(例えばVS-6063)は定期的に(例えば1日2回)経口投与され得る。一部の実施形態では、治療有効量の本明細書に記載される組み合わせ、例えば、定期的に(例えば週2回)経口投与され得るRAF/MEK二重阻害剤(例えばCH5126766)と組み合わせたFAK阻害剤(例えばVS-6063)は1日1回経口投与され得る。一部の実施形態では、治療有効量の本明細書に記載される組み合わせ、例えば、定期的に(例えば週3回)経口投与され得るRAF/MEK二重阻害剤(例えばCH5126766)と組み合わせたFAK阻害剤(例えばVS-6063)は1日2回経口投与され得る。VS-6063及びCH5126766は各々薬学上許容され得る塩の形態であり得る。
一部の実施形態では、本明細書に記載される組み合わせ、例えば、所定の間隔で(例えば週2回)経口投与されるRAF/MEK二重阻害剤(例えばCH5126766)と組み合わせたFAK阻害剤(VS-6063)は、定期的に(例えば1日2回)3週間経口投与され、続いて1週間の休止期間(又はFAK阻害剤(例えばVS-6063)もRAF/MEK二重阻害剤(例えばCH5126766)も投与されない間隔)が設けられ、次いで周期的に繰り返される(例えば、3週間投与、1週間休止、3週間投与、1週間休止など)。一部の実施形態では、CH5126766若しくはその薬学上許容され得る塩及びVS-6063若しくはその薬学上許容され得る塩が各々少なくとも3週間投与される。一部の実施形態では、CH5126766若しくはその薬学上許容され得る塩及びVS-6063若しくはその薬学上許容され得る塩が各々少なくとも4週間投与される。一部の実施形態では、CH5126766若しくはその薬学上許容され得る塩及びVS-6063若しくはその薬学上許容され得る塩が各々少なくとも5週間投与される。一部の実施形態では、CH5126766若しくはその薬学上許容され得る塩及びVS-6063若しくはその薬学上許容され得る塩が各々4週間の投与とその後の少なくとも1週間の休止のサイクルで投与される。他の実施形態では、CH5126766若しくはその薬学上許容され得る塩及びVS-6063若しくはその薬学上許容され得る塩が各々5若しくは6週間の投与とその後の1若しくは2週間の休止のサイクルで投与される。
VS-6063又はその薬学上許容され得る塩の1週間の休止のタイミングとCH5126766又はその薬学上許容され得る塩の1週間の休止のタイミングとは同時であっても異なっていてもよい。好ましい実施形態では、VS-6063又はその薬学上許容され得る塩の1週間の休止のタイミングとCH5126766又はその薬学上許容され得る塩の1週間の休止のタイミングとは同時である。
一部の実施形態では、RAF/MEK二重阻害剤(例えばCH5126766)は週1回経口投与される。他の実施形態では、RAF/MEK二重阻害剤(例えばCH5126766)は週2回経口投与される。他の実施形態では、RAF/MEK二重阻害剤(例えばCH5126766)は週3回経口投与される。他の実施形態では、RAF/MEK二重阻害剤(例えばCH5126766)は週4回経口投与される。他の実施形態では、RAF/MEK二重阻害剤(例えばCH5126766)は週5回経口投与される。他の実施形態では、RAF/MEK二重阻害剤(例えばCH5126766)は1日1回経口投与される。他の実施形態では、RAF/MEK二重阻害剤(例えばCH5126766)は1日2回経口投与される。CH5126766は薬学上許容され得る塩の形態であることもできる。
一部の実施形態では、FAK阻害剤(例えばVS-6063)は1日2回経口投与される。一部の実施形態では、FAK阻害剤(例えばVS-6063)は1日1回経口投与される。一部の実施形態では、FAK阻害剤(例えばVS-6063)は約100mg~約400mgの用量で投与される。一部の実施形態では、FAK阻害剤(例えばVS-6063)は約100mg~約500mgの用量で投与される。一部の実施形態では、FAK阻害剤(例えばVS-6063)は約200mg~約500mgの用量で投与される。一部の実施形態では、FAK阻害剤(例えばVS-6063)は約200mg~約600mgの用量で投与される。一部の実施形態では、FAK阻害剤(例えばVS-6063)は約200mgの用量で投与される。一部の実施形態では、FAK阻害剤(例えばVS-6063)は約400mgの用量で投与される。FAK阻害剤(例えばVS-6063)は、ある用量で、本明細書に記載されるいずれの定期的な時間期間で投与され得ることが理解されるべきである。例えば、FAK阻害剤(例えばVS-6063)は1日2回約200mgの用量で投与され得る。FAK阻害剤(VS-6063)は1日2回約400mgの用量で投与され得る。
一部の実施形態では、RAF/MEK二重阻害剤(例えばCH5126766)は約0.5mg~約10mgの用量で投与される。他の実施形態では、RAF/MEK二重阻害剤(例えばCH5126766)は約0.5mg~約7mgの用量で投与される。他の実施形態では、RAF/MEK二重阻害剤(例えばCH5126766)は約0.5mg~約5mgの用量で投与される。他の実施形態では、RAF/MEK二重阻害剤は約1mg~約10mgの用量で投与される。一部の実施形態では、RAF/MEK二重阻害剤(例えばCH5126766)は約4mgの用量で投与される。他の実施形態では、RAF/MEK二重阻害剤(例えばCH5126766)は3.2mgの用量で投与される。RAF/MEK二重阻害剤(例えばCH5126766)は、本明細書に記載されるいずれの定期的な時間枠で投与され得ることが理解されるべきである。例えば、RAF/MEK二重阻害剤(例えばCH5126766)は週2回約0.5mg~約10mgの用量で投与され得る。RAF/MEK二重阻害剤(例えばCH5126766)は週2回約4mgの用量で投与され得る。RAF/MEK二重阻害剤(例えばCH5126766)は週2回3.2mgの用量で投与され得る。CH5126766は薬学上許容され得る塩の形態であってもよい。
本明細書に記載されるように、FAK阻害剤(例えばVS-6063)はRAF/MEK二重阻害剤(例えばCH5126766)とともに投与され得る。例えば、CH5126766又はその薬学上許容され得る塩は約0.5mg~約10mgの用量で投与され、VS-6063又はその薬学上許容され得る塩は約100mg~約400mgの用量で投与され得る。CH5126766又はその薬学上許容され得る塩は約3mg~約5mgの用量で投与され、VS-6063又はその薬学上許容され得る塩は約100mg~約400mgの用量で投与され得る。CH5126766又はその薬学上許容され得る塩は週2回約3mg~約5mgの用量で投与され、VS-6063又はその薬学上許容され得る塩は1日2回約100mg~約400mgの用量で投与され得る。CH5126766又はその薬学上許容され得る塩は週2回約4.0mgの用量で投与され、VS-6063又はその薬学上許容され得る塩は1日2回約200mgの用量で投与され得る。CH5126766又はその薬学上許容され得る塩は週2回約3.2mgの用量で投与され、VS-6063又はその薬学上許容され得る塩は1日2回約200mgの用量で投与され得る。CH5126766又はその薬学上許容され得る塩は週2回約3.2mgの用量で投与され、VS-6063又はその薬学上許容され得る塩は1日2回約400mgの用量で投与され得る。
一部の実施形態では、RAF/MEK二重阻害剤(例えばCH5126766)は下記ステップに従って投与される。
(a)RAF/MEK二重阻害剤を週2回3週間投与し、
(b)その後の1週間、前記化合物又は塩の投与を休止し、
(c)その後、ステップ(a)及び(b)を少なくとも1回繰り返す。
一部の実施形態では、RAF/MEK二重阻害剤(例えばCH5126766)は下記(R1)又は(R2)の方法で投与される。
(R1)
(A1)
(A1a)RAF/MEK二重阻害剤(例えばCH5126766)が1回4mgの用量で週2回3週間投与され、
(A1b)その後の1週間、RAF/MEK二重阻害剤(例えばCH5126766)の投与が休止され(すなわち、3週間投与/1週間休止ベース、合計4週間が1サイクルとなる)、
(A1c)その後、ステップ(A1a)及び(A1b)が少なくとも1回繰り返される。
(R2)
(A2)まず、
(A2a)RAF/MEK二重阻害剤(例えばCH5126766)が1回4mgの用量で週2回3週間投与され、
(A2b)その後の1週間、RAF/MEK二重阻害剤(例えばCH5126766)の投与が休止され、
(A2c)その後、ステップ(A2a)及び(A2b)が少なくとも1回繰り返され、
(B2)その後、
(B2a)RAF/MEK二重阻害剤(例えばCH5126766)が1回3.2mgの用量で週2回3週間投与され、
(B2b)その後の1週間、RAF/MEK二重阻害剤(例えばCH5126766)の投与が休止され、
(B2c)その後、ステップ(B2a)及び(B2b)が少なくとも1回繰り返される。
一部の実施形態では、(i)ステップ(a)及び(b)からなる4週間のサイクル、及び(ii)ステップ(A1a)及び(A1b)からなる4週間のサイクルは、例えば、2回(8週間)~90回(およそ6年11か月間)繰り返される、より具体的には、例えば、8回(32週間)~18回(72週間)繰り返される。繰り返されるサイクルの数は、予め決定された場合であっても、例えば対象の状態に応じて、医師又は獣医師の判断に基づいて変更され得る。さらに、例えば対象の状態に応じて、医師又は獣医師の判断に基づいて、サイクルの途中で投与を中止することもできる。
一部の実施形態では、ステップ(A2a)及び(A2b)からなる4週間のサイクルは、例えば、2回(8週間)~45回(およそ3年5か月間)繰り返される、より具体的には、例えば、8回(32週間)~18回(72週間)繰り返される。繰り返されるサイクルの数は、予め決定された場合であっても、例えば対象の状態に応じて、医師又は獣医師の判断に基づいて変更され得る。さらに、例えば対象の状態に応じて、医師又は獣医師の判断に基づいて、サイクルの途中で投与を中止することもできる。
一部の実施形態では、ステップ(B2a)及び(B2b)からなる4週間のサイクルは、例えば、2回(8週間)~45回(およそ3年5か月間)繰り返される、より具体的には、例えば、8回(32週間)~18回(72週間)繰り返される。繰り返されるサイクルの数は、予め決定された場合であっても、例えば対象の状態に応じて、医師又は獣医師の判断に基づいて変更され得る。さらに、例えば対象の状態に応じて、医師又は獣医師の判断に基づいて、サイクルの途中で投与を中止することもできる。
一部の実施形態では、RAF/MEK二重阻害剤(例えばCH5126766)の投与1回当たりの用量は、好ましくは3.2mg又は4mgである。より好ましくは4mgであり、3.2mgに減少することができる。FAK阻害剤(例えばVS-6063)の投与1回当たりの用量は、好ましくは200mg又は400mgである。より好ましくは200mgであり、400mgに増加することができる。
RAF/MEK二重阻害剤(例えばCH5126766)がFAK阻害剤(例えばVS-6063)と組み合わせて使用される期間は、例えば対象の状態に応じて、医師又は獣医師の判断に基づいて決定され得る。また、例えば対象の状態に応じて、医師又は獣医師の判断に基づいて、RAF/MEK二重阻害剤(例えばCH5126766)及びFAK阻害剤(例えばVS-6063)のうちのいずれか又は両方の投与を中止することができる。
化合物
本明細書に記載される方法は、がんを有する対象に、RAF/MEK二重阻害剤と組み合わせたFAK阻害剤を投与するステップをとりわけ含み、ここで、FAK阻害剤はVS-6063又はその薬学上許容され得る塩であり、RAF/MEK二重阻害剤はCH5126766又はその薬学上許容され得る塩である。
VS-6063
例示的なFAK阻害剤としては、VS-6063又はその薬学上許容され得る塩(例えばVS-6063塩酸塩)が挙げられる。VS-6063及び関連化合物は、例えば米国特許第7928109号(その内容は参照されることによって本明細書に組み込まれる。)にも開示されている。VS-6063はデファクチニブ及びPF-04554878としても公知であり、下記構造:
Figure 2022172480000001

を有する。
一部の実施形態では、VS-6063は薬学上許容され得る塩(例えばVS-6063塩酸塩)を形成し得る。一部の実施形態では、VS-6063又はその薬学上許容され得る塩は、組成物中に5、10、11、12、12.5、13、14、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60%w/w、又はそれ以上の量で存在する。一部の実施形態では、VS-6063又はその薬学上許容され得る塩は、組成物中に約5~約60%w/w、約5~約50%w/w、約10~約50%w/w、又は約10~約40%w/wの量で存在する。
CH5126766
CH5126766はRAF/MEK二重阻害剤であり、RO5126766としても公知である。CH5126766又はその薬学上許容され得る塩を使用する方法は本明細書に含まれる。CH5126766(遊離塩基)は、下記式:
Figure 2022172480000002

によって表される。
本発明において使用されるCH5126766又はその薬学上許容され得る塩は、好ましくはCH5126766のカリウム塩である。CH5126766のカリウム塩は、好ましくは例えば下記式:
Figure 2022172480000003

によって表される塩である。
例えば、CH5126766及びその薬学上許容され得る塩は国際公開第2007/091736号及び国際公開第2009/014100号に開示されており、これらの刊行物に記載されている方法に従って調製することができる。
がん組み合わせ療法
一部の実施形態では、本明細書に記載される組み合わせ(例えば、CH5126766又はその薬学上許容され得る塩と組み合わせたVS-6063又はその薬学上許容され得る塩)は追加の療法(例えばがん処置)と一緒に投与される。一実施形態では、1種又は複数種の化合物又は医薬組成物の混合物は、本明細書に記載される組み合わせ(例えば、CH5126766又はその薬学上許容され得る塩と組み合わせたVS-6063又はその薬学上許容され得る塩)とともに投与され得る。さらに別の実施形態では、1種又は複数種の化合物又は組成物(例えば医薬組成物)は、例えばがんを含む種々の疾患の処置のために、本明細書に記載される組み合わせ(例えば、CH5126766又はその薬学上許容され得る塩と組み合わせたVS-6063又はその薬学上許容され得る塩)とともに投与され得る。
種々の実施形態において、本明細書に記載される化合物又は医薬組成物を含む組み合わせ療法とは、(1)本明細書に記載される組み合わせ(例えば、CH5126766又はその薬学上許容され得る塩と組み合わせたVS-6063又はその薬学上許容され得る塩)と組み合わせた1種又は複数種の化合物を含む医薬組成物、及び(2)本明細書に記載される1種又は複数種の化合物又は医薬組成物と本明細書に記載される組み合わせ(例えば、CH5126766又はその薬学上許容され得る塩と組み合わせたVS-6063又はその薬学上許容され得る塩)との同時投与であって、本明細書に記載される化合物又は医薬組成物が同じ組成物に製剤化されていない同時投与を指し得る。一部の実施形態では、本明細書に記載される組み合わせ(例えば、CH5126766又はその薬学上許容され得る塩と組み合わせたVS-6063又はその薬学上許容され得る塩)は追加の処置(例えば追加のがん処置)とともに投与される。一部の実施形態では、追加の処置(例えば追加のがん処置)は、同じ若しくは別々の組成物で同時に(例えば同時刻に)又は逐次に投与することができる。逐次投与とは、一方の処置を、追加の処置(例えば化合物又は療法)の投与の前(例えば、直前、5分未満、10、15、30、45、60分;1、2、3、4、6、8、10、12、16、20、24、48、72、96時間、又はそれ以上;4、5、6、7、8、9日、又はそれ以上;1、2、3、4、5、6、7、8週間、又はそれ以上前)に投与することを指す。第1及び第2の化合物又は療法の投与の順序は逆にすることもできる。一部の実施形態では、FAK阻害剤(例えばVS-6063)及びRAF/MEK二重阻害剤(例えばCH5126766)は、異なる定期的な時間間隔で投与される。例えば、RAF/MEK二重阻害剤(例えばCH5126766)は週2回、週1回、又は3若しくは4日ごとに投与されるのに対して、FAK阻害剤(例えばVS-6063)は1日1回又は1日2回投与され得る。
本発明の方法は、言及した障害/疾患の処置のために、1つ又は複数の追加の療法(例えばがん処置、例えば、外科的処置、追加の薬物又は治療剤)と組み合わせて使用又は投与され得る。追加の療法(例えばがん処置、例えば、本明細書に記載される薬物又は治療剤)は同じ製剤又は別々の製剤で投与することができる。別々の製剤で投与される場合、本発明の化合物は他の薬物と逐次又は同時に投与され得る。
1つ又は複数の追加の療法(例えばがん処置、例えば、外科的処置、追加の薬物又は治療剤)と組み合わせて投与することができることに加えて、本発明の方法は、所望の効果を得るために(組み合わされた調製物として)同時に又は逐次に投与し得る。このことは、各化合物の治療プロファイルが異なっており、その結果、2種類の薬物の組み合わされた効果が改善した治療結果を実現する場合に特に望ましい。
例示的ながん処置としては、例えば、化学療法、抗体療法などの標的療法、免疫療法、及びホルモン療法が挙げられる。これらの処置の各々についての例は以下に提供される。
化学療法
一部の実施形態では、本明細書に記載される組み合わせ(例えば、CH5126766又はその薬学上許容され得る塩と組み合わせたVS-6063又はその薬学上許容され得る塩)は化学療法とともに投与される。化学療法とは、がん細胞を破壊することができる薬物を用いたがんの処置である。「化学療法」は、標的療法と対照的に、急速に分裂する細胞全般に影響を及ぼす細胞毒性薬を通例指す。化学療法薬は、種々の考えられる手段、例えば、DNAの複製又は新規に形成された染色体の分離により細胞分裂を妨害する。大半の形態の化学療法は、急速に分裂する細胞全てを標的とし、がん細胞に特異的ではないが、正常な細胞は一般にDNA損傷を修復することができるのに対して多くのがん細胞はできないということから、ある程度の特異性が生じ得る。
がん化学療法において使用される化学療法剤の例としては、例えば、抗代謝拮抗剤(例えば、葉酸、プリン、及びピリミジン誘導体)及びアルキル化剤(例えば、ナイトロジェンマスタード類、ニトロソウレア類、プラチナ、アルキルスルホン酸塩、ヒドラジン類、トリアゼン類、アジリジン類、紡錘体毒、細胞毒性剤、トポイソメラーゼ阻害剤など)が挙げられる。例示的な薬剤としては、アクラルビシン、アクチノマイシン、アリトレチノイン、アルトレタミン、アミノプテリン、アミノレブリン酸、アムルビシン、アムサクリン、アナグレリド、三酸化ヒ素、アスパラギナーゼ、アトラセンタン、ベロテカン、ベキサロテン、ベンダムスチン、ブレオマイシン、ボルテゾミブ、ブスルファン、カンプトテシン、カペシタビン、カルボプラチン、カルボコン、カルモフール、カルムスチン、セレコキシブ、クロラムブシル、クロルメチン、シスプラチン、クラドリビン、クロファラビン、クリサンタスパーゼ、シクロホスファミド、シタラビン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デシタビン、デメコルシン、ドセタキセル、ドキソルビシン、エファプロキシラール、エレスクロモール、エルサミトルシン、エノシタビン、エピルビシン、エストラムスチン、エトグルシド、エトポシド、フロクスウリジン、フルダラビン、フルオロウラシル(5FU)、フォテムスチン、ゲムシタビン、ギリアデル脳内留置用剤(Gliadel implant)、ヒドロキシカルバミド、ヒドロキシウレア、イダルビシン、イホスファミド、イリノテカン、イロフルベン、イクサベピロン、ラロタキセル、ロイコボリン、ドキソルビシンリポソーム、ダウノルビシンリポソーム、ロニダミン、ロムスチン、ルカントン、マンノスルファン、マソプロコール、メルファラン、メルカプトプリン、メスナ、メトトレキセート、アミノレブリン酸メチル、ミトブロニトール、ミトグアゾン、ミトタン、マイトマイシン、ミトキサントロン、ネダプラチン、ニムスチン、オブリメルセン、オマセタキシン、オルタタキセル、オキサリプラチン、パクリタキセル、ペグアスパラガーゼ、ペメトレキセド、ペントスタチン、ピラルビシン、ピクサントロン、プリカマイシン、ポルフィマーナトリウム、プレドニムスチン、プロカルバジン、ラルチトレキセド、ラニムスチン、ルビテカン、サパシタビン、セムスチン、シチマジーンセラデノベック、ストラタプラチン、ストレプトゾシン、タラポルフィン、テガフール-ウラシル、テモポルフィン、テモゾロミド、テニポシド、テセタキセル、テストラクトン、四硝酸塩、チオテパ、チアゾフリン、チオグアニン、チピファルニブ、トポテカン、トラベクテジン、トリアジコン、トリエチレンメラミン、トリプラチン、トレチノイン、トレオスルファン、トロホスファミド、ウラムスチン、バルルビシン、ベルテポルフィン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビンフルニン、ビノレルビン、ボリノスタット、ゾルビシン、及び本明細書に記載される他の細胞分裂阻害剤又は細胞毒性剤が挙げられる。
一部の薬物は単独よりも合わせることでより良好に機能するため、2種以上の薬物は多くの場合、同時に又は逐次に与えられる。多くの場合、2種以上の化学療法剤は組み合わせ化学療法として使用される。一部の実施形態では、化学療法剤(組み合わせ化学療法を含む。)は、本明細書に記載される組み合わせ(例えば、RAF/MEK二重阻害剤と組み合わせたFAK阻害剤)と組み合わせて使用することができる。
標的療法
一部の実施形態では、本明細書に記載される組み合わせ(例えば、CH5126766又はその薬学上許容され得る塩と組み合わせたVS-6063又はその薬学上許容され得る塩)は標的療法とともに投与される。標的療法は、がん細胞の制御解除されたタンパク質に特異的な薬剤の使用を構成する。低分子標的療法薬は、一般に、がん細胞内の変異した、過剰発現した、又はそうでない場合は重要なタンパク質の酵素ドメインの阻害剤である。よく知られた例は、アキシチニブ、ボスチニブ、セジラニブ、ダサチニブ、エルロチニブ、イマチニブ、ゲフィチニブ、ラパチニブ、レスタウルチニブ、ニロチニブ、セマキサニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、及びバンデタニブなどのチロシンキナーゼ阻害剤、並びにアルボシジブ及びセリシクリブなどのサイクリン依存性キナーゼ阻害剤である。モノクローナル抗体療法は、治療剤ががん細胞の表面のタンパク質に特異的に結合する抗体である別の戦略である。例としては、乳がんにおいて典型的に使用される抗HER2/neu抗体のトラスツズマブ(ハーセプチン(HERCEPTIN)(登録商標))、並びに種々のB細胞悪性腫瘍において典型的に使用される抗CD20抗体のリツキシマブ及びトシツモマブが挙げられる。他の例示的な抗体としては、セツキシマブ、パニツムマブ、トラスツズマブ、アレムツズマブ、ベバシズマブ、エドレコロマブ、及びゲムツズマブが挙げられる。例示的な融合タンパク質としては、アフリベルセプト及びデニロイキンジフチトクスが挙げられる。標的療法はまた、細胞表面受容体に又は影響を受けた腫瘍の周囲の細胞外マトリックスに結合することができる「自動誘導装置」として低分子ペプチドを含み得る。これらのペプチドに結合する放射性核種(例えばRGD)は、細胞の近傍において崩壊する場合、がん細胞を最終的に死滅させる。そのような療法の例としてはベキサール(BEXXAR)(登録商標)が挙げられる。
免疫療法
一部の実施形態では、本明細書に記載される組み合わせ(例えば、CH5126766又はその薬学上許容され得る塩と組み合わせたVS-6063又はその薬学上許容され得る塩)は免疫療法とともに投与される。がん免疫療法とは、患者自身の免疫系を誘導して腫瘍と戦うように設計された治療戦略の多様なセットを指す。腫瘍に対する免疫応答を発生させるための現代の方法としては、膀胱がんのためのIL-2及び膀胱内BCG免疫療法の使用、並びに腎細胞癌、黒色腫、多発性骨髄腫、慢性骨髄性白血病、及び有毛細胞白血病を有する対象における免疫応答を誘導するためのインターフェロン及び他のサイトカインの使用が挙げられる。
同種異系造血幹細胞移植術は、ドナーの免疫細胞が多くの場合移植片対腫瘍効果において腫瘍を攻撃し得るため、免疫療法の一形態と考えることができる。一部の実施形態では、免疫療法剤は、本明細書に記載される組み合わせ(例えば、CH5126766又はその薬学上許容され得る塩と組み合わせたVS-6063又はその薬学上許容され得る塩)と組み合わせて使用することができる。
一部の実施形態では、免疫療法剤は、免疫チェックポイント遮断経路を阻害する化合物(例えば、リガンド、抗体)である。がん免疫療法とは、がんを処置するための免疫系の使用を指す。がんを処置するために使用される免疫療法の3つの主要な群としては、細胞に基づく療法、抗体に基づく療法、及びサイトカイン療法が挙げられる。全ての群は、がん細胞による、免疫系によって検出することができるがん細胞表面への僅かに異なる構造(例えば、分子構造、抗原、タンパク質、分子、炭水化物)の表出を用いる。がん免疫療法(すなわち抗腫瘍免疫療法又は抗腫瘍免疫療法薬)としては、免疫チェックポイント抗体(例えば、PD-1抗体、PD-L1抗体、PD-L2抗体、CTLA-4抗体、TIM3抗体、LAG3抗体、TIGIT抗体)、及びがんワクチン(すなわち抗腫瘍ワクチン)が挙げられる。
一部の実施形態では、免疫療法剤は、抗CTLA-4抗体(例えば、イピリムマブ、トレメリムマブ)、抗TIM3、抗LAG3、又は抗TIGITである。一部の実施形態では、免疫療法剤は、抗PD-1リガンド(例えば、PD-L1(例えばB7-H1又はCD274)又はPD-L2(例えばB7-DC又はCD273))である。一部の実施形態では、免疫療法剤は、抗PD-1抗体(例えば抗PD-1又は抗PD-L1)(例えば、ニボルマブ(すなわち、MDX-1106、BMS-936558、ONO-4538)、CT-011、AMP-224、ペムブロリズマブ、ピジリズマブ、又はMK-3475)である。一部の実施形態では、免疫療法剤は、抗PD-L1抗体(例えば、BMS936559(すなわちMDX-1105)、MEDI4736、MSB0010718C(アベルマブ)、又はMPDL-3280A)である。一部の実施形態では、免疫療法剤は細胞に基づく療法である。一部の実施形態では、細胞に基づく療法はCAR-T療法である。一部の実施形態では、免疫療法剤は共刺激抗体(例えば、抗4-1BB、抗OX40、抗GITR、抗CD27、抗CD40)である。一部の実施形態では、方法は、追加の化学療法剤又は放射線療法を投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、細胞毒性剤を投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、細胞毒性剤はゲムシタビン又はパクリタキセル(例えばナブパクリタキセル)である。一部の実施形態では、免疫療法剤は共刺激抗体(例えば、抗4-1BB、抗OX40、抗GITR、抗CD27、抗CD40)である。
抗炎症剤
一部の実施形態では、本明細書に記載される組み合わせ(例えば、CH5126766又はその薬学上許容され得る塩と組み合わせたVS-6063又はその薬学上許容され得る塩)は抗炎症剤とともに投与することができる。抗炎症剤としては、非ステロイド系抗炎症剤(例えば、サリチル酸塩(アスピリン(アセチルサリチル酸)、ジフルニサル、サルサレート)、プロピオン酸誘導体(イブプロフェン、ナプロキセン、フェノプロフェン、ケトプロフェン、フルルビプロフェン、オキサプロジン、ロキソプロフェン)、酢酸誘導体(インドメタシン、スリンダク、エトドラク、ケトロラク、ジクロフェナク、ナブメトン)、エノール酸(オキシカム)誘導体(ピロキシカム、メロキシカム、テノキシカム、ドロキシカム、ロルノキシカム、イソキシカム)、フェナム酸誘導体(フェナム酸系)(メフェナム酸、メクロフェナム酸、フルフェナム酸、トルフェナム酸)、選択的COX-2阻害剤(コキシブ系)(セレコキシブ)、スルホンアニリド系薬(ニメスリド)が挙げられる。ステロイド(例えば、ヒドロコルチゾン(コルチゾール)、酢酸コルチゾン、プレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、デキサメタゾン、ベタメタゾン、トリアムシノロン、ベクロメタゾン、酢酸フルドロコルチゾン、酢酸デオキシコルチコステロン、アルドステロン)。
鎮痛剤
一部の実施形態では、本明細書に記載される組み合わせ(例えば、CH5126766又はその薬学上許容され得る塩と組み合わせたVS-6063又はその薬学上許容され得る塩)は鎮痛剤とともに投与することができる。鎮痛薬としては、オピエート(例えば、モルヒネ、コデイン、オキシコドン、ヒドロコドン、ジヒドロモルヒネ、ペチジン、ブプレノルフィン、トラマドール、ベンラファキシン)、パラセタモール、及び非ステロイド系抗炎症剤(例えば、サリチル酸塩(アスピリン(アセチルサリチル酸)、ジフルニサル、サルサレート)、プロピオン酸誘導体(イブプロフェン、ナプロキセン、フェノプロフェン、ケトプロフェン、フルルビプロフェン、オキサプロジン、ロキソプロフェン)、酢酸誘導体(インドメタシン、スリンダク、エトドラク、ケトロラク、ジクロフェナク、ナブメトン)、エノール酸(オキシカム)誘導体(ピロキシカム、メロキシカム、テノキシカム、ドロキシカム、ロルノキシカム、イソキシカム)、フェナム酸誘導体(フェナム酸系)(メフェナム酸、メクロフェナム酸、フルフェナム酸、トルフェナム酸)、選択的COX-2阻害剤(コキシブ系)(セレコキシブ)、スルホンアニリド系薬(ニメスリド)が挙げられる。
制吐剤
一部の実施形態では、本明細書に記載される組み合わせ(例えば、CH5126766又はその薬学上許容され得る塩と組み合わせたVS-6063又はその薬学上許容され得る塩)は制吐剤とともに投与することができる。制吐剤としては、5-HT3受容体アンタゴニスト(ドラセトロン(アンゼメット)、グラニセトロン(カイトリル、サンキューソ)、オンダンセトロン(ゾフラン)、トロピセトロン(ナボバン)、パロノセトロン(アロキシ)、ミルタザピン(レメロン))、ドーパミンアンタゴニスト(ドンペリドン、オランザピン、ドロペリドール、ハロペリドール、クロルプロマジン、プロメタジン、プロクロルペラジン、メトクロプラミド(レグラン)、アリザプリド、プロクロルペラジン(コンパジン、ステムジン、ブッカステム、ステメチル、フェノチル)、NK1受容体アンタゴニスト(アプレピタント(イメンド)、抗ヒスタミン薬(シクリジン、ジフェンヒドラミン(ベナドリル)、ジメンヒドリネート(グラボル、ドラマミン)、メクロジン(ボニン、アンチバート)、プロメタジン(ペンタジン、フェネルガン、プロマコット)、ヒドロキシジン)、ベンゾジアザピン系薬(ロラゼパム、ミダゾラム)、抗コリン作動性薬(ヒヨスチン)、ステロイド(デキサメタゾン)が挙げられる。
ホルモン療法
一部の実施形態では、本明細書に記載される組み合わせ(例えば、CH5126766又はその薬学上許容され得る塩と組み合わせたVS-6063又はその薬学上許容され得る塩)はホルモン療法とともに投与される。一部のがんの成長は、ある特定のホルモンを提供又は遮断することによって阻害することができる。ホルモン感受性腫瘍の一般的な例としては、ある特定の種類の乳がん及び前立腺がんが挙げられる。エストロゲン又はテストステロンを除去又は遮断することは多くの場合、重要な追加の処置である。ある特定のがんでは、プロゲストーゲンなどのホルモンアゴニストの投与は、治療的に有益であり得る。一部の実施形態では、ホルモン療法剤は、本明細書に記載される組み合わせ(例えば、CH5126766又はその薬学上許容され得る塩と組み合わせたVS-6063又はその薬学上許容され得る塩)と組み合わせて使用することができる。
放射線療法
一部の実施形態では、本明細書に記載される組み合わせ(例えば、CH5126766又はその薬学上許容され得る塩と組み合わせたVS-6063又はその薬学上許容され得る塩)は、増殖性疾患、例えばがん、例えばがん幹細胞と関連するがんの処置のために、指向性エネルギー若しくは粒子又は放射性同位元素処置、例えば放射線療法、例えば放射線腫瘍学と組み合わせて使用することができる。本発明の方法は、指向性エネルギー若しくは粒子又は放射性同位元素処置とともに対象に同時又は逐次に投与され得る。例えば、本発明の方法は、指向性エネルギー若しくは粒子又は放射性同位元素処置の前、最中又は後に、又はそれらの組み合わせで投与され得る。指向性エネルギー又は粒子療法は、全身照射、局所照射、又はポイント照射を含み得る。指向性エネルギー又は粒子は、加速器、シンクロトロン、核反応、真空管、レーザーを起源とするものでも、放射性同位元素を起源とするものがあり得る。療法は、外照射放射線療法、遠隔療法、近接照射療法、密封線源放射線療法、全身性放射性同位元素療法、又は非密封線源放射線治療を含み得る。療法は、放射性同位元素、例えば、放射性ヨウ素、コバルト、セシウム、カリウム、臭素、フッ素、炭素の摂取又は近接した配置を含み得る。外照射放射線は、指向性アルファ粒子、電子(例えばベータ粒子)、陽子、中性子、陽電子、又は光子(例えば、電波、ミリ波、マイクロ波、赤外、可視、紫外、X線、又はガンマ線光子)を含み得る。放射線は、処置を必要とする対象のいずれの部分を指向してもよい。
外科的処置
一部の実施形態では、本明細書に記載される組み合わせ(例えば、CH5126766又はその薬学上許容され得る塩と組み合わせたVS-6063又はその薬学上許容され得る塩)は、増殖性疾患、例えばがん、例えばがん幹細胞と関連するがんの処置のために、外科的処置、例えば、外科的探索、介入、生検と組み合わせて使用することができる。本発明の方法は、外科的処置とともに対象に同時又は逐次に投与され得る。例えば、本発明の方法は、外科的処置の前(術前)、最中又は後(術後)に、又はそれらの組み合わせで投与され得る。FAK阻害剤(例えばVS-6063)が外科的処置の前(術前)に投与され、RAF/MEK二重阻害剤(例えばCH5126766)が外科的処置の最中又は後(術後)に投与され得る。あるいは、RAF/MEK二重阻害剤(例えばCH5126766)が外科的処置の前(術前)に投与され、FAK阻害剤(例えばVS-6063)が外科的処置の最中又は後(術後)に投与され得る。外科的処置は、1つ又は複数の細胞がさらなる分析のために収集される生検であり得る。生検は、例えば、メス、針、カテーテル、内視鏡、スパチュラ又は剪刀を用いて行われ得る。生検は、切除生検、切開生検、コア生検、又は針生検、例えば針吸引生検であり得る。外科的処置は、がん性であると疑われるか又はがん性であると同定された局在する組織の除去を伴ってもよい。例えば、手術は、がん性病変、しこり、ポリープ、又は黒子の除去を伴ってもよい。手術は、より大量の組織、例えば、乳房、骨、皮膚、脂肪、又は筋肉の除去を伴ってもよい。手術は、器官又は節、例えば、肺、喉、舌、膀胱、子宮頸部、卵巣、精巣、リンパ節、肝臓、膵臓、脳、眼、腎臓、胆嚢、胃、結腸、直腸、又は腸の一部又は全体の除去を伴ってもよい。一実施形態では、がんは乳がん、例えばトリプルネガティブ乳がんであり、外科的処置は乳房切除術又は乳房部分切除術である。
第一選択療法
一部の実施形態では、がんを有するヒト対象を処置する方法であって、対象が第一選択処置(例えばがんのための第一選択療法)に失敗した(例えば、再燃した、非感受性であった、全く若しくはほとんど恩恵を受けなかった)対象である方法が本明細書に記載される。本発明はまた、がんを有するヒト対象を処置する方法であって、本発明の方法が追加の薬剤とともに投与される方法を提供する。一部の実施形態では、追加の薬剤はがんのための第一選択療法である。
第一選択療法は、典型的には、疾患(例えば本明細書に記載されるがん)に関して与えられる第1の処置である。第一選択療法は、多くの場合、一組の標準的な処置、例えば、外科的処置とそれに続く化学療法及び放射線の一部である。単独で使用される場合、第一選択療法は概して最良の処置と考えられている療法である。第一選択療法が疾患を治癒させないか又は重度の副作用を引き起こす場合、他の処置が追加されるか又は代わりに使用され得る。第一選択療法はまた、誘導療法、一次療法、及び一次処置とも称される。
例えば、第一選択療法、例えばホジキンリンパ腫のための第一選択療法としては、アドセトリス(ブレンツキシマブベドチン)、アドリアマイシンPFS(ドキソルビシン塩酸塩)、アドリアマイシンRDF(ドキソルビシン塩酸塩)、アンボクロリン(クロラムブシル)、アンボクロリン(クロラムブシル)、ブレノキサン(ブレオマイシン)、ブレオマイシン、ブレンツキシマブベドチン、クロラムブシル、クラフェン(シクロホスファミド)、シクロホスファミド、シトキサン(シクロホスファミド)、ダカルバジン、ドキソルビシン塩酸塩、DTICドーム(ダカルバジン)、ロイケラン(クロラムブシル)、リンホリジン(クロラムブシル)、ロムスチン、マツラン(プロカルバジン塩酸塩)、ネオサール(シクロホスファミド)、プロカルバジン塩酸塩、ベルバン(ビンブラスチン硫酸塩)、ベルサール(ビンブラスチン硫酸塩)、ビンブラスチン硫酸塩、ビンカサールPFS(ビンクリスチン硫酸塩)、及びビンクリスチン硫酸塩が挙げられ得る。
一部の実施形態では、第一選択療法、例えばホジキンリンパ腫のための第一選択療法は、治療剤、例えば本明細書に記載される治療剤の組み合わせの投与を含む。例えば、組み合わせは、ドキソルビシン塩酸塩(アドリアマイシン)、ブレオマイシン、ビンブラスチン硫酸塩、及びダカルバジン(すなわちABVD)を含み得る。別の例として、組み合わせは、ドキソルビシン塩酸塩(アドリアマイシン)、ブレオマイシン、ビンブラスチン硫酸塩、及びエトポシド(すなわちABVE)を含み得る。一部の実施形態では、組み合わせは、ドキソルビシン塩酸塩(アドリアマイシン)、ブレオマイシン、ビンブラスチン硫酸塩、エトポシド、プレドニゾン、及びシクロホスファミド(すなわちABVE-PC)を含む。一部の実施形態では、組み合わせは、ビンクリスチン硫酸塩、ドキソルビシン塩酸塩(アドリアマイシン)、メトトレキセート、及びプレドニゾン(すなわちVAMP)を含む。
種々のタイプのがんに関する承認された治療剤及び組み合わせは、米国国立衛生研究所の国立がん研究所のがんに関するウェブサイト、http://www.cancer.gov/cancertopics/druginfo/drug-page-indexに見出すことができる。
第二選択療法
一部の実施形態では、がんを有するヒト対象を処置する方法であって、対象が第二選択処置又はそれ以降の処置(例えば、がんのための第二選択療法又はがんのための第三選択療法)に失敗した(例えば、再燃した、非感受性であった、全く若しくはほとんど恩恵を受けなかった)対象である方法が本明細書に記載される。本発明はまた、がんを有するヒト対象を処置する方法であって、本発明の方法が追加の薬剤とともに投与される方法を提供する。一部の実施形態では、追加の薬剤はがんのための第一又は第二選択療法である。第二選択療法とは、一般に、初期の処置(例えば第一選択療法)が所望の結果を実現しない、例えば、効かない、有効ではない、効かなくなる場合に与えられる処置を指す。第二選択療法は、典型的には、対象が初期の処置(例えば第一選択療法)に応答しないか又は耐性を獲得する場合に考慮されるか又は与えられる。例えば、第二選択療法は、典型的には、再燃又は難治性疾患を有する対象に対して考慮されるか又は与えられる。
投与及び用量
本発明の組み合わせは、経口的に、非経口的に、局所的に、直腸的に、又は埋込み式リザーバーを介して、好ましくは経口投与又は注射による投与によって投与され得る。場合によっては、組成物(例えば医薬組成物)のpHは、組成物の安定性又は有効性を増強するために薬学上許容され得る酸、塩基、又は緩衝液を用いて調整され得る。
一部の実施形態では、対象は組成物(例えば医薬組成物)を経口投与される。一部の実施形態では、組成物(例えば医薬組成物)は、リキゲル(liqui-gel)、錠剤若しくはカプセル剤、シロップ剤、エマルション及び水性懸濁液を含む任意の経口的に許容できる剤形で経口投与される。リキゲルは、好適な粘度になるように必要に応じてゼラチン、可塑剤及び/又は乳白剤を含み得、リキゲルは、使用に関して承認された腸溶性コーティング、例えばシェラックを用いてコーティングされ得る。経口剤形として使用される場合、組成物(例えば医薬組成物)の所望の粘度が得られるように、追加の増粘剤、例えば、ガム、例えばキサンタンガム、デンプン、例えばコーンスターチ、又はグルテンが添加され得る。所望の場合、ある特定の甘味剤及び/又は香味剤及び/又は着色剤が添加され得る。
一部の実施形態では、対象は、組成物(例えば医薬組成物)を錠剤、カプセル剤、丸剤、散剤、徐放性製剤、溶液及び懸濁液などの経口投与に好適な形態で投与される。組成物(例えば医薬組成物)は、正確な用量の単回投与に好適な単位剤形であってもよい。医薬組成物は、本明細書に記載される化合物(例えば、FAK阻害剤(例えばVS-6063)、RAF/MEK二重阻害剤(例えばCH5126766))に加えて薬学上許容され得る担体を含んでいてもよく、任意選択で、1種又は複数種の薬学上許容され得る添加剤、例えば、賦形剤、滑沢剤(コーティング剤)、結合剤、崩壊剤、安定剤、香味剤、基剤、分散剤、希釈剤、界面活性剤、乳化剤などをさらに含んでいてもよい。加えて、錠剤は他の医学的又は薬学的薬剤、担体、及び/又はアジュバントを含んでいてもよい。
賦形剤の例としては、デンプン類(デンプン、バレイショデンプン、トウモロコシデンプンなど)、ラクトース、結晶性セルロース、及びリン酸水素カルシウムが挙げられる。
滑沢剤(コーティング剤)の例としては、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、シェラック、タルク、カルナウバワックス、及びパラフィンが挙げられる。
結合剤の例としては、ポリビニルピロリドン及びマクロゴール、並びに賦形剤に関して言及したものと同じ化合物が挙げられる。
崩壊剤の例としては、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム及び架橋ポリビニルピロリドンなどの化学修飾されたデンプン類及びセルロース類、並びに賦形剤に関して言及したものと同じ化合物が挙げられる。
安定剤の例としては、メチルパラベン及びプロピルパラベンなどのパラオキシ安息香酸エステル;塩化ベンザルコニウム;フェノール及びクレゾールなどのフェノール類;チメロサール;デヒドロ酢酸;及びソルビン酸が挙げられる。
香味剤の例としては、一般的に使用される甘味料、酸味料及び香料が挙げられる。
基剤の例としては、ラードなどの脂肪;オリーブ油及びゴマ油などの野菜油;ステアリルアルコール及びセタノールなどの高級アルコール;動物油;ラノリン酸;ワセリン;パラフィン;ベントナイト;グリセリン;及びグリコール油が挙げられる。
分散剤の例としては、セルロース誘導体(アラビアガム、トラガカント、メチルセルロースなど)、ステアリン酸ポリエステル、セスキオレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸アルミニウム、アルギン酸ナトリウム、ポリソルベート、及びソルビタン脂肪酸エステルが挙げられる。
液体製剤における溶媒及び希釈剤の例としては、フェノール、クロロクレゾール、精製水、及び蒸留水が挙げられる。
界面活性剤及び乳化剤の例としては、ポリソルベート80、ステアリン酸ポリオキシル40、及びラウロマクロゴールが挙げられる。
製剤に含有されるRAF/MEK阻害剤(例えばCH5126766)又はFAK(例えばVS-6063)阻害剤の好ましい含有割合は、剤形に応じて異なり得るが、一般に製剤の全重量に対して0.01重量%~100重量%である。
製剤中のRAF/MEK阻害剤(例えばCH5126766)の含有量は、所定の用量に応じて適宜設定され得る。好ましい含有量は、例えば0.01mg~10mgであり、カプセル剤の場合は例えば0.1mg~4mgであり得る。より好ましい含有量は例えば0.8mgである。
例示的な医薬組成物としては、例えばFAK阻害剤(例えばVS-6063)又はRAF/MEK二重阻害剤(例えばCH5126766)を含む圧縮錠剤(例えば直接圧縮錠剤)が挙げられる。
有効成分又は治療成分(例えば本明細書に記載される化合物(例えば、FAK阻害剤(例えばVS-6063)及びRAF/MEK二重阻害剤(例えばCH5126766)))を含む錠剤もまた提供される。有効成分又は治療成分に加えて、錠剤は担体などのいくつかの不活性材料を含有し得る。薬学上許容され得る担体は、滅菌液体、例えば、水、並びに油、例えば、石油、野菜又は合成起源の油、例えば、ピーナッツ油、ゴマ油などであり得る。生理食塩水及び水性デキストロースを液体担体として用いることもできる。したがって、本発明に従った使用のための経口剤形は、薬学的に使用することができる調製物への有効成分の加工を容易にする添加剤及び補助剤を含む1種又は複数種の薬学上許容され得る担体を使用して、従来の方法で製剤化することができる。
添加剤は、良好な粉体流動特性及び圧縮特性を圧縮される材料に付与することができる。添加剤の例は、例えば、Handbook of Pharmaceutical Excipients(第5版),Raymond C Rowe,Paul J.Sheskey,及びSian C.Owen編;出版社:Pharmaceutical Pressに記載されている。
経口投与に関して、有効成分、例えば本明細書に記載される化合物(例えば、FAK阻害剤(例えばVS-6063)、RAF/MEK二重阻害剤(例えばCH5126766))は、当技術分野で周知の薬学上許容され得る担体と組み合わせることによって容易に製剤化することができる。そのような担体は、本発明の有効成分が対象による経口摂取のための錠剤、丸剤、カプセル剤、液体、ゲル、シロップ剤、スラリー、散剤若しくは顆粒剤、水若しくは非水媒体中の懸濁液若しくは溶液などとして製剤化されることを可能にする。経口使用のための薬理学的調製物は固体添加剤を用いて作ることができる。得られる混合物を任意選択で粉砕し、顆粒の混合物を、好適な補助剤を適宜添加した後で加工して、例えば錠剤を得ることができる。希釈剤、結合剤又は崩壊剤などの好適な添加剤は場合により望ましい。また、FAK阻害剤(例えばVS-6063)及びRAF/MEK二重阻害剤(例えばCH5126766)は、上述の方法に従って別々に製剤化することができる。
用量は、用いられる剤形及び利用される投与経路に応じて変更することができる。的確な製剤、投与経路、及び用量は、個々の医師によって患者の状態を考慮して選択され得る(例えば、Finglら,1975,“The Pharmacological Basis of Therapeutics”を参照のこと)。上述の用量よりも低い又は高い用量が必要とされることがある。任意の特定の対象に関する具体的な用量及び処置レジメンは、用いられる具体的な化合物、年齢、体重、全身の健康状況、性別、食事、投与時間、排泄速度、薬物組み合わせ、症状の重症度及び経過、状態又は症状、疾患に対する対象の傾向、状態又は症状、及び処置を行う医師の判断を含む種々の要因に依存し得る。1コースの治療は、本明細書に記載される化合物(例えば、VS-6063若しくはその薬学上許容され得る塩及び/又はCH5126766若しくはその薬学上許容され得る塩)の1回又は複数回の別々の投与を含み得る。
経口剤形は、所望の場合、有効成分を含有する1つ又は複数の単位剤形を含有し得るFDA承認キットなどの包装又はディスペンサー装置として提供され得る。包装は、例えば、金属又はプラスチック箔、例えばブリスターパックを含み得る。包装又はディスペンサー装置は投与に関する指示を付随し得る。包装又はディスペンサーはまた、医薬品の製造、使用又は販売を規制する政府機関によって規定された形態の容器に関連する通知であって、組成物の形態又はヒト若しくは動物への投与に関する機関による承認を反映する通知を付随し得る。そのような通知は、例えば、処方薬に関して米国食品医薬品局によって承認されたラベル表示に関するもの、又は承認された製品添付文書に関するものであり得る。
本発明において使用される投与レジメンは、副作用を最小限に抑え、かつ薬物の効力を維持しつつ、FAK阻害剤(例えばVS-6063)と組み合わせたRAF/MEK二重阻害剤(例えばCH5126766)を長期間投与することを可能にする。加えて、投与レジメン及び組み合わせは、患者への負担を最小限に抑えつつ、細胞増殖性疾患、特にがんを処置又は予防することを可能にする。
定義
本明細書において、冠詞“a”及び“an”は、その冠詞の文法的対象の1つ又は2つ以上(例えば少なくとも1つ)を指す。
本明細書において、「約」及び「およそ」とは、測定の性質又は精度を考慮した、測定された分量に関する許容できる誤差の程度を指す。例示的な誤差の程度は、所与の値又は値の範囲の20パーセント(%)以内、典型的には10%以内、より典型的には5%以内である。
本明細書において、本明細書に記載される疾患又は障害(例えば異常な細胞成長、例えばがん(例えば本明細書に記載されるがん))の処置に有効な化合物の量、すなわち「有効量」又は「有効コース」とは、対象への単回又は複数回投与を行うと、対象の処置において、又は本明細書に記載される疾患又は障害(例えば異常な細胞成長、例えばがん(例えば本明細書に記載されるがん))を有する対象の治癒、軽減、緩和又は改善において、そのような処置の非存在下(例えばプラセボ処置)で予想されるよりも有効である化合物の量を指す。
本明細書において、「薬学上許容され得る」という用語は、本明細書に記載される化合物(例えば、VS-6063若しくはその薬学上許容され得る塩及び/又はCH5126766若しくはその薬学上許容され得る塩)と一緒に対象に投与することができ、その化合物の薬理学的活性を破壊せず、化合物の治療量を送達するのに十分な用量で投与される場合に非毒性である化合物又は担体(例えば添加剤)を指す。
本明細書において、「薬学上許容され得る塩」という用語は、本明細書に記載される化合物(例えば、VS-6063若しくはその薬学上許容され得る塩及び/又はCH5126766若しくはその薬学上許容され得る塩)の誘導体を指し、ここで化合物は既存の酸又は塩基部分をその塩形態に変換することによって修飾される。薬学上許容され得る塩の例としては、アミンなどの塩基性残基の鉱酸塩又は有機酸塩;カルボン酸などの酸性残基のアルカリ塩又は有機塩;などが挙げられる。本開示の薬学上許容され得る塩としては、例えば非毒性の無機又は有機酸から形成された、本明細書に記載される化合物の従来の非毒性塩が挙げられる。本開示の薬学上許容され得る塩は、塩基性又は酸性部分を含有する本明細書に記載される化合物(例えば、VS-6063若しくはその薬学上許容され得る塩及び/又はCH5126766若しくはその薬学上許容され得る塩)から従来の化学的方法によって合成することができる。一般に、そのような塩は、これらの化合物の遊離酸又は塩基形態を化学量論量の適切な塩基又は酸と水中若しくは有機溶媒中又は水と有機溶媒との混合物中で反応させることによって調製することができる。一般に、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール又はアセトニトリルなどの非水媒体が好ましい。好適な塩の一覧は、Remington’s Pharmaceutical Sciences,17th ed,Mack Publishing Company,Easton,Pa.,1985,p.1418及びJournal of Pharmaceutical Science,66,2(1977)(各々、参照されることによってその全体が本明細書に組み込まれる。)に見出される。薬学上許容され得る塩の例としてはまた、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩などの無機酸塩;メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩などのスルホン酸塩;ギ酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩、リンゴ酸塩、コハク酸塩、マロン酸塩、グルコン酸塩、マンデル酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩、フルオロ酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、酒石酸塩、プロピオン酸塩、グルタル酸塩などのカルボン酸塩;リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、セシウム塩、ルビジウム塩などのアルカリ金属塩;マグネシウム塩、カルシウム塩などのアルカリ土類金属塩;及びアンモニウム塩、アルキルアンモニウム塩、ジアルキルアンモニウム塩、トリアルキルアンモニウム塩、テトラアルキルアンモニウム塩などのアンモニウム塩が挙げられる。
本明細書において、「経口剤形」という用語は、対象に薬剤、例えば治療剤、例えば本明細書に記載される化合物を投与するために使用される組成物又は媒体を指す。典型的には、経口剤形は口を介して投与されるが、「経口剤形」は、対象に投与され、例えば口、食道、胃、小腸、大腸及び結腸などの消化管の膜、例えば粘膜を通って吸収される任意の物質を包含することが意図される。例えば、「経口剤形」は、栄養チューブを介して胃に投与される溶液を包含する。
本明細書において、「処置する」又は「処置」という用語は、本明細書に記載される疾患若しくは障害(例えば異常な細胞成長、例えばがん(例えば本明細書に記載されるがん))を治癒させる、癒す、軽減させる、緩和させる、改変する、治す、寛解させる、改善させる、又はそのような疾患若しくは障害に影響を及ぼすことを目的に、対象、例えば本明細書に記載される疾患又は障害(例えば異常な細胞成長、例えばがん(例えば本明細書に記載されるがん))を有しているか、又は本明細書に記載される疾患若しくは障害(例えば異常な細胞成長、例えばがん(例えば本明細書に記載されるがん))、本明細書に記載される疾患若しくは障害(例えば異常な細胞成長、例えばがん(例えば本明細書に記載されるがん))の症状、又は本明細書に記載される疾患若しくは障害(例えば異常な細胞成長、例えばがん(例えば本明細書に記載されるがん))に対する素因を患っている対象への、単独での又は追加の薬剤と組み合わせた化合物の適用又は投与を指す。
「と組み合わせた」又は「と組み合わせて」というフレーズ、並びに「同時投与」、「同時投与すること」又は「同時提供すること」という用語は、本明細書において、本明細書に記載される化合物又は本明細書に記載される療法の投与の文脈で使用される場合、2つ(又は3つ以上)の異なる化合物又は療法が、対象が疾患又は障害(例えばがん)に罹患している間に対象に送達されること、例えば、2つ(又は3つ以上)の異なる化合物又は療法が、対象が疾患又は障害(例えば本明細書に記載される疾患又は障害、例えばがん)を有すると診断された後、かつその疾患若しくは障害が治癒する若しくは排除されるか又は処置が他の理由のために終わる前に、対象に送達されることを意味する。組み合わせは、相乗的結果、すなわち相加的結果よりも大きい、相加的な場合よりも例えば少なくとも20、50、70又は100%大きい結果を実現することができる。
本明細書において、「相乗効果」というフレーズは、2種以上の化合物又は組成物の相加的な場合よりも大きい効果(例えば治療効果)を指す。例示的な相乗効果としては、単独で使用される各阻害剤の相加的治療効果よりも大きい治療効果をもたらす、ある量のRAF/MEK二重阻害剤(例えばCH5126766)と組み合わせて使用される(例えば投与される)ある量のFAK阻害剤(例えばVS-6063)の投与が挙げられる。
本明細書において、「1コースの治療」は治療剤の1回又は複数回の別々の投与を含む。1コースの治療は治療剤の1又は複数のサイクルを含み得る。
「サイクル」とは、本明細書において、薬物の1サイクルの投与という文脈で使用される場合、薬物が患者に投与される一定期間を指す。好ましくは、1サイクルは4週間に等しい。
多くの範囲、例えば1日当たりの投与される薬物の量に関する範囲が本明細書で提供される。一部の実施形態では、範囲は両方の端点を含む。他の実施形態では、範囲は一方又は両方の端点を除く。例として、範囲からは下端点が除かれ得る。したがって、そのような実施形態では、下端点を除く100~400mg/日という範囲は、100mg/日よりも大きく、400mg/日よりも小さい若しくはそれに等しい量を含むことになる。
本明細書において、「対象」という用語は、ヒト及び非ヒト動物を含むことが意図される。一部の実施形態では、対象はヒトである。例示的なヒト対象としては、本明細書に記載される疾患若しくは障害(例えば異常な細胞成長、例えばがん(例えば本明細書に記載されるがん))を有しているか、又は本明細書に記載される疾患若しくは障害(例えば異常な細胞成長、例えばがん(例えば本明細書に記載されるがん))を患っているヒト対象が挙げられる。本発明の「非ヒト動物」という用語には、全ての脊椎動物、例えば非哺乳動物(例えば、ニワトリ、両生類、爬虫類)、並びに哺乳動物、例えば、非ヒト霊長類、飼育動物及び/又は農業上有用な動物、例えば、ヒツジ、イヌ、ネコ、ウシ、ブタなどが含まれる。
「週2回」というフレーズは、RAF/MEK二重阻害剤(例えばCH5126766)が1週間の期間内に2回投与されることを意味する。投与は、同日に2回行ってもよいし、1日に1回、異なる日(連続する日であり得る。)に行ってもよいが、好ましくは異なる日に行われる。より好ましくは、RAF/MEK二重阻害剤(例えばCH5126766)が可能な限り均一な投与間隔、すなわち3~4日の投与間隔で投与されるように、投与は、例えば期間の1及び4日目又は2及び5日目に行われる。1週間の期間は、例えば月曜日に開始されてもよいし、例えば火曜日に開始されてもよい。2回の投与が異なる日に行われる場合、各回の投与はどの時刻に行ってもよいが、好ましくは1日の同時刻(例えば朝食後)に行われる。
本発明の実施形態は例えば下記実施形態1~53を含む。
実施形態1:
がんを有する対象を処置する方法であって、治療有効量の、CH5126766又はその薬学上許容され得る塩と組み合わせたVS-6063又はその薬学上許容され得る塩を対象に投与し、それによって対象を処置するステップを含み、がんがRAS変異を有するがんである、前記方法。
実施形態2:
CH5126766又はその薬学上許容され得る塩がCH5126766のカリウム塩である、実施形態1に記載の方法。
実施形態3:
がんが、卵巣がん、肺がん、結腸がん及び膵臓がんからなる群から選択される、実施形態1又は2に記載の方法。
実施形態4:
がんが卵巣がんである、実施形態1~3のいずれかに記載の方法。
実施形態5:
卵巣がんが低異型度漿液性卵巣がんである、実施形態4に記載の方法。
実施形態6:
がんが肺がんである、実施形態1~3のいずれかに記載の方法。
実施形態7:
がんが結腸がんである、実施形態1~3のいずれかに記載の方法。
実施形態8:
がんが膵臓がんである、実施形態1~3のいずれかに記載の方法。
実施形態9:
CH5126766又はその薬学上許容され得る塩が週2回投与される、実施形態1~8のいずれかに記載の方法。
実施形態10:
VS-6063又はその薬学上許容され得る塩が1日2回投与される、実施形態1~9のいずれかに記載の方法。
実施形態11:
VS-6063又はその薬学上許容され得る塩が1日1回投与される、実施形態1~9のいずれかに記載の方法。
実施形態12:
CH5126766又はその薬学上許容され得る塩とVS-6063又はその薬学上許容され得る塩とが少なくとも3週間投与される、実施形態1~11のいずれかに記載の方法。
実施形態13:
CH5126766又はその薬学上許容され得る塩とVS-6063又はその薬学上許容され得る塩とが、3週間の投与とその後の1週間の休止のサイクルで独立に投与される、実施形態1~12のいずれかに記載の方法。
実施形態14:
CH5126766又はその薬学上許容され得る塩とVS-6063又はその薬学上許容され得る塩とが、3週間の投与とその後の1週間の休止のサイクルで同時に投与される、実施形態1~12のいずれかに記載の方法。
実施形態15:
CH5126766又はその薬学上許容され得る塩が約0.5mg~約10mgの用量で投与される、実施形態1~14のいずれかに記載の方法。
実施形態16:
CH5126766又はその薬学上許容され得る塩が約4mgの用量で投与される、実施形態1~14のいずれかに記載の方法。
実施形態17:
CH5126766又はその薬学上許容され得る塩が3.2mgの用量で投与される、実施形態1~14のいずれかに記載の方法。
実施形態18:
VS-6063又はその薬学上許容され得る塩が約100mg~約400mgの用量で投与される、実施形態1~17のいずれかに記載の方法。
実施形態19:
VS-6063又はその薬学上許容され得る塩が約100mg~約500mgの用量で投与される、実施形態1~17のいずれかに記載の方法。
実施形態20:
VS-6063又はその薬学上許容され得る塩が約200mg~約500mgの用量で投与される、実施形態1~17のいずれかに記載の方法。
実施形態21:
VS-6063又はその薬学上許容され得る塩が約200mg~約600mgの用量で投与される、実施形態1~17のいずれかに記載の方法。
実施形態22:
CH5126766又はその薬学上許容され得る塩が約0.5mg~約10mgの用量で投与され、VS-6063又はその薬学上許容され得る塩が約100mg~約400mgの用量で投与される、実施形態1~14のいずれかに記載の方法。
実施形態23:
CH5126766又はその薬学上許容され得る塩が週2回約4mgの用量で投与され、VS-6063又はその薬学上許容され得る塩が1日2回約200mgの用量で投与される、実施形態1~14のいずれかに記載の方法。
実施形態24:
CH5126766又はその薬学上許容され得る塩が週2回3.2mgの用量で投与され、VS-6063又はその薬学上許容され得る塩が1日2回200mgの用量で投与される、実施形態1~14のいずれかに記載の方法。
実施形態25:
CH5126766又はその薬学上許容され得る塩が週2回約4mgの用量で投与され、VS-6063又はその薬学上許容され得る塩が1日2回約400mgの用量で投与される、実施形態1~14のいずれかに記載の方法。
実施形態26:
CH5126766又はその薬学上許容され得る塩が週2回3.2mgの用量で投与され、VS-6063又はその薬学上許容され得る塩が1日2回400mgの用量で投与される、実施形態1~14のいずれかに記載の方法。
実施形態27:
がんを有する対象を処置する方法であって、治療有効量の、VS-6063又はその薬学上許容され得る塩と組み合わせたCH5126766又はその薬学上許容され得る塩を対象に投与するステップを含む前記方法。
実施形態28:
がんが、卵巣がん、肺がん、結腸がん及び膵臓がんからなる群から選択される、実施形態27に記載の方法。
実施形態29:
がんが卵巣がんである、実施形態27又は28に記載の方法。
実施形態30:
卵巣がんが低異型度漿液性卵巣がんである、実施形態29に記載の方法。
実施形態31:
がんが肺がんである、実施形態27又は28に記載の方法。
実施形態32:
がんが結腸がんである、実施形態27又は28に記載の方法。
実施形態33:
がんが膵臓がんである、実施形態27又は28に記載の方法。
実施形態34:
CH5126766又はその薬学上許容され得る塩が週2回投与される、実施形態27~33のいずれかに記載の方法。
実施形態35:
VS-6063又はその薬学上許容され得る塩が1日2回投与される、実施形態27~34のいずれかに記載の方法。
実施形態36:
VS-6063又はその薬学上許容され得る塩が1日1回投与される、実施形態27~34のいずれかに記載の方法。
実施形態37:
CH5126766又はその薬学上許容され得る塩とVS-6063又はその薬学上許容され得る塩とが少なくとも3週間投与される、実施形態27~36のいずれかに記載の方法。
実施形態38:
CH5126766又はその薬学上許容され得る塩とVS-6063又はその薬学上許容され得る塩とが、3週間の投与とその後の1週間の休止のサイクルで独立に投与される、実施形態27~37のいずれかに記載の方法。
実施形態39:
CH5126766又はその薬学上許容され得る塩とVS-6063又はその薬学上許容され得る塩とが、3週間の投与とその後の1週間の休止のサイクルで同時に投与される、実施形態27~37のいずれかに記載の方法。
実施形態40:
CH5126766又はその薬学上許容され得る塩が約0.5mg~約10mgの用量で投与される、実施形態27~39のいずれかに記載の方法。
実施形態41:
CH5126766又はその薬学上許容され得る塩が約4mgの用量で投与される、実施形態27~39のいずれかに記載の方法。
実施形態42:
CH5126766又はその薬学上許容され得る塩が3.2mgの用量で投与される、実施形態27~39のいずれかに記載の方法。
実施形態43:
VS-6063又はその薬学上許容され得る塩が約100mg~約400mgの用量で投与される、実施形態27~42のいずれかに記載の方法。
実施形態44:
VS-6063又はその薬学上許容され得る塩が約100mg~約500mgの用量で投与される、実施形態27~42のいずれかに記載の方法。
実施形態45:
VS-6063又はその薬学上許容され得る塩が約200mg~約500mgの用量で投与される、実施形態27~42のいずれかに記載の方法。
実施形態46:
VS-6063又はその薬学上許容され得る塩が約200mg~約600mgの用量で投与される、実施形態27~42のいずれかに記載の方法。
実施形態47:
CH5126766又はその薬学上許容され得る塩が約0.5mg~約10mgの用量で投与され、VS-6063又はその薬学上許容され得る塩が約100mg~約400mgの用量で投与される、実施形態27~39のいずれかに記載の方法。
実施形態48:
CH5126766又はその薬学上許容され得る塩が週2回約4mgの用量で投与され、VS-6063又はその薬学上許容され得る塩が1日2回約200mgの用量で投与される、実施形態27~39のいずれかに記載の方法。
実施形態49:
CH5126766又はその薬学上許容され得る塩が週2回3.2mgの用量で投与され、VS-6063又はその薬学上許容され得る塩が1日2回200mgの用量で投与される、実施形態27~39のいずれかに記載の方法。
実施形態50:
CH5126766又はその薬学上許容され得る塩が週2回約4.0mgの用量で投与され、VS-6063又はその薬学上許容され得る塩が1日2回約400mgの用量で投与される、実施形態27~39のいずれかに記載の方法。
実施形態51:
CH5126766又はその薬学上許容され得る塩が週2回3.2mgの用量で投与され、VS-6063又はその薬学上許容され得る塩が1日2回400mgの用量で投与される、実施形態27~39のいずれかに記載の方法。
実施形態52:
がんがRAS又はBRAFにおける変異によって引き起こされる、実施形態27~51のいずれかに記載の方法。
実施形態53:
がんがKRAS変異又はNRAS変異によって引き起こされる、実施形態27~51のいずれかに記載の方法。
以下の代表的な例は、本発明を例証することを補助することが意図されており、本発明の範囲を限定することは意図されておらず、またそのように解釈されるべきでもない。
下記実施例1及び2並びに下記表1~4において、「CH5126766」はCH5126766のカリウム塩を意味し、「VS-6063」はVS-6063塩酸塩を意味する。
実施例1. 進行固形腫瘍を有する患者におけるVS-6063(FAK阻害剤)とCH5126766(RAF/MEK二重阻害剤)との組み合わせに関する第I相試験[NCT03875820]
方法:
本研究では、用量漸増(dose escalation)コホート、必須生検(mandatory biopsy)コホート、及び拡大(expansion)コホートを探索した。CH5126766を週2回投与し、VS-6063を1日2回(BD)投与した。各サイクルは、3週間投与/1週間休止(1サイクル=4週間)ベースで両方の薬物を投与することからなった。漸増コホートでは3つの用量レベルを探索した。用量レベル1は3.2mg CH5126766+200mg BDのVS-6063のスケジュールを、用量レベル2Aは4mg CH5126766+200mg BDのVS-6063のスケジュールを、用量レベル2Bは3.2mg CH5126766+400mg BDのVS-6063のスケジュールを含んだ。同じ用量レベルの6名の患者のうちプロトコールに指定された薬物関連毒性(DLT)を経験する患者が1名以下である最大用量を決定した。CH5126766及びVS-6063の安全性及び毒性プロファイルを評価した。米国国立がん研究所(NCI)の有害事象共通用語規準(CTCAE)バージョン4.0による各有害事象の因果関係及び段階的重症度を決定した。RECIST規準バージョン1.1による疾患応答(disease response)を2サイクルごとに検査した。血清腫瘍マーカーも適格な患者に関して検査した。また、無増悪生存期間に関連するデータを収集した。
所見:
用量漸増における最も一般的な副作用は、発疹、並びに非用量制限性の悪心及び高ビリルビン血症であった。DLTは、コホート1及び2Aのいずれにおいても観察されなかった。第1サイクルにおける投与の中断又は用量の減少を必要とするグレード2の発疹のDLTがコホート2B(用量レベル2Bに対応)において見られ、そのため、コホート2A(用量レベル2Aに対応)を第2相推奨用量(R2PD)とした。KRAS変異を有する卵巣がん(3例の低異型度漿液性及び1例の粘液性腺癌)、応答に関して評価可能なKRAS変異肺がんは部分奏効(partial response)を有した。2例のNRAS変異結腸/直腸がんは、処置されて、50%を超えるCEAレベルの低下を示し、安定(stable disease)を示した。KRAS変異を有する膵臓がんは、小奏効(minor response)(第2、第4及び第6サイクルにおいてそれぞれ-19%、-14%及び-11%)を示し、50%を超えるCA19-9レベルの低下を示した。
これまでに得られた疾患応答、血清腫瘍マーカー及び処置期間に関する代表的な結果を実施例2に示した。
結論:
KRAS及び/又はNRAS変異を有する卵巣がん及び他の腫瘍を有する患者において、CH5126766とVS-6063との組み合わせは忍容性及び高度の活性を示す。
実施例2. 進行固形腫瘍を有する患者におけるCH5126766とVS-6063との組み合わせ
下記表1~4において、「CH」はCH5126766のカリウム塩を表し、「VS」はVS-6063塩酸塩を表す。CH5126766のカリウム塩は週2回投与され、VS-6063塩酸塩は1日2回(BID)投与された。各サイクルは、3週間投与/1週間休止(1サイクル=4週間)ベースで両方の薬物を投与することからなった。「PR」は部分奏効(Partial Response)を表し、「SD」は安定(Stable Disease)を表し、「N/A」はデータなしを表す。
Figure 2022172480000004
Figure 2022172480000005
Figure 2022172480000006
Figure 2022172480000007

Claims (36)

  1. 対象におけるがんを処置するための医薬であって、CH5126766又はその薬学上許容され得る塩を有効成分として含有し、CH5126766又はその薬学上許容され得る塩がVS-6063又はその薬学上許容され得る塩と組み合わせて投与されるように用いられる前記医薬。
  2. がんが、卵巣がん、肺がん、結腸がん及び膵臓がんからなる群から選択される、請求項1に記載の医薬。
  3. がんが卵巣がんである、請求項1又は2に記載の医薬。
  4. 卵巣がんが低異型度漿液性卵巣がんである、請求項3に記載の医薬。
  5. がんが肺がんである、請求項1又は2に記載の医薬。
  6. 肺がんが非小細胞肺がんである、請求項5に記載の医薬。
  7. がんが結腸がんである、請求項1又は2に記載の医薬。
  8. がんが膵臓がんである、請求項1又は2に記載の医薬。
  9. CH5126766又はその薬学上許容され得る塩が週2回投与されるように用いられる、請求項1~8のいずれか一項に記載の医薬。
  10. VS-6063又はその薬学上許容され得る塩が1日2回投与されるように用いられる、請求項1~9のいずれか一項に記載の医薬。
  11. VS-6063又はその薬学上許容され得る塩が1日1回投与されるように用いられる、請求項1~9のいずれか一項に記載の医薬。
  12. CH5126766又はその薬学上許容され得る塩とVS-6063又はその薬学上許容され得る塩とが少なくとも3週間投与されるように用いられる、請求項1~11のいずれか一項に記載の医薬。
  13. CH5126766又はその薬学上許容され得る塩とVS-6063又はその薬学上許容され得る塩とが、3週間の投与とその後の1週間の休止のサイクルで独立に投与されるように用いられる、請求項1~12のいずれか一項に記載の医薬。
  14. CH5126766又はその薬学上許容され得る塩とVS-6063又はその薬学上許容され得る塩とが、3週間の投与とその後の1週間の休止のサイクルで同時に投与されるように用いられる、請求項1~12のいずれか一項に記載の医薬。
  15. CH5126766又はその薬学上許容され得る塩が約0.5mg~約10mgの用量で投与されるように用いられる、請求項1~14のいずれか一項に記載の医薬。
  16. CH5126766又はその薬学上許容され得る塩が約4mgの用量で投与されるように用いられる、請求項1~14のいずれか一項に記載の医薬。
  17. CH5126766又はその薬学上許容され得る塩が3.2mgの用量で投与されるように用いられる、請求項1~14のいずれか一項に記載の医薬。
  18. VS-6063又はその薬学上許容され得る塩が約100mg~約400mgの用量で投与されるように用いられる、請求項1~17のいずれか一項に記載の医薬。
  19. VS-6063又はその薬学上許容され得る塩が約100mg~約500mgの用量で投与されるように用いられる、請求項1~17のいずれか一項に記載の医薬。
  20. VS-6063又はその薬学上許容され得る塩が約200mg~約500mgの用量で投与されるように用いられる、請求項1~17のいずれか一項に記載の医薬。
  21. VS-6063又はその薬学上許容され得る塩が約200mg~約600mgの用量で投与されるように用いられる、請求項1~17のいずれか一項に記載の医薬。
  22. VS-6063又はその薬学上許容され得る塩が約200mgの用量で投与されるように用いられる、請求項1~17のいずれか一項に記載の医薬。
  23. VS-6063又はその薬学上許容され得る塩が約400mgの用量で投与されるように用いられる、請求項1~17のいずれか一項に記載の医薬。
  24. CH5126766又はその薬学上許容され得る塩が約0.5mg~約10mgの用量で投与され、VS-6063又はその薬学上許容され得る塩が約100mg~約400mgの用量で投与されるように用いられる、請求項1~14のいずれか一項に記載の医薬。
  25. CH5126766又はその薬学上許容され得る塩が週2回約4mgの用量で投与され、VS-6063又はその薬学上許容され得る塩が1日2回約200mgの用量で投与されるように用いられる、請求項1~14のいずれか一項に記載の医薬。
  26. CH5126766又はその薬学上許容され得る塩が週2回3.2mgの用量で投与され、VS-6063又はその薬学上許容され得る塩が1日2回200mgの用量で投与されるように用いられる、請求項1~14のいずれか一項に記載の医薬。
  27. CH5126766又はその薬学上許容され得る塩が週2回約4.0mgの用量で投与され、VS-6063又はその薬学上許容され得る塩が1日2回約400mgの用量で投与されるように用いられる、請求項1~14のいずれか一項に記載の医薬。
  28. CH5126766又はその薬学上許容され得る塩が週2回3.2mgの用量で投与され、VS-6063又はその薬学上許容され得る塩が1日2回400mgの用量で投与されるように用いられる、請求項1~14のいずれか一項に記載の医薬。
  29. CH5126766又はその薬学上許容され得る塩が経口投与されるように用いられる、請求項1~28のいずれか一項に記載の医薬。
  30. VS-6063又はその薬学上許容され得る塩が経口投与されるように用いられる、請求項1~29のいずれか一項に記載の医薬。
  31. CH5126766の薬学上許容され得る塩としてCH5126766のカリウム塩を含む、請求項1~30のいずれか一項に記載の医薬。
  32. がんがRAS、BRAF又はNF-1における変異を有する、請求項1~31のいずれか一項に記載の医薬。
  33. がんがRASにおける変異を有する、請求項1~31のいずれか一項に記載の医薬。
  34. がんがHRAS、KRAS又はNRASにおける変異を有する、請求項1~31のいずれか一項に記載の医薬。
  35. がんがEGFR、FGFR、ALK、ROS1、PI3K、NF-1、BRAF、HRAS、KRAS又はNRASにおける変異を有する、請求項1~31のいずれか一項に記載の医薬。
  36. がんがKRAS又はNRASにおける変異を有する、請求項1~31のいずれか一項に記載の医薬。
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