JP2022171123A - 感熱記録材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】顕色剤として4-ヒドロキシジフェニルスルホン誘導体に足りない耐可塑剤性を向上させた感熱記録材料を提供する。【解決手段】常温で無色ないし淡色の塩基性染料と、加熱により前記塩基性染料と接触して呈色し得る顕色剤とを含有する感熱記録層を支持体上に設けた感熱記録材料であって、前記顕色剤が、下記一般式(1)で表される4-ヒドロキシジフェニルスルホン誘導体、及び、下記一般式(2)で表されるN-置換アミノ酸誘導体を含む、感熱記録材料。(一般式(2)中、R0はアルキル基、又はアリール基を表す。Xは、YのN末端に結合する基である。Yは、アミノ酸残基又はペプチド残基を表す。Zは、YのC末端に結合する基であって、OH基又はOR”基を表す。R”はカルボキシ保護基を表す。)(R0-X)-Y-(Z)・・・(2)[化1]TIFF2022171123000007.tif24170【選択図】なし

Description

本発明は感熱記録材料に関し、詳しくは、顕色剤として4-ヒドロキシジフェニルスルホン誘導体及び、N-置換アミノ酸誘導体を併用する感熱記録材料に関する。
一般に、感熱記録材料は常温で無色ないし淡色の塩基性染料と有機顕色剤とを感熱ヘッド、熱ペン等の熱エネルギー(ジユール熱)を加えることにより発色記録が得るようにした感熱記録材料はすでに広く実用化されている。
その感熱記録材料に求められる性能として、種々の環境条件における未印字部の白色度、印字部の発色濃度とその印字部の保存安定性などが挙げられる。
印字部の保存安定性は、印字部が熱や高湿度の環境下に置かれた場合の安定性、水が付着した場合の安定性、油類やアルコール類の付着した場合の安定性、又は財布等の革製品に使用される鞣しや合成革やフィルム製品の可塑性を出すのに使用される可塑剤に付着した場合の安定性等、これらの外的要因によって印字部の残存性の性能を意味する。
特に、感熱記録材料はPOSレジ用紙に多く使用される。POSレジ用紙は革や合成革製品の財布に長期に保管されることが有り、POSレジ用紙の印字部が可塑剤によって消失する可能性がある。
一方、食品ラベルの用途では、使用されるラップ等のフィルム製品が、食品ラベル用紙に直接触れることがあり、フィルム製品の可塑剤によって、食品ラベル用紙の印字部が消失する可能性がある。このように印字部の耐可塑剤性は、感熱記録材料の保存安定性における最重要項目の一つである。
一方、感熱記録材料によって形成される印字部の要求性能は、感熱記録材料の主成分である塩基性染料、顕色剤、増感剤に拠るところが大きく、とりわけ、顕色剤の影響が大きい。顕色剤としては、フェノール系化合物、スルホニル尿素化合物など石油化学由来の合成化合物が提案されてきた(特許文献1)。その中でもフェノール系化合物が数多く開発され、実用化されている。
例えば、4,4’-イソプロピリデンジフェノール(特許文献1)、4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホン(特許文献2)、ビス-(3-アリル-4-ヒドロキシフェニル)スルホン(特許文献3)、4-アリルオキシ-4’-ヒドロキシ-ジフェニルスルホン(特許文献4)、4-ヒドロキシ-4’-イソプロピルオキシ-ジフェニルスルホン(特許文献4)などが提案されている。
また、アミノ酸を主原料としたアシル化アミノ酸を用いる非フェノール系顕色剤の使用(特許文献5)、アミノ酸と糖類の加熱による褐変反応(メイラード反応)を応用して画像を得る感熱記録材料の提案もなされている(特許文献6)。
米国特許第3539375号明細書 特開昭57-11088号公報 特開昭60-208286号公報 特開2002-052842号公報 特開平07-109423号公報 特開2005-254764号公報
ジフェニルスルホン誘導体は感熱記録材料の顕色剤として使用されているが、要求性能に対して充分といえるものではなかった。
特許文献5の、天然アミノ酸を主原料としたアシル化アミノ酸を用いる顕色剤の使用については、アシル化物は発色濃度、白色度や未印字部・印字部等の各種保存安定性などにおいて、その品質性能は感熱記録材料の顕色剤としての要求性能に達していない。
特許文献6のアミノ酸と糖類の加熱による褐変反応(メイラード反応)を応用して画像を得る提案も、顕色剤としての要求性能を満足するものではない。
ジフェニルスルホン誘導体は特に耐可塑剤性については殆ど印字部が消失する欠点を有していた。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、顕色剤として4-ヒドロキシジフェニルスルホン誘導体に足りない、耐可塑剤性を向上させた感熱記録材料を提供することを課題とする。
本発明者等は、ジフェニルスルホン誘導体を顕色剤として使用することにより、感熱記録材料の耐可塑剤性を向上させることを種々検討した結果、顕色剤として4-ヒドロキシジフェニルスルホン誘導体、及び、N-置換アミノ酸誘導体を併用することにより、感熱記録材料の発色濃度、白色度、良好な各種の保存特性を低下させずに、特に最重要事項である耐可塑剤性を更に向上させることが判明し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下の、感熱記録材料を提供する。
[1] 常温で無色ないし淡色の塩基性染料と、加熱により前記塩基性染料と接触して呈色し得る顕色剤とを含有する感熱記録層を支持体上に設けた感熱記録材料であって、前記顕色剤が、下記一般式(1)で表される4-ヒドロキシジフェニルスルホン誘導体、及び、下記一般式(2)で表されるN-置換アミノ酸誘導体を含む、感熱記録材料。
Figure 2022171123000001
(一般式(1)中、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、C1~C8のアルキル基、C7~C11のアラルキル基又はアリル基を表す。)
(R-X)-Y-(Z) ・・・(2)
(一般式(2)中、RはC6~C10のアリール基を有するアルキル基、又は、C1~C8のアルキル基、C7~C11のアラルキル基、C6~C10のアリール基、若しくはC1~C8のアルコキシ基の置換基を有していてもよいアリール基を表す。
Xは、YのN末端に結合する基であって、-OCO-、-SONHCO-、-NHCO-、-NHCS-、又は-SO-を表わす。
Yは、アミノ酸残基又はペプチド残基を表わし、Y基中の、セリン残基、スレオニン残基、アスパラギン酸残基、グルタミン酸残基、又はチロシン残基のOH基は、OR基又はOR”基に置換していてもよく、システイン残基のSH基は、SR基又はSR”基に置換していてもよく、ヒスチジン残基のNH基は、NR基又はNR’基に置換していてもよく、リシン残基又はオルニチン残基のNH基は、NHR基又はNHR’基に置換していてもよく、R’はアミノ保護基を表し、R”はカルボキシ保護基を表す。
Zは、YのC末端に結合する基であって、OH基又はOR”基を表す。
複数のR、R’、R”は同じであっても、異なっていてもよく、互いに結合して環を形成していてもよい。
ただし、Yは、シスチン残基以外のアミノ酸残基又はシスチン残基を有さないペプチド残基である。)
[2] 前記一般式(1)で表される4-ヒドロキシジフェニルスルホン誘導体が、4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4-ジヒドロキシジフェニルスルホン、4-ヒドロキシ-4’-イソプロポキシジフェニルスルホン、4-ヒドロキシ-4’-プロポキシジフェニルスルホン、4-ヒドロキシ-4’-ベンジルオキシジフェニルスルホン、ビス(3-アリル-4-ヒドロキシフェニル)スルホン、4-[(4-アリルオキシ)フェニルスルホニル]フェノール及び4-ベンジルオキシ-4’-ヒドロキシジフェニルスルホンから選ばれる少なくとも1つである、[1]に記載の感熱記録材料。
[3] 前記一般式(2)で表されるN-置換アミノ酸誘導体が、N-(m-トリルアミノカルボニル)-フェニルアラニン又はN-(フェニルアミノカルボニル)-フェニルアラニンである、[1]又は[2]に記載の感熱記録材料。
[4] 前記感熱記録層における、前記一般式(2)で表されるN-置換アミノ酸誘導体の含有量が、前記一般式(1)で表される4-ヒドロキシジフェニルスルホン誘導体100質量部に対して、3質量部以上である、[1]~[3]のいずれか一項に記載の感熱記録材料。
本発明は、顕色剤としてジフェニルスルホン誘導体に足りない耐可塑剤性を向上させた感熱記録材料を提供する。
本実施形態の感熱記録材料は、常温で無色ないし淡色の塩基性染料と、加熱により前記塩基性染料と接触して呈色し得る顕色剤とを含有する感熱記録層を支持体上に設けた感熱記録材料であって、前記顕色剤が、下記一般式(1)で表される4-ヒドロキシジフェニルスルホン誘導体、及び、下記一般式(2)で表されるN-置換アミノ酸誘導体を含む。
Figure 2022171123000002
一般式(1)中、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、C1~C8のアルキル基、C7~C11のアラルキル基又はアリル基を表す。
、R及びRのC1~C8のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、2-メチルペンチル基、2-メチルヘキシル基、2-エチルペンチル基、2-エチルヘキシル基、3-メチルペンチル基、3-メチルヘキシル基、3-エチルペンチル基、3-エチルヘキシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、2-メチルシクロプロピル基、シクロプロピルメチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。R、R及びRのC1~C8のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、又はtert-ブチル基が好ましく、プロピル基又はイソプロピル基がより好ましい。RのC1~C8のアルキル基として、プロピル基又はイソプロピル基が特に好ましい。
、R及びRのC7~C11のアラルキル基としては、フェニルメチル基又はナフチルメチル基が挙げられる。ナフチルメチル基としては、1-ナフチルメチル基又は2-ナフチルメチル基が挙げられる。R、R及びRのC7~C11のアラルキル基としては、フェニルメチル基が好ましく、RのC7~C11のアラルキル基として、フェニルメチル基が特に好ましい。
、R及びRのアリル基としては、R及びRがアリル基であることが好ましい。
一般式(1)で表される4-ヒドロキシジフェニルスルホン誘導体として、4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4-ジヒドロキシジフェニルスルホン、4-ヒドロキシ-4’-イソプロポキシジフェニルスルホン、4-ヒドロキシ-4’-プロポキシジフェニルスルホン、4-ヒドロキシ-4’-ベンジルオキシジフェニルスルホン、ビス(3-アリル-4-ヒドロキシフェニル)スルホン、4-[(4-アリルオキシ)フェニルスルホニル]フェノール及び4-ベンジルオキシ-4’-ヒドロキシジフェニルスルホン、等が挙げられる。
以下、本明細書において、4-ヒドロキシジフェニルスルホン誘導体を、顕色剤(B)という。
感熱記録層において、前記顕色剤(B)の含有量は、発色濃度の観点から、感熱記録層の塩基性染料100質量部に対して、30~800質量部が好ましく、50~500質量部がより好ましく、100~400質量部がさらに好ましい。
本実施形態の感熱記録材料において、前記顕色剤は、下記一般式(2)で表されるN-置換アミノ酸誘導体を含む。
(R-X)-Y-(Z) ・・・(2)
一般式(2)中、RはC6~C10のアリール基を有するアルキル基、又は、C1~C8のアルキル基、C7~C11のアラルキル基、C6~C10のアリール基、若しくはC1~C8のアルコキシ基の置換基を有していてもよいアリール基を表す。C6~C10のアリール基を有するアルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、o-トリルメチル基、m-トリルメチル基、p-トリルメチル基、o-トリルエチル基、m-トリルエチル基、p-トリルエチル基等が挙げられる。C1~C8のアルキル基の置換基を有してもよいアリール基としては、o-トリル基、m-トリル基、p-トリル基、1-エチルフェニル基、2-エチルフェニル基、3-エチルフェニル基、1-プロピルフェニル基、2-プロピルフェニル基、3-プロピルフェニル基、1-ブチルフェニル基、2-ブチルフェニル基、3-ブチルフェニル基、1-ペンチルフェニル基、2-ペンチルフェニル基、3-ペンチルフェニル基などが挙げられる。C7~C11のアラルキル基の置換基を有していてもよいアリール基としては、p-ベンジルビフェニル基などが挙げられる。C6~C10のアリール基の置換基を有していてもよいアリール基としては、ビフェニル基、3,3’-ジメチルビフェニル基などが挙げられる。C1~C8のアルコキシ基の置換基を有していてもよいアリール基としては、6-メトキシフェニル基などが挙げられる。
Xは、YのN末端に結合する基であって、-OCO-、-SONHCO-、-NHCO-、-NHCS-、又は-SO-(スルホニル基)を表わす。
Yは、アミノ酸残基又はペプチド残基を表わし、Y基中の、セリン残基、スレオニン残基、アスパラギン酸残基、グルタミン酸残基、又はチロシン残基のOH基は、OR基又はOR”基に置換していてもよく、システイン残基のSH基は、SR基又はSR”基に置換していてもよく、ヒスチジン残基のNH基は、NR基又はNR’基に置換していてもよく、リシン残基又はオルニチン残基のNH基は、NHR基又はNHR’基に置換していてもよく、R’はアミノ保護基を表し、R”はカルボキシ保護基を表す。
Y基中のヒスチジン残基のNH基、又は、リシン残基若しくはオルニチン残基のNH基を保護するアミノ保護基(R’基)として、RX基が挙げられ、この他に、アシル基、アルキル基が挙げられる。Y基中のアスパラギン酸残基又はグルタミン酸残基を保護するカルボキシ保護基(R”基)として、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基などが挙げられる。また、Y基中のセリン残基、スレオニン残基、若しくはチロシン残基のOH基、又はシステイン残基のSH基の保護基として、前記カルボキシ保護基(R”基)が挙げられる。
Zは、YのC末端に結合する基であって、OH基又はOR”基を表す。
複数のR、R’、R”は同じであっても、異なっていてもよく、互いに結合して環を形成していてもよい。
ただし、Yは、シスチン残基以外のアミノ酸残基又はシスチン残基を有さないペプチド残基である。
前記一般式(2)で表されるN-置換アミノ酸誘導体は、ショッテンバウマン反応などの公知の方法を適用することによりアミノ酸またはアミノ酸誘導体とスルホン酸塩化物やイソシアネート化合物などから容易に製造することができる。
前記一般式(2)で表されるN-置換アミノ酸誘導体の構成成分として利用されるアミノ酸、ペプチド及びこれらのエステル、アミドは、L-体あるいはD-体あるいはDL-体であってもよい。天然アミノ酸であってもよく、非天然アミノ酸であってもよく、α-アミノ酸であってもよく、β-アミノ酸であってもよい。エステルはC1~C4のアルキルエステル、アリールエステル、アラルキルエステルであり、アミドはアミド、アルキル置換アミド、アリール置換アミドなどである。
具体的には、グリシン、グリシンメチルエステル、グリシンエチルエステル、グリシン-tert-ブチルエステル、グリシンフェニルエステル、グリシンp-クレジルエステル、グリシンm-クレジルエステル、グリシンベンジルエステルなどのエステル誘導体、グリシンアミド、N’-メチルグリシンアミド、グリシルアニリドなどのアミド誘導体、フェニルグリシン、フェニルグリシンメチルエステル、フェニルグリシンエチルエステル、フェニルグリシンベンジルエステルなどのエステル誘導体、フェニルグリシンアミド、アラニン、アラニンメチルエステル、アラニンエチルエステル、アラニンベンジルエステルなどのエステル誘導体、アラニンアミド、フェニルアラニン、ナフチルアラニン、フェニルアラニンメチルエステル、フェニルアラニンエチルエステル、フェニルアラニンベンジルエステルなどのエステル誘導体、
フェニルアラニンアミド、N’-メチルフェニルアラニンアミド、フェニルアラニルアニリドなどのアミド誘導体、バリン、バリンメチルエステル、バリンメチルエステル、バリンイソプロピルエステル、バリン-tert-ブチルエステル、バリンベンジルエステルなどのエステル誘導体、バリンアミド、ロイシン、ロイシンメチルエステル、イソロイシン、セリン、o-メチルセリン、o-ベンジルセリンなどのo-置換セリン、セリンメチルエステル、セリンベンジルエステルなどのエステル誘導体、スレオニン、o-メチルスレオニン、o-ベンジルスレオニンなどのo-置換スレオニン、スレオニンメチルエステル、スレオニン-tert-ブチルエステルなどのエステル誘導体、
チロシン、o-メトキシチロシン、o-ベンジルオキシチロシン、チロシンなどのo-置換チロシン、3-(3’,4’-ジヒドロキシフェニル)アラニン(DOPA)、チロシンメチルエステル、チロシンベンジルエステルなどのエステル誘導体、チロシンアミド、プロリン、ヒドロキシプロリン、プロリンメチルエステル、プロリン-tert-ブチルエステル、プロリンベンジルエステルなどのエステル誘導体、プロリンアミド、リシン、オルニチン、リシンメチルエステル、リシンエチルエステル、リシンベンジルエステル、オルニチンメチルエステル、オルニチンエチルエステル、オルニチンベンジルエステルなどのエステル誘導体、
アルギニン、アルギニンメチルエステル、アルギニンエチルエステル、ヒスチジン、ヒスチジンメチルエステル、トリプトファン、トリプトファンメチルエステル、トリプトファンベンジルエステル、トリプトファンアミド、システイン、シスチン、S-メチルシステイン、S-エチルシステイン、S-ベンジルシステイン、S-フェニルシステインなどのS-置換システイン、システインメチルエステル、システインベンジルエステルなどのエステル誘導体及びシステインスルホキシドとスルホンなどのS-酸化誘導体、メチオニン、メチオニンスルホキシド、メチオニンスルホンなどのS-酸化誘導体、メチオニンメチルエステル、メチオニンベンジルエステルなどのエステル誘導体、メチオニンアミド、アスパラギン酸、アスパラギン酸メチルエステル、アスパラギン酸エチルエステル、アスパラギン酸ベンジルエステルなどのエステル誘導体、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン酸メチルエステル、グルタミン酸エチルエステル、グルタミン酸ベンジルエステルなどのエステル誘導体、グルタミンが挙げられる。更に、ホモセリン、ホモシステイン、ノルロイシンなどのアミノ酸及びその誘導体であってもよい。また、β-アラニン、5-アミノバレリン酸、7-アミノヘプタン酸などC1~C8のアミノカルボン酸なども選ばれる。
ペプチドはグリシルグリシン、グリシルグリシンメチルエステル、グリシルグリシンアミド、グリシルアラニン、グリシルアラニンメチルエステル、グリシルバリン、グリシルロイシン、グリシルフェニルアラニン、グリシルフェニルアラニンメチルエステル、グリシルフェニルアラニンアミド、グリシルプロリン、アラニルアラニン、アラニルプロリン、アラニルメチオニン、アラニルメチオニンメチルエステル、アラニルフェニルアラニン、グリシルグリシルグリシンなどが挙げられる。
前記一般式(2)で表されるN-置換アミノ酸誘導体は、アミノ基が保護されたアミノ酸やペプチド及びその誘導体であり、その保護基はアミノ酸化学あるいはペプチド合成化学の分野で数多く利用されている。
本実施形態の感熱記録材料における前記一般式(2)で表されるN-置換アミノ酸誘導体の、N-置換基により形成される官能基(-XNH-基)として、スルホニルアミノ基、ウレタン基、(チオ)尿素基(ウレイッド)、スルホニル尿素基が挙げられる。これらの官能基は、例えば、スルホニルアミノ基は塩化アリールスルホニルから誘導される。
ウレタン基はクロロギ酸ベンジルエステルなどのクロロギ酸エステルあるいは炭酸ジフェニルなどの炭酸エステルなどから誘導される。(チオ)尿素基は、イソ(チオ)シアン酸フェニルなどのイソ(チオ)シアン酸エステルから誘導される。スルホニル尿素はトルエンスルホニルイソシアネートなどのスルホニル尿素から誘導される。
具体的には、スルホニルアミノ基を形成する化合物(X1)としては、塩化ベンゼンスルホニル、塩化p-トルエンスルホニル、塩化m-トルエンスルホニル、塩化o-トルエンスルホニル、塩化p-メトキシベンゼンスルホニル、塩化p-キシレンスルホニル、塩化m-キシレンスルホニル、塩化メシチレンスルホニル、塩化1-ナフタレンスルホニル、塩化2-ナフタレンスルホニルなどの塩化物及び臭化物、ヨウ化物などがあげられる。
ウレタン基を形成する化合物(X2)としては、クロロギ酸ベンジルエステル、クロロギ酸フェニルエステルなどのハロゲン化ギ酸エステル、炭酸ジフェニル、炭酸ジベンジルなどの炭酸エステルなどが挙げられる。
(チオ)尿素基を形成する化合物(X3)としては、ベンジルイソシアネート、フェニルイソシアネート、p-トリルイソシアネート、m-トリルイソシアネート、o-トリルイソシアネート、1-ナフチルイソシアネート、2-ナフチルイソシアネート、1,4-フェニレンジイソシアネート、1,3-フェニレンジイソシアネート、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、p-キシリレンジイソシアネート、m-キシリレンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイル=ジイソシアネート、4,4’-ジイソシアナート-3,3’-ジメチルビフェニル、メチレンジフェニル-4,4‘-ジイソシアナート、4,4’-ジイソシアナート-3,3’-ジメチルジフェニルメタン、フェニルイソチオシアネート、m-トリルイソチオシアネート、p-トリルイソチオシアネートなどが挙げられる。
スルホニル尿素基を形成する化合物(X4)としては、ベンゼンスルホニルイソシアネート、p-トルエンスルホニルイソシアネートなどが挙げられる。
前記一般式(2)で、スルホニルアミノ基を形成する化合物(X1)を使用して得られるN-置換アミノ酸誘導体としては、例えば、N-ベンゼンスルホニル-グリシン、N-ベンゼンスルホニル-グリシンメチルエステル、N-ベンゼンスルホニル-グリシンアミド、N-ベンゼンスルホニル-メチオニンメチルエステル、N-ベンゼンスルホニル-システイン-S-ベンジル、N-(p-トルエンスルホニル)-グリシン、N-(p-トルエンスルホニル)-アラニン、N-(p-トルエンスルホニル)-β-アラニン、N-(p-トルエンスルホニル)-フェニルアラニン、N-(p-トルエンスルホニル)-フェニルアラニンメチルエステル、N-(p-トルエンスルホニル)-フェニルアラニンベンジルエステル、N-(p-トルエンスルホニル)-メチオニン、N-(p-トルエンスルホニル)-メチオニンベンジルエステル、N-(m-トルエンスルホニル)-イソロイシン、3-N-(o-トルエンスルホニル)アミノカプロン酸、N-(2,4-キシレンスルホニル)-アラニン、N-(2,4,6-メシチレンスルホニル)-セリン、N-(p-エチルベンゼンスルホニル)-スレオニン、N、N’-ジ(p-tert-ブチルベンゼンスルホニル)-リシン、N、N’-ジ(p-tert-ブチルベンゼンスルホニル)-オルニチン、N-(1-ナフタレンスルホニル)-トリプトファン、N-2-ナフタレンスルホニル-アスパラギンなどのN-アリールスルホニル-アミノ酸、エステル及びアミド、N-ベンジルスルホニル-バリン、N-ベンジルスルホニル-チロシン、N-ベンジルスルホニル-フェニルグリシンなどのN-アラルキルスルホニル-アミノ酸、エステル及びアミド等が挙げられる。
前記一般式(2)で、尿素基を形成する化合物(X3)を使用して得られるN-置換アミノ酸誘導体としては、例えば、N-フェニルアミノカルボニル-グリシン、N-フェニルアミノカルボニル-グリシン-メチルエステル、N-フェニルアミノカルボニル-グリシンベンジルエステル、N-フェニルアミノカルボニル-グリシンアミド、N-フェニルアミノカルボニル-アラニン、N-フェニルアミノカルボニル-アラニン-メチルエステル、N-フェニルアミノカルボニル-β-アラニン、N-フェニルアミノカルボニル-メチオニン、N-フェニルアミノカルボニル-メチオニン-メチルエステル、N-フェニルアミノカルボニル-グルタミン、N,N’-ジ(フェニルアミノカルボニル)-リシン、N,N’-ジ(フェニルアミノカルボニル)-オルニチン、N-フェニルアミノカルボニル-フェニルアラニン、N-フェニルアミノカルボニル-ノルバリン、N-(p-トリルアミノカルボニル)-グリシン、N-(p-トリルアミノカルボニル)-アラニン、N-(p-トリルアミノカルボニル)-バリン、N-(p-トリルアミノカルボニル)-フェニルアラニン、N-(p-トリルアミノカルボニル)-システイン-S-ベンジル、N-(p-トリルアミノカルボニル)-メチオニン、N-(p-トリルアミノカルボニル)-グルタミン酸、N-(p-トリルアミノカルボニル)-グルタミン、N-(m-トリルアミノカルボニル)-グリシン、N-(p-トリルアミノカルボニル)-グリシルグリシン、N-(p-トリルアミノカルボニル)-グリシルグリシルグリシン、N-(m-トリルアミノカルボニル)-グリシルアラニン、N-(m-トリルアミノカルボニル)-ロイシルアラニン、N-(m-トリルアミノカルボニル)-メチオニン、N-(m-トリルアミノカルボニル)-メチオニン-スルホン、N-(m-トリルアミノカルボニル)-バリン、N-(m-トリルアミノカルボニル)-チロシン、N-(m-トリルアミノカルボニル)-チロシン-メチルエステル、N-(m-トリルアミノカルボニル)-フェニルアラニン、N-(フェニルアミノカルボニル)-フェニルアラニン、N-(m-トリルアミノカルボニル)-メチオニン、N-(m-トリルアミノカルボニル)-バリン、N-(m-トリルアミノカルボニル)-フェニルグリシン、N-フェニルグリシン、N-(3-イソプロペニル-α、α-ジメチルベンジル)アミノカルボニル-メチオニン、及びN-(m-トリルアミノカルボニル)-チロシンからなる群から選ばれる少なくとも1種を使用することが良好である。
N-(m-トリルアミノカルボニル)-フェニルアラニン-メチルエステル、N-(m-トリルアミノカルボニル)-フェニルアラニン-エチルエステル、N-(m-トリルアミノカルボニル)-フェニルアラニン-ベンジルエステル、N-(フェニルアミノカルボニル)-フェニルアラニン-メチルエステル、N-(フェニルアミノカルボニル)-フェニルアラニン-エチルエステル、N-(フェニルアミノカルボニル)-フェニルアラニン-ベンジルエステル、N-(m-トリルアミノカルボニル)-β-フェニルアラニンアミド、N,N’-ジ(m-トリルアミノカルボニル)-リシン、N,N’-ジ(m-トリルアミノカルボニル)-リシン-メチルエステル、N,N’-ジ(m-トリルアミノカルボニル)-オルニチン、N,N’-ジ(m-トリルアミノカルボニル)-オルニチン-メチルエステル、N-(m-トリルアミノカルボニル)-グルタミン酸、N-(o-トリルアミノカルボニル)-アラニン、N-(o-トリルアミノカルボニル)-ホモセリン、N-(o-トリルアミノカルボニル)-バリン、1,6-ヘキサメチレンビス(N-アミノカルボニル-フェニルアラニン)、2,4-フェニレンビス(N-アミノカルボニルーフェニルアラニン)、1,3-トリレンビス(N-アミノカルボニル-フェニルグリシン)等が挙げられる。
前記一般式(2)で、チオ尿素基を形成する化合物(X3)を使用して得られるN-置換アミノ酸誘導体としては、例えば、N-フェニルアミノチオカルボニル-フェニルアラニン、N-フェニルアミノチオカルボニル-フェニルアラニン-メチルエステル、N-フェニルアミノチオカルボニル-バリン-イソプロピルエステル、N-フェニルアミノチオカルボニル-チロシン-メチルエステル、N-フェニルアミノチオカルボニル-メチオニン-メチルエステル、N-フェニルアミノチオカルボニル-グリシルグリシン、N-フェニルアミノチオカルボニル-グリシルアラニン、N-m-トリルアミノチオカルボニル-フェニルアラニン、N-m-トリルアミノチオカルボニル-フェニルアラニン-ベンジルエステル、N-m-トリルアミノチオカルボニル-フェニルアラニンアミド、N-m-トリルアミノチオカルボニル-バリン、N-m-トリルアミノチオカルボニル-バリン-イソプロピルエステル、N-m-トリルアミノチオカルボニル-メチオニン-メチルエステル、N-m-トリルアミノチオカルボニル-グリシルグリシン、N-p-トリルアミノチオカルボニル-フェニルアラニン、N-p-トリルアミノチオカルボニル-フェニルアラニン-ベンジルエステル、N-p-トリルアミノチオカルボニル-フェニルアラニンアミド、N-p-トリルアミノチオカルボニル-バリン、N-p-トリルアミノチオカルボニル-バリン-イソプロピルエステル、N-p-トリルアミノチオカルボニル-メチオニン-メチルエステル、N-p-トリルアミノチオカルボニル-グリシルグリシン等が挙げられる。
前記一般式(2)で、ウレタン基を形成する化合物(X2)を使用して得られるN-置換アミノ酸誘導体としては、例えば、N-ベンジルオキシカルボニル-グリシン、N-ベンジルオキシカルボニル-フェニルグリシン、N-ベンジルオキシカルボニル-バリン、N-ベンジルオキシカルボニル-メチオニン、N-ベンジルオキシカルボニル-チロシン、N-ベンジルオキシカルボニル-ヒドロキシプロリン、N-ベンジルオキシカルボニル-アルギニン、N-ベンジルオキシカルボニル-グリシン等が挙げられる。
前記一般式(2)で、スルホニル尿素基を形成する化合物(X4)を使用して得られるN-置換アミノ酸誘導体としては、例えば、N-(p-トルエンスルホニルアミノカルボニル)-グリシン、N-(p-トルエンスルホニルアミノカルボニル)-フェニルアラニン、N-(p-トルエンスルホニルアミノカルボニル)-フェニルアラニン-メチルエステル、N-(p-トルエンスルホニルアミノカルボニル)-フェニルアラニン-エチルエステル、N-(p-トルエンスルホニルアミノカルボニル)-フェニルアラニンアミド、N-(p-トルエンスルホニルアミノカルボニル)-β―アラニン、N-(p-トルエンスルホニルアミノカルボニル)-β―アラニン-メチルエステル、N-(p-トルエンスルホニルアミノカルボニル)-メチオニン-メチルエステル、N-(p-トルエンスルホニルアミノカルボニル)-ロイシン、N,N’-ジ(p-トルエンスルホニルアミノカルボニル)-リシン-メチルエステル、N,N’-ジ(p-トルエンスルホニルアミノカルボニル)-オルニチン-メチルエステル等が挙げられる。
本実施形態の感熱記録材料における前記一般式(2)で表されるN-置換アミノ酸誘導体の、Y基中のヒスチジン残基のNH基、又は、リシン残基若しくはオルニチン残基のNH基を保護するアミノ保護基(R’基)は、公知の方法により導入することができる。例えば、アシル基は酸無水物を用いて導入することができる。アルキル基は、例えば、アミン等の存在下で塩化トリチル等のハロゲン化アルキルにより導入することができる。
本実施形態の感熱記録材料における前記一般式(2)で表されるN-置換アミノ酸誘導体の、Y基中のアスパラギン酸残基又はグルタミン酸残基を保護するカルボキシ保護基(R”基)は、公知の方法により導入することができる。
本実施形態の感熱記録材料における顕色剤として好ましいN-置換アミノ酸誘導体としては、N-(p-トルエンスルホニル)-グリシン、N-(p-トルエンスルホニル)-アラニン、N-(p-トルエンスルホニル)-β-アラニンなどのN-アリルスルホニル-アミノ酸、N-フェニルアミノカルボニル-グリシン、N-フェニルアミノカルボニル-バリン、N-(m-トリルアミノカルボニル)-フェニルアラニン、N-(フェニルアミノカルボニル)-フェニルアラニン、N-(m-トリルアミノカルボニル)-システイン-S-ベンジル、N-(m-トリルアミノカルボニル)-メチオニン、N-(m-トリルアミノカルボニル)-チロシン、N-(p-トリルアミノカルボニル)-フェニルアラニン、N-(p-トリルアミノカルボニル)-システイン-S-ベンジル、N-(p-トリルアミノカルボニル)-メチオニン、N-(p-トリルアミノカルボニル)-メチオニン、N-(フェニルアミノカルボニル)-メチオニン、N-(p-トリルアミノカルボニル)-チロシンなどのN-アミノカルボニル-アミノ酸であり、特に好ましくは、N-(m-トリルアミノカルボニル)-フェニルアラニン、N-(フェニルアミノカルボニル)-フェニルアラニン、N-(m-トリルアミノカルボニル)-メチオニン、N-(p-トリルアミノカルボニル)-メチオニン、N-(フェニルアミノカルボニル)-メチオニン、N-(m-トリルアミノカルボニル)-バリン、N-(m-トリルアミノカルボニル)-フェニルグリシン及びN-(m-トリルアミノカルボニル)-チロシンを挙げることができる。
更に、ZについてはOH基であることが好ましく、Xが-NHCO-基であることが好ましく、具体的には、N-置換アミノ酸誘導体がN-(m-トリルアミノカルボニル)-フェニルアラニン、N-(m-トリルアミノカルボニル)-メチオニン、N-(p-トリルアミノカルボニル)-メチオニン、N-(フェニルアミノカルボニル)-メチオニン、N-(m-トリルアミノカルボニル)-バリン、N-(m-トリルアミノカルボニル)-フェニルグリシン及びN-(m-トリルアミノカルボニル)-チロシンからなる群から選ばれる少なくとも1種を使用することが良好である。
顕色剤として、これらN-置換アミノ酸誘導体の1種あるいは2種以上を併用して用いても良い。
本発明で使用するN-(m-トリルアミノカルボニル)-フェニルアラニン、N-(フェニルアミノカルボニル)-フェニルアラニン等の一般式(2)で表されるN-置換アミノ酸誘導体は、本願発明者らが食品でもあるアミノ酸を感熱記録材料に使用できないか、との観点から検討して、顕色剤としての利用が可能であることを見出したものである。
アミノ酸は、塩基性のアミノ基と酸性のカルボキシル基が同一分子内に共存し分子内中和している為、塩基性染料と接触しても呈色しない。
本発明者等は、感熱記録材料の顕色剤としての要求性能や顕色能に寄与する官能基をアミノ酸のアミノ基の保護基として導入することにより、分子内中和が解消し、更にアミノ酸の顕色能が強く発現し、特に天然アミノ酸を原料とするN-置換アミノ酸誘導体を顕色剤とする感熱記録材料に関する発明を提案している(特許6726048号公報)。一般式(2)で表されるN-置換アミノ酸誘導体は、特許6726048号公報に記載された顕色剤である。
以下、本明細書において、一般式(2)で表されるN-置換アミノ酸誘導体を、顕色剤(C)という。
感熱記録層において、前記顕色剤(C)の含有量は、発色濃度及び耐可塑剤性の観点から、感熱記録層の塩基性染料100質量部に対して、5~400質量部が好ましく、8~300質量部がより好ましく、10~200質量部がより好ましい。
感熱記録層において、前記顕色剤(C)の含有量は、耐可塑剤性の観点から、前記顕色剤(B)100質量部に対して、3質量部以上が好ましく、4質量部以上がより好ましく、さらに5質量部以上が好ましく、10質量部以上が好ましく、20質量部以上が好ましく、40質量部以上が好ましく、60質量部以上が好ましく、80質量部以上が好ましい。
前記顕色剤(B)100質量部に対する前記顕色剤(C)の含有量の上限値は、この効果が得られる範囲内での適正量とするのが好ましい。具体的には、500質量部以下であってもよく、450質量部以下であってもよく、300質量部以下であってもよい。
感熱記録層において、前記顕色剤(B)及び前記顕色剤(C)の合計含有量は、発色濃度の観点から、感熱記録層の塩基性染料100質量部に対して、35~500質量部が好ましく、40~400質量部がより好ましく、60~300質量部がより好ましい。
本実施形態の感熱記録材料において、本発明の効果を阻害することのない範囲で、既存の顕色剤と併用してもよい。
本実施形態の感熱記録材料において、常温で無色ないし淡色の塩基性染料としてトリフェニルメタン系、フルオラン系、ジフェニルメタン系、スピロ系、フルオレン系、チアジン系化合物が挙げられ、従来公知のロイコ染料から選ぶことができる。
例えば、3,3-ビス(p-ジメチルアミノフェニル)-6-ジメチルアミノフタリド、3,3-ビス(p-ジメチルアミノフェニル)フタリド、3-(4-ジエチルアミノ-2-エトキシフェニル)-3-(1-エチル-2-メチルインドール-3-イル)-4-アザフタリド、3,3-ビス(P-メチルアミノフェニル)-6-ジメチルアミノフタリド、3-ジエチルアミノ-7-ジベンジルアミノベンゾ[α]フルオラン、3-(1-エチル-2-メチルインドール-3-イル)-3-(4-ジエチルアミノ-2-n-ヘキシルオキシフェニル)-4-アザフタリド、3-(1-エチル-2-メチルインドール-3-イル)-3-(4-ジエチルアミノ)-2-メチルフェニル-4-アザフタリド、3-(4-ジエチルアミノフェニル)-3-(1-エチル-2-メチルインドール-3-イル)フタリド、3-(2-メチル-1-n-オクチルインドール-3-イル)-3-(4-ジエチルアミノ-2-エトキシフェニル)-4-アザフタリド、3-(N-エチル-N-イソペンチルアミノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-(o,p-ジメチルアニリノ)フルオラン、
3-(N-エチル-N-p-トルイジノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ピロリジノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(N,N-ジブチルアミノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(N-シクロヘキシル-N-メチルアミノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジエチルアミノ-7-(o-クロロアニリノ)フルオラン、3-ジエチルアミノ-7-(m-トリフロロメチルアニリノ)フルオラン、3-ジ(n-ペンチル)アミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-[N-(3-エトキシプロピル)-N-エチルアミノ]6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(N-n-ヘキシル-N-エチルアミノ)-7-(o-クロロアニリノ)フルオラン、3-(N-エチル-N-2-テトラヒドロフルフリルアミノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン、2,2-ビス{4-[6’-(N-シクロヘキシル-N-メチルアミノ)-3’-メチルスピロ[フタリド-3,9’-キサンテン]-2’-イルアミノ]フェニル}プロパン及び3-ジブチルアミノ-7-(o-クロロアニリノ)フルオラン、
3,6-ジメトキシフルオラン、3-ピロリジノ-6-クロロフルオラン、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-クロロフルオラン、3-ジエチルアミノ-7-クロロフルオラン、3-ジエチルアミノ-7,8-ジベンゾフルオラン、3-ジエチルアミノ-6,7-ジメチルフルオラン、3-(N-メチル-p-トルイジノ)-7-メチルフルオラン、3-(N-メチル-N-イソアミルアミノ)-7,8-ベンゾフルオラン、3,3’-ビス(1-n-アミル-2-メチルインドール-3-イル)フタリド、3-(N-メチル-N-イソアミルアミノ)-7-フェノキシフルオラン、3,3’-ビス(1-n-ブチル-2-メチルインドール-3-イル)フタリド、3,3’-ビス(1-エチル-2-メチルインドール-3-イル)フタリド、3,3’-ビス(p-ジメチルアミノフェニル)フタリド、3-(N-エチル-N-p-トリルアミノ)-7-(N-フェニル-N-メチルアミノ)フルオラン、3-ジエチルアミノ-7-アニリノフルオラン、3-ジエチルアミノ-7-ベンジルアミノフルオラン、3-ピロリジノ-7-ジベンジルアミノフルオランなどからも選ぶことができ、本発明はこれらに限定されるものではなく、又2種類以上を併用してもよい。
増感剤として従来公知の増感剤を併用することができる。
例えば、ステアリン酸アミド、ビスステアリン酸アミド、パルミチン酸アミドなどの脂肪酸アミド、p-トルエンスルホンアミド、ステアリン酸、ベヘン酸やパルミチン酸などのカルシウム、亜鉛あるいはアルミニウムなどの脂肪酸金属塩、p-ベンジルビフェニル、ジフェニルスルホン、ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、2-ベンジルオキシナフタレン、1,2-ビス(p-トリルオキシ)エタン、1,2-ビス(フェノキシ)エタン、1,2-ビス(3-メチルフェノキシ)エタン、1,3-ビス(フェノキシ)プロパン、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸p-メチルベンジル、m-ターフェニル、1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸などが挙げられる。
更に、2-ベンジルオキシナフタレン、1,2-ビス(p-トリルオキシ)エタン、1,2-ビス(フェノキシ)エタン、1,2-ビス(3-メチルフェノキシ)エタン、1,3-ビス(フェノキシ)プロパン、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸p-メチルベンジル、m-ターフェニル、1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸についてはベンゾインとの併用も挙げられる。
更に、本発明は従来公知の保存安定剤を併用することができる。
例えば、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-tert-ブチルフェノール)、2,2’-メチレンビス(4-エチル-6-tert-ブチルフェノール)、2,2’-エチリデンビス(4、6-ジ-tert-ブチルフェノール)、4,4’-チオビス(2-メチル-6-tert-ブチルフェノール)、4,4’-ブチリデンビス(6-tert-ブチルm-クレゾール)、1,1、3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-tert-ブチルフェニル)ブタン、1,1、3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-シクロヘキシルフェニル)ブタン、4,4’-ビス[(4-メチル-3-フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド]ジフェニルスルホン、トリス(2,6-ジメチル-4-tert-ブチル-3-ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、4,4’-チオビス(3-メチルフェノール)、4,4’-ジヒドロキシ-3,3’,5,5’-テトラブロモジフェニルスルホン、4,4’-ジヒドロキシ3,3’,5,5’-テトラメチルジフェニルスルホン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジブロモフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジクロロフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)プロパン等のヒンダードフェノール化合物、1,4-ジグリシジルオキシベンゼン、4,4’-ジグリシジルオキシジフェニルスルホン、4-ベンジルオキシ-4’-(2-メチルグリシルオキシ)ジフェニルスルホン、テレフタル酸グリシジル、ビスフェノールA型エポキシ樹脂型、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂等のエポキシ化合物、N,N’―ジ-2-ナフチル-p-フェニレンジアミン、2,2’-メチレンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスフェイトのナトリウム塩または多価金属塩、ビス(4-エチレンイミンカルボニルアミノフェニル)メタン、4,4’-ビス[(4-メチル-3-フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド]ジフェニルスルホン及び、下記式(3)で表されるジフェニルスルホン架橋型化合物等が挙げられ、これらの保存安定剤は、感熱記録材料の印字部の保存安定性に寄与する。
Figure 2022171123000003
(式中、nは1~7の整数を表す。)
保存安定剤を用いるとき、前記保存安定剤の含有量は、前記顕色剤(B)及び前記顕色剤(C)の合計含有量100質量部に対して2.5~100質量部が好ましく、5~50質量部がより好ましい。
また、助剤としては、例えばジオクチオルコハク酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリルアルコール硫酸エステルナトリウム、脂肪酸金属塩等の分散剤、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ポリエチレンワックス、カルナバロウ、パラフィンワックス、エステルワックス等のワックス類、アジピン酸ジヒドラジド等のヒドラジド化合物、グリオキザール、ホウ酸、ジアルデヒドスターチ、メチロール尿素、グリオキシル酸塩、エポキシ系化合物等の耐水化剤、消泡剤、着色染料、蛍光染料、及び顔料等が挙げられる。
本発明で感熱記録層に使用されるバインダーとしては、重合度200~1900の完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、アミド変性ポリビニルアルコール、スルホン酸変性ポリビニルアルコール、ブチラール変性ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、スチレン-無水マレイン酸共重合体、スチレンーブタジエン共重合体ならびにエチルセルロース、アセチルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸エステル、ポリビニルブチラールポリスチロール及びそれらの共重合体、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂、石油樹脂、テルペン樹脂、ケトン樹脂、クロマン樹脂などが挙げられる。これらのバインダーは単独または2種以上を使用でき、溶剤に溶解して使用するほか、水または他の媒体中に乳化あるいはペースト状に分散した状態で使用することもできる。
感熱記録層に配合される顔料としては、シリカ、カオリン、焼成カオリン、ケイソウ土、タルク、酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化アルミニウム、ポリスチレン樹脂、尿素-ホルマリン樹脂、スチレン-メタクリル酸共重合体、スチレン-ブタジエン共重合体や中空プラスチックピグメント等の無機あるいは有機顔料等が挙げられる。
本発明において感熱記録層に使用される塩基性染料、顕色剤、増感剤、バインダー、顔料及びその他の添加剤の種類や使用量は、感熱記録層に要求される品質性能に応じて適宜決定される。
本実施形態の感熱記録材料において、感熱記録層は、常温で無色ないし淡色の塩基性染料と、加熱により前記塩基性染料と接触して呈色し得る顕色剤に加えて、バインダー、増感剤、充填剤、滑剤、その他の添加剤等を添加して塗工液を調整し、紙、プラスチックフィルム等の支持体に塗工して形成される。
更に、塩基性染料100質量部に対し20~400質量部の増感剤を含有することが好ましく、全固形分中5~50質量%のバインダーを含有することが好ましい。支持体としては、紙、再生紙、合成紙、プラスチックフィルム、不織布、金属箔等が使用可能である。また、これらを組み合せた複合シートも使用可能である。
また、保存安定性を高める目的で有機顔料を含有する高分子物質からなるオーバーコート層を設けても良い。さらにサーマルヘッドヘの粕付着を防止、印字画質向上、感度を向上させる目的で有機顔料、無機顔料や中空微粒子などを含有するアンダーコート層を設けても良い。
本発明において、感熱記録層に使用される塩基性染料、顕色剤、増感剤及び必要により保存安定剤等は、例えば水を分散媒体として、ボールミル、アトライター、サンドミル等の攪拌粉砕機によって平均粒子径が2μm以下になるように微分散され使用される。
このように微分散された分散液に、必要により顔料、バインダー、助剤等を混合撹拌することで感熱記録層用塗料を調製する。
このようにして得られた感熱記録層用塗料を、支持体上に塗布した後、乾燥することにより、支持体上に感熱記録層を形成し、本実施形態の感熱記録材料を得る。
支持体上への感熱記録層用塗料の塗布量は、感熱記録層用塗料の乾燥後の塗布量が1.5~12g/mであることが好ましく、3~7g/mであることがより好ましい。
支持体としては、例えば、紙、再生紙、合成紙、プラスチックフィルム、不織布、金属箔等が挙げられる。また、これらを組み合せた複合シートも支持体として用いることができる。
支持体の厚さは、特に限定されず、本実施形態の感熱記録材料の用途に応じて適宜調整される。
本実施形態の感熱記録材料によれば、発色濃度、白色度、及び印字部の耐湿熱性、耐熱性、耐水性、耐可塑剤性等の感熱記録材料としての要求性能を満たす感熱記録材料を提供することができる。
以下、実施例、比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。尚、実施例中、「部」及び「%」は「質量部」及び「質量%」を表わす。
下記操作により感熱記録材料を作製した。
[アンダーコート層用塗料の調製]
プラスチック中空粒子(商品名:ローペイク(登録商標)SN-1055:中空率:55% 固形分26.5%)100部、焼成カオリンの50%分散液100部、スチレン-ブタジエン系ラテックス(商品名:L-1571 固形分48%)25部、酸化澱粉の10%水溶液50部及び水20部を混合して、アンダーコート層用塗料を調製した。
(実施例1)
[感熱記録層用塗料の調製]
A液(塩基性染料分散液の調製)
3-(N,N-ジブチルアミノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン 10部
10%ポリビニルアルコール水溶液 10部
水 16.7部
B液(顕色剤(B)分散液の調製)
4、4’-ジヒドロキシジフェニルスルホン 20部
10%ポリビニルアルコール水溶液 20部
水 33.3部
C液(顕色剤(C)分散液の調製)
N-(m-トリルアミノカルボニル)-フェニルアラニン
20部
10%ポリビニルアルコール水溶液 20部
水 33.3部
D液(増感剤分散液の調製)
1,2-ビス(3-メチルフェノキシ)エタン 15部
10%ポリビニルアルコール水溶液 15部
水 25部
上記A液、B液、C液及びD液の分散液をサンドグラインダーで平均粒子径が1μm以下になるまで粉砕し、下記割合で分散液を混合して塗布液とした。
A液(塩基性染料分散液) 36.7部
B液(顕色剤(B)分散液) 55.0部
C液(顕色剤(C)分散液) 18.3部
D液(増感剤分散液) 55.0部
上記の塗布液に、水酸化アルミニウム(商品名:ハイジライト(登録商標)H-42)27部、無定形シリカ(商品名:ミズカシル(登録商標)P-605)10部、酸化澱粉の10%溶解物100部、ステアリン酸亜鉛分散液:(商品名:ハイドリン(登録商標)Z-8-36)19.4部及び水20部からなる組成分を混合して、感熱記録層用塗料を調製した。
[感熱記録材料の作製]
支持体として坪量が53gmの上質紙(酸性紙)に、上記のアンダーコート層用塗料を乾燥後の面積当たりの質量が6g/mとなるように塗布及び乾燥し、アンダーコート層を形成した。
その後、アンダーコート層上に、上記の感熱記録層用塗料を、乾燥後の面積当たりの質量が3.8g/mになるように塗布乾燥し、感熱記録層を形成し、上質紙、アンダーコート層及び感熱記録層を備えるシートを得た。
得られたシートを、ス-パーカレンダーで平滑度が900~1200sになるように処理して、感熱記録材料を作製した。
なお、平滑度は、JIS P8155:2010「紙及び板紙-平滑度試験方法-王研法」に準ずる方法により測定した。
[各種試験]
1.感熱記録性試験(発色試験)
作製した感熱記録材料について、感熱記録紙印字試験機(大倉電気社製TH-PMD)を用い、印加エネルギー0.38mJ/dotで印加した。記録部の印字濃度をマクベス反射濃度計(商品名:RD-914、グルタグマクベス社製)で測定した。これをサンプル(ブランク)とした。
2.耐湿熱性試験
感熱記録性試験で記録した感熱記録材料を試験温度40℃、90%RHの環境下に24時間放置した後、試験片の印字部画像濃度と未印字部の濃度をマクベス反射濃度計で測定した。
3.耐熱性試験
感熱記録性試験で記録した感熱記録材料を試験温度60℃の恒温環境下に24時間放置した後、試験片の印字部画像濃度と未印字部の濃度をマクベス反射濃度計で測定した。
4.耐水性試験
感熱記録性試験で記録した感熱記録紙を水中に15時間浸漬しその後、試験片を風乾させ、画像濃度と未印字部をマクベス反射濃度計で測定した。
5.耐可塑剤性試験
ポリカーボネートパイプ(48mmφ)上にラップフィルム(商品名:ハイラップ(登録商標)KMA、三井化学製)を3重に巻き付け、感熱記録性試験で記録した感熱記録紙を乗せ、更にその上にラップフィルムを3重に巻き付け20℃65%RHの環境下で24時間放置し、その後、画像濃度と未印字部をマクベス反射濃度計で測定した。
この実施例による感熱記録材料の各種試験結果は、表1に記載の通りであった。
(実施例2)
実施例1のB液55.0部、C液18.3部を、B液64.1部、C液9.2部に変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行い、実施例2の感熱記録材料を作製した。
実施例2による感熱記録材料の各種試験結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例1のB液55.0部、C液18.3部を、B液69.6部、C液3.7部に変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行い、実施例3の感熱記録材料を作製した。
実施例3による感熱記録材料の各種試験結果を表1に示す。
(実施例4)
実施例1のB液55.0部、C液18.3部を、B液36.7部、C液36.7部に変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行い、実施例4の感熱記録材料を作製した。
実施例4による感熱記録材料の各種試験結果を表1に示す。
(実施例5)
実施例1のB液55.0部、C液18.3部を、B液18.3部、C液55部に変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行い、実施例5の感熱記録材料を作製した。
実施例5による感熱記録材料の各種試験結果を表1に示す。
(実施例6)
実施例1のC液のN-(m-トリルアミノカルボニル)-フェニルアラニンを、N-(フェニルアミノカルボニル)-フェニルアラニンに変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行い、実施例6の感熱記録材料を作製した。
実施例6による感熱記録材料の各種試験結果を表1に示す。
(実施例7)
実施例4のC液のN-(m-トリルアミノカルボニル)-フェニルアラニンをN-(フェニルアミノカルボニル)-フェニルアラニンに変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行い、実施例7の感熱記録材料を作製した。
実施例7による感熱記録材料の各種試験結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例1のB液55.0部、C液18.3部を、B液73.3部に変更し、C液を使用しなかったこと以外は実施例1と同様の操作を行い、比較例1の感熱記録材料を作製した。
比較例1による感熱記録材料の各種試験結果を表1に示す。
[比較例2]
実施例1のB液55.0部、C液18.3部を、C液73.3部に変更し、B液を使用しなかったこと以外は実施例1と同様の操作を行い、比較例2の感熱記録材料を作製した。
比較例2による感熱記録材料の各種試験結果を表1に示す。
[比較例3]
比較例2の、C液のN-(m-トリルアミノカルボニル)-フェニルアラニンを、N-(フェニルアミノカルボニル)-フェニルアラニン変更したこと以外は比較例2と同様の操作を行い、比較例3の感熱記録材料を作製した。
比較例3による感熱記録材料の各種試験結果を表1に示す。
(実施例8)
実施例1のB液の4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホンを2,4-ジヒドロキシジフェニルスルホンに変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行い、実施例8の感熱記録材料を作製した。
実施例8による感熱記録材料の各種試験結果を表1に示す。
(実施例9)
実施例1のB液の4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホンを4-ヒドロキシ-4’-n-プロビルオキシジフェニルスルホンに変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行い、実施例9の感熱記録材料を作製した。
実施例9による感熱記録材料の各種試験結果を表2に示す。
(実施例10)
実施例1のB液の4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホンを4-ヒドロキシ-4’-i-プロビルオキシジフェニルスルホンに変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行い、実施例10の感熱記録材料を作製した。
実施例10による感熱記録材料の各種試験結果を表2に示す。
(実施例11)
実施例1のB液の4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホンをビス(3-アリル-4-ヒドロキシフェニル)スルホンに変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行い、実施例11の感熱記録材料を作製した。
実施例11による感熱記録材料の各種試験結果を表2に示す。
(実施例12)
実施例1のB液の4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホンを4-[(4-アリルオキシ)フェニルスルホニル]フェノールに変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行い、実施例12の感熱記録材料を作製した。
実施例12による感熱記録材料の各種試験結果を表2に示す。
(実施例13)
実施例1のB液の4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホンを4-ベンジルオキシ-4’-ヒドロキシジフェニルスルホンに変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行い、実施例13の感熱記録材料を作製した。
実施例13による感熱記録材料の各種試験結果を表2に示す。
[比較例4]
実施例8のB液55.0部、C液18.3部を、B液73.3部に変更し、C液を使用しなかったこと以外は実施例8と同様の操作を行い、比較例4の感熱記録材料を作製した。
比較例4による感熱記録材料の各種試験結果を表2に示す。
[比較例5]
実施例9のB液55.0部、C液18.3部を、B液73.3部に変更し、C液を使用しなかったこと以外は実施例9と同様の操作を行い、比較例5の感熱記録材料を作製した。
比較例5による感熱記録材料の各種試験結果を表2に示す。
[比較例6]
実施例10のB液55.0部、C液18.3部を、B液73.3部に変更し、C液を使用しなかったこと以外は実施例10と同様の操作を行い、比較例6の感熱記録材料を作製した。
比較例6による感熱記録材料の各種試験結果を表2に示す。
[比較例7]
実施例11のB液55.0部、C液18.3部を、B液73.3部に変更し、C液を使用しなかったこと以外は実施例11と同様の操作を行い、比較例7の感熱記録材料を作製した。
比較例7による感熱記録材料の各種試験結果を表2に示す。
[比較例8]
実施例12のB液55.0部、C液18.3部を、B液73.3部に変更し、C液を使用しなかったこと以外は実施例12と同様の操作を行い、比較例8の感熱記録材料を作製した。
比較例8による感熱記録材料の各種試験結果を表2に示す。
[比較例9]
実施例13のB液55.0部、C液18.3部を、B液73.3部に変更し、C液を使用しなかったこと以外は実施例13と同様の操作を行い、比較例9の感熱記録材料を作製した。
比較例9による感熱記録材料の各種試験結果を表2に示す。
Figure 2022171123000004
Figure 2022171123000005
実施例、表1、表2より明らかなように、顕色剤(B)として、一般式(1)で表される4-ヒドロキシジフェニルスルホン誘導体を含み、且つ、顕色剤(C)として、一般式(2)で表されるN-置換アミノ酸誘導体を含む顕色剤を含有する感熱記録層を支持体上に設けた感熱記録材料は、顕色剤(B)を含む感熱記録層を支持体上に設けた感熱記録材料の特性を維持しながら、顕色剤(B)を単独で含有する感熱記録層を支持体上に設けた感熱記録材料よりも耐可塑剤性が優れ、顕色剤(C)を単独で含有する感熱記録層を支持体上に設けた感熱記録材料よりも耐可塑剤性が優れる。
本発明の感熱記録材料は、発色濃度、白色度、良好な各種の保存特性を低下させずに耐可塑剤性を一層向上させることが可能であることから、従来の感熱記録材料に代わるものとして産業上の利用可能性は極めて有望である。

Claims (4)

  1. 常温で無色ないし淡色の塩基性染料と、加熱により前記塩基性染料と接触して呈色し得る顕色剤とを含有する感熱記録層を支持体上に設けた感熱記録材料であって、前記顕色剤が、下記一般式(1)で表される4-ヒドロキシジフェニルスルホン誘導体、及び、下記一般式(2)で表されるN-置換アミノ酸誘導体を含む、感熱記録材料。
    Figure 2022171123000006
    (一般式(1)中、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、C1~C8のアルキル基、C7~C11のアラルキル基又はアリル基を表す。)
    (R-X)-Y-(Z) ・・・(2)
    (一般式(2)中、RはC6~C10のアリール基を有するアルキル基、又は、C1~C8のアルキル基、C7~C11のアラルキル基、C6~C10のアリール基、若しくはC1~C8のアルコキシ基の置換基を有していてもよいアリール基を表す。
    Xは、YのN末端に結合する基であって、-OCO-、-SONHCO-、-NHCO-、-NHCS-、又は-SO-を表わす。
    Yは、アミノ酸残基又はペプチド残基を表わし、Y基中の、セリン残基、スレオニン残基、アスパラギン酸残基、グルタミン酸残基、又はチロシン残基のOH基は、OR基又はOR”基に置換していてもよく、システイン残基のSH基は、SR基又はSR”基に置換していてもよく、ヒスチジン残基のNH基は、NR基又はNR’基に置換していてもよく、リシン残基又はオルニチン残基のNH基は、NHR基又はNHR’基に置換していてもよく、R’はアミノ保護基を表し、R”はカルボキシ保護基を表す。
    Zは、YのC末端に結合する基であって、OH基又はOR”基を表す。
    複数のR、R’、R”は同じであっても、異なっていてもよく、互いに結合して環を形成していてもよい。
    ただし、Yは、シスチン残基以外のアミノ酸残基又はシスチン残基を有さないペプチド残基である。)
  2. 前記一般式(1)で表される4-ヒドロキシジフェニルスルホン誘導体が、4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4-ジヒドロキシジフェニルスルホン、4-ヒドロキシ-4’-イソプロポキシジフェニルスルホン、4-ヒドロキシ-4’-プロポキシジフェニルスルホン、4-ヒドロキシ-4’-ベンジルオキシジフェニルスルホン、ビス(3-アリル-4-ヒドロキシフェニル)スルホン、4-[(4-アリルオキシ)フェニルスルホニル]フェノール及び4-ベンジルオキシ-4’-ヒドロキシジフェニルスルホンから選ばれる少なくとも1つである、請求項1に記載の感熱記録材料。
  3. 前記一般式(2)で表されるN-置換アミノ酸誘導体が、N-(m-トリルアミノカルボニル)-フェニルアラニン又はN-(フェニルアミノカルボニル)-フェニルアラニンである、請求項1又は2に記載の感熱記録材料。
  4. 前記感熱記録層における、前記一般式(2)で表されるN-置換アミノ酸誘導体の含有量が、前記一般式(1)で表される4-ヒドロキシジフェニルスルホン誘導体100質量部に対して、3質量部以上である、請求項1~3のいずれか一項に記載の感熱記録材料。
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