JP2022170665A - キャパシタ電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】リチウムを用いた二次電池は発火の危険性がある。【解決手段】正電極205には、黒鉛とLiCoO2の混合物からなる正極材料221が配置され、負電極206には、黒鉛と活性炭混合物の混合物からなる負極材料231が配置されている。正極材料221と負極材料231間にはセパレータ204が配置される。セパレータ204は、過塩素酸リチウム(LiClO4)水溶液に含浸されている。正電極205と負電極206はガスケット207により絶縁されている。【選択図】図1

Description

本発明は、キャパシタ電池と二次電池に関するものである。本発明のキャパシタ電池と二次電池は電解液に過塩素酸塩水溶液、飽和過塩素酸塩水溶液を用いる。本発明は正極に鉄錯体を有し、二次電池、二次電池的な機能を有する電池に関するものである。
リチウムイオン二次電池としては正極にマンガン複合酸化物、負極にリチウム・アルミニウム合金を使用するマンガンリチウム二次電池(ML系)が普及している。
特許文献1には、リチウムイオン二次電池用正極材料等に特徴を有するリチウムイオン二次電池が開示されている。
特開2020-155223
従来のリチウムイオン二次電池あるいはナトリウムイオン二次電池は、電解液に有機系電解液を用いるため、発火の危険性がある。
二次電池の起電力は負極と正極での酸化還元反応によって支配される。たとえば、リチウムイオン電池において、起電力は3V以上のものも、3V以下のものと様々である。このことは、負極と正極で起こる反応が異なるからである。
本発明は、飽和過塩素酸リチウム水溶液等をキャパシタ電池の電解液に使用する。過塩素酸塩水溶液は、広い電位窓を有するため、二次電池の電解液として優れた特性を発揮する。
本発明のキャパシタ電池は、キャパシタ電池の電解液として、過塩素酸リチウム(LiClO4),過塩素酸ナトリウム(NaClO4)、過塩素酸バリウム(Ba(ClO4)2)および過塩素酸マグネシウム(Mg(ClO4)2)の濃厚な水溶液を使用する。また、少なくとも正極を鉄錯体で構成あるいは形成することができる。また、正極と負極の両方あるいは少なくとも一方の電極をFe2O3でコーティングした構成にすることができる。
本発明の電池はキャパシタの構造を有するため、電気二重層キャパシタ電池と呼ぶこともある。
本発明のキャパシタ電池は負極として、黒鉛と活性炭混合物、または黒鉛と活性炭と同等の機能を有する物質の混合物で構成される。正極として、黒鉛とLiCoO2(あるいは酸化されて構造変化しない物質)の混合物を使用する。正極材料221と負極材料231間にはセパレータ204が配置される。セパレータ204は、過塩素酸リチウム(LiClO4)水溶液に含浸されている。正電極205と負電極206はガスケット207により絶縁されている。
本発明のキャパシタ電池は、電解液をして、飽和過塩素酸塩水溶液を使用しているため、発火の恐れがない。また、飽和過塩素酸塩水溶液の伝導率は有機系電解液より10倍前後大きく、大きな電力を蓄積でき、高速充電でき、高い電流容量を得ることができる。
水溶液系の電解液(過塩素酸塩水溶液)をキャパシタ電池に用いることにより、電池の導電性を高めると同時に火災の恐れが無い。また、キャパシタ電池の製造工程において、水分を除去したドライルームを使用する必要がないため、製造設備コストを低減できる。
本発明のキャパシタ電池の構成および説明図である。 本発明のキャパシタ電池の斜視図および一部断面図である。 飽和過塩素酸塩水溶液のサイクリックボルタモグラム(CV)の説明図である。 飽和過塩素酸リチウム水溶液のサイクリックボルタモグラム(CV)および温度変化の説明図である。 飽和過塩素酸リチウム水溶液および飽和過塩素酸リチウム水溶液の導電率とその温度変化の説明図である。 本発明のキャパシタ電池の充放電動作を説明する説明図である。 本発明のキャパシタ電池の充放電動作を説明する説明図である。 本発明のキャパシタ電池の特性を説明する説明図である。 本発明のキャパシタ電池の特性を説明する説明図である。 本発明のキャパシタ電池の特性を説明する説明図である。 本発明のキャパシタ電池の特性を説明する説明図である。
以下、本発明のキャパシタ電池および二次電池の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
発明を実施するための形態を説明するための各図面において、同一の機能を有する要素には同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。また、本明細書に記載する本発明の実施例は、それぞれの実施例を組み合わせることができる。
電気二重層キャパシタの充電では、負極に陽イオンの吸着を牽引するのは、負極と陽イオンの間の静電的な相互作用である。蓄電容量と充放電速度が、温度に依存せず、また電解液の導電率にも影響されない。
二次電池のように、バルクにおけるイオンの拡散が必須な場合、蓄電容量と充放電速度は温度と電解液の導電率の影響を受ける。
ただし、電解液の導電率は、セルの内部抵抗に関する支配的な因子であるから、電気二重層キャパシタにおいても重要な要素である。
非対称型キャパシタでは、対象型キャパシタと様相が異なる。充電において、負極に活性炭あるいは活性炭と同様の機能を有する物質が存在すると、その広い表面に陽イオンが吸着し、電気的中性を維持するため、電極中に電子が蓄積する。
対象型キャパシタでは、正極に活性炭あるいは活性炭と同様の機能を有する物質が存在するため、正極の表面に陰イオンが吸着し、電気的中性を保つため、電極中に正孔が生じる。
非対称型キャパシタで、正極に活性炭あるいは活性炭と同様の機能を有する物質が存在しない場合、負極と同じように陰イオンが正電極に吸着することは不可能である負極と正極の間の電気的中性を保つためには、正極がブラスの電荷を持たねばならない。
このことは、正極が酸化されることを意味する。正極には酸素がなく、また水も分解しないため、正極の酸化とは、正極から電子が引き抜かれることを意味し、正孔が生じる。
ただし、通常の酸化反応のように、物質(イオン)の移動は伴わず、電子が移動するだけである。充電により、正極で酸化反応が起こるレドックスキャパシタと呼ぶことができる。
非対称キャパシタにおいて、正極に、鉄(II)低スピン錯体が存在する場合、鉄(II)低スピン錯体は酸化すると鉄(III)低スピン錯体になる。鉄II価とIII価の低スピン錯体はいずれも八面体錯体で、可逆的な酸化還元反応をする。
鉄II価とIII価の間では、d電子が6個と5個に変化するだけで、水溶液中に両者を共存させると、電子交換反応が起こり、II価はIII価に、III価はII価に迅速に変化する。
酸化還元電位は、ヘキサシアノ鉄(II)錯体では、0.36V、トリス1,10-フェナントロリン鉄(II)錯体では、1.06Vである。
正極における負荷電圧が酸化還元電位(しきい値)を超えると、鉄(II)錯体は酸化されて鉄(III)錯体になる。この反応は可逆的で、迅速に進行する。
トリス1,10-フェナントロリン鉄(II)錯体、[Fe(II)(phen)3]2+, の酸化還元反応を以下に示す。
1,10-フェナントロリン : phen
[Fe(II)(phen)3]2+ ←→ [Fe(III)(phen)3]3+ + e-
低スピン鉄錯体は、II価とIII価において、八面体を維持し、構造的にはほとんど変化しない。ただし、カウンターイオン(ClO4 -)は酸化に伴い一つ増える。つまり、充電に伴い、電気的中性を維持するため、負極から正極にClO4 -が移動する。NaClO4を電解液とする電気二重層キャパシタでは、充電に伴い、Na+は正極から負極に移動する。セル全体の電気的中世の観点から見ると、負極から正極へのClO4 -の移動と正極から負極へのNa+の移動は同じ現象である。
正極に鉄(II)低スピン錯体を混合させると、正極における負荷電圧が鉄(II)錯体の酸化還元電位を超えると、鉄(II)が酸化されて鉄(III) になる。
放電では、鉄(III)は還元され、鉄(II)になる。充放電に酸化還元反応が伴うので、レドックスキャパシタであることを意味する。
正極に鉄(II)高スピン錯体を混合させても、レドックス効果を否定するものでないが、多くの鉄(II)高スピン錯体は低スピン錯体に比べると安定ではない。
空気酸化する可能性もあるので、扱いに注意が必要である。鉄(II)硫酸塩や鉄(II)リン酸塩は安定で、特に、鉄(II)リン酸塩は水に不溶である。
以上に説明したように、鉄錯体は良好な酸化還元作用を有する。本発明は、正極の鉄錯体を用いた電池に関するものである。
電解液は、電極の極近傍(Helmholtz層)とバルクの拡散層に分けられる。充電によるイオンの局在化はHelmholtz層の近傍に制約される。この際、陽イオンは溶媒和(水系では水和)したまま、負極に吸着する。
飽和過塩素酸ナトリウム水溶液を電解液とする場合、図7(b)に図示するように電極の表面に水が吸着する構造は合理的ではない。なぜならば、この水溶液では、水分子は金属イオンに束縛され、自由な水分子はほとんど存在しないからである。
陽イオンはカウンターイオン(ClO4 -)から引き離されて負極表面に吸着するので、電気的中性を保つため、負極に電子が蓄積する。
正極では、負極に吸着した電子と同じ電荷量の正に帯電した空孔(正孔)が生じる。充電によるイオンの吸着は、Helmholtz層の近傍で起こり、バルク層での拡散の影響を受けない。
陽イオンの吸着は、電極とイオンの間の静電的相互作用により引き起こされると考えるのが妥当である。なぜならば、充放電において、イオンの拡散が律速するならば、電解液の導電率と温度による影響を受けなければならない。また、電極近傍のイオン分布に、統計力学的なボルツマン分布を適用することも支持できない。ボルツマン分布は温度の関数だからである。
二次電池では、酸化還元反応に物質移動が含まれるため、バルク層におけるイオンの拡散が不可欠である。酸化還元反応がどれほど速くても、拡散速度に律速されるため、電解液の導電率と温度による影響を受けることになる。
二次電池における充電速度は原理的に拡散速度より速くはない。電気二重層キャパシタでは、充放電速度を支配するのは、負電極と陽イオンの間の静電的な相互作用であり、陽イオンのイオン半径と電荷が重要な因子となる。
電気二重層キャパシタの電解液として、飽和LiClO4と飽和NaClO4水溶液を用いた場合を比較する。
集電極はチタン箔、活物質は活性炭と黒鉛の混合物である。二つのキャパシタの違いは、陽イオンでのLi+とNa+だけである。Li+はNa+よりイオン半径は小さいが、水和半径ではLi+が大きいとされている。Na+とLi+は共にhardな酸に分類され、負電極との間で、強い静電的な相互作用が期待される。
イオンが電極に吸着する際、図7(a)に示すように、水和を伴って移動する。ここで、飽和LiClO4水溶液の重量モル濃度は5.27m(mol/kg)、飽和NaClO4水溶液の重量モル濃度は17.1mである。
LiClO4の水への溶解度は高くないが、それも電位窓は飽和NaClO4水溶液と同等である。このことは、Li+の水和力が強いことの証でもある。水の束縛は第二配位圏に及ぶとされている。飽和LiClO4水溶液の導電率は20℃で200mS/cmを超え、飽和NaClO4水溶液と比べると約2倍大きい。
図8に、飽和NaClO4水溶液と飽和LiClO4水溶液を電解液とした場合、活性炭の比率とエネルギー密度の関係を示す。いずれの電解液においても、エネルギー密度は活性炭の比率に比例して増加する。
エネルギー密度の値は、飽和NaClO4水溶液の方が飽和LiClO4水溶液より僅かに大きい。このことは、Li+の水和半径がNa+より大きいことに起因していると考えられる。
したがって、Na+がLi+より、イオンの容積が小さく(Stokes半径では、Na+とLi+は、それぞれ、1.84と2.38Å)、その結果、Na+では、より多くのイオンが電極に吸着することになり、蓄電容量が大きくなる。
この際、飽和LiClO4水溶液の重量モル濃度は5.27mと比較的に低いが、エネルギー密度と活性炭比率が比例するので、電解液として十分に濃厚であることを意味する。
導電率は、飽和LiClO4水溶液が飽和NaClO4水溶液より2倍大きい。それに関わらず、前者ではエネルギー密度が後者より小さいことは、導電率が蓄電容量には影響を与えないことを支持する。
非対称キャパシタでは、対象型電気二重層キャパシタと様相が変わる。図10では、負極は黒鉛(アセチレンブラックを含む)と活性炭の混合物であり、正極は黒鉛(アセチレンブラックを含む)のみで構成されている。cut-off電圧は2.5Vから3.2Vに変化し、cut-off電圧2.7V以下では、蓄電能力が非常に低いことが分かる。
このことは、正極において、陰イオン、ClO4 -が吸着する電極表面が小さく、電極で正孔が生じ難いことを意味する。
cut-off電圧3.2Vでは、放電曲線が一変し、エネルギー密度も20Wh/kgになる。このことは、以下のように説明される。正極において、印加電圧がしきい値を超えると、黒鉛が酸化される。酸化と言っても、正極には酸素がなく水も分解しない。結局、黒鉛から電子が引き抜かれ、正孔が生じる。即ち、正極では、以下の酸化反応が起こる。Cは黒鉛である。
C → C+ + e-
通常は物質移動を伴うが、ここでは、物質移動はなく、電子移動だけが起こる。
図9において、電極中の黒鉛と活性炭の比率を変えると、活性炭の比率に比例してエネルギー密度は増加する。このことは、イオン濃度は十分に高く、活性炭の増加と共に吸着するイオン濃度が増加することを意味する。黒鉛と活性炭の混合物では、活性炭70%が限界であるが、活性炭とアセチレンブラックとの混合物では、活性炭を90%まで上げることができる。その場合、エネルギー密度は30Wh/kgを超える。
これまでの結果から、活性炭を電極に用いると、30Wh/kgが水系電気二重層キャパシタにおけるエネルギー密度が得られる。
図11は、別の形の非対称キャパシタである。カーボンクロスにFe2O3をコーティングすると、活性炭のように表面積の大きな電極になる。
図11(a)に図示するように、カーボンクロスにFe2O3をコーティングした電極を負極と正極に使うと、活性炭に勝るとも劣らない電気二重層キャパシタができる。一方、図11(b)に図示するように、負極にFe2O3をコーティングし、正極にカーボンクロスのみを用いると、蓄電容量は極端に減少する。
以上の結果から、電気二重層キャパシタは負極によりけん引され、活性炭あるいは活性炭と同様の機能を有するものが存在すれば、そこにイオンが吸着し、負極では電子が蓄積する。
正極では、セル全体の電気的中性を保つため、正孔が蓄積する。非対称キャパシタでは、正極に、活性炭あるいは活性炭と同様の機能を有するものが存在しない場合、正極が酸化されることがある。この場合、エネルギー密度は活性炭を有する対称型電気二重層キャパシタに劣らない大きさを持ち、放電曲線は二次電池のようにプラトーな特性を示す。
正極の添加物として、鉄(II)低スピン錯体を想定する。鉄以外の遷移金属錯体でも同様である。冒頭に述べたように、鉄(II)低スピン錯体は酸化すると鉄(III)低スピン錯体になる。
酸化還元電位は、ヘキサシアノ鉄(II)錯体では、0.36V、トリス1,10-フェナントロリン鉄(II)錯体では、1.06Vである。正極における負荷電圧が酸化還元電位を超えると、鉄(II)錯体は酸化されて鉄(III)錯体になる。
この反応は可逆的で、迅速に進行することが知られている。トリス1,10-フェナントロリン鉄(II)錯体、[Fe(II)(phen)3]2+,の酸化還元反応を以下に示す。
ここで、phen : 1,10-フェナントロリンである。
[Fe(II)(phen)3]2+ ←→ [Fe(III)(phen)3]3+ + e-
低スピン鉄錯体は、II価とIII価において、八面体を維持し、構造的にはほとんど変化しない。ただし、カウンターイオン(ClO4 -)は酸化に伴い一つ増える。つまり、充電に伴い、電気的中性を維持するため、負極から正極にClO4 -が移動する。
電気二重層キャパシタにおいても、セル全体では、イオンは移動している。例えば、NaClO4を電解液とする場合、充電に伴い、Na+は正極から負極に移動する。二次電池との違いは、電気二重層キャパシタでは、イオンの移動が律速段階にならないことである。セル全体の中和の観点から見ると、負極から正極へのClO4 -の移動と正極から負極へのNa+の移動は同じ現象である。
非対称キャパシタを実用化の観点から見ると、充電による正極での酸化反応は、セル電圧が2~2.5Vで起こることが望ましい。鉄(II)低スピン錯体は数多く存在するので、その中から、先の条件を満たす錯体を選べばよい。
鉄(II)低スピン錯体には、天然由来の錯体があることに触れたい。鉄(II)ポルフィリン錯体は哺乳動物の血液から分離できる。
以下、本発明のキャパシタ電池(電気二重層キャパシタ電池)をリチウムイオン二次電池形態に構成することを例示して、実施形態に係るキャパシタ電池、二次電池の構造等を、図面を参照して説明する。図1は、キャパシタ電池の一例を示す断面図である。
図1ではコイン型のリチウムイオン二次電池を例示して説明しているが、本発明の技術的思想は、これに限定するものではない。たとえば、図2に図示するように円筒形等であってもよいことは言うまでもない。その他、フィルム形状、箱型形状が例示される。
図1に図示するように、本発明のキャパシタ電池の一例としてのリチウムイオン二次電池は、正電極205をなす導電体に正極材料221が形成または配置されている。負電極206をなす導電体に負極材料231が形成または配置されている。正極材料221と負極材料231間にセパレータ204が配置され、セパレータ204は電解液222が充填、浸透、含浸されている。
図1では省略しているが、正電極205には正極端子202が接続され、負電極206には負極端子203が接続される。正電極205と負電極206間はガスケット207により絶縁されている。
正極は正電極205の内面に位置して接続される正極材料221で構成され、負極は正極材料221と対面する位置に配置され、正極と負極間にセパレータ204が配置される。
正極材料221は、黒鉛とコバルトを使用する材料(LiCoO2)の混合物、黒鉛とマンガンを使用する材料(LiMn2O4)の混合物、黒鉛とニッケルを使用する材料(LiNiO2の混合物)、黒鉛とリン酸鉄を使用する材料(LiFePO4)の混合物、黒鉛と酸化鉄を使用する材料(Fe2O、Fe2O3)の混合物が例示される。また、炭素量子ドット(Carbon quantum dots:CQDs)も例示される。
酸化鉄(Fe2O3)と炭素量子ドット(Carbon quantum dots:CQDs)の組み合わせは、導電性が良く、表面積の大きい優れた電極として機能する。
リチウムイオン電池において、正極は、より広義には、LiCoO2等の混合物のように酸化されて構造変化しないものであればいずれの酸化物であってもよい。なお、黒鉛に限定するものではなく、グラファイト系、コークス系等のカーボン材料を使用することができる。
特に、黒鉛とコバルトを使用する材料(LiCoO2)の混合物を使用することが好ましい。また、黒鉛と混合させる材料との含有割合は、1:0.8~1:1.5の範囲とすることが好ましい。
なお、正極において、黒鉛と混合させる材料は、酸化材料(LiCoO2)に限定されるものではない。たとえば、黒鉛と鉄フェナントロリン錯体([Fe(phen)3](ClO4)2)を使用する材料の混合物、黒鉛と鉄シアノ錯体(Li4[Fe(CN)6])を使用する材料の混合物がある。鉄(II)錯体の配位子はフェナントロリンに限らずビピリジンのような低スピン錯体を形成するものでも良い。他に、黒鉛と水酸化ニッケル(Ni(OH)2)を使用する材料の混合物が例示される。
負極は負電極206の内面に位置して接続される負極材料231で構成される。負極材料231として、黒鉛(LiC6)、ハードカーボン(LiC6)、チタネイト(Li4Ti5O12)、チタン酸リチウム(LTO)が例示される。
セパレータ204は、過塩素酸リチウム(LiClO4)等の過塩素酸塩水溶液に含浸されている。過塩素酸塩水溶液は飽和過塩素酸塩水溶液であることが好ましいが、飽和状態に近い水溶液でも性能、効率に差異はない。飽和状態の95%以上であればよい。さらに好ましくは、98%以上であればよい。
負電極206は、その端部がその下端および両側面をガスケット207で包んだ状態で正電極205内に挿入され、負電極206を正電極205にカシメ固定するとともに、負電極206および正電極205とはガスケット207により絶縁している。
図6は、本発明の電気二重層キャパシタ電池の充放電の動作を説明する説明図である。図6において、図6(a)は充電器101により電気二重層キャパシタ電池に充電しているときの動作の説明図であり、図6(b)はモバイル機器102等の負荷装置に放電しているときの動作の説明図である。
電気二重層キャパシタ電池は、電解液中に溶解しているイオンの局在化で発生する。即ち、溶液に電圧を印加すると、陽イオンは負極に、負イオン正極に局在化する。電気的中性を保つため、負極には電子が吸着し、正極では正に帯電した空孔が生じる。電気二重層キャパシタでは電圧のしきい値はない。
図6(a)に図示するように、Liイオン電池において、電圧を印加すると(あるしきい値を超えると)、下の式に示すように、正極では、コバルトが、部分的に、3価(LiCoO2)から4価(CoO2)に酸化される。部分的というのは、x < 1 で表現される。
LiCoO2 ←→ Li(1-x)CoO2 + xLi+ + xe- 正極 (式1)
6xC + xLi+ + xe- ←→ xC6Li 負極 (式2)
一方、負極では、リチウムイオンが黒鉛にインターカレーション(Intercalation)して、部分的に還元される。つまり、正極で放出されたLi+が負極で還元されC6Liになる。
この時、インターカレーションしたC6Liの酸化還元電位(C6Li / Li+=2.90)は単体Liにおける(Li / Li+=3.05)より低い。正極(反応1)における電位は0.90Vであるから、(式1)と(式2)を加えると全反応(電池)の起電力は3.8Vになる。しかし、xの値により起電力は変わる。実際に、東芝の水系リチウムイオン電池では、2.4Vで稼働している。
負極に黒鉛を用いた電気二重層キャパシタ電池では、正極で酸化されるものがなく、正に帯電した空孔が発生して電気的中性を維持している。負極では、Li+は還元されることなく、単に電極中に局在化する。
正極に、LiCoO2のように酸化される物質が存在すると、ある電圧(しきい値を超えた)では、負極のLi+は黒鉛にインターカレーションしてC6Liを生成する。つまりLi+は還元される。この場合、リチウムイオン電池の負極と同じ現象が起こる。
つまり、リチウムイオン電池と本発明の電気二重層キャパシタ電池との違いは正極の混合物だけである。
図6(a)のように電圧を印加すると、電圧上昇に伴い充電が開始する。最初は全て電気二重層キャパシタ電池によるものである。2V以上で、ある電圧(しきい値)を超えると、リチウムイオン電池と同様の酸化還元反応が発生する。Cut-off電圧は2.7Vとする。これは、電気二重層キャパシタ電池に酸化還元反応を付随させた新しい概念の蓄電デバイスと言える。
大電流を印加したとき、酸化還元反応は追いつかず、電気二重層キャパシタ電池のみが機能する。小電流を長い時間をかけ印加すると、起電力を超えた電圧で、酸化還元反応が起こり、全体のエネルギー密度は著しく増加することになる。
たとえば、我々が開発した電気二重層キャパシタ電池において、電流密度20mA/cm2において、充放電容量0.03mAh/cm2が得られている(クーロン効率はほぼ100%)。このことは、5.4秒で満充電し、0.03mAh/cm2の充電容量が得られることを意味する。
5.4秒間では、二次電池(酸化還元反応)はほとんど応答せず、急速充電では電気二重層キャパシタだけが機能することになる。他方、低い電流密度で長時間充電する。たとえば電流密度が1/10以下では、二次電池つまり酸化還元反応が機能し始める。
負極では、Li+は黒鉛にインターカレーションしてC6Liを生成し、部分的に還元される。正極では、たとえば、LiCoO2は部分的に酸化されLi(1-x)CoO2になる。もし正極に[Fe(phen)3](ClO4)2が存在すると、酸化されて[Fe(phen)3](ClO4)3になる。つまり、鉄は2価から3価に酸化される。
上記の蓄電方式は、広い電位窓の水系電解液において初めて可能である。電解液の電位窓が狭いと印加電圧を高くすることができず、酸化還元反応は起こらない。即ち二次電池として機能しない。これまで報告されているレドックスキャパシタとは本質的に異なる。
同じ発想は、有機系電解液を用いても行うことはできるが、有機系電解液における電気二重層キャパシタの蓄電容量は二次電池の数%にしかならず、ほとんど誤差の領域になる。
二次電池は負極と正極で起こる酸化還元反応を電気エネルギーに変換するものである。電解液の役割は、電子とイオンが負極と正極の間での移動を可能にすることである。
電位窓が3V以上の飽和過塩素酸リチウム水溶液は、リチウムイオン電池の電解液に使用することができる。飽和でなくても、飽和に近い濃厚水溶液において、広い電位窓を有するため、二次電池の電解液に使用することができる。
飽和過塩素酸塩水溶液を二次電池の電解液にするためには、電解液の電位窓は固有であるので、二次電池の起電力が電解液の電位窓よりも小さなものを選ばなければならない。
セパレータ204に固体電解質を用いてもよい。固体電解質は負極と正極の間のイオンの移動を抑えるため、個々の電極、即ち負極と正極には独立して印加されるため、充電において、負極における還元電位と正極における酸化電位を低く抑えることができる。
そのため、電位窓の狭い水溶液を電解液にすることが可能になる。飽和過塩素酸リチウム水溶液は、他の水溶液よりも電位窓が広い(25℃で3.2V)ため、電解液として好ましい。
電位窓が広いため、安定して長時間の使用が可能である。ナトリウムイオン電池においても、同様に飽和過塩素酸ナトリウム水溶液を電解液として使用することができる。
飽和過塩素酸塩水溶液は過塩素酸リチウム(LiClO4),過塩素酸ナトリウム(NaClO4)、過塩素酸バリウム(Ba(ClO4)2)および過塩素酸マグネシウム(Mg(ClO4)2)である。これら飽和過塩素酸塩水溶液を二次電池の電解液に用いる。
なお、本発明の実施例において、飽和過塩素酸塩水溶液を用いるとして説明するが、飽和に限定するものではない。飽和に近い過塩素酸塩水溶液であっても、効果、能力、性能に大きな差異はないため、過塩素酸塩水溶液を用いても良いことはいうまでもない。
図2は、本発明の電気二重層キャパシタ電池(二次電池)の斜視図および一部断面図である。本発明の電気二重層キャパシタ電池(二次電池)を筒状に構成した実施態様である。なお、図示を容易にするため、正電極205、負電極206等を省略している。本発明の電気二重層キャパシタ電池(二次電池)は、その他、箱型、板状等の多種多様な形状に構成できることは言うまでもない。
図2に図示するように、本発明の電気二重層キャパシタ電池(二次電池)は容器107に、正極材料221、負極材料231、セパレータ204が構成され、また、必要に応じて、正極材料221、負極材料231、セパレータ204間等に絶縁フィルム108が配置される。
セパレータ204、正極材料221、負極材料231間には電解液222が充填され、また、正極材料221、負極材料231中に電解液222が充填される。
図3は、飽和過塩素酸塩水溶液のサイクリックボルタモグラム(CV)の説明図である。参照電極としてAg/AgCl電極を用いた。
図3に図示するCV測定において、平坦な部分では電流が流れていない。つまり、水の分解反応が起きていないことを意味する。平坦な部分が電位窓である。
飽和過塩素酸ナトリウム水溶液と飽和過塩素酸リチウム水溶液では電位窓は3.2Vで、飽和過塩素酸マグネシウムと飽和過水溶液と飽和過塩素酸バリウム水溶液においても広い電位窓(約3V)を持つことが分かる。
このことは飽和過塩素酸リチウム(LiClO4)水溶液、飽和過塩素酸ナトリウム(NaClO4)水溶液、飽和過塩素酸バリウム(Ba(ClO4)2)水溶液および飽和過塩素酸マグネシウム(Mg(ClO4)2)水溶液が、二次電池の電解液に使えることを意味する。
図3に図示するように、過塩素酸塩水溶液の飽和水溶液は広い電位窓を持つ。これらの水溶液を電解液にすると高い印加電圧を操作することが可能である。
図4は、飽和過塩素酸リチウム水溶液のサイクリックボルタモグラム(CV)および温度変化の説明図である。参照電極としてAg/AgCl電極を用いている。
CVは温度に依存するので、電位窓も温度により変化する。25℃では3.2Vであるが、40℃で3.0V、60℃では、2.8Vに減少する。
図4において、25℃では飽和水溶液であるが、温度上昇に伴い、過塩素酸リチウムの溶解度は増加するので、40℃と60℃では、飽和状態ではなく、飽和状態に近い濃厚水溶液である。
図4において、40℃と60℃では、広い電位窓を維持している。即ち、飽和に近い濃厚水溶液においても電位窓が広く、二次電池の電解液として使用することができる。
過塩素酸リチウム(LiClO)以外の水溶液も電解液として用いることができる。たとえば、過塩素酸ナトリウム(NaClO4)、過塩素酸マグネシウム(Mg(ClO4)2)、過塩素酸カルシウム(Ca(ClO4)2)、過塩素酸バリウム(Ba(ClO4)2)または過塩素酸アルミニウム(Al(ClO4)3)といった過塩素酸塩水溶液を用いることができる。
図5は、飽和過塩素酸リチウム水溶液および飽和過塩素酸リチウム水溶液の導電率とその温度変化の説明図である。
飽和過塩素酸リチウム水溶液の導電率は飽和過塩素酸ナトリウム水溶液の導電率より倍以上大きい。いずれの場合も、導電率は温度上昇と共に上昇する。
図5において、グラフの横軸は温度とし、縦軸は導電率でミリジーメンス毎センチメートル(mS/cm)としている。過塩素酸リチウム(LiClO)水溶液の導電率は、飽和NaClO4水溶液よりも約2倍高く、飽和LiClO4水溶液は優れた電解液である。
以上の結果、飽和過塩素酸リチウム(LiClO4)水溶液を電解液に使用すると、25℃において、最大3.2Vの印加電圧が可能で、60℃においても2.8Vの印加電圧が可能である。
過塩素酸リチウム(LiClO)水溶液の導電率は過塩素酸ナトリウム(NaClO4)水溶液よりも高く、電気二重層キャパシタ電池(二次電池)の電解液として好ましい。
水は水素結合を介してクラスター状に大きな構造を形成している。このクラスター構造が水の結合を弱め、結果として電位窓を狭くしている。逆に、独立したH2Oなら、電位窓は広いことが推測される。このことを可能にしたのが超濃厚水溶液である。
飽和過塩素酸ナトリウム水溶液の重量濃度は (25℃において17.1mol/(水1kg))と超濃厚で、水のクラスター構造はほぼ破壊されていると推測される。
上述の飽和過塩素酸ナトリウム水溶液、飽和過塩素酸リチウム水溶液、飽和過塩素酸マグネシウム、飽和過塩素酸カルシウム、飽和過塩素酸バリウム、飽和過塩素酸アルミニウム、飽和硫酸マグネシウム水溶液、飽和硫酸カリウム水溶液および飽和硫酸ナトリウム水溶液のうち、複数の飽和水溶液を混合した混合物を電解液として用いることもできる。
たとえば、飽和過塩素酸ナトリウムの水溶液と飽和過塩素酸リチウム水溶液との混合物というような2種の飽和水溶液の組み合わせによる混合物に限られず、たとえば、飽和過塩素酸ナトリウム水溶液、飽和過塩素酸リチウム水溶液および飽和過塩素酸バリウム水溶液の混合物というような3種以上の飽和水溶液の混合物であってもよい。
かかる混合物には、必ずしも過塩素酸リチウム水溶液を含まなくともよく、様々な組み合わせによる混合物を電解液として用いることができる。
本発明のキャパシタ電池はキャパシタとしての機能だけでなく、二次電池、あるいは二次電池的な機能を有するものである。電圧を印加すると、電圧上昇に伴い充電が開始する。最初は全て電気二重層キャパシタによるものである。ある電圧(しきい値)を超えると、リチウムイオン電池と同様の酸化還元反応が発生する。
つまり、電気二重層キャパシタに酸化還元反応を付随させた新しい概念の蓄電デバイスである。したがって、高速な充放電機能と、二次電池的な電圧発生の両方の機能、構成、構造を有する。
キャパシタ電池は、電気二重層キャパシタと二次電池の機能を併せ持つ新しい概念の電池である。作動電圧が二次電池の起電力(しきい値)以下ならば、100%電気二重層キャパシタとして機能する。あるいは、秒単位の高速充電において、作動電圧がしきい値を超えても、二次電池のエネルギー源となる酸化還元反応は付いていけない(部分的にしか起こらない)。この場合も電気二重層キャパシタが支配的である。
一方、ゆっくりとした充電(低い電流による充電)で、作動電圧がしきい値を超えると、正極と負極で酸化還元反応が起きる。例えば、リチウムイオン電池では、コバルトは3価から4価へと酸化され、リチウムイオンは黒鉛の骨格にインターカレーションして還元される。こうして、二次電池が機能し、大容量の電力が蓄電される。その際、同時に電気二重層キャパシタによる蓄電も起こるが、蓄電容量は小さい。
放電では、電気二重層キャパシタが先行するが、両者は同時に起こる。化学反応の常として、一般的に、放電速度は充電速度よりも遥かに速い。一つのセルで、電気二重層キャパシタと二次電池の機能を持つ新しい電池の発明である。
キャパシタ電池を可能にするのは、広い電位窓の水溶液の存在にある。例えば、飽和過塩素酸リチウム水溶液では、電位窓は常温で3.2Vである。これは、東芝が開発した水溶液を電解液としたリチウムイオン電池の作動電圧2.7Vより高い。
つまり、飽和過塩素酸リチウム水溶液(あるいは飽和に近い濃厚水溶液)を電解液に使用すれば、通常の親水性セパレータを用いても、二次電池として機能させることができる。同じセルにおいて、負極と正極に表面積の大きな物質、例えば活性炭、を使用すれば、電気二重層キャパシタとしても機能する。同様のことは、電位窓の広いNaClO4、Mg(ClO4)2、Ca(ClO4)2、およびBa(ClO4)2の飽和あるいは飽和に近い濃厚水溶液にも言える。
キャパシタ電池は、本質的に、以下に述べるレドックスキャパシタとは異なる。レドックスキャパシタは電気二重層キャパシタであり二次電池の機能はない。レドックスキャパシタを可能にするのは、非対称なセル構成にある。電気二重層キャパシタは負極により支配される。
即ち、充電において、陽イオンは、カウンターイオンから引き離され、負極に吸着するが、電気的中性を維持するため、電極に電子が蓄積される。セル全体の中性を維持するため、正極に負極に蓄積されたと同じ電気量の正孔が生じる。
しかし、非対称キャパシタで、正極に表面積の広い物質(例えば活性炭)が存在しないとき、電極物質(例えば黒鉛)から電子が引き抜かれる。黒鉛の場合、以下のように、黒鉛が酸化される。
C → C+ + e-
正極に、黒鉛ではなく、鉄(II)錯体、例えば、[Fe(II)(phen)3]2+,が存在する場合、ここで、phen: 1,10-フェナントロリン。[Fe(II)(phen)3]2+が以下のように酸化される。
[Fe(II)(phen)3]2+ ←→ [Fe(III)(phen)3]3+ + e-
即ち、黒鉛でも[Fe(II)(phen)3]2+でも、電子が引き抜かれること(酸化)には、変わりはない。セルの蓄電エネルギーは、負極に蓄積された電子の容量により決定するので、レドックスキャパシタは、電気二重層キャパシタと大きく変わることはない。
本発明の電気二重層キャパシタ電池は、通常の二次電池と比較して高速な充放電が可能である。高出力特性に優れている電気二重層キャパシタ電池は、新エネルギーの蓄電等、様々な利用分野への応用が期待されている。
水溶液系の電解液を用いた、いわゆる水系の電気二重層キャパシタ電池(二次電池)は、導電性が高く、電解質の解離、イオンの移動度に優れ、また、溶媒が水であることから安全性が高く、不揮発性で水分管理がしやすく、コストも低い。また、高速な充放電機能を発揮できる。
本発明の電気二重層キャパシタ電池(二次電池)は、水の電気分解の制約を克服することができ、様々な分野での活用が期待できる。
101 充電器
102 負荷
107 容器
108 絶縁フィルム
202 正極端子
203 負極端子
204 セパレータ
205 正電極
206 負電極
207 ガスケット
222 電解液
221 正極材料
231 負極材料

Claims (2)

  1. 正極材料と、負極材料と、前記正極材料と前記負極材料の間に配置されたセパレータとを具備し、
    前記セパレータは、過塩素酸リチウム(LiClO4)水溶液に含浸され、
    前記正極材料は、黒鉛とLiCoO2の混合物から構成されていることを特徴とするキャパシタ電池。
  2. 前記負極材料は、黒鉛と活性炭の混合物から構成されていることを特徴とする請求項1記載のキャパシタ電池。

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