JP2022169853A - 倒立顕微鏡装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】容器の底面に付着した浸液を液滴が落下しない程度に除去可能な倒立顕微鏡装置を提供する。【解決手段】観察装置1は、倒立顕微鏡装置である。観察装置1は、対物レンズ12と、少なくとも対物レンズ12の光軸と直交する方向に移動するXYステージ4と、XYステージ4に置かれたウェルプレートCの底面に付着した浸液を除去する除去装置18と、を備える。除去装置18は、XYステージ4の移動によりウェルプレートCの底面を走査するように構成される。【選択図】図1

Description

本明細書の開示は、倒立顕微鏡装置に関する。
現在、細胞を3次元的に培養したスフェロイドやオルガノイドなどの細胞凝集塊を使った研究が注目されている。近年では、顕微鏡装置を用いてスフェロイドやオルガノイドを撮影し、取得した顕微鏡画像データに対して画像解析技術を用いて創薬のためにスクリーニングを行い、薬効を評価するといったことも行われている。
上記のような観察対象物に対する深部撮影やZシリーズ撮影(Zスタック撮影ともいう。)は、観察対象物を培養液や透明化溶液とともに容器内に収容した状態で、自動化された倒立顕微鏡装置によって行われるのが一般的である。このような技術は、例えば、特許文献1に記載されている。
特開2008-170867号公報
上記のような観察対象物は、100μmから500μm程度の大きさを有し、観察対象物の内部を撮影する深部撮影において球面収差による画質の劣化が生じやすい。このため、深部撮影における球面収差の主要な要因である屈折率ミスマッチを抑制可能な液浸対物レンズの使用が強く望まれている。特に、深さ方向(光軸方向)に広い範囲で深部撮影を可能とするため、長い作動距離を有する液浸対物レンズの使用が望ましい。
その一方で、液浸対物レンズの使用は、浸液の処理という新たな課題を生じさせる。倒立顕微鏡装置では、浸液は対物レンズと容器の間に供給されるため、撮影終了後には、対物レンズと容器の底面のそれぞれに付着した浸液を除去する必要がある。このうち、容器に関しては、撮影終了後、顕微鏡装置外へ運ばれるため、浸液が適切に処理されなければ、容器の底面に付着した浸液が容器の移動中に液滴となって落下し、床や机などを汚してしまうことがある。特に、長い作動距離を有する液浸対物レンズが使用される場合には、容器の底面に大量の浸液が残存することになるため、容器移動中に液滴が落下する可能性が高くなる。
以上のような実情を踏まえ、本発明の一側面に係る目的は、容器の底面に付着した浸液を液滴が落下しない程度に除去可能な倒立顕微鏡装置を提供することである。
本発明の一態様に係る倒立顕微鏡は、液浸対物レンズと、少なくとも前記液浸対物レンズの光軸と直交する方向に移動する電動ステージと、前記電動ステージに置かれた容器の底面に付着した浸液を除去する除去手段と、を備える。前記除去手段は、前記電動ステージの移動により前記底面を走査するように構成される。
上記の態様によれば、容器の底面に付着した浸液を液滴が落下しない程度に除去可能な倒立顕微鏡装置を提供することが可能となる。
第1の実施形態に係る観察装置1の構成を例示した図である。 ウェルプレートCの構成を例示した図である。 ワイパー20の構成を説明するための図である。 ワイパー20の構成を説明するための別の図である。 観察装置1の動作を説明するための図である。 観察装置1の動作を説明するための別の図である。 観察装置1の動作を説明するための更に別の図である。 観察装置1の動作を説明するための更に別の図である。 観察装置1の動作を説明するための更に別の図である。 観察装置1の動作を説明するための更に別の図である。 観察装置1の動作を説明するための更に別の図である。 観察装置1の動作を説明するための更に別の図である。 観察装置1の動作を説明するための更に別の図である。 観察装置1の動作を説明するための更に別の図である。 観察装置1の動作を説明するための更に別の図である。 観察装置1の動作を説明するための更に別の図である。 観察装置1の動作を説明するための更に別の図である。 観察装置1の動作を説明するための更に別の図である。 第2の実施形態に係る観察装置1aの構成を例示した図である。 観察装置1aの動作を説明するための図である。 観察装置1aの動作を説明するための別の図である。 観察装置1aの動作を説明するための更に別の図である。 観察装置1aの動作を説明するための更に別の図である。 観察装置1aの動作を説明するための更に別の図である。 観察装置1aの動作を説明するための更に別の図である。 観察装置1aの動作を説明するための更に別の図である。 観察装置1aの動作を説明するための更に別の図である。 第3の実施形態に係る観察装置1bの構成を例示した図である。 第4の実施形態に係る観察装置1cの構成を例示した図である。 観察装置1cの動作を説明するための図である。 観察装置1cの動作を説明するための別の図である。 観察装置1cの動作を説明するための更に別の図である。 観察装置1cの動作を説明するための更に別の図である。 第4の実施形態に係る観察装置1dの構成を例示した図である。 観察装置1dの動作を説明するための図である。 観察装置1dの動作を説明するための別の図である。 観察装置1dの動作を説明するための更に別の図である。
[第1の実施形態]
図1は、本実施形態に係る観察装置1の構成を例示した図である。図2は、ウェルプレートCの構成を例示した図である。図3及び図4は、ワイパー20の構成を説明するための図である。以下、図1から図4を参照しながら、観察装置1の構成について説明する。
観察装置1は、倒立型顕微鏡装置であり、試料を収容した容器の搬送から容器に収容された試料の撮影までを自動的に行う自動顕微鏡装置である。観察装置1では、顕微鏡の照明系や検出系などの光学構造は、図1に示すように、観察装置1の筐体内部に収容され、外部環境から遮断されている。これにより、観察装置1が設置される室内の照明環境によらず、一定の環境で試料を撮影可能となっている。観察装置1で取得される試料の画像の種類は、特に限定しないが、例えば、蛍光画像、明視野画像などである。
観察装置1が扱う容器の種類は、特に限定しないが、例えば、図2に示すようなウェルプレートCを用いることができる。なお、ウェルプレートはマクロプレートとも称される。ウェルプレートCのサイズ(縦横の幅D1、幅D2)は、規格によって定められていて、ウェルプレートCに設けられたウェルWの数によらず一定である。このため、後述する容器の大きさに応じて設計されるべき要素(ワイパー20、ロール紙26、ノズル36)については、ウェルプレートCの規格化されたサイズに基づいて設計されればよい。なお、観察装置1が扱う容器は、例えば、ディッシュやフラスコなど、ウェルプレートCとは異なる種類の容器であってもよい。
観察装置1の筐体内は、上部構造2と下部構造3で構成されている。試料を収容したウェルプレートCは、上部構造2内を移動する。上部構造2は、試料の環境を維持するための保温構造として機能し、XYステージ4、インキュベータ6、透過照明系8、対物レンズ(対物レンズ11、対物レンズ12など)などを含んでいる。一方、下部構造3は、対物レンズと透過照明系8とを除く、多光子励起顕微鏡16の主要な構成を含んでいる。下部構造3は、さらに、浸液を供給する供給装置15と、ウェルプレートCの底面に付着した浸液を除去する除去装置18を含んでいる。昇降機5とレボルバ9と焦準部10は、上部構造2と下部構造3の境界の一部として機能する。
試料を収容したウェルプレートCは、図1に示すように、開閉扉7がスライドすることで露出した昇降機5の上面に配置される。以降では、昇降機5の上面に置かれるときのウェルプレートCの位置を、ウェルプレートCを観察装置1に受け渡すための位置という意味で、受け渡し位置と記す。受け渡し位置へウェルプレートCを配置する作業は、ユーザにより手動で行われてもよく、又は、ロボットハンドなどの図示しない電動機構によって自動化されてもよい。
受け渡し位置に置かれたウェルプレートCは、電動ステージによって対物レンズの光軸上の観察位置まで運ばれる。具体的には、昇降機5によって筐体内部へ鉛直方向に運ばれて、その後、XYステージ4によって観察位置まで水平方向に運ばれる。なお、観察装置1の電動ステージは、鉛直方向に移動する昇降機5と、水平方向に移動するXYステージ4と、を含んでいる。また、鉛直方向は、後述する液浸対物レンズの光軸と平行な方向であり、水平方向は、後述する液浸対物レンズの光軸と直交する方向である。
観察位置での撮影終了後には、ウェルプレートCは、電動ステージによって受け渡し位置まで運ばれる。具体的には、XYステージ4によって受け渡し位置の下方にまで水平方向に運ばれて、その後、昇降機5によって受け渡し位置まで鉛直方向に運ばれる。このように、観察装置1では、受け渡し位置と観察位置の間のウェルプレートCの移動は電動ステージによって自動的に行われる。
上部構造2に設けられたインキュベータ6は、ステージトップ型のインキュベータである。インキュベータ6は、ウェルプレートCを支持する支持部6aと、支持部6aに対して相対的にスライドする蓋部6bと、を含んでいる。
支持部6aは、XYステージ4上に固定されているのに対して、蓋部6bは、上部構造2内において、観察位置に対応する所定位置に固定されている。このように構成されることで、XYステージ4の移動により、支持部6aに対して蓋部6bが開閉する構造が実現されている。より具体的には、XYステージ4がウェルプレートCを観察位置まで運ぶことで、XYステージ4に固定された支持部6aがXYステージ4とともに蓋部6bの下方まで移動する。この状態では、支持部6aの上部開口は蓋部6bによって覆われ、また、支持部6aの下部開口はウェルプレートCによって覆われることになるため、インキュベータ6内にウェルプレートCを含む密閉された空間が形成される。従って、観察装置1は、ウェルプレートCが観察位置にある状態では、インキュベータ6によって管理された環境下で、ウェルプレートCの各ウェル内の試料を撮影することができる。
観察装置1では、インキュベータ6により温度環境を制御することができる。蓋部6bの下側表面には、透明なヒーター膜が蒸着されている。図示しない温度制御器が蓋部6bに設けられたヒーター膜に通電することで、蓋部6bを閉じた状態におけるインキュベータ6の内部温度を制御することができる。なお、蓋部6bの大部分は、光を透過するガラスで構成されている。これにより、観察装置1は、透過照明を用いた観察(例えば、透過照明系8を用いた撮影)と落射照明を用いた観察(例えば、多光子励起顕微鏡16を用いた撮影)の両方に対応可能となっている。また、ヒーター膜を透明に構成することで、観察への悪影響を回避しながら、温度環境を適切に制御することができる。
観察装置1では、インキュベータ6により湿度環境も制御可能である。支持部6aは、水を貯える図示しない構造を有している。支持部6aに水を貯えることで、蓋部6bを閉じた状態において、インキュベータ6内部に十分な湿度を与えることができる。
レボルバ9には、複数の対物レンズが装着されている。複数の対物レンズには、マクロ観察で使用される低倍の乾燥系の対物レンズ11と、対物レンズ11よりも高い倍率を有する対物レンズ12が含まれていることが望ましい。なお、図1には、レボルバ9に2本の対物レンズが装着された様子が示されているが、レボルバ9には3本以上の対物レンズが装着されてもよい。対物レンズ11と対物レンズ12に加えて、より高倍の例えば25倍の倍率を有する液浸対物レンズがレボルバ9に装着されてもよい。
対物レンズ11は、例えば、縮小倍率、つまり、1倍未満の倍率を有してもよく、観察装置1は、対物レンズ11を用いたマクロ観察によって、少ない撮影回数でウェルプレートC全体を撮影してもよい。なお、マクロ観察は、透過照明系8を用いて行われる。
対物レンズ12は、液浸対物レンズであり、拡大倍率、例えば、10倍の倍率を有し、浸液として水を利用する水浸対物レンズである。なお、対物レンズ12は、油浸対物レンズであってもよい。対物レンズ12は、屈折率ミスマッチを抑制して試料の深部まで良好に観察することが可能なため、多光子励起顕微鏡16を用いた撮影に使用される。また、液浸対物レンズである対物レンズ12は高い開口数を有し、試料からの光を効率良く取り込むことができる。このため、多光子励起顕微鏡16を用いた撮影における対物レンズ12の使用は、球面収差の抑制だけではなく、高い分解能とカメラの露光時間の短縮によるスループットの向上とを同時に実現可能といった点においても望ましい。
なお、多光子励起顕微鏡16の構成については詳述しないが、多光子励起顕微鏡16の落射照明系には、例えば、複数の異なる波長のレーザ光を出射する超短パルスレーザと、レーザ光で試料を走査するスキャナが含まれている。また、多光子励起顕微鏡16の検出系には、レーザ光の照射によって試料から生じた蛍光を検出する2チャンネル以上のディテクタが設けられている。さらに、多光子励起顕微鏡16には、オートフォーカスユニット17が含まれていて、オートフォーカスユニット17によって深さ方向(z方向)の基準となるウェルプレートCの底面を検出する。
対物レンズ12への浸液の供給は、供給装置15によって行われる。具体的には、給水ボトル21内の浸液(水)は、ポンプ22によって吸い上げられ、レボルバ9の中空な回転軸内を通り、対物レンズ12に装着されたアダプタ13に設けられたノズル23から対物レンズ12の先端に向けて吐出される。観察装置1では、対物レンズ12の作動距離に応じた距離まで対物レンズ12をウェルプレートCの底面に近づけた状態で、供給装置15が動作することで、ウェルプレートCの底面と対物レンズ12の間の空間が浸液で満たされる。
また、対物レンズ12の先端から流れ落ちた浸液は、アダプタ13に設けられた配管を介して排液される。より詳細には、対物レンズ12の先端から流れ落ちた浸液は、アダプタ13に設けられた配管から受け部14へ落下し、受け部14に接続された図示しないチューブを通って排水ボトルへ集められる。
観察位置での撮影終了後、ウェルプレートCの底面に残存した浸液の除去は、除去装置18によって行われる。除去装置18は、撮影終了後に電動ステージがウェルプレートCを観察位置から受け渡し位置まで運ぶ際に、電動ステージの動きを利用してウェルプレートCの底面を走査する。これにより、ウェルプレートCの底面に付着した浸液を除去する。換言すると、除去装置18は、XYステージ4に置かれたウェルプレートCの底面に付着した浸液を除去する装置であって、XYステージ4の移動によりウェルプレートCの底面を走査するように構成されている。
除去装置18は、昇降機19と、ワイパー20を含んでいる。昇降機19は、XYステージ4によって水平方向に移動するウェルプレートCに干渉する干渉位置と、ウェルプレートCに干渉しない退避位置とへ、ワイパー20を昇降する。即ち、昇降機19は、ワイパー20を動かす移動装置の一例である。
より具体的には、昇降機19は、観察位置から受け渡し位置までXYステージ4がウェルプレートCを移動する期間中であって少なくともウェルプレートCが干渉位置を通過する期間中、ワイパー20を干渉位置に維持する。一方で、受け渡し位置から観察位置までXYステージ4がウェルプレートCを移動する期間中、ワイパー20を退避位置に維持する。
なお、ウェルプレートCの底面の高さはウェルプレートCの種類やメーカなどによってさまざまであり、その結果、干渉位置もウェルプレートCによってさまざまである。このため、昇降機19は、観察開始前にユーザによって観察装置1に入力されたウェルプレートCの情報に基づいて、干渉位置を特定し、退避位置と特定された干渉位置へ適宜ワイパー20を昇降することが望ましい。また、観察装置1は、ウェルプレートCに付された識別情報に基づいてウェルプレートCの情報を取得してもよく、昇降機19は、識別情報から取得したウェルプレートCの情報に基づいて、干渉位置を特定してもよい。
ワイパー20は、浸液に干渉する干渉部材の一例である。ワイパー20は、観察位置から受け渡し位置までXYステージ4がウェルプレートCを移動する期間中に、ウェルプレートCの底面に付着した浸液に干渉する。ワイパー20は、昇降機19によって干渉位置まで持ち上げられることで、XYステージ4とともに移動する浸液の移動を、観察位置と受け渡し位置の間の干渉位置で遮るように配置される。これにより、XYステージ4がウェルプレートCを観察位置から受け渡し位置まで移動する期間中に、ウェルプレートCの底面に付着した浸液がワイパー20によってワイプされて底面から落下することで、底面から引き離される。
ワイパー20は、例えば、シリコンゴムなどの弾性部材から構成され、ウェルプレートCの底面に適度な力で押圧されることが望ましい。これにより、ウェルプレートCとワイパー20間に隙間を作ることなくワイパー20がウェルプレートCに接触する。このため、ウェルプレートC底面に付着した浸液を底面からしっかりと拭い去って底面から落下させることができる。また、ワイパー20のウェルプレートCと接触する面は曲面で構成されることが望ましい。これにより、圧力に応じてワイパー20が適度に変形することで、ワイパー20によってウェルプレートCに過度な圧力が加わることを避けることができる。
ワイパー20は、ウェルプレートC底面に付着した浸液に干渉し、底面から液滴が落下しない程度に浸液を除去できればよい。このため、ワイパー20は、必ずしもウェルプレートCに接触しなくてもよく、ウェルプレートCの底面とワイパー20の間にはわずかな隙間があってもよい。
ワイパー20は、ウェルプレートCの大きさに応じた幅を有することが望ましい。より望ましくは、ワイパー20は、XYステージ4によってウェルプレートCが移動する方向と直交する方向についてのウェルプレートCの幅に対応する幅を有することが望ましい。例えば、図3に示すようにウェルプレートCが長手方向に沿って移動する場合であれば、ワイパー20はウェルプレートCの短手方向の幅D1に対応する幅を有することが望ましい。また、図4に示すように、ウェルプレートCが短手方向に沿って移動する場合であれば、ワイパー20はウェルプレートCの長手方向の幅D2に対応する幅を有することが望ましい。これにより、ワイパー20が過度に大型化することを避けながらウェルプレートC底面全体を走査することができる。このため、効率良くウェルプレートCの底面から浸液を除去することができる。
ワイパー20は、図3及び図4に示すように、XYステージ4の移動方向に対して傾斜して配置されることが望ましい。ワイパー20を傾斜させることで、ワイパー20によってウェルプレートC底面から除去された浸液に所定の流れを作ることができる。このため、浸液を所望の位置へ導いて効率良く回収することができる。
即ち、ワイパー20は、ウェルプレートCの大きさに応じた幅を有することが望ましいが、ワイパー20の幅方向とXYステージ4の移動方向は必ずしも直交する必要はない。除去装置18は、対物レンズ12の光軸と直交し、且つ、ワイパー20の幅の方向と交差する方向へのXYステージ4の移動によりウェルプレートCの底面をワイパー20で走査すればよい。
除去装置18を用いることで、観察装置1は、観察位置から受け渡し位置への移動という従来から行われている動作を利用してウェルプレートC底面に付着した浸液を液滴が落下しない程度に除去することができる。従って、観察装置1によれば、受け渡し位置へ達する前に浸液は底面から十分に除去されるため、受け渡し位置からウェルプレートCを観察装置1外へ運ぶ際に浸液が底面から落下することを防止することができる。また、受け渡し位置でウェルプレートCを取り出す際に浸液を落下させて床や机を汚してしまう心配がなくなる。また、観察装置1は、ウェルプレートCの搬送ルートを変更することなく既存のルート上で浸液を除去することができる。このため、最適化された既存のルートによって実現される観察装置1の高いスループットを維持することもできる。従って、観察装置1によれば、スループットを犠牲にすることなく浸液を除去し、清掃等に要するユーザの負担を軽減することができる。
さらに、観察装置1では、除去装置18は、XYステージ4の移動を利用して底面を走査することでワイパー20を水平方向に移動させる構造を必要としない。このため、除去装置18は比較的コンパクトに構成可能であり、浸液を除去する機能の追加に伴う観察装置1の大型化を回避することができる。
図5から図18は、観察装置1の動作を説明するための図である。以下、図5から図18を参照しながら、観察装置1の動作を詳細に説明する。
図1に示すように、昇降機5上の受け渡し位置にウェルプレートCが配置されると、観察装置1では、昇降機5が降下を開始する。昇降機5に載せられたウェルプレートCは、図5に示すように、ウェルプレートCの底面が支持部6aに達するまで、昇降機5とともに観察装置1内部へ下降する。なお、開閉扉7は、例えば、ウェルプレートCの底面が支持部6aに達したタイミングで自動的に閉まってもよい。
図5に示す状態から昇降機5がさらに下降すると、昇降機5のみが下降を継続し、支持部6aに支持されたウェルプレートCは支持部6a上に留まる。昇降機5は、XYステージ4が水平方向に移動するときに干渉しない位置まで下降し、その後、停止する。具体的には、昇降機5は、図6に示すように、昇降機5が上部構造2と下部構造3の境界面を構成する位置まで下降する。これにより、温度制御される上部構造2と温度制御されない下部構造3の間で生じる温度差に起因する熱の流れを抑制することができる。その結果として、ウェルプレートCの上部と底部の間の温度差の発生を抑制することができる。
なお、底面が支持部6aにまで達して支持部6aに支持されたウェルプレートCは、その後、支持部6aにしっかりと保持される。支持部6aに設けられた保持構造は、特に限定しないが、ウェルプレートCは、例えば、支持部6aに設けられた弾性力を有する当て付け機構により保持されてもよい。支持部6aは、当て付け機構により、ウェルプレートCを水平方向に挟み込んでもよく、さらに、鉛直方向に挟み込んでもよい。
昇降機5の下降が終了すると、XYステージ4が水平方向に移動することで、図7に示すように、ウェルプレートCが光軸AX上の観察位置まで運ばれる。この際、支持部6aは、蓋部6bに設けられたクリック機構に嵌って固定される。
ウェルプレートCが観察位置まで運ばれると、観察装置1は、まず、対物レンズ11を用いてマクロ観察を行う。この際、図8に示すように、焦準部10(図1参照)によってレボルバ9とともに対物レンズ11を光軸AX方向に移動させることで、フォーカスを合わせる。
マクロ観察でウェルプレートC内の観察すべきウェルや試料が確認されると、XYステージ4を微動して観察すべきウェルや試料を光軸AX上に位置付ける。さらに、レボルバ9を回転して、図9に示すように、光軸AX上に対物レンズ12を配置する。その後、図10に示すように、ノズル23から浸液L(水)を吐出して対物レンズ12とウェルプレートC底面の間を浸液Lで満たして、ミクロ観察を行う。なお、ミクロ観察は、XYステージ4の移動により観察対象のウェルを変えながら繰り返し行われてもよい。
ミクロ観察が終了すると、まず、図11に示すように、焦準部10(図1参照)によって対物レンズをウェルプレートCの底面から離れる方向に動かして退避する。このとき、さらに、レボルバ9を回転してマクロ観察用の対物レンズを光軸AX上に配置してもよい。
なお、対物レンズが退避すると、対物レンズとウェルプレートCの間にあった浸液Lの一部は、対物レンズ側に流れ落ちる。対物レンズ側に流れ落ちた浸液Lは、アダプタ13の配管、及び、受け部14を通って排液される。残りの浸液Lは、図11に示すように、ウェルプレートCの底面に付着したまま残存する。なお、ウェルプレートCの底面に付着している浸液Lは、ミクロ観察で観察対象となったウェル数が多いほど増加する傾向にある。
対物レンズの退避が完了すると、XYステージ4は、昇降機5に向かって移動を開始し、図12に示すように、ウェルプレートCが除去装置18上の位置に達すると、一旦停止する。
XYステージ4が停止すると、図13に示すように、昇降機19がワイパー20をウェルプレートCの底面に接する干渉位置にまで持ち上げる。
ワイパー20が干渉位置に配置されると、XYステージ4は、昇降機5に向かって水平移動を再開する。ワイパー20が干渉位置に配置された状態でXYステージ4が水平方向に移動することで、浸液が付着したウェルプレートCの底面をワイパー20が走査することになる。その結果、図14に示すように、ワイパー20によって浸液がワイプされて底面から落下し、図15に示すように、受け部24に溜まった浸液は、受け部24に設けられた配管を通じてドレインタンクへ導かれる。
図15に示すように、ウェルプレートCの端までワイパー20が達すると、その後、昇降機19が下降し、図16に示すように、ワイパー20がウェルプレートCの底面に接しない退避位置に移動する。
ワイパー20が退避位置に移動すると、XYステージ4が再び昇降機5に向かって移動を開始し、図17に示すように、ウェルプレートCが昇降機5の上方に達すると、XYステージ4は停止する。
最後に、開閉扉7が開き、昇降機5が上昇を開始する。昇降機5は、支持部6aからウェルプレートCを受け取って、そのまま受け渡し位置までウェルプレートCを持ち上げて停止する。その後、図18に示すように、ウェルプレートCはユーザやロボットアームなどによって観察装置1外へ移される。
以上のように、観察装置1によれば、観察位置から受け渡し位置へウェルプレートCが移動する途中でワイパー20によってウェルプレートCの底面を走査することができる。このため、観察装置1のスループットを犠牲にすることなく、ウェルプレートC底面に付着した浸液を液滴が落下しない程度に除去することができる。
また、観察装置1では、除去装置18が干渉位置に配置されたワイパー20を用いてウェルプレートCの底面を走査する。従って、観察装置1によれば、ワイパー20を適切な押圧力でウェルプレートCに押し付けることで、ウェルプレートCの底面の浸液を十分に除去することができる。また、底面を走査するためにワイパー20は移動する必要がないため、除去装置18をコンパクトに構成することができる。従って、観察装置1によれば、装置の大型化を回避しながら容器底面の浸液を除去することができる。
[第2の実施形態]
図19は、本実施形態に係る観察装置1aの構成を例示した図である。以下、図19を参照しながら、観察装置1aの構成のうち、第1の実施形態に係る観察装置1との相違点について説明する。
観察装置1aは、観察装置1と同様に倒立型顕微鏡装置であり、試料を収容した容器の搬送から容器に収容された試料の撮影までを自動的に行う自動顕微鏡装置である。観察装置1aは、除去装置18の代わりに除去装置25を備える点が、観察装置1とは異なっている。
除去装置25は、撮影終了後に電動ステージがウェルプレートCを観察位置から受け渡し位置まで運ぶ際に、電動ステージの動きを利用してウェルプレートCの底面を走査する。これにより、ウェルプレートCの底面に付着した浸液を除去する。換言すると、除去装置25は、XYステージ4に置かれたウェルプレートCの底面に付着した浸液を除去する装置であって、XYステージ4の移動によりウェルプレートCの底面を走査するように構成されている。この点については、除去装置25は、除去装置18と同様である。
除去装置25は、ロール状に巻かれた紙であるロール紙26と、昇降機27と、複数のローラ(ローラ28、ローラ29、ローラ30)と、排紙部31を含んでいる。ロール紙26は、複数のローラに架け渡されていて、排紙部31までに延びている。ロール紙26は、観察位置から受け渡し位置までXYステージ4がウェルプレートCを移動する期間中に、ウェルプレートCの底面に付着した浸液に干渉する干渉部材の一例である。従って、除去装置25は、干渉部材を含む点についても除去装置18と同様である。また、ロール紙26は、ウェルプレートCの大きさに応じた幅を有することが望ましい点については、除去装置18に含まれる干渉部材であるワイパー20と同様である。
ロール紙26は、吸液部材の一例であり、ロール状に巻かれている。ロール紙26は、XYステージ4とともに移動する浸液を、観察位置と受け渡し位置の間の所定位置で吸収するように配置される。ロール紙26は、ウェルプレートCに過度な圧力を加えることなく毛細管現象を利用して底面に付着した浸液を効率良く吸収することができる。この点において、除去装置25は、干渉部材として浸液を所定位置で遮るように配置されたワイパー20を有する除去装置18とは異なっている。
昇降機27は、ローラ28を昇降することで、干渉部材であるロール紙26を干渉位置と退避位置へ移動させる。また、昇降機27は、観察開始前にユーザによって観察装置1aに入力されたウェルプレートCの情報に基づいて、ウェルプレートCに応じて高さの異なっている干渉位置を特定し、退避位置と特定された干渉位置へ適宜ロール紙26を移動させてもよい。この点は、昇降機27は、除去装置18の昇降機19と同様である。
除去装置25に含まれる複数のローラ(ローラ28、ローラ29、ローラ30)のうち少なくとも1つ(例えば、ローラ30)は駆動ローラとして構成され、ロール紙26を巻き取る巻取装置として機能する。なお、巻き取られたロール紙26は排紙部31に出力される。
駆動ローラは、XYステージ4の移動に応じてロール紙26を巻き取ることが望ましい。これにより、ウェルプレートC底面の浸液を吸収したロール紙26の部分がウェルプレートCの移動に合わせて巻き取られることになるため、浸液を吸収していないロール紙26の部分が新たなに干渉位置に到達したウェルプレートCの底面に接することになる。従って、ロール紙26の吸水力が不足してしまい、ウェルプレートC底面の浸液を十分に吸収できないといった事態を回避することができる。
除去装置25を用いることで、観察装置1aは、観察装置1と同様に、観察位置から受け渡し位置への移動という従来から行われている動作を利用してウェルプレートC底面に付着した浸液を液滴が落下しない程度に除去することができる。従って、観察装置1aによっても、観察装置1と同様の効果を得ることができる。
また、観察装置1aでは、ロール紙26の毛細管現象を利用して浸液を除去するため、ワイパー20でウェルプレートC底面を拭うことによって浸液を除去する観察装置1とは異なり、繰り返し観察が行われた場合であってもウェルプレートC底面を傷つけてしまう虞がない。このため、観察装置1aによれば、ウェルプレートCの傷を原因とする光学性能の劣化を回避することができるため、繰り返し観察した場合でも安定した性能で観察を行うことができる。
図20から図27は、観察装置1aの動作を説明するための図である。以下、図20から図27を参照しながら、観察位置での撮影終了後の観察装置1aの動作について詳細に説明する。
対物レンズ12とウェルプレートC底面の間を浸液Lで満たして行うミクロ観察が終了すると、焦準部10(図19参照)によって対物レンズをウェルプレートCの底面から離れる方向に動かして退避する。これにより、図20に示すように、ウェルプレートCの底面に浸液が付着した状態が生じる。
その後、XYステージ4は、昇降機5に向かって移動を開始し、図21に示すように、ウェルプレートCが除去装置25上の位置に達すると、一旦停止する。
XYステージ4が停止すると、図22に示すように、昇降機27は、ローラ28を持ち上げることで、ローラ28の上面におけるロール紙26を、ウェルプレートCの底面に付着した浸液に接触する干渉位置まで移動する。
ロール紙26が干渉位置に配置されると、ロール紙26は、ウェルプレートCの底面に付着した浸液の吸収を開始する。その後、XYステージ4は、図23に示すように、昇降機5に向かって水平移動を再開する。このとき、ローラ28もXYステージ4の移動量に合わせて回転を開始し、ウェルプレートCの移動量とロール紙26の搬送量が凡そ一致するようにロール紙26を巻き取る。これにより、浸液を吸収したロール紙26が排紙部31に向かって排出されるとともに、干渉位置に到達したウェルプレートCの底面の浸液が新たに繰り出されたロール紙26によって吸収される。
図24に示すように、ウェルプレートCの端までロール紙26が達すると、その後、昇降機27が下降し、図25に示すように、XYステージ4が再び昇降機5に向かって移動する。そして、図26に示すように、ウェルプレートCが昇降機5の上方に達すると、XYステージ4は停止する。
最後に、開閉扉7が開き、昇降機5が上昇を開始する。昇降機5は、支持部6aからウェルプレートCを受け取って、そのまま受け渡し位置までウェルプレートCを持ち上げて停止する。その後、図27に示すように、ウェルプレートCはユーザやロボットアームなどによって観察装置1a外へ移される。
以上のように、観察装置1aによれば、観察位置から受け渡し位置へウェルプレートCが移動する途中でロール紙26によってウェルプレートCの底面を走査することができる。このため、観察装置1aのスループットを犠牲にすることなく、ウェルプレートC底面に付着した浸液を液滴が落下しない程度に除去することができる。
また、観察装置1aでは、除去装置25が干渉位置に配置されたロール紙26を用いてウェルプレートCの底面を走査する。従って、観察装置1aによれば、浸液の除去に当たり、ウェルプレートC底面を傷つける虞がない。従って、観察装置1aによれば、同じウェルプレートCを用いて繰り返し観察が行われた場合であっても、安定した性能で観察を行うことができる。
なお、観察装置1aでは、干渉部材としてロール紙26を例示したが、観察装置1aで用いられる干渉部材はロール紙26に限らない。浸液を吸収する部材であればよく、例えば、タオルや布などであってもよい。
[第3の実施形態]
図28は、本実施形態に係る観察装置1bの構成を例示した図である。以下、図28を参照しながら、観察装置1bの構成のうち、第2の実施形態に係る観察装置1aとの相違点について説明する。
観察装置1bは、観察装置1aと同様に、倒立型顕微鏡装置であり、試料を収容した容器の搬送から容器に収容された試料の撮影までを自動的に行う自動顕微鏡装置である。観察装置1bは、除去装置25の代わりに除去装置32を備える点が、観察装置1aとは異なっている。
除去装置32は、ローラ28がバネ33に支持されている点が除去装置25とは異なっている。その他の点は、除去装置25と同様である。第2の実施形態では、ウェルプレートCの底面の高さがウェルプレートCの種類やメーカなどによってさまざまであることに配慮して、ウェルプレートCの情報に基づいてウェルプレートCに応じた干渉位置を特定する例を示したが、本実施形態では、このような干渉位置を特定する制御処理を省略してもよい。観察装置1bによれば、バネ33の伸縮によりウェルプレートCの底面の高さの違いを吸収することができるため、干渉位置をウェルプレートCに応じて積極的に制御する処理を省略することができる。
なお、ロール紙26はワイパー20などに比べて薄く、従って、わずかなウェルプレートCの底面の高さに違いによってローラ28がロール紙26を介してウェルプレートCと衝突しやすい。このため、観察装置1cにおいても、観察装置1bと同様に、ウェルプレートCに応じて干渉位置を積極的に制御する処理を行ってもよい。ウェルプレートCに応じて干渉位置を積極的に制御する処理を行った上で、さらにローラ28をバネ33で支持することで、過度な圧力がウェルプレートCに加わってしまう事態をより確実に回避することができる。
[第4の実施形態]
図29は、本実施形態に係る観察装置1cの構成を例示した図である。以下、図29を参照しながら、観察装置1cの構成のうち、第1の実施形態に係る観察装置1との相違点について説明する。
観察装置1cは、観察装置1と同様に、倒立型顕微鏡装置であり、試料を収容した容器の搬送から容器に収容された試料の撮影までを自動的に行う自動顕微鏡装置である。観察装置1cは、除去装置18の代わりに除去装置34を備える点が、観察装置1とは異なっている。
除去装置34は、撮影終了後に電動ステージがウェルプレートCを観察位置から受け渡し位置まで運ぶ際に、電動ステージの動きを利用してウェルプレートCの底面を走査する。これにより、ウェルプレートCの底面に付着した浸液を除去する。換言すると、除去装置34は、XYステージ4に置かれたウェルプレートCの底面に付着した浸液を除去する装置であって、XYステージ4の移動によりウェルプレートCの底面を走査するように構成されている。この点については、除去装置34は、除去装置18と同様である。
除去装置34は、送風機35を含んでいる。送風機35は、観察位置から受け渡し位置までXYステージ4がウェルプレートCを移動する期間中に、ウェルプレートCの底面に付着した浸液にガスを吹き付ける。除去装置34は、送風機35のノズル36から噴出したガスをXYステージ4で搬送中のウェルプレートCの底面に吹き付けることでウェルプレートCの底面に付着した浸液を吹き飛ばして除去する。吹き飛ばされた浸液は、受け部37に設けられた配管を通じて排水ボトルに集められる。
送風機35は、例えば、コンプレッサーであるが、浸液が除去できる限り、ファンやブロワなどのコンプレッサーに比べて圧力の低い送風機であってもよい。送風機35の噴出口を構成するノズル36は、ウェルプレートCの大きさに応じた幅を有し、除去装置34は、対物レンズ12の光軸と直交し、且つ、ノズル36の幅の方向と交差する方向へのXYステージ4の移動により、ウェルプレートCの底面を噴出口から噴出したガスで走査する。これにより、ウェルプレートCの底面全体がガスで走査されるため、ウェルプレートC底面に付着した浸液を十分に除去することができる。
また、ノズル36は、所定方向に向けられた状態で固定されている。ノズル36から噴出したガスの気流が、少なくとも観察位置から受け渡し位置へ向かうウェルプレートCの移動方向とは逆のベクトル成分を含むように、予めノズル36の向きを決定して固定することが望ましい。これにより、ウェルプレートCが移動する力を利用して効率良くウェルプレートCの底面の浸液を除去することが可能となる。
除去装置34を用いることで、観察装置1cは、観察装置1と同様に、観察位置から受け渡し位置への移動という従来から行われている動作を利用してウェルプレートC底面に付着した浸液を液滴が落下しない程度に除去することができる。従って、観察装置1cによっても、観察装置1と同様の効果を得ることができる。
なお、以上では、ノズル36が固定されている例を示したが、ウェルプレートCに応じてノズル36の位置を調整する構造が設けられてもよく、ウェルプレートCに応じて最適な気流がウェルプレートCの底面に吹き付けられてもよい。また、ノズル36を固定したままで送風機35から噴出されるガスの流速をウェルプレートCに応じて制御してもよい。
図30から図33は、観察装置1cの動作を説明するための図である。以下、図30から図33を参照しながら、観察位置での撮影終了後の観察装置1cの動作について詳細に説明する。
対物レンズ12とウェルプレートC底面の間を浸液Lで満たして行うミクロ観察が終了すると、焦準部10(図29参照)によって対物レンズをウェルプレートCの底面から離れる方向に動かして退避する。これにより、図30に示すように、ウェルプレートCの底面に浸液Lが付着した状態が生じる。
その後、XYステージ4が昇降機5に向かって移動を開始すると同時に、送風機35が送気を開始する。これにより、図31に示すように、ノズル36から噴出したガスがウェルプレートCの底面に付着した浸液を底面から徐々に引きはがし、図32に示すように、最終的にウェルプレートCの底面全体から浸液が除去される。その後、送風機35は、送気を停止する。XYステージ4は、引き続きウェルプレートCを昇降機5に向かって移動し、図33に示すように、ウェルプレートCが昇降機5の上方に達すると、XYステージ4は停止する。
最後に、開閉扉7が開き、昇降機5が上昇を開始する。昇降機5は、支持部6aからウェルプレートCを受け取って、そのまま受け渡し位置までウェルプレートCを持ち上げて停止する。その後、ウェルプレートCはユーザやロボットアームなどによって観察装置1c外へ移される。
以上のように、観察装置1cによれば、観察位置から受け渡し位置へウェルプレートCが移動中にガスによってウェルプレートCの底面を走査することができる。このため、観察装置1cのスループットを犠牲にすることなく、ウェルプレートC底面に付着した浸液を液滴が落下しない程度に除去することができる。
また、観察装置1cでは、ガスで浸液を吹き飛ばすことで浸液を除去するため、観察装置1aや観察装置1bと同様に、浸液の除去に当たりウェルプレートC底面を傷つける虞がない。従って、観察装置1cによれば、同じウェルプレートCを用いて繰り返し観察が行われた場合であっても、安定した性能で観察を行うことができる。
[第5の実施形態]
図34は、本実施形態に係る観察装置1dの構成を例示した図である。以下、図34を参照しながら、観察装置1dの構成のうち、第1の実施形態に係る観察装置1との相違点について説明する。
観察装置1dは、観察装置1と同様に、倒立型顕微鏡装置であり、試料を収容した容器の搬送から容器に収容された試料の撮影までを自動的に行う自動顕微鏡装置である。観察装置1dは、除去装置18の代わりにアダプタ13に取り付けられたワイパー38を含む点が、観察装置1とは異なっている。また、観察装置1dは、観察対象のウェルを変更するためにXYステージ4を移動する際に、ワイパー38を用いてウェルプレートCの底面に付着している浸液を除去する点が、観察装置1とは異なっている。
ワイパー38は、除去装置18のワイパー20に相当する干渉部材であり、ウェルプレートCの底面に付着した浸液に干渉する。ワイパー38は、対物レンズ12を用いたミクロ観察中にウェルプレートCの底面に接触するように配置されている。また、ワイパー38は、XYステージ4とともに移動する浸液の移動を遮るように、アダプタ13を介して対物レンズ12に取り付けられている。即ち、観察装置1dでは、ワイパー38が取り付けられたアダプタ13が除去装置に相当する。
なお、図34では、対物レンズ12の光軸に対して対象な位置で2つのワイパー38がアダプタ13に取り付けられている例を示したが、ワイパー38の数や配置はこの例に限らない。XYステージ4は、観察するウェルを変更するために様々な方向に移動する。観察対象のウェルを変更するための移動中にも浸液を除去することができれば、ウェルプレートCの底面に付着した浸液の大部分を除去可能である。従って、ワイパー38は、XYステージ4が移動し得る様々な方向に配置されてもよい。また、ワイパー38は、対物レンズ12の取り囲む環状形状を有してもよい。環状形状のワイパー38を設けることでXYステージ4の移動方向によらず浸液を除去することができる。
以上のように構成された観察装置1dによっても、観察対象のウェルを変更するために従来から行われている動作を利用してウェルプレートC底面に付着した浸液を除去することができる。従って、観察装置1dによっても、観察装置1と同様の効果を得ることができる。
図35から図37は、観察装置1dの動作を説明するための図である。以下、図35から図37を参照しながら、観察位置での撮影終了後の観察装置1dの動作について詳細に説明する。
図35は、対物レンズ12とウェルプレートC底面の間を浸液Lで満たした状態で行う、所定のウェルに対するミクロ観察が終了した状態を示している。このとき、ワイパー38はウェルプレートCの底面に接触している。
その後、次のウェルに対するミクロ観察の位置へXYステージ4を移動する場合、対物レンズ12を退避することなくXYステージ4の移動が行われる。このため、XYステージ4とともにウェルプレートCの底面に付着して移動する浸液Lは、図36に示すように、ウェルプレートCの底面に干渉しているワイパー38によってその移動が遮られる。
その結果、ワイパー38に遮られた浸液Lは、図37に示すように、ウェルプレートCの底面から落下して、アダプタ13に設けられた配管及び受け部14を通じて排水ボトルへ導かれる。
以上のように、観察装置1dによれば、観察対象のウェルを変更するためのXYステージ4の移動中にワイパー38によってウェルプレートCの底面を走査することができる。このため、観察装置1dのスループットを犠牲にすることなく、ウェルプレートC底面に付着した浸液を除去することができる。
なお、観察装置1dでは、ワイパー38がウェルプレートCに接触する例を示したが、観察装置1のワイパー20と同様に、ワイパー38はウェルプレートCの底面に付着した浸液に干渉すればよく、ワイパー38は必ずしもウェルプレートCの底面に接触しなくてもよい。ワイパー38と底面の間にわずか隙間が形成されるようにワイパー38はアダプタ13に取り付けられてもよい。
上述した実施形態は、発明の理解を容易にするために具体例を示したものであり、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。上述の実施形態を変形した変形形態および上述した実施形態に代替する代替形態が包含され得る。つまり、各実施形態は、その趣旨および範囲を逸脱しない範囲で構成要素を変形することが可能である。また、1つ以上の実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることにより、新たな実施形態を実施することができる。また、各実施形態に示される構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよく、または実施形態に示される構成要素にいくつかの構成要素を追加してもよい。さらに、各実施形態に示す処理手順は、矛盾しない限り順序を入れ替えて行われてもよい。即ち、本発明の倒立顕微鏡装置は、特許請求の範囲の記載を逸脱しない範囲において、さまざまな変形、変更が可能である。
例えば、観察装置1の除去装置18と観察装置1dのワイパー38の両方を備えるように、観察装置は構成されてもよい。これにより、観察装置は、ウェル間を移動中と、観察位置から受け渡し位置への移動中の両方で浸液を除去することができる。
1、1a、1b、1c、1d 観察装置
2 上部構造
3 下部構造
4 XYステージ
5、19、27 昇降機
6 インキュベータ
6a 支持部
6b 蓋部
7 開閉扉
8 透過照明系
9 レボルバ
10 焦準部
11、12 対物レンズ
13 アダプタ
14、24、37 受け部
15 供給装置
16 多光子励起顕微鏡
17 オートフォーカスユニット
18、25、32、34 除去装置
20、38 ワイパー
21 給水ボトル
22 ポンプ
23、36 ノズル
26 ロール紙
28、29、30 ローラ
31 排紙部
33 バネ
35 送風機
C ウェルプレート
D1、D2 幅
L 浸液
W ウェル

Claims (10)

  1. 液浸対物レンズと、
    少なくとも前記液浸対物レンズの光軸と直交する方向に移動する電動ステージと、
    前記電動ステージに置かれた容器の底面に付着した浸液を除去する除去手段と、を備え、
    前記除去手段は、前記電動ステージの移動により前記底面を走査するように構成される
    ことを特徴とする倒立顕微鏡装置。
  2. 請求項1に記載の倒立顕微鏡装置において、
    前記除去手段は、浸液に干渉する干渉部材を含み、
    前記干渉部材は、前記液浸対物レンズの光軸上の観察位置から前記容器を前記倒立顕微鏡装置に置くための受け渡し位置まで、前記電動ステージが前記容器を移動する期間中に、前記容器の前記底面に付着した浸液に干渉する
    ことを特徴とする倒立顕微鏡装置。
  3. 請求項2に記載の倒立顕微鏡装置において、
    前記除去手段は、前記干渉部材としてワイパーを含み、
    前記ワイパーは、前記電動ステージとともに移動する前記浸液の移動を、前記観察位置と前記受け渡し位置の間の所定位置で遮るように配置される
    ことを特徴とする倒立顕微鏡装置。
  4. 請求項2に記載の倒立顕微鏡装置において、
    前記除去手段は、前記干渉部材として吸液部材を含み、
    前記吸液部材は、前記電動ステージとともに移動する前記浸液を、前記観察位置と前記受け渡し位置の間の所定位置で吸収するように配置される
    ことを特徴とする倒立顕微鏡装置。
  5. 請求項4に記載の倒立顕微鏡装置において、
    前記吸液部材は、ロール状に巻かれていて、
    前記除去手段は、さらに、前記吸液部材を巻き取る巻取装置を備え、
    前記巻取装置は、前記電動ステージの移動に応じて前記吸液部材を巻き取る
    ことを特徴とする倒立顕微鏡装置。
  6. 請求項2乃至請求項5のいずれか1項に記載の倒立顕微鏡装置において、
    前記除去手段は、前記干渉部材を動かす移動装置を備え、
    前記移動装置は、
    前記観察位置から前記受け渡し位置まで前記電動ステージが前記容器を移動する期間中であって少なくとも前記容器が干渉位置を通過する期間中、前記干渉部材を前記干渉位置に維持し、
    前記受け渡し位置から前記観察位置まで前記電動ステージが前記容器を移動する期間中、前記干渉部材を退避位置に維持する
    ことを特徴とする倒立顕微鏡装置。
  7. 請求項1に記載の倒立顕微鏡装置において、
    前記除去手段は、前記容器の前記底面に付着した浸液に干渉する干渉部材として、ワイパーを含み、
    前記ワイパーは、前記電動ステージとともに移動する前記浸液の移動を遮るように、前記液浸対物レンズに取り付けられる
    ことを特徴とする倒立顕微鏡装置。
  8. 請求項2乃至請求項7のいずれか1項に記載の倒立顕微鏡装置において、
    前記干渉部材は、前記容器の大きさに応じた幅を有し、
    前記除去手段は、前記液浸対物レンズの光軸と直交し、且つ、前記幅の方向と交差する方向への前記電動ステージの移動により、前記底面を前記干渉部材で走査する
    ことを特徴とする倒立顕微鏡装置。
  9. 請求項1に記載の倒立顕微鏡装置において、
    前記除去手段は、送風機を含み、
    前記送風機は、前記液浸対物レンズの光軸上の観察位置から前記容器を前記倒立顕微鏡装置に設置するための受け渡し位置まで前記電動ステージが前記容器を移動する期間中に、前記容器の前記底面に付着した浸液にガスを吹き付ける
    ことを特徴とする倒立顕微鏡装置。
  10. 請求項9に記載の倒立顕微鏡装置において、
    前記送風機の噴出口は、前記容器の大きさに応じた幅を有し、
    前記除去手段は、前記液浸対物レンズの光軸と直交し、且つ、前記幅の方向と交差する方向への前記電動ステージの移動により、前記底面を前記送風機の前記噴出口から噴出したガスで走査する
    ことを特徴とする倒立顕微鏡装置。
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