JP2022169263A - 回転電機 - Google Patents

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Yu Hasegawa
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Abstract

Figure 2022169263000001
【課題】コイルエンドの温度上昇を効果的に抑制し、コイルの絶縁劣化を防止する。
【解決手段】回転電機のステータは、複数のティース112を有するステータコア11と、複数のティース112に巻装されたコイル12と、コイル12の熱をステータコア11に伝える伝熱体13と、を備える。コイル12は、ステータコア11からその軸方向に突出するコイルエンド121を有する。伝熱体13は、コイルエンド121の内周側の表面である内周面121aとステータコア11のそれぞれに接触するように配置される。伝熱体13は、ステータコア11の径方向に直交する方向に沿って配列される複数の導電部材130と、複数の導電部材130間に形成される絶縁層140と、を有する。
【選択図】図6

Description

本発明は、回転電機に関する。
ロータと、ステータとを備えたモータ等の回転電機が知られている(特許文献1参照)。特許文献1には、ステータコアと、ステータコアのティースの両端面に当接するように配置された磁性粉末成形体製のコアエンド部材と、ティース及びコアエンド部材を覆う絶縁キャップと、絶縁キャップの外周に巻回されるコイルと、を有するステータが開示されている。
特開2002-369418号公報
回転電機のコイルは通電により発熱する。発熱によりコイルが高温になると絶縁劣化を招くおそれがある。特にコイルエンドは、熱が逃げにくく、通電による自発的な発熱で絶縁劣化が生じやすい。コイルエンドの絶縁劣化を抑制するためには、コイルエンドの熱をステータコアに伝え、コイルエンドの温度上昇を抑制することが考えられる。特許文献1に記載の回転電機は、コイルエンドとステータコアの間にコアエンド部材が配置され、コイルエンドで発生した熱がコアエンド部材を介してステータコアに伝わる構成とされている。しかしながら、特許文献1の記載のコアエンド部材は、磁性粉末成形体により形成されている。磁性粉末成形体は、一般的に樹脂と同程度の熱伝導率である。このため、コイルエンドの温度上昇を十分に抑制することができないおそれがある。
磁性粉末形成体に代えて、熱伝導率の高い金属等の導電部材がコイルエンドとステータコアとの間に配置される場合、コイルエンドの周囲空間に分布する漏れ磁束が導電部材に作用することにより渦電流が発生する。この場合、導電部材自体の発熱により、コイルエンドの温度上昇を十分に抑制できないおそれがある。
本発明は、コイルエンドの温度上昇を効果的に抑制し、コイルの絶縁劣化を防止することを目的とする。
本発明の一態様による回転電機は、ステータと、前記ステータに対して回転可能に設けられたロータと、を備える。前記ステータは、筒状の継鉄部と前記継鉄部から突出する複数のティースとを有するステータコアと、前記複数のティースに巻装されたコイルと、前記コイルの熱を前記ステータコアに伝える伝熱体と、を備える。前記コイルは、前記ステータコアからその軸方向に突出するコイルエンドを有する。前記伝熱体は、前記コイルエンドの内周側の表面と前記ステータコアのそれぞれに接触するように配置される。前記伝熱体は、前記ステータコアの径方向に直交する方向に沿って配列される複数の導電部材と、前記複数の導電部材間に形成される絶縁層と、を有する。
本発明によれば、コイルエンドの温度上昇を効果的に抑制し、コイルの絶縁劣化を防止することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る回転電機の構成を示す側面断面模式図である。 図2は、本発明の実施形態に係る回転電機の構成を示す平面断面模式図である。 図3は、図2において破線で示す領域100Aのステータのみを抜き出した部分の斜視図である。 図4は、図3に示す領域100Aで抜き出したステータの一部の分解斜視図である。 図5は、本発明の実施形態に係る伝熱体の斜視図である。 図6は、伝熱体の断面模式図であり、伝熱体に鎖交する漏れ磁束及び伝熱体に生じる渦電流について示す。 図7は、伝熱体の断面模式図であり、コイルエンドで発生した熱の流れについて示す。 図8は、本発明の実施形態の変形例1-1に係る回転電機のステータの一部の斜視図である。 図9は、本発明の実施形態の変形例1-1に係る伝熱体の斜視図である。 図10Aは、本発明の実施形態の変形例2に係る伝熱体を示す図である。 図10Bは、本発明の実施形態の変形例3に係る伝熱体を示す図である。
図面を参照して、本発明の実施形態に係る回転電機について説明する。本実施形態に係る回転電機は、自動車(車両)の走行に使用するのが好適な回転電機である。本実施形態に係る回転電機は、回転電機のみによって走行する純粋な電気自動車、及び、エンジンと回転電機の双方によって駆動されるハイブリッド型の電気自動車のいずれにも適用することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る回転電機100の構成を示す側面断面模式図である。図1は、回転電機100の回転中心軸Caに平行な平面で切断した回転電機100の断面を示している。図2は、本発明の実施形態に係る回転電機100の構成を示す平面断面模式図である。図2では、回転電機100を回転中心軸Caの方向からみた断面を示している。
回転電機100は、永久磁石埋込型の三相同期モータである。回転電機100は、三相交流電力が供給されることで、ロータ20を回転させる電動機として作動する。なお、回転電機100は、エンジン(不図示)によって駆動されることにより、発電機として作動して三相交流の発電電力を出力するものであってもよい。つまり、回転電機100は、電気エネルギーに基づいて回転トルクを発生する電動機としての機能と、機械エネルギーに基づいて発電を行う発電機としての機能の両方を有していてもよい。
図1及び図2に示すように、回転電機100は、ハウジング2に固定されるステータ10と、ステータ10の内周側に隙間3をあけて回転可能に設けられるロータ20と、を備える。
ステータ10及びロータ20は、円筒状のハウジング2に収容されている。図示しないが、ハウジング2には、ロータ20のシャフト4を支持する複数の軸受が設けられている。シャフト4が複数の軸受によって支持されることにより、ロータ20がステータ10の内側で回転可能に保持される。
ステータ10は、円筒状のステータコア11と、このステータコア11に巻装された複数のコイル(U相コイル、V相コイル及びW相コイル)12と、を備える。ステータコア11は、円筒状の継鉄部111と、継鉄部111から回転中心軸Caに向かって突出する複数(本実施形態では36個)のティース112と、を有する。
回転電機100のロータ20の回転中心軸Caは、円筒状のステータコア11の中心軸に一致する。以下の説明では、ロータ20の回転中心軸Caに平行な方向を軸方向と記し、ロータ20の回転中心軸Caを中心とする円周方向、すなわち回転中心軸Ca周りに回転する方向を周方向と記し、軸方向及び周方向に直交する方向を径方向と記す。以下、特に断りなく「軸方向」、「周方向」、「径方向」と記すときは、それぞれ回転電機100の「軸方向」、「周方向」、「径方向」のことを指す。なお、回転電機100の「軸方向」、「周方向」、「径方向」は、ステータコア11の「軸方向」、「周方向」、「径方向」のそれぞれと同義である。
図2に示すように、隣接するティース112間には、コイル12が収容されるスロット113が形成される。つまり、ステータコア11の内周部には、複数(本実施形態では36個)のスロット113が形成される。本実施形態では、ステータコア11の内周側に、軸方向に沿って延在する複数のティース112とスロット113とが交互に、かつ周方向に等間隔となるように形成されている。ティース112は、周方向に一定の幅で形成されている。
ティース112は径方向の磁路を形成し、継鉄部111は周方向の磁路を形成する。ティース112は、コイル12によって発生した回転磁界をロータ20に導き、ロータ20に回転トルクを発生させる。コイル12は、集中巻の巻線方式でティース112に巻装されている。コイル12は、例えば、銅を主成分とした導線に絶縁被膜がコーティングされたエナメル線である。コイル12の絶縁被膜の材料には、例えば、ポリイミド等のエンジニアリングプラスチックを採用できる。各相(U相、V相、W相)のコイル12は、それぞれ複数の集中巻コイル120が接続されることで形成される。
ステータコア11は、磁性材料により形成される。本実施形態では、ステータコア11は、円環状の電磁鋼板を複数枚積層することにより形成される。なお、ステータコア11は、絶縁被覆された金属磁性粒子を圧縮成形してなる圧粉磁心により形成してもよい。ステータコア11は、円筒状のハウジング2(図1参照)の内側に焼嵌め、圧入等により嵌合固定される。
ロータ20は、円筒状のロータコア21と、ロータコア21に固定される複数(本実施形態では32個)の永久磁石22と、ロータコア21を貫通するように設けられたシャフト4と、を備える。シャフト4は、ロータコア21に固定される。ロータコア21は、磁性材料により形成される。本実施形態では、ロータコア21は、円環状の電磁鋼板を複数枚積層することにより形成される。なお、ロータコア21は、絶縁被覆された金属磁性粒子を圧縮成形してなる圧粉磁心により形成してもよい。ロータコア21の外周面は、隙間3を介して、ステータコア11の内周面であるティース112の先端面と対向している。永久磁石22は、ロータ20の界磁極を形成する。
ロータコア21の外周部には、永久磁石22が挿入される磁石挿入孔が、周方向に等間隔で形成される。永久磁石22は、接着剤などによって、その内周面が磁石挿入孔の内周面に接着固定される。なお、ロータコア21に対する永久磁石22の固定方法は、これに限られない。例えば、ロータコア21の外周面に、永久磁石22を固定するための凹部が設けられていてもよい。
永久磁石22の磁化方向は径方向を向いており、界磁極毎に磁化方向の向きが反転している。つまり、ある磁極を形成するための永久磁石22のステータ10側の面がN極、シャフト4側の面がS極に磁化されていたとすると、隣の磁極を形成する永久磁石22のステータ10側の面はS極、シャフト4側の面はN極に磁化されている。本実施形態に係るロータ20は、磁極数が偶数(本実施形態では、32)のロータである。
U相、V相、W相のコイル12のそれぞれは、図示しない電力変換装置(インバータ)に接続されている。図示しないバッテリからの直流電力が、電力変換装置により交流電力に変換され、各相のコイル12に供給されることで、回転磁界が発生し、ロータ20が回転中心軸Caを中心に回転する。
図3及び図4を参照して、集中巻コイル120について説明する。図3は、図2において破線で示す領域100Aのステータ10のみを抜き出した部分の斜視図である。領域100Aは、ステータ10をティース112の個数(本実施形態では36個)分で分割した角度(本実施形態では10°)に相当する領域である。図4は、図3に示す領域100Aで抜き出したステータ10の一部の分解斜視図である。なお、図3及び図4では、集中巻コイル120の導線の図示を模式的に示しているが、実際にはティース112の周りに導線が螺旋状に巻回されている。本実施形態では、集中巻コイル120の導線は平角線であり、1つのティース112に対して1つの集中巻コイル120が装着される。集中巻コイル120は、例えば、平角線をエッジ側(短辺側)の曲がりにくい方向に巻いた平角線縦巻コイル(エッジワイズコイル)である。なお、集中巻コイル120の導線には、丸線を用いてもよい。
集中巻コイル120は、治具等に導線を螺旋状に巻回するなどして、予め成形されている。スロット113はオープンスロット形状であり、集中巻コイル120はステータコア11の内周側から挿入され、ティース112に装着される。集中巻コイル120は、軸方向に直交する断面がU字状の絶縁紙(不図示)を介してスロット113内に収容される。絶縁紙は、ポリフェニレンサルファイド(PPS)やポリブチレンテレフタレート(PBT)等の絶縁性を有する樹脂材料で形成される。図示しないが、集中巻コイル120の引き出し線同士を接続することにより、コイル12が形成される。なお、集中巻コイル120は、ティース112に直接巻き付けてもよい。この場合、後述する伝熱体13とティース112の外周に導線が巻き回される。
集中巻コイル120は、スロット113の内側に配置されるスロット内導体122と、スロット113からステータコア11の軸方向に突出し、スロット113の外側に配置されるコイルエンド121と、を有する。コイルエンド121は、ティース112の周方向一方側のスロット113内に配置されるスロット内導体122と、ティース112の周方向他方側のスロット113内に配置されるスロット内導体122と、を接続する部分である。コイルエンド121は、集中巻コイル120におけるステータコア11の軸方向端部に相当し、ステータコア11からはみ出て露出している。本実施形態では、コイルエンド121が、半円状に屈曲されている。
ところで、本実施形態に係る回転電機100のように、車両等に利用される回転電機は、できる限り小さなスペースに設置できること、及び、大きな駆動トルクを出力できることが要求される。このため、回転電機は、大径かつ薄型の体格と高出力化が必要である。集中巻の永久磁石同期モータとしての回転電機を軸方向に短くする場合、回転電機のトルク増大に影響する巻線係数が高い構造として、分数スロット巻線構造を採用することが好ましい。本実施形態では、スロット数と極数の比が9対8になる分数スロット巻線構造が採用されている。スロット数と極数の比が3対2になる一般的な組み合わせの構造に対し、分数スロット巻線構造は、スロット数と極数の値が近いほど巻線係数が高まる。一方で、分数スロット巻線構造は、一般的な構造に比べて回転電機のコイル数が多くなる。このため、コイルの絶縁被膜やコイルに固着された絶縁ワニス等の損傷に起因した絶縁劣化が生じやすい。
回転電機(モータ)のトルクの大きさは、通常、回転電機の軸長と電流に比例する。しかし、設置スペースの制約等で、回転電機の軸長を十分に確保することが難しい場合がある。この場合、高出力を得るために、コイルに大電流を流すことになるため、コイルエンドで発生したジュール熱を効果的に逃がし、コイルエンドの絶縁劣化を防止することが重要となる。
本実施形態に係るステータ10は、コイルエンド121の熱をステータコア11に伝える伝熱体13を備えている。伝熱体13は、コイルエンド121とステータコア11の間に配置されている。コイルエンド121の熱は、伝熱体13を介してステータコア11に伝わり、ステータコア11からハウジング2に伝わり、ハウジング2外に放熱される。
ここで、伝熱体13が、熱伝導率の高い金属材料等からなる1つの導電部材で形成される場合、伝熱体13に鎖交する漏れ磁束により生じる渦電流によって伝熱体13が発熱し、コイルエンド121の熱を効果的に逃がすことができないという課題が生じる。
上記課題を解決するために、本実施形態に係る伝熱体13は、複数の導電部材130が絶縁層140を介して積層された構造とされている。別の言い方をすれば、伝熱体13は、複数の導電部材130に分割された分割構造とされている。これにより、伝熱体13に生じる渦電流に起因した熱の発生が抑制され、コイルエンド121の熱を効果的にステータコア11に伝えることができるため、コイルエンド121の絶縁劣化を抑制することができる。
以下、図3~図6を参照して、伝熱体13の構成、伝熱体13に生じる渦電流、及び、コイルエンド121で発生した熱の流れについて詳しく説明する。図5は、伝熱体13の斜視図である。図6は、伝熱体13の断面模式図であり、伝熱体13に鎖交する漏れ磁束及び伝熱体13に生じる渦電流について示す。図7は、伝熱体13の断面模式図であり、コイルエンド121で発生した熱の流れについて示す。
図3及び図4に示すように、コイルエンド121の内周側の表面である内周面121aと、ティース112の軸方向の端面である軸方向端面112aとの間には、伝熱体13が配置されている。伝熱体13は、半円柱形状であり、ティース112の軸方向端面112aに沿って形成された平面状の底面13bと、コイルエンド121の内周面121aに沿って形成された円弧状の曲面である外周面13aと、を有する。外周面13aはコイルエンド121の内周面121aに当接し、底面13bはティース112の軸方向端面112aに当接する。これにより、コイルエンド121とティース112とが伝熱体13を介して熱的に接続される。なお、図示するように伝熱体13は、ティース112の軸方向一方側及び他方側のそれぞれに1つずつ配置される。
図5に示すように、伝熱体13は、断面が半円弧状の第1導電部材131と、断面が半円弧状の第2導電部材132と、断面が半円弧状の第3導電部材133と、断面が半円弧状の第4導電部材134と、断面が半円状の第5導電部材135と、を有する。以下では、第1~第5導電部材131~135を総称して導電部材130とも記す。複数の導電部材130は、導電性を有する金属材料により形成される。なお、複数の導電部材130は、非磁性材料により形成されることが好ましい。さらに、複数の導電部材130は、ステータコア11よりも熱伝導率の高い材料により形成されることが好ましい。導電部材130は、例えば、アルミニウム合金(JIS:A5052等)、ステンレス(JIS:SUS304等)等の熱伝導率の高い非磁性材料により形成される。本実施形態では、伝熱体13を構成する複数の導電部材130の全てが、同じ材料で形成される。
アルミニウム合金(JIS:A5052)の熱伝導率は137[W/mK]であり、電気抵抗率は2.66e-8[Ωm]である。ステンレス(JIS:SUS304)の熱伝導率は16[W/mK]であり、電気抵抗率は7.19e-7[Ωm]である。ステータコア11を構成する電磁鋼板(JIS:35A250)の熱伝導率は、28.5[W/mK]であり、電気抵抗率は4.7e-7[Ωm]である。なお、ステータコア11は、電磁鋼板を積層して構成されるため、その熱伝導率には異方性がある。ステータコア11の電磁鋼板面内方向の熱伝導率は電磁鋼板の熱伝導率と略同じであるが、ステータコア11の軸方向、すなわち電磁鋼板の積層方向の熱伝導率は、電磁鋼板面内方向の熱伝導率に比べて小さくなる。本実施形態に係るステータコア11の軸方向(電磁鋼板の積層方向)の熱伝導率は、5.8[W/mK]である。つまり、導電部材130の材料であるアルミニウム合金(JIS:A5052)及びステンレス(JIS:SUS304)の熱伝導率は、ステータコア11の軸方向の熱伝導率よりも高い。
第1~第4導電部材131~134は、半円弧状の断面を有するアーチ状部材である。第1~第4導電部材131~134は、その周方向の端面がステータコア11に面接触するコア接触面131b~134bとされている。第1導電部材131の外周側の表面である外周面13aは、コイルエンド121に接触するコイル接触面である。第1導電部材131の内周側の表面である内周面は、第2導電部材132の外周側の表面である外周面に接触し、第2導電部材132の内周側の表面である内周面は、第3導電部材133の外周側の表面である外周面に接触し、第3導電部材133の内周側の表面である内周面は、第4導電部材134の外周側の表面である外周面に接触する。
第5導電部材135は、半円状の断面を有する半円柱状部材である。第5導電部材135の外周側の表面である外周面は、第4導電部材134の内周側の表面である内周面に接触する。第5導電部材135は、断面形状の弦に相当する面(底面)がステータコア11に面接触するコア接触面135bとされている。
導電部材130同士は接着剤により接続される。また、第1導電部材131の外周面13aとコイルエンド121とは接着剤により接続され、各導電部材130のコア接触面131b~135bとステータコア11とは接着剤により接続される。接着剤は、例えば、2液エポキシ系接着剤、シリコーン系接着剤等である。図6に示すように、接着剤が硬化することにより、絶縁性を有する層状部材である絶縁層(硬化した接着剤)140が形成される。
導電部材130同士が接着剤により接続されると、導電部材130間に中間絶縁層142~145が形成される。具体的には以下のとおりである。第1導電部材131の内周面と第2導電部材132の外周面との間には第1中間絶縁層142が形成される。第2導電部材132の内周面と第3導電部材133の外周面との間には第2中間絶縁層143が形成される。第3導電部材133の内周面と第4導電部材134の外周面との間には第3中間絶縁層144が形成される。第4導電部材134の内周面と第5導電部材135の外周面との間には第4中間絶縁層145が形成される。接着剤が硬化することにより、複数の導電部材130が結合され、伝熱体13が形成される。
伝熱体13の底面13bである各導電部材130のコア接触面131b~135bは、接着剤によりティース112の軸方向端面112aに固定される。ティース112と伝熱体13が接着剤により接続されると、ティース112と伝熱体13との間に内側絶縁層146が形成される。具体的には、第1~第4導電部材131~134のコア接触面131b~134b及び第5導電部材135のコア接触面135bとティース112の軸方向端面112aとの間に内側絶縁層146が形成される。したがって、各導電部材130は、内側絶縁層146を介してステータコア11に接触し、ステータコア11に熱的に接続される。
伝熱体13の外周面13aは、接着剤によりコイルエンド121の内周面121aに固定される。コイルエンド121と伝熱体13が接着剤により接続されると、コイルエンド121の内周面121aと伝熱体13の外周面13aとの間に外側絶縁層141が形成される。したがって、第1導電部材131は、外側絶縁層141を介してコイルエンド121に接触し、コイルエンド121に熱的に接続される。なお、コイルエンド121は絶縁被膜を有している。このため、外側絶縁層141は省略することができる。この場合、第1導電部材131がコイルエンド121に直接接触する。
このように、複数の導電部材130は、ステータコア11の軸方向に沿って、絶縁層140を介して配列される。つまり、伝熱体13は、絶縁層140と導電部材130とが交互に積層された積層構造体である。伝熱体13は、コイルエンド121とティース112との間に挟まるように固定されている。
コイル12に電流が供給されると、コイル12の周囲に磁界が発生し、その一部が漏れ磁束Lfとなる。導電部材130に鎖交する漏れ磁束Lfは、ステータコア11の径方向と平行である。つまり、導電部材130に鎖交する漏れ磁束Lfは、導電部材130におけるステータコア11の径方向に直交する断面(以下、漏れ磁束の鎖交面とも記す)に直交する。回転電機100の駆動中は、コイル12に通電される電流の大きさが周期的に変化する。このため、コイル12の通電に起因して発生する漏れ磁束Lfも同様に変化する。その結果、導電部材130に鎖交する漏れ磁束Lfは、導電部材130の内部に渦電流Ecを発生させる。なお、渦電流Ecは、複数の漏れ磁束Lfの周りに発生し、その合成渦電流(図中、太い破線を参照)が導電部材130の外周近傍に沿って流れる。
渦電流Ecの大きさは、漏れ磁束Lfの大きさに比例し、漏れ磁束Lfの鎖交面の面積に比例する。つまり、渦電流Ecによって発生する損失(以下、渦電流損とも記す)は、漏れ磁束Lfの鎖交面の面積を小さくすることにより低減できる。渦電流損Pe[W/kg]は、一般的に、式(1)で表される。
Pe=σ×(d×f×k×B) …(1)
ここで、σは、導電部材130の材料の定数、dは導電部材130の厚み、fは磁束の周波数、kは起電力の波形率、Bは鎖交する磁束密度である。式(1)で表されるように、渦電流損Peは、導電部材130の厚みの2乗に比例する。渦電流が流れる経路の面積が狭いほど、渦電流回路の抵抗が大きくなり、渦電流が小さくなる。
本実施形態に係る半円柱形状の伝熱体13は、4つのアーチ状部材(第1~第4導電部材131~134)と1つの半円柱状部材(第5導電部材135)に分割される。本実施形態では、各導電部材130は、軸方向外側に配置されるものほど、その厚みが薄くなるように形成されている。具体的には、第1導電部材131の厚みt1、第2導電部材132の厚みt2、第3導電部材133の厚みt3、第4導電部材134の厚みt4、及び第5導電部材135の厚みt5の大小関係は、t1<t2<t3<t4<t5となる。
導電部材130の厚みは、その周方向幅(導電部材130におけるステータコア11の周方向の幅)の中心面上の軸方向の長さともいえる。具体的には、第1導電部材131の厚みt1は、第1導電部材131の周方向幅の中心面上の軸方向の長さともいえる。第2導電部材132の厚みt2は、第2導電部材132の周方向幅の中心面上の軸方向の長さともいえる。第3導電部材133の厚みt3は、第3導電部材133の周方向幅の中心面上の軸方向の長さともいえる。第4導電部材134の厚みt4は、第4導電部材134の周方向幅の中心面上の軸方向の長さともいえる。第5導電部材135の厚みt5は、第5導電部材135の周方向幅の中心面上の軸方向の長さともいえる。なお、第5導電部材135の厚みt5は、半円柱状の第5導電部材135の半径に相当する。
このように、各導電部材130の厚みは、それぞれ異なる。また、各導電部材130の厚みは、それぞれステータコア11を構成する電磁鋼板の厚みよりも厚い。
導電部材130の厚みを外側ほど薄くすることにより、各導電部材130における漏れ磁束Lfの鎖交面の面積の差を小さくすることができる。各導電部材130における漏れ磁束Lfの鎖交面の面積の差を小さくすることにより得られる効果について説明する。各導電部材130は、外側に配置されるものほど、その周長が長い。このため、仮に、各導電部材130の厚みが同じであると、外側に配置される導電部材130の方が、内側に配置される導電部材130に比べて、漏れ磁束Lfの鎖交面の面積が大きくなる。したがって、各導電部材130の厚みが同じであると、漏れ磁束Lfの鎖交面の面積が大きい外側の導電部材130ほど、大きな渦電流損が発生することになる。
これに対して、本実施形態に係る伝熱体13を構成する導電部材130は、外側に配置されるものほど、その厚みが薄くなるように形成されている。換言すれば、ステータコア11の軸方向外側に配置される導電部材130(例えば、第1導電部材131)の厚みは、その導電部材130(例えば、第1導電部材131)よりもステータコア11の軸方向内側に配置される導電部材130(例えば、第2導電部材132)の厚みよりも薄い。このため、各導電部材130における漏れ磁束Lfの鎖交面の面積の差(例えば、第1導電部材131における漏れ磁束Lfの鎖交面の面積と、第2導電部材132における漏れ磁束Lfの鎖交面の面積の差)を小さくすることができる。したがって、回転電機100の運転中に、各導電部材130内で発生する渦電流の大きさを小さくしつつ、かつ、均等にすることができ、伝熱体13の発熱量を低く抑えることができる。その結果、伝熱体13により、コイル12の熱を効果的にステータコア11に伝えることができ、コイル12の温度を効果的に低減することができる。
なお、複数の導電部材130は、それぞれステータコア11の径方向に直交する断面積(すなわち、漏れ磁束Lfの鎖交面の面積)が等しくなるように形成されることが好ましい。これにより、各導電部材130における渦電流損を均一かつ低く抑えることができ、伝熱体13自体の発熱を抑えることができる。
図7において、破線の矢印で模式的に示すように、コイルエンド121で発生した熱は、第1導電部材131、第2導電部材132、第3導電部材133、第4導電部材134、第5導電部材135の順に伝わる。第1導電部材131に伝わった熱は、円弧状の第1導電部材131の周方向に沿って伝導し、コア接触面131bから内側絶縁層146を介してティース112に伝わる。同様に、第2~第4導電部材132~134に伝わった熱は、円弧状の第2~第4導電部材132~134の周方向に沿って伝導し、コア接触面132b~134bから内側絶縁層146を介してティース112に伝わる。第5導電部材135に伝わった熱は、ステータコア11の軸方向に沿って伝導し、コア接触面135bから内側絶縁層146を介してティース112に伝わる。
このように本実施形態では、回転電機100の運転中に、コイル12のコイルエンド121で発生するジュール熱を、伝熱体13を介してティース112に伝える伝熱経路が構築される。ティース112に伝わった熱は、継鉄部111(図2参照)を介してハウジング2(図2参照)に伝わることで外部環境に放熱される。このため、本実施形態によれば、伝熱体13を設けない場合に比べて、コイル12の温度を下げることができる。
上述した実施形態によれば、次の作用効果を奏する。
(1)回転電機100は、ステータ10と、ステータ10に対して回転可能に設けられたロータ20と、を備える。ステータ10は、筒状の継鉄部111と継鉄部111から突出する複数のティース112とを有するステータコア11と、複数のティース112に巻装されたコイル12と、コイル12の熱をステータコア11に伝える伝熱体13と、を備える。コイル12は、ステータコア11からステータコア11の軸方向に突出するコイルエンド121を有する。伝熱体13は、コイルエンド121の内周側の表面である内周面121aとステータコア11のそれぞれに接触するように配置される。伝熱体13は、ステータコア11の径方向に直交する方向(本実施形態では、軸方向)に沿って配列される複数の導電部材130と、複数の導電部材130間に形成される絶縁層140と、を有する。
この構成では、熱伝導性の良好な金属材料等により形成される導電部材130によって伝熱体13を構成することができる。また、伝熱体13が複数の導電部材130に分割されているため、伝熱体が一塊の金属部材である場合に比べて、渦電流損を小さくすることができる。したがって、本実施形態によれば、渦電流に起因する伝熱体13自体の発熱を抑えることができるので、コイルエンド121で発生した熱を、伝熱体13を介して効果的にステータコア11に伝えることができる。これにより、コイルエンド121の温度上昇を効果的に抑制することができ、コイルの絶縁劣化を防止することができる。
本実施形態では、コイルエンド121の温度上昇を抑制できる分、回転電機100の出力の向上を図ることができる。また、本実施形態によれば、車内の高温環境下でも連続動作が可能な高い耐久性を有する車両駆動用の回転電機100を提供することができる。
(2)複数の導電部材130には、コイルエンド121の内周側の表面である内周面121aに沿って形成された第1導電部材131が含まれる。換言すれば、伝熱体13の外周側の表面である外周面13aが、コイルエンド121の内周面121aに沿って形成される。この構成によれば、コイルエンド121と伝熱体13との接触面積を大きくとることができ、熱接触抵抗を小さくすることができる。その結果、伝熱体13は、より多くの熱をステータコア11に伝えることができるので、効果的にコイル12の温度上昇を抑えることができる。
(3)ステータコア11の軸方向外側に配置される導電部材130の厚みは、その導電部材130よりもステータコア11の軸方向内側に配置される導電部材130の厚みよりも薄い。この構成によれば、各導電部材130における漏れ磁束Lfの鎖交面の面積の差を小さくすることができる。これにより、渦電流損を低減することができ、伝熱体13自体の発熱を抑制することができる。その結果、効果的にコイル12の温度上昇を抑えることができる。
(4)伝熱体13を構成する複数の導電部材130は、非磁性材料により形成される。非磁性材料は、磁性材料に比べて磁束を通しにくい性質がある。したがって、本実施形態によれば、磁性材料により導電部材130が形成される場合に比べて、渦電流損を小さくすることができる。さらに、磁性材料により導電部材130を形成する場合、ヒステリシス損が発生する。これに対して、本実施形態では、導電部材130が非磁性材料により形成されているため、磁性材料で導電部材130を形成する場合に比べて、ヒステリシス損に起因する熱の発生を抑えることができる。
(5)伝熱体13を構成する複数の導電部材130の全てが、ステータコア11に内側絶縁層146を介して面接触するコア接触面131b~135bを有している。このため、各導電部材130に伝わった熱を、各導電部材130のそれぞれから直接的にステータコア11に伝えることができる。その結果、効果的にコイル12の温度上昇を抑えることができる。
(6)伝熱体13を構成する複数の導電部材130の熱伝導率は、ステータコア11の軸方向の熱伝導率よりも高い。これにより、導電部材130の熱伝導率がステータコア11の軸方向の熱伝導率よりも低い場合に比べて、コイルエンド121の熱を効果的にステータコア11に伝えることができる。その結果、効果的にコイル12の温度上昇を抑えることができる。
(7)伝熱体13を構成する複数の導電部材130の全てが、同じ材料で形成される。このため、複数の導電部材130が異なる材料で形成される場合に比べて、製造コストを低減することができる。また、渦電流損を均一にするためのパラメータが、漏れ磁束の鎖交面の面積のみとなるので、設計の手間を軽減することができる。
次のような変形例も本発明の範囲内であり、変形例に示す構成と上述の実施形態で説明した構成を組み合わせたり、以下の異なる変形例で説明する構成同士を組み合わせたりすることも可能である。
<変形例1>
上記実施形態では、複数の導電部材130が、ステータコア11の軸方向に沿って配列される例について説明したが、本発明はこれに限定されない。複数の導電部材130は、ステータコア11の軸方向及び周方向の少なくとも一方に沿って配列されていればよい。複数の導電部材130は、導電部材130に鎖交する漏れ磁束Lfに直交する方向に沿って配列されていれば、渦電流損を低減できる。つまり、伝熱体13は、ステータコア11の径方向端面に分割線が形成されるように、分割されている構成であればよい。
<変形例1-1>
図8及び図9に示すように、複数の導電部材230は、ステータコア11の軸方向及び周方向に沿って配列されていてもよい。図8及び図9に示すように、本変形例1-1では、複数の導電部材230には、伝熱体23におけるステータコア11の周方向幅Wの中心面に対して対称な形状に形成された一対の第1導電部材231a,231bと、伝熱体23におけるステータコア11の周方向幅Wの中心面に対して対称な形状に形成された一対の第2導電部材232a,232bと、伝熱体23におけるステータコア11の周方向幅Wの中心面に対して対称な形状に形成された一対の第3導電部材233a,233bと、が含まれる。
一対の第1導電部材231a,231bは、半円弧状断面を有するアーチ状の導電部材をステータコア11の周方向で2等分割(左右2等分割)した形状である。同様に、一対の第2導電部材232a,232bは、半円弧状断面を有するアーチ状の導電部材をステータコア11の周方向で2等分割(左右2等分割)した形状である。一対の第3導電部材233a,233bは、半円状断面を有する半円柱状の導電部材をステータコア11の周方向で2等分割(左右2等分割)した形状である。
第1導電部材231aと第1導電部材231bとはステータコア11の周方向に配列され、周方向に互いに隣接している。第2導電部材232aと第2導電部材232bとはステータコア11の周方向に配列され、周方向に互いに隣接している。第3導電部材233aと第3導電部材233bとはステータコア11の周方向に配列され、周方向に互いに隣接している。
第1導電部材231a、第2導電部材232a及び第3導電部材233aは、ステータコア11の軸方向に配列される。同様に、第1導電部材231b、第2導電部材232b及び第3導電部材233bは、ステータコア11の軸方向に配列される。なお、各導電部材230は、漏れ磁束Lfの鎖交面の面積がそれぞれ同じになるように形成することが好ましい。
このような構成によれば、上記実施形態と同様の作用効果を奏する。本変形例に係る伝熱体23は、軸方向だけでなく、周方向にも伝熱体23が分割された構成であるので、漏れ磁束Lfの鎖交面の面積を容易に小さくすることができる。その結果、コイル12の温度上昇をより効果的に抑えることができる。なお、伝熱体23の幅方向中心で左右に2等分割した構成では、コイルエンド121からステータコア11に伝わる熱の移動経路は、左右に2等分割しない場合と同様の経路となる。このため、効果的にコイルエンド121の熱をステータコア11に伝えることができる。
<変形例1-2>
図8及び図9に示す例では、複数の導電部材230が、ステータコア11の軸方向及び周方向に沿って配列されていたが、第1導電部材231a、第2導電部材232a及び第3導電部材233aが一つの導電部材として形成され、第1導電部材231b、第2導電部材232b及び第3導電部材233bが一つの導電部材として形成されていてもよい。つまり、複数の導電部材230は、ステータコア11の周方向に沿ってのみ配列されていてもよい。
<変形例1-3>
伝熱体は、3つ以上の導電部材が、ステータコア11の周方向に沿ってのみ配列された構成であってもよい。この場合、複数の導電部材のうち、伝熱体の周方向幅の中心に近いものほど、厚み(周方向幅)を薄くすることが好ましい。これにより、複数の導電部材のそれぞれの漏れ磁束Lfの鎖交面の面積の差を小さくすることができ、渦電流損を小さくかつ均等にすることができる。
<変形例2>
上記実施形態では、伝熱体13を構成する複数の導電部材130の全てが、ステータコア11に面接触するコア接触面131b~135bを有している例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、図10Aに示すように、断面が扇状の導電部材330をステータコア11の周方向に配列してもよい。図10Aに示す例では、複数の導電部材330が、コイルエンド121の内周面121aに沿って配列されている。
図10Aに示す例では、伝熱体33は、ティース112に面接触するコア接触面331bを有する第1導電部材331と、第1導電部材331に隣接する第2導電部材332と、第2導電部材332に隣接する第3導電部材333と、第3導電部材333に隣接しティース112に面接触するコア接触面334bを有する第4導電部材334と、を有する。
このような変形例によれば、上記実施形態と同様、導電部材330に発生する渦電流損を小さくして、コイル12の温度上昇を効果的に抑制することができる。なお、第2導電部材332に伝わった熱は、第1導電部材331を介してステータコア11に伝わる。また、第3導電部材333に伝わった熱は、第4導電部材334を介してステータコア11に伝わる。つまり、本変形例1-3に係る伝熱体33では、伝熱経路の熱抵抗が上記実施形態に比べて高くなる。このため、上記実施形態のように、各導電部材130にコア接触面131b~135bを設けることにより、伝熱経路の熱抵抗を低減する構成とする方が好ましい。
<変形例3>
図10Bに示すように、伝熱体43は、断面弓状の導電部材431及び平板状の導電部材432,433,434をステータコア11の軸方向に配列する構成としてもよい。導電部材432,433,434は、平面状の外側面と内側面とコイルエンド121の内周面121aに接触する曲面とを有する。導電部材431は、円弧状の曲面と、断面形状の弦に相当する平面とを有する。本変形例1-4では、複数の導電部材430(431~435)のうち、軸方向外側に配置されるものほど厚みが厚い。これにより、複数の導電部材430のそれぞれの漏れ磁束Lfの鎖交面の面積の差を小さくすることができ、渦電流損を小さくかつ均等にすることができる。
<変形例4>
上記実施形態では、接着剤により導電部材130同士が接続される例について説明したが、本発明はこれに限定されない。接着剤に代えてスポット溶接により導電部材130同士が接続されていてもよい。この場合、導電部材130の表面に酸化膜等からなる絶縁層が形成され、導電部材130間の絶縁性が確保される。また、導電部材130の表面に酸化膜等の絶縁層が形成される場合、スポット溶接に代えて、軸方向外側から伝熱体13をステータコア11に押し付けるようにして固定する固定部材をさらに設けてもよい。
<変形例5>
上記実施形態では、コイルエンド121が半円形状に屈曲されている例について説明したが、本発明はこれに限定されない。コイルエンド121は台形状に屈曲されていてもよいし、矩形状に屈曲されていてもよい。
<変形例6>
伝熱体13は、ティース112に沿ってステータコア11の径方向外側に向かって延在し、ハウジング2に当接する構成であってもよい。伝熱体13は、ハウジング2に接触し、コイルエンド121の熱を直接ハウジング2に伝える。この構成によれば、コイルエンド121の温度上昇をより効果的に抑えることができる。なお、ハウジング2に冷媒が流通する冷媒通路を設けることにより、放熱効果の向上を図ってもよい。
<変形例7>
上記実施形態では、伝熱体13を構成する複数の導電部材130が同じ材料で形成される例について説明したが、本発明はこれに限定されない。漏れ磁束Lfは、コイルエンド121に近いほど大きくなる。このため、伝熱体13における外側の導電部材130(例えば、第1導電部材131~第3導電部材133)を電気抵抗率の高い材料で形成し、伝熱体13における内側の導電部材130(例えば、第4導電部材134及び第5導電部材135)を電気抵抗率の低い材料で形成してもよい。
<変形例8>
伝熱体13を構成する導電部材130の個数は、上記実施形態で説明した例に限定されない。伝熱体13を構成する導電部材130の個数が多いほど、渦電流損が小さくなる。
<変形例9>
回転電機のスロット数及び極数は、上記実施形態で説明した例に限定されない。
<変形例10>
上記実施形態では、自動車に搭載される回転電機を例に説明したが、本発明はこれに限定されない。エレベータ、鉄道車両等、回転電機によって駆動力を発生させる種々の移動体に本発明を適用することができる。なお、回転電機は、移動体に搭載される場合に限定されることもない。エア・コンディショナーなど、種々の機械に搭載される回転電機に本発明を適用することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
10…ステータ、11…ステータコア、12…コイル、13…伝熱体、13a…外周面、13b…底面、20…ロータ、21…ロータコア、22…永久磁石、23…伝熱体、33…伝熱体、43…伝熱体、100…回転電機、111…継鉄部、112…ティース、112a…軸方向端面、113…スロット、120…集中巻コイル、121…コイルエンド、121a…内周面、130…導電部材、131b~135b…コア接触面、140…絶縁層、230…導電部材、330…導電部材、331b,334b…コア接触面、430…導電部材、Ca…回転中心軸

Claims (8)

  1. ステータと、前記ステータに対して回転可能に設けられたロータと、を備えた回転電機であって、
    前記ステータは、筒状の継鉄部と前記継鉄部から突出する複数のティースとを有するステータコアと、前記複数のティースに巻装されたコイルと、前記コイルの熱を前記ステータコアに伝える伝熱体と、を備え、
    前記コイルは、前記ステータコアからその軸方向に突出するコイルエンドを有し、
    前記伝熱体は、前記コイルエンドの内周側の表面と前記ステータコアのそれぞれに接触するように配置され、
    前記伝熱体は、前記ステータコアの径方向に直交する方向に沿って配列される複数の導電部材と、前記複数の導電部材間に形成される絶縁層と、を有する
    ことを特徴とする回転電機。
  2. 請求項1に記載の回転電機において、
    前記複数の導電部材には、前記コイルエンドの内周側の表面に沿って形成された導電部材が含まれる
    ことを特徴とする回転電機。
  3. 請求項1に記載の回転電機において、
    前記複数の導電部材は、それぞれ前記ステータコアの径方向に直交する断面積が等しくなるように形成される
    ことを特徴とする回転電機。
  4. 請求項1に記載の回転電機において、
    前記複数の導電部材は、前記ステータコアの軸方向に沿って配列され、
    前記ステータコアの軸方向外側に配置される導電部材の厚みは、その導電部材よりも前記ステータコアの軸方向内側に配置される導電部材の厚みよりも薄い
    ことを特徴とする回転電機。
  5. 請求項1に記載の回転電機において、
    前記複数の導電部材は、前記伝熱体における前記ステータコアの周方向幅の中心面に対して対称な形状に形成された一対の導電部材を含み、
    前記一対の導電部材は、前記ステータコアの周方向に互いに隣接している
    ことを特徴とする回転電機。
  6. 請求項1に記載された回転電機において、
    前記伝熱体を構成する前記複数の導電部材は、非磁性材料により形成される
    ことを特徴とする回転電機。
  7. 請求項1に記載された回転電機において、
    前記伝熱体を構成する前記複数の導電部材の全てが、前記ステータコアに面接触する接触面を有している
    ことを特徴とする回転電機。
  8. 請求項1に記載の回転電機において、
    前記伝熱体を構成する複数の導電部材の熱伝導率は、前記ステータコアの軸方向の熱伝導率よりも高い
    ことを特徴とする回転電機。
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