JP2022169152A - 肌の評価方法、及び粉体の評価方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、肌のみずみずしさ及びはりについて評価する方法を提供することを課題とする。【解決手段】本発明は、被験者の肌画像から、光学的に検出可能な特徴量を抽出する特徴量抽出工程と、前記変動係数に基づいて、前記被験者の肌のみずみずしさ及びはりを評価する評価工程と、を備え、前記特徴量は、前記肌画像に設定した測定領域内における輝度の変動係数である、肌の評価方法である。【選択図】図5
Description
本発明は、肌の評価方法、及び粉体の評価方法に関する。
人は、その外観や言動などの様々な要因によって、他者に対して多種多様な印象を与える。その中でも、視覚的な情報、特に顔の見た目は、その人の印象を決める非常に大きな要因の一つであるといえる。
そのため、人の顔の見た目に影響するようなパラメータを取得する技術について研究が行われている。例えば、特許文献1には、被験者の顔面における測定対象部位の輝度を測定し、ヒストグラムを生成して、そのヒストグラムの形状から、被験者の肌の状態を評価する技術が公開されている。
特許文献2には、被験者の顔画像を取得し、そこから空間周波数の強度を算出することによって、被験者の年齢を推定する技術が公開されている。
また、若々しい印象を与える要素として肌のハリ感が注目されており、ハリ感を視覚的に評価する手法が開発されている。
特許文献3には、輝度の階調画像から、高輝度領域の面積と中輝度領域の面積比、又は中輝度領域の周囲長比を算出することで、被験者の美容上のハリ感を評価する方法が開示されている。
特許文献4には肌のツヤ部分の存在量とシワ部分の存在量を算出し、被験者の顔の肌のハリ感を評価する方法が開示されている。
特許文献3には、輝度の階調画像から、高輝度領域の面積と中輝度領域の面積比、又は中輝度領域の周囲長比を算出することで、被験者の美容上のハリ感を評価する方法が開示されている。
特許文献4には肌のツヤ部分の存在量とシワ部分の存在量を算出し、被験者の顔の肌のハリ感を評価する方法が開示されている。
本発明者らは、肌のみずみずしさ及びはりについても、肌の撮影画像から抽出された輝度値を用いて評価することができないか鋭意研究を行った。その結果、肌の撮影画像における輝度の変動係数と、肌のみずみずしさ及びはりが関連することを発見した。
このような状況に鑑み、本発明の課題は、肌のみずみずしさ及びはりについて評価する方法を提供することにある。また、本発明の課題は、肌にみずみずしさ及びはりを与える粉体を選別するための粉体評価方法を提供することにも関する。
上記課題を解決する本発明は、被験者の肌画像から、光学的に検出可能な特徴量を抽出する特徴量抽出工程と、
前記特徴量に基づいて、前記被験者の肌のみずみずしさ及びはりを評価する評価工程と、を備え、
前記特徴量は、前記肌画像に設定した測定領域内における輝度の変動係数である、肌の評価方法である。
前記特徴量に基づいて、前記被験者の肌のみずみずしさ及びはりを評価する評価工程と、を備え、
前記特徴量は、前記肌画像に設定した測定領域内における輝度の変動係数である、肌の評価方法である。
このように、光学的に検出可能な特徴量として輝度の変動係数を用いることで、肌のみずみずしさ及びはりを評価することができる。
本発明の好ましい形態では、前記特徴量として、さらに、前記肌画像中の高輝度面積を取得する。
特徴量として輝度の変動係数、及び高輝度面積の2つを用いることで、肌のみずみずしさ及びはりをより正確に評価することができる。
特徴量として輝度の変動係数、及び高輝度面積の2つを用いることで、肌のみずみずしさ及びはりをより正確に評価することができる。
本発明の好ましい形態では、前記評価工程において、前記変動係数の値が0.065以下であり、前記高輝度面積が12000ピクセル以上である場合に、前記被験者の肌は、みずみずしさ及びはりを有すると評価する。
本発明は、粉体の評価方法であって、
評価粉体を、凸型の曲面を有する皮膚の代替え物に塗布し、
前記評価粉体を塗布した前記代替え物の表面の画像を取得する画像取得工程と、
前記画像より光学的に検出可能な特徴量を抽出する特徴量抽出工程と、
前記特徴量に基づいて、前記評価粉体の有する化粧効果を評価する評価工程と、を備え、
前記特徴量は、前記画像中の輝度の変動係数である、粉体の評価方法にも関する。
評価粉体を、凸型の曲面を有する皮膚の代替え物に塗布し、
前記評価粉体を塗布した前記代替え物の表面の画像を取得する画像取得工程と、
前記画像より光学的に検出可能な特徴量を抽出する特徴量抽出工程と、
前記特徴量に基づいて、前記評価粉体の有する化粧効果を評価する評価工程と、を備え、
前記特徴量は、前記画像中の輝度の変動係数である、粉体の評価方法にも関する。
輝度の変動係数を算出することで、肌にみずみずしさ及びはりを与える化粧効果を付与する粉体を選別することができる。
また、本発明は、被験者の肌画像から、光学的に検出可能な特徴量を抽出する特徴量抽出手段と、
前記特徴量に基づいて、前記被験者の肌のみずみずしさ及びはりを評価する評価手段と、を備え、
前記特徴量は、前記肌画像に設定した測定領域内における輝度の変動係数である、肌評価装置である。
前記特徴量に基づいて、前記被験者の肌のみずみずしさ及びはりを評価する評価手段と、を備え、
前記特徴量は、前記肌画像に設定した測定領域内における輝度の変動係数である、肌評価装置である。
また、本発明は、コンピュータを、
被験者の肌画像から、光学的に検出可能な特徴量を抽出する特徴量抽出手段と、
前記特徴量に基づいて、前記被験者の肌のみずみずしさ及びはりを評価する評価手段と、して機能させるための肌評価プログラムであり、
前記特徴量は、前記肌画像に設定した測定領域内における輝度の変動係数である、肌評価プログラムにも関する。
被験者の肌画像から、光学的に検出可能な特徴量を抽出する特徴量抽出手段と、
前記特徴量に基づいて、前記被験者の肌のみずみずしさ及びはりを評価する評価手段と、して機能させるための肌評価プログラムであり、
前記特徴量は、前記肌画像に設定した測定領域内における輝度の変動係数である、肌評価プログラムにも関する。
本発明の肌評価方法によれば、みずみずしさ及びはりを与える肌を評価することができる。
また、本発明の粉体評価方法によれば、肌にみずみずしさ及びはりを与える化粧効果を有する粉体を選別することができる。
また、本発明の粉体評価方法によれば、肌にみずみずしさ及びはりを与える化粧効果を有する粉体を選別することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明し、本発明の理解に供する。なお、以下の実施の形態は、本発明を具体化した一例であって、特許請求の範囲に記載された範囲内において適宜変更が可能である。
[1]肌の評価方法
本発明の肌の評価方法は、被験者の肌画像を取得する画像取得工程、肌画像から光学的に検出可能な特徴量を抽出する特徴量抽出工程、特徴量に基づいて被験者の肌のみずみずしさ及びはりを評価する評価工程を含む。
本発明の肌の評価方法は、被験者の肌画像を取得する画像取得工程、肌画像から光学的に検出可能な特徴量を抽出する特徴量抽出工程、特徴量に基づいて被験者の肌のみずみずしさ及びはりを評価する評価工程を含む。
本発明における「光学的に検出可能な特徴量」としては、例えば、所定の輝度よりも高い輝度を有する高輝度領域の面積(高輝度面積)、輝度等高線のパターン、中輝度領域の複雑度、又は輝度の変動係数が挙げられる。
本発明においては、特徴量として輝度の変動係数を抽出する。
本発明においては、特徴量として輝度の変動係数を抽出する。
続いて、本発明の肌の評価方法について、抽出する特徴量ごとに例に挙げ、評価方法を詳細に説明する。
(1)輝度の変動係数
以下、特徴量として輝度の変動係数を用いた場合の、肌の評価方法について詳述する。
以下、特徴量として輝度の変動係数を用いた場合の、肌の評価方法について詳述する。
(i)画像取得工程
画像取得工程では、被験者の肌画像を取得する。肌画像としては、好ましくは頬領域の肌画像を用いる。ここで、肌画像は、一般的なビデオカメラ又はデジタルカメラで撮像した画像を用いてもよい。
画像取得工程では、被験者の肌画像を取得する。肌画像としては、好ましくは頬領域の肌画像を用いる。ここで、肌画像は、一般的なビデオカメラ又はデジタルカメラで撮像した画像を用いてもよい。
肌画像は、後のステップにおける画像解析に耐え得る程度の解像度を有していることが好ましい。撮像時、後述の特徴量を抽出可能な画素数に応じて、画像の解像度を適宜設定してもよい。
また、本発明の肌の評価方法は、肌画像を撮像する工程を含む必要はなく、予め取得した肌画像を用いて以下の工程を行ってもよい。
(ii)特徴量抽出工程
次に、取得した肌画像について画像処理を行う。本発明においては、8bitグレースケール(256階調)に変換することが好ましい。また、画像処理において、画像の画素数を好ましくは2000×2000~1200×1200ピクセル、より好ましくは1800×1800~1400×1400ピクセルとすることが好ましい。具体的には、取得した肌画像を、画素数1600×1600ピクセルの画像とすることが好ましい。
次に、取得した肌画像について画像処理を行う。本発明においては、8bitグレースケール(256階調)に変換することが好ましい。また、画像処理において、画像の画素数を好ましくは2000×2000~1200×1200ピクセル、より好ましくは1800×1800~1400×1400ピクセルとすることが好ましい。具体的には、取得した肌画像を、画素数1600×1600ピクセルの画像とすることが好ましい。
また、画像処理において、画像中のノイズをとるため、平均化フィルターにて処理することができる。本発明においては、平均化フィルター処理を1~3回行った画像を用いることが好ましい。
続いて、肌画像上に特徴量を抽出する評価領域を設定する。評価領域は、頬の中輝度領域から高輝度領域に設定することが好ましい。
ここで、本発明にいう「高輝度領域」とは、画像中において所定の輝度よりも高い輝度を有する領域である。例えば、画像処理において輝度を直接抽出し、画像中において最も高い輝度(最高輝度)から一定範囲内の輝度を高輝度領域と定めることができる。具体的には、階調変換した画像について、一定階調以上の部分を高輝度領域と定めることができ、より具体的には、最高輝度を基準とし、好ましくは上位75%以上、より好ましくは上位78%以上、さらに好ましくは上位80%以上の領域を高輝度領域と定めることができる。
また、特定の輝度の範囲を高輝度領域と定めてもよく、例えば、画像処理において画像を8bitグレースケール(256階調)に変換した場合、200階調以上の領域を高輝度領域と定めることが好ましい。
また、本発明における中輝度領域とは、特定範囲の階調を中輝度領域と定めることができ、より具体的には、最高輝度を最高点とし、好ましくは上位55~75%、より好ましくは上位60~73%、さらに好ましくは上位62~71%の領域を中輝度領域と定めることができる。
また、特定の輝度の範囲を中輝度領域と定めてもよく、例えば、画像処理において画像を8bitグレースケール(256階調)に変換した場合には、160~180階調の範囲を中輝度領域と定めることが好ましい。
なお、本発明において輝度を具体的な数値で規定する場合、該輝度は、画像を8bitグレースケール(256階調)に変換した場合における画素値のことを示す。
評価領域は、好ましくは輝度が150~185階調、より好ましくは155~185階調、より好ましくは160~180階調の範囲に設定することが好ましい。
また、評価領域は、具体的には以下の方法で定めることができる。すなわち、目の脇から下ろした垂線と、小鼻の脇から伸ばした水平線の交点を基準とし、該交点から一定範囲を評価領域とすることができる。例えば、左頬の画像を用いる場合、前記交点の左下300×240ピクセルの長方形の範囲を、評価領域Aとすることができる(図1参照)。
また、評価領域は、具体的には以下の方法で定めることができる。すなわち、目の脇から下ろした垂線と、小鼻の脇から伸ばした水平線の交点を基準とし、該交点から一定範囲を評価領域とすることができる。例えば、左頬の画像を用いる場合、前記交点の左下300×240ピクセルの長方形の範囲を、評価領域Aとすることができる(図1参照)。
続いて、評価領域内の輝度を画素ごとに抽出し、抽出した輝度から得た標準偏差及び平均値の値を用いて変動係数を算出する。
(iii)特徴量の評価工程
評価工程において、算出された輝度の変動係数が所定の値以下である場合に、被験者の肌は被験者の肌は、みずみずしさ及びはりを有すると評価することができる。
具体的には、上記特徴量抽出工程で算出した輝度の変動係数の値が好ましくは0.065以下、より好ましくは0.063以下、さらに好ましくは0.060以下である場合に、被験者の肌は、みずみずしさ及びはりを有すると評価することができる。
評価工程において、算出された輝度の変動係数が所定の値以下である場合に、被験者の肌は被験者の肌は、みずみずしさ及びはりを有すると評価することができる。
具体的には、上記特徴量抽出工程で算出した輝度の変動係数の値が好ましくは0.065以下、より好ましくは0.063以下、さらに好ましくは0.060以下である場合に、被験者の肌は、みずみずしさ及びはりを有すると評価することができる。
(2)高輝度面積
以下、特徴量として高輝度面積を用いた場合の、肌の評価方法について詳述する。
以下、特徴量として高輝度面積を用いた場合の、肌の評価方法について詳述する。
(i)画像取得工程
画像取得工程の手順は、上記(1)輝度の変動係数の記載を援用することができる。
画像取得工程の手順は、上記(1)輝度の変動係数の記載を援用することができる。
(ii)特徴量抽出工程
次に、取得した肌画像について画像処理を行う。画像処理は、8bitグレースケール(256階調)に変換することが好ましい。また、画像処理の詳細は、上記(1)輝度の変動係数の記載を援用することができる。
次に、取得した肌画像について画像処理を行う。画像処理は、8bitグレースケール(256階調)に変換することが好ましい。また、画像処理の詳細は、上記(1)輝度の変動係数の記載を援用することができる。
また、画像処理工程において、8bitグレースケール(256階調)に変換後の画像について、さらに10~20階調毎に等高線を設け、等高線画像を作成してもよい。得られた等高線画像を用いることで、高輝度面積を抽出する範囲を明確にすることができる。
続いて、得られた肌画像から、高輝度面積を抽出する。高輝度面積の抽出は、高輝度領域における画像のピクセル数を算出することが好ましい。
なお、高輝度面積の抽出における「高輝度領域」の範囲は、(1)輝度の変動係数と同様の方法で設定することができ、具体的には、画像処理において画像を8bitグレースケール(256階調)に変換した場合における、200階調以上の領域を高輝度領域と定めることが好ましい。
なお、高輝度面積の抽出における「高輝度領域」の範囲は、(1)輝度の変動係数と同様の方法で設定することができ、具体的には、画像処理において画像を8bitグレースケール(256階調)に変換した場合における、200階調以上の領域を高輝度領域と定めることが好ましい。
(iii)特徴量の評価工程
評価工程において、算出された高輝度面積が所定の値以上である場合に、被験者の肌は被験者の肌は、みずみずしさ及びはりを有すると評価することができる。
具体的には、上記特徴量抽出工程で抽出した高輝度面積が、好ましくは12000ピクセル以上、より好ましくは13000ピクセル以上、より好ましくは14000ピクセル以上である場合に、被験者の肌は、みずみずしさ及びはりを有すると評価することができる。
評価工程において、算出された高輝度面積が所定の値以上である場合に、被験者の肌は被験者の肌は、みずみずしさ及びはりを有すると評価することができる。
具体的には、上記特徴量抽出工程で抽出した高輝度面積が、好ましくは12000ピクセル以上、より好ましくは13000ピクセル以上、より好ましくは14000ピクセル以上である場合に、被験者の肌は、みずみずしさ及びはりを有すると評価することができる。
本発明の肌の評価方法は、特徴量として、輝度の変動係数と高輝度面積を抽出し、両者の値に基づいて肌のみずみずしさ及びはりについて評価する形態であることが好ましい。
輝度の変動係数と高輝度面積の両方を指標とすることで、肌のみずみずしさ及びはりについてより正確に評価することができる。
輝度の変動係数と高輝度面積の両方を指標とすることで、肌のみずみずしさ及びはりについてより正確に評価することができる。
また、本発明は、異なる2以上の肌画像を用いた肌の評価方法であってもよい。すなわち、複数の肌画像からそれぞれ特徴量を抽出し、得られた特徴量に基づいて肌のみずみずしさ及びはりについて評価することができる。
複数の肌画像は、同一被験者の異なる肌領域から取得されたものであってもよく、同一被験者の同一の肌領域から取得されたものであってもよい。
同一の肌領域から取得された肌画像を用いる場合、所定の肌領域からある時点(第1の時点)の肌画像(第1の肌画像)を取得し、その後(すなわち、第2の時点)に同一の肌領域から再び肌画像(第2の肌画像)を取得し、各肌画像から算出した特徴量に基づいて肌のみずみずしさ及びはりについて評価することができる。
上記実施形態の例として、化粧料使用前の肌のみずみずしさ及びはりと、化粧料使用後の肌のみずみずしさ及びはりを比較する形態を挙げることができる。すなわち、被験者の化粧料使用前の肌(例えば、素肌)の肌画像(第1の肌画像)を取得し、化粧料使用後の同一被験者の肌画像(第2の肌画像)を取得し、第1の肌画像及び第2の肌画像から取得した特徴量を比較することで、被験者の肌のみずみずしさ及びはりについて評価することができる。
上述の化粧料としては、スキンケアに用いる化粧水、乳液、美容液等の基礎化粧料や、ファンデーション、下地等のメーキャップ化粧料の何れを用いても良いが、本発明は、メーキャップ化粧料の使用前後の肌のみずみずしさ及びはりについて評価するために用いることが好ましい。
このように同一の肌領域について、異なる時点における肌のみずみずしさ及びはりを評価する場合、(iii)特徴量の評価工程は、上述のように特徴量の基準値を満たすか否かで判断することもできるし、以下のように複数の肌画像に由来する特徴量を相互に比較することにより行うこともできる。
例えば、特徴量として輝度の変動係数を用いる場合、第2の時点における変動係数が、第1の時点における変動係数よりも小さい場合に、被験者の肌は、みずみずしさ及びはりを有すると評価することができる。
特徴量として高輝度面積を用いる場合、第2の時点における高輝度面積が、第1の時点における高輝度面積よりも大きい場合に、被験者の肌は、みずみずしさ及びはりを有すると評価することができる。
なお、上述した高輝度面積、及び輝度の変動係数の解析には、画像処理ソフトウェアはオープンソースの「ImageJ」など公知のソフトウェアを用いることができる。
また、本発明の肌の評価方法は、化粧料の販売、カウンセリング、エステティック等の美容目的で行う顧客の肌の評価のために用いることができる。
[2]粉体の評価方法
本発明の粉体の評価方法は、評価粉体を塗布した皮膚代替え物の表面の画像を取得する画像取得工程と、画像より光学的に検出可能な特徴量を抽出する特徴量抽出工程と、特徴量に基づいて評価粉体の有する化粧効果を評価する評価工程を有する。
本発明の粉体の評価方法は、評価粉体を塗布した皮膚代替え物の表面の画像を取得する画像取得工程と、画像より光学的に検出可能な特徴量を抽出する特徴量抽出工程と、特徴量に基づいて評価粉体の有する化粧効果を評価する評価工程を有する。
前記特徴量は、上述の[1]肌の評価方法の記載を援用することができ、特に、特徴量として輝度の変動係数を抽出することが好ましい。
続いて、本発明の粉体の評価方法について、特徴量として輝度の変動係数を用いた場合の、粉体の評価方法について詳述する。
(i)画像取得工程
まず、皮膚の代替え物の表面に評価粉体を塗布する。評価粉体は、一定量の乳液を塗布した後、規定量(例えば、0.1g)の評価粉体をブラシまたは指で均一になるように塗布することが好ましい。
まず、皮膚の代替え物の表面に評価粉体を塗布する。評価粉体は、一定量の乳液を塗布した後、規定量(例えば、0.1g)の評価粉体をブラシまたは指で均一になるように塗布することが好ましい。
ここで、本発明の粉体の評価方法に用いる皮膚の代替え物は、色彩、質感や弾力性、毛穴などの表面形状等について、人の皮膚を模したものを用いることが好ましい。例えば、市販の人工皮膚、立体肌模型、ドール、風船、果物、合成皮革等などを皮膚の代替物として用い、それに評価粉体を塗布することで特徴量の解析を行うことができる。
本発明においては、好ましくは中央凸型の立体肌模型、又はドールを用いる。このような立体肌模型としては、ビューラックス社製のバイオスキン弾力モデルが挙げられる。
本発明においては、好ましくは中央凸型の立体肌模型、又はドールを用いる。このような立体肌模型としては、ビューラックス社製のバイオスキン弾力モデルが挙げられる。
あるいは、人の表情の変化時における毛穴などの皮膚の表面形状の変化を模した試料を作成し、それを皮膚の代替え物として用いてもよい。このような試料を用いることによって、粉体の塗布により求める化粧効果が生じるかを簡便に評価することができる。
続いて、塗布後の皮膚の代替え物の上部鉛直方向から、一定量の光を照射しながら、立体肌模型の画像を取得する。立体肌模型に照射する光の照射角度は、立体模型の頂点から垂直方向に伸ばした延長線上に光源を設定し、立体肌模型に対し均等に光が照射されるように設定する。また、立体肌模型に照射する光量は、評価粉体塗布前の皮膚の代替え物において、高輝度面積が皮膚の代替え物の総面積のうち3%~35%以下となるように調節することが好ましい。
(ii)特徴量の抽出工程
上述の画像取得工程で得られた画像から輝度を抽出し、当該輝度から得た標準偏差及び平均値の値を用いて変動係数を算出する。変動係数は、中輝度以下の領域における輝度の値を用いて算出することが好ましく、好ましくは180階調以下、より好ましくは170階調以下、特に好ましくは160階調以下の値を用いて変動係数を算出する。
上述の画像取得工程で得られた画像から輝度を抽出し、当該輝度から得た標準偏差及び平均値の値を用いて変動係数を算出する。変動係数は、中輝度以下の領域における輝度の値を用いて算出することが好ましく、好ましくは180階調以下、より好ましくは170階調以下、特に好ましくは160階調以下の値を用いて変動係数を算出する。
なお、抽出工程では、取得画像中の皮膚の代替え物のうち、皮膚の代替え物として認識できる部分を抽出対象領域とする。例えば、中心凸型の立体肌模型を用いる場合、皮膚の代替え物として利用できるドーム部分を、抽出対象領域とする。
また、中央凸型の立体肌模型を用いて輝度の変動係数を算出する場合、輝度は、画像中の立体肌模型の中心に設けた垂線上に分布するものを抽出することが好ましい。具体的には、立体肌模型画像の中心に垂直線を設け、該垂直線上の輝度を抽出する。得られた輝度のうち、160階調以下の輝度の値を用いて算出した変動係数を、後述の評価工程で用いる輝度の変動係数の値とすることができる。
(iii)特徴量の評価工程
評価工程では、算出した輝度の変動係数を評価する。本発明においては、輝度の変動係数が、好ましくは0.08以下、より好ましくは0.07以下、さらに好ましくは0.06以下である場合に、評価粉体は、肌にみずみずしさ及びはりを与える化粧効果に寄与する粉体であると評価することができる。
評価工程では、算出した輝度の変動係数を評価する。本発明においては、輝度の変動係数が、好ましくは0.08以下、より好ましくは0.07以下、さらに好ましくは0.06以下である場合に、評価粉体は、肌にみずみずしさ及びはりを与える化粧効果に寄与する粉体であると評価することができる。
本発明の粉体の評価方法は、単一成分から成る粉体の評価のために用いても良いし、複数の粉体の混合物を評価するために用いても良い。
[3]肌の評価装置
以下、本発明の肌の評価装置について、図2を参照しながら説明を加える。なお、本発明の色ムラ表示装置は、上記[1]の項目で説明した肌の評価方法を実施するための装置である。したがって、上記[1]に係る説明は、以下の装置に関しても妥当する。
以下、本発明の肌の評価装置について、図2を参照しながら説明を加える。なお、本発明の色ムラ表示装置は、上記[1]の項目で説明した肌の評価方法を実施するための装置である。したがって、上記[1]に係る説明は、以下の装置に関しても妥当する。
図2に示すように、本発明の肌の評価装置1は、被験者の肌画像を取得する画像取得手段11と、肌画像から光学的に検出可能な特徴量を抽出する特徴量抽出手段12と、特徴量抽出手段12で得られた特徴量に基づいて、被験者の肌のみずみずしさ及びはりを評価する評価手段13と、特徴量の抽出及び肌の評価に必要な各種の式を記憶する記憶部14と、肌の評価結果を任意の表示装置に送信する表示手段15を備える。
画像取得手段11は、肌の表面を撮像するものであり、肌の表面画像を入力し、色の要素を数値化した信号に変換するものである。信号としては、肌状態を表すことができるものであれば特に限定されないが、例えばRGB信号、マンセル信号、L*a*b*信号(JIS Z8729)、XYZ信号、明度、色相及び彩度を表す信号等が挙げられる。なお、画像取得手段11として、一般的なビデオカメラ又はデジタルカメラを用いることができる。
特徴量抽出手段12は、画像取得手段11から出力された肌画像から所定の特徴量を抽出する。前記特徴量としては、[1]に記載の特徴量を好ましく挙げることができ、中でも輝度の変動係数を抽出することが好ましい。また、特徴量として、輝度の変動係数と共に、高輝度面積を抽出する形態も好ましく例示できる。
評価手段13は、特徴量抽出手段12で得られた特徴量に基づいて、被験者の肌のみずみずしさ及びはりについて評価する。
記憶部14は、本発明の肌の評価装置が機能する上で必要なプログラム、並びに、特徴量の抽出及び肌の評価に必要な各種式を記憶する。
表示手段15は、評価手段13によって得られた肌の評価結果を、任意の表示装置に送信する。任意の表示装置としては、液晶ディスプレイ等が挙げられる。
なお、本発明においては、上記の構成を必ずしも備える必要はなく、例えば、被験者の肌画像から光学的に検出可能な特徴量を抽出する特徴量抽出手段12と、特徴量抽出手段12で得られた特徴量に基づいて、被験者の肌のみずみずしさ及びはりを評価する評価手段13と、を備える、肌の評価装置の形態であってもよい。
[4]肌の評価プログラム
本発明の肌の評価プログラムは、コンピュータ、その他の装置、機械等を、被験者の肌画像を取得する画像取得手段11と、肌画像から光学的に検出可能な特徴量を抽出する特徴量抽出手段12と、特徴量抽出手段12で得られた特徴量に基づいて、被験者の肌のみずみずしさ及びはりを評価する評価手段13と、特徴量の抽出及び肌の評価に必要な各種の式を記憶する記憶部14と、肌の評価結果を任意の表示装置に送信する表示手段15と、として機能させる(図2参照)。
本発明の肌の評価プログラムは、コンピュータ、その他の装置、機械等を、被験者の肌画像を取得する画像取得手段11と、肌画像から光学的に検出可能な特徴量を抽出する特徴量抽出手段12と、特徴量抽出手段12で得られた特徴量に基づいて、被験者の肌のみずみずしさ及びはりを評価する評価手段13と、特徴量の抽出及び肌の評価に必要な各種の式を記憶する記憶部14と、肌の評価結果を任意の表示装置に送信する表示手段15と、として機能させる(図2参照)。
ここで、特徴量抽出手段12は、特徴量として輝度の変動係数を抽出することを特徴とする。
なお、本発明においては、上記の構成全てを機能させるプログラムである必要はなく、例えば、コンピュータ、その他の装置、機械等を、被験者の肌画像から光学的に検出可能な特徴量を抽出する特徴量抽出手段12と、特徴量抽出手段12で得られた特徴量に基づいて、被験者の肌のみずみずしさ及びはりを評価する評価手段13と、として機能させる、肌の評価プログラムの形態であってもよい。
本発明の肌の評価プログラムは、上記[1]肌の評価方法、及び[3]肌の評価装置に係るプログラムである。したがって、上記[1]及び[3]に係る説明は、本発明の肌の評価プログラムに関しても妥当する。
(実施例1)
以下の手順で、パネラーの肌のみずみずしさ及びはりと、輝度の変動係数の相関について評価した。
以下の手順で、パネラーの肌のみずみずしさ及びはりと、輝度の変動係数の相関について評価した。
<評価手順>
(1)パネラーの選定
(1-1)20代~40代女性(N=48)をパネラーとして選出し、該パネラーの素肌をVISIA(登録商標) Evolutionにて撮影した。
(1)パネラーの選定
(1-1)20代~40代女性(N=48)をパネラーとして選出し、該パネラーの素肌をVISIA(登録商標) Evolutionにて撮影した。
(1-2)得られた肌画像に基づいて、パネラーを「みずみずしさ及びはりのある人」、「みずみずしさ及びはりのない人」、「どちらともいえない」の3段階に分類した。このうち、顕著にみずみずしさ及びはりのあるパネラーと、みずみずしさ及びはりのないパネラーを各9名選定した。
(2)画像処理
(2-1)得られた肌画像を、平均化フィルターにて処理し、画素を調節後、8bitグレースケール(256階調)に変換した。
(2-1)得られた肌画像を、平均化フィルターにて処理し、画素を調節後、8bitグレースケール(256階調)に変換した。
(2-2)変換後の肌画像について、目の脇から下ろした垂線と、小鼻の脇から伸ばした水平線の交点を基準とし、該中心から左下に300×240ピクセルの範囲の長方形の範囲を、評価領域とした。評価領域内の輝度は、160~180階調であった。
(2-3)評価領域内の輝度を用いて、画素単位の輝度の平均値及び標準偏差を算出し、これらの値を用いて輝度の変動係数を算出した。この時、画像処理ソフトとしてImage Jを使用した。
(2-4)また、8bitグレースケール(256階調)に変換した肌画像について、エクセルの等高線を用いて10~20階調毎に等高線を設け、別途等高線画像を作成した。
<結果>
図3に示すように、肌が「みずみずしさ及びはりのある人」に分類されたパネラーと「みずみずしさ及びはりのない人」に分類されたパネラーの間では、輝度の変動係数に有意な差が見られた。これにより、肌にみずみずしさ及びはりのある人は、肌の変動係数の値が小さいことが明らかとなった。
図3に示すように、肌が「みずみずしさ及びはりのある人」に分類されたパネラーと「みずみずしさ及びはりのない人」に分類されたパネラーの間では、輝度の変動係数に有意な差が見られた。これにより、肌にみずみずしさ及びはりのある人は、肌の変動係数の値が小さいことが明らかとなった。
また、図4は、「みずみずしさ及びはりのある人」(パネラー1~3)と「みずみずしさ及びはりのない人」(パネラー4~6)の実際の肌状態を示す写真と輝度の変動係数の対応関係を示す。
肌が「みずみずしさ及びはりのある人」に分類されたパネラー1~3は、評価領域内の輝度の変動係数が0.05よりも低くなっていた(図2(a))。一方、肌が「みずみずしさ及びはりのない人」に分類されたパネラー4~6は、評価領域内の変動係数がパネラー1~3よりも高い結果となった(図2(b))。
肌が「みずみずしさ及びはりのある人」に分類されたパネラー1~3は、評価領域内の輝度の変動係数が0.05よりも低くなっていた(図2(a))。一方、肌が「みずみずしさ及びはりのない人」に分類されたパネラー4~6は、評価領域内の変動係数がパネラー1~3よりも高い結果となった(図2(b))。
以上より、輝度の変動係数と肌のみずみずしさ及びはりに相関があることが明らかとなった。
(実施例2)
みずみずしさ及びはりのある肌と評価されたパネラー7について、素肌とクリームファンデーションを塗布後の肌の状態を、VISIA(登録商標)Evolutionを用いて撮影した。肌画像は、頬を含む領域を撮影した。
得られた肌画像から、特徴量として輝度の変動係数及び高輝度面積を算出し、ファンデーション塗布前後の肌のみずみずしさ及びはりについて評価した。
みずみずしさ及びはりのある肌と評価されたパネラー7について、素肌とクリームファンデーションを塗布後の肌の状態を、VISIA(登録商標)Evolutionを用いて撮影した。肌画像は、頬を含む領域を撮影した。
得られた肌画像から、特徴量として輝度の変動係数及び高輝度面積を算出し、ファンデーション塗布前後の肌のみずみずしさ及びはりについて評価した。
輝度の変動係数の算出は、上記実施例1の(2)画像処理と同様の方法で行った。図3における等高線画像は、画像編集後のパネラー7の頬領域を示し、頬上の長方形は輝度の変動係数の評価領域を示す。また、高輝度面積の算出は、以下の手順に従って行った。
・高輝度面積の算出
上述の(2-4)と同様に、肌画像から等高線画像を取得した。得られた等高線画像において、200階調以上の面積を高輝度面積として抽出した。
上述の(2-4)と同様に、肌画像から等高線画像を取得した。得られた等高線画像において、200階調以上の面積を高輝度面積として抽出した。
<結果>
図5に示すように、ファンデーション塗布後の肌は、素肌と比較して、輝度の変動係数が減少し、高輝度面積が増大していた。よって、ファンデーションを塗布することにより、パネラー7の肌のみずみずしさ及びはりが向上したと判断することができる。
図5に示すように、ファンデーション塗布後の肌は、素肌と比較して、輝度の変動係数が減少し、高輝度面積が増大していた。よって、ファンデーションを塗布することにより、パネラー7の肌のみずみずしさ及びはりが向上したと判断することができる。
このように、本発明の肌の評価方法を用いれば、ファンデーション等の化粧料塗布前後における、肌のみずみずしさ及びはりの変化について簡便かつ正確に評価することができる。
本発明は、化粧料の販売、カウンセリング、エステティック等の場面における顧客の肌の評価や、化粧料の研究開発における評価や設計などに利用できる。
1 肌評価装置
11 画像取得手段
12 特徴量抽出手段
13 評価手段
14 記憶部
15 表示手段
11 画像取得手段
12 特徴量抽出手段
13 評価手段
14 記憶部
15 表示手段
Claims (6)
- 被験者の肌画像から、光学的に検出可能な特徴量を抽出する特徴量抽出工程と、
前記特徴量に基づいて、前記被験者の肌のみずみずしさ及びはりを評価する評価工程と、を備え、
前記特徴量は、前記肌画像に設定した測定領域内における輝度の変動係数である、肌の評価方法。 - 前記特徴量として、さらに、前記肌画像中の高輝度面積を取得する、請求項1に記載の肌の評価方法。
- 前記評価工程において、前記変動係数の値が0.065以下であり、前記高輝度面積が12000ピクセル以上である場合に、前記被験者の肌は、みずみずしさ及びはりを有すると評価する、請求項2に記載の肌の評価方法。
- 粉体の評価方法であって、
評価粉体を、凸型の曲面を有する皮膚の代替え物に塗布し、
前記評価粉体を塗布した前記代替え物の表面の画像を取得する画像取得工程と、
前記画像より光学的に検出可能な特徴量を抽出する特徴量抽出工程と、
前記特徴量に基づいて、前記評価粉体の有する化粧効果を評価する評価工程と、を備え、
前記特徴量は、前記画像中の輝度の変動係数である、粉体の評価方法。 - 被験者の肌画像から、光学的に検出可能な特徴量を抽出する特徴量抽出手段と、
前記特徴量に基づいて、前記被験者の肌のみずみずしさ及びはりを評価する評価手段と、を備え、
前記特徴量は、前記肌画像に設定した測定領域内における輝度の変動係数である、肌評価装置。 - コンピュータを、
被験者の肌画像から、光学的に検出可能な特徴量を抽出する特徴量抽出手段と、
前記特徴量に基づいて、前記被験者の肌のみずみずしさ及びはりを評価する評価手段と、して機能させるための肌評価プログラムであり、
前記特徴量は、前記肌画像に設定した測定領域内における輝度の変動係数である、肌評価プログラム。
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JP2021075002A JP2022169152A (ja) | 2021-04-27 | 2021-04-27 | 肌の評価方法、及び粉体の評価方法 |
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