JP2022167475A - 冷却装置 - Google Patents

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秀雄 久保
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Kenji Shinobe
伸充 青木
Nobumitsu Aoki
厚 遠藤
Atsushi Endo
慶太 平井
Keita Hirai
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Abstract

【課題】冷却対象の熱を複数のフィンで放熱して冷却対象を冷却する冷却装置において、フィン配置位置に制限がある場合でも、冷却効率の低下を抑制する。【解決手段】冷却装置42は、冷媒RFが密封された容器44と、容器44の内部で冷媒を受熱により蒸発させる蒸発部と、容器の内部で気相の冷媒を放熱により凝縮させる凝縮部と、容器の内部で液相の冷媒を毛細管現象により前記蒸発部に輸送する輸送部と、を有する。さらに、容器の外部に取り付けられた複数のフィン90を備え、冷却風の流れ方向の下流側で流れ方向と直交する方向の幅が相対的に狭い幅狭部100Nと、流れ方向の上流側で幅が相対的に広い幅広部100Wと、を含む放熱部材100を有する。幅広部100Wの下流側で且つ幅狭部の上流側100Nには、幅広部100Wを通過した冷却風を幅狭部100Nに導く導風部材102を有する。【選択図】図14

Description

本願の開示する技術は冷却装置に関する。
蒸発冷却部が、放熱部、接続部、蒸発部を有し、内部に冷媒が封入された冷却装置がある。この冷却装置では、蒸発部で、発熱体からの熱受けて、冷媒が蒸発気化し、放熱部では、流入した気体冷媒が、外部流体との熱交換によって凝集、液化する。さらに、この冷却装置では、放熱フィン部や内部フィンが、冷媒からの放熱を促進し、冷却効率を高めている。ファンからの送風は、放熱フィン部を通過した後、接続部の下を通って、蒸発部の空洞部の側面にあたり、左右に分かれて、蒸発部の側面や補助空冷フィン部の領域を通過するように流れる。
特開2018-133529号公報
冷却対象の熱を複数のフィンで放熱して冷却対象を冷却する冷却装置では、たとえば、基板上の各種部品の実装エリアに応じて、フィン配置位置が制限を受けることがある。このようにフィン配置位置に制限がある場合でも、冷却効率の低下を抑制することが目的である。
本願の開示する技術では、冷媒が密封された容器と、容器の内部で液相の冷媒を受熱により蒸発させる蒸発部と、容器の内部で気相の冷媒を放熱により凝縮させる凝縮部と、容器の内部で液相の冷媒を毛細管現象により前記蒸発部に輸送する輸送部と、を有する。さらに、容器の外部に取り付けられた複数のフィンを備え、冷却風の流れ方向の下流側で流れ方向と直交する方向の幅が相対的に狭い幅狭部と、流れ方向の上流側で幅が相対的に広い幅広部と、を含む放熱部材を有する。そして、幅広部の下流側で且つ幅狭部の上流側に設けられ、幅広部を通過した冷却風を幅狭部に導く導風部材を有する。
本願の開示する技術では、冷却対象の熱を複数のフィンで放熱して冷却対象を冷却する冷却装置において、フィン配置位置に制限がある場合でも、冷却効率の低下を抑制する。
図1は第一実施形態の冷却装置を示す斜視図である。 図2は第一実施形態の冷却装置を示す分解斜視図である。 図3は第一実施形態の冷却装置を備えた電子機器を冷却装置の内部構造と共に示す部分的平面図である。 図4は第一実施形態の冷却装置の内部構造を示す平面図である。 図5は第一実施形態の冷却装置を傾いていない状態で示す図4の5-5線断面図である。 図6は第一実施形態の冷却装置を傾いた状態で示す断面図である。 図7は第一実施形態の冷却装置における輸送パイプの一端部分を蒸発部の一部と共に示す平面図である。 図8は第一実施形態の冷却装置における輸送パイプの他端部分を容器の一部と共に示す断面図である。 図9は第一実施形態の冷却装置における輸送パイプの一端部分を蒸発部の一部と共に示す側面図である。 図10は輸送パイプの内径と輸送パイプ内を上昇する水柱の高さの関係を示すグラフである。 図11は第一実施形態の冷却装置において冷媒が蒸発する状態を示す断面図である。 図12は第一実施形態の冷却装置において冷媒が凝縮する状態を示す断面図である。 図13は第一実施形態の冷却装置を示す図4の13-13線断面図である。 図14は第一実施形態の冷却装置を備えた電子機器を示す平面図である。 図15は第一実施形態の冷却装置を示す斜視図である。 図16は第一実施形態の冷却装置を示す斜視図である。 図17は、本開示の冷却装置の内部構造を注入孔及び注入パイプと共に示す平面図である。 図18は本開示の冷却装置の内部構造を示す図17の18-18線断面図である。 図19は本開示の冷却装置の注入パイプを未封止の状態で示す断面図である。 図20は本開示の冷却装置の注入パイプを圧縮して封止した状態で示す断面図である。 図21は本開示の冷却装置の注入孔を注入パイプ先端の栓により封止した状態で示す断面図である。 図22は第一変形例の冷却装置を示す斜視図である。 図23は第二実施形態の冷却装置を示す斜視図である。 図24は第二実施形態の冷却装置を示す斜視図である。 図25は第二実施形態の冷却装置を示す斜視図である。 図26は第二実施形態の冷却装置を備えた電子機器を示す平面図である。 図27は第三実施形態の冷却装置を示す斜視図である。 図28は第三実施形態の冷却装置を備えた電子機器を部分的に示す斜視図である。 図29は第三実施形態の冷却装置を備えた電子機器を示す平面図である。 図30は開示の技術の冷却装置の第二変形例を部分的に示す斜視図である。 図31は開示の技術の冷却装置の第三変形例を部分的に示す断面図である。 図32は開示の技術の冷却装置の第三変形例を部分的に示す断面図である。
第一実施形態の冷却装置42について、図面に基づいて詳細に説明する。
図1及び図2には、第一実施形態の冷却装置42が示されている。また、図3には、この冷却装置42を備えた電子機器32が示されている。電子機器32としては、サーバ等の情報通信機器を挙げることができるが、これに限定されない。
電子機器32は、剛性及び絶縁性を備えた基板34を有している。基板34には、複数の素子36、38が搭載されている。素子36、38の種類は特に限定されないが、図3に示す例では、素子36はプロセッサチップであり、素子38はメモリモジュールである。この場合、素子36は、発熱体の一例である。そして、素子36を冷却するために、冷却装置42が素子36に対し接触して配置される。
図面において、電子機器32の幅方向、奥行方向及び高さ方向を、それぞれ矢印W、矢印D及び矢印Hで示す。本実施形態では、これらの幅方向、奥行き方向及び高さ方向は、基板34及び後述する容器44の幅方向、奥行き方向及び高さ方向と一致している。
図3に示すように、基板34を平面視して、素子36は基板34の略中央に搭載されている。
図3及び図14に示すように、素子38は複数であり、長手方向が奥行方向と一致する向きで、素子36の幅方向両側に、中心線CLを中心として対称に配置されている。特に本実施形態では、複数の素子38は、幅方向両側から中心線CLへ接近するにつれて、放熱部48(詳細は後述する)から遠ざかる位置となるように、段階的にずらして搭載されている。
図1~図5に示すように、冷却装置42は、容器44を備えている。この容器44内には、冷媒RF(図5参照)が密封されている。そして、冷却装置42は、受熱部46、放熱部48及び接続部50を有している。第一実施形態において、容器44は伝熱部材の一例である。
冷媒RFの種類は、容器44内で、液相と気相との相転移を行いつつ循環することで熱を移動させることができれば限定されず、たとえば、水を用いることができる。水の他にも、オイルやアルコールを用いることも可能であるが、水は入手が容易で、且つ取り扱いも容易であり、本実施形態においても水が用いられている。
受熱部46は、図3に示すように、素子36に接触配置され、素子36の熱を受ける部分である。受熱部46には、液相の冷媒RFをこの熱によって気化させる蒸発部62が備えられている。
放熱部48は、受熱部46から離間して配置され、容器44に密封された冷媒RFの熱を外部に放出する部分である。放熱部48には、気相の冷媒RFを放熱によって液化する凝縮部72が備えられている。
接続部50は、受熱部46と放熱部48とを接続している部分である。そして、接続部50は、冷媒RFが蒸発部62と凝縮部72との間で移動する移動領域74でもある。なお、気相状態の冷媒RFの熱の一部は、接続部50においても外部に排出され、冷媒RFが液化される。
本実施形態では、放熱部48は、受熱部46よりも幅方向に広く、奥行き方向に短い形状である。接続部50は、受熱部46よりも幅方向に狭く、且つ受熱部46と放熱部48とを接続するための奥行きを有している。
本実施形態では、容器44を厚み方向にみて、受熱部46、放熱部48及び接続部50は、中心線CLを中心とした対称形状である。そして、素子36は受熱部46において中心線CL上で容器44に接触されている。これにより、素子36の熱を受けた容器44の温度分布が、中心線CLを中心とした対称に近い分布となる。
図2に示すように、容器44は、底板52と天板54との2枚の板材が、厚み方向(高さ方向)に重ねた状態で固定された構造である。
底板52からは、複数の支柱56が立設されている。支柱56の先端(上端)は天板54に接触しており、天板54が支柱56によって支持されている。容器44の内部は低圧状態に維持されているが、低圧状態であっても、支柱56によって、天板54と底板52の間隔が維持されると共に、容器44の内部の容積が確保される。
本実施形態では、図2及び図4に示すように、支柱56は放熱部48において、容器44の幅方向に間隔をあけて複数配置され、さらに、接続部50において、容器44の奥行方向に間隔をあけて複数配置されている。加えて、受熱部46においても、蒸発部62を間において接続部50の反対側に1つの支柱56が設けられている。
図2に示すように、底板52において、受熱部46の部分には開口58が形成されている。この開口58に受熱板60がはめ込まれることで、底板52、天板54及び受熱板60によって容器44における密封構造が実現される。
受熱板60には、複数の柱部材64が天板54に向けて立設されている。図5~図7にも詳細に示すように、複数の柱部材64は、幅方向及び奥行き方向に一定の間隔をあけて配置されており、柱部材64の間に、格子状の溝部66が形成されている。この溝部66の溝幅W1は、後述する輸送パイプ78の内径N1よりも狭い。
図11に示すように、溝部66では、受熱部46(図1~図4参照)からの熱により、液相の冷媒RFの気化が促進される。この「気化」には、矢印GFで示すように、冷媒RFの表面から気化する「蒸発」の他に、気泡GBで示すように、冷媒RFの内部から気化する「沸騰」も含まれるが、以下では、これらを含めて「蒸発」と表現する。柱部材64を備えた部分は、このように液相の冷媒RFが蒸発する部分であり、蒸発部62である。
柱部材64の先端は、天板54に接触している。これによっても、容器44の内部の低圧状態において、天板54と底板52の間隔が維持されると共に、容器44の内部の容積が確保される。
図4に示すように、柱部材64の周囲では、天板54と底板52の間に拡散領域68が形成されている。蒸発部62で蒸発した気相の冷媒RFは、拡散領域68に拡散する。
さらに、天板54と底板52の間では、受熱部46と放熱部48の間に移動領域74が形成されている。蒸発部62で蒸発した気相の冷媒RFは、移動領域74を通って放熱部48に移動する。この移動途中で、冷媒RFの熱が容器44の外部に排出されることで、気相の冷媒RFが凝縮・液化される。すなわち、接続部50及び放熱部48は、このように気相の冷媒RFが凝縮される部分でもある。
図12に示すように、天板54には、複数の突起76が底板52(図5参照)に向けて形成されている。突起76のそれぞれは、先端側に向かって先細りとなる形状である。このような突起76を設けたことで、突起76がない構造と比較して、凝縮部72における天面の表面積が広くなっている。
図4~図6に示すように、容器44の内部には、蒸発部62と凝縮部72の間に輸送部70が配置されている。すなわち、凝縮部72に対応して蒸発部62及び輸送部70が1つの組を成して配置されている。
輸送部70は、奥行き方向に延在する輸送パイプ78を有している。輸送部70において、輸送パイプ78は1本でもよいが、本実施形態では輸送部70において輸送パイプ78は複数本配置されており、輸送部70が複数備えられている。具体的には、図13に示す例では、輸送部70において、幅方向に隣接して配置された8本の輸送パイプ78が支柱56を間において2組配置されており、合計で16本の輸送パイプ78が配置されている。輸送パイプ78の長手方向は、容器44の奥行き方向(矢印D方向)と一致している。
図7に示すように、輸送パイプ78の内径N1は、液相の冷媒RFを毛細管現象により輸送することが可能で、且つ、複数の輸送パイプ78の全体で蒸発部62に十分な量の冷媒RFを輸送可能な径に設定されている。
さらに、輸送パイプ78の内径N1は、一端部分78Aが他端部分78Bよりも高くなるように冷却装置42が傾斜した場合(図6参照)でも、他端部分78Bから一端部分78Aへ毛細管現象により冷媒RFを輸送できるように、その上限が決められている。具体的には、輸送パイプ78の内寸N1は、このように毛細管現象が生じる範囲で、且つ流量を確保することが可能な内寸N1に設定されており、この輸送パイプ78の内寸N1は、蒸発部62の溝部66の溝幅W1よりも広い。
なお、本実施形態では、図13に示すように、幅方向に隣接して配置された輸送パイプ78の間と、底板52との間の空間80も、液相の冷媒RFを毛細管現象により輸送することが可能な領域である。
輸送パイプ78の一端部分78Aは、図7及び図9にも示すように、柱部材64に対向している。第一実施形態では、この一端部分78Aに、隙間部が設けられている。より具体的には、一端部分において輸送パイプ78を切り欠くことで、輸送パイプ78の長手方向に対し傾斜させて傾斜部82Aが形成されている。この傾斜部82Aは、第一実施形態における隙間部の一例である。
特に、本実施形態では、図9に示すように、傾斜部82Aは、柱部材64から離間するにしたがって、互いに接近するように対で形成された傾斜面82Tを有するV字形状である。
傾斜部82Aが設けられた部分、すなわち、傾斜面82Tの間の領域は、輸送パイプ78から蒸発部62に、液相の冷媒RFが移動する隙間84Aである。
傾斜部82Aは、1本の輸送パイプ78において、周方向に一定の間隔をあけて複数形成されている。本実施形態では、図7に示すように、1本の輸送パイプ78に2つの傾斜部82Aが、容器44の幅方向(矢印W方向)に離間して形成されている。
輸送パイプ78の他端部分78Bは、図8に示すように、容器44の側壁44Sに対向している。この側壁44Sは、奥行方向手前側(凝縮部72側)の端部をなす側壁である。
輸送パイプ78の他端部分78Bには、第二隙間部が設けられている。具体的には、他端部分78Bを輸送パイプ78の長手方向に対し一方向に傾斜させた第二傾斜部82Bが形成されており、側壁44Sと第二傾斜部82Bの間の領域は、凝縮部72から輸送パイプ78内に液相の冷媒RFが移動する第二隙間84Bである。
図13にも示すように、容器44の内部には、接続部50の部分に固定具86が配置されている。固定具86は、幅方向(矢印W方向)の両側において、天板54と底板52との間にはめ込まれる嵌込部86Aと、幅方向の中央において、複数の輸送パイプ78を底板52に向かって押し付ける押付部86Bと、を有している。押付部86Bによって、輸送パイプ78は底板52に押し付けられて固定される。複数の輸送パイプ78が底板52に接触して固定されるので、天板54と輸送パイプ78との間には、実質的に気相の冷媒RFが移動するために十分な流路断面積が確保されている。
さらに、輸送パイプ78の組は、支柱56と、押付部86Bの側面部86Cとの間に位置するので、幅方向にも保持される。
図1~図4に示すように、容器44の底板52には、締結孔88が設けられている。この締結孔88には、ネジ等の締結具が挿通されて基板34に締結されることで、冷却装置42が基板34に固定される。基板34には冷却対象である素子36が搭載されているので、冷却装置42は素子36に対しても固定される。
冷却装置42を基板34に固定した状態で、容器44の底板52と基板34との間に素子36が位置している。したがって、底板52と基板34との間には、この素子36の高さに相当する間隙GP1(図1参照)が生じている。底板52は基板34に対し平行に固定されるので、幅方向及び奥行方向で間隙GP1の間隔(長さ)は一定である。
なお、天板54は、底板52との重なり方向(図1に示す矢印A1方向)にみて、締結孔88を避ける形状とされている。したがって、冷却装置42を基板34に固定する際に、天板54が邪魔にならずに、締結具に対し締結動作(たとえばネジを回す動作)を行うことが可能である。
図1及び図2に示すように、天板54には、放熱部材100が取り付けられている。放熱部材100は、複数のフィン90を備えている。これらのフィン90は、図示しないファンからの冷却風の流れ方向(矢印AF方向)に沿って配置される。複数のフィン90はいずれも、表面が平坦な長方形の板状である。
素子36(図3参照)の熱は、容器44を経て放熱部材100に伝わり、放熱部材100から放熱される。第一実施形態では、容器44は、このように素子36の熱を放熱部材100に伝える伝熱部材の一例でもある。
そして、フィン90によって、容器44の実質的な表面積、すなわち外部に放熱(空冷)するための放熱面積が増えている。特に、本実施形態では、フィン90が、天板54の略全域に設置されており、広い放熱面積が確保されている。
図14に示すように、放熱部材100において、放熱部48に対応する位置に配置された部分は、受熱部46に対応する位置に配置された部分よりも幅方向に長くなっており、幅広部100Wである。
これに対し、放熱部材100において、受熱部46に対応する位置に配置された部分は、放熱部48に対応する位置に配置された部分よりも幅方向に短くなっており、幅狭部100Nである。
さらに、放熱部材100において、接続部50に対応する位置に配置された部分は、受熱部46に対応する位置に配置された部分よりもさらに幅方向に短くなっており、括れ部100Mである。
幅広部100Wと幅狭部100Nの間、すなわち、幅広部100Wの下流側で、且つ幅狭部100Nの上流側の位置には、導風部材102が配置されている。
第一実施形態では、図15にも示すように、導風部材102は、複数の導風板104を有している。1つの導風部材102において、導風板104は、中心線CLの片側で3枚ずつ、全体で6枚備えられている。以下では適宜、幅方向の外側から順に導風板104A、導風板104B、導風板104Cとして区別する。導風板104はいずれも、平坦な板状の部材である。そして、導風板104はいずれも、上流側から下流側へ向かって幅方向外側から内側へ傾斜している。
導風部材102はさらに、取付板106を有している。図16にも示すように、取付板106は、受熱部46と放熱部48との間で連続する等脚台形の板状の部材である。導風板104A、導風板104B、導風板104Cはいずれも取付板106に接合されて一体的に保持されている。
導風板104Aは、幅広部100W側の端部(上流側の端部)から、幅狭部100N側の端部(下流側の端部)まで連続する形状であり、中心線CLに対し所定の傾斜角θA(図14参照)で幅狭部100Nへ傾斜して配置されている。導風板104Bは、導風板104Aよりも幅方向の内側に位置しており、導風板104Bの傾斜角θBは導風板104Aの傾斜角θAよりも小さい。導風板104Cは導風板104Bよりもさらに幅方向内側に位置しており、導風板104Cの傾斜角θCは導風板104Bの傾斜角θBよりもさらに小さい。従って、幅広部100Wを通過した冷却風が流れる幅が、上流側から下流側に向かうにつれて絞り込まれており、冷却風を幅狭部100Nに向けて案内する構造が実現されている。
取付板106は、上流側において、放熱部48に対応する部分の底板52に固定され、下流側において、受熱部46に対応する部分の底板52に固定されている。これにより、取付板106は、上流側及び下流側の両方において、底板52に固定される。取付板106には導風板104A、導風板104B及び導風板104Cが取り付けられているので、取付板106が底板52に固定されることで、これらの導風板104が容器44に所定の位置で取り付けられる。
取付板106がこのように底板52に固定された状態では、取付板106と基板34との間に間隙GP2(図1参照)が生じている。この間隙GP2の上流側には、間隙GP1において、底板52の放熱部48に相当する部分が位置しており、間隙GP1と間隙GP2とが冷却風の流れ方向に連続している。そして、間隙GP2の下流側に、素子38が位置している。
図2及び図16に示すように、取付板106には、複数のネジ穴108が形成されている。図16に示すように、このネジ穴108に取付ネジ110を挿通して、底板52の雌ねじにねじこむことで、取付板106を底板52に固定できる。なお、取付板106を底板52に固定する構造は、このようなネジを用いた構造に限定されず、リベット、ピン、クリップ等の各種の固定具を用いることが可能であり、さらには、ロウ付けや接着等を用いてもよい。
第一実施形態では、図3に示すように、複数の素子36が、幅方向の外側から内側に向かうにしたがって下流側に位置するように、段階的に位置をずらして基板34に搭載されている。これにより、素子36と放熱部材100とが干渉しない構造となっている。
図17及び図18に示すように、容器44には、この容器44の内部と外部とを連通する注入孔92が設けられている。注入孔92からは、容器44の外側へ注入パイプ96が延出されている。容器44内に冷媒RFを注入するには、容器44内の空気を、真空ポンプ等を用いて排出する。その後、図19に矢印V1で示すように、注入パイプ96を通じて冷媒を注入する。そして、容器44内の冷媒を加熱して沸騰させ、冷媒RF内の溶解空気を容器44の外部に排出する。ただし、あらかじめ溶解空気が除去された脱気冷媒を使用する場合は、この作業は不要である。次に、図20に矢印V2で示すように、注入パイプ96を外側から圧縮して封止する。さらに、図21に示すように、注入パイプ96の先端に栓94を詰めることで、注入パイプ96をより強く封止する。すなわち、注入孔92が設けられていることで、容器44の内部に、この注入孔92を通じて冷媒RFを注入できる。そして、注入後に、注入孔92を栓94で封止することで、容器44の内部に冷媒RFを密封できる。なお、図17~図21以外の図面では、注入孔92、栓94及び注入パイプ96の図示を省略している。
次に、本実施形態の作用を説明する。
図5に示すように、素子36から受熱部46が熱を受けると、この熱は、蒸発部62において、溝部66にある液相の冷媒RFを気化させる。すなわち、図11にも示すように、液相の冷媒RFは、冷媒RF表面からの蒸発(矢印GF参照)と、冷媒RF内部からの沸騰(気泡GB参照)により、気相となる。
気相の冷媒RFは、拡散領域68に拡散されると共に、移動領域74を通って放熱部48に移動する(図5及び図6の矢印F1参照)。
また、放熱部材100には、フィン90の長手方向に沿って、ファンからの冷却風が流れる(図1及び図14の矢印AF参照)。
拡散領域68及び移動領域74では、気相の冷媒RFの一部がフィン90を通じた放熱により凝縮され液化される。さらに、気相の状態を維持したまま放熱部48に達した冷媒RFも、放熱部48でフィン90を通じて冷却されることで、凝縮され液化される。このように気相の冷媒RFが液化されることで、凝縮熱が天板54から、容器44の外部に放出される。結果的に、素子36の熱が、容器44の外部の空気中に排出される。
素子36の熱が容器44に作用すると、容器44の内部において、液相の冷媒RFは、図8に矢印F2で示すように、輸送パイプ78の他端部分78Bから輸送パイプ78の内部に入る。さらにこの冷媒RFは、図5及び図6に矢印F3で示すように、毛細管現象によって一端部分78Aへ、すなわち蒸発部62に向かって輸送される。また輸送パイプ78の間と、底板52の間の空間80(図13参照)においても、液相の冷媒RFが毛細管現象により蒸発部62へ輸送される。
そして、蒸発部62では、溝部66において、液相の冷媒RFが再度蒸発され気化される。このように、容器44の内部では、冷媒RFが液相と気相との相転移を繰り返しつつ蒸発部62と凝縮部72とで循環される。受熱部46で受けた熱を、放熱部48に移送できるので、上記したように、放熱部48に対応して設けられた放熱部材100の幅広部100Wに熱を移動させて、幅広部100Wから放熱できる。
図7に示すように、本実施形態において、蒸発部62の溝部66の溝幅W1は、輸送パイプ78の内径N1よりも狭い。
図10には、輸送パイプ78の内径N1と、輸送パイプ78内を表面張力(毛細管現象)により上昇する液柱の上昇高さの関係が、液温25℃の場合で示されている。このグラフは、本実施形態において冷媒RFとして用いられている水の例である。
このグラフから分かるように、輸送パイプ78の内径N1を小さくするほど、液柱の上昇高さは高くなる。すなわち、内径N1が小さいほど、より大きな表面張力で冷媒RFを上昇させることが可能である。
輸送パイプ78では、図5及び図6に矢印F3で示すように、液相の冷媒RFが蒸発部62に輸送される。しかしながら、輸送パイプ78の一端部分78Aでは、内部の液相の冷媒RFの表面張力によって、図7に示すように、蒸発部62から離間する方向の冷媒RFへの吸引力T1が作用することがある。これに対し、蒸発部62では、溝部66における液相の冷媒RFの表面張力によって、蒸発部62の内部に冷媒RFを引き込む冷媒RFへの吸引力T2が作用することがある。吸引力T1と吸引力T2とは反対方向の力であるが、吸引力T2の方が大きいので、冷媒RFは矢印F4で示すように輸送パイプ78から蒸発部62に向かって流れる。
ここで、たとえば図6に示すように、一端部分78Aが他端部分78Bよりも高くなるように冷却装置42が傾斜して使用された場合を考える。一例として、一端部分78Aが他端部分78Bよりも25mm程度高い場合を想定する。この場合、輸送パイプ78の内径N1を0.6mm以下にすれば、表面張力によって、輸送パイプ78内を他端部分78Bから一端部分78Aに向かって冷媒RFを輸送できることが分かる。
このように、輸送パイプ78内で冷媒RFに作用する表面張力を大きくする観点からは、輸送パイプ78の内径N1をより小さくすればよい。ただし、輸送パイプ78の内径N1を小さくすると、冷媒RFの流路断面積も小さくなるので、単位時間当たりに輸送できる冷媒RFの量も少なくなる。したがって、単位時間当たりの冷媒RFの輸送量を確保する観点から、輸送パイプ78の内径N1の下限値が決められる。
図7に示すように、本実施形態では、溝部66の溝幅W1は、輸送パイプ78の内径N1よりも狭い。図10に示した関係から、蒸発部62において液相の冷媒RFに作用する表面張力は、輸送パイプ78において液相の冷媒RFに作用する表面張力よりも大きい。したがって、吸引力T2と吸引力T1との差によって、輸送パイプ78から蒸発部62へと移動しようとする力を作用させ、冷媒RFを輸送パイプ78から蒸発部62へ移動させることができる。
ここで、輸送パイプ78の一端部分78Aにおいて、隙間部が設けられることなく、平坦に形成された構造を考える。平坦な一端部分78Aを有する輸送パイプでは、輸送パイプの開口部分が柱部材64に対向して全周で接触していると、この開口部分が柱部材64によって覆われてしまうことがある。輸送パイプの内径N1を大きくすれば、輸送パイプの開口部分において柱部材64に覆われない範囲を確保することが可能であるが、上記したように、表面張力を確実に冷媒RFに作用させるためには、内径N1には上限がある。
これに対し、本実施形態では、輸送パイプ78の一端部分78Aに、隙間部の一例として、傾斜部82Aが設けられている。そして、一端部分78Aの先端部分が蒸発部62に接触していても、輸送パイプ78と蒸発部62の間には、一端部分78Aが蒸発部62に接触しない隙間84Aが生じている。すなわち、輸送パイプ78の一端部分78Aにおける開口部分が、柱部材64によって完全に塞がれてしまうことがない構造である。したがって、図7に矢印F5で示すように、輸送パイプ78によって輸送された液相の冷媒RFが、この隙間84Aを通じて、蒸発部62の溝部66に流入する。すなわち、液相の冷媒RFを輸送パイプ78から蒸発部62に移動しやすくする構造が実現されている。
上記したように、溝部66の溝幅W1が輸送パイプ78の内径N1よりも狭い構造では、相対的に柱部材64が太くなり、輸送パイプ78の開口部分の広い範囲を覆うことになる。しかし、このような構造であっても、本実施形態では、輸送パイプ78と蒸発部62との間に隙間84Aが生じているので、液相の冷媒RFを輸送パイプ78から蒸発部62に確実に移動させることできる。
第一実施形態では、隙間部は、輸送パイプ78の一端部分78Aに設けられた傾斜部82Aである。このように隙間部を輸送パイプ78に設けると、隙間84Aを生じさせるための他の部材が不要であり、冷却装置42の構造を簡素化できる。
隙間部は、上記の例では傾斜部82Aである。すなわち、輸送パイプ78の一端部分78Aを輸送パイプ78の長手方向に対し傾斜させる簡単な構造で、隙間84Aを生じさせることができる。
傾斜部82Aは、図9に示すように、一対の傾斜面82Tを有している。傾斜面82Tは、蒸発部62から離間するにしたがって互いに接近する面である。このような傾斜面82Tを備える傾斜部82Aを形成したことで、傾斜部82Aを切り込む深さ(蒸発部62側から切り込んだ部分の長さ)を過度に長くすることなく、隙間84Aが生じる構造を実現できる。
なお、輸送パイプ78の一端部分78Aに、他端部分78Bの第二傾斜部82Bと同様に、一方向に傾斜させた傾斜部を設けてもよい。
また、隙間部の一例である傾斜部82Aは、1本の輸送パイプ78において、周方向で複数個所(本実施形態では2か所)に設けられている。隙間部を複数設けることにより、複数の隙間84Aが生じるので、隙間部を1本の輸送パイプ78に1か所のみ設けた構造と比較して、輸送パイプ78から蒸発部62へ冷媒RFが流れる部分の断面積を広く確保できる。
図8に示すように、輸送パイプ78の他端部分78Bには、第二隙間部の一例としての第二傾斜部82Bが設けられており、他端部分78Bと容器44の側壁44Sとの間に、第二隙間84Bが生じている。すなわち、輸送パイプ78の他端部分78Bの開口部分が側壁44Sによって塞がれてしまうことがない構造である。したがって、容器44内の液相の冷媒RFが、第二隙間84Bを通じて、輸送パイプ78の内部に流入しやすくなる構造が実現されている。
第一実施形態では、輸送部70が複数の輸送パイプ78を有している。輸送部70としては、輸送パイプ78に代えて、あるいは併用して、たとえば液相の冷媒RFの流路となる孔が形成された板状の部材等を用いることも可能である。輸送部70が輸送パイプ78を有することで、簡単な構造で輸送部70を形成できる。
そして、輸送パイプ78は、複数並列されている。上記したように、輸送パイプ78を流れる液相の冷媒RFに作用する表面張力を大きくする点では、輸送パイプ78の内径N1には上限があるため、輸送パイプ78が1本だけでは、十分な流量を確保することが難しい。これに対し、複数の輸送パイプ78を並列させることで、輸送パイプ78は全体としてより多くの流量を確保できる。
隣接する2本の輸送パイプ78と底板52の間にも液相の冷媒RFの流路が形成されるように、複数の輸送パイプ78が配置されている。輸送パイプ78の内部だけでなく、輸送パイプ78の外部も液相の冷媒RFが流れる領域として利用するので、このような流路が形成されない構造と比較して、冷媒RFの流量をより多く確保できる。
図4に示すように、凝縮部72は、幅方向(矢印W方向)において、蒸発部62よりも幅広に形成されている。そして、放熱部材100は、その上流側に幅広部100Wを有している。したがって、このような幅広部100Wが形成されていない構造と比較すると、放熱部材100では、冷却風があたる範囲を広く確保でき、冷媒RFの凝縮を促進することができる。
第一実施形態では、放熱部材100において、幅広部100Wの下流側に幅狭部100Nが存在している。そして、幅広部100Wと幅狭部100Nの間に、導風部材102が配置されている。導風部材102の導風板104A、導風板104B及び導風板104Cは、上流側から下流側へ向かうにつれて幅狭部100Nへ接近するように傾斜しているので、幅広部100Wを通過した冷却風は、幅狭部100Nへ絞り込まれるように導かれる。これにより、導風部材102がない構造と比較して、幅狭部100Nに効果的に冷却風を集めて、幅狭部100Nを通過する冷却風の風量を多く確保できる。また、導風板104A、導風板104B及び導風板104Cが幅狭部100Nへ接近するように傾斜しているので、幅広部100Wを通過した冷却風が導風板104A、導風板104B又は導風板104Cにあたって乱流が生じることを抑制できる。
幅狭部100Nは、冷却対象である素子36に近い位置にあるフィン90を有しており、放熱への寄与が高い。このように放熱に高く寄与する幅狭部100Nに冷却風を集めて安定的に供給できるので、冷却装置42として、素子36に対する高い冷却効果を得ることが可能である。
特に、第一実施形態では上流側に幅広部100Wを有している。基板34上に搭載する素子36、38等の各種搭載部品の搭載位置によって冷却装置42の形状が制約を受ける場合であっても、上流側の幅広部100Wによって、冷却風を受ける面積を広く確保できる。しかしながら、幅広部100W及び幅狭部100Nを有する構造において、導風部材102がないと、幅広部100Wを通過した冷却風のうち、幅方向の端部に近い位置を通過した冷却風は、幅狭部100Nを通過することなく下流側に流れる。
これに対し、第一実施形態では、幅広部100Wを通過した冷却風のうち、下流側にフィン90が存在していない部分を通過した冷却風も含めて、導風部材102によって、幅狭部100Nに向けて効率的に供給することができる。
第一実施形態では、図2、図14及び図16等に例示したように、導風部材102が取付板106を有している。取付板106により、複数の導風板104A、導風板104B及び導風板104Cを一体的に保持できる。そして、取付板106を底板52に固定することで、複数の導風板104を容器44に対し所定位置に取り付けできる。複数の導風板104を一体的に保持した状態で容器44に取り付けることで、複数の導風板104と容器44とも一体化されるので、導風板104が容器44に対し高精度で取り付けられる。これにより、たとえば冷却風の乱流の要因となる不用意な隙間等の発生を抑制できる。
これに対し、図22に示すように、第一変形例の冷却装置142のような構造を採ることも可能である。
第一変形例の冷却装置142では、導風部材102は取付板106(図16等参照)を有していない。そして、導風板104A、導風板104B及び導風板104Cは、いずれも放熱部48から受熱部46まで達する長さに形成されている。
したがって、図22に示す第一変形例では、導風板104A、導風板104B及び導風板104Cが個別に、底板52の放熱部48及び受熱部46に固定される。
なお、容器44と基板34との間の間隙GP1も冷却風が通過する。間隙GP1を通過して冷却風が素子38に当たることで、素子38を冷却することが可能である。特に、第一実施形態では、取付板106と基板34の間に間隙GP2が生じているので、冷却風を、この間隙GP2によって素子38に導くことで、素子38を安定的に冷却することが可能である。
上記した第一実施形態及び第一変形例では、複数の平板状の導風板104を有している。そして、複数の導風板104の傾斜角(冷却風の流れ方向に対する傾斜角)が、幅方向外側から幅方向内側へ向けて小さくなっている。これにより、幅広部100Wを通過した冷却風を、スムーズに絞り込んで幅狭部100Nに供給することができる。
次に、第二実施形態について説明する。第二実施形態において、第一実施形態と同様の要素、部材等については同一符号を付して、詳細な説明を省略する。
第二実施形態の冷却装置242では、図23に示すように、導風部材102の導風板244が、外板部244S、内板部244U及び中間板部244Tを有している。
外板部244Sは、放熱部材100の幅広部100Wから、下流側に延在される板状の部分である。これに対し、内板部244Uは、放熱部材100の幅狭部100Nから上流側に延在される部分である。図23に示した例では、外板部244S及び内板部244Uの両方とも、冷却風の流れ方向に沿って、すなわち中心線CL(図26参照)と平行に配置されている。
中間板部244Tは、外板部244Sの下流側端部と、内板部244Uの上流側端部とに連続している。図示の例では、中間板部244Tは、冷却風の流れ方向に対して直交しており、中間板部244Tの法線方向が、中心線CL(図26参照)の方向と一致している。
外板部244S、内板部244U及び中間板部244Tは、取付板106に接合されて保持されて一体的に保持されている。実際上は、1枚の板材を所定位置で折り曲げることで、外板部244S、中間板部244T及び内板部244Uが一体化された導風板244を形成可能である。そして、このように3つの部分が一体化された導風板244が、取付板106に保持されている。図24に示すように、取付板106が幅広部100W及び幅狭部100Nにおいて底板52に固定されることで、導風板244が容器44に対し所定位置に取り付けられる。
このような構造とされた第二実施形態の冷却装置242においても、図26に矢印AF1で示すように、幅広部100Wを通過した冷却風は、導風部材102によって幅狭部100Nに導かれる。特に、幅広部100Wを通過した冷却風の一部は、導風板244の中間板部244Tにあたって幅方向外側へ流れようとするが、幅方法の外側には外板部244Sがあるので、導風板104よりも幅方向外側へは流出しない。そして、幅方向内側へと流れた冷却風は、幅狭部100Nへ移動するが、ここでも、内板部244Uがあることで、冷却風が不用意に幅方向外側に漏れることが抑制される。このようにして冷却風が幅狭部100Nに導かれるので、導風部材102がない構造と比較して、高い冷却効果が得られる。
第二実施形態では、中間板部244Tが冷却風の流れ方向に対して直交している。このため、複数の素子38を、冷却数の流れ方向にずらすことなく同じ位置に並べて配置することが可能である。そしてこれにより、電子機器32が奥行方向(矢印D方向)に大型化することを抑制できる。
第二実施形態においても、導風部材102は取付板106を有している。取付板106により、導風板244が容器44に対し高精度で取り付けられる。これにより、たとえば冷却風の乱流の要因となる不用意な隙間等の発生を抑制できる。
なお、第二実施形態において、中間板部244Tが、第一実施形態の導風板104と同様に、上流側から下流側へ向かって幅狭部100Nに接近するように傾斜していてもよい。この場合は、中間板部244Tの下流側に位置する複数の素子38を、図3に示した例と同様に、幅方向外側から幅方向内側に向かって順に下流側にずれるように配置することで、素子38と導風板244とが干渉しない構造を実現できる。
次に、第三実施形態について説明する。第三実施形態において、第一実施形態又は第二実施形態と同様の要素、部材等については同一符号を付して、詳細な説明を省略する。
第三実施形態の冷却装置342では、図27及び図28に示すように、導風部材102の導風板344は、冷却風の流れ方向と直交する向きに配置されている。そして、導風板344に、板厚方向に貫通する複数の貫通孔346が形成されている。冷却風は貫通孔346を通過可能である。
第三実施形態においても、導風板344は取付板106に保持されている。取付板106が幅広部100Wにおいて底板52に固定されることで、導風板344は容器44に対し所定位置に取り付けられる。
このような構造とされた第三実施形態の冷却装置342においても、図29に矢印AF1で示すように、幅広部100Wを通過した冷却風は、導風部材102によって幅狭部100Nに導かれるので、導風部材102がない構造と比較して、高い冷却効果が得られる。
また、第三実施形態の冷却装置342では、導風板344に貫通孔346が形成されているので、図29に矢印AF2で示すように、幅広部100Wを通過した冷却風の一部は貫通孔346を通り、導風板344よりも下流側へ流れる。導風板344の下流側には素子38が位置しているので、これらの素子38を、貫通孔346を通過した冷却風により冷却することが可能である。
第三実施形態では、貫通孔346の位置や大きさ(開口断面積)を調整することで、素子38に作用する冷却風の風量や分布を調整することが可能である。
貫通孔346の形状は円形に限定されず、四角形や六角形等の多角形でもよい。さらには、導風板344をメッシュ構造とすることで、複数の貫通孔346が格子状に形成された構造としてもよい。あるいは、導風板344として、多孔質の板材を用いることで、この板材の細孔を貫通孔346として作用させるようにしてもよい。
なお、第三実施形態においても、導風板344を、第一実施形態の導風板104と同様に、上流側から下流側へ向かって幅狭部100Nに接近するように傾斜していてもよい。この場合は、複数の素子38を、幅方向外側から幅方向内側に向かって順に下流側にずれるように配置すれば、素子38と導風板244とが干渉しない構造を実現できる。
第三実施形態においても、取付板106を底板52に固定することで、導風板344を容器44に対し所定位置に高精度で取り付けできる。これにより、たとえば冷却風の流れを乱れさせる要因となる不用意な隙間等が導風板344と容器44との間に生じることを抑制できる。
なお、たとえば第一実施形態、第二実施形態及び第一変形例において、導風板104、224に貫通孔346と同様の貫通孔を形成してもよい。このような貫通孔を設けることで、第一実施形態、第二実施形態及び第一変形例の構造であっても、幅広部100Wを通過した冷却風の一部を素子38に当てて、冷却風により冷却することが可能となる。
上記各実施形態及び変形例において、導風部材102は、板状の導風板104、244、344を有している。導風部材102として、このように板状の部材を設けるだけの簡易な構造で冷却風を幅狭部100Nへ導くことが可能である。
上記各実施形態において、導風部材102は、容器44に取り付けられて一体化されている。これにより、導風部材102と容器44との間に不用意な隙間が生じることを抑制し、冷却風の流れを安定化させることで、冷却性能を向上させることができる。
しかも、上記各実施形態及び変形例において、導風部材102は、容器44に取り付けられることで、フィン90と非接触の状態が維持されるようになっている。冷却風を受けた導風部材102がフィン90に接触しないので、フィン90の不用意な変形を抑制できる。特に、放熱面積をより増加させるために薄型化が図られたフィン90であっても、変形が抑制される。
加えて、容器44を平面視した場合には、導風部材102も視認可能な位置に存在することになる。導風部材102は容器44と一体化されているので、たとえば電子機器32の製造時や保守・メンテナンス等の作業時には、導風部材102を用いて冷却装置を支持することが可能である。このように、冷却装置42、242、342において支持可能な部分が導風部材102によって増えていることで、フィン90に不用意に作業者が接触することを抑制できる。
また、上記各実施形態及び変形例において、導風部材102は、容器の中心線CLに対し左右対称の形状である。したがって、幅広部100Wを通過した冷却風を、左右での偏りを抑制しつつ幅狭部100Nに導くことができる。
上記各実施形態及び変形例において、放熱部材100の幅狭部100Nは受熱部46に配置されている。すなわち、冷却対象である素子36に近い位置に存在している幅狭部100Nに対し、導風部材102によって多くの冷却風を供給できるので、素子36に対する高い冷却効果が得られる。
上記各実施形態において、輸送パイプ78と蒸発部62との間に隙間を設ける構造は、上記したものに限定されない。
図30に示す第二変形例では、隙間部の一例として、輸送パイプ78及び蒸発部62とは別体の網部材204を有している。網部材204は、輸送パイプ78と蒸発部62の間に配置されており、一方の面が輸送パイプ78に、他方の面が蒸発部62に接触している。なお、第三変形例では、輸送パイプ78の一端部分78Aに、第一実施形態の傾斜部82A(図9参照)は形成されておらず、一端部分78Aは、輸送パイプ78の長手方向と直交している。
網部材204は、厚み方向(矢印T方向)で流体の移動が可能な部材であり、且つ、この網部材204によって、輸送パイプ78と蒸発部62との間に隙間84Aが生じている。したがって、輸送パイプ78の一端部分78Aが蒸発部62によって塞がれることはなく、この一端部分78Aから蒸発部62へ向かう冷媒RFの流路が確保されている。すなわち、図14に示す構造においても、液相の冷媒RFを輸送パイプ78から蒸発部62に移動しやすくする構造が実現されている。
図30に示す第二変形例において、隙間部の一例である網部材204は、輸送パイプ78及び蒸発部62と別体である。したがって、輸送パイプ78や蒸発部62の形状に影響を与えない。たとえば、輸送パイプ78の一端部分78Aを加工しなくて済み、構造を簡素化できる。
網部材204は、輸送パイプ78と蒸発部62の間に配置されて、これらの双方に接触している。これによって、輸送パイプ78と蒸発部62との相対位置が維持されるので、隙間84Aが生じている状態も維持できる。
また、輸送パイプ78と蒸発部62との間に隙間を設ける構造としては、図31及び図32に示す第三変形例でもよい。
第三変形例では、底板52に凹部304が設けられている。凹部304は、輸送パイプ78のそれぞれの下側部分を収容可能な形状である。そして、凹部304と蒸発部62の間に、底板52の一部として、壁部306Aが設けられている。また、凹部304と、容器44の側壁44Sとの間に、底板52の一部として、第二壁部306Bが設けられている。実質的に、壁部306A及び第二壁部306Bは、底板52において凹部304が設けられていない部分である。
壁部306Aは、輸送パイプ78の一端部分78Aと対向しているが、輸送パイプ78の内周部分における実質的な冷媒RFの流れを阻害しない程度の高さH2に設定されている。そして、壁部306Aによって、輸送パイプ78の一端部分78Aと凝縮部72との間に、隙間84Aが生じている。
第三変形例では、壁部306Aによって、輸送パイプ78と蒸発部62との間に隙間84Aが生じている。したがって、輸送パイプ78の一端部分78Aが蒸発部62によって塞がれることはなく、この一端部分78Aから蒸発部62へ向かう冷媒RFの流路が確保されている。すなわち、第三変形例においても、液相の冷媒RFを輸送パイプ78から蒸発部62に移動しやすくする構造が実現されている。
第二壁部306Bは輸送パイプの他端部分78Bと対向しているが、輸送パイプ78の内周部分における実質的な冷媒RFの流れを阻害しない程度の高さH3に設定されている。そして、第二壁部306Bによって、輸送パイプ78の他端部分78Bと容器44の側壁44Sとの間に、第二隙間84Bが生じている。すなわち、第三実施形態では、第二壁部306Bが第二隙間部の一例である。なお、壁部306Aの高さH2及び第二壁部306Bの高さH3はいずれも、凹部304における深さに相当するため、壁部306Aの高さH2と第二壁部306Bの高さH3とは等しい。
第三変形例では、隙間部の一例である壁部306Aは、容器44に設けられている。隙間部を輸送パイプ78に設けないので、輸送パイプ78の一端部分78Aを加工しなくて済み、構造を簡素化できる。また、隙間部として、あらたな部材を設けず済むので、部品点数が増加しない。
第三変形例では容器44に凹部304を設けている。輸送パイプ78の一端部分78Aと対向する部分として、簡素な構造で、隙間部を有する構造を実現できる。
また、輸送パイプ78を底板52の凹部304に収容するので、凹部304がない構造と比較して、輸送パイプ78と天板54との間の空間を広く確保できる。
上記では、蒸発部62において、溝部66をなすための部材として柱部材64を挙げたが、溝部66をなす部材は、この柱部材に限定されない。たとえば、奥行き方向に延在する複数の壁部材が、幅方向に一定間隔で並べて配置された構造でもよい。壁部材を有する構造では、壁部材の間に、奥行き方向に延在する溝部が形成される。
上記各実施形態において、容器44の内部には、天板54と底板52の間に支柱56が配置されている。支柱56によって、天板54と底板52との間隔を維持できるので、容器44の内部に、冷媒RFを液相と気相との間で相転移させつつ循環させるための容積を確保できる。特に、容器44の内部は、液相の冷媒RFの気化を促進するために、大気圧と比較して低圧に維持される。この場合、容器44の内部の圧力(気相の冷媒RFの蒸気圧)と大気圧との差圧により、天板54と底板52には、接近方向の力が作用する。このような力が作用した場合であっても、天板54と底板52との間隔を維持できる。
なお、支柱56は、天板54に設けられて、下端が底板52に接触する構造であってもよいし、天板54及び底板52の両方と別体で、上端が天板54に、下端が底板52にそれぞれ接触する構造でもよい。
輸送パイプ78は、固定具86によって容器44に固定されるので、輸送パイプ78の位置ずれや脱落を抑制できる。
また、輸送パイプ78をいわゆるロウ付けや接着によって容器に固定しないので、ロウや接着剤が不要である。ロウや接着剤を使用しないので、冷却装置42の製造時の温度変化(高温化)等によってロウや接着剤が溶け出すこともない。
また、固定具86によって複数の輸送パイプ78が底板52に接触して固定されることで、天板54と輸送パイプ78との間には、実質的に気相の冷媒RFが移動するために十分な流路断面積が確保できる。
天板54には突起76が設けられている。天板54を接触しつつ流れる気相の冷媒RFは、天板54を通じて容器44の外部に放熱されることで凝縮され、液化される。この際、図12に示すように、突起76により、冷媒RFが天板54に接触する実質的な接触面積が、突起76がない構造と比較して増大されている。これにより、気相の冷媒RFが液滴RDとして液化されやすくなり、冷媒RFの液化を促進できる。そして、液化された冷媒RFは、突起76を伝って効率的に滴下されるので、天板54において突起76が形成されていない部分での液膜を薄く維持することができる。液膜を薄く維持することで、気相の冷媒RFから天板54への熱移動が効率的に行われ、冷媒RFの凝縮・液化能力を高く維持する構造を実現できる。
容器44には、締結孔88が設けられている。この締結孔88に締結具を挿通することで、冷却装置42を基板34に固定し、さらには、冷却対象である素子36に固定する構造を容易に実現できる。
容器44は、注入孔92を有している。この注入孔92により、注入パイプ96を通じて容器44の内部に、容易に冷媒RFを注入できる。そして、注入パイプ96に栓94を詰めることで、注入孔92を栓94で封止し、容器44の内部に冷媒RFを密封した構造を実現できる。
本開示の技術において、容器44、蒸発部62、凝縮部72、移動領域74及び輸送パイプ78は、冷却装置として求められる熱伝導性、耐熱性、耐圧性等を満たしていれば限定されず、金属製とすることが可能である。特に銅製とすれば、高い熱伝導性を発揮できる。流路部材としては、金属製の他にも、樹脂(シリコーン樹脂等)を用いることも可能である。
これらの部材は、たとえばロウ付け、融着あるいは接着することで、容器44としての強度や気密性を高く確保できる。
以上、本願の開示する技術の実施形態について説明したが、本願の開示する技術は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
本明細書は、以上の実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
冷媒が密封された容器と、
前記容器の内部で液相の前記冷媒を受熱により蒸発させる蒸発部と、
前記容器の内部で気相の前記冷媒を放熱により凝縮させる凝縮部と、
前記容器の内部で液相の前記冷媒を毛細管現象により前記蒸発部に輸送する輸送部と、
前記容器の外部に取り付けられた複数のフィンを備え、冷却風の流れ方向の下流側で前記流れ方向と直交する方向の幅が相対的に狭い幅狭部と、前記流れ方向の上流側で前記幅が相対的に広い幅広部と、を含む放熱部材と、
前記幅広部の下流側で且つ前記幅狭部の上流側に設けられ、前記幅広部を通過した前記冷却風を前記幅狭部に導く導風部材と、
を有する冷却装置。
(付記2)
前記導風部材が、板状の導風板を含む付記1に記載の冷却装置。
(付記3)
前記導風板に、板厚方向に前記導風板を貫通する貫通孔が設けられる付記2に記載の冷却装置。
(付記4)
前記導風板が前記上流側から前記下流側に向かって前記幅狭部へ傾斜している付記2又は付記3に記載の冷却装置。
(付記5)
前記導風板が複数であり、
複数の前記導風板を保持すると共に、前記幅広部及び前記幅狭部に取り付けられる取付板を有する付記4に記載の冷却装置。
(付記6)
複数の前記導風板が、前記流れ方向に対する傾斜角度が幅方向内側へ向かって小さくなるようの幅方向に並べて配置される付記4又は付記5に記載の冷却装置。
(付記7)
前記導風板が、
前記幅広部から前記下流側に延在される外板部と、
前記幅狭部から前記上流側に延在される内板部と、
前記外板部と前記内板部との間で連続する中間板部と、
を有する付記2~付記4の何れか一項に記載の冷却装置。
(付記8)
前記外板部、前記内板部及び前記中間板部を保持すると共に、前記幅広部及び前記幅狭部に取り付けられる取付板を有する付記7に記載の冷却装置。
(付記9)
前記導風部材が、前記流れ方向に沿った前記容器の中心線に対し左右対称形状である付記2~付記8の何れか一項に記載の冷却装置。
(付記10)
前記容器が、
冷却対象から受熱すると共に前記蒸発部が設けられる受熱部と、
前記受熱部から離間し熱を外部に放出し前記受熱部よりも幅広の放熱部と、
前記受熱部と前記放熱部とを接続する接続部と、
を備え、
前記幅狭部が前記受熱部に配置される付記1~付記9の何れか一項に記載の冷却装置。
(付記11)
前記輸送部と前記蒸発部の間に液相の前記冷媒が前記輸送部から前記蒸発部に移動する隙間を生じさせる隙間部、
を有する付記1~付記10の何れか一項に記載の冷却装置。
(付記12)
前記輸送部が、
液相の前記冷媒を毛細管現象により前記蒸発部に輸送する輸送パイプを含む付記1~付記11の何れか一項に記載の冷却装置。
(付記13)
前記輸送パイプが複数並列されている付記12に記載の冷却装置。
(付記14)
前記輸送パイプを前記容器に固定する固定具を有する付記12又は付記13に記載の冷却装置。
(付記15)
前記容器の天板と底板との間に配置されて前記天板と前記底板の間隔を維持する支柱を有する付記1~付記13の何れか一項に記載の冷却装置。
(付記16)
前記凝縮部が、前記容器の天板から前記容器の内側に突出する突起を有する付記1~付記15の何れか一項に記載の冷却装置。
(付記17)
前記容器に設けられ、前記容器を冷却対象に固定するための締結具が挿通される締結孔を有する付記1~付記16の何れか一項に記載の冷却装置。
(付記18)
冷却対象の熱を受ける伝熱部材と
前記伝熱部材の外部に取り付けられた複数のフィンを備え、冷却風の流れ方向の下流側で前記流れ方向と直交する方向の幅が相対的に狭い幅狭部と、前記流れ方向の上流側で前記幅が相対的に広い幅広部と、を含む放熱部材と、
前記幅広部の下流側で且つ前記幅狭部の上流側に設けられ、前記幅広部を通過した前記冷却風を前記幅狭部に導く導風部材と、
を有する冷却装置。
32 電子機器
34 基板
36 素子(発熱部品、冷却対象の一例)
38 素子
42 冷却装置
44 容器(伝熱部材の一例)
46 受熱部
48 放熱部
50 接続部
52 底板
54 天板
56 支柱
62 蒸発部
64 柱部材
70 輸送部
72 凝縮部
76 突起
78 輸送パイプ
82A 傾斜部(隙間部の一例)
86 固定具
88 締結孔
90 フィン
92 注入孔
94 栓
96 注入パイプ
100 放熱部材
100M 括れ部
100N 幅狭部
100W 幅広部
102 導風部材
104 導風板
106 取付板
108 ネジ穴
110 取付ネジ
142 冷却装置
204 網部材(隙間部の一例)
242 冷却装置
244 導風板
244S 外板部
244T 中間板部
244U 内板部
306A 壁部(隙間部の一例)
342 冷却装置
344 導風板
346 貫通孔

Claims (8)

  1. 冷媒が密封された容器と、
    前記容器の内部で液相の前記冷媒を受熱により蒸発させる蒸発部と、
    前記容器の内部で気相の前記冷媒を放熱により凝縮させる凝縮部と、
    前記容器の内部で液相の前記冷媒を毛細管現象により前記蒸発部に輸送する輸送部と、
    前記容器の外部に取り付けられた複数のフィンを備え、冷却風の流れ方向の下流側で前記流れ方向と直交する方向の幅が相対的に狭い幅狭部と、前記流れ方向の上流側で前記幅が相対的に広い幅広部と、を含む放熱部材と、
    前記幅広部の下流側で且つ前記幅狭部の上流側に設けられ、前記幅広部を通過した前記冷却風を前記幅狭部に導く導風部材と、
    を有する冷却装置。
  2. 前記導風部材が、板状の導風板を含む請求項1に記載の冷却装置。
  3. 前記導風板に、板厚方向に前記導風板を貫通する貫通孔が設けられる請求項2に記載の冷却装置。
  4. 前記導風板が前記上流側から前記下流側に向かって前記幅狭部へ傾斜している請求項2又は請求項3に記載の冷却装置。
  5. 前記導風板が複数であり、
    複数の前記導風板を保持すると共に、前記幅広部及び前記幅狭部に取り付けられる取付板を有する請求項4に記載の冷却装置。
  6. 複数の前記導風板が、前記流れ方向に対する傾斜角度が幅方向内側へ向かって小さくなるように幅方向に並べて配置される請求項4又は請求項5に記載の冷却装置。
  7. 前記導風板が、
    前記幅広部から前記下流側に延在される外板部と、
    前記幅狭部から前記上流側に延在される内板部と、
    前記外板部と前記内板部との間で連続する中間板部と、
    を有する請求項2~請求項4の何れか一項に記載の冷却装置。
  8. 前記外板部、前記内板部及び前記中間板部を保持すると共に、前記幅広部及び前記幅狭部に取り付けられる取付板を有する請求項7に記載の冷却装置。
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