JP2022167091A - 石油プロセスにおける薬剤供給方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 一態様において、後段の設備での腐食を抑制しつつ、効率的に汚れや腐食を防止可能な薬剤の供給方法の提供。【解決手段】一態様において、石油精製プロセスにおける蒸留設備への界面活性剤の供給方法であって、前記蒸留設備の操業をモニタリングすること、及び前記モニタリングに基づき予測された、前記蒸留設備におけるアンモニウム塩及びアミン塩の少なくとも一方の析出箇所に応じて、前記界面活性剤の供給速度を制御することを含み、前記界面活性剤は、窒素含有親水基を有する油溶性界面活性剤である方法に関する。【選択図】なし

Description

本開示は、石油精製プロセスにおける蒸留設備への界面活性剤の供給方法、それを用いた石油精製プロセスにおける原油に含まれる無機塩類に起因する汚れの堆積抑制方法、それを用いた石油精製プロセスにおける蒸留設備の腐食抑制方法、並びにそれらに利用可能な薬剤の自動供給システムを提供する。
石油精製プロセスでは、原油を精製することによって、例えば、ナフサ、ガソリン、灯油、及び軽油等といった様々な石油製品が製造される。近年では自動車の低燃費技術の進歩や国際海事機関(IMO)の船舶燃料油の硫黄規制により燃料油の需要が変化してきている。ガソリンのような低沸点留分の需要に対して軽油のような中間留分の需要が高まっており、中間留分の生産量を増やす運転へとシフトしている。中間留分の生産量を増やす運転として一般的に塔頂温度を低下させる運転が行われる。
石油精製プロセスにおいて塩化アンモニウムに代表される塩の析出はよく知られており、プロセスの流れが妨げられることで圧力損失が発生し、設備使用効率の低下が問題となっている。また、析出した塩が吸湿することにより、設備内で激しい局所腐食が発生する問題がある。
FCC(Fluid Catalytic Cracking:流動接触分解装置)は、高沸点留分を固体酸触媒を用いて分解し、高オクタン価のガソリンを製造する方法であって、石油製品需要構成変化により過剰になってきた重油を軽質化すること、重油評価の原料油から付加価値の高いガソリン、中間留分やオレフィンを多く含んだLPG留分を生産することを目的としている。
石油精製プロセスでは、アンモニウム塩によって生じうる装置の汚れやそれに起因する腐食が、操業の安定性や収益確保の点から問題となっている。その解決方法の一つとして、β-ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムハイドロオキサイド(コリン)を用いた技術がある(例えば、特許文献1)。特許文献1の方法は、汚れや腐食の原因となりうる塩化アンモニウムをコリンと反応させることによって塩化コリンとして解決する技術である。
特開2004-211050号公報
近年、ガソリン等の石油製品の需要構造が変化しており、需要の変化に応じて必要な石油製品をフレキシブルに効率よく製造することが求められている。このため、需要の変化に応じた石油製品を精製するために運転条件を適宜変化させる必要がある。
操業条件の変動頻度が多くなり、それに起因して汚れや腐食の原因となる物質の発生箇所やその量等が変化するようになり、余分な処理コストが発生するという問題があった。このため、操業コストを低減する点から、装置において発生しうる汚れや腐食の状態を的確に把握しつつ、適切な量の薬剤を必要な箇所に供給することが求められている。
また、FCCのメインタワー等の蒸留塔では、アンモニウム塩による汚れや腐食等を防止するための処理が行われている。しかし、従来技術の場合、防食作用を備えていないため、腐食を完全に抑えることが難しいという課題があった。
本開示は、一態様において、後段の設備での汚れの堆積や腐食を抑制しつつ、効率的に汚れや腐食を防止可能な薬剤の供給方法、及びそれに利用可能な薬剤の自動供給システムを提供する。
本開示は、一態様において、石油精製プロセスにおける蒸留設備への界面活性剤の供給方法であって、
前記蒸留設備の操業をモニタリングすること、及び
前記モニタリングに基づき予測された、前記蒸留設備におけるアンモニウム塩及びアミン塩の少なくとも一方の析出箇所に応じて、前記界面活性剤の供給速度を制御することを含み、
前記界面活性剤は、窒素含有親水基を有する油溶性界面活性剤である方法に関する。
本開示は、その他の態様として、石油精製プロセスの蒸留設備における、原油に含まれる無機塩類に起因する汚れの堆積を抑制するための方法であって、
前記蒸留設備の操業をモニタリングすること、及び
前記モニタリングに基づき予測された、前記蒸留設備におけるアンモニウム塩及びアミン塩の少なくとも一方の析出箇所に応じて、界面活性剤の供給速度を制御することを含み、
前記界面活性剤は、窒素含有親水基を有する油溶性界面活性剤である方法に関する。
本開示は、その他の態様として、石油精製プロセスにおける蒸留設備の腐食を抑制するための方法であって、
前記蒸留設備の操業をモニタリングすること、
前記モニタリングに基づき予測された、前記蒸留設備におけるアンモニウム塩及びアミン塩の少なくとも一方の析出箇所に応じて、前記界面活性剤の供給速度を制御することを含み、
前記界面活性剤は、窒素含有親水基を有する油溶性界面活性剤である方法に関する。
本開示は、その他の態様として、石油精製プロセスにおける蒸留設備における原油に含まれる無機塩類に起因する汚れの堆積を抑制するための薬剤の自動供給システムであって、
前記薬剤を前記蒸留設備に供給するための供給ラインと
前記蒸留設備の操業をモニタリングするモニタリング部と、
前記供給ラインによる前記薬剤の供給速度を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記モニタリング部におけるモニタリング結果に基づいてアンモニウム塩及びアミン塩の少なくとも一方の析出箇所を予測し、それに応じて前記供給ラインによる前記薬剤の供給の制御を行うように構成されているシステムに関する。
本開示によれば、一態様において、後段の設備での腐食を抑制しつつ、効率的に汚れや腐食を防止可能な薬剤の供給方法、及びそれに利用可能な薬剤の自動供給システムを提供しうる。
図1は、常圧蒸留塔を備える蒸留設備のフローの一例を示す。 図2は、FCCのフローの一例を示す。 図3は、塩分散試験の結果の一例を示す。 図4は、実施例1の結果の一例を示す。
原油製油所等の石油精製プロセスでは、原料である原油等を所定の温度以上まで加熱し、蒸留塔で沸点範囲に応じて様々な留分に分離される。例えば、石油製品の需要構造の変化により、沸点範囲の低い石油製品の生産量を減らし、沸点範囲の高い石油製品の生産量を増加させるように運転条件を変化させると、通常の運転条件とは異なる汚れ及びそれに起因する腐食が発生しうる。その原因の一つとなる物質として、塩化アンモニウムが知られている。塩化アンモニウムの塩形成温度(計算値)は74℃程度であるという報告があるが、これはあくまで計算値であり、設備の種類等によって異なる。また、同じ設備であっても、塩化アンモニウムの塩形成温度は、原料となる原油の産地や性状等といった操業条件の変化や、その変化に起因するプロセス流体中の各種成分濃度の変化によって変動する。本発明者らは、汚れの原因となりうるアンモニウム塩/アミン塩の析出箇所の変動を予測し、それに応じて薬剤供給量を制御することで効率的に汚れや腐食を抑制できることを見出した。さらに、本発明者らは、供給する薬剤として窒素含有親水基を有する油溶性界面活性剤を使用することで、無機塩類の堆積の抑止や後段の設備における腐食の発生等といった悪影響を抑制しつつ、蒸留設備における汚れ及び/又は腐食を抑制できることを見出した。
本開示は、一態様において、石油製品の需要に応じて変動する運転条件や装置内の成分濃度等をモニタリングすることにより、汚れや腐食の原因となりうるアンモニウム塩等の析出箇所を予測し、その予測に応じて薬剤の供給箇所及び供給量を制御することによって、汚れや腐食の抑制のための処理にかかるコストを削減でき、かつ設備のトラブルを低減しつつ価値のある製品の収量をあげる方法を提供する。
本開示によれば、一又は複数の実施形態において、汚れ/腐食の発生抑制に係る処理コストを低減しつつ石油精製プロセスを操業可能な、汚れ/腐食の発生を防止可能な薬剤の供給方法を提供できる。また、本開示によれば、一又は複数の実施形態において、さらには塩化アンモニウム等の塩によって運転中に発生する差圧(圧力損失)の解消を行うことができるという効果を奏しうる。
供給する薬剤として窒素含有親水基を有する油溶性界面活性剤を使用することで、後段の設備における腐食の発生等の悪影響を抑制しつつ、蒸留設備における汚れの堆積及び腐食を抑制できるメカニズムは以下のように推測される。
従来技術では、塩化アンモニウムをコリンと反応させて塩化コリンとし、蒸留設備における汚れを抑制する。塩化コリンは、塩化アンモニウムよりも腐食性が低く、差圧の上昇を抑えることができる。しかしながら、防食作用を有さないため腐食を抑制できないという問題がある。これに対し、本開示で使用する窒素含有親水基を有する油溶性界面活性剤であれば、アンモニウム塩をプロセス流体に分散させた状態で系外に排出される。このため、目的の個所の汚れ(汚れの堆積)の防止を行うことができることのみならず、防食皮膜としての効果も有することから後段の設備への腐食を抑制できるという効果を奏しうる。さらに、窒素含有親水基を有する油溶性界面活性剤は、アンモニウム塩が凝集した状態であっても、アンモニウム塩に吸着してアンモニウム塩を分散状態とすることができ、これによりアンモニウム塩に起因する汚れの堆積をさらに抑制することができうる。
但し、本開示はこれらのメカニズムに限定して解釈されなくてもよい。
本開示において「石油精製プロセス」とは、原油等の炭化水素を原料とし、これらから各種石油製品が製造されるまでの工程の全部又は一部をいう。石油精製プロセスは、一又は複数の実施形態において、原油等の炭化水素を加熱すること、並びに加熱したこれらの炭化水素を、常圧蒸留装置において沸点の差を利用してLPG及びナフサ等の揮発油、及び軽油等といった各種成分に分離することを少なくとも含みうる。
本開示における「石油精製プロセスにおける蒸留設備」としては、一又は複数の実施形態において、常圧蒸留塔、減圧蒸留塔、FCC、残油流動接触分解装置、接触改質装置、熱分解装置、水素化脱硫装置、水素化分解装置並びにこれらの付属設備等が挙げられる。付属設備としては、一又は複数の実施形態において、エアフィンクーラー、コンデンサー、アキュムレーター、リフラックス、及びサイドストリッパー等、並びに、それらに付随する配管及びポンプが挙げられる。
図1及び2に、常圧蒸留塔を備える蒸留設備及びFCCのフローの一例をそれぞれ示す。
図1は、常圧蒸留塔2を備える蒸留設備のフローの一例である。この蒸留設備においては、加熱炉1で加熱された原油は、常圧蒸留塔2に導入される。常圧蒸留塔2は、その塔頂から順にサイドリフラックス(Top Pump Around)3、サイドリフラックス(Middle Pump Around)4及びサイドリフラックス(Bottom Pump Around)5の3つのリフラックス系列と、塔サイド近くに設けられたサイドストリッパー6、7、8とを有する。サイドリフラックス3、4、5は、ポンプ(図示せず)と冷却器とからなる。サイドストリッパー6、7、8にはそれぞれストリッピングスチーム(図中のSteam)が供給される。塔頂からナフサ留分、サイドストリッパー6から灯油留分、サイドストリッパー7から軽質軽油留分、サイドストリッパー8から重質軽油留分がそれぞれ抜き出され、塔底からは重油留分(残渣油)が抜き出される。
塔頂留分は、エアフィンクーラー(空冷式冷却器)9及びコンデンサー(水冷式冷却器)10により冷却されてアキュムレーター11に導入される。アキュムレーター11に導入された塔頂留分は、ナフサ留分、凝縮水(ドレン水)、及びガス留分(オフガス)に分離される。ナフサ留分の一部は、トップリフラックスライン12により、トップリフラックスとして常圧蒸留塔2の塔頂部に還流される。常圧蒸留塔2の塔頂は、通常、90℃~160℃、60kPa~140kPaである。
常圧蒸留塔2を備える蒸留設備において、アンモニウム塩又はアミン塩に起因する汚れ又は腐食が発生しうる設備としては、一又は複数の実施形態において、蒸留塔2塔内(特に塔頂付近)、サイドリフラックス3、蒸留塔2とエアフィンクーラー9とを接続する塔頂配管、エアフィンクーラー9、及びコンデンサー10等が挙げられる。
図2は、FCCのフローの一例である。FCCは、分子量の大きい高沸点成分の炭化水素である重油留分を分解して、プロピレン、プロパン、ブタン、ガソリン、灯油及び軽油などの成分に変換する装置である。FCCは、再生塔21、反応塔22及び蒸留塔23を備える。原料である重油留分(図中のFeed)は、スチーム(図中のSteam)と共に再生塔21から循環される高温の触媒と混合される。重油留分と触媒とが高温で短時間接触することにより、分解反応をしている状態で反応塔22に重油留分が導入され、そこで触媒と炭化水素蒸気とに分離される。分離後の触媒は、再生塔21に移送されそこで燃焼除去により再生される。一方、炭化水素蒸気は蒸留塔23に導入される。
蒸留塔23は、サイドリフラックス(Top Pump Around)24A、サイドリフラックス(Middle Pump Around)24B及びサイドリフラックス(Bottom Pump Around)24Cの3つのサイドリフラックスと、サイドストリッパー(LCOストリッパー)33、サイドストリッパー(HCOストリッパー)34とを有する。導入された炭化水素蒸気は、蒸留塔23において蒸留分離され、塔頂からナフサ留分、サイドストリッパー33から軽質軽油留分、サイドストリッパー34から重質軽油留分がそれぞれ抜き出され、塔底からは重油留分が抜き出される。
塔頂留分は、エアフィンクーラー(空冷式冷却器)25及びコンデンサー(水冷式冷却器)26により冷却されてアキュムレーター27に導かれる。アキュムレーター27では、塔頂留分から、凝縮水(ドレン水)、ガス留分、及び残りの留分(ナフサ留分)に分離される。残りの留分の一部は、ポンプを介して、トップリフラックスライン35により、トップリフラックスとして蒸留塔23の最上段に還流される。蒸留塔23の塔頂は、通常、100℃~150℃、100kPa~200kPaである。
アキュムレーター27で分離されたガス留分は、コンプレッサー28及び冷却器29を経て高圧セパレーター30に導入され、そこで凝縮水(ドレン水)、軽質なガス留分、及びそれ以外のガス留分に分離される。軽質なガス留分はアブソーバー31に導入され、LPG留分が回収される。それ以外のガス留分はストリッパー32に導入され、その後ガソリン留分、ブタン、プロパン及びプロピレン等の各留分に蒸留分離される。
図2に示すFCCのフローで、アンモニウム塩又はアミン塩に起因する汚れ又は腐食が発生しうる設備としては、一又は複数の実施形態において、蒸留塔23塔内、蒸留塔23とエアフィンクーラー25とを接続する塔頂配管、エアフィンクーラー25、コンデンサー26、サイドリフラックス24A、及びコンプレッサー28等が挙げられる。
[本開示の供給方法]
本開示の界面活性剤の供給方法は、一又は複数の実施形態において、蒸留設備における汚れ又は腐食を抑制又は防止するための界面活性剤の供給方法に関し、蒸留設備の操業をモニタリングすること、及びモニタリングに基づき予測された、蒸留設備におけるアンモニウム塩及びアミン塩の少なくとも一方の析出箇所に応じて、前記界面活性剤の供給速度を制御することを含む。
本開示における「操業のモニタリング」としては、予め決められたモニタリング項目(パラメータ)を測定し、必要に応じて測定値から計算値を算出し、得られた測定値及び計算値を記録することをいう。モニタリングとは、モニタリング項目に関連するパラメータの測定値や入力値をモニタリング機器に設定されたプログラムによって目的とする予測値を算出により得ることを目的とする。操業のモニタリングは、一又は複数の実施形態において、米ナルコ社から提供される石油精製所において適用されるプログラムを用いて行うことができる。
モニタリング項目としては、一又は複数の実施形態において、蒸留塔内における温度、圧力、ナフサ流量、ナフサ比重、ナフサ蒸留特性、ドレン水量、ドレン水塩化物イオン濃度、ドレン水アンモニウムイオン濃度、及びドレン水pH等が挙げられる。これらのモニタリング項目に関連する任意のパラメータを測定及び記録してもよい。これらの項目をモニタリングすることにより、対象となる蒸留設備内の環境(例えば、アンモニウム塩等の汚れや腐食の原因となりうる物質が析出しやすい等)の傾向を把握でき、その結果、析出箇所を的確に予測することができる。また、薬剤供給による効果、すなわちアンモニウム塩等の汚れや腐食の原因となりうる物質の分散傾向を把握できる。ドレン水としては、一又は複数の実施形態において、アキュムレーター、セパレーター、及びサイドリフラックス等で排出されるドレン水が挙げられる。一又は複数の実施形態において、ドレン水塩化物イオン濃度に代えて又はそれに加えて、トップポンプアラウンドの塩化物イオンをモニタリングしてもよい。
モニタリングは、一又は複数の実施形態において、自動であってもよいし、半手動であってもよいし、手動であってもよい。また、一部の項目を自動、半手動又は手動で行ってもよい。モニタリング項目の測定は、一又は複数の実施形態において、各項目に適した公知のデータ収集装置又は方法を用いて行うことができる。
本開示における「アンモニウム塩及びアミン塩」としては、一又は複数の実施形態において、塩化アンモニウム、水硫化アンモニウム、硫酸アンモニウム、モノエタノールアミン、メトキシプロピルアミン、ジメチルエタノールアミン、及びメトキシイソプロピルアミン等の塩酸塩が挙げられる。
界面活性剤の供給速度の制御は、一又は複数の実施形態において、モニタリングに基づき予測された析出箇所に応じて界面活性剤の供給箇所及び適切な供給量を決定し、それに応じて界面活性剤を供給することを含みうる。適切な量としては、一又は複数の実施形態において、アンモニウム塩及びアミン塩を分散させ、それらの析出を抑制するために十分な量が挙げられる。
本開示において、モニタリングに基づく析出箇所の予測は、一又は複数の実施形態において、後述する実施形態及び/又は実施例の記載に基づいて行うことができる。また、モニタリングに基づく析出箇所の予測は、一又は複数の実施形態において、モニタリングシステム及び/又は上述のプログラムによって提供される情報(例えば、塔頂温度、及び塩析出温度等)を利用して行ってもよい。
界面活性剤の供給速度の制御は、一又は複数の実施形態において、アンモニウム塩の析出が増加する又は増加傾向にあると予測された箇所では界面活性剤の供給速度を増加させ、一方、アンモニウム塩の析出が減少する又は減少傾向にあると予測された箇所では界面活性剤の供給速度を減少させることを含む。また、供給速度の制御は、一又は複数の実施形態において、アンモニウム塩の析出が適度に抑制又は防止されていると判断された箇所では、界面活性剤の供給速度を保持することを含む。
特に限定されない一又は複数の実施形態において、供給速度の制御は、アンモニウム塩及びアミン塩の少なくとも一方の析出箇所が蒸留塔内になると予測される場合、蒸留塔の塔頂に供給される界面活性剤の供給速度を増加させることを含む。本態様における「蒸留塔の塔頂に供給される界面活性剤」としては、一又は複数の実施形態において、蒸留塔の塔頂、塔頂付近及び塔頂近傍を含む。塔頂に供給することとしては、一又は複数の実施形態において、塔頂、塔頂付近又は塔頂近傍に供給される配管に供給することを含む。該配管としては、一又は複数の実施形態において、トップリフラックスライン及びサイドリフラックス(Top Pump Around)ライン等が挙げられ、好ましくは蒸留塔の最上段に戻るラインである。特に限定されない一又は複数の実施形態において、供給速度の制御は、アンモニウム塩及びアミン塩の少なくとも一方の析出箇所が蒸留塔内になると予測される場合、トップリフラックスライン並びにトップポンプアラウンドライン(抜き出し部及び/又は戻り部)への界面活性剤の供給量を増加させることを含む。
本開示の供給方法の一又は複数の実施形態において、界面活性剤を供給する箇所は、1カ所であってもよいし、2カ所以上であってもよい。好ましくは2カ所以上である。また、本開示の供給方法は、一又は複数の実施形態において、1つの蒸留設備内に2カ所以上供給することを含んでいてもよい。本開示における「1つの蒸留設備」とは、一又は複数の実施形態において、常圧蒸留塔、減圧蒸留塔、FCC、残油流動接触分解装置、接触改質装置、熱分解装置、水素化脱硫装置、及び水素化分解装置等と、それぞれに付属する設備とを含めた設備をいう。
常圧蒸留塔の場合、一又は複数の実施形態において、常圧蒸留塔、常圧蒸留塔に設けられたサイドリフラックス及びサイドストリッパー、エアフィンクーラー、コンデンサー、アキュムレーター及びトップリフラックスライン、並びにそれぞれを接続する配管及びポンプをまとめて1つの蒸留設備という。
FCCの場合、一又は複数の実施形態において、再生塔、反応塔、蒸留塔、蒸留塔に設けられたサイドリフラックス及びサイドストリッパー、エアフィンクーラー、コンデンサー、アキュムレーター及びトップリフラックスライン、並びにそれぞれを接続する配管及びポンプをまとめて1つの蒸留設備という。
界面活性剤を1つの蒸留設備内に2カ所以上に供給する場合、本開示の供給方法は、一又は複数の実施形態において、1つの蒸留設備内の複数の界面活性剤供給箇所間における供給量のバランスをとるように界面活性剤の供給速度を制御することを含む。
界面活性剤を1つの蒸留設備において、一又は複数の実施形態において、2カ所に供給する場合を例にとり説明する。アンモニウム塩及びアミン塩の少なくとも一方の析出箇所が蒸留塔内部になると予測される場合、蒸留塔の塔頂付近に供給されるプロセス流体(例えば、リフラックスラインのプロセス流体)中の前記界面活性剤の添加を増加させることで前記塩を分散させることにより蒸留塔内の汚れの堆積を抑制することができる。他方、塔頂配管以降に供給されるプロセス流体においては、界面活性剤の供給速度を減少するまたは保持することで、界面活性剤による皮膜効果を得ることにより設備の腐食を抑制することができる。同様に、アンモニウム塩及びアミン塩の少なくとも一方の析出箇所が塔頂配管以降になると予測される場合、塔頂配管以降に供給されるプロセス流体(例えば、塔頂配管のプロセス流体)中の前記界面活性剤の添加を増加させることで前記塩を分散させることにより汚れの堆積を抑制することができる。他方、蒸留塔内部に供給されるプロセス流体においては、界面活性剤の供給速度を減少するまたは保持することで、界面活性剤による皮膜効果を得ることにより設備の腐食を抑制することができる。
本開示による上記の薬剤(界面活性剤)の供給制御が行われず、アンモニウム塩等の析出が抑制又は防止されるために必要な界面活性剤の供給速度よりも増加した場合には、油水分離に影響が生じることにより後段に持ち込まれた水分が設備の腐食の原因となり得る。さらに界面活性剤が長期間過剰に供給されることにより、前記界面活性剤自体が汚れの原因となり得る。
なお、上記形態はあくまで本開示の一実施形態の説明に過ぎず、本開示を限定するものではない。
界面活性剤の供給速度の制御は、一又は複数の実施形態において、モニタリング時に行われていた界面活性剤の供給箇所及び供給速度が適切な結果をもたらしているか判定し、適切ではない場合は、界面活性剤の供給箇所及び供給速度の少なくとも一方を変更することを含んでいてもよい。適切な結果とは、一又は複数の実施形態において、アンモニウム塩又はアミン塩の分散に十分な量の界面活性剤が供給されている、及び必要以上の量が供給されていない等が挙げられる。判定は、一又は複数の実施形態において、モニタリング結果に基づき行うことができる。
本開示の供給方法で使用する界面活性剤は、窒素含有親水基を有する油溶性界面活性剤である。本開示の界面活性剤は、一又は複数の実施形態において、蒸留設備における汚れ又は腐食を抑制又は防止するための防食剤又は皮膜剤として機能しうる。よって、本開示の界面活性剤としては、一又は複数の実施形態において、窒素含有親水基を有する油溶性界面活性剤であって、蒸留設備における汚れの堆積又は腐食を抑制又は防止するために使用されている又は今後使用されうる界面活性剤が使用できる。本開示における「油溶性界面活性剤」としては、水よりも有機溶媒への溶解度が高い界面活性剤が挙げられる。油溶性界面活性剤としては、HLBが10、9又は8以下のものをいう。本開示における「HLB(hydrophilic lipophilic balance)」は、一又は複数の実施形態において、以下のグリフィン式を用いて算出することができる。
HLB=20×(親水部の式量の総和/分子量)
本開示における「窒素含有親水基を有する油溶性界面活性剤」としては、アミドアミン型の油溶性界面活性剤が挙げられる。窒素含有親水基を有する油溶性界面活性剤としては、一又は複数の実施形態において、ポリアミンと脂肪酸との反応生成物が挙げられ、特に、ポリアミンとトール油脂肪酸との反応物が好ましい。
ポリアミンとしては、一又は複数の実施形態において、下記式で表されるポリアミンが挙げられる。
Figure 2022167091000001
上記式において、R1は、炭素数1~10の直鎖又は分岐のアルキレン基であり、R2は、水素原子、又は1つ以上のアミノ基で置換されていてもよい炭素数1~10の直鎖若しくは分岐のアルキル基であり、xは、1~10の整数である。
上記式で表されるポリアミンとしては、一又は複数の実施形態において、トリメチルアミン、トリエタノールアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ヘキサエチレンヘプタミン、及びポリエチレンイミン等が挙げられる。
脂肪酸としては、一又は複数の実施形態において、不飽和脂肪酸が挙げられる。不飽和脂肪酸としては、一又は複数の実施形態において、トール油(トール油脂肪酸、またはTOFA)、ココナッツ油、キャノーラ油、及びヤシ種子油等が挙げられる。
本開示の方法で使用される窒素含有親水基を有する油溶性界面活性剤としては、一又は複数の実施形態において、テトラエチレンペンタミンとトール油脂肪酸との反応物、ジエチレントリアミンとトール油脂肪酸との反応物、及びそれらを環化させて得られるイミダゾリン誘導体等が挙げられる。窒素含有親水基を有する油溶性界面活性剤を含む薬剤としては、一又は複数の実施形態において、アミド類とイミダゾリン類との混合液、又はアミド類とエステル類との混合液等を使用することもできうる。
本開示の供給方法は、一又は複数の実施形態において、蒸留設備の操業モニタリングに基づき、蒸留設備におけるアンモニウム塩及びアミン塩の少なくとも一方の析出箇所を予測することを含んでいてもよい。
[本開示の汚れの堆積抑制方法]
石油精製プロセスの蒸留設備における、原油に含まれる無機塩類に起因する汚れの堆積を抑制するための方法であって、前記蒸留設備の操業をモニタリングすること、及び前記モニタリングに基づき予測された、前記蒸留設備におけるアンモニウム塩及びアミン塩の少なくとも一方の析出箇所に応じて、界面活性剤の供給速度を制御することを含む方法に関する。本開示の汚れの堆積抑制方法で使用する界面活性剤は、窒素含有親水基を有する油溶性界面活性剤であって、本開示の供給方法と同様の界面活性剤が使用できる。
本開示の汚れの堆積抑制方法における、モニタリング、及び析出箇所の予測に基づく制御については、本開示の供給方法と同様に行うことができる。
本開示における「原油に含まれる無機塩類」としては、一又は複数の実施形態において、アンモニウム塩、アミン塩、ナトリウム塩、カルシウム塩、及びマグネシウム塩等が挙げられる。本開示の方法は、一又は複数の実施形態において、アンモニウム塩及び/又はアミン塩に起因する汚れの堆積抑制に好適に用いられる。本開示における「汚れの堆積の抑制」は、一又は複数の実施形態において、無機塩類の分散、無機塩類の析出又は凝集の抑制、凝集した無機塩類の分散、無機塩類に起因する汚れの付着の抑制又は防止、及び付着した該汚れの除去等を含みうる。
[本開示の腐食抑制方法]
本開示は、その他の態様として、石油精製プロセスにおける蒸留設備の腐食を抑制するための方法であって、前記蒸留設備の操業をモニタリングすること、前記モニタリングに基づき予測された、前記蒸留設備におけるアンモニウム塩及びアミン塩の少なくとも一方の析出箇所に応じて、界面活性剤の供給速度を制御することを含む方法に関する。本開示の腐食抑制方法で使用する界面活性剤は、窒素含有親水基を有する油溶性界面活性剤であって、本開示の供給方法と同様の界面活性剤が使用できる。
本開示の腐食抑制方法における、モニタリング、及び析出箇所の予測に基づく制御については、本開示の供給方法と同様に行うことができる。
[本開示の薬剤の自動供給システム]
本開示は、その他の態様として、石油精製プロセスにおける蒸留設備における原油に含まれる無機塩類に起因する汚れの堆積を抑制するための薬剤の自動供給システムであって、前記薬剤を前記蒸留設備に供給するための供給ラインと前記蒸留設備の操業をモニタリングするモニタリング部と、前記供給ラインによる前記薬剤の供給速度を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記モニタリング部におけるモニタリング結果に基づいてアンモニウム塩及びアミン塩の少なくとも一方の析出箇所を測定及び/又は予測し、それに応じて前記供給ラインによる前記薬剤の供給の制御を行うように構成されているシステムに関する。
モニタリング部は、一又は複数の実施形態において、操業をモニタリングするために分析計を備える。モニタリング部と分析計とは、一又は複数の実施形態において、ケーブル等の有線ネットワーク、又はインターネット、無線インターフェース及びブルートゥース(Bluetooth:登録商標)無線ネットワーク等で接続されており、これらを通じてデータ送信が可能である。
分析計は、一又は複数の実施形態において、モニタリング結果をオンラインで出力可能な装置を備えていてもよい。
制御部は、一又は複数の実施形態において、モニタリング部で得られたモニタリング結果等の情報を受理して処理し、アンモニウム塩及びアミン塩の少なくとも一方の析出箇所を予測し、当該予測に基づき薬剤の供給箇所及び/又は供給量を決定し、供給ラインに薬剤の供給量の制御を指示するという一連の操作を動作可能な制御装置を備える。制御装置は、一又は複数の実施形態において、手動オペレータ、プロセッサ、記憶装置、デジタル記憶媒体、ディスプレイ及びタッチスクリーン等の各種モニタ、並びにその他の電子装置を備える。制御装置は、一又は複数の実施形態において、上記予測及び供給量の決定等を行うことができるプログラム、及びアルゴリズム等を備える。
制御部は、一又は複数の実施形態において、モニタリング結果、予測結果(析出箇所等)、予測に基づき決定した供給箇所及び供給量等を記録する記録部を備えていてもよい。また、制御部は、一又は複数の実施形態において、インターネット上に配置されたクラウドサーバとインターネットを介してデータの授受が可能なように接続しており、モニタリング結果等の上記データをクラウドサーバに記録してもよい。
制御部において、一又は複数の実施形態において、モニタリングのスケジュールを予め設定していてもよい。制御部は、設定したスケジュールに応じてモニタリングが行われるようにモニタリング部に指示し、その指示にしたがいモニタリング部はモニタリングを実施する。
本開示のシステムは、一又は複数の実施形態において、石油精製プロセスにおける蒸留設備における腐食を抑制するための薬剤を自動的に供給するシステムとしても使用できうる。本開示のシステムは、一又は複数の実施形態において、本開示の供給方法、汚れの堆積抑制方法、及び腐食抑制方法に使用できうる。
本開示の方法及びシステムは、一又は複数の実施形態において、上記の界面活性剤以外の石油精製プロセスにおける汚れや腐食防止に使用される中和剤、腐食剤及び阻害剤の供給にも用いることができる。
以下に、本開示の一実施形態を例示しながら詳細に説明する。なお、本開示は以下の実施形態に限定されないことはいうまでもない。
(実施形態1)
本開示の実施形態1では、図2に示すFCCのフローにおける薬剤供給方法を例にとり説明する。FCCに供給される原料は、有機物由来の窒素を多く含有し、アンモニウム塩又はアミン塩が多く生成される設備の一つである。
本実施形態1は、再生塔21及び反応塔22を含むFCC、並びにそれに続く後段の蒸留塔23並びに付属設備を1つの蒸留設備とし、塩化アンモニウム塩の析出箇所を予測し、汚れ防止のための薬剤として窒素含有親水基を有する界面活性剤の供給制御を行う場合の一例である。本実施形態1における付属設備としては、蒸留塔23に設けられたサイドリフラックス24A、24B、24Cの3つのサイドリフラックス及びサイドストリッパー33、34、蒸留塔23の塔頂配管に接続するエアフィンクーラー25、コンデンサー26及びアキュムレーター27、それらを接続する配管及びポンプ、並びにトップリフラックスライン35を含む。
本実施形態1における薬剤(界面活性剤)の供給箇所は、トップリフラックスライン35(アキュムレーター27と蒸留塔23の塔頂付近との間:矢印X)、塔頂配管(蒸留塔23とエアフィンクーラー25との間の配管:矢印Y)、及びサイドリフラックス(Top Pump Around)24Aの抜き出し部(矢印Z)の3カ所が挙げられる。薬剤の供給は、トップリフラックスライン35(矢印X)及び塔頂配管(矢印Y)の2カ所であってもよいし、トップリフラックスライン35(矢印X)、塔頂配管(矢印Y)及びサイドリフラックス24Aの抜き出し部(矢印Z)の3カ所すべてであってもよい。蒸留塔23の最上段に戻るラインがサイドリフラックス24Aである場合、薬剤の供給箇所は、一又は複数の実施形態において、サイドリフラックス24Aの抜き出し部(矢印Z)に代えて、サイドリフラックス24Aの戻りラインであってもよい。
蒸留塔23の塔頂温度は、通常の運転条件では、塩化アンモニウムの析出温度よりも高い。このため、通常の運転条件では、蒸留塔23の塔内で塩化アンモニウムが析出することは少なく、蒸留塔23の塔頂配管以降(下流)のエアフィンクーラー25、コンデンサー26及びアキュムレーター27等における析出が問題になっていた。一方、ガソリン以外の軽質軽油留分や重質軽油留分等の沸点範囲の高い留分の産生量を増やす場合、蒸留塔23の塔頂温度を通常よりも低下させて運転が行われるようになり、その結果、従来想定していた箇所とは異なる箇所での塩化アンモニウムに起因する汚れや腐食の発生が確認されるようになった。本発明者らは、上述の各種モニタリング項目の測定を行うことで、塩化アンモニウムの析出温度は常に変動していること、また、上記運転条件の変化に起因して、塩化アンモニウムの析出温度が蒸留塔23の塔頂温度と同程度又はそれよりも高くなることにより、塩化アンモニウムの析出箇所が変動することを見出した。すなわち、限定されない一形態において、蒸留塔23の塔頂温度が塩化アンモニウムの析出温度よりも低くなると、塩化アンモニウムの析出箇所が蒸留塔23の塔内となり、蒸留塔23の塔内の塩化アンモニウムの析出量が増加する。一方、蒸留塔23の塔頂温度が塩化アンモニウムの析出温度よりも高い場合は、塩化アンモニウムの析出箇所が塔頂配管以降となり、蒸留塔23の塔頂配管以降での塩化アンモニウムの析出量が増加しうるという傾向がある。
モニタリングは、例えば、蒸留塔内における温度、圧力、ナフサ流量、ナフサ比重、ナフサ蒸留特性、ドレン水量、ドレン水塩化物イオン濃度、ドレン水アンモニウムイオン濃度及びドレン水pHについて行う。ドレン水としては、アキュムレーター27のドレン水が挙げられる。各種モニタリング項目の測定は、例えば、US4,335,072号(塔頂腐食シミュレータ)、US5,425,267号(プロセス流れの腐食活性をシミュレートするための腐食シミュレータ及び方法)、US5,326,482号(石油精製所における塔頂水のオンライン酸モニタおよび中和剤供給制御)、US5,324,665号(流体流れ中の塩化物レベルをモニタするためのオンライン法)、US5,302,253号(石油精製所における塔頂水のオンライン酸モニタおよび中和剤供給制御)、US9,834,732/JP6,454,641(分析計に基づく制御システムおよびアルゴリズムの開発設計と実装)及びUS10,316,261/JP5,771,527(原油装置における腐食および腐食副産物の堆積を低減させる方法)に開示されたサンプルの採取方法及びパラメータの測定方法を用いてもよい。これらの文献の内容は本開示の一部を構成するものとして援用される。
モニタリングに基づき塩化アンモニウムの析出温度を予測/算出し、塩化アンモニウムの析出箇所を予測する。予測に使用するモニタリング項目の一例としては、アキュムレーター27のドレン水の塩化物イオン濃度及びアンモニウムイオン濃度、塔頂温度を含む蒸留塔内の温度、並びにナフサ蒸留特性等が挙げられる。
塩化アンモニウムの析出箇所の予測は、例えば、蒸留塔23の塔頂温度及び塩化アンモニウム析出温度(予測値)に基づいて行うことができる。蒸留塔23の塔頂温度が塩化アンモニウムの析出温度よりも高い場合は、蒸留塔23の塔頂配管及びその下流のエアフィンクーラー25、コンデンサー26及びコンプレッサー28等が析出箇所となると予測することができる。蒸留塔23の塔頂温度が塩化アンモニウムの析出温度よりも低い又は同程度の場合は、蒸留塔23の塔頂内、及びサイドリフラックス24A等の還流設備等が析出箇所となると予測することができる。
限定されない一態様において、析出箇所の予測と共に、当該析出箇所の塩化アンモニウムの析出量の予測を行ってもよいし、行わなくてもよい。塩化アンモニウムの析出量の予測は、例えば、蒸留塔23の塔頂温度が塩化アンモニウムの析出温度よりも高い場合は、蒸留塔23の塔頂配管及びその下流のエアフィンクーラー25、コンデンサー26及びコンプレッサー28等の析出量が増加し、蒸留塔23の塔頂内、及びサイドリフラックス24A等の還流設備等の析出量が減少すると予測することができる。一方、蒸留塔23の塔頂温度が塩化アンモニウムの析出温度よりも低い又は同程度の場合は、蒸留塔23の塔頂配管及びその下流のエアフィンクーラー25、コンデンサー26及びコンプレッサー28等の析出量が減少し、蒸留塔23の塔頂内、及びサイドリフラックス24A等の還流設備等の析出量が増加すると予測することができる。
析出箇所及び析出量の予測は、さらに、必要に応じて既に供給されている界面活性剤を含む薬剤の供給量に基づき、分散状態となる塩化アンモニウムの量を勘案して行ってもよい。
析出箇所及び析出量の予測に応じて、界面活性剤の供給箇所及び供給量を決定し、界面活性剤を供給する。例えば、蒸留塔23の塔頂配管及びその下流のエアフィンクーラー25、コンデンサー26及びコンプレッサー28等の析出量が増加し、蒸留塔23の塔頂内、及びサイドリフラックス24A等の還流設備等の析出量が減少すると予測された場合は、矢印Yで示す供給箇所の供給量を増加し、矢印X、又は矢印X及びZで示す供給箇所の供給量を減少する等といったように1つの蒸留設備内の複数の供給箇所間における供給量のバランスをとるように界面活性剤の供給を制御することが好ましい。一方、蒸留塔23の塔頂配管及びその下流のエアフィンクーラー25、コンデンサー26及びコンプレッサー28等の析出量が減少し、蒸留塔23の塔頂内、及びサイドリフラックス24A等の還流設備等の析出量が増加すると予測された場合は、矢印X又は矢印X及びZで示す供給箇所の供給量を増加し、矢印Yで示す供給箇所の供給量を減少する等といったように1つの蒸留設備内の複数の供給箇所間における供給量のバランスをとるように界面活性剤の供給を制御することが好ましい。
界面活性剤の供給速度の制御は、例えば、US5,066,199号(定流容積式ポンピング装置を用いた処理化学薬品を注入するための方法)、及びUS5,195,879号(定流容積式ポンピング装置を用いた処理化学薬品を注入するための改善された方法)に開示された方法を用いてもよい。これらの文献の内容は本開示の一部を構成するものとして援用される。
本実施形態1では、析出箇所の予測を行うアンモニウム塩/アミン塩として塩化アンモニウム塩を使用した場合を例にとり説明したが、本開示はこれに限定されるものではない。
(実施形態2)
本開示の実施形態2では、図1に示す常圧蒸留塔を備える蒸留設備における薬剤供給方法を例にとり説明する。
本実施形態2は、常圧蒸留塔2及びその付属設備を1つの蒸留設備とし、塩化アンモニウム塩の析出箇所を予測し、汚れ防止のための薬剤として窒素含有親水基を有する界面活性剤の供給制御を行う場合の一例である。本実施形態1における付属設備としては、常圧蒸留塔2に設けられたサイドリフラックス3、4、5の3つのサイドリフラックス及びサイドストリッパー6、7、8、蒸留塔2の塔頂配管に接続するエアフィンクーラー9、コンデンサー10及びアキュムレーター11、それらを接続する配管及びポンプ、並びにアキュムレーター11と常圧蒸留塔2とを接続するトップリフラックスライン12を含む。
本実施形態2における薬剤の供給箇所は、トップリフラックスライン12(アキュムレーター11と蒸留塔2の塔頂付近との間:矢印A)、塔頂配管(蒸留塔2とエアフィンクーラー9との間の配管:矢印B)、及びサイドリフラックス(Top Pump Around)3の抜き出し部(矢印C)の3カ所が挙げられる。薬剤の供給箇所は、一又は複数の実施形態において、サイドリフラックス3の戻りライン部であってもよい。
モニタリング、該モニタリングに基づく析出箇所の予測、及び界面活性剤の供給制御は、実施形態1と同様にして行うことができる。
本開示はさらに以下の一又は複数の実施形態に関する。
[1] 石油精製プロセスにおける蒸留設備への界面活性剤の供給方法であって、
前記蒸留設備の操業をモニタリングすること、及び
前記モニタリングに基づき予測された、前記蒸留設備におけるアンモニウム塩及びアミン塩の少なくとも一方の析出箇所に応じて、前記界面活性剤の供給速度を制御することを含み、
前記界面活性剤は、窒素含有親水基を有する油溶性界面活性剤である、方法。
[2] 前記供給速度の制御は、前記アンモニウム塩及びアミン塩の少なくとも一方の析出箇所が蒸留塔内になると予測される場合、前記蒸留塔の塔頂に供給される界面活性剤の供給速度を増加させることを含む、[1]記載の方法。
[3] 前記モニタリングは、蒸留塔内における温度、圧力、ナフサ流量、ナフサ比重、ナフサ蒸留特性、ドレン水量、ドレン水塩化物イオン濃度、ドレン水アンモニウムイオン濃度及びドレン水pHからなる群から選択される少なくとも1つ以上を測定することを含む、[1]又は[2]に記載の方法。
[4] 前記界面活性剤を、1つの蒸留設備内に2カ所以上に供給することを含み、
前記制御は、前記1つの蒸留設備内の複数の供給箇所間における供給量のバランスをとるように前記界面活性剤の供給速度を制御することを含む、[1]から[3]のいずれかに記載の方法。
[5] 石油精製プロセスの蒸留設備における、原油に含まれる無機塩類に起因する汚れの堆積を抑制するための方法であって、
前記蒸留設備の操業をモニタリングすること、及び
前記モニタリングに基づき予測された、前記蒸留設備におけるアンモニウム塩及びアミン塩の少なくとも一方の析出箇所に応じて、界面活性剤の供給速度を制御することを含み、
前記界面活性剤は、窒素含有親水基を有する油溶性界面活性剤である、方法。
[6] 石油精製プロセスにおける蒸留設備の腐食を抑制するための方法であって、
前記蒸留設備の操業をモニタリングすること、及び
前記モニタリングに基づき予測された、前記蒸留設備におけるアンモニウム塩及びアミン塩の少なくとも一方の析出箇所に応じて、界面活性剤の供給速度を制御することを含み、
前記界面活性剤は、窒素含有親水基を有する油溶性界面活性剤である、方法。
[7] 石油精製プロセスにおける蒸留設備における原油に含まれる無機塩類に起因する汚れの堆積を抑制するための薬剤の自動供給システムであって、
前記薬剤を前記蒸留設備に供給するための供給ラインと
前記蒸留設備の操業をモニタリングするモニタリング部と、
前記供給ラインによる前記薬剤の供給速度を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記モニタリング部におけるモニタリング結果に基づいてアンモニウム塩及びアミン塩の少なくとも一方の析出箇所を予測し、それに応じて前記供給ラインによる前記薬剤の供給の制御を行うように構成されている、システム。
[8] [1]~[6]のいずれかに記載の方法を行うための、[7]記載のシステム。
以下、実施例により本開示をさらに詳細に説明するが、これらは例示的なものであって、本開示はこれら実施例に制限されるものではない。
[塩分散試験]
まず、塔頂アキュムレーターナフサ10ml(以下、ナフサ)と、塩化アンモニウム純水溶解液0.25ml又はメタノール0.25mlとを混合した。これらの混合液の外観を観察した。その結果、いずれの混合液も析出は確認されなかった。
次に、以下の手順で、界面活性剤による塩化アンモニウム分散の確認を行った。
1.塩化アンモニウム1gをメタノール50mlに溶解させ、溶液を調製した。
2.比較実験例としてナフサ15mlと1.で作製した溶液とを混合し、外観を観察した。下記外観観察評価基準による外観の評価を行った。その結果を図3Aに示す。
3.実験例としてナフサに下記3種類の界面活性剤のいずれかを100ppm添加し、ついで1.で作製した溶液を加えて混合し、外観を観察した。下記外観観察評価基準による外観の評価を行った。その結果を図3Aに示す。
4.660nmで測定した吸光度結果を図3A、及び図3Bのグラフに示す。
<界面活性剤>
・実験例1:トリエチルアミンとトール油脂肪酸との反応物
・実験例2:ジエチレントリアミンとトール油脂肪酸との反応物
・実験例3:ポリアミンとトール油脂肪酸との反応物を環化させて得られたイミダゾリン誘導体
[外観観察評価基準]
A:上澄み液が白濁しており分散効果が良好である。底部に粒子の沈殿が見られない。
B:上澄み液は白濁しており分散効果は良好であるが、底部にわずかに小さな粒子の沈殿が見られる。
C:上澄み液はわずかに白濁しており分散効果が確認できるが、底部に大きな粒子の沈殿が見られるため分散効果としては不十分。
その結果、図3A及びBに示すとおり、上記の界面活性剤による塩化アンモニウムの分散効果が確認された。
(実施例1)
図2に示す石油精製プロセスにおけるFCC蒸留設備における操業のモニタリング、該モニタリングに基づき塩化アンモニウムの析出温度、並びに上記蒸留塔23及びその付属設備における塩化アンモニウムの析出箇所の予測、並びに薬剤供給箇所(図2の矢印Y及びZ)における薬剤の供給速度の制御を行った。なお、本設備では、蒸留塔23の最上段に戻るラインがサイドリフラックス(トップポンプアラウンド)24Aであった。また、試験期間中、トップポンプアラウンド24Aに皮膜目的の薬剤の注入を継続して行った。トップポンプアラウンド24Aの抜出温度は塩の析出温度よりも高いことを確認している。
[モニタリング項目]
・蒸留塔23の塔頂温度
・アキュムレーター27のドレン水塩化物イオン濃度
・トップポンプアラウンド24Aの塩化物イオン濃度
・蒸留塔内における温度、圧力、ナフサ流量、ナフサ比重、ナフサ蒸留特性、ドレン水量、ドレン水塩化物イオン濃度、ドレン水アンモニウムイオン濃度及びドレン水pHに基づき市販プログラム(ナルコ社製)を用いて予測された塩化アンモニウム析出温度
[使用薬剤]
・ポリアミンとトール油脂肪酸との反応物(窒素含有親水基を有する油溶性界面活性剤、ナルコ社製蒸留設備被膜性化学薬品)
[薬剤供給箇所]
・蒸留塔23塔頂からエアフィンクーラー25との間の配管(図2の矢印Y)
・トップポンプアラウンド24Aの抜き出し部(図2の矢印Z)
その結果を下記表1及び図4に示す。図4は、期間1~3におけるアキュムレーター27ドレン水(塔頂ドレン水)塩化物イオン濃度及びトップポンプアラウンド24A塩化物イオン濃度を示すグラフである。
Figure 2022167091000002
上記表に示すとおり、期間1の運転条件では、予測された塩化アンモニウムの塩析出温度は塔頂温度よりも低く、それに基づきアンモニウム塩の析出箇所は塔頂配管以降であると予測された。このため、塔頂配管(矢印Y)の薬剤供給速度をトップポンプアラウンド24A(矢印Z)よりも増加させる制御を行った。その結果、上記表及び図4に示すとおり、アキュムレーター27の塩化物イオン濃度がトップポンプアラウンド24Aのそれよりも高いというモニタリング結果が得られた。つまり、上記の予測及び薬剤の供給制御により、塔頂配管で良好に塩分散され、汚れの堆積を抑制できていることが確認できた。
期間2の運転条件では、予測された塩化アンモニウムの塩析出温度は塔頂温度よりも高く、それに基づきアンモニウム塩の析出箇所は蒸留塔23塔内であると予測された。しかし、期間2では、薬剤供給の制御を行わなかった。その結果、上記表及び図4に示すとおり、アキュムレーター27の塩化物イオン濃度及びトップポンプアラウンド24Aの塩化物イオン濃度のモニタリング結果より、アキュムレーター27の塩化物イオン濃度の低下と、トップポンプアラウンド24Aの塩化物イオン濃度の上昇がわずかに確認できた。しかし、予測される塩化アンモニウムの量よりも低いことから、塩分散が不十分であり、蒸留塔23塔内に汚れが堆積している可能性が示唆された。
期間3は、薬剤供給制御を行った以外は、期間2の運転条件と同じ運転条件で運転を行った。予測された析出箇所は蒸留塔23塔内であることから、トップポンプアラウンド24A(矢印Z)の薬剤供給速度を塔頂配管(矢印Y)よりも増加させる制御を行った。その結果、上記表及び図4に示すとおり、トップポンプアラウンド24Aの塩化物イオン濃度がアキュムレーター27のそれよりも高いというモニタリング結果が得られた。つまり、上記の予測及び薬剤の供給制御により、蒸留塔23塔内で良好に塩分散され、汚れの堆積を抑制できていることが確認できた。

Claims (8)

  1. 石油精製プロセスにおける蒸留設備への界面活性剤の供給方法であって、
    前記蒸留設備の操業をモニタリングすること、及び
    前記モニタリングに基づき予測された、前記蒸留設備におけるアンモニウム塩及びアミン塩の少なくとも一方の析出箇所に応じて、前記界面活性剤の供給速度を制御することを含み、
    前記界面活性剤は、窒素含有親水基を有する油溶性界面活性剤である、方法。
  2. 前記供給速度の制御は、前記アンモニウム塩及びアミン塩の少なくとも一方の析出箇所が蒸留塔内になると予測される場合、前記蒸留塔の塔頂に供給される界面活性剤の供給速度を増加させることを含む、請求項1記載の方法。
  3. 前記モニタリングは、蒸留塔内における温度、圧力、ナフサ流量、ナフサ比重、ナフサ蒸留特性、ドレン水量、ドレン水塩化物イオン濃度、ドレン水アンモニウムイオン濃度及びドレン水pHからなる群から選択される少なくとも1つ以上を測定することを含む、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記界面活性剤を、1つの蒸留設備内に2カ所以上に供給することを含み、
    前記制御は、前記1つの蒸留設備内の複数の供給箇所間における供給量のバランスをとるように前記界面活性剤の供給速度を制御することを含む、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
  5. 石油精製プロセスの蒸留設備における、原油に含まれる無機塩類に起因する汚れの堆積を抑制するための方法であって、
    前記蒸留設備の操業をモニタリングすること、及び
    前記モニタリングに基づき予測された、前記蒸留設備におけるアンモニウム塩及びアミン塩の少なくとも一方の析出箇所に応じて、界面活性剤の供給速度を制御することを含み、
    前記界面活性剤は、窒素含有親水基を有する油溶性界面活性剤である、方法。
  6. 石油精製プロセスにおける蒸留設備の腐食を抑制するための方法であって、
    前記蒸留設備の操業をモニタリングすること、及び
    前記モニタリングに基づき予測された、前記蒸留設備におけるアンモニウム塩及びアミン塩の少なくとも一方の析出箇所に応じて、界面活性剤の供給速度を制御することを含み、
    前記界面活性剤は、窒素含有親水基を有する油溶性界面活性剤である、方法。
  7. 石油精製プロセスにおける蒸留設備における原油に含まれる無機塩類に起因する汚れの堆積を抑制するための薬剤の自動供給システムであって、
    前記薬剤を前記蒸留設備に供給するための供給ラインと
    前記蒸留設備の操業をモニタリングするモニタリング部と、
    前記供給ラインによる前記薬剤の供給速度を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記モニタリング部におけるモニタリング結果に基づいてアンモニウム塩及びアミン塩の少なくとも一方の析出箇所を予測し、それに応じて前記供給ラインによる前記薬剤の供給の制御を行うように構成されている、システム。
  8. 請求項1~6のいずれかに記載の方法を行うための、請求項7記載のシステム。
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