JP2022166749A - 車両の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】回転部材が一定の回転速度で回転してない場合にもレゾルバで検出された回転部材の位相における検出誤差の補正が可能な車両の制御装置を提供する。【解決手段】有段の自動変速機24と、自動変速機24における入力軸32の位相θinを検出するレゾルバ72と、自動変速機24における出力軸34の位相θoutを検出するレゾルバ74と、を備える車両10の、電子制御装置90は、入力軸32と出力軸34とが自動変速機24で形成されている変速段の変速比γatに応じてそれぞれ回転する状態において、レゾルバ72で検出された位相θinと、レゾルバ74で検出された位相θoutが変速比γatに応じて入力軸32における位相に換算された換算位相θconvと、の差分DF(=θin-θout×γat)に基づいて、入力軸32の位相θinの検出誤差ERinを補正する。【選択図】図1

Description

本発明は、車両が備える有段変速機の入力側回転部材や出力側回転部材の位相(回転角度)を検出するレゾルバの検出誤差の補正に関する。
一定の回転速度(等速度)で回転しているとの条件下でレゾルバで検出された回転部材の位相の検出誤差特性を測定し、その検出誤差特性を位相値毎の補正マップとして予め記憶しておき、その補正マップを用いて加減速時にレゾルバで検出された回転部材の位相を補正する車両の制御装置が知られている。例えば、特許文献1に記載された車両の制御装置がそれである。
特開2013-238431号公報
特許文献1に記載の車両の制御装置では、レゾルバで検出された回転部材の位相における検出誤差特性の測定は、回転部材が一定の回転速度で回転している必要がある。すなわち、回転部材が一定の回転速度で回転してない場合には検出誤差特性を測定できず、補正頻度を増加させることが難しい。そのため、回転部材が一定の回転速度で回転してない場合にも検出誤差特性の測定ができるようにすることで、補正の頻度の増加を可能にすることが望まれている。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、回転部材が一定の回転速度で回転してない場合にもレゾルバで検出された回転部材の位相における検出誤差の補正が可能な車両の制御装置を提供することにある。
第1発明の要旨とするところは、有段の変速機と、前記変速機における入力側回転部材及び出力側回転部材のうち一方の回転部材の位相である第1位相を検出する第1レゾルバと、前記変速機における入力側回転部材及び出力側回転部材のうち他方の回転部材の位相である第2位相を検出する第2レゾルバと、を備える車両の、制御装置において、前記一方の回転部材と前記他方の回転部材とが前記変速機で形成されている変速段の変速比に応じてそれぞれ回転する状態において、前記第1位相及び前記第2位相のうちの一方の位相と、前記変速比に応じて前記一方の位相が検出された回転部材の位相に換算した前記第1位相及び前記第2位相のうちの他方の位相と、の差分に基づいて、前記第1位相の検出誤差を補正することにある。
第2発明の要旨とするところは、第1発明において、前記第1位相の検出誤差は、前記一方の回転部材における位相値毎に前記差分を所定の積算回数分だけ積算し、積算した前記差分を前記所定の積算回数で除して算出することにある。
第3発明の要旨とするところは、第2発明において、前記第1位相の検出誤差は、前記所定の積算回数で除して算出した前記差分に応じた波形からDC成分を除去して算出することにある。
第4発明の要旨とするところは、第2発明又は第3発明において、前記所定の積算回数は、前記一方の回転部材の回転回数が自然数となり且つ前記他方の回転部材の回転回数が自然数となる場合における前記一方の回転部材の回転回数であることにある。
第1発明の車両の制御装置によれば、前記一方の回転部材と前記他方の回転部材とが前記変速機で形成されている変速段の変速比に応じてそれぞれ回転する状態において、前記第1位相及び前記第2位相のうちの一方の位相と、前記変速比に応じて前記一方の位相が検出された回転部材の位相に換算した前記第1位相及び前記第2位相のうちの他方の位相と、の差分に基づいて、前記第1位相の検出誤差が補正される。一方の回転部材と他方の回転部材とが変速機で形成されている変速段の変速比に応じてそれぞれ回転する状態であれば、それぞれ一定の回転速度で回転していない場合にも、第1レゾルバで検出された第1位相の検出誤差の補正が可能であり、補正の頻度を増加させることができる。例えば、一方の回転部材と他方の回転部材とが変速機で形成されている変速段の変速比に応じてそれぞれ回転する状態であれば、温度条件が変化しても頻繁に補正を行うことができるため、温度変化に対して追従性良く、第1レゾルバで検出された一方の回転部材の第1位相の検出誤差を補正することができる。
第2発明の車両の制御装置によれば、第1発明において、前記第1位相の検出誤差は、前記一方の回転部材における位相値毎に前記差分が所定の積算回数分だけ積算され、積算された前記差分が前記所定の積算回数で除されて算出される。差分が積算されない場合に比較して、差分が積算されてから平均化されることで単発的なノイズ成分が低減されて第1レゾルバで検出された第1位相の検出誤差が補正されるので、第1位相の補正精度の向上が図られる。
第3発明の車両の制御装置によれば、第2発明において、前記第1位相の検出誤差は、前記所定の積算回数で除して算出された前記差分に応じた波形からDC成分が除去されて算出される。DC成分が除去されない場合に比較して、DC成分が除去されることで検出誤差にDC成分に応じたオフセット量が加わることが低減されて第1レゾルバで検出された第1位相の補正が行われるため、第1位相の補正精度の向上が図られる。
第4発明の車両の制御装置によれば、第2発明又は第3発明において、前記所定の積算回数は、前記一方の回転部材の回転回数が自然数となり且つ前記他方の回転部材の回転回数が自然数となる場合における前記一方の回転部材の回転回数である。これにより、積算された差分のうち、第1レゾルバで検出された補正対象の第1位相の検出誤差成分については、前記所定の積算回数分の整数倍とされる一方、第2レゾルバで検出された非補正対象の第2位相の検出誤差成分については、積算されたAC成分が互いに打ち消し合って小さくされやすくDC成分のみとなりやすい。そのため、第1レゾルバで検出された第1位相の検出誤差を算出する際の演算が簡略化されるとともに、第1位相における検出誤差の算出精度の向上が図られやすくなる。
本発明の実施例に係る電子制御装置を備える車両の概略構成図であるとともに、車両における各種制御のための制御機能の要部を表す機能ブロック図である。 レゾルバの概略構成の例を示す図である。 入力軸に設けられたレゾルバで検出された入力軸の位相に含まれる検出誤差、出力軸に設けられたレゾルバで検出された出力軸の位相に含まれる検出誤差、及び、それら入力軸の位相に含まれる検出誤差と出力軸の位相に含まれる検出誤差とに基づいた差分の波形について示す図である。 入力軸の位相に含まれる検出誤差及び換算位相に含まれる検出誤差を、入力軸の位相における位相値毎に、所定の噛合比回数分だけ重ね書きした結果を説明する図である。 図1に示す電子制御装置の制御作動を説明するフローチャートの一例である。 図5のフローチャートにおけるステップS40及びステップS60での演算結果の記憶に用いられる表の一例である。
以下、本発明の各実施例について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の各実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比及び形状等は必ずしも正確に描かれていない。
本発明の実施例に係る電子制御装置90を備える車両10の概略構成図であるとともに、車両10における各種制御のための制御機能の要部を表す機能ブロック図である。
車両10は、走行用駆動力源であるエンジン12と、エンジン12と一対の駆動輪14との間の動力伝達経路に設けられた動力伝達装置16と、を備える。
エンジン12は、周知の内燃機関である。エンジン12は、後述する電子制御装置90によって、その作動状態(運転状態、停止状態)が制御される。エンジン12に備えられたスロットルアクチュエータや燃料噴射装置や点火装置等が制御されることによりエンジン12の出力トルクであるエンジントルクTe[Nm]が制御される。
動力伝達装置16は、非回転部材であるケース18内において、エンジン12側から順に、トルクコンバータ22、自動変速機24等を備える。動力伝達装置16は、自動変速機24の出力側回転部材である出力軸34に連結されたディファレンシャルギヤ26、ディファレンシャルギヤ26に連結された一対の車軸36等を備える。
動力伝達装置16は、エンジン12とトルクコンバータ22とを連結するエンジン連結軸30を備える。
トルクコンバータ22は、周知のトルクコンバータである。トルクコンバータ22は、エンジン連結軸30に連結されたポンプ翼車と、自動変速機24の入力側回転部材である入力軸32に連結されたタービン翼車と、ポンプ翼車とタービン翼車とを直結するロックアップクラッチLUと、を備える。トルクコンバータ22は、エンジン12からの走行用駆動力を流体を介してエンジン連結軸30から入力軸32へ伝達する流体式伝動装置である。オイルポンプ42は、ポンプ翼車に連結されており、エンジン12により回転駆動させられる。回転駆動させられたオイルポンプ42は、動力伝達装置16で用いられる作動油を吐出する。
自動変速機24は、エンジン12と一対の駆動輪14との間に配設され、例えば不図示の複数組の遊星歯車装置と、それら複数組の遊星歯車装置をそれぞれ構成する回転要素間或いは回転要素と非回転要素との間を選択的に係合させる複数の変速用係合装置と、を備え、変速用係合装置の係合の組み合わせによって複数の変速段のうちの一の変速段が形成させられる、周知の遊星歯車式の自動変速機である。変速用係合装置は、ブレーキやクラッチなどの例えば湿式多板型の油圧式摩擦係合装置である。
自動変速機24は、例えば変速用係合装置のうちの何れかの係合装置の係合によって、変速比(噛合ギヤ比ともいう)γat(=入力軸回転速度Nin[rpm]/出力軸回転速度Nout[rpm])が異なる複数の変速段(ギヤ段ともいう)のうちの何れかの変速段が形成される有段変速機である。自動変速機24は、後述する電子制御装置90によって、運転者のアクセル操作や車速V[km/h]等に応じて、変速用係合装置のうちの自動変速機24の変速に関与する係合装置である所定の係合装置の作動状態が切り替えられることで、形成される変速段が切り替えられる。入力軸回転速度Ninは、入力軸32の回転速度であって自動変速機24の入力回転速度である。入力軸回転速度Ninは、トルクコンバータ22の出力回転速度であるタービン回転速度Nt[rpm]と同値である。出力軸回転速度Noutは、出力軸34の回転速度であって自動変速機24の出力回転速度である。なお、自動変速機24は、本発明における「変速機」に相当する。入力軸32は、本発明における「入力側回転部材」に相当するとともに「一方の回転部材」に相当し、出力軸34は、本発明における「出力側回転部材」に相当するとともに「他方の回転部材」に相当する。
自動変速機24の入力軸32には、レゾルバ72が設けられ、自動変速機24の出力軸34には、レゾルバ74が設けられている。レゾルバ72及びレゾルバ74は、それぞれ入力軸32及び出力軸34の位相(回転角度)を検出できる周知のレゾルバである。なお、レゾルバ72及びレゾルバ74は、本発明における「第1レゾルバ」及び「第2レゾルバ」にそれぞれ相当する。例えば、レゾルバ72は、入力軸32に相対回転不能に固設された電磁鋼板製の円盤状のロータ32aの位相(=入力軸32の位相θin[度])に応じた信号である検出信号Vin[V]を電子制御装置90に出力する。また、レゾルバ74は、出力軸34に相対回転不能に固設された電磁鋼板製の円盤状のロータ34aの位相(=出力軸34の位相θout[度])に応じた信号である検出信号Vout[V]を電子制御装置90に出力する。なお、検出信号Vin及び検出信号Voutには、位相θin及び位相θoutが含む、後述する検出誤差ERin及び検出誤差ERoutに応じた誤差がそれぞれ含まれている。
ここで、レゾルバ72の構成について説明する。図2は、レゾルバ72の概略構成の例を示す図である。なお、レゾルバ74も同様の構成である。
励磁電源に接続された励磁コイルに正弦波の交流電圧を印加することにより磁界が形成される。その磁界の中でロータ32aが回転することにより、電気的に位相が90[度]異なるように設けられた2つの検出コイルで、それぞれロータ32aの位相θaに応じた正弦波出力電圧Vsin[V]及び余弦波出力電圧Vcos[V]が検出信号Vinとして検出される。正弦波出力電圧Vsin及び余弦波出力電圧Vcosは、それぞれ位相θaに応じた振幅変化の誘起電圧であるため、後述する電子制御装置90での信号処理により位相θa(=θin)が算出される。
図1に戻り、ディファレンシャルギヤ26は、一対の駆動輪14のそれぞれに連結された一対の車軸36に適宜差回転を与えつつ走行用駆動力を伝達する周知のディファレンシャルギヤである。
油圧制御回路40は、オイルポンプ42から圧送された作動油OILの油圧を元圧として、ケース18内の各部に必要な作動油OILを供給する。例えば、油圧制御回路40は、変速用係合装置の断接状態をそれぞれ制御する制御油圧を調圧して変速用係合装置の断接状態を制御する各油圧アクチュエータに供給する。これにより、自動変速機24で所望の変速比γatの変速段が形成される。
エンジン12から出力される動力は、エンジン連結軸30、トルクコンバータ22、自動変速機24、ディファレンシャルギヤ26、及び一対の車軸36等を順次介して一対の駆動輪14へ伝達される。
車両10は、電子制御装置90を備える。電子制御装置90は、例えばCPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより車両10の各種制御を実行する。電子制御装置90は、必要に応じてエンジン制御用、油圧制御用、回転部材の位相の検出誤差補正用等の各コンピュータを含んで構成される。なお、電子制御装置90は、本発明における「制御装置」に相当する。
電子制御装置90には、車両10に備えられた各種センサ等(例えばエンジン回転速度センサ70、レゾルバ72、レゾルバ74、アクセル開度センサ76など)による検出値に基づく各種信号等(例えばエンジン12の回転速度であるエンジン回転速度Ne[rpm]、入力軸32の位相θinを表す検出信号Vin、出力軸34の位相θoutを表す検出信号Vout、運転者の加速操作の大きさを表す運転者のアクセル操作量であるアクセル開度θacc[%]など)が、それぞれ入力される。
電子制御装置90からは、車両10に備えられた各装置(例えばエンジン12、油圧制御回路40など)に各種指令信号(例えばエンジン12を制御するためのエンジン制御信号Se、変速用係合装置の断接制御やロックアップクラッチLUの断接制御のための油圧制御信号Spなど)が、それぞれ出力される。
電子制御装置90は、走行制御部92と位相補正部94とを機能的に備える。
走行制御部92は、エンジン制御部92a、変速機制御部92b、及びロックアップ制御部92cを機能的に備える。
走行制御部92は、例えば駆動要求量マップにアクセル開度θacc及び車速Vを適用することで、運転者による車両10に対する駆動要求量を算出する。前記駆動要求量マップは、アクセル開度θacc及び車速Vと駆動要求量との間の関係が予め実験的に或いは設計的に求められて記憶されたマップである。前記駆動要求量は、例えば一対の駆動輪14における要求駆動トルクTrdem[Nm]である。要求駆動トルクTrdemは、見方を換えればそのときの車速Vにおける要求駆動パワーPrdem[W]である。前記駆動要求量としては、一対の駆動輪14における要求駆動力Frdem[N]、出力軸34における要求AT出力トルク等を用いることもできる。前記駆動要求量の算出では、車速Vに替えて出力軸回転速度Noutなどを用いても良い。
エンジン制御部92aは、伝達損失、補機負荷、自動変速機24で形成されている変速段の変速比γat等を考慮して、要求駆動パワーPrdemを実現するように、エンジン12を制御するエンジン制御信号Seを出力する。エンジン制御信号Seは、例えばそのときのエンジン回転速度NeにおけるエンジントルクTeを出力するエンジン12のパワーであるエンジンパワーPe[W]の指令値である。
変速機制御部92bは、例えば予め定められた関係である変速マップを用いて自動変速機24の変速判断を行い、必要に応じて自動変速機24の変速制御を実行するための油圧制御信号Spを油圧制御回路40へ出力する。前記変速マップは、例えば車速V及び要求駆動トルクTrdemを変数とする二次元座標上に、自動変速機24の変速が判断されるための変速線を有する所定の関係である。前記変速マップでは、車速Vに替えて出力軸回転速度Noutなどを用いても良いし、又、要求駆動トルクTrdemに替えて要求駆動力Frdemやアクセル開度θaccなどを用いても良い。
ロックアップ制御部92cは、ロックアップクラッチLUの断接を制御する。例えば、自動変速機24での変速段の切り替えに伴う変速ショックを低減したり、低回転であるエンジン12の脈動の一対の駆動輪14への伝達を低減したりする場合には、ロックアップクラッチLUは切断される。そうでない場合には、燃費向上のためにロックアップクラッチLUは接続される。
ここから、レゾルバ72で検出された入力軸32の位相θinにおける検出誤差ERinの補正について説明する。
電子制御装置90は、例えばレゾルバ72の検出信号Vinを検出する検出回路と、その検出回路部で検出された信号に基づいて位相θinを表す信号を生成する信号処理を実行する信号処理回路と、を含むとともに、レゾルバ74の検出信号Voutを検出する検出回路と、その検出回路部で検出された信号に基づいて位相θoutを表す信号を生成する信号処理を実行する信号処理回路と、を含む。これら検出回路及び信号処理回路の緒元の抵抗値等の特性ばらつきや温度特性変化により、レゾルバ72によって検出される入力軸32の位相θinと、実際の入力軸32の位相θin_tと、の間には検出誤差ERin[度]が生ずるとともに、レゾルバ74によって検出される出力軸34の位相θoutと、実際の出力軸34の位相θout_tと、の間には検出誤差ERout[度]が生ずる。すなわち、式(1)及び式(2)が成立する。
Figure 2022166749000002
レゾルバ72によって検出される入力軸32の位相θinは、入力軸32が1回転する毎に同じ位相値θxとなり、レゾルバ74によって検出される出力軸34の位相θoutは、出力軸34が1回転する毎に同じ位相値θyとなる。なお、位相値θxは、入力軸32の位相θinが360[度]に到達すると0[度]に戻される、0[度]~360[度]で表される位相であり、位相値θyは、出力軸34の位相θoutが360[度]に到達すると0[度]に戻される、0[度]~360[度]で表される位相である。レゾルバ72で検出された入力軸32の位相θinには、その位相値θxに応じた検出誤差ERinが含まれ、レゾルバ74で検出された出力軸34の位相θoutには、その位相値θyに応じた検出誤差ERoutが含まれている。検出誤差ERin及び検出誤差ERoutは、それぞれ位相θinの位相値θx及び位相θoutの位相値θyを独立変数とする関数である。入力軸32の位相θin及び出力軸34の位相θoutは、それぞれ入力軸32の回転位置及び出力軸34の回転位置と同義である。なお、位相θin及び位相θoutは、本発明における「第1位相」及び「第2位相」にそれぞれ相当する。
ここで、自動変速機24で形成されている変速段の変速比γatに応じて出力軸34の位相θoutを入力軸32における位相へ換算したもの、すなわち出力軸34の位相θoutをそれに対応した入力軸32における位相へ換算したものを、換算位相θconvということとする。自動変速機24で形成されている変速段が固定されている場合には、入力軸32と出力軸34とが自動変速機24で形成されている変速段の変速比γatに応じてそれぞれ回転する状態である。同じ時間当たりの位相θinの変化量及び位相θoutの変化量をそれぞれΔθin及びΔθoutとすると、自動変速機24で形成されている変速段の変速比γatに応じて、γat=Δθin/Δθoutの関係にあるため、出力軸34の位相θoutが入力軸32における位相に換算された換算位相θconvは、θout×γatである。また、入力軸32の位相θinと換算位相θconvとの差を、差分DF[度](=θin-θout×γat)ということとする。これにより、式(3)が成立する。なお、式(3)の差分DFの算出においては、入力軸32の位相θin及び出力軸34の位相θoutは、360[度]に到達しても0[度]に戻されず1回転する毎に360[度]ずつ増加する積算された位相である。また、入力軸32の位相θin及び出力軸34の位相θoutは、本発明における「一方の位相」及び「他方の位相」にそれぞれ相当する。入力軸32は、本発明における「一方の位相が検出された回転部材」に相当する。
入力軸32の位相θinにおける位相値θx毎に算出される差分DFについて、「検出された位相θinのうちの実際の位相θin_t(=θin-ERin)の成分」と「換算位相θconvのうちの実際の位相θout_tが換算された成分{=(θout-ERout)×γat}」とは、これらのAC成分が互いに打ち消し合うことで、検出誤差ERin及び検出誤差ERconv(=ERout×γat)に比較して小さくなってDC成分(=直流成分、定常偏差、定数)C1のみとなる。その結果、位相値θx毎の差分DFについて、式(4)が成立する。
Figure 2022166749000003
図3は、入力軸32に設けられたレゾルバ72で検出された入力軸32の位相θinに含まれる検出誤差ERin、出力軸34に設けられたレゾルバ74で検出された出力軸34の位相θoutに含まれる検出誤差ERout、及び、それら検出誤差ERinと検出誤差ERoutとに基づいた差分DF(=ERin-ERout×γat+C1)の波形について示す図である。図3の横軸は、時間t[ms]である。図3では、入力軸32の位相θin及び出力軸34の位相θoutについて、360[度]に到達すると0[度]に戻す表示としているが、前述したように360[度]に到達しても0[度]に戻されず1回転する毎に360[度]ずつ増加する積算された位相である。また、検出誤差ERin、検出誤差ERout、及び、差分DFについて、図3では、入力軸32の回転回数nが「27」(27回転目)及び「28」(28回転目)の波形は省略されている。図3は、例えば一定の車速Vで走行中において、自動変速機24の変速段が固定されておりすなわち自動変速機24で変速制御が実行されておらず、好適にはロックアップクラッチLUが接続されている状態での各波形である。発明の理解を容易にするため、本実施例では一定の車速Vで走行中に検出誤差ERinが算出される態様としているが、検出誤差ERinが算出は、一定ではない車速Vでの走行中に行われても良い。
例えば、時刻t0における位相θin及び位相θoutをそれぞれ0[度]とすると、入力軸32が1回転する回転周期Tin[ms]毎に位相θinが360[度]ずつ増加し、出力軸34が1回転する回転周期Tout[ms]毎に位相θoutが360[度]ずつ増加する。回転周期Toutは、回転周期Tinに「変速比γat」を乗じた期間である。
また、入力軸32と出力軸34とが自動記変速機24で形成されている変速段の変速比γatに応じてそれぞれ回転する状態において、入力軸32の回転回数nが自然数となり且つ出力軸34の回転回数mが自然数となる場合における入力軸32の回転回数nを、所定の噛合比回数Nrということとする。好適には、所定の噛合比回数Nrにおける入力軸32の回転回数n及び出力軸34の回転回数mは、互いに異なる自然数である。所定の噛合比回数Nrは、入力軸32の位相θinにおける位相値θx毎に差分DFを積算する予め定められた回数であって、所定の積算回数である。例えば、自動変速機24で形成されている変速段の変速比γat(=Ni/No)が「28/29(≒0.9655)」である場合には、入力軸32が28回転すると出力軸34が29回転し、入力軸32が56回転すると出力軸34が58回転するので、所定の噛合比回数Nrの条件に「28」や「56」が合致する。このように所定の噛合比回数Nrは、自動変速機24で形成されている変速段の変速比(噛合ギヤ比)γatに基づいて定められる。本実施例では、所定の噛合比回数Nrを「28」として説明する。
検出誤差ERinは、回転周期Tin毎に同じ波形が繰り返される。検出誤差ERconv(=ERout×γat)は、回転周期Tout毎に同じ波形が繰り返される。したがって、差分DF(=ERin-ERout×γat+C1)は、「回転周期Tin×所定の噛合比回数Nr」の期間毎に同じ波形が繰り返される。
図4は、入力軸32の位相θinに含まれる検出誤差ERin及び出力軸34の位相θoutの換算位相θconvに含まれる検出誤差ERconvを、入力軸32の位相θinにおける位相値θx毎に、所定の噛合比回数Nrである28回分だけ重ね書きした結果を説明する図である。
前述したように、検出誤差ERinは、回転周期Tin毎に同じ波形が繰り返される。図4に示すように、入力軸32の位相θinにおける位相値θx毎に、検出誤差ERinが所定の噛合比回数Nrである28回分だけ重ね書きされた場合には、同一波形が繰り返し書き込まれることとなる。したがって、入力軸32の位相θinにおける位相値θx毎に検出誤差ERinが28回分だけ積算された場合には、検出誤差ERinは28倍の大きさとなる。
前述したように、検出誤差ERconvは、回転周期Tout毎に同じ波形が繰り返される。図4に示すように、入力軸32の位相θinにおける位相値θx毎に、検出誤差ERconv(=ERout×γat)が所定の噛合比回数Nrである28回分だけ重ね書きされた場合には、位相値θxの一周期(=回転周期Tinに対応した周期)に対して1/28ずつずれた波形が書き込まれることとなる。したがって、入力軸32の位相θinにおける位相値θx毎に、検出誤差ERconvが所定の噛合比回数Nrである28回分だけ積算された場合には、検出誤差ERconvは、28回分の波形のAC成分(=交流成分)が互いに打ち消し合って小さくされやすくDC成分C2のみとなりやすい。
図4を用いて説明したように、検出誤差ERinは、入力軸32の位相θinにおける位相値θxを独立変数とする関数で表され、検出誤差ERoutは、位相値θxと入力軸32の回転回数n(図3参照)とを独立変数とする関数で表される。また、検出誤差ERin及び検出誤差ERoutをそれぞれ含む入力軸32の位相θin及び出力軸34の位相θoutも、位相値θxや入力軸32の回転回数nを独立変数とする関数である。したがって、差分DFは、入力軸32の位相θinにおける位相値θxと、入力軸32の回転回数nと、を独立変数とする関数で表される。差分DF、入力軸32の位相θin、検出誤差ERin、出力軸34の位相θout、及び検出誤差ERoutが、位相値θxや入力軸32の回転回数nを独立変数とする関数であることを明確化すると、式(3)及び式(4)は、それぞれ式(5)及び式(6)で表される。
入力軸32の位相θinにおける位相値θx毎に所定の噛合比回数Nr(本実施例では28回)分だけ積算された差分DF(θx,n)については、式(7)及び式(8)が成立する。なお、式(8)における「Const」は、「DC成分C1が28回分積算されたもの」から「DC成分C2」が減算されたDC成分である。式(7)及び式(8)から式(9)が成立し、式(9)においてDC成分を除去すると、検出誤差ERin(θx){正確には、検出誤差ERin(θx)のAC成分}が算出される。
Figure 2022166749000004
図1に戻り、位相補正部94は、積算回数設定部94a、位相算出部94b、差分積算部94c、誤差算出部94d、誤差補正部94e、及び記憶部94fを機能的に備える。以下、差分DF、入力軸32の位相θin、検出誤差ERin、出力軸34の位相θout、及び検出誤差ERoutについて、位相値θxや入力軸32の回転回数nを独立変数とする関数であることを表示しなくても本発明の理解が可能である場合には、その表示を適宜省略する。
例えば、自動変速機24の変速段が固定された状態において、積算回数設定部94aは、所定の噛合比回数Nrを設定する。所定の噛合比回数Nrは、自動変速機24で形成されている変速段の変速比γatに基づいて算出される。
位相算出部94bは、前述したレゾルバ72の検出信号Vinを検出する検出回路や位相θinを表す信号を生成する信号処理回路、レゾルバ74の検出信号Voutを検出する検出回路や位相θoutを表す信号を生成する信号処理回路を用いて、レゾルバ72の検出信号Vinから入力軸32の位相θinを算出するとともに、レゾルバ74の検出信号Voutから出力軸34の位相θoutを算出する。
差分積算部94cは、位相算出部94bで算出された入力軸32の位相θin及び出力軸34の位相θoutと、自動変速機24で形成されている変速段の変速比γatと、に基づいて、差分DFを算出し、入力軸32の位相θinにおける位相値θx毎に差分DFを所定の噛合比回数Nr分だけ積算して記憶部94fに記憶する。なお、記憶部94fに記憶される積算された差分DFは離散値であり、例えば本実施例では、入力軸32の位相θinにおける10[度]間隔の位相値θx毎に積算された差分DFが記憶される。この離散値の間隔(位相値θxの間隔)は、元の波形を再現できる間隔(所謂サンプリング周波数に対応した間隔)に設定されている。
誤差算出部94dは、記憶部94fに記憶された位相値θx毎に積算された差分DFを所定の噛合比回数Nrで除し、且つ、その所定の噛合比回数Nrで除された差分DFに応じた波形からDC成分を除去することで、入力軸32の位相θinにおける位相値θx毎の検出誤差ERinを算出する。「その所定の噛合比回数Nrで除された差分DFに応じた波形」とは、位相値θx毎に所定の噛合比回数Nrで除された差分DFの各値(離散値)から再現される波形のことである。例えば、DC成分の除去は、ハイパスフィルタ処理である。
誤差補正部94eは、誤差算出部94dで算出された検出誤差ERinに基づいて、レゾルバ72で検出された入力軸32の位相θinの検出誤差ERinを補正する。「入力軸32の位相θinの検出誤差ERinを補正する」とは、レゾルバ72で検出された入力軸32の位相θin(=θin_t+ERin)から算出された検出誤差ERinを減算することで、レゾルバ72で検出された入力軸32の位相θinから誤差を除いて真に近い値を求めることである。なお、線形補間等によって、例えば表5に用意されていない位相値θxにおいても入力軸32の位相θinの検出誤差ERinの補正が実行される。
記憶部94fは、差分積算部94cにより入力軸32の位相θinの位相値θx毎に差分DFが所定の噛合比回数Nr分だけ積算されたデータを記憶したり、誤差算出部94dにおける検出誤差ERinの算出における演算処理中或いは演算結果のデータを記憶したりする。
図5は、図1に示す電子制御装置90の制御作動を説明するフローチャートの一例である。図6は、図5のフローチャートにおけるステップS40及びステップS60での演算結果の記憶に用いられる表の一例である。図5のフローチャートは、例えば所定の走行距離毎や所定の走行時間毎に、自動変速機24の変速段が固定された状態での走行中において実行される。
まず、積算回数設定部94aの機能に対応するステップS10において、所定の噛合比回数Nrが設定される。そしてステップS20が実行される。
位相算出部94bの機能に対応するステップS20において、入力軸32の位相θinが算出されるとともに、出力軸34の位相θoutが算出される。そしてステップS30が実行される。
差分積算部94cの機能に対応するステップS30において、差分DFが算出される。次に、差分積算部94cの機能に対応するステップS40において、入力軸32の位相θinの位相値θx毎(本実施例では、10[度]間隔の位相値θx毎)に差分DFが積算されて記憶部94fに記憶される。例えば、図6に示す表では、差分DF(0,1)~DF(350,Nr)がそれぞれ演算されて記憶され、積算値DFsum(0)~積算値DFsum(350)がそれぞれ積算されて記憶される。積算値DFsum(θx)は、位相値θxにおける差分DF(θx,n)をn=1からNrまで積算したものである。
差分積算部94cの機能に対応するステップS50において、差分DFが積算された回数がステップS10で設定された所定の噛合比回数Nrに到達したか否かが判定される。ステップS50の判定が肯定された場合には、ステップS60が実行され、ステップS50の判定が否定された場合には、ステップS20が再度実行される。
誤差算出部94dの機能に対応するステップS60において、記憶部94fに記憶された位相値θx毎に積算された差分DFが所定の噛合比回数Nrで除される。例えば、図6に示す表では、Nr回転の平均である{DFsum(0)/Nr}~{DFsum(350)/Nr}がそれぞれ演算されて記憶される。そして、誤差算出部94dの機能に対応するステップS70において、所定の噛合比回数Nrで除された位相値θx毎に積算された差分DFに応じた波形からDC成分が除去されて、入力軸32の位相θinにおける位相値θx毎の検出誤差ERinが算出される。
図5のフローチャートには記載されていないが、ステップS70で算出された検出誤差ERinに基づいて、レゾルバ72で検出された入力軸32の位相θinが補正される。
本実施例によれば、入力軸32と出力軸34とが自動変速機24で形成されている変速段の変速比γatに応じてそれぞれ回転する状態において、レゾルバ72で検出された入力軸32の位相θinとレゾルバ74で検出された出力軸34の位相θoutとがそれぞれ自動変速機24で形成されている変速段の変速比γatに応じて入力軸32における位相に換算された差分DF(=θin-θout×γat)に基づいて、入力軸32の位相θinの検出誤差ERinが補正される。入力軸32と出力軸34とが自動変速機24で形成されている変速段の変速比γatに応じてそれぞれ回転する状態であれば、それぞれ一定の回転速度で回転していない場合にも、レゾルバ72で検出された入力軸32の位相θinの検出誤差ERinの補正が可能であり、補正の頻度を増加させることができる。例えば、入力軸32と出力軸34とが自動変速機24で形成されている変速段の変速比γatに応じてそれぞれ回転する状態であれば、温度条件が変化しても頻繁に補正を行うことができるため、温度変化に対して追従性良く、レゾルバ72で検出された入力軸32の位相θinの検出誤差ERinを補正することができる。
本実施例によれば、検出誤差ERinは、入力軸32の位相θinにおける位相値θx毎に差分DFが所定の噛合比回数Nr分だけ積算され、積算された差分DFが所定の噛合比回数Nrで除されて算出される。差分DFが積算されない場合に比較して、差分DFが所定の噛合比回数Nr分だけ積算されてから平均化されることで単発的なノイズ成分が低減されてレゾルバ72で検出された入力軸32の位相θinの検出誤差ERinが補正されるので、入力軸32の位相θinの補正精度の向上が図られる。
本実施例によれば、検出誤差ERinは、所定の噛合比回数Nrで除して算出された差分DFに応じた波形からDC成分が除去されて算出される。DC成分が除去されない場合に比較して、DC成分が除去されることで検出誤差ERinにDC成分に応じたオフセット量が加わることが低減されてレゾルバ72で検出された入力軸32の位相θinの補正が行われるため、入力軸32の位相θinの補正精度の向上が図られる。
本実施例によれば、第2発明又は第3発明において、所定の噛合比回数Nrは、入力軸32の回転回数nが自然数となり且つ出力軸34の回転回数mが自然数となる場合における入力軸32の回転回数nである。これにより、積算された差分DFのうち、レゾルバ72で検出された補正対象の入力軸32の位相θinの検出誤差ERinの成分については、所定の噛合比回数Nr分の整数倍とされる一方、レゾルバ74で検出された非補正対象の出力軸34の位相θoutが入力軸32における位相に換算された換算位相θconv(=θout×γat)の検出誤差ERconv(=ERout×γat)の成分については、積算されたAC成分が互いに打ち消し合って小さくされやすくDC成分C2のみとなりやすい。そのため、レゾルバ72で検出された入力軸32の位相θinの検出誤差ERinを算出する際の演算が簡略化されるとともに、入力軸32の位相θinにおける検出誤差ERinの算出精度の向上が図られやすくなる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
前述の実施例では、入力軸32の位相θinと、変速比γatに応じて入力軸32の位相に換算した出力軸34の位相θoutと、の差分DF(=θin-θout×γat)に基づいて検出誤差ERinが補正されたが、例えば、出力軸34の位相θoutと、変速比γatに応じて入力軸32の位相θinが出力軸34の位相に換算された換算位相(=θin/γat)と、の差分DF(=θout-θin/γat)に基づいて検出誤差ERinが補正される態様であっても良い。この態様においても、前述の式(7)により検出誤差ERinが算出されることとなる。
前述の実施例では、本発明における「入力側回転部材」が自動変速機24の入力軸32であり、本発明における「出力側回転部材」が自動変速機24の出力軸34であったが、本発明はこの態様に限らない。例えば、入力側回転部材は、自動変速機24の入力軸32の回転速度に対して所定比の回転速度となる回転部材(例えば、ロックアップクラッチLUが係合状態である場合におけるエンジン連結軸30)であり、出力側回転部材は、自動変速機24の出力軸34の回転速度に対して所定比の回転速度となる回転部材である態様であっても良い。この態様では、所定の噛合比回数Nrは、入力側回転部材と出力側回転部材との回転速度比(ギヤ比)に基づいて定められる。
前述の実施例では、本発明における「一方の回転部材」が自動変速機24の入力軸32であり、本発明に「他方の回転部材」が自動変速機24の出力軸34であったが、本発明はこの態様に限らない。例えば、「一方の回転部材」が出力軸34であり且つ「他方の回転部材」が入力軸32である態様(すなわち、「第1レゾルバ」がレゾルバ74であり且つ「第2レゾルバ」がレゾルバ72である態様)であっても良い。この態様の場合には、レゾルバ74で検出された出力軸34の位相θoutと、レゾルバ72で検出された入力軸32の位相θinが出力軸34における位相に換算された換算位相(=θin/γat)と、の差分DF(=θout-θin/γat)に基づいて、出力軸34の位相θoutの検出誤差ERoutが補正される。具体的には、自動変速機24で形成されている変速段の変速比γatが「28/29(≒0.9655)」である場合には、所定の噛合比回数Nrが「29」とされ、出力軸34の位相θoutの位相値θy毎に差分DF(=θout-θin/γat)が29回分だけ積算され、その積算された差分DFが「29」で除され且つDC成分が除去されることで、出力軸34の位相θoutの位相値θy毎の検出誤差ERoutが算出される。これにより、出力軸34の位相θoutの検出誤差ERoutが補正される。出力軸34の位相θoutの位相値θy毎に29回分だけ重ね書きされた場合には、検出誤差ERoutは、同一波形が繰り返し書き込まれる一方、入力軸32の位相θinが出力軸34における位相に換算された換算位相(=θin/γat)の検出誤差(=ERin/γat)は、位相値θyの一周期(=回転周期Toutに対応した周期)に対して1/29ずつずれた波形が書き込まれるからである。
前述の実施例では、検出誤差ERinは、所定の噛合比回数Nrで除して算出された差分DFに応じた波形からDC成分が除去されて算出されたが、DC成分が除去されない態様であっても良い。DC成分が除去されない場合には、検出誤差ERinにDC成分に応じたオフセット量が加わるだけなので、入力軸32の補正された位相θinが相対的に移動するだけであり位相変化(回転位置の変化量)の検出は可能である。
前述の実施例では、差分DFを積算する回数である所定の積算回数は、入力軸32の回転回数nが自然数となり且つ出力軸34の回転回数mが自然数となる場合における入力軸32の回転回数nである所定の噛合比回数Nrであったが、これに限らない。例えば、自動変速機24で形成されている変速段の変速比γatが「28/29(≒0.9655)」である場合に、所定の積算回数が入力軸32の回転回数nは自然数となるが出力軸34の回転回数mが自然数とはならない場合における入力軸32の回転回数nである「27」である態様であっても良い。この態様では、検出誤差ERinは、入力軸32の回転周期Tin毎に同じ波形が27回繰り返されるため、検出誤差ERinは27倍の大きさとなる。一方、出力軸34の位相θoutが自動変速機24で形成されている変速段の変速比γatに応じて入力軸32における位相に換算された換算位相θconvの検出誤差ERconv(=ERout×γat)は、位相値θxの一周期(=回転周期Tinに対応した周期)に対して1/28ずつずれた波形が27回分書き込まれることとなり、所定の積算回数が1回である場合(すなわち積算しない場合)に比較して、検出誤差ERoutは、27回分の波形のAC成分が互いに打ち消し合ってAC成分が小さくされる。そのため、位相値θx毎に27回分だけ積算された差分DFを「27」で除し且つDC成分を除去することで、積算しない場合に比較して、入力軸32の位相θinにおける位相値θx毎の検出誤差ERinを精度良く算出することができる。
前述の実施例では、入力軸32の位相θin及び出力軸34の位相θoutがそれぞれ電子制御装置90の位相算出部94bで算出される態様であったが、例えば、検出信号Vin及び検出信号Voutから電子制御装置90とは別のマイクロコンピュータにおいて入力軸32の位相θin及び出力軸34の位相θoutがそれぞれ算出され、それら算出された位相θin及び位相θoutが電子制御装置90に入力される態様であっても良い。
前述の実施例では、本発明における「変速機」は、遊星歯車式の自動変速機であったが、この態様に限らない。本発明における「変速機」は、有段の変速機であれば良く、自動変速機であるか否かにかかわらず、どのような構成であっても構わない。また、車両10の構成も、走行用駆動力源がエンジン12のみである車両10に限らず、電気自動車やハイブリッド車両であっても良い。
なお、上述したのはあくまでも本発明の実施例であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
10:車両
24:自動変速機(変速機)
32:入力軸(入力側回転部材、一方の回転部材、一方の位相が検出された回転部材)
34:出力軸(出力側回転部材、他方の回転部材)
72:レゾルバ(第1レゾルバ)
74:レゾルバ(第2レゾルバ)
90:電子制御装置(制御装置)
DF:差分
ERin:検出誤差
m:回転回数(他方の回転部材の回転回数)
n:回転回数(一方の回転部材の回転回数)
Nr:所定の噛合比回数(所定の積算回数)
θin:位相(第1位相、一方の位相)
θout:位相(第2位相、他方の位相)
θx:位相値(一方の回転部材における位相値)
γat:変速比

Claims (4)

  1. 有段の変速機と、前記変速機における入力側回転部材及び出力側回転部材のうち一方の回転部材の位相である第1位相を検出する第1レゾルバと、前記変速機における入力側回転部材及び出力側回転部材のうち他方の回転部材の位相である第2位相を検出する第2レゾルバと、を備える車両の、制御装置において、
    前記一方の回転部材と前記他方の回転部材とが前記変速機で形成されている変速段の変速比に応じてそれぞれ回転する状態において、前記第1位相及び前記第2位相のうちの一方の位相と、前記変速比に応じて前記一方の位相が検出された回転部材の位相に換算した前記第1位相及び前記第2位相のうちの他方の位相と、の差分に基づいて、前記第1位相の検出誤差を補正する
    ことを特徴とする車両の制御装置。
  2. 前記第1位相の検出誤差は、前記一方の回転部材における位相値毎に前記差分を所定の積算回数分だけ積算し、積算した前記差分を前記所定の積算回数で除して算出する
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両の制御装置。
  3. 前記第1位相の検出誤差は、前記所定の積算回数で除して算出した前記差分に応じた波形からDC成分を除去して算出する
    ことを特徴とする請求項2に記載の車両の制御装置。
  4. 前記所定の積算回数は、前記一方の回転部材の回転回数が自然数となり且つ前記他方の回転部材の回転回数が自然数となる場合における前記一方の回転部材の回転回数である
    ことを特徴とする請求項2又は3に記載の車両の制御装置。
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