JP2022163278A - 電池製造方法および電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】中軽負荷での放電性能と重負荷での放電性能とのうちの一方を悪化させることなく、他方を向上させる。【解決手段】電池製造方法は、第1電解二酸化マンガンと第1黒鉛とを用いて第1造粒合剤を造粒すること(ステップS1~S9)と、第1電解二酸化マンガンと異なる第2電解二酸化マンガンと、第1黒鉛と異なる第2黒鉛とを用いて第2造粒合剤を造粒すること(ステップS11~S19)と、第1造粒合剤と第2造粒合剤とを混合することにより混合物を生成すること(ステップS20)と、混合物を正極に成型加工することとを備えている。【選択図】図2
Description
本開示の技術は、電池製造方法および電池に関する。
正極と負極とが電解液に浸漬されているアルカリ乾電池が知られている。正極は、二酸化マンガンMnO2と黒鉛Cとを含有する正極合剤が成形金型を用いて成型加工されることにより作製される。
アルカリ乾電池は、正極に特定の二酸化マンガンを使用したり、特定の黒鉛を使用したりすることにより、放電性能を向上させることができる(特許文献1、2)。しかしながら、アルカリ乾電池は、二酸化マンガンと黒鉛とに特定のものが使用されることにより、中軽負荷での放電性能を向上させると重負荷での放電性能が悪化し、重負荷での放電性能を向上させると中軽負荷での放電性能が悪化することがある。
開示の技術は、かかる点に鑑みてなされたものであって、中軽負荷での放電性能と重負荷での放電性能とのうちの一方を悪化させることなく、他方を向上させる電池製造方法および電池を提供することを目的とする。
本開示の一態様による電池製造方法は、第1電解二酸化マンガンと第1黒鉛とを用いて第1造粒合剤を造粒することと、前記第1電解二酸化マンガンと異なる第2電解二酸化マンガンと、前記第1黒鉛と異なる第2黒鉛とを用いて第2造粒合剤を造粒することと、前記第1造粒合剤と前記第2造粒合剤とが混合されることにより生成された混合物を正極に成型することとを備えている。
開示の電池製造方法および電池は、中軽負荷での放電性能と重負荷での放電性能とのうちの一方を悪化させることなく、他方を向上させることができる。
以下に、本願が開示する実施形態にかかる電池製造方法および電池について、図面を参照して説明する。なお、以下の記載により本開示の技術が限定されるものではない。また、以下の記載においては、同一の構成要素に同一の符号を付与し、重複する説明を省略する。
[実施形態の電池1]
実施形態の電池1は、いわゆるアルカリ電池であり、図1に示されているように、電池ケース2と正極3と負極5と集電棒6とセパレータ7とを備えている。図1は、実施形態の電池1を示す断面図である。電池ケース2は、正極缶11と負極端子板12と封口ガスケット14とを備えている。正極缶11は、金属に例示される導体から形成されている。正極缶11は、有底円筒形に形成され、側面部分15と底面部分16とを備えている。側面部分15は、円柱の側面に沿うように、屈曲した板から形成されている。底面部分16は、円柱の一方の底面に沿うように配置されている。底面部分16は、底面部分16の縁が底面部分16の一方の端に隣接するように、側面部分15に一体に繋がっている。
実施形態の電池1は、いわゆるアルカリ電池であり、図1に示されているように、電池ケース2と正極3と負極5と集電棒6とセパレータ7とを備えている。図1は、実施形態の電池1を示す断面図である。電池ケース2は、正極缶11と負極端子板12と封口ガスケット14とを備えている。正極缶11は、金属に例示される導体から形成されている。正極缶11は、有底円筒形に形成され、側面部分15と底面部分16とを備えている。側面部分15は、円柱の側面に沿うように、屈曲した板から形成されている。底面部分16は、円柱の一方の底面に沿うように配置されている。底面部分16は、底面部分16の縁が底面部分16の一方の端に隣接するように、側面部分15に一体に繋がっている。
底面部分16の中央には、正極端子部分17が形成されている。正極端子部分17は、正極缶11の内側から外側に向かって突出するように形成されている。正極缶11には、開口部18が形成されている。開口部18は、側面部分15のうちの円柱の他方の底面に対応する部位に形成されている。側面部分15には、ビーディング部21が形成されている。ビーディング部21は、側面部分15のうちの開口部18の近傍に形成されている。ビーディング部21は、側面部分15のうちの開口部18の近傍の一部の内径が小さくなるように、形成されている。
負極端子板12は、金属に例示される導体から形成され、概ね円板状に形成されている。負極端子板12は、正極缶11の開口部18を閉鎖するように、円柱の他方の底面に沿うように配置されている。電池ケース2の内部には、負極端子板12が開口部18を閉鎖することにより、正極缶11と負極端子板12とに囲まれる内部空間23が形成されている。
封口ガスケット14は、樹脂に例示される絶縁体から形成され、概ねリング状に形成されている。封口ガスケット14は、負極端子板12の縁を取り囲み、正極缶11の開口部18に配置されている。封口ガスケット14は、負極端子板12の縁と正極缶11とに挟まれ、負極端子板12の縁と正極缶11との間に形成される隙間を塞いでいる。負極端子板12は、封口ガスケット14が負極端子板12の縁と正極缶11とに挟まれることにより、封口ガスケット14を介して正極缶11に固定されている。負極端子板12は、封口ガスケット14が負極端子板12の縁と正極缶11とに挟まれることにより、封口ガスケット14を介して正極缶11から電気的に絶縁されている。
正極3は、正極作用物質とバインダーと水酸化カリウム水溶液とから形成され、中空円筒形に形成されている。正極作用物質は、二酸化マンガンMnO2と黒鉛Cとを含んでいる。バインダーは、たとえば、高分子化合物を含有し、粉体を互いに接着させて固形物に形成するものである。正極3は、電池ケース2の内部空間23に配置され、正極作用物質が正極缶11に電気的に接続されるように、正極缶11の側面部分15の内周面に密着している。負極5は、負極作用物質から形成され、ゲル状に形成されている。負極作用物質は、亜鉛合金粉と水酸化カリウム水溶液とを含んでいる。負極5は、電池ケース2の内部空間23のうちの正極3の内側に配置されている。
集電棒6は、導体から形成され、棒状に形成されている。集電棒6は、側面部分15が沿う円柱の中心軸に沿うように内部空間23に配置されている。集電棒6は、さらに、負極5の負極作用物質に電気的に接続されるように、負極5に埋設されている。集電棒6は、さらに、封口ガスケット14の中央を貫通している。集電棒6の一端は、集電棒6が負極端子板12に電気的に接続されるように、負極端子板12に接合されている。
セパレータ7は、ビニロンやパルプ等から形成されている。セパレータ7は、有底中空円筒形に形成され、側面部分25と底面部分26とを備えている。側面部分25は、内部空間23のうちの正極3と負極5との間に配置されている。底面部分26は、内部空間23のうちの負極5と正極缶11の底面部分16との間に配置されている。底面部分26は、内部空間23のうちの負極5が配置される領域が、内部空間23のうちの正極3と正極缶11とが配置される領域から隔てられるように、側面部分25に一体に繋がっている。セパレータ7は、このように配置されることにより、正極3と負極5とを隔て、負極5と正極缶11とを隔てている。負極5は、セパレータ7が正極3と負極5とを隔てていることにより、セパレータ7を介して正極3から電気的に絶縁され、セパレータ7が負極5と正極缶11とを隔てていることにより、セパレータ7を介して正極缶11から電気的に絶縁されている。電池1は、電解液をさらに備えている。電解液は、水酸化カリウムKOHを含有する水溶液から形成されている。電解液は、正極3と負極5とが電解液に浸漬されるように、内部空間23に配置され、セパレータ7に染み込み、正極3に染み込んでいる。
[実施形態の電池製造方法]
実施形態の電池製造方法は、電池1を製造する方法であり、正極合剤の作製と、正極の成型と、電池の組立とを備えている。図2は、実施形態の電池製造方法における正極合剤の作製を示すフローチャートである。正極合剤の作製では、2種類の電解二酸化マンガン(EMD)と2種類の黒鉛(Gr)とバインダーと電解液とが準備される。2種類の電解二酸化マンガンは、第1電解二酸化マンガンと第2電解二酸化マンガンとから形成されている。第1電解二酸化マンガンと第2電解二酸化マンガンとは、それぞれ、粉体から形成されている。第2電解二酸化マンガンの比表面積は、第2電解二酸化マンガンの比表面積より小さい。比表面積は、たとえば、BET式(Brunauer,Emmet and Teller’s equation)を用いるBET法で求めたBET比表面積を示し、マイクロメリティックス社製自動比表面積測定装置Gemini VII2390aにより測定される。または、第2電解二酸化マンガンの平均粒径は、第1電解二酸化マンガンの平均粒径より小さい。平均粒径は、たとえば、マイクロトラック社製HRA X-100により測定される。
実施形態の電池製造方法は、電池1を製造する方法であり、正極合剤の作製と、正極の成型と、電池の組立とを備えている。図2は、実施形態の電池製造方法における正極合剤の作製を示すフローチャートである。正極合剤の作製では、2種類の電解二酸化マンガン(EMD)と2種類の黒鉛(Gr)とバインダーと電解液とが準備される。2種類の電解二酸化マンガンは、第1電解二酸化マンガンと第2電解二酸化マンガンとから形成されている。第1電解二酸化マンガンと第2電解二酸化マンガンとは、それぞれ、粉体から形成されている。第2電解二酸化マンガンの比表面積は、第2電解二酸化マンガンの比表面積より小さい。比表面積は、たとえば、BET式(Brunauer,Emmet and Teller’s equation)を用いるBET法で求めたBET比表面積を示し、マイクロメリティックス社製自動比表面積測定装置Gemini VII2390aにより測定される。または、第2電解二酸化マンガンの平均粒径は、第1電解二酸化マンガンの平均粒径より小さい。平均粒径は、たとえば、マイクロトラック社製HRA X-100により測定される。
2種類の黒鉛は、第1黒鉛と第2黒鉛とから形成されている。第1黒鉛と第2黒鉛とは、それぞれ、粉体から形成されている。第2黒鉛の見掛密度は、第1黒鉛の見掛密度より大きい。見掛密度は、たとえば、JIS(Japanese Industrial Standards)規格JIS-Z-2504に規定される方法に準ずる方法により測定される。
第1電解二酸化マンガンからは、予め定められた量の第1電解二酸化マンガンが測り取られる(ステップS1)。第1黒鉛からは、予め定められた量の第1黒鉛が測り取られる(ステップS2)。バインダーからは、予め定められた量のバインダーが測り取られる(ステップS3)。その測り取られた第1電解二酸化マンガンと第1黒鉛とバインダーとは、乾式混合され(ステップS4)、その乾式混合により乾式混合物が生成される。
電解液からは、予め定められた量の電解液が測り取られる(ステップS5)。乾式混合物は、その測り取られた電解液が添加されて湿式混合され(ステップS6)、その湿式混合により湿式混合物が生成される。湿式混合物は、ロールプレス等で圧延され(ステップS7)、その圧延によりシート状の固形物が生成される。固形物は、粉砕されることにより造粒され(ステップS8)、その造粒により顆粒状の第1造粒合剤が生成される。第1造粒合剤は、篩い分けされ(ステップS9)、篩い分けにより第1篩い分け後造粒合剤が生成される。第1篩い分け後造粒合剤は、予め定められた細かい篩を通過しないで、予め定められた粗い篩を通過する粉体から形成されている。
第2電解二酸化マンガンからは、予め定められた量の第2電解二酸化マンガンが測り取られる(ステップS11)。第2黒鉛からは、予め定められた量の第2黒鉛が測り取られる(ステップS12)。バインダーからは、予め定められた量のバインダーが測り取られる(ステップS13)。その測り取られた第2電解二酸化マンガンと第2黒鉛とバインダーとは、乾式混合され(ステップS14)、その乾式混合により乾式混合物が生成される。
電解液からは、予め定められた量の電解液が測り取られる(ステップS15)。乾式混合物は、その測り取られた電解液が添加されて湿式混合され(ステップS16)、その湿式混合により湿式混合物が生成される。湿式混合物は、ロールプレス等で圧延され(ステップS17)、その圧延によりシート状の固形物が生成される。固形物は、粉砕されることにより造粒され(ステップS18)、その造粒により顆粒状の第2造粒合剤が生成される。第2造粒合剤は、篩い分けされ(ステップS19)、その篩い分けにより第2篩い分け後造粒合剤が生成される。第2篩い分け後造粒合剤は、予め定められた細かい篩を通過しないで、予め定められた粗い篩を通過する粉体から形成されている。
第1篩い分け後造粒合剤からは、予め定められた量の第1篩い分け後造粒合剤が測り取られ、第2篩い分け後造粒合剤からは、予め定められた量の第2篩い分け後造粒合剤が測り取られる。その測り取られた第1篩い分け後造粒合剤と第2篩い分け後造粒合剤とは、混合され(ステップS20)、その混合により正極合剤が生成される。正極の成型では、正極合剤の作製により作製された正極合剤が成型加工されることにより、正極3が作製される。その成型加工では、正極合剤が成形金型に流し込まれ、予め定められた成形圧が正極合剤に加えられた後に、作製された正極3が成形金型から取り出される。
電池の組立では、ビーディング部21が形成される前の正極缶11が準備され、セパレータ7が準備される。正極3は、正極3の外周面が正極缶11に内周面に接触するように、正極缶11の内部に挿入される。正極缶11は、正極3が正極缶11に挿入された後に、正極缶11の開口部18にビーディング部21が形成されるように、加工される。正極3は、正極缶11にビーディング部21が形成されることにより、正極缶11から抜け出ることが防止される。正極缶11にビーディング部21が形成された後に、セパレータ7が正極3の内側に挿入される。セパレータ7が正極3の内側に挿入された後に、電解液が正極3の内側に注入されてセパレータ7に染み込ませられる。このとき、電解液は、正極3にも染み込む。
電池の組立では、さらに、亜鉛合金粉と水酸化カリウム水溶液とを用いてゲル状の負極5が調製され、集電棒6と負極端子板12と封口ガスケット14とが準備される。負極5は、セパレータ7と正極3とに電解液が染み込んだ後に、セパレータ7の内側に注入される。負極5が注入された後に、負極端子板12に接合された集電棒6が負極5に埋め込まれるように、かつ、負極端子板12と封口ガスケット14とが開口部18を閉鎖するように、集電棒6と負極端子板12と封口ガスケット14とが正極缶11に取り付けられる。集電棒6と負極端子板12と封口ガスケット14とが正極缶11に取り付けられた後に、負極端子板12の縁と正極缶11との間に形成される隙間が封口ガスケット14により封止されるように、正極缶11の開口部18の近傍の部分がかしめられる。正極缶11がかしめられることにより、封口ガスケット14が変形し、集電棒6と負極端子板12と封口ガスケット14とが正極缶11に固定され、内部空間23が外部から密閉され、電池1が作製される。
[電池1の評価試験]
実施形態の電池1の効果を確認するために、複数の電池試料が作製され、複数の電池試料の各々に複数の評価試験が実行されている。表1は、複数の電池試料に対応する複数の作製条件と複数の評価結果とを示している。
実施形態の電池1の効果を確認するために、複数の電池試料が作製され、複数の電池試料の各々に複数の評価試験が実行されている。表1は、複数の電池試料に対応する複数の作製条件と複数の評価結果とを示している。
複数の電池試料は、比較例1の電池と比較例2の電池と比較例3の電池と実施例1の電池と実施例2の電池と実施例3の電池と実施例4の電池と実施例5の電池と実施例6の電池と実施例7の電池と実施例8の電池とを含んでいる。複数の電池試料の各々は、既述の電池製造方法に基づいて作製された複数の電池を含んでいる。
複数の電池試料は、作製条件が互いに異なるように、作製されている。作製条件は、第1比表面積と第1平均粒径と第1見掛密度と第2比表面積と第2平均粒径と第2見掛密度とにより示される。ある電池試料に対応する第1比表面積は、その電池試料の第1造粒合剤の調製で使用される第1電解二酸化マンガンの比表面積を示している。ある電池試料に対応する第1平均粒径は、その電池試料の第1造粒合剤の調製で使用される第1電解二酸化マンガンの平均粒径を示している。ある電池試料に対応する第1見掛密度は、その電池試料の第1造粒合剤の調製で使用される第1黒鉛の見掛密度を示している。ある電池試料に対応する第2比表面積は、その電池試料の第2造粒合剤の調製で使用される第2電解二酸化マンガンの比表面積を示している。ある電池試料に対応する第2平均粒径は、その電池試料の第2造粒合剤の調製で使用される第2電解二酸化マンガンの平均粒径を示している。ある電池試料に対応する第2見掛密度は、その電池試料の第2造粒合剤の調製で使用される第2黒鉛の見掛密度を示している。
複数の電池試料は、その作製条件が互いに異なること以外は、互いに同様に作製されている。すなわち、複数の電池試料は、さらに、正極合剤の作製で、第1造粒合剤の配合仕様と、第2造粒合剤の配合仕様と、正極合剤の配合仕様とが同一になるように、作製されている。第1造粒合剤の配合仕様は、第1造粒合剤に形成される第1電解二酸化マンガンと第1黒鉛とバインダーと電解液との量の比率を示している。第2造粒合剤の配合仕様は、第2造粒合剤に形成される第2電解二酸化マンガンと第2黒鉛とバインダーと電解液との量の比率を示している。正極合剤の配合仕様は、正極合剤に形成される第1造粒合剤と第2造粒合剤との量の比率を示している。
複数の電池試料は、さらに、正極3の成型加工で、電池サイズがLR6になるように、かつ、成形圧と正極高さとが同一になるように、正極3が作製されている。すなわち、正極3の成型加工では、成形加工された正極3の高さが正極高さに等しくなるように逆算された量の正極合剤が成形金型に流し込まれ、予め定められた成形圧が正極合剤に加えられた後に、作製された正極3が成形金型から取り出される。複数の電池試料は、さらに、電池の組立で、電池サイズがLR6になるように、集電棒6とセパレータ7と正極缶11と負極端子板12と封口ガスケット14とが作製されている。電池の組立では、さらに、電解液は、電解液がセパレータ7と正極3とに吸液される量だけ注液されている。
比較例1の電池の正極3は、1種類の電解二酸化マンガンと1種類の黒鉛とが使用されて調製された1種類の造粒合剤から作製されている。このため、比較例1の電解二酸化マンガンの第1比表面積は、その1種類の電解二酸化マンガンの比表面積を示し、35m2/gを示している。比較例1の電解二酸化マンガンの第1平均粒径は、その1種類の電解二酸化マンガンの平均粒径を示し、40μmを示している。比較例1の黒鉛の第1見掛密度は、その1種類の黒鉛の見掛密度を示し、0.08g/cm3を示している。言い換えると、比較例1の電池の第2造粒合剤は、比較例1の電池の第1造粒合剤と同様に形成されている。このとき、比較例1の電池の第2比表面積と第2平均粒径と第2見掛密度とは、比較例1の電池の第1比表面積と第1平均粒径と第1見掛密度とにそれぞれ等しい。
比較例2の電池の正極3は、1種類の電解二酸化マンガンと1種類の黒鉛とが使用されて調製された1種類の造粒合剤から作製されている。このため、比較例2の電解二酸化マンガンの第1比表面積は、その1種類の電解二酸化マンガンの比表面積を示し、27m2/gを示している。比較例2の電解二酸化マンガンの第1平均粒径は、その1種類の電解二酸化マンガンの平均粒径を示し、40μmを示している。比較例2の黒鉛の第1見掛密度は、その1種類の黒鉛の見掛密度を示し、0.08g/cm3を示している。言い換えると、比較例2の電池の第2造粒合剤は、比較例2の電池の第1造粒合剤と同様に形成されている。このとき、比較例2の第2電解二酸化マンガンの第2比表面積と第2平均粒径と第2見掛密度とは、比較例2の電池の第1比表面積と第1平均粒径と第1見掛密度とにそれぞれ等しい。
比較例3の電池の正極3は、1種類の電解二酸化マンガンと1種類の黒鉛とが使用されて調製された1種類の造粒合剤から作製されている。このため、比較例3の電解二酸化マンガンの第1比表面積は、その1種類の電解二酸化マンガンの比表面積を示し、27m2/gを示している。比較例3の電解二酸化マンガンの第1平均粒径は、その1種類の電解二酸化マンガンの平均粒径を示し、40μmを示している。比較例3の黒鉛の第1見掛密度は、その1種類の黒鉛の見掛密度を示し、0.02g/cm3を示している。言い換えると、比較例3の電池の第2造粒合剤は、比較例3の電池の第1造粒合剤と同様に形成されている。このとき、比較例3の電池の第2比表面積と第2平均粒径と第2見掛密度とは、比較例3の電池の第1比表面積と第1平均粒径と第1見掛密度とにそれぞれ等しい。
実施例1の電池の第1比表面積は、23m2/gを示している。実施例1の電池の第1平均粒径は、40μmを示している。実施例1の電池の第1見掛密度は、0.005g/cm3を示している。実施例1の電池の第2比表面積は、30m2/gを示している。実施例1の電池の第2平均粒径は、40μmを示している。実施例1の電池の第2見掛密度は、0.05g/cm3を示している。
実施例2の電池の第1比表面積は、25m2/gを示している。実施例2の電池の第1平均粒径は、40μmを示している。実施例2の電池の第1見掛密度は、0.01g/cm3を示している。実施例2の電池の第2比表面積は、33m2/gを示している。実施例2の電池の第2平均粒径は、40μmを示している。実施例2の電池の第2見掛密度は、0.06g/cm3を示している。
実施例3の電池の第1比表面積は、30m2/gを示している。実施例3の電池の第1平均粒径は、40μmを示している。実施例3の電池の第1見掛密度は、0.05g/cm3を示している。実施例3の電池の第2比表面積は、38m2/gを示している。実施例3の電池の第2平均粒径は、40μmを示している。実施例3の電池の第2見掛密度は、0.15g/cm3を示している。
実施例4の電池の第1比表面積は、33m2/gを示している。実施例4の電池の第1平均粒径は、40μmを示している。実施例4の電池の第1見掛密度は、0.06g/cm3を示している。実施例4の電池の第2比表面積は、40m2/gを示している。実施例4の電池の第2平均粒径は、40μmを示している。実施例4の電池の第2見掛密度は、0.2g/cm3を示している。
実施例5の電池の第1比表面積は、35m2/gを示している。実施例5の電池の第1平均粒径は、33μmを示している。実施例5の電池の第1見掛密度は、0.005g/cm3を示している。実施例5の電池の第2比表面積は、35m2/gを示している。実施例5の電池の第2平均粒径は、45μmを示している。実施例5の電池の第2見掛密度は、0.05g/cm3を示している。
実施例6の電池の第1比表面積は、35m2/gを示している。実施例6の電池の第1平均粒径は、35μmを示している。実施例6の電池の第1見掛密度は、0.01g/cm3を示している。実施例6の電池の第2比表面積は、35m2/gを示している。実施例6の電池の第2平均粒径は、46μmを示している。実施例6の電池の第2見掛密度は、0.06g/cm3を示している。
実施例7の電池の第1比表面積は、35m2/gを示している。実施例7の電池の第1平均粒径は、45μmを示している。実施例7の電池の第1見掛密度は、0.05g/cm3を示している。実施例7の電池の第2比表面積は、35m2/gを示している。実施例7の電池の第2平均粒径は、55μmを示している。実施例7の電池の第2見掛密度は、0.15g/cm3を示している。
実施例8の電池の第1比表面積は、35m2/gを示している。実施例8の電池の第1平均粒径は、46μmを示している。実施例8の電池の第1見掛密度は、0.06g/cm3を示している。実施例8の電池の第2比表面積は、35m2/gを示している。実施例8の電池の第2平均粒径は、58μmを示している。実施例8の電池の第2見掛密度は、0.2g/cm3を示している。
複数の評価結果は、複数の盛込み重量評価結果と複数の第1放電試験結果と複数の第2放電試験結果とを含んでいる。複数の盛込み重量は、複数の電池試料に対応している。複数の盛込み重量のうちのある電池試料に対応する盛込み重量は、その電池試料の正極3の重量を示し、その電池試料の正極3を比較例1の電池の正極3の重量で除算した値に100を乗算した値を示している。複数の盛込み重量は、盛込み重量の値が大きい電池試料ほど正極3に含まれる二酸化マンガンの量と黒鉛の量とが多いことを示し、盛込み重量の値が大きい電池試料ほど正極3の充填性が良好であることを示している。電池1は、正極3の充填性が良好である電池試料ほど正極3に染み込む電解液の量が小さく、正極3の電解液に対する吸液性が悪い。
複数の盛込み重量は、比較例2の電池の盛込み重量が比較例1の電池の盛込み重量より大きいことを示し、正極3に用いられる電解二酸化マンガンの比表面積が小さい電池ほど正極3の充填性がより良好であることを示している。複数の盛込み重量は、さらに、比較例2の電池の盛込み重量が比較例3の電池の盛込み重量より大きいことを示し、正極3に用いられる黒鉛の見掛密度が大きい電池ほど正極3の充填性がより良好であることを示している。
複数の盛込み重量は、さらに、実施例1~8の電池の正極3の充填性が、比較例3の電池の正極3の充填性に等しく、または、比較例3の電池の正極3の充填性より良好であることを示している。複数の盛込み重量は、さらに、実施例2~4、6~8の電池の正極3の充填性が、比較例1の電池の正極3の充填性より良好であることを示している。複数の盛込み重量は、さらに、実施例8の電池の正極3の充填性が、比較例2の電池の正極3の充填性より良好であることを示している。
複数の第1放電試験結果は、複数の電池試料に対応している。複数の第1放電試験結果のうちのある電池試料に対応する第1放電試験結果は、その電池試料に対して第1放電試験が実行されることにより導出された結果を示している。ある電池試料に対して実行される第1放電試験では、その電池試料の電池電圧が終止電圧0.9Vより小さくなるまで、1時間の放電期間が毎日設けられ、放電時間が導出される。1時間の放電期間では、その電池試料が100mAの定電流で放電されるように、その電池試料に負荷に電気的に接続される。1日のうちの1時間の放電期間を除く期間では、その電池試料が放電されないように、その電池試料が負荷から電気的に絶縁される。放電時間は、その電池試料の電池電圧が終止電圧0.9Vより小さくなる前に、その電池試料が放電していた時間を示している。複数の第1放電試験結果のうちのある電池試料に対応する第1放電試験結果は、その電池試料として作製された9つの電池の放電時間の平均を、比較例1の電池として作製された9つの電池の放電時間の平均で除算した値に100を乗算した値を示している。複数の第1放電試験結果は、第1放電試験結果が大きい電池試料ほど中軽負荷での放電性能が良好であることを示している。
複数の第1放電試験結果は、比較例2の電池の第1放電試験結果が比較例1の電池の第1放電試験結果より大きいことを示し、正極3に用いられる電解二酸化マンガンの比表面積が小さい電池ほど中軽負荷での放電性能がより良好であることを示している。複数の第1放電試験結果は、比較例2の電池の第1放電試験結果が比較例1の電池の第1放電試験結果より大きいことを示し、正極3に用いられる黒鉛の見掛密度が大きい電池ほど中軽負荷での放電性能がより良好であることを示している。
複数の第1放電試験結果は、実施例1~8の電池の第1放電試験結果が比較例3の電池の第1放電試験結果に等しく、または、比較例3の電池の第1放電試験結果より大きいことを示している。複数の第1放電試験結果は、さらに、実施例2~4、6~8の電池の第1放電試験結果が比較例1の電池の第1放電試験結果より大きいことを示している。複数の第1放電試験結果は、さらに、実施例7の電池の第1放電試験結果が比較例1~3の電池の第1放電試験結果より大きいことを示している。
また、複数の第1放電試験結果と複数の盛込み重量評価結果とは、正極3の充填性が良好である電池ほど中軽負荷での放電性能が良好であることを示している。
複数の第2放電試験結果は、複数の電池試料に対応している。複数の第2放電試験結果のうちのある電池試料に対応する第2放電試験結果は、その電池試料に対して第2放電試験が実行されることにより導出された結果を示している。ある電池試料に対して実行される第2放電試験では、その電池試料の電池電圧が終止電圧1.1Vより小さくなるまで、8時間の放電試験が毎日繰り返し実行され、放電時間が導出される。8時間の放電試験では、1時間の放電パターンが8回繰り返し実行される。1時間の放電パターンは、2分間の放電期間を含んでいる。2分間の放電時間では、その電池試料が750mAの定電流で連続的に放電されるように、その電池試料に負荷に電気的に接続される。第2放電試験が実行されている期間のうちの2分間の放電時間を除く休止期間では、その電池試料が放電されないように、その電池試料が負荷から電気的に絶縁される。放電時間は、その電池試料の電池電圧が終止電圧1.1Vより小さくなる前に、その電池試料が放電していた時間を示している。複数の第2放電試験結果のうちのある電池試料に対応する第2放電試験結果は、その電池試料として作製された9つの電池の放電時間の平均を、比較例1の電池として作製された9つの電池の放電時間の平均で除算した値に100を乗算した値を示している。複数の第2放電試験結果は、第2放電試験結果が大きい電池試料ほど重負荷での放電性能が良好であることを示している。
複数の第2放電試験結果は、比較例1の電池の第2放電試験結果が比較例2の電池の第2放電試験結果より大きいことを示し、正極3に用いられる電解二酸化マンガンの比表面積が大きい電池ほど重負荷での放電性能がより良好であることを示している。複数の第2放電試験結果は、比較例3の電池の第2放電試験結果が比較例2の電池の第2放電試験結果より大きいことを示し、正極3に用いられる黒鉛の見掛密度が小さい電池ほど重負荷での放電性能がより良好であることを示している。
複数の第1放電試験結果と複数の第2放電試験結果とは、比較例1の電池の中軽負荷での放電性能が比較例2の電池より良好であることを示しているものの、比較例1の電池の重負荷での放電性能が比較例2の電池より悪いことを示している。すなわち、複数の第1放電試験結果と複数の第2放電試験結果とは、第2造粒合剤が第1造粒合剤と同様に形成されているときに、電池の中軽負荷での放電性能を向上させると電池の重負荷での放電性能が悪化することがあることを示している。
複数の第1放電試験結果と複数の第2放電試験結果とは、さらに、比較例3の電池の重負荷での放電性能が比較例2の電池より良好であることを示しているものの、比較例3の電池の中軽負荷での放電性能が比較例2の電池より悪いことを示している。すなわち、複数の第1放電試験結果と複数の第2放電試験結果とは、第2造粒合剤が第1造粒合剤と同様に形成されているときに、電池の重負荷での放電性能を向上させると電池の中軽負荷での放電性能が悪化することがあることを示している。
複数の第1放電試験結果と複数の第2放電試験結果とは、さらに、実施例1~3の電池の中軽負荷での放電性能と重負荷での放電性能との両方が比較例3の電池より良好であることを示している。すなわち、複数の第1放電試験結果と複数の第2放電試験結果とは、第2比表面積が第1比表面積と異なり、第2見掛密度が第1見掛密度と異ななるときに、中軽負荷での放電性能を悪化させることなく、重負荷での放電性能を向上させることができることを示している。
複数の第1放電試験結果と複数の第2放電試験結果とは、さらに、実施例4の電池の中軽負荷での放電性能が比較例2の電池と等しく、実施例4の電池の重負荷での放電性能との両方が比較例2の電池より良好であることを示している。すなわち、複数の第1放電試験結果と複数の第2放電試験結果とは、第2比表面積が第1比表面積と異なり、第2見掛密度が第1見掛密度と異ななるときに、重負荷での放電性能を悪化させることなく、中軽負荷での放電性能を向上させることができることを示している。
複数の第1放電試験結果と複数の第2放電試験結果とは、さらに、実施例5~7の電池の中軽負荷での放電性能と重負荷での放電性能との両方が比較例3の電池より良好であることを示している。すなわち、複数の第1放電試験結果と複数の第2放電試験結果とは、第2平均粒径が第1平均粒径と異なり、第2見掛密度が第1見掛密度と異ななるときに、中軽負荷での放電性能を悪化させることなく、重負荷での放電性能を向上させることができることを示している。
複数の第1放電試験結果と複数の第2放電試験結果とは、さらに、実施例8の電池の中軽負荷での放電性能が比較例2の電池と等しく、実施例4の電池の重負荷での放電性能との両方が比較例2の電池より良好であることを示している。すなわち、複数の第1放電試験結果と複数の第2放電試験結果とは、第2平均粒径が第1平均粒径と異なり、第2見掛密度が第1見掛密度と異ななるときに、重負荷での放電性能を悪化させることなく、中軽負荷での放電性能を向上させることができることを示している。
複数の第1放電試験結果は、実施例1の電池の中軽負荷での放電性能が比較例1の電池の中軽負荷での放電性能より悪く、実施例2~4の電池の中軽負荷での放電性能が比較例1の電池の中軽負荷での放電性能より良好であることを示している。すなわち、複数の第1放電試験結果は、電解二酸化マンガンの比表面積が25m2/g以上であること、または、黒鉛の見掛密度が0.01g/cm3以上であることが、電池1の中軽負荷での放電性能の点で好ましいことを示している。
複数の第1放電試験結果は、実施例5の電池の中軽負荷での放電性能が比較例1の電池の中軽負荷での放電性能より悪く、実施例6~8の電池の中軽負荷での放電性能が比較例1の電池の中軽負荷での放電性能より良好であることを示している。すなわち、複数の第1放電試験結果は、電解二酸化マンガンの平均粒径が35μm以上であること、または、黒鉛の見掛密度が0.01g/cm3以上であることが、電池の中軽負荷での放電性能の点で好ましいことを示している。
複数の第1放電試験結果は、実施例4の電池の重負荷での放電性能が比較例1の電池の重負荷での放電性能より悪く、実施例1~3の電池の重負荷での放電性能が比較例1の電池の重負荷での放電性能より良好であることを示している。すなわち、複数の第1放電試験結果は、電解二酸化マンガンの比表面積が38m2/g以下であること、または、黒鉛の見掛密度が0.15g/cm3以下であることが、電池の重負荷での放電性能の点で好ましいことを示している。
複数の第1放電試験結果は、実施例8の電池の重負荷での放電性能が比較例1の電池の重負荷での放電性能より悪く、実施例5~7の電池の重負荷での放電性能が比較例1の電池の重負荷での放電性能より良好であることを示している。すなわち、複数の第1放電試験結果は、電解二酸化マンガンの平均粒径が55μm以下であること、または、黒鉛の見掛密度が0.15g/cm3以下であることが、電池の中軽負荷での放電性能の点で好ましいことを示している。
[実施形態の電池製造方法の効果]
実施形態の電池製造方法は、第1電解二酸化マンガンと第1黒鉛とを用いて第1造粒合剤を造粒することと、第1電解二酸化マンガンと異なる第2電解二酸化マンガンと、第1黒鉛と異なる第2黒鉛とを用いて第2造粒合剤を造粒することと、第1造粒合剤と第2造粒合剤とが混合されることにより生成された混合物を正極3に成型加工することとを備えている。実施形態の電池製造方法は、別途に作製された第1造粒合剤と第2造粒合剤との混合物から正極3が作製されていることにより、電池1の中軽負荷での放電性能と重負荷での放電性能とのうちの一方を悪化させることなく、他方を向上させることができる。
実施形態の電池製造方法は、第1電解二酸化マンガンと第1黒鉛とを用いて第1造粒合剤を造粒することと、第1電解二酸化マンガンと異なる第2電解二酸化マンガンと、第1黒鉛と異なる第2黒鉛とを用いて第2造粒合剤を造粒することと、第1造粒合剤と第2造粒合剤とが混合されることにより生成された混合物を正極3に成型加工することとを備えている。実施形態の電池製造方法は、別途に作製された第1造粒合剤と第2造粒合剤との混合物から正極3が作製されていることにより、電池1の中軽負荷での放電性能と重負荷での放電性能とのうちの一方を悪化させることなく、他方を向上させることができる。
また、実施形態の電池製造方法における第2電解二酸化マンガンの比表面積は、第1電解二酸化マンガンの比表面積より大きく、または、第2電解二酸化マンガンの平均粒径は、第1電解二酸化マンガンの平均粒径より大きい。このとき、第2黒鉛の見掛密度は、第1黒鉛の見掛密度より大きいことが好ましい。
また、実施形態の電池製造方法における第1電解二酸化マンガンの比表面積は、25m2/g以上であり、かつ、30m2/g以下である。第2電解二酸化マンガンの比表面積は、33m2/g以上であり、かつ、38m2/g以下である。実施形態の電池製造方法は、第1電解二酸化マンガンの比表面積が25m2/g以上であることにより、電池1の電池1の中軽負荷での放電性能の悪化をより抑制することができる。実施形態の電池製造方法は、第1電解二酸化マンガンの比表面積が38m2/g以下であることにより、電池1の重負荷での放電性能の悪化をより抑制することができる。
また、実施形態の電池製造方法における第1電解二酸化マンガンの平均粒径は、35μm以上であり、かつ、45μm以下である。第2電解二酸化マンガンの平均粒径は、46μm以上であり、かつ、55μm以下である。実施形態の電池製造方法は、第1電解二酸化マンガンの平均粒径が35μm以上であることにより、電池1の電池1の中軽負荷での放電性能の悪化をより抑制することができる。実施形態の電池製造方法は、第1電解二酸化マンガンの平均粒径が55μm以下であることにより、電池1の電池1の重負荷での放電性能の悪化をより抑制することができる。
また、実施形態の電池製造方法における第1黒鉛の見掛密度は、0.01g/cm3以上であり、かつ、0.05g/cm3以下である。第2黒鉛の見掛密度は、0.06g/cm3以上であり、かつ、0.15g/cm3以下である。実施形態の電池製造方法は、第1黒鉛の見掛密度が0.01g/cm3以上であることにより、電池1の電池1の中軽負荷での放電性能の悪化をより抑制することができる。実施形態の電池製造方法は、第1黒鉛の見掛密度が0.15g/cm3以下であることにより、電池1の電池1の重負荷での放電性能の悪化をより抑制することができる。
ところで、既述の実施形態の電池製造方法では、第1造粒合剤と第2造粒合剤とで電解二酸化マンガンの比表面積または平均粒径が異なり、黒鉛の見掛密度が異なっているが、電解二酸化マンガンまたは黒鉛の他のパラメータを異ならせてもよい。この場合でも、実施形態の電池製造方法は、別途に作製された第1造粒合剤と第2造粒合剤との混合物から正極3が作製されていることにより、電池1の中軽負荷での放電性能と重負荷での放電性能とのうちの一方を悪化させることなく、他方を向上させることができる。
以上、実施例を説明したが、前述した内容により実施例が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、実施例の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換及び変更のうち少なくとも1つを行うことができる。
1:電池
3:正極
5:負極
3:正極
5:負極
Claims (8)
- 第1電解二酸化マンガンと第1黒鉛とを用いて第1造粒合剤を造粒することと、
前記第1電解二酸化マンガンと異なる第2電解二酸化マンガンと、前記第1黒鉛と異なる第2黒鉛とを用いて第2造粒合剤を造粒することと、
前記第1造粒合剤と前記第2造粒合剤とが混合されることにより生成された混合物を正極に成型加工すること
とを備える電池製造方法。 - 前記第2電解二酸化マンガンの比表面積は、前記第1電解二酸化マンガンの比表面積より大きい
請求項1に記載の電池製造方法。 - 前記第1電解二酸化マンガンの比表面積は、25m2/g以上であり、かつ、30m2/g以下であり、
前記第2電解二酸化マンガンの比表面積は、33m2/g以上であり、かつ、38m2/g以下である
請求項2に記載の電池製造方法。 - 前記第2電解二酸化マンガンの平均粒径は、前記第1電解二酸化マンガンの平均粒径より大きい
請求項1に記載の電池製造方法。 - 前記第1電解二酸化マンガンの平均粒径は、35μm以上であり、かつ、45μm以下であり、
前記第2電解二酸化マンガンの平均粒径は、46μm以上であり、かつ、55μm以下である
請求項4に記載の電池製造方法。 - 前記第2黒鉛の見掛密度は、前記第1黒鉛の見掛密度より大きい
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の電池製造方法。 - 前記第1黒鉛の見掛密度は、0.01g/cm3以上であり、かつ、0.05g/cm3以下であり、
前記第2黒鉛の見掛密度は、0.06g/cm3以上であり、かつ、0.15g/cm3以下である
請求項6に記載の電池製造方法。 - 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の電池製造方法により作製された正極と、
負極と、
前記正極と前記負極とが浸漬される電解液
とを備える電池。
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