JP2022161311A - インクジェットインク及び画像記録方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】画質及び耐擦性に優れ、かつ、黄変耐性に優れる白色画像を記録できる、インクジェットインク及び画像記録方法を提供する。【解決手段】顔料(A)、有機溶剤(B)、重合性化合物(C)、及び重合開始剤(D)を含有し、顔料(A)が白色顔料を含み、顔料(A)中に占める白色顔料の割合が95質量%以上であり、重合性化合物(C)が、分子量800以上の重合性化合物である重合性オリゴマーを含み、重合性化合物(C)中に占める重合性オリゴマーの割合が30質量%以上であり、インクジェットインク中に占める有機溶剤(B)の割合が50質量%以上である、インクジェットインク、並びに、画像記録方法。【選択図】なし

Description

本開示は、インクジェットインク及び画像記録方法に関する。
画像記録方法の一種として、基材上にインクを付与し、付与されたインクに対し、紫外線等の活性エネルギー線を照射することによりインクを硬化させて画像を得る画像記録方法が知られている。
一方、インク中の顔料として、二酸化チタン等の白色顔料を用いたインクも検討されている。
例えば、特許文献1には、二酸化チタンを含有するインクであって、活性エネルギー線の照射によって硬化するインクが開示されている。
特開2020-203975公報
活性エネルギー線の照射によって硬化するインクは、画質及び耐擦性に優れた画像を記録できる点で有利である。活性エネルギー線の照射によって硬化するインクは、重合性化合物を含有する。
本発明者の検討により、白色顔料及び重合性化合物を含有するインクを、活性エネルギー線の照射によって硬化させて白色画像を記録した場合、記録された白色画像が、熱や光に曝された際に黄変する場合があることが判明した。この黄変は、白色画像に特有の問題であると考えられる。従って、上記白色画像に対し、黄変耐性(即ち、黄変しにくさ)が求められる場合があると考えられる。
本発明の一実施形態が解決しようとする課題は、画質及び耐擦性に優れ、かつ、黄変耐性に優れる白色画像を記録できる、インクジェットインク及び画像記録方法を提供することである。
本開示は、以下の態様を含む。
<1> 顔料(A)、有機溶剤(B)、重合性化合物(C)、及び重合開始剤(D)を含有し、
顔料(A)が白色顔料を含み、顔料(A)中に占める白色顔料の割合が95質量%以上であり、
重合性化合物(C)が、分子量800以上の重合性化合物である重合性オリゴマーを含み、重合性化合物(C)中に占める重合性オリゴマーの割合が30質量%以上であり、
インクジェットインク中に占める有機溶剤(B)の割合が50質量%以上である、
インクジェットインク。
<2> 白色顔料が、二酸化チタンを含む、<1>に記載のインクジェットインク。
<3> 白色顔料の体積平均粒子径が、250nm以上である、<1>又は<2>に記載のインクジェットインク。
<4> 重合性オリゴマーが、ウレタンアクリレートを含み、重合性オリゴマー中に占めるウレタンアクリレートの割合が、80質量%以上である、<1>~<3>のいずれか1つに記載のインクジェットインク。
<5> 白色顔料に対する重合性オリゴマーの含有質量比が、0.5~2.0である、<1>~<4>のいずれか1つに記載のインクジェットインク。
<6> 有機溶剤(B)が、沸点200℃以下の有機溶剤を含む、<1>~<5>のいずれか1つに記載のインクジェットインク。
<7> 基材上に、<1>~<6>のいずれか1つに記載のインクジェットインクを、インクジェット法によって付与するインク付与工程と、
基材上に付与されたインクジェットインクを、50℃以上の温度に加熱する加熱工程と、
加熱が施されたインクジェットインクに対し、活性エネルギー線を照射する照射工程と、
を含む、画像記録方法。
本発明の一実施形態によれば、画質及び耐擦性に優れ、かつ、黄変耐性に優れる白色画像を記録できる、インクジェットインク及び画像記録方法、インクジェットインク及び画像記録方法が提供される。
本開示において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本開示において、組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する上記複数の物質の合計量を意味する。
本開示中に段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよく、また、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において、「工程」との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
本開示において、好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
本開示において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート及びメタクリレートの両方を包含する概念であり、「(メタ)アクリロイル基」はアクリロイル基及びメタクリロイル基の両方を包含する概念であり、「(メタ)アクリル酸」はアクリル酸及びメタクリル酸の両方を包含する概念である。
本開示において、「画像」とは、インクを用いて形成される膜全般を意味し、「画像記録」とは、画像(即ち、膜)の形成を意味する。
また、本開示における「画像」の概念には、ソリッド画像(solid image)も包含される。
〔インクジェットインク〕
本開示のインクジェットインク(以下、単に「インク」ともいう)は、
顔料(A)、有機溶剤(B)、重合性化合物(C)、及び重合開始剤(D)を含有し、
顔料(A)が白色顔料を含み、顔料(A)中に占める白色顔料の割合が95質量%以上であり、
重合性化合物(C)が、分子量800以上の重合性化合物である重合性オリゴマーを含み、重合性化合物(C)中に占める重合性オリゴマーの割合が30質量%以上であり、
インク中に占める有機溶剤(B)の割合が50質量%以上である。
本開示のインクによれば、画質及び耐擦性に優れ、かつ、黄変耐性に優れる白色画像を記録できる。
詳細には、本開示のインクは、重合性化合物(C)及び重合開始剤(D)を含有することにより、活性エネルギー線の照射によって硬化する機能を発現する。かかる機能により画質及び耐擦性に優れた画像を記録する性能が確保される。
本開示のインクでは、顔料(A)中に占める白色顔料の割合が95質量%以上であることにより、白色画像の記録が可能となる。
更に、本開示のインクでは、黄変耐性に優れる白色画像を記録できる。即ち、記録される白色画像の黄変を抑制できる。黄変は、白色画像に特有の問題である。
黄変を抑制できる理由は明らかではないが、以下のように推測される。
白色画像の黄変は、インク中の重合性化合物に起因して発生すると考えられるが、特に、インク中の、分子量800未満の重合性化合物である重合性モノマーによる影響が大きいと考えられる(後述の[実施例]項中のインクA11及びA12(いずれも比較例)参照)。
そこで本発明者は、
(1)インク中の重合性モノマーの含有量を減らして相対的に重合性オリゴマーの含有量を増やすこと、具体的には、重合性化合物(C)中に占める重合性オリゴマー(即ち、分子量800以上の重合性化合物)の割合を30質量%以上とすること、及び、
(2)インク中の重合性化合物の含有量を減らすこと、具体的には、インク中に占める有機溶剤(B)の割合を50質量%以上とすること
により、画質及び耐擦性に優れた画像を記録できる性能(即ち、活性エネルギー線硬化側のインクとしての性能)を維持したまま、白色画像の黄変を効果的に抑制できることを見出した。
本開示のインクは、以上の知見に基づくものである。
以下、本開示のインクに含有され得る各成分について説明する。
<顔料(A)>
本開示のインクは、顔料(A)を含有する。
ここで、顔料(A)とは、インクに含有され得る全ての顔料を意味する。
本開示のインクでは、顔料(A)が白色顔料を含み、顔料(A)中に占める白色顔料の割合が95質量%以上である。即ち、本開示のインクは、実質的に、白色画像を記録するための白色インクとして機能する。
白色顔料としては、例えば、二酸化チタン(TiO)、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、シリカ、酸化亜鉛、硫化亜鉛、マイカ、タルク、パール等が挙げられる。
白色顔料の中でも、二酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、又は酸化亜鉛が好ましく、二酸化チタンがより好ましい。
顔料(A)に含まれ得る白色顔料は、1種のみであってもよいし2種以上であってもよい。
顔料(A)に含まれ得る白色顔料は、二酸化チタンを含むことが好ましい。
この場合、白色顔料の全量中に占める二酸化チタンの割合は、好ましくは50質量%~100質量%であり、より好ましくは60質量%~100質量%であり、更に好ましくは80質量%~100質量%である。
白色顔料の体積平均粒子径は、好ましくは150nm以上であり、より好ましくは200nm以上であり、更に好ましくは250nm以上である。
体積平均粒子径が150nm以上であると、耐擦性及び隠蔽性により優れた白色画像を記録できる。
ここで、隠蔽性とは、白色画像の性質の一つであって、その白色画像が記録される下地(例えば、基材、基材上に記録された有彩色の画像、等)をその白色画像によって覆い隠す性質を意味する。
白色顔料の体積平均粒子径の上限は、インクの吐出性をより向上させる観点から、好ましくは400nm以下であり、より好ましくは350nm以下であり、更に好ましくは300nm以下である。
本開示において、白色顔料の体積平均粒子径は、動的散乱法によって測定して得られた値を意味する。動的散乱法による白色顔料の体積平均粒子径の測定は、白色顔料を含有する試料(例えば、インクの原料である白色顔料分散液、インク、等)をトリプロピレングリコールモノメチルエーテルによって白色顔料の濃度が0.02質量%となるように希釈して得られた試料を用いて行う。
測定装置としては、例えば、ゼータサイザーナノZS(Malvern Panalyitical社製)が挙げられる。
顔料(A)は、顔料(A)中に占める白色顔料の割合が95質量%以上であることを満足する限り、白色顔料以外の顔料を含んでいてもよい。
白色顔料以外の顔料は、公知の顔料の中から適宜選択できる。
インク中における顔料(A)の含有量としては、インクの全量に対して、1質量%~20質量%が好ましく、3質量%~17質量%がより好ましく、5質量%~15質量%が更に好ましい。
インク中における白色顔料の含有量の好ましい範囲も、インク中における顔料(A)の含有量の好ましい範囲と同様である。但し、前述のとおり、顔料(A)は白色顔料以外の顔料を含んでもよいので、インク中における白色顔料の含有量と、インク中における顔料(A)の含有量と、が同じ値である必要はない。
本開示のインクは、顔料(A)を分散させる分散剤を含有してもよい。
分散剤として、好ましくは高分子分散剤が挙げられる。
高分子分散剤としては、例えば、ポリアミドアミン及びその塩、多価カルボン酸及びその塩、高分子量不飽和酸エステル、変性ポリウレタン、ポリエーテルエステル等が挙げられる。
高分子分散剤としては、市販品を使用してもよい。
高分子分散剤の市販品としては、例えば;
DISPERBYK-101、DISPERBYK-102、DISPERBYK-103、DISPERBYK-106、DISPERBYK-110、DISPERBYK-111、DISPERBYK-161、DISPERBYK-162、DISPERBYK-163、DISPERBYK-164、DISPERBYK-166、DISPERBYK-167、DISPERBYK-168、DISPERBYK-170、DISPERBYK-171、DISPERBYK-174、DISPERBYK-182(BYKケミー社製);
SOLSPERSE3000、SOLSPERSE5000、SOLSPERSE9000、SOLSPERSE12000、SOLSPERSE13240、SOLSPERSE13940、SOLSPERSE17000、SOLSPERSE22000、SOLSPERSE24000、SOLSPERSE26000、SOLSPERSE28000、SOLSPERSE32000、SOLSPERSE36000、SOLSPERSE39000、SOLSPERSE41000、SOLSPERSE71000(Lubrizol社製);
等が挙げられる。
顔料(A)を分散するための分散装置としては、公知の分散装置を用いることができ、例えば、ボールミル、サンドミル、ビーズミル、ロールミル、ジェットミル、ペイントシェイカー、アトライター、超音波分散機及びディスパーが挙げられる。
インク中、顔料(A)の含有量に対する分散剤の含有量の比率(すなわち、分散剤の含有量/顔料(A)の含有量)は、分散安定性の観点から、質量基準で0.01~1.0であることが好ましく、0.03~0.8であることがより好ましく、0.03~0.5であることが更に好ましく、0.03~0.3であることが更に好ましい。
インク中、白色顔料の含有量に対する分散剤の含有量の比率(すなわち、分散剤の含有量/白色顔料の含有量)の好ましい範囲も、分散剤の含有量/顔料(A)の含有量の好ましい範囲と同様である。但し、前述のとおり、顔料(A)は白色顔料以外の顔料を含んでもよいので、分散剤の含有量/白色顔料の含有量と、分散剤の含有量/顔料(A)の含有量と、が同じ値である必要はない。
<有機溶剤(B)>
本開示のインクは、有機溶剤(B)を含有する。
ここで、有機溶剤(B)とは、インクに含有され得る全ての有機溶剤を意味する。
本開示のインク中に占める有機溶剤(B)の割合(即ち、インクの全量に対する有機溶剤(B)の含有量)は、50質量%以上である。前述したとおり、インク中に占める有機溶剤(B)の割合が50質量%以上であることは、白色画像の黄変耐性向上(即ち、黄変抑制)に寄与する。
インク中に占める有機溶剤(B)の割合は、好ましくは55質量%以上であり、より好ましくは60質量%以上である。
インク中に占める有機溶剤(B)の割合の上限は、他の成分の量にもよるが、例えば、90質量%、80質量%等が挙げられる。
有機溶剤(B)に含まれる有機溶剤としては、特に制限されず、印刷産業において一般に使用されている任意の有機溶剤から選択できる。
有機溶剤(B)に含まれる有機溶剤は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
有機溶剤(B)としては、例えば、グリコールエーテル、アルコール、ケトン、エステル、ピロリドン、有機カーボネート、等が挙げられる。
グリコールエーテルとしては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、等が挙げられる。
ケトンとしては、例えば、メチルエチルケトン等が挙げられる。
エステルとしては、鎖状エステル、環状エステル(ラクトン)が挙げられる。
鎖状エステルとしては、例えば、酢酸3-メトキシブチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、が挙げられる。
環状エステル(ラクトン)としては、例えば、γ-ブチロラクトンが挙げられる。
ピロリドンとしては、例えば、N-メチル-2-ピロリドン等が挙げられる。
有機カーボネートとしては、例えば、炭酸プロピレン等が挙げられる。
有機溶剤(B)としては、グリコールエーテル、有機カーボネート、又はエステルが好ましく、ジエチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸3-メトキシブチル、又はγ-ブチロラクトンが好ましく、ジエチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、又は酢酸3-メトキシブチルが特に好ましい。
インクの粘度の適性化(及び、インクジェット用着色インクである場合の吐出安定性向上)の観点から、有機溶剤(B)中に占める、グリコールエーテル、有機カーボネート、及びエステルからなる群から選択される少なくとも1種の化合物の割合は、80質量%~100質量%(より好ましくは90質量%~100質量%、さらに好ましくは95質量%~100質量%)であることが好ましい。
有機溶剤(B)は、画質をより向上させる観点から、沸点200℃以下の有機溶剤を含むことが好ましい。
この場合、有機溶剤(B)中に占める沸点200℃以下の有機溶剤の割合は、好ましくは50質量%~100質量%であり、より好ましくは60質量%~100質量%であり、更に好ましくは80質量%~100質量%である。
本開示における沸点は、1気圧(101325Pa)下での沸点を意味する。
沸点200℃以下の有機溶剤としては、酢酸3-メトキシブチル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノ-ノルマル-ブチルエーテル等が好ましい。
沸点200℃以下の有機溶剤の沸点は、吐出安定性の観点から、75℃以上が好ましく、100℃以上がより好ましい。
<重合性化合物(C)>
本開示のインクは、重合性化合物(C)を含有する。
ここで、重合性化合物(C)とは、インクに含有され得る全ての重合性化合物を意味する。重合性化合物(C)を構成する重合性化合物は、1種のみであってもよいし2種以上であってもよい。
重合性化合物(C)を構成する重合性化合物(例えば、後述する、重合性オリゴマー及び重合性モノマー)としては、重合性基を含む化合物であれば特に制限はない。
重合性基としては、エチレン性不飽和基が好ましい。
エチレン性不飽和基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基、又はスチリル基が好ましく、(メタ)アクリロイル基又はビニル基がより好ましい。
(重合性オリゴマー)
本開示のインクにおける重合性化合物(C)は、分子量800以上の重合性化合物である重合性オリゴマーを少なくとも1種含む。
重合性化合物(C)中に占める重合性オリゴマーの割合(即ち、重合性化合物(C)に対する重合性オリゴマーの含有量)は、30質量%以上である。前述したとおり、重合性化合物(C)中に占める重合性オリゴマーの割合が30質量%以上であることは、白色画像の黄変耐性向上(即ち、黄変抑制)に寄与する。
重合性化合物(C)中に占める重合性オリゴマーの割合は、好ましくは40質量%以上であり、より好ましくは50質量%以上である。
重合性化合物(C)中に占める重合性オリゴマーの割合の上限は、好ましくは90質量%以下であり、より好ましくは80質量%以下であり、更に好ましは75質量%以下である。
また、本開示のインクにおける全固形分中に占める重合性オリゴマーの割合は、好ましくは20質量%以上であり、より好ましくは30質量%以上であり、更に好ましくは40質量%以上である。
本開示のインクにおける全固形分中に占める重合性オリゴマーの割合は、好ましくは90質量%以下であり、より好ましくは80質量%以下であり、更に好ましは75質量%以下である。
ここで、インクにおける全固形分とは、インクから溶剤(例えば有機溶剤(B))を除いた全成分を意味する。
また、本開示のインクにおける全量中に占める重合性オリゴマーの割合は、好ましくは3.0質量%以上であり、より好ましくは5.0質量%以上であり、更に好ましくは7.0質量%以上である。
本開示のインクにおける全量中に占める重合性オリゴマーの割合は、好ましくは40質量%以下であり、より好ましくは30質量%以下であり、更に好ましは20質量%以下である。
本開示のインクにおいて、白色顔料に対する重合性オリゴマーの含有質量比(以下、含有質量比〔重合性オリゴマー/白色顔料〕ともいう)は、好ましくは0.3~2.5であり、より好ましくは0.5~2.0である。
含有質量比〔重合性オリゴマー/白色顔料〕が0.3以上である場合、白色画像の耐擦性がより向上する。
含有質量比〔重合性オリゴマー/白色顔料〕が2.5以下である場合、白色画像の黄変耐性がより向上する(即ち、黄変がより抑制される)。
重合性オリゴマーは、分子量800以上の重合性化合物である。
重合性オリゴマーとしての重合性化合物の分子量は、好ましくは1000以上であり、より好ましくは1500以上であり、更に好ましくは2000以上である。
重合性オリゴマーとしての重合性化合物の分子量の上限は、好ましくは15000であり、より好ましくは10000であり、更に好ましくは7000である。
本開示において、重合性オリゴマーとしての分子量800以上の重合性化合物における分子量は、重合性化合物の構造に基づいて算出する。但し、上記重合性化合物が分子量分布を持つ場合の上記分子量としては、ゲル透過クロマトグラフ(GPC)によって測定された重量平均分子量(Mw)を採用する。
上記GPCは、HLC-8020GPC(東ソー(株)製)を用い、カラムとして、TSKgel(登録商標)、Super Multipore HZ-H(東ソー(株)製、4.6mmID×15cm)を3本用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いて行う。
また、GPCは、試料濃度を0.45質量%、流速を0.35ml/min、サンプル注入量を10μl、測定温度を40℃とし、示差屈折率(RI)検出器を用いて行なう。
検量線は、東ソー(株)製「標準試料TSK standard,polystyrene」:「F-40」、「F-20」、「F-4」、「F-1」、「A-5000」、「A-2500」、「A-1000」、「n-プロピルベンゼン」の8サンプルから作製する。
重合性オリゴマーとしては、(メタ)アクリレート化合物が好ましく、2官能~6官能の(メタ)アクリレート化合物が好ましく、2官能~4官能の(メタ)アクリレート化合物がより好ましく、2官能~3官能の(メタ)アクリレート化合物が更に好ましく、2官能の(メタ)アクリレート化合物が特に好ましい。
また、(メタ)アクリレート化合物としては、ウレタン(メタ)アクリレート、ビスフェノールAエポキシ(メタ)アクリレート、変性エポキシ(メタ)アクリレート、が好ましく、ウレタン(メタ)アクリレートが特に好ましい。
また、(メタ)アクリレート化合物としては、アクリレート化合物が好ましい。
重合性オリゴマーは、白色画像の黄変耐性をより向上させる観点から、ウレタンアクリレートを含むことが好ましい。
この場合、重合性オリゴマー中に占めるウレタンアクリレートの割合は、好ましくは50質量%以上であり、より好ましくは60質量%以上であり、更に好ましくは80質量%以上である。
重合性オリゴマーとしては、市販品を使用してもよい。
重合性オリゴマーの市販品としては、後述の実施例で使用したものが挙げられる。
後述の実施例で使用したもの以外でも、例えば;
サートマー社のCN996(2官能オリゴマー、ウレタンアクリレート、重量平均分子量(Mw)=2850);
新中村化学工業社製のUA-122P(2官能オリゴマー、ウレタンアクリレート、Mw=1100);
日本合成化学社製の、紫光UV-6630B(2官能オリゴマー、ウレタンアクリレート、Mw=3000)、紫光UV-3310B(2官能オリゴマー、ウレタンアクリレート、Mw=5000);
等も挙げられる。
(重合性モノマー)
本開示のインクにおける重合性化合物(C)は、分子量800未満の重合性化合物である重合性モノマーを少なくとも1種含んでもよい。
白色画像の黄変耐性をより向上させる、及び吐出安定性の観点から、
重合性化合物(C)中に占める重合性モノマーの割合は、好ましくは70質量%以下であり、より好ましくは60質量%以下であり、更に好ましくは40質量%以下である。
重合性化合物(C)中に占める重合性モノマーの割合は0質量%であってもよく、5質量%以上であってもよく、10質量%以上であってもよく、20質量%以上であってもよい。
重合性モノマーとしては、単官能の重合性モノマーであってもよいし、2官能の重合性モノマーであってもよいし、3官能以上の重合性モノマーであってもよいし、これらの重合性モノマーの2種以上であってもよい。
単官能の重合性モノマーとしては、例えば;
フェノキシエチルアクリレート(PEA)、環式TMPホルマールアクリレート(CTFA)、イソボルニルアクリレート(IBOA)、テトラヒドロフルフリルアクリレート(THFA)、2-(2-エトキシエトキシ)エチルアクリレート、オクタデシルアクリレート(ODA)、トリデシルアクリレート(TDA)、イソデシルアクリレート(IDA)、ラウリルアクリレート等の単官能(メタ)アクリレート;
トリエチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、1,4-シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、エチレングリコールモノビニルエーテル等のビニルエーテル;
N-ビニルカプロラクタム(NVC)、N-ビニルピロリドン(NVP)等のN-ビニルアミド;
N-アクリロイルモルホリン(ACMO)等のN-(メタ)アクリロイルアミン;
等が挙げられる。
2官能の重合性モノマーとしては、例えば、ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート(例えば、テトラエチレングリコールジアクリレート)、ジプロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、エトキシ化又はプロポキシ化グリコールジアクリレート(例えばプロポキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート)、等が挙げられる。
3官能以上の重合性モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリ(プロピレングリコール)トリアクリレート、ビス(ペンタエリスリトール)ヘキサアクリレート、エトキシ化又はプロポキシ化ポリオールポリアクリレート(例えばエトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート)、等が挙げられる。
<光重合開始剤>
本開示のインクは、光重合開始剤を少なくとも1種含有することが好ましい。
光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-(4-モルホリノフェニル)ブタン-1-オン、イソプロピルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6-ジメチルベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルホスフィンオキシド等のラジカル光重合開始剤が挙げられる。
これらのラジカル光重合開始剤は公知である。これらのラジカル光重合開始剤の市販品としては、IRGACURE(登録商標)、Darocur(登録商標)、LUCIRIN(登録商標)(以上、BASF社製)、Omnirad(IGM Resins B.V.社製)等が挙げられる。
本開示のインクにおける光重合開始剤の含有量は、インクの全量に対し、1質量%~20質量%が好ましく、1質量%~10質量%がより好ましい。
(界面活性剤)
本開示のインクは、界面活性剤を少なくとも1種含有してもよい。
界面活性剤としては、特開昭62-173463号公報、特開62-183457号公報に記載された界面活性剤が挙げられる。
界面活性剤としては、例えば、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類、シロキサン類等のノニオン性界面活性剤;アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤;等が挙げられる。
本開示のインクに含有され得る界面活性剤の含有量は適宜選択されるが、インクの全量に対し、0.0001質量%~1質量%が好ましく、0.01質量%~1質量%がより好ましい。
(重合禁止剤)
本開示のインクは、重合禁止剤を少なくとも1種含有してもよい。
重合禁止剤としては、p-メトキシフェノール、キノン類(例えば、ハイドロキノン、ベンゾキノン、メトキシベンゾキノン等)、フェノチアジン、カテコール類、アルキルフェノール類(例えば、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)等)、アルキルビスフェノール類、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸銅、ジブチルジチオカルバミン酸銅、サリチル酸銅、チオジプロピオン酸エステル類、メルカプトベンズイミダゾール、ホスファイト類、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシル(TEMPO)、2,2,6,6-テトラメチル-4-ヒドロキシピペリジン-1-オキシル(TEMPOL)、トリス(N-ニトロソ-N-フェニルヒドロキシルアミン)アルミニウム塩(別名:クペロンAl)などが挙げられる。
これらの中でも、p-メトキシフェノール、カテコール類、キノン類、アルキルフェノール類、TEMPO、TEMPOL、及びトリス(N-ニトロソ-N-フェニルヒドロキシルアミン)アルミニウム塩から選ばれる少なくとも1種が好ましく、p-メトキシフェノール、ハイドロキノン、ベンゾキノン、BHT、TEMPO、TEMPOL、及びトリス(N-ニトロソ-N-フェニルヒドロキシルアミン)アルミニウム塩から選ばれる少なくとも1種がより好ましい。
本開示のインクにおける重合禁止剤の含有量は適宜選択されるが、着色インクの全量に対し、0.0001質量%~1質量%が好ましく、0.01質量%~1質量%がより好ましい。
(その他の成分)
本開示のインクは、必要に応じて、上記以外のその他の成分を含有していてもよい。
その他の成分としては、例えば、樹脂、増感剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、褪色防止剤、導電性塩類、塩基性化合物等が挙げられる。その他の成分としては、例えば、国際公開第2017/169371号、国際公開第2017/104318号、国際公開第2019/087808号等の公知文献を適宜参照できる。
<物性>
本開示のインクの粘度は、0.5mPa・s~30mPa・sであることが好ましく、2mPa・s~20mPa・sであることがより好ましく、2mPa・s~15mPa・sであることが好ましく、3mPa・s~10mPa・sであることがさらに好ましい。粘度は、粘度計を用いて25℃で測定され、例えば、東機産業社製のTV-22型粘度計を用いて測定される。
本開示のインクの表面張力は、60mN/m以下であることが好ましく、20mN/m~50mN/mであることがより好ましく、25mN/m~45mN/mであることがさらに好ましい。表面張力は、表面張力計を用いて25℃で測定され、例えば、協和界面科学社製の自動表面張力計(製品名「CBVP-Z」)を用いて、プレート法によって測定される。
〔画像記録方法〕
本開示の画像記録方法は、
基材上に、本開示のインクをインクジェット法によって付与するインク付与工程と、
基材上に付与されたインクを、50℃以上の温度に加熱する加熱工程と、
加熱が施されたインクに対し、活性エネルギー線を照射する照射工程と、
を含む。
本開示の画像記録方法では、本開示のインクを用いるので、本開示のインクによる効果と同様の効果(即ち、画質及び耐擦性に優れ、かつ、黄変耐性に優れる白色画像を記録できるという効果)が奏される。
<インク付与工程>
インク付与工程では、基材上に、上記インクをインクジェット法によって付与する。
基材の種類は特に限定されず、例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等の金属の板)、プラスチックフィルム(例えば、ポリ塩化ビニル(PVC:Polyvinyl Chloride)樹脂、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート(PET:Polyethylene Terephthalate)、ポリエチレン(PE:Polyethylene)、ポリスチレン(PS:Polystyrene)、ポリプロピレン(PP:Polypropylene)、ポリカーボネート(PC:Polycarbonate)、ポリビニルアセタール、アクリル樹脂等のフィルム)、上述した金属がラミネートされ又は蒸着された紙、及び、上述した金属がラミネートされ又は蒸着されたプラスチックフィルムが挙げられる。
インクジェット法によるインクの付与方式(以下、インクジェット記録方式ともいう)は、画像を記録し得る方式であれば特に限定されず、公知の方式を用いることができる。インクジェット記録方式としては、例えば、静電誘引力を利用してインクを吐出させる電荷制御方式、ピエゾ素子の振動圧力を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式)、電気信号を音響ビームに変えインクに照射して放射圧を利用してインクを吐出させる音響インクジェット方式、及び、インクを加熱して気泡を形成し、生じた圧力を利用するサーマルインクジェット(バブルジェット(登録商標))方式が挙げられる。
本開示のインクは、有機溶剤を含有するため、インクの付与方式としては、ドロップオンデマンド方式が好ましい。
インクジェット記録方式に用いるインクジェットヘッドとしては、短尺のシリアルヘッドを用い、ヘッドを基材の幅方向に走査させながら記録を行なうシャトル方式と、基材の1辺の全域に対応して記録素子が配列されているラインヘッドを用いたライン方式とが挙げられる。
ライン方式では、記録素子の配列方向と交差する方向に基材を走査させることで基材の全面にパターン形成を行なうことができ、短尺ヘッドを走査するキャリッジ等の搬送系が不要となる。また、ライン方式では、キャリッジの移動と基材との複雑な走査制御が不要になり、基材だけが移動するので、シャトル方式と比べて記録速度の高速化が実現できる。
インクジェットヘッドから吐出されるインクの打滴量は、1pL(ピコリットル)~100pLであることが好ましく、3pL~80pLであることがより好ましく、3pL~50pLであることがさらに好ましい。
<加熱工程>
加熱工程では、基材上に付与されたインクを加熱する。これにより、基材上のインクを加熱乾燥させることができる。
ここで、インクの乾燥とは、インク中の溶剤(例えば、有機溶剤(B))の少なくとも一部を除去することを意味する。
本工程では、基材上に付与されたインクを、好ましくは50℃以上の温度に加熱する。加熱温度は、好ましくは50℃~100℃であり、より好ましくは50℃~90℃である。
また、加熱の時間としては、1秒以上が好ましく、5秒以上がより好ましく、8秒以上が特に好ましい。
加熱の時間の上限には特に制限はないが、上限としては、60秒が好ましく、30秒がより好ましく、20秒が特に好ましい。
<照射工程>
照射工程では、加熱工程で加熱が施されたインクに対し、活性エネルギー線を照射する。これにより、インクを硬化させることができ、耐擦性に優れた白色画像を得ることができる。
活性エネルギー線としては、α線、γ線、電子線、X線、紫外線、可視光、又は赤外光などが使用され得る。活性エネルギー線のピーク波長は、増感剤を用いる場合は増感剤の吸収特性にもよるが、例えば、200nm~600nmであることが好ましく、300nm~450nmであることがより好ましく、350nm~420nmであることが更に好ましい。
活性エネルギー線の照射エネルギーは、好ましくは10mJ/cm~10000mJ/cm、より好ましくは100mJ/cm~5000mJ/cmである。
活性エネルギー線源としては、水銀ランプ、メタルハライドランプ、ガスレーザー、固体レーザー、GaN系半導体紫外発光デバイス(発光ダイオード(LED)、レーザーダイオード(LD)等)などの一般的な活性エネルギー線源を特に制限無く用いることができる。
LEDの一例として、日亜化学(株)は、主放出スペクトルが365nmと420nmとの間の波長を有する紫色LEDを上市している。更に一層短い波長が必要とされる場合、LEDとして、米国特許第6,084,250号明細書に開示されている300nmと370nmとの間に波長の中心を有する活性エネルギー線を放出し得るLEDが例示できる。また、他の紫外LEDも、入手可能であり、異なる紫外線帯域の放射を照射することができる。
活性エネルギー線の照射時間は、好ましくは0.01秒~120秒、より好ましくは0.1秒~90秒である。
活性エネルギー線の照射の具体的な方式として、単尺のシリアルヘッドに活性エネルギー線照射装置を設け、ヘッドを被記録媒体の幅方向に走査させながら照射を行なうシャトル方式、被記録媒体の1辺の全域に対応して活性エネルギー線照射装置が配列されているシングルパス方式、等が挙げられる。
活性エネルギー線の照射条件並びに基本的な照射方法は、例えば特開昭60-132767号公報等の公知文献を参照してもよい。
加熱乾燥を行う場合、活性エネルギー線の照射は、加熱乾燥終了後、一定時間(好ましくは0.01秒~0.5秒、より好ましくは0.01秒~0.3秒、更に好ましくは0.01秒~0.15秒)をおいて行われることが好ましい。
更に、駆動を伴わない別光源によって着色インクの硬化を完了させてもよい。国際公開第99/54415号では、照射方法として、光ファイバーを用いた方法やコリメートされた光源をヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へ紫外光を照射する方法が開示されており、このような硬化方法もまた、本実施形態の画像形成方法に適用することができる。
以下、本開示の実施例を示すが、本開示は以下の実施例には限定されない。
「部」は、質量部を意味する。
〔インクジェットインクの調製〕
インクジェットインクとして、表1に示す組成のインクA1~A14をそれぞれ調製した。
詳細を以下に示す。
<分散物W1の調製>
下記組成中の成分を混合し、ビーズミルで3時間分散することにより、白色顔料分散物である分散物W1を得た。分散物W1中の二酸化チタンの体積平均粒子径(表1中では、単に「粒子径」とする)は、300nmであった。
-組成-
・KRONOS 2300(二酸化チタン粒子(白色顔料)、KRONOS社製)
… 50部
・SOLSPERSE 41000(顔料分散剤、ルーブリゾール社製)
… 3.53部
・NPGPODA(プロポキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート、重合性モノマー、Sartomer社製)
… 45.47部
・FIRSTCURE ST-1(ニトロソ系重合禁止剤、トリス(N-ニトロソ-N-フェニルヒドロキシルアミン)アルミニウム塩、アルベマール社製)
… 0.3部
<分散物W2の調製>
ビーズミルによる分散時間を5時間としたこと以外は分散物W1の調製と同様にして、分散物W2を焼成した。分散物W2中の二酸化チタンの体積平均粒子径(表1中では、単に「粒子径」とする)は、200nmであった。
<インクA1~A16の調製>
表1に示す組成中の各成分を混合し、インクA1~A16をそれぞれ調製した。
表1中、各成分の欄に示す数字は、インクの全量に対する質量%であり、空欄は、該当する成分を含有しないことを意味する。各インク中の二酸化チタンの体積平均粒子径は全て300nmであった。
表1に示す各成分の詳細は以下の通りである。
-重合性オリゴマー(分子量800以上の重合性化合物)-
・Genomer4215 … Rahn AG社製。ウレタンアクリレート(詳細には、2官能ウレタンアクリレート(分子量5000))。
・UV7630B … 日本合成化学(株)「紫光(登録商標)UV-7630B」。ウレタンアクリレート(詳細には、6官能ウレタンアクリレート(分子量2200))。
・Genomer4136 … Rahn AG社製。ウレタンアクリレート(詳細には、3官能ウレタンアクリレート(分子量4000))。
・Genomer4622 … Rahn AG社製。ウレタンアクリレート(詳細には、6官能ウレタンアクリレート(分子量915))
・Genomer2255 … Rahn AG社製。2官能の変性エポキシアクリレート(分子量850)。
・POLYESTER ACRYLATE 03-849 … Rahn AG社製。3官能ポリエステルアクリレート(分子量4100)
-重合性モノマー(分子量800未満の重合性化合物)-
・IBOA … イソボルニルアクリレート(分子量208)
・PEA … フェノキシエチルアクリレート(分子量192)
・NVC … N-ビニルカプロラクタム(分子量139)
・SR341 … Sartomer社製。3-メチル-1,5-ペンタンジオールジアクリレート(分子量226)。
・SR344 … Sartomer社製。ポリエチレングリコール(400)ジアクリレート(分子量508)
・NPGPODA … Sartomer社製。プロポキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート(分子量328)。
-重合開始剤-
・Omnirad 819 … IGM Resins B.V.社製の「Omnirad 819」(ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキサイド)
・Omnirad 2959 … IGM Resins B.V.社製の「Omnirad 2959」(1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン)
-重合禁止剤-
・UV22 … BASF社製の「IRGASTAB(登録商標) UV22」(Poly[oxy(methyl-1,2-ethanediyl)]-α,α',α”-1,2,3-propanetriyltris[-[(1-oxo-2-propen-1-yl)oxy]-2,6-bis(1,1-dimethylethyl)-4-(phenylenemethylene)cyclohexa-2,5-dien-1-one];ヒンダードフェノール系重合禁止剤)
-界面活性剤-
・BYK-331 … BYK Chemie社製の「BYK(登録商標) 331」(シリコーン系界面活性剤(ポリエーテル変性ポリシロキサン化合物))
-有機溶剤-
・ブトキシル … 酢酸3-メトキシブチル(沸点172℃)。
〔画像記録〕
画像記録装置としてインクジェットプリンター(製品名「DMP-2831プリンター」、FUJIFILM Dimatix社製)を用い、基材としてのビューフルPET188μm(KIMITO社製、ポチエチレンテレフタレートシート(厚さ188μm))上に、インクA1~A12のいずれか1つを付与し、付与されたインクを70℃で60秒間加熱乾燥させ、次いで、加熱乾燥されたインクに対し、UV(紫外線)照射装置(製品名「CSOT-40」、4kWメタルハライドランプ1灯、GS日本電池社製)によってUVを照射することによりインクを硬化させ、画像を得た。UVの照射エネルギーは、900mJ/cmとした。
この画像記録は、画像解像度1500dpi×1500dpi、及び、インク打滴量10pLの条件で行った。
画像としては、10cm×10cmのソリッド画像、及び、1ptのライン画像を記録した。
〔評価〕
得られた画像(即ち、ソリッド画像及びライン画像)について、以下の評価を実施した。
結果を表1に示す。
<画質>
ドットアナライザーDA6000(王子計測社製)を用い、1ptのライン画像のラジッドネスを測定し、下記評価基準に従い、画像の画質(ライン品質)を評価した。
以下の評価基準において、画質に最も優れるランクはAである。
-画質の評価基準-
A:ラジッドネスが4.0未満であった。
B:ラジッドネスが4.0以上6.0未満であった。
C:ラジッドネスが6.0以上であった。
<熱黄変耐性>
ソリッド画像が記録された基材を、100℃、1000時間保存した。
保存前後でのソリッド画像の黄色濃度を、FD-7(コニカミノルタ社製)によって測定し、保存前後での黄色濃度の上昇分ΔY(=保存後のソリッド画像の黄色濃度-保存前のソリッド画像の黄色濃度)を算出した。
得られたΔYに基づき、下記評価基準に従い、画像の熱黄変耐性(即ち、熱に曝された場合の黄変しにくさ)を評価した。
以下の評価基準において、熱黄変耐性(即ち、熱に曝された場合の黄変しにくさ)に最も優れるランクはAである。
-熱黄変耐性の評価基準-
A:ΔYが0である。
B:ΔYが0以上0.1未満である
C:ΔYが0.1以上である。
<光黄変耐性>
ソリッド画像に対し、低温サイクルキセノンウェザーメーターXL75(スガ試験機社製)により、10万Lux、1000時間の条件にて、UV照射を施した。
UV照射前後でのソリッド画像の黄色濃度を、FD-7(コニカミノルタ社製)によって測定し、測定し、UV照射前後での黄色濃度の上昇分ΔY(=UV照射後のソリッド画像の黄色濃度-UV照射前のソリッド画像の黄色濃度)を算出した。
得られたΔYに基づき、下記評価基準に従い、画像の熱黄変耐性(即ち、光に曝された場合の黄変しにくさ)を評価した。
以下の評価基準において、光黄変耐性(即ち、光に曝された場合の黄変しにくさ)に最も優れるランクはAである。
-光黄変耐性の評価基準-
A:ΔYが0である。
B:ΔYが0以上0.1未満である
C:ΔYが0.1以上である。
<耐擦性>
ソリッド画像に対して、500gの加重で100往復の学振型摩擦試験(以下、耐擦試験ともいう)を実施した。
耐擦試験前後のソリッド画像の隠蔽率を、それぞれ、Rhopoint Instruments社製ハンディ反射測定器 NOVO SHADE DUO+を用いて測定した。
各隠蔽率に基づき、隠蔽率差ΔC(耐擦試験後の隠蔽率-耐擦試験前の隠蔽率)を算出した。
以下の評価基準において、耐擦性に最も優れるランクはAである。
-耐擦性の評価基準-
A:ΔCが0である。
B:ΔCが0以上5以下である。
C:ΔCが10以上である。
Figure 2022161311000001
表1に示すように、顔料(A)、有機溶剤(B)、重合性化合物(C)、及び重合開始剤(D)を含有し、顔料(A)が白色顔料を含み、顔料(A)中に占める白色顔料の割合が95質量%以上であり、重合性化合物(C)が、分子量800以上の重合性化合物である重合性オリゴマーを含み、重合性化合物(C)中に占める重合性オリゴマーの割合が30質量%以上であり、インク中に占める有機溶剤(B)の割合が50質量%以上である、実施例のインクによれば、画質及び耐擦性に優れ、かつ、熱黄変耐性及び光黄変耐性に優れた白色画像を記録できた。
これに対し、インク中に占める有機溶剤(B)の割合が50質量%未満であるインクA13(比較例)では、熱黄変耐性及び光黄変耐性が低下した。
重合性化合物(C)中に占める重合性オリゴマーの割合が30質量%未満であるインクA14~A16(いずれも比較例)においても、熱黄変耐性及び光黄変耐性が低下した。
インクA1及びA11の対比において、重合性オリゴマー中に占めるウレタンアクリレートの割合が80質量%以上であるインクA1は、白色画像の熱黄変耐性及び光黄変耐性により優れていた。
インクA1、A7、及びA9の対比おいて、含有質量比〔重合性オリゴマー/白色顔料〕が0.5以上であるインクA1及びA9では、白色画像の耐擦性により優れていた。
インクA1、A6、及びA8の対比おいて、含有質量比〔重合性オリゴマー/白色顔料〕が2.0以下であるインクA1及びA8では、白色画像の熱黄変耐性及び光黄変耐性により優れていた。
インクA1及びA12の対比において、白色顔料の体積平均粒子径が250nm以上であるインクA1では、白色画像の耐擦性及び隠蔽性により優れていた。

Claims (7)

  1. 顔料(A)、有機溶剤(B)、重合性化合物(C)、及び重合開始剤(D)を含有し、
    前記顔料(A)が白色顔料を含み、前記顔料(A)中に占める前記白色顔料の割合が95質量%以上であり、
    前記重合性化合物(C)が、分子量800以上の重合性化合物である重合性オリゴマーを含み、前記重合性化合物(C)中に占める前記重合性オリゴマーの割合が30質量%以上であり、
    インクジェットインク中に占める前記有機溶剤(B)の割合が50質量%以上である、
    インクジェットインク。
  2. 前記白色顔料が、二酸化チタンを含む、請求項1に記載のインクジェットインク。
  3. 前記白色顔料の体積平均粒子径が、250nm以上である、請求項1又は請求項2に記載のインクジェットインク。
  4. 前記重合性オリゴマーが、ウレタンアクリレートを含み、前記重合性オリゴマー中に占めるウレタンアクリレートの割合が、80質量%以上である、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載のインクジェットインク。
  5. 前記白色顔料に対する前記重合性オリゴマーの含有質量比が、0.5~2.0である、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載のインクジェットインク。
  6. 前記有機溶剤(B)が、沸点200℃以下の有機溶剤を含む、請求項1~請求項5のいずれか1項に記載のインクジェットインク。
  7. 基材上に、請求項1~請求項6のいずれか1項に記載のインクジェットインクを、インクジェット法によって付与するインク付与工程と、
    前記基材上に付与された前記インクジェットインクを、50℃以上の温度に加熱する加熱工程と、
    前記加熱が施された前記インクジェットインクに対し、活性エネルギー線を照射する照射工程と、
    を含む、画像記録方法。
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