JP2022160872A - 固液分離装置及び汚泥処理装置及び固液分離装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、組立工数を低減できると共に調整作業を簡易化することが可能な固液分離装置、及びこの固液分離装置の組立方法、及びこの固液分離装置を用いた汚泥処理装置の提供を目的とする。
図1(a)において左右方向を示す矢印Xは固液分離装置1の長さ方向を、図1(a)において奥行き方向を、図1(b)において上下方向を示す矢印Yは固液分離装置1の幅方向を、図1(a)において上下方向を示す矢印Zは固液分離装置1の高さ方向をそれぞれ示している。以下、装置長さ方向X、装置幅方向Y、装置高さ方向Zという。
濾過体8の処理領域は、主に重力を利用した濃縮作用でフロック化された汚泥6から水分を除去する重力濃縮部と、加圧手段10により汚泥6を強制的に加圧して脱水を行う加圧脱水部とに分離されている。
濃縮ガイド9によって幅方向における濾過体8の中央部に向けて寄せられた汚泥6は、加圧手段10の加圧によって逆に中央部から側方へと延ばされ、これにより汚泥6には均一な加圧力がかかり易くなる。このように、濃縮ガイド9と加圧手段10との相互作用によって汚泥6の脱水効果が高められる。
前段プレート部8Aは、複数のプレートAを一体化した第1プレート群15と、プレートAよりも搬送方向長さが短い複数のプレートBを一体化した第2プレート群16とを有している。後段プレート部8Bは、プレートBよりも搬送方向長さが短い複数のCプレートを一体化した第3プレート群17と、Cプレートと同じ搬送方向長さを有する複数のプレートDを一体化した第4プレート群18とを有している。
ここで、各プレート群15,16,17,18のうち、第1プレート群15と第3プレート群17とが互いに一体的に構成され、第2プレート群16と第4プレート群18とが互いに一体的に構成されている。
図3において、第1プレート群15を構成する各プレートAと第2プレート群16を構成する各プレートBとは互いに噛み合うように構成されている。また、図示はしていないが同様に、第3プレート群17を構成する各プレートCと第4プレート群18を構成する各プレートDとは互いに噛み合うように構成されている。
上述したように、前段プレート部8Aと後段プレート部8Bとはそれぞれ独立して構成されている。このため、本実施形態で示すように各プレート部8A,8Bで用いられる各ギャップg1,g2に差異を持たせる場合には、前段プレート部8Aで用いられるスペーサ19の長さと後段プレート部8Bで用いられるスペーサ20の長さとを異ならせることにより、容易に各ギャップg1,g2を設定することができる。
本実施形態では、前段プレート部8Aのギャップg1に対して後段プレート部8Bのギャップg2が半分となるように構成されている。また、各プレート部8A,8B間の間隔Sは、処理対象物である汚泥6の搬送が搬送方向において滑らかに進行するように、できる限り小さく設定される。従って本実施形態における構成では、前段プレート部8Aが重力濃縮部を後段プレート部8Bが加圧脱水部をそれぞれ構成している。
各側板25,26には、下端部を互いに内方に向けて曲折して形成した底面25b,26bが形成されており、底面25,26b間には隙間31が設けられている。隙間31は、各プレート群16,18によって汚泥6から分離された水分が落下する空間として用いられる。また底面25b,26bには、第2プレートユニット28を後述する固定プレート51に対して固定するための取付穴25c,26cが、それぞれ4個ずつ形成されている。
各側板35,36には、下端部を互いに外方に向けて曲折して形成した底面35a,36aが形成されており、底面35a,36aには、第1プレートユニット27を筐体7に対して固定するための図示しない取付穴がそれぞれ2個ずつ形成されている。
また、第1プレートユニット27を構成する、第1プレート群15を構成する各プレートAと第3プレート群17を構成する各プレートCとは、それぞれの上面が一つの面をなすように側板35,36間に支持されている。同様に、第2プレートユニット28を構成する、第2プレート群16を構成する各プレートBと第4プレート群18を構成する各プレートDとは、それぞれの上面が一つの面をなすように側板25,26間に支持されている。
仕切板30によって区画される第2プレートユニット28の領域に対応して、第2プレートユニット28の下方に配置される筐体7の底面7aも仕切板32によって二つの領域に区画されている。底面7aに区画された各領域には、重力濃縮部すなわち前段プレート部8Aから落下して筐体7内に収容された処理水を排出する排出口33、及び加圧脱水部すなわち後段プレート部8Bから落下して筐体7内に収容された処理水を排出する排出口34がそれぞれ設けられている。
図5に示すように、駆動軸38よりも搬送方向上流側には、駆動軸38と平行に配置された従動軸41が設けられている。従動軸41は駆動軸38と同様に、筐体7の側板の外側に固定された軸受42,43によって回転自在に支持される。
駆動軸38及び従動軸41のモータ37側端部にはそれぞれプーリ44,45が固定されており、各プーリ44,45間には同期手段としての平ベルト46が掛け回されていて、モータ37の駆動力が従動軸41に伝達されるように構成されている。
用いられるボルト52としては、固定プレート51の厚みよりも大きい長さのものが用いられる。固定プレート51は各偏心カム49,50の回転に伴い上下動するため、回転駆動力を発生させるモータ37の負荷を小さくするために、その厚みは本実施形態において5~10mm程度に抑えられている。従って、用いられるボルト52の長さは15~25mm程度が望ましい。なお、固定プレート51の厚み及びボルト52の長さは上述した値に限定されず、固液分離装置1の仕様に応じてそれぞれ変更可能である。
図6は、駆動手段53が取り付けられた状態を示す筐体7の平面図である。同図において筐体7の側壁には、第1プレートユニット27を構成する各側板35,36の各底面35a,36aが取り付けられるブラケット状の取付部7bが4箇所設けられている。各取付部7bの筐体7の側壁に対する取付面には、図示しない長穴が設けられている。各取付部7bは、図示しないボルト及びナットによって、筐体7の側壁に対して図示しない長穴の範囲内でそれぞれ装置長さ方向Xに向けて位置調整可能に取り付けられる。また各取付部7bは、筐体7の側壁との間に図示しない板状のスペーサを設けることにより、それぞれ装置幅方向Yに向けて位置調整可能に取り付けられる。
各取付部7bには、各底面35a,36aに形成された図示しない取付穴と連通する取付穴7cがそれぞれ形成されており、第1プレートユニット27は各底面35a,36aを各取付部7b上に載置した状態で、図3に示すように、ボルト54及びナット55によって筐体7に対して締結固定される。
先ず、各ボルト52が各穴57aに挿通するように位置確認用部材57を筐体7に対して仮止めし、この状態で各ボルト54によって第1プレートユニット27を筐体7に対して仮止めする。このとき、各底面35a,36aに形成された取付穴と各取付部7bとの位置が合わない場合には、各取付部7bの位置が調整される。次に、位置確認用部材57を取り外して、筐体7に第1プレートユニット27と第2プレートユニット28とを取り付ける。これにより、駆動軸38及び従動軸41と第1プレートユニット27と第2プレートユニット28との相対位置が決定する。
これにより、各軸38,41が中心O2の周りに図8において反時計回り方向に回転すると、各偏心カム47,48の回転に伴い固定プレート51が回転運動を行い、固定側プレート群である第1プレートユニット27に対して可動側プレート群である第2プレートユニット28が平行運動を行う。ここでいう平行運動とは、第2プレートユニット28が、それぞれ前後方向及び左右方向に倒れ込むことなく水平面に対する上面(図2(b)に示す各プレートB,Dの上面)の角度が一定に維持された状態で、各偏心カム47,48の回転に伴い前後方向及び上下方向に第2プレートユニット28が第1プレートユニット27に対して相対的に移動することをいう。
その後、図9(c)に示すように、第2プレートユニット28上の汚泥6は、再び上昇することにより第2プレートユニット28と入れ替わった第1プレートユニット27の濾過面に受け渡される。この動作が繰り返し行われることにより、汚泥6は徐々に搬送方向下流側へと搬送される。第1プレートユニット27を構成する各プレートA,Cと第2プレートユニット28を構成する各プレートB,Dとは相対的に上下方向に変位するため、汚泥6を搬送する濾過面は駆動軸38及び従動軸41の1回転毎に新たな濾過面として現れることとなる。
第2プレートユニット28の平行運動が行われる前段プレート部8Aでは、主に重力を利用した濃縮作用により汚泥6から水分が除去されることから、水分の分離に伴う汚泥6からの固形分の流出が極めて少ない処理水を得ることができる。後段プレート部8Bでは、加圧手段10によって汚泥6が濾過体8の濾過面に圧接されるため、フロック化された汚泥6に抱き込まれた水分の流出が促される。
混和槽3において、凝集剤を添加された後に攪拌されてフロック化された汚泥6は、混和槽3からオーバーフローしつつ流出して濾過体8の前段プレート部8A上に到達する。 前段プレート部8A上に汚泥6が到達した時点でモータ37が作動しており、駆動軸38が図5において反時計回り方向に回転駆動され、この回転が平ベルト46を介して従動軸41に伝達されて、駆動軸38と同期して従動軸41が回転駆動される。この回転により、各偏心カム47,48が各軸38,41の中心O2を中心として図8において偏心回転し、第2プレートユニット28が平行運動を行う。
濾過工程により濾過体8上に残存した固形分である脱水ケーキ11は、各側板35,36間に固定されたシュータ12によって案内されつつ下方に落下して回収される。
上述した「特許文献1」に開示された従来の構成では、駆動軸及び従動軸に固定された偏心カムを回転自在に支持する偏心カム軸受が、可動側プレート群を支持する側板に直接取り付けられていた。このため各軸間の平行度を出すためには、一方の軸を側板に固定された偏心カム軸受に取り付けた後、他方の軸が支持された偏心カム軸受を作業者が手作業により微調整しながら取り付ける必要があり、組立工数が増加すると共に調整作業が困難であるという問題点があった。
また、平行運動を行い固定側プレート群である第1プレートユニット27に対して相対的に移動し、この移動により汚泥6の濾過脱水及び汚泥6の固形分の搬送を行う可動側プレート群としての第2プレートユニット28を、固定プレート51の所定の位置に取り付けることができる。
これにより、上述した従来の構成に比して、良好に動作することが可能な濾過体8の組立工数を大幅に低減できると共に、調整作業を簡易化することが可能な固液分離装置1を提供できる。
本実施形態では、この空間に加圧手段10を配置している。この構成により、汚泥6に対して加圧手段10による加圧を行うことができ、汚泥の重力のみによる濾過脱水に比して、加圧脱水を行うことで汚泥6からの水分の除去を効果的に行うことができる。
図10において、濾過体63は濾過体8と同様に、搬送方向下流側に向かうに連れて上面が上方に向かうように傾斜して設けられるが、図の複雑化を避けるため、濾過体63はその上面が搬送方向に向けて平行となるように示している。
図10において、第1プレート群を構成する各プレート64と第2プレート群を構成する各プレート65とは互いに噛み合うように構成されている。また、図示はしていないが同様に、第3プレート群を構成する各プレート66と第4プレート群を構成する各プレート67とは互いに噛み合うように構成されている。
各プレート65の両端部には下方に向けて延出形成された脚部65a,65bが設けられており、長尺ボルト70は各脚部65a,65bにそれぞれ挿通される。各脚部65a,65bは、装置長さ方向Xにおいて各脚部64a,64bと干渉しない位置にそれぞれ設けられている。
各プレート67の両端部には下方に向けて延出形成された脚部67a,67bが設けられており、長尺ボルト73は各脚部67a,67bにそれぞれ挿通される。各脚部67a,67bは、装置長さ方向Xにおいて各脚部66a,66bと干渉しない位置にそれぞれ設けられている。
第2の実施形態においても、前段プレート部のギャップに対して後段プレート部のギャップが半分となるように構成されており、各プレート部間の間隔もできる限り小さくなるように設定されている。本実施形態では、前段プレート部が重力濃縮部8Aと同様の重力濃縮部を、後段プレート部が重力脱水部をそれぞれ構成している。
また、第1プレートユニット76を構成する、第1プレート群を構成する各プレート64と第3プレート群を構成する各プレート66とは、それぞれの上面が一つの面をなすように側板74,75間に支持されている。同様に、第2プレートユニット77を構成する、第2プレート群を構成する各プレート65と第4プレート群を構成する各プレート67とは、それぞれの上面が一つの面をなすように側板78,79間に支持されている。
駆動軸81よりも搬送方向上流側には、駆動軸81と平行に配置された従動軸84が設けられている。従動軸84は駆動軸81と同様に、筐体60の側板の外側に固定された軸受85,86によって回転自在に支持される。
駆動軸81及び従動軸84のモータ80側端部にはそれぞれプーリ93,94が固定されており、各プーリ93,94間には同期手段としての平ベルト95が掛け回されていて、モータ80の駆動力が従動軸84に伝達されるように構成されている。
図12において筐体60の側壁には、第1プレートユニット76を構成する各側板74,75の各底面74a,75aがそれぞれ取り付けられるブラケット状の取付部60bが4箇所設けられている。各取付部60bは、上述した各取付部7bと同様に、筐体60に対して装置長さ方向X及び装置幅方向Yに向けて位置調整可能に取り付けられる。
各取付部60bには、各底面74a,75aに形成された図示しない取付穴と連通する取付穴60aがそれぞれ形成されており、第1プレートユニット76は各底面74a,75aを各取付部60b上に載置した状態で、図10に示すように、ボルト96及びナット97によって筐体60に対して締結固定される。
また、平行運動を行い固定側プレート群である第1プレートユニット76に対して相対的に移動し、この移動により汚泥6の濾過脱水及び汚泥6の固形分の搬送を行う可動側プレート群としての第2プレートユニット77を、固定プレート91の所定の位置に取り付けることができる。
これにより、上述した従来の構成に比して、良好に動作することが可能な濾過体63の組立工数を大幅に低減できると共に、調整作業を簡易化することが可能な固液分離装置61を提供できる。
この構成により、濾過体63によって処理される汚泥6が処理動作中に駆動手段99に掛かってしまうことを防止でき、汚泥6による駆動手段99の汚損及び破損を効果的に抑制することができる。
モータ37の駆動力は汚泥6の上下動にも用いられるため、汚泥6の重量による負荷は各プーリ44,45にも作用している。本実施形態では、平ベルト46及びプーリ44,45に代えて、同期手段としてチェーン及び歯車等を用いることもできるが、このような場合には上述の負荷によってチェーンがスリップし、歯車とチェーンとの噛み合いが変化してしまう場合がある。このような場合には、チェーンと歯車とは互いに正規の状態とは異なる状態で噛合したまま回転を続けるため、偏心カム47と偏心カム48との位相が変化してしまう場合がある。
この場合には、第2プレートユニット28は平行状態では移動されず、第2プレートユニット28やこれを支持する各側板部25,26に負荷が生じたり、あるいは第2プレートユニット28の平行移動が妨げられて汚泥6を搬送できなくなったりするという虞がある。
さらに、偏心カム47と偏心カム48とは同期して回転するため、力が伝達される順番こそ異なるものの、モータ37の駆動力は平ベルト46を介して伝達されても固定プレート51の運動を介して伝達されても、容易に偏心カム47と偏心カム48との間の同期を維持することができる。
このように、固定プレート51に加えてさらに平ベルト46及びプーリ44,45を用いることにより、平ベルト46がプーリ44に対してスリップしたとしても、容易に各偏心カム47,48間の同期を維持することができる。これにより、濾過体8に負荷がかかり第2プレートユニット28の平行運動が阻害された場合であっても、負荷が除去されれば第2プレートユニット28は自動的に平行運動を再度行うことができ、同期手段として平ベルト46を用いることにより、チェーン等を用いた場合に比して濾過効率を向上することができる。
そこで第1の実施形態の変形例として、図13に示すように、第2プレートユニット28の装置幅方向Yにおける中央部に、それぞれ可動側プレート支持部材として機能する補強板58及び補強ステー59を設けている。補強板58と補強ステー59とは互いにボルトで締結されて設けられており、第2プレートユニット28の装置幅方向Yの中央部にあるプレートBのうちの何れか1枚に代えて補強板58が用いられている。第2プレートユニット28は、補強板58及び補強ステー59を介して、その装置幅方向Yの中央部において固定プレート51に連結されている。
補強ステー59は、図13及び図15に示すようなL字形状を呈する板状部材であり、その底面59aにはボルト59bが貫通可能な穴部59cが2箇所形成されている。補強ステー59は、ボルト59bが固定プレート51に形成された図示しないタップに螺合することにより固定プレート51に固定される。補強ステー59の上部には貫通穴58bに対応して形成された貫通穴59dが形成されており、補強板58と補強ステー59とは各貫通穴58a,59dを貫通するボルト58cとこれに螺合するナット58dとによって固定される。
これにより、第2プレートユニット28の歪みによる濾過体8の動作停止を防止でき、第2プレートユニット28の平行運動を良好に行い効率のよい濾過工程を実施できる。
上述の変形例は、第2プレートユニット28を有する固液分離装置1について説明したが、第2プレートユニット77を有する固液分離装置61も同様に適用可能である。
この構成により、汚泥6中の異物からの水分の分離が各プレートの傾斜によって促進され、含水率が高い状態で異物が装置外へ排出されることを抑制できる。
図16は、固液分離装置1,61が適用可能な汚泥処理装置を示している。図16(a)において汚泥処理装置100は、処理対象物である畜産汚水からなる原水が生産される豚舎119から送られる原水の処理を行う。汚泥処理装置100は、原水槽101、異物除去装置102、濾液調整槽103、前処理装置104、流量調整槽105、曝気槽106、汚泥槽107、余剰汚泥処理装置108、汚水槽109等から構成されている。
上述の構成中、原水槽101、濾液調整槽103、流量調整槽105、汚泥槽107、汚水槽109は、それぞれ少なくとも一つのポンプと図示しない槽内攪拌用のスクリュとを備えており、曝気槽106は少なくとも二つのポンプと図示しない槽内攪拌用のスクリュとを備えている。
濾過体121は、濾過体8,63と同様に前段プレート部8A及び後段プレート部8Bを有していてもよいが、少なくとも前段プレート部8Aを有していればよい。供給部102aから排出された原水は原水槽101に戻され、濾過部102bで濾過された濾液は濾液調整槽103に送られる。
混和部104aは整流箱111を有しており、濾液調整槽103から送られた原水を整流すると共に、原水に凝集剤を添加して原水を半固形状であるフロック体となるようにフロック化させる。濾過脱水部104bは、濾過体8,63と同様に構成された濾過体112と、加圧手段10と同様に構成された加圧手段113とを有している。濾過脱水部104bは、原水のフロック体の外面に付着した水分を除去してフロック体を濃縮した後、濃縮された原水のフロック体をさらに加圧脱水する。前処理装置104により、一次濾過された原水中から汚泥が濃縮及び脱水されて形成された固形物である脱水ケーキ114が除去されると共に、SS(懸濁物質)分が約90%程度除去される。除去された脱水ケーキ114は堆肥化される。
混和部104aから排出された原水は濾液調整槽103に戻され、濾過脱水部104bで脱水された濾液は流量調整槽105に送られる。
この原水の負荷を小さくする手段として、原水に凝集剤を加えてフロック化させ、原水中のSS(懸濁物質)分を濃縮工程と脱水工程とを経て除去する方法がある。これを前処理脱水と呼ぶ。
BOD(生物化学的酸素要求量)とは、水中の有機物質を好気性微生物が分解するときに、水1リットル当たり何mgの酸素が必要かを表した数値である。水中の汚染物質が多ければ多いほど酸素をより多く消費するため、BODの値は大きくなる。
混和部108aは整流箱111と同様の整流箱115を、濾過脱水部108bは濾過体112と同様の濾過体116と加圧手段113と同様の加圧手段117をそれぞれ有している。余剰汚泥処理装置108により、汚泥化した原水中から脱水ケーキ118が除去されると共に、汚泥中からの水分が濾過脱水部108bにおいて99→85%程度に除去される。除去された脱水ケーキ118は、余剰汚泥として堆肥化される。
上述の構成により、豚舎119から放出された原水を、し渣110、脱水ケーキ114,118等の異物を除去した後に河川等に放流する汚泥処理装置100が形成される。このような汚泥処理装置100に用いられる前処理装置104及び余剰汚泥処理装置108として本発明の固液分離装置1,61を用いることにより、上述した実施形態で示した様々な作用効果を得ることができる。
また、混和槽3として機能させることなく、凝集剤を添加せずに原水を濾過脱水部2あるいは濾過部62に供給する構成とすれば、異物除去装置102として本発明の固液分離装置1,61を適用可能である。
本実施形態では、汚泥処理装置100が処理する処理対象物として、畜舎から発生する余剰汚泥等を含んだ畜産汚水である原水を示したが、処理対象物としてはこれに限られず、各種工場等の排水処理から発生する含油汚泥や下水処理から発生する余剰汚泥等を含んだ、水分あるいは水分と固形物とが混在したものであれば、どのようなものでもよい。
本発明の実施の形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を例示したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
2 濾過脱水部
6 処理対象物(汚泥)
10 加圧手段
11 固形物(脱水ケーキ)
27,76 固定側プレート群(第1プレートユニット)
28,77 可動側プレート群(第2プレートユニット)
38,81 駆動軸
41,84 従動軸
46,95 同期手段(平ベルト)
47,48,87,88 偏心カム
51,91 支持部材(固定プレート)
53,99 駆動手段
57 位置確認用部材
58 可動側プレート支持部材(補強板)
59 可動側プレート支持部材(補強ステー)
62 濾過部
64,65,66,67,A,B,C,D プレート
100 汚泥処理装置
101 原水槽
g1 プレートA-B間のギャップ
g2 プレートC-D間のギャップ
請求項10記載の発明は、請求項1ないし8の何れか一つに記載の固液分離装置の製造方法であって、前記固定側プレート群が装置本体に固定されると共に前記複数の軸がそれぞれ前記装置本体によって回転自在に支持され、前記固定側プレート群は前記装置本体に所定の取付位置で取り付けられ、前記複数の軸に取り付けられた前記複数の偏心カムは前記支持部材に所定の支持位置で支持され、前記濾過部の組立時において、位置確認用部材を用いて前記取付位置と前記支持位置とを位置合わせすることを特徴とする。
各側板25,26には、下端部を互いに内方に向けて曲折して形成した底面25b,26bが形成されており、底面25b,26b間には隙間31が設けられている。隙間31は、各プレート群16,18によって汚泥6から分離された水分が落下する空間として用いられる。また底面25b,26bには、第2プレートユニット28を後述する固定プレート51に対して固定するための取付穴25c,26cが、それぞれ4個ずつ形成されている。
そこで第1の実施形態の変形例として、図13に示すように、第2プレートユニット28の装置幅方向Yにおける中央部に、それぞれ可動側プレート支持部材として機能する補強板58及び補強ステー59を設けている。補強板58と補強ステー59とは互いにボルトで連結されて設けられており、第2プレートユニット28の装置幅方向Yの中央部にあるプレートBのうちの何れか1枚に代えて補強板58が用いられている。第2プレートユニット28は、補強板58及び補強ステー59を介して、その装置幅方向Yの中央部において固定プレート51に連結されている。
補強ステー59は、図13及び図15に示すようなL字形状を呈する板状部材であり、その底面59aにはボルト59bが貫通可能な穴部59cが2箇所形成されている。補強ステー59は、ボルト59bが固定プレート51に形成された図示しないタップに螺合することにより固定プレート51に固定される。補強ステー59の上部には貫通穴58cに対応して形成された貫通穴59dが形成されており、補強板58と補強ステー59とは各貫通穴58c,59dを貫通するボルト58eとこれに螺合するナット58dとによって固定される。
Claims (9)
- 複数のプレートがその厚み方向に一定の間隔で配置され一体的に構成された固定側プレート群と、
前記固定側プレート群を構成するプレートとは異なる複数のプレートがその厚み方向に一定の間隔で配置され一体的に構成された可動側プレート群と、
前記可動側プレート群を平行運動させる駆動手段とを有し、
前記固定側プレート群の各プレートと前記可動側プレート群の各プレートとが互いの前記間隔に入り込んで、固定側プレート群の各プレートと可動側プレート群の各プレートとの間にギャップを形成し、前記平行運動により前記ギャップから処理対象物の水分を落下させつつ、前記処理対象物から水分が落下した固形物を搬送方向下流側に向けて搬送する濾過部を備えた固液分離装置であって、
前記駆動手段は、
回転自在な複数の軸と、
前記複数の軸に取り付けられた複数の偏心カムと、
前記複数の偏心カムをそれぞれ回転自在に支持すると共に前記可動側プレート群を支持する支持部材とを有する固液分離装置。 - 請求項1記載の固液分離装置において、
前記支持部材は前記各プレート群の下方に配置されていることを特徴とする固液分離装置。 - 請求項2記載の固液分離装置において、
前記処理対象物を前記各プレート群に向けて上方から加圧する加圧手段を有することを特徴とする固液分離装置。 - 請求項1記載の固液分離装置において、
前記支持部材は前記各プレート群の上方に配置されていることを特徴とする固液分離装置。 - 請求項1ないし4の何れか一つに記載の固液分離装置において、
前記複数の軸間の回転位相を同期させる同期手段を有し、
前記同期手段は前記複数の軸に巻き掛けられた平ベルトであることを特徴とする固液分離装置。 - 請求項1ないし5の何れか一つに記載の固液分離装置において、
前記可動側プレート群の前記厚み方向における中央部を支持し、前記支持部材に支持された可動側プレート支持部材を有することを特徴とする固液分離装置。 - 請求項1ないし6の何れか一つに記載の固液分離装置において、
前記可動側プレート群と前記固定側プレート群とは、前記複数のプレートの上面がそれぞれ前記搬送方向下流側に向かうに連れて上方に向かうように傾斜していることを特徴とする固液分離装置。 - 請求項1ないし7の何れか一つに記載の固液分離装置の組立方法であって、
前記固定側プレート群が装置本体に固定されると共に前記複数の軸がそれぞれ前記装置本体によって回転自在に支持され、
前記固定側プレート群は前記装置本体に所定の取付位置で取り付けられ、
前記複数の軸に取り付けられた前記複数の偏心カムは前記支持部材に所定の支持位置で支持され、
前記濾過部の組立時において、位置確認用部材を用いて前記取付位置と前記支持位置とを位置合わせすることを特徴とする固液分離装置の組立方法。 - 請求項1ないし7の何れか一つに記載の固液分離装置、または請求項8記載の固液分離装置の組立方法によって組み立てられた固液分離装置と、
前記固液分離装置に前記処理対象物を供給する原水槽とを備え、
前記原水槽から供給された前記処理対象物を前記固液分離装置により濾過して固液分離処理を行うことを特徴とする汚泥処理装置。
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