以下、図面を参照して、本発明の結束機の実施の形態としての鉄筋結束機の一例について説明する。
<本実施の形態の鉄筋結束機の構成例>
図1は、本実施の形態の鉄筋結束機の一例を示す一の側面から見た全体構成図、図2は、本実施の形態の鉄筋結束機の一例を示す他の側面から見た全体構成図である。また、図3は、本実施の形態の鉄筋結束機の一例を示す斜視図、図4は、本実施の形態の鉄筋結束機の一例を示す要部分解斜視図である。
鉄筋結束機1は、ワイヤが巻かれたワイヤリール20を回転可能に収容するリール収容部2と、リール収容部2に収容されたワイヤリール20に巻かれたワイヤWを送るワイヤ送り部3を備える。また、鉄筋結束機1は、ワイヤ送り部3で送られるワイヤWをカールさせて鉄筋Sの周囲に巻くカール形成部4と、鉄筋Sに巻かれたワイヤWを捩じる結束部5を備える。更に、鉄筋結束機1は、ワイヤリール20の回転を規制する制動部6を備える。
鉄筋結束機1は、本体部10に対してハンドル部10aが突出する形態で設けられる。また、鉄筋結束機1は、ハンドル部10aを挟んで一方の側にカール形成部4が設けられ、他方の側にリール収容部2が設けられる。本出願の願書と共に提出された明細書、特許請求の範囲、要約書及び図面では、鉄筋結束機1の本体部10に対してハンドル部10aが設けられる側を下、ハンドル部10aと反対側を上とする。また、カール形成部4が設けられる側を前、リール収容部2が設けられる側を後と定義する。
リール収容部2は収容部の一例で、ワイヤリール20の着脱及び支持が可能に構成される。リール収容部2は、一方の側面を構成する側壁面22Lと、他方の側面を構成する側壁面22Rに囲われ、ワイヤリール20の全体または一部が入る大きさの空間を本体部10に設けて構成される。
リール収容部2は、一方の側壁面22Lから突出し、ワイヤリール20を回転可能に支持する支持軸23を備える。また、一方の側壁面22Lと対向する他方の側壁面22Rに、ワイヤリール20を回転可能に支持する図示しない支持軸を備える。支持軸23と図示しない支持軸の一方または両方は、ワイヤリール20をリール収容部2から着脱できるよう、リール収容部2内から退避させる構成を備える。
ワイヤ送り部3は、送り部材としての一対の送りギア30を備える。一対の送りギア30は、ワイヤWの送り経路を挟んで配置される。ワイヤ送り部3は、送りギア30を駆動する送りモータ31と、送りモータ31の回転を送りギア30に伝達するギア32を備える。ワイヤ送り部3は、ワイヤWが一対の送りギア30の間に挟持された状態で、送りギア30を回転させることで、ワイヤWをカール形成部4に向けて送る。
カール形成部4は、ワイヤ送り部3で送られるワイヤWに当接する図示しないガイド部を備え、ワイヤWの進行方向を規制する。カール形成部4は、ワイヤWの進行方向を規制することで、ワイヤWが鉄筋Sの周囲で略円を描くようにしてワイヤWに巻き癖を付けて、ワイヤWをカールさせる。
結束部5は、捩じりモータ51と、ギア52と、螺軸部53と、進退筒部54と、捩じり用フック55を備える。結束部5の駆動源としては、送りモータ31とは別駆動の捩じりモータ51が用いられる。
螺軸部53は、本体部10に対して回転可能に支持され、ギア52を介して伝達された捩じりモータ51の駆動力によって回転する。螺軸部53は、外周面にねじが形成され、進退筒部54は、内周面にねじが形成されることで、螺軸部53の外周面のねじが進退筒部54の内周面のねじに螺合している。
結束部5は、進退筒部54の回転が規制された状態で、捩じりモータ51の回転により螺軸部53が回転することで、進退筒部54が前後に移動するように構成される。また、螺軸部53と進退筒部54が一体的に回転するように結合することで、捩じりモータ51の回転による螺軸部53の回転により、進退筒部54が回転するように構成される。
捩じり用フック55は、進退筒部54の先端に取り付けられた一対の爪状部材である。捩じり用フック55は、公知の構造により進退筒部54の進退動作に合わせて開閉するように構成される。
図5A、図5Bは、本実施の形態の鉄筋結束機の制動部の一例を示す斜視図である。制動部6は、ワイヤリール20と係合可能なブレーキ本体部60を備える。また、制動部6は、ブレーキ本体部60を有したブレーキ部61と、ブレーキ部61を駆動するソレノイド62を備える。
ソレノイド62は、図示しないコイルに通電されることで直線方向に移動する可動部である可動鉄心63を備える。ブレーキ部61は、ブレーキ本体部60の回動動作の支点となる軸部64と、軸部64を支点にブレーキ本体部60を回動させる回動部65と、可動鉄心63の動きを回動部65に伝達する変換部66を備える。
図5A、図5B等に記載の制動部6は、ブレーキ本体部60と回動部65が軸部64で連結された構成である。このため、ソレノイド62の可動鉄心63の動きが変換部66で回動部65に伝達されることで、回動部65、軸部64及びブレーキ本体部60が、軸部64を支点として回動する。以下の説明は、この例に従う。なお、ブレーキ本体部60と回動部65を一体で構成し、この構造物を軸部に対して回動可能な構成としても良い。この場合、軸部は回動しなくても良い。
可動鉄心63は円柱状で、ソレノイド62に入出可能に挿入され、ソレノイド62の図示しないコイルが非通電の状態では自由に移動可能である。可動鉄心63は、ソレノイド62の図示しないコイルに通電されると、本例では、ソレノイド62に引き込まれる方向に移動する。
変換部66は板状で、一方の端部が連結部67で可動鉄心63と連結される。連結部67は、本例ではスプリングピンで構成される。スプリングピンは、弾性を有した鋼材を丸めて円柱状に成型した中空の部材で、径方向に弾性変形可能に構成される公知の部材である。
図6Aは、可動鉄心と変換部の連結構造の実施の形態の一例を示す断面図、図6Bは、可動鉄心と変換部の連結構造の実施の形態の一例を示す図6AのA-A線断面図である。
可動鉄心63の実施の形態である可動鉄心63Aは、図5A、図5Bに示すソレノイド62から突出する一方の端部に、変換部66Aが入る凹部63Faを備える。また、可動鉄心63Aは、凹部63Faの両側に凸部63Gaを備える。更に、可動鉄心63Aは、凸部63Gaを貫通する開口63Haを備える。開口63Haは、スプリングピンである連結部67が圧入可能な直径を有し、一方の凸部63Gaから凹部63Faを通り、他方の凸部63Gaまで直線状に貫通する。
変換部66の実施の形態である変換部66Aは第1部の一例で、一方の端部に開口66Haを備える。開口66Haは、連結部67の直径より大きな直径を有して変換部66Aを厚さ方向に貫通する。
ブレーキ部61の実施の形態であるブレーキ部61Aは、連結部67と変換部66Aとの間に緩衝部7Aを備える。緩衝部7Aは、ゴム、ウレタン等の弾性体、弾性変形可能な樹脂、弾性変形可能な非鉄金属等で構成される。緩衝部7Aは、外形が変換部66Aの開口66Haに嵌る形状、内形が連結部67に嵌る形状で構成される。
ブレーキ部61Aは、変換部66Aの開口66Haに緩衝部7Aが入れられ、可動鉄心63Aの凹部63Faに変換部66Aが入れられる。そして、緩衝部7Aに連結部67を通して、可動鉄心63Aの開口63Haに連結部67が圧入される。これにより、変換部66Aは、連結部67を支点として可動鉄心63Aに対して回動可能である。
図7Aは、可動鉄心と変換部の連結構造の実施の形態の他の例を示す断面図、図7Bは、可動鉄心と変換部の連結構造の実施の形態の他の例を示す図7AのB-B線断面図である。
可動鉄心63の実施の形態である可動鉄心63Bは、図5A、図5Bに示すソレノイド62から突出する一方の端部に、変換部66Bが入る凹部63Fbを備える。また、可動鉄心63Bは、凹部63Fbの両側に凸部63Gbを備える。更に、可動鉄心63Bは、凸部63Gbを貫通する開口63Hbを備える。開口63Hbは、スプリングピンである連結部67の直径より大きな直径を有し、一方の凸部63Gbから凹部63Fbを通り、他方の凸部63Gbまで直線状に貫通する。
変換部66の実施の形態である変換部66Bは、一方の端部に開口66Hbを備える。開口66Hbは、連結部67が圧入可能な直径を有して変換部66Bを厚さ方向に貫通する。
ブレーキ部61の実施の形態であるブレーキ部61Bは、連結部67と可動鉄心63Bとの間に緩衝部7Bを備える。緩衝部7Bは、ゴム、ウレタン等の弾性体、弾性変形可能な樹脂、弾性変形可能な非鉄金属等で構成される。緩衝部7Bは、外形が可動鉄心63Bの開口63Hbに嵌る形状、内形が連結部67に嵌る形状で構成される。
ブレーキ部61Bは、可動鉄心63Bの一方の凸部63Gbの開口63Hbと、他方の凸部63Gbの開口63Hbのそれぞれに緩衝部7Bが入れられ、可動鉄心63Bの凹部63Fbに変換部66Bが入れられる。そして、緩衝部7Bに連結部67を通して、変換部66Bの開口66Hbに連結部67が圧入される。これにより、変換部66Bは、連結部67を支点として可動鉄心63Bに対して回動可能である。
図5A、図5Bに戻り、変換部66と回動部65の連結機構について説明する。変換部66は、他方の端部が連結部68で回動部65と連結される。連結部68は、本例では、段付きピン68pとEリング68eで構成される。段付きピン68pは、円柱状の軸部の一方に、軸部より径が大きなフランジ部が設けられ、軸部の他方に、Eリング68eが嵌る溝が形成された公知の部材である。段付きピン68pは、回動部65の一方の端部に設けた図示しない開口と、変換部66の他方の端部に設けた図示しない開口に通され、Eリング68eが嵌められる。これにより、変換部66は、連結部68を支点として回動部65に対して回動可能である。
回動部65は、上述したように、一方の端部に連結部68を支点として変換部66が回動可能に連結される。また、回動部65は、他方の端部が連結部69で軸部64と連結される。連結部69は、本例ではスプリングピンで構成される。
図8は、回動部と軸部の連結構造の実施の形態の一例を示す断面図である。回動部65の実施の形態である回動部65Aは、軸部64Aが入る孔部65Ha1を備える。孔部65Ha1は、軸部64Aの直径と同等の直径を有する。また、回動部65Aは、連結部69が入る開口65Ha2を備える。開口65Ha2は、スプリングピンである連結部69の直径より大きな直径を有し、孔部65Ha1と交差する方向に貫通する。
軸部64の実施の形態である軸部64Aは、連結部69が入る開口64Haを備える。開口64Haは、連結部69が圧入可能な直径を有して軸部64Aを貫通する。
ブレーキ部61の実施の形態であるブレーキ部61Cは、連結部69と回動部65Aとの間に緩衝部7Cを備える。緩衝部7Cは、ゴム、ウレタン等の弾性体、弾性変形可能な樹脂、弾性変形可能な非鉄金属等で構成される。緩衝部7Cは、外形が回動部65Aの開口65Ha2に嵌る形状、内形が連結部69に嵌る形状で構成される。
ブレーキ部61Cは、回動部65Aの開口65Ha2に緩衝部7Cが入れられ、回動部65Aの孔部65Ha1に軸部64Aが入れられる。そして、緩衝部7Cに連結部69を通して、軸部64Aの開口64Haに連結部69が圧入される。これにより、回動部65Aと軸部64Aは、互いが回動不可に固定される。
図9は、回動部と軸部の連結構造の実施の形態の他の例を示す断面図である。回動部65の実施の形態である回動部65Bは、軸部64Bが入る孔部65Hb1を備える。孔部65Hb1は、軸部64Bの直径と同等の直径を有する。また、回動部65Bは、連結部69が入る開口65Hb2を備える。開口65Hb2は、スプリングピンである連結部69が圧入可能な直径を有し、孔部65Hb1と交差する方向に貫通する。
軸部64の実施の形態である軸部64Bは、連結部69が入る開口64Hbを備える。開口64Hbは、連結部69の直径より大きな直径を有して軸部64Bを貫通する。
ブレーキ部61の実施の形態であるブレーキ部61Dは、連結部69と軸部64Bとの間に緩衝部7Dを備える。緩衝部7Dは、ゴム、ウレタン等の弾性体、弾性変形可能な樹脂、弾性変形可能な非鉄金属等で構成される。緩衝部7Dは、外形が軸部64Bの開口64Hbに嵌る形状、内形が連結部69に嵌る形状で構成される。
ブレーキ部61Dは、軸部64Bの開口64Hbに緩衝部7Dが入れられ、回動部65Bの孔部65Hb1に軸部64Bが入れられる。そして、緩衝部7Dに連結部69を通して、回動部65Bの開口65Hb2に連結部69が圧入される。これにより、回動部65Bと軸部64Bは、互いが回動不可に固定される。
図4、図5A,図5Bに戻り、本体部10は、リール収容部2に収容されたワイヤリール20の外周と対向する部位にブレーキ収容部11が設けられる。軸部64は、ブレーキ収容部11の一方の側壁面11Lに、軸受71Lにより支持される。また、軸部64は、ブレーキ収容部11の図示しない他方の側壁面に、軸受71Rにより支持される。
ブレーキ本体部60は第2部の一例で、軸部64に支持される一方の端部から他方の端部へ直線状、曲線状、それらを組み合わせた形状等で延伸する。ブレーキ本体部60は、ワイヤリール20の一方のフランジ部20fの外周部に設けた被接触部である被係合部20aと接触することが可能な接触部である係合部60Fを他方の端部に備える。ブレーキ本体部60は、軸部64を支点とした回動動作で係合部60Fが揺動する。被係合部20aは、本例では、フランジ部20fの外周方向に沿って凹凸が連続した形状で、ブレーキ本体部60の係合部60Fが凹凸形状に係合することで、ワイヤリール20の回転を停止させることが可能である。なお、被係合部20aは被接触部の一例であり、被接触部としては、フランジ部20fの外周を円形として形成しても良い。係合部60Fは接触部の一例であり、この場合の接触部としては、被接触部と接触することで、摩擦力によりワイヤリール20の回転を停止させることが可能である。
係合部60Fは、ブレーキ本体部60が直線状に延伸する形状であれば、ブレーキ本体部60の延伸方向に対して交差する方向に突出する。また、係合部60Fは、ブレーキ本体部60が曲線状に延伸する形状であれば、曲線状の端部側が、延伸方向に沿って突出する形状であっても良い。
ブレーキ本体部60は、一方の端部に軸支持部60Gを備える。軸支持部60Gは、軸部64の延伸方向に対して直交し、かつ、上述した係合部60Fが突出する方向と反対方向に突出する。ブレーキ本体部60において、係合部60Fが設けられる側を前面側、係合部60Fが設けられる側の反対側で軸支持部60Gが設けられる側を背面側と称す。
軸支持部60Gは、軸部64の延伸方向に沿って貫通し、軸部64が通される図示しない孔部が設けられる。ブレーキ本体部60において、軸部64の延伸方向に沿った方向を幅方向とした場合、ブレーキ本体部60は、幅方向の少なくとも一方の端部側と他方の端部側が、軸支持部60Gで軸部64に支持される。
ブレーキ本体部60は、係合部60Fがワイヤリール20の被係合部20aから離れる方向に、付勢部材72により付勢される。付勢部材72は捩じりコイルバネで構成され、軸部64に取り付けられる。
ソレノイド62は、取付金具73で本体部10に取り付けられる。また、可動鉄心63の移動量を規制する規制部73aを取付金具73に備える。係合部60Fがワイヤリール20の被係合部20aから離れる方向に、付勢部材72によりブレーキ本体部60が付勢されることで、軸部64、回動部65が回動し、変換部66を介して可動鉄心63がソレノイド62から突出する方向に移動する。規制部73aは、ソレノイド62から突出する方向に移動する可動鉄心63が接する位置に設けられる。これにより、付勢部材72によるブレーキ本体部60の回動量が規制される。
ブレーキ部61では、軸部64を支点とした回動部65の回動動作による連結部68の軌跡が円弧となる。これに対し、可動鉄心63の移動による連結部67の軌跡は直線となる。そこで、連結部67に対して回動可能で、かつ、連結部68に対して回動可能な変換部66で可動鉄心63と回動部65を連結することで、可動鉄心63の直線方向の移動が、軸部64を支点とした回動部65の回動動作に変換される。
図10は、本実施の形態の鉄筋結束機の制動部の他の例を示す斜視図である。他の例の制動部6Bは、変換部66と回動部65が、スプリングピンによる連結部68Cで連結される。他の構成については、図5A等と同じ番号を付して説明を省略する。
図11は、回動部と変換部の連結構造の実施の形態の一例を示す断面図である。
回動部65の実施の形態である回動部65Cは、一方の端部に、変換部66Cが入る凹部65Fcを備える。また、回動部65Cは、凹部65Fcの両側に凸部65Gcを備える。更に、回動部65Cは、凸部65Gcを貫通する開口65Hcを備える。開口65Hcは、スプリングピンである連結部68Cが圧入可能な直径を有し、一方の凸部65Gcから凹部65Fcを通り、他方の凸部65Gcまで直線状に貫通する。
変換部66の実施の形態である変換部66Cは、一方の端部に開口66Hcを備える。開口66Hcは、連結部68Cの直径より大きな直径を有して変換部66Cを厚さ方向に貫通する。
ブレーキ部61の実施の形態であるブレーキ部61Eは、連結部68Cと変換部66Cとの間に緩衝部7Eを備える。緩衝部7Eは、ゴム、ウレタン等の弾性体、弾性変形可能な樹脂、弾性変形可能な非鉄金属等で構成される。緩衝部7Eは、外形が変換部66Cの開口66Hcに嵌る形状、内形が連結部68Cに嵌る形状で構成される。
ブレーキ部61Eは、変換部66Cの開口66Hcに緩衝部7Eが入れられ、回動部65Cの凹部65Fcに変換部66Cが入れられる。そして、緩衝部7Eに連結部68Cを通して、回動部65Cの開口65Hcに連結部68Cが圧入される。これにより、変換部66Cは、連結部68Cを支点として回動部65Cに対して回動可能である。
図12は、回動部と変換部の連結構造の実施の形態の他の例を示す断面図である。
回動部65の実施の形態である回動部65Dは、一方の端部に、変換部66Dが入る凹部65Fdを備える。また、回動部65Dは、凹部65Fdの両側に凸部65Gdを備える。更に、回動部65Dは、凸部65Gdを貫通する開口65Hdを備える。開口65Hdは、スプリングピンである連結部68Cの直径より大きな直径を有し、一方の凸部65Gdから凹部65Fdを通り、他方の凸部65Gdまで直線状に貫通する。
変換部66の実施の形態である変換部66Dは、一方の端部に開口66Hdを備える。開口66Hdは、連結部68Cが圧入可能な直径を有して変換部66Dを厚さ方向に貫通する。
ブレーキ部61の実施の形態であるブレーキ部61Fは、連結部68Cと回動部65Dとの間に緩衝部7Fを備える。緩衝部7Fは、ゴム、ウレタン等の弾性体、弾性変形可能な樹脂、弾性変形可能な非鉄金属等で構成される。緩衝部7Fは、外形が回動部65Dの開口65Hdに嵌る形状、内形が連結部68Cに嵌る形状で構成される。
ブレーキ部61Fは、回動部65Dの開口65Hdに緩衝部7Fが入れられ、回動部65Dの凹部65Fdに変換部66Dが入れられる。そして、緩衝部7Fに連結部68Cを通して、変換部66Dの開口65Hdに連結部68Cが圧入される。これにより、変換部66Dは、連結部68Cを支点として回動部65Dに対して回動可能である。
図13は、本実施の形態の鉄筋結束機の制動部の他の例を示す斜視図である。他の例の制動部6Cは、変換部を用いずに、ソレノイド62の可動鉄心63Eと回動部65Eを連結したブレーキ部61Gを備える。可動鉄心63Eは、一方の端部にスプリングピンである連結部67が圧入される。
回動部65Eは第1部の一例で、ブレーキ本体部60と共に軸部64を支点に回動する。回動部65Eは、軸部64でブレーキ本体部60と連結される構成でも良いし、回動しない軸部64を支点に、ブレーキ本体部60と共に回動する構成でも良い。
回動部65Eは一方の端部に連結部67が通される開口65Heを備える。開口65Heは、可動鉄心63Eの移動方向に対して交差する方向に延伸した長孔で構成される。
回動部65Eは、軸部64を支点とした回動動作による開口65Heの軌跡が円弧となる。これに対し、可動鉄心63Eの移動による連結部67の軌跡は直線となる。そこで、連結部67が通される開口65Heを長孔で構成することで、連結部67が開口65Heに沿って移動可能となり、可動鉄心63Eの直線方向の移動が、軸部64を支点とした回動部65Eの回動動作に変換される。
図14A、図14Bは、可動鉄心と回動部の連結構造の実施の形態の一例を示す断面図である。ブレーキ部61Gは、連結部67と回動部65Eとの間に緩衝部を備える。図14Aでは、回動部65Eの開口65Heの形状に合わせて、断面形状が長円状の緩衝部9Aを、開口65Heの内周面に備える。緩衝部9Aは、連結部67と接する。
図14Bでは、連結部67の形状に合わせて、断面形状が円状の緩衝部9Bを、連結部67の外周面に備える。緩衝部9Bは、回動部65Eの開口65Heと接する。
図15A、図15B、図15Cは、ブレーキ本体部の実施の形態の一例を示す図である。
ブレーキ本体部60の実施の形態であるブレーキ本体部60Aは、図15A、図15Cに示すように、軸支持部60Gを備える。軸支持部60Gは、軸部64の延伸方向に沿って貫通し、軸部64が通される孔部60Hが設けられる。軸支持部60Gは、図5A等を使用して説明したブレーキ本体部60の構成と同様に、ブレーキ本体部60Aにおいて、軸部64の延伸方向に沿った矢印D1a方向を幅方向とした場合、ブレーキ本体部60Aは、幅方向の少なくとも一方の端部側と他方の端部側が、軸支持部60Gで軸部64に支持される。
ワイヤリール20は、ワイヤが巻かれる筒状のハブ部20gと、ハブ部20gの軸方向一端側に設けられ、被係合部20aが形成される一方のフランジ部20fとを有する。ブレーキ本体部60Aは、リール収容部2にワイヤリール20が収容された状態で、軸支持部60Gの幅方向の中心位置P1aが、ワイヤリール20の被係合部20aが設けられた側のフランジ部20fと対向する位置に配置される。また、ブレーキ本体部60Aは、係合部60Fの幅方向の中心位置P2aが、軸支持部60Gの幅方向の中心位置P1と一致し、ワイヤリール20の被係合部20aが設けられた側のフランジ部20fと対向する位置に配置される。これにより、ブレーキ本体部60Aは、図15Bに示すように、幅方向に対称な形状である。
図16A、図16B、図16Cは、ブレーキ本体部の実施の形態の他の例を示す図である。
ブレーキ本体部60の実施の形態であるブレーキ本体部60Bは、リール収容部2にワイヤリール20が収容された状態で、図16A、図16Cに示すように、軸支持部60Gの矢印D1bで示す幅方向の中心位置P1bが、ワイヤリール20の被係合部20aが設けられた側のフランジ部20fと対向する位置に配置される。これに対し、ブレーキ本体部60Bは、係合部60Fの幅方向の中心位置P2bが、軸支持部60Gの幅方向の中心位置P1bと不一致であり、係合部60Fの幅方向の中心位置P2bが、ワイヤリール20の被係合部20aが設けられた側のフランジ部20fと対向しない。これにより、ブレーキ本体部60Bは、図16Bに示すように、幅方向に非対称な形状である。
図17A,図17Bは、ブレーキ収容部の実施の形態の一例を示す図である。
ブレーキ収容部11の実施の形態であるブレーキ収容部11Aは、壁面11Bにブレーキ本体部60の背面60Kが対向する。そして、ブレーキ収容部11Aは、ブレーキ本体部60の背面60Kと対向する部位の壁面11Bに当接部11Cを備える。当接部11Cは、ブレーキ本体部60の背面60Kと、ブレーキ本体部60の幅方向に平行となるように構成される。
図18A,図18B、図18Cは、ブレーキ本体部の緩衝構造の一例を示す図である。
ブレーキ収容部11は、壁面11Bにブレーキ本体部60の背面60Kが対向する。ブレーキ本体部60がワイヤリール20と非係合となる退避位置に移動した状態では、ブレーキ本体部60がブレーキ収容部11の壁面11Bに近づく。
軸部64を支点とした回動動作で、ブレーキ本体部60がワイヤリール20と非係合となる退避位置に移動した状態でのブレーキ本体部60の緩衝構造として、図18A、図18Bでは、ブレーキ本体部60とブレーキ収容部11の壁面11Bとの間に緩衝部を備える。
図18Aでは、ブレーキ収容部11の壁面11Bに緩衝部8Aを備える。緩衝部8Aは、ゴム、ウレタン等の弾性体、弾性変形可能な樹脂、弾性変形可能な非鉄金属等で構成され、壁面11Bにおいて、ブレーキ本体部60の背面60Kと対向する位置に設けられる。緩衝部8Aは、壁面11Bから突出する方向の寸法が、ブレーキ本体部60がワイヤリール20と非係合となる退避位置に移動した状態で、ブレーキ本体部60の背面60Kに接することが可能な値で構成される。
図18Bでは、ブレーキ本体部60の背面60Kに緩衝部8Bを備える。緩衝部8Bは、ゴム、ウレタン等の弾性体、弾性変形可能な樹脂、弾性変形可能な非鉄金属等で構成され、ブレーキ本体部60の背面60Kにおいて、ブレーキ収容部11の壁面11Bと対向する位置に設けられる。緩衝部8Bは、ブレーキ本体部60の背面60Kから突出する方向の寸法が、ブレーキ本体部60がワイヤリール20と非係合となる退避位置に移動した状態で、ブレーキ収容部11の壁面11Bに接することが可能な値で構成される。
図18Cでは、ブレーキ本体部60と軸部64の間に緩衝部8Cを備える。緩衝部8Cは、ゴム、ウレタン等の弾性体、弾性変形可能な樹脂、弾性変形可能な非鉄金属等で構成され、ブレーキ本体部60と軸部64の両方に接する。
<本実施の形態の鉄筋結束機の動作例>
次に、各図を参照して、本実施の形態の鉄筋結束機1でワイヤWを使用して鉄筋Sを結束する動作について説明する。
トリガスイッチ10tが操作されると、送りモータ31が駆動され、ワイヤWがワイヤ送り部3で所定量だけ送られる。ワイヤ送り部3で送られたワイヤWは、カール形成部4によって鉄筋Sの周囲に巻かれる。ワイヤリール20は、ワイヤWがワイヤ送り部3で送られることで、ワイヤWの送りに従動して回転する。ワイヤWが所定量だけ送られると、ワイヤ送り部3はワイヤWの送り動作を終了するが、ワイヤリール20は慣性により回転し続けようとするので、制動部6によりワイヤリールの回転を制動する。
結束部5では、捩じりモータ51が正転し、捩じりモータ51の回転がギア52を介して螺軸部53に伝達される。このとき螺軸部53が回転するが、進退筒部54は回転が規制されるため、螺合したねじの作用によって進退筒部54は前方に送られる。進退筒部54が前方に送られることで、捩じり用フック55はワイヤWを把持可能な位置まで前進する。捩じり用フック55は進退筒部54の前進に連動して閉じる方向に作動し、ループ状に巻かれたワイヤの一部を把持する。
進退筒部54は、前進した所定の位置で回転の規制が解除されて、螺軸部53とともに回転する。ワイヤWを把持した捩じり用フック55が回転することでワイヤWが捩じられる。なお、進退筒部54が前進する途中で、図示しないカッタが作動してワイヤWを切断する。
捩じり動作が終了すると、捩じりモータ51は逆転し、螺軸部53は逆方向に回転する。これにより、進退筒部54及び捩じり用フック55も後方に移動するとともに、捩じり用フック55が開いてワイヤWを離す。進退筒部54及び捩じり用フック55が待機位置に移動するまで捩じりモータ51は逆転する。進退筒部54及び捩じり用フック55が待機位置まで移動すると、捩じりモータ51が停止して一連の動作が完了する。これにより、鉄筋SはワイヤWによって結束される。
図19A、図19Bは、制動部の動作の一例を示す図であり、次に、各図を参照して、制動部6の動作の詳細について説明する。
制動部6は、ソレノイド62に非通電の状態では、付勢部材72によりブレーキ本体部60が付勢されることで、図19Aに示すように、ブレーキ本体部60が退避位置に移動する。ブレーキ本体部60が退避位置に移動する動作では、軸部64を支点としたブレーキ本体部60の回動動作で、ブレーキ本体部60の係合部60Fが、ワイヤリール20のフランジ部20fの外周の軌跡20cより外側に位置する。これにより、ワイヤリール20は、ワイヤの送りに従動して回転可能である。
制動部6は、ソレノイド62に通電されると、図19Bに示すように、ブレーキ本体部60が制動位置に移動する。ブレーキ本体部60が制動位置に移動する動作では、可動鉄心63の動きが変換部66を介して回動部65に伝達され、軸部64を支点とした回動動作で、回動部65及びブレーキ本体部60が回動する。ブレーキ本体部60が回動することで、ブレーキ本体部60の係合部60Fが、ワイヤリール20のフランジ部20fの外周の軌跡20cより内側に位置する。これにより、ブレーキ本体部60の係合部60Fが、ワイヤリール20の被係合部20aに係合され、ワイヤリール20の回転が規制される。
図20A、図20Bは、ブレーキ本体部の作動時の課題を示す図である。上述したように、ソレノイド62に通電されることで、ブレーキ本体部60が制動位置に移動する過程で、図20Aに示すように、矢印R1方向に回動するブレーキ本体部60の係合部60Fが、矢印F方向に回転するワイヤリール20の被係合部20aに接する。すると、図20Bに示すように、矢印F方向に回転するワイヤリール20の被係合部20aにブレーキ本体部60の係合部60Fが押され、ブレーキ本体部60が退避位置へ移動する方向である矢印R2方向に回動してしまう場合がある。
矢印F方向に回転するワイヤリール20の被係合部20aがブレーキ本体部60の係合部60Fに接することで発生する衝撃荷重は、ブレーキ本体部60からブレーキ本体部60と軸部64との連結箇所、連結部69による軸部64と回動部65との連結箇所、連結部68による回動部65と変換部66との連結箇所、連結部67による変換部66と可動鉄心63との連結箇所へと伝達される。
そこで、図6A、図6Bに示すように、連結部67による変換部66Aと可動鉄心63Aとの連結箇所では、連結部67と変換部66Aとの間に緩衝部7Aを備える。これにより、変換部66Aに伝達される衝撃荷重が、緩衝部7Aが弾性変形することで吸収され、連結部67等に衝撃荷重が伝達されることが抑制される。従って、制動動作を行う度に発生し得る衝撃荷重が軽減され、制動部の耐久性を向上することができる。
図7A、図7Bに示すように、連結部67による変換部66Bと可動鉄心63Bとの連結箇所では、連結部67と可動鉄心63Bとの間に緩衝部7Bを備える。これにより、変換部66Bに伝達される衝撃荷重が、緩衝部7Bが弾性変形することで吸収され、連結部67と可動鉄心63Bとの間等で衝撃荷重が伝達されることが抑制される。従って、制動動作を行う度に発生し得る衝撃荷重が軽減され、制動部の耐久性を向上することができる。
図14A、図14Bに示すように、連結部67による回動部65Eと可動鉄心63Eとの連結箇所では、連結部67と回動部65Eとの間に緩衝部9A、9Bを備える。これにより、回動部65Eに伝達される衝撃荷重が、緩衝部9A、9Bが弾性変形することで吸収され、連結部67等に衝撃荷重が伝達されることが抑制される。従って、制動動作を行う度に発生し得る衝撃荷重が軽減され、制動部の耐久性を向上することができる。
図11に示すように、連結部68Cによる回動部65Cと変換部66Cとの連結箇所では、連結部68Cと変換部66Cとの間に緩衝部7Eを備える。これにより、回動部65Cに伝達される衝撃荷重が、緩衝部7Eが弾性変形することで吸収され、連結部68Cと変換部66Cとの間等で衝撃荷重が伝達されることが抑制される。従って、制動動作を行う度に発生し得る衝撃荷重が軽減され、制動部の耐久性を向上することができる。
図12に示すように、連結部68Cによる回動部65Dと変換部66Dとの連結箇所では、連結部68Cと回動部65Dとの間に緩衝部7Fを備える。これにより、回動部65Dに伝達される衝撃荷重が、緩衝部7Fが弾性変形することで吸収され、連結部68C等に衝撃荷重が伝達されることが抑制される。従って、制動動作を行う度に発生し得る衝撃荷重が軽減され、制動部の耐久性を向上することができる。
図8に示すように、連結部69による軸部64Aと回動部65Aとの連結箇所では、連結部69と回動部65Aとの間に緩衝部7Cを備える。これにより、軸部64Aに伝達される衝撃荷重が、緩衝部7Cが弾性変形することで吸収され、連結部69と回動部65Aとの間等で衝撃荷重が伝達されることが抑制される。従って、制動動作を行う度に発生し得る衝撃荷重が軽減され、制動部の耐久性を向上することができる。
図9に示すように、連結部69による軸部64Bと回動部65Bとの連結箇所では、連結部69と軸部64Bとの間に緩衝部7Dを備える。これにより、軸部64Bに伝達される衝撃荷重が、緩衝部7Dが弾性変形することで吸収され、連結部69等に衝撃荷重が伝達されることが抑制される。従って、制動動作を行う度に発生し得る衝撃荷重が軽減され、制動部の耐久性を向上することができる。
また、図18Cに示すように、ブレーキ本体部60と軸部64との連結箇所では、ブレーキ本体部60と軸部64の間に緩衝部8Cを備える。これにより、ブレーキ本体部60から伝達される衝撃荷重が、緩衝部8Cが弾性変形することで吸収され、軸部64等に衝撃荷重が伝達されることが抑制される。従って、制動動作を行う度に発生し得る衝撃荷重が軽減され、制動部の耐久性を向上することができる。
更に、ブレーキ本体部60がワイヤリール20と非係合となる退避位置に移動した状態でのブレーキ本体部60の緩衝構造として、図18A、図18Bに示すように、ブレーキ本体部60とブレーキ収容部11の壁面11Bとの間に緩衝部8A、8Bを備える。これにより、図20Bに示すように、矢印F方向に回転するワイヤリール20の被係合部20aにブレーキ本体部60の係合部60Fが押され、ブレーキ本体部60が退避位置へ移動する方向である矢印R2方向に回動した場合、緩衝部8A、8Bを介してブレーキ本体部60とブレーキ収容部11の壁面11Bが接する。従って、衝撃荷重が軽減され、制動部の耐久性を向上することができる。
図21は、ブレーキ本体部の作動時の他の課題を示す図である。ブレーキ収容部11は、壁面11Bにブレーキ本体部60の背面60Kが対向する。ブレーキ収容部11の壁面11Bに対し、ブレーキ本体部60の背面60Kが傾斜している場合、ブレーキ本体部60が退避位置に移動する過程で、ブレーキ本体部60の背面60Kの一方の角部60K1がブレーキ収容部11の壁面11Bに接触する。このような状態から、ブレーキ本体部60が退避位置に移動すると、ブレーキ本体部60には、二点鎖線で示すように、一方の角部60K1を支点に回転して捩じられるような力が加わる。
そこで、図17A、図17Bに示すように、ブレーキ収容部11Aは、ブレーキ本体部60の背面60Kと対向する部位の壁面11Bに当接部11Cを備える。当接部11Cは、ブレーキ本体部60の背面60Kと、ブレーキ本体部60の幅方向に平行となるように構成される。例えば、当接部11Cは、壁面11Bの一部をブレーキ本体部60方向に突出させた凸部を設けて構成される。なお、当接部は、ブレーキ本体部60の背面60Kに、壁面11Bに突出する凸部を設けて構成しても良い。これにより、ブレーキ本体部60がワイヤリール20と非係合となる退避位置に移動した状態で、ブレーキ本体部60の背面60Kが当接部11Cに接する場合、図17Bに示すように、ブレーキ本体部60の幅方向の全体で、ブレーキ本体部60の背面60Kと当接部11Cが接する。従って、ブレーキ本体部60は、局所的な荷重が掛かることが抑制され、ブレーキ本体部60が捩られる動きを抑制することができ、制動部の耐久性を向上することができる。
図22は、ブレーキ本体部の作動時の他の課題を示す図である。ブレーキ本体部60において、軸支持部60Gの幅方向の中心位置P1が、ワイヤリール20の被係合部20aが設けられた側のフランジ部20fと対向する位置と幅方向にずれて配置される場合、軸支持部60Gの一方の端部側から軸部64に掛かる荷重FLが、他方の端部側から軸部64に掛かる荷重FRより大きくなる。
そこで、図15A、図15B、図15Cに示すように、ブレーキ本体部60Aは、軸支持部60Gの幅方向の中心位置P1aが、ワイヤリール20の被係合部20aが設けられた側のフランジ部20fと対向する位置に配置される。また、ブレーキ本体部60Aは、係合部60Fの幅方向の中心位置P2aが、軸支持部60Gの幅方向の中心位置P1と一致し、ワイヤリール20の被係合部20aが設けられた側のフランジ部20fと対向する位置に配置される。これにより、軸支持部60Gの一方の端部側から軸部64に掛かる荷重FLと、他方の端部側から軸部64に掛かる荷重FRが略等しくなり、ブレーキ本体部60Aの係合部60Fがワイヤリール20の被係合部20aに係合したときの衝撃荷重を軸支持部60Gで略均一に受けることができる。従って、局所的な荷重発生を低減することができ、制動部の耐久性を向上することができる。
また、図16A、図16B、図16Cに示すように、ブレーキ本体部60Bは、軸支持部60Gの矢印D1bで示す幅方向の中心位置P1bが、ワイヤリール20の被係合部20aが設けられた側のフランジ部20fと対向する位置に配置されることで、係合部60Fの幅方向の中心位置P2bが、軸支持部60Gの幅方向の中心位置P1bと不一致であっても、軸支持部60Gの一方の端部側から軸部64に掛かる荷重FLと、他方の端部側から軸部64に掛かる荷重FRが略等しくなり、ブレーキ本体部60Bの係合部60Fがワイヤリール20の被係合部20aに係合したときの衝撃荷重を軸支持部60Gで略均一に受けることができる。従って、局所的な荷重発生を低減することができ、制動部の耐久性を向上することができる。