JP2022159920A - 管路内状態推定装置、及び、管路内状態推定方法 - Google Patents

管路内状態推定装置、及び、管路内状態推定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】脈動環境下において、簡易な構成や方法で、管路内の状態を推定する。【解決手段】管路内状態推定装置10Aは、対象の管体12の上流部に設けられ管路内と連通された上流圧検出部20と、基準圧検出部16と、上流圧検出部20よりも下流側の下流部に設けられた下流圧検出部30と、上流圧検出部20及び基準圧検出部16に接続され、上流圧検出部20の壁面圧力と基準圧検出部の壁面圧力との差圧を上流側差圧ΔPuとして測定する上流側差圧測定部22と、下流圧検出部30及び基準圧検出部16に接続され、下流圧検出部30の壁面圧力と基準圧検出部16の壁面圧力との差圧を下流側差圧ΔPdとして測定する下流側差圧測定部32と、上流側差圧と前記下流側差圧に基づいて、管体12内を流れる流体の状態を推定する状態推定部40と、を備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、流体を流通させる管路内で発生する脈動の状態を推定する管路内状態推定装置および管路内状態推定方法に関する。
工場や空調システム等においては、管路を流通する流体の流量を計測する必要となる場合がある。また、エンジンやコンプレッサにおいて、配管内の瞬時流量の計測が必要となる場合がある。一般的な流量計では、脈動環境下において、流量計自体が抵抗要素となってしまい、管路内流れに影響を及ぼすため、正確な管路内状態の推定が困難である。
また、抵抗要素とならない管路の壁面圧力の計測値と数値モデルを用いた管路内の状態推定が検討されているが、一例として、非特許文献1において、実現が難しいとされている。
Nigel Johnston, Min Pan, Sylwester Kudzma, Pengfei Wang, "Use of Pipeline Wave Propagation Model for Measuring Unsteady Flow Rate", J. Fluids Eng. Mar 2014, 136(3): 031203 (8 pages), Paper No: FE-13-1052 https://doi.org/10.1115/1.4026106
本発明は、上記事実を考慮し、脈動環境下において、簡易な構成や方法で、管路内の状態を推定する管路内状態推定装置、および、管路内状態推定方法を提供することを目的とする。
請求項1に係る管路内状態推定装置は、対象の管体に設けられ前記管体内の管路と連通された上流圧検出部と、前記管体に設けられ前記管路と連通された基準圧検出部と、前記管体の前記上流圧検出部よりも下流側に設けられ前記管路と連通された下流圧検出部と、前記上流圧検出部及び前記基準圧検出部に接続され、前記上流圧検出部の壁面圧力と前記基準圧検出部の壁面圧力との差圧を上流側差圧として測定する上流側差圧測定部と、前記下流圧検出部及び前記基準圧検出部に接続され、前記下流圧検出部の壁面圧力と前記基準圧検出部の壁面圧力との差圧を下流側差圧として測定する下流側差圧測定部と、前記上流側差圧と前記下流側差圧に基づいて、前記管体内を流れる流体の状態を推定する状態推定部と、を備えている。
請求項1に係る管路内状態推定装置は、上流側差圧測定部で測定された上流側差圧と、下流側差圧測定部で測定された下流側差圧に基づいて、管体内を流れる流体の状態を推定する。上流側差圧測定部は、対象の管体に設けられた上流圧検出部と、基準圧検出部とに接続され、上流圧検出部の壁面圧力と基準圧検出の壁面圧力の差圧である上流側差圧を測定する。下流側差圧測定部は、基準圧検出部の壁面圧力と、管体の上流圧検出部よりも下流側に設けられた下流圧検出部とに接続され、下流圧検出部の壁面圧力と基準圧検出部の壁面圧力との差圧を下流側差圧として測定する。
このようにして、上流側差圧と下流側差圧とを測定することにより、基準圧検出部から上流側差圧測定部に至る圧力波の伝搬の影響と、基準圧検出部から下流圧差圧測定部に至る圧力波の伝搬の影響とが打ち消し合うように、圧力波の伝搬路を設定することができる。これにより、簡易に、上流圧検出部と下流圧検出部との間の差圧の測定精度を向上させることができる。これにより、上流圧検出部と下流圧検出部との間の差圧に基づいて、数値モデルを用いて、状態推定部において、流体の流量等の管体内を流れる流体の状態を推定することができる。
請求項2に係る管路内状態推定装置は、前記基準圧検出部から前記上流側差圧測定部の上流受圧部まで前記基準圧検出部の壁面圧力を伝搬する上流導管路の伝搬特性と、前記基準圧検出部から前記下流側差圧測定部の下流受圧部まで前記基準圧検出部の壁面圧力を伝搬する下流導管路の伝搬特性とが、同一になるように前記上流導管路及び前記下流導管路の長さ及び管径が設定されている。
請求項2に係る管路内状態推定装置によれば、基準圧検出部の壁面圧力を伝搬する上流導管路の伝搬特性と下流導管路の伝搬特性が同じであるので、これらを打ち消し合わせて、上流側差圧と下流側差圧とに基づいて、上流圧検出部と下流圧検出部との間の差圧を求めることができる。したがって、伝搬の影響が低減された差圧に基づき、数値モデルを用いて、状態推定部において、流体の流量等の管体内を流れる流体の状態を推定することができる。
請求項3に係る管路内状態推定装置は、前記上流導管路と前記下流導管路は、長さ及び管径が同一である。
請求項3に係る管路内状態推定装置によれば、上流導管路と下流導管路の長さ及び管径を同じにすることにより、簡易に、基準圧検出部から上流側差圧測定部において生じる圧力波の伝搬の影響と、基準圧検出部から下流側差圧測定部とにおいて生じる伝搬の影響を同じにすることができる。これにより、伝搬の影響が打ち消し合わされた差圧に基づいて、数値モデルを用いて、状態推定部において、流体の流量等の管体内を流れる流体の状態を推定することができる。
請求項4に係る管路内状態推定装置は、前記基準圧検出部は、前記上流圧検出部よりも下流側且つ前記下流圧検出部よりも上流側に設けられている。
請求項4に係る管路内状態推定装置によれば、上流圧検出部と基準圧検出部の距離と、下流圧検出部と基準圧検出部の距離の差を小さくして、上流導管路と下流導管路の配管を容易にすることができる。
請求項5に係る管路内状態推定装置は、前記上流圧検出部から前記下流圧検出部までの距離は、10cm以上である。
請求項5に係る管路内状態推定装置によれば、上流圧検出部と下流圧検出部の間の差圧を大きくして管体内を流れる流体の状態推定の精度を向上させることができる。
請求項6に係る管路内状態推定方法は、対象の管体の上流部に設けられて管路内と連通された上流圧検出部における壁面圧力と、前記管体に設けられて前記管路内と連通された基準圧検出部における壁面圧力との間の差圧を上流側差圧として測定し、前記基準圧検出部における壁面圧力と、前記管体の前記上流圧検出部よりも下流側の下流部に設けられて前記管路内と連通された下流圧検出部における壁面圧力との間の差圧を下流側差圧として測定し、前記上流側差圧と前記下流側差圧に基づいて、前記管体内を流れる流体の状態を推定する。
請求項6に係る管路内状態推定方法は、上流側差圧と、下流側差圧に基づいて、管体内を流れる流体の状態を推定する。上流側差圧は、対象の管体の上流部に設けられた上流圧検出部の壁面圧力と、基準圧検出部の壁面圧力の差圧である。下流側差圧は、基準圧検出部の壁面圧力と、管体の上流圧検出部よりも下流側の下流部に設けられた下流圧検出部の壁面圧力との差圧である。
このようにして、上流側差圧と下流側差圧とを測定することにより、基準圧検出部から上流側差圧を測定する部分に至る圧力波の伝搬の影響と、基準圧検出部から下流圧差圧を測定する部分部に至る圧力波の伝搬の影響とが打ち消し合うように、圧力波の伝搬路を設定することができる。これにより、簡易に、上流圧検出部と下流圧検出部との間の差圧の測定精度を向上させることができる。これにより、上流圧検出部と下流圧検出部との間の差圧に基づいて、数値モデルを用いて、流体の流量等の管体内を流れる流体の状態を推定することができる。
請求項7に係る管路内状態推定方法は、前記基準圧検出部から前記上流側差圧測定部の上流受圧部まで前記基準圧検出部の壁面圧力を伝搬する上流導管路の伝搬特性と、前記基準圧検出部から前記下流側差圧測定部の下流受圧部まで前記基準圧検出部の壁面圧力を伝搬する下流導管路の伝搬特性とが、同一になるように前記上流導管路及び前記下流導管路の長さ及び管径が設定されている。
請求項7に係る管路内状態推定方法によれば、基準圧検出部の壁面圧力を伝搬する上流導管路の伝搬特性と下流導管路の伝搬特性が同じであるので、これらを打ち消し合わせて、上流側差圧と下流側差圧とに基づいて、上流圧検出部と下流圧検出部との間の差圧を求めることができる。したがって、伝搬の影響が低減された差圧に基づき、数値モデルを用いて、状態推定部において、流体の流量等の管体内を流れる流体の状態を推定することができる。
請求項8に係る管路内状態推定方法は、前記上流管路と前記下流管路の長さ及び管径が同一である。
請求項8に係る管路内状態推定方法によれば、上流導管路と下流導管路の長さ及び管径を同じにすることにより、簡易に、基準圧検出部から上流側差圧測定部において生じる圧力波の伝搬の影響と、基準圧検出部から下流側差圧測定部とにおいて生じる伝搬の影響を同じにすることができる。これにより、伝搬の影響が打ち消し合わされた差圧に基づいて、数値モデルを用いて、状態推定部において、流体の流量等の管体内を流れる流体の状態を推定することができる。
請求項9に係る管路内状態推定方法は、前記基準圧検出部は、前記上流圧検出部よりも下流側且つ前記下流圧検出部よりも上流側に設けられている。
請求項9に係る管路内状態推定装置によれば、上流圧検出部と基準圧検出部の距離と、下流圧検出部と基準圧検出部の距離の差を小さくして、上流導管路と下流導管路の配管を容易にすることができる。
請求項10に係る管路内状態推定方法は、前記上流圧検出部から前記下流圧検出部までの距離は、10cm以上である。
請求項10に係る管路内状態推定方法によれば、上流圧検出部と下流圧検出部の間の差圧を大きくして管体内を流れる流体の状態推定の精度を向上させることができる。
本発明に係る管路内状態推定装置、および、管路内状態推定方法によれば、脈動環境下において、簡易な構成や方法で、管路内の状態を推定することができる。
第1実施形態の管路内状態推定装置の概略図である。 第1実施形態の管路内状態推定装置の制御部のブロック図である。 流量推定処理のフローチャートである。 第2実施形態の管路内状態推定装置の概略図である。 比較例に係る管路内状態推定装置の概略図である。 (A)は本実施形態の管路内状態推定装置で測定した圧力差の経時グラフであり、(B)は比較例の管路内状態推定装置で測定した圧力差の経時グラフである。
[第1実施形態]
以下、図面を参照して本発明の第1実施形態について詳細に説明する。
本実施形態の管路内状態推定装置10Aは、管体12内の管路12Aを流れる流体の状態を測定する装置であり、本実施形態では、一例として脈動する流体の流量を測定する。流体としては、空気、可燃性ガス、排気ガスなどが挙げられる。本実施形態では、図1の管体12の左側から右側に向けて流体が流れる。
図1に示されるように、管路内状態推定装置10Aは、上流圧検出部20、基準圧検出部16、下流圧検出部30、上流側差圧計22、下流側差圧計32、及び、状態推定部40を備えている。上流圧検出部20は、上流圧検出部20の設置部分における管路12Aを流れる流体の壁面圧力P1を検出する部分であり、管路12Aに連通されている。
基準圧検出部16は、上流圧検出部20よりも管体12の下流側に配置されている。基準圧検出部16は、上流圧検出部20よりも下流側(基準圧検出部16が設置された部分)における壁面圧力P2を検出する部分であり、管路12Aに連通されている。
下流圧検出部30は、基準圧検出部16よりも、管体12の下流側に配置されている。下流圧検出部30は、基準圧検出部16よりも距離L2だけ下流側(下流圧検出部30が設置された部分)における壁面圧力を検出する部分であり、管路12Aに連通されている。
上流圧検出部20には、上流側差圧測定部としての上流側差圧計22の上流接続部24が接続されている。上流接続部24で接続された、上流圧検出部20から上流側差圧計22の上流受圧部22Aまでの長さは、測定対象となる圧力波の波長に対して充分に短くなるように設定される。基準圧検出部16には、上流導管28を介して、上流側差圧計22の上流受圧部22Aが接続されている。上流導管28の上流受圧部22Aから基準圧検出部16までの長さを、「上流導管長さD1」と称する。上流側差圧計22により、上流圧検出部20と基準圧検出部16の間の差圧である上流側差圧ΔPuが測定される。上流側差圧計22としては、半導体式差圧センサー(応答の速いものが好ましい)などの差圧計を用いることができる。上流側差圧計22は、測定した上流側差圧ΔPuを状態推定部40へ出力する。
下流圧検出部30には、下流側差圧測定部としての下流側差圧計32の下流接続部34が接続されている。下流接続部34で接続された、下流圧検出部30から下流側差圧計32の下流受圧部32Aまでの長さは、測定対象となる圧力波の波長に対して充分に短くなるように設定される。基準圧検出部16には、下流導管38を介して、下流側差圧計32の下流受圧部32Aが接続されている。下流導管38の下流受圧部32Aから基準圧検出部16までの長さを、「下流導管長さD2」と称する。下流側差圧計32により、下流圧検出部30と基準圧検出部16の間の差圧である下流側差圧ΔPdが測定される。下流側差圧計32としては、半導体式差圧センサー(応答の速いものが好ましい)などの差圧計を用いることができる。下流側差圧計32は、測定した下流側差圧ΔPdを状態推定部40へ出力する。
上流導管長さD1と下流導管長さD2の長さは、実質的に同一長さとされている。本実施形態における実質的に同一とは、推定に求められる正確さ、検出対象の周波数、導管の温度などに応じて変わるが、ここでは両者の長さの差が±1%以内とする。
状態推定部40は、図2に示されるように、CPU42、RAM44、ROM43、ストレージ46、I/O48、及びこれらを接続するデータバスやコントロールバス等のバス50を備える。ストレージ46には、上流側差圧ΔPu及び下流側差圧ΔPdに基づいて、管路12Aを流れる流体の流量を推定するために必要な各種のデータ等が格納されている。
I/O48には、上流側差圧計22及び下流側差圧計32が接続されている。上流側差圧計22から上流側差圧ΔPuが入力され、下流側差圧計32から下流側差圧ΔPdが入力される。
ここで、管路12A内において脈動する流体の流量測定ついて説明する。一般的な流量計は、流量計自体が抵抗要素となるため、管路12A内の流れに影響が出てしまい、脈動する流体の流量測定には不向きである。そこで、管路12A内の流れに影響を与えない壁面圧力の計測値と数値モデルを用いて、管路12A内において脈動する流体の流量測定を行うことが考えられる。この方法では、流れによって生じる2点間の圧力差を正確に計測することが重要であるが、以下の理由(1)及び(2)により一般の圧力計や差圧計をそのまま使用するだけでは、正確な測定は難しい。
(1)管路12Aの壁面圧力は、(ライン圧)+(流れによる変動圧)の和となるが、一般に「ライン圧」と比較して「流れによる変動圧」はかなり小さい。したがって、「流れによる変動圧」が計測ノイズ等と同程度の大きさになってしまい、計測ノイズ等と区別できなくなる。
(2)圧力差を測定する2点間の距離を長くすることで圧力差を大きくし、差圧計を用いて計測する方法では、流れの動特性が低下する。すなわち、流体の圧力波の周波数が上がると、壁面圧力を検出する部分から差圧計の受圧部までの距離が長くなり、圧力波の伝搬の影響で振幅、位相ともにずれてしまい、正確な圧力差の測定が難しい。
そこで、本実施形態では、圧力差を測定する2点間の距離を長くすることで圧力差を大きくすると共に、圧力波の伝搬の影響、振幅、位相のずれによる影響を抑制する。
管路12Aにおける上流圧検出部20と下流圧検出部30の距離は、流れによって生じる圧力差ΔPが差圧計の計測不確かさや分解能よりも十分大きくなる長さであることが好ましく、管路内径、平均流速、密度、粘性係数、脈動流の場合は周波数にも依存するが、10cm以上であることが好ましく、1m以上であることがさらに好ましい。
基準圧検出部16における壁面圧力P2に対し、上流受圧部22Aの圧力は上流導管28を伝搬する影響により変化する。流れに起因する差圧成分の振幅をα2、位相をβ2、ライン圧をPlineとすると、P2は(α2cosβ2+Pline)なる。上流受圧部22Aの圧力は振幅比をα、位相差をβとして、(α2αcos(β2+β)+Pline)となる。また、上流導管28と下流導管38は同じ長さであるため、伝搬の影響は同じになり、基準圧検出部16における壁面圧力P2に対し、下流受圧部32Aの圧力は、振幅比をα、位相差をβとして、(α2αcos(β2+β)+Pline)となる。
一方、上流圧検出部20から上流側差圧計22の上流受圧部22Aまでの長さは、測定対象となる圧力波の波長に対して充分に短くなるように設定されているので、上流圧検出部20の壁面圧力P1は、そのまま上流受圧部22Aの圧力となる。また、下流圧検出部30から下流側差圧計32の下流受圧部32Aまでの長さは、測定対象となる圧力波の波長に対して充分に短くなるように設定されているので、下流圧検出部30の壁面圧力P3は、そのまま下流受圧部32Aの圧力となる。
以上より、上流側差圧計22で測定される上流側差圧ΔPu、下流側差圧計32で測定される下流側差圧ΔPdは、以下のようになる。
ΔPu= P1-(α2αcos(β2+β)+Pline)
= P1-α2αcos(β2+β)-Pline
ΔPd=(α2αcos(β2+β)+Pline)-P3
= α2αcos(β2+β)+Pline-P3
上流側差圧ΔPuと下流側差圧ΔPdを足し合わせると、上流圧検出部20と下流圧検出部30の圧力差ΔPが求められる。
ΔP={P1-α2αcos(β2+β)-Pline}+{α2αcos(β2+β)+Pline-P3}
= P1-P3
このようにして、上流圧検出部20と下流圧検出部30の圧力差ΔPを求めることにより、圧力波の伝搬の影響、振幅、位相のずれが、打ち消し合わされる。したがって、圧力差ΔPを正確に測定することができる。
次に、本実施形態の管路内状態推定装置10Aの作用について説明する。不図示の入力部から流量測定指示が入力されると、状態推定部40では、図3に示す流量推定処理が実行される。
ステップS10で、上流側差圧計22から上流側差圧ΔPuを取得し、ステップS12で、下流側差圧計32から下流側差圧ΔPdを取得する。ステップS14で、上流側差圧ΔPuと下流側差圧ΔPdを足し合わせて上流圧検出部20と下流圧検出部30の圧力差ΔPを求める。そして、ステップS16で、数値モデルを用いた計算を実行して流量を求め、当該流量をステップS18で出力する。
本実施形態の管路内状態推定装置10Aによれば、基準圧検出部16から上流側差圧計22の上流受圧部22Aにおいて生じる圧力波の伝搬の影響と、基準圧検出部16から下流側差圧計32の下流受圧部32Aにおいて生じる圧力波の伝搬の影響が略同じになる。したがって、上流側差圧ΔPuと下流側差圧ΔPdとを足し合わせることにより、これら伝搬の影響を打ち消し合わせて、上流圧検出部20と下流圧検出部30との間の差圧を正確に測定することができる。これにより、数値モデルを用いて、状態推定部40において、流体の流量等の管体内を流れる流体の状態の推定精度を向上させることができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態では、第1実施形態と同様の部分については同一の符号を付して図示し、その詳細な説明は省略する。
本実施形態の管路内状態推定装置10Bは、図4に示される様に、第1実施形態の管路内状態推定装置10Aと比較して、基準圧検出部16が上流圧検出部20と下流圧検出部30の中間部よりも上流側に設けられており、上流導管28と下流導管38の長さが異なっている。本実施形態の上流導管28を「上流導管28A」と称し、上流導管長さD1に対応する長さを「上流導管長さD1A」とする。また、本実施形態の下流導管38を「下流導管38A」と称し、下流導管長さD2に対応する長さを「下流導管長さD2A」とする。上流導管長さD1Aと下流導管長さD2Aは、±1%を超えて異なる長さであるが、測定対象となる流体圧力波の上流導管28Aにおける伝搬特性と下流導管38Aにおける伝搬特性が同一となるように設定されている。ここで、「伝搬特性が同一」とは、基準圧検出部16における壁面圧力P2に対する上流受圧部22Aにおける圧力の振幅比及び位相差が、基準圧検出部16における壁面圧力P2に対する下流受圧部32Aにおける圧力の振幅比及び位相差同じになることをいう。なお、ここでの同一は、実質的な同一であり、±1%以下の誤差範囲を含む。伝搬特性を同一にする方法としては、伝搬する圧力波の周波数に応じて、実験やシミュレーション等により得られた上流導管長さD1Aと下流導管長さD2Aを設定したり、上流導管28と下流導管38の管径を設定したりすることで行うことができる。
本実施形態においても、上流導管28Aと下流導管38Aにおける圧力波の伝搬の影響、振幅、位相のずれが、打ち消し合わされる。したがって、上流圧検出部20と下流圧検出部30の圧力差ΔPを正確に測定することができる。
なお、第1、第2実施形態では、基準検出部16を上流圧検出部20よりも下流側且つ下流圧検出部30よりも上流側に設けたが、基準検出部16は、上流圧検出部20よりも上流側に設けてもよいし、下流圧検出部30よりも下流側に設けてもよい。第1、第2実施形態のように、基準検出部16を上流圧検出部20と下流圧検出部30の間に設けることにより、上流導管28、下流導管38の配管を行いやすくすることができる。
[実施例]
第1実施形態の管路内状態推定装置10Aと、図5に示す比較例の管路内状態推定装置Kで、管路内状態推定装置10Aにおける上流圧検出部20と下流圧検出部30との間の圧力差を測定した。管路内状態推定装置Kは、1個の差圧計Sの受圧部に、第1実施形態の上流圧検出部20から導管K1(2m長さ)により圧力波を伝搬させると共に、下流圧検出部30から導管K2(2m長さ)により圧力波を伝搬させて圧力差を測定する。
各々の管路内状態推定装置には、管体に直付けの圧力計PXを設置し、圧力計PXで得られた圧力差をΔP0とする。管路内状態推定装置10Aで得られた圧力差をΔPA、管路内状態推定装置Kで得られた圧力差をΔPKとする。
図6(A)(B)には、50Hzの脈動で流体を管体に流通させて、経時的に管路12A内の上流圧検出部20と下流圧検出部30との間の圧力差を測定した結果が示されている。図6(A)は、管路内状態推定装置10Aで得られた結果であり、管路内状態推定装置10Aで得られた圧力差をΔPAは、圧力差ΔP0とほぼ一致する。一方、図6(B)は、管路内状態推定装置Kで得られた結果であり、管路内状態推定装置Kで得られた圧力差をΔPKは、圧力差ΔP0と振幅、位相ともにずれている。管路内状態推定装置10Aでは、正確に上流圧検出部20と下流圧検出部30との間の圧力差を測定できていることが確認できた。
10A、10B 管路内状態推定装置
12 管体
12A 管路
16 基準圧検出部
20 上流圧検出部
22 上流側差圧計(上流側差圧測定部)
22A 上流受圧部
24 上流接続部
28、28A 上流導管
30 下流圧検出部
32 下流側差圧計(下流側差圧測定部)
32A 下流受圧部
34 下流接続部
38、38A 下流導管
40 状態推定部
ΔP 圧力差
ΔPd 下流側差圧
ΔPu 上流側差圧
P1、P2、P3 壁面圧力
D1 上流導管長さ(上流導管路の長さ)
D2 下流導管長さ(下流導管路の長さ)
L 距離

Claims (10)

  1. 対象の管体に設けられ前記管体内の管路と連通された上流圧検出部と、
    前記管体に設けられ前記管路と連通された基準圧検出部と、
    前記管体の前記上流圧検出部よりも下流側に設けられ前記管路と連通された下流圧検出部と、
    前記上流圧検出部及び前記基準圧検出部に接続され、前記上流圧検出部の壁面圧力と前記基準圧検出部の壁面圧力との差圧を上流側差圧として測定する上流側差圧測定部と、
    前記下流圧検出部及び前記基準圧検出部に接続され、前記下流圧検出部の壁面圧力と前記基準圧検出部の壁面圧力との差圧を下流側差圧として測定する下流側差圧測定部と、
    前記上流側差圧と前記下流側差圧に基づいて、前記管体内を流れる流体の状態を推定する状態推定部と、
    を備えた、管路内状態推定装置。
  2. 前記基準圧検出部から前記上流側差圧測定部の上流受圧部まで前記基準圧検出部の壁面圧力を伝搬する上流導管路の伝搬特性と、前記基準圧検出部から前記下流側差圧測定部の下流受圧部まで前記基準圧検出部の壁面圧力を伝搬する下流導管路の伝搬特性とが、同一になるように前記上流導管路及び前記下流導管路の長さ及び管径が設定されている、請求項1に記載の管路内状態推定装置。
  3. 前記上流導管路と前記下流導管路は、長さ及び管径が同一である、請求項2に記載の、管路内状態推定装置。
  4. 前記基準圧検出部は、前記上流圧検出部よりも下流側且つ前記下流圧検出部よりも上流側に設けられている、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の管路内状態推定装置。
  5. 前記上流圧検出部から前記下流圧検出部までの距離は、10cm以上である、
    請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の、管路内状態推定装置。
  6. 対象の管体に設けられて管体内の管路と連通された上流圧検出部における壁面圧力と、前記管体に設けられて前記管路と連通された基準圧検出部における壁面圧力との間の差圧を上流側差圧測定部において上流側差圧として測定し、
    前記基準圧検出部における壁面圧力と、前記管体の前記上流圧検出部よりも下流側に設けられて前記管路と連通された下流圧検出部における壁面圧力との間の差圧を下流側差圧測定部において下流側差圧として測定し、
    前記上流側差圧と前記下流側差圧に基づいて、前記管体内を流れる流体の状態を推定する、
    管路内状態推定方法。
  7. 前記基準圧検出部から前記上流側差圧測定部の上流受圧部まで前記基準圧検出部の壁面圧力を伝搬する上流導管路の伝搬特性と、前記基準圧検出部から前記下流側差圧測定部の下流受圧部まで前記基準圧検出部の壁面圧力を伝搬する下流導管路の伝搬特性とが、同一になるように前記上流導管路及び前記下流導管路の長さ及び管径が設定されている、
    請求項6に記載の、管路内状態推定方法。
  8. 前記上流導管路と前記下流導管路は、長さ及び管径が同一である、
    請求項7に記載の、管路内状態推定方法。
  9. 前記基準圧検出部は、前記上流圧検出部よりも下流側且つ前記下流圧検出部よりも上流側に設けられている、請求項6~請求項8のいずれか1項に記載の管路内状態推定方法。
  10. 前記上流圧検出部から前記下流圧検出部までの距離は、10cm以上である、
    請求項6~請求項9のいずれか1項に記載の、管路内状態推定方法。
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