JP2022159786A - 荷電粒子ビーム描画装置及び荷電粒子ビーム描画方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】異常によるマスクスクラップの発生を低減する。【解決手段】荷電粒子ビーム描画装置は、描画機構10と、描画制御部303と、複数の荷電粒子ビームの制御データを生成する偏向演算制御部405と、格納部406と、ブランキング制御回路404と、検知器120とを含む。偏向演算制御部は、描画中に検知器が異常を検知したとき、ブランキング制御回路への制御データの転送を中断し、描画を中断するとともに、少なくとも格納部に格納されたショットデータであって、ブランキング制御回路に未転送の制御データに係るショットデータを描画制御部に転送する。描画制御部は、少なくとも偏向演算制御部から転送されたショットデータに基づき、描画を中断した位置の中断位置情報を生成する。【選択図】図1
Description
本発明は、荷電粒子ビーム描画装置及び荷電粒子ビーム描画方法に関する。
半導体デバイスの製造工程では、縮小投影露光装置(「ステッパ」または「スキャナー」と呼ばれる)を用いて、マスクに形成された原画パターン(以下、「パターン」とも表記する)が、半導体基板(「ウェハ」とも呼ばれる)に露光される。例えば、マスクは、電子ビーム等の荷電粒子ビームを用いた荷電粒子ビーム描画装置を用いて製造される。
例えば、荷電粒子ビーム描画装置の1つである電子ビーム描画装置は、電子ビームを射出する射出部として電子銃を備える。電子銃のカソードとアノードと間には、カソードから放出された熱電子を加速させるため、数十kV以上の比較的高い電圧が印加される。この加速された熱電子が電子ビームとして、電子銃から射出される。
電子銃から射出された電子ビームは、複数のアパーチャ、偏向器、及びレンズ等から構成される電子光学系を介して、マスク上に結像され、マスクに所望のパターンが描画される。
電子ビーム描画装置の1つにマルチビーム描画装置がある。マルチビーム描画装置は、複数の電子ビームを用いて描画されるパターンの画素毎に露光する。ブランキングアパーチャアレイを用いたマルチビーム描画装置では、例えば1つの電子銃から射出された電子ビームが複数の開口を有するブランキングアパーチャアレイに通過することにより、マルチビームが形成される。マルチビームは、電子ビームの各々に対応するブランカ(電極対)により、ブランキング制御される。
このようなマルチビーム描画装置において、マスク上にパターンを描画する場合、例えば、1つの画素に対して、電子ビームを複数回照射する多重描画が用いられる場合がある。多重描画により、パターンの位置精度の誤差と、電子ビームの偏向領域の境界で生じるパターンの接続精度の誤差とが、平均化の効果によって低減される。
電子ビーム描画装置では、描画作業中に、地震や異常放電などにより電磁場変動が発生すると、描画異常を引き起こし、パターン形成不良が生じる可能性がある。そこで、電磁場変動が発生した場合、速やかに描画を停止し、できるだけマスクスクラップの発生を抑える必要がある。
特許文献1には、地震情報が受信された場合、描画途中のサブ領域の描画を完了させてから描画を一時停止させ、再開可能と判断された場合、描画を再開する電子線描画装置及び電子線描画方法が開示されている。
マルチビーム描画装置における多重描画の多重度が高くなると、複数回の電子ビームの照射のうち1回、電磁場異常が発生していたとしても、パターンへの影響が小さければ、マスクスクラップの必要はない。従って、電磁場異常を検知後、速やかに描画を中断することにより電磁場異常状態で実行されるショット数を抑え、中断位置より描画を再開することで、マスクスクラップの発生を低減できる。
本実施形態はこうした点に鑑みてなされたものであり、マスクスクラップの発生を抑えることができる荷電粒子ビーム描画装置及び荷電粒子ビーム描画方法を提供するものである。
本発明の態様によれば、荷電粒子ビーム描画装置は、複数の荷電粒子ビームをそれぞれブランキングしながら対象物に照射し、パターンを描画する描画機構と、パターンより生成されショットデータに基づき、描画機構を制御する描画制御部と、描画制御部より転送されたショットデータに基づき、複数の荷電粒子ビームをそれぞれブランキング制御するための制御データを生成する偏向演算制御部と、ショットデータを、少なくともショットデータに基づく描画が完了するまで格納する格納部と、偏向演算制御回路から転送された制御データに基づき、ブランキングを制御するブランキング制御回路と、異常を検知する検知器と、を含む。偏向演算制御部は、描画中に検知器が異常を検知したとき、ブランキング制御回路への制御データの転送を中断し、描画を中断するとともに、少なくとも格納部に格納されたショットデータであって、ブランキング制御回路に未転送の制御データに係るショットデータを描画制御部に転送する。描画制御部は、少なくとも偏向演算制御部から転送されたショットデータに基づき、描画を中断した位置の中断位置情報を生成する。
本発明の態様によれば、描画制御部は、異常が収束した後、中断位置情報に基づいて、描画を再開することが好ましい。
本発明の態様によれば、ブランキング制御回路は、描画中に検知器が異常を検知したとき、ブランキング制御を中断し、描画を中断するとともに、更にブランキング制御に使用されていない制御データを描画制御部に転送することが好ましい。描画制御部は、更にブランキング制御に使用されていない制御データに基づき、中断位置情報を生成することが好ましい。
本発明の態様によれば、描画制御部は、試料に要求される描画精度、待機時間、及び故障診断の結果の少なくともいずれか1つに基づいて、描画の再開可否を判断することが好ましい。
本発明の態様によれば、格納部は、ショットデータに含まれる描画位置に紐づけられたショットIDを格納することが好ましい。
本発明の態様によれば、荷電粒子ビーム描画方法は、複数の荷電粒子ビームをそれぞれブランキングしながら照射し、パターンを描画する描画方法であって、パターンに基づきショットデータを生成し、ショットデータに基づき、複数の荷電粒子ビームをそれぞれブランキングするための制御データを生成し、制御データが生成されたショットデータを、少なくともショットデータに基づく描画が完了するまで格納し、制御データに基づき、ブランキングを制御して描画を行い、描画中に異常を検知したとき、描画を中断するとともに、少なくとも格納されたショットデータであって、ブランキング制御に使用されていない制御データに係るショットデータに基づき、描画を中断した位置の中断位置情報を生成する。
本実施形態の荷電粒子ビーム描画装置及び荷電粒子ビーム描画方法によれば、マスクスクラップの発生を抑えることができる。
以下に、実施形態について図面を参照して説明する。実施形態は、発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示している。図面は模式的または概念的なものであり、各図面の寸法及び比率等は必ずしも現実のものと同一とは限らない。本発明の技術的思想は、構成要素の形状、構造、配置等によって特定されるものではない。
1.第1実施形態
第1実施形態に係る荷電粒子ビーム描画装置について説明する。以下では、本実施形態に係る荷電粒子ビーム描画装置として、マルチビームを照射する電子ビーム描画装置を例に挙げて説明する。なお、荷電粒子ビームは、電子ビームに限定されない。また、荷電粒子ビームは、シングルビームであってもよい。
第1実施形態に係る荷電粒子ビーム描画装置について説明する。以下では、本実施形態に係る荷電粒子ビーム描画装置として、マルチビームを照射する電子ビーム描画装置を例に挙げて説明する。なお、荷電粒子ビームは、電子ビームに限定されない。また、荷電粒子ビームは、シングルビームであってもよい。
1.1 構成
まず、電子ビーム描画装置1の全体構成について、図1を用いて説明する。図1は、電子ビーム描画装置1の全体構成の一例を示す概念図である。なお、図1の例では、ブロック間の接続の一部を示しているが、ブロック間の接続は、これらの接続に限定されない。
まず、電子ビーム描画装置1の全体構成について、図1を用いて説明する。図1は、電子ビーム描画装置1の全体構成の一例を示す概念図である。なお、図1の例では、ブロック間の接続の一部を示しているが、ブロック間の接続は、これらの接続に限定されない。
図1に示すように、電子ビーム描画装置1は、描画機構10と制御機構20とを含む。
描画機構10は、描画室101及び鏡筒102を含む。
描画室101内には、試料103が載置されるステージ104が設けられている。試料103には、例えば、マスク(マスクブランク、レチクル等)や半導体基板が含まれる。ステージ104は、ステージ104(試料103)の表面に平行なX方向及びステージ104の表面に平行であり且つX方向に交差するY方向に移動可能である。
ステージ駆動機構105は、ステージ104を、X方向及びY方向から構成されるXY平面を移動させるための駆動機構を有する。なお、ステージ駆動機構105は、例えば、ステージ104の表面(XY平面)に垂直なZ方向を回転軸として、ステージ104をXY平面上で回転軸周りに回転させる機構を有していてもよいし、ステージ104をZ方向に移動させる機構を有していてもよい。
ステージ位置検出器408は、レーザ測長システムを含む。レーザ測長システムは、ステージ104に設けられているミラー107にレーザを照射して、ミラー107に反射したレーザを受光する。レーザ測長システムは、受光したレーザの情報からステージ104のX方向及びY方向における位置を測定する。
ファラデーカップ106は、ステージ104上に設けられており、電子ビームをモニターする、あるいは後述するビームを退避する際に用いられる。
ミラー107は、ステージ104上に設けられており、ステージ104の位置検出に用いられる。
鏡筒102は、描画室101の上に設置されている。例えば、鏡筒102は、Z方向に延伸する円筒形状を有している。描画室101及び鏡筒102は、互いに接する面が開口している。描画室101と鏡筒102とにより形成される空間は、真空(減圧)状態に保持される。例えば、鏡筒102は、ステンレス等の導電材料により構成され、グランド電位に接地されている。
鏡筒102内には、電子銃(荷電粒子銃)111、並びに電子光学系を構成する照明レンズ112、成形アパーチャアレイ基板113、ブランキングアパーチャアレイ機構114、縮小レンズ115、制限アパーチャ基板116、対物レンズ117、一括ブランカ118、及び偏向器119が設けられている。なお、電子光学系の構成は、このような構成に限定されない。
電子銃111は、描画室101に向かって電子ビームBを射出するように設置されている。
照明レンズ112は、電子銃111から射出された電子ビームBの軌道を成形アパーチャアレイ基板113に対してほぼ垂直方向(Z方向)にすることで、電子ビームBを成形アパーチャアレイ基板113全体に照明させる。なお、照明レンズ112には、例えば電磁レンズが用いられてもよい。
成形アパーチャアレイ基板113は、複数の開口部を有する。開口部を通過した電子ビームBがマルチビームMBとして成形される。
図2に一例の平面図を示すように、成形アパーチャアレイ基板113には、X方向及びY方向に沿ってマトリクス状に配置された複数の開口部130が設けられている。図2の例では、各開口部130の座標(以下、「アパーチャ座標」と表記する)は、紙面左下から紙面右上に向かって、(x、y)=(1,1)~(512、512)で表示されている。なお、開口部130の個数は任意である。また、開口部130の形状は、限定されない。例えば、開口部130の形状は、矩形であってもよいし、円形であってもよい。また、開口部130の配置は、任意に設計可能である。例えば、開口部130は、千鳥配列であってもよい。
ブランキングアパーチャアレイ機構114は、成形アパーチャアレイ基板113の各開口部130を通過した電子ビーム(マルチビームMB)をそれぞれ独立してブランキング制御するための機構を有する。ブランキングアパーチャアレイ機構114は、成形アパーチャアレイ基板113の複数の開口部130にそれぞれ対応する複数のブランカ(電極対)を含む。例えば、ブランカの一方の電極は、グランド電位に固定されている。ブランカの他方の電極は、グランド電位とそれ以外の電位とに切り替えらえる。電位の切り替えにより、ブランカを通過する電子ビームが偏向制御される。ブランキングアパーチャアレイ機構114により偏向された電子ビームは、後述する制限アパーチャ基板116で遮蔽され試料103には到達しない(オフ状態)。他方で、ブランキングアパーチャアレイ機構114により偏向されていない電子ビームは、試料103に到達する(オン状態)。
縮小レンズ115は、マルチビームMBを制限アパーチャ基板116の中央に設けられた開口部に向かって縮小させる。なお、縮小レンズ115には、例えば電磁レンズが用いられてもよい。
一括ブランカ118は、ブランキングアパーチャアレイ機構114を通過したビームを一括偏向する。
制限アパーチャ基板116は、一括ブランカ118により一括偏向されたマルチビームMB、及びマルチビームMBのうち、ブランキングアパーチャアレイ機構114のブランキング制御により偏向された電子ビームを遮蔽する。
対物レンズ117は、制限アパーチャ基板116を通過したマルチビームMBの焦点を調整する。焦点を調整されたマルチビームMBは、試料103上において、予め設定された縮小率のパターン像となる。なお、対物レンズ117には、例えば電磁レンズが用いられてもよい。
偏向器119は、マルチビームMBがステージ104(試料103)の所望の位置に照射されるように偏向し、マルチビームMBにより試料103が描画される。
図3に試料103の表面における描画順序の一例を示す概念を示すように、試料103の描画領域500は、例えば、Y方向に沿って、予め設定された幅の短冊状の複数のストライプ領域501~508に仮想的に分割される。図3の例では、8つのストライプ領域501~508に分割されているが、分割するストライプ領域の個数は、任意に設定可能である。そして、ステージ駆動機構105は、分割された8つのストライプ領域501~508が連続的に描画されるように、ステージ104を移動させる。より具体的には、例えば、まず、ストライプ領域501において、ステージ駆動機構105は、紙面左側から右側に向かってX方向に、1回のショットで照射可能な照射領域510を移動させる。すなわち、ステージ駆動機構105は、紙面右側から左側に向かってX方向に、ステージ104を移動させる。ストライプ領域501の描画が終了した後、ストライプ領域502において、ステージ駆動機構105は、ストライプ領域501の場合とは逆方向に、照射領域510を移動させる。次に、ストライプ領域503において、ステージ駆動機構105は、ストライプ領域502の場合とは逆方向に、照射領域510を移動させる。他のストライプ領域504~508も同様に、交互に照射領域510の移動方向を変えながら描画が行われる。例えば、ストライプ領域503の描画が終了する前に描画が中断されたときは、ストライプ領域503内で描画が停止される。
また、鏡筒102には、検知器として複数の放電検知器120が設置されている。放電検知器120は、電子銃111及び電子光学系で発生した異常放電を検知する。例えば、放電検知器120は、鏡筒102内部に設けられているアンテナ電極を含む。例えば、放電検知器120は、アンテナ電極が帯電することにより生じる電流を検知する。
なお、検知器は放電検知器に限定されるものではなく、また、後述する地震を含む磁場変動を検出する磁場センサ402や、その他中断処理が必要となる異常を検出するものが適用可能である。設置場所も鏡筒102に限定されず、装置外部に設置されてもよい。
制御機構20は、ソフトウェア(コンピュータで実行されるプログラムまたはファームウェア等)により制御されるソフトウェア部30とハードウェア(すなわち専用回路)により制御されるハードウェア部40とを含む。ソフトウェアは、例えば、コンピュータに備えられたプロセッサ(CPU)がファームウェアを実行することにより、その機能が実現される。
描画データ記憶部301には、外部から入力された描画データ(レイアウトデータ)が格納される。描画データ記憶部301には、例えば、HDD(Hard Disk Drive)またはSSD(Solid State Drive)等の記憶媒体を用いることができる。
ショットデータ生成部302は、描画データ記憶部301に格納されている描画データに基づいて、各ショットに対応するショットデータ、及び一括ブランカ118の制御データを生成する。ショットデータ生成部302は、装置外部に設けられていてもよい。
ショットデータには、例えば、ブランキングアパーチャアレイ機構114の制御データとしてマルチビームMBの各ショットにおける照射条件(ブランカ毎の電子ビームのON/OFF、及び電子ビームの照射時間)、及び描画位置等の情報が含まれる。また、ショットデータ生成部302は、各ショットが識別できるように、ショットデータにショットIDを付与する。
図4は、ショットデータを示すテーブルの一例である。図4の例は、ショットの順序に応じて、予め設定された任意の番号(例えば、00000~99999まで)のショットIDが順番に繰り返し付与される場合(以下、「循環式」と表記する)を示している。循環式ショットIDの個数は、例えば、ショットデータ格納部406に保持可能なショット数に応じて設定されてもよい。循環式ショットIDであれば、1ショット当たりのショットIDのデータ量(桁数)の増加を抑制できる。循環式ショットIDの個数は、ストライプ領域単位であってもよいし、ストライプ領域よりも狭い領域単位であってもよい。更には、全てのショットに対して異なるショットIDが付与されてもよい。なお、全てのショットにショットIDを付与する必要はなく、ハードウェア部40における未処理データ(描画が完了しておらず、ブランキング制御に使用されていない制御データ)の描画位置を特定できればよい。
図4に示すように、テーブルの各行が、1回のショットの情報に対応する。アパーチャ座標上の各点における“ON”または“OFF”の表示は、対応する電子ビームのON/OFF制御を示している。ショットデータには、さらに照射時間の情報も付与され、ON状態のビームの照射時間が定義される。なお、照射時間0=OFF、照射時間>0=ONとすることで、照射時間のみの情報であってもよい。
描画制御部303は、電子ビーム描画装置1の全体を制御する。描画制御部303は、中断位置情報記憶部304を有する。
描画制御部303は、生成されたショットデータを保持し、ステージ位置検出器408から、ステージ104の位置データを取得し、ステージ駆動機構105を制御する。
中断位置情報記憶部304は、中断位置情報を記憶する。中断位置情報記憶部304には、例えば、RAM(Random Access Memory)を用いることができる。なお、中断位置情報記憶部304は、描画制御部303の外部に設けられてもよい。
描画制御部303は、異常検知した結果を表示するための表示部、またはログとして残した中断位置座標を出力するための出力部を有してもよい。
描画制御部303は、ハードウェア部40に含まれる高圧電源401、磁場センサ402、放電検知制御回路403、ブランキング制御回路404、偏向演算制御回路405、及びステージ位置検出器408を制御する。
高圧電源401は、電子銃111に、電子銃111が電子ビームBを射出するための高電圧を印加する。高圧電源401は、例えば、異常放電により電子銃111に印加する電圧が予め設定された規格を外れた場合、偏向演算制御回路405に、異常の検知を知らせるアラーム信号AL1を送信する。
磁場センサ402は、地震や電子ビーム描画装置1内の各種回路に流れる電流に起因して発生する磁場変動を検出する。そして、磁場センサ402は、例えば、磁場の測定結果が予め設定された範囲を外れた場合、偏向演算制御回路405に、異常の検知を知らせるアラーム信号AL2を送信する。
放電検知制御回路403は、偏向演算制御回路405に、放電検知器120が異常放電を検知したことを知らせるアラーム信号AL3を送信する。
ブランキング制御回路404は、ブランキングアパーチャアレイ機構114及び一括ブランカ118を制御する。ブランキング制御回路404は、偏向演算制御回路405から、制御データを受信する。ブランキング制御回路404は、例えばシフトレジスタ等を含み、複数ショット分の制御データを保持可能であってもよい。ブランキング制御回路404は、マルチビームMBにおける各電子ビームのON/OFF制御を行う。すなわち、ブランキング制御回路404は、ブランキングアパーチャアレイ機構114の各ブランカに印加する電圧を制御する。なお、ブランキング制御回路404は、各ブランカにおいて、電子ビームのON/OFFと、電子ビームの照射時間を制御する。
偏向演算制御回路405は、ショットデータ格納部406、及び偏向演算出力部407を含む。ショットデータ格納部406は、描画制御部303から転送されたショットデータを格納する。
偏向演算制御回路405は、位置データに基づいて、ステージ104の移動に追従するようにマルチビームMBを偏向させ、所望の位置に照射するために、マルチビームMBの偏向量データを演算する偏向演算制御部である。偏向演算制御回路405は、偏向量データに基づいて、例えば、偏向器119を制御する。また、偏向演算制御回路405は、ブランキング制御がステージ104の移動に追従されるように、ブランキング制御回路404に制御データを転送する。
1.2 描画装置の動作
次に、本実施形態の描画装置の動作について説明する。本実施形態においては、予め描画する試料毎に、その描画レベルに基づき3つの動作モードのいずれかが選択され、描画中に異常を検知した場合に、描画を中断させた後、選択された動作モードを実行する。動作モードとして、例えば待機モード、診断モード、及び中止モードの3つのいずれかが選択される。
次に、本実施形態の描画装置の動作について説明する。本実施形態においては、予め描画する試料毎に、その描画レベルに基づき3つの動作モードのいずれかが選択され、描画中に異常を検知した場合に、描画を中断させた後、選択された動作モードを実行する。動作モードとして、例えば待機モード、診断モード、及び中止モードの3つのいずれかが選択される。
待機モードは、描画を中断した後、異常が収束するまで電子ビーム描画装置1が待機状態とされ、異常の収束後に、描画が再開されるモードである。例えば、待機モードの場合、予め設定された期間、電子ビーム描画装置1が待機状態とされる。例えば、その期間内に異常が収束せずにタイムアウトとなった場合には、描画は中止される。
診断モードは、描画を中断した後、故障診断が実行され、電子ビーム描画装置1が正常であると判断された場合に、描画が再開されるモードである。例えば、診断モードの場合、故障診断の結果、故障が見つかると、描画は中止される。
中止モードは、描画中に異常を検知された場合、描画を中止させるモードである。
1.2.1 動作全体の流れ
まず、動作全体の流れについて、図5の描画動作の一例を示すフローチャートを用いて説明する。
まず、動作全体の流れについて、図5の描画動作の一例を示すフローチャートを用いて説明する。
図5に示すように、まず、異常放電等の異常を検知した後の動作モードが設定される(ステップS1)。
動作モード設定後、描画制御部303は、描画を実行する(ステップS2)。すなわち、試料103にマルチビームMBが照射され、パターンが描画される。
描画中に異常が検知されなかった場合(ステップS3_No)、試料103に所望のパターンを描画後、描画は終了する。
描画中に異常が検知された場合(ステップS3_Yes)、描画が中断される(ステップS4)。そして、設定された動作モードに従って、描画が再開/中止される(ステップS5~S9)。
1.2.2 待機モード設定時の動作
次に、待機モード設定時の描画動作について、図6を用いて説明する。図6は、待機モード設定時の描画動作の一例を示すフローチャートである。以下の説明では、ショットデータの送受信に関する動作を中心に説明する。なお、図6の例では、図5で説明した動作モードの設定後の動作を示す。
次に、待機モード設定時の描画動作について、図6を用いて説明する。図6は、待機モード設定時の描画動作の一例を示すフローチャートである。以下の説明では、ショットデータの送受信に関する動作を中心に説明する。なお、図6の例では、図5で説明した動作モードの設定後の動作を示す。
図6に示すように、まず、描画工程において、ショットデータ生成部302は、描画データ記憶部301から転送された描画データに基づいて、ショットデータを生成する(ステップS10)。このとき、ショットデータには描画位置に紐づけられたショットIDが付与される。ショットデータ生成部302は、ショットデータを描画制御部303に送信する。
描画制御部303は、ショットデータを偏向演算制御回路405に転送する(ステップS11)。偏向演算制御回路405は、転送されたショットデータをショットデータ格納部406に格納する。格納されたショットデータは、データ処理が完了、すなわち、描画が完了するまで、保存される。
次に、偏向演算制御回路405は、ショットデータ格納部406に格納されているショットデータに基づいて、描画の進行に従って順次ブランキングをオン・オフする制御データを生成して(ステップS12)、ブランキング制御回路404に転送する(ステップS13)。なお、制御データには描画位置を特定できる情報は含まれていない。
ブランキング制御回路404は、制御データに基づいて、ブランキングアパーチャアレイ機構114を制御する。ブランキングアパーチャアレイ機構114においてブランキング制御されたマルチビームMBが試料103に照射される(ステップS14)。
描画工程において、異常が検知されなかった場合(ステップS15_No)、試料103に所望のパターンを描画後、描画動作は終了する。
描画中に、異常が検知された場合(ステップS15_Yes)、偏向演算制御回路405は、異常の発生を知らせるアラーム信号AL1~AL3の少なくとも1つを受信する。
アラーム信号AL1~AL3の少なくとも1つを受信すると、偏向演算制御回路405の偏向演算出力部407は、ブランキング制御回路404への制御データの転送を中断する(ステップS16)。ブランキング制御回路404は、ブランキングを強制オンにしてマルチビームMBを一括偏向してビームオフ状態とするか、ステージ駆動機構105を制御して、ステージ104を移動させて試料103を退避させる(ステップS17)。このとき、マルチビームMBがファラデーカップ106に照射されるように移動してもよい。
また、偏向演算制御回路405は、描画制御部303に、未処理のショットデータを転送する(ステップS18)。より具体的には、例えば、偏向演算制御回路405は、描画制御部303に、ブランキング制御回路404に転送していない制御データを生成したショットデータのうち、描画を中断しなければ次に転送される制御データを生成するショットデータのショットIDを転送する。なお、偏向演算制御回路405は、描画制御部303に、異常検知についての情報を送信してもよい。この場合、描画制御部303は、結果を表示してもよい。
描画制御部303は、転送された未処理のショットデータのショットIDから、描画の中断位置情報(描画位置)を生成する(ステップS19)。そして、描画制御部303は、中断位置情報記憶部304に、生成した中断位置情報を格納する。
描画制御部303は、描画工程を中断させた後、描画中断した描画位置をログとして外部に出力する(ステップS20)。なお、描画制御部303は、表示部を含んでいる場合、表示部にログを表示してもよい。
予め設定された時間内にアラーム信号AL1~AL3が受信されなくなることで異常放電が収束したかどうかが判断される(ステップS21)。
例えば、異常状態が持続し、予め設定された時間内に異常が収束しなかった場合(ステップS21_No)、描画制御部303は、描画を中止する(ステップS22)。描画制御部303は、例えば、描画中止に関する情報を外部に出力してもよい。
異常が予め設定された時間内に収束した場合(ステップS21_Yes)、または異常を検知していない場合、偏向演算制御回路405は、描画制御部303に、異常の収束を知らせる情報を送信する。このとき、必要に応じて新たにショットデータが生成される。描画制御部303は、中断位置情報に基づいて、ステージ駆動機構105を制御して、ステージ104を中断位置に移動させる(ステップS23)。描画制御部303は、ステップS11に戻り、偏向演算制御回路405へのショットデータの転送を再開して、描画を再開させる。
1.2.3 診断モード設定時の描画動作
次に、診断モード設定時の描画動作について、図7に示す診断モード設定時の描画動作の一例を示すフローチャートを用いて説明する。以下の説明では、図6と異なる点を中心に説明する。
次に、診断モード設定時の描画動作について、図7に示す診断モード設定時の描画動作の一例を示すフローチャートを用いて説明する。以下の説明では、図6と異なる点を中心に説明する。
図7に示すように、描画工程及び中断工程(ステップS10~S20)は、図6と同様である。
異常が収束すると、描画制御部303は、故障診断を実行する(ステップS30)。
故障診断の方法は、適宜選択される。例えば、ハードウェア部40が、電子ビーム描画装置1の故障診断を実行するための自己診断回路(図示せず)を含んでいてもよい。例えば、自己診断回路は、異常が収束した後、例えば、ハードウェア部40の内部に残っているデータを一旦削除してリセットして故障診断を実行する。描画制御部303は、自己診断回路による故障診断の結果に基づき、描画再開の可否を判断する。
または、例えば、描画制御部303は、テストデータを用いて描画を実行し、その結果に基づいて故障診断を行ってもよい。例えば、描画制御部303は、故障判定部(図示せず)を含む。より具体的には、例えば、描画制御部303は、ステージ駆動機構105を制御して、ステージ104上のファラデーカップ106が描画位置に配置されるようにステージ104を移動させる。そして、描画制御部303は、テストデータを用いて描画を実行し、故障判定部でデジタルデータの出力を正常時のデータと比較することにより、故障診断を行う。あるいは、故障判定部でデジタルデータの出力をチェックサムにより診断することで、故障診断を行ってもよい。
また、例えば、故障診断として、電圧測定による機器診断が行われてもよい。より具体的には、電子ビーム描画装置1内に設置されている各種電源(例えばレンズ、または偏向器等)及びDAC(Digital to Analog Converter)アンプ等のアナログ出力を有する回路のアナログ出力電圧が測定され、測定値と設定値とが比較される。
または、例えば、故障診断として、マルチビームMBが正常に照射されているか診断されてもよい。より具体的には、例えば、描画制御部303は、試料103の表面に設けられている位置合わせ用マークの上をマルチビームMBでスキャンする。このとき、マルチビームMBの焦点及び描画位置のずれ、並びにマルチビームMB内に電子ビームが正常に照射されていない欠陥ビームが発生していないか等の確認がされてもよい。
故障診断では、2以上の故障診断を実行してもよい。
故障診断の結果、故障あり、と判定された場合(ステップS31_Yes)、描画制御部303は、描画を中止する(ステップS22)。描画制御部303は、例えば、描画中止に関する情報を外部に出力してもよい。
故障無し、と判定された場合(ステップS31_No)、描画制御部303は、中断位置情報に基づいて、ステージ駆動機構105を制御して、ステージ104を中断位置に移動させる(ステップS23)。描画制御部303は、ステップS11に戻り、偏向演算制御回路405へのショットデータの転送を再開して、描画を再開させる。
1.2.4 中止モード設定時の描画動作
次に、中止モード設定時の描画動作について、図8に示す中止モード設定時の描画動作の一例を示すフローチャートを用いて説明する。以下の説明では、図6と異なる点を中心に説明する。
次に、中止モード設定時の描画動作について、図8に示す中止モード設定時の描画動作の一例を示すフローチャートを用いて説明する。以下の説明では、図6と異なる点を中心に説明する。
図8に示すように、描画工程(ステップS10~S13)は、図6と同様である。
中止モードが選択されている場合。異常が検出されると、描画制御部303は、描画を中止する(ステップS21)。このとき、必要に応じてログを出力する。
1.3 本実施形態に係る効果
本実施形態によれば、異常を検知後、偏向演算制御回路からのデータ転送を中断することで速やかに描画を中断し、異常状態で実行されるショット数を抑えることができる。そして、偏向演算制御回路において未処理のショットデータより生成された中断位置情報に基づき中断位置より描画を再開することで、マスクスクラップの発生を低減できる。
本実施形態によれば、異常を検知後、偏向演算制御回路からのデータ転送を中断することで速やかに描画を中断し、異常状態で実行されるショット数を抑えることができる。そして、偏向演算制御回路において未処理のショットデータより生成された中断位置情報に基づき中断位置より描画を再開することで、マスクスクラップの発生を低減できる。
2.第2実施形態
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態では、第1実施形態とは異なる電子ビーム描画装置1の構成について説明する。以下、第1実施形態とは異なる点を中心に説明する。
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態では、第1実施形態とは異なる電子ビーム描画装置1の構成について説明する。以下、第1実施形態とは異なる点を中心に説明する。
2.1 電子ビーム描画装置の全体構成
まず、電子ビーム描画装置1の全体構成について、図9を用いて説明する。図9は、電子ビーム描画装置1の全体構成の一例を示す概念図である。なお、図9の例では、ブロック間の接続の一部を示しているが、ブロック間の接続は、これらの接続に限定されない。
まず、電子ビーム描画装置1の全体構成について、図9を用いて説明する。図9は、電子ビーム描画装置1の全体構成の一例を示す概念図である。なお、図9の例では、ブロック間の接続の一部を示しているが、ブロック間の接続は、これらの接続に限定されない。
図9に示すように、描画機構10とソフトウェア部30の構成は、第1実施形態と同様である。
本実施形態では、高圧電源401、磁場センサ402、及び放電検知制御回路403は、ブランキング制御回路404に、アラーム信号AL1~AL3をそれぞれ送信する。
その他のハードウェア部40の構成は、第1実施形態と同様である。
2.2 描画動作
次に、描画動作について説明する。描画動作全体の流れは、第1実施形態と同じである。
次に、描画動作について説明する。描画動作全体の流れは、第1実施形態と同じである。
以下では、待機モードを設定した場合について、図10に示す待機モード設定時の描画動作の一例を示すフローチャートを用いて説明する。
図10に示すように、描画工程のステップS10~S15の動作は、第1実施形態の図6と同様である。
異常が検知される(ステップS15_Yes)と、アラーム信号AL1~AL3の少なくとも1つを受信したブランキング制御回路404は、ブランキング制御を中断し(ステップS40)、第1実施形態と同様に、マルチビームMBをオフ状態とするか、試料103を退避させる(ステップS17)。そして、ブランキング制御回路404は、偏向演算制御回路405に、内部に保持しているブランキング制御に使用していない未処理の制御データを転送する(ステップS41)。なお、ブランキング制御回路404は、偏向演算制御回路405に、異常検知についての情報を送信してもよい。
偏向演算制御回路405は、描画制御部303に、ブランキング制御回路404から転送された未処理の制御データと、ブランキング制御回路404に送信していない制御データの生成に用いられるショットデータのうち、描画が中断されなければ次にブランキング制御回路404に転送される制御データの生成に用いられるショットデータのショットIDと、を転送する(ステップS42)。描画制御部303は、転送された未処理の制御データに基づいて生成されたショットカウント数と、ショットデータのショットIDと、に基づいて中断位置情報を生成する(ステップS43)。
ステップS20~S23の動作は、第1実施形態の図6と同様である。
2.3 本実施形態に係る効果
本実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果が得られる。さらに、偏向演算制御回路405より下流側のブランキング制御回路404からのデータ転送を中断することができるので、異常状態で実行されるショット数を抑えることができ、マスクスクラップの発生をより低減できる。
本実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果が得られる。さらに、偏向演算制御回路405より下流側のブランキング制御回路404からのデータ転送を中断することができるので、異常状態で実行されるショット数を抑えることができ、マスクスクラップの発生をより低減できる。
3.第3実施形態
次に、第3実施形態について説明する。第3実施形態では、第1及び第2実施形態とは異なる電子ビーム描画装置1の構成について説明する。以下、第1及び第2実施形態とは異なる点を中心に説明する。
次に、第3実施形態について説明する。第3実施形態では、第1及び第2実施形態とは異なる電子ビーム描画装置1の構成について説明する。以下、第1及び第2実施形態とは異なる点を中心に説明する。
3.1 電子ビーム描画装置の全体構成
まず、電子ビーム描画装置1の全体構成について、図11に示す電子ビーム描画装置1の全体構成の一例を示す概念図を用いて説明する。
まず、電子ビーム描画装置1の全体構成について、図11に示す電子ビーム描画装置1の全体構成の一例を示す概念図を用いて説明する。
本実施形態では、描画機構10の構成は、第1及び第2実施形態と同様であるが、第1及び第2実施形態で説明した偏向演算制御回路405の代わりに偏向演算制御をソフトウェア部30で動作させる偏向演算制御部305を含む。
第2実施形態と同様に、高圧電源401、磁場センサ402、及び放電検知制御回路403は、ブランキング制御回路404に、アラーム信号AL1~AL3をそれぞれ送信する。
その他の制御機構20の構成は、第1及び第2実施形態と同様である。
3.2 描画動作
次に、描画動作について説明する。描画動作全体の流れは、第1実施形態と同じである。
次に、描画動作について説明する。描画動作全体の流れは、第1実施形態と同じである。
以下では、待機モードを設定した場合について、図12に示す待機モード設定時の描画動作の一例を示すフローチャートを用いて説明する。
図12に示すように、描画工程のステップS10~S15の動作は、第1実施形態の図6と同様である。
異常が検知される(ステップS15_Yes)と、アラーム信号AL1~AL3の少なくとも1つを受信したブランキング制御回路404は、ブランキング制御を中断し(ステップS40)、第1実施形態と同様に、マルチビームMBをオフ状態とするか、試料103を退避させる(ステップS17)。そして、ブランキング制御回路404は、内部に保持しているブランキング制御に使用していない未処理の制御データを偏向演算制御部305に転送する(ステップS44)。なお、ブランキング制御回路404は、偏向演算制御部305に、異常検知についての情報を送信してもよい。
偏向演算制御部305は、描画制御部303に、ブランキング制御回路404から転送された未処理の制御データと、制御データの生成に用いられていない未処理のショットデータのうち、描画が中断されなければ次にブランキング制御回路404に転送される制御データの生成に用いられるショットデータのショットIDと、を転送する(ステップS45)。描画制御部303は、転送された未処理の制御データより生成されたショットカウント数と、ショットデータのショットIDと、に基づいて中断位置情報を生成する(ステップS46)。
ステップS20~S23の動作は、第1実施形態の図6と同様である。
3.3 本実施形態に係る効果
本実施形態によれば、第2実施形態と同様の効果が得られる。
本実施形態によれば、第2実施形態と同様の効果が得られる。
4.変形例等
上記実施形態では、描画前に動作モードを設定する場合について説明したがこれに限定されない。放電検知制御回路403、高圧電源401、及び磁場センサ402において判定レベルを2段階に設定しておき、判定レベルに応じて、動作モードが設定されるようにしてもよい。より具体的には、例えば、放電検知制御回路403において、電流の測定値が、第1段階の判定レベル以上且つ第2段階の判定レベル未満である場合は、待機モード(または診断モード)が選択される。また、電流の測定値が、第2段階の判定レベル以上である場合は、中止モードが選択される。
上記実施形態では、描画前に動作モードを設定する場合について説明したがこれに限定されない。放電検知制御回路403、高圧電源401、及び磁場センサ402において判定レベルを2段階に設定しておき、判定レベルに応じて、動作モードが設定されるようにしてもよい。より具体的には、例えば、放電検知制御回路403において、電流の測定値が、第1段階の判定レベル以上且つ第2段階の判定レベル未満である場合は、待機モード(または診断モード)が選択される。また、電流の測定値が、第2段階の判定レベル以上である場合は、中止モードが選択される。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
1…電子ビーム描画装置、10…描画機構、20…制御機構、40…ハードウェア部、30…ソフトウェア部、101…描画室、102…鏡筒、103…試料、104…ステージ、105…ステージ駆動機構、106…ファラデーカップ、107…ミラー、111…電子銃、112…照明レンズ、113…成形アパーチャアレイ基板、114…ブランキングアパーチャアレイ機構、115…縮小レンズ、116…制限アパーチャ基板、117…対物レンズ、118…一括ブランカ、119…偏向器、120…放電検知器、130…開口部、301…描画データ記憶部、302…ショットデータ生成部、303…描画制御部、304…中断位置情報記憶部、305…偏向演算制御部、401…高圧電源、402…磁場センサ、403…放電検知制御回路、404…ブランキング制御回路、405…偏向演算制御回路、406…ショットデータ格納部、407…偏向演算出力部、408…ステージ位置検出器、500…描画領域、501~508…ストライプ領域、501…ストライプ領域、502…ストライプ領域、503…ストライプ領域、504~508…ストライプ領域、510…照射領域。
Claims (6)
- 複数の荷電粒子ビームをそれぞれブランキングしながら対象物に照射し、パターンを描画する描画機構と、
前記パターンより生成されたショットデータに基づき、前記描画機構を制御する描画制御部と、
前記描画制御部より転送された前記ショットデータに基づき、前記複数の荷電粒子ビームをそれぞれブランキング制御するための制御データを生成する偏向演算制御部と、
前記ショットデータを、少なくとも前記ショットデータに基づく描画が完了するまで格納する格納部と、
前記偏向演算制御部から転送された前記制御データに基づき、前記ブランキングを制御するブランキング制御回路と、
異常を検知する検知器と
を備え、
前記偏向演算制御部は、描画中に前記検知器が前記異常を検知したとき、前記ブランキング制御回路への前記制御データの転送を中断し、前記描画を中断するとともに、少なくとも前記格納部に格納された前記ショットデータであって、前記ブランキング制御回路に未転送の前記制御データに係る前記ショットデータを前記描画制御部に転送し、
前記描画制御部は、少なくとも前記偏向演算制御部から転送された前記ショットデータに基づき、前記描画を中断した位置の中断位置情報を生成する、荷電粒子ビーム描画装置。 - 前記描画制御部は、前記異常が収束した後、前記中断位置情報に基づいて、前記描画を再開する、
請求項1に記載の荷電粒子ビーム描画装置。 - 前記ブランキング制御回路は、前記描画中に前記検知器が前記異常を検知したとき、ブランキング制御を中断し、前記描画を中断するとともに、更に前記ブランキング制御に使用されていない前記制御データを前記描画制御部に転送し、
前記描画制御部は、更に前記ブランキング制御に使用されていない前記制御データに基づき、前記中断位置情報を生成する、
請求項1又は請求項2に記載の荷電粒子ビーム描画装置。 - 前記描画制御部は、試料に要求される描画精度、待機時間、及び故障診断の結果の少なくともいずれか1つに基づいて、前記描画の再開可否を判断する、
請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の荷電粒子ビーム描画装置。 - 前記格納部は、前記ショットデータに含まれる描画位置に紐づけられたショットIDを格納する、
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の荷電粒子ビーム描画装置。 - 複数の荷電粒子ビームをそれぞれブランキングしながら照射し、パターンを描画する描画方法であって、
前記パターンに基づきショットデータを生成し、
前記ショットデータに基づき、前記複数の荷電粒子ビームをそれぞれブランキングするための制御データを生成し、
前記制御データが生成された前記ショットデータを、少なくとも前記ショットデータに基づく描画が完了するまで格納し、
前記制御データに基づき、前記ブランキングを制御して描画を行い、
前記描画中に異常を検知したとき、前記描画を中断するとともに、少なくとも格納された前記ショットデータであって、前記ブランキングの制御に使用されていない前記制御データに係る前記ショットデータに基づき、前記描画を中断した位置の中断位置情報を生成する、荷電粒子ビーム描画方法。
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