JP2022158675A - 電力変換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】駆動モータからインバータを介して回生電力を強電ラインに供給する際に発生する過電圧を抑制する場合において、簡易な構成で強電ラインの電圧制御を容易にし、且つドライバーの不快感を軽減する電力変換装置を提供する。【解決手段】本発明の電力変換装置は、駆動モータと強電ラインとの間で電力の授受を行うモータ用インバータと、強電ラインに電力を供給する発電機と、強電ラインからの電力供給により駆動するとともにモータ用インバータを制御する第1制御部と、発電機を制御する第2制御部と、を備え、駆動モータが回転中に強電ラインのリレーが切断されたときに、第1制御部は、強電ライン平滑コンデンサからの電力供給を受けてモータ用インバータの内部回路を短絡させる短絡制御を実行し、第2制御部は、発電機の発電制御を間欠的に実行する。【選択図】図4

Description

本発明は、電力変換装置に関する。
特許文献1は、強電ラインから電力供給を受けて駆動するインバータを介して強電ラインと三相モータとの電力の授受を行う電力変換装置において、駆動モータからインバータを介して回生電力を強電ラインに供給する際に過電圧が発生した場合、強電ライン内の強電バッテリを切断しインバータが強電ライン内の平滑コンデンサから電力供給を受けてインバータの内部回路を短絡させる短絡制御を実施し、その後平滑コンデンサの電圧が所定の電圧以下になると当該短絡制御を停止して前記回生電力をインバータ内の還流ダイオードを通じて平滑コンデンサに供給し、平滑コンデンサの電圧が回復すると当該短絡制御を再開し、以後このような動作を繰り返す技術を開示している。
特許文献1では、強電ラインに印加される過電圧を抑制するとともに短絡制御用の電力を回生電力により賄っている。
特許第5433608号公報
しかし、特許文献1の構成では、短絡制御をオンオフ制御するためのロジック回路が必要となり、コストが増加する。また、一般に、駆動モータの誘起電圧による回生電流は大電流であり、当該大電流で平滑コンデンサを充電するため強電ラインの電圧は急峻に立ち上がる。このため、電圧検出遅れや制御遅れを考慮すると回生電流を用いた強電ラインの電圧制御は困難である。さらに、電力変換装置が車両に搭載されている場合、短絡制御がオン状態のときの回生トルクは小さく、短絡制御がオフ状態のときの回生トルクは大きいので、車両の減速時の加速度が間欠的に変化し、ドライバーに不快感を与える。
本発明は、駆動モータからインバータを介して回生電力を強電ラインに供給する際に発生する過電圧を抑制する場合において、簡易な構成で強電ラインの電圧制御を容易にし、且つドライバーに対する不快感を低減する電力変換装置を提供することを目的とする。
本発明による電力変換装置は、車両を駆動する駆動モータと、駆動モータに電力を供給する強電ラインと、駆動モータと強電ラインとの間で電力の授受を行うモータ用インバータと、強電ラインに電力を供給する発電機と、強電ラインからの電力供給により駆動するとともにモータ用インバータを制御する第1制御部と、発電機を制御する第2制御部と、を備える。強電ラインは、モータ用インバータとの間で電力の授受を行う強電バッテリと、強電バッテリとともにモータ用インバータに並列に接続された平滑コンデンサと、強電バッテリと前記モータ用インバータとの間に介装されたリレーと、を備える。そして、駆動モータが回転中にリレーが切断されたときに、第1制御部は、平滑コンデンサからの電力供給を受けてモータ用インバータの内部回路を短絡させる短絡制御を実行し、第2制御部は、発電機の発電制御を間欠的に実行する。
本発明によれば、モータ用インバータの内部回路を短絡させる短絡制御を実行することで平滑コンデンサ(強電ライン)の電圧が低下するが、発電機を間欠的に発電させて平滑コンデンサに電力を供給するので、強電ラインの電圧を所定の範囲内に維持することができる。これにより、当該短絡制御をするための電力を回生電力ではなく発電機の発電電力により確保できるので、車両を滑らかに減速させることができる。また、発電機による発電電力は、駆動モータにおける回生電力よりも小さく設定できるので、平滑コンデンサの電圧上昇を低速にすることができ、強電ラインの電圧制御を容易に行うことができる。さらに、回生電力を強電ライン(平滑コンデンサ)に供給することはないので、車両の減速時の加速度が間欠的に変化することはなく、車両を滑らかに減速できる。
図1は、第1実施形態の電力変換装置の回路図である。 図2は、駆動モータの回転数と駆動モータで発生する誘起電圧との関係を示す図である。 図3は、発電機の回転数と発電機で発生するフリクショントルクとの関係を示す図である。 図4は、第1実施形態の電力変換装置の制御のタイムチャートである。 図5は、比較例の電力変換装置の制御のタイムチャートである。 図6は、第2実施形態の電力変換装置の回路図である。 図7は、第2実施形態の電力変換装置の第1の制御のフロー図である。 図8は、第2実施形態の電力変換装置の第1の制御のタイムチャートである。 図9は、第2実施形態の電力変換装置の第2の制御のフロー図である。 図10は、第2実施形態の電力変換装置の第2の制御のタイムチャートである。 図11は、第2実施形態の電力変換装置の第3の制御のフロー図である。 図12は、発電機の回転数と発電時間との関係を示すマップである。 図13は、第2実施形態の電力変換装置の第3の制御のタイムチャートである。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態の電力変換装置100の回路図である。第1実施形態の電力変換装置100は、主に車両に搭載される。電力変換装置100は、強電ライン2(強電バッテリ21、平滑コンデンサ22、リレー23,24)、駆動モータ3、第1インバータ1(モータ用インバータ)、発電機5、第2インバータ4(発電機用インバータ)、第1ゲート信号発生回路6(第1制御部)、第2ゲート信号発生回路7(第2制御部)等を備える。なお、第1ゲート信号発生回路6、第2ゲート信号発生回路7は、車両全体を制御する車両コントローラ9により制御される。
強電バッテリ21は、車両の駆動時に第1インバータ1を介して電力を駆動モータ3に供給するものである。また、車両の制動時において、強電バッテリ21には、駆動モータ3で発生した回生電流が第1インバータ1を介して供給され、これにより強電バッテリ21が充電される。
平滑コンデンサ22は、第1インバータ1から供給された回生電流を充電することで、強電ライン2の直流電圧を平滑化(リプル電圧を低減)して強電バッテリ21に供給するものである。
リレー23,24は、強電バッテリ21と第1インバータ1及び平滑コンデンサ22との間の接続状態を切り替えるものである。通常、リレー23,24の接続状態は導通状態で強電バッテリ21と第1インバータ1とを接続しているが、電力変換装置100で後述の所定の異常が発生した場合には切断状態となり、強電バッテリ21を第1インバータ1及び平滑コンデンサ22から電気的に切り離す。この場合、平滑コンデンサ22が第1ゲート信号発生回路6及び第2ゲート信号発生回路7に対して電力供給する。
駆動モータ3は、第1インバータ1から三相交流の電力供給を受けて回転することで車両を駆動し、また車両の制動時には回生電流を発生させて第1インバータ1に供給する。
図2は、駆動モータ3の回転数と駆動モータ3で発生する誘起電圧との関係を示す図である。駆動モータ3は永久磁石同期モータであり、回転数に応じて図2に示すような誘起電圧特性を有する。図2において、強電バッテリ21の電圧及び電力変換装置100の強電部品の耐圧限界を示す。駆動モータ3の回転数が、当該回転数に起因する誘起電圧が強電バッテリ21の電圧よりも高くなる回転数域である場合、第1インバータ1の制御により駆動モータ3には磁石の磁束を弱める電流が流されるため誘起電圧が抑制され、駆動モータ3はトルク制御され、車両の回生トルクが抑制される。
一方、誘起電圧が耐圧限界を超える回転数域で駆動モータ3がトルク制御されているときに後述のように所定の故障が検出されPWM制御信号が停止すると、耐圧限界を超える誘起電圧が強電ライン2に印加され強電部品が破壊される虞がある。よって、この場合、第1インバータ1に対して後述の短絡制御を実行することで強電部品を保護している。
図1に戻って説明する。第1ゲート信号発生回路6は、車両コントローラ9からトルク指令値(駆動トルク及び回生トルクを含む)、駆動モータ3と第1インバータ1間のUVW相の電流測定値、駆動モータ3の回転角の情報等に基づいてPWM制御信号を第1インバータ1に出力する。また第1ゲート信号発生回路6は、車両コントローラ9から後述の短絡制御信号が入力されると第1インバータ1の内部回路を短絡させるハイ信号のゲート信号を第1インバータ1に出力する。
ここで、第1ゲート信号発生回路6は、強電ライン2又は弱電バッテリ61を駆動源として駆動している。すなわち、第1ゲート信号発生回路6には、強電ライン2に接続された電圧変換器64(DC/DCコンバータ)とダイオード65との直列回路と、弱電バッテリ61と電圧変換器62(DC/DCコンバータ)とダイオード63との直列回路が並列に接続されている。なお、弱電バッテリ61(後述の弱電バッテリ71も同様)は、強電ライン2よりも電圧の低いバッテリであり、車両の制御系の駆動源としても用いられる。
第1ゲート信号発生回路6は、通常、電圧変換器62を駆動させて弱電バッテリ61から電力供給を受けているが、弱電バッテリ61が故障した場合、電圧変換器62が駆動停止し、電圧変換器64が駆動することで強電ライン2から電力供給を受ける。なお、弱電バッテリ61を省略して、第1ゲート信号発生回路6が強電ライン2から電力供給を受けるのみの構成としてもよい。
第1インバータ1は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等の半導体素子11A(ハイ側)と帰還ダイオード12Aとの並列回路と、半導体素子11B(ロー側)と帰還ダイオード12Bとの並列回路と、を直列に接続した直列回路(直列回路1U、直列回路1V、直列回路1W)が3個並列に接続された内部回路を備えるものである。ここで、半導体素子11A,11Bのゲートにハイ信号(例えば5[V])のゲート信号が印加されると半導体素子11A,11Bは導通(短絡)し、ロー信号(例えば0[V])のゲート信号が印加されると半導体素子11A,11Bは不導通となる。
直列回路1Uの接続中点1UMは駆動モータ3のステータのU相コイルに接続され、直列回路1Vの接続中点1VMは駆動モータ3のステータのV相コイルに接続され、直列回路1Wの接続中点1WMは駆動モータ3のステータのW相コイルに接続されている。
ここで直列回路1U,1V,1Wは、第1ゲート信号発生回路6から駆動用のPWM制御信号を受信すると、強電ライン2から供給される直流電流を三相の交流電流に変換して駆動モータ3に出力する。また、第1インバータ1は、駆動モータ3が回生電流を発生させると、第1ゲート信号発生回路6から回生電流抽出用のPWM制御信号を受信することで当該回生電流が入力され、これを単層の直流電流に変換して強電ライン2に出力する。
前記のように、第1インバータ1は、第1ゲート信号発生回路6からハイ信号のゲート信号が入力されると、ハイ側の3つの半導体素子11Aのゲート、又はロー側の3つの半導体素子11Bのゲートにハイ信号のゲート信号が印加される。この場合、駆動モータ3において回生電流が発生しても、三相電流の総和がゼロになるので、強電ライン2側に電力を供給することはない。
また、全ての半導体素子11Aのゲートにロー信号のゲート信号が印加されると、第1インバータ1回路は、帰還ダイオード12A,12Bによる全波整流器となる。よって、駆動モータ3において回生電流が発生すると当該全波整流器が回生電流を全波整流して直流電流を強電ライン2に供給することになる。
発電機5は、例えばエンジンを駆動源として回転し、当該回転力を電力に変換して強電ライン2に供給するものである。発電機5は、例えば強電バッテリ21のSOC(充電量)に基づいて発電するものであるが、本実施形態では、後述の短絡制御を実行する際にも間欠的に発電する。
図3は、発電機5の回転数と発電機5で発生するフリクショントルクとの関係を示す図である。発電機5に対して発電制御が実行されない場合、発電機5は第2インバータ4を介して強電ライン2から電力供給を受けて発電機5のロータを回転させる回転制御を受けている。これにより、発電機5の発電制御の立ち上がりを向上させることができる。ところで、発電機5のロータが回転すると図3に示すようにフリクショントルクが発生する。フリクショントルクは発電機5のロータの回転数に比例して増加するが、いずれの回転数であっても回転数を維持するために力行運転が必要となる。このため、回転制御を行う際も、車両コントローラ9は、発電機5のロータの回転数に基づいて、第2ゲート信号発生回路7に対して回転制御用のトルク指令値(回転制御信号)を出力している。
なお、発電制御において、車両コントローラ9は、エンジンに燃料供給をしてイグニッションを起動し、エンジンに直結する発電機5のロータに回転駆動力を印加し、発電制御を停止する場合はイグニッションを停止する。
再び図1に戻って説明する。第2インバータ4は、第1インバータ1と同様の構造を有するものである。第2インバータ4は、第2ゲート信号発生回路7から発電制御用のPWM制御信号を受信することで発電機5が発電した三相交流電流を直流電流に変換して強電ライン2に出力する。また、第2インバータ4は、第2ゲート信号発生回路7から回転制御用のPWM制御信号を受信することで強電ライン2から供給される直流電流を三相の交流電流に変換して発電機5に出力する。
第2ゲート信号発生回路7は、車両コントローラ9からトルク指令値(発電制御用のトルク指令値(発電制御信号)又は回転制御用のトルク指令値(回転制御信号))が入力されると当該トルク指令値に対応するPWM制御信号を第2インバータ4に出力する。
第1ゲート信号発生回路6と同様に、第2ゲート信号発生回路7には、強電ライン2に接続された電圧変換器74とダイオード75との直列回路と、弱電バッテリ71と電圧変換器72とダイオード73との直列回路が並列に接続されている。
第2ゲート信号発生回路7も、通常、電圧変換器72を駆動させて弱電バッテリ71から電力供給を受けているが、弱電バッテリ71が故障した場合、電圧変換器72が駆動停止し、電圧変換器74が駆動することで強電ライン2から電力供給を受ける。なお、弱電バッテリ71を省略して、第2ゲート信号発生回路7が強電ライン2から電力供給を受けるのみの構成としてもよい。
車両コントローラ9は、キー、シフトレバー、ブレーキペダル、アクセルペダルなどのドライバーによる操作情報の入力を受け付けると、それらの操作情報に応じてトルク指令値を第1ゲート信号発生回路6に出力する。また、車両コントローラ9は、強電バッテリ21のSOC(充電量)に基づいて、発電制御信号を第2ゲート信号発生回路7に出力し、また発電制御を実行しない場合は前記の回転制御信号を第2ゲート信号発生回路7に出力する。
また、車両コントローラ9は、電力変換装置100において所定の異常を検知した場合に第1ゲート信号発生回路6にトルク指令値に代わって短絡制御信号を出力するとともに、第2ゲート信号発生回路7に間欠的に発電制御信号を出力する。ここで、所定の異常とは、例えば第1ゲート信号発生回路6を構成するCPUが停止した場合、第1ゲート信号発生回路6においてPWM制御信号が出力不能になった場合、駆動モータ3のUVW相の電流値を測定する電流センサや駆動モータ3の回転角を検出するレゾルバが故障した場合、回生電力発生時の駆動モータ3の回転数が所定の回転数を超えた場合等が挙げられる。
また車両コントローラ9は、電力変換装置100において所定の異常を検知した場合にリレー23,24を導通状態から切断状態に切り替えることができる。さらに、車両コントローラ9は、弱電バッテリ61,71の故障を検知すると、弱電バッテリ61,71に接続された電圧変換器62,72を停止して、強電ライン2に接続された電圧変換器64,74を駆動する。
[第1実施形態の電力変換装置100の動作]
図4は、第1実施形態の電力変換装置100の制御のタイムチャートである。図4(以後の図においても同様)において時刻の表示としてt1、t2、t3、・・・とあるが、数字が大きくなるほど後の時刻を表している。
初期状態において、車両は減速し駆動モータ3において回生電流が発生しており、当該回生電流をPWM制御により取り出して強電ライン2に供給している。また、リレー23,24は導通状態であり、車両コントローラ9は電力変換装置100の異常を検知せず、短絡制御及び発電制御を実行していない。そして、車両コントローラ9は回転制御信号を第2ゲート信号発生回路7に出力して発電機5のロータの回転数を所定の回転数に維持している。さらに、車両コントローラ9は弱電バッテリ61,71の故障を既に検知しており、電圧変換器64を駆動して強電ライン2から第1ゲート信号発生回路6に電力供給し、電圧変換器74を駆動して強電ライン2から第2ゲート信号発生回路7に電力供給している。
時刻t1において、車両コントローラ9が異常を検知して駆動用のトルク指令値の出力を停止することで、第1ゲート信号発生回路6のPWM制御信号の出力が停止する。これにより、第1ゲート信号発生回路6は第1インバータ1に対してロー信号のゲート信号を出力する形となる。よって、第1インバータ1は、帰還ダイオード12A,12Bによる全波整流器となり、整流された回生電流が強電ライン2に入力されるが、強電バッテリ21は未だに接続されているので、平滑コンデンサ22(強電ライン2)の電圧上昇はほとんど発生していない。
時刻t2において、車両コントローラ9はリレー23,24を導通状態から切断状態に切り替える。これにより、強電バッテリ21は第1インバータ1から切り離されるので、強電バッテリ21に比べて容量の小さい平滑コンデンサ22に駆動モータ3からの回生電流が供給されるので、平滑コンデンサ22の電圧が急激に上昇する。また、第1ゲート信号発生回路6及び第2ゲート信号発生回路7は、この段階で強電バッテリ21が第1インバータ1から切断されているので、それぞれ平滑コンデンサ22から電力供給を受けるが、回生電流に係る電力が第1ゲート信号発生回路6及び第2ゲート信号発生回路7の消費電力よりも大きいので平滑コンデンサ22の電圧は引き続き上昇する。なお、電力変換装置100で発生した異常が、第1ゲート信号発生回路6におけるPWM制御信号の出力停止である場合、車両コントローラ9はトルク指令値の出力を停止する。
時刻t2の直後の時刻t3において、車両コントローラ9は、第1ゲート信号発生回路6に対して短絡制御信号を出力する。これにより、第1ゲート信号発生回路6は短絡制御用のハイ信号のゲート信号を出力し、第1インバータ1の内部回路が短絡された状態となるので、回生電流に起因する直流電流が平滑コンデンサ22に供給されることはない。
このとき、第1ゲート信号発生回路6は平滑コンデンサ22から電力供給を受けて短絡制御用のハイ信号のゲート信号を第1インバータ1に出力している。同様に、第2ゲート信号発生回路7も平滑コンデンサ22から電力供給を受けて回転制御用のPWM制御信号を第2インバータ4に出力している。以上より、平滑コンデンサ22の電圧は第1ゲート信号発生回路6と第2ゲート信号発生回路7の電力消費に起因して低下していく。
時刻t3から所定時間経過した時刻t4において、車両コントローラ9は、第2ゲート信号発生回路7に対して発電制御信号を出力する。これにより、第2インバータ4を介して発電機5から平滑コンデンサ22に電力が供給され平滑コンデンサ22の電圧が上昇する。
時刻t4から所定時間経過して時刻t5において、車両コントローラ9は発電制御信号の出力を停止する。以後、時刻t5(発電制御停止)、時刻t6(平滑コンデンサ22が所定電圧低下後に発電制御開始)、時刻t7(発電制御停止)に示すように発電制御を間欠的に実行することで、強電ライン2(平滑コンデンサ22)の電圧を所定の範囲に維持することが可能となる。
[比較例の電力変換装置100の動作]
図5は、比較例の電力変換装置100の制御のタイムチャートである。比較例の電力変換装置100は、発電機5が無いことが第1実施形態の電力変換装置100と異なっている。比較例の電力変換装置100の初期状態は第1実施形態の電力変換装置100と同様である。また、比較例の電力変換装置100における図5の時刻t1、t2、t3における動作は、それぞれ第1実施形態の電力変換装置100の時刻t1、t2、t3における動作と同じである。
時刻t4において、車両コントローラ9は、短絡制御信号をオフにする。これにより、第1ゲート信号発生回路6はロー信号のゲート信号を第1インバータ1に出力する。よって、第1インバータ1は、全波整流器となり、回生電流が全波整流器で全波整流され、整流された回生電流が平滑コンデンサ22に供給されることで、平滑コンデンサ22の電圧が上昇する。
時刻t4の直後の時刻t5において、車両コントローラ9は、短絡制御信号をオンにする。これにより、第1ゲート信号発生回路6は短絡制御用のハイ信号のゲート信号を第1インバータ1に出力する。以後、時刻t5(短絡制御開始)、時刻t6(平滑コンデンサ22が所定電圧低下後に短絡制御停止)、時刻t7(短絡制御開始)に示すように短絡制御の停止を間欠的に実行することで、平滑コンデンサ22の電圧を所定の範囲に維持することが可能となる。
比較例の電力変換装置100では、短絡制御をオンオフ制御するためのロジック回路が必要となり、コストが増加する。また、一般に、駆動モータ3の誘起電圧による回生電流は大電流であり、当該大電流で平滑コンデンサ22を充電するため強電ライン2の電圧は急峻に立ち上がる。このため、電圧検出遅れや制御遅れを考慮すると回生電流を用いた強電ライン2の電圧制御は困難である。さらに、電力変換装置100が車両に搭載されている場合、短絡制御がオン状態(時刻t3-t4、時刻t5-t6)のときの回生トルクは小さく、短絡制御がオフ状態(時刻t4-t5、時刻t6-t7)のときの回生トルクは大きいので、車両の減速時の加速度が間欠的に変化し、ドライバーに不快感を与える。
これに対して、第1実施形態の電力変換装置100によれば、第1インバータ1の内部回路を短絡させる短絡制御を実行することで平滑コンデンサ22(強電ライン2)の電圧が低下するが、発電機5を間欠的に発電させて平滑コンデンサ22に電力を供給するので、強電ライン2の電圧を所定の範囲内に維持することができる。これにより、当該短絡制御をするための電力を回生電力ではなく発電機5の発電電力により確保できるので、車両を滑らかに減速させることができる。また、発電機5による発電電力は、駆動モータ3における回生電力よりも小さく設定できるので、平滑コンデンサ22の電圧上昇を低速にすることができ、強電ライン2の電圧制御を容易に行うことができる。さらに、回生電力を強電ライン2(平滑コンデンサ22)に供給することはないので、車両の減速時の加速度が間欠的に変化することはなく、車両を滑らかに減速できる。
ここで、平滑コンデンサ22(強電ライン2)の電圧を400[V]、平滑コンデンサ22の静電容量が2[mF]とし、駆動モータ3の回転数が12000[rpm]のときに回生トルクが169.4[Nm]発生している場合を考える。このとき、駆動モータ3で発生する(強電ライン2に供給される)回生電力は212.9[kW]、回生電流は532.2[A]、回生電力の電圧上昇率は266.1[V/ms]となる。よって、例えば、強電ライン2の下限が100[V]、上限が500[V]とすると、強電ライン2の電圧を回復させるために短絡制御を停止する時間は、(500[V]-100[V])/266.1[V/ms]=1.5[ms]となり、短いタイミングとなる。しかも、駆動モータ3の回転数及び回生トルクは安定的ではないので、短絡制御を停止する時間は不規則となり、強電ライン2の電圧を所定の範囲内に維持することは困難である。
一方、発電機5の出力を10[kW]とすると、強電ライン2に印加する発電電流は25[A]となり、強電ライン2の電圧上昇率は12.5[V/ms]となる。この場合、強電ライン2の電圧を回復させるために発電制御を実行する時間を上記同様に考えると、(500[V]-100[V])/12.5[V/ms]=32[ms]となり、長いタイミングとなる。しかも、発電機5の出力は安定的であるので、発電制御を実行する時間は規則的となり、強電ライン2の電圧を所定の範囲内に維持することが容易となる。
[第1実施形態の効果]
第1実施形態の電力変換装置100によれば、車両を駆動する駆動モータ3と、駆動モータ3に電力を供給する強電ライン2と、駆動モータ3と強電ライン2との間で電力の授受を行うモータ用インバータ(第1インバータ1)と、強電ライン2に電力を供給する発電機5と、強電ライン2からの電力供給により駆動するとともにモータ用インバータ(第1インバータ1)を制御する第1制御部(第1ゲート信号発生回路6)と、発電機5を制御する第2制御部(第2ゲート信号発生回路7)と、を備え、強電ライン2は、モータ用インバータ(第1インバータ1)との間で電力の授受を行う強電バッテリ21と、強電バッテリ21とともにモータ用インバータ(第1インバータ1)に並列に接続された平滑コンデンサ22と、強電バッテリ21とモータ用インバータ(第1インバータ1)との間に介装されたリレー23,24と、を備え、駆動モータ3が回転中にリレー23,24が切断されたときに、第1制御部(第1ゲート信号発生回路6)は、平滑コンデンサ22からの電力供給を受けてモータ用インバータ(第1インバータ1)の内部回路を短絡させる短絡制御を実行し、第2制御部(第2ゲート信号発生回路7)は、発電機5の発電制御を間欠的に実行する。
上記構成により、第1インバータ1の内部回路を短絡させる短絡制御を実行することで平滑コンデンサ22(強電ライン2)の電圧が低下するが、発電機5を間欠的に発電させて平滑コンデンサ22に電力を供給するので、強電ライン2の電圧を所定の範囲内に維持することができる。これにより、当該短絡制御をするための電力を回生電力ではなく発電機5の発電電力により確保できるので、車両を滑らかに減速させることができる。また、発電機5による発電電力は、駆動モータ3における回生電力よりも小さく設定できるので、平滑コンデンサ22の電圧上昇を低速にすることができ、強電ライン2の電圧制御を容易に行うことができる。さらに、回生電力を強電ライン2(平滑コンデンサ22)に供給することはないので、車両の減速時の加速度が間欠的に変化することはなく、車両を滑らかに減速できる。
第1実施形態において、第2制御部(第2ゲート信号発生回路7)は、強電ライン2からの電力供給により駆動するとともに発電機5を回転制御し、駆動モータ3が回転中にリレー23,24が切断されたときに、発電機5の回転制御と発電機5の発電制御を交互に実行する。これにより、電力変換装置100において所定の異常が発生した場合でも発電機5を確実に制御することができる。
第1実施形態において、強電ライン2の電圧を降圧して第1制御部(第1ゲート信号発生回路6)に電力供給を行う電圧変換器64と、電圧変換器64とともにモータ用インバータ(第1インバータ1)に並列に接続され第1制御部(第1ゲート信号発生回路6)に電力供給を行う弱電バッテリ61と、を備え、第1制御部(第1ゲート信号発生回路6)は、弱電バッテリ61が故障した場合に、電圧変換器64を介して強電ライン2から電力供給される。これにより、第1制御部(第1ゲート信号発生回路6)の駆動源に冗長性を持たせ、装置全体を安定化させることができる。
[第2実施形態]
図6は、第2実施形態の電力変換装置100の回路図である。第2実施形態の電力変換装置100は、第1実施形態の電力変換装置100に電圧センサ8を追加したものである。電圧センサ8は、強電ライン2(特に平滑コンデンサ22)の電圧Vdcを検出するものである。車両コントローラ9(又は第2ゲート信号発生回路7)は、強電ライン2の下限値Vminと上限値Vmaxを設定し、前記の短絡制御中に下限値Vminにまで下降すると発電制御を実行し、上限値Vmaxまで上昇すると発電制御を停止する制御を行う。ここで下限値Vminは、例えば第1ゲート信号発生回路6及び第2ゲート信号発生回路7が動作可能な下限電圧(例えば50[V])に設定され、上限値Vmaxは電力変換装置100の強電部品の耐圧電圧(例えば500[V])に設定される。
[第1の制御]
図7は、第2実施形態の電力変換装置100の第1の制御のフロー図である。図8は、第2実施形態の電力変換装置100の第1の制御のタイムチャートである。第2実施形態の電力変換装置100の動作の初期状態は、第1実施形態と同様である。また、第2実施形態の電力変換装置100は、第1実施形態の電力変換装置100と同一の特性を有している。したがって、以後の説明において、第1実施形態の電力変換装置100の動作と共通する事項についての説明を省略する。
図7に示すように、ステップS101において、車両コントローラ9は、電力変換装置100において異常を検知した否か判断し、YESであればステップS102に移行し、NOであればステップS101を維持する。
ステップS102において、車両コントローラ9は、第1ゲート信号発生回路6へのトルク指令値の出力を停止するとともにリレー23,24を切断状態にする。これにより、強電バッテリ21は、第1インバータ1及び平滑コンデンサ22から電気的に切断される。
また、トルク指令値の出力が停止されることで第1ゲート信号発生回路6はPWM制御信号の出力を停止し第1インバータ1に対してロー信号のゲート信号を出力する形となる。よって、第1インバータ1は、帰還ダイオード12A,12Bによる全波整流器となり、整流された回生電流が平滑コンデンサ22に供給される。なお、ステップS101における異常が第1ゲート信号発生回路6におけるPWM制御信号の停止の場合は、ステップS102のPWM制御の停止制御を省略する。
ステップS103において、車両コントローラ9は、電圧センサ8が検知する電圧Vdcが上限値Vmaxに到達したか否かを判断し、YESであればステップS104に移行し、NOであればステップS103を維持する。
ステップS104において、車両コントローラ9は、第1ゲート信号発生回路6を介して第1インバータ1の内部回路の短絡制御を実行する。これにより、駆動モータ3から平滑コンデンサ22に供給される回生電流はゼロとなる。また、第1ゲート信号発生回路6は、この段階で強電バッテリ21が第1インバータ1から切断されているので、平滑コンデンサ22から電力供給を受ける。また、前記のように発電機5を回転制御しているので、第2ゲート信号発生回路7は平滑コンデンサ22から電力供給を受ける。これにより、電圧センサ8が検知する電圧Vdc(平滑コンデンサ22の電圧)が時間経過とともに低下する。
ステップS105において、車両コントローラ9(又は第2ゲート信号発生回路7)は、電圧センサ8が検知する電圧Vdcが下限値Vminまで減少したか否かを判断し、YESであればステップS106に移行し、NOであればステップS105を維持する。
ステップS106において、車両コントローラ9は、第2ゲート信号発生回路7を介して発電機5に対する発電制御を開始する。これにより、発電機5が発電を開始し、発電電力が第2インバータ4を介して平滑コンデンサ22に供給され電圧センサ8が検知する電圧Vdcが上昇する。
ステップS107において、車両コントローラ9(又は第2ゲート信号発生回路7)は、電圧センサ8が検知する電圧Vdcが上限値Vmaxに到達したか否かを判断し、YESであればステップS108に移行し、NOであればステップS107を維持する。
ステップS108において、車両コントローラ9は、第2ゲート信号発生回路7を介して発電機5に対する発電制御を停止して回転制御を実行し、ステップS105に移行する。以後、ステップS105からステップS108のフローを繰り返す。
なお、ステップS105を第2ゲート信号発生回路7が実行する場合、ステップS106において、第2ゲート信号発生回路7は、第2インバータ4を介して発電機5に対する発電制御を開始する。
ステップS107において、第2ゲート信号発生回路7は、電圧センサ8が検知する電圧Vdcが上限値Vmaxに到達したか否かを判断し、YESであればステップS108に移行し、NOであればステップS107を維持する。
ステップS108において、第2ゲート信号発生回路7は前記の発電制御を停止して第2インバータ4を介して発電機5に対する回転制御を実行し、ステップS105に移行する。以後、ステップS105からステップS108のフローを繰り返す。
図8に示すように、時刻t1において、車両コントローラ9が異常を検知して車両コントローラ9が駆動用のトルク指令値の出力を停止することで、第1ゲート信号発生回路6のPWM制御信号の出力が停止する。
時刻t2において、車両コントローラ9はリレー23,24を切断状態に切り替える。
時刻t2の直後の時刻t3において、車両コントローラ9は、電圧センサ8が検知する電圧Vdcが上限値Vmaxに到達したことを検知し、第1ゲート信号発生回路6を介して第1インバータ1の内部回路の短絡制御を実行する。
時刻t3から所定時間経過した時刻t4において、車両コントローラ9は、電圧センサ8が検知する電圧Vdcが下限値Vminにまで低下したことを検知し、第2ゲート信号発生回路7を介して第2インバータ4(発電機5)の発電制御を実行する。
時刻t4から所定時間経過して時刻t5において、車両コントローラ9は、電圧センサ8が検知する電圧Vdcが上限値Vmaxに到達したことを検知し、第2インバータ4(発電機5)の発電制御を停止する。以後、時刻t5(発電制御停止)、時刻t6(発電制御開始)、時刻t7(発電制御停止)に示すように発電制御を間欠的に実行することで、強電ライン2(平滑コンデンサ22)の電圧VdcをVmin≦Vdc≦Vmaxの範囲に維持することが可能となる。
[第2の制御]
図9は、第2実施形態の電力変換装置100の第2の制御のフロー図である。図10は、第2実施形態の電力変換装置100の第2の制御のタイムチャートである。第2実施形態の電力変換装置100における第2の制御は第1の制御と同様であるが、リレー23,24を切断状態にする制御と、短絡制御を同時に実行している。第2の制御においては、第1の制御におけるステップS101、ステップS105-ステップS108を実行している。
ステップS101の結果がYESの場合、すなわち車両コントローラ9が異常を検知した場合、ステップS102aにおいて車両コントローラ9は、PWM制御用のトルク指令値の出力を停止し、リレー23,24をOFF状態にし、第1ゲート信号発生回路6を介した第1インバータ1の内部回路の短絡制御を開始する。ここで、ステップS101(結果がYES、すなわち異常を検知する)とステップS102a(PWM制御用のトルク指令値の出力停止)はほぼ同時に実行している。また、ステップS102aにおいて、リレー23,24を切断状態にする制御(図10の時刻t2)と短絡制御(図10の時刻t2)を略同一のタイミングで実行するが、これらの制御を異常の検知(トルク指令値の出力停止)(図10の時刻t1)と略同時に行っても良い。車両コントローラ9は、ステップS102aを実行するとステップS105に移行する。
図10に示す第2の制御の時刻t3以降のタイムチャートは、第1の制御の時刻t4以降のタイムチャートと同様である。
時刻t1において、車両コントローラ9が異常を検知するとPWM制御用のトルク指令値の出力を停止し、時刻t2においてリレー23,24を切断状態する制御と、第1ゲート信号発生回路6を介した第1インバータ1の内部回路の短絡制御と、を略同時に実行する。このように、リレー23,24を切断状態する制御と短絡制御を略同時に実行するので、電圧センサ8が検知する電圧Vdcは時刻t2から上昇することはなく、第1インバータ1の内部回路の短絡制御、及び第2ゲート信号発生回路7を介した発電機5の回転制御の電力消費により、強電ライン2(平滑コンデンサ22)の電圧は低下する。
[第3の制御]
図11は、第2実施形態の電力変換装置100の第3の制御のフロー図である。図12は、発電機5の回転数と発電時間との関係を示すマップである。図13は、第2実施形態の電力変換装置100の第3の制御のタイムチャートである。
第2実施形態の電力変換装置100の第3の制御では、電圧センサ8が検知する電圧Vdcが下限値Vminまで低下すると発電制御を開始するが、その発電時間を設定することで、電圧Vdcが所定の電圧の範囲に維持されるようにしている。なお発電時間の設定は、車両コントローラ9又は第2ゲート信号発生回路7が行う。
図11に示すように、ステップS301において、車両コントローラ9、電力変換装置100において異常を検知した否か判断し、YESであればステップS302に移行し、NOであればステップS301を維持する。
ステップS302において、車両コントローラ9は、PWM制御用のトルク指令値の出力を停止するとともにリレー23,24を切断状態にし、第1ゲート信号発生回路6を介した第1インバータ1の内部回路の短絡制御を実行する。
ステップS303において、車両コントローラ9は、電圧センサ8が検知する電圧Vdcが下限値Vminまで減少したか否かを判断し、YESであればステップS304に移行し、NOであればステップS303を維持する。
ステップS304において、車両コントローラ9は、第2ゲート信号発生回路7を介した第2インバータ4(発電機5)の発電制御を開始するとともに発電時間を設定する。発電時間は、発電機5の回転数と、図12に示すマップに基づき設定する。或いは発電時間は発電機5の回転数に関わらず任意の所定時間に設定することもできる。いずれにしても、発電制御における発電時間は、電圧センサ8の電圧Vdcが電力変換装置100の強電部品の耐圧限界(図2参照)を超えないように設定される。
ステップS305において、車両コントローラ9は、発電制御による発電時間が所定の発電時間を経過した否か判断し、YESであればステップS306に移行し、NOであればステップS305を維持する。
ステップS306において、車両コントローラ9は、前記の発電制御を停止して第2ゲート信号発生回路7及び第2インバータ4を介した発電機5に対する回転制御を実行し、ステップS303に移行する。以後、ステップS303からステップS306のフローを繰り返す。
図13に示すように、第3の制御の時刻t1から時刻t3の直前までの制御は、第2の制御と同様である。
時刻t3において、車両コントローラ9は、電圧センサ8が検知する電圧Vdcが下限値Vminにまで減少したことを検知し、第2ゲート信号発生回路7に対して発電制御信号を出力するとともに発電時間を設定する。
時刻t3から所定の発電時間を経過した時刻t4において、車両コントローラ9は発電制御信号の出力を停止する。以後、時刻t5(発電制御停止)、時刻t6(発電制御開始及び発電時間設定)、時刻t7(発電制御停止)に示すように発電制御を間欠的に実行することで、強電ライン2(平滑コンデンサ22)の電圧VdcをVmin≦Vdc<(強電部品の耐圧限界)の範囲に維持することが可能となる。
[第2実施形態の効果]
第2実施形態の電力変換装置100によれば、第1制御部(第1ゲート信号発生回路6)は、第1インバータ1の内部回路の短絡制御をリレー23,24の切断と略同一のタイミングで実行する。これにより、回生電流が強電ライン2に供給されることはなく、システム全体を安定的に制御することができる。
第2実施形態において、制御部(第1ゲート信号発生回路6)は、電力変換装置100における所定の異常を検知したときにリレー23,24の切断と短絡制御を略同一のタイミングで実行する。これにより、駆動モータ3の誘起電圧が電力変換装置100の強電部品の耐圧限界を超える電圧となっている場合であっても、迅速に強電バッテリ21を第1インバータ1から切断できるので、強電バッテリ21を確実に保護できる。
第2実施形態において、強電ライン2の電圧を検知する電圧センサ8を備え、第2制御部(第2ゲート信号発生回路7)は、電圧センサ8が検知する電圧Vdcが所定の下限値Vminまで低下した場合に、発電機5の発電制御を開始し、所定の上限値Vmaxに到達すると、発電機5の発電制御を停止することで発電機5の発電制御を間欠的に実行する。これにより、発電機5の間欠的な発電制御を確実に実行することができる。
第2実施形態において、強電ライン2の電圧を検知する電圧センサ8を備え、第2制御部(第2ゲート信号発生回路7)は、電圧センサ8が検知する電圧Vdcが所定の下限値Vminまで低下した場合に、発電機5の発電制御を開始するとともに発電機5の回転数に基づいて発電時間を設定し、発電機5の発電制御を開始したのち当該発電時間の経過後に発電機5の発電制御を停止することで発電機5の発電制御を間欠的に実行する。これにおより、発電機5の回転数に基づいて発電機5の発電時間を設定するので、強電ライン2の電圧Vdcを所定の電圧の範囲に維持するとともに、発電機5の発電量を低減することができる。
第2実施形態において、強電ライン2の電圧を検知する電圧センサ8を備え、第2制御部(第2ゲート信号発生回路7)は、電圧センサ8が検知する電圧Vdcが所定の下限値Vminまで低下した場合に、発電機5の発電制御を開始するとともに所定時間経過後に発電機5の発電制御を停止することで発電機5の発電制御を間欠的に実行する。これにより、簡易な構成で発電機5の間欠的な発電制御を実行することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。また、上記実施形態は、適宜組み合わせ可能である。
100 電力変換装置,1 第1インバータ,2 強電ライン,21 強電バッテリ,22 平滑コンデンサ,23 リレー,24 リレー,3 駆動モータ,5 発電機,6 第1ゲート信号発生回路,7 第2ゲート信号発生回路

Claims (8)

  1. 車両を駆動する駆動モータと、
    前記駆動モータに電力を供給する強電ラインと、
    前記駆動モータと前記強電ラインとの間で電力の授受を行うモータ用インバータと、
    前記強電ラインに電力を供給する発電機と、
    前記強電ラインからの電力供給により駆動するとともに前記モータ用インバータを制御する第1制御部と、
    前記発電機を制御する第2制御部と、を備え、
    前記強電ラインは、
    前記モータ用インバータとの間で電力の授受を行う強電バッテリと、
    前記強電バッテリとともに前記モータ用インバータに並列に接続された平滑コンデンサと、
    前記強電バッテリと前記モータ用インバータとの間に介装されたリレーと、を備え、
    前記駆動モータが回転中に前記リレーが切断されたときに、
    前記第1制御部は、前記平滑コンデンサからの電力供給を受けて前記モータ用インバータの内部回路を短絡させる短絡制御を実行し、
    前記第2制御部は、前記発電機の発電制御を間欠的に実行する電力変換装置。
  2. 前記第1制御部は、前記短絡制御を前記リレーの切断と略同一のタイミングで実行する請求項1に記載の電力変換装置。
  3. 前記第1制御部は、前記電力変換装置における所定の異常を検知したときに前記リレーの切断と前記短絡制御を略同一のタイミングで実行するする請求項2に記載の電力変換装置。
  4. 前記第2制御部は、前記強電ラインからの電力供給により駆動するとともに前記発電機を回転制御し、
    前記駆動モータが回転中に前記リレーが切断されたときに、前記発電機の回転制御と前記発電機の発電制御を交互に実行する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  5. 前記強電ラインの電圧を検知する電圧センサを備え、
    前記第2制御部は、前記電圧センサが検知する電圧が所定の下限値まで低下した場合に、前記発電機の発電制御を開始し、所定の上限値に到達すると、前記発電機の発電制御を停止することで前記発電機の発電制御を間欠的に実行する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  6. 前記強電ラインの電圧を検知する電圧センサを備え、
    前記第2制御部は、
    前記電圧センサが検知する電圧が所定の下限値まで低下した場合に、前記発電機の発電制御を開始するとともに前記発電機の回転数に基づいて発電時間を設定し、
    前記発電機の発電制御を開始したのち前記発電時間の経過後に前記発電機の発電制御を停止することで前記発電機の発電制御を間欠的に実行する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  7. 前記強電ラインの電圧を検知する電圧センサを備え、
    前記第2制御部は、前記電圧センサが検知する電圧が所定の下限値まで低下した場合に、前記発電機の発電制御を開始するとともに所定時間経過後に前記発電機の発電制御を停止することで前記発電機の発電制御を間欠的に実行する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  8. 前記強電ラインの電圧を降圧して前記第1制御部に電力供給を行う電圧変換器と、
    前記電圧変換器とともに前記モータ用インバータに並列に接続され前記第1制御部に電力供給を行う弱電バッテリと、を備え、
    前記第1制御部は、前記弱電バッテリが故障した場合に、前記電圧変換器を介して前記強電ラインから電力供給される請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の電力変換装置。
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