JP2022158235A - 貨幣処理装置、およびプログラム - Google Patents

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Abstract

Figure 2022158235000001
【課題】収支の管理を適切に行うこと。
【解決手段】貨幣処理装置は、収納手段と、回収手段と、精査手段と、比較手段と、調整手段とを備える。収納手段は、釣銭用の貨幣を自装置内に収納する。回収手段は、前記収納手段に収納される貨幣の枚数に応じて当該貨幣の一部を第1保管手段に回収する。精査手段は、前記収納手段に収納された貨幣および前記回収手段により回収された貨幣を収納させて自装置内の貨幣の精査を行う。比較手段は、前記精査手段によって前記精査が行われる場合、前記収納手段に収納可能な残りの枚数を示す残許容枚数と、前記回収手段によって回収された枚数を示す回収枚数とを比較する。調整手段は、前記比較手段の比較結果に応じて、前記収納手段に収納される貨幣の枚数の調整を行って前記精査を行わせる。
【選択図】図11

Description

本発明は、貨幣処理装置、およびプログラムに関する。
従来、店舗において用いられるPOS(Point Of Sales)レジスタには、現金による決済を行う貨幣処理装置が具備されている。貨幣処理装置は、例えば、金種ごとに貨幣(紙幣および硬貨)を収納する収納部を備える。貨幣処理装置は、現金の投入状況や釣銭の払出状況によっては、貨幣を収納可能な許容枚数に近い状態(ニアフル状態)になることがある。ニアフル状態になると、収納部内の貨幣は回収ボックスに回収される。
関連する技術として、硬貨釣銭機からの開放指令によってキャッシュドロアを自動開放し、貨幣の収納および取出しを可能にすることにより、硬貨釣銭機の独自の都合に応じてキャッシュドロアを自動開放させるようにした貨幣取扱システムが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、貨幣処理装置は、装置内の現金の収支が合わなくなってしまうことを防止するため、回収ボックスが収納される保管庫の扉を開け閉めしたときや、保管庫に係るエラーが発生したときなどの所定のタイミングで、収納部に収納された貨幣の枚数を数え直す精査を行う。
特開2005-004347号公報
しかしながら、従来技術では、収納部から回収された貨幣の枚数が多い場合には当該貨幣が収納部に入り切らないことがあるため、精査を行うことができないことがあった。このため、従来技術では、収支の管理を適切に行うことができないことがある、という問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、収支の管理を適切に行うことができる技術を提供することにある。
上述した課題を解決するために、本発明の一態様である貨幣処理装置は、釣銭用の貨幣を自装置内に収納する収納手段と、前記収納手段に収納される貨幣の枚数に応じて当該貨幣の一部を第1保管手段に回収する回収手段と、前記収納手段に収納された貨幣および前記回収手段により回収された貨幣の精査を行う精査手段と、前記精査手段によって前記精査が行われる場合、前記収納手段に収納可能な残りの枚数を示す残許容枚数と、前記回収手段によって回収された枚数を示す回収枚数とを比較する比較手段と、前記比較手段の比較結果に応じて、前記収納手段に収納される貨幣の枚数の調整を行って前記精査を行わせる調整手段と、を備えることを特徴とする貨幣処理装置である。
本発明の実施形態に係るPOS(Point Of Sales)システムのネットワーク構成図である。 POS端末装置20の設置例を示す図である。 POS端末装置20のハードウェア構成を示すブロック図である。 硬貨処理装置400の内部構成の一例を示す説明図である。 硬貨収納部404ごとの収納可能な硬貨の許容枚数を示したテーブル500を示す説明図である。 保管庫230の構成の一例を示す説明図である。 精査時に行う精査調整の有無を示す説明図である。 精査調整を行わない場合の精査の一例を示す説明図である。 精査調整を行う場合の精査の一例を示す説明図である。 硬貨処理装置400が行うオーバーフロー処理の一例を示すフローチャートである。 硬貨処理装置400が行う精査処理の一例を示すフローチャートである。 硬貨処理装置400が行う精査調整処理の一例を示すフローチャートである。 硬貨処理装置400が行う非精査調整処理の一例を示すフローチャートである。 精査調整を行う場合の精査の変形例1を示す説明図である。 メンテナンス受付画面1500の一例を示す説明図である。 精査を行う際の画面の一例を示す説明図である。 精査を行う際の画面の一例を示す説明図である。 精査調整の変形例1を示す説明図である。 精査調整の変形例2を示す説明図である。 硬貨処理装置400が行う精査調整処理の変形例3を示すフローチャートである。
(実施形態)
図1は、本発明の実施形態に係るPOS(Point Of Sales)システムのネットワーク構成図である。図1に示すPOSシステム1は、3台のPOS端末装置20-1、POS端末装置20-2、POS端末装置20-3と、ストアコントローラ10と、取引状況管理装置11とを備える。以下、POS端末装置20-1、20-2、20-3について特に区別しない場合には、POS端末装置20と総称する。ストアコントローラ10と、取引状況管理装置11と、POS端末装置20とは、LAN55を介して通信可能に接続されている。各装置は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、通信部などを備えたコンピュータ装置である。
POSシステム1は、スーパーマーケット、ホームセンター、コンビニエンスストア、各種用品店など、種々の店舗に導入可能である。ストアコントローラ10は、商品マスタなどの取引に必要な各種情報を記憶する。商品マスタは、各商品の商品識別情報(例えばJAN(Japanese Article Number)コード)、商品名、販売価格などの商品情報を格納するファイルである。また、商品マスタは、計量が必要な商品(計量対象商品)の商品識別情報、商品名、計量対象商品の単価などを含む。また、ストアコントローラ10は、商品マスタのほかにも、在庫状況、販売履歴、入出金記録などの各種の情報を記憶する。また、ストアコントローラ10は、顧客の会員情報を記憶してもよい。
取引状況管理装置11は、POS端末装置20の状況(動作モード、処理状況等)を表示したり、POS端末装置20を制御したりする。POSシステム1では、取引状況管理装置11に店員を配置し、店員による監視を行うことが可能である。
POS端末装置20は、登録された商品の精算(決済)を行う精算処理を実行することが可能なコンピュータ装置である。また、POS端末装置20は、動作モードに応じて、自端末または他のPOS端末装置20で登録された商品の精算を行うことが可能である。すなわち、POS端末装置20は、精算処理のほかにも、購入する商品の登録(以下「商品登録」という場合がある。)を行う登録処理を実行することも可能である。なお、本実施形態において、精算を行う装置は、動作モードに応じて商品登録を行うことが可能なPOS端末装置20としているが、これに限らない。例えば、精算を行う装置は、精算専用の装置であってもよい。また、図1において、POS端末装置20の台数は、3台を例示しているが、これに限らず、1台であってもよいし、4台以上であってもよい。
なお、POSシステム1は、店員が所持する端末装置を備えていてもよい。店員が所持する端末装置は、例えば、取引状況管理装置11に表示される内容と同様の内容を表示したり、店員を呼び出す旨を通知したりすればよい。
(POS端末装置20の設置例)
図2は、POS端末装置20の設置例を示す図である。図2(A)は、POS端末装置20を客側から見た斜視図である。図2(B)は、POS端末装置20を店員側から見た斜視図である。図2(A)に示すように客側から見てPOS端末装置20の右側にカウンタが置かれている。
POS端末装置20は、サインポール220を備える。サインポール220は、発光部を備える。サインポール220の発光部は、例えば、ランプやLED(light emitting diode)であり、所定の色や、所定の点灯態様で点灯可能である。サインポール220の点灯態様により、POS端末装置20の使用中を示したり、警告を示したりする。サインポール220は、上方に向けて設けられており、POS端末装置20の周囲にいない店員にも点灯態様を認識させることが可能である。
(POS端末装置20の構成例)
次に、図2および図3を用いて、POS端末装置20の構成について説明する。
図3は、POS端末装置20のハードウェア構成を示すブロック図である。図2および図3において、同一部分には同一符号を付している。
以下、図2を参照しつつ、図3に示したPOS端末装置20の構成例を説明する。POS端末装置20は、CPU201と、ROM202と、RAM203と、ハードディスク204と、客側表示部205と、客側スキャナ部206と、カード決済部208と、釣銭機209と、店員側表示部210と、キー操作部211と、店員側スキャナ部212と、印刷部213と、音声出力部214と、通信部215と、カメラ216とを備える。これらは、バスを介して相互に通信可能である。
CPU201は、中央演算処理装置であり、ROM202に記憶されている各種プログラムを読み出して実行することにより、POS端末装置20の動作を制御する。各種プログラムは、本実施形態に係る通貨処理プログラムを含む。
ROM202は、読み出し専用メモリであり、プログラムをはじめとしてCPU201が利用する各種の情報を記憶する。
RAM203は、読み出しや書き込みが可能なメモリであり、種々の情報を記憶する。例えば、RAM203は、外部から取得した情報(例えば、ストアコントローラ10から取得した商品マスタ等)や、処理において生成した情報を記憶する。この情報は、例えば、商品を登録する登録処理において生成した登録情報や、登録した商品を精算(決済)する精算処理において生成した精算情報などである。
ハードディスク204は、種々の情報を記憶する。例えば、ハードディスク204は、カメラ216によって撮像された撮像結果(例えば、動画)を記憶する。ハードディスク204は、例えば、ROM202に代えて、CPU201が実行する通貨処理プログラム等の各種のプログラムを記憶してもよい。また、RAM203に代えて、外部から取得した情報や、処理において生成した情報を記憶してもよい。
客側表示部205は、顧客用のタッチディスプレイである。客側表示部205は、顧客に種々の情報を表示するとともに、顧客から種々の入力を受け付ける。
客側スキャナ部206は、顧客用のスキャナ部であり、各種コードを光学的に読み取る。各種コードは、例えば、商品に付されているバーコード(商品コード等)や、お会計券(登録商標)に印刷されているコード(バーコード、2次元コード等)である。また、各種コードは、品券類(商品券、クーポン券、優待券)や、各種カード(例えば、会員カード、ポイントカード等)に印刷されているコード(バーコード、2次元コード等)を含む。なお、商品の登録は、客側スキャナ部206によるコードの読み取りによる登録に限らない。例えば、客側表示部205に、商品に対応するプリセットキー(商品を注文するボタン)を表示し、当該プリセットキーが顧客によって操作(押下)されることによって、商品の登録を行うことも可能である。
カード決済部208は、各種カード(クレジットカード、交通系カード等のプリペイドカード、ポイントカード等)による決済機構である。カード決済部208は、カード認識部(読取部)や表示部や操作部を備える。カード認識部は、各種カードの情報を磁気的または電気的に読み取る。読み取られた情報は、買上商品の精算に用いられる。なお、カード認識部は、例えば、ポイントカードの保有ポイントを使用する場合など、今回の買上商品の精算において使用する情報を認識することも可能である。また、カード認識部は、例えば、ポイントカードにポイントを付与する場合など、今回の買上商品の精算に使用しない情報を認識することも可能である。
釣銭機209は、現金による決済機構である。釣銭機209は、紙幣や硬貨の投入口209aと、紙幣や硬貨の出金口209bと、紙幣や硬貨の返却口209cとを備える。釣銭機209は、投入口209aへの投入金額を算出し、投入金額と買上金額の差分である釣銭金額を算出し、釣り銭を出金口209bから排出する。釣銭機209は、客側に向けられており、顧客から各種操作や現金の投入を受け付ける。なお、釣銭機209は、投入口209aに投入された紙幣や硬貨を検出するセンサを有する。当該センサは、投入口209aに紙幣や硬貨が投入された旨の検出や、金種別の枚数の検出などを行う。返却口209cは、投入口209aに投入された紙幣や硬貨を返却する。また、釣銭機209は、保管庫230に接続されている。詳細については後述するが保管庫230には、回収ボックス611(図6参照)が配置されており、釣銭機209内の硬貨が所定量以上になると、硬貨を回収ボックス611に回収させることが可能になっている。なお、本実施形態に係る釣銭機209は、客側からのみ現金の投入および返却が行われる構成であるが、このような構成に代えて又は加えて、店員側から現金の投入および返却が行われる構成としてもよい。
店員側表示部210は、店員用のタッチディスプレイである。店員側表示部210は、店員に種々の情報を表示するとともに、店員から種々の入力を受け付ける。例えば、店員側表示部210には、商品に対応するプリセットキー(商品を注文するボタン)が表示され、当該プリセットキーが店員によって操作(押下)されることによって、商品の登録が行われる。
キー操作部211は、各種のキー(ハードウェアキー、ボタン)から構成される。キー操作部211は、店員から種々の入力を受け付ける。具体的には、キー操作部211は、商品(例えば、○○新聞)に対応するキーを含む。当該キーが店員に操作(押下)されることによって、当該商品の登録が行われる。キー操作部211は、動作モードを切り替えるボタンを含む。ここで、動作モードについて補足しておく。
POS端末装置20は、複数の動作モードのうち、一の動作モードで動作する。複数の動作モードは、例えば、通常モードと、会計専用モードと、フルセルフモードとを含む。店員側の商品登録を有効とし、客側の商品登録を無効とした動作モードである。通常モードでは、顧客による貨幣(紙幣および硬貨)の投入や各種カードの読み取りなど、精算(対面精算)が可能である。
また、通常モードでは、他のPOS端末装置20への登録情報の送信が可能である。他のPOS端末装置20への登録情報の送信とは、登録処理において生成された登録情報を、精算処理を実行可能な他のPOS端末装置20(会計専用モードのPOS端末装置20)に送信することである。また、通常モードのPOS端末装置20は、お会計券を発行することも可能である。お会計券の発行とは、登録処理において生成した登録情報をコード化し、印刷媒体(シート)に印刷して出力することである。
会計専用モードは、通常モードのPOS端末装置20からの受信や、お会計券の読み取りによって、登録情報を取得して精算を行うことが可能な動作モードである。会計専用モードは、自装置においては登録処理を実行せず、専ら、他のPOS端末装置20において生成された登録情報を用いて、精算処理を実行する動作モードである。
フルセルフモードは、顧客自らが商品登録と、精算を行う動作モードである。なお、フルセルフモードは、会計専用モードと同様、他のPOS端末装置20からの受信や、お会計券の読み取りによって、登録情報を取得して、精算処理を実行することも可能である。
店員側スキャナ部212は、店員用のスキャナ部であり、各種の情報を光学的に読み取る。例えば、店員側スキャナ部212は、商品に付されているバーコードや、店員の名札に付された店員コードを光学的に読み取る。また、各種コードは、上記に加えて、お会計券に印刷されているコードや、品券類や、各種カードに印刷されているコードを含む。
印刷部213は、各種媒体(レシート、お会計券等)を発行する。印刷部213は、媒体発行口の方向を変更可能である。
音声出力部214は、音声を出力する。例えば、音声出力部214は、音声ガイダンスや警告音などを出力する。音声ガイダンスや警告音は、商品の登録や精算に係るものである。
通信部215は、他の装置(ストアコントローラ10、取引状況管理装置11、および他のPOS端末装置20)と情報を送受信するインターフェースである。
カメラ216は、客側から見て、客側表示部205の右上に取り付けられている。カメラ216は、動画、または静止画を連続的に撮像するカメラである。カメラ216には、CCD(charge coupled device)カメラや、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)カメラを用いることが可能である。カメラ216は、精算時における顧客の操作状況を撮像する。具体的には、カメラ216は、顧客が所持する紙幣や硬貨、釣銭機209、手の動作などを撮像する。また、カメラ216は、商品の登録時における顧客の操作状況を撮像する。具体的には、カメラ216は、POS端末装置20の両脇に設けられたカウンタ上の買い物かごの内部(商品)や、登録時における顧客の操作状況も撮像することが可能である。
(釣銭機209が備える硬貨処理装置400の内部構成)
本実施形態において、釣銭機209は、硬貨処理装置400を備える。硬貨処理装置400は、貨幣処理装置の一例である。図4は、硬貨処理装置400の内部構成の一例を示す説明図である。図4に示すように、硬貨処理装置400は、鑑別部401と、一時保留部402と、振分部403と、硬貨収納部404と、出金搬送部405と、回収口406と、制御部410と、メモリ411とを備える。
制御部410は、CPUを備え、各部401~405を制御する。メモリ411は、精査プログラムなどの各種プログラムや、硬貨収納部404内の収納枚数や、回収ボックス611に回収された回収枚数を含む。なお、制御部410に代わって、POS端末装置20のCPU201が各部401~405を制御してもよいし、釣銭機209の制御部が各部401~405を制御してもよい。
鑑別部401は、投入口209aに投入された硬貨の真贋および金種を鑑別する。一時保留部402は、鑑別部401によって正貨として鑑別され且つ金種が鑑別された硬貨を一時保留する。なお、鑑別部401によって正貨として鑑別されなかった硬貨は、出金口209bから排出される。
振分部403は、一時保留部402から送出された硬貨を硬貨収納部404(404a~404f)へ振り分ける。硬貨収納部404は、金種ごとに硬貨を収納するとともに、制御部410からの出金に係る指令に応じて所定枚数を取り出して、出金搬送部405へ送出する。出金搬送部405は、硬貨収納部404から送出された硬貨を搬送し、出金口209bまたは回収口406へ送出する。出金口209bは、硬貨を排出する。回収口406は、硬貨をボックス格納部603(図6参照)へ排出する。なお、一時保留部402に硬貨が保留されている状態で、不図示の返却レバーが操作されて硬貨の返却を受け付けた場合、当該硬貨は、一時保留部402から返却口209cに送出されて、返却口209cから排出される。
(硬貨収納部404ごとの収納可能な硬貨の枚数について)
図5は、硬貨収納部404ごとの収納可能な硬貨の許容枚数を示したテーブル500を示す説明図である。テーブル500は、金種の項目と、許容値Tとの項目とを含む。金種は、例えば、硬貨収納部404が収納する硬貨の金種であり、具体的には、「500円」、「100円」、「50円」、「10円」、「5円」、「1円」である。許容値Tは、硬貨収納部404に収納可能な上限枚数である。許容値Tは、金種に応じた枚数(値)が設定されている。一例を挙げると、100円硬貨の許容値Tは、170(枚)となっている。
(保管庫230の構成)
図6は、保管庫230の構成の一例を示す説明図である。保管庫230は、開閉扉601と、施錠部602と、ボックス格納部603とを備える。開閉扉601は、保管庫230を開閉自在にする扉である。施錠部602は、開閉扉601を閉状態において施錠する。ボックス格納部603は、回収ボックス611を格納する。
回収ボックス611は、第1回収ボックス611aと、第2回収ボックス611bとを含む。第1回収ボックス611aおよび第2回収ボックス611bは、同じ形状の箱である。ボックス格納部603には、予め第1回収ボックス611aが収納されている。第1回収ボックス611aには、オーバーフロー処理によって回収された硬貨を保管する。第1回収ボックス611aは、精査時に取り出される。第2回収ボックス611bは、精査時に、第1回収ボックス611aと引き替えに格納される。なお、第2回収ボックス611bが格納されると、開閉扉601が閉められ、施錠部602が施錠される。
ここで、保管庫230には施錠部602が具備されているものの、センサなどが具備されていないため、簡単に回収ボックス611を取り出さすことが可能になっている。このため、回収ボックス611内の硬貨が盗まれるといった不正行為が行われるおそれがある。この不正行為は、例えば、店員によって行われるおそれもあるし、開閉扉601を開けた状態で店員がその場から離れてしまった場合には顧客によって行われるおそれもある。
そこで、硬貨処理装置400は、このような不正行為を防止するため、開閉扉601を開け閉めしたときや開閉扉601に係るエラーが発生したときなどの所定のタイミングで、硬貨処理装置400内(具体的には、第1回収ボックス611a内)の硬貨の枚数を数え直す精査(精査処理)を行う。精査において、店員は、第1回収ボックス611aを取り出して、空の第2回収ボックス611bをボックス格納部603にセットする。そして、店員が第1回収ボックス611a内の硬貨を投入口209aへ投入して、精査が行われる。
(硬貨処理装置400の機能的構成)
次に、硬貨処理装置400の機能的構成について説明する。硬貨処理装置400は、回収部と、精査部と、比較部と、調整部と、通知部とを備える。各部は、制御部410によって実現される。すなわち、制御部410がメモリ411に記憶されている精査プログラムを実行することにより、各部の機能を実現する。また、硬貨処理装置400は、硬貨収納部404と、第1回収ボックス611aと、第2回収ボックス611bとを備える。硬貨収納部404は、収納手段の一例である。第1回収ボックス611aは、第1保管手段の一例である。第2回収ボックス611bは、第2保管手段の一例である。
回収部は、硬貨収納部404に収納される貨幣(硬貨)の枚数に応じて当該貨幣の一部を第1回収ボックス611aに回収する。具体的には、回収部は、硬貨収納部404に収納される貨幣が所定枚数となった場合に、硬貨収納部404から貨幣を回収する処理(オーバーフロー処理)を行う。所定枚数は、許容値Tに近い枚数である。なお、所定枚数となった状態を「ニアフル状態」という。所定枚数は、例えば、金種ごとに設定され、具体的には、各金種の許容値Tに応じて設定される。すなわち、オーバーフロー処理は、金種ごとに行われる。回収部によって回収された枚数は、回収値Kとして、メモリ411に記憶される。
第1回収ボックス611aおよび第2回収ボックス611bは、回収部によって回収された貨幣を保管する。第1回収ボックス611aは、精査前の貨幣を保管する。具体的には、第1回収ボックス611aは、オーバーフロー処理によって回収された貨幣を保管する。一方、第2回収ボックス611bは、精査後の貨幣を保管する。なお、第2回収ボックス611bに保管される貨幣は、精査調整が行われた貨幣を含む。
精査部は、硬貨収納部404に収納されている貨幣の精査(計測)を行う。また、精査部は、店員の操作によって、自装置内の貨幣が投入口209aから投入されることにより、自装置内の貨幣の精査を行う。例えば、精査部は、回収部によって回収された貨幣の精査を行う。すなわち、精査部は、第1回収ボックス611aに保管されている貨幣の精査を行う。精査部は、貨幣を硬貨収納部404に収納して精査を行う。硬貨収納部404に一度に収納可能な枚数は、許容値Tが示す枚数までである。ここで、図7を用いて、精査時に行う精査調整の有無について説明する。精査調整は、硬貨収納部404に順次、空きスペースを作ることである。
図7は、精査時に行う精査調整の有無を示す説明図である。なお、図7では、説明を簡単にするため、一金種(例えば、100円硬貨)について説明する。図7(A)は、精査調整が不要な例を示す。図7(B)は、精査調整を要する例を示す。図7において、第1回収ボックス611aには回収部によって回収された、回収値Kが示す枚数の硬貨が収納されている。また、硬貨収納部404には、収納値Jが示す枚数の硬貨が収納されている。
精査において、硬貨処理装置400は、第1回収ボックス611aに収納されている枚数を計測する。そして、硬貨処理装置400は、計測した枚数と回収値Kとが一致した場合に、収支が適切であると判断する。一方で、硬貨処理装置400は、計測した枚数と回収値Kとが一致しない場合に、収支が不適切であると判断する。
硬貨収納部404には、許容値T(上限枚数)が設定されている。また、図7において、残許容値Rは、硬貨収納部404に収納可能な残りの枚数(残許容枚数)を示す。具体的には、残許容値Rは、「許容値T-収納値J」によって算出される。ここで、回収値Kが残許容値R以下であれば、回収値K分の硬貨を硬貨収納部404内に収納させることができるため、精査調整を行わなくても、精査を行うことが可能である。一方で、回収値Kが残許容値Rより大きければ、回収値K分の硬貨を硬貨収納部404内に収納させることができないため、精査調整が必要となる。
このため、精査部によって精査が行われる場合、比較部は、回収値Kと、残許容値Rとを比較する。比較部は、具体的には、回収値Kと、残許容値Rとの大小関係を比較する。比較部は、残許容値Rと、回収値Kとを比較して、回収値Kが残許容値Rよりも大きいか否かの比較結果を導出する。
図7(A)は、比較部による比較の結果、K≦Rの関係が導出されたことを示している。すなわち、回収値Kが残許容値R以下である。この場合、回収値Kが示す枚数を硬貨収納部404の空きスペースに収納させて精査を行うことが可能である。このため、精査時に硬貨収納部404内の収納枚数の精査調整が不要である。したがって、調整部は、精査調整を行わない。精査調整が行われない場合、精査部は、回収部によって回収された全ての貨幣をそのまま硬貨収納部404に収納させて精査を行う。精査調整が行われない場合の精査の具体例については、図8を用いて後述する。
一方で、図7(B)は、比較部による比較の結果、K>Rの関係が導出されたことを示している。すなわち、回収値Kが残許容値Rよりも大きい。この場合、回収値Kが示す枚数をそのまま硬貨収納部404に収納させることができない。このため、調整部は、精査調整を行って、精査部に精査を行わせる。調整部は、精査調整において、硬貨収納部404に収納された分の貨幣の精査(計測)が完了すると、当該貨幣を回収させて、さらに、硬貨収納部404に硬貨を収納させて精査させる。精査調整によって回収された貨幣は、第2回収ボックス611bに保管される。精査調整の具体例については、図9を用いて後述する。
調整部は、硬貨収納部404に収納される精査後の枚数(収納枚数S)と、硬貨収納部404に収納される精査前の枚数(収納値J)とが同じ枚数になるように精査調整を行う。さらに、調整部は、これに加えて、第2回収ボックス611bに保管される精査後の保管枚数Gと、第1回収ボックス611aに保管されていた精査前の枚数(回収値K)とが同じ枚数になるように、精査調整を行う。
また、通知部は、精査部による精査結果を通知する。具体的には、通知部は、精査後の保管枚数Gが回収値K(精査前の回収枚数)と同じ枚数になった場合、収支に異常がないことを示す異常なしの精査結果を通知する。なお、この場合、精査後の収納枚数Sが収納値J(精査前の収納枚数)と同じ枚数になることを条件とする。一方、通知部は、精査後の保管枚数Gが回収値Kと同じ枚数にならなかった場合、収支に異常があることを示す異常ありの精査結果を通知する。なお、この場合も、精査後の収納枚数Sが収納値Jと同じ枚数になることを条件とする。
次に、図8および図9を用いて、具体的な数値を挙げて、精査において計測される枚数について説明する。なお、図8および図9では、精査の結果は、適正な収支を示すものとする。また、図8および図9では、説明を簡単にするため、一金種(例えば、100円硬貨)について説明する。
(精査開始時の条件)
精査開始時の条件について以下列挙する。
・回収値K(硬貨収納部404から回収した枚数)…50枚
・許容値T(硬貨収納部404に収納可能な上限枚数)…170枚
・収納値J(硬貨収納部404に収納されている枚数)…100枚
・残許容値R(=許容値T-収納値J)…70枚
なお、精査開始時において、第2回収ボックス611bの保管枚数Gは、0枚である。
(精査調整を行わない場合の精査の一例)
図8において、比較部は、回収値K(50枚)と、残許容値R(70枚)とを比較する。比較の結果、回収値Kは、残許容値R以下であること(K≦R)が得られる。この場合、調整部による精査調整が行われず、第1回収ボックス611aに保管される硬貨は、そのまま硬貨収納部404に収納されて、精査(計測)されることになる。以下、具体的に説明する。
(精査801:50枚を投入)
・投入枚数I:50
・収納枚数S:150←100
・推定保管残数F:0←50
まず、精査部は、硬貨収納部404に収納されている100枚の硬貨について精査(計測)を行う。そして、精査801に示すように、店員は、第1回収ボックス611a内の全ての硬貨(回収値K=50枚)を投入口209aへ投入する(投入枚数I=50)。これにより、硬貨収納部404の収納枚数Sは、50枚加算されて、150枚となる。また、第1回収ボックス611aに残存する推定枚数(推定保管残数F)は0枚となる。
(精査802:50枚を回収)
・回収枚数H:50
・収納枚数S:100←150
・保管枚数G:50←0
そして、硬貨処理装置400は、精査802を行う。精査802では、収納枚数S(150枚)について精査を行った後に、収納枚数Sが100枚になるように、余剰分(50枚)を回収する。具体的には、精査802では、精査801において、投入した分だけ、硬貨収納部404から第2回収ボックス611bに回収する(回収枚数H=50)。これにより、硬貨収納部404の収納枚数Sは、100枚になり、収納値Jと同じ値になる。また、第2回収ボックス611b内の保管枚数Gは、50枚になり、回収値Kと同じ値になる。したがって、適正な収支であることが判明する。なお、不正等があった場合には、投入口209aへ投入される枚数(投入枚数I)が50枚とは異なる枚数であるため、第2回収ボックス611b内の硬貨の保管枚数Gが回収値Kと一致しないことになる。
(精査調整を行う場合の精査の一例)
図9は、精査調整を行う場合の精査の一例を示す説明図である。図9では、図8と比較して、開始時の状態について、回収値K(精査すべき枚数)を500枚としている点が異なる。精査が行われる際に、比較部は、回収値K(500枚)と、残許容値R(70枚)とを比較する。比較の結果、回収値Kは、残許容値Rより大きいこと(K>R)が得られる。このため、調整部は、精査において、精査調整901~907を行う。
(精査調整901:70枚を投入)
・投入枚数I:70
・収納枚数S:170←100
・推定保管残数F:430←500
まず、精査部は、硬貨収納部404に収納されている100枚の硬貨について精査を行う。そして、店員は、第1回収ボックス611aに保管されている硬貨を投入口209aに投入する。店員が硬貨を70枚投入すると(投入枚数I=70枚)、収納枚数Sは、硬貨収納部404の許容値T(170枚)に達する。収納枚数Sが許容値Tに達すると、当該金種がそれ以上投入されたとしても、返却口209cから返却される。なお、当該金種の返却は、返却口209cからの返却に限らず、出金口209bから返却してもよい。また、店員が第1回収ボックス611a内の硬貨を70枚投入したことにより、第1回収ボックス611aからは投入した分(70枚)の硬貨が減少する。このため、「推定保管残数F=回収値K(500)-投入枚数I(70)=430)になる。
(精査調整902:170枚を回収)
・回収枚数H:170
・収納枚数S:0←170
・保管枚数G:170←0
精査部は、硬貨収納部404に収納されている170枚の硬貨について精査を行う。170枚の精査が完了すると、精査調整902に示すように、調整部によって、硬貨収納部404内から回収枚数H(170枚)の硬貨が回収されて、その分が第2回収ボックス611bに保管されたことを示している。すなわち、収納枚数Sが170枚減少して、0枚になったことを示している。さらに、第2回収ボックス611bの保管枚数Gが170枚増加して、170枚となったことを示している。なお、当該回収は、第2回収ボックス611bに回収する旨(例えば、図16(B)の回収ボックス移動ボタン1613の押下)を受け付けることによって行われる。
ここで、調整部は、硬貨収納部404内の硬貨を回収に際して、回収後にさらに、硬貨収納部404をフルに収納させる枚数(170枚)が第1回収ボックス611aに残るか否かを考慮して、硬貨を回収する。具体的には、調整部は、硬貨収納部404内の硬貨を回収に際して、推定保管残数Fと、許容値Tとの大小関係を考慮して、回収を行う。
精査調整902においては、「推定保管残数F>許容値T」となっている。具体的には、第1回収ボックス611aの推定保管残数F(430枚)が硬貨収納部404の許容値T(170枚)よりも大きいことを示している。この場合、次の計測においてもフルに収納可能であることから、調整部は、硬貨収納部404の全ての収納枚数S(170枚)を回収して(回収枚数H=170枚)、第2回収ボックス611bに保管させる。なお、「推定保管残数F≦許容値T」の場合については、精査調整906で後述するが、調整部は、硬貨収納部404の全ての収納枚数Sを回収させないようにする場合がある。
(精査調整903:170枚を投入)
・投入枚数I:170
・収納枚数S:170←0
・推定保管残数F:260←430
さらに、店員は、第1回収ボックス611aの硬貨を投入口209aに投入する。店員が硬貨を170枚投入すると(投入枚数I=170枚)、収納枚数Sは、硬貨収納部404の許容値T(170枚)に達する。収納枚数Sが許容値Tに達すると、当該金種がそれ以上投入されたとしても、返却口209cから返却される。また、店員が第1回収ボックス611a内の硬貨を170枚投入したことにより、第1回収ボックス611aからは投入した分(170枚減)が減少する。このため、調整部は、推定保管残数Fを260枚(=430-170)に更新する。
(精査調整904:170枚を回収)
・回収枚数H:170
・収納枚数S:0←170
・保管枚数G:340←170
精査部は、硬貨収納部404に収納されている170枚の硬貨について精査を行う。170枚の精査が完了すると、精査調整904に示すように、調整部によって、硬貨収納部404内から回収枚数H(170枚)の硬貨が回収されて、その分が第2回収ボックス611bに保管されたことを示している。すなわち、収納枚数Sが170枚減少して、0枚になったことを示している。さらに、第2回収ボックス611bの保管枚数Gが170枚増加して、340枚になったことを示している。
また、精査調整904において、推定保管残数Fと、許容値Tとの関係は、「推定保管残数F>許容値T」となっている。具体的には、第1回収ボックス611aの推定保管残数F(260枚)が硬貨収納部404の許容値T(170枚)よりも大きいことを示している。この場合、調整部は、硬貨収納部404の全ての収納枚数S(170枚)を回収して、第2回収ボックス611bに保管させる。
(精査調整905:170枚を投入)
・投入枚数I:170
・収納枚数S:170←0
・推定保管残数F:90←260
さらに、店員は、第1回収ボックス611aの硬貨を投入口209aに投入する。店員が硬貨を170枚投入すると(投入枚数I=170枚)、収納枚数Sは、硬貨収納部404の許容値T(170枚)に達する。収納枚数Sが許容値Tに達すると、当該金種がそれ以上投入されたとしても、返却口209cから返却される。また、店員が第1回収ボックス611a内の硬貨を170枚投入したことにより、第1回収ボックス611aからは投入した分(170枚減)が減少する。このため、調整部は、推定保管残数Fを90枚(=260枚-170枚)に更新する。
(精査調整906:収納枚数Sを収納値J(100)とするために160枚を回収)
・回収枚数H:160
・収納枚数S:10←170
・保管枚数G:500←340
精査部は、硬貨収納部404に収納されている170枚の硬貨について精査を行う。170枚の精査が完了すると、精査調整906に示すように、調整部によって、硬貨収納部404内から回収枚数H(160枚)の硬貨が回収されて、第2回収ボックス611bに保管されたことを示している。すなわち、収納枚数Sが160枚減少して、10枚になったことを示している。さらに、第2回収ボックス611bの保管枚数Gが160枚増加して、500枚になったことを示している。
ここで、回収枚数Hを160枚とした点について説明する。推定保管残数Fと、許容値Tとの関係は、「推定保管残数F(90)≦許容値T(170)」となっている。この場合、調整部は、収納枚数Sを最終的に収納値J(100)とするために、収納値J(100)に相当する枚数が第1回収ボックス611aに残っているか否かを考慮して、硬貨を回収する。具体的には、収納値J(100)に相当する枚数が第1回収ボックス611aに残っていない場合に、収納枚数S(170枚)を全て回収してしまうと、その後に、第1回収ボックス611aに保管される推定保管残数F(90)を全て投入したとしても、硬貨収納部404内の枚数が収納値(100)に達しないこととなる。
このため、調整部は、収納値Jと推定保管残数Fとの大小関係を考慮する。より具体的には、「収納値J(100)>推定保管残数F(90)」となる場合、収納枚数S(170枚)を全て回収してしまうと、その後に、第1回収ボックス611aに保管される推定保管残数F(90)を全て投入したとしても、硬貨収納部404内の枚数が収納値(100)に達しないこととなる。
そこで、調整部は、精査調整906において、収納枚数Sを100枚にするために、硬貨収納部404に10枚だけ残留させて、残り(160枚)を回収させるようにする。具体的には、調整部は、収納枚数Sを収納値Jにするための残留枚数Zを算出する。残留枚数Zは、「収納値J(100)-推定保管残数F(90)=10」である。さらに、調整部は、残留枚数Zの硬貨を残留させて、回収枚数H(収納枚数S(170枚)-残留枚数Z(10枚)=160枚)を回収する。これにより、第2回収ボックス611b内の枚数は、160枚が加算されて、500枚(340+160)となる。この第2回収ボックス611bに保管される保管枚数(500枚)は、回収値K(500枚)と同じ枚数となっている。
(精査調整907:収納枚数Sを収納値J(100)とするために90枚を投入)
・投入枚数I:90
・収納枚数S:100←10
・推定保管残数F:0←90
店員は、さらに、第1回収ボックス611aの残りの硬貨(90枚)を投入口209aに投入する。店員が投入した90枚は、上記の精査調整906において硬貨収納部404に残された残留枚数(10枚)に加算される。これにより、硬貨収納部404には、収納枚数S(100枚)の硬貨が収納される。精査部は、硬貨収納部404に収納されている100枚の硬貨について精査を行う。不正等がなければ、投入枚数Iとして90枚が投入されるため、収納枚数S(100枚)は、収納値J(精査開始時の値:100枚)と同じ枚数となる。なお、不正等があった場合には、投入枚数Iとして90枚とは異なる枚数(例えば、少ない枚数)が投入されることになるため、最終的な収納枚数Sが、収納値Jが示す枚数とは異なる枚数(例えば、少ない枚数)となる。
このような精査調整901~907を行うことにより、硬貨収納部404に収納される枚数についても、回収ボックス611に収納される枚数についても、精査の前後で変わりのない枚数とすることができる。
(精査調整906の他の例:収納枚数Sを収納値Jとするための調整の他の例)
ここで、精査調整906では、収納枚数Sを最終的に収納値J(100)とするために、収納値J(100)に相当する枚数が第1回収ボックス611aに残っているか否かを考慮して、硬貨を回収するようにしている。上記説明では、「収納値J(100)>推定保管残数F(90)」について説明したが、「収納値J≦推定保管残数F」となることもある。これについて、具体的に説明する。
精査調整906において、収納枚数Sを全て回収したとしても、場合によっては(例えば収納値Jが50の場合)、収納値Jよりも多い枚数が第1回収ボックス611aに残る場合がある(収納値J(50)≦推定保管残数F(90))。この場合、精査調整906において、収納枚数S(170枚)を全て回収してしまったとしても、その後に、第1回収ボックス611aに保管される推定保管残数F(90)を全て投入し、40枚を回収することによって、硬貨収納部404内の収納枚数Sを収納値J(50)とすることが可能である。
より詳細に説明すると、精査調整906において、収納値J≦推定保管残数Fの場合、硬貨収納部404に硬貨を残留させる必要がないことから(残留枚数Z=0)、調整部は、硬貨収納部404内から回収枚数H(170枚)を回収する。さらに、その後の精査調整907において、投入口209aから、第1回収ボックス611aの残りの硬貨(90枚)の投入を受け付ける。さらに、精査調整907の後の精査調整において、硬貨収納部404に収納枚数S(50枚)を残し、余剰分(40枚)を回収して、第2回収ボックス611bに保管させる。不正等があった場合には、余剰分が40枚より少ない枚数になるため、40枚を回収することができず、第2回収ボックス611bの保管枚数Gが回収値Kと一致しないことになる(例えば、少ない枚数になる)。
(硬貨処理装置400が行うオーバーフロー処理の一例)
図10は、硬貨処理装置400が行うオーバーフロー処理の一例を示すフローチャートである。図10において、硬貨処理装置400(制御部410)は、ニアフル状態の金種があるか否かを判断する(ステップS1001)。ニアフル状態の金種がある場合(ステップS1001:YES)、硬貨処理装置400は、当該金種についてオーバーフロー処理を行う(ステップS1002)。そして、硬貨処理装置400は、オーバーフロー処理を行った金種をメモリ411に記憶するとともに、当該金種について回収した枚数の累計を示す回収値Kをメモリ411に記憶し(ステップS1003)、一連の処理を終了する。
ニアフル状態の金種がない場合(ステップS1001:NO)、硬貨処理装置400は、硬貨収納部404の硬貨が少ない状態(ニアエンド状態)の金種があるか否かを判断する(ステップS1004)。ニアエンド状態の金種がない場合(ステップS1004:NO)、硬貨処理装置400は、ステップS1001に戻る。ニアエンド状態の金種がある場合(ステップS1004:YES)、硬貨処理装置400は、当該金種がニアエンド状態であることを報知し(ステップS1006)、一連の処理を終了する。なお、ニアエンド状態の報知は、店員によって所定の確認ボタンが押下されたり、硬貨が補充されたりすることによって解除される。
(硬貨処理装置400が行う精査処理の一例)
図11は、硬貨処理装置400が行う精査処理の一例を示すフローチャートである。図11において、硬貨処理装置400(制御部410)は、精査開始であるか否かを判断する(ステップS1101)。精査開始であると判断されるのは、例えば、開閉扉601を開け閉めしたときや、エラーが発生したときや、精査開始の指示を受け付けたときなどである。また、精査を開始する際の条件として、硬貨処理装置400は、店員から精査開始を示す精査開始ボタン1603(図16(A)参照)の押下を受け付けることを条件とする。さらに、精査を開始する際の条件として、硬貨処理装置400は、回収ボックス611が第1回収ボックス611aから第2回収ボックス611bへ交換されることや、施錠部602が施錠されることを条件としてもよい。
硬貨処理装置400は、精査開始となるまで待機する(ステップS1101:NO)。精査開始となると(ステップS1101:YES)、硬貨処理装置400は、メモリ411を参照し、回収値Kを取得する(ステップS1102)。そして、硬貨処理装置400は、回収値Kが「0」(枚)であるか否かを判断する(ステップS1103)。回収値Kが「0」である場合(ステップS1103:YES)、すなわち、現時点でオーバーフロー処理が一度も行われていない場合、硬貨処理装置400は、精査を行わずに、一連の処理を終了する。
回収値Kが「0」ではない場合(ステップS1103:NO)、すなわち、第1回収ボックス611aに保管されている硬貨がある場合、硬貨処理装置400は、オーバーフロー処理によって回収された金種のうち、許容値Tについて比較対象とする一の金種を特定する(ステップS1104)。そして、硬貨処理装置400は、比較対象の金種について、硬貨収納部404内の収納枚数を示す収納値Jを取得する(ステップS1105)。次に、硬貨処理装置400は、比較対象の金種について、硬貨収納部404の許容枚数を示す許容値Tを取得する(ステップS1106)。そして、硬貨処理装置400は、比較対象の金種について、許容値Tと収納値Jとから残許容値R(=T-J)を算出する(ステップS1107)。次に、硬貨処理装置400は、比較対象の金種について、回収値Kと残許容値Rとを比較する(ステップS1108)。
そして、硬貨処理装置400は、オーバーフロー処理によって回収された全ての金種について、回収値Kと残許容値Rとの比較が完了したか否かを判断する(ステップS1109)。全ての金種について比較が完了していない場合(ステップS1109:NO)、硬貨処理装置400は、ステップS1104に戻り、未だ比較を行っていない一の金種を特定する。全ての金種について比較が完了した場合(ステップS1109:YES)、硬貨処理装置400は、回収値Kが残許容値Rよりも大きい金種があるか否かを判断する(ステップS1110)。
回収値Kが残許容値Rよりも大きい金種が1つでもある場合(ステップS1110:YES)、硬貨処理装置400は、当該金種を、精査調整対象の金種としてメモリ411に記憶する(ステップS1111)。そして、硬貨処理装置400は、精査調整を行いながら貨幣を精査する精査調整処理を実行し(図12参照)(ステップS1112)、一連の処理を終了する。一方、回収値Kが残許容値Rよりも大きい金種が1つもない場合(ステップS1110:NO)、硬貨処理装置400は、精査調整を行わずに貨幣を精査する非精査調整処理を実行し(図13参照)(ステップS1113)、一連の処理を終了する。
(硬貨処理装置400が行う精査調整処理の一例)
図12は、硬貨処理装置400が行う精査調整処理の一例を示すフローチャートである。図12において、硬貨処理装置400(制御部410)は、投入口209aから硬貨の投入があるか否かを判断する(ステップS1201)。この硬貨は、第1回収ボックス611aに保管されている硬貨である。硬貨処理装置400は、投入口209aから硬貨の投入があるまで待機する(ステップS1201:NO)。投入口209aから硬貨の投入があると(ステップS1201:YES)、硬貨処理装置400(鑑別部401)は、金種を鑑別する(ステップS1202)。
そして、硬貨処理装置400は、鑑別された金種について硬貨収納部404の収納枚数Sが許容値Tに達しているか否かを判断する(ステップS1203)。当該金種について硬貨収納部404の収納枚数Sが許容値Tに達していない場合(ステップS1203:NO)、硬貨処理装置400は、投入された硬貨を計測し(ステップS1204)、ステップS1206に進む。一方、当該金種について硬貨収納部404の収納枚数Sが許容値Tに達している場合(ステップS1203:YES)、硬貨処理装置400は、当該硬貨を返却口209cから返却する(ステップS1205)。具体的には、硬貨処理装置400は、鑑別部401によって、許容値Tに達した金種が鑑別されると、当該硬貨を返却口209cから返却する。そして、硬貨処理装置400は、返却した旨を通知する(ステップS1206)。
次に、硬貨処理装置400は、精査調整対象の全ての金種について、それぞれ収納枚数Sが許容値Tなったか否かを判断する(ステップS1207)。精査調整対象の全ての金種について、それぞれ収納枚数Sが許容値Tにならない場合(ステップS1207:NO)、硬貨処理装置400は、ステップS1201に戻る。精査調整対象の全ての金種について、それぞれ収納枚数Sが許容値Tになった場合(ステップS1207:YES)、硬貨処理装置400は、精査調整対象の全ての金種のうち、第2回収ボックス611bに回収する回収対象の一の金種を特定する(ステップS1208)。なお、本フローチャートでは、一の金種ずつ、第2回収ボックス611bに回収する処理について説明するが、複数の金種を同時に、第2回収ボックス611bに回収する処理とすることも可能である。
そして、硬貨処理装置400は、特定した金種について、現在の第1回収ボックス611a内の推定保管残数Fが許容値Tよりも大きいか否かを判断する(ステップS1209)。現在の第1回収ボックス611a内の推定保管残数Fが許容値Tよりも大きい場合(ステップS1209:YES)、硬貨処理装置400は、当該金種について全ての枚数(収納枚数S)を第2回収ボックス611bに回収する旨(例えば、図16(B)の回収ボックス移動ボタン1613の押下)を受け付けたか否かを判断する(ステップS1210)。
硬貨処理装置400は、第2回収ボックス611bへの回収を受け付けるまで待機する(ステップS1210:NO)。第2回収ボックス611bへの回収を受け付けると(ステップS1210:YES)、硬貨処理装置400は、当該金種について全ての枚数(収納枚数S)を第2回収ボックス611bに回収し(ステップS1211)、ステップS1213に進む。これにより、当該金種について収納枚数Sは「0」になり、当該金種の第2回収ボックス611bの保管枚数Gは、収納枚数Sに相当する枚数が加算されることになる。
一方、現在の第1回収ボックス611a内の推定保管残数Fが許容値T以下の場合(ステップS1209:NO)、硬貨処理装置400は、収納枚数S(例えば170枚)を収納値J(例えば100枚)にするための精査調整を行う(ステップS1212)。当該精査調整では、図9の精査調整906や精査調整907に示したように、例えば、推定保管残数Fや収納値Jなどに基づいて、硬貨収納部404に残留枚数Z分を残留させたり、回収枚数H分を店員の操作に応じて回収したり、第1回収ボックス611a内の残りの硬貨の投入を完了させたりすることが行われる。当該精査調整により、当該金種についての精査が完了する。
次に、硬貨処理装置400は、精査調整対象の全ての金種について回収が完了したか否かを判断する(ステップS1213)。精査調整対象の全ての金種について回収が完了していない場合(ステップS1213:NO)、硬貨処理装置400は、ステップS1208に戻り、未だ回収を行っていない一の金種を特定する。一方、精査調整対象の全ての金種について回収が完了した場合(ステップS1211:YES)、硬貨処理装置400は、第1回収ボックス611aに回収された全ての硬貨の投入完了(例えば、図16(B)の投入完了ボタン1614の押下)を受け付けたか否か判断する(ステップS1214)。
投入完了を受け付けない場合(ステップS1214:NO)、すなわち、推定保管残数F>0である場合(例えば、第1回収ボックス611aや返却口209cに硬貨が残っている場合)、硬貨処理装置400は、ステップS1201に戻る。一方、投入完了を受け付けた場合(ステップS1214:YES)、すなわち、推定保管残数F=0である場合(例えば、第1回収ボックス611aや返却口209cに硬貨が残っていない場合)、精査結果を通知し(ステップS1215)、一連の処理を終了する。
(硬貨処理装置400が行う非精査調整処理の一例)
図13は、硬貨処理装置400が行う非精査調整処理の一例を示すフローチャートである。図13において、硬貨処理装置400は、投入口209aから硬貨の投入があるか否かを判断する(ステップS1301)。この硬貨は、第1回収ボックス611aに保管されている硬貨である。硬貨処理装置400は、投入口209aから硬貨の投入があるまで待機する(ステップS1301:NO)。投入口209aから硬貨の投入があると(ステップS1301:YES)、硬貨処理装置400(鑑別部401)は、金種を鑑別する(ステップS1302)。
そして、硬貨処理装置400は、投入された硬貨を計測し(ステップS1204)、全ての硬貨の投入が完了したか否かを判断する(ステップS1304)。全ての硬貨の投入が完了していない場合(ステップS1304:NO)、硬貨処理装置400は、ステップS1301に戻る。全ての硬貨の投入が完了した場合(ステップS1304:YES)、硬貨処理装置400は、硬貨収納部404に収納されている各金種について、収納値Jに相当する枚数を残し、余剰分を第2回収ボックス611bへ回収する(ステップS1305)。そして、硬貨処理装置400は、精査結果を通知し(ステップS1306)、一連の処理を終了する。
(精査を行う際の画面の一例)
次に、図14~図17を用いて、精査を行う際に客側表示部205に表示される画面の一例について説明する。なお、精査を行う際に、店員が投入口209aから現金を投入することから、すなわち、店員が客側にいることになることから、精査を行う際の通知に係る画面は、客側表示部205に表示される。
図14は、精査を行う前の釣銭機209内の硬貨枚数の一覧表示を示す画面の一例を示す説明図である。図14において、客側表示部205には、釣銭速報画面1400が表示されている。釣銭速報画面1400は、例えば、POS端末装置20におけるメンテナンス画面において、釣銭速報画面1400の表示を受け付けるボタンが押下されることによって表示される。
釣銭速報画面1400は、収納枚数表示領域1401と、許容枚数表示領域1402と、回収ボックス保管枚数表示領域1403と、終了ボタン1411と、実行ボタン1412とを含む。収納枚数表示領域1401は、各金種について、硬貨収納部404に収納されている現在(精査前)の枚数(=収納値J)を示す。許容枚数表示領域1402は、各金種について、収納可能な上限枚数(=許容値T)を示す。回収ボックス保管枚数表示領域1403は、各金種について、第1回収ボックス611aに回収された枚数(=回収値K)を示す。一例を挙げると、釣銭速報画面1400において、100円硬貨については、収納枚数表示領域1401に示す枚数が100枚であり、許容枚数表示領域1402に示す枚数が170枚であり、回収ボックス保管枚数表示領域1403に示す枚数が500枚である。
終了ボタン1411は、釣銭速報画面1400を終了して、1つ前の画面に戻ることを受け付けるボタンである。実行ボタン1412は、釣銭機209における各種メンテナンスを受け付けることが可能なメンテナンス受付画面1500(図15参照)への移行を受け付けるボタンである。
図15は、メンテナンス受付画面1500の一例を示す説明図である。なお、メンテナンス受付画面1500は、実行ボタン1412が押下されることによって表示されることに限らず、開閉扉601を開け閉めしたときや開閉扉601に係るエラーが発生したときなどの所定のタイミングで、自動で表示されてもよい。
メンテナンス受付画面1500は、回収ボックス保管枚数表示領域1403と、精査枚数表示領域1501と、差分枚数表示領域1502とを含む。精査枚数表示領域1501は、各金種について、精査(計測)した枚数を示す。なお、精査開始前であることから、図15に示す精査枚数表示領域1501に示す枚数は、いずれも0枚である。精査が行われるにつれて、精査枚数表示領域1501に示す枚数は増加していく。
差分枚数表示領域1502は、各金種について、回収ボックス保管枚数表示領域1403に示す枚数から、精査枚数表示領域1501に示す枚数を減算した枚数を示す。なお、精査開始前であることから、図15に示す差分枚数表示領域1502に示す枚数は、回収ボックス保管枚数表示領域1403に示す枚数の符号を反転させた枚数(マイナスにした枚数)となっている。精査が行われるにつれて、差分枚数表示領域1502に示す枚数は増加していく(0に近付いていく)。一例を挙げると、メンテナンス受付画面1500において、100円硬貨については、精査枚数表示領域1501に示す枚数が0枚であり、差分枚数表示領域1502に示す枚数が-500枚である。
また、メンテナンス受付画面1500は、回収ボタン1511と、補充ボタン1512と、精査説明1520と、精査実行ボタン1521と、終了ボタン1531とを含む。回収ボタン1511は、硬貨収納部404に収納されている硬貨を第1回収ボックス611aに回収させることを受け付けるボタンである。補充ボタン1512は、ニアエンド状態になっている場合など、硬貨収納部404への硬貨の補充を受け付けるボタンである。
精査説明1520は、精査を行うにあたっての説明を示す。精査説明1520は、具体的には、例えば、第1回収ボックス611aに回収された枚数が、釣銭機209の空き(残許容値R)を超える場合には、途中で硬貨を第2回収ボックス611bへ移動させるため、空の第2回収ボックス611bセットする旨などを含む。なお、精査説明1520は、図14の釣銭速報画面1400に表示されてもよい。また、精査説明1520は、第1回収ボックス611aに回収された枚数が、釣銭機209の空き(残許容値R)を超える場合にのみ、表示されるようにしてもよい。この場合には、回収ボックスの硬貨が投入された後に表示されるようにしてもよい。さらに、精査説明1520は、ポップアップ表示されて、表示領域を大きくして、手順を示すように表示されるようにしてもよい。
精査実行ボタン1521は、精査の実行を受け付けるボタンである。精査実行ボタン1521が押下されると、図16(A)に示す精査開始確認画面1600に移行する。終了ボタン1531は、POS端末装置20におけるメンテナンス画面の終了を受け付けるボタンである。
図16および図17は、精査を行う際の画面の一例を示す説明図である。図16(A)は、精査開始確認画面1600の一例を示す説明図である。精査開始確認画面1600は、回収ボックス確認通知1601と、精査中止ボタン1602と、精査開始ボタン1603とを含む。回収ボックス確認通知1601は、第2回収ボックス611bをセットしたことの確認を促す通知である。精査中止ボタン1602は、精査中止を受け付けるボタンである。精査開始ボタン1603は、精査の開始を受け付けるボタンである。精査開始ボタン1603が押下されて、精査が開始されると、例えば、図16(B)に示す精査中画面1610に遷移する。
図16(B)は、精査中画面1610の一例を示す説明図である。精査中画面1610において、精査枚数表示領域1501に示す枚数は、第1回収ボックス611aに回収された各金種について、いずれも精査が開始されたことによって、枚数が増加している。また、差分枚数表示領域1502に示す枚数は、精査が開始されたことにより、増加している(0に近付いている)。一例を挙げると、100円硬貨については、精査枚数表示領域1501に示す枚数が200枚であり、差分枚数表示領域1502に示す枚数が-300枚である。すなわち、100円硬貨について、200枚の精査が完了したことにより、第1回収ボックス611aに回収された枚数(500枚)に対して、現時点で300枚不足していることを示している。
また、精査中画面1610は、精査中通知1611と、状態通知1612と、回収ボックス移動ボタン1613と、投入完了ボタン1614とを含む。精査中通知1611は、第1回収ボックス611a内の硬貨を投入口209aへ投入する旨を示す。また、精査中通知1611は、硬貨収納部404がフルになると、回収ボックス移動ボタン1613が有効になる旨、および、回収ボックス移動ボタン1613の押下を促す旨を示している。さらに、精査中通知1611は、第1回収ボックス611a内の硬貨が全て投入された後に、投入完了ボタン1614の押下を促す旨を示している。
状態通知1612は、現在の硬貨処理装置400(釣銭機209)の状態を示している。回収ボックス移動ボタン1613は、各金種について、硬貨収納部404がフルになると有効になる。なお、回収ボックス移動ボタン1613は、一の金種について硬貨収納部404がフルになると有効になってもよい。投入完了ボタン1614は、第1回収ボックス611a内の硬貨を全て投入した後に押下を受け付ける。第1回収ボックス611a内の硬貨が全て投入されて、投入完了ボタン1614が押下されると、図17に示す精査完了画面1700に遷移する。
図17の精査完了画面1700において、精査枚数表示領域1501に示す枚数は、回収ボックス保管枚数表示領域1403に示す枚数と同等の枚数になっている。これは、第1回収ボックス611aに回収された各金種について、いずれも精査が完了されたことによるためである。また、差分枚数表示領域1502に示す枚数は、精査が完了したことにより、全て0になっている。一例を挙げると、100円硬貨については、回収ボックス保管枚数表示領域1403に示す枚数が500枚であり、精査枚数表示領域1501に示す枚数が500枚であり、差分枚数表示領域1502に示す枚数が0枚である。すなわち、100円硬貨について、第1回収ボックス611aに回収された枚数(500枚)と同じ枚数(500枚)の精査が完了したことを示している。
また、精査完了画面1700は、完了通知1701と、状態通知1702と、確認ボタン1703とを含む。完了通知1701は、差分枚数表示領域1502に示す差分枚数がいずれも「0枚」であることから、収支に異常がないことを示している。なお、収支が不足している場合には、差分枚数表示領域1502に示す差分枚数がマイナスの値で表示され、収支が余剰となっている場合には、差分枚数表示領域1502に示す差分枚数がプラスの値で表示される。収支に異常がある場合、完了通知1701において、その旨が通知される。状態通知1702は、投入口209aへの投入(入金)が完了した状態を示している。確認ボタン1703は、精査完了の確認を受け付けるボタンである。
以上説明したように、本実施形態に係る硬貨処理装置400は、残許容値Rと、回収値Kとの比較結果に応じて、硬貨処理装置400に収納される貨幣の枚数の調整を行って精査を行うようにした。これにより、回収した貨幣(硬貨)の枚数が多い場合でも、当該貨幣を硬貨収納部404に収納させて精査を行うことができる。したがって、収支の管理を適切に行うことができる。
また、本実施形態に係る硬貨処理装置400は、残許容値Rと、回収値Kとの比較結果に応じて精査調整を行わないようにし、精査調整を行わない場合には回収した全ての貨幣をそのまま硬貨収納部404に収納可能にして精査を行うようにした。これにより、回収された硬貨の枚数が少ない場合には、精査調整を行わずに精査を行うことができる。したがって、簡単かつ迅速に精査を行うことができる。
また、本実施形態に係る硬貨処理装置400は、精査前の貨幣を保管する第1回収ボックス611aと、精査後の貨幣を保管する第2回収ボックス611bとを備えるようにした。これにより、第1回収ボックス611aを第2回収ボックス611bに交換して、精査を行うことができる。したがって、簡単な操作で精査を行うことができる。
また、本実施形態に係る硬貨処理装置400は、硬貨収納部404に収納される精査後の収納枚数Sが、精査前の枚数(収納値J)と同じ枚数になり、且つ、第2回収ボックス611bに保管される精査後の保管枚数Gが、回収値Kが示す枚数と同じ枚数になるように、精査調整を行うようにした。これにより、精査を行う前後で、硬貨収納部404に収納される枚数についても、回収ボックス611に収納される枚数についても、変わりのない枚数とすることができる。
また、本実施形態に係る硬貨処理装置400は、精査調整処理(図12参照)において、収納枚数Sが許容値Tになった金種が投入されると返却し、他の金種が投入されると硬貨収納部404に収納させるようにした。これにより、一の金種について収納枚数Sが許容値Tに達したとしても、他の金種について収納枚数Sが許容値Tに達していない場合には、硬貨の投入を継続することができる。このため、硬貨の投入の受け付けを中止する機会を低減させることができるため、精査を迅速に行うことができる。
(実施形態の変形例)
以下に、実施形態の変形例1~4について説明する。なお、以下の変形例1~4では、上述した実施形態で説明した内容については、適宜説明を省略する。また、上述した実施形態および変形例1~4に示す各構成をそれぞれ組み合わせた構成とすることも可能である。具体的には、上述した実施形態と、変形例1~4とのうち、全てを含む構成としてもよいし、上述した実施形態と、変形例1~4とのうち、いずれかを組合せた構成としてもよい。
(変形例1)
まず、実施形態の変形例1について説明する。上述した実施形態では、精査調整(図9の精査調整901および精査調整902参照)において、硬貨の投入を先に受け付け、その後に回収を行うようにした。変形例1では、このような構成に加えて又は代えて、精査調整において、硬貨の回収を先に行い、その後に硬貨の投入を受け付ける構成について説明する。
図18は、精査調整の変形例1を示す説明図である。図18において、精査開始時における各値は、実施形態(図9参照)と同様である。すなわち、比較部による比較結果として、回収値Kが残許容値Rより大きいこと(K>R)が導出されたものとする。変形例1では、以下の精査調整1801~1807を行う。
(精査調整1801:100枚回収)
・回収枚数H:100
・収納枚数S:0←100
・保管枚数G:100←0
まず、精査部は、硬貨収納部404に収納されている100枚の硬貨について精査(計測)を行う。そして、調整部は、硬貨収納部404内の硬貨を全て回収する(回収枚数H=100枚)。これにより、硬貨収納部404には、170枚分の空きが確保される。また、第2回収ボックス611bの保管枚数Gは、0→100枚となる。
(精査調整1802:170枚を投入)
・投入枚数I:170
・収納枚数S:170←0
・推定保管残数F:330←500
そして、店員は、第1回収ボックス611aに保管されている硬貨を投入口209aに投入する。店員が硬貨を170枚投入すると(投入枚数I=170)、収納枚数Sが許容値T(0→170枚)に達する。また、店員が第1回収ボックス611a内の硬貨を170枚投入したことにより、第1回収ボックス611aからは投入した分(170枚)の硬貨が減少する。このため、「推定保管残数F=回収値K(500)-投入枚数I(170)=330)になる。
(精査調整1803:170枚を回収)
・回収枚数H:170
・収納枚数S:0←170
・保管枚数G:270←100
精査部は、硬貨収納部404に収納されている170枚の硬貨について精査を行う。170枚の精査が完了すると、調整部は、硬貨収納部404内から回収枚数H(170枚)の硬貨を回収させる。これにより、収納枚数Sが0枚になる。また、第2回収ボックス611bの保管枚数Gは、270枚になる。
(精査調整1804:170枚を投入)
・投入枚数I:170
・収納枚数S:170←0
・推定保管残数F:160←330
そして、店員は、第1回収ボックス611aに保管されている硬貨を投入口209aに投入する。店員が硬貨を170枚投入すると(投入枚数I=170)、収納枚数Sが許容値T(0→170枚)に達する。また、店員が第1回収ボックス611a内の硬貨を170枚投入したことにより、第1回収ボックス611aからは投入した分(170枚)の硬貨が減少する。このため、「推定保管残数F=回収値K(330)-投入枚数I(170)=160)になる。
(精査調整1805:収納枚数Sを収納値J(100)とするために170枚を回収)
・回収枚数H:170
・収納枚数S:0←170
・保管枚数G:440←270
精査部は、硬貨収納部404に収納されている170枚の硬貨について精査を行う。170枚の精査が完了すると、調整部は、硬貨収納部404内から回収枚数H(170枚)の硬貨を回収させる。これにより、収納枚数Sは、0枚になる。また、第2回収ボックス611bの保管枚数Gは、440枚になる。
ここで、精査調整1805において、回収枚数を170枚としたことについて補足しておく。精査調整1805において、回収枚数を170枚とすると、推定保管残数Fは、160枚となる。すなわち、第1回収ボックス611aに残る枚数は、さらに硬貨収納部404をフルに収納させることが可能な枚数(許容値T:170枚)よりも少なくなる。具体的には、推定保管残数Fと、許容値Tとの関係は、「推定保管残数F(160)≦許容値T(170)」となる。
このため、調整部は、最終的に収納枚数Sを収納値J(100)とするために、さらに、収納値J(100)に相当する枚数が第1回収ボックス611aに残るか否かを考慮して、硬貨を回収する。具体的には、収納値Jと推定保管残数Fとの大小関係を考慮する。ここで、「収納値J(100)≦推定保管残数F(160)」であることから、硬貨収納部404に収納されている全枚数(170枚)を回収したとしても、その後に160枚を投入して(精査調整1806)、60枚を回収すれば(精査調整1807)、収納値J(100)とすることが可能である。このため、精査調整1805において、回収枚数を170枚としている。
なお、精査調整1805において、「収納値J>推定保管残数F」となることもある。これについて、具体例を挙げて補足しておく。仮に、収納値Jが163枚であると、精査調整1805において、「収納値J(163)>推定保管残数F(160)」となる。この場合、精査調整1805において、収納枚数S(170枚)を全て回収してしまうと、その後に、収納値J(例えば、163枚)に相当する枚数が第1回収ボックス611aに残っていないことから推定保管残数F=160)、推定保管残数Fを全て投入したとしても、硬貨収納部404内の収納枚数を最終的に収納値(163枚)にすることができないこととなる。このため、精査調整1805では、硬貨収納部404に3枚を残し(残留枚数Z=3)、残りの枚数(167枚)を回収するようにする。さらに、調整部は、その後の精査調整(精査調整1806)において、160枚を投入することにより、収納枚数Sを163枚とすることができる。
(精査調整1806:収納枚数Sを収納値J(100)とするために160枚を投入)
・投入枚数I:160
・収納枚数S:160←0
・推定保管残数F:0←160
精査調整1806において、店員は、第1回収ボックス611aの残りの硬貨(160枚)を投入口209aに投入する。これにより、硬貨収納部404には、収納枚数S(160枚)が収納される。また、推定保管残数Fは0枚となる。
(精査調整1807:収納枚数Sを収納値J(100)とするために60枚を回収)
精査部は、硬貨収納部404に収納されている160枚の硬貨について精査を行う。160枚の精査が完了すると、調整部は、硬貨収納部404に収納枚数S(100枚)を残し、余剰分(60枚)を回収して(回収枚数H=60枚)、第2回収ボックス611bに保管させる。精査部は、硬貨収納部404に収納されている60枚の硬貨について精査を行う。不正等があった場合には、余剰分が60枚より少ない枚数になるため、60枚を回収することができず、第2回収ボックス611bの保管枚数Gが回収値Kと一致しないことになる。
変形例1によれば、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。また、変形例1によれば、精査調整において、硬貨の回収を先に行い、その後に硬貨の投入を受け付けるようにしたため、初めから(精査調整1801の段階から)許容値Tに相当する枚数を硬貨収納部404に収納させて精査を行うことができる。このため、店員による投入回数の低減を図ることができる。具体的には、実施形態では、硬貨の投入回数が、精査調整901、903、905、907に示したように4回である一方で、変形例1では、硬貨の投入回数が、精査調整1802、1804、1806に示したように3回である。したがって、硬貨の投入に係る店員の作業負担の軽減を図ることができるとともに、精査の迅速化を図ることができる。
(変形例2)
次に、実施形態の変形例2について説明する。上述した実施形態では、精査調整(図9の精査調整902および精査調整904参照)において、硬貨収納部404内の硬貨を全て第2回収ボックス611bに回収させるようにした。変形例2では、このような構成に加えて又は代えて、精査調整において、硬貨収納部404内の硬貨を全て第2回収ボックス611bに回収させないようにする構成について説明する。
図19は、精査調整の変形例2を示す説明図である。図19に示すように、硬貨処理装置400は、精査調整1901~1908を行う。精査調整1902、1904、1906は、第2回収ボックス611bへの回収を示す。精査調整1902、1904、1906では、硬貨収納部404内の全ての硬貨を第2回収ボックス611bへの回収へ回収させず、硬貨収納部404に10枚を残して回収させるようにしている。この10枚は、例えば、ニアエンド状態の基準となる枚数であってもよい。
このように、変形例2によれば、硬貨収納部404から第2回収ボックス611bへ回収された後でも、硬貨収納部404内に硬貨を残すことができる。これにより、硬貨収納部404に硬貨が収納されていないといったエラーが生じることを事前に防止することができる。
(変形例3)
次に、実施形態の変形例3について説明する。上述した実施形態では、精査調整処理(図12参照)において、収納枚数Sが許容値Tになった金種がある場合でも硬貨の投入を受け付けて当該金種を返却する構成について説明した(図12のステップS1205参照)。このような構成に加えて又は代えて、変形例3では、精査対象の金種のうち一の金種について収納枚数Sが許容値Tに達した場合には、他の金種についても硬貨の投入の受け付けを中止する構成について説明する。
図20は、硬貨処理装置400が行う精査調整処理の変形例3を示すフローチャートである。図20において、硬貨処理装置400は、投入口209aから硬貨の投入があるか否かを判断する(ステップS2001)。この硬貨は、第1回収ボックス611aに保管されている硬貨である。硬貨処理装置400は、投入口209aから硬貨の投入があるまで待機する(ステップS2001:NO)。投入口209aから硬貨の投入があると(ステップS2001:YES)、硬貨処理装置400(鑑別部401)は、金種を鑑別する(ステップS2002)。
そして、硬貨処理装置400は、投入された硬貨を計測する(ステップS2003)。硬貨は、投入口209aから投入されると、硬貨収納部404に収納され、硬貨収納部404の収納枚数Sが増加していく。そして、金種によっては、収納枚数Sが許容値Tに達することとなる。硬貨処理装置400は、収納枚数Sが許容値Tに達した金種(硬貨収納部404)があるか否かを判断する(ステップS2004)。
収納枚数Sが許容値Tに達した金種がない場合(ステップS2004:NO)、硬貨処理装置400は、ステップS2010に進む。一方、収納枚数Sが許容値Tに達した金種がある場合(ステップS2004:YES)、硬貨処理装置400は、硬貨の投入の受け付けを中止する(ステップS2005)。
次に、硬貨処理装置400は、収納枚数Sが許容値Tに達した金種について、現在の第1回収ボックス611a内の推定保管残数Fが許容値Tよりも大きいか否かを判断する(ステップS2006)。現在の第1回収ボックス611a内の推定保管残数Fが許容値Tよりも大きい場合(ステップS2006:YES)、硬貨処理装置400は、当該金種について全ての枚数(収納枚数S)を第2回収ボックス611bに回収する旨(例えば、図16(B)の回収ボックス移動ボタン1613の押下)を受け付けたか否かを判断する(ステップS2007)。
硬貨処理装置400は、第2回収ボックス611bへの回収を受け付けるまで待機する(ステップS2007:NO)。第2回収ボックス611bへの回収を受け付けると(ステップS2007:YES)、硬貨処理装置400は、当該金種について全ての枚数(収納枚数S)を第2回収ボックス611bに回収し(ステップS2008)、ステップS2001に戻る。これにより、当該金種について収納枚数Sは「0」になり、第2回収ボックス611bの保管枚数Gは、収納枚数Sに相当する枚数が加算されることになる。
一方、現在の第1回収ボックス611a内の推定保管残数Fが許容値T以下の場合(ステップS2006:NO)、硬貨処理装置400は、収納枚数S(例えば170枚)を収納値J(例えば100枚)にするための精査調整を行う(ステップS2009)。当該精査調整では、図9の精査調整906や精査調整907に示したように、例えば、推定保管残数Fや収納値Jなどに基づいて、硬貨収納部404に残留枚数Z分を残留させたり、回収枚数H分を店員の操作に応じて回収したり、第1回収ボックス611a内の残りの硬貨の投入を完了させたりすることが行われる。当該精査調整により、当該金種の精査が完了する。
次に、硬貨処理装置400は、精査が完了していない金種があるか否かを判断する(ステップS2010)。精査が完了していない金種がある場合(ステップS2010:YES)、硬貨処理装置400は、ステップS2001に戻る。精査が完了していない金種がない場合(ステップS2010:NO)、すなわち、全ての金種について精査が完了した場合、精査結果を通知し(ステップS2011)、一連の処理を終了する。
変形例3では、精査対象の金種のうち一の金種について収納枚数Sが許容値Tに達した場合には、他の金種についても硬貨の投入の受け付けを中止するようにした。これにより、当該一の金種が返却口209cから返却される枚数を抑えることができる。したがって、返却口209cから返却された貨幣の回収に係る店員の作業負担を軽減することができる。
なお、硬貨を金種別に第2回収ボックス611bに回収することも可能である。例えば、回収する金種が100円硬貨と50円硬貨との2種類であったとする。この場合、硬貨処理装置400は、例えば、先に100円硬貨について精査調整を行うことにより、第2回収ボックス611bに100円硬貨のみを回収する。100円硬貨の開始を完了すると、硬貨処理装置400は、100円硬貨の回収が完了した旨や、第2回収ボックス611bを交換する旨の通知を行う。そして、店員は、空の第2回収ボックス611bに取り換える。硬貨処理装置400は、50円硬貨についての精査開始を受け付けると、50円硬貨について精査調整を行うことにより、第2回収ボックス611bに50円硬貨のみを回収する。50円硬貨の開始を完了すると、硬貨処理装置400は、50円硬貨の回収が完了した旨の通知を行う。このように、硬貨を金種別に第2回収ボックス611bに回収することができるため、閉店時における現金の回収作業において効果的である。
(変形例4)
次に、実施形態の変形例4について説明する。変形例4では、精査調整処理(図12参照)において、硬貨の投入に関する通知を行う構成について説明する。変形例4において、通知部は、例えば、精査調整処理において、投入枚数を表示する。投入枚数の表示は、投入した枚数をカウントアップする表示としてもよい。また、カウントアップする表示では、許容値Tを表示しておいてもよい。また、投入枚数の表示は、投入に応じて許容値Tからカウントダウンする表示としてもよい。
また、許容値Tに達した場合には、通知部は、その旨を通知したり、それ以上の投入の中止を促す旨を通知したりしてもよい。また、硬貨の投入に関する通知は、客側表示部205に表示されればよい。
変形例4によれば、店員が行う硬貨の投入作業を支援することができる。したがって、精査調整処理における硬貨の投入に係る作業効率の向上を図ることができる。
(変形例5)
次に、実施形態の変形例5について説明する。上述した実施形態では、精査を行う際に、第1回収ボックス611a内の硬貨が投入口209aへ投入されると、投入された硬貨を硬貨収納部404に収納させる構成について説明した。変形例1では、このような構成に加えて又は代えて、精査を行う際に、第1回収ボックス611a内の硬貨が投入口209aへ投入されると、投入された硬貨を硬貨収納部404に収納させない構成について説明する。
変形例5において、例えば、図9と同様に、開始時の状態として回収値K(精査すべき枚数)を500枚とする。すなわち、第1回収ボックス611aには、500枚の硬貨が収納されているものとする。精査において、店員は、第1回収ボックス611aを取り出して、空の第2回収ボックス611bをボックス格納部603にセットする。そして、店員が第1回収ボックス611a内の硬貨を全て投入口209aへ投入する。変形例5では、投入口209aから投入された硬貨は、硬貨収納部404に収納されずに、精査部によって精査される。精査において、メモリ411に記憶されている回収値Kとの比較が行われる。そして、そのまま回収されて、第2回収ボックス611bに保管される。不正等があった場合には、精査された枚数と回収値Kとが一致しないことになる。
変形例5によれば、回収した貨幣(硬貨)の枚数が多い場合でも、第1回収ボックス611a内の硬貨を簡単に精査することができる。したがって、収支の管理を適切に行うことができる。
以下、実施形態総括を記載する。
[発明の名称]貨幣処理装置、およびプログラム
[技術分野]
本発明は、貨幣処理装置、およびプログラムに関する。
[背景技術]
従来、店舗において用いられるPOS(Point Of Sales)レジスタには、現金による決済を行う貨幣処理装置が具備されている。貨幣処理装置は、例えば、金種ごとに貨幣(紙幣および硬貨)を収納する収納部を備える。貨幣処理装置は、現金の投入状況や釣銭の払出状況によっては、貨幣を収納可能な許容枚数に近い状態(ニアフル状態)になることがある。ニアフル状態になると、収納部内の貨幣は回収ボックスに回収される。
関連する技術として、硬貨釣銭機からの開放指令によってキャッシュドロアを自動開放し、貨幣の収納および取出しを可能とすることにより、硬貨釣銭機の独自の都合に応じてキャッシュドロアを自動開放させるようにした貨幣取扱システムが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、貨幣処理装置は、装置内の現金の収支が合わなくなってしまうことを防止するため、回収ボックスが収納される保管庫の扉を開け閉めしたときや、保管庫に係るエラーが発生したときなどの所定のタイミングで、収納部に収納された貨幣の枚数を数え直す精査を行う。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2005-004347号公報
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、従来技術では、収納部から回収された貨幣の枚数が多い場合には当該貨幣が収納部に入り切らないことがあるため、精査を行うことができないことがあった。このため、従来技術では、収支の管理を適切に行うことができないことがある、という問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、収支の管理を適切に行うことができる技術を提供することにある。
[課題を解決するための手段]
(1)上述した課題を解決するために、本発明の一態様である貨幣処理装置は、釣銭用の貨幣を自装置内に収納する収納手段と、前記収納手段に収納される貨幣の枚数に応じて当該貨幣の一部を第1保管手段に回収する回収手段と、前記収納手段に収納された貨幣および前記回収手段により回収された貨幣の精査を行う精査手段と、前記精査手段によって前記精査が行われる場合、前記収納手段に収納可能な残りの枚数を示す残許容枚数と、前記回収手段によって回収された枚数を示す回収枚数とを比較する比較手段と、前記比較手段の比較結果に応じて、前記収納手段に収納される貨幣の枚数の調整を行って前記精査を行わせる調整手段と、を備えることを特徴とする貨幣処理装置である。
上記構成によれば、回収した貨幣(硬貨)の枚数が多い場合でも、当該貨幣を硬貨収納部404に収納させて精査を行うことができる。したがって、収支の管理を適切に行うことができる。
(2)上記(1)の構成において、前記精査手段は、前記調整手段によって前記調整が行われない場合、前記回収手段により回収された全ての貨幣をそのまま前記収納手段に収納可能にして前記精査を行うようにしてもよい。
上記構成によれば、回収された硬貨の枚数が少ない場合には、精査調整を行わずに、精査を行うことができる。したがって、簡単かつ迅速に精査を行うことができる。
(3)上記(1)または(2)の構成において、前記第1保管手段に代わって配置される第2保管手段をさらに備え、前記第1保管手段は、精査前の貨幣を保管し、前記第2保管手段は、精査後の貨幣を保管するようにしてもよい。
上記構成によれば、第1回収ボックス611aを第2回収ボックス611bに交換して、精査を行うことができる。したがって、簡単な操作で精査を行うことができる。
(4)上記(3)の構成において、前記調整手段は、前記収納手段に収納される精査後の枚数が、精査前の枚数と同じ枚数になり、且つ、前記第2保管手段に保管される精査後の保管枚数が、前記回収枚数と同じ枚数になるように、前記調整を行うようにしてもよい。
上記構成によれば、精査を行う前後で、硬貨収納部404に収納される枚数についても、回収ボックス611に収納される枚数についても、変わりのない枚数とすることができる。
(5)上述した課題を解決するために、本発明の他の態様であるプログラムは、釣銭用の貨幣を自装置内に収納する収納手段を備えた貨幣処理装置に用いられるコンピュータを、前記収納手段に収納される貨幣の枚数に応じて当該貨幣の一部を第1保管手段に回収する回収手段、前記収納手段に収納された貨幣および前記回収手段により回収された貨幣の精査を行う精査手段、前記精査手段によって前記精査が行われる場合、前記収納手段に収納可能な残りの枚数を示す残許容枚数と、前記回収手段によって回収された枚数を示す回収枚数とを比較する比較手段、前記比較手段の比較結果に応じて、前記収納手段に収納される貨幣の枚数の調整を行って前記精査を行わせる調整手段、として機能させることを特徴とするプログラムである。
上記構成によれば、回収した貨幣の枚数が多い場合でも、当該貨幣を硬貨収納部404に収納させて精査を行うことができる。したがって、収支の管理を適切に行うことができる。
なお、上記において説明した硬貨処理装置400における各機能(入出力、記憶、処理(判断を含む))の全部または一部は、当該機能の実行主体として説明した装置とは異なる他の装置において実現してもよい。
具体的には、上述した説明では、硬貨処理装置400(POS端末装置20)が、回収部と、精査部と、比較部と、調整部と、通知部とを備える構成について説明した。これらの機能部の全部または一部が、他のコンピュータ装置に具備されていてもよい。例えば、これらの機能部のうち全部または一部が、ストアコントローラ10に具備されていてもよいし、取引状況管理装置11に具備されていてもよいし、これら以外のコンピュータ装置に具備されていてもよい。また、これらの機能部が具備されるコンピュータ装置は、複数台であることに限らず、1台であってもよい。例えば、これらの機能部の全てを一のコンピュータ装置が具備していてもよい。
具体的には、例えば、硬貨処理装置400(POS端末装置20)に代えて、ストアコントローラ10や取引状況管理装置11が、残許容値Rと回収値Kとの比較結果に応じて、硬貨処理装置400に収納される貨幣の枚数の調整を行って精査を行うようにしてもよい。
上記に関連し、POS端末装置20は、商品の登録や精算に関しては、入出力のインターフェース部分に特化したいわゆるシンクライアントとして機能してもよい。つまり、POS端末装置20は、各種の入力(操作者の操作、スキャナ等のデバイスによる検出)を受け付け、入力情報(操作情報、スキャン情報等)をクラウドサーバSvに送信し、当該入力情報に基づくクラウドサーバSvの処理結果(更新画面情報、デバイスの制御情報等)を受信し、各種の出力(表示部への表示、デバイスの制御)を行ってもよい。
なお、以上に説明した硬貨処理装置400、およびPOS端末装置20を実現するためのプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、そのプログラムをコンピュータシステムに読み込ませて実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
1…POSシステム、10…ストアコントローラ、11…取引状況管理装置、20…POS端末装置、201…CPU、202…ROM、203…RAM、204…ハードディスク、205…客側表示部、206…客側スキャナ部、208…カード決済部、209…釣銭機、209a…投入口、209b…出金口、209c…返却口、210…店員側表示部、211…キー操作部、212…店員側スキャナ部、215…通信部、217…撮像部、400…硬貨処理装置、404…硬貨収納部、410…制御部、411、メモリ、611a…第1回収ボックス、611b…第2回収ボックス

Claims (5)

  1. 釣銭用の貨幣を自装置内に収納する収納手段と、
    前記収納手段に収納される貨幣の枚数に応じて当該貨幣の一部を第1保管手段に回収する回収手段と、
    前記収納手段に収納された貨幣および前記回収手段により回収された貨幣の精査を行う精査手段と、
    前記精査手段によって前記精査が行われる場合、前記収納手段に収納可能な残りの枚数を示す残許容枚数と、前記回収手段によって回収された枚数を示す回収枚数とを比較する比較手段と、
    前記比較手段の比較結果に応じて、前記収納手段に収納される貨幣の枚数の調整を行って前記精査を行わせる調整手段と、
    を備えることを特徴とする貨幣処理装置。
  2. 前記精査手段は、前記調整手段によって前記調整が行われない場合、前記回収手段により回収された全ての貨幣をそのまま前記収納手段に収納可能にして前記精査を行う、
    ことを特徴とする請求項1に記載の貨幣処理装置。
  3. 前記第1保管手段に代わって配置される第2保管手段をさらに備え、
    前記第1保管手段は、精査前の貨幣を保管し、
    前記第2保管手段は、精査後の貨幣を保管する、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の貨幣処理装置。
  4. 前記調整手段は、
    前記収納手段に収納される精査後の枚数が、精査前の枚数と同じ枚数になり、且つ、前記第2保管手段に保管される精査後の保管枚数が、前記回収枚数と同じ枚数になるように、前記調整を行う、
    ことを特徴とする請求項3に記載の貨幣処理装置。
  5. 釣銭用の貨幣を自装置内に収納する収納手段を備えた貨幣処理装置に用いられるコンピュータを、
    前記収納手段に収納される貨幣の枚数に応じて当該貨幣の一部を第1保管手段に回収する回収手段、
    前記収納手段に収納された貨幣および前記回収手段により回収された貨幣の精査を行う精査手段、
    前記精査手段によって前記精査が行われる場合、前記収納手段に収納可能な残りの枚数を示す残許容枚数と、前記回収手段によって回収された枚数を示す回収枚数とを比較する比較手段、
    前記比較手段の比較結果に応じて、前記収納手段に収納される貨幣の枚数の調整を行って前記精査を行わせる調整手段、
    として機能させることを特徴とするプログラム。
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