JP2022158012A - インクジェット記録用インク、インクジェット記録用インク収容容器、インクジェット記録装置、画像形成方法、及び画像形成物 - Google Patents

インクジェット記録用インク、インクジェット記録用インク収容容器、インクジェット記録装置、画像形成方法、及び画像形成物 Download PDF

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Abstract

【課題】水平吐出における液タレ、及び吐出安定性を改善し、発色性も兼ね備えたインクジェット記録用インク、インクジェット記録用インク収容容器、インクジェット記録装置、画像形成方法、及び画像形成物の提供。【解決手段】少なくとも水、顔料、樹脂、及び水溶性有機溶剤を含むインクジェット記録用インクであって、前記インクジェット記録用インクにおける固形分の含有量が、インク全質量に対して10質量%になるように前記インクジェット記録用インクを濃縮したときの25℃における貯蔵弾性率G’が、0.50Pa以上2.00Pa以下であることを特徴とするインクジェット記録用インク。【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット記録用インク、インクジェット記録用インク収容容器、インクジェット記録装置、画像形成方法、及び画像形成物に関する。
近年、インクジェットプリンターは低騒音、低ランニングコストといった利点から目覚しく普及し、普通紙に印字可能なカラープリンタも市場に盛んに投入されている。それに伴い、文字にじみ(フェザリング)、色境界にじみ(カラーブリード)及びビーディングの抑制や、優れた画像の色再現性、耐擦化性、耐久性、耐光性、画像の乾燥性、両面印刷性、及び吐出安定性等の複数の特性を有するインクが、用途に応じて選択的に用いられている。
インクジェット記録方法に用いるインクは、一般的に、高沸点有機溶剤からなる湿潤剤を含有するものが用いられている。例えば、ビーディングを抑制するために、記録媒体に対して浸透性の高い有機溶媒を含むインク(例えば、特許文献1を参照)、有機溶媒の含有量によりインクの粘度を調節することで記録媒体に対する浸透性を調節したインク(例えば、特許文献2を参照)、及びブリストー法により評価した記録媒体に対するインクの浸透速度を調節したインク(例えば、特許文献3を参照)などが提案されている。
また、グリコールエーテル類又は炭素数が4以上の1,2-アルカンジオール類を含有するインクを用いることで、インク滴が着弾後の蒸発・浸透・拡散過程におけるインク乾燥時に水溶性樹脂と水分散型ポリマー粒子の擬似架橋状態の形成を促進させ、記録媒体上のインク滴をゲル化させることでインク滴同士の合一を防止し、ビーディングを抑制する方法(例えば、特許文献4参照)などが提案されている。さらに、ビーディングを抑制し、良好なインク吐出性が得られる観点から、インクの貯蔵弾性率G’と損失弾性率G”との比(G’/G”)、及びブリストー法による低浸透性記録媒体に対する吸収係数を規定したインク(例えば、特許文献5参照)が提案されている。
本発明は、水平吐出における液タレ、及び吐出安定性を改善し、発色性も兼ね備えたインクジェット記録用インク、インクジェット記録用インク収容容器、インクジェット記録装置、画像形成方法、及び画像形成物を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としての本発明のインクジェット記録用インクは、
少なくとも水、顔料、樹脂、及び水溶性有機溶剤を含むインクジェット記録用インクであって、
前記インクジェット記録用インクにおける固形分の含有量が、インク全質量に対して10質量%になるように前記インクジェット記録用インクを濃縮したときの25℃における貯蔵弾性率G’が、0.50Pa以上2.00Pa以下であることを特徴とする。
本発明によると、水平吐出における液タレ、及び吐出安定性を改善し、発色性も兼ね備えたインクジェット記録用インク、インクジェット記録用インク収容容器、インクジェット記録装置、画像形成方法、及び画像形成物を提供することができる。
図1aは、本発明の一実施形態に係る液体吐出装置の全体概略側面図である。 図1bは、本発明の一実施形態に係る液体吐出装置の全体概略平面図である。
(インクジェット記録用インク)
本発明のインクジェット記録用インクは、少なくとも水、顔料、樹脂、及び水溶性有機溶剤を含むインクジェット記録用インクであって、前記インクジェット記録用インクにおける固形分の含有量が、インク全質量に対して10質量%になるように前記インクジェット記録用インクを濃縮したときの25℃における貯蔵弾性率G’が、0.50Pa以上2.00Pa以下であり、更に必要に応じて、その他の成分を有する。
本発明において「インクジェット記録用インク」は、インクと称することがある。
一般的にインクジェット記録方法に用いられるインクには、高沸点を有する有機溶剤が含有されるが、前記有機溶剤の配合量や記録媒体の種類によっては、ビーディングやブリードが発生するという問題があった。
また、従来のインクジェット記録用インクにおいて、インクを水平吐出した場合に生じる液タレの抑制や、良好な吐出安定性については十分なものではなかった。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、少なくとも水、顔料、樹脂、及び水溶性有機溶剤を含むインクジェット記録用インクであって、前記インクジェット記録用インクにおける固形分の含有量が、インク全質量に対して10質量%になるように前記インクジェット記録用インクを濃縮したときの25℃における貯蔵弾性率G’が、0.50Pa以上2.00Pa以下であることにより、水平吐出した場合でも液タレが抑制され、十分な吐出安定性を示し、かつ発色性を備えたインクを見出した。
したがって、本発明においては、少なくとも水、顔料、樹脂、及び水溶性有機溶剤を含むインクジェット記録用インクであって、前記インクジェット記録用インクにおける固形分の含有量が、インク全質量に対して10質量%になるように前記インクジェット記録用インクを濃縮したときの25℃における貯蔵弾性率G’が、0.50Pa以上2.00Pa以下であることによって、水平吐出における液タレ、及び吐出安定性を改善し、発色性も兼ね備えたインクジェット記録用インクを提供することができる。
[顔料]
本発明のインクは、顔料を含有する。
前記顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択でき、例えば、イエロー顔料、マゼンタ顔料、シアン顔料、ブラック顔料などが挙げられる。
前記イエロー顔料の具体例としては、C.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー2、C.I.ピグメントイエロー3、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー16、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー73、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー75、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー95、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー98、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー114、C.I.ピグメントイエロー120、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー129、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー154、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー180などが挙げられる。
前記マゼンタ顔料の具体例としては、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド12、C.I.ピグメントレッド18、C.I.ピグメントレッド48(Ca)、C.I.ピグメントレッド48(Mn)、C.I.ピグメントレッド57(Ca)、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド112、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド168、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントバイオレット19などが挙げられる。
前記シアン顔料の具体例としては、C.I.ピグメントブルー1、C.I.ピグメントブルー2、C.I.ピグメントブルー3、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー22、C.I.ピグメントブルー60、C.I.バットブルー4、C.I.バットブルー60などが挙げられる。
前記ブラック顔料としては、例えば、カーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)などが挙げられる。
前記カーボンブラックは、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記カーボンブラックの市販品としては、例えば、#10、#20、#30、#33、#40、#44、#45、#45L、#95、#900、#1000、#2300、#2350、#2650、#4000B、MA8、MA11、MA77、MA100、MA220、MA230(以上、三菱ケミカル(株)製):モナーク120、モナーク700、モナーク800、モナーク880、モナーク1000、モナーク1100、モナーク1300、モナーク1400、モーガルL、リーガル99R、リーガル250R、リーガル300R、リーガル330R、リーガル400R、リーガル500R、リーガル660R(以上、キャボット社製):NIPEX150、プリンテックスA、プリンテックスG、プリンテックスU、プリンテックスV、プリンテックス55、プリンテックス140U、プリンテックス140V、スペシャルブラック4、スペシャルブラック4A、スペシャルブラック5、スペシャルブラック6、スペシャルブラック100、スペシャルブラック250、カラーブラックFW1、カラーブラックFW2、カラーブラックFW2V、カラーブラックFW18、カラーブラックFW200、カラーブラックS150、カラーブラックS160、カラーブラックS170(以上、degussa社製)などが挙げられる。
上記の顔料のなかでも、イエロー顔料としてC.I.ピグメントイエロー110、マゼンタ顔料としてC.I.ピグメントレッド122、シアン顔料としてC.I.ピグメントブルー15:3、及びブラック顔料としてC.I.ピグメントブラック7を組み合わせて用いることが好ましい。これら顔料を組み合わせることで、耐候性、耐擦性、発色性、高彩度、及び高明度なレッド領域の色再現性を示すインクが得られ、さらにインクジェットヘッドにおけるインクの目詰まりが発生しにくいインクを得ることができる。
前記顔料の含有量としては、所望の粘度が得られる観点から、インク全質量に対して、1質量%以上30質量%以下が好ましく、7質量%以上17質量%以下がより好ましい。
[樹脂]
本発明のインクは樹脂を含有する。
前記樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択でき、例えば、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン-ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、スチレンアクリル系樹脂、アクリルシリコーン系樹脂などが挙げられる。これらの中でも、所望の貯蔵弾性率G’が得られる観点から、熱可塑性樹脂が好ましく、ウレタン樹脂、スチレンアクリル系樹脂がより好ましい。また、これらの樹脂からなる樹脂粒子を用いてもよい。
水を分散媒として前記樹脂粒子を分散した樹脂エマルションの状態で、顔料や後述する有機溶剤などの材料と混合することで、本発明のインクを得ることが可能である。
前記樹脂粒子としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記樹脂粒子は1種を単独で用いても、2種類以上の樹脂粒子を組み合わせて用いてもよい。
前記樹脂粒子の体積平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、良好な定着性、高い画像硬度が得られる点から、10nm以上1,000nm以下が好ましく、10nm以上200nm以下がより好ましく、10nm以上100nm以下が特に好ましい。
前記体積平均粒径は、例えば、粒度分析装置(ナノトラック Wave-UT151;マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
前記樹脂の含有量としては、定着性、インクの保存安定性、及び所望の貯蔵弾性率G’が得られる観点から、インク全質量に対して、1質量%以上30質量%以下が好ましく、5質量%以上20質量%以下がより好ましく、7質量%以上15質量%以下がさらに好ましい。
[水溶性有機溶剤]
本発明のインクは水溶性有機溶剤を含有する。
前記水溶性有機溶剤としては、特に制限されず、目的に応じて適宜選択でき、例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類や多価アルコールアリールエーテル類等のエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類などが挙げられる。
前記水溶性有機溶剤としては、湿潤剤として機能するだけでなく、良好な乾燥性が得られる観点から、沸点が250℃以下の水溶性有機溶剤を用いることが好ましい。
前記水溶性有機溶剤としては、速乾性が向上する観点から、炭素数1~3の飽和一価アルコールとしてメチルアルコール、エチルアルコール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコールなどを好適に用いることができる。
前記水溶性有機溶剤としては、記録媒体として紙を用いた場合に、インクの浸透性が向上する観点から、炭素数8以上のポリオール化合物、グリコールエーテル化合物などを好適に用いることができる。
前記水溶性有機溶剤の具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、3-メチル-1,3-ブタンジオール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2-ペンタンジオール、1,3-ペンタンジオール、1,4-ペンタンジオール、2,4-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,3-ヘキサンジオール、2,5-ヘキサンジオール、1,5-ヘキサンジオール、トリエチレングリコール、1,2,6-ヘキサントリオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、エチル-1,2,4-ブタントリオール、1,2,3-ブタントリオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、ペトリオール等の多価アルコール類:エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類:エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類:2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン、N-ヒドロキシエチル-2-ピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、ε-カプロラクタム、γ-ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物:ホルムアミド、N-メチルホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、3-メトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミド、3-ブトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミド等のアミド類:モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン等のアミン類:ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物:プロピレンカーボネート、炭酸エチレン、エタノールなどが挙げられる。
前記水溶性有機溶剤の含有量は、良好なインクの乾燥性及び吐出安定性を示すインクが得られる観点から、インク全質量に対して、10質量%以上60質量%以下が好ましく、20質量%以上60質量%以下がより好ましい。
[水]
前記水としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イオン交換水、限外ろ過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、超純水などが挙げられる。
[その他の成分]
前記その他の成分としては、界面活性剤、分散剤、pH調整剤、防腐防黴剤、防錆剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、コゲーション防止剤などを挙げることができる。
<界面活性剤>
前記界面活性剤としては、特に制限されず、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、アセチレングリコール系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、両性界面活性剤などが挙げられる。 これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
-シリコーン系界面活性剤-
前記シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、高pH(pH10~11)でも分解しないものが好ましい。例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサンなどが挙げられる。
前記側鎖変性ポリジメチルシロキサンは、例えば、一般式(S-1)式で表わされるポリジメチルシロキサンのSi部側鎖に変性基を導入することを示す。
前記両末端変性ポリジメチルシロキサンは、例えば、一般式(S-1)式で表わされるポリジメチルシロキサンの両末端に変性基を導入することを示す。
前記片末端変性ポリジメチルシロキサンは、例えば、一般式(S-1)式で表わされるポリジメチルシロキサンのどちらか一方の末端に変性基を導入することを示す。
前記側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサンは、例えば、一般式(S-1)式で表わされるポリジメチルシロキサンのSi部側鎖及び両末端に変性基を導入することを示す。
Figure 2022158012000001
一般式(S-1)
(但し、一般式(S-1)式中、m及びnは、それぞれ独立に整数を表わし、Xは側鎖を表す。)
例えば、前記側鎖変性ポリジメチルシロキサンは、一般式(S-1)式で表わされるジメチルポリシロキサンのSi部側鎖Xに、一般式(S-2)式で表わされるポリアルキレンオキシド構造を導入することで、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤とすることができる。
Figure 2022158012000002
一般式(S-2)
(但し、一般式(S-2)式中a、及びbは、それぞれ独立に整数を表わし、Rは、アルキレン基を表し、R’は、アルキル基を表す。)
前記変性基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基、ポリアルキレンオキシド構造などが挙げられる。これらの中でも、低起泡性及び良好な濡れ性を示す点で、ポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基が好ましい。
前記シリコーン系界面活性剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記シリコーン系界面活性剤の市販品としては、例えば、ビックケミー株式会社、信越化学工業株式会社、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社、日本エマルジョン株式会社、共栄社化学などから入手できる。
前記ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、市販品を用いることができ、例えば、KF-642、KF-643(いずれも、信越化学工業株式会社):DOWSIL FZ-2105、DOWSIL FZ-2154、DOWSIL FZ-2161、DOWSIL FZ-2162、DOWSIL FZ-2164(いずれも、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社):TSF4440、TSF4452(いずれも、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社)などが挙げられる。
これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
-フッ素系界面活性剤-
前記フッ素系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択でき、例えば、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物などが挙げられる。これらの中でも、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物は起泡性が少ないため好ましい。
前記フッ素系界面活性剤は、一般式(F-1)及び一般式(F-2)で表わされる化合物であることがより好ましい。
Figure 2022158012000003
上記一般式(F-1)で表される化合物において、水溶性を付与するためにmは0~10の整数が好ましく、nは0~40の整数が好ましい。(但し、一般式(F-1)式中、m及びnは、それぞれ独立に整数を表す。)
Figure 2022158012000004
上記一般式(F-2)で表される化合物において、YはH、又はCmF2m+1(mは1~6の整数)、又はCHCH(OH)CH-CmF2m+1(mは4~6の整数)、又はCmH2m+1(mは1~19の整数)である。nは1~6の整数である。aは4~14の整数である。
前記フッ素系界面活性剤としては、良好な撥水性及び濡れ性が得られるという点で、フッ素置換した炭素数が2~16の化合物が好ましく、フッ素置換した炭素数が4~16である化合物がより好ましい。
前記フッ素系界面活性剤は、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記フッ素系界面活性剤の市販品としては、例えば、キャプストーンFS-30、キャプストーンFS-31、キャプストーンFS-3100、キャプストーンFS-34、キャプストーンFS-35(いずれも、Chemours社製):FT-110、FT-250、FT-251、FT-150、FT-400SW(いずれも、株式会社ネオス製):ポリフォックスPF-136A、ポリフォックスPF-156A、ポリフォックスPF-151N(いずれも、オムノバ社製)などが挙げられる。これらの中でも、良好な印字品質、特に発色性、紙に対する浸透性、濡れ性、均染性が著しく向上する点から、キャプストーンFS-34(Chemours社製):FT-110、FT-250、FT-251、FT-150、FT-400SW(いずれも、株式会社ネオス製):ポリフォックスPF-151N(オムノバ社製)が好ましい。
-アセチレングリコール系界面活性剤-
前記アセチレングリコール系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオール、3,6-ジメチル-4-オクチン-3,6-ジオール、3,5-ジメチル-1-ヘキシン-3-オール等のアセチレングリコール系のものなどが挙げられる。
前記アセチレングリコール系界面活性剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記アセチレングリコール系界面活性剤の市販品としては、例えば、サーフィノール104、サーフィノール465、サーフィノール485(いずれも、日信化学工業(株)製)などが挙げられる。これらの中でも、良好な印字品質を示す観点から、サーフィノール104、サーフィノール465が好ましい。
-ノニオン系界面活性剤-
前記ノニオン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリオール、グリコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、アセチレングリコールなどが挙げられる。
-アニオン系界面活性剤-
前記アニオン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩、ジアルキルスルホサクシネートナトリウム、ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物などが挙げられる。
-両性界面活性剤-
前記両性界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ラウリルアミノプロピオン酸塩、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタインなどが挙げられる。
前記界面活性剤の含有量は、インク全質量に対して、0.01質量%以上5質量%以下であることが好ましく、0.03質量%以上2質量%以下であることがより好ましい。
前記界面活性剤の含有量が、インク全質量に対して、0.01質量%以上であると、印字後のドットの広がりが悪く、ドット径が小さくなることで、ベタ画像の埋まりが悪くなり、画像濃度や彩度が低下するといった問題を防ぐことができるため好適である。
前記界面活性剤の含有量が、インク全質量に対して、5質量%以下であると、泡立ちやすくなり、ノズル内の流路が泡で塞がれることによって吐出しなくなるといった問題を防ぐことができるため好適である。
<分散剤>
前記分散剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、以下の一般式(1)で示される構造を有するものが好ましい。前記分散剤は、前記一般式(1)の構造を有することで、平均粒径が小さく、粒度分布における標準偏差が小さいインクジェット記録用インクを得ることができる。
Figure 2022158012000005
一般式(1)
なお、一般式(1)において、Rは炭素数1~20のアルキル基、アリル基、アラルキル基を表し、lは0~7の整数を表す。
なお、一般式(1)において、nは20以上100以下が好ましく、30以上50以下がより好ましい。前記一般式(1)におけるnが20以上であることで、分散安定性が低下し、平均粒径が大きく、粒度分布における標準偏差の大きいインクとなってしまい満足な彩度が得られないといった問題を解消することができる。また、nが100以下であることによって、インクの粘度が高くなり、インクジェット方式での印字が困難になるといった問題を解消することができる。
前記分散剤としては、前記一般(1)において、lが0であり、nが40であるPOE(n=40)βナフチルエーテルがより好ましい。
<pH調整剤>
前記pH調整剤は、インクをアルカリ性に保つことで分散状態を安定化し、吐出を安定化することができる。一般的に、インクのpHが11以上であると、インクジェットのヘッドやインク供給ユニットを溶かし出す量が大きく、インクの変質や、漏洩、吐出不良等の問題が発生する。
前記pH調整剤を加えるタイミングとしては、pH調整剤の種類によっては分散剤を破壊してしまうという観点から、顔料を分散剤と共に水に混錬分散する際に添加することが好ましい。
前記pH調整剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できるが、アルコールアミン類、アルカリ金属水酸化物、アンモニウム水酸化物、ホスホニウム水酸化物、アルカリ金属炭酸塩を一種類以上含むものが好ましい。
前記アルコールアミン類の具体例としては、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2-アミノ-2-エチル-1,3プロパンジオールなどが挙げられる。
前記アルカリ金属水酸化物の具体例としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。
前記アンモニウム水酸化物の具体例としては、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物、第4級ホスホニウム水酸化物などが挙げられる。
前記アルカリ金属炭酸塩の具体例としては、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどが挙げられる。
これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
<防腐防黴剤>
前記防腐防黴剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択でき、例えば、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2-ピリジンチオール-1-オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウムなどが挙げられる。
<防錆剤>
前記防錆剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択でき、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライトなどが挙げられる。
これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
<酸化防止剤>
前記酸化防止剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択でき、例えば、フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含む)、アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、りん系酸化防止剤などが挙げられる。
これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
<紫外線吸収剤>
前記紫外線吸収剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択でき、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ニッケル錯塩系紫外線吸収剤などが挙げられる。
これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
<コゲーション防止剤>
コゲーションとは、ヒーターに電流を流してインクを瞬間的に加熱し、インクが発泡する力を利用してインクを吐出するサーマル式ヘッドにおける不具合であり、インクが熱せられる際にインク成分に変質が起こり、ヒーターに変質物が付着する現象のことを指す。コゲーションが生じると、ヒーターによる加熱が正常に行われなくなり、吐出力が弱くなったり、インクが吐出しない等の問題が生じる。そのため、コゲーションを防止すべく本発明で用いることができるインクには、コゲーション防止剤を添加することができる。
前記コゲーション防止剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択でき、例えば、ポリリン酸、ポリアミノカルボン酸、アルドン酸、ヒドロキシカルボン酸、ポリオールリン酸エステル、及びこれらの塩、或いはアミノ基を有する酸及び/又はその塩、或いはメチル基又はメチレン基とカルボキシル基とを有する酸のアンモニウム塩などが挙げられる。
[インクの物性]
<貯蔵弾性率G’>
本発明のインクは、固形分の含有量が、インク全質量に対して10質量%になるように前記インクを濃縮したときの25℃における貯蔵弾性率G’が、0.50Pa以上2.00Pa以下である。なお、固形分の含有量である「10質量%」には、±0.2質量%が誤差範囲として含まれる。
前記インクジェット記録用インクにおける固形分の含有量が、インク全質量に対して10質量%になるように前記インクジェット記録用インクを濃縮したときの25℃における貯蔵弾性率G’は、「貯蔵弾性率G’」と称することがある。
なお、本発明における前記固形分には、樹脂や顔料の粒子などが含まれる。
前記貯蔵弾性率G’が0.50Pa以上であることにより、より流動性の低いゲルが早期(印字中、インク滴が着弾するまでの時間)につくりだせるため、インク滴の合一防止の効果が向上し、ビーディングを抑制することができる。
前記貯蔵弾性率G’が2.00Pa以下であることにより、濃縮に伴いインクが固化することによって吐出安定性が低下するといった問題を解消することができる。
前記貯蔵弾性率G’は、有機溶剤の樹脂に対する可塑化力により制御することができる。
前記貯蔵弾性率G’は、液タレを抑制できるという観点から、0.75Pa以上1.50Pa以下であることが好ましい。
前記インクの濃縮方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択でき、例えば、蒸発などが挙げられる。
前記蒸発方法としては、例えば、本発明のインクをビーカー等の容器に入れ、攪拌しながら80℃のホットプレート上で加熱する方法などが挙げられる。
前記貯蔵弾性率G’の測定方法としては、特に制限はないが、例えば、前記濃縮方法によって濃縮したインクを、AR2000(TAインスツルメンツ(株)製)を用いて測定、解析することによって、前記貯蔵弾性率G’を求めることができる。
なお、前記貯蔵弾性率G’は、以下の測定条件によって測定することができる。
-測定条件-
・ジオメトリー:40mm 1°コーンプレート
・ジオメトリーギャップ:300μm
・測定周波数:1Hz
・測定温度:25℃
・解析ソフト:TA DATA ANALYSIS(TAインスツルメンツ(株)製)
前記固形分の含有量の測定方法としては、例えば、濃縮中インクが入った容器の質量を経時的に測定し、その質量変化から算出することができる。また、前記固形分の含有量が10質量%に近くなったら、前記インクの質量を細かく計測して濃縮加減を調整することで、前記固形分の含有量をコントロールすることができる。
<粘度>
前記インクの25℃での粘度は、印字濃度や文字品位が向上し、また、吐出安定性が得られる点から、1.0mPa・s以上10mPa・s以下が好ましく、1.5mPa・s以上8.0mPa・s以下がより好ましい。
前記粘度の測定方法としては、例えば、回転式粘度計(RE-80L;東機産業社製)を使用して測定することができる。前記粘度の測定条件としては、25℃で、標準コーンローター(1°34’×R24)、サンプル液量1.2mL、回転数50rpm、3分間で測定することができる。
<表面張力>
前記インクの表面張力としては、後述する記録媒体上で好適にインクがレベリングされ、インクの乾燥時間が短縮される点から、25℃で、30mN/m以下が好ましく、25mN/m以下がより好ましい。
<粒径>
前記インク中の固形分の粒径(メジアン径)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できるが、吐出安定性、画像濃度等の画像品質を向上させる点から、インク中の固形分の粒径(メジアン径)は、20nm以上1,000nm以下が好ましく、150nm以上200nm以下がより好ましい。
なお、前記インク中の固形分の粒径は、粒度分析装置(ナノトラック Wave-UT151;マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
<pH>
前記インクのpHとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できるが、接液する金属部材の腐食防止の観点から、7以上12以下が好ましく、8以上11以下がより好ましい。
[インクセット]
本発明のインクと処理液とを組み合わせてインクセットとして用いてもよい。
<処理液>
前記処理液は、凝集剤を含み、必要に応じて、水溶性有機溶剤、水、その他の成分を含有する。なお、水溶性有機溶剤、水、及びその他の成分については、本発明のインクと同様のものを用いることができる。
-凝集剤-
前記凝集剤は、本発明のインクに含有された成分(例えば、顔料等の色材)を凝集させるために含有される。前記凝集剤を含有するインクを用いて画像形成を行うことで、画像濃度を向上させることができる。
前記凝集剤としては、本発明のインクに含有された成分を凝集させるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択でき、例えば、金属塩などが挙げられる。
一般的に、インク中において金属塩と色材とが電荷的な作用によって会合し、顔料凝集体を形成することによって、顔料を液相から分離させ、記録媒体への定着を促進させることが知られている。そのため、前記処理液に凝集剤として金属塩を含有させることで、インク吸収性が低い記録媒体を用いた場合でもビーディングを抑制でき、高画質な画像を形成することができる。
前記金属塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択でき、例えば、チタン化合物、クロム化合物、銅化合物、コバルト化合物、ストロンチウム化合物、バリウム化合物、鉄化合物、アルミニウム化合物、カルシウム化合物、マグネシウム化合物、亜鉛化合物、ニッケル化合物等の塩などが挙げられる。これらの中でも、顔料等の色材を効果的に凝集させることができる点から、カルシウム化合物、マグネシウム化合物、ニッケル化合物の塩が好ましく、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属塩がより好ましく、マグネシウム塩であることがさらに好ましい。
さらに、前記金属塩は、イオン性のものが好ましい。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記バリウム化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、硫酸バリウムなどが挙げられる。
前記アルミニウム化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、珪酸アルミニウム、水酸化アルミニウムなどが挙げられる。
前記カルシウム化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、炭酸カルシウム、硝酸カルシウム、塩化カルシウム、酢酸カルシウム、硫酸カルシウム、珪酸カルシウムなどが挙げられる。
前記マグネシウム化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、塩化マグネシウム、酢酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、珪酸マグネシムなどが挙げられる。
前記亜鉛化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、硫化亜鉛、炭酸亜鉛などが挙げられる。
前記処理液における前記金属塩の含有量は、0.85モル/kg以上1.4モル/kg以下であることが好ましい。前記金属塩の含有量が0.85モル/kg以上であることで、インク吸収性が低い記録媒体を用いた場合などでもビーディングの発生を抑制でき、高画質な画像を形成できる。前記金属塩の含有量が1.4モル/kg以下であることで、前記処理液の保存安定性を向上させることができる。
[記録媒体]
本明細書中における「記録媒体」とは、本発明のインクを用いて記録される対象物のことである。
前記記録媒体とは、インクや前記処理液が一時的にでも付着可能なものを意味する。
前記記録媒体としては、特に制限はなく、目的に応じて、形状、構造、材質等を適宜選択することができ、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリサルフォン、ABS樹脂、ポリ塩化ビニル等を基材とするプラスチックシート:黄銅、鉄、アルミニウム、SUS(ステンレス鋼)、銅等の金属表面又は非金属の基材に蒸着等の手法により金属コーティング処理をした記録媒体:紙を基材として撥水処理等がなされた記録媒体:無機質の材料を高温で焼成した、いわゆるセラミックス材料からなる記録媒体などが挙げられる。
前記記録媒体の大きさは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
なお、前記インクの吐出方向としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できるが、前記記録媒体に対して水平に吐出することが好ましい。
(インクジェット記録用インク収容容器)
本発明のインクジェット記録用インク収容容器は、本発明のインクを容器中に収容してなり、更に必要に応じて、その他の部材などを有してなる。
前記容器の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエチレンテレフタレートなどが挙げられる。
前記容器の形状、構造、大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
[インクジェット記録装置]
本明細書における「インクジェット記録装置」とは、前記記録媒体に対して本発明のインクや、前記処理液等を吐出することが可能な液体吐出装置を示す。
本明細書における「インクジェット記録方法」とは、前記インクジェット記録装置を用いて記録を行う方法である。
前記インクジェット記録方法は、本発明のインクが付与される前の前記記録媒体に対して前記処理液が付与される処理液付与工程、及び前記処理液が付与された前記記録媒体に対して本発明のインクを付与するインク付与工程などを有していてもよい。
前記インクジェット記録装置は、本発明のインクを吐出させて記録を行うヘッドを備えていてもよい。
以下、液体吐出装置の一例について図1及び図2を参照して説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限定されるものではない。
図1は、本発明の一実施形態に係る液体吐出装置の全体概略構成図であり、図1(a)は液体吐出装置の側面図、図1(b)は液体吐出装置の平面図である。
液体吐出装置1000は、記録媒体の一例である被描画物100に対向するように設置する。キャリッジ1は、被描画物100に向けて液体の一例であるインクを吐出するためのヘッド300を搭載している。そしてキャリッジ1がZ軸方向に移動可能なように、Z軸レール103がキャリッジ1を保持する。
キャリッジ1を保持したZ軸レール103がX軸方向に移動可能なように、X軸レール101がZ軸レール103を保持する。さらに、X軸レール101がY軸方向に移動可能なように、Y軸レール102がX軸レール101を保持する。ここで、X軸は「第1の軸」の一例であり、Y軸は「第1の軸と交差する第2の軸」の一例であり、Z軸は「第1の軸および第2の軸と交差する第3の軸」の一例である。また、キャリッジ1は「液体吐出ユニット」の一例であり、ヘッド300は「液体吐出ヘッド」の一例である。
液体吐出装置1000は、キャリッジ1をZ軸レール103に沿ってZ軸方向に動かすZ方向駆動部92と、Z軸レール103をX軸レール101に沿ってX軸方向に動かすX方向駆動部72を備えている。さらに、液体吐出装置1000は、X軸レール101をY軸レール102に沿ってY軸方向に動かすY方向駆動部82を備えている。Z方向駆動部92は、「第1の駆動手段」の一例であり、キャリッジ1をX軸及びY軸と交差するZ軸の方向へ動かす。なお、キャリッジ1及びヘッド300のZ軸の方向への移動は、Z軸方向と平行でなくてもよく、少なくともZ軸方向の成分を含んでいれば斜めの移動であってもよい。
キャリッジ1は、さらに別のZ方向駆動部93を備えている。Z方向駆動部93は、「第2の駆動手段」の一例であり、キャリッジ1に対してヘッド300をZ軸の方向へ動かす。
上記のように構成した液体吐出装置1000は、キャリッジ1をX軸、Y軸およびZ軸の方向に移動させながら、ヘッド300から被描画物100に向けてインクを吐出し、被描画物100に描画を行う。なお、図1において被描画物100は、平面板の形態で示しているが、車やトラック、航空機などのように鉛直に近い面もしくは曲率半径の大きい面でもよい。
<画像形成方法及び画像形成物>
前記画像形成方法は、本発明のインクジェット記録装置を用いて、前記記録媒体上に印字することで行うことができる。
前記画像形成方法を用いて、前記記録媒体上に画像を形成したものを、画像形成物とすることができる。
前記画像形成物における記録媒体は、金属であることが好ましい。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(顔料分散液の調製)
<ブラック顔料分散液(A)(ブラック顔料界面活性剤分散液)の調製>
以下の材料(A)の混合物をプレミックス後、ビーズミル分散機(UAM-015;寿工業社製)を用いて、0.03mmジルコニアビーズ(密度6.03×10-6g/m)で、周速10m/s、液温30℃で15分間分散した後、遠心分離機(Model-7700;久保田商事(株)製)で粗大粒子を遠心分離(8000G、20分間)し、ブラック顔料分散液(A)を得た。
-材料(A)-
・C.I.ピグメントブラック7(NIPEX150(カーボンブラック);degussa社製)………200質量部
・ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物(ナフタレンスルホン酸2量体、3量体、及び4量体の合計含有量:30%)(デモールN;富士フィルム和光純薬工業(株)製)………50質量部
・蒸留水………750質量部
得られたブラック顔料分散液(A)を固形分0.1質量%になるように水で希釈し、粒度分析装置(ナノトラック Wave-UT151;マイクロトラック・ベル(株)製)を用いて、粒径(メジアン径)を測定したところ、ブラック顔料の粒径(メジアン径)は110nmであった。
<ブラック顔料分散液(B)(樹脂ポリマー被覆のブラック顔料分散液)の調製>
機械式攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流管、及び滴下ロートを備えた1Lフラスコ内を十分に窒素ガスで置換した後、以下の材料(B-1)を仕込み65℃に昇温した。
-材料(B-1)-
・スチレン………11.2g
・アクリル酸………2.8g
・ラウリルメタクリレート………12.0g
・ポリエチレングリコールメタクリレート………4.0g
・スチレンマクロマー(AS-6;東亜合成株式会社製)………4.0g
・メルカプトエタノール………0.4g
次に、以下の材料(B-2)の混合液を2.5時間かけてフラスコ内に滴下した。
-材料(B-2)-
・スチレン………100.8g
・アクリル酸………25.2g
・ラウリルメタクリレート………108.0g
・ポリエチレングリコールメタクリレート………36.0g
・ヒドロキシエチルメタクリレート………60.0g
・スチレンマクロマー(AS-6;東亜合成株式会社製)………36.0g
・メルカプトエタノール………3.6g
・アゾビスジメチルバレロニトリル………2.4g
・メチルエチルケトン………18g
前記混合液の滴下終了後、アゾビスジメチルバレロニトリル0.8g及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を0.5時間かけてフラスコ内に滴下した。その後、65℃で1時間熟成した後、アゾビスジメチルバレロニトリル0.8gを添加し、更に1時間熟成した。熟成終了後、フラスコ内に、メチルエチルケトン364gを添加し、濃度が50質量%であるポリマー溶液800gを調製した。
次に、以下の材料(B-3)を混合し、十分に攪拌した後、三本ロールミル(BRシリーズ;アイメックス社製)を用いて混錬し、ペーストを得た。
-材料(B-3)-
・得られたポリマー溶液………28g
・C.I.ピグメントブラック7(NIPEX150(カーボンブラック);degussa社製)………26g
・1mol/Lの水酸化カリウム溶液………13.6g
・メチルエチルケトン………20g
・イオン交換水………30g
得られたペーストをイオン交換水200gに投入し、十分に攪拌した後、エバポレーターを用いて、メチルエチルケトン及び水を留去し、プレミックス後ビーズミル分散機(UAM-015;寿工業社製)を用いて、0.03mmジルコニアビーズ(密度6.03×10-6g/m)で、周速10m/s、液温30℃で15分間分散した後、遠心分離機(Model-7700;久保田商事(株)製)で粗大粒子を遠心分離(8000G、20分間)し、ブラック顔料分散液(B)を得た。なお、得られたブラック顔料分散液(B)における固形分含有量は20%である。
得られたブラック顔料分散液(B)について、前記ブラック顔料分散液(A)と同様の方法で粒径(メジアン径)を測定したところ、ブラック顔料の粒径(メジアン径)は125nmであった。
<シアン顔料分散液(C)(シアン顔料界面活性剤分散液)の調製>
前記ブラック顔料分散液(A)の調製において、材料(A)を以下の材料(C)に変更した以外は、前記ブラック顔料分散液(A)の調製と同様の方法によって、シアン顔料分散液(C)を得た。得られたシアン顔料分散液(C)について、ブラック顔料分散液(A)と同様の方法で粒径(メジアン径)を測定したところ、シアン顔料の粒径(メジアン径)は80nmであった。
-材料(C)-
・C.I.ピグメントブルー15:3(シアニンブルーA-385;大日精化工業(株)製)………200質量部
・スルホコハク酸ジ-2-エチルヘキシルNa塩(CASNo. 577―11-7)(パイオニンA-51-B;竹本油脂(株)製)………2.5質量部
・蒸留水………742質量部
・下記一般式(1)で表される化合物(n=40)………56質量部
Figure 2022158012000006
一般式(1)
なお、一般式(1)中、lは0であり、nは40である。
<シアン顔料分散液(D)(樹脂ポリマー被覆のシアン顔料分散液)の調製>
前記ブラック顔料分散液(B)の調製において、材料(B-3)を以下の材料(D)に変更した以外は、前記ブラック顔料分散液(B)の調製と同様の方法によって、シアン顔料分散液(D)を得た。なお、得られたシアン顔料分散液(D)における固形分含有量は20%である。得られたシアン顔料分散液(D)について、前記ブラック顔料分散液(A)と同様の方法で粒径(メジアン径)を測定したところ、シアン顔料の粒径(メジアン径)は100nmであった。
-材料(D)-
・得られたポリマー溶液………28g
・C.I.ピグメントブルー15:3(シアニンブルーA-385;大日精化工業(株)製)………26g
・1mol/Lの水酸化カリウム溶液………13.6g
・メチルエチルケトン………20g
・イオン交換水………30g
<マゼンタ顔料分散液(E)(マゼンタ顔料界面活性剤分散液)の調製>
前記ブラック顔料分散液(A)の調製において、材料(A)を以下の材料(E)に変更した以外は、前記ブラック顔料分散液(A)の調製と同様の方法によって、マゼンタ顔料分散液(E)を得た。得られたマゼンタ顔料分散液(E)について、前記ブラック顔料分散液(A)と同様の方法で粒径(メジアン径)を測定したところ、マゼンタ顔料の粒径(メジアン径)は120nmであった。
-材料(E)-
・C.I.ピグメントレッド122(クロモフタールJETマゼンタDMQ;チバスペシャルティケミカルズ社製)………200質量部
・蒸留水………744質量部
・下記一般式(1)で表される化合物(n=40)………56質量部
Figure 2022158012000007
一般式(1)
なお、一般式(1)中、lは0であり、nは40である。
<マゼンタ顔料分散液(F)(樹脂ポリマー被覆のマゼンタ顔料分散液の調製>
前記ブラック顔料分散液(B)の調製において、材料(B-3)を以下の材料(F)に変更した以外は、前記ブラック顔料分散液(B)の調製と同様の方法によって、マゼンタ顔料分散液(F)を得た。なお、得られたマゼンタ顔料分散液(F)における固形分含有量は20%である。得られたマゼンタ顔料分散液(F)について、前記ブラック顔料分散液(A)と同様の方法で粒径(メジアン径)を測定したところ、マゼンタ顔料の粒径(メジアン径)は100nmであった。
-材料(F)-
・得られたポリマー溶液………28g
・C.I.ピグメントレッド122(クロモフタールJETマゼンタDMQ;チバスペシャルティケミカルズ社製)………26g
・1mol/Lの水酸化カリウム溶液………13.6g
・メチルエチルケトン………20g
・イオン交換水………30g
<イエロー顔料分散液(G)(イエロー顔料界面活性剤分散液)の調製>
前記ブラック顔料分散液(A)の調製において、材料(A)を以下の材料(G)に変更した以外は、前記ブラック顔料分散液(A)の調製と同様の方法によって、イエロー顔料分散液(G)を得た。得られたイエロー顔料分散液(G)について、前記ブラック顔料分散液(A)と同様の方法で粒径(メジアン径)を測定したところ、イエロー顔料の粒径(メジアン径)は90nmであった。
-材料(G)-
・C.I.ピグメントイエロー110(コリマックスイエロー3RL;ZEYA CHEMICALS (HAIMEN) CO.,LTD製)………200質量部
・蒸留水………744質量部
・下記一般式(1)で表される化合物(n=40)………56質量部
Figure 2022158012000008
一般式(1)
なお、一般式(1)中、lは0であり、nは40である。
<イエロー顔料分散液(H)(樹脂ポリマー被覆のイエロー顔料分散液の調製>
前記ブラック顔料分散液(B)の調製において、材料(B-3)を以下の材料(H)に変更した以外は、前記ブラック顔料分散液(B)の調製と同様の方法によって、イエロー顔料分散液(H)を得た。なお、得られたイエロー顔料分散液(H)における固形分含有量は20%である。得られたイエロー顔料分散液(H)について、前記ブラック顔料分散液(A)と同様の方法で粒径(メジアン径)を測定したところ、イエロー顔料の粒径(メジアン径)は100nmであった。
-材料(H)-
・得られたポリマー溶液………28g
・C.I.ピグメントイエロー110(コリマックスイエロー3RL;ZEYA CHEMICALS (HAIMEN) CO.,LTD製)………26g
・1mol/Lの水酸化カリウム溶液………13.6g
・メチルエチルケトン………20g
・イオン交換水………30g
<実施例1~10、比較例1~4>
得られた各顔料分散液、水溶性有機溶剤、界面活性剤、樹脂、防腐防錆剤、及びpH調整剤を表1及び表2に示すように添加し、合計質量が100となるように水を加えた後、攪拌、混合することによって実施例1~10のインク、及び比較例1~4のインクを得た。
なお、界面活性剤、樹脂、防腐防錆剤、及びpH調整剤の商品名と製造元は以下の通りである。
-商品名及び製造元-
・水溶性有機溶剤としてエタノール(日東化成(株)製)
・水溶性有機溶剤として1,2-ブタンジオール(神港有機化学工業(株)社製)
・水溶性有機溶剤としてジプロピレングリコールジメチルエーテル(富士フィルム和光純薬(株)製)
・水溶性有機溶剤としてジエチレングリコールメチルエチルエーテル(富士フィルム和光純薬(株)製)
・ノニオン系界面活性剤として界面活性剤α(Triton HW-1000(ポリオキシアルキレンアルキルエーテル);ダウ・ケミカル社製)
・シリコーン系界面活性剤として界面活性剤β(TEGO Wet 270;エボニック社製)
・フッ素系界面活性剤として界面活性剤γ(Capstone FS-34;Chemours社製)
・ウレタン樹脂として樹脂a(固形分38%)(スーパーフレックス460S;第一工業製薬会社製)
・スチレンアクリル樹脂として樹脂b(固形分45%)(ジョンクリルJ-450;BASF製)
・防腐防錆剤として1,2-ベンゾチアゾリン-3-オン(プロキセルLV;Lonza社製)
・pH調整剤として2-アミノ-2-エチル-1,3-プロパンジオール(ACROS ORGANICS製)
実施例1~10及び比較例1~4のインクをそれぞれ50mLずつビーカーに入れ、攪拌しながら80℃のホットプレート上で加熱した。インクが入ったビーカーの質量を経時的に測定し、その質量変化を基に、固形分の含有量が10質量%となるように濃縮した。濃縮後のインクを、AR2000(TAインスツルメンツ(株)製)を用いて測定、解析することによって、前記貯蔵弾性率G’を求めた。結果を表1に示す。
なお、前記貯蔵弾性率G’は、以下の測定条件によって測定することができる。
-測定条件-
・ジオメトリー:40mm 1°コーンプレート
・ジオメトリーギャップ:300μm
・測定周波数:1Hz
・測定温度:25℃
・解析ソフト:TA DATA ANALYSIS(TAインスツルメンツ株式会社製)
実施例1~10及び比較例1~4のインクの粘度を測定した。なお、粘度の測定は、回転式粘度計(RE-80L;東機産業社製)を用いて行い、25℃で、標準コーンローター(1°34’×R24)、サンプル液量1.2mL、回転数50rpm、3分間を測定条件とした。結果を表1に示す。
Figure 2022158012000009
Figure 2022158012000010
実施例1~10及び比較例1~4のインクを用いて、「液タレ」、「吐出安定性」、「YMCK画像評価(画像の彩度・濃度)、及び「保存安定性」について評価した。結果を表3及び表4に示す。
<液タレ評価>
実施例1~10及び比較例1~4のインクを、図1及び図2で示す構造を有するプリンターNNV13(リコーデジタルペインティング製)に充填してセットし、印刷試験用紙であるアルミ複合板 エスコEA440HA-X2(ホワイト)に対して、温度23℃、湿度50%RHの環境下で、記録密度105.8dpi、2パスでA4全面ベタ画像(横:13000mm×縦:3250mm)の印字を行った。インクの付着量は3.00nL/dotに調整し、印字終了から10分後の画像を下記の基準で評価した。なお、「○」及び「△」が許容範囲である。
-評価基準-
○:液タレは発生しなかった
△:液タレは発生していないが画像ムラがあった(画像下部に液溜まりがあった)
×:液タレが発生した
<吐出安定性評価>
実施例1~10及び比較例1~4のインクを、NNV13(リコーデジタルペインティング製)に充填してセットし、印刷試験用紙であるアルミ複合板 エスコEA440HA-X2(ホワイト)に対して、温度23℃、湿度50%RHの環境下で、記録密度105.8dpi、2パスで全面ベタ画像(横:13000mm×縦:3250mm)の印字を行った。インクの付着量は3.00nL/dotに調整し、印字終了後、ノズルチェックパターンを打ち、曲がりを下記の基準で評価した。なお、「○」及び「△」が許容範囲である。
-評価基準-
○:曲がりなし
△:曲がり1か所以上、3か所以下
×:曲がり4か所以上
<YMCK画像(彩度・濃度)の評価>
実施例1~10及び比較例1~4のインクを、NNV13(リコーデジタルペインティング製)に充填してセットし、印刷試験用紙であるアルミ複合板 エスコEA440HA-X2(ホワイト)に対して、温度23℃、湿度50%RHの環境下で、記録密度105.8dpi、2パスで全面ベタ画像(横:13000mm×縦:3250mm)の印字を行った。得られたベタ画像の光学濃度(OD)及び彩度cを、分光測色計(X-Rite938)にて測定し、下記の基準により評価した。なお、画像彩度c(鮮明性)とは、印刷試験用紙であるアルミ複合板 エスコEA440HA-X2(ホワイト)に印字し、画像サンプルのベタ画像の測色を分光測色計(X-Rite938)にて行い、色度図上にプロットしたときの、色度図上の原点からの距離を指す。より詳しくは色度図上のa値及びb値から以下の式によって導かれる値を指す。
Figure 2022158012000011
-イエロー顔料インク(彩度)の評価基準-
○:彩度55以上
△:彩度50以上55未満
×:彩度50未満
-マゼンタ顔料インク(彩度)の評価基準-
○:彩度55以上
△:彩度50以上55未満
×:彩度50未満
-シアン顔料インク(彩度)の評価基準-
○:彩度55以上
△:彩度50以上55未満
×:彩度50未満
-ブラック顔料インク(OD)の評価基準-
○:k≧0.9
△:0.9>k≧0.8
×:0.8>k
<保存安定性の評価>
実施例1~10及び比較例1~4のインクをポリエチレン容器に入れ密封し、70℃で2週間保存した。保存前後の粘度を測定し、以下の式より変化率を算出した。
Figure 2022158012000012
得られた変化率を下記評価基準に基づき評価した。なお、前記粘度の測定には、回転式粘度計(RE-80L;東機産業社製)を使用し、25℃で、標準コーンローター(1°34’×R24)、サンプル液量1.2mL、回転数50rpm、3分間の条件で測定した。
-評価基準-
○:10%以内
△:10%超30%以内
×:30%超
Figure 2022158012000013
Figure 2022158012000014
本発明の態様としては、例えば、以下のとおりである。
<1>少なくとも水、顔料、樹脂、及び水溶性有機溶剤を含むインクジェット記録用インクであって、
前記インクジェット記録用インクにおける固形分の含有量が、インク全質量に対して10質量%になるように前記インクジェット記録用インクを濃縮したときの25℃における貯蔵弾性率G’が、0.50Pa以上2.00Pa以下であることを特徴とするインクジェット記録用インクである。
<2>前記インクジェット記録用インクを記録媒体に対して水平に吐出する、前記<1>に記載のインクジェット記録用インクである。
<3>前記インクジェット記録用インクの25℃における粘度c(mPa・s)が、1.0≦c≦10.0である、前記<1>から前記<2>のいずれかに記載のインクジェット記録用インクである。
<4>前記顔料が、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントブルー15:3、及びC.I.ピグメントブラック7から選択される少なくとも一種を含む、前記<1>から前記<3>のいずれかに記載のインクジェット記録用インクである。
<5>前記顔料の含有量が、インク全質量に対して、7質量%以上17質量%以下である、前記<1>から前記<4>のいずれかに記載のインクジェット記録用インクである。
<6>前記樹脂が熱可塑性樹脂である、前記<1>から前記<5>のいずれかに記載のインクジェット記録用インクである。
<7>前記樹脂の含有量が、インク全質量に対して、7質量%以上15質量%以下である、前記<1>から前記<6>のいずれかに記載のインクジェット記録用インクである。
<8>前記<1>から前記<7>のいずれかに記載のインクジェット記録用インクを収容することを特徴とするインクジェット記録用インク収容容器である。
<9>前記<1>から前記<7>のいずれかに記載のインクジェット記録用インクを吐出させて記録を行うヘッドを備えることを特徴とするインクジェット記録装置である。
<10>前記<9>に記載のインクジェット記録装置を用いて印字することを特徴とする画像形成方法である。
<11>前記<10>に記載の画像形成方法で印字されることを特徴とする画像形成物である。
<12>記録媒体が金属であることを特徴とする前記<11>に記載の画像形成物である。
前記<1>から前記<7>のいずれかに記載のインクジェット記録用インク、前記<8>に記載のインクジェット記録用インク収容容器、前記<9>に記載のインクジェット記録装置、前記<10>に記載の画像形成方法、前記<11>から前記<12>のいずれかに記載の画像形成物によれば、従来における諸問題を解決し、本発明の目的を達成することができる。
1 キャリッジ
72 X方向駆動部
82 Y方向駆動部
92 Z方向駆動部
93 別のZ方向駆動部
100 被描画物
101 X軸レール
102 Y軸レール
103 Z軸レール
300 ヘッド
1000 液体吐出装置
特開2011-063630号公報 特開2008-101192号公報 特開2004-174948号公報 特開2010-047700号公報 特開2017-165961号公報

Claims (12)

  1. 少なくとも水、顔料、樹脂、及び水溶性有機溶剤を含むインクジェット記録用インクであって、
    前記インクジェット記録用インクにおける固形分の含有量が、インク全質量に対して10質量%になるように前記インクジェット記録用インクを濃縮したときの25℃における貯蔵弾性率G’が、0.50Pa以上2.00Pa以下であることを特徴とするインクジェット記録用インク。
  2. 前記インクジェット記録用インクを記録媒体に対して水平に吐出する、請求項1に記載のインクジェット記録用インク。
  3. 前記インクジェット記録用インクの25℃における粘度c(mPa・s)が、1.0≦c≦10.0である、請求項1から2のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
  4. 前記顔料が、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントブルー15:3、及びC.I.ピグメントブラック7から選択される少なくとも一種を含む、請求項1から3のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
  5. 前記顔料の含有量が、インク全質量に対して、7質量%以上17質量%以下である、請求項1から4のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
  6. 前記樹脂が熱可塑性樹脂である、請求項1から5のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
  7. 前記樹脂の含有量が、インク全質量に対して、7質量%以上15質量%以下である、請求項1から6のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
  8. 請求項1から7のいずれかに記載のインクジェット記録用インクを収容することを特徴とするインクジェット記録用インク収容容器。
  9. 請求項1から7のいずれかに記載のインクジェット記録用インクを吐出させて記録を行うヘッドを備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
  10. 請求項9に記載のインクジェット記録装置を用いて印字することを特徴とする画像形成方法。
  11. 請求項10に記載の画像形成方法で印字されることを特徴とする画像形成物。
  12. 記録媒体が金属であることを特徴とする請求項11に記載の画像形成物。

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