JP2022157938A - 排泄物処理材の製造方法及び製造装置 - Google Patents

排泄物処理材の製造方法及び製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】排泄された尿から発生する悪臭の放出を抑制することができる排泄物処理材の製造方法及び製造装置を提供する。【解決手段】製造装置は、吸水性を有する複数の粒状体からなる排泄物処理材を製造する装置であって、造粒機10を備えている。造粒機10は、被造粒材料を押出造粒することにより、各粒状体を構成する造粒物を形成する。造粒機10は、ダイス12を有している。ダイス12には、被造粒材料を通過させる複数の貫通孔13が設けられている。ダイス12の温度は、押出造粒時、不均一である。【選択図】図7

Description

本発明は、排泄物処理材を製造する方法及び装置に関する。
従来の排泄物処理材としては、例えば特許文献1に記載されたものがある。同文献に記載された排泄物処理材は、動物用の排泄物処理材であり、複数の粒状体からなる。各粒状体は、尿を吸収する吸水型の粒状体である。図14に示すように、かかる構成の排泄物処理材90は、複数の粒状体92が箱状のトイレ94の中に積み重ねられた状態で使用される。
特開2007-190026号公報
トイレ94において尿96は、排泄物処理材90の上方から排泄される。それゆえ、尿96は、排泄物処理材90の最上層に位置する粒状体92(図14において黒塗りの粒状体92)によって専ら吸収される。そのため、排泄された尿96の大部分は、排泄物処理材90の上面付近に留まることになる。このように尿96が排泄物処理材90の上面付近に留まると、尿96から発生した悪臭がトイレ94の外に放出されやすくなってしまう。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、排泄された尿から発生する悪臭の放出を抑制することができる排泄物処理材の製造方法及び製造装置を提供することを目的とする。
本発明による排泄物処理材の製造方法は、吸水性を有する複数の粒状体からなる排泄物処理材を製造する方法であって、押出造粒機を用いて被造粒材料を押出造粒することにより、上記各粒状体を構成する造粒物を形成する造粒工程を含み、上記押出造粒機は、上記被造粒材料を通過させる複数の貫通孔が設けられたダイスを有し、上記ダイスの温度は、押出造粒時、不均一であることを特徴とする。
この製造方法においては、温度が不均一なダイスを有する押出造粒機が用いられる。このため、押出造粒時、ダイスの温度が比較的低い部分では被造粒材料が比較的硬くなり、ダイスの温度が比較的高い部分では被造粒材料が比較的柔らかくなる。これにより、前者の部分においては吸水率が比較的大きい造粒物が得られ、後者の部分においては吸水率が比較的小さい造粒物が得られる。このように一部の造粒物の吸水率を小さくすることにより、製造後の排泄物処理材においては、排泄された尿がトイレの下方に導かれやすくなり、尿をトイレの深さ方向に広く分散させることができる。尿を深さ方向に分散させることは、排泄物処理材の上面付近に留まる尿の割合を減らすことにつながる。したがって、尿から発生した悪臭がトイレの外に放出されるのを抑制することができる。
また、本発明による排泄物処理材の製造装置は、吸水性を有する複数の粒状体からなる排泄物処理材を製造する装置であって、被造粒材料を通過させる複数の貫通孔が設けられたダイスを有し、上記被造粒材料を押出造粒することにより、上記各粒状体を構成する造粒物を形成する押出造粒機を備え、上記ダイスの温度は、押出造粒時、不均一であることを特徴とする。
この製造装置においては、温度が不均一なダイスを有する押出造粒機が設けられている。このため、押出造粒時、ダイスの温度が比較的低い部分では被造粒材料が比較的硬くなり、ダイスの温度が比較的高い部分では被造粒材料が比較的柔らかくなる。これにより、前者の部分においては吸水率が比較的大きい造粒物が得られ、後者の部分においては吸水率が比較的小さい造粒物が得られる。このように一部の造粒物の吸水率を小さくすることにより、製造後の排泄物処理材においては、排泄された尿がトイレの下方に導かれやすくなり、尿をトイレの深さ方向に広く分散させることができる。尿を深さ方向に分散させることは、排泄物処理材の上面付近に留まる尿の割合を減らすことにつながる。したがって、尿から発生した悪臭がトイレの外に放出されるのを抑制することができる。
本発明によれば、排泄された尿から発生する悪臭の放出を抑制することができる排泄物処理材の製造方法及び製造装置が実現される。
本発明による排泄物処理材の一実施形態を示す模式図である。 粒状体30を示す模式図である。 粒状体40を示す模式図である。 本発明による排泄物処理材の製造装置の一実施形態を示す構成図である。 造粒機10を示す平面図である。 造粒機10を示す底面図である。 図5のVII-VII線に沿った端面図である。 被覆機20の構造を説明するための図である。 本発明による排泄物処理材の製造方法の一実施形態における造粒工程を説明するための図である。 本発明による排泄物処理材の製造方法の一実施形態における造粒工程を説明するための図である。 ダイス12の一変形例を示す断面図である。 ダイス12の他の変形例を示す断面図である。 ダイス12の他の変形例を示す断面図である。 従来の排泄物処理材の問題点を説明するための図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本発明による排泄物処理材の一実施形態を示す模式図である。排泄物処理材6は、吸水性を有する複数の粒状体からなる。複数の粒状体は、箱状のトイレの中に積み重ねられ、動物又は人の排泄物(特に尿)の処理に用いられる。排泄物処理材6は、粒状体30及び粒状体40を備えている。すなわち、排泄物処理材6を構成する複数の粒状体は、粒状体30及び粒状体40を含んでいる。
粒状体30及び粒状体40は、吸水性を有しており、トイレに排泄された尿を吸収する。粒状体30が吸水性を有するというには、次の試験により測定される吸水率が40%以上であることが必要である。まず、内径10cm、目開き1mmの篩に50g相当の粒状体30(サンプル)を入れる。篩の下には、空のビーカーを設置する。そして、サンプルに対し、外筒の内径3cm、筒先の内径4mmのシリンジ(テルモ社製60mlシリンジ)を用いて、30mlの水を10秒かけて滴下する。1分間放置した後、ビーカー内の水量を計測する。滴下した水量(30ml)から計測された水量を引いた値の、滴下した水量に対する割合をもって吸水率とする。すなわち、ビーカー内の水量が18ml以下であれば、吸水率が40%以上となるため、粒状体30が吸水性を有するといえる。粒状体40についても同様である。
粒状体40の吸水率は、粒状体30の吸水率よりも小さい。粒状体30の吸水率をA%とし、粒状体40の吸水率をB%としたとき、(A-B)≧10であることが好ましく、(A-B)≧20であることがより好ましい。粒状体30の吸水率は、例えば70%以上100%以下である。粒状体40の吸水率は、例えば40%以上70%以下である。
粒状体30及び粒状体40は、複数ずつ設けられている。排泄物処理材6においては、これらの粒状体30,40が混在している。粒状体40の個数は、粒状体30及び粒状体40の個数の合計の30%以上70%以下であることが好ましく、40%以上60%以下であることがより好ましい。粒状体40の粒径は、粒状体30の粒径に等しくてもよいし、異なっていてもよい。ここで、粒径は、当該粒状体を内包しうる最小の球の直径として定義するものとする。各粒状体30,40の粒径は、例えば5mm以上20mm以下である。
図2は、粒状体30を示す模式図である。粒状体30は、尿を取り込んで粒状体30の内部に保持する。粒状体30は、芯部32(造粒物)及び被覆部34を有している。芯部32は、略円柱状に造粒されている。芯部32は、後述するダイス12の貫通孔13aを通過した被造粒材料から得られる造粒物である。芯部32は、尿を吸水及び保水する機能を有する。芯部32は、吸水性材料を含有している。芯部32は、吸水性材料を主材料としている。ここで、芯部32の主材料とは、芯部32を構成する一又は二以上の材料のうち、当該芯部32に占める重量割合が最大のものをいう。
芯部32は、吸水性材料のみからなってもよいし、吸水性材料と他の材料とからなってもよい。吸水性材料は、有機物であることが好ましい。有機物である吸水性材料としては、例えば、紙類、茶殻、プラスチック類又はオカラを用いることができる。芯部32は、接着性材料を含有していてもよいし、含有していなくてもよい。接着性材料としては、例えば、澱粉、CMC(カルボキシメチルセルロース)、PVA(ポリビニルアルコール)、デキストリン、又は吸水性ポリマーを用いることができる。
紙類は、パルプを主体とする材料をいう。紙類としては、例えば、通常の紙の他にも、塩ビ壁紙分級物(塩ビ壁紙を分級することにより得られる紙)、フラッフパルプ、製紙スラッジ、パルプスラッジ等が挙げられる。プラスチック類としては、例えば、紙おむつ分級物(紙おむつを分級することにより得られるプラスチック)を用いてもよい。オカラは、乾燥オカラであることが好ましい。
被覆部34は、芯部32を覆っている。被覆部34は、芯部32の周囲の全体を覆っていてもよいし、芯部32の周囲の一部のみを覆っていてもよい。被覆部34は、使用時に尿を吸収した粒状体30,40どうしを接着させて固まりにする機能を有する。被覆部34も、吸水性材料を主材料としている。被覆部34の主材料の定義は、芯部32の主材料の定義と同様である。被覆部34に含有される吸水性材料も、有機物であることが好ましい。被覆部34は、接着性材料を含有している。
図3は、粒状体40を示す模式図である。粒状体40は、尿を取り込んで粒状体40の内部に保持する。粒状体40は、芯部42(造粒物)及び被覆部44を有している。芯部42は、略円柱状に造粒されている。芯部42は、後述するダイス12の貫通孔13bを通過した被造粒材料から得られる造粒物である。芯部42は、尿を吸水及び保水する機能を有する。芯部42は、吸水性材料を含有している。芯部42は、吸水性材料を主材料としている。芯部42の主材料の定義は、芯部32の主材料の定義と同様である。芯部42は、吸水性材料のみからなってもよいし、吸水性材料と他の材料とからなってもよい。吸水性材料は、有機物であることが好ましい。芯部42は、芯部32と同一組成の材料からなる。芯部42は、接着性材料を含有していてもよいし、含有していなくてもよい。
被覆部44は、芯部42を覆っている。被覆部44は、芯部42の周囲の全体を覆っていてもよいし、芯部42の周囲の一部のみを覆っていてもよい。被覆部44は、使用時に尿を吸収した粒状体30,40どうしを接着させて固まりにする機能を有する。被覆部44も、吸水性材料を主材料としている。被覆部44の主材料の定義は、芯部32の主材料の定義と同様である。被覆部44に含有される吸水性材料も、有機物であることが好ましい。被覆部44は、接着性材料を含有している。被覆部44は、被覆部34と同一組成の材料からなる。
図4は、本発明による排泄物処理材の製造装置の一実施形態を示す構成図である。製造装置1は、上述の排泄物処理材6を製造する装置であって、造粒機10、及び被覆機20を備えている。
図5及び図6は、それぞれ、造粒機10を示す平面図及び底面図である。また、図7は、図5のVII-VII線に沿った端面図である。造粒機10は、被造粒材料(芯部32,42を構成する材料)を押出造粒することにより、複数の造粒物(芯部32,42)を形成する押出造粒機である。造粒機10は、ダイス12、ローラー14及びカッター16を有している。ダイス12には、被造粒材料を通過させる複数の貫通孔13が設けられている。なお、以下の記述において「複数の貫通孔13」は、別段の断りがない限り、ダイス12に設けられた全ての貫通孔13を指すものとする。各貫通孔13の断面(ダイス12の厚み方向に垂直な断面)の形状は、円形である。また、ダイス12の厚み方向について、各貫通孔13の径は一定である。すなわち、各貫通孔13は、円筒状をしている。複数の貫通孔13は、ダイス12の略全面にわたって点在している。
ダイス12の温度は、押出造粒時、不均一である。具体的には、ダイス12は、押出造粒時に第1の温度を有する部分12a(第1の部分)と、押出造粒時に第2の温度を有する部分12b(第2の部分)とを含んでいる。第2の温度は、第1の温度よりも高い。第1の温度と第2の温度との差は、10℃以上であることが好ましく、20℃以上であることがより好ましい。第1の温度は、例えば、80℃以上120℃以下である。第2の温度は、例えば、90℃以上140℃以下である。なお、ダイス12の温度は、貫通孔13の内面において計測するものとする。押出造粒時、ダイス12は、部分12bの温度(第2の温度)が部分12aの温度(第1の温度)よりも高くなるように制御される。かかる温度制御は、例えば、部分12aを加熱するヒーターと部分12bを加熱するヒーターとを別々に設けることにより行うことができる。各部分12a,12bの加熱は、誘導加熱により行ってもよい。
本実施形態においては、部分12aが部分12bの外側に位置している。平面視で、部分12aは円環状の領域であり、部分12bは円板状の領域である。部分12aと部分12bとの境界には、断熱材18が設けられている。すなわち、部分12aと部分12bとは、断熱材18によって分断されている。断熱材18は、筒状に設けられており、ダイス12の表面(被造粒材料の入口側の面)から裏面(被造粒材料の出口側の面)まで延びている。断熱材18の材料としては、例えばプラスチックを用いることができる。
複数の貫通孔13は、貫通孔13a(第1の貫通孔)、及び貫通孔13b(第2の貫通孔)を含んでいる。貫通孔13a及び貫通孔13bは、それぞれ、ダイス12の部分12a及び部分12bに存在する。貫通孔13a及び貫通孔13bは、それぞれ第1及び第2の径を有している。第2の径は、第1の径に等しい。
本実施形態において複数の貫通孔13は、貫通孔13a及び貫通孔13bのみからなる。ダイス12に設けられた貫通孔13bの個数は、ダイス12に設けられた貫通孔13a及び貫通孔13bの個数の合計の30%以上70%以下であることが好ましく、40%以上60%以下であることがより好ましい。
ダイス12の表面側には、ローラー14が設けられている。ローラー14は、円柱状をしており、その中心軸がダイス12の径方向に延びている。本実施形態においては、複数(具体的には4つ)のローラー14が設けられている。各ローラー14の一端は、ダイス12の表面の中心部に位置する回転軸15に連結されている。これらのローラー14は、回転軸15の周りに公転しながら、被造粒材料を各貫通孔13に押し込む。各ローラー14は、その中心軸の周りに自転しつつ、回転軸15の周りに公転する。ローラー14は、ダイス12に設けられた全ての貫通孔13上を通過することが可能である。
ダイス12の裏面側には、カッター16が設けられている。カッター16は、ダイス12の裏面の中心部からダイス12の径方向に延びている。このカッター16は、ダイス12の裏面に沿って回転しながら、各貫通孔13から押し出された被造粒材料を切断する。詳細には、カッター16は、ダイス12の裏面に平行な面内で、ダイス12の中心部を軸として回転運動をする。なお、カッター16は、上述のローラー14とは独立して回転できるように構成されている。カッター16は、ダイス12に設けられた全ての貫通孔13上を通過することが可能である。
図4に戻って、被覆機20は、造粒機10により形成された各造粒物(芯部32,42)を粉体状の被覆材料(被覆部34,44を構成する材料)で被覆するものである。被覆機20は、図8に示すように、ドラム22(容器)を有している。ドラム22は、略円筒状をしており、回転可能に設けられている。具体的には、ドラム22は、その中心軸周りに回転可能である。ドラム22の中心軸は、水平である。ドラム22には、造粒機10により形成された複数の芯部32,42が収容される。被覆機20は、これらの芯部32,42が収容されたドラム22を回転させながら、各芯部32,42の周囲に被覆材料を付着させる。
続いて、製造装置1の動作と併せて、本発明による排泄物処理材の製造方法の一実施形態を説明する。この製造方法は、造粒工程及び被覆工程を含むものである。造粒工程は、造粒機10を用いて被造粒材料を押出造粒することにより、芯部32,42を形成する工程である。なお、造粒に先立って、被造粒材料には、粉砕、混練、加水等の前処理が必要に応じて行われる。
造粒工程においては、図9に示すように、ダイス12の表面側に供給された被造粒材料M1が、ダイス12の表面上を転動するローラー14によって貫通孔13に押し込まれる。このとき、ダイス12は、上述のとおり、部分12bの温度が部分12aの温度よりも高くなるように制御される。具体的には、被造粒材料が通過する直前において、貫通孔13bの内面の温度(第2の温度)が貫通孔13aの内面の温度(第1の温度)よりも高くなるように制御される。貫通孔13に押し込まれた被造粒材料M1は、ダイス12の裏面側に押し出される。被造粒材料M1が押し出される際、ダイス12の裏面側では、カッター16が回転し続けている。これにより、貫通孔13から押し出された被造粒材料M1は、図10に示すように、カッター16によって切断される。このようにして切断された部分が、造粒物(芯部32,42)となる。
被覆工程は、造粒工程において形成された各造粒物を被覆材料で被覆する工程である。被覆工程においては、造粒工程において形成された芯部32,42をドラム22(図8参照)内に収容した後、ドラム22を回転させながら、各芯部32,42の周囲に被覆材料を付着させる。被覆材料の付着は、例えば、散布又は噴霧により行うことができる。これにより、被覆部34,44が形成される。その後、篩分け、乾燥等の後処理が必要に応じて行われる。以上により、粒状体30と粒状体40とが混在した排泄物処理材6が得られる。
本実施形態の効果を説明する。本実施形態においては、温度が不均一なダイス12を有する造粒機10が用いられている。このため、押出造粒時、ダイス12の温度が比較的低い部分12aでは被造粒材料が比較的硬くなり、ダイス12の温度が比較的高い部分12bでは被造粒材料が比較的柔らかくなる。これにより、部分12aにおいては吸水率が比較的大きい造粒物(芯部32)が得られ、部分12bにおいては吸水率が比較的小さい造粒物(芯部42)が得られる。被造粒材料が柔らかくなると被造粒材料が凝集しやすくなるため、造粒物の表面や内部の隙間が小さくなり、当該造粒物内に水分が取り込まれにくくなるからである。
このように芯部42(粒状体40)の吸水率を小さくすることにより、製造後の排泄物処理材6においては、粒状体40に吸収されない尿の割合が増えるため、排泄された尿がトイレの下方に導かれやすくなる。このため、粒状体30のみが形成される場合に比して、尿をトイレの深さ方向に広く分散させることができる。尿を深さ方向に分散させることは、排泄物処理材6の上面付近に留まる尿の割合を減らすことにつながる。したがって、尿から発生した悪臭がトイレの外に放出されるのを抑制することができる。
また、本実施形態においては、吸水率が比較的大きい粒状体30と吸水率が比較的小さい粒状体40とを別々に形成しなくても、両者が混在した排泄物処理材6を得ることができる。これに対し、均一な温度を有する一般的なダイスを用いる場合、吸水率が異なる粒状体が混在した排泄物処理材を得るには、吸水率が比較的大きい粒状体と吸水率が比較的小さい粒状体とを別々に形成した上で、両者を混合する工程を実行する必要がある。そのため、製造工程が複雑化してしまうという問題がある。この点、本実施形態によれば、吸水率が異なる造粒物(芯部32,42)を1つのダイス12を用いて同時に形成することができる。それゆえ、2種類の粒状体30,40を別々に形成する必要もなければ、両者を混合する工程を実行する必要もない。このため、製造工程の複雑化を招くことなく、粒状体30と粒状体40とが混在した排泄物処理材6を得ることができるという利点がある。
粒状体30及び粒状体40は、何れも吸水性を有している。このように粒状体30及び粒状体40の双方に吸水型の粒状体を用いることにより、粒状体30又は粒状体40の何れか一方に非吸水型の粒状体を用いた場合に比して、排泄物処理材6全体としての吸水力を高めることができる。これにより、粒状体30及び粒状体40の何れにも吸収されずに尿がトイレ内に溜まってしまう事態を起こりにくくすることができる。
部分12aの温度(第1の温度)と部分12bの温度(第2の温度)との差を大きくした方が、粒状体40の吸水率を粒状体30の吸水率に対して充分に小さくしやすくなる。かかる観点から、第1の温度と第2の温度との差は、10℃以上であることが好ましく、20℃以上であることがより好ましい。他方、差が大きすぎると、部分12bの温度が過度に高くなることにより芯部42の形成に支障が生じたり、部分12aの温度が過度に低くなることにより芯部32の形成に支障が生じたりしかねない。かかる観点から、第1の温度と第2の温度との差は、60℃以下であることが好ましい。
尿をトイレの下方に導きやすくするには、排泄物処理材6全体に占める粒状体40の割合が多い方が有利である。かかる観点から、貫通孔13bの個数は、貫通孔13a及び貫通孔13bの個数の合計の30%以上であることが好ましく、40%以上であることがより好ましい。他方、粒状体40の割合が多すぎると、粒状体30による尿の吸収が不充分となりかねない。かかる観点から、貫通孔13bの個数は、貫通孔13a及び貫通孔13bの個数の合計の70%以下であることが好ましく、60%以下であることがより好ましい。
複数の貫通孔13は、貫通孔13a及び貫通孔13bのみからなる。このように2種類の貫通孔13a,13bに限ることにより、ダイス12ひいては製造装置1の構造を徒に複雑化させることなく、吸水率が異なる粒状体30,40が混在した排泄物処理材6を得ることができる。
ところで、貫通孔13の径が小さい程、被造粒材料に加わる圧力が高くなる。それゆえ、貫通孔13aの径と貫通孔13bの径とが異なる場合、その径の違いも、粒状体30と粒状体40との吸水率の差に影響を与える。造粒時の圧力が高くなると、造粒物の表面や内部の隙間が小さくなり、当該造粒物内に水分が取り込まれにくくなるからである。この点、本実施形態においては、貫通孔13bの径が貫通孔13aの径に等しい。この場合、貫通孔13の径(貫通孔13aと貫通孔13bとの径の差)は粒状体30と粒状体40との吸水率差に影響を与えないため、吸水率差のコントロールが容易になる。すなわち、吸水率差に影響を与える因子がダイス12の温度(部分12aと部分12bとの温度差)に絞られるため、貫通孔13の径及びダイス12の温度の双方が因子になる場合に比して、容易に吸水率差をコントロールすることができる。
粒状体30及び粒状体40の双方に被覆部(被覆部34,44)が設けられている。これにより、使用済みの粒状体30,40間で被覆部どうしの結合が得られるため、粒状体30又は粒状体40の一方にしか被覆部が設けられていない場合に比して、粒状体30,40の固まりを安定的に形成することができる。
被覆の際、芯部32,42が収容されたドラム22を回転させながら、各芯部32,42の周囲に被覆材料を付着させている。これにより、各芯部32,42の周囲全体に被覆材料を万遍なく付着させることができる。また、ドラム22の回転により、芯部32,42が撹拌されるため、製造後の排泄物処理材6における粒状体30(粒状体40)の偏在を小さくすることができる。
芯部32及び芯部42が接着性材料を含有していない場合、接着性材料の使用量を節約し、排泄物処理材6の製造コストを削減することができる。
芯部32及び被覆部34が有機物を主材料とする場合、焼却処分に適した粒状体30を得ることができる。同様に、芯部42及び被覆部44が有機物を主材料とする場合、焼却処分に適した粒状体40を得ることができる。このように粒状体30,40が焼却処分に適していれば、使用済みの排泄物処理材6を可燃ゴミとして捨てることもできるため、ユーザにとっての利便性が向上する。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。上記実施形態においては、貫通孔13bの径が貫通孔13aの径に等しい場合を例示した。しかし、貫通孔13bの径は、貫通孔13aの径より小さくてもよい。貫通孔13bの径が小さくなる程、貫通孔13bを通過する被造粒材料に加わる圧力が高くなる。このため、粒状体40の吸水率を一層小さくすることができる。
上記実施形態においては、貫通孔13の断面形状が円形である場合を例示した。しかし、貫通孔13の断面形状は、任意であり、例えば、楕円形、多角形等であってもよい。貫通孔13の断面形状が円形でない場合、貫通孔13の径は、当該断面を内包し得る最小の円の直径として定義される。
上記実施形態においては、ダイス12の厚み方向について各貫通孔13の径が一定である場合を例示した。しかし、各貫通孔13の径は、一定でなくてもよい。例えば、各貫通孔13の径は、ダイス12の表面から裏面に向かうにつれて次第に小さくなってもよい。このように各貫通孔13の径が一定でない場合、貫通孔13aの径と貫通孔13bの径との大小関係は、ダイス12の裏面における貫通孔13aの径と貫通孔13bの径とを比較することにより判定するものとする。
上記実施形態においては、比較的低い温度を有する部分12aが比較的高い温度を有する部分12bの外側に位置する場合を例示した。しかし、例えば図11に示すように、部分12aは、部分12bの内側(回転軸15に近い側)に位置してもよい。
上記実施形態においては、複数の貫通孔13が貫通孔13a及び貫通孔13bのみからなる場合を例示した。しかし、複数の貫通孔13は、例えば図12及び図13に示すように、3種類以上の貫通孔からなってもよい。これらの図において複数の貫通孔13は、貫通孔13a及び貫通孔13bに加えて、貫通孔13c(第3の貫通孔)を含んでいる。貫通孔13cは、ダイス12の部分12c(第3の部分)に存在する。部分12cは、押出造粒時に第3の温度を有する部分である。第3の温度は、第2の温度よりも高い。すなわち、本例においてダイス12は、部分12a及び部分12bに加えて、部分12cを含んでいる。部分12bと部分12cとの境界にも、断熱材18が設けられている。図12においては、部分12cの外側に部分12bが位置するとともに、部分12bの外側に部分12aが位置している。一方、図13においては、部分12aの外側に部分12bが位置するとともに、部分12bの外側に部分12cが位置している。
上記実施形態においては、造粒機10にローラー14が設けられた場合を例示した。しかし、造粒機10には、ローラー14が設けられていなくてもよい。その場合、ローラー14以外の公知の手段によって、被造粒材料を貫通孔13に押し込めばよい。
上記実施形態においては、造粒機10にカッター16が設けられた場合を例示した。しかし、造粒機10には、カッター16が設けられていなくてもよい。その場合、カッター16以外の公知の手段によって、各貫通孔13から押し出された被造粒材料を切断すればよい。
上記実施形態においては、粒状体30が、芯部32及び被覆部34からなる複層構造(二層構造)を有する場合を例示した。しかし、被覆部34を設けることは必須でない。すなわち、粒状体30は、芯部32のみからなる単層構造を有していてもよい。その場合、芯部32に接着性材料が含有されることが好ましい。粒状体40についても同様である。被覆部34,44を設けない場合、被覆機20は不要であり、被覆工程も実行されない。
1 製造装置
6 排泄物処理材
10 造粒機
12 ダイス
12a 部分(第1の部分)
12b 部分(第2の部分)
12c 部分(第3の部分)
13 貫通孔
13a 貫通孔(第1の貫通孔)
13b 貫通孔(第2の貫通孔)
13c 貫通孔(第3の貫通孔)
14 ローラー
15 回転軸
16 カッター
18 断熱材
20 被覆機
22 ドラム(容器)
30 粒状体
32 芯部(造粒物)
34 被覆部
40 粒状体
42 芯部(造粒物)
44 被覆部
90 排泄物処理材
92 粒状体
94 トイレ
96 尿
M1 被造粒材料

Claims (24)

  1. 吸水性を有する複数の粒状体からなる排泄物処理材を製造する方法であって、
    押出造粒機を用いて被造粒材料を押出造粒することにより、前記各粒状体を構成する造粒物を形成する造粒工程を含み、
    前記押出造粒機は、前記被造粒材料を通過させる複数の貫通孔が設けられたダイスを有し、
    前記ダイスの温度は、押出造粒時、不均一であることを特徴とする排泄物処理材の製造方法。
  2. 請求項1に記載の排泄物処理材の製造方法において、
    前記ダイスは、押出造粒時に第1の温度を有する第1の部分と、押出造粒時に前記第1の温度よりも高い第2の温度を有する第2の部分とを含み、
    前記複数の貫通孔は、前記第1の部分に存在する第1の貫通孔と、前記第2の部分に存在する第2の貫通孔とを含む排泄物処理材の製造方法。
  3. 請求項2に記載の排泄物処理材の製造方法において、
    前記第1の温度と前記第2の温度との差は、10℃以上である排泄物処理材の製造方法。
  4. 請求項3に記載の排泄物処理材の製造方法において、
    前記第1の温度と前記第2の温度との差は、20℃以上である排泄物処理材の製造方法。
  5. 請求項2乃至4の何れかに記載の排泄物処理材の製造方法において、
    前記第2の貫通孔の個数は、前記第1及び第2の貫通孔の個数の合計の30%以上70%以下である排泄物処理材の製造方法。
  6. 請求項5に記載の排泄物処理材の製造方法において、
    前記第2の貫通孔の個数は、前記第1及び第2の貫通孔の個数の合計の40%以上60%以下である排泄物処理材の製造方法。
  7. 請求項2乃至6の何れかに記載の排泄物処理材の製造方法において、
    前記第2の貫通孔の径は、前記第1の貫通孔の径に等しい排泄物処理材の製造方法。
  8. 請求項2乃至6の何れかに記載の排泄物処理材の製造方法において、
    前記第2の貫通孔の径は、前記第1の貫通孔の径よりも小さい排泄物処理材の製造方法。
  9. 請求項2乃至8の何れかに記載の排泄物処理材の製造方法において、
    前記複数の貫通孔は、前記第1及び第2の貫通孔のみからなる排泄物処理材の製造方法。
  10. 請求項2乃至8の何れかに記載の排泄物処理材の製造方法において、
    前記ダイスは、押出造粒時に前記第2の温度よりも高い第3の温度を有する第3の部分を含み、
    前記複数の貫通孔は、前記第3の部分に存在する第3の貫通孔を含む排泄物処理材の製造方法。
  11. 請求項1乃至10の何れかに記載の排泄物処理材の製造方法において、
    前記造粒工程において形成された前記造粒物を被覆材料で被覆する被覆工程を含む排泄物処理材の製造方法。
  12. 請求項11に記載の排泄物処理材の製造方法において、
    前記被覆工程においては、前記造粒工程において形成された前記造粒物が収容された容器を回転させながら、当該造粒物の周囲に前記被覆材料を付着させる排泄物処理材の製造方法。
  13. 吸水性を有する複数の粒状体からなる排泄物処理材を製造する装置であって、
    被造粒材料を通過させる複数の貫通孔が設けられたダイスを有し、前記被造粒材料を押出造粒することにより、前記各粒状体を構成する造粒物を形成する押出造粒機を備え、
    前記ダイスの温度は、押出造粒時、不均一であることを特徴とする排泄物処理材の製造装置。
  14. 請求項13に記載の排泄物処理材の製造装置において、
    前記ダイスは、押出造粒時に第1の温度を有する第1の部分と、押出造粒時に前記第1の温度よりも高い第2の温度を有する第2の部分とを含み、
    前記複数の貫通孔は、前記第1の部分に存在する第1の貫通孔と、前記第2の部分に存在する第2の貫通孔とを含む排泄物処理材の製造装置。
  15. 請求項14に記載の排泄物処理材の製造装置において、
    前記第1の温度と前記第2の温度との差は、10℃以上である排泄物処理材の製造装置。
  16. 請求項15に記載の排泄物処理材の製造装置において、
    前記第1の温度と前記第2の温度との差は、20℃以上である排泄物処理材の製造装置。
  17. 請求項14乃至16の何れかに記載の排泄物処理材の製造装置において、
    前記第2の貫通孔の個数は、前記第1及び第2の貫通孔の個数の合計の30%以上70%以下である排泄物処理材の製造装置。
  18. 請求項17に記載の排泄物処理材の製造装置において、
    前記第2の貫通孔の個数は、前記第1及び第2の貫通孔の個数の合計の40%以上60%以下である排泄物処理材の製造装置。
  19. 請求項14乃至18の何れかに記載の排泄物処理材の製造装置において、
    前記第2の貫通孔の径は、前記第1の貫通孔の径に等しい排泄物処理材の製造装置。
  20. 請求項14乃至18の何れかに記載の排泄物処理材の製造装置において、
    前記第2の貫通孔の径は、前記第1の貫通孔の径よりも小さい排泄物処理材の製造装置。
  21. 請求項14乃至20の何れかに記載の排泄物処理材の製造装置において、
    前記複数の貫通孔は、前記第1及び第2の貫通孔のみからなる排泄物処理材の製造装置。
  22. 請求項14乃至20の何れかに記載の排泄物処理材の製造装置において、
    前記ダイスは、押出造粒時に前記第2の温度よりも高い第3の温度を有する第3の部分を含み、
    前記複数の貫通孔は、前記第3の部分に存在する第3の貫通孔を含む排泄物処理材の製造装置。
  23. 請求項13乃至22の何れかに記載の排泄物処理材の製造装置において、
    前記押出造粒機により形成された前記造粒物を被覆材料で被覆する被覆機を備える排泄物処理材の製造装置。
  24. 請求項23に記載の排泄物処理材の製造装置において、
    前記被覆機は、前記押出造粒機により形成された前記造粒物を収容する容器を有し、当該造粒物が収容された前記容器を回転させながら、当該造粒物の周囲に前記被覆材料を付着させる排泄物処理材の製造装置。
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