JP2022156880A - ポンプ - Google Patents

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JP2022156880A
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崇寛 野地
Takahiro Noji
美帆 磯野
Miho Isono
哲也 石渡
Tetsuya Ishiwatari
シュルナリ ラナデ
Shrunali Ranade
毅 前田
Tsuyoshi Maeda
賢明 今福
Masaaki Imafuku
政人 川井
Masato Kawai
和也 平本
Kazuya Hiramoto
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Abstract

【課題】羽根車に引っかかった紐状、繊維状、布状などの異物を確実に除去うることができるポンプを提供する。【解決手段】ポンプの羽根車1は、ハブ13と、ハブ13から螺旋状に延びる翼2を有する。翼2は、ハブ13から外側に延びる前縁部21と、前縁部21に形成された窪み部30を有している。羽根車1の回転に伴い、異物100は前縁部21に引っかかりながら、後方に移動する。異物100が窪み部30内に入ったとき、瞬間的に異物100と翼2との摩擦がなくなり、異物100は翼2から離れる。【選択図】図5

Description

本発明は、ポンプに関し、特に、紐状、繊維状、布状などの異物を含む液体を移送するポンプに関する。
従来から、下水管を流れる汚水などの液体を移送するために、渦巻ポンプが用いられている。このような汚水には、紐状、繊維状、布状などの細長い異物が含まれていることがある。このような細長い異物は羽根車に引っかかりやすく、羽根車の回転を阻害してしまうことがある。そこで、羽根車に引っかかった異物を除去するために、従来から種々の技術が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
実公昭49-12242号公報 実開昭53-51606号公報
しかしながら、従来のポンプでは、羽根車に引っかかった細長い異物が円滑に除去されないことがあり、あるいは一旦羽根車から離れた異物が再び羽根車とポンプケーシングとの間の隙間に挟まれることがあり、必ずしも異物除去対策としては十分ではなかった。
そこで、本発明は、羽根車に引っかかった紐状、繊維状、布状などの異物を確実に除去うることができるポンプを提供する。
一態様では、異物を含む液体を移送するためのポンプであって、羽根車と、吸込口とボリュート室を有する羽根車ケーシングを備え、前記羽根車は、ハブと、前記ハブから螺旋状に延びる翼を有し、前記翼は、前記ハブから外側に延びる前縁部と、前記前縁部に接続された前面と、前記前縁部に接続され、前記前面とは反対側の裏面を有し、前記翼は、前記前縁部から前記前面に延びる窪み部を有している、ポンプが提供される。
一態様では、前記窪み部は、前記前縁部の内端と外端との間に位置している。
一態様では、前記前縁部の前記内端から前記窪み部までの距離は、前記前縁部の前記内端から前記外端までの距離の25%~80%である。
一態様では、前記窪み部の深さは、前記前縁部の幅の25%~100%である。
一態様では、前記前縁部は、前記羽根車ケーシングの吸込口内に位置している。
本発明によれば、異物が翼の前縁部上を移動して窪み部内に入ったとき、異物と翼との間の摩擦が一瞬なくなり、異物は翼から離れる。結果として、異物を翼から除去することができる。
ポンプの一実施形態を示す断面図である。 図1の矢印Aで示す方向から見た羽根車の図である。 羽根車の斜視図である。 図2のB-B線断面図である。 図5(a)乃至図5(c)は、異物が翼から除去される様子を説明するための図である。 前縁部の拡大上面図である。 翼の他の実施形態を示す断面図である。 翼のさらに他の実施形態を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1はポンプの一実施形態を示す断面図である。図1に示されるポンプは、例えば、紐状、繊維状、布状などの異物を含む液体(例えば、下水管を流れる汚水)を移送するために用いられる渦巻ポンプである。ただし、本発明は以下に説明する実施形態には限定されず、他のタイプの遠心ポンプにも適用できる。
図1に示すように、ポンプは、回転軸11と、回転軸11に固定された羽根車1と、羽根車1を収容する羽根車ケーシング5とを有する。回転軸11は、モータ12に連結されている。羽根車1は、モータ12により羽根車ケーシング5内で回転軸11と一体に回転する。モータ12と羽根車1との間には、メカニカルシール15が配置されている。このメカニカルシール15により、液体がモータ12に浸入することが防止される。
羽根車ケーシング5は、羽根車1の周囲に配置されたケーシング本体6と、ケーシング本体6に接続されたケーシングライナ8とを有している。羽根車ケーシング5は、吸込口3および吐出口4を有している。より具体的には、ケーシングライナ8は、円筒状の吸込口3を有し、ケーシング本体6は、吐出口4を有している。羽根車ケーシング5は、ケーシング本体6の内部に形成されたボリュート室(渦室)7を有しており、羽根車1はボリュート室7内に配置されている。ボリュート室7は、羽根車1の周囲を囲む形状を有している。吸込口3および吐出口4はボリュート室7に連通している。
羽根車1を回転させると、液体は吸込口3から吸い込まれる。吸込口3から流入した液体は羽根車1の回転によりボリュート室7に周方向に吐出される。液体には羽根車1の回転により速度エネルギーが付与され、さらに、液体がボリュート室7を通ることによって速度エネルギーが圧力に変換され、液体が昇圧される。昇圧された液体は、吐出口4から吐出される。羽根車1の翼2は、羽根車ケーシング5のケーシングライナ8の内面8aと僅かな隙間をあけて対向している。この隙間は、例えば0.3mmから0.7mmの範囲にある。
図2は図1の矢印Aで示す方向から見た羽根車1の図であり、図3は羽根車1の斜視図であり、図4は図2のB-B線断面図である。羽根車1は複数の翼2と、円筒状のハブ13とを備えている。本実施形態では2つの翼2が設けられているが、3つ以上の翼2が設けられてもよく、あるいは単一の翼2のみが設けられてもよい。ハブ13は、図1に示す回転軸11の端部が挿入される貫通孔13aを有しており、ハブ13は回転軸11の端部に固定具(図示せず)により固定されている。羽根車1は、モータ12によって矢印方向に回転する。
翼2は、ハブ13から外側に延びる前縁部21と、前縁部21から螺旋状に延びる後縁部22とを有している。本実施形態の翼2は、その基端から羽根車1の回転方向と逆方向に延びる螺旋形状を有する後退翼である。ただし、翼2のタイプは本実施形態に限定されない。図1に示すように、前縁部21は、羽根車ケーシング5の吸込口3内に位置しており、吸込口3内で露出している。一方、後縁部22は羽根車ケーシング5の内面(より具体的には、ケーシングライナ8の内面8a)に対向している。後縁部22とケーシングライナ8の内面8aとの間には微小な隙間が形成されている。
図2および図3に示すように、羽根車1は、ハブ13と一体の円板状のシュラウド25を有する。翼2はシュラウド25に接続されており、翼2、ハブ13、およびシュラウド25は一体に回転する。翼2の全体は、ハブ13から羽根車1の回転方向と逆方向に延びる螺旋形状を有している。
前縁部21は、ハブ13から外側に向かって円弧状に延びている。より具体的には、前縁部21は、ハブ13から羽根車1の回転方向と逆方向に湾曲して延びている。したがって、前縁部21の外端21bは、回転軸11の回転方向において、前縁部21の内端21aよりも後方に位置される。
翼2は、前縁部21に形成された窪み部30を有している。窪み部30は、羽根車1の回転方向において、前縁部21の前側に位置している。これは、羽根車1の回転中に、液体に含まれる紐状、繊維状、布状などの細長い異物は、前縁部21の前側に引っかかりやすく、異物を窪み部30に導いて異物を翼2から除去するためである。
図4に示すように、翼2は、前縁部21に接続された前面33と、前縁部21に接続され、前面33とは反対側の裏面34を有している。前面33は、翼2の最も前側の表面である。すなわち、前面33は、羽根車1の回転方向において最も前側に位置する翼2の表面である。前面33は、羽根車1の回転時に、液体を受ける面であり、正圧面である。一方、裏面34は、羽根車1の回転時に負圧が形成される負圧面である。
窪み部30は、その断面が図4に示されるように、前縁部21から正圧面である前面33に延びている。窪み部30は、言い換えれば、前縁部21および前面33に形成された切り欠きである。羽根車1の軸心に沿った窪み部30の長さおよび窪み部30の水平断面形状は特に限定されない。図2乃至図4に示す実施形態では、窪み部30の水平断面形状は半円形であるが、例えば、楕円形、または矩形状であってもよい。
図4に示すように、窪み部30の深さDは、前縁部21の幅Wの25%~100%である。窪み部30の深さが前縁部21の幅の100%であるということは、窪み部30は、前縁部21から正圧面である前面33と、負圧面である裏面34の両方に延びていることを意味する。
図5(a)乃至図5(c)は、異物が翼2から除去される様子を説明するための図である。図5(a)に示すように、羽根車1が矢印で示す方向に回転しているとき、液体に含まれている紐状、繊維状、布状などの細長い異物100は、前縁部21の前側に引っかかることがある。羽根車1の回転に伴い、図5(b)に示すように、異物100は前縁部21に引っかかりながら、後方に移動する(前縁部21上をスライドする)。そして、図5(c)に示すように、異物100が窪み部30内に入ったとき、瞬間的に異物100と翼2との摩擦がなくなり、異物100は翼2から離れる。このように、窪み部30は、前縁部21に局所的に設けられているので、異物100と翼2との摩擦の変化が起こり、異物100を翼2から除去することができる。
図6は、前縁部21の拡大上面図である。窪み部30は、前縁部21の内端21aと外端21bとの間に位置している。すなわち、窪み部30は、前縁部21の内端21a(あるいはハブ13)から離れており、かつ前縁部21の外端21bから離れている。前縁部21の内端21aから窪み部30までの距離L1は、前縁部21の内端21aから外端21bまでの距離L2の25%~80%であり、好ましくは50%~75%である。窪み部30の位置が前縁部21の内端21a(あるいはハブ13)から離れている理由は、液体中の異物が窪み部30よりも後方の翼2の部分に引っかかると、そのような異物を窪み部30に移動させることができないからである。窪み部30の位置が前縁部21の外端21bから離れている理由は、窪み部30が前縁部21の外端21bに形成されていると、一旦翼2から離れた異物が翼2の後縁部22とケーシングライナ8の内面8a(図1参照)との間の隙間に挟まりやすいからである。
窪み部30の形状および大きさは、窪み部30が前縁部21の内端21aおよび前縁部21の外端21bの両方から離れている限りにおいて、特に限定されない。ただし、窪み部30は、異物の除去には寄与するが、ポンプ性能の向上には寄与しないので、窪み部30の大きさは窪み部30の意図した目的が達成できる限りに置いてできるだけ小さいことが好ましい。
図4に示す実施形態では、窪み部30は前縁部21から前面33に延びるが、裏面34には延びていない。これは、細長い異物は、図5(a)に示すように、前縁部21および前面33に捕捉されやすいからである。しかしながら、翼2が薄い場合は、図7に示すように、窪み部30は、前縁部21から前面33および裏面34の両方に延びてもよい。
図1乃至図7を参照して説明した実施形態では、窪み部30は、各翼2に1つ設けられているが、図8に示すように、複数の窪み部30が設けられてもよい。図8に示す実施形態では、2つの窪み部30が各翼2に設けられているが、3つ以上の窪み部30が設けられてもよい。
上述した実施形態は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を実施できることを目的として記載されたものである。上記実施形態の種々の変形例は、当業者であれば当然になしうることであり、本発明の技術的思想は他の実施形態にも適用しうる。したがって、本発明は、記載された実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲によって定義される技術的思想に従った最も広い範囲に解釈されるものである。
1 羽根車
2 翼
3 吸込口
4 吐出口
5 羽根車ケーシング
6 ケーシング本体
7 ボリュート室(渦室)
8 ケーシングライナ
11 回転軸
12 モータ
13 ハブ
15 メカニカルシール
21 前縁部
21a 前縁部の内端
21b 前縁部の外端
22 後縁部
25 シュラウド
30 窪み部
33 前面
34 裏面
100 異物

Claims (5)

  1. 異物を含む液体を移送するためのポンプであって、
    羽根車と、
    吸込口とボリュート室を有する羽根車ケーシングを備え、
    前記羽根車は、
    ハブと、
    前記ハブから螺旋状に延びる翼を有し、
    前記翼は、
    前記ハブから外側に延びる前縁部と、
    前記前縁部に接続された前面と、
    前記前縁部に接続され、前記前面とは反対側の裏面を有し、
    前記翼は、前記前縁部から前記前面に延びる窪み部を有している、ポンプ。
  2. 前記窪み部は、前記前縁部の内端と外端との間に位置している、請求項1に記載のポンプ。
  3. 前記前縁部の前記内端から前記窪み部までの距離は、前記前縁部の前記内端から前記外端までの距離の25%~80%である、請求項2に記載のポンプ。
  4. 前記窪み部の深さは、前記前縁部の幅の25%~100%である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のポンプ。
  5. 前記前縁部は、前記羽根車ケーシングの吸込口内に位置している、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のポンプ。
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