JP2022156682A - ステータおよびモータ - Google Patents

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Abstract

【課題】取り付けられる温度センサの数を減らすことができるステータおよびモータを提供する。【解決手段】本発明のステータの一つの態様は、中心軸線を中心として回転可能なロータの径方向外側に配置されるステータ2であって、複数の導体が直列に連結された複数の導体連結体を有する巻線部と、導体連結体60が通る複数のスロットSが設けられるステータコア20と、第1温度センサ41と、を備える。第1温度センサ41の測定部41aは、互いに異なる相の導体連結体である第1相導体連結体60Uと第2相導体連結体60Vとの間に挟まれる。【選択図】図5

Description

本発明は、ステータおよびモータに関する。
近年、電気自動車用のモータなどのモータには、駆動時の温度を管理するための温度センサが設けられる。特許文献1には、コイル導線に温度センサを接触させてコイル導線の温度を測定する構成が開示されている。
特開2013-219961号公報
一方で、モータを構成する複数相の導線のうち特定の相にのみ電流を流す制御が知られている。このような場合、特定の相のみ発熱する場合がある。このため、温度センサは、全ての相の導線に設ける事が好ましいが、全ての相の導線に温度センサを設けると、コストが上昇するという問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みて、取り付けられる温度センサの数を減らすことができるステータおよびモータを提供することを目的の一つとする。
本発明のステータの一つの態様は、中心軸線を中心として回転可能なロータの径方向外側に配置されるステータであって、複数の導体が直列に連結された複数の導体連結体を有する巻線部と、前記導体連結体が通る複数のスロットが設けられるステータコアと、第1温度センサと、を備える。前記第1温度センサの測定部は、互いに異なる相の前記導体連結体である第1相導体連結体と第2相導体連結体との間に挟まれる。
本発明の一つの態様によれば、取り付けられる温度センサの数を減らすことができるステータおよびモータを提供できる。
図1は、一実施形態のモータの断面図である。 図2は、一実施形態の巻線部が構成する回路を示す模式図である。 図3は、一実施形態の第1のU相導体連結体の巻線構成の一部を示す模式図である。 図4は、一実施形態の第2のU相導体連結体の巻線構成の一部を示す模式図である。 図5は、一実施形態のステータの一部のスロットの断面模式図である。 図6は、図5の領域VIの部分拡大図である。 図7は、変形例のステータの上端部の断面図である。 図8は、変形例のステータの下端部の断面図である。
各図に適宜示すZ軸方向は、正の側を「上側」とし、負の側を「下側」とする上下方向である。各図に適宜示す中心軸線Jは、Z軸方向と平行であり、上下方向に延びる仮想線である。以下の説明においては、中心軸線Jの軸方向、すなわち上下方向と平行な方向を単に「軸方向」と呼び、上側を「軸方向一方側」と呼び、下側を「軸方向他方側」と呼ぶ場合がある。また、中心軸線Jを中心とする径方向を単に「径方向」と呼ぶ場合がある。
さらに、中心軸線Jを中心とする周方向を単に「周方向」と呼ぶ場合がある。
なお、上下方向、上側、および下側とは、単に各部の配置関係等を説明するための名称であり、実際の配置関係等は、これらの名称で示される配置関係等以外の配置関係等であってもよい。さらに、軸方向一方側、および軸方向他方側として説明する方向は、互いに入れ替えた場合であっても、実施形態の効果を再現可能である。
<モータ>
図1は、本実施形態のモータ1の断面図である。
本実施形態のモータ1は、インナーロータ型のモータである。また、本実施形態のモータ1は、三相の交流モータである。モータ1の中心は、中心軸線Jである。
モータ1は、ロータ3と、ステータ2と、ベアリングホルダ4と、これらを収容するハウジング1aと、を備える。また、モータ1は、図示略のバスバーユニットを有していてもよい。この場合、バスバーユニットは、ステータ2の上側に配置されステータ2に接続される。
ステータ2には、第1温度センサ41および第2温度センサ42が設けられる。第1温度センサ41および第2温度センサ42は、それぞれ測定部41a、42aと、配線部41b、42bと、を有する。第1温度センサ41および第2温度センサ42は、それぞれ測定部41a、42aにおいて温度を測定する。また、第1温度センサ41および第2温度センサ42の配線部41b、42bは、それぞれ測定部41a、42aから延び出て図示略の制御装置に接続される。第1温度センサ41および第2温度センサ42で測定したステータ2の温度は、モータ1の制御に利用される。なお、第1温度センサ41および第2温度センサ42の種類は、ステータ2の温度を検出可能であれば、特に限定されない。
<ロータ>
ロータ3は、環状のステータ2の径方向内側に配置される。すなわち、ロータ3は、径方向においてステータ2に対向する。ロータ3は、シャフト3aと、ロータマグネット3bと、ロータコア3cと、を有する。ロータ3は、中心軸線Jを中心として回転可能である。
シャフト3aは、中心軸線Jに沿って軸方向に延びている。シャフト3aは、例えば、中心軸線Jを中心として軸方向に延びる円柱状である。シャフト3aは、図示略のベアリング3pによって中心軸線J回りに回転可能に支持されている。
ロータコア3cは、軸方向に延びる筒状である。ロータコア3cは、電磁鋼板を積層して構成される。ロータコア3cの内周面は、シャフト3aの外周面に固定される。ロータコア3cには、ロータマグネット3bが挿入され固定される保持孔3hが設けられる。
ロータマグネット3bは、径方向においてステータ2と対向する。ロータマグネット3bは、ロータコア3cに埋め込まれた状態で保持される。本実施形態のロータマグネット3bは、8極(8ポール)である。ロータ3のポール数は本実施形態に限定さない。また、ロータマグネット3bは、円環状のリングマグネットなど他の形態のマグネットであってもよい。
<ステータ>
ステータ2は、ロータ3と隙間を介して径方向に対向する。本実施形態においてステータ2は、ロータ3の径方向外側に配置される。ステータ2は、ステータコア20と、巻線部30と、第1温度センサ41と、第2温度センサ42と、を備える。
ステータコア20は、中心軸線Jを中心とする環状である。ステータコア20は、軸方向に沿って積層された複数の電磁鋼板からなる。ステータコア20は、中心軸線Jを中心とする円筒状のコアバック部21と、コアバック部21から径方向内側に向かって延びる複数のティース部22と、を有する。
複数のティース部22は、周方向に等間隔に並ぶ。周方向に隣り合うティース部22同士の間には、スロットSが設けられる。スロットS内には、巻線部30の導体50が収容される。また、スロットSには、第1温度センサ41および第2温度センサ42の測定部41a、42aが収容される。
図2は、本実施形態の巻線部30が構成する回路を示す模式図である。
本実施形態の巻線部30は、複数の導体連結体60を有しセグメントコイルを構成する。複数の導体連結体60は、2Y結線がなされている。本実施形態の巻線部30は、第1のU相導体連結体60U1、第1のV相導体連結体60V1、および第1のW相導体連結体60W1からなるY結線と、第2のU相導体連結体60U2、第2のV相導体連結体60V2、および第2のW相導体連結体60W2からなるY結線とが、並列接続されている。
第1のU相導体連結体60U1、第1のV相導体連結体60V1、および第1のW相導体連結体60W1の一端は、中性点10において互いに接続される。同様に、第2のU相導体連結体60U2、第2のV相導体連結体60V2、および第2のW相導体連結体60W2の一端は、中性点10において互いに接続される。さらに、第1のU相導体連結体60U1および第2のU相導体連結体60U2の他端には、U相用バスバー70が接続される。第1のV相導体連結体60V1および第2のV相導体連結体60V2の他端には、V相用バスバー80が接続される。第1のW相導体連結体60W1および第2のW相導体連結体60W2の他端には、W相用バスバー90が接続される。
なお、本実施形態では、巻線部30は、2つのY結線が並列接続される2Y結線を採用しているが、1Y結線を採用してもよく、さらに3以上のY結線が並列接続されていてもよい。
本実施形態のモータ1は、制御モードとして、回転駆動モードと発熱駆動モードとの2つのモードを有する。回転駆動モードは、ステータ2のU相、V相、およびW相の導体連結体60に120°ずれた交流電流を流してロータ3を回転させる通常の制御モードである。
発熱駆動モードでは、U相、V相、W相の何れかの導体連結体60に電流を流したり、各々の相に流す電流量のバランスを変え、特定の相に流す電流量を他の相に流す電流量に対して上昇させたりする。発熱駆動モードでステータ2から生じた熱は、例えば暖房へ利用される。発熱駆動モードにおいて、ステータ2から生じた熱は、例えば熱媒体を介して、空調機器に移送される。
発熱駆動モードで、特定の相のみに電流を流したり、特定の相に流される電流量が突出して多くなったりすると、この相の導体連結体60およびその周囲で、温度が上昇し、温度が高くなりすぎた場合、絶縁層が破壊される可能性がある。
図3は、第1のU相導体連結体60U1の巻線構成の一部を示す模式図である。図4は、第2のU相導体連結体60U2の巻線構成の一部を示す模式図である。図5は、本実施のステータ2の一部のスロットSの断面模式図である。
本実施形態のステータコア20には72個のスロットSが設けられている。図3および図4において一方向に並ぶ数字は、ステータコア20のスロット番号を表す。図3は、合計72個のスロットのうち、スロット番号59~72、01~13のスロットの巻き線構成を表し、図4は、スロット番号65~72、01~19のスロットの巻き線構成を表す。また、図5には、スロット番号71、72、01、02、03に対応するスロットSが図示される。
図3および図4では、U相の導体連結体60の巻線構成のみを表示するが、V相、W相の導体連結体60についてもU相と同様の巻線構成を有する。V相、W相の導体連結体60が通過するスロットSは、U相の導体連結体60の通過するスロットSに対し周方向にずれている。
図5に示すように、本実施形態の1つのスロットS内には、4本の直線部50aが径方向に沿って並んで挿通される。ここでは、1つのスロットSの4層のレイヤを、径方向内側から外側に向かって、それぞれ第1レイヤL1、第2レイヤL2、第3レイヤL3、第4レイヤL4と呼ぶ。
図3および図4には、スロットSの第1レイヤL1および第2レイヤL2を通過する導体連結体60と、第3レイヤL3および第4レイヤL4を通過する導体連結体60と、がそれぞれ図示される。図3および図4において、第1レイヤL1又は第3レイヤL3を通過する導体連結体60を実線で示し、第2レイヤL2又は第4レイヤL4を通過する導体連結体60を一点鎖線で示す。
図3および図4に示すように、導体連結体60は、複数の導体50が直列に連結されて構成される。それぞれの導体50は、平角線が屈曲されて構成されている。そのため、丸線を用いる場合に比べて、スロットSにおいける導体50の占積率を向上させることができる。なお、本明細書において「平角線」とは、断面形状が四角形状または略四角形状の線材である。本明細書において「略四角形状」とは、四角形状の角部が丸みを帯びた角丸の四角形状を含む。図示は省略するが、本実施形態において導体50は、表面にエナメルの被膜を有する。
導体連結体60は、スロットSを通過する直線部50aと、ステータコア20の上側で直線部50a同士を繋ぐ渡り部50dと、ステータコア20の下側で直線部50a同士を繋ぐ連結部50jと、を有する。複数の導体50は、連結部50jにおいて互いに接続されている。渡り部50dは、ステータコア20の上側でコイルエンド30eを構成する。同様に、連結部50jは、ステータコア20の下側でコイルエンド30fを構成する。
本実施形態の導体連結体60は、短節巻きでステータコア20に装着される。導体連結体60は、一方のコイルエンド30eに位置する渡り部50dにおける跨ぎ量を、毎極スロット数s-1(本実施形態では5スロット)とする。また、導体連結体60は、他方のコイルエンド30fに位置する連結部50jにおける跨ぎ量を毎極スロット数s+1(本実施形態では、7スロット)とする。
なお、毎極スロット数sとは、ロータ3とステータ2との組み合わせにおいて、ロータ3の1つの磁極間に配置されるステータ2のスロットSの数を意味する。毎極スロット数sは、(ステータ2の全スロット数)/(ロータ3の磁極数)で算出される。本実施形態において、毎極スロット数sは6である。
図5に示すように、本実施形態の巻線部30は、短節巻きが採用されるため、1つのスロットSには、複数相の導体連結体60が通過する。
以下の説明において、第1のU相導体連結体60U1と第2のU相導体連結体60U2とを互いに区別することなく、単にU相導体連結体(第1相導体連結体)60Uと呼ぶ。また、第1のV相導体連結体60V1と第2のV相導体連結体60V2とを互いに区別することなく、単にV相導体連結体(第2相導体連結体)60Vと呼ぶ。さらに、第1のW相導体連結体60W1と第2のW相導体連結体60W2とを互いに区別することなく、単にW相導体連結体(第3相導体連結体)60Wと呼ぶ。U相導体連結体60U、V相導体連結体60V、およびW相導体連結体60Wは、互いに異なる相の導体連結体60である。
それぞれのスロットSには、絶縁紙(絶縁部材)6が配置される。絶縁紙6は、シート状の絶縁部材であればよい。絶縁紙6は、スロットSの内側面に沿って配置され、スロットS内の導体連結体60とスロットSの内側面とを絶縁する。また、絶縁紙6は、異なる相の導体連結体60同士の間に配置され、異なる相の導体連結体60同士を絶縁する。本実施形態の絶縁紙6は、スロットS内でS字状に配置される。
なお、上述したように、導体50の表面にはエナメル被覆が設けられる。このため、絶縁紙6を有さない場合であって、導体50の絶縁性は確保されている。絶縁紙6は、導体50の絶縁性をさらに高めるために設けられる。
複数のスロットSのうち、1つのスロットSには第1温度センサ41の測定部41aが配置され、他の1つのスロットSには第2温度センサ42の測定部42aが配置される。ここで、第1温度センサ41が配置されるスロットSを第1スロットS1と呼び、第2温度センサ42が配置されるスロットSを第2スロットS2と呼ぶ。
第1スロットS1には、第1温度センサ41の測定部41aと、3つのU相導体連結体60Uと、1つのV相導体連結体60Vと、が配置される。3つのU相導体連結体60Uは、第2レイヤL2、第3レイヤL3、および第4レイヤL4にそれぞれ配置される。1つのV相導体連結体60Vは、第1レイヤL1に配置される。また、第1温度センサ41の測定部41aは、第1レイヤL1と第2レイヤL2の間に配置される。すなわち、第1温度センサ41の測定部41aは、U相導体連結体60UとV相導体連結体60Vとの間に挟まれる。
本実施形態によれば、第1温度センサ41の測定部41aは、U相導体連結体60UとV相導体連結体60Vとの間に位置する。このため、第1温度センサ41は、U相導体連結体60UとV相導体連結体60Vとの何れの温度をも測定可能である。本実施形態によれば、U相導体連結体60Uの温度を測定する温度センサと、V相導体連結体60Vの温度を測定する温度センサとを、それぞれ設ける場合と比較して、温度センサの数を減らすことができる。これにより、モータ1の部品点数を削減して、モータ1の製造コストを低減できる。
図6は、図5の領域VIの部分拡大図である。
本実施形態において、第1スロットS1の絶縁紙6は、U相導体連結体60Uと第1温度センサ41の測定部41aとの間、およびV相導体連結体60Vと第1温度センサ41の測定部41aとの間にそれぞれ配置される。このため、第1温度センサ41とU相導体連結体60Uとの間の伝熱効率と、第1温度センサ41とV相導体連結体60Vとの間の伝熱効率とを近づけることができる。これにより、第1温度センサ41は、U相導体連結体60UおよびV相導体連結体60Vを同一の基準で温度測定することができ、第1温度センサ41の温度測定の信頼性を高めることができる。
本実施形態の絶縁紙6は、U相導体連結体60UとV相導体連結体60Vとの間に配置されるため、U相導体連結体60UとV相導体連結体60Vとの間の絶縁を確保できる。なお、この効果は、U相導体連結体60Uと第1温度センサ41の測定部41aとの間、およびV相導体連結体60Vと第1温度センサ41の測定部41aとの間の少なくとも一方に絶縁紙6が配置されていれば、得ることができる効果である。
図5に示すように、第2スロットS2には、第2温度センサ42の測定部42aと、3つのW相導体連結体60Wと、1つのU相導体連結体60Uと、が配置される。3つのW相導体連結体60Wは、第2レイヤL2、第3レイヤL3、および第4レイヤL4にそれぞれ配置される。1つのU相導体連結体60Uは、第1レイヤL1に配置される。また、第2温度センサ42の測定部42aは、第1レイヤL1と第2レイヤL2の間に配置される。
本実施形態によれば、第2温度センサ42の測定部42aは、W相導体連結体60WとU相導体連結体60Uとの間に挟まれる。本実施形態によれば、第2温度センサ42は、W相導体連結体60WとU相導体連結体60Uとの何れの温度をも測定可能である。
本実施形態によれば、三相の導体連結体60を、2個の温度センサ(第1温度センサ41および第2温度センサ42)によって測定することができる。これにより、上述の発熱駆動モードにおいて、U相導体連結体60U、V相導体連結体60V、およびW相導体連結体60Wの何れに電流を流す場合においても、ステータ2の温度をより正確に測定できる。
本実施形態によれば、第1温度センサ41および第2温度センサ42の測定部41a、42aは、それぞれ異なるスロットSの内部で、互いに異なる相の導体連結体60の間に挟まれる。より具体的には、第1温度センサ41の測定部41aは、複数のスロットSのうち第1スロットS1において、U相導体連結体60UとV相導体連結体60Vとの間に挟まれる。また、第2温度センサ42の測定部42aは、複数のスロットSのうち第2スロットS2において、U相導体連結体60UとW相導体連結体60Wとの間に挟まれる。これにより、スロットS内で、測定部41a、42aを導体連結体60に安定的に接触させることができ、温度測定の信頼性を高めることができる。
しかしながら、第1温度センサ41および第2温度センサ42の測定部41a、42aは、互いに異なる相の導体連結体60に挟まれていれば、スロットSの外に配置されていてもよい。このような場合について、以下に変形例として説明する。
図7は、本変形例のステータ102の上端部の断面図である。図8は、本変形例のステータ102の下端部の断面図である。なお、図7および図8に示す本変形例のステータコア120のスロットSには、8層の導体150が挿入されるが、上述の実施形態のような4層の導体150が挿入されるステータにおいても、本変形例の構成が採用可能である。
本変形例のステータ102の巻線部130は、上述の実施形態と同様に、ステータコア120の上側および下側にそれぞれ第1コイルエンド130e、および第2コイルエンド130fを有する。
図7に示すように、第1コイルエンド130eは、複数の導体連結体160の渡り部150dから構成される。渡り部150dは、ステータコア120の上側で直線部150a同士を繋ぐ。
本変形例の第1温度センサ141の測定部141aは、第1コイルエンド130eに取り付けられる。測定部141aは、径方向に並んで配置される2つの渡り部150dの上端部同士の間に配置される。また、第1温度センサ141の配線部141bは、第1コイルエンド130eの上側に引き出される。
測定部141aの径方向内側に配置される渡り部150dは、V相導体連結体(第2相導体連結体)160Vの渡り部150dである。一方で、測定部141aの径方向外側に配置される渡り部150dは、U相導体連結体(第1相導体連結体)160Uの渡り部150dである。本変形例によれば、第1温度センサ141の測定部141aは、第1コイルエンド130eにおいて、U相導体連結体160UとV相導体連結体160Vとの間に挟まれる。
図8に示すように、第2コイルエンド130fは、複数の導体連結体160の連結部150jから構成される。連結部150jは、ステータコア120の下側で直線部150aの下端から延びる。異なるスロットSから延び出る導体150の連結部150j同士は、溶接などの手段で互いに接続される。また連結部150j同士の接続部は、エナメル被覆が除去されているため、絶縁を確保するために被覆部107によって覆われる。被覆部107は、例えば、粉体塗装によって形成される。
本変形例の第2温度センサ142の測定部142aは、第2コイルエンド130fに取り付けられる。測定部142aは、径方向に並んで配置される2つの連結部150jの上端部同士の間に配置される。測定部142aは、スロットSの直下に配置される。第2温度センサ142の測定部142aは、1つのスロットSから延び出る2つの導体連結体160の連結部150jの間に配置される。
測定部142aの径方向内側に配置される連結部150jは、U相導体連結体160Uの連結部150jである。一方で、測定部142aの径方向外側に配置される連結部150jは、W相導体連結体(第2相導体連結体)160Wの連結部150jである。本変形例によれば、第2温度センサ142の測定部142aは、第2コイルエンド130fにおいて、U相導体連結体160UとW相導体連結体160Wとの間に挟まれる。
本変形例では、第1温度センサ141の測定部141aを第1コイルエンド130eに取り付けて、第2温度センサ142の測定部142aを第2コイルエンド130fに取り付ける場合について説明した。本変形例によれば、それぞれのコイルエンド130e、130fへの冷却オイルの供給状態などに起因する各コイルエンド130e、130fの温度の差を確認できる。ただし、第1温度センサ141および第2温度センサ142の測定部141a、142aをともに、第1コイルエンド130eまたは第2コイルエンド130fの何れか一方に取り付けてもよい。
以上に、本発明の様々な実施形態を説明したが、各実施形態における各構成およびそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換およびその他の変更が可能である。また、本発明は実施形態によって限定されることはない。
例えば、上述の実施形態において、モータ1が三相モータである場合について説明したが、これは五相モータなどの他のモータであってもよい。すなわち、複数の導体連結体には、互いに多相回路を構成する複数相の導体連結体が含まれていればよい。
また、上述の実施形態において、第1温度センサおよび第2温度センサが測定する相の組み合わせは一例である。すなわち、ステータが三相回路を構成する場合、U相、V相、およびW相のうち、どの相を第1相、第2相、および第3相とした場合であっても、同様の効果を得ることができる。
また、第1温度センサおよび第2温度センサの測定部が取り付けられる位置について、上述の実施形態の構成と変形例の構成とを組み合わせてもよい。第1温度センサ又は第2温度センサの何れか一方の測定部が、スロット内に配置され、他方がコイルエンドに配置されていてもよい。以下に、第1温度センサおよび第2温度センサの測定部が取り付けられる位置についてまとめる。すなわち、第1温度センサと第2温度センサとは、ともに軸方向一方側のコイルエンドに取り付けられていても、ともに軸方向他方側のコイルエンドに取り付けられていても、それぞれが軸方向一方側および他方側のコイルエンドに取り付けられていてもよい。さらに、第1温度センサと第2温度センサとは、上述の実施形態に示すように、異なるスロット内に配置されていてもよい。加えて、第1温度センサと第2温度センサとは、一方がスロット内に配置され、他方が軸方向一方側又は他方側のコイルエンドに取り付けられていてもよい。
1…モータ、2…ステータ、3…ロータ、6…絶縁紙(絶縁部材)、20…ステータコア、30…巻線部、41…第1温度センサ、42…第2温度センサ、41a,42a…測定部、50…導体、60…導体連結体、60U,160U…U相導体連結体(第1相導体連結体)、60V,160V…V相導体連結体(第2相導体連結体)、60W,160W…W相導体連結体(第3相導体連結体)、J…中心軸線、S…スロット、S1…第1スロット、S2…第2スロット

Claims (12)

  1. 中心軸線を中心として回転可能なロータの径方向外側に配置されるステータであって、
    複数の導体が直列に連結された複数の導体連結体を有する巻線部と、
    前記導体連結体が通る複数のスロットが設けられるステータコアと、
    第1温度センサと、を備え、
    前記第1温度センサの測定部は、互いに異なる相の前記導体連結体である第1相導体連結体と第2相導体連結体との間に挟まれる、
    ステータ。
  2. 前記第1温度センサの測定部は、複数の前記スロットのうち第1スロットにおいて、前記第1相導体連結体と前記第2相導体連結体との間に挟まれる、
    請求項1に記載のステータ。
  3. 前記第1スロットには、前記第1相導体連結体と前記第1温度センサの測定部との間、および前記第2相導体連結体と前記第1温度センサの測定部との間の少なくとも一方に絶縁部材が配置される、
    請求項2に記載のステータ。
  4. 前記第1スロットには、前記第1相導体連結体と前記第1温度センサの測定部との間、および前記第2相導体連結体と前記第1温度センサの測定部との間にそれぞれ絶縁部材が配置される、
    請求項2に記載のステータ。
  5. 前記第1温度センサの測定部は、コイルエンドにおいて、前記第1相導体連結体と前記第2相導体連結体との間に挟まれる、
    請求項1に記載のステータ。
  6. 第2温度センサをさらに備え、
    前記第2温度センサの測定部は、互いに異なる相の前記導体連結体の間に挟まれる、
    請求項1~5の何れか一項に記載のステータ。
  7. 第2温度センサをさらに備え、
    前記第2温度センサの測定部は、互いに異なる相の前記導体連結体である前記第2相導体連結体と第3相導体連結体との間に挟まれる、
    請求項5に記載のステータ。
  8. 前記第2温度センサの測定部は、複数の前記スロットのうち第2スロットにおいて、前記第2相導体連結体と前記第3相導体連結体との間に挟まれる、
    請求項7に記載のステータ。
  9. 前記第2温度センサの測定部は、コイルエンドにおいて、互いに異なる相の前記導体連結体である前記第2相導体連結体と第3相導体連結体との間に挟まれる、
    請求項7に記載のステータ。
  10. 前記第1温度センサの測定部は、前記ステータコアの軸方向一方側のコイルエンドにおいて、前記第1相導体連結体と前記第2相導体連結体との間に挟まれ、
    前記第2温度センサの測定部は、前記ステータコアの軸方向他方側のコイルエンドにおいて、前記第2相導体連結体と第3相導体連結体との間に挟まれる、
    請求項9に記載のステータ。
  11. 前記導体連結体は、短節巻きで前記ステータコアに装着される、
    請求項1~10の何れか一項に記載のステータ。
  12. 請求項1~11の何れか一項に記載のステータと、前記ロータと、を備える、モータ。
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