JP2022156651A - 被膜形成材およびその被膜形成方法 - Google Patents

被膜形成材およびその被膜形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】乾燥硬化性、防食性において優れた性能を示す被膜を得る。【解決手段】本発明は、合成樹脂、顔料、及び非水溶剤を含む被膜形成材であって、合成樹脂は酸化硬化型樹脂であり、記顔料の顔料容積濃度は30%以上70%以下であり、記非水溶剤は、炭化水素溶剤、並びに、水酸基、エーテル基、及びエステル基から選ばれる1種以上の極性基を有する沸点70℃以上260℃以下の極性溶剤を特定量含有するものであることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、新規な被膜形成材およびその被膜形成方法に関するものである。
壁材、屋根材、梁、柱、手摺、エアコン室外機等に用いられる基材においては、その美観性や防食性等を高める目的で各種の塗装が施されている。
このような塗装において、トルエン、キシレン等を媒体とする強溶剤形被膜形成材は、その被膜物性においては優れた性能を有することから多く採用されてきた。
しかしながら、塗装時の安全性や作業衛生等の点、あるいは大気汚染に及ぼす影響等が考慮され、最近では強溶剤形被膜形成材の使用を抑える動きが強まっている。
このような動きに対応するため、例えば特許文献1、2では、脂肪族炭化水素系溶剤を用いた被膜形成材が記載されている。
特開2003-246963号公報 特開2002-088299号公報
ところで、基材の塗装において、乾燥硬化性等を考慮すると、被膜形成材の顔料比率や固形分比率を高く設定することは、好ましい手段である。しかしながら、上記特許文献に記載のような被膜形成材を基材に適用する際、当該被膜形成材の顔料比率や固形分比率を単に高めてしまうと、その形成被膜において、経時的な錆の発生を十分に抑制できず、防食性等の確保が困難となるおそれが生じる。
本発明は、このような点に鑑みなされたものであり、乾燥硬化性等に加え、防食性等においても優れた性能を示す被膜を得ることを目的とするものである。
このような課題を解決するために本発明者らは、鋭意検討の結果、合成樹脂として酸化硬化型樹脂、非水溶剤として炭化水素溶剤、並びに、水酸基、エーテル基、及びエステル基から選ばれる1種以上の極性基を有する沸点70℃以上260℃以下の極性溶剤を特定量含有する被膜形成材を用いることに想到し、本発明の完成に至った。
すなわち、本発明は以下の特徴を有するものである。
1.合成樹脂、顔料、及び非水溶剤を含む被膜形成材であって、
上記合成樹脂は酸化硬化型樹脂であり、
上記顔料の顔料容積濃度は30%以上70%以下であり、
上記非水溶剤は、炭化水素溶剤、並びに、水酸基、エーテル基、及びエステル基から選ばれる1種以上の極性基を有する沸点70℃以上260℃以下の極性溶剤を含有するものであり、
上記非水溶剤の混合比率は、上記合成樹脂の固形分100重量部に対し、上記炭化水素溶剤20重量部以上500重量部以下、上記極性溶剤0.5重量部以上50重量部以下であることを特徴とする被膜形成材。
2.上記顔料は、防錆顔料及び体質顔料を含むものであることを特徴とする1.記載の被膜形成材。
3.金属基材に対し、1.または2.に記載の被膜形成材を塗付することを特徴とする被膜形成方法。
本発明によれば、乾燥硬化性、防食性において優れた性能を発揮することができる被膜が得られる。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
本発明の被膜形成材は、合成樹脂、顔料、及び非水溶剤を含む被膜形成材であって、合成樹脂は酸化硬化型樹脂であり、上記顔料の顔料容積濃度は30%以上70%以下であり、
非水溶剤は、炭化水素溶剤、並びに、水酸基、エーテル基、及びエステル基から選ばれる1種以上の極性基を有する沸点70℃以上260℃以下の極性溶剤を含有するものであり、
非水溶剤の混合比率は、合成樹脂の固形分100重量部に対し、炭化水素溶剤20重量部以上500重量部以下、極性溶剤0.5重量部以上50重量部以下であることを特徴とするものである。
本発明では、このような酸化硬化型樹脂とともに、炭化水素溶剤、極性溶剤を規定量含むことにより、乾燥硬化性に優れ、さらに防食性に優れた性能を発揮することができる。
[合成樹脂]
本発明における合成樹脂は、酸化硬化型樹脂を使用する。
酸化硬化型樹脂は、酸化重合可能な二重結合(酸化重合性基)によって、空気酸化し硬化乾燥する樹脂であり、以下に示すような樹脂等が使用できる。
(1)酸化重合性基を有するビニル単量体と、この単量体と共重合可能な他のビニル単量体とを共重合させて得られた樹脂。
(2)エポキシ基含有ビニル単量体と、この単量体と共重合可能な他のビニル単量体とを共重合させた後、前記エポキシ基含有ビニル単量体に不飽和脂肪酸を付加させて得られた樹脂。
(3)酸化重合性基を有するビニル単量体、及び/またはこの単量体と共重合可能な他のビニル単量体とをアルキド樹脂に共重合及び/またはグラフト重合させて得られた樹脂。
上記(1)、(3)における酸化重合性基を有するビニル単量体としては、例えばエポキシ基含有ビニル単量体に不飽和脂肪酸が付加されたビニル単量体が挙げられる。このビニル単量体は、エポキシ基と不飽和脂肪酸中のカルボキシル基との反応によって得られるものである。また、上記(2)の樹脂は、樹脂中のエポキシ基に対する不飽和脂肪酸の付加反応によって得られるものである。エポキシ基と不飽和脂肪酸を反応させる際には、第3級アミンや第4級アンモニウム塩等の触媒を使用することができる。
具体的にエポキシ基含有ビニル単量体としては、例えばグリシジル(メタ)アクリレート、β-メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4-オキシシクロヘキシルプロピル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用できる。
不飽和脂肪酸としては、例えば、亜麻仁油脂肪酸、桐油脂肪酸、魚油脂肪酸、脱水ヒマシ油脂肪酸、大豆油脂肪酸、ゴマ油脂肪酸、ケシ油脂肪酸、エノ油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸、麻実油脂肪酸、ブドウ核油脂肪酸、トール油脂肪酸、ヒマワリ油脂肪酸、綿実油脂肪酸、トウモロコシ油脂肪酸、クルミ油脂肪酸等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用できる。酸化硬化型樹脂における不飽和脂肪酸の構成比率は、硬化性、重ね塗り適性等の観点から、好ましくは0.5重量%以上30重量%以下、より好ましくは1重量%以上25重量%以下である。
上記(1)、(3)における酸化重合性基を有するビニル単量体としては、例えば、ジシクロペンタジエンオキシアルキル(メタ)アクリレート等のジシクロペンタジエンオキシアルキル基含有ビニル単量体、アリル(メタ)アクリレート等のアリル基含有ビニル単量体を使用することもできる。これらは1種または2種以上で使用できる。
上記(3)におけるアルキド樹脂としては、多価アルコールと多価カルボン酸を重縮合させ、これを乾性油、不飽和脂肪酸等で変性したものが使用可能である。このうち多価アルコールとしては、例えばエチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール等が挙げられ、多価カルボン酸としては、例えば無水フタル酸、無水マレイン酸等が挙げられる。また、乾性油としては、例えば亜麻仁油、桐油、オイチシカ油、サフラワー油等が挙げられる。
上記(1)~(3)における他のビニル単量体としては、例えば(メタ)アクリル酸アルキルエステル、芳香族単量体等が挙げられる。このうち、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの具体例としては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n-アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。芳香族単量体の具体例としては、例えばスチレン、2-メチルスチレン、ビニルトルエン、t-ブチルスチレン、クロルスチレン、ビニルアニソール、ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用できる。このようなビニル単量体としては、例えば、カルボキシル基含有ビニル単量体、アミノ基含有ビニル単量体、水酸基含有ビニル単量体等も使用できる。(A)成分としては、他の単量体として、少なくとも(メタ)アクリル酸アルキルエステルが共重合されたもの、(メタ)アクリル酸アルキルエステル及び芳香族単量体が共重合されたもの等が好適である。
酸化硬化型樹脂としては、酸価を有するものが好ましく、酸価を有する酸化硬化型樹脂を使用することにより、硬化性の向上化を図ることができ、重ね塗り適性を高めることができる。さらに、顔料混和性の向上化等を図ることもでき、仕上がり性等の点でも有利である。
酸化硬化型樹脂の酸価は、好ましくは0.1mgKOH/g以上50mgKOH/g以下、より好ましくは0.3mgKOH/g以上30mgKOH/g以下、さらに好ましくは0.5mgKOH/g以上20mgKOH/g以下である。なお、酸価は、酸化硬化型樹脂の固形分1gに含まれる酸基と等モルの水酸化カリウムのmg数によって表される値である。酸化硬化型樹脂に酸価を付与するには、例えば、上記(1)~(3)における他のビニル単量体として、カルボキシル基含有ビニル単量体を使用すればよい。カルボキシル基含有ビニル単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸またはそのモノアルキルエステル、イタコン酸またはそのモノアルキルエステル、フマル酸またはそのモノアルキルエステル、ω-カルボキシ-ポリブチロラクトンモノ(メタ)アクリレート、ω-カルボキシ-ポリバレロラクトンモノ(メタ)アクリレート、ω-カルボキシ-ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、ω-カルボキシ-ポリカプリロラクトンモノ(メタ)アクリレート、ω-カルボキシ-ポリラウリロラクトンモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸ダイマー、(メタ)アクリル酸トリマー、(メタ)アクリル酸テトラマー、(メタ)アクリル酸ヘプタマー、(メタ)アクリル酸ヘキサマー等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用できる。
本発明における酸化硬化型樹脂としては、上述の樹脂を、例えばイソシアネート化合物、ウレタン化合物、シリコーン化合物、アルコキシシラン化合物等で変性したものも使用できる。
酸化硬化型樹脂の形態は、溶剤可溶形、非水分散形のいずれであってもよい。本発明では、両方の形態の樹脂を併用することもできる。
酸化硬化型樹脂の重量平均分子量は、好ましくは10000以上500000以下、より好ましくは20000以上300000以下である。酸化硬化型樹脂のガラス転移点は、好ましくは-5℃以上70℃以下、より好ましくは10℃以上60℃以下である。
[顔料]
本発明における顔料は、例えば、着色顔料、体質顔料、防錆顔料等が使用できる。
着色顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、カーボンブラック、黒鉛、黒色酸化鉄、銅クロムブラック、コバルトブラック、銅マンガン鉄ブラック、べんがら、モリブデートオレンジ、パーマネントレッド、パーマネントカーミン、アントラキノンレッド、ペリレンレッド、キナクリドンレッド、黄色酸化鉄、チタンイエロー、ファーストイエロー、ベンツイミダゾロンイエロー、クロムグリーン、コバルトグリーン、フタロシアニングリーン、群青、紺青、コバルトブルー、フタロシアニンブルー、キナクリドンバイオレット、ジオキサジンバイオレット等が挙げられる。これら着色顔料の1種または2種以上を適宜使用することにより、被膜の色調を調整することができる。
体質顔料としては、例えば、重質炭酸カルシウム、軽微性炭酸カルシウム、カオリン、クレー、陶土、チャイナクレー、珪藻土、含水微粉珪酸、タルク、バライト粉、硫酸バリウム、沈降性硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、シリカ粉、水酸化アルミニウム等が挙げられ、これらの1種または2種以上を使用することができる。
防錆顔料としては、例えば、リン酸亜鉛、リン酸鉄、リン酸アルミニウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム等のリン酸化合物;亜リン酸亜鉛、亜リン酸鉄、亜リン酸アルミニウム、亜リン酸カルシウム、亜リン酸マグネシウム等の亜リン酸化合物;ポリリン酸亜鉛、ポリリン酸鉄、ポリリン酸アルミニウム等のポリリン酸化合物;モリブデン酸亜鉛、モリンブデン酸アルミニウム、モリブデン酸カルシウム、モリブデン酸バリウム、リンモリブデン酸アルミニウム等のモリブデン酸化合物;酸化バナジウム等のバナジウム化合物;ホウ酸バリウム、メタホウ酸バリウム、ホウ酸カルシウム等のホウ酸化合物;シアナミド亜鉛、シアナミド亜鉛カルシウム等のシアナミド化合物等が挙げられ、これらの1種または2種以上を使用することができる。
本発明は、顔料として防錆顔料を含む場合、特に有利な効果を得ることができる。従来技術では、防錆顔料の導入によって防食性を高めようとしても、その効果が減殺されるおそれがあるが、本発明では体質顔料を含むことによって乾燥硬化性を高めることができきるとともに、防錆顔料の導入効果を十分に得ることが可能となる。
このような顔料の混合比率は、顔料容積濃度が30%以上70%以下、好ましくは35%以上65%以下である。本発明はこのように合成樹脂に対し顔料を多く含むものであり、顔料を多く含む場合であっても、防食性等において優れた性能を得ることができる。顔料が上記規定よりも少なすぎる場合は、乾燥硬化性等において、十分な性能が得られ難くなる。顔料が上記規定よりも多すぎる場合は、密着性等に支障をきたすおそれがある。
また、全顔料中の防錆顔料の重量比率は、3重量%以上40重量%以下、さらには5重量%以上35重量%以下であることが好ましい。また全顔料中の体質顔料の重量比率は、10重量%以上95重量%以下、さらには15重量%以上90重量%以下であることが好ましい。
[非水溶剤]
本発明における非水溶剤は、各成分を溶解ないし分散させる媒体として作用する成分であり、炭化水素溶剤、並びに、水酸基、エーテル基、及びエステル基から選ばれる1種以上の極性基を有する沸点70℃以上260℃以下の極性溶剤を含有することを特徴とする。
[炭化水素溶剤]
炭化水素溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶剤、石油エーテル、石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤、n-ヘキサン、n-ペンタン、n-オクタン、n-ノナン、n-デカン、n-ウンデカン、n-ドデカン等の脂肪族炭化水素溶剤、また、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を混合して用いることができる。
例えば、芳香族炭化水素溶剤と脂肪族炭化水素溶剤の混合した混合溶剤を用いることが好ましく、炭化水素溶剤中に、脂肪族炭化水素が、5重量%以上、さらには、10重量%以上80重量%以下含まれるものを使用することが好ましい。このような混合溶剤としては、例えばミネラルスピリット等が挙げられる。
また、石油系溶剤を用いる場合は、混合アニリン点またはアニリン点が12℃以上70℃以下である石油系溶剤(芳香族炭化水素含有石油混合溶剤)を含む態様が好ましい。混合アニリン点またはアニリン点は、JIS K2256の方法で測定される値である。
[極性溶剤]
本発明ではまた、非水溶剤として、1分子中に水酸基、エーテル基、及びエステル基から選ばれる1種以上の極性基を有し、かつ沸点が70℃以上260℃以下であることを満たす極性溶剤を用いることを特徴とする。
極性溶剤としては、例えば、アルキレングリコールモノアルキルエーテル化合物、アルキレングリコールジアルキルエーテル化合物、アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート化合物、アルコール化合物等が挙げられる。
このうち、アルキレングリコールモノアルキルエーテル化合物としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル(沸点125℃)、エチレングリコールモノエチルエーテル(沸点136℃)、エチレングリコールモノn-ブチルエーテル(沸点170℃)、エチレングリコールモノtert-ブチルエーテル(沸点153℃)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(沸点194℃)、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(沸点202℃)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(沸点230℃)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点120℃)、プロピレングリコールモノエチルエーテル(沸点132℃)、プロピレングリコールモノブチルエーテル(沸点170℃)、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点188℃)、プロピレングリコールモノエチルエーテル(沸点132℃)、プロピレングリコールモノプロピルエーテル(沸点145℃)、プロピレングリコールモノn-ブチルエーテル(沸点170℃)、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル(沸点230℃)、エチレングリコールモノ-2-エチルヘキシルエーテル(沸点229℃)等が挙げられる。
アルキレングリコールジアルキルエーテル化合物としては、エチレングリコールジメチルエーテル(沸点82℃)、エチレングリコールジエチルエーテル(沸点121℃)、エチレングリコールジブチルエーテル(沸点203℃)、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル(沸点176℃)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(沸点162℃)、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル(沸点179℃)、ジエチレングリコールジエチルエーテル(沸点189℃)、ジエチレングリコールジブチルエーテル(沸点256℃)、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(沸点171℃)、トリエチレングリコールジメチルエーテル(沸点216℃)、等が挙げられる。
アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート化合物としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート(沸点145℃)、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(沸点217℃)、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(沸点156℃)、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(沸点192℃)、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(沸点217℃)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(沸点146℃)等が挙げられる。
アルコール化合物としては、例えば、エタノール(沸点78℃)、1-プロパノール(沸点98℃)、1-ブタノール(沸点117℃)、1-ペンタノール(沸点138℃)、1-ヘキサノール(沸点158℃)、1-ヘプタノール(沸点176℃)、1-オクタノール(沸点195℃)、2-プロパノール(沸点84℃)、2-メチル-1-プロパノール(沸点108℃)、シクロヘキサノール(沸点161℃)、ベンジルアルコール(沸点205℃)、1,2-エタンジオール(沸点197℃)、1,4-ブタンジオール(沸点230℃)、1,5-ペンタンジオール(沸点242℃)、ジエチレングリコール(沸点244℃)、等が挙げられる。
極性溶剤としては、1分子中に2以上の極性基を有する化合物を含むことが好ましく、1分子中に水酸基及びエーテル基を有する化合物を含むことがより好ましい。本発明における極性溶剤としては、特にアルキレングリコールモノアルキルエーテル化合物を含む態様が好適である。
極性溶剤の沸点は、70℃以上260℃以下であり、好ましくは75℃以上200℃以下、より好ましくは80℃以上180℃以下である。なお、沸点は1気圧において測定される値である。極性溶剤の沸点が低すぎる場合は、成膜過程早期に揮発しやすく、また防食性の向上効果が得られ難くなる。極性溶剤の沸点が高すぎる場合は、乾燥硬化性等に悪影響を及ぼすおそれがある。
このような非水溶剤の混合比率は、炭化水素溶剤が、合成樹脂の固形分100重量部に対し20重量部以上500重量部以下、さらに好ましくは30重量部以上450重量部以下、より好ましくは50重量部以上400重量部以下である。
また、極性溶剤が、合成樹脂の固形分100重量部に対し0.5重量部以上50重量部以下、さらに好ましくは1重量部以上30重量部以下、より好ましくは2重量部以上20重量部以下である。
このような混合比率であることにより、乾燥硬化性に優れ、さらに防食性に優れた性能を発揮することができる。
炭化水素溶剤、極性溶剤が上記規定よりも多すぎる場合は、乾燥硬化性、防食性等において、十分な性能が得られ難くなる。
炭化水素溶剤、極性溶剤が上記規定よりも少なすぎる場合は、塗装作業性、成膜性、防食性等に支障をきたすおそれがある。
また、炭化水素溶剤と極性溶剤との混合比率は、炭化水素溶剤:極性溶剤が100:1から100:20、さらには100:2から100:10であることが好ましい。このような混合比率であることにより、より優れた上記性能を発揮することができる。
本発明では、上述の成分の他、本発明の効果に影響しない程度に各種成分を混合することも可能である。このような成分としては、例えば、ドライヤー、シラン化合物、可塑剤、防腐剤、防黴剤、防藻剤、消泡剤、レベリング剤、顔料分散剤、沈降防止剤、たれ防止剤、皮張り防止剤、脱水剤、艶消し剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、触媒等が挙げられる。本発明の被膜形成材は、以上のような各成分を常法により均一に撹拌・混合して製造することができる。
[ドライヤー]
本発明のおけるドライヤーは、酸化硬化型樹脂の硬化触媒または硬化促進剤等としてはたらく成分である。
ドライヤーとしては、例えば、コバルト、マンガン、バナジウム、セリウム、鉄、スズ、ジルコニウム、ビスマス、アルミニウム、ストロンチウム、チタン、亜鉛、バリウム、銅、カルシウム、鉛、ニッケル等の金属を含む有機金属化合物(例えば、金属有機酸塩化合物、金属キレート化合物、金属アルコキシド化合物、金属アシレート化合物等)等が使用できる。
具体的にドライヤーとしては、例えば、オクチル酸コバルト、ナフテン酸コバルト、オクチル酸マンガン、ナフテン酸マンガン、オクチル酸鉄、ナフテン酸鉄、オクチル酸スズ、ナフテン酸スズ、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジオクチエート、オクチル酸ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム、ジルコニウムテトラキス(アセチルアセトネート)、ジルコニウムビス(ブトキシ)ビス(アセチルアセトネート)、ジルコニウムエトキシド、ジルコニウムn-プロポキシド、ジルコニウムn-ブトキシド、アルミニウムモノアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、アルミニウムエチルアセトアセテートジイソプロピレート、アルミニウムエチレート、アルミニウムイソプロピレート、アルミニウムsec-ブチレート、チタニウムテトラキス(アセチルアセトネート)、チタニウムビス(ブトキシ)ビス(アセチルアセトネート)、チタンエトキシド、チタンイソプロポキシド、チタンn-ブトキシド、オクチル酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛、オクチル酸バリウム、ナフテン酸バリウム、オクチル酸銅、ナフテン酸銅、オクチル酸カルシウム、ナフテン酸カルシウム等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用できる。
本発明では、ドライヤーとして、コバルト、マンガン、バナジウム、セリウム、及び鉄からなる群から選ばれる1種以上の金属を含む有機金属化合物(S1)(以下「(S1)成分」ともいう)と、ジルコニウム、ビスマス、アルミニウム、ストロンチウム、チタン、亜鉛、バリウム、銅、及びカルシウムからなる群から選ばれる1種以上の金属を含む有機金属化合物(S2)(以下「(S2)成分」ともいう)とを含むことが好ましい。このような(S1)成分及び(S2)成分を含む場合、硬化性、耐リフティング性、重ね塗り適性等の効果向上の点で好適である。(S1)成分と(S2)成分との重量比率{(S1):(S2)}は、金属分換算で、好ましくは1:99~50:50、より好ましくは2:98~40:60である。
ドライヤーの混合比率は、酸化硬化型樹脂の固形分100重量部に対し、金属分換算で、好ましくは0.001重量部以上10重量部以下、より好ましくは0.01重量部以上8重量部以下である。ドライヤーがこのような混合比率であれば、硬化性、耐リフティング性、重ね塗り適性等の点で好適である。
[シラン化合物]
本発明におけるシラン化合物は、防食性向上化等の点で好適な成分である。このようなシラン化合物は、反応性シリル基を有する化合物である。反応性シリル基としては、珪素原子にアルコキシル基、フェノキシ基、メルカプト基、アミノ基、ハロゲン、水素原子等が結合したものが挙げられ、この中でも珪素原子にアルコキシル基が結合したアルコキシシリル基が好適である。具体的に、シラン化合物としては、例えば、テトラアルコキシシラン、アルキルトリアルコキシシラン、ジアルキルジアルコキシシラン、エポキシ基含有シランカップリング剤、アミノ基含有シランカップリング剤等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用できる。シラン化合物の混合比率は、特に限定されないが、エポキシ樹脂の固形分100重量部に対し、好ましくは0.1重量部以上30重量部以下、より好ましくは0.3重量部以上20重量部以下である。
[塗装対象基材]
本発明の被膜形成材の塗装対象基材としては、例えば、壁材、屋根材、梁、柱、手摺、エアコン室外機、扉、柵、架台、ガードレール、橋梁、鉄塔等の金属基材に好適に適用することができる。金属基材としては、例えば、鉄、冷延鋼、アルミニウム鋼、ステンレス鋼、銅鋼、溶融亜鉛メッキ鋼、溶融亜鉛・アルミニウム合金メッキ鋼、電気亜鉛メッキ鋼、電気合金メッキ鋼、合金メッキ鋼、銅メッキ鋼、錫メッキ鋼等の金属基材、あるいはこれらの金属基材にリン酸塩系やクロム酸塩系等の表面処理を施した金属基材等が挙げられる。また、これら金属基材は、アルキッド樹脂系、塩化ゴム系、アクリル樹脂系、ウレタン樹脂系、アクリルシリコン樹脂系、フッ素樹脂系等の各種既存被膜を有するものであってもよい。
被膜形成材の塗装方法としては、例えば、刷毛塗装、ローラー塗装、スプレー塗装、ロールコーター、フローコーター等、種々の方法を用いることができる。塗装時の塗付け量は、好ましくは30g/m以上500g/m以下、より好ましくは50g/m以上300g/m以下である。
また、被膜形成材の塗回数は、対象基材の表面状態等によって適宜設定すればよいが、好ましくは1~2回であることが好ましい。
本発明では、被膜形成材として1液型の形態にて使用することが好ましく、一旦塗装を行い、その塗膜が乾燥した後に、次の塗装(重ね塗り)を行えばよい。乾燥温度は、好ましくは-10℃以上50℃以下、より好ましくは-5℃以上40℃以下である。
本発明では、また、被膜形成材の塗装後、上塗材を塗装することもできる。
上塗材を塗装することにより、耐久性、耐汚染性、防食性、さらに美観性等を付与することができる。上塗材としては、例えば、酢酸ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アクリルシリコン樹脂、フッ素樹脂等を用いた上塗材を用いることができる。
以下に実施例及び比較例を示して、本発明の特徴をより明確にする。
表1に示す原料を用い、表2に示す配合にて、常法により混合し、被膜形成材を製造した。
(実施例、比較例)
得られた、被膜形成材を用いて、次の試験を行った。
(乾燥硬化性)
フィルムアプリケータ(すき間100μm)を用いて、ガラス板に被膜形成材を塗付し、標準状態(気温23℃、相対湿度50%)で3時間放置した。次いで、被膜表面を指先で擦り、擦り跡がつかなかったものを「a」、擦り跡がついたものを「d」とする4段階(a>b>c>d)にて評価を行った。
(防食性)
鋼板に対し、被膜形成材を乾燥膜厚が35μmとなるように塗付し、標準状態(気温23℃、相対湿度50%)で7日間養生し、試験体を得た。得られた試験体に対し、JIS K5600-7-9:2006に準じ、耐塩水噴霧試験(7日間)を行い、異常(錆、膨れ、割れ、及びはがれ)の発生状態を確認した。評価は、異常が認められなったものを「a」、明らかに異常が認められたものを「d」とする4段階(a>b>c>d)にて評価を行った。
Figure 2022156651000001
Figure 2022156651000002


Claims (3)

  1. 合成樹脂、顔料、及び非水溶剤を含む被膜形成材であって、
    上記合成樹脂は酸化硬化型樹脂であり、
    上記顔料の顔料容積濃度は30%以上70%以下であり、
    上記非水溶剤は、炭化水素溶剤、並びに、水酸基、エーテル基、及びエステル基から選ばれる1種以上の極性基を有する沸点70℃以上260℃以下の極性溶剤を含有するものであり、
    上記非水溶剤の混合比率は、上記合成樹脂の固形分100重量部に対し、上記炭化水素溶剤20重量部以上500重量部以下、上記極性溶剤0.5重量部以上50重量部以下であることを特徴とする被膜形成材。
  2. 上記顔料は、防錆顔料及び体質顔料を含むものであることを特徴とする請求項1記載の被膜形成材。
  3. 金属基材に対し、請求項1または請求項2に記載の被膜形成材を塗付することを特徴とする被膜形成方法。


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