JP2022156275A - 軸受装置、スピンドル装置、および電動垂直離着陸機 - Google Patents

軸受装置、スピンドル装置、および電動垂直離着陸機 Download PDF

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Abstract

【課題】軸受の予圧荷重を正確に検出し、軸受の状態を推定することが可能な軸受装置、スピンドル装置、および電動垂直離着陸機を提供する。【解決手段】軸受装置30は、軸受5aの内輪5ia、軸受5bの内輪5ib、および内輪間座6iで構成される内側部材と、軸受5aの外輪5ga、軸受5bの外輪5gb、および外輪間座6gで構成される外側部材とのうちいずれか一方が、軸受5aおよび軸受5bを固定する固定部に固定されて固定輪および固定側間座が形成され、他方が軸受装置30の主軸4を支持して回転する回転輪および回転側間座が形成される。軸受装置30は、固定輪または固定側間座に配置され、固定輪と固定側間座との間に発生する予圧荷重を検出する少なくとも1つの予圧検出センサ50と、少なくとも1つの予圧検出センサ50の信号から軸受5aおよび軸受5bの状態を推定する制御装置と、をさらに備える。【選択図】図2

Description

本開示は、軸受装置、スピンドル装置、および電動垂直離着陸機に関する。
軸受装置が設けられた各種装置では、装置の高剛性化が求められるとともに、装置の状態を監視する要求がある。
特開2019-190943号公報(特許文献1)には、回転体を支持する軸受の疲労状態を予測するシステムとして、偏角が生じた場合でも転がり軸受の寿命を含む疲労状態を正確に予測するシステムが開示されている。特許文献1の疲労状態予測システムでは、疲労状態を予測するために軸受に加わる荷重と偏角を計算しており、回転機械がモータの場合であればモータ電力、回転数、回転速度等の情報から疲労状態を予測している。
特開2010-43901号公報(特許文献2)には、車輪用軸受の内外部材のうち固定側部材の外径面に歪を検出するセンサユニットを180度の位相差をなす位置に2つ配置する車両用軸受が開示されている。特許文献2の車両用軸受では、各センサユニットから得られる出力信号の大きさから車輪用軸受に入力される荷重の大きさを推定し、各センサユニットから得られる出力信号の振幅から車輪用軸受に入力される荷重の方向を推定する技術が開示されている。
特開2020-3385号公報(特許文献3)には、軸方向に並ぶ複数の転がり軸受の間に間座を介在させた軸受装置において、軸受の静止輪の端面と間座端面との間に予圧センサを配置することで、軸受の予圧変化を検出する技術が開示されている。
特開2019-190943号公報 特開2010-43901号公報 特開2020-3385号公報
特許文献1では、軸受の疲労状態を予測するために回転機械の発電量またはモータ電力を使用して、軸受への荷重を算出している。特許文献1では、複雑な系で回転体を軸受によって支持する場合、荷重の算出精度は低下し、軸受の疲労状態を精度良く予測することは困難となる。特許文献1では、複数の計測値の情報(モータ電力、回転速度、回転回数)の具体的な取得方法は、言及していない。
特許文献2では、車輪用軸受の固定側部材の外径面に歪を検出するセンサユニットを配置している。特許文献2では、剛性の高い部材では歪の発生量が小さいことが想定され、小さな荷重の正確な検出は困難である。
特許文献3では、予圧センサに加わる荷重を検出する軸受装置の構造について言及しているが、正確な予圧荷重を算出するための推定方法については言及していない。
本開示は、上記の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、剛性の高い材質であっても軸受の予圧荷重を正確に検出し、軸受の状態を推定することが可能な軸受装置、スピンドル装置、および電動垂直離着陸機を提供することである。
本開示は、第1軸受と第2軸受とを備える軸受装置に関する。第1軸受および第2軸受の各々は、外輪と、内輪と、外輪と内輪との間に配置される複数の転動体と、複数の転動体を保持する保持器と、を含む。軸受装置は、第1軸受の内輪と第2軸受の内輪との間に配置される内輪間座と、第1軸受の外輪と第2軸受の外輪との間に配置される外輪間座と、をさらに備える。第1軸受および第2軸受は、第1軸受および第2軸受に予圧が印加されることにより軸受装置に支持される。軸受装置は、第1軸受の内輪、第2軸受の内輪、および内輪間座で構成される内側部材と、第1軸受の外輪、第2軸受の外輪、および外輪間座で構成される外側部材とのうちいずれか一方が、第1軸受および第2軸受を固定する固定部に固定されて固定輪および固定側間座が形成され、他方が軸受装置の主軸を支持して回転する回転輪および回転側間座が形成される。軸受装置は、固定輪または固定側間座に配置され、固定輪と固定側間座との間に発生する予圧荷重を検出する少なくとも1つの予圧検出センサと、少なくとも1つの予圧検出センサの信号から第1軸受および第2軸受の状態を推定する推定装置と、をさらに備える。
本開示によれば、剛性の高い材質であっても軸受の予圧荷重を正確に検出し、軸受の状態を正確に推定することができる軸受装置、スピンドル装置、および電動垂直離着陸機を実現することができる。
実施の形態1のスピンドル装置の概略構成を示す断面図である。 軸受装置の概略構成を示す図である。 図2のIII-III部分における予圧検出センサの配置を示す図である。 図3のIV-IV断面における断面図である。 図4のV方向から見た正面図である。 スピンドル装置と制御装置との位置関係を示す図である。 制御装置の一例を示すブロック図である。 制御装置が実行する処理を示すフローチャートである。 予圧検出センサの出力波形図である。 ハイパスフィルタ設定後の出力波形図である。 ローパスフィルタ設定後の出力波形図である。 実施の形態2の軸受装置の概略構成を示す図である。 実施の形態3の予圧検出センサの配置の一例を示す図である。 実施の形態4の軸受装置の概略構成を示す図である。 軸受装置が搭載される電動垂直離着陸機の斜視図である。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。以下に説明する実施の形態において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本開示の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。同一の部品、相当部品に対しては、同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。実施の形態における構成を適宜組み合わせて用いることは当初から予定されている。
[実施の形態1]
図1は、実施の形態1のスピンドル装置1の概略構成を示す断面図である。図2は、軸受装置30の概略構成を示す図である。図1に示すスピンドル装置1は、例えば、工作機械のビルトインモータ方式のスピンドル装置として使用される。この場合、工作機械主軸用のスピンドル装置1で支持されている主軸4の一端側には、モータ40が組み込まれ、他端側には、図示しないエンドミル等の切削工具が接続される。
スピンドル装置1は、軸受装置30と、主軸4と、モータ40と、モータ40の後方に配置される軸受16とを備える。軸受装置30は、軸受5a,5bを含む軸受5と、軸受5a,5bに隣接して配置される間座6とを含む。主軸4は、外筒2の内径部に埋設されたハウジング3に設けた複数の軸受5a,5bによって回転自在に支持される。
図2に示すように、第1軸受としての軸受5aは、内輪5iaと、外輪5gaと、転動体Taと、保持器Rtaとを含む。第2軸受としての軸受5bは、内輪5ibと、外輪5gbと、転動体Tbと、保持器Rtbとを含む。間座6は、内輪間座6iと、外輪間座6gとを含む。
軸受装置30は、予圧検出センサ50を含む。予圧検出センサ50は、外輪5gaおよび外輪間座6gに当接してはさまれるように配置される複数の予圧検出センサ50a、50bを含む。予圧検出センサ50は、当接する外輪5gaおよび外輪間座6gのうちどちらの部材に固定されていてもよく、その固定方法は接着が一般的だが、これに限定されない。
主軸4には、軸方向に離隔した軸受5aの内輪5iaおよび軸受5bの内輪5ibが締まり嵌めで嵌合されている。内輪5ia-5ib間には、内輪間座6iが配置され、外輪5ga-5gb間には、外輪間座6gが配置されている。
軸受5aは、内輪5iaと外輪5gaとの間に複数の転動体Taを配置した転がり軸受である。これら転動体Taは、保持器Rtaによって間隔が保持されている。軸受5bは、内輪5ibと外輪5gbとの間に複数の転動体Tbを配置した転がり軸受である。これら転動体Tbは、保持器Rtbによって間隔が保持されている。
軸受5a,5bは、軸方向の力で予圧を付与することが可能な軸受であり、アンギュラ玉軸受、深溝玉軸受、またはテーパころ軸受等を用いることができる。図2に示す軸受装置30には、アンギュラ玉軸受が用いられ、2個の軸受5a,5bが背面組み合わせ(DB組み合わせ)で設置されている。
実施の形態1においては、3つの軸受5a,5b、16で主軸4を支持する構造を例示して説明するが、2つまたは4つ以上の軸受で主軸4を支持する構造であってもよい。
単列の転がり軸受16は、円筒ころ軸受である。アンギュラ玉軸受である軸受5a,5bは、スピンドル装置1に作用するラジアル方向の荷重およびアキシアル方向の荷重を支持する。円筒ころ軸受である単列の軸受16は、工作機械主軸用のスピンドル装置1に作用するラジアル方向の荷重を支持する。
ハウジング3には、冷却媒体流路Gが形成される。ハウジング3と外筒2との間に冷却媒体を流すことにより、軸受5a,5bを冷却することができる。
軸受5a,5bとしてグリース潤滑の軸受を用いた場合には、潤滑油供給路は不要であるが、エアオイル潤滑等の潤滑が必要な場合には、外輪間座6gに潤滑油供給路が設けられる。なお、ここでは潤滑油供給路は図示しない。
組立時には、初めに主軸4に対して軸受5a、間座6、軸受5b、間座9が順に挿入され、ナット10を締めることによって初期予圧が与えられる。ナット10を締め付けることにより間座9を介して軸受5bの内輪5ibの端面に力が作用し、内輪5ibが内輪間座6iに向けて押される。この力は、内輪5ib、転動体Tb、外輪5gbと伝わり内輪5ibおよび外輪5gbの軌道面と転動体Tbとの間に予圧を与えるとともに、外輪5gbから外輪間座6gにも伝わる。右側の外輪5gbから外輪間座6gに押す力が作用し、予圧検出センサ50にも力が伝わる。
この力は、軸受5aにおいて、外輪5ga、転動体Ta、内輪5iaへと伝わり、左側の軸受5aの内輪5iaおよび外輪5gaの軌道面と転動体Taとの間にも予圧を与える。軸受5a,5bに付与される予圧は、例えば、外輪間座6gと内輪間座6iの幅の寸法差によって制限される移動量によって定まる。
その後、軸受5bの外輪5gbの右側がハウジング3に設けた段差部3aに当たるまで軸受5a,5bが取り付けられた主軸4がハウジング3に挿入される。最後に、前蓋12によって、軸受5aの外輪5gaの端面5ga2を押すことで主軸4がハウジング3に固定される。
単列の軸受16は、内輪16aを、主軸4の外周に嵌合した筒状部材15と内輪押さえ19とにより軸方向に位置決めされている。内輪押さえ19は、主軸4に螺着したナット20により抜け止めされている。軸受16の外輪16bは、筒状部材17に固定された位置決め部材21と、位置決め部材18とに挟まれている。内輪16aは、主軸4の伸縮に応じて一体的に筒状部材17に対して摺動するようになっている。
主軸4と外筒2との間に形成される空間部22における軸受5a,5bと単列の軸受16とで挟まれた軸方向の中間位置には、主軸4を駆動するモータ40が配置されている。モータ40のロータ14は、主軸4の外周に嵌合した筒状部材15に固定され、モータ40のステータ13は、外筒2の内周部に固定されている。なお、モータ40を冷却するための冷却媒体流路は、ここでは図示しない。
軸受5aの内輪5ia、軸受5bの内輪5ib、および内輪間座6iで構成される部材を内側部材と称する。軸受5aの外輪5ga、軸受5bの外輪5gb、および外輪間座6gで構成される部材を外側部材と称する。内側部材は、回転部としての主軸4を支持して回転輪および回転側間座となり、外側部材は、固定部としてのハウジング3に固定されて固定輪および固定側間座となる。
(予圧検出センサ50について)
次に、予圧検出センサ50について詳細に説明する。図3は、図2のIII-III部分における予圧検出センサ50の配置を示す図、図4は、図3のIV-IV断面における断面図、図5は、図4のV方向から見た正面図である。なお、説明に不要な部品は省略している。
図3では、外輪5gaの端面5ga1と外輪間座6gの端面6gaとの間に配置された予圧検出センサ50の配置例が示されている。図3に示すように、外輪5gaおよび外輪間座6gの周方向に90度等配で予圧検出センサ50a、50b、50c、50dが配置される。
予圧検出センサ50は、予圧検出センサ50に加わる荷重に応じた信号を出力するものであり、例えば、荷重に応じて電気抵抗値が変化する性質を利用した感圧センサである。予圧検出センサ50は、スピンドル装置1の剛性を著しく低下させることのない、高い剛性を有する感圧センサが望ましい。より具体的には、予圧検出センサ50は、面圧の変化で抵抗が変化する金属薄膜パターン(金属薄膜抵抗体)で形成される感圧素子である。
図4、図5に示すように、予圧検出センサ50は、例えば、絶縁性を有する基板51上に、面圧の変化で抵抗が変化する金属薄膜パターン(金属薄膜抵抗体)52と、それにつながる電極53とを含む。金属薄膜パターン52は、絶縁性を有する保護層54により保護される。保護層54は、電極53上には形成されないため、電極53に直接、配線を接続できる。電極53の表面には、例えば、銅、銀、金などの被膜を設け、被膜により配線との半田付けを容易にしてもよい。
基板51は、例えば、ジルコニア(ZrO)またはアルミナ(Al)を主成分にしたセラミック材料を使用する。セラミック材料は、高剛性で絶縁性が高く、基板51の表面平坦度を精度良く加工することができ、好都合である。基板51の厚さは、予圧検出センサ50の薄型化と圧縮方向の強度とを確保する観点から、例えば、0.3mm以上、5mm以下とするのが好ましい。
金属薄膜パターン52および電極53は、例えば、ニッケルクロム(NiCr)、クロム(Cr)系材料からなり、蒸着またはスパッタリング等で成膜される。金属薄膜パターンの厚さは、例えば、1μm以下である。また、保護層54は、絶縁性材料からなり、例えば、スパッタリング等でアルミナ(Al)または二酸化珪素(SiO)の薄膜が形成される。保護層54の膜厚は、例えば、2μm程度とされる。
金属薄膜パターン52を形成する基板51の上面は、その平坦度が1μm以下になるように研磨するとよい。基板51の上面と下面との平行度は、1μm以下にするのが好ましい。
(制御装置70について)
次に、制御装置70について詳細に説明する。図6は、スピンドル装置1と制御装置70との位置関係を示す図である。図7は、制御装置70の一例を示すブロック図である。制御装置70は、CPU(Central Processing Unit)機能とメモリ機能とを有し、予圧検出センサ50等から得られる情報を演算処理する。制御装置70は、演算処理結果から軸受5の状態を推定する推定装置としての機能を有する。
図6に示すように、工作機械100において制御装置70は、スピンドル装置1の外部に設けられている。これにより、制御装置70がスピンドル装置1の振動を直接受けることを防ぎ、制御装置70の耐久性を向上させることができる。
実施の形態では、剛性の高い材質であっても軸受の予圧荷重を正確に検出し、軸受の状態を推定することが可能な軸受装置30、スピンドル装置1について説明する。高剛性の材質では歪の発生量が小さいため印加される荷重が小さい場合には正確な荷重の計測が難しい場合がある。軸受装置30を有するスピンドル装置1は、軸受5と間座6との間に配置した予圧検出センサ50の信号から軸受5の状態を推定することにより、剛性の高い材質であっても軸受の予圧荷重を正確に検出し、軸受の状態を推定することができる。
図7に示すように、制御装置70は、出力波形計算部71と、軸受状態推定部72と、換算式記憶部75と、軸受余寿命推定部76とを備える。軸受状態推定部72は、軸受予圧推定部73と温度推定部74とを含む。制御装置70に入力される信号、出力される信号、および制御装置70において実行される各種処理について説明する。
軸受装置30は、軸受5と間座6とによって回転体を支持するものである。制御装置70、軸受5と間座6との間に配置した予圧検出センサ50により、軸受5と間座6との間に発生する荷重を検出する。具体的には、図2に示すように、軸受回転中に外輪5gaの軌道面5raと転動体Taとの接触面において、転動体Taの通過にともない、外輪5gaが変形することで予圧検出センサ50に荷重が印加される。
予圧検出センサ50は、印加される荷重に応じて、電気抵抗値が変化する。実施の形態1においては、予圧検出センサ50と3つの既知の抵抗値とでブリッジ回路を構成する。ブリッジ回路は、電気抵抗値の変化を電圧変化として制御装置70に信号を出力する。出力信号は、作動アンプを用いることにより増幅して制御装置70に入力してもよい。制御装置70は、予圧検出センサ50の出力信号から軸受30の状態を推定する。
制御装置70が実行する処理について、図8から図11を用いて説明する。図8は、制御装置70が実行する処理を示すフローチャートであり、図9は、予圧検出センサ50の出力波形図であり、図10は、ハイパスフィルタ設定後の出力波形図であり、図11は、ローパスフィルタ設定後の出力波形図である。
図8に示すように、制御装置70は、ステップS1において、予圧検出センサ50の出力信号を取得する。予圧検出センサ50の出力は、転動体Taが予圧検出センサ50の位置を通過するたびに変化する。制御装置70は、予圧検出センサ50に荷重が印加されることにより得られる出力信号を取得する。スピンドル装置1が回転し温度が一定で変化(昇温)している場合、予圧検出センサ50から得られる出力波形は、図9のようなグラフとなる。
次いで、制御装置70は、ステップS2において、固定輪の回転速度情報、軸受緒元に基づいてフィルタを設定する。具体的には、ステップS2において、制御装置70の出力波形計算部71は、回転速度80と軸受諸元81とからHPF(ハイパスフィルタ)とLPF(ローパスフィルタ)とを設定する。HPF(ハイパスフィルタ)とLPF(ローパスフィルタ)とは、出力波形計算部71内に形成される。
次いで、制御装置70は、ステップS3において、出力信号をフィルタにかける。具体的には、ステップS3において、制御装置70の出力波形計算部71は、HPF(ハイパスフィルタ)で低周波成分を除去することで、出力信号から図10に示す転動体通過周期成分である正弦波の変化による出力波形を抽出し、LPF(ローパスフィルタ)で高周波成分を除去することで、出力信号から図11に示す転動体非通過周期成分である直線的な変化による出力波形を抽出する。
予圧検出センサ50の出力信号を分離する方法として、センサ出力のある一定時間の間の変化の平均値を用いても良い。これによれば、ステップS2においてフィルタを形成する処理部を省略することができる。
(軸受状態推定部72について)
次に、制御装置70に含まれる軸受状態推定部72が実行する処理について説明する。軸受状態推定部72は、軸受予圧推定部73と温度推定部74とを含む。軸受状態推定部72は、軸受予圧推定部73における処理により軸受予圧荷重82の値を出力し、温度推定部74における処理により軸受温度83の値を出力する。換算式記憶部75は、あらかじめ実験や計算などによって取得した軸受予圧荷重82に対する出力波形の変化を換算式として保存する。軸受状態推定部72は、軸受予圧推定部73において換算式を用いた処理を実行する。
換算式記憶部75は、あらかじめ実験や計算などによって取得した軸受温度83に対する出力波形の変化を換算式として保存する。軸受状態推定部72は、温度推定部74において換算式を用いた処理を実行する。軸受状態推定部72は、軸受予圧推定部73、温度推定部74の処理結果から軸受状態を推定する。軸受予圧推定部73および温度推定部74において実行される処理について詳細に説明する。
(軸受予圧推定部73について)
制御装置70は、ステップS4において、図10に示す転動体通過周期成分の出力波形と換算式とに基づき外部から印加させる軸受予圧荷重を推定する。図10に示す転動体通過周期成分は、予圧検出センサ50の直下の外輪5gaを転動体Taが通過する際に、外輪5gaに加わる転動体荷重の変化が正弦波として検出される。
具体的に、図10では、予圧検出センサ50に印加される荷重が増加するにつれて、外輪5gaの変形も大きくなり、出力波形の最大値と出力波形の最小値の差は大きくなり、予圧検出センサ50に印加される荷重が減少するにつれて、出力波形の最大値と出力波形の最小値の差は小さくなる。
換算式記憶部75には、あらかじめ実験や計算などによって取得した軸受予圧荷重82に対する出力波形の振幅の大きさの変化を換算係数あるいは近似式とした換算式が保存されている。軸受予圧推定部73は、転動体通過周期成分の出力波形を換算式に入力することにより軸受予圧荷重82を算出する。
例えば、印加される荷重と予圧検出センサ50の出力が比例関係で変化する場合、y=Ax+Bという換算式が成り立つ。AとBとは、あらかじめ実験や計算などによって取得した値である。xには図10に示す出力波形の最大値と出力波形の最小値との差(ピークtoピーク)が入力され、印加される荷重がyとして得られる。
(温度推定部74について)
制御装置70は、ステップS5において、図11に示す転動体非通過周期成分の出力波形と換算式とに基づき軸受温度を推定する。図11に示す転動体非通過周期成分では、温度変化によって外輪が5ga膨張または収縮したときの、予圧検出センサ50に加わる荷重と荷重センサの出力との関係が直線的な変化として検出される。
具体的に、図11では、外輪5gaの温度変化に応じて、外輪5gaが軸方向に膨張または収縮することで、予圧検出センサ50に加わる荷重に変化が発生する。外輪5gaの温度が一定の変化割合で昇温している場合、図11に示すように、温度変化により予圧検出センサ50に加わる荷重が増加するに連れて出力信号が増加するグラフとなる。
換算式記憶部75には、あらかじめ実験や計算などによって取得した予圧検出センサの温度に対する出力波形の変化を換算係数あるいは近似式とした換算式が保存されている。温度推定部74は、転動体非通過周期成分の出力波形を換算式に入力することにより軸受温度83を算出する。
例えば、温度変化により予圧検出センサ50に加わる荷重の出力変化と軸受温度が比例関係で変化する場合、y=Ax+Bという換算式が成り立つ。AとBとは、あらかじめ実験や計算などによって取得した値である。xには図11に示す予圧検出センサ50の出力信号の値が入力され、軸受温度がyとして得られる。
あらかじめ実験で換算係数あるいは近似式を算出する方法として、例えば、主軸4が非回転状態において、ヒータ等の熱源および温度測定機器を外輪5ga、あるいは外輪間座6gに取り付けておき、温度変化させたときの温度測定値と予圧検出センサ50の出力値を取得してもよい。
(軸受余寿命推定部76について)
制御装置70は、ステップS6において、軸受予圧荷重、軸受温度、固定輪の回転速度情報、軸受緒元に基づき、軸受余寿命、軸受交換時期を推定し、処理を終了する。制御装置70に含まれる軸受余寿命推定部76は、軸受予圧推定部73で推定した軸受予圧荷重値、温度推定部74で推定した軸受温度、回転速度80、軸受諸元81の情報を利用し演算することにより、軸受余寿命、軸受交換時期を推定する。
軸受余寿命推定部76では、基本定格寿命を演算し、軸受余寿命を推定する。基本定格寿命は、軸受予圧推定部73で推定した軸受予圧荷重82、回転速度80、軸受諸元81から算出する。この時、運転時間から軸受の疲労状態を積算値として演算する。基本定格寿命の代替として、運転時間を取得し、軸受の疲労状態を推定してもよい。温度の情報から軸受の疲労状態を推定しても良いし、潤滑材の状態を推定する情報として利用してもよい。軸受余寿命推定部76は、軸受交換時期85を出力する機能を備えてもよい。
制御装置70は、算出した予圧荷重(動等価荷重)、回転速度、軸受諸元より基本定格寿命L10(L10h)を算出する。
10=(C/P) …(1)
10h=(10/60n)×(C/P) …(2)
上記において、L10は基本定格寿命(10回転)、L10hは基本定格寿命(時間)、Cは基本動定格荷重、Pは動等価荷重、nは回転速度、aは球軸受であれば3、ころ軸受であれば10/3である。
基本動定格荷重Cは、軸受諸元より決定する。動等価荷重Pは、予圧検出センサ50の出力より推定した値から決定する。回転速度nは、軸受外部に設けた回転速度検出機等から得られる回転速度の情報から決定する。
軸受の寿命は、上記の式(1)、(2)によって算出された結果と運転時間の積算値とから推定される。これにより、軸受に加わった荷重(動等価荷重)の履歴を利用し、軸受余寿命84を推定することで、推定の精度を上げることができる。なお、軸受寿命に実験に基づく補正係数等を用いれば、推定精度を上げることができる。軸受余寿命推定部76では、推定した軸受余寿命84から軸受交換時期85を算出する。
例えば、基本動定格荷重C1の軸受について、動等価荷重P、回転速度n1の軸受予寿命84を求める場合、式(2)からL10h1が求められ、L10h1と運転時間との差から、軸受予寿命84が求められる。例えば、軸受交換時期85は、軸受予寿命84がある閾値以下になったとき、という運用とすればよい。閾値については、軸受型番ごとに決めるのが望ましい。
制御装置70は、予圧検出センサ50、回転速度80、軸受諸元81等の情報から図8の処理を実行することにより軸受予圧荷重82、軸受温度83、軸受余寿命84、軸受交換時期85を出力することが可能となる。予圧検出センサ50は、高い剛性を有する感圧センサであるため剛性の高い材質の荷重についても正確に信号を出力することができる。このため、軸受装置30は、剛性の高い材質においても軸受の予圧荷重を正確に検出し、軸受の状態を正確に推定することができる。
[実施の形態2]
図12は、実施の形態2の軸受装置30Aの概略構成を示す図である。実施の形態2の軸受装置30Aは、実施の形態1の軸受装置30と比較し、予圧検出センサ50の位置が異なる。
図12に示すように、予圧検出センサ50は、外輪間座6gを軸方向に2分割した一方の外輪間座6g1の端面6g1aと、他方の外輪間座6g2の端面6g2aとに当接するように配置される。
予圧検出センサ50に当接する外輪間座6g1の端面6g1a、および予圧検出センサ50を押圧する外輪間座6g2の端面6g2aは、平坦度と面粗さ、およびこれら端面6g1a、6g2aの平行度を基準値以下になるよう加工する必要がある。外輪間座6g1と6g2とは、分割可能であるためそれぞれ単体で精度良く加工することができる。
外輪間座6g2の端面6g2aに図示しない凸面を設け、この凸面と予圧検出センサ50とが当接するようにしてもよい。外輪間座6g1の端面6g1aに図示しない凸面を設け、この凸面に予圧検出センサ50を固定してもよい。2分割した外輪間座6g1、6g2が分離しないように、図示しないピンで位置合わせしてもよい。この場合、機械加工精度が求められる面積を小さくできるため、加工が容易になるとともに、加工時間を短縮することができる。
[実施の形態3]
図13は、実施の形態3の予圧検出センサ50の配置の一例を示す図である。実施の形態3の予圧検出センサ50は、実施の形態1の予圧検出センサ50と比較し、配置が異なる。
図13では、外輪間座6gの周方向に120度等配で予圧検出センサ50a、50b、50cが配置される。予圧検出センサ50の数は、予圧検出センサ50を介して外輪5gaの端面5ga1を均等にバランス良く押すことができればよく、3個以上が好ましい。予圧検出センサ50は、ほぼ同一円周上に等間隔に配置するのが好ましい。
[実施の形態4]
図14は、実施の形態4の軸受装置30Bの概略構成を示す図である。実施の形態4の軸受装置30Bは、実施の形態2の軸受装置30Aと比較し、制御装置70の位置が異なる。
制御装置70は、図14に示すように、外輪間座6g1に設けても良い。制御装置70は、予圧検出センサ50の傍で処理することで、ノイズの影響を受けにくく、処理の精度を向上させることができる。制御装置70は、樹脂等の絶縁材23で覆われる。これにより、外輪間座6gへの固定が強固になり、絶縁性を確保することができる。なお、制御装置70は、外輪間座6g2に設けても良い。
[電動垂直離着陸機の構成]
近年では、自動車に代わる移動手段として飛行可能な自動車、いわゆる空飛ぶクルマが注目されている。空飛ぶクルマは、地域内移動、地域間移動、観光・レジャー、救急医療、災害救助など、様々な場面での活用を期待されている。
空飛ぶクルマとして、垂直離着陸機(VTOL;Vertical Take-Off and Landing aircraft)が注目されている。垂直離着陸機は、空と離発着場とを垂直に昇降できることから、滑走路を必要とせず、利便性に優れる。特に、近年ではCO2の削減に向けた社会的要請などから、バッテリとモータとで飛行するタイプの電動垂直離着陸機(eVTOL)が開発の主流となっている。
上記実施形態の軸受装置は、このような電動垂直離着陸機に搭載されてもよい。実施形態1における軸受装置30が搭載された電動垂直離着陸機の構成を例に挙げて、図15を用いて説明する。
図15に示されるように、電動垂直離着陸機101は、機体中央に位置する本体部102と、前後左右に配置された4つの駆動部103とを有するマルチコプターである。駆動部103は、電動垂直離着陸機101の揚力および推進力を発生させる装置である。駆動部103の駆動によって電動垂直離着陸機101が飛行する。電動垂直離着陸機101において駆動部103は複数あればよく、4つに限定されない。
本体部102は乗員(たとえば1~2名程度)が搭乗可能な居住空間を有している。この居住空間には、進行方向や高度などを決めるための操作系や、高度、速度、飛行位置などを示す計器類などが設けられている。本体部102からは4本のアーム102aがそれぞれ延び、各アーム102aの先端に駆動部103が設けられている。アーム102aには、回転翼104を保護するため、回転翼104の回転周囲を覆う円環部が一体に設けられている。また、本体部102の下部には、着陸時に機体を支えるスキッド102bが設けられている。
駆動部103は、上下1対の回転翼104と、該回転翼104を回転させるモータ装置105とを有している。駆動部103において、上下1対の回転翼104はモータ装置105を挟んで軸方向両側に設けられている。上下1対の回転翼104の各々は、径方向外側へ延びる2枚の羽根を有している。
本体部102には、バッテリ(図示省略)および制御装置(図示省略)が設けられている。制御装置はフライトコントローラとも呼ばれる。電動垂直離着陸機101の制御は、制御装置によって、たとえば以下のように実施される。制御装置が、現姿勢と目標姿勢との差から揚力を調整すべきモータ装置105に回転数変更の指令を出力する。その指令に基づいて、モータ装置105に備えられたアンプがバッテリからモータ装置105へ送る電力量を調整し、モータ装置105(および回転翼104)の回転数が変更される。また、モータ装置105の回転数の調整は、複数のモータ装置105に対して、同時に実施され、それによって機体の姿勢が決まる。
モータ装置105に対して実施の形態1の軸受装置30に用いる場合、主軸4を回転軸として適用し、回転軸の一端側に上述の上側回転翼が取り付けられ、他端側にモータ装置105のロータ14が取り付けられている。ロータ14は、筒状部材15に固定されたステータ13に対向配置され、該ステータ13に対して回転可能になる。なお、モータ装置105には、アウターロータ型のブラシレスモータまたはインナーロータ型のブラシレスモータの構成を採用することができる。
モータ装置105は、外筒2と、ハウジング3と、ロータ14と、ステータ13と、アンプ(図示省略)と、2個の軸受5a、5bとを有している。外筒2とハウジング3と間には冷却媒体流路が設けられている。この流路に冷却媒体を流すことにより、過度の温度上昇が防止される。外筒2およびハウジング3の材質は特に限定されず、たとえば鉄系材料、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)などであってもよい。
また、実施の形態1のモータ装置105を軸受装置30に用いる場合、軸受装置30は、外筒2内で回転軸を回転自在に支持している。2個の軸受5a、5bの間には内輪間座6iおよび外輪間座6gが挿入され、外輪5ga、5gbおよび内輪5ia、5ibの各々に予圧が印加されている。
なお、駆動部における軸受構成は、他の構成であってもよい。図15では、モータ装置105の回転軸と回転翼104の回転軸とが同一の回転軸であるが、モータ装置105の回転軸と回転翼104の回転軸とが伝達機構を介して接続された構成であってもよい。この場合、駆動部における回転軸を支持する軸受装置は、モータ装置105の回転軸を支持する軸受装置でもよく、回転翼の回転軸を支持する軸受装置でもよい。
(まとめ)
本開示は、第1軸受としての軸受5aと第2軸受としての軸受5bとを備える軸受装置30である。軸受装置30は、外輪5ga、5gbと、内輪5ia、5ibと、外輪5ga、5gbと内輪5ia、5ibとの間に配置される複数の転動体Ta、Tbと、複数の転動体Ta、Tbを保持する保持器Rta、Rtbと、を含む。軸受装置30は、軸受5aの内輪5iaと軸受5bの内輪5ibとの間に配置される内輪間座6iと、軸受5aの外輪5gaと軸受5bの外輪5gbとの間に配置される外輪間座6gと、をさらに備える。軸受5aおよび軸受5bは、軸受5aおよび軸受5bに予圧が印加されることにより軸受装置30に支持される。軸受装置30は、軸受5aの内輪5ia、軸受5bの内輪5ib、および内輪間座6iで構成される内側部材と、軸受5aの外輪5ga、軸受5bの外輪5gb、および外輪間座6gで構成される外側部材とのうちいずれか一方が、軸受5aおよび軸受5bを固定する固定部に固定されて固定輪および固定側間座が形成され、他方が軸受装置30の主軸4を支持して回転する回転輪および回転側間座が形成される。軸受装置30は、固定輪または固定側間座に配置され、固定輪と固定側間座との間に発生する予圧荷重を検出する少なくとも1つの予圧検出センサ50と、少なくとも1つの予圧検出センサ50の信号から軸受5aおよび軸受5bの状態を推定する制御装置70と、をさらに備える。
このような構成を備えることによって、軸受装置30は、剛性の高い材質であっても軸受の予圧荷重を正確に検出し、軸受の状態を正確に推定することができる。
好ましくは、少なくとも1つの予圧検出センサ50は、複数の予圧検出センサ50a、50b、50c、50dを含み、複数の予圧検出センサ50a、50b、50c、50dは、固定輪または固定側間座のいずれか一方の周方向に配置されている。
このような構成を備えることによって、軸受装置30は、予圧検出センサ50に加わる荷重を正確に検出することができる。
好ましくは、少なくとも1つの予圧検出センサ50は、荷重により電気抵抗値が変化し、制御装置70は、変化した電気抵抗値を用いて予圧荷重を推定する。
このような構成を備えることによって、軸受装置30は、剛性の高い材質であっても予圧検出センサ50が検出した値から軸受に加わる荷重を正確に検出することができる。
好ましくは、固定側間座は、外輪間座6gである。
このような構成を備えることによって、軸受装置30は、外輪間座6g部分に加わる荷重を正確に検出することができる。
好ましくは、制御装置70は、回転輪の回転速度情報と、軸受諸元と、少なくとも1つの予圧検出センサ50の出力信号とを演算処理し、演算処理の処理結果を換算する換算式に処理結果を入力し、換算式で換算された結果から固定輪の状態を推定する。
このような構成を備えることによって、軸受装置30は、剛性の高い材質であっても軸受の予圧荷重を正確に検出し、軸受の状態を正確に推定することができる。
好ましくは、制御装置70は、回転速度情報と軸受緒元とからフィルタを設定し、出力信号をフィルタにかけることにより、出力信号から、複数の転動体Taの回転成分である転動体通過周期成分と、転動体通過周期成分以外の転動体非通過周期成分とを抽出する。
このような構成を備えることによって、軸受装置30は、出力信号を転動体通過周期成分と、転動体非通過周期成分とに分けることができる。
好ましくは、制御装置70は、転動体通過周期成分を換算式に入力することにより軸受5aおよび軸受5bに印加される予圧荷重を推定し、転動体非通過周期成分を換算式に入力することにより軸受5aおよび軸受5bの温度を推定する。
このような構成を備えることによって、軸受装置30は、軸受5aおよび軸受5bに印加される予圧荷重および温度を推定することができる。
好ましくは、制御装置70は、回転速度情報と、軸受諸元と、制御装置70の推定結果とから軸受余寿命および軸受交換時期を推定する。
このような構成を備えることによって、軸受装置30は、軸受余寿命および軸受交換時期を推定することができる。
好ましくは、軸受装置30は、スピンドル装置1に適用してもよい。
このような構成を備えることによって、スピンドル装置1が剛性の高い材質であっても軸受の予圧荷重を正確に検出し、軸受の状態を正確に推定することができる。
好ましくは、軸受装置30は、軸受装置30により回転可能に支持された回転翼104を備え、回転翼104の回転により飛行する、電動垂直離着陸機101に適用してもよい。
このような構成を備えることによって、電動垂直離着陸機101が剛性の高い材質であっても軸受の予圧荷重を正確に検出し、軸受の状態を正確に推定することができる。
(変形例)
上記実施の形態では、外輪5gaおよび外輪間座6gが固定部に固定されて固定輪および固定側間座となり、内輪5iaおよび内輪間座6iが回転部を支持して回転する回転輪および回転側間座となっていた。しかし、内輪5iaおよび内輪間座6iが固定部に固定されて固定輪および固定側間座となり、外輪5gaおよび外輪間座6gが回転部を支持して回転する回転輪および回転側間座となってもよい。この場合、予圧検出センサ50は、内輪5iaまたは内輪間座6iに配置すればよい。
予圧検出センサ50は、軸受5aの外輪5gaおよび外輪間座6gに当接してはさまれるように配置されているが、軸受5bの外輪5gbおよび外輪間座6gに当接してはさまれるように配置されてもよい。予圧検出センサ50は、軸受5aの外輪5gaおよび外輪間座6gに当接してはさまれるとともに、軸受5bの外輪5gbおよび外輪間座6gに当接してはさまれるように配置されてもよい。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 スピンドル装置、2 外筒、3 ハウジング、4 主軸、5,5a,5b 軸受、5ga,5gb 外輪、5ia,5ib 内輪、6 間座、6g 外輪間座、6i 内輪間座、13 ステータ、14 ロータ、30 軸受装置、40 モータ、50 予圧検出センサ、51 基板、52 金属薄膜パターン、53 電極、54 保護層、70 制御装置、71 出力波形計算部、72 軸受状態推定部、73 軸受予圧推定部、74 温度推定部、75 換算式記憶部、76 軸受余寿命推定部、80 回転速度、81 軸受諸元、82 軸受予圧荷重、83 軸受温度、84 軸受余寿命、85 軸受交換時期、100 工作機械、101 電動垂直離着陸機、Rta,Rtb 保持器、Ta,Tb 転動体。

Claims (10)

  1. 第1軸受と第2軸受とを備える軸受装置であって、
    前記第1軸受および前記第2軸受の各々は、
    外輪と、
    内輪と、
    前記外輪と前記内輪との間に配置される複数の転動体と、
    前記複数の転動体を保持する保持器と、を含み、
    前記軸受装置は、
    前記第1軸受の内輪と前記第2軸受の内輪との間に配置される内輪間座と、
    前記第1軸受の外輪と前記第2軸受の外輪との間に配置される外輪間座と、をさらに備え、
    前記第1軸受および前記第2軸受は、前記第1軸受および前記第2軸受に予圧が印加されることにより前記軸受装置に支持され、
    前記第1軸受の内輪、前記第2軸受の内輪、および前記内輪間座で構成される内側部材と、前記第1軸受の外輪、前記第2軸受の外輪、および前記外輪間座で構成される外側部材とのうちいずれか一方が、前記第1軸受および前記第2軸受を固定する固定部に固定されて固定輪および固定側間座が形成され、他方が前記軸受装置の主軸を支持して回転する回転輪および回転側間座が形成され、
    前記軸受装置は、
    前記固定輪または前記固定側間座に配置され、前記固定輪と前記固定側間座との間に発生する予圧荷重を検出する少なくとも1つの予圧検出センサと、
    前記少なくとも1つの予圧検出センサの信号から前記第1軸受および前記第2軸受の状態を推定する推定装置と、をさらに備える、軸受装置。
  2. 前記少なくとも1つの予圧検出センサは、複数の予圧検出センサを含み、
    前記複数の予圧検出センサは、前記固定輪または前記固定側間座のいずれか一方の周方向に配置されている、請求項1に記載の軸受装置。
  3. 前記少なくとも1つの予圧検出センサは、荷重により電気抵抗値が変化し、
    前記推定装置は、変化した電気抵抗値を用いて予圧荷重を推定する、請求項1または請求項2に記載の軸受装置。
  4. 前記固定側間座は、前記外輪間座である、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の軸受装置。
  5. 前記推定装置は、
    前記回転輪の回転速度情報と、軸受諸元と、前記少なくとも1つの予圧検出センサの出力信号とを演算処理し、
    前記演算処理の処理結果を換算する換算式に前記処理結果を入力し、
    前記換算式で換算された結果から前記固定輪の状態を推定する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の軸受装置。
  6. 前記推定装置は、
    前記回転速度情報と前記軸受緒元とからフィルタを設定し、
    前記出力信号を前記フィルタにかけることにより、前記出力信号から、前記複数の転動体の回転成分である第1成分と、前記第1成分以外の第2成分とを抽出する、請求項5に記載の軸受装置。
  7. 前記推定装置は、
    前記第1成分を前記換算式に入力することにより前記第1軸受および前記第2軸受に印加される予圧荷重を推定し、
    前記第2成分を前記換算式に入力することにより前記第1軸受および前記第2軸受の温度を推定する、請求項6に記載の軸受装置。
  8. 前記推定装置は、前記回転速度情報と、前記軸受諸元と、前記推定装置の推定結果とから軸受余寿命および軸受交換時期を推定する、請求項7に記載の軸受装置。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の軸受装置を備える、スピンドル装置。
  10. 請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の軸受装置と、
    前記軸受装置により回転可能に支持された回転翼と、を備え、
    前記回転翼の回転により飛行する、電動垂直離着陸機。
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