JP2022154868A - ハブユニット軸受 - Google Patents

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良雄 神谷
Yoshio Kamiya
達男 若林
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Abstract

【課題】製造コストを抑えつつ、ハブ輪に対する内輪のクリープを防止でき、かつ、剛性を確保できるハブユニット軸受を提供する。【解決手段】ハブ3は、ハブ輪14と、内輪15とを含む。ハブ輪14は、軸方向内側部に嵌合軸部16を有する。内輪15は、軸受鋼製で、外周面に軸方向内側の内輪軌道8b、内周面20と軸方向外側面21との接続部に外側面取り部22、および、内周面20と軸方向内側面23との接続部に内側面取り部24を有し、かつ、内周面20が嵌合軸部16の外周面17に圧入嵌合されている。外側面取り部22の軸方向幅寸法が、該外側面取り部22の径方向幅寸法よりも大きく、内側面取り部24の径方向幅寸法が、該内側面取り部24の軸方向幅寸法よりも大きく、軸方向内側列の転動体4bの接触角を表す仮想直線αが、嵌合軸部16の外周面17と内輪15の内周面20との嵌合部26を通過している。【選択図】図1

Description

本発明は、自動車の車輪を懸架装置に対して回転自在に支持するためのハブユニット軸受に関する。
自動車の車輪は、ハブユニット軸受により懸架装置に対して回転自在に支持される。ハブユニット軸受は、内周面に複列の外輪軌道を有する外輪と、外周面に複列の内輪軌道を有するハブと、前記複列の外輪軌道と前記複列の内輪軌道との間に、それぞれの列ごとに複数個ずつ、背面組み合わせ型の接触角を付与されて配置された転動体とを備える。
このようなハブユニット軸受において、たとえば特開2003-048405号公報(特許文献1)などに記載されているように、ハブが、ハブ輪と内輪とを含む、複数の部品を組み合わせることにより構成された構造が普及している。具体的には、ハブ輪は、軸方向内側部に嵌合軸部を有する。内輪は、外周面に複列の内輪軌道のうちの軸方向内側の内輪軌道を有し、かつ、内周面が嵌合軸部の外周面に圧入嵌合されている。なお、ハブユニット軸受に関して、軸方向外側は、車両への組付け状態で車両の幅方向外側であり、軸方向内側は、車両への組付け状態で車両の幅方向中央側である。
ハブユニット軸受は、大きな荷重を支承する軸受であり、特に、軸方向内側列の転動体に大きな荷重がかかる。このため、軸方向内側列の転動体と転がり接触する内輪の材料として、該転動体の転がり接触面圧の周方向移動に伴う内部せん断応力(動的せん断応力τ)に強い、軸受鋼が用いられる。また、内輪は、ハブ輪の嵌合軸部の外周面と該外周面の軸方向外側に隣接する段差面との接続部である隅部の応力集中を緩和したり、ハブ輪の嵌合軸部の外周面に内輪の内周面を軸方向内側から圧入嵌合する際の乗り上げガイドとしての機能を確保したり、加工時の打痕やバリの発生を抑制したりするために、内周面と軸方向外側面との接続部に外側面取り部を有する。前記乗り上げガイドとしての機能により、嵌合軸部の外周面に内輪の内周面を軸方向内側から圧入嵌合する際に内輪の姿勢が傾くことが防止され、内輪の内周面の軸方向外端縁部が嵌合軸部の外周面に対して食い込む(かじる)などの不都合が防止される。さらに、内輪は、駆動軸部材を構成する等速ジョイント用外輪の軸方向外側面(内輪の軸方向内側面に対する突き当て面)とスプライン軸部(ハブ輪の径方向中心部に備えられたスプライン孔にスプライン係合させる軸部)の外周面との接続部である隅部との干渉を防止したり、加工時の打痕やバリの発生を抑制したりするために、内周面と軸方向内側面との接続部に内側面取り部を有する。
ハブユニット軸受では、たとえば特開2003-048405号公報の図面にも開示されているように、外側面取り部および内側面取り部のそれぞれは、軸方向幅寸法と径方向幅寸法とを等しくする構成、あるいは、軸方向幅寸法を径方向幅寸法よりも大きくする構成を有する。
ハブユニット軸受では、たとえば特開2003-048405号公報の図面にも開示されているように、軸方向内側列の転動体の接触角を表す仮想直線が、嵌合軸部の外周面と内輪の内周面との嵌合部を通過する構成を採用する。このような構成を採用すれば、軸方向内側列の転動体にかかる荷重を嵌合軸部でしっかりと支承できるため、ハブユニット軸受の剛性を確保しやすい。
特開2003-048405号公報
ハブユニット軸受において、内輪の材料として用いられる軸受鋼は、組織内に球状化セメンタイトを有し、転がり疲労に強い反面、引っ張り応力に弱く、嵌め合い円周応力、すなわち、圧入嵌合に伴って生じる円周方向の引っ張り応力は、127MPa以下が推奨されている。このような軸受鋼はクロム等の合金成分を含み、製造工程では、長時間の焼鈍処理によりセメンタイトが球状化され、焼き入れの際も、球状セメンタイトから母材へ炭素を拡散させる必要があるため、長時間の熱処理が必要となる。このため、軸受鋼は、ハブ輪の材料として用いられる中炭素鋼などに比べて、高価である。
したがって、ハブユニット軸受の製造コストを抑えるためには、内輪の軸方向幅寸法を小さくして、内輪の材料となる軸受鋼の使用量を少なくすることが有効であると考えられる。
ただし、単に内輪の軸方向幅寸法を小さくすると、ハブ輪の嵌合軸部の外周面と内輪の内周面との嵌合部の軸方向幅寸法が不足し、ハブ輪に対して内輪がクリープ(相対回転)しやすくなる可能性がある。この場合、嵌合部の軸方向幅寸法の不足分を、嵌合部の締め代を増やすことで補う方法も考えられるが、嵌合部の締め代を増やすと内輪の嵌め合い円周応力が大きくなるため、内輪の耐久性を確保する観点から、好ましくない。
また、単に内輪の軸方向幅寸法を小さくすると、軸方向内側列の転動体の接触角を表す仮想直線が、嵌合軸部の外周面と内輪の内周面との嵌合部よりも軸方向内側にずれた箇所を通過する、すなわち、ハブユニット軸受の剛性が低下する可能性がある。
本発明は、製造コストを抑えつつ、ハブ輪に対する内輪のクリープを防止でき、かつ、剛性を確保できるハブユニット軸受を提供することを目的とする。
本発明の一態様のハブユニット軸受は、内周面に複列の外輪軌道を有する外輪と、外周面に複列の内輪軌道を有するハブと、前記複列の外輪軌道と前記複列の内輪軌道との間に、それぞれの列ごとに複数個ずつ、背面組み合わせ型の接触角を付与されて配置された転動体とを備える。
前記ハブは、ハブ輪と、内輪とを含む。
前記ハブ輪は、軸方向内側部に嵌合軸部を有する。
前記内輪は、軸受鋼製で、外周面に前記複列の内輪軌道のうちの軸方向内側の内輪軌道、内周面と軸方向外側面との接続部に外側面取り部、および、内周面と軸方向内側面との接続部に内側面取り部を有し、かつ、内周面が前記嵌合軸部の外周面に圧入嵌合されている。
前記外側面取り部の軸方向幅寸法が、該外側面取り部の径方向幅寸法よりも大きい。
前記内側面取り部の径方向幅寸法が、該内側面取り部の軸方向幅寸法よりも大きい。
軸方向内側列の前記転動体の接触角を表す仮想直線が、前記嵌合軸部の外周面と前記内輪の内周面との嵌合部を通過している。
本発明の一態様では、前記ハブ輪は、前記嵌合軸部の軸方向内端部から径方向外側に向けて折れ曲がったかしめ部を有し、該かしめ部により前記内輪の前記内側面取り部が抑え付けられている。
本発明の一態様では、前記転動体が玉により構成されており、軸方向内側列の前記玉の中心から前記内輪の軸方向外側面までの軸方向距離が、軸方向内側列の前記玉の直径以下の大きさである。
本発明の一態様のハブユニット軸受によれば、製造コストを抑えつつ、ハブ輪に対する内輪のクリープを防止でき、かつ、剛性を確保できる。
図1は、本発明の実施の形態の第1例のハブユニット軸受の半部断面図である。 図2は、一部を省略して示す、図1の右側部の拡大図である。 図3は、本発明の実施の形態の第2例のハブユニット軸受の半部断面図である。
[実施の形態の第1例]
本発明の実施の形態の第1例について、図1および図2を用いて説明する。
本例のハブユニット軸受1は、内輪回転型、かつ、駆動輪用であって、外輪2と、ハブ3と、転動体4a、4bとを備える。なお、ハブユニット軸受1に関して、軸方向外側は、車両への組付け状態で車両の幅方向外側となる図1の左側であり、軸方向内側は、車両への組付け状態で車両の幅方向中央側となる図1の右側である。
外輪2は、中炭素鋼などの硬質金属により構成されている。外輪2は、内周面に、複列の外輪軌道5a、5b、および、軸方向中間部に、径方向外側に向けて突出した静止フランジ6を有する。静止フランジ6は、径方向中間部の円周方向複数箇所に、軸方向に貫通する支持孔7を有する。外輪2は、静止フランジ6の支持孔7に螺合した支持ボルトにより、懸架装置に対し支持固定され、車輪が回転する際にも回転しない。
ハブ3は、外周面に、複列の内輪軌道8a、8bを有し、外輪2の径方向内側に外輪2と同軸に配置されている。ハブ3は、外輪2の軸方向外端部よりも軸方向外側に位置する部分に、径方向外側に向けて突出した回転フランジ9、および、軸方向外端部に、円筒状のパイロット部10を有する。回転フランジ9は、径方向中間部の円周方向複数箇所に、軸方向に貫通する取付孔11を有する。取付孔11のそれぞれには、スタッド12が圧入されている。
制動用回転体およびホイールは、それぞれの中心部に備えられた中心孔にパイロット部10を挿通し、かつ、それぞれの径方向中間部の円周方向複数箇所に備えられた通孔にスタッド12を挿通した状態で、スタッド12の先端部にハブナットを螺合することにより、回転フランジ9に結合される。なお、制動用回転体に備えられた通孔と、ホイールに備えられた通孔とを挿通したハブボルトを、取付孔に螺合することにより、制動用回転体および車輪を回転フランジに結合固定することもできる。
転動体4a、4bは、複列の外輪軌道5a、5bと複列の内輪軌道8a、8bとの間に、それぞれの列ごとに複数個ずつ、背面組み合わせ型の接触角および予圧を付与されて配置され、かつ、それぞれの列の保持器13a、13bにより転動自在に保持されている。これにより、ハブ3は、外輪2の径方向内側に回転自在に支持されている。
本例では、転動体4a、4bとして玉を使用しているが、転動体として円すいころを使用することもできる。本例では、軸方向外側列の転動体4aのピッチ円直径と、軸方向内側列の転動体4bのピッチ円直径とを互いに同じとしている。ただし、本発明は、軸方向外側列の転動体のピッチ円直径と、軸方向内側列の転動体のピッチ円直径とが互いに異なる異径PCD型のハブユニット軸受に適用することもできる。
本例では、ハブ3は、ハブ輪14と、内輪15とを含んで構成される。具体的には、本例では、ハブ3は、ハブ輪14と内輪15とを組み合わせてなる。軸方向外側の内輪軌道8aは、ハブ輪14の軸方向中間部の外周面に備えられている。回転フランジ9及びパイロット部10は、ハブ輪14の軸方向外側部に備えられている。軸方向内側の内輪軌道8aは、内輪15の外周面に備えられている。内輪15は、ハブ輪14の軸方向内側部に外嵌固定されている。
なお、本発明は、軸方向外側の内輪軌道が、ハブ輪に外嵌された別の内輪の外周面に備えられたハブユニット軸受にも適用することもできる。
本例では、ハブ輪14は、中炭素鋼などの硬質金属製で、軸方向外側の内輪軌道8aよりも軸方向内側に位置する軸方向内側部に、嵌合軸部16を有する。嵌合軸部16の外周面17は、ハブ輪14の中心軸を中心とする円筒面により構成されている。ハブ輪14は、嵌合軸部16の外周面17の軸方向外端部から径方向外側に向けて伸長し、かつ、軸方向内側を向いた段差面18を有する。段差面18は、ハブ輪14の中心軸に対して直交する平面により構成されている。ハブ輪14は、径方向中央部に軸方向に伸長し、図示しない駆動軸部材のスプライン軸部と嵌合するスプライン孔19を有する。
内輪15は、軸受鋼製で、外周面に軸方向内側の内輪軌道8a、内周面20と軸方向外側面21との接続部に外側面取り部22、および、内周面20と軸方向内側面23との接続部に内側面取り部24を有する。本例では、内輪15は、軸方向内側の内輪軌道8aの軸方向内側に隣接する部分にのみ、肩部25を有する。
内輪15の内周面20は、内輪15の中心軸を中心とする円筒面により構成されており、ハブ輪14の嵌合軸部16の外周面17に圧入嵌合されている。
内輪15の軸方向外側面21は、内輪15の中心軸に対して直交する平面により構成されており、ハブ輪14の段差面18に当接している。
内輪15の外側面取り部22は、軸方向外側に向かうにしたがって径方向外側に向かう方向に傾斜しており、凸円弧形の断面形状を有する。ただし、本発明を実施する場合、外側面取り部の断面形状を、直線形、あるいは、中央が凸円弧形状、内周面20寄り、または、軸方向外側面21寄りの部分が直線形の組合せ形状とすることもできる。
外側面取り部22は、ハブ輪14の嵌合軸部16の外周面17と段差面18との接続部である隅部における応力集中を緩和する機能、嵌合軸部16の外周面17に内輪15の内周面20を軸方向内側から圧入嵌合する際の乗り上げガイドとしての機能、および、加工時の打痕やバリの発生を抑制する機能を有する。前記乗り上げガイドとしての機能により、嵌合軸部16の外周面17に内輪15の内周面20を軸方向内側から圧入嵌合する際に内輪15の姿勢が傾くことが防止され、内輪15の内周面20の軸方向外端縁部が嵌合軸部16の外周面17に対して食い込むなどの不都合が防止される。
本例では、外側面取り部22の乗り上げガイドとしての機能を確保するために、内周面20に対する外側面取り部22の軸方向内端縁部の傾斜角度θ22が、20゜以下に、好ましくは15゜以上20゜以下に規制されている。ここで、内周面20に対する外側面取り部22の軸方向内端縁部の傾斜角度θ22とは、内輪15の中心軸を含む仮想平面内、すなわち、図1および図2の紙面内で、外側面取り部22の軸方向内端縁部に対する接線L22の、内周面20に対する傾斜角度である。本例では、傾斜角度θ22が20゜以下に規制されていることに起因して、外側面取り部22の軸方向幅寸法W22が外側面取り部22の径方向幅寸法H22よりも大きくなっている(W22>H22)。
内輪15の軸方向内側面23は、内輪15の中心軸に対して直交する平面により構成されている。
内輪15の内側面取り部24は、軸方向内側に向かうにしたがって径方向外側に向かう方向に傾斜しており、凸円弧形の断面形状を有する。ただし、本発明を実施する場合、内側面取り部の断面形状を、直線形、あるいは、中央が凸円弧形状、内周面20寄り、または、軸方向内側面23寄りの部分が直線形の組合せ形状とすることもできる。
内輪15の内側面取り部24は、駆動軸部材を構成する等速ジョイント用外輪の軸方向外側面(内輪15の軸方向内側面23に対する突き当て面)とスプライン軸部(ハブ輪14のスプライン孔19にスプライン係合させる軸部)の外周面との接続部である隅部との干渉を防止したり、加工時の打痕やバリの発生を抑制したりする機能を有する。内側面取り部24は、嵌合軸部16の外周面17に内輪15の内周面20を軸方向内側から圧入嵌合する際に、圧入方向の後端部に位置する面取り部である。このため、内側面取り部24には、外側面取り部22のような乗り上げガイドとしての機能は要求されない。このため、内輪15の内周面20に対する内側面取り部24の軸方向外端縁部の傾斜角度θ24は、90゜未満の任意の大きさに設定することができる。ここで、内輪15の内周面20に対する内側面取り部24の軸方向外端縁部の傾斜角度θ24とは、内輪15の中心軸を含む仮想平面内で、内側面取り部24の軸方向外端縁部に対する接線L24の、内周面20に対する傾斜角度である。
本例では、傾斜角度θ24を調整することに基づいて、内側面取り部24の径方向幅寸法H24を内側面取り部24の軸方向幅寸法W24よりも大きくしている(H24>W24)。これにより、内側面取り部24の軸方向幅寸法W24を内側面取り部24の径方向幅寸法H24以上の大きさとする従来構造の場合よりも、嵌合軸部16の外周面17と内輪15の内周面20との嵌合部26の軸方向幅寸法を増やせるようにしている。すなわち、内輪15の軸方向幅寸法および内側面取り部24の断面長さのそれぞれが一定の大きさに決まっている場合には、内側面取り部24の軸方向幅寸法W24を内側面取り部24の径方向幅寸法H24以上の大きさとするよりも、内側面取り部24の径方向幅寸法H24を内側面取り部24の軸方向幅寸法W24よりも大きくする方が、内周面20の軸方向幅寸法を増やすことができるため、嵌合部26の軸方向幅寸法を増やすことができる。
本例では、このように嵌合部26の軸方向幅寸法を増やすことで、ハブ輪14に対する内輪15のクリープを防止している。また、嵌合部26の軸方向幅寸法を増やすことで、軸方向内側列の転動体4bの接触角を表す仮想直線αが嵌合部26を通過するように構成されている。これにより、軸方向内側列の転動体4bにかかる荷重を嵌合軸部16でしっかりと支承できるようにして、ハブユニット軸受1の剛性を確保している。
なお、本例の構造とは異なるが、内側面取り部24の軸方向幅寸法W24を内側面取り部24の径方向幅寸法H24以上の大きさとする従来構造の条件を満たしつつ、内側面取り部24の軸方向幅寸法W24を小さくすることによって、嵌合部26の軸方向幅寸法を増やすことも考えられる。ただし、この場合には、内側面取り部24の断面長さが小さくなることが避けられない。一方、内輪15は、軸方向内側に向かって径方向の肉厚が増加する形状を有するため、熱処理変形が大きくなる。したがって、このような熱処理変形によって、断面長さが小さい内側面取り部24の寸法管理が困難になる。
本例では、内輪15の径方向の肉厚、すなわち、径方向の拡縮剛性は、軸方向外側部で軸方向内側部よりも小さいため、嵌合部26に作用する面圧、すなわち、摩擦力も、径方向外側部で径方向内側部よりも小さい。つまり、嵌合部26の摩擦力に基づくクリープの防止効果は、嵌合部26の軸方向外側部で軸方向内側部よりも小さい。そこで、本例では、クリープの防止効果が小さい嵌合部26の軸方向外側部の軸方向幅寸法を小さく、すなわち、内輪15の軸方向外側部の軸方向寸法を小さくしている。本例では、具体的には、ハブユニット軸受1の組み立て状態で、軸方向内側列の転動体4bの中心から内輪15の軸方向外側面21までの軸方向距離X、換言すれば、転動体4bの中心からハブ輪14の段差面18と内輪15の軸方向外側面21との当接部までの軸方向距離Xを、転動体4bの直径D以下の大きさとしており、図示の例では、転動体4bの直径Dの1/2よりも小さくしている。そして、このように内輪15の軸方向外側部の軸方向寸法を小さくした分、内輪15を構成する軸受鋼の使用量を減らしている。ただし、本発明を実施する場合には、軸方向距離Xを転動体4bの直径Dより大きくすることもできる。
本例では、ハブ輪14の段差面18に内輪15の軸方向外側面21を当接させることを考慮して、内側面取り部24の軸方向幅寸法W24を、外側面取り部22の軸方向幅寸法W22よりも大きくしている(W24>W22)。ただし、本例の場合には、駆動軸部材との干渉を生じない限り、内側面取り部24の軸方向幅寸法W24を、外側面取り部22の軸方向幅寸法W22以下の大きさとすることもでき、その結果、駆動軸部材と内輪15の軸方向外側面21との当接面積を増やすことが出来れば、スティックスリップ音の抑制にもつながる。
本例では、外輪2の内周面とハブ3の外周面との間に存在し、かつ、転動体4a、4bが配置された、略円筒状の転動体設置空間27の軸方向両側の開口部は、シールリング28および組み合わせシールリング29により塞がれている。これにより、転動体設置空間27の軸方向両側の開口部を通じて、転動体設置空間27に存在する潤滑用のグリースが外部空間に漏洩したり、外部空間から転動体設置空間27に泥水などの異物が侵入したりすることを防止している。
ハブユニット軸受1を、図示しない駆動軸部材に対して取り付ける際には、ハブ輪14に備えられたスプライン孔19に、駆動軸部材を構成するスプライン軸部をスプライン係合させ、内輪15の軸方向内側面23に、駆動軸部材を構成する等速ジョイント用外輪の軸方向外側面を突き当てる。そして、スプライン孔19から軸方向外側に突出したスプライン軸部の先端部に図示しないナットを螺合し、さらに締め付ける。これにより、ハブ3を駆動軸部材に対し、回転駆動力の伝達を可能に取り付ける。
本例のハブユニット軸受1によれば、製造コストを抑えつつ、ハブ輪14に対する内輪15のクリープを防止でき、かつ、剛性を確保できる。
すなわち、本例では、内側面取り部24の径方向幅寸法H24を内側面取り部24の軸方向幅寸法W24よりも大きくすることにより、嵌合軸部16の外周面17と内輪15の内周面20との嵌合部26の軸方向幅寸法を増やすことで、ハブ輪14に対する内輪15のクリープを防止することができ、かつ、軸方向内側列の転動体4bの接触角を表す仮想直線αが嵌合部26を通過するようにして、ハブユニット軸受1の剛性を確保することができる。
クリープの防止効果が小さい嵌合部26の軸方向外側部の軸方向幅寸法を小さく、すなわち、内輪15の軸方向外側部の軸方向寸法を小さくした分、内輪15を構成する軸受鋼の使用量を減らせるため、製造コストを抑えられる。
[実施の形態の第2例]
本発明の実施の形態の第2例について、図3を用いて説明する。
本例のハブユニット軸受1aは、従動輪用である。本例では、ハブ輪14aは、嵌合軸部16の軸方向内端部から径方向外側に向けて折れ曲がったかしめ部30を有する。かしめ部30は、内輪15の内側面取り部24および軸方向内側面23を抑え付けている。つまり、内輪15は、ハブ輪14aの段差面18とかしめ部30の軸方向外側面との間で軸方向に挟持された状態で、ハブ輪14aに結合固定されている。
本例では、外輪2の軸方向内側の開口部は、外輪2の軸方向内端部に装着された有底円筒状の軸受キャップ31により塞がれている。軸受キャップ31は、外輪2の軸方向内側の開口部において、転動体設置空間27を含む外輪2の内部空間と外部空間とを分離して、転動体設置空間27に存在する潤滑用のグリースが外部空間に漏洩したり、外部空間から転動体設置空間27に泥水などの異物が侵入したりすることを防止している。
ハブユニット軸受1aの製造工程において、かしめ部30は、かしめ部30が形成される前のハブ輪14aの軸方向内端部に備えられた円筒部に、揺動鍛造などの塑性加工を施すことにより、該円筒部を径方向外側に向けて折り曲げることで形成される。この際に、前記円筒部は、内輪15の内側面取り部24に沿って折り曲げられる。本例でも、内側面取り部24の軸方向幅寸法W24を外側面取り部22の軸方向幅寸法W22よりも大きくしている(W24>W22、図2参照)。このため、前記円筒部の急激な折り曲げが緩和され、かしめ部30を形成するための塑性加工を容易に行える。
その他の構成及び作用効果は、実施の形態の第1例と同様である。
本発明は、上述した各実施形態の構成を、矛盾が生じない範囲で適宜組み合わせて実施することができる。たとえば、本発明は、ハブ輪の軸方向内端部にかしめ部を有する駆動輪用のハブユニット軸受に適用することもできる。
本発明のハブユニット軸受は、外輪回転型を含む、従来のさまざまな構造のハブ軸受ユニットに適用することができる。
1、1a ハブユニット軸受
2 外輪
3 ハブ
4a、4b 転動体
5a、5b 外輪軌道
6 静止フランジ
7 支持孔
8a、8b 内輪軌道
9 回転フランジ
10 パイロット部
11 取付孔
12 スタッド
13a、13b 保持器
14、14a ハブ輪
15 内輪
16 嵌合軸部
17 外周面
18 段差面
19 スプライン孔
20 内周面
21 軸方向外側面
22 外側面取り部
23 軸方向内側面
24 内側面取り部
25 肩部
26 嵌合部
27 転動体設置空間
28 シールリング
29 組み合わせシールリング
30 かしめ部
31 軸受キャップ

Claims (3)

  1. 内周面に複列の外輪軌道を有する外輪と、
    外周面に複列の内輪軌道を有するハブと、
    前記複列の外輪軌道と前記複列の内輪軌道との間に、それぞれの列ごとに複数個ずつ、背面組み合わせ型の接触角を付与されて配置された転動体と、を備え、
    前記ハブは、ハブ輪と、内輪とを含み、
    前記ハブ輪は、軸方向内側部に嵌合軸部を有し、
    前記内輪は、軸受鋼製で、外周面に前記複列の内輪軌道のうちの軸方向内側の内輪軌道、内周面と軸方向外側面との接続部に外側面取り部、および、内周面と軸方向内側面との接続部に内側面取り部を有し、かつ、内周面が前記嵌合軸部の外周面に圧入嵌合されており、
    前記外側面取り部の軸方向幅寸法が、該外側面取り部の径方向幅寸法よりも大きく、
    前記内側面取り部の径方向幅寸法が、該内側面取り部の軸方向幅寸法よりも大きく、
    軸方向内側列の前記転動体の接触角を表す仮想直線が、前記嵌合軸部の外周面と前記内輪の内周面との嵌合部を通過している、
    ハブユニット軸受。
  2. 前記ハブ輪は、前記嵌合軸部の軸方向内端部から径方向外側に向けて折れ曲がったかしめ部を有し、該かしめ部により前記内輪の前記内側面取り部が抑え付けられている、
    請求項1に記載のハブユニット軸受。
  3. 前記転動体が玉により構成されており、
    軸方向内側列の前記玉の中心から前記内輪の軸方向外側面までの軸方向距離が、軸方向内側列の前記玉の直径以下の大きさである、
    請求項1または2に記載のハブユニット軸受。
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