JP2022152592A - 建設機械の下部走行体 - Google Patents

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JP2022152592A
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眞 前田
Makoto Maeda
保司 中川
Yasushi Nakagawa
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TAIHEIYO SEIKI KK
Kobelco Construction Machinery Co Ltd
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TAIHEIYO SEIKI KK
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Abstract

【課題】回転体と支持体との隙間へ侵入した土砂等の異物が、フローティングシールへ到達することを効果的に防ぐ。【解決手段】回転軸AXを有する筒状の回転体2と、回転体を、回転軸の軸方向の少なくとも一端部において回転可能に支持する支持体3と、を備え、回転体2は、回転軸の円周方向に環状に形成され軸方向に突出する少なくとも2つの壁部22,23を有し、壁部は、支持体において該回転軸の円周方向に環状に形成され軸方向に凹む少なくとも2つの溝部32,33と隙間4をあけて嵌合し、隙間は、軸方向に延びる軸方向隙間41a~eおよび径方向に延びる径方向隙間42a~eを含み、軸方向隙間および径方向隙間は、交互に複数連続してラビリンス構造を形成し、複数の軸方向隙間のうち径方向内側D3に位置する第1軸方向隙間41aは、他の軸方向隙間よりも長い。【選択図】図3

Description

本発明は、建設機械の下部走行体に関する。
油圧ショベル等の建設機械において、クローラ式の下部走行体は、前後方向に延びるクローラフレームを有し、クローラフレームの一端側に走行装置によって駆動される駆動輪と、他端側に遊動輪と、駆動輪および遊動輪に架け渡されるクローラとを備える。クローラは駆動輪と遊動輪との間において、複数のガイドローラにガイドされる。
クローラをガイドする上部ローラおよび下部ローラなどのガイドローラは、軸の両端部が、下部走行体のクローラフレームの左右に固定された筒状のカラーに取り付けられており、ローラはその中心に設けられた挿通孔に軸を挿通させ、すべり軸受を介して軸に対して回転可能に設けられている。カラーとローラとの間には、フローティングシールが配置されている。フローティングシールは、軸とローラとの間をシールし、内部に充填された潤滑油の漏出を防止している。
走行装置は、一般的に、筒状の回転ハウジングと、クローラフレームに固定され回転ハウジングを回転可能に支持する固定ハウジングと、回転ハウジングを回転駆動する走行モータと、回転ハウジングおよび固定ハウジングによって収容される減速装置を備える。走行装置は、回転ハウジングと固定ハウジングの間に隙間を有する。その隙間は、回転ハウジングおよび固定ハウジングの径方向外側から径方向内側へ通じており、径方向内側における該隙間の開口部には、フローティングシールが配置されている。フローティングシールは、回転ハウジングと固定ハウジングとの間をシールし、内部に配置された減速装置からのオイル漏れを防止している。
建設機械が、例えば未舗装の路面を走行すると、ガイドローラにおけるローラとカラーとの隙間や、走行装置における回転ハウジングと固定ハウジングとの隙間から土砂等の異物が侵入することがある。侵入した異物が隙間を通ってフローティングシールへ到達すると、フローティングシールのシール機能を低下させるおそれがある。
このような問題に対し、特許文献1には、ローラとカラーとの隙間の入り口において、ローラの端部とカラーの端部との位置を軸方向に一致させることで、隙間からフローティングシールへ侵入する異物の量を減少させたローラ装置が開示されている。
また、特許文献2には、固定ハウジングと回転ハウジングとの隙間にラビリンスを設け、そのラビリンスにおいて2箇所の布状部材を有し、その布状部材間にグリースを充填したことにより、異物がフローティングシールまで到達するのを防ぐ走行装置が開示されている。
特開2015-147436号公報 特開2018-128093号公報
しかしながら、特許文献1の構成では、ローラとカラーとの隙間の入り口からフローティングシールまでの距離が短いため、異物が容易にフローティングシールへ到達してしまう。
特許文献2の構成では、グリース通路や封止栓の加工工程、グリース注入工程等が必要であり、部品点数および組付けコストを増大させてしまう。また、布状部材が破損してグリースが漏れ出すと、走行装置内部に配置された減速装置からのオイル漏れと誤るおそれがある。さらに布状部材は、回転ハウジングの回転トルクに影響を及ぼすことが懸念される。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、土砂等の異物が、ローラや回転ハウジングなどの回転体とカラーや固定ハウジングなどの支持体との隙間へ侵入してフローティングシールへ到達することを効果的に防ぎ、フローティングシールの機能低下を防止することにある。
上記の目的を達成するために、第1の発明は、回転軸を有する筒状の回転体と、前記回転体を、前記回転軸の軸方向の少なくとも一端部において、該回転体を回転可能に支持する支持体と、を備え、前記回転体は、前記回転軸の円周方向に環状に形成され軸方向に突出する少なくとも2つの壁部を有し、該壁部は、前記支持体において該回転軸の円周方向に環状に形成され軸方向に凹む少なくとも2つの溝部と隙間をあけて嵌合し、前記隙間は、軸方向に延びる軸方向隙間および径方向に延びる径方向隙間を含み、該軸方向隙間および該径方向隙間は、交互に複数連続してラビリンス構造を形成し、複数の前記軸方向隙間のうち径方向内側に位置する第1軸方向隙間は、他の前記軸方向隙間よりも長いことを特徴とする。
上記の構成によると、回転体と支持体との隙間は、回転軸の円周方向に環状に形成された少なくとも2つの壁部と少なくとも2つの溝部によってラビリンス構造を形成することにより、径方向外側における隙間の開口部から、径方向内側における隙間の開口部までの全長を長く確保することが可能となり、侵入した異物が隙間の途中で堆積しフローティングシールまで到達し難い。さらに、ラビリンス構造を形成する軸方向隙間のうち、径方向内側に位置する第1軸方向隙間を他の軸方向隙間よりも長く形成した。径方向外側よりも土砂の到達し難い径方向内側の軸方向隙間をより長く形成することで、より効果的に土砂の侵入を防ぐことが可能となる。
第2の発明では、第1の発明において、前記隙間は、径方向内側端部に内側開口部を有し、該内側開口部は、前記壁部および前記溝部よりも軸方向中央部側に形成されていることを特徴とする。
上記の構成によると、内側開口部を壁部および溝部よりも軸方向中央部側に形成することにより、回転体および支持体が、それぞれ嵌合する部分において断面強度を確保することができる。
第3の発明では、第1または第2の発明において、前記ラビリンス構造は、径方向内側へ近づくにつれて長く形成される複数の前記軸方向隙間を備え、径方向内側へ近づくにつれて軸方向に拡張する末広がり形状を有することを特徴とする。
上記の構成によると、ラビリンス構造を径方向内側へ近づくにつれて拡張する末広がり形状とすることで、隙間の全長をより長く確保し、侵入した異物をより効果的に隙間の途中で堆積させることが可能となる。
第4の発明では、第1から第3のいずれかの発明において、前記隙間のうち、前記径方向隙間、および該径方向隙間と前記軸方向隙間との角部の少なくとも1箇所は、湾曲して形成されていることを特徴とする。
上記の構成によると、径方向隙間、および径方向隙間と軸方向隙間との角部の少なくとも1箇所を湾曲させることで、隙間の全長をより長く確保できる。また、湾曲して形成した箇所には異物が堆積しやすくなるため、異物がフローティングシールへ到達し難い効果を高めることができる。
第5の発明では、第1から第4のいずれかの発明において、前記隙間は、径方向外側よりも径方向内側が狭く形成されていることを特徴とする。
上記の構成によると、径方向内側の隙間ほど異物が通り難くなるため、異物のフローティングシールへの到達をさらに効果的に防ぐことができる。
第6の発明では、第1から第5のいずれかの発明において、前記隙間は、径方向外側端部に軸方向端部側へ向かって開口する外側開口部を有し、該外側開口部から延びる前記軸方向隙間において、少なくとも前記回転体側の壁面は、軸方向中央部側へ向かうにつれて、径方向内側へ近づくように傾斜していることを特徴とする。
上記の構成によると、外側開口部からの異物侵入の経路が、設置面に対して登り坂状となるため、異物が侵入し難くなり、異物侵入抑制効果をさらに高めることができる。
回転体と支持体との隙間へ侵入した土砂等の異物がフローティングシールへ到達するのを効果的に防ぎ、フローティングシールの機能低下を防止することができる。
本発明の一実施例を示し、下部走行体を備えた油圧ショベルの側面図である。 本発明の第1実施形態に係る下部ローラの断面図である。 本発明の第1実施形態に係る隙間の拡大図である。 本発明の第2実施形態に係る隙間の拡大図である。 本発明の第3実施形態に係る隙間の拡大図である。 本発明の第4実施形態に係る隙間の拡大図である。 本発明の第5実施形態に係る隙間の拡大図である。 走行装置への適用例を説明するための一部断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
いくつかの図面には、軸方向中央部側および軸方向端部側、径方向内側および径方向外側の方向を矢印で示してある。本明細書において、特に言及しない限り、方向についてはこれらの矢印で示す方向に従って説明する。なお、軸方向とは、回転軸AXが延びる方向をいう。軸方向端部側D1とは、回転軸AXの端部へ近づく方向をいい、軸方向中央部側D2とは、該端部から離れる方向をいう。また、径方向とは、回転軸AXを中心とした円の径方向をいう。径方向内側D3とは、回転軸AXへ近づく方向をいい、径方向外側D4とは、回転軸AXから離れる方向をいう。
(第1実施形態)
図1に示すように、建設機械100は、例えば油圧ショベルであり、下方に下部走行体101と、下部走行体101の上方に旋回自在に搭載された旋回体102とを備える。旋回体102の前方には、掘削作業等を行うためのアタッチメント103が取り付けられる。
下部走行体101は、左右一対のクローラユニット90を有する。クローラユニット90は、前後方向に延びるクローラフレーム91と、クローラフレーム91の一端側の駆動輪92と、他端側の遊動輪93と、駆動輪92および遊動輪93に架け渡されるクローラ94とを備える。クローラ94は、駆動輪92が走行装置97によって回転駆動されることにより周回移動する。クローラ94は、駆動輪92と遊動輪93との間において、下部に取り付けられた複数の下部ローラ95と、上部に取り付けられた複数の上部ローラ96によってガイドされる。
下部ローラ95は、図2および図3に示すように、クローラフレーム91の左右に取り付けられた筒状のカラー3と、左右の端部をカラー3にそれぞれ固定された軸10を有し、筒状のローラ2に軸10が挿通されている。特許請求の範囲に記載の「回転体」に対応するのがローラ2であり、「支持体」に対応するのがカラー3である。
軸10は、車両の幅方向に延びる回転軸AXを中心とする円柱状に形成され、ローラ2およびカラー3の円筒内部へ挿通され、軸方向両端部を固定ピン3aによってカラー3に固定される。軸10は、カラー3よりも軸方向中央部側においてローラ2との間に円筒状のすべり軸受け11を備える。
ローラ2は、車両の幅方向に延びる回転軸AXを中心とする略円筒状に形成されている。ローラ2は、円筒内部に軸10が挿通され、すべり軸受け11の外周を回転可能である。ローラ2は、軸方向両端部において径方向外側D4に突出した環状のフランジ部21を有する。下部ローラ95は、この両側のフランジ部21,21によってクローラ94の左右の位置を規制し、クローラ94が外れることなく周回できるようガイドする。
フランジ部21には、回転軸AXの円周方向に環状に形成され軸方向中央部側D2に向かって凹む嵌合凹部21aが形成されている。嵌合凹部21aには、回転軸AXの円周方向に環状に形成され軸方向端部側D1に向かって突出する2つの壁部22,23が径方向に並んで形成されている。2つの壁部22,23は軸方向に断面視すると略直方体の形状をしており、2つの壁部22,23のうち、径方向内側D3に位置する壁部23の方が、径方向外側D4の壁部22よりも軸方向に長く形成されている。また、壁部22,23よりも径方向内側D3には、軸方向中央部側D2に向かって凹む回転側シール収容部24が回転軸AXの円周方向に環状に形成されている。
カラー3は、回転軸AXを中心とする略円筒状の部材であり、円筒内部に軸10が挿通されている。カラー3は、その外周において径方向外側D4に突出する支持部31を有する。支持部31には、回転軸AXの円周方向に環状に形成され軸方向端部側D1に凹む2つの溝部32,33が径方向に並んで形成されている。溝部32,33は、軸方向に断面視すると壁部22,23よりもやや大きい略直方体の形状をしており、2つの溝部32,33のうち、径方向内側D3に位置する溝部33の方が、径方向外側D4の溝部32よりも軸方向に長く形成されている。壁部22,23が、カラー3に設けられた溝部32,33と隙間4をあけて嵌合し、嵌合凹部21aおよび支持部31において、ローラ2とカラー3とが連結される。カラー3は、ローラ2の軸方向端部において、ローラ2を回転可能に支持している。
溝部32,33よりも径方向内側D3には、回転軸AXの円周方向に環状に形成され軸方向端部側D1に向かって凹むように固定側シール収容部34が形成されている。固定側シール収容部34は、回転側シール収容部24と対向して形成され、固定側シール収容部34および回転側シール収容部24が、フローティングシール5を収容している。
ローラ2とカラー3との間に形成される隙間4は、径方向外側D4端部において軸方向端部側D1へ向かって開口する外側開口部40bを有し、外側開口部40bから径方向内側D3へ向かって延びている。隙間4は、径方向内側D3端部において径方向内側D3へ向かって開口する内側開口部40aを有し、内側開口部40aの径方向内側D3にフローティングシール5が配置されている。
フローティングシール5は、ローラ2とカラー3との間に形成された隙間4よりも径方向内側D3に設けられ、隙間4を回転軸AXの円周方向に亘ってシールしている。フローティングシール5は、環状に形成された固定側シールリング51aおよび回転側シールリング51bと、2つのOリング52,52とを有する。
固定側シールリング51aおよび回転側シールリング51bは、金属製の円環状部材である。固定側シールリング51aは、カラー3に形成された固定側シール収容部34内に配置され、固定側シールリング51aの径方向外側D4には、カラー3との間にOリング52が配置されている。また、回転側シールリング51bは、ローラ2に形成された回転側シール収容部24内に配置され、回転側シールリング51bの径方向外側D4には、ローラ2との間にOリング52が配置されている。固定側シールリング51aと回転側シールリング51bは、互いに摺動可能な状態で軸方向に隣接しており、回転側シールリング51bは、固定側シールリング51aに対して回転可能である。
ローラ2とカラー3との間に形成された隙間4は、軸方向に延びる軸方向隙間41a~eおよび径方向に延びる径方向隙間42a~eを含み、該軸方向隙間41a~eおよび該径方向隙間42a~eは、交互に複数連続してラビリンス構造を形成している。以下、隙間4の構成を具体的に説明する。
第1実施形態において、隙間4は、図3に示すように、径方向内側端部において、径方向内側D3へ向けて開口する内側開口部40aを有する。内側開口部40aから、径方向外側D4へ向かって第1径方向隙間42aが延びている。第1径方向隙間42aの径方向外側端部から、軸方向端部側D1へ向かって第1軸方向隙間41aが延びている。第1軸方向隙間41aの軸方向端部側の端部から、径方向外側D4へ向かって第2径方向隙間42bが延びている。第2径方向隙間42bの径方向外側端部から、軸方向中央部側D2に向かって第2軸方向隙間41bが延びている。第2軸方向隙間41bの軸方向中央部側の端部から、径方向外側D4に向かって第3径方向隙間42cが延びている。第3径方向隙間42cの径方向外側の端部から、軸方向端部側D1に向かって第3軸方向隙間41cが延びている。第3軸方向隙間41cの軸方向端部側の端部から、径方向外側D4へ向かって第4径方向隙間42dが延びている。第4径方向隙間42dの径方向外側端部には、軸方向中央部側D2へ向かって第4軸方向隙間41dが延びている。第4軸方向隙間41dの軸方向中央部側端部には、径方向外側D4へ向かって第5径方向隙間42eが延びている。第5径方向隙間42eの径方向外側端部には、軸方向端部側D1へ向かって第5軸方向隙間41eが延びている。第5軸方向隙間41eの軸方向端部側の端部は、軸方向端部側D1へ向かって開口する外側開口部40bとなっている。
これらの複数の軸方向隙間のうち、第3軸方向隙間41cと第4軸方向隙間41dは同じ長さであるが、径方向内側D3に位置する第1軸方向隙間41aは、他の軸方向隙間41b,41c,41d,41eよりも長い。また、隙間4の内側開口部40aは、壁部22,23および溝部32,33よりも軸方向中央部側D2に位置している。
なお、図2および図3において、軸方向隙間は回転軸AXと略平行な方向へ延びるように形成され、径方向隙間は回転軸AXと略垂直な方向へ延びるように形成されているが、軸方向隙間は回転軸AXに対して傾斜して延びていてもよく、径方向隙間は回転軸AXに対して傾斜して延びていてもよい。
以上のように構成した第1実施形態に係る下部ローラ95では、ローラ2とカラー3との隙間4は、回転軸AXの円周方向に環状に形成された少なくとも2つの壁部22,23と少なくとも2つの溝部32,33によってラビリンス構造を形成することにより、径方向外側D4における外側開口部40bから、径方向内側D3における内側開口部40aまで、全長を長く確保することが可能となる。このようなラビリンス構造により全長を長く確保すれば、侵入した異物は隙間4の途中で堆積するため、フローティングシール5まで到達し難い。さらに、ラビリンス構造を形成する軸方向隙間のうち、径方向外側D4よりも土砂の到達し難い径方向内側D3に位置する第1軸方向隙間41aを、他の軸方向隙間41b~41eよりも長く形成したことで、より効果的に土砂の侵入を防ぐことができる。
また、内側開口部40aを壁部22,23および溝部32,33よりも軸方向中央部側D2に形成することにより、ローラ2のフランジ部21およびカラー3の支持部31における断面強度を確保することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態を図4に基づいて説明する。第2実施形態の下部ローラは、隙間4の形状が実施形態1とは異なる。以下の説明において、第1実施形態と同一の構成要素には同一符号を付し、その説明は省略する。
第2実施形態の下部ローラ95は、第1実施形態と略同様に、ローラ2とカラー3との間に隙間4が形成されている。隙間4は、複数の軸方向隙間61a~eおよび径方向隙間62a~eが交互に複数連続してラビリンス構造を形成している。このラビリンス構造は、径方向内側D3へ近づくにつれて長く形成される複数の軸方向隙間61d,61c,61b,61aを備え、径方向内側D3へ近づくにつれて軸方向に拡張する末広がり形状を有する。
具体的には、外側開口部40bに連接する第5軸方向隙間61eを除いて、第4軸方向隙間61dから、径方向内側端部に形成された第1軸方向隙間61aまでの4つの軸方向隙間61a,61b,61c,61dが径方向内側D3へ近づくにつれて長く形成されていることにより、ラビリンス構造が末広がり形状となっている。
以上のように構成した第2実施形態に係る下部ローラでは、隙間4の全長をより長く確保し、侵入した異物をより効果的に隙間4の途中で堆積させることが可能となる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態を図5に基づいて説明する。第3実施形態の下部ローラは、隙間4の形状が上記実施形態とは異なる。以下の説明において、上記実施形態と同一の構成要素には同一符号を付し、その説明は省略する。
第3実施形態の下部ローラ95は、第1実施形態と略同様に、ローラ2とカラー3との間に隙間4が形成されている。第3実施形態において、隙間4は、複数の軸方向隙間71a~eおよび径方向隙間72a~eが交互に複数連続してラビリンス構造を形成している。
隙間4のうち、径方向隙間72a~e、および径方向隙間72a~eと軸方向隙間71a~eとの角部の少なくとも1箇所は、湾曲して形成されている。具体的には、例えば図5に示すように、第1軸方向隙間71aと第2径方向隙間72bとの角部は、ローラ2の角部とカラー3の角部とが湾曲形状とされていることにより、湾曲部R1となっている。第2径方向隙間72bと第2軸方向隙間71bとの角部R3、第2軸方向隙間71bと第3径方向隙間72cとの角部R4、および、第3径方向隙間72cと第3軸方向隙間71cとの角部R6も同様に湾曲部である。また、実施形態1および実施形態2において、径方向隙間は径方向へ直線状に延びていたが、本実施形態において、第2径方向隙間72bは、第2径方向隙間72bを形成するローラ2の側面とカラー3の側面とが、軸方向中央部側D2へ湾曲して形成されていることにより、湾曲部R2となっている。同様に、第3径方向隙間72cは、軸方向端部側D1へ湾曲する湾曲部R5となっている。
以上のように、径方向隙間72および径方向隙間72と軸方向隙間71との角部の少なくとも1箇所を湾曲させることで、隙間4の全長をより長く確保できる。また、湾曲して形成された箇所には異物が堆積しやすくなるため、異物がフローティングシール5へ到達し難くなる効果を高めることができる。
また、隙間4は、径方向外側D4よりも径方向内側D3が狭く形成されていることが好ましい。具体的には、例えば図5に示すように、第4軸方向隙間71dの幅L1と、第3軸方向隙間71cの幅L2とを比べて、径方向内側D3に位置する第3軸方向隙間71cの幅L2方が狭く形成されていることが好ましい。このように、径方向内側D3の隙間を狭く形成することで、異物がより通り難くなるため、異物のフローティングシール5への到達をより効果的に防ぐことができる。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態を図6に基づいて説明する。第4実施形態の下部ローラは、隙間4の形状が上記実施形態とは異なる。以下の説明において、上記実施形態と同一の構成要素には同一符号を付し、その説明は省略する。
第4実施形態の下部ローラ95は、第1実施形態と略同様に、ローラ2とカラー3との間に隙間4が形成されている。第4実施形態において、隙間4は、複数の軸方向隙間81a~eおよび径方向隙間82a~eが交互に複数連続してラビリンス構造を形成している。
隙間4のうち、外側開口部40bから延びる軸方向隙間81eは、軸方向隙間81eと径方向外側D4に面するローラ2側の壁面201および径方向内側D3に面するカラー3側の壁面301により形成されている。この軸方向隙間81eにおいて、ローラ2側の壁面201は、外側開口部40bから軸方向中央部側D2へ向かうにつれて、径方向内側D3へ近づくように傾斜している。カラー3側の壁面301は、回転軸AXと略平行な方向へ延びるとともに、上記第1から第3実施形態と比較して径方向内側D3に近づくように形成されている。
このようにローラ2側の壁面201と、カラー3側の壁面301により形成された軸方向隙間81eは、外側開口部40bから径方向隙間82eにかけて、奥側(軸方向中央部側D2)が次第に狭くなる先細り形状となっている。
以上のように、ローラ2側の壁面201を傾斜させ、軸方向隙間81eを外側開口部40bから次第に狭くなる形状とすることで、外側開口部40bからの異物侵入の経路が、設置面(図6における上側)に対して登り坂状となるため、異物が侵入し難くなり、異物侵入抑制効果をさらに高めることができる。
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態を図7に基づいて説明する。第5実施形態の下部ローラは、軸方向隙間81e’の形状が第4実施形態の軸方向隙間81eと異なる。以下の説明において、第4実施形態と同一の構成要素には同一符号を付し、その説明は省略する。
第5実施形態の下部ローラ95は、上記実施形態と略同様に、ローラ2とカラー3との間に隙間4が形成されている。第5実施形態において、隙間4は、複数の軸方向隙間81a~d,81e’および径方向隙間82a~eが交互に複数連続してラビリンス構造を形成している。
隙間4のうち、外側開口部40bから延びる軸方向隙間81e’は、軸方向隙間81e’と径方向外側D4に面するローラ2側の壁面201および径方向内側D3に面するカラー3側の壁面302により形成されている。この軸方向隙間81e’において、ローラ2側の壁面201は、外側開口部40bから軸方向中央部側D2へ向かうにつれて、径方向内側D3へ近づくように傾斜している。カラー3側の壁面302は、ローラ2側の壁面201に沿って外側開口部40bから軸方向中央部側D2へ向かうにつれて、径方向内側D3へ近づくように傾斜している。
このようにローラ2側の壁面201と、カラー3側の壁面302により形成された軸方向隙間81e’は、外側開口部40bから径方向隙間82eに到達するまで略同じ狭さである。
以上のように、ローラ2側の壁面201とカラー3側の壁面302を傾斜させることで、外側開口部40bからの異物侵入の経路が、設置面(図7における上側)に対して登り坂状となり、第4実施形態よりも外側開口部40bおよび軸方向隙間81e’が狭くなるため、より異物が侵入し難くなり、異物侵入抑制効果をさらに高めることができる。
なお、上記第1実施形態から第5実施形態における各構成要素を任意に組み合わせることにより、異物侵入抑制効果をより一層高めることが可能となる。
以上のような回転体および支持体の構成は、走行装置の回転ハウジングと固定ハウジングにも適用可能である。回転ハウジングは、特許請求の範囲に記載の「回転体」に対応し、固定ハウジングは「支持体」に対応する。走行装置における回転体と支持体の適用例について、以下にその形態の詳細を説明する。
(走行装置における適用例)
走行装置97は、図8に示すように、油圧式の走行モータ(図示せず)と、走行モータによって回転軸AX’の周りに回転駆動される筒状の回転ハウジング12と、クローラフレーム91に固定される固定ハウジング13と、回転ハウジング12および固定ハウジング13の内部に収容される減速装置(図示せず)を備える。走行モータのシャフト(図示せず)は、減速装置に連結され、走行モータの回転駆動力は、減速装置を介して回転ハウジング12に伝わる。
回転ハウジング12は、車両の幅方向に延びる回転軸AX’を中心とする略円筒状に形成され、その内部に走行モータや減速装置等の駆動機構を収容している。回転ハウジング12の外周には、駆動輪92が固定されている。走行モータからの回転駆動力によって回転ハウジング12が回転軸AX周りを回転することにより駆動輪92が回転駆動され、建設機械100が前後方向に走行する。
回転ハウジング12は、上記実施形態におけるローラ2の構成とほぼ同様に、回転軸AXの円周方向に環状に形成され軸方向端部側に向かって突出する2つの壁部12a,12bが径方向に並んで形成されている。
固定ハウジング13は、回転ハウジング12と同軸上に設けられた環状の部材であり、その構成は上記実施形態におけるカラー3の構成とほぼ同様に、回転軸AX’の円周方向に環状に形成され軸方向端部側D1に凹む2つの溝部13a,13bが径方向に並んで形成されている。
回転ハウジング12と固定ハウジング13との間には、上記実施形態における隙間4の構成とほぼ同様に、隙間14が形成されている。隙間の径方向内側D3にはフローティングシール15が配置されている。
回転ハウジング12と固定ハウジング13との間に形成された隙間14は、上記実施形態における隙間4と同様に、軸方向に延びる軸方向隙間および径方向に延びる径方向隙間を含み、該軸方向隙間および該径方向隙間は、交互に複数連続してラビリンス構造を形成してもよい。
(上部ローラにおける適用例)
回転体および支持体の構成は、上部ローラ96のローラおよびカラーにも適用可能である。上部ローラ96は、クローラ94をガイドするローラとローラを支持するカラーを有し、下部ローラ95と略同じ構成を有するが、上部ローラ96において、ローラは軸方向の一端部をカラーによって支持される点で異なる。ローラは軸方向一端部においてカラーとの間に隙間を有し、上記実施形態における隙間4と同様に、軸方向に延びる軸方向隙間および径方向に延びる径方向隙間を含み、該軸方向隙間および該径方向隙間は、交互に複数連続してラビリンス構造を形成してもよい。
1 下部走行体
2 ローラ
3 カラー
4 隙間
5 フローティングシール
12 回転ハウジング
13 固定ハウジング
14 隙間
15 フローティングシール
22,23 壁部
32,33 溝部
40a 内側開口部
40b 外側開口部
41a~41e 軸方向隙間
42a~42e 径方向隙間
51a 固定側シールリング
51b 回転側シールリング
52 Oリング
61a~61e 軸方向隙間
62a~62e 径方向隙間
71a~71e 軸方向隙間
72a~72e 径方向隙間
91 クローラフレーム
81a~81e,81e’ 軸方向隙間
82a~82e 径方向隙間
92 駆動輪
93 遊動輪
94 クローラ
95 下部ローラ
96 上部ローラ
97 走行装置
100 建設機械
R1~R6 湾曲部
AX 回転軸
AX’ 回転軸
D1 軸方向端部側
D2 軸方向中央部側
D3 径方向内側
D4 径方向外側

Claims (6)

  1. 回転軸を有する筒状の回転体と、
    前記回転体を、前記回転軸の軸方向の少なくとも一端部において回転可能に支持する支持体と、を備え、
    前記回転体は、前記回転軸の円周方向に環状に形成され軸方向に突出する少なくとも2つの壁部を有し、該壁部は、前記支持体において該回転軸の円周方向に環状に形成され軸方向に凹む少なくとも2つの溝部と隙間をあけて嵌合し、
    前記隙間は、軸方向に延びる軸方向隙間および径方向に延びる径方向隙間を含み、該軸方向隙間および該径方向隙間は、交互に複数連続してラビリンス構造を形成し、
    複数の前記軸方向隙間のうち径方向内側に位置する第1軸方向隙間は、他の前記軸方向隙間よりも長いことを特徴とする建設機械の下部走行体。
  2. 前記隙間は、径方向内側端部に内側開口部を有し、該内側開口部は、前記壁部および前記溝部よりも軸方向中央部側に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の建設機械の下部走行体。
  3. 前記ラビリンス構造は、径方向内側へ近づくにつれて長く形成される複数の前記軸方向隙間を備え、径方向内側へ近づくにつれて軸方向に拡張する末広がり形状を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の建設機械の下部走行体。
  4. 前記隙間のうち、前記径方向隙間、および該径方向隙間と前記軸方向隙間との角部の少なくとも1箇所は、湾曲して形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の建設機械の下部走行体。
  5. 前記隙間は、径方向外側よりも径方向内側が狭く形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の建設機械の下部走行体。
  6. 前記隙間は、径方向外側端部に軸方向端部側へ向かって開口する外側開口部を有し、該外側開口部から延びる前記軸方向隙間において、少なくとも前記回転体側の壁面は、軸方向中央部側へ向かうにつれて、径方向内側へ近づくように傾斜していることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の建設機械の下部走行体。
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