JP2022152421A - 2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンの製造方法、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ポリアミドポリマーの製造方法およびポリベンゾオキサゾールの製造方法 - Google Patents

2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンの製造方法、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ポリアミドポリマーの製造方法およびポリベンゾオキサゾールの製造方法 Download PDF

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【課題】不純物量を低減することが可能な、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンの製造方法を提供する。【解決手段】不純物を含む2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(化合物1)が溶媒に溶解した均一な溶液を準備する溶液準備工程と、溶液中に溶解した化合物1を再結晶させて化合物1の粉体を得る再結晶工程とを含む製造方法において、溶媒は少なくとも以下の第1溶媒と第2溶媒とを含む。第1溶媒:化合物1の23℃での溶解度が0.05~3.0g[g/10g]であり、かつ、化合物1の80℃での溶解度が0.2~6.0g[g/10g]である溶媒。第2溶媒:式(2)で示される化合物の23℃での溶解度が2.6[g/10g]以上である、および/または、式(3)で示される化合物の23℃での溶解度が2.2[g/10g]以上である溶媒。TIFF2022152421000016.tif37153【選択図】なし

Description

本発明は、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンの製造方法、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ポリアミドポリマーの製造方法およびポリベンゾオキサゾールの製造方法に関する。
以下式(1)で表される2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンは、ポリイミドやポリアミド、ポリベンゾオキサゾール等の機能性ポリマーの原料として重要な化合物である。これらを原料に用いて合成される機能性ポリマーは、耐熱性や絶縁性、そして低誘電率性等に優れている特徴を示し、多くの半導体用絶縁材料に用いられている。
Figure 2022152421000001
2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンの製造方法や製造方法について、いくつかの文献が知られている。
特許文献1には、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンの製造方法としてビスニトロ体を水素もしくはヒドラジンにより還元する方法が記載されている。
特許文献2~4には、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンの精製方法(不純物の低減方法)が記載されている。具体的には、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンを極性溶媒に溶解させ、貧溶媒を加えた2成分系の晶析操作により、不純物を低減することが記載されている。
特開平11-106367号公報 特開2012-184173号公報 特開平11-100356号公報 特開2004-131386号公報
本発明者らは、従来の2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンには、以下で説明するような不純物が無視できない量含まれていること、また、その不純物が、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンを原料として用いて機能性ポリマーを製造する際に重合阻害成分として働き、最終製品である機能性ポリマー材料の品質に悪影響を及ぼすことがあることを見出した。
具体的には、特許文献1のように、ビスニトロ体を水素もしくはヒドラジンにより還元する方法により、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンを製造する場合、反応条件によっては、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンのアミノ基の1つが水素に置換された式(2)で示される化合物(以後、モノアミノ体と称することもある)が無視できない量副生することがある。
Figure 2022152421000002
また、本発明者らの知見によれば、一般的に入手可能な2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンの製品には、不純物として、式(3)で示される化合物(以後、モノアミノモノニトロ体と称することもある)が液体クロマト分析値で0.1%以上含まれていることがある。これは、上述のモノアミノ体の副生を低減するために反応条件を温和にしたため、反応中間体中の2つのニトロ基のうち一つだけ還元されて、全てのニトロ基が還元されなかったことに起因すると推測される。
0.1%以上という不純物濃度は、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンの用途を考えるとかなり高い濃度であり、モノアミノモノニトロ体が通常の精製操作では除去困難な化合物であることが推察される。
Figure 2022152421000003
2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン中の不純物を低減する方法としては、前述の特許文献2~4に記載のような、アルコール類を極性溶媒として用い、また水を貧溶媒として用いる2成分系の精製方法がある。しかし、本発明者らの予備的検討の限りにおいて、従来の方法では、モノアミノ体やモノアミノモノニトロ体の除去は不十分であった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものである。本発明の目的の1つは、不純物量を低減することが可能な2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンの製造方法を提供することである。
本発明者らは、以下に提供される発明を完成させ、上記課題を解決した。
本発明は以下である。
不純物を含む2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンを精製して、純度が高められた2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンを製造する、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンの製造方法であって、
当該製造方法は、
不純物を含む2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンが溶媒に溶解した均一な溶液を準備する溶液準備工程と、
前記溶液中に溶解した2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンを再結晶させて2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンの粉体を得る再結晶工程と、
を含み、
前記溶媒は、少なくとも、以下の第1溶媒と第2溶媒とを含む溶媒である、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンの製造方法。
第1溶媒:2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンの23℃での溶解度が0.05~3.0g[g/10g]であり、かつ、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンの80℃での溶解度が0.2~6.0g[g/10g]である溶媒。
第2溶媒:以下式(2)で示される化合物の23℃での溶解度が2.6[g/10g]以上である、および/または、以下式(3)で示される化合物の23℃での溶解度が2.2[g/10g]以上である溶媒。
Figure 2022152421000004
また、本発明は以下である。
液体クロマトグラフィー分析から求められる純度が99.5%以上であり、かつ、以下式(2)で示される化合物の含有量が0.1%未満である、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン。
Figure 2022152421000005
また、本発明は以下である。
液体クロマトグラフィー分析から求められる純度が99.5%以上であり、かつ、以下式(3)で示される化合物の含有量が0.1%未満である、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン。
Figure 2022152421000006
また、本発明は以下である。
上記の2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンと、ジカルボン酸またはジカルボン酸ハライドとを縮重合させて、ポリアミドポリマーを得る、ポリアミドポリマーの製造方法。
また、本発明は以下である。
上記のポリアミドポリマーの製造方法で製造されたポリアミドポリマーを加熱することで、ポリベンゾオキサゾールを得る、ポリベンゾオキサゾールの製造方法。
本発明により、不純物量が少ない2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンを製造することができる。
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明する。
本明細書中、数値範囲の説明における「X~Y」との表記は、特に断らない限り、X以上Y以下のことを表す。例えば、「1~5質量%」とは「1質量%以上5質量%以下」を意味する。
本明細書では、「2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンの製造方法」を、単に「製造方法」と記載することがある。
<2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンの製造方法>
本実施形態の製造方法は、不純物を含む2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンを精製して、純度が高められた2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンを製造する方法である。
本実施形態の製造方法は、以下の工程を含む。
・不純物を含む2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンが溶媒に溶解した均一な溶液を準備する溶液準備工程。
・上記溶液中に溶解した2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンを再結晶させて2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンの粉体を得る再結晶工程。
ここで、上記溶媒は、少なくとも、以下の第1溶媒と第2溶媒とを含む溶媒である、
・第1溶媒:2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)の23℃での溶解度が0.05~3.0g[g/10g]であり、かつ、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)の80℃での溶解度が0.2~6.0g[g/10g]である溶媒。
・第2溶媒:以下式(2)で示される化合物の23℃での溶解度が2.6[g/10g]以上である、および/または、以下式(3)で示される化合物の23℃での溶解度が2.2[g/10g]以上である溶媒。
Figure 2022152421000007
前述のように、本発明者らは、式(2)で示されるモノアミノ体や式(3)で示されるモノアミノモノニトロ体が、従来の2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンには無視できない量不純物として含まれ、最終製品である機能性ポリマー材料の品質に悪影響を及ぼしうることを知見した。この知見に基づき、本発明者らは、式(2)で示されるモノアミノ体や式(3)で示されるモノアミノモノニトロ体の不純物を低減可能な方法を検討した。
検討の結果、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンの溶解と再結晶化というプロセスにおいて、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンを溶解させる溶媒(第1溶媒)中に、式(2)で示されるモノアミノ体や式(3)で示されるモノアミノモノニトロ体を23℃よく溶解する溶媒(第2溶媒)を加えた。これにより、再結晶化の際、式(2)で示されるモノアミノ体や式(3)で示されるモノアミノモノニトロ体の結晶化が抑えられるようにした。こうして、式(2)で示されるモノアミノ体や式(3)で示されるモノアミノモノニトロ体の含有量が少ない、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンを製造することに成功した。
ちなみに、本実施形態の製造方法においては、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、第1溶媒、及び第2溶媒を含む溶液が均一であることも、不純物の低減に関係していると考えられる。詳細は不明であるが、特に第1溶媒と第2溶媒とが完全に混じり合わない場合、溶液準備工程で層分離が確認されることがある。この層分離が生じると、不純物量を十分に低減できない傾向がある(後掲の比較例も参照されたい)。
上記溶液が均一であるか否かは、通常、目視により確認することができる。なお、本明細書においては、溶液準備工程で、目視で層分離が確認できなければ「均一」としている。
本実施形態の製造方法について具体的な説明を続ける。
(溶液準備工程)
・2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンの入手方法
溶液準備工程において準備する、不純物を含む2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンの入手方法は、特に限定されない。市販品を購入してもよいし、公知文献の記載に基づき合成してもよい。市販品は、例えば東京化成株式会社、富士フイルム和光純薬株式会社、シグマアルドリッチジャパン合同会社等から購入することができる。
・第1溶媒
第1溶媒は、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンの23℃での溶解度が0.05~3.0g[g/10g]であり、かつ、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンの80℃での溶解度が0.2~6.0g[g/10g]でありさえすればよい。要するに、第1溶媒は、室温程度の温度において2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンをあまり溶解しないが、80℃において2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンを適度に溶解する溶媒である。
第1溶媒の、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンの23℃での溶解度は、好ましくは0.05~3.0g[g/10g]、より好ましくは0.1~2.0g[g/10g]である。
第1溶媒の、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンの80℃での溶解度は、好ましくは0.2~6.0g[g/10g]、より好ましくは1.0~5.0g[g/10g]である。
一例として、第1溶媒は、水を含むことができる。
水を用いる場合、その量は、不純物を含む2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン100質量部に対して、例えば50~1000質量部、好ましくは100~500質量部、より好ましくは、150~400質量部である。水の量を適切に調整することで、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンを十分に溶解することができたり、収率の向上を図ったりすることができる。
別の例として、第1溶媒は、アルコール類を含むことができる。2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン中のヒドロキシ基の存在により、アルコール類は、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンを適度に溶解すると考えられる。
アルコール類の具体例としては、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブタノール、sec-ブタノール、tert-ブタノール、1-ペンタノール、2-ペンタノール、3-ペンタノール、2-メチル-2-ブタノール、1-ヘキサノール、2-ヘキサノール、3-ヘキサノール、3-メチル-3-ペンタノール、シクロヘキサノール等のC1~C6の低級アルコール類を挙げることができる。その中でもより好ましいアルコール類はメタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノールである。
アルコール類を用いる場合、その量は、不純物を含む2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン100質量部に対し、例えば25~500質量部、好ましくは50~250質量部、より好ましくは75~200質量部である。アルコール類の量を適切に調整することで、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンを十分に溶解することができたり、収率の向上を図ったりすることができる。
第1溶媒は、単独溶媒であってもよいし、混合溶媒であってもよい。第1溶媒が混合溶媒である場合には、混合溶媒として上述の2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンの溶解度などを満たせばよい。
本実施形態においては、特に、第1溶媒は、水とアルコール類との混合溶媒であることが好ましい。第1溶媒が水とアルコール類との混合溶媒であることにより、特に、溶液準備工程における2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンの溶解性を適切としつつ、再結晶工程における再結晶性を高めることができる。また、式(2)で示される化合物および/または以下式(3)で示される化合物以外の不純物の低減も一層期待することができる。
第1溶媒が水とアルコール類との混合溶媒である場合、水とアルコール類との混合比率は、質量比で、好ましくは水:アルコール類=10:1~1:1、より好ましくは水:アルコール類=5:1~2:1である。
ちなみに、例えば第1溶媒として水とIPA(イソプロパノール)の混合溶媒を用いる場合、ある程度どのような混合比であっても、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンの23℃での溶解度は0.05~3.0g[g/10g]の範囲内となり、かつ、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンの80℃での溶解度は0.2~6.0g[g/10g]の範囲内となる。
具体例として、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンの、水とIPA(イソプロパノール)の混合溶媒への溶解性を評価した結果を示しておく。
この評価においては、まず、撹拌子および温度計を備え付けたホウケイ酸ガラス製の50mLフラスコ内へ、イソプロパノール(IPA)と水の混合溶媒を合計10gになるように入れた(混合溶媒は、IPA:水(質量比)=1:7、1:3、1:1の3通り)。
次に、撹拌子を撹拌させながら、混合溶媒へ2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンを0.01g加え、目視で溶解の有無を確認した。溶解した場合、さらに0.01gを加えて同様に目視で溶解の有無を確認した。そして、溶解しないことを目視で確認するまで同様の操作を繰り返した。
このような手順により、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンが完全に溶解することが確認された重さを測定した。温度は23℃と80℃の2通りで行った。
Figure 2022152421000008
・第2溶媒
第2溶媒は、式(2)で示される化合物(モノアミノ体)の23℃での溶解度が2.6[g/10g]以上である、および/または、式(3)で示される化合物(モノアミノモノニトロ体)の23℃での溶解度が2.2[g/10g]以上でありさえすればよい。要するに、第2溶媒は、室温程度の温度において式(2)で示される化合物および/または式(3)で示される化合物をある程度多く溶解する溶媒である。
第2溶媒の、式(2)で示される化合物(モノアミノ体)の23℃での溶解度は、好ましくは2.6~10.0g[g/10g]、より好ましくは3.6~6.0g[g/10g]である。
第2溶媒の、式(3)で示される化合物(モノアミノモノニトロ体)の23℃での溶解度は、好ましくは2.2~10.0g[g/10g]、より好ましくは3.0~6.0g[g/10g]である。
式(2)で示される化合物および/または式(3)で示される化合物の溶解性という点で、第2溶媒の選択においては、SP値を参照することができる。
具体的には、第2溶媒のSP値は、好ましくは8.0~13.0[(cal/cm0.5]、より好ましくは8~11[(cal/cm0.5]である、このようなSP値を有する第2溶媒を選択することで、得られる2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン中の不純物量を一層低減しやすくなると考えられる。
念のため述べておくと、本明細書における「SP値」とは、相溶化パラメータ(Solubility Parameter)といい、溶解度パラメータとも言うことができる。以下に示されるHansenの数式を用いて算出された値を意味する。溶解度パラメータを、分散項δd,極性項δp,及び水素結合項δhの3成分に分割し、3次元空間に表したものである。
δ[(cal/cm0.5]=(δd+δp+δh0.5
これまで、多くの溶媒に関するHansenの溶解度パラメータが調べられている。例えばIndustrial Solvents Handbook(Wesley L.Archer著)にいくつかの溶媒の溶解度パラメータが記載されている。
また、Hansenの溶解度パラメータについては、例えば、色材,77〔4〕,188-192(2004)にも記載されている。この文献にも代表的な有機溶媒の溶解性パラメータが記載されている。
入手容易性や、式(2)で示される化合物および/または式(3)で示される化合物の良好な溶解性の観点から、第2溶媒は、エステル類を含むことが好ましい。
エステル類としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸アミル、酢酸イソアミル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、酢酸-2-メトキシ-1-メチルエチル(PGMEA)、などのエステル系溶媒を挙げることができる。これら中でもより好ましいエステル類は、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、酢酸-2-メトキシ-1-メチルエチル(PGMEA)である。
本発明者らの知見として、エステル類は、式(2)または(3)で表される不純物類を特異的に溶解可能な性質を有する。よって、エステル類を用いることで、特に不純物類を効率的に除去可能である。
また、エステル類を用いることで、再結晶化で得られる2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンの粉体特性を改善できる傾向がある。エステル類の添加は2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンの結晶径を調整する役割も担っていると推測される。エステル類を添加して精製した場合の2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンの結晶径は、比較的大きく、流動性に優れた粉体特性を示す。すなわち、第2溶媒としてエステル類を用いることは、ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン中の不純物の低減に加えて、粉体特性の改良の点からも非常に好ましい。
参考のため、第2溶媒として好ましく使用可能ないくつかの溶媒、および、第2溶媒に該当しないいくつかの溶媒について、SP値と、23℃での式(2)のモノアミノ体の溶解度、および、23℃での式(3)のモノアミノモノニトロ体の溶解度を下表に示す。なお、表の「GBL」はγ-ブチロラクトン、「MIBK」はメチルイソブチルケトン、「MTBE」はメチルtert-ブチルエーテルをそれぞれ示す。
Figure 2022152421000009
上表において、式(2)のモノアミノ体の溶解度は、以下のように測定した。
まず、撹拌子および温度計を備え付けたホウケイ酸ガラス製の50mLフラスコ内へ、上表で示された溶媒を10g量り取った。
次に、撹拌子で溶媒を撹拌しながら、溶媒へ式(2)のモノアミノ体を0.01g加え、目視で溶解の有無を確認した。溶解した場合、さらに0.01gを加えて同様に目視で溶解の有無を確認した。溶解しないことを目視で確認するまで同様の操作を繰り返した。
上記手順において、式(2)のモノアミノ体が完全に溶解することが確認された重さを測定した。温度は23℃で行った。
また、式(3)のモノアミノモノニトロ体ついても、同様の操作により、溶解度を測定した。
エステル類などの第2溶媒の使用量は、不純物を含む2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン100質量部に対し、例えば1~50質量部、好ましくは3~45質量部、より好ましくは5~40質量部である。第2溶媒の量が適度に多いことにより、得られる2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンの純度を一層高めたり、また、再結晶化する2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンの結晶の粒度を適度に大きくしたりすることができる。また、第2溶媒の量が多すぎないことにより、第1溶媒との層分離を抑えることができる。
第2溶媒の使用量は、特に限定されないが、十分な溶解性および析出性、不純物量の低減などのバランス、また、第1溶媒と第2溶媒との層分離を避ける点から、溶液準備工程で準備する溶液中の第2溶媒の濃度は、好ましくは0.1~7.5質量%、より好ましくは0.5~5.0質量%である。
・原料の溶解について
溶液準備工程においては、通常、不純物を含む2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンと、第1溶媒と、第2溶媒とを、攪拌しつつ加熱する。そして、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンを完全に溶解させる。溶解は、通常、75~90℃で行う。
(再結晶工程)
再結晶工程においては、通常、溶液準備工程で準備した溶液の温度を下げて、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンを再結晶させる。そして、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンの粉体を得る。
再結晶工程により、式(2)で示される化合物および/または以下式(3)で示される化合物は、実質的に石器出せずに溶媒側に残存する。その結果、純度が高められた2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンの粉体を得ることができる。
再結晶工程における溶液の温度の下げ方は、特に限定されないが、工業的な取り扱い性が良好な粉体を得る点などから、以下のように、(i)まず70~75℃程度にまでゆっくりと降温し、その後、(ii)10~30℃程度までゆっくりと降温することが好ましい。以下、これらについて説明する。
(i)再結晶工程においては、溶液準備工程において75~90℃程度に加熱されて原料が完全に溶解した混合溶液を、まず、70~75℃程度にまで30分~2時間かけてゆっくりと降温させ、結晶を析出させることが好ましい。この際、撹拌を行いながら操作を行った方が温度コントロールは容易であり、好ましい。
上記(i)においては、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンの「種晶」を、混合溶液中に少量添加してもよい。種晶を用いる場合の添加量としては、混合溶液中に溶解している2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン100質量部に対して、例えば0.01~0.5質量部とすることができる。種晶は、固形状の2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンである限り特に限定されない。例えば特許文献1~4に記載の方法に準じて得られたものを用いることができる。また、市販のものでも構わない。
(ii)上記(i)の後、混合溶液を攪拌しながら、10~30℃程度まで、2~8時間程度かけてゆっくりと冷却を行うことが好ましい。これにより、(i)で得られた微細な結晶を、粒度が比較的整った形で成長させながら析出させることが可能になる。
得られた結晶は、減圧濾過にて回収し、20~80℃前後の環境下で減圧乾燥することが好ましい。
<高純度の2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン>
好ましくは上記のような製造方法により、高純度の2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンを得ることができる。
すなわち、好ましくは上記のような製造方法により、液体クロマトグラフィー分析から求められる純度が99.5%以上であり、かつ、前述の式(2)で示される化合物の含有量が0.1%未満である、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンを製造することができる。
純度は、99.5%以上であればよいが、好ましくは99.7%以上、より好ましくは99.9%以上である。純度は理想的には100%であるが、現実的には99.99%以下である。
式(2)で示される化合物の含有量は、理想的には0である。ちなみに、後掲の実施例で得られた2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン中の式(2)で示される化合物の濃度は、測定の検出限界以下である。
また、好ましくは上記のような製造方法により、液体クロマトグラフィー分析から求められる純度が99.5%以上であり、かつ、前述の式(3)で示される化合物の含有量が0.1%未満である、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンを製造することができる。
純度は、99.5%以上であればよいが、好ましくは99.7%以上、より好ましくは99.9%以上である。純度は理想的には100%であるが、現実的には99.99%以下である。
式(2)で示される化合物の含有量は、理想的には0である。ちなみに、後掲の実施例で得られた2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン中の式(3)で示される化合物の濃度は、測定の検出限界以下である。
念のため補足しておくと、上記「液体クロマトグラフィー分析から求められる純度」の数値や、「式(2)で示される化合物の含有量」、「式(3)で示される化合物の含有量」は、液体クロマトグラフィーでの分析で得られるチャートの面積から求められる値(Area%)である。
上記のような製造方法により得ることができる、高純度の2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンの粉体は、後掲の実施例で評価されるような、工業的な取り扱い性が良好な傾向を示す。詳細は不明であるが、このような効果は、不純物が少ないことにより粉体の塊状化が抑えられることなどに起因していると推測される。
上記の高純度の2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンの粉体を特徴づける指標として、かさ密度を挙げることができる。本実施形態において、好ましくは、かさ比重測定器を用いて測定したゆるめかさ密度は0.31~0.49g/cm、かためかさ密度は0.45~0.64g/cmである(ただし、ゆるめかさ密度<かためかさ密度)。
<ポリマーの製造方法>
上記のような、不純物量が少ない2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンは、ポリマー製造におけるモノマーとして好ましく用いられる。
一例として、上記<高純度の2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン>の項で説明した、不純物量が少ない2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンと、ジカルボン酸またはジカルボン酸ハライドと、を縮重合させてポリアミドポリマーを製造することができる。別の言い方として、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンにおけるアミノ基と、ジカルボン酸におけるカルボキシ基等とを反応させることでアミド結合が形成されて、ポリアミドポリマーを製造することができる。
縮重合の条件は特に限定されず、公知のポリアミドポリマーの合成条件を適宜適用することができる。縮重合は、通常、原料モノマーを溶解可能な有機溶媒中で行う。反応促進のために、例えばピリジンなどの塩基性触媒を用いてもよい。
上記のような高純度の2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンを用いてポリアミドポリマーを製造することで、比較的高分子量のポリアミドポリマーを得やすい。重合前のモノマー原料中の、「単官能」である式(2)のモノアミノ体や式(3)のモノアミノモノニトロ体の含有量が少ないことにより、縮重合反応が「途切れづらく」なり、結果としてより高分子量のポリベンゾオキサゾール前駆体を得ることができるものと推測される。
また、上記ポリアミドポリマーの製造においてジカルボン酸またはジカルボン酸ハライドの種類を適切に選択し、さらに、得られたポリアミドポリマーを加熱することで、ポリベンゾオキサゾールを得ることができる。反応機構としては、上記ポリアミドポリマーの製造において生成されたアミド結合部分と、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン中のヒドロキシ基とが反応して、水の脱離とともにオキサゾール環が形成される。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することができる。また、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
本発明の実施形態の2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンは、ポリイミドやポリアミド、ポリベンゾオキサゾール等の機能性ポリマーの原料として用いることができる。当該機能性ポリマーは、良好な耐熱性、絶縁性、低誘電率性等を有することから、各種半導体用絶縁材料に用いることができる。
本発明の実施態様を、実施例および比較例に基づき詳細に説明する。念のため述べておくと、本発明は実施例のみに限定されない。
<2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンの合成>
(合成例1)
特許文献4に記載の方法を参考に、温度計、ジムロート冷却器、滴下ロートおよび撹拌機を備えた1000mL四ツ口フラスコ内に、2,2-ビス(3-ニトロ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン 150.0g(0.35mol)、FeCl0.75gおよびイソプロパノール 180gを入れ、攪拌しながら加熱した。
反応温度75~80℃を保ちながら、ヒドラジン一水和物 55.0g(1.1mol)を2時間かけてフラスコ内に滴下した。滴下終了後、反応温度80℃で5時間撹拌した。
反応終了後、反応溶液にイオン交換水560gを2時間かけて滴下した。次いで、反応液が10℃になるまでゆっくりと6時間かけて降温し、析出した結晶を濾別した。回収した結晶は80℃の棚段式減圧乾燥機で乾燥させることによって目的物である2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンを得た(収量115g、収率90%、純度99.44%)。
式(2)で示すモノアミノ体含量は0.15%であった。
[物性データ]
式(2)のモノアミノ体:2-アミノ-4-(1,1,1,3,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-(4-ヒドロキシフェニル)プロパン-2-イル)フェノール
H-NMR(400MHz,(CDSO)δ(ppm):4.65(2H,br-s),6.36(1H,d,J=8.4Hz),6.51(1H,s),6.62(1H,d,J=8.4Hz),6.78(2H,d,J=8.4Hz),7.09(2H,d,J=8.4Hz)
19F-NMR(400MHz,CDCN)δ(ppm):-62.9(6F,s)
(合成例2)
ヒドラジン一水和物の滴下温度を50~60℃とし、反応温度を60℃と設定した(合成例1に比べて温和な反応条件へ変更した)こと以外は合成例1と同様の操作をして、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンを得た(収量110g、収率88%、純度99.39%)。
式(3)で示すモノアミノモノニトロ体含量は0.18%であった。
[物性データ]
式(3)のモノアミノモノニトロ体:2-アミノ-4-(1,1,1,3,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-(4-ヒドロキシ―3-ニトロフェニル)プロパン-2-イル)フェノール
H-NMR(400MHz,(CDSO)δ(ppm):6.35(1H,s),6.52(1H,s),6.66(1H,d,J=8.0Hz),7.19(1H,d,J=8.0Hz),7.45(1H,d,J=8.4Hz),7.79(1H,d.J=8.0)
19F-NMR(400MHz,CDCN)δ(ppm):-63.4(6F,s)
<高純度の2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンの製造>
(実施例1)
温度計、ジムロート冷却器および撹拌機を備えた500mL四ツ口フラスコ内に、合成例1で得られた2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン50.0g、IPA(イソプロパノール)55g、イオン交換水190g、添加エステル類としてPGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)12.5gを入れ、攪拌しながら液温80℃まで加熱し、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンを溶解させた。ここで、イソプロパノールとイオン交換水が第1溶媒であり、PGMEAが第2溶媒である。このとき、フラスコ内の液体に層分離などは認められなかった。
2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンの溶解後、液温75℃まで1時間かけて降温し、結晶を析出させた。その後、液温10℃になるまでゆっくり4時間かけて冷却し、析出した結晶を濾別した。回収した結晶は80℃の棚段式減圧乾燥機で乾燥させた。以上により、精製された2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンを得た。
(実施例2)
実施例1において、合成例2で得られた2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンを使用したこと以外は、実施例1と同様の操作をした。そして、精製された2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンを得た。
念のため述べておくと、実施例2においても、実施例1と同様、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンを溶解させた時点で、フラスコ内の液体に層分離は認められなかった。
(実施例3)
東京化成株式会社製の2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(純度99.60%、式(3)のモノアミノモノニトロ体含量0.16%)を原料として使用したこと以外は、実施例1と同様の操作をした。そして、精製された2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンを得た。
念のため述べておくと、実施例3においても、実施例1と同様、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンを溶解させた時点で、フラスコ内の液体に層分離は認められなかった。
(実施例4)
第2溶媒をPGMEAではなく乳酸エチル12.5gとしたこと以外は、実施例1と同様の操作をした。そして、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンを得た。
念のため述べておくと、実施例4においても、実施例1と同様、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンを溶解させた時点で、フラスコ内の液体に層分離は認められなかった。
(実施例5)
第2溶媒をPGMEAではなく酢酸エチル12.5gとしたこと以外は、実施例1と同様の操作をした。そして、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンを得た。
念のため述べておくと、実施例5においても、実施例1と同様、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンを溶解させた時点で、フラスコ内の液体に層分離は認められなかった。
(実施例6)
第2溶媒をPGMEAではなく酢酸ブチル12.5gとしたこと以外は、実施例1と同様の操作をした。そして、式(1)で示す2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンを得た。
念のため述べておくと、実施例6においても、実施例1と同様、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンを溶解させた時点で、フラスコ内の液体に層分離は認められなかった。
(実施例7)
第2溶媒をPGMEAではなくγ-ブチロラクトン(GBL)12.5gとしたこと以外は、実施例1と同様の操作をした。そして、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンを得た。
念のため述べておくと、実施例7においても、実施例1と同様、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンを溶解させた時点で、フラスコ内の液体に層分離は認められなかった。
(比較例1)
第2溶媒であるPGMEAを全く用いずに精製操作を行ったこと以外は、実施例1と同様の操作をした。そして、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンを得た。
(比較例2)
合成例1ではなく合成例2で得られた2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンを使用したことと、第2溶媒であるPGMEAを全く用いずに精製操作を行ったこと以外は、実施例1と同様の操作をした。そして、式(1)の2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンを得た。
(比較例3)
第2溶媒であるPGMEAの量を多くして27.5g加えたこと以外は実施例1と同様の操作を行った。ただし、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンは溶解したが、フラスコ内の混合溶液は2層分離していた。この混合溶液より2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンを晶析操作にて得た。
(比較例4)
第2溶媒であるPGMEAの代わりにトルエン12.5g加えて精製操作を行ったこと以外は実施例1と同様の操作をした。そして、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンを得た。
(比較例5)
第2溶媒であるPGMEAの代わりに、メチルtert-ブチルメチルエーテル12.5g加えて精製操作を行ったこと以外は実施例1と同様の操作をした。そして、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンを得た。
(比較例6)
第2溶媒であるPGMEAの代わりに、メチルイソブチルケトン12.5g加えて精製操作を行ったこと以外は実施例1と同様の操作をした。そして、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンを得た。
<評価>
(純度/不純物量)
各実施例および比較例で再結晶化により得られた、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンの純度、モノアミノ体の含量およびのモノアミノモノニトロ体の含量を、液体クロマトグラフィーを用いて測定した。具体的な条件は以下の通りである。
装置:LC1100(Agilent社製)
カラム:SunShell-C18,2.6μm,100mm×4.6mmI,D (ChromaNic-Technologies社製).
移動相:アセトニトリル/10mM ギ酸水溶液
グラジエント:25/75(0-10分)→45/75(15-40分)→25/75(41-45分)
(取り扱い性:流動性評価(ロートテスト))
ロート口径150mm、ノズル径12mm、ノズル長22mmのロートの開口部に、各実施例または比較例で得られた2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン60gを全量投入した。そして、粉体の自然排出可否を確認した。全量の2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンが自然排出される場合を〇(良い)、自然排出されない場合を×(悪い)と評価した。
(取り扱い性:安息角の測定)
ロート口径150mm、ノズル径12mm、ノズル長22mmのロートを用いて、ロート上に目開き0.5mmの振るい板を、ロートノズルの先端から下部へ4.5cm離れた位置に水平台を、それぞれ配置した。
次に、振るい板上に、各実施例または比較例で得られた2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン30gを取り、刷毛を用いて粉体をロートノズルの方向へ落とし込み、水平台上に堆積させた。
その後、堆積した粉体の山について写真を撮影し、写真上にて安息角を測定した。
安息角が小さいほど、粉体はさらさらして流動しやすいこと、つまり、取扱い性に優れることを表す。
(取り扱い性:かさ密度(ゆるめ、かため)の測定)
筒井理化学器械製のJISかさ比重測定器を用い、かさ密度を測定した。かさ比重測定器は、ロート口径150mm、ノズル径12mm、ノズル長22mmのロートと、ロート上に目開き0.5mmの振るい板、及びロートノズルの下部に円筒状の30mL受器を、それぞれ備える。
測定器の振るい板の上に、各実施例または比較例で得られた2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン30gを載せ、刷毛を用いてゆっくりと受器へ落とし込んだ。これにより、受器に2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンを自然充填した。そして、受器から溢れ出ている2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン粉体を摺り切った。その後、受器の重量を測定することにより、ゆるめかさ密度を算出した。また、粉体を受器に落とし込む際、受器の下部を軽く打ち付けながら圧縮充填させて得られた重量より、かためかさ密度を算出した。
(取り扱い性:溶剤溶解性)
各実施例または比較例で得られた2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンについて、以下手順により、溶剤溶解性を評価した。
撹拌子および温度計を備え付けたホウケイ酸ガラス製の100mLフラスコ内へ、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンの粉体を5g入れた。フラスコ内の粉体を一定速度で撹拌しながら、フラスコ内に、速やかにγ-ブチロラクトン(GBL)を50g注ぎ込んだ。その後、一定速度での撹拌を維持し20~25℃にて2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンを完全に溶解させた。
上記手順において、GBLを加えた直後から、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンが完全に溶解するまでにかかった時間を測定した。
上記の各種情報をまとめて表3および表4に示す。
Figure 2022152421000010
Figure 2022152421000011
表3の特に「再結晶化の結果」の欄に示されるとおり、(i)まず、不純物を含む2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンを、第1溶媒、及び第2溶媒を含む溶媒に溶解させて均一な溶液を得て、(ii)その後、再結晶化により2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンを回収する、という操作により、式(2)のモノアミノ体や式(3)のモノアミノモノニトロ体の含有量が非常に少ない2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンを製造することができた。
加えて、表4に示されるとおり、実施例で得られた2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンの粉体の取り扱い性は良好であった。
一方、第2溶媒を用いなかった比較例1および2では、式(2)で示されるモノアミノ体または式(3)で示されるモノアミノモノニトロ体の量を十分に低減することはできなかった。第2溶媒として、式(2)で示されるモノアミノ体の溶解度が小さい溶媒か、式(3)で示されるモノアミノモノニトロ体の溶解度が小さい溶媒を用いた比較例4~6も同様であった、
また、第2溶媒の使用量が多すぎて、第2溶媒が第1溶媒と層分離した比較例3においても、式(3)で示されるモノアミノモノニトロ体の量を十分に低減することはできなかった。
<追加評価>
(ポリマー合成例1)
実施例1で得られた高純度の2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンと、4,4'-オキシビス(ベンゾイルクロリド)とを、モル比1:1で、N-メチルピロリドン溶媒中、ピリジンを触媒として、温度を4~25℃に調整して縮重合した。これによりポリベンゾオキサゾール前駆体(ポリアミドポリマー)の溶液を得た。
(ポリマー合成例2(比較))
「実施例1で得られた高純度の2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン」を、比較例1で得られた2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンに変えた以外は、上記ポリマー合成例1と同様にして、ポリベンゾオキサゾール前駆体(ポリアミドポリマー)の溶液を得た。
(ポリマー合成例3(比較))
「実施例1で得られた高純度の2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン」を、比較例2で得られた2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンに変えた以外は、上記ポリマー合成例1と同様にして、ポリベンゾオキサゾール前駆体(ポリアミドポリマー)の溶液を得た。
上記ポリマー合成例1~3で得られた各ポリベンゾオキサゾール前駆体の重量平均分子量Mwおよび分散度Mw/Mnを、ポリスチレンを標準物質としたGPC測定により求めた。
また、上記ポリマー合成例1~3で得られた各ポリベンゾオキサゾール前駆体の溶液を、ガラス基板上にスピンコーターを用いて塗布し、その後、130℃で30分、200℃で1時間、300℃で2時間、段階的に昇温しつつ連続して加熱することで、ガラス基板上にポリベンゾオキサゾールのフィルムを得た。この際、フィルムの膜厚が20~25μmとなるように塗布条件などは適切に調整した。
得られたフィルムの、波長365nmにおける光透過率T365、波長400nmにおける光透過率T400、YI(イエローインデックス、ASTM D1925で規定)、および、全光線透過率TTを測定した。
上記に関する情報をまとめて表5に示す。
Figure 2022152421000012
表5に示されるとおり、実施例1で得られた高純度の2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンを用いることで、より高分子量のポリベンゾオキサゾール前駆体を得ることができた。重合前のモノマー原料中に、「単官能」である式(2)のモノアミノ体や式(3)のモノアミノモノニトロ体が実質的に含まれていなかったため、縮重合反応が途切れづらくなり、結果としてより高分子量のポリベンゾオキサゾール前駆体を得ることができたと考えられる。
また、実施例1で得られた高純度の2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンを用いることで、光透過性が良好で、着色(黄変)が少ないポリベンゾオキサゾールを得ることができた。

Claims (10)

  1. 不純物を含む2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンを精製して、純度が高められた2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンを製造する、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンの製造方法であって、
    当該製造方法は、
    不純物を含む2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンが溶媒に溶解した均一な溶液を準備する溶液準備工程と、
    前記溶液中に溶解した2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンを再結晶させて2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンの粉体を得る再結晶工程と、
    を含み、
    前記溶媒は、少なくとも、以下の第1溶媒と第2溶媒とを含む溶媒である、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンの製造方法。
    第1溶媒:2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンの23℃での溶解度が0.05~3.0g[g/10g]であり、かつ、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンの80℃での溶解度が0.2~6.0g[g/10g]である溶媒。
    第2溶媒:以下式(2)で示される化合物の23℃での溶解度が2.6[g/10g]以上である、および/または、以下式(3)で示される化合物の23℃での溶解度が2.2[g/10g]以上である溶媒。
    Figure 2022152421000013
  2. 請求項1に記載の2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンの製造方法であって、
    前記第2溶媒のSP値が8.0~13.0[(cal/cm0.5]である、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンの製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンの製造方法であって、
    前記第2溶媒が、エステル類を含む、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンの製造方法。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載の2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンの製造方法であって、
    前記溶液準備工程で準備する溶液中の、前記第2溶媒の量は、不純物を含む2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン100質量部に対して1~50質量部である、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンの製造方法。
  5. 請求項1~4のいずれか1項に記載の2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンの製造方法であって、
    前記溶液準備工程で準備する溶液中の、前記第2溶媒の濃度は、0.1~7.5質量%である、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンの製造方法。
  6. 請求項1~5のいずれか1項に記載の2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンの製造方法であって、
    前記第1溶媒は、水とアルコール類との混合溶媒である、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンの製造方法。
  7. 液体クロマトグラフィー分析から求められる純度が99.5%以上であり、かつ、以下式(2)で示される化合物の含有量が0.1%未満である、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン。
    Figure 2022152421000014
  8. 液体クロマトグラフィー分析から求められる純度が99.5%以上であり、かつ、以下式(3)で示される化合物の含有量が0.1%未満である、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン。
    Figure 2022152421000015
  9. 請求項7または8に記載の2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンと、ジカルボン酸またはジカルボン酸ハライドとを縮重合させて、ポリアミドポリマーを得る、ポリアミドポリマーの製造方法。
  10. 請求項9に記載のポリアミドポリマーの製造方法で製造されたポリアミドポリマーを加熱することで、ポリベンゾオキサゾールを得る、ポリベンゾオキサゾールの製造方法。
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