JP2022152103A - エアバッグ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】歩行者等の被害を抑制したエアバッグ装置を提供する。【解決手段】車両1の車体前部から前方側へ展開する複数のエアバッグと、衝突可能性が所定の閾値以上である場合にプリクラッシュ判定を成立させる衝突判定部120と、プリクラッシュ判定に応じてインフレータ111,112に指令を与えてエアバッグを展開させるエアバッグ展開制御部110とを備えるエアバッグ装置を、複数のエアバッグは、第1のエアバッグ30と、第1のエアバッグの前方側に第1のエアバッグの前面部を覆って展開する第2のエアバッグ40とを有し、第1のエアバッグは、第2のエアバッグからの押圧に応じて展開用ガスGを排出するベント流路を有する構成とする。【選択図】図5

Description

本発明は、自動車等の車両の車体前部から車外側へ展開するエアバッグを有するエアバッグ装置に関する。
自動車等の車両において、車外側へ展開するエアバッグを用いて衝突時における歩行者等の被害を抑制することが提案されている。
このような車外エアバッグ装置に関する技術として、例えば、特許文献1には、車両の車体前端部に設けられる歩行者保護用のエアバッグ装置において、エアバッグが屈曲抵抗手段により上下に仕切られるとともに、上方側の領域にエア抜きホールを設けることが記載されている。また、車両の前後方向に第1エアバッグ、第2エアバッグを順次配列し、第2エアバッグは第1エアバッグの後方側で上方へ突出した構成が記載されている。
特許文献2には、車両の車体前端部から展開する歩行者保護用のエアバッグを、前側膨張部及び後側膨張部を有する2段式の袋体とし、展開時の容量を可変とした構成が記載されている。
特許文献3には、歩行者等保護用のエアバッグ装置において、フロントグリルの上部に沿って展開する前部袋体、フードの上面に展開する上部袋体、前部袋体の下部に展開する下部袋体を有するとともに、膨張室の内圧をベント機構により制御する構成が記載されている。
特開2001-315599号公報 特開2007-269169号公報 特開2019-209824号公報
車両と、歩行者や自転車乗員(以下、歩行者等と称する)との衝突において、歩行者等の被害を抑制することが要望されている。
本発明の課題は、歩行者等の被害を抑制したエアバッグ装置を提供することである。
上述した課題を解決するため、本発明のエアバッグ装置は、車両の車体前部から前方側へ展開する複数のエアバッグと、衝突可能性が所定の閾値以上である場合にプリクラッシュ判定を成立させる衝突判定部と、前記プリクラッシュ判定に応じてインフレータに指令を与えて前記複数のエアバッグに展開用ガスを供給し前記複数のエアバッグを展開させるエアバッグ展開制御部とを備えるエアバッグ装置であって、前記複数のエアバッグは、第1のエアバッグと、前記第1のエアバッグの前方側に前記第1のエアバッグの前面部を覆って展開する第2のエアバッグとを有し、前記第1のエアバッグは、前記第2のエアバッグからの押圧に応じて前記展開用ガスを排出するベント流路を有することを特徴とする。
これによれば、第2のエアバッグに衝突対象物が衝突した際に、第2のエアバッグが第1のエアバッグを押圧し、第1のエアバッグが展開用ガスを排出しつつ収縮することによって、衝突エネルギを効果的に吸収することができる。
また、第2のエアバッグの内圧は第1のエアバッグの内圧に対して高圧に維持することが可能であり、第2のエアバッグの形状安定性を高め、衝突対象物との接触状態を安定化し、衝突後における挙動の再現性を高めることができる。
本発明において、前記第2のエアバッグは、前記第1のエアバッグの下方に配置された取付部を介して前記車体に取り付けられる構成とすることができる。
これによれば、衝突時に第1のエアバッグの収縮に応じて第2のエアバッグは前面部が上昇する方向に回動することから、衝突対象物を上昇させることができ、車体の上方側へ跳ね上げて加害性を抑制することができる。
この場合、前記第2のエアバッグは、前記第1のエアバッグの収縮に応じて、上方側の突端部が前記車体のフロントフード上まで後退するよう前記車体に対して回動する構成とすることができる。
これによれば、衝突対象物をフロントフードの上面に落下するよう誘導し、フロントフードの変形で衝突エネルギを吸収し、衝突対象物の被害をさらに抑制することができる。
本発明において、前記エアバッグ装置はさらに前記ベント流路の開度を制御するベント制御部を備え、前記衝突判定部は、前記プリクラッシュ判定の成立時に衝突対象物が有するエネルギに相関するパラメータを推定する機能を有し、前記ベント制御部は、推定された前記パラメータに応じて前記ベント流路の開度を異ならせる構成とすることができる。
これによれば、衝突対象物の重量(例えば歩行者の体格の大小)や衝突時の相対速度に応じてベント流路の開度を異ならせることにより、衝突対象物が有するエネルギのばらつきに関わらず第1のエアバッグを適度に収縮させることができ、第2のエアバッグによる衝突対象物の挙動制御の精度を高めることができる。
本発明において、前記エアバッグ装置はさらに前記第1のエアバッグの上方に設けられた第3のエアバッグと、前記第1のエアバッグと前記第3のエアバッグとを連通させる連通流路とを有し、前記第3のエアバッグは、前記第1のエアバッグの収縮時に排出される展開用ガスによって前記第1のエアバッグの上方へ展開する構成とすることができる。
これによれば、第1のエアバッグが第2のエアバッグに押されて収縮するのに応じて、第3のエアバッグが上方側へ張り出すよう展開し、第2のエアバッグによって上方へ跳ね上げられた衝突対象物を受け止めることによって、衝突対象物が車体のフロントフード等へ直接衝突することを防止することができる。
以上説明したように、本発明によれば、歩行者等の被害を抑制したエアバッグ装置を提供することができる。
本発明を適用したエアバッグ装置の第1実施形態の構成を模式的に示す図であって、エアバッグ展開時の車両を上方から見た状態を示す図である。 図1のII-II部矢視図である。 第1実施形態のエアバッグ装置を制御するシステムの構成を模式的に示すブロック図である。 第1実施形態のエアバッグ装置の衝突時における動作を説明するフローチャートである。 第1実施形態のエアバッグ装置を有する車両が歩行者と衝突した直後の状態を模式的に示す図である。 第1実施形態のエアバッグ装置を有する車両が歩行者と衝突し、第1エアバッグの収縮が完了した状態を示す図である。 本発明を適用したエアバッグ装置の第2実施形態の構成を模式的に示す図であって、エアバッグ展開時の車両前部を側方から見た状態を示す図である。 第2実施形態のエアバッグ装置を有する車両が歩行者と衝突した後の状態を模式的に示す図である。
<第1実施形態>
以下、本発明を適用したエアバッグ装置の第1実施形態について説明する。
第1実施形態のエアバッグ装置は、例えば、乗用車等の自動車の車体前部に設けられ、主に歩行者、自転車乗員等の人体と衝突した場合の保護(加害性抑制)を図るものである。
図1は、第1実施形態のエアバッグ装置の構成を模式的に示す図であって、エアバッグ展開時の車両を上方から見た状態を示す図である。
図2は、図1のII-II部矢視図である。
車両1は、例えば、車室10の前方側に張り出したエンジンコンパートメント20を有するいわゆる2ボックス型の車形を有する。
車室10は、乗員等が収容される空間部を有する部分である。
エンジンコンパートメント20は、例えばエンジン、トランスミッションや、電動車両の場合にはモータジェネレータ及びその制御機器類などのパワートレーン構成部品が収容される空間部を有する部分である。
エンジンコンパートメント20には、フロントサイドフレーム21、バンパビーム22、フロントバンパ23、フロントフード24等が設けられている。
フロントサイドフレーム21は、車室10の前端部に設けられた隔壁である図示しないトーボードから、車両前方に突出して設けられた構造部材である。
フロントサイドフレーム21は、例えば、パワートレーン、フロントサスペンションが取り付けられるクロスメンバや、マクファーソンストラット式のフロントサスペンションのストラットを収容するストラットハウジングなどが取り付けられる基部として機能する。
フロントサイドフレーム21は、例えば、鋼板をプレス成型して形成した部材を集成し、溶接することによって、車両前後方向から見た断面形状が矩形状の閉断面となっている。
バンパビーム22は、車体前部に設けられ車幅方向に延在する構造部材である。
バンパビーム22は、例えば鋼板をプレス成型して形成した部材を集成し溶接し、あるいは、アルミニウム系合金の押出材を用いることなどによって、断面形状が閉断面となる梁状に形成されている。
バンパビーム22は、中間部を左右のフロントサイドフレーム21の前端部に結合されている。
バンパビーム22の車幅方向における両端部は、フロントサイドフレーム21に対して車幅方向外側へ突出している。
バンパビーム22は、後述するエアバッグ30が衝突相手の人体や物体から受けた荷重を、フロントサイドフレーム21を介して車体後方側へ伝達する荷重伝達部材である。
フロントバンパ23は、車体前端部に設けられる外装部材であって、例えばPP系樹脂などによって形成され表皮部分を構成するバンパフェイスを、図示しないブラケット等で車体に取り付けて構成されている。
フロントバンパ23の前面部は、車両1を上方から見たときに、車両前方側が凸となるよう湾曲して形成されている。
バンパビーム22は、車両1を上方から見たときに、フロントバンパ23の前面部の湾曲に沿うように、車両前方側が凸となる弧状に形成されている。
フロントフード24は、エンジンコンパートメント20の上部に開閉可能に設けられた蓋状体である。
フロントフード24は、例えば軟鋼やアルミニウム系合金からなるパネルをプレス成型するとともに、裏面(下面)側にフレーム状の補剛構造を設けて構成されている。
フロントフード24は、車両1と衝突した歩行者等が上面に衝突した場合に、塑性変形によりエネルギを吸収し、傷害を抑制する機能を有する。
実施形態のエアバッグ装置は、以下説明する第1エアバッグ30、第2エアバッグ40を備えている。
第1エアバッグ30、第2エアバッグ40は、例えば、ナイロン66織物などの基布からなるパネルを接合することによって袋状に形成されている。
第1エアバッグ30は、後述するプリクラッシュ判定の成立に応じて、第1インフレータ111が発生する展開用ガスを導入されることによって展開し、さらに膨張する。
第2エアバッグ40は、プリクラッシュ判定の成立に応じて、第2インフレータ112が発生する展開用ガスを導入されることによって展開し、さらに膨張する。
第1エアバッグ30、第2エアバッグ40は、通常時(プリクラッシュ判定の成立前)においては、折り畳まれた状態でフロントバンパ23の内側に収容されている。
第1エアバッグ30、第2エアバッグ40は、衝突時においてはフロントバンパ23に形成された脆弱部を破断して車両前方側へ繰り出され、フロントバンパ23の前面に対して前方側に展開する。
第1エアバッグ30は、例えば、フロントバンパ23の上部から、車両前方側へ展開する。
第2エアバッグ40は、例えば、フロントバンパ23の下部から、車両前方側へ展開する。
第2エアバッグ40の本体部は、車幅方向から見たときに、車両前方側へ凸となる弧状に湾曲して形成されている。
第2エアバッグ40は、第1エアバッグ30の下側を通過して、第1エアバッグ30の前方側に、第1エアバッグ30の前面部を覆うように展開する。
第2エアバッグ40の上端部40aは、図2に示すように各エアバッグの展開が完了しかつ衝突が生ずる前の状態において、第1エアバッグ30の上端部よりも高い位置に配置されている。
第2エアバッグ40には、ベントホール41が設けられている。
ベントホール41は、第2エアバッグ40の展開中から展開終了時までは閉塞されるとともに、その後第2エアバッグ40の内圧が予め設定された所定値以上に高くなった場合に破断して開口し、第2エアバッグ40の内部の展開用ガスを排出(大気開放)するよう構成されている。
第1エアバッグ30、第2エアバッグ40の歩行者P等との衝突時の動作については、後に詳しく説明する。
図3は、第1実施形態のエアバッグ装置を制御するシステムの構成を模式的に示すブロック図である。
エアバッグ装置を制御するシステムは、エアバッグ制御ユニット110、環境認識ユニット120等を有して構成されている。
これらの各ユニットは、例えば、CPU等の情報処理部(プロセッサ)、RAMやROMなどの記憶部、入出力インターフェイス、及び、これらを接続するバス等を有するマイクロコンピュータとして構成することができる。
また、各ユニットは、例えばCAN通信システムなどの車載LANを介して、あるいは直接に接続され、相互に通信が可能となっている。
エアバッグ制御ユニット110は、第1インフレータ111、第2インフレータ112、ベント制御バルブ113に指令を与え、制御することにより、第1エアバッグ30、第2エアバッグ40を展開させるとともに、展開状態を制御するものである。
エアバッグ制御ユニット110は、本発明のエアバッグ展開制御部として機能する。
第1インフレータ111は、エアバッグ制御ユニット110からの指令に応じて、第1エアバッグ30を展開させる展開用ガスGを発生する化薬式(火薬式)のガス発生装置である。
第2インフレータ112は、エアバッグ制御ユニット110からの指令に応じて、第2エアバッグ40を展開させる展開用ガスGを発生する化薬式(火薬式)のガス発生装置である。
ベント制御バルブ113は、エアバッグ制御ユニット110からの指令に応じて、第1エアバッグ30内から展開用ガスGを排出(例えば大気開放)する図示しないベント流路を開閉するものである。
ベント制御バルブ113は、例えば、電磁バルブを有する構成とすることができる。
ベント制御バルブ113は、エアバッグ制御ユニット110からの指令に応じて、ベント流路の開度を、連続的又は段階的に可変する機能を有する。
エアバッグ制御ユニット110には、圧力センサ114が設けられている。
圧力センサ114は、第1エアバッグ30の内部の展開用ガスGの圧力(内圧)を検出する機能を有する。
エアバッグ制御ユニット110は、圧力センサ114の出力に基づいて、第1エアバッグ30への荷重の入力状態を検知することができる。
環境認識ユニット120は、各種センサの出力に基づいて、自車両周囲の環境を認識するものである。
環境認識ユニット120は、例えば、車両1(自車両)周辺の歩行者、自転車乗員等の人体、他車両、建築物、樹木、地形などの各種物体、道路形状(車線形状)等を認識する機能を有する。
環境認識ユニット120は、例えば歩行者、自転車乗員、二輪車乗員などの人体や、他車両等の人体以外との物体との衝突が不可避である場合(衝突可能性が所定以上である場合)に、プリクラッシュ判定を成立させる衝突判定部として機能する。
環境認識ユニット120には、ステレオカメラ装置121、ミリ波レーダ装置122、レーザスキャナ装置123等が接続されている。
ステレオカメラ装置121は、所定の間隔(基線長)だけ離間して配置された一対のカメラを有し、例えば、歩行者、自転車乗員などの人体や、他車両、建築物などの物体を認識するとともに、公知のステレオ画像処理により、車両1に対する人体、物体等の相対位置を検出する機能を備えている。
ステレオカメラ装置121は、撮像画像のパターン認識等により、被写体の属性を認識する機能を有する。
例えば、歩行者等の人体である場合には、体格、想定される体重、姿勢などを認識する機能を有する。
ミリ波レーダ装置122は、例えば30乃至300GHzの周波数帯域の電波を用いたレーダ装置であって、人体、物体等の有無、及び、車両1に対する人体、物体等の相対位置を検出する機能を備えている。
レーザスキャナ装置(LIDAR)123は、例えば近赤外レーザ光をパルス状に照射して車両1周辺を走査し、反射光の有無及び反射光が戻るまでの時間差に基づいて、人体、物体等の有無、車両1に対する人体、物体等の相対位置、形状等を検出する機能を備えている。
環境認識ユニット120は、例えば歩行者等の人体や、他車両等の物体との衝突が不可避である場合(プリクラッシュ判定が成立した場合)に、人体、物体等との衝突形態(例えば、衝突対象の車両1に対する速度ベクトル、車両1に対する衝突位置等)、及び、衝突対象の属性(人体の体格や他車両の車種等)を認識可能となっている。
次に、第1実施形態のエアバッグ装置の動作について説明する。
図4は、第1実施形態のエアバッグ装置の衝突時における動作を説明するフローチャートである。
以下、ステップ毎に順を追って説明する。
<ステップS01:プリクラッシュ判定>
環境認識ユニット120は、公知のプリクラッシュ判定ロジックを用いて、車両1の前方から接近する歩行者、自転車乗員などの衝突対象物と、車両1との衝突が発生する可能性を推定するとともに、推定された可能性が予め設定された閾値以上であるか否かを判別する。
衝突が発生する可能性が閾値以上である場合には、衝突が不可避であるものとしてプリクラッシュ判定を成立させてステップS02に進み、その他の場合は一連の処理を終了する。
<ステップS02:エアバッグ展開開始・ベント制御バルブ閉>
エアバッグ制御ユニット110は、第1インフレータ111、第2インフレータ112に指令を与えて展開用ガスGを発生させ、第1エアバッグ30、第2エアバッグ40に導入させて、第1エアバッグ30、第2エアバッグ40の展開を開始させる。
このとき、エアバッグ制御ユニット110は、第1エアバッグ30の展開を迅速に行うため、ベント制御バルブ113を閉状態とする。
その後、ステップS03に進む。
<ステップS03:エアバッグ展開完了判断>
エアバッグ制御ユニット110は、圧力センサ114の出力等に基づいて、第1エアバッグ30が所定の容積まで展開したか否かを判別する。
第1エアバッグ30が所定の容積まで展開したと判定した場合には、第1エアバッグ30の展開が完了したものとしてステップS04に進み、その他の場合はステップS03を繰り返す。
<ステップS04:衝突対象物エネルギ推定>
環境認識ユニット120は、ステレオカメラ装置121等の各種センサの出力に基づいて、車両1と衝突する衝突対象物が有する衝突エネルギに相関するパラメータを推定する。
衝突エネルギに相関するパラメータとして、例えば、衝突対象物が歩行者、自転車乗員などの人体である場合には、体格(体重)の概算値を推定する。
また、衝突対象物の車両1に対する車両前後方向の相対速度も衝突エネルギに相関するパラメータとして利用することができる。
その後、ステップS05に進む。
<ステップS05:ベント制御バルブ開度設定>
エアバッグ制御ユニット110は、ベント制御バルブ113を開状態にするとともに、ステップS04において判別した衝突対象物の衝突エネルギに相関するパラメータの大小に応じてベント制御バルブ113の開度を設定する。
例えば、衝突対象物(歩行者等)の体格が小さくなることに応じて、あるいは、衝突対象物と車両1との相対速度の低下に応じて、ベント制御バルブ113の開度を大きくし、衝突エネルギが小さい場合であっても衝突時における第1エアバッグ30の収縮を促進することができる。
その後、一連の処理を終了する。
以下、第1実施形態のエアバッグ装置における歩行者衝突時の状態推移、及び、作用効果について説明する。
先ず、歩行者等とのプリクラッシュ判定の成立に応じて、第1エアバッグ30、第2エアバッグ40は、図1,図2に示す状態に展開する。
この状態まで展開した後、ベント制御バルブ113は、ステップS04において設定された開度において開状態とされる。
このとき、第1エアバッグ30の内圧は、第2エアバッグ40の内圧に対して低圧とされる。
図5は、第1実施形態のエアバッグ装置を有する車両が歩行者と衝突した直後の状態を模式的に示す図である。
歩行者Pが第2エアバッグ40の前面部に衝突すると、第2エアバッグ40が車体に対して後退し、第1エアバッグ30の前面部を押圧する。
第2エアバッグ40の押圧を受けた第1エアバッグ30は、ベント制御バルブ113から展開用ガスGを排出し、歩行者Pの衝突エネルギを吸収しつつ収縮する。
第2エアバッグ40は、第1エアバッグ30の収縮に応じて、車体との取付部(フロントバンパ23の下部)付近を中心として車両後方側へ回動する。
この回動に伴い、第2エアバッグ40の前面部は上昇する。このとき、第2エアバッグ40の前面部に当接している歩行者Pは、頭部が脚部に対して車両後方側へ変位するよう回動しつつ上昇する。
図6は、第1実施形態のエアバッグ装置を有する車両が歩行者と衝突し、第1エアバッグの収縮が完了した状態を示す図である。
このとき、第2エアバッグ40は、上端部がフロントフード24の表面部に当接又は隣接する状態となっている。
歩行者Pは、フロントフード24の上方側へ跳ね上げられた状態となる。
第2エアバッグ40は、歩行者Pとフロントフード24とに挟まれて圧迫されることにより内圧が上昇する。
第2エアバッグ40の内圧が所定以上に向上すると、ベントホール41が破断して開状態となり、第2エアバッグ40内の展開用ガスGが放出(大気開放)される。
これにより、第2エアバッグ40が収縮し、歩行者Pの衝突エネルギをさらに吸収する。
第2エアバッグ40が収縮した後、歩行者Pの残存する衝突エネルギは、フロントフード24の塑性変形などによって吸収される。
以上説明したように、第1実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)第2エアバッグ40に歩行者P等が衝突した際に、第2エアバッグ40が第1エアバッグ30を押圧し、第1エアバッグ30が展開用ガスGを排出しつつ収縮することによって、衝突エネルギを効果的に吸収することができる。
また、第2エアバッグ40の内圧は第1エアバッグ30の内圧に対して高圧に維持することが可能であり、第2エアバッグ40の形状安定性を高め、歩行者P等との接触状態を安定化し、衝突後における挙動の再現性を高めることができる。
(2)第2エアバッグ40は第1エアバッグ30の下方に配置された取付部を介して車体に取り付けられることにより、衝突時に第1エアバッグ30の収縮に応じて第2エアバッグ40は前面部が上昇する方向に回動することから、歩行者P等を上昇させて車体の上方側へ跳ね上げることができる。
(3)第2エアバッグ40は、第1エアバッグ30の収縮に応じて、上端部40aがフロントフード24の上まで後退するよう車体に対して回動することにより、歩行者P等をフロントフード24の上面に落下するよう誘導し、フロントフード24の変形で衝突エネルギを吸収し、歩行者P等の被害をさらに抑制することができる。
(4)歩行者P等の体格の大小、衝突時の相対速度に応じて、ベント制御バルブ113の開度を異ならせることにより、歩行者P等が有する衝突エネルギのばらつきに関わらず第1エアバッグ30を適度に収縮させることができ、第2エアバッグ40の回動による歩行者P等の挙動制御の精度を高めることができる。
<第2実施形態>
次に、本発明を適用したエアバッグ装置の第2実施形態について説明する。
第2実施形態において、上述した第1実施形態と共通する箇所には同じ符号を付して説明を省略し、主に相違点について説明する。
図7は、本発明を適用したエアバッグ装置の第2実施形態の構成を模式的に示す図であって、エアバッグ展開時の車両前部を側方から見た状態を示す図である。
第2実施形態においては、第1エアバッグ30の上方に、第3エアバッグ50が設けられている。
第3エアバッグ50は、第1エアバッグ30の上部に設けられた隔壁31によって、第1エアバッグ30と区画されている。
第3エアバッグ50は、隔壁31に設けられたベントホール32を介して、第1エアバッグ30から展開用ガスGが導入される。
ベントホール32は、当初閉塞されているとともに、第1エアバッグ30と第3エアバッグ50の内圧の差圧が所定以上となった際に、脆弱部が破断することによって開放される。
ベントホール32は、第1インフレータ111による第1エアバッグ30の展開時には閉状態に維持され、その後、歩行者P等との衝突が発生し、第1エアバッグ30が第2エアバッグ40に押圧された際に、第1エアバッグ30の内圧増加に応じて開状態へ推移するよう設定されている。
図8は、第2実施形態のエアバッグ装置を有する車両が歩行者と衝突した後の状態を模式的に示す図である。
第2エアバッグ40が歩行者Pと衝突して後退し、第1エアバッグ30を押圧することにより、第1エアバッグ30の内圧が増加し、ベントホール32が開状態となる。
これにより、展開用ガスGが第1エアバッグ30から第3エアバッグ50に流入する。
展開用ガスGの導入に伴い、第3エアバッグ50は、第1エアバッグ30の上部から上方側へ張り出すよう展開する。
展開後の第3エアバッグ50の上端部は、第2エアバッグ40の上端部より上方へ突出した状態となる。
第3エアバッグ50は、第2エアバッグ40によりフロントフード24の上方側へ跳ね上げられた歩行者P等を受け止めて衝突エネルギを吸収する機能を有する。
以上説明した第2実施形態によれば、第1エアバッグ30が第2エアバッグ40に押されて収縮するのに応じて、第3エアバッグ50が上方側へ張り出すよう展開し、第2エアバッグ40によって上方へ跳ね上げられた歩行者P等を受け止めることによって、歩行者P等がフロントフード24等へ直接衝突することを防止できる。
(変形例)
本発明は、以上説明した各実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。
(1)エアバッグ装置及び車両の構成は、上述した各実施形態に限定されず、適宜変更することができる。
例えば、これらを構成する各部材、部品の構造、形状、材質、製法、配置、個数や、各種制御の具体的内容などは、各実施形態に限定されず適宜変更することができる。
(2)プリクラッシュ判定を行う手法や、衝突形態を判別する手法は、各実施形態の手法に限らず適宜変更することができる。
(3)第1乃至第3のエアバッグの形状や配置などは、上述した各実施形態の構成に限らず適宜変更することができる。また、これらのエアバッグの他にさらに追加的なエアバッグを設けてもよい。
また、ベントホール、ベント制御バルブ等の配置や、開状態と閉状態とが推移する条件なども特に限定されない。
1 車両 10 車室
20 エンジンコンパートメント 21 フロントサイドフレーム
22 バンパビーム 23 フロントバンパ
24 フロントフード 30 第1エアバッグ
31 隔壁 32 ベントホール
40 第2エアバッグ 40a 上端部
41 ベントホール 50 第3エアバッグ
110 エアバッグ制御ユニット
111 第1インフレータ 112 第2インフレータ
113 ベント制御バルブ 114 圧力センサ
120 環境認識ユニット
121 ステレオカメラ装置 122 ミリ波レーダ装置
123 レーザスキャナ装置 G 展開用ガス
P 歩行者

Claims (5)

  1. 車両の車体前部から前方側へ展開する複数のエアバッグと、
    衝突可能性が所定の閾値以上である場合にプリクラッシュ判定を成立させる衝突判定部と、
    前記プリクラッシュ判定に応じてインフレータに指令を与えて前記複数のエアバッグに展開用ガスを供給し前記複数のエアバッグを展開させるエアバッグ展開制御部と
    を備えるエアバッグ装置であって、
    前記複数のエアバッグは、第1のエアバッグと、前記第1のエアバッグの前方側に前記第1のエアバッグの前面部を覆って展開する第2のエアバッグとを有し、
    前記第1のエアバッグは、前記第2のエアバッグからの押圧に応じて前記展開用ガスを排出するベント流路を有すること
    を特徴とするエアバッグ装置。
  2. 前記第2のエアバッグは、前記第1のエアバッグの下方に配置された取付部を介して前記車体に取り付けられること
    を特徴とする請求項1に記載のエアバッグ装置。
  3. 前記第2のエアバッグは、前記第1のエアバッグの収縮に応じて、上方側の突端部が前記車体のフロントフード上まで後退するよう前記車体に対して回動すること
    を特徴とする請求項2に記載のエアバッグ装置。
  4. 前記エアバッグ装置はさらに前記ベント流路の開度を制御するベント制御部を備え、
    前記衝突判定部は、前記プリクラッシュ判定の成立時に衝突対象物が有するエネルギに相関するパラメータを推定する機能を有し、
    前記ベント制御部は、推定された前記パラメータに応じて前記ベント流路の開度を異ならせること
    を特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のエアバッグ装置。
  5. 前記エアバッグ装置はさらに前記第1のエアバッグの上方に設けられた第3のエアバッグと、前記第1のエアバッグと前記第3のエアバッグとを連通させる連通流路とを有し、
    前記第3のエアバッグは、前記第1のエアバッグの収縮時に排出される展開用ガスによって前記第1のエアバッグの上方へ展開すること
    を特徴とする請求項1から請求項4までもいずれか1項に記載のエアバッグ装置。
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