JP2022152067A - エアバッグ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】物体との衝突時における被害を軽減可能なエアバッグ装置を提供する。【解決手段】エアバッグ装置を、車両の車体前部から前方側へ展開する、車幅方向に配列された複数のエアバッグ30R,30C,30Lと、物体Vとの衝突の可能性が所定以上である場合にプリクラッシュ判定を成立させるプリクラッシュ判定部120と、プリクラッシュ判定の成立に応じてエアバッグを展開させるエアバッグ展開制御部110と、物体との衝突形態を判別する衝突形態判別部120と、物体との衝突形態がオフセット衝突である場合に、車幅方向における端部に設けられたエアバッグの少なくとも一部における横幅を通常状態に対して狭い状態とするエアバッグ狭幅化制御を行うエアバッグ幅制御部110,114とを備える構成とする。【選択図】図5

Description

本発明は、自動車等の車両の車体前部から車外側へ展開するエアバッグを有するエアバッグ装置に関する。
自動車等の車両において、
車外側に展開するエアバッグ装置に関する技術として、例えば、特許文献1には、車両と歩行者等との衝突において、跳ね上げられた歩行者等が落下して頭顔等を受傷することを防止するため、フロントバンパの前部で展開する、車幅方向に配列された複数のエアバッグを用いることが記載されている。
特許文献2には、車体の周囲に複数のエアバッグを展開させ、衝突時の車体被害を抑制することが記載されている。
また、展開時におけるエアバッグの形状、容積等を制御することに関する技術として、例えば、特許文献3には、鉄道車両の車体前部に設けられた膨張要素を有し、膨張要素の支承表面と衝撃表面との間を連結する連結要素を設けることが記載されている。
特許文献4には、車両の前方で展開可能なエアバッグを繰り返し展開し、格納状態に復帰するため、エアバッグの内部に設けられたテザーを格納状態への復帰時に牽引し、畳まれ方を規制して次回の展開が良好に行われるようにすることが記載されている。
特願2006-219119号公報 特表2008-526593号公報 特開2001-301550号公報 特開2004-338554号公報
一般に、自動車等の車両においては、前面衝突時に、車体の前部構造を圧壊させて衝突エネルギを吸収することを考慮して設計されている。
特許文献2に記載されているように、車外でエアバッグを展開させた場合であっても、通常はエアバッグが受けた荷重は車体構造部材へ伝達され、エアバッグにより吸収しきれない衝突エネルギは車体構造の圧壊により吸収されることになる。
このようなエネルギ吸収は、衝突相手の他車両が自車両と同等の車両重量であり、例えば時速数十kmの相対速度で衝突することが想定されている場合が多い。
しかし、実際には自車両よりも大型の車両との衝突、想定された車速よりも高速の車両との衝突、複数の車両と相次いで衝突する多重衝突などが発生する可能性があり、車体構造の圧壊のみにより十分なエネルギ吸収を行えない場合も想定される。
このため、過度に車体構造に依存せずに衝突時における被害を軽減することが要望されている。
上述した問題に鑑み、本発明の課題は、物体との衝突時における被害を軽減可能なエアバッグ装置を提供することである。
上述した課題を解決するため、本発明のエアバッグ装置は、車両の車体前部から前方側へ展開する、車幅方向に配列された複数のエアバッグと、物体との衝突の可能性が所定以上である場合にプリクラッシュ判定を成立させるプリクラッシュ判定部と、前記プリクラッシュ判定の成立に応じて前記エアバッグを展開させるエアバッグ展開制御部と、前記物体との衝突形態を判別する衝突形態判別部と、前記物体との衝突形態がオフセット衝突である場合に、車幅方向における端部に設けられた前記エアバッグの少なくとも一部における横幅を通常状態に対して狭い状態とするエアバッグ狭幅化制御を行うエアバッグ幅制御部とを備えることを特徴とする。
これによれば、車幅方向における端部のエアバッグの横幅を通常状態に対して狭くする(車幅方向の展開を規制する)エアバッグ狭幅化制御を行うことにより、当該エアバッグの内圧が向上し、前端部が通常状態よりも狭い状態で車両前方側へせり出す。
また、狭幅化されたエアバッグの車幅方向内側は他のエアバッグにより、車幅方向内側への変位が拘束されることから、狭幅化されたエアバッグの前端部が車幅方向内側に変位するような当該エアバッグの変形は抑制される。
このため、狭幅化されたエアバッグの前端部によって物体を突き、局所的に大きな反力を与えて物体にヨーモーメントを発生させ、物体が自車両から逸れる(行き違う)方向へ相対変位する挙動を生成して衝突エネルギを運動エネルギに転換し、自車両の車体に入力されるエネルギを抑制して衝突被害の軽減を図ることができる。
本発明において、前記エアバッグ幅制御部は、前記エアバッグの内部に設けられ前記エアバッグの横幅を規制するテザー部材の有効または無効を切り替えることで前記エアバッグの横幅を制御する構成とすることができる。
これによれば、簡単な装置構成により適切に上述した作用、効果を実現することができる。
本発明において、車幅方向における端部に設けられた前記エアバッグは、前記エアバッグ狭幅化制御が行われた場合に、前部における横幅が後部における横幅に対して小さくなる構成とすることができる。
これによれば、エアバッグ狭幅化制御を行ったエアバッグの側面部が、車両前方側から後方側へかけて徐々に車幅方向外側に張り出す斜面となることにより、物体を自車両に対して車幅方向外側へ誘導する効果を高めることができる。
本発明において、前記複数のエアバッグに設けられたベント流路の開閉を切り替えるベント制御部を有し、前記物体との衝突形態がフルラップ衝突である場合に、前記エアバッグ幅制御部は、車幅方向における端部に設けられた前記エアバッグの横幅を前記通常状態とし、前記ベント制御部は、前記ベント流路を開状態とする構成とすることができる。
これによれば、エアバッグの制御による衝突エネルギの運動エネルギへの転換が困難であるフルラップ衝突の場合に、各エアバッグが排気しつつ収縮することにより、衝突エネルギを効果的に吸収することができる。
以上説明したように、本発明によれば、物体との衝突時における被害を軽減可能なエアバッグ装置を提供することができる。
本発明を適用したエアバッグ装置の実施形態の構成を模式的に示す図である。 実施形態のエアバッグ装置を制御するシステムの構成を模式的に示すブロック図である。 実施形態のエアバッグ装置の衝突時における動作を説明するフローチャートである。 実施形態のエアバッグ装置を有する車両が他車両とオフセット衝突する直前の状態を模式的に示す図である。 実施形態のエアバッグ装置を有する車両が他車両とオフセット衝突した後の状態を模式的に示す図である。
以下、本発明を適用したエアバッグ装置の実施形態について説明する。
実施形態のエアバッグ装置は、例えば、乗用車等の自動車の車体前部に設けられ、他車両等の物体と衝突する際の被害軽減を図るものである。
図1は、実施形態のエアバッグ装置の構成を模式的に示す図である。
図1は、実施形態のエアバッグ装置を有する車両を上方から見た状態を示している。
車両1は、例えば、車室10の前方側に張り出したエンジンコンパートメント20を有するいわゆる2ボックス型の車形を有する。
車室10は、乗員等が収容される空間部を有する部分である。
エンジンコンパートメント20は、例えばエンジン、トランスミッションや、電動車両の場合にはモータジェネレータ及びその制御機器類などのパワートレーン構成部品が収容される空間部を有する部分である。
エンジンコンパートメント20には、フロントサイドフレーム21、バンパビーム22,フロントバンパ23等が設けられている。
フロントサイドフレーム21は、車室10の前端部に設けられた隔壁である図示しないトーボードから、車両前方に突出して設けられた構造部材である。
フロントサイドフレーム21は、例えば、パワートレーン、フロントサスペンションが取り付けられるクロスメンバや、マクファーソンストラット式のフロントサスペンションのストラットを収容するストラットハウジングなどが取り付けられる基部として機能する。
フロントサイドフレーム21は、例えば、鋼板をプレス成型して形成した部材を集成し、溶接することによって、車両前後方向から見た断面形状が矩形状の閉断面となっている。
バンパビーム22は、車体前部に設けられ車幅方向に延在する構造部材である。
バンパビーム22は、例えば鋼板をプレス成型して形成した部材を集成し溶接し、あるいは、アルミニウム系合金の押出材を用いることなどによって、断面形状が閉断面となる梁状に形成されている。
バンパビーム22は、中間部を左右のフロントサイドフレーム21の前端部に結合されている。
バンパビーム22の車幅方向における両端部は、フロントサイドフレーム21に対して車幅方向外側へ突出している。
バンパビーム22は、後述する中央エアバッグ30C、右側エアバッグ30R、左側エアバッグ30Lが衝突相手の物体から受けた荷重を、フロントサイドフレーム21を介して車体後方側へ伝達する荷重伝達部材である。
フロントバンパ23は、車体前端部に設けられる外装部材であって、例えばPP系樹脂などによって形成され表皮部分を構成するバンパフェイスを、図示しないブラケット等で車体に取り付けて構成されている。
フロントバンパ23の前面部は、車両1を上方から見たときに、車両前方側が凸となるよう湾曲して形成されている。
バンパビーム22は、車両1を上方から見たときに、フロントバンパ23の前面部の湾曲に沿うように、車両前方側が凸となる弧状に形成されている。
実施形態のエアバッグ装置は、中央エアバッグ30C、右側エアバッグ30R、左側エアバッグ30Lを備えている。
各エアバッグは、例えば、ナイロン66織物などの基布からなるパネルを接合することによって袋状に形成され、プリクラッシュ判定の成立に応じて、インフレータ111が発生する展開用ガスを吹き込まれることによって、展開する。
中央エアバッグ30Cは、車幅方向における車体中央部に設けられている。
右側エアバッグ30Rは、中央エアバッグ30Cに対して車幅方向右側に隣接して設けられている。
左側エアバッグ30Lは、中央エアバッグ30Cに対して車幅方向左側に隣接して設けられている。
中央エアバッグ30C、右側エアバッグ30R、左側エアバッグ30Lは、通常時(プリクラッシュ判定の成立前)においては、折り畳まれた状態でバンパビーム22に取り付けられるとともに、フロントバンパ23の内側に収容されている。
各エアバッグは、衝突時においては、フロントバンパ23に形成された脆弱部を破断して車両前方側へ繰り出され、フロントバンパ23の前面に対して前方側に展開する。
また、右側エアバッグ30R、左側エアバッグ30Lの内部には、車幅方向(横方向)における展開量を規制するテザー部材であるテザーベルト31が設けられる。
テザーベルト31は、例えば基布パネルからなり可撓性を有する帯状の部材である。
テザーベルト31は、車幅方向外側の側壁部となる基布パネルを拘束して各エアバッグの展開量を規制する有効状態と、少なくとも一部の連結が解除された無効状態とを、後述するテザーリリースアクチュエータ114によって切換可能となっている。
図2は、実施形態のエアバッグ装置を制御するシステムの構成を模式的に示すブロック図である。
エアバッグ装置を制御するシステムは、エアバッグ制御ユニット110、環境認識ユニット120、挙動制御ユニット130等を有して構成されている。
これらの各ユニットは、例えば、CPU等の情報処理部(プロセッサ)、RAMやROMなどの記憶部、入出力インターフェイス、及び、これらを接続するバス等を有するマイクロコンピュータとして構成することができる。
また、各ユニットは、例えばCAN通信システムなどの車載LANを介して、あるいは直接に接続され、相互に通信が可能となっている。
エアバッグ制御ユニット110は、インフレータ111、及び、ベント制御バルブ112に指令を与え、これらを制御することにより、右側エアバッグ30R、中央エアバッグ30C、左側エアバッグ30Lを展開させるとともに、展開状態を制御するものである。
エアバッグ制御ユニット110は、本発明のエアバッグ展開制御部として機能する。
インフレータ111は、エアバッグ制御ユニット110からの指令に応じて、各エアバッグを展開させる展開用ガスを発生する化薬式(火薬式)のガス発生装置である。
インフレータ111は、右側エアバッグ30R、中央エアバッグ30C、左側エアバッグ30Lにそれぞれ独立して設けられ、右側エアバッグ30R、中央エアバッグ30C、左側エアバッグ30Lの展開の有無、及び、展開を開始するタイミングを個別に制御可能となっている。
ベント制御バルブ112は、右側エアバッグ30R、中央エアバッグ30C、左側エアバッグ30Lにそれぞれ設けられ、各エアバッグ内からガスを排出(例えば大気開放)する図示しないベント流路を開閉するものである。
ベント制御バルブ112は、例えば、エアバッグ制御ユニット110からの指令に応じて、右側エアバッグ30R、中央エアバッグ30C、左側エアバッグ30Lのベント流路を独立して開閉する機能を有する。
ベント制御バルブ112は、例えば、電磁バルブを有する構成とすることができる。
エアバッグ制御ユニット110とベント制御バルブ112は、協働して本発明のベント制御部としての機能を有する。
エアバッグ制御ユニット110には、圧力センサ113が設けられている。
圧力センサ113は、右側エアバッグ30R、中央エアバッグ30C、左側エアバッグ30Lの内圧をそれぞれ検出する機能を有する。
エアバッグ制御ユニット110は、圧力センサ113の出力に基づいて、右側エアバッグ30R、中央エアバッグ30C、左側エアバッグ30Lに対する他車両等からの荷重入力状態を判別可能となっている。
エアバッグ制御ユニット110は、テザーリリースアクチュエータ114に指令を与え、右側エアバッグ30R、左側エアバッグ30Lに設けられたテザーベルト31を無効化する機能を有する。
テザーリリースアクチュエータ114は、例えば、テザーベルト31の一方の端部を解放(切断)可能な化薬式(火薬式)等のアクチュエータである。
テザーリリースアクチュエータ114は、例えば、エアバッグ制御ユニット110から指令が与えられた場合に作動して、テザーベルト31の一方の端部のエアバッグ表皮部との連結を解除し、テザーベルト31を無効化する。
環境認識ユニット120は、各種センサの出力に基づいて、自車両周囲の環境を認識するものである。
環境認識ユニット120は、例えば、車両1(自車両)周辺の他車両、歩行者、建築物、樹木、地形などの各種物体や、道路形状(車線形状)等を認識する機能を有する。
環境認識ユニット120は、他車両等の物体との衝突が不可避である場合(衝突可能性が所定以上である場合)に、プリクラッシュ判定を成立させるプリクラッシュ判定部として機能する。
環境認識ユニット120には、ステレオカメラ装置121、ミリ波レーダ装置122、レーザスキャナ装置123等が接続されている。
ステレオカメラ装置121は、所定の間隔(基線長)だけ離間して配置された一対のカメラを有し、例えば他車両、歩行者や自転車乗員などの物体を認識するとともに、公知のステレオ画像処理により、車両1に対する物体の相対位置を検出する機能を備えている。
ステレオカメラ装置121は、撮像画像のパターン認識等により、物体の属性を認識する機能を有する。例えば、物体が他車両である場合には、他車両の大きさ(トラック、バス、大型SUVなどの車両1よりも顕著に重量が大きい大型車であるか否かなど)を認識する機能を有する。
ミリ波レーダ装置122は、例えば30乃至300GHzの周波数帯域の電波を用いたレーダ装置であって、物体の有無及び車両1に対する物体の相対位置を検出する機能を備えている。
レーザスキャナ装置(LIDAR)123は、例えば近赤外レーザ光をパルス状に照射して車両1周辺を走査し、反射光の有無及び反射光が戻るまでの時間差に基づいて、物体の有無、車両1に対する物体の相対位置、物体の形状等を検出する機能を備えている。
環境認識ユニット120は、例えば他車両等の物体との衝突が不可避である場合(プリクラッシュ判定が成立した場合)に、物体との衝突形態(例えば、物体の車両1に対する速度ベクトル、車両1に対する衝突位置等)、及び、物体の属性(例えば、車両である場合には車種、車形、大きさ等)を認識可能となっている。
環境認識ユニット120は、本発明の衝突形態判別部としての機能を有する。
挙動制御ユニット130は、図示しない液圧式サービスブレーキ装置における各車輪の制動力等を制御して、車両のオーバステア挙動又はアンダステア挙動を抑制する車両挙動制御や、アンチロックブレーキ制御等を行う機能を備えている。
挙動制御ユニット130には、車速センサ131、加速度センサ132、ヨーレートセンサ133等が接続されている。
車速センサ131は、例えば車輪を回転可能に支持するハブベアリング部に隣接して設けられ、車輪の回転速度に比例した周波数の車速信号を出力するものである。
挙動制御ユニット130は、車速信号に基づいて、車両の走行速度(車速)を算出する機能を有する。
加速度センサ132は、車体に作用する前後加速度、横加速度を検出するものである。
ヨーレートセンサ133は、車体のヨーレートを検出するものである。
次に、実施形態のエアバッグ装置の動作について説明する。
図3は、実施形態のエアバッグ装置の衝突時における動作を説明するフローチャートである。
以下、ステップ毎に順を追って説明する。
<ステップS01:プリクラッシュ判定成立判断>
環境認識ユニット120は、公知のプリクラッシュ判定ロジックを用いて、車両1の前方から接近する他車両(本発明にいう物体の一例)との衝突が発生する可能性を推定するとともに、推定された可能性が予め設定された閾値以上であるか否かを判別する。
衝突が発生する可能性が閾値以上である場合には、衝突が不可避であるものとしてプリクラッシュ判定を成立させてステップS02に進み、その他の場合は一連の処理を終了(リターン)する。
<ステップS02:衝突形態認識>
エアバッグ制御ユニット110は、他車両の車両1への衝突形態を認識する。
衝突形態の認識は、例えば、環境認識ユニット120の出力に基づいて行うことができる。
例えば、ステレオカメラ装置121等によって衝突前後の他車両の車両1に対する相対位置をモニタした結果に基づいて、他車両の車両1への衝突位置(自車両1において他車両の衝突を受ける範囲)、及び、衝突直前の他車両の自車両1に対する速度ベクトルを認識する。この速度ベクトルは、他車両の車両1への相対速度、衝突方向(角度)に関する情報を含む。
その後、ステップS03に進む。
<ステップS03:特定オフセット衝突判断>
エアバッグ制御ユニット110は、ステップS02で認識した衝突形態が、後述するエアバッグ狭幅化制御によって衝突被害の軽減が可能な特定のオフセット衝突であるか否かを判別する。
例えば、他車両が、車両1に対するラップ率が例えば予め設定された所定値以下であり、所定の角度範囲内において衝突する場合に、特定のオフセット衝突であると判定することができる。
なお、本明細書、特許請求の範囲において、オフセット衝突とは、他車両等の物体が自車両の前後方向に対して傾斜した方向に沿って衝突する斜めオフセット衝突(いわゆるオブリーク衝突)も含むものとする。
特定のオフセット衝突であると判定された場合はステップS06に進み、その他の場合(例えばフルラップ衝突や、ラップ率又は衝突角度が所定範囲から外れるオフセット衝突等)には、ステップS04に進む。
<ステップS04:左右エアバッグテザーリリース>
エアバッグ制御ユニット110は、テザーリリースアクチュエータ114に指令を与え、右側エアバッグ30R、左側エアバッグ30Lのテザーベルト31をリリースし、無効化する。
その後、ステップS05に進む。
<ステップS05:エアバッグ展開>
エアバッグ制御ユニット110は、インフレータ111に作動指令を与え、右側エアバッグ30R、中央エアバッグ30C、左側エアバッグ30Lを展開させる。
これにより、各エアバッグは、図1に示すように展開した状態となる。
このとき、右側エアバッグ30R、左側エアバッグ30Lは、テザーベルト31が無効化された結果、横幅が狭幅化されていない通常状態となっている。
その後、ステップS06に進む。
<ステップS06:ベント制御バルブ開>
エアバッグ制御ユニット110は、ベント制御バルブ112に指令を与え、右側エアバッグ30R、中央エアバッグ30C、左側エアバッグ30L全てのベント流路を開く。
これにより、例えばフルラップ衝突等の場合に、全てのエアバッグを衝突に応じて排気し収縮させることによって、エアバッグ装置により実現可能な最大限のエネルギ吸収を図ることができる。
ベント制御バルブ112は、衝突後まで開状態を維持してもよいが、所定の目標ストロークだけ各エアバッグが前後方向に収縮した後に、ベント制御バルブ112を閉状態とし、エアバッグの収縮を抑制して反力を高めるようにしてもよい。
その後、一連の処理を終了する。
<ステップS07:衝突側エアバッグテザー保持>
エアバッグ制御ユニット110は、右側エアバッグ30R、左側エアバッグ30Lのうち、他車両が衝突する側の一方のエアバッグのテザーベルト31を有効状態(接続状態)に維持し、展開時の横幅を通常状態に対して狭くするエアバッグ狭幅化制御を実行する。
その後、ステップS08に進む。
<ステップS08:エアバッグ展開>
エアバッグ制御ユニット110は、インフレータ111に作動指令を与え、右側エアバッグ30R、中央エアバッグ30C、左側エアバッグ30Lを展開させる。
これにより、各エアバッグは、図4に示すよう、右側エアバッグ30R、左側エアバッグ30Lのうち衝突側の一方の横幅が通常状態より狭くなる状態で展開した状態となる。
このとき、ベント制御バルブ112は閉状態とされ、各エアバッグの内圧を高く保ち、各エアバッグが発生可能な反力(抗力)が通常状態に対して高くなるようにする。
また、当該エアバッグは、通常状態に対して内圧を向上することにより、その前端部は通常状態に対して車両前方側にせり出す。
その後、一連の処理を終了する。
実施形態においては、上述したように、特定のオフセット衝突以外の衝突形態である場合(フルラップ衝突の場合等)には、右側エアバッグ30R、左側エアバッグ30Lのテザーベルト31をそれぞれリリースした状態で、右側エアバッグ30R、中央エアバッグ30C、左側エアバッグ30Lを展開させている。
これにより、図1に示すように、右側エアバッグ30R、左側エアバッグ30Lは、横方向への展開を規制されない状態で展開する。
例えば、フルラップ衝突の場合には、この状態で他車両Vと衝突し、各エアバッグのベント制御バルブ112を開状態として、各エアバッグを他車両Vとの衝突に応じて排気しつつ縮小させ、エネルギ吸収を行う。
一方、エアバッグ狭幅化制御によって被害軽減が可能な特定のオフセット衝突である場合には、右側エアバッグ30R、左側エアバッグ30Lのうち、衝突側の一方では、テザーベルト31をリリースせず、テザーベルト31が有効な状態のまま各エアバッグを展開させている。
図4は、実施形態のエアバッグ装置を有する車両が他車両とオフセット衝突する直前の状態を模式的に示す図である。
図5は、実施形態のエアバッグ装置を有する車両が他車両とオフセット衝突した後の状態を模式的に示す図である。
図4,5では、他車両Vが車両1の左側前部に衝突するオフセット衝突の例について示しており、左側エアバッグ30Lにおいてエアバッグ狭幅化制御を行っている。
図4に示すように、テザーベルト31は、例えば、左側エアバッグ30Lの後面部32における車幅方向内側の端部付近と、車幅方向外側の側面部33の前後方向における中央部との間にわたして配置されている。
テザーベルト31が有効な状態(後面部32と側面部33が接続され相互に牽引された状態)で左側エアバッグ30Lを展開させることにより、展開後の左側エアバッグ30Lは、図1に示す通常状態(テザーベルト31を無効化した状態)に対して、横方向の幅が狭い状態となっている。
また、横方向への展開が規制されることにより、左側エアバッグ30Lの内圧は通常状態に対して向上し、その結果左側エアバッグ30Lの前端部は、通常状態よりも車両前方側へ突き出すようになる。
さらに、この状態では、左側エアバッグ30Lの前部が、後部に対してより狭幅となっている。
これにより、左側エアバッグ30Lの側面部33は、前端部から後端部にかけて車幅方向に徐々に張り出すよう、車両前後方向に対して傾斜した斜面となる。
この状態で他車両Vがオフセット衝突すると、他車両Vは、主に左側エアバッグ30Lの前端部から受ける反力によって、左側エアバッグ30Lと当接している側(図4,図5の場合には左側)へのヨーモーメントが生じ、車体にヨーレートが発生する。
なお、左側エアバッグ30Lは、テザーベルト31により横方向への展開が規制されていることから、通常状態に対して容積が小さく、展開用ガスの内圧が高い状態となっており、通常状態に対して他車両Vに大きい反力を与えることが可能となっている。
また、中央エアバッグ30Cのベント制御バルブ112を閉状態とすることにより、中央エアバッグ30Cの側面部から左側エアバッグ30Lへ伝達される反力を確保し、左側エアバッグ30Lが車幅方向内側へ倒れ込むことが抑制される。
上述したヨーレートの発生にともない、図5に破線矢印により示すように、他車両Vは、他車両Vから見て左方向にヨーレートを発散させるスピンモードを伴いつつ、車両1から見たときに車幅方向左側(図5における下方)に逸れていく。
このとき、他車両Vの車体前端部における車幅方向左側のコーナ部が、左側エアバッグ30Lの側面部33に形成される凹部Rに拘束された状態になると、他車両Vが車両1から逸れる挙動を促進することができる。
このような凹部Rは、側面部33がテザーベルト31で牽引されることにより形成される。
以上説明したように、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)右側エアバッグ30R、左側エアバッグ30Lのうち、オフセット衝突を受ける側の横幅を通常状態に対して狭くする(車幅方向の展開を規制する)エアバッグ狭幅化制御を行うことにより、当該エアバッグの内圧が向上し、前端部が通常状態よりも狭い状態で車両前方側へせり出す。
また、狭幅化されたエアバッグの車幅方向内側は、中央エアバッグ30Cにより、車幅方向内側に倒れ込まないよう拘束されることから、狭幅化されたエアバッグの前端部が車幅方向内側に変位するような当該エアバッグの変形は抑制される。
このため、狭幅化されたエアバッグの前端部によって他車両Vを突き、局所的に大きな反力を与えて他車両Vにヨーモーメントを発生させ、他車両Vが車両1から逸れる(行き違う)方向へ相対変位する挙動を生成し、衝突エネルギを運動エネルギに転換して車両1の車体に入力されるエネルギを抑制し、衝突被害の軽減を図ることができる。
(2)右側エアバッグ30R、左側エアバッグ30Lの横幅を、各エアバッグの内部に設けられたテザーベルト31のリリース有無で切り替えることにより、簡単な装置構成により適切に上述した作用、効果を実現することができる。
(3)右側エアバッグ30R、左側エアバッグ30Lに対してエアバッグ狭幅化制御を行った際に、当該エアバッグの前部における横幅が後部における横幅に対して小さくなることにより、エアバッグ狭幅化制御を行ったエアバッグの側面部33が、車両前方側から後方側へかけて徐々に車幅方向外側に張り出す斜面となり、他車両Vを車両1に対して車幅方向外側へ誘導する効果を高めることができる。
(4)フルラップ衝突時には右側エアバッグ30R、左側エアバッグ30Lがともに狭幅化されない通常状態で展開するとともに、ベント制御バルブ112が右側エアバッグ30R、中央エアバッグ30C、左側エアバッグ30Lのベント流路を開くことにより、エアバッグの制御による衝突エネルギの運動エネルギへの転換(他車両Vとの行き違い挙動の生成)が困難であるフルラップ衝突の場合に、全てのエアバッグが排気しつつ収縮することにより、衝突エネルギを効果的に吸収することができる。
(変形例)
本発明は、以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。
(1)エアバッグ装置及び車両の構成は、上述した実施形態に限定されず、適宜変更することができる。
例えば、これらを構成する各部材、部品の構造、形状、材質、製法、配置、個数や、各種制御の具体的内容などは、実施形態に限定されず適宜変更することができる。
(2)プリクラッシュ判定を行う手法や、衝突形態を判別する手法は、実施形態の手法に限らず適宜変更することができる。
(3)実施形態においては、例えば3個のエアバッグを車幅方向に配列しているが、これに限らず、例えば4個以上のエアバッグを配列した構成としてもよい。
(4)実施形態におけるテザーベルト(テザー部材)の配置や本数は一例であって、適宜変更することができる。また、エアバッグの横幅を通常状態に対して狭くする手法は、テザー部材によるものに限らず、適宜変更することができる。
例えば、実施形態のように、テザーベルトの端部をリリースするテザーリリースアクチュエータを用いてエアバッグの横幅を制御する構成に代えて、テザー部材の一方の端部に、テザー部材を牽引可能な機構を設け、エアバッグ狭幅化制御の実行時にテザー部材を牽引することでエアバッグの横幅を規制する構成としてもよい。
1 車両 10 車室
20 エンジンコンパートメント 21 フロントサイドフレーム
22 バンパビーム 23 フロントバンパ
30R 右側エアバッグ 30C 中央エアバッグ
30L 左側エアバッグ 31 テザーベルト
32 後面部 33 側面部
110 エアバッグ制御ユニット 111 インフレータ
112 ベント制御バルブ 113 圧力センサ
114 テザーリリースアクチュエータ
120 環境認識ユニット 121 ステレオカメラ装置
122 ミリ波レーダ装置 123 レーザスキャナ装置
130 挙動制御ユニット 131 車速センサ
132 加速度センサ 133 ヨーレートセンサ
V 他車両 R 凹部

Claims (4)

  1. 車両の車体前部から前方側へ展開する、車幅方向に配列された複数のエアバッグと、
    物体との衝突の可能性が所定以上である場合にプリクラッシュ判定を成立させるプリクラッシュ判定部と、
    前記プリクラッシュ判定の成立に応じて前記エアバッグを展開させるエアバッグ展開制御部と、
    前記物体との衝突形態を判別する衝突形態判別部と、
    前記物体との衝突形態がオフセット衝突である場合に、車幅方向における端部に設けられた前記エアバッグの少なくとも一部における横幅を通常状態に対して狭い状態とするエアバッグ狭幅化制御を行うエアバッグ幅制御部と
    を備えることを特徴とするエアバッグ装置。
  2. 前記エアバッグ幅制御部は、前記エアバッグの内部に設けられ前記エアバッグの横幅を規制するテザー部材の有効または無効を切り替えることで前記エアバッグの横幅を制御すること
    を特徴とする請求項1に記載のエアバッグ装置。
  3. 車幅方向における端部に設けられた前記エアバッグは、前記エアバッグ狭幅化制御が行われた場合に、前部における横幅が後部における横幅に対して小さくなること
    を特徴とする請求項1又は請求項2に記載のエアバッグ装置。
  4. 前記複数のエアバッグに設けられたベント流路の開閉を切り替えるベント制御部を有し、
    前記物体との衝突形態がフルラップ衝突である場合に、前記エアバッグ幅制御部は、車幅方向における端部に設けられた前記エアバッグの横幅を前記通常状態とし、前記ベント制御部は、前記ベント流路を開状態とすること
    を特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のエアバッグ装置。
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