JP2022151834A - 被覆材 - Google Patents
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Abstract
【課題】酸化硬化型樹脂を含む被覆材において、硬化性、及び光沢性を十分に確保することを目的とする。【解決手段】本発明は、酸化硬化型樹脂(A)、顔料(B)、金属ドライヤー(C)、及び脂肪族炭化水素含有溶剤(D)を含む被覆材であって、さらに、炭化水素基含有アルコキシシラン化合物(E)を含むことを特徴とする。【選択図】なし
Description
本発明は、新規な被覆材に関するものである。
従来、建築物、土木構造物等においては、その基材の機能性付与、及び保護や美観性の向上等を目的として、各種被覆材を塗装して被膜を形成する仕上げが行われている。近年、このような被覆材の分野においては、塗装時の安全性や、作業衛生の点、あるいは大気汚染への影響等を考慮し、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素含有溶剤の使用を抑える動きが強まっている。このような動きに対応するため、脂肪族炭化水素含有溶剤を用いた環境対応型の被覆材が種々提案されている。
また、このような環境対応型の被覆材として、酸化硬化型樹脂を使用した被覆材が知られている(特許文献1等)。特許文献1は、不飽和脂肪酸に含まれる反応性二重結合同士の酸化によって架橋反応を生じさせる1液架橋性(硬化型)の被覆材である。このような酸化硬化型樹脂を含む被覆材は、被膜物性に優れることから、多く採用されている。
しかしながら、上記被覆材は、酸化重合反応により自然硬化して被膜を形成するため、硬化が進むにつれて光沢が低下するおそれがあった。
本発明は、このような点に鑑みなされたものであり、酸化硬化型樹脂を含む被覆材において、硬化性、及び光沢性を十分に確保することを目的とするものである。
このような課題を解決するために本発明者らは、鋭意検討の結果、酸化硬化型樹脂、及び特定のシラン化合物を必須成分とする被覆材に想到し、本発明を完成するに到った。
すなわち、本発明は以下の特徴を有するものである。
1.酸化硬化型樹脂(A)、顔料(B)、金属ドライヤー(C)、及び脂肪族炭化水素含有溶剤(D)を含む被覆材であって、
さらに、炭化水素基含有アルコキシシラン化合物(E)を含むことを特徴とする被覆材。
2.前記酸化硬化型樹脂(A)100重量部(固形分)に対して、前記アルキルアルコキシシラン化合物(E)を0.5~10重量部含むことを特徴とする1.に記載の被覆材。
1.酸化硬化型樹脂(A)、顔料(B)、金属ドライヤー(C)、及び脂肪族炭化水素含有溶剤(D)を含む被覆材であって、
さらに、炭化水素基含有アルコキシシラン化合物(E)を含むことを特徴とする被覆材。
2.前記酸化硬化型樹脂(A)100重量部(固形分)に対して、前記アルキルアルコキシシラン化合物(E)を0.5~10重量部含むことを特徴とする1.に記載の被覆材。
本発明の被覆材によれば、硬化性、及び光沢性を十分に確保することができ、美観性に優れた被膜を形成することができる。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
<被覆材>
本発明の被覆材は、酸化硬化型樹脂(A)、顔料(B)、金属ドライヤー(C)、及び脂肪族炭化水素含有溶剤(D)を含むものであり、所謂弱溶剤形の被覆材である。本発明の被覆材は、上記成分に加えて、炭化水素基含有アルコキシシラン化合物(E)を含むことを特徴とするものである。
本発明の被覆材は、酸化硬化型樹脂(A)、顔料(B)、金属ドライヤー(C)、及び脂肪族炭化水素含有溶剤(D)を含むものであり、所謂弱溶剤形の被覆材である。本発明の被覆材は、上記成分に加えて、炭化水素基含有アルコキシシラン化合物(E)を含むことを特徴とするものである。
本発明の酸化硬化型樹脂(A)(以下「(A)成分」ともいう)は、酸化重合可能な二重結合(酸化重合性基)によって、空気酸化し硬化乾燥するものであり、脂肪族炭化水素含有非水溶剤(C)に溶解及び/または分散可能な樹脂であることを特徴とする。このような(A)成分としては、酸化重合性基を有するものであれば特に限定されず、例えば、
(A1)アルキド樹脂(以下「(A1)成分」ともいう)、
(A2)酸化重合性基を有するビニル単量体と、この単量体と共重合可能な他のビニル単量体とを共重合させて得られた樹脂(以下「(A2)成分」ともいう)、
(A3)エポキシ基含有ビニル単量体と、この単量体と共重合可能な他のビニル単量体とを共重合させた後、前記エポキシ基含有ビニル単量体に不飽和脂肪酸を付加させて得られた樹脂(以下「(A3)成分」ともいう)、
等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用できる。
(A1)アルキド樹脂(以下「(A1)成分」ともいう)、
(A2)酸化重合性基を有するビニル単量体と、この単量体と共重合可能な他のビニル単量体とを共重合させて得られた樹脂(以下「(A2)成分」ともいう)、
(A3)エポキシ基含有ビニル単量体と、この単量体と共重合可能な他のビニル単量体とを共重合させた後、前記エポキシ基含有ビニル単量体に不飽和脂肪酸を付加させて得られた樹脂(以下「(A3)成分」ともいう)、
等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用できる。
本発明被覆材では、(A)成分として、アルキド樹脂(A1)を含むことが好ましい。アルキド樹脂(A1)は、例えば、多塩基酸成分、多価アルコール成分、及び不飽和脂肪酸成分を縮重合することにより得られる樹脂が挙げられる。また、これらを変性して得られる変性アルキド樹脂が挙げられる。
アルキド樹脂(A1)を構成する多塩基酸成分としては、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、テトラヒドロフタル酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、アジピン酸、イタコン酸、アゼライン酸、ピロメリット酸およびそれらの酸無水物等を挙げることができる。これらは1種または2種以上で使用できる。
また、多価アルコール成分としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、デカンジオール、ジエチレングリコール、ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用できる。
不飽和脂肪酸成分としては、例えば、亜麻仁油脂肪酸、桐油脂肪酸、魚油脂肪酸、脱水ヒマシ油脂肪酸、大豆油脂肪酸、ヤシ油脂肪酸、ゴマ油脂肪酸、ケシ油脂肪酸、エノ油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸、麻実油脂肪酸、ブドウ核油脂肪酸、トール油脂肪酸、ヒマワリ油脂肪酸、綿実油脂肪酸、トウモロコシ油脂肪酸、クルミ油脂肪酸等が挙の乾性油および半乾性油の脂肪酸、ならびにハイジエン脂肪酸で代表される合成不飽和脂肪酸等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用できる。
アルキド樹脂は、公知の方法で得ることができる。例えば、上記の各原料成分を、不活性ガス雰囲気中、約200~240℃で酸価15以下になるまで脱水縮合する方法が挙げられる。また、本発明におけるアルキド樹脂としては、油長が10~80(より好ましくは20~70)であるものが好ましい。なお、本発明において「α~β」は「α以上β以下」と同義である。
変性アルキド樹脂としては、上記アルキド樹脂の一部を、例えば、ポリ塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、アクリルシリコン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリカーボネート樹脂、フェノール樹脂等の1種または2種以上で、変性したもの等が挙げられる。
本発明の被覆材では、(A1)成分として、ウレタン変性アルキド樹脂を含むことが好ましい。ウレタン変性アルキド樹脂は、上記アルキド樹脂の水酸基にイソシアネート基含有化合物を反応させることによって得られるものである。ウレタン変性アルキド樹脂を含むことにより、硬化性、光沢性を高めることができる。上記イソシアネート基含有化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート(3量体を含む)、テトラメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイシシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)等の脂環式ポリイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネートが挙げられる。
アルキド樹脂にイソシアネート基含有化合物を反応させる方法としては、特に限定されず、公知の方法を採用することができる。例えば、アルキド樹脂の水酸基にイソシアネート基含有化合物を、触媒の存在下で反応させる方法が挙げられる。使用できる触媒としては、通常のウレタン化反応において使用される触媒であれば特に限定されるものではないが、例えば、トリエチルアミン、N-エチルモルホリン、トリエチレンジアミン等のアミン系触媒や、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート等の錫系触媒等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用できる。
また、(A1)成分として、ビニル変性アルキド樹脂を含むこともできる。ビニル変性樹脂としては、上記アルキド樹脂に、ビニル単量体を共重合及び/またはグラフト重合させて得られものである。
ビニル単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、芳香族単量体、及びその他のビニル単量体等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n-アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用できる。
芳香族単量体としては、例えば、スチレン、2-メチルスチレン、ビニルトルエン、t-ブチルスチレン、クロルスチレン、ビニルアニソール、ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用できる。
その他、ビニル単量体としては、例えば、水酸基含有ビニル単量体、カルボキシル基含有ビニル単量体、アミノ基含有ビニル単量体、エポキシ基含有ビニル単量体等も使用できる。
水酸基含有ビニル単量体としては、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用できる。
カルボキシル基含有ビニル単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸またはそのモノアルキルエステル、イタコン酸またはそのモノアルキルエステル、フマル酸またはそのモノアルキルエステル等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用できる。
アミノ基含有ビニル単量体としては、例えば、N-メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチルビニルエーテル、N-(2-ジメチルアミノエチル)アクリルアミド、N-(2-ジメチルアミノエチル)メタクリルアミド等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用できる。
エポキシ基含有ビニル単量体としては、例えばグリシジル(メタ)アクリレート、β-メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4-オキシシクロヘキシルプロピル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用できる。
水酸基含有ビニル単量体としては、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用できる。
カルボキシル基含有ビニル単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸またはそのモノアルキルエステル、イタコン酸またはそのモノアルキルエステル、フマル酸またはそのモノアルキルエステル等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用できる。
アミノ基含有ビニル単量体としては、例えば、N-メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチルビニルエーテル、N-(2-ジメチルアミノエチル)アクリルアミド、N-(2-ジメチルアミノエチル)メタクリルアミド等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用できる。
エポキシ基含有ビニル単量体としては、例えばグリシジル(メタ)アクリレート、β-メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4-オキシシクロヘキシルプロピル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用できる。
また、酸化重合性を有するビニル単量体も使用できる。酸化重合性基を有するビニル単量体としては、例えば、エポキシ基含有ビニル単量体に不飽和脂肪酸が付加されたビニル単量体が挙げられる。このビニル単量体は、エポキシ基と不飽和脂肪酸中のカルボキシル基との反応によって得られるものである。不飽和脂肪酸としては、上述のものを使用することができる。
その他の酸化重合性基を有するビニル単量体として、例えば、ジシクロペンタジエンオキシアルキル(メタ)アクリレート等のジシクロペンタジエンオキシアルキル基含有ビニル単量体、アリル(メタ)アクリレート等のアリル基含有ビニル単量体を使用することもできる。
上記(A2)成分、上記(A3)成分は、各単量体を共重合して得られるものである。これを構成する各単量体は、上述のものを使用することができる。また、(A3)成分は、樹脂中のエポキシ基に対する不飽和脂肪酸の付加反応によって得られるものであり、エポキシ基と不飽和脂肪酸を反応させる際には、第3級アミンや第4級アンモニウム塩等の触媒を使用することができる。
本発明では、(A)成分として、その酸価が好ましくは0.1~20mgKOH/g(より好ましくは0.5~15mgKOH/g)であるものを使用することができる。(A)成分の酸価が上記範囲内であれば、長期保存後の硬化性、光沢性、密着性等も確保される。なお、酸価は、(A)成分の固形分1gに含まれる酸基と等モルの水酸化カリウムのmg数によって表される値である。(A)成分の酸価を上記範囲内に設定するには、例えば、多塩基酸成分、不飽和脂肪酸成分、カルボキシル基含有ビニル単量体等を適宜調整すればよい。
顔料(B)(以下「(B)成分」ともいう)は、本発明の被覆材に色彩を付与し、さらに隠ぺい性等を付与する成分であり、本発明では、顔料(B)として、少なくとも、酸化チタン(B1)(以下「(B1)成分」ともいう)を含むことが好ましい。(B1)成分は、白色顔料としての役割を担うものである。(B1)成分としては、例えば、ルチル型酸化チタン、アナターゼ型酸化チタン、あるいはこれらの表面処理品を使用することができる。本発明では、表面処理ルチル型酸化チタンを含むことが好ましい。これにより、硬化性、光沢性に優れた塗装仕上げが可能となる。
表面処理ルチル型酸化チタンとしては、例えば、ルチル型酸化チタン粒子の表面が少なくとも無機化合物で表面処理されたものが好ましい。表面処理に用いられる無機化合物としては、例えば、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア、酸化錫、酸化アンチモン、酸化亜鉛等が挙げられ、この中でも、シリカ、アルミナ、及びジルコニアからなる群より選ばれる1種または2種以上を含む態様が好ましい。無機化合物としては、この他にも、例えば、リン、カルシウム、マグネシウム、ストロンチウム、バリウム等を含む化合物が含まれていてもよい。このような無機化合物による表面処理は公知の方法で行うことができ、例えば、酸化チタンを含むスラリーに、Si、Al、Zr、Ti、Sn、Sb、Zn等の塩類水溶液を加え、これを中和するアルカリまたは酸を加えて、酸化チタン粒子表面に含水酸化物を生成させた後、ろ過、乾燥、粉砕等の工程を行う方法等を採用することができる。
また、表面処理ルチル型酸化チタンは、上記無機化合物に加え、有機化合物で表面処理されたものであってもよい。表面処理に用いられる有機化合物としては、例えば、脂肪酸、脂肪酸エステル、界面活性剤、金属石鹸、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、ワックス等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用できる。このような有機化合物による表面処理は公知の方法で行うことができ、例えば、上記無機化合物による表面処理方法の乾燥前または乾燥後に、有機化合物を添加混合する方法等を採用することができる。
(B1)成分のTiO2含有量は、好ましくは95%以下(より好ましくは80~94%)である。(B1)成分のTiO2含有量がこのような範囲内であれば、表面処理が厚めである状態となりやすく、ラジカル発生の抑制に有利であり、硬化を阻害しにくく、本発明の効果を高めることができる。なお、TiO2含有量は、JIS K5116:2004 7.2によって測定される値(質量分率)である。
本発明では、(B)成分として、体質顔料(B2)(以下「(B2)成分」ともいう)を混合することもできる。(B2)成分としては、例えば、重質炭酸カルシウム、軽微性炭酸カルシウム、カオリン、クレー、陶土、チャイナクレー、珪藻土、含水微粉珪酸、タルク、バライト粉、硫酸バリウム、沈降性硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、シリカ粉、水酸化アルミニウム等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用できる。(B2)成分は、例えば、固形分調整、粘性調整、艶調整等の目的で使用することができる。
本発明では、(B)成分として、酸化チタン以外の着色顔料(B3)(以下「(B3)成分」ともいう)が含まれることにより、種々の色彩を表出することが可能となる。(B3)成分としては、有彩色顔料、黒色顔料等が使用できる。このうち、有彩色顔料は、例えば、黄色、橙色、赤色、緑色、青色、紫色等の有彩色を呈する顔料である。このような有彩色顔料としては、例えば、酸化第二鉄、含水酸化第二鉄、群青、コバルトブルー、コバルトグリーン等の無機質のもの、アゾ系、ナフトール系、ピラゾロン系、アントラキノン系、ペリレン系、キナクリドン系、ジスアゾ系、イソインドリノン系、ベンゾイミダゾール系、フタロシアニン系、キノフタロン系等の有機質のもの等が挙げられる。一方、黒色顔料は、黒色を呈する顔料であり、例えば、鉄黒、鉄‐マンガン複合酸化物、鉄‐銅‐マンガン複合酸化物、鉄‐クロム‐コバルト複合酸化物、銅‐クロム複合酸化物、銅‐マンガン‐クロム複合酸化物等の無機質のもの、その他カーボンブラック等が挙げられる。この他、(B-3)成分としては、例えば、酸化亜鉛、酸化アルミニウム等の白色顔料も使用できる。これらは1種または2種以上で使用できる。
本発明被覆材における(B)成分の混合比率は、(A)成分の固形分100重量部に対し、好ましくは5~200重量部(より好ましくは10~150重量部)である。また、(B1)成分は、(A)成分の固形分100重量部に対し、好ましくは5~150重量部(より好ましくは10~120重量部)である。(B2)成分を使用する場合、(B2)成分は、(A)成分の固形分100重量部に対し、好ましくは5~150重量部(より好ましくは10~100重量部)である。(B3)成分を使用する場合、(B3)成分は、(A)成分の固形分100重量部に対し、好ましくは0.1~100重量部(より好ましくは0.3~90重量部)である。
金属ドライヤー(C)(以下「(C)成分」ともいう)は、上記(A)成分の硬化触媒として作用する成分である。(C)成分としては、例えば、コバルト系、マンガン系、ジルコニウム系、スズ系、鉛系、亜鉛系、銅系、鉄系、カルシウム系、バリウム系等の公知の有機金属化合物が使用できる。具体的には例えば、オクチル酸コバルト、ナフテン酸コバルト、オクチル酸マンガン、ナフテン酸マンガン、オクチル酸ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム、オクチル酸スズ、ナフテン酸鉛、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸銅、ナフテン酸鉄、オクチル酸カルシウム、ナフテン酸カルシウム、オクチル酸バリウム、ナフテン酸バリウム、等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用できる。
(C)成分の混合比率は、(A)成分の固形分100重量部に対し、好ましくは金属分で0.001~10重量部(より好ましくは0.01~5重量部)である。
脂肪族炭化水素含有溶剤(D)(以下「(D)成分」ともいう)は、芳香族炭化水素含有溶剤に比べ、低毒性であり、作業上の安全性が高く、さらには大気汚染に対する影響も小さい非水系溶剤である。(D)成分としては、例えば、n-ヘキサン、n-ペンタン、n-オクタン、n-ノナン、n-デカン、n-ウンデカン、n-ドデカン等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用できる。本発明では、ミネラルスピリット等の混合溶剤を使用することによって、脂肪族炭化水素を導入することもできる。脂肪族炭化水素は、(D)成分の総量に対し5重量%以上含まれることが好ましく、10~80重量%含まれることがより好ましい。
(D)成分は、脂肪族炭化水素と混合可能な溶剤を含むものであってもよい。このような溶剤としては、例えば、石油エーテル、石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤の他、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられ、好適な溶剤として、例えば、混合アニリン点またはアニリン点が12~70℃である石油系溶剤(芳香族炭化水素含有石油混合溶剤)等が挙げられる。なお、混合アニリン点またはアニリン点は、JIS K2256:2013の方法で測定される値である。
(D)成分の混合比率は、重ね塗り時の作業性、仕上がり性等の観点から、(A)成分の固形分100重量部に対し、好ましくは50~300重量部(より好ましくは60~250重量部)である。なお、(D)成分には、各成分の媒体として使用される溶剤も包含される。
本発明被覆材は、上記(A)成分~(D)成分に加えて、さらに炭化水素基含有アルコキシシラン化合物(E)(以下「(E)成分」ともいう)を含むことを特徴とする。(E)成分を含むことにより、被膜の光沢性を確保することができる。特に、上記(A)成分の硬化の進行とともに生じる光沢性の低下を抑制することができる。その作用機構は、以下に限定されるものではないが、被覆材中において、(E)成分は上記(B)成分の表面付近に分布(配向)するため、(B)成分の分散安定性を高めることができる。さらに、(A)成分の酸化重合反応時(硬化時)には、(B)成分付近に(E)成分が存在するため、(B)成分の凝集等を抑制することができる。その結果、優れた光沢保持性を得ることができる。
(E)成分としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリブトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジブトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジプロピルジメトキシシラン、ジプロピルジエトキシシラン、ジブチルジメトキシシラン、ジブチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジフェニルジブトキシシラン、ジメトキメチルフェニルシシラン、ジエトキシメチルフェニルシラン等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用できるが、中でも、炭素数が1~10の炭化水素基含有アルコキシシラン化合物を含むことが好ましい。
本発明では特に、(E)成分として、芳香族炭化水素基含有アルコキシシランを含むことが好ましい。芳香族炭化水素基含有アルコキシシランとしては、例えば、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジメトキメチルフェニルシシラン、ジエトキシメチルフェニルシラン、メチルフェニルジエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジブトキシシラン等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用できる。
本発明被覆材における(E)成分の混合比率は、(A)成分の固形分100重量部に対し、好ましくは0.05~10重量部(より好ましくは0.1~9重量部、さらに好ましくは0.2~8重量部)である。このような範囲の場合、本発明の効果を十分に発揮することができる。
本発明の被覆材では、上述の成分の他、本発明の効果に影響しない程度に各種成分を配合することも可能である。このような成分としては、例えば、合成樹脂、増粘剤、造膜助剤、レベリング剤、可塑剤、凍結防止剤、pH調整剤、希釈剤、防腐剤、防黴剤、防藻剤、抗菌剤、吸着剤、ホルムアルデヒドキャッチャー剤、分散剤、消泡剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、繊維、触媒、架橋剤等が挙げられる。
本発明の被覆材では、分散剤(F)(以下「(F)成分」ともいう)を含むことが好ましい。
(F)成分としては、例えば高分子系分散剤を用いることができる。高分子系分散剤としては、例えば、塩基性高分子系分散剤、中性高分子系分散剤、酸性高分子系分散剤等が挙げられる。このような高分子系分散剤としては、特に限定されないが、例えば、長鎖ポリアミノアマイドと酸ポリマーの塩、ポリアミノアマイドのポリカルボン酸塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、酸性基を有するコポリマー、水酸基含有カルボン酸エステル、アルキロールアミノアマイド、顔料に親和性のあるアクリル系共重合物、不飽和ポリカルボン酸ポリアミノアマイド、酸性ポリマーのアルキルアンモニウム塩、顔料に親和性のある共重合物のリン酸エステル塩、顔料に親和性のあるブロック共重合物、酸基を含むブロック共重合物のアルキルアンモニウム塩、変性アクリル系ブロック共重合物、不飽和ポリカルボン酸ポリマー又は不飽和ポリカルボン酸ポリマーとポリシロキサン、不飽和ポリカルボン酸ポリマー、高分子共重合体のアルキルアンモニウム塩、顔料親和性基を有する高分子共重合体、不飽和酸性ポリカルボン酸ポリエステルとポリシロキサン、等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用できる。
(F)成分としては、例えば高分子系分散剤を用いることができる。高分子系分散剤としては、例えば、塩基性高分子系分散剤、中性高分子系分散剤、酸性高分子系分散剤等が挙げられる。このような高分子系分散剤としては、特に限定されないが、例えば、長鎖ポリアミノアマイドと酸ポリマーの塩、ポリアミノアマイドのポリカルボン酸塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、酸性基を有するコポリマー、水酸基含有カルボン酸エステル、アルキロールアミノアマイド、顔料に親和性のあるアクリル系共重合物、不飽和ポリカルボン酸ポリアミノアマイド、酸性ポリマーのアルキルアンモニウム塩、顔料に親和性のある共重合物のリン酸エステル塩、顔料に親和性のあるブロック共重合物、酸基を含むブロック共重合物のアルキルアンモニウム塩、変性アクリル系ブロック共重合物、不飽和ポリカルボン酸ポリマー又は不飽和ポリカルボン酸ポリマーとポリシロキサン、不飽和ポリカルボン酸ポリマー、高分子共重合体のアルキルアンモニウム塩、顔料親和性基を有する高分子共重合体、不飽和酸性ポリカルボン酸ポリエステルとポリシロキサン、等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用できる。
本発明では(F)成分として、酸価を有する分散剤を含むことが好ましい。その酸価は、好ましくは5~100mgKOH/g(より好ましくは10~80mgKOH/g、さらに好ましくは20~60mgKOH/g)である。このような(F)成分と、上記(E)成分を併用して含むことにより、光沢性をよりいっそう高めることができる。
なお、酸価は、分散剤固形分1gを中和するのに必要なKOHのmg数を表す。
なお、酸価は、分散剤固形分1gを中和するのに必要なKOHのmg数を表す。
さらに、(F)成分は、酸価及びアミン価を有する分散剤(両性分散剤)を含むことが好ましい。その酸価は、好ましくは5~100mgKOH/g(より好ましくは10~80mgKOH/g、さらに好ましくは20~60mgKOH/g)である。また、アミン価は、好ましくは5~100mgKOH/g(より好ましくは10~80mgKOH/g、さらに好ましくは20~60mgKOH/g)である。このような(F)成分と、上記(E)成分を併用して含むことにより、光沢性をよりいっそう高めることができる。なお、アミン価とは、分散剤固形分1gを中和するのに必要なHClに当量のKOHのmg数を表す。
(F)成分の混合比率は、(A)成分の固形分100重量部に対し、好ましくは0.05~20重量部(より好ましくは0.1~15重量部)である。このような範囲の場合、本発明の効果を十分に発揮することができる。
本発明の被覆材では、合成樹脂(G)(ただし、上記(A)成分を除く)を含むことができる。合成樹脂(G)(以下「(G)成分」ともいう)は、例えば、各種被膜物性(速乾性、被膜強度、耐候性等)の向上の目的、あるいは顔料分散液として調色を目的として混合される成分である。本発明では、このような(G)成分を混合した場合であっても、硬化性、光沢性を十分に確保することができる。(G)成分としては、特に限定されず、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリルシリコン樹脂、フッ素樹脂、ケイ素樹脂、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体等、あるいはこれらの複合物等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用できる。(G)成分の混合比率は、所望の物性等により適宜設定すればよいが、(A)成分の固形分100重量部に対し、好ましくは50重量部以下(より好ましくは0.05~40重量部、さらに好ましくは0.1~30重量部)である。このような範囲の場合、本発明の効果を十分に発揮することができる。
本発明の被覆材は、以上のような各成分を常法により均一に撹拌・混合して製造することができる。本発明の被覆材は、1液型の形態で使用できる。また、本発明の被覆材は、上塗用の被覆材、特に艶有り被覆材として使用できるものであり、JIS K 5516:2019合成樹脂調合ペイント1種として好適なものである。本発明の被覆材の形成被膜の鏡面光沢度(測定角度20度)は、好ましくは70以上(より好ましくは75以上)である。
<被膜形成方法>
本発明の被覆材は、主に建築物、土木構築物等における躯体の保護や美観性向上のために適用することができ、例えば、基材に下塗材塗膜を介して塗装する上塗用の被覆材として好適である。本発明では、例えば、基材に対し、下塗材を塗付した後、本発明の被覆材を塗付することにより被膜を形成することができる。
本発明の被覆材は、主に建築物、土木構築物等における躯体の保護や美観性向上のために適用することができ、例えば、基材に下塗材塗膜を介して塗装する上塗用の被覆材として好適である。本発明では、例えば、基材に対し、下塗材を塗付した後、本発明の被覆材を塗付することにより被膜を形成することができる。
基材としては、主に建築物、土木構築物等の躯体の保護等に使用するものであり、例えば、コンクリート、モルタル、磁器タイル、サイディングボード、押出成形板、カラー鋼板、銅板、アルミニウム板、チタン板、ステンレス板、亜鉛めっき鋼板、金属、ガラス、プラスチック、木材、合板等の各種基材が挙げられる。これら基材は、その表面に旧塗膜を有するものであってもよい。本発明では、下塗材を基材に直接塗装することができるが、予め基材に何らかの表面処理(フィラー、パテ等の下塗材による下地処理等)を施すことも可能である。
下塗材としては、公知または市販の各種下塗材が使用できる。具体的に下塗材としては、例えば、アクリル樹脂下塗材、エポキシ樹脂下塗材、ウレタン樹脂下塗材、塩化ゴム系下塗材等が挙げられる。このような下塗材は、クリヤータイプ、着色タイプのいずれであってもよい。また、リン酸塩系、モリブデン酸塩系、亜鉛系等の防錆顔料を含むものであってもよい。
下塗材は、上記バインダー成分を必須成分とし、本発明の効果に影響しない程度に各種成分を配合することも可能である。このような成分としては、例えば、着色顔料、体質顔料、防錆剤、増粘剤、造膜助剤、レベリング剤、可塑剤、凍結防止剤、pH調整剤、希釈剤、防腐剤、防黴剤、防藻剤、抗菌剤、分散剤、消泡剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、繊維、触媒、架橋剤等が挙げられる。
このような下塗材は、例えば、刷毛塗装、ローラー塗装、スプレー塗装、ロールコーター、フローコーター等、種々の方法を用いて塗装することができる。塗付け量については、下塗材の形態にもよるが、好ましくは0.05~3kg/m 2(より好ましくは0.05~2kg/m 2)である。
本発明の被覆材の塗装方法としては、例えば、刷毛塗装、ローラー塗装、スプレー塗装、ロールコーター、フローコーター等、種々の方法を用いることができる。この際、本発明の被覆材は、脂肪族炭化水素系溶剤で適宜希釈することもできる。また、塗付け量は、好ましくは0.1~0.5kg/m 2程度である。さらに、被覆材は1層で仕上げてもよく、2層以上を積層して仕上げることもできる。
以下に実施例を示し、本発明の特徴をより明確にする。
(被覆材1~12)
下記に示す原料を用い、表1に示す配合にて、常法により混合し、被覆材1~6(白色塗料)を製造した。
下記に示す原料を用い、表1に示す配合にて、常法により混合し、被覆材1~6(白色塗料)を製造した。
各上塗材においては、以下の原料を使用した。
(A)酸化硬化型樹脂
(A1-1)アルキド樹脂[ペンタエリスリトール・グリセリン・無水フタル酸重縮合物の大豆油脂肪酸変性物、油長:45%、固形分:50重量%、溶剤:ミネラルスピリット]
(A1-2)ウレタン変性アルキド樹脂[上記(A1-1)アルキド樹脂とトリレンジイソシアネートの反応化合物、油長:50%、固形分:50重量%、溶剤:ミネラルスピリット]
(B)顔料
(B1-1)表面処理ルチル型酸化チタン[TiO2含有量:93%、表面処理化合物:シリカ、アルミナ、ジルコニア]
(B1-2)未処理ルチル型酸化チタン[TiO2含有量:99%]
(B2)体質顔料[重質炭酸カルシウム]
(B3)赤色顔料(酸化第二鉄)
(C)金属ドライヤー[ナフテン酸コバルトとナフテン酸ジルコニウムの混合液、溶剤:ミネラルスピリット、Co分:0.3重量%、Zr分:3重量%]
(D)脂肪族炭化水素含有非水溶剤[ミネラルスピリットと芳香族炭化水素含有石油混合溶剤の混合物(脂肪族炭化水素含有比率65重量%]
(E)炭化水素基含有アルコキシシラン化合物
(E-1)芳香族炭化水素基含有アルコキシシラン化合物[フェニルトリメトキシシラン・ジメトキシメチルフェニルシラン混合物]
(E-2)芳香族炭化水素基含有アルコキシシラン化合物[フェニルトリメトキシシラン]
(E-3)炭化水素基含有アルコキシシラン化合物[メチルトリメトキシシラン]
(F)分散剤
(F1)高分子共重合体のリン酸エステル塩分散液[固形分:50重量%、酸価:45mgKOH/g、アミン価:40mgKOH/g、溶剤:ミネラルスピリット]
(F2)酸性高分子共重合体のアルキルアンモニウム塩分散液[固形分:50重量%、酸価:73mgKOH/g、アミン価:76mgKOH/g、溶剤:ミネラルスピリット]
(F3)酸性基を有するコポリマー[固形分:100重量%、酸価:100mgKOH/g、アミン価:0]
(G)アクリル樹脂[アクリルポリオール樹脂、固形分:50重量%、溶剤:ミネラルスピリット]
・添加剤[消泡剤、増粘剤、紫外線吸収剤、光安定剤等]
(A)酸化硬化型樹脂
(A1-1)アルキド樹脂[ペンタエリスリトール・グリセリン・無水フタル酸重縮合物の大豆油脂肪酸変性物、油長:45%、固形分:50重量%、溶剤:ミネラルスピリット]
(A1-2)ウレタン変性アルキド樹脂[上記(A1-1)アルキド樹脂とトリレンジイソシアネートの反応化合物、油長:50%、固形分:50重量%、溶剤:ミネラルスピリット]
(B)顔料
(B1-1)表面処理ルチル型酸化チタン[TiO2含有量:93%、表面処理化合物:シリカ、アルミナ、ジルコニア]
(B1-2)未処理ルチル型酸化チタン[TiO2含有量:99%]
(B2)体質顔料[重質炭酸カルシウム]
(B3)赤色顔料(酸化第二鉄)
(C)金属ドライヤー[ナフテン酸コバルトとナフテン酸ジルコニウムの混合液、溶剤:ミネラルスピリット、Co分:0.3重量%、Zr分:3重量%]
(D)脂肪族炭化水素含有非水溶剤[ミネラルスピリットと芳香族炭化水素含有石油混合溶剤の混合物(脂肪族炭化水素含有比率65重量%]
(E)炭化水素基含有アルコキシシラン化合物
(E-1)芳香族炭化水素基含有アルコキシシラン化合物[フェニルトリメトキシシラン・ジメトキシメチルフェニルシラン混合物]
(E-2)芳香族炭化水素基含有アルコキシシラン化合物[フェニルトリメトキシシラン]
(E-3)炭化水素基含有アルコキシシラン化合物[メチルトリメトキシシラン]
(F)分散剤
(F1)高分子共重合体のリン酸エステル塩分散液[固形分:50重量%、酸価:45mgKOH/g、アミン価:40mgKOH/g、溶剤:ミネラルスピリット]
(F2)酸性高分子共重合体のアルキルアンモニウム塩分散液[固形分:50重量%、酸価:73mgKOH/g、アミン価:76mgKOH/g、溶剤:ミネラルスピリット]
(F3)酸性基を有するコポリマー[固形分:100重量%、酸価:100mgKOH/g、アミン価:0]
(G)アクリル樹脂[アクリルポリオール樹脂、固形分:50重量%、溶剤:ミネラルスピリット]
・添加剤[消泡剤、増粘剤、紫外線吸収剤、光安定剤等]
(実施例1~11、比較例1)
各被覆材について、以下の評価を実施した。結果は、表1に示す。
各被覆材について、以下の評価を実施した。結果は、表1に示す。
・硬化性
ガラス板の片面に、すきま75μmのフィルムアプリケータを用いて被覆材を塗り、乾燥塗膜を得るまでの時間(JIS K 5600-3-3:1999に準拠した硬化乾燥時間)を評価した。評価基準は、以下の通りである。
「a」硬化乾燥時間が8時間未満
「b」硬化乾燥時間が8時間以上10時間未満
「c」硬化乾燥時間が10時間以上
ガラス板の片面に、すきま75μmのフィルムアプリケータを用いて被覆材を塗り、乾燥塗膜を得るまでの時間(JIS K 5600-3-3:1999に準拠した硬化乾燥時間)を評価した。評価基準は、以下の通りである。
「a」硬化乾燥時間が8時間未満
「b」硬化乾燥時間が8時間以上10時間未満
「c」硬化乾燥時間が10時間以上
・光沢性(光沢保持性)
ガラス板の片面に、すきま100μmのフィルムアプリケータを用いて被覆材を塗り、塗面を水平に置いて標準状態で48時間乾燥した時の鏡面光沢度(測定角度20度)(初期光沢度)と、7日間乾燥したときの鏡面光沢度(測定角度20度)を測定し、光沢度の変化(初期光沢度に対する低下の程度)を評価した。なお、初期光沢度はいずれも70以上であった。
評価基準は、以下の通りである。
「a」光沢度の差が5未満
「b」光沢度の差が5以上10未満
「c」光沢度の差が10以上20未満
「d」光沢度の差が20以上
ガラス板の片面に、すきま100μmのフィルムアプリケータを用いて被覆材を塗り、塗面を水平に置いて標準状態で48時間乾燥した時の鏡面光沢度(測定角度20度)(初期光沢度)と、7日間乾燥したときの鏡面光沢度(測定角度20度)を測定し、光沢度の変化(初期光沢度に対する低下の程度)を評価した。なお、初期光沢度はいずれも70以上であった。
評価基準は、以下の通りである。
「a」光沢度の差が5未満
「b」光沢度の差が5以上10未満
「c」光沢度の差が10以上20未満
「d」光沢度の差が20以上
(実施例12~21、比較例2)
表2に示す配合に従って、白色塗料(上記被覆材1、2、3、6、12)100重量部に対して、アクリル樹脂(固形分50重量%)を混合した被覆材を作製した。次いで、上記と同様にして硬化性、光沢性について評価した。結果は、表2に示す。
表2に示す配合に従って、白色塗料(上記被覆材1、2、3、6、12)100重量部に対して、アクリル樹脂(固形分50重量%)を混合した被覆材を作製した。次いで、上記と同様にして硬化性、光沢性について評価した。結果は、表2に示す。
Claims (2)
- 酸化硬化型樹脂(A)、顔料(B)、金属ドライヤー(C)、及び脂肪族炭化水素含有溶剤(D)を含む被覆材であって、
さらに、炭化水素基含有アルコキシシラン化合物(E)を含むことを特徴とする被覆材。 - 前記酸化硬化型樹脂(A)100重量部(固形分)に対して、前記炭化水素基含有アルコキシシラン化合物(E)を0.05~10重量部含むことを特徴とする請求項1に記載の被覆材。
Applications Claiming Priority (2)
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