JP2022151257A - 制御装置、撮像装置、レンズ装置、制御方法、およびプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】例えば、機械学習に有利な制御装置を提供する。【解決手段】制御装置は、互いに異なる条件下で学習された複数の学習済モデルから一つの学習済モデルを取得する取得部(227)と、取得部(227)により取得された一つの学習済モデルに基づいて、光学部材(101~104)の駆動を制御する制御部(211)とを有する。【選択図】図1
Description
本発明は、制御装置、撮像装置、レンズ装置、制御方法、およびプログラムに関する。
静止画撮像時の速写性を実現するには、オートフォーカス、絞り、または電動ズームなどの高速動作が必要である。一方、動画撮像時には、当該高速動作においてはアクチュエータの作動音が大きくなり、当該作動音がノイズとして記録されうる。
特許文献1には、静止画を撮像する第1の撮像モードか動画を撮像する第2の撮像モードかに応じて、アクチュエータの作動モードを選択する撮像装置が開示されている。特許文献1に開示された撮像装置によれば、撮像モードに応じた速度および作動音でアクチュエータを駆動することができる。
撮像装置の光学部材を駆動するアクチュエータに要求される駆動速度、位置精度、消費電力、および静音性などの性能は、ユーザや撮像条件などに関する状況によって異なりうる。よって、機械学習により得られた学習済モデルを用いて光学部材の駆動を制御する場合、状況ごとに機械学習を行うのに、アクチュエータの駆動量が多大となりうる。その結果、機械学習時間の増大や駆動部の消耗が懸念されうる。
本発明は、例えば、機械学習に有利な制御装置を提供することを目的とする。
本発明の一側面としての制御装置は、互いに異なる条件下で学習された複数の学習済モデルから一つの学習済モデルを取得する取得部と、前記取得部により取得された前記一つの学習済モデルに基づいて、光学部材の駆動を制御する制御部とを有する。
本発明の他の目的及び特徴は、以下の実施例において説明される。
本発明によれば、例えば、機械学習に有利な制御装置を提供することができる。
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。
<機械学習機能付き撮像システムの構成>
まず、図1を参照して、本発明の実施例1における撮像システム(カメラシステム)10の構成について説明する。図1は、撮像システム10のブロック図である。撮像システム10は、カメラ本体(撮像装置)200と、カメラ本体200に着脱可能な交換レンズ(レンズ装置)100とを備えて構成される。
まず、図1を参照して、本発明の実施例1における撮像システム(カメラシステム)10の構成について説明する。図1は、撮像システム10のブロック図である。撮像システム10は、カメラ本体(撮像装置)200と、カメラ本体200に着脱可能な交換レンズ(レンズ装置)100とを備えて構成される。
カメラ本体200と交換レンズ100は、結合機構であるマウント300を介して機械的および電気的に接続されている。カメラ本体200は、マウント300に設けられた不図示の電源端子部を介して、交換レンズ100に電源を供給する。また、カメラ本体200と交換レンズ100は、マウント300に設けられた不図示の通信端子部を介して相互に通信を行う。本実施例において、交換レンズ100はカメラ本体200に対して着脱可能であるが、これに限定されるものではなく、撮像装置とレンズ装置とが一体的に構成されていてもよい。
交換レンズ100は、撮像光学系を有する。撮像光学系は、撮像素子で撮られる像を形成する光学部材として、焦点調節を行うフォーカスレンズ101、変倍を行うズームレンズ102、光量を調節する絞りユニット103、および像振れ補正レンズ104を含む。フォーカスレンズ101とズームレンズ102は、不図示のレンズ保持枠によって保持されている。レンズ保持枠は、不図示のガイド軸により光軸OAに沿った方向(光軸方向)に移動可能にガイドされている。フォーカスレンズ101は、フォーカスレンズ駆動部105により光軸方向に移動する。フォーカスレンズ101の位置は、フォーカスレンズ検出部106により検出される。ズームレンズ102は、ズームレンズ駆動部107により光軸方向に移動する。ズームレンズ102の位置は、ズームレンズ検出部108により検出される。絞りユニット103は、絞り羽根を備えて構成され、絞り駆動部109により駆動され光量調節動作を行う。絞りユニット103のF値(絞り値)は、絞り検出部110により検出される。像振れ補正レンズ104は、像振れ補正レンズ駆動部112により光軸OAと直交する方向に移動し、手振れなどに起因する像振れを低減する。像振れ補正レンズ104の位置は、像振れ補正レンズ検出部113により検出される。
フォーカスレンズ駆動部105、ズームレンズ駆動部107、絞り駆動部109、および像振れ補正レンズ駆動部112は、例えば超音波モータ(振動波モータ)を有する。ただし、各駆動部は、超音波モータに限定されるものではなく、ボイスコイルモータ、DCモータ、またはステッピングモータなどの他のモータを有していてもよい。フォーカスレンズ検出部106、ズームレンズ検出部108、絞り検出部110、および像振れ補正レンズ検出部113は、例えばポテンションメータやエンコーダである。また、各駆動部がステッピングモータなどの所定の駆動量をフィードバック無しに駆動可能なモータを有する場合、所定位置を検出する検出部を設けてもよい。この場合、フォトインタラプタなどの検出センサを設けた所定位置まで光学部材を初期駆動し、初期駆動後は、モータ駆動量に基づいて光学部材の位置を特定してもよい。揺れセンサ111は、交換レンズ100の揺れを検出する検出部であり、例えばジャイロである。
レンズマイコン(レンズマイクロコンピュータ)120は、NN制御部121、レンズ装置情報管理部122、NNデータ記憶部123、動作ログ管理部124、制御部125、および通信部126を有する。NN制御部121は、フォーカスレンズ101の位置を制御する制御部である。NN制御部121は、その内部にニューラルネットワーク(NN)アルゴリズムが実装され、機械学習パラメータを用いてNNアルゴリズムにより駆動指令を決定する。レンズ装置情報管理部122は、NN制御部121で使用するレンズ装置情報を管理する管理部である。NNデータ記憶部123は、ウエイトを保持する記憶部である。動作ログ管理部124は、フォーカスレンズ101の駆動制御に関係する動作ログ情報を管理する管理部である。制御部125は、ズームレンズ102、絞りユニット103、および像振れ補正レンズ104のそれぞれの位置を制御するとともに、カメラ本体200との情報伝達を制御する制御部である。制御部125は、例えば、制御対象への目標位置または速度と現在の制御対象位置または速度との偏差に対して、PID制御により駆動指令を生成し、制御を行う。通信部126は、カメラ本体200と通信する通信部である。レンズ個体情報管理部127は、レンズ機種または個体識別番号の情報であるレンズ個体情報を管理する管理部である。なお、NNアルゴリズム、ウエイト、レンズ装置情報、動作ログ情報については後述する。
カメラ本体200は、撮像素子(撮像部)201、A/D変換回路202、信号処理回路203、記録部204、表示部205、操作部206、カメラマイコン(カメラマイクロコンピュータ)210、および学習プロセッサ220を有する。撮像素子201は、交換レンズ100から入射した光を映像電気信号に変換する光電変換素子であり、例えばCCDセンサやCMOSセンサである。A/D変換回路202は、撮像素子201から出力された映像電気信号をデジタル信号に変換する。信号処理回路203は、A/D変換回路202から出力されたデジタル信号を映像データに変換する。記録部204は、信号処理回路203から出力された映像データを記録する。表示部205は、信号処理回路203から出力された映像データを表示する。操作部206は、ユーザが撮像システム10を操作するための操作部である。
カメラマイコン210は、カメラ本体200を制御する制御マイコンである。カメラマイコン210は、制御部211および通信部212を有する。制御部211は、信号処理回路203からの映像データおよび操作部206からのユーザの操作情報に基づいて、交換レンズ100への駆動指令を行う。また制御部211は、学習プロセッサ220に対しての指令や情報伝達の制御を行う。通信部212は、交換レンズ100との通信を行う。通信部212は、制御部211からの駆動指令を制御コマンドとして、交換レンズ100へ送信する。また通信部212は、交換レンズ100からの情報を受信する。
学習プロセッサ220は、プロセッサ(CPU、GPU)および記憶装置(ROM、RAM、HDD)を有する。プロセッサは、機械学習部221、動作ログ保持部222、報酬管理部223、ユーザ要望管理部224、ユーザ要望保持部225、機械学習モデル保持部226、および機械学習モデル管理部227を有する。記憶装置は、プロセッサの各部を制御するためのプログラムを記憶している。また記憶装置は、動作ログ保持部222が保持する動作ログ情報、報酬管理部223が保持する報酬情報、ユーザ要望管理部224が保持するユーザ要望情報(ユーザ要求)、およびユーザ要望保持部225が保持するユーザ要望情報データベースを記憶している。また記憶装置は、機械学習モデル保持部226が保持する機械学習モデルデータベースを記憶している。なお、動作ログ情報、報酬情報、ユーザ要望情報、ユーザ要望情報データベース、および機械学習モデルデータベースについては、後述する。
<撮像画像記録および表示>
次に、撮像システム10における撮像画像記録および表示について説明する。交換レンズ100に入射した光は、フォーカスレンズ101、ズームレンズ102、絞りユニット103、および像振れ補正レンズ104を通過し、撮像素子201に結像する。撮像素子201に結像した光は、撮像素子201にて映像電気信号に変換され、A/D変換回路202にてデジタル信号に変換され、信号処理回路203にて映像データに変換される。信号処理回路203から出力される映像データは、記録部204に記録される。また表示部205は、信号処理回路203から出力される映像データに基づいて映像を表示する。
次に、撮像システム10における撮像画像記録および表示について説明する。交換レンズ100に入射した光は、フォーカスレンズ101、ズームレンズ102、絞りユニット103、および像振れ補正レンズ104を通過し、撮像素子201に結像する。撮像素子201に結像した光は、撮像素子201にて映像電気信号に変換され、A/D変換回路202にてデジタル信号に変換され、信号処理回路203にて映像データに変換される。信号処理回路203から出力される映像データは、記録部204に記録される。また表示部205は、信号処理回路203から出力される映像データに基づいて映像を表示する。
<フォーカス制御>
次に、カメラ本体200が交換レンズ100のフォーカスを制御する方法について説明する。制御部211は、信号処理回路203から出力された映像データに基づいて、AF(オートフォーカス)制御を行う。具体的には、制御部211は、映像データのコントラストの明暗差が最も大きくなるように、フォーカスレンズ101を動かして、撮像被写体にピントが合うように制御する。制御部211は、フォーカスレンズ101を動かすためのフォーカス駆動量を駆動指令として通信部212に出力する。通信部212は、制御部211から駆動指令を受け取ると、フォーカス駆動の駆動指令を制御コマンドに変換し、マウント300の通信接点部を介して交換レンズ100へ送信する。通信部126は、通信部212からの制御コマンドを受信すると、フォーカス駆動の駆動指令に変換し、制御部125を介してNN制御部121に出力する。NN制御部121は、フォーカス駆動の駆動指令が入力されると、NNデータ記憶部123に記憶されている学習済みのウエイトを用いて駆動信号を決定し、フォーカスレンズ駆動部105へ駆動信号を出力する。なお、NN制御部121が駆動信号を決定する方法については、後述する。
次に、カメラ本体200が交換レンズ100のフォーカスを制御する方法について説明する。制御部211は、信号処理回路203から出力された映像データに基づいて、AF(オートフォーカス)制御を行う。具体的には、制御部211は、映像データのコントラストの明暗差が最も大きくなるように、フォーカスレンズ101を動かして、撮像被写体にピントが合うように制御する。制御部211は、フォーカスレンズ101を動かすためのフォーカス駆動量を駆動指令として通信部212に出力する。通信部212は、制御部211から駆動指令を受け取ると、フォーカス駆動の駆動指令を制御コマンドに変換し、マウント300の通信接点部を介して交換レンズ100へ送信する。通信部126は、通信部212からの制御コマンドを受信すると、フォーカス駆動の駆動指令に変換し、制御部125を介してNN制御部121に出力する。NN制御部121は、フォーカス駆動の駆動指令が入力されると、NNデータ記憶部123に記憶されている学習済みのウエイトを用いて駆動信号を決定し、フォーカスレンズ駆動部105へ駆動信号を出力する。なお、NN制御部121が駆動信号を決定する方法については、後述する。
以上のように、制御部211からの駆動指令に従い、フォーカスレンズ101が駆動される。従って、制御部211は、映像データのコントラストの明暗差が最も大きくなるように、フォーカスレンズ101を動かすことで適切なAF制御を行うことができる。
<絞り制御>
次に、カメラ本体200が交換レンズ100の絞りユニット103を制御する方法について説明する。制御部211は、信号処理回路203から出力された映像データに基づいて、露出制御を行う。具体的には、制御部211は、映像データの輝度値が一定となるように、目標となるF値を決定する。制御部211は、決定したF値を駆動指令として通信部212に出力する。通信部212は、制御部211から駆動指令を受け取ると、F値の駆動指令を制御コマンドに変換し、マウント300の通信接点部を介して交換レンズ100へ送信する。通信部126は、通信部212からの制御コマンドを受信すると、F値の駆動指令に変換し、制御部125に出力する。制御部125は、F値の駆動指令が入力されると、絞り検出部110が検出した絞りユニット103のF値に基づいて駆動信号を決定し、絞り駆動部109へ駆動信号を出力する。以上のように、映像データの輝度値が一定となるように、F値が制御され、適切な露光制御を行うことができる。
次に、カメラ本体200が交換レンズ100の絞りユニット103を制御する方法について説明する。制御部211は、信号処理回路203から出力された映像データに基づいて、露出制御を行う。具体的には、制御部211は、映像データの輝度値が一定となるように、目標となるF値を決定する。制御部211は、決定したF値を駆動指令として通信部212に出力する。通信部212は、制御部211から駆動指令を受け取ると、F値の駆動指令を制御コマンドに変換し、マウント300の通信接点部を介して交換レンズ100へ送信する。通信部126は、通信部212からの制御コマンドを受信すると、F値の駆動指令に変換し、制御部125に出力する。制御部125は、F値の駆動指令が入力されると、絞り検出部110が検出した絞りユニット103のF値に基づいて駆動信号を決定し、絞り駆動部109へ駆動信号を出力する。以上のように、映像データの輝度値が一定となるように、F値が制御され、適切な露光制御を行うことができる。
<ズーム制御>
次に、カメラ本体200が交換レンズ100のズームを制御する方法について説明する。ユーザは、操作部206を介してズーム操作を行う。制御部211は、操作部206から出力されたズーム操作量が入力されると、ズームレンズ102を動かすためのズーム駆動量を駆動指令として通信部212に出力する。通信部212は、制御部211から駆動指令を受け取ると、ズーム駆動の駆動指令を制御コマンドに変換し、マウント300の通信接点部を介して交換レンズ100へ送信する。通信部126は、通信部212からの制御コマンドを受信すると、ズーム駆動の駆動指令に変換し、制御部125に出力する。制御部125は、ズーム駆動の駆動指令が入力されると、ズームレンズ検出部108が検出したズームレンズ位置に基づいて駆動信号を決定し、ズームレンズ駆動部107へ駆動信号を出力する。以上のように、操作部206に入力されたズーム操作に従い、ズームレンズ102が駆動され、ユーザがズームを操作することができる。
次に、カメラ本体200が交換レンズ100のズームを制御する方法について説明する。ユーザは、操作部206を介してズーム操作を行う。制御部211は、操作部206から出力されたズーム操作量が入力されると、ズームレンズ102を動かすためのズーム駆動量を駆動指令として通信部212に出力する。通信部212は、制御部211から駆動指令を受け取ると、ズーム駆動の駆動指令を制御コマンドに変換し、マウント300の通信接点部を介して交換レンズ100へ送信する。通信部126は、通信部212からの制御コマンドを受信すると、ズーム駆動の駆動指令に変換し、制御部125に出力する。制御部125は、ズーム駆動の駆動指令が入力されると、ズームレンズ検出部108が検出したズームレンズ位置に基づいて駆動信号を決定し、ズームレンズ駆動部107へ駆動信号を出力する。以上のように、操作部206に入力されたズーム操作に従い、ズームレンズ102が駆動され、ユーザがズームを操作することができる。
<防振制御>
次に、交換レンズ100が防振を行う方法について説明する。制御部125は、揺れセンサ111から出力された交換レンズ100の揺れ信号を元に、交換レンズ100の揺れを打ち消すように、像振れ補正レンズ目標位置を決定する。制御部125は像振れ補正レンズ検出部113が検出した像振れ補正レンズ位置に基づいて駆動信号を決定し、像振れ補正レンズ駆動部112へ駆動信号を出力する。以上のように、防振が正しく制御され、撮像素子201にて撮像された像振れを防ぐことができる。
次に、交換レンズ100が防振を行う方法について説明する。制御部125は、揺れセンサ111から出力された交換レンズ100の揺れ信号を元に、交換レンズ100の揺れを打ち消すように、像振れ補正レンズ目標位置を決定する。制御部125は像振れ補正レンズ検出部113が検出した像振れ補正レンズ位置に基づいて駆動信号を決定し、像振れ補正レンズ駆動部112へ駆動信号を出力する。以上のように、防振が正しく制御され、撮像素子201にて撮像された像振れを防ぐことができる。
<フォーカスレンズ制御に要求される4つの指標>
フォーカスレンズ制御には、4つの要求事項がある。それは、位置精度、速度、消費電力、および静音である。それぞれの要求事項をバランスよく制御することが求められる。以下、各要求事項について説明する。
フォーカスレンズ制御には、4つの要求事項がある。それは、位置精度、速度、消費電力、および静音である。それぞれの要求事項をバランスよく制御することが求められる。以下、各要求事項について説明する。
<フォーカスレンズ制御に要求される位置精度>
位置精度は、フォーカスレンズ101を目標位置へ駆動する際に、目標位置に対してどれだけ正確にフォーカスレンズ101を駆動できるかを表す指標である。以下、図2を参照して、位置精度について説明する。図2(a)、(b)は位置精度の説明図であり、図2(a)は焦点深度が浅い場合(a)におけるフォーカスレンズ101とピント位置との関係を示し、図2(b)は焦点深度が深い場合におけるフォーカスレンズ101とピント位置との関係を示している。図2(a)、(b)は、レンズ構成は同じで、F値のみ異なる場合を示し、共通のものに対しては同符号を付している。
位置精度は、フォーカスレンズ101を目標位置へ駆動する際に、目標位置に対してどれだけ正確にフォーカスレンズ101を駆動できるかを表す指標である。以下、図2を参照して、位置精度について説明する。図2(a)、(b)は位置精度の説明図であり、図2(a)は焦点深度が浅い場合(a)におけるフォーカスレンズ101とピント位置との関係を示し、図2(b)は焦点深度が深い場合におけるフォーカスレンズ101とピント位置との関係を示している。図2(a)、(b)は、レンズ構成は同じで、F値のみ異なる場合を示し、共通のものに対しては同符号を付している。
フォーカスレンズ目標位置Gは、光軸上の主被写体の点物体Sが、撮像素子201上に合焦するフォーカスレンズ位置を示している。フォーカスレンズ位置Cは、フォーカスレンズ目標位置Gを目標に駆動した後のフォーカス位置を示している。フォーカスレンズ位置Cは、フォーカスレンズ目標位置Gに対して、制御誤差Eの分だけ点物体S側の位置となっている。ピント位置Bpは、フォーカスレンズ位置がフォーカスレンズ位置Cの時の点物体Sの結像位置を示している。錯乱円δは撮像素子201の錯乱円である。
図2(a)のF値Faは、図2(b)のF値Fbよりも明るい値(小さい値)である。従って、図2(a)の焦点深度幅2Faδは、図2(b)の焦点深度幅2Fbδよりも狭い範囲である。図2(a)の光線Ca、光線Gaは、それぞれフォーカスレンズ位置C、フォーカスレンズ目標位置Gにおける点物体Sの光線のうち一番外側の光線を示している。また、図2(b)の光線Cb、光線Gbは、それぞれフォーカスレンズ位置C、フォーカスレンズ目標位置Gにおける点物体Sの光線のうち一番外側の光線を示している。
図2(a)において、点像直径Iaは、フォーカスレンズ101が、フォーカスレンズ位置Cにあるときの点物体Sの撮像素子201上の点像の直径を示す。図2(b)において、点像直径Ibは、フォーカスレンズが、フォーカスレンズ位置Cにあるときの点物体Sの撮像素子201上の点像の直径を示す。図2(a)において、ピント位置Bpは焦点深度幅2Faδの範囲外となっている。また、点像直径Iaは、錯乱円δより大きく、中心の画素に収まらず、隣の画素へ光が入射している。このため図2(a)において、フォーカスレンズ位置Cでは点物体Sは非合焦となる。
一方、図2(b)において、ピント位置Bpは焦点深度幅2Fbδの範囲内にある。また、点像直径Ibは、錯乱円δより小さく、中心の画素に全ての光線が集光している。このため図2(b)において、フォーカスレンズ位置Cでは点物体Sは合焦となる。
以上のように、同じ位置精度を達成したとしても、撮像条件により、非合焦、合焦が変化する。つまり撮像条件により、求められる位置精度が変化する。
<フォーカスレンズ制御に要求される速度>
速度は、フォーカスレンズ101を駆動する際の移動速度である。移動速度は、単位時間あたりの移動量と考えることで移動量に置き換えることができる。また、ピントが合っている位置の光軸方向の移動量のことをピント移動量、移動速度をピント移動速度とする。フォーカスレンズ移動量は、ピント移動量と比例関係にある。この比例定数をフォーカス敏感度という。フォーカス敏感度はレンズの構成する光学系の位置関係によって変化する。ピント移動量ΔBp、フォーカス敏感度Se、フォーカスレンズ移動量ΔPは、以下の式(1)で表される関係となる。
速度は、フォーカスレンズ101を駆動する際の移動速度である。移動速度は、単位時間あたりの移動量と考えることで移動量に置き換えることができる。また、ピントが合っている位置の光軸方向の移動量のことをピント移動量、移動速度をピント移動速度とする。フォーカスレンズ移動量は、ピント移動量と比例関係にある。この比例定数をフォーカス敏感度という。フォーカス敏感度はレンズの構成する光学系の位置関係によって変化する。ピント移動量ΔBp、フォーカス敏感度Se、フォーカスレンズ移動量ΔPは、以下の式(1)で表される関係となる。
ピント移動量ΔBp=フォーカス敏感度Se×フォーカスレンズ移動量ΔP ・・・(1)
次に、図3(a)、(b)を参照して、フォーカスレンズ制御に要求される速度について説明する。図3(a)はフォーカス敏感度Sが大きい場合におけるフォーカスレンズ101とピント位置との関係を示し、図3(b)はフォーカス敏感度Sが小さい場合におけるフォーカスレンズ101とピント位置との関係を示している。図3(a)、(b)は、レンズ構成は同じで、レンズと点物体Sとの距離が異なる場合を示している。なお、図3(a)、(b)で共通のものに対しては同符号を付す。
次に、図3(a)、(b)を参照して、フォーカスレンズ制御に要求される速度について説明する。図3(a)はフォーカス敏感度Sが大きい場合におけるフォーカスレンズ101とピント位置との関係を示し、図3(b)はフォーカス敏感度Sが小さい場合におけるフォーカスレンズ101とピント位置との関係を示している。図3(a)、(b)は、レンズ構成は同じで、レンズと点物体Sとの距離が異なる場合を示している。なお、図3(a)、(b)で共通のものに対しては同符号を付す。
図3(a)において、ピント位置Bp1からピント位置Bp2へ移動させる場合、フォーカスレンズ101をフォーカスレンズ位置Pa1からフォーカスレンズ位置Pa2へ移動する必要がある。このとき、フォーカスレンズ101の移動量ΔPaとピント移動量ΔBpは、式(1)で表される関係となる。
図3(b)において、ピント位置Bp1からピント位置Bp2へ移動させる場合、フォーカスレンズ101をフォーカスレンズ位置Pb1からフォーカスレンズ位置Pb2へ移動する必要がある。このとき、フォーカスレンズ101の移動量ΔPaとピント移動量ΔBpは、式(1)で表される関係となる。
図3(a)、(b)に示されるように、図3(a)のフォーカス敏感度は図3(b)のフォーカス敏感度より小さいため、同じピント移動量ΔBp動かすために必要となるフォーカスレンズ101の移動量は、図3(a)のほうが大きい。つまり、図3(a)の場合に比べ、図3(b)の場合は、単位時間当たりのフォーカス移動量を少なくできるため、結果としてフォーカスレンズ駆動速度が遅くしても、ピント移動速度としては同じになる。
以上のように、特定のピント移動速度を達成するために必要となるフォーカスレンズ駆動速度は、撮像条件により異なる。つまり撮像条件により、求められるフォーカスレンズ駆動速度が変化する。
<フォーカスレンズ制御に要求される消費電力>
消費電力は、フォーカスレンズ101を駆動するために消費する電力である。消費電力は、フォーカスレンズ101の駆動時間、駆動速度、または駆動加速度変化に応じて変化する。つまり駆動時間が長い場合、駆動速度が速い場合、駆動加速度変化が多い場合に消費電力が多くなる。一方、消費電力を抑えることでバッテリ容量を有効活用することが可能になり、メリットとして1回の充電で撮像可能な枚数を増やすことやバッテリの更なる小型化が可能になる。
消費電力は、フォーカスレンズ101を駆動するために消費する電力である。消費電力は、フォーカスレンズ101の駆動時間、駆動速度、または駆動加速度変化に応じて変化する。つまり駆動時間が長い場合、駆動速度が速い場合、駆動加速度変化が多い場合に消費電力が多くなる。一方、消費電力を抑えることでバッテリ容量を有効活用することが可能になり、メリットとして1回の充電で撮像可能な枚数を増やすことやバッテリの更なる小型化が可能になる。
<フォーカスレンズ制御に要求される静音>
フォーカスレンズ101の駆動時に、振動や摩擦などで駆動音が発生する。駆動音は、駆動速度または駆動加速度変化に応じて変化する。つまり駆動速度が速い場合、駆動加速度変化が多い場合に駆動音が多くなる。また、フォーカスレンズが停止する時間が長い程、駆動音が発生しない時間が多くなる。周囲環境(撮像環境)が静かな場所での撮像においては、駆動音を不快に感じ、更に動画撮像時は録音も同時に行われるため、撮像画像に不要となる駆動音が収録されてしまう問題が発生する。従って、撮像状況によっては駆動音をできるだけ少なくする静音が要求される。
フォーカスレンズ101の駆動時に、振動や摩擦などで駆動音が発生する。駆動音は、駆動速度または駆動加速度変化に応じて変化する。つまり駆動速度が速い場合、駆動加速度変化が多い場合に駆動音が多くなる。また、フォーカスレンズが停止する時間が長い程、駆動音が発生しない時間が多くなる。周囲環境(撮像環境)が静かな場所での撮像においては、駆動音を不快に感じ、更に動画撮像時は録音も同時に行われるため、撮像画像に不要となる駆動音が収録されてしまう問題が発生する。従って、撮像状況によっては駆動音をできるだけ少なくする静音が要求される。
<位置精度と、速度、消費電力、および静音との関係>
次に、図4(a)、(b)を参照して、位置精度と、速度、消費電力、および静音との関係について説明する。図4(a)、(b)は、位置精度と、速度、消費電力、および静音との関係の説明図である。図4(a)は焦点深度が浅い場合において動きのある被写体に合焦し続けるためのフォーカスレンズ制御を示し、図4(b)は焦点深度が深い場合において動きのある被写体に合焦し続けるためのフォーカスレンズ制御を示している。図4(a)、(b)において、横軸は時間(時間経過)を示し、縦軸はフォーカスレンズ位置を示す。フォーカスレンズ位置が上側に行くと無限方向にピントが合い、下側に行くと至近方向にピントが合う方向となる。なお、図4(a)、(b)で共通のものに対してはも同符号を付す。
次に、図4(a)、(b)を参照して、位置精度と、速度、消費電力、および静音との関係について説明する。図4(a)、(b)は、位置精度と、速度、消費電力、および静音との関係の説明図である。図4(a)は焦点深度が浅い場合において動きのある被写体に合焦し続けるためのフォーカスレンズ制御を示し、図4(b)は焦点深度が深い場合において動きのある被写体に合焦し続けるためのフォーカスレンズ制御を示している。図4(a)、(b)において、横軸は時間(時間経過)を示し、縦軸はフォーカスレンズ位置を示す。フォーカスレンズ位置が上側に行くと無限方向にピントが合い、下側に行くと至近方向にピントが合う方向となる。なお、図4(a)、(b)で共通のものに対してはも同符号を付す。
フォーカスレンズ目標位置Gは、被写体の像が撮像素子201上に集光させる時のフォーカスレンズ位置を示している。図4(a)、(b)の焦点深度はそれぞれ2Faδ、2Fbδである。図4(a)において、フォーカスレンズ目標位置Gを基準に、ピント位置が焦点深度の無限側の境界となるフォーカスレンズ位置をGalimI、至近側の境界となるフォーカスレンズ位置をGalimMで示す。図4(b)において、フォーカスレンズ目標位置Gを基準に、ピント位置が焦点深度の無限側の境界となるフォーカスレンズ位置をGblimI、至近側の境界となるフォーカスレンズ位置をGblimMで示す。図4(a)、(b)のCa、Cbはそれぞれ被写体が焦点深度内に収まるように制御されたフォーカスレンズ位置を示している。
図4(a)は焦点深度が深いため、フォーカスレンズがCaの示す軌跡に制御されたとしても、被写体がピントから外れることはない。一方、図4(b)は焦点深度が深いため、図4(a)の場合に比べ、フォーカスレンズCbの軌跡をフォーカスレンズ目標位置Gとの偏差が少ない軌跡で制御する必要がある。つまり、図4(a)、(b)共に被写体がピントから外れることはないが、図4(a)のCaのほうが、図4(b)のCbよりも駆動量、駆動速度を少なくできる。従って、求められる位置精度が低い撮像条件下においては、低速、低消費電力、静音でフォーカスレンズを制御することができる。
<速度と、位置精度、消費電力、および静音との関係>
次に、図5(a)、(b)を参照して、速度と、位置精度、消費電力、および静音との関係について説明する。図5(a)、(b)において、横軸は時間(時間経過)を示し、縦軸はフォーカスレンズ位置を示す。図5(a)は、図3(a)が示すフォーカスレンズ位置Pa1からフォーカスレンズ位置Pa2へ、時間T0~T1の間に駆動したフォーカスレンズ位置Caの変化を示している。同様に、図5(b)は、図3(b)が示すフォーカスレンズ位置Pa1からフォーカスレンズ位置Pa2へ、時間T0~T1の間に駆動したフォーカスレンズ位置Cbの変化を示している。図3(a)、(b)に示されるように、フォーカスレンズ位置Pa1からフォーカスレンズ位置Pa2へ移動したときのピント移動量は、フォーカスレンズ位置Pb1からフォーカスレンズ位置Pb2へ移動したときのピント移動量と同じである。なお、図5(a)、(b)のCa、Cbの傾きはフォーカスレンズ速度を示す。
次に、図5(a)、(b)を参照して、速度と、位置精度、消費電力、および静音との関係について説明する。図5(a)、(b)において、横軸は時間(時間経過)を示し、縦軸はフォーカスレンズ位置を示す。図5(a)は、図3(a)が示すフォーカスレンズ位置Pa1からフォーカスレンズ位置Pa2へ、時間T0~T1の間に駆動したフォーカスレンズ位置Caの変化を示している。同様に、図5(b)は、図3(b)が示すフォーカスレンズ位置Pa1からフォーカスレンズ位置Pa2へ、時間T0~T1の間に駆動したフォーカスレンズ位置Cbの変化を示している。図3(a)、(b)に示されるように、フォーカスレンズ位置Pa1からフォーカスレンズ位置Pa2へ移動したときのピント移動量は、フォーカスレンズ位置Pb1からフォーカスレンズ位置Pb2へ移動したときのピント移動量と同じである。なお、図5(a)、(b)のCa、Cbの傾きはフォーカスレンズ速度を示す。
図5(a)、(b)に示されるように、時間T0~T1の間に同じピント移動量ΔBp動かす為のフォーカスレンズ移動速度は、CaはCbに比べ早くフォーカスレンズ101を動かす必要がある。また、Caは速度が速いため、目標位置であるPa2到達後、位置が安定するまでにある程度に時間が必要となる。一方、Cbは速度が遅いため、目標位置であるPb2に到達後、直ぐに位置が安定する。これは位置精度に影響する。また、フォーカスレンズを早く駆動し、停止時において、加速度変化が大きくなる為、CaはCbに比べ、消費電力が多くなり、駆動音も大きくなる。従って、求められる速度が低い撮像条件下においては、高い位置精度、低消費電力、および静音でフォーカスレンズ101を制御することができる。
<レンズ装置情報>
次に、レンズ装置情報について説明する。レンズ装置情報は、フォーカスレンズ制御において、撮像画像(画像データ)が受ける影響を示す情報である。
次に、レンズ装置情報について説明する。レンズ装置情報は、フォーカスレンズ制御において、撮像画像(画像データ)が受ける影響を示す情報である。
以上のように、フォーカスレンズ制御における要求事項をバランスよく制御するには、フォーカスレンズ制御で求められる位置精度、速度を決めるためのレンズ装置情報に基づいてフォーカスレンズ制御を行う必要がある。レンズ装置情報は、レンズ装置情報管理部122により決定される。レンズ装置情報は、例えば、焦点深度やフォーカス敏感度の情報である。レンズ装置情報管理部122は、現在のF値と錯乱円の情報から式(1)で表されるように、焦点深度を決定する。またレンズ装置情報管理部122は、フォーカス敏感度とフォーカスレンズ位置、ズームレンズ位置の関係を示す不図示の変換テーブルを保持し、フォーカスレンズ位置、ズームレンズ位置からフォーカス敏感度を決定する。これらのレンズ装置情報に基づいてフォーカスレンズ制御を行う。これにより、撮像画像が受ける影響を加味して、位置精度、速度、消費電力、静音のそれぞれの要求事項をバランスよく制御することができる。なお、レンズ装置情報を用いてフォーカスレンズ制御を行うNNアルゴリズムについては後述する。
<他のレンズ装置情報>
また、他のレンズ装置情報として、姿勢差、温度、周囲音量も有用である。姿勢差については、レンズ、絞りを駆動するときの重力の影響が変化するため、姿勢差に応じてモータに必要な駆動トルクも変化する。温度については、レンズ、絞りの駆動連結部に使用される潤滑油の特性が変化する為、温度に応じてモータに必要な駆動トルクも変化する。周囲音量については、モータの駆動音を抑える為に、レンズ、絞り駆動速度を制限している場合においても、モータの駆動音が周囲音量に対して小さい範囲であれば、駆動速度の制限を外しても撮像画像に影響しない。従って、周囲音量に応じて、駆動速度の最高速制限を変化させる制御が有用となる。
また、他のレンズ装置情報として、姿勢差、温度、周囲音量も有用である。姿勢差については、レンズ、絞りを駆動するときの重力の影響が変化するため、姿勢差に応じてモータに必要な駆動トルクも変化する。温度については、レンズ、絞りの駆動連結部に使用される潤滑油の特性が変化する為、温度に応じてモータに必要な駆動トルクも変化する。周囲音量については、モータの駆動音を抑える為に、レンズ、絞り駆動速度を制限している場合においても、モータの駆動音が周囲音量に対して小さい範囲であれば、駆動速度の制限を外しても撮像画像に影響しない。従って、周囲音量に応じて、駆動速度の最高速制限を変化させる制御が有用となる。
<NNアルゴリズムとウエイト>
次に、NN制御部121がNNアルゴリズムを用いて駆動指令を決定する方法について説明する。NN制御部121は、NNアルゴリズムを実装している。NN制御部121は、NNデータ記憶部123に記録されたNNの特徴量、結合重み付け係数であるウエイトを参照し、参照したウエイトを用いてNNアルゴリズムにより駆動指令を決定する。なお、ウエイトの製造方法については後述する。
次に、NN制御部121がNNアルゴリズムを用いて駆動指令を決定する方法について説明する。NN制御部121は、NNアルゴリズムを実装している。NN制御部121は、NNデータ記憶部123に記録されたNNの特徴量、結合重み付け係数であるウエイトを参照し、参照したウエイトを用いてNNアルゴリズムにより駆動指令を決定する。なお、ウエイトの製造方法については後述する。
図6は、本実施例の学習モデルを用いたNN制御部121の入出力の構造を示す概念図(ニューラルネットワークの入出力の説明図)である。X1は、制御部125から出力されたフォーカス駆動の駆動指令目標位置である。現在位置X2は、フォーカスレンズ検出部106から得られたフォーカスレンズ101の現在位置である。X3は、レンズ装置情報としての焦点深度である。X4は、レンズ装置情報としてのフォーカス敏感度である。Y1は、フォーカスレンズ101の駆動信号である。以上により、フォーカス駆動の駆動指令、フォーカスレンズ101の現在位置、焦点深度、フォーカス敏感度を入力として、学習済モデルの出力として駆動信号が決定される。NN制御部121がNNアルゴリズムを用いて決定した駆動信号により、フォーカスレンズ101の制御を行う。
<ウエイトの製造方法>
次に、ウエイトの製造方法について説明する。ユーザが操作部206から機械学習実施を示す操作を行うと、機械学習実施の指令が制御部211を介して機械学習部221に伝えられる。機械学習部221は機械学習実施の指令を受けると、機械学習を開始する。
次に、ウエイトの製造方法について説明する。ユーザが操作部206から機械学習実施を示す操作を行うと、機械学習実施の指令が制御部211を介して機械学習部221に伝えられる。機械学習部221は機械学習実施の指令を受けると、機械学習を開始する。
図7を参照して、機械学習の流れを説明する。図7は、機械学習のフローチャートである。まずステップS101において、機械学習部221は、制御部211へウエイトの初期値を出力する。制御部211は、機械学習部221からウエイトの初期値を受け取ると、通信部212から交換レンズ100へウエイトの初期値を送信する。交換レンズ100は、通信部126にてウエイトの初期値を受信すると、受信したウエイトの初期値を、制御部125を介してNNデータ記憶部123に設定する。
続いてステップS102において、機械学習部221は、制御部211へフォーカスレンズ101の駆動指令および動作ログ情報の取得要求を行う。制御部211は、機械学習部221からフォーカスレンズ101の駆動指令および動作ログ情報の取得要求を受けると、通信部212から交換レンズ100へフォーカスレンズ101の駆動指令および動作ログ情報の取得要求を行う。交換レンズ100は、通信部126にてフォーカスレンズ101の駆動指令を受信すると、制御部125を介してNN制御部121に対してフォーカスレンズ101の駆動指令を行う。NN制御部121は、NNデータ記憶部123に保持されたウエイトに基づいて、フォーカスレンズ101の駆動制御を行う。ここで、機械学習部221は、フォーカスレンズ101の駆動指令としては、予め学習用に決められた開始位置から停止位置まで特定の駆動パターンを保持し、保持している駆動パターンに従い駆動指令を行う。またはAF(オートフォーカス)制御を実行し、フォーカスレンズ101の駆動指令を行う方法でも良い。また交換レンズ100は、通信部126にて動作ログ情報の取得要求を受信すると、動作ログ管理部124に対して動作ログ情報の出力要求を行う。動作ログ管理部124は動作ログ情報の出力要求を受けると、フォーカスレンズ101の駆動時における動作ログ情報を制御部125、通信部126を介してカメラ本体200に送信する。
続いてステップS103において、機械学習部221は、報酬管理部223が保持している報酬情報および動作ログ保持部222が保持している動作ログ情報を元にNNアルゴリズムの制御結果を点数化する。なお、報酬情報および動作ログ情報及び制御結果の点数化については後述する。
続いてステップS104において、機械学習部221は、NNアルゴリズム制御結果の累計点数が最大化されるようにウエイトを更新する。ウエイトの更新には誤差逆伝搬法(Backpropagation)を使用するが、本実施例はこれに限定されるものではない。生成されたウエイトは、ステップS101と同様の手順でNNデータ記憶部123に設定される。
続いてステップS105において、機械学習部221は、ウエイトの学習が完了したか否かを判定する。学習完了は、学習(ウエイトの更新)の反復回数が規定値に達したか、または、更新時の動作ログ情報中の累計点数の変化量が規定値より小さいかなどにより判定することができる。機械学習部221は学習未完と判定した場合は、ステップS101へ戻り機械学習を続ける。機械学習部221は学習完了と判定した場合は、機械学習を終了させる。
学習が完了した学習済モデルは、機械学習モデルデータベースに追加され保持される。機械学習モデルデータベースについては後述する。機械学習の具体的なアルゴリズムとしては、本実施例のように、ニューラルネットワークを利用して、学習するための特徴量、結合重み付け係数を自ら生成する深層学習(ディープラーニング)が挙げられる。また、最近傍法、ナイーブベイズ法、決定木、サポートベクターマシンなどが挙げられる。適宜、前述のアルゴリズムのうち利用できるものを用いて本実施形態に適用することができる。
GPUはデータをより多く並列処理することで効率的な演算を行うことができる。このため、ディープラーニングのような学習モデルを用いて複数回に渡り学習を行う場合、GPUで処理を行うことが有効である。そこで、機械学習部221による処理には、CPUに加えてGPUを用いてもよい。具体的には、学習モデルを含む学習プログラムを実行する場合に、CPUとGPUが協働して演算を行うことで学習を行う。なお、機械学習部221の処理はCPUまたはGPUのみにより演算が行われてもよい。
<動作ログ情報>
次に、動作ログ情報について説明する。動作ログ情報は、NNアルゴリズムの制御結果を点数化する上で、点数を決める対象となる制御結果情報である。
次に、動作ログ情報について説明する。動作ログ情報は、NNアルゴリズムの制御結果を点数化する上で、点数を決める対象となる制御結果情報である。
動作ログ管理部124は、図6に示されるX1~X4、Y1であるNNアルゴリズムの入出力情報を、NNアルゴリズムの制御周期毎に収集し記録する。また、不図示のフォーカスレンズ駆動部105の消費電力を測定する為の電力検出部を設け、動作ログ管理部124は、フォーカスレンズ駆動部105の消費電力も動作ログ情報として記録する。
また動作ログ管理部124は、NN制御部121に入力された駆動指令やフォーカスレンズ検出部106によって検出されるフォーカスレンズの位置情報も動作ログ情報として記録する。更に動作ログ管理部124は、駆動指令から決定されるフォーカスレンズ101の目標位置および位置情報、位置精度Eを決定し、動作ログ情報として記録する。更に動作ログ管理部124は、フォーカスレンズの位置情報から、フォーカスレンズの速度及び加速度を算出し、動作ログ情報として記録する。
動作ログ管理部124は、記録した動作ログ情報を、制御部125、通信部126を介してカメラ本体200に送信する。カメラ本体200は、動作ログ情報を通信部212にて受信すると、制御部211を介して動作ログ保持部222に記録される。
<報酬情報および制御結果の点数化>
報酬情報は、NNアルゴリズムの制御結果を点数化する上で、点数の基準となる情報である。報酬情報は、NNアルゴリズム制御結果に対して、点数の境界値とその境界値毎に割り当てられた点数の情報を持つ。図8(a1)~(d2)を参照して、報酬情報について説明する。図8(a1)~(d2)は、報酬情報の説明図である。図8(a1)、(b1)、(c1)、(d1)はそれぞれ、NNアルゴリズム制御結果を示す項目である位置精度、速度、加速度、消費電力に対して、学習時において、時間経過と点数の境界値との関係を示している。図8(a1)、(b1)、(c1)、(d1)において、横軸は時間(時間経過)を示し、縦軸はそれぞれ位置精度、速度、加速度、消費電力を示す。図8(a2)、(b2)、(c2)、(d2)は、位置精度、速度、加速度、消費電力に対しての報酬情報のデータ構造を示している。報酬情報のデータは、複数の境界値と、境界値で区切られた領域で獲得できる点数で構成される。
報酬情報は、NNアルゴリズムの制御結果を点数化する上で、点数の基準となる情報である。報酬情報は、NNアルゴリズム制御結果に対して、点数の境界値とその境界値毎に割り当てられた点数の情報を持つ。図8(a1)~(d2)を参照して、報酬情報について説明する。図8(a1)~(d2)は、報酬情報の説明図である。図8(a1)、(b1)、(c1)、(d1)はそれぞれ、NNアルゴリズム制御結果を示す項目である位置精度、速度、加速度、消費電力に対して、学習時において、時間経過と点数の境界値との関係を示している。図8(a1)、(b1)、(c1)、(d1)において、横軸は時間(時間経過)を示し、縦軸はそれぞれ位置精度、速度、加速度、消費電力を示す。図8(a2)、(b2)、(c2)、(d2)は、位置精度、速度、加速度、消費電力に対しての報酬情報のデータ構造を示している。報酬情報のデータは、複数の境界値と、境界値で区切られた領域で獲得できる点数で構成される。
NNアルゴリズムは、制御結果の獲得点数が高得点となるように学習されるため、境界値が各対象となる項目の目標に近い程、より高精度な制御となるように学習される。例えば、位置精度の境界値が0に近い値になる程、位置精度が0に近づく制御となるように学習される。また他の項目に比べ、点数を高く設定する事により、他の項目よりも学習の優先度が高いことを示す。例えば、位置精度よりも消費電力の点数を高くすることで、位置精度よりも消費電力を優先させる制御となるように学習される。本実施例では、2点の境界値と3点の点数で構成される例を示す。
図8(a1)の縦軸はフォーカスレンズ101の目標位置と現在位置との差である位置精度Eの値を示している。位置精度Eの正の方向は、目標位置に対して、現在位置が無限側にある場合を示し、負の方向は、目標位置に対して、現在位置が至近側にある場合を示す。位置精度Eが0に近い程、駆動制御における位置精度が高いことを示している。
図8(a2)は、位置精度の報酬情報である位置精度報酬情報REのデータ構造を示している。位置精度報酬情報REは位置精度の報酬範囲を決めるE1、E2と、報酬範囲において獲得できる点数SE1、点数SE2、点数SE3により構成される。E1、E2はそれぞれ位置精度Eの報酬として与えられる点数の境界値を示している。ここで、E1×-1~E1の範囲の時は範囲AE1とする。また、範囲AE1を除くE2×-1~E2の範囲AE2とする。また、範囲AE1、範囲AE2以外の時は範囲AE3とする。位置精度Eがそれぞれ範囲AE1、範囲AE2、範囲AE3の範囲内のときは、図8(a2)が示す点数SE1、点数SE2、点数SE3が報酬として与えられる。ここで点数SE1、点数SE2、点数SE3の点数の関係は点数SE1>点数SE2>点数SE3となり、位置精度Eが0に近い程高い点数となるように設定される。
図8(a1)に示されるように、位置精度に対して、任意の時間TP1、TP2、Tp3における位置精度Eは夫々範囲AE2、範囲AE3、範囲AE1の範囲内である。従って、任意の時間TP1、TP2、Tp3において、獲得できる報酬はそれぞれ点数SE2、点数SE3、点数SE1となる。ここで例えば、E1は±Fδ/2、E2は±Fδの値が設定される。つまり、フォーカスレンズの目標位置に対して、現在位置が焦点深度内に制御されていれば、高い得点が加算され、焦点深度外となった場合に低い点数が加算される。またフォーカスレンズが目標位置に近い程、獲得できる点数が多くなる。
図8(b1)の縦軸は、フォーカスレンズ101の駆動速度Vの値を示している。駆動速度Vの正の方向は無限方向への駆動速度を示し、負の方向は至近方向への駆動速度を示している。駆動速度Vが0に近い程、駆動音が小さくなる。
図8(b2)は、速度の報酬情報である速度報酬情報RVのデータ構造を示している。速度報酬情報RVは速度の報酬範囲を決めるV1、V2と、報酬範囲において獲得できる点数SV1、点数SV2、点数SV3により構成される。V1、V2はそれぞれ駆動速度Vの報酬として与えられる点数の境界値を示している。ここで、V1×-1~V1の範囲の時は範囲AV1とする。また、範囲AV1を除くV2×-1~V2の範囲AV2とする。また、範囲AV1、範囲AV2以外の時は範囲AV3とする。駆動速度Vがそれぞれ範囲AV1、範囲AV2、範囲AV3の範囲内のときは、図8の(b2)が示す点数SV1、点数SV2、点数SV3が報酬として与えられる。ここで点数SV1、点数SV2、点数SV3の点数の関係は点数SV1>点数SV2>点数SV3となり、駆動速度Vが0に近い程、高い点数となるように設定される。
図8(b1)に示されるように、駆動音に対して、任意の時間TP1、TP2、Tp3における駆動速度Vは夫々範囲AV2、範囲AV3、範囲AV1の範囲内である。従って、任意の時間TP1、TP2、Tp3において、獲得できる報酬はそれぞれ点数SV2、点数SV3、点数SV1となる。ここで例えば、V1、V2は駆動速度と駆動音の関係が決定され、駆動速度を遅く制御する程、獲得できる点数が多くなるように点数が設定される。一般的に、駆動速度が遅い程、駆動音が小さくなる為、獲得した点数が高い程、静音を重視した制御を実行できていることを示す。
図8(c1)の縦軸は、フォーカスレンズ101の駆動加速度Aの値を示している。駆動加速度Aの正の方向は無限方向への駆動加速度を示し、負の方向は至近方向への駆動加速度を示している。駆動加速度Aが0に近い程、駆動音が小さくなる。
図8(c2)は、加速度の報酬情報である加速度報酬情報RAのデータ構造を示している。加速度報酬情報RAは加速度の報酬範囲を決めるA1、A2と、報酬範囲において獲得できる点数SA1、点数SA2、点数SA3により構成される。A1、A2はそれぞれ駆動加速度Aの報酬として与えられる点数の境界値を示している。ここで、A1×-1~A1の範囲の時は範囲AA1とする。また、範囲AA1を除くA2×-1~A2の範囲AV2とする。また、範囲AA1、範囲AA2以外の時は範囲AA3とする。駆動加速度Aがそれぞれ範囲AA1、範囲AA2、範囲AA3の範囲内のときは、図8(c2)に示される点数SA1、点数SA2、点数SA3が報酬として与えられる。ここで点数SA1、点数SA2、点数SA3の点数の関係は点数SA1>点数SA2>点数SA3となり、駆動加速度Aが0に近い程、高い点数となるように設定される。
図8(c1)に示されるように、駆動音に対して、任意の時間TP1、TP2、Tp3における駆動加速度Aは夫々範囲AA1、範囲AA3、範囲AA2の範囲内である。従って、任意の時間TP1、TP2、Tp3において、獲得できる報酬はそれぞれ点数SA1、点数SA3、点数SA2となる。ここで例えば、A1、A2は駆動加速度と駆動音の関係が決定され、駆動加速度を小さく制御する程、獲得できる点数が多くなるように点数が設定される。一般的に、駆動加速度が小さい程、駆動音が小さくなるため、獲得した点数が高い程、静音を重視した制御を実行できていることを示す。
図8(d1)の縦軸は、フォーカスレンズ101の消費電力Pの値を示している。消費電力Pが0に近い程、消費電力が小さくなる。図8(d2)は、消費電力の報酬情報である消費電力報酬情報RPのデータ構造を示している。消費電力報酬情報RPは消費電力の報酬範囲を決めるP1、P2と、報酬範囲において獲得できる点数SP1、点数SP2、点数SP3により構成される。P1、P2はそれぞれ消費電力Pの報酬として与えられる点数の境界値を示している。ここで、0~P1の範囲の時は範囲AP1とする。また、P1~P2の範囲の時は範囲AP2とする。また、範囲AP1、範囲AP2以外の時は範囲AP3とする。消費電力Pがそれぞれ範囲AP1、範囲AP2、範囲AP3の範囲内のときは、図8の(d2)が示す点数SP1、点数SP2、点数SP3が報酬として与えられる。ここで点数SP1、点数SP2、点数SP3の点数の関係は点数SP1>点数SP2>点数SP3となり、消費電力Pが0に近い程、高い点数となるように設定される。
図8(d1)に示されるように、消費電力に対して、任意の時間TP1、TP2、TP3における消費電力Pは夫々範囲AP1、範囲AP3、範囲AP2の範囲内である。従って、任意の時間TP1、TP2、TN3において、獲得できる報酬はそれぞれ点数SP1、点数SP3、点数SP2となる。ここで例えば、P1、P2は任意に決定され、消費電力を小さく制御する程、獲得できる点数が多くなるように点数が設定される。従って、獲得した点数が高くなる程、低消費電力を重視した制御を実行できていることを示す。
以上のように、位置制御誤差、速度、加速度、消費電力などの制御結果に対して、点数化するための報酬情報が設定される。報酬情報を用いて、学習時のフォーカスレンズ駆動において、動作ログ情報に基づいてNNアルゴリズムの制御結果を単位時間毎に点数化し、単位時間毎の点数を累計する。これにより、NNアルゴリズム制御結果の累計点数を決定することができる。また、位置制御誤差、速度、加速度、および消費電力のそれぞれの得点を加算することで、NNアルゴリズムのトータルとしての制御結果を点数化することができる。なお、ここでは消費電力を制御結果として使用している例を示しているが、速度、加速度と消費電力の関係から、速度、加速度の結果を用いて消費電力に対しての報酬情報を設定してもよい。
次に、機械学習時の情報と、学習済モデルとを関連付けておき、ユーザが過去に生成した複数の学習済モデルの中からユーザ要望にあった学習済モデルを選定する方法について述べる。
<ユーザ要望情報とユーザ要望情報データベース>
ユーザ要望情報とユーザ要望情報データベースについて説明する。ここでユーザ要望情報は、光学部材の駆動制御に対してのユーザが要求する達成レベルを示す情報である。本実施例では、ユーザ要望項目である、位置精度、静音、消費電力に対しての達成レベルを示す情報をユーザ要望情報の例として挙げている。このユーザ要望情報は、機械学習時に、たとえばユーザが入力し、入力したユーザ要望情報を前述の報酬情報に換算して機械学習に使用する。ここでは、後日、学習時のユーザ要望情報をもとに学習済モデルを選定できるようにするため、機械学習時のユーザ要望情報と、学習済モデルを関連付けてデータベースに保存しておく。
ユーザ要望情報とユーザ要望情報データベースについて説明する。ここでユーザ要望情報は、光学部材の駆動制御に対してのユーザが要求する達成レベルを示す情報である。本実施例では、ユーザ要望項目である、位置精度、静音、消費電力に対しての達成レベルを示す情報をユーザ要望情報の例として挙げている。このユーザ要望情報は、機械学習時に、たとえばユーザが入力し、入力したユーザ要望情報を前述の報酬情報に換算して機械学習に使用する。ここでは、後日、学習時のユーザ要望情報をもとに学習済モデルを選定できるようにするため、機械学習時のユーザ要望情報と、学習済モデルを関連付けてデータベースに保存しておく。
図9は、ユーザ要望保持部225が保持しているユーザ要望情報データベースのデータ構造の説明図である。ユーザ要望情報データベースは、一つのユーザ要望情報に対して、ユーザ要望ID、位置精度ユーザ要望情報Eu、静音ユーザ要望情報Su、消費電力ユーザ要望情報Puで構成されている。
ここでユーザ要望IDは、ユーザ要望情報データを一意に決定するユニークな数値が割り当てられる。位置精度ユーザ要望情報Euは、ユーザ要望項目の位置精度に対しての達成レベルを示している。また静音ユーザ要望情報Suは、ユーザ要望項目の静音に対しての達成レベルを示している。また消費電力ユーザ要望情報Puは、ユーザ要望項目の消費電力に対しての達成レベルを示している。それぞれ、レベル1、レベル2、レベル3の順にユーザ要望が高いことを表している。図9の例では、ユーザ要望情報データベースは、ユーザ要望情報u1、u2、u3の3つのユーザ要望情報で構成されている。
<機械学習モデルデータベース>
次に、図10を参照して、機械学習モデルデータベースについて説明する。図10は、機械学習モデルデータベースのデータ構造の説明図である。機械学習モデルデータベースは、一つの学習済モデル対して、機械学習モデルID、作成時刻情報、機械学習モデルNN、ユーザ要望情報ID、およびレンズ個体情報で構成されている。
次に、図10を参照して、機械学習モデルデータベースについて説明する。図10は、機械学習モデルデータベースのデータ構造の説明図である。機械学習モデルデータベースは、一つの学習済モデル対して、機械学習モデルID、作成時刻情報、機械学習モデルNN、ユーザ要望情報ID、およびレンズ個体情報で構成されている。
機械学習モデルIDは、機械学習モデルデータを一意に決定するユニークな数値が割り当てられる。作成時刻情報は、機械学習モデルデータが生成された日時、時刻を示す情報が記録されている。機械学習モデルNNは、学習済の機械学習モデルのウエイト情報である。ユーザ要望情報IDは、学習済モデルの生成に使用された図9に示されるユーザ要望を一意に決定するユニークな数値である。レンズ個体情報は、学習に使用された機種(撮像機種)の情報である。
学習済モデルの生成に使用されたユーザ要望情報は、ユーザ要望情報IDからユーザ要望情報データベースより取得可能である。例えば、機械学習モデルIDがNNID1の学習済モデルは、Date1の時に生成され、学習済モデルのウエイト情報はNN1となる。学習時に使用されたユーザ要望情報はu1で示されたユーザ要望情報であり、学習時のレンズ個体情報は機種Aである。
以上の機械学習モデルデータベースのデータ構造により、一つの学習済モデルに対して、学習済モデルのウエイト値および学習済モデルを生成したときの情報を管理することができる。なお本実施例の機械学習モデルデータベースは、ユーザ要望情報IDを保持するが、ユーザ要望情報IDが示すユーザ要望情報データベースに記録している値を保持してもよい。また、機械学習モデルNNは、ウエイト情報だけでなく、ニューラルネットワーク構造の情報またはニューラルネットワーク構造のロジック情報を含んでいてもよい。以上のデータベース構成により、学習済モデルと学習時の情報の関連を容易に確認することができ、ユーザの希望する学習済モデルの検索を容易にすることができる。
<学習済モデルの決定方法>
次に、図11を参照して、学習済モデルの決定(選定)方法について説明する。図11は、学習済モデルの決定方法のフローチャートである。まずステップS301において、機械学習モデル管理部227は、レンズ個体情報管理部127から、制御部125、通信部126、通信部212、および制御部211を介してレンズ個体情報を取得する。レンズ個体情報を取得するタイミングは、例えば、電源を投入したタイミングや、ユーザが表示部205と操作部206を使用して学習済モデルの選択の操作を実施したタイミングとする。
次に、図11を参照して、学習済モデルの決定(選定)方法について説明する。図11は、学習済モデルの決定方法のフローチャートである。まずステップS301において、機械学習モデル管理部227は、レンズ個体情報管理部127から、制御部125、通信部126、通信部212、および制御部211を介してレンズ個体情報を取得する。レンズ個体情報を取得するタイミングは、例えば、電源を投入したタイミングや、ユーザが表示部205と操作部206を使用して学習済モデルの選択の操作を実施したタイミングとする。
続いてステップS302において、機械学習モデル管理部227は、機械学習モデル保持部226に対して、学習済モデルの生成に使用したレンズ個体情報が、ステップS301で取得したレンズ個体情報と一致する学習済モデルの選定を要求する。機械学習モデル保持部226は、機械学習モデルデータベースから、学習済モデルを生成したときのレンズ個体情報が一致する学習済モデルを選定する。
続いてステップS303において、機械学習モデル管理部227は、機械学習モデル保持部226により選定された学習済モデル(選定モデル)が複数か否かを判定する。学習済モデルが複数の場合、ステップS304に遷移する。一方、学習済モデルが複数ではない場合、ステップS306に遷移する。
ステップS304において、ユーザは、ユーザ要望を入力する。すなわちユーザは、表示部205と操作部206を使用して、位置精度ユーザ要望、静音ユーザ要望、および消費電力ユーザ要望の3項目に関して、レベル1~3の入力を行う。入力画面としては、例えば図12に示される表記とする。図12は、ユーザ要望の入力画面の説明図である。学習時のユーザ要望と同じく、レベル1、レベル2、レベル3の順にユーザ要望が高いことを表している。
続いてステップS305において、機械学習モデル保持部226は、ステップS304にて入力されたユーザ要望に対して、機械学習時のユーザ要望情報が最も近い学習済モデルを選定する。入力したユーザ要望の値と、図9に示される学習時のユーザ要望情報の値とを比較して、各項目の値の差の合計値が最も近い学習時のユーザ要望を選定する。そして、選定したユーザ要望に対応する学習済モデルを選択する。ここで、ユーザ要望情報が最も近い学習済モデルが複数の場合は、例えば、一番新しく生成された学習済モデルを選択する。最も近い学習済モデルを選定した後、ステップS307に遷移する。
ステップS306において、ステップS302にて選定した学習済モデルが一つの場合、ステップS307に遷移する。一方、選定した学習済モデルが無い場合、ステップS308に遷移する。ステップS307において、機械学習モデル管理部227は、機械学習モデル保持部226が選定した学習済モデルを採用する。ステップS308において、機械学習モデル管理部227は、予め決められた学習済モデル(デフォルトの学習済モデル)を採用する。なお、予め決められた学習済モデルではなく、交換レンズ100が現在使用している学習済モデルでもよい。決定された学習済モデルは、交換レンズ100に送られ、NNデータ記憶部123で記憶され、フォーカス駆動制御に使用される。
以上のように、機械学習モデル管理部227は、レンズ個体情報およびユーザ要望情報に基づいて、学習済モデルの中からユーザ要望に適したモデルを利用することができ、ユーザが機械学習を行う手間を省くことができる。なお本実施例では、ユーザ要望情報の値に基づいて過去の学習済モデルを選択する例を示したが、ユーザ要望から換算した報酬情報の値に基づいて学習済モデルを選択してもよい。また本実施例では、レンズ個体情報と一致している機種の学習済モデルを選定した例を示したが、レンズ個体情報に予め類似製品の情報を盛り込み、類似製品の学習済モデルを選定してもよい。
<フォーカス以外の例>
なお本実施例は、フォーカスレンズを駆動対象としたフォーカス制御を説明しているが、これに限定されるものではなく、他の制御(ズーム、IS、絞りなどの他の光学部材の制御にも適用可能である。静音、消費電力については、光学部材をアクチュエータにより駆動する場合は共通の課題を有している。位置精度においては、ズームにおいては、画角変化における被写体の拡大変化量の関係により要求される位置精度が決定される。またズームレンズ駆動量と画角変化量との関係においても位置精度が決定される。ISにおいては、焦点距離と映像のシフト量の関係の情報から、位置精度が決定される。絞りにおいては、絞り駆動量と映像の輝度変化量の関係から位置精度が決定される。
なお本実施例は、フォーカスレンズを駆動対象としたフォーカス制御を説明しているが、これに限定されるものではなく、他の制御(ズーム、IS、絞りなどの他の光学部材の制御にも適用可能である。静音、消費電力については、光学部材をアクチュエータにより駆動する場合は共通の課題を有している。位置精度においては、ズームにおいては、画角変化における被写体の拡大変化量の関係により要求される位置精度が決定される。またズームレンズ駆動量と画角変化量との関係においても位置精度が決定される。ISにおいては、焦点距離と映像のシフト量の関係の情報から、位置精度が決定される。絞りにおいては、絞り駆動量と映像の輝度変化量の関係から位置精度が決定される。
以上のように、過去に生成した学習済モデルを、機械学習時のユーザ要望情報と紐づけて管理することにより、容易に所望の学習済モデルを検索することができる。従って、過去に生成された学習済モデルの中から、ユーザ要望に近い学習済モデルを容易に選定することができる。複数の学習済モデルをユーザ要望情報と紐づけて管理することにより、類似の学習を行う手間を省くことができる。
次に、図13を参照して、本発明の実施例2における撮像システム(カメラシステム)10aについて説明する。図13は、撮像システム10aのブロック図である。撮像システム10aは、交換レンズ100aとカメラ本体200aとを備えて構成される。本実施例は、カメラ本体200aの学習プロセッサ220aが撮影情報保持部228を有する点で、実施例1とは異なる。なお本実施例において、実施例1と同一の構成については共通の記号を付与し、その説明は省略する。
<撮像情報と撮像情報データベース>
まず、撮像情報と撮像情報データベースについて説明する。撮像情報は、機械学習時の撮像条件と撮像画像を示す情報である。撮像条件は、例えば動画撮像か静止画撮像、撮像モード、交換レンズ100の設定であるズーム位置、フォーカス位置、絞り値、像振れ補正状態など、撮像画像に影響を与える設定である。また撮像条件は、カメラ本体200の設定である撮像モード、シャッタースピード、オートフォーカス制御、露光制御の設定等、撮像画像に影響を与える設定である。
まず、撮像情報と撮像情報データベースについて説明する。撮像情報は、機械学習時の撮像条件と撮像画像を示す情報である。撮像条件は、例えば動画撮像か静止画撮像、撮像モード、交換レンズ100の設定であるズーム位置、フォーカス位置、絞り値、像振れ補正状態など、撮像画像に影響を与える設定である。また撮像条件は、カメラ本体200の設定である撮像モード、シャッタースピード、オートフォーカス制御、露光制御の設定等、撮像画像に影響を与える設定である。
図14は、撮影情報保持部228が保持している撮影情報データベースのデータ構造の説明図である。撮影情報データベースは、一つの撮影情報(撮像情報)に対して、撮影情報ID(撮像情報ID)、撮影条件1(撮像条件1)、撮影条件2(撮像条件2)、撮影映像(撮像画像)で構成されている。撮影情報IDは、撮影情報データを一意に決定するユニークな数値が割り当てられる。撮影条件1は、動画撮影か静止画撮影を示している。撮影条件2は、撮像モードであり、夜間モードか通常モードかを示している。図14の例では、撮像情報データベースは、撮影情報IDがp1、p2、p3の3つの撮影情報で構成されている。以上のデータベース構成により、学習時の撮像情報を容易に確認することができる。
<機械学習モデルデータベース>
次に、図15を参照して、本実施例における機械学習モデルデータベースについて説明する。図15は、機械学習モデルデータベースのデータ構造の説明図である。機械学習モデルデータベースは、一つの学習済モデル対して、機械学習モデルID、作成時刻情報、機械学習モデルNN、撮影情報ID、レンズ個体情報で構成されている。ここで、撮影情報IDは、学習済モデルの学習時における図14に示される撮影情報を一意に決定するユニークな数値である。撮影情報は、撮影情報IDから撮影情報データベースより取得可能である。
次に、図15を参照して、本実施例における機械学習モデルデータベースについて説明する。図15は、機械学習モデルデータベースのデータ構造の説明図である。機械学習モデルデータベースは、一つの学習済モデル対して、機械学習モデルID、作成時刻情報、機械学習モデルNN、撮影情報ID、レンズ個体情報で構成されている。ここで、撮影情報IDは、学習済モデルの学習時における図14に示される撮影情報を一意に決定するユニークな数値である。撮影情報は、撮影情報IDから撮影情報データベースより取得可能である。
<学習済モデルの決定方法>
次に、図16を参照して、本実施例における学習済モデルの決定(選定)方法について説明する。図16は、学習済モデルの決定方法のフローチャートである。なお、図16のステップS401~S403、S405~S407は、図11のステップS301~S303、S306~S308とそれぞれ同様のため、これらの説明を省略する。
次に、図16を参照して、本実施例における学習済モデルの決定(選定)方法について説明する。図16は、学習済モデルの決定方法のフローチャートである。なお、図16のステップS401~S403、S405~S407は、図11のステップS301~S303、S306~S308とそれぞれ同様のため、これらの説明を省略する。
ステップS303にて選定された学習済モデルが複数の場合、ステップS304に遷移する。ステップS304において、撮像情報IDであるp1~p3(図14参照)に対応する撮像情報データベースの撮像条件と撮像画像に基づいて、ユーザが希望の撮像情報IDを選択し、選択した撮像情報IDに一致する機械学習モデルが選択される。例えば、表示部205と操作部206を使用して、ユーザが撮像条件を選択して撮像情報を絞り込み、さらに、絞り込んだ撮像情報の中から希望の撮像画像を選択することで撮像情報を決定することができる。学習済モデルを選定した後、ステップS306に遷移する。
ステップS307において、機械学習モデル管理部227は、機械学習モデル保持部226が選定した学習済モデルを採用する。ステップS308において、機械学習モデル管理部227は、予め決められた学習済モデルを採用する。ここで予め決められた学習済モデルではなく、交換レンズ100が現在使用している学習済モデルでもよい。決定された学習済モデルは、交換レンズ100に送られ、NNデータ記憶部123で記憶され、フォーカス駆動制御に使用される。
以上のように、機械学習モデル管理部227は、レンズ個体情報および撮像情報に基づいて、希望の撮像情報の学習済モデルを利用することができ、ユーザが過去の撮像条件と同様の機械学習を行う手間を省くことができる。なお本実施例では、レンズ個体情報と一致している機種の学習済モデルを選定した例を示したが、レンズ個体情報に予め類似製品の情報を盛り込み、類似製品の学習済モデルを選定してもよい。
<その他の学習済モデルの選択方法について>
実施例1では、学習時のユーザ要望に基づいて学習済モデルを選定し、本実施例では学習時の撮像情報に基づいて学習済モデルを選定する。ただし、これに限定されるものではなく、ユーザ要望と撮像情報の両方に基づいて学習済モデルを選定してもよい。また本実施例では、学習時の撮像情報と学習済モデルとを関連付けて管理したが、これに加えて、学習済モデルを使用した通常撮像時の撮像情報を関連付けて管理してもよい。これより、例えば、学習済モデルが、学習時の撮像条件とは異なる条件でも使用できることを判定することができる。また、環境情報を取込む外部センサ等を取付けておき、取込んだ環境情報に対して、学習時の環境情報が近い学習済モデルを自動的に選択してもよい。例えば、温度センサを取付けておき、現状の温度に対して、学習時の温度が近い学習済モデルを選択するなどである。
実施例1では、学習時のユーザ要望に基づいて学習済モデルを選定し、本実施例では学習時の撮像情報に基づいて学習済モデルを選定する。ただし、これに限定されるものではなく、ユーザ要望と撮像情報の両方に基づいて学習済モデルを選定してもよい。また本実施例では、学習時の撮像情報と学習済モデルとを関連付けて管理したが、これに加えて、学習済モデルを使用した通常撮像時の撮像情報を関連付けて管理してもよい。これより、例えば、学習済モデルが、学習時の撮像条件とは異なる条件でも使用できることを判定することができる。また、環境情報を取込む外部センサ等を取付けておき、取込んだ環境情報に対して、学習時の環境情報が近い学習済モデルを自動的に選択してもよい。例えば、温度センサを取付けておき、現状の温度に対して、学習時の温度が近い学習済モデルを選択するなどである。
次に、図17を参照して、本発明の実施例3における撮像システム(カメラシステム)10bについて説明する。図17は、撮像システム10bのブロック図である。撮像システム10bは、交換レンズ100bとカメラ本体200bとを備えて構成される。本実施例は、交換レンズ100bが学習プロセッサ1220を有する点で、実施例1とは異なる。なお本実施例において、実施例1と同一の構成については共通の記号を付与し、その説明は省略する。
学習プロセッサ1220は、プロセッサ(CPU、GPU)、記憶装置(ROM、RAM、HDD)からなる。プロセッサは、機械学習部1221、動作ログ保持部1222、報酬管理部1223、ユーザ要望管理部1224、ユーザ要望保持部1225、機械学習モデル保持部1226、および機械学習モデル管理部1227を有する。記憶装置は、プロセッサの各部を制御するためのプログラムを記憶している。また記憶装置は、動作ログ保持部1222が保持する動作ログ情報、報酬管理部1223が保持する報酬情報、ユーザ要望管理部1224が保持するユーザ要望情報、およびユーザ要望保持部1225が保持するユーザ要望情報データベースを記憶している。また記憶装置は、機械学習モデル保持部226が保持する機械学習モデルデータベースを記憶している。
レンズマイコン(レンズマイクロコンピュータ)1120は、実施例1のレンズマイコン120に対して、制御部1125が異なり、操作部1206と学習プロセッサ1220が接続され、それぞれとの情報伝達を行う。制御部1125は、ズームレンズ102、絞りユニット103、像振れ補正レンズ104のそれぞれの位置を制御すると共に、学習プロセッサ1220およびカメラ本体200との情報伝達を制御する。操作部1206は、ユーザが交換レンズ100bの各部を操作するために用いられる。
本実施例において、機械学習を行う学習プロセッサ1220が交換レンズ100に設けられている。従って、実施例1にけるカメラマイコン210と学習プロセッサ220との間の情報伝達と同様の情報伝達が、レンズマイコン1120と学習プロセッサ1220との間で行われる。また、ユーザ要望情報の入力など、ユーザ操作用の操作部1206が交換レンズ100に構成されている。以上のように、学習プロセッサ1220が交換レンズ100に構成されている本実施例の構成においても、実施例1と同様の効果が得られる。
ユーザが操作部1206から学習済モデルの選択を示す操作を行うと、学習済モデルの選択の指令が制御部1125を介して機械学習モデル管理部1227に伝えられる。選択された学習済モデルは、制御部1125を介してNNデータ記憶部123で記憶され、フォーカス駆動制御に使用される。以上により、実施例1と同様の動作にて、学習済モデルの選定が実施される。
次に、図18を参照して、本発明の実施例4における撮像システム(カメラシステム)10cについて説明する。図18は、撮像システム10cのブロック図である。撮像システム10cは、交換レンズ100cとカメラ本体200cと遠隔装置400とを備えて構成される。本実施例は、遠隔装置400が学習プロセッサ420を含む学習機能を有する点で、実施例1と異なる。遠隔装置400は、例えば、携帯端末やパソコン端末などであるが、これらに限定されるものではない。なお本実施例において、実施例1と同一の構成については共通の記号を付与し、その説明は省略する。
カメラ本体200cは、通信部230を有する。通信部230は、遠隔装置400と通信する。遠隔装置400は、表示部401、操作部402、および遠隔装置マイコン(遠隔装置マイクロコンピュータ)410を有する。遠隔装置マイコン410は、制御部411および通信部412を有する。制御部411は、遠隔装置400を制御する。通信部412は、カメラ本体200と通信する。
学習プロセッサ420は、プロセッサ(CPU、GPU)、記憶装置(ROM、RAM、HDD)からなる。プロセッサは、機械学習部421、ユーザ要望管理部424、ユーザ要望保持部425、機械学習モデル保持部426、および機械学習モデル管理部427を有する。記憶装置は、プロセッサの各部を制御するためのプログラムを記憶している。また記憶装置は、動作ログ保持部422が保持する動作ログ情報、報酬管理部423が保持する報酬情報、ユーザ要望管理部424が保持するユーザ要望情報、およびユーザ要望保持部425が保持するユーザ要望情報データベースを記憶している。また記憶装置は、機械学習モデル保持部426が保持する機械学習モデルデータベースを記憶している。
学習プロセッサ420の動作は、実施例1の学習プロセッサ220の動作と同じである。ここで、通信部230と通信部412とは、無線通信にて接続されており、互いに通信可能である。無線通信は、BluetoothやWi-Fi等の近距離無線通信や、公衆無線LAN等の公衆無線通信である。なお本実施例では無線通信の例を説明するが、これに限定されるものではなく、有線通信でもよい。
本実施例において、機械学習を行う学習プロセッサが遠隔装置400に構成されている。従って、実施例1に対して、カメラマイコン210と学習プロセッサ220との間の情報伝達が、本実施例では、遠隔装置マイコン410と学習プロセッサ420との間で行われる。ユーザが操作部206または操作部402から学習済モデルの選択を示す操作を行うと、学習済モデルの選択の指令が制御部411を介して機械学習モデル管理部427に伝えられる。選択された学習済モデルは、遠隔装置400から、カメラ本体200を介して交換レンズ100に送られ、NNデータ記憶部123で記憶され、フォーカス駆動制御に使用される。以上により、実施例1と同様の動作にて、学習済モデルの選定が実施される。
本実施例では、機械学習モデル保持部426、機械学習モデル管理部を遠隔装置400に構成したが、その全て、または一部を交換レンズ100、カメラ本体200、遠隔装置400とは別の遠隔装置に構成してもよい。複数のユーザが生成した学習済モデルを共有可能な場所に保存しておくことで、様々な条件で学習された学習済モデルを利用することができ、各ユーザの要望に近い学習済モデルを取得することができる。以上の通り、学習プロセッサ420が遠隔装置400に構成されている本実施例の構成においても、実施例1と同様の効果が得られる。
以上のように、各実施例において、制御装置は、取得部(機械学習モデル管理部227、427、1227)および制御部(制御部211、411、1125)を有する。取得部は、互いに異なる条件下で学習された複数の学習済モデルから一つの学習済モデルを取得する。制御部は、取得部により取得された一つの学習済モデルに基づいて、光学部材の駆動を制御する。
好ましくは、制御装置は、複数の学習済モデルを記憶する記憶部(機械学習モデル保持部226、426、1226)を有する。取得部は、記憶部に記憶された複数の学習済モデルから一つの学習済モデルを取得する。また好ましくは、取得部は、ユーザにより入力された情報(ユーザの選択)に基づいて、複数の学習済モデルから一つの学習済モデルを取得する。また好ましくは、取得部は、撮像条件に関する情報(撮像状況)に基づいて、複数の学習済モデルから一つの学習済モデルを取得する。また好ましくは、取得部は、複数の学習済モデルそれぞれの学習条件に関する情報に基づいて、複数の学習済モデルから一つの学習済モデルを取得する。より好ましくは、学習条件に関する情報は、学習に関するユーザ要求、画像データ、撮像機種、撮像環境、撮像対象、撮像モード、撮像者、撮像時点、撮像機における設定のうち少なくとも一つに関する情報を含む。
(その他の実施例)
本発明は、上述の実施例の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
本発明は、上述の実施例の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
各実施例によれば、例えば、機械学習に有利な制御装置、撮像装置、レンズ装置、制御方法、およびプログラムを提供することができる。
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
211 制御部(制御部)
227 機械学習モデル管理部(取得部)
227 機械学習モデル管理部(取得部)
Claims (11)
- 互いに異なる条件下で学習された複数の学習済モデルから一つの学習済モデルを取得する取得部と、
前記取得部により取得された前記一つの学習済モデルに基づいて、光学部材の駆動を制御する制御部とを有することを特徴とする制御装置。 - 前記複数の学習済モデルを記憶する記憶部を有し、
前記取得部は、前記記憶部に記憶された前記複数の学習済モデルから前記一つの学習済モデルを取得することを特徴とする請求項1に記載の制御装置。 - 前記取得部は、ユーザにより入力された情報に基づいて、前記複数の学習済モデルから前記一つの学習済モデルを取得することを特徴とする請求項1または2に記載の制御装置。
- 前記取得部は、撮像条件に関する情報に基づいて、前記複数の学習済モデルから前記一つの学習済モデルを取得することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の制御装置。
- 前記取得部は、前記複数の学習済モデルそれぞれの学習条件に関する情報に基づいて、前記複数の学習済モデルから前記一つの学習済モデルを取得することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の制御装置。
- 前記学習条件に関する情報は、学習に関するユーザ要求、画像データ、撮像機種、撮像環境、撮像対象、撮像モード、撮像者、撮像時点、撮像機における設定のうち少なくとも一つに関する情報を含むことを特徴とする請求項5に記載の制御装置。
- 撮像素子と、
前記撮像素子により撮られる像を形成するための光学部材の駆動を制御する請求項1乃至6のいずれか一項に記載の制御装置とを有することを特徴とする撮像装置。 - 撮像素子を有する撮像部と、
前記撮像部と通信する請求項1乃至6のいずれか一項に記載の制御装置とを有することを特徴とする撮像装置。 - 光学部材と、
前記光学部材の駆動を制御する請求項1乃至6のいずれか一項に記載の制御装置とを有することを特徴とするレンズ装置。 - 互いに異なる条件下で学習された複数の学習済モデルから一つの学習済モデルを取得する取得ステップと、
前記取得ステップにおいて取得された前記学習済モデルに基づいて、光学部材の駆動を制御する制御ステップとを有することを特徴とする制御方法。 - 請求項10に記載の制御方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
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