JP2022151171A - 生分解性樹脂粒子の製造方法、生分解性樹脂粒子、および生分解性樹脂発泡粒子 - Google Patents

生分解性樹脂粒子の製造方法、生分解性樹脂粒子、および生分解性樹脂発泡粒子 Download PDF

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Abstract

【課題】生分解性樹脂粒子の生産性を高くし、かつ、互着していない生分解性樹脂粒子を得る。【解決手段】本発明の製造方法は、回転するナイフの衝撃により互着した樹脂粒子(1)を解きほぐし、解きほぐされた樹脂粒子(2)を得る解砕工程を含み、解砕工程は、解きほぐされた樹脂粒子(2)を、筒状スクリーン(20)に通過させる工程を含み、ナイフ(10)の回転数は、500~5000rpmであり、筒状スクリーン(20)の目開きは、解きほぐされた樹脂粒子(2)1個の長さ以上、解きほぐされた樹脂粒子(2)1個の長さ×3以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、生分解性樹脂粒子の製造方法、生分解性樹脂粒子、および生分解性樹脂発泡粒子に関する。
石油由来プラスチックは毎年大量に廃棄されており、これらの大量廃棄物による埋立て処分場の不足または環境汚染が深刻な問題として取り上げられている。また近年、マイクロプラスチックが、海洋環境において大きな問題になっている。このため、海、土等の環境中、埋立て処分場、またはコンポスト中にて微生物の作用によって分解される生分解性プラスチックが注目されている。生分解性プラスチックは、環境中で利用される農林水産業用資材、使用後の回収または再利用が困難な食品容器、包装材料、衛生用品、ゴミ袋等への幅広い応用を目指して、開発が進められている。さらに、生分解性プラスチックから構成される発泡体は、包装用緩衝材、農産箱、魚箱、自動車部材、建築材料、土木材料等での使用が期待されている。
また、上述の生分解性プラスチックを樹脂成形体とする技術が検討されている。例えば、特許文献1には、ポリヒドロキシアルカノエートの成形体の表面の一部にポリヒドロキシアルカノエートの微粒子が付着したポリエステル樹脂成形体が開示されている。
また、特許文献2には、ポリヒドロキシアルカノエート、アミド結合を有する化合物およびペンタエリスリトールを含有する脂肪族ポリエステル樹脂組成物が開示されている。
特開2016-169374号公報 国際公開第2014/068943号公報
しかしながら、上述のような従来技術は、生分解性樹脂粒子の生産性を高くし、かつ、互着していない生分解性樹脂粒子を得る点で改善の余地がある。
特許文献1に記載の技術では、ポリヒドロキシアルカノエートの樹脂粒子の製造時に、当該樹脂粒子表面の一部にポリヒドロキシアルカノエートの微粒子を付着している。これにより、樹脂粒子の製造時のブロッキングを防止できる。しかし、特許文献1に記載の技術では、樹脂粒子の製造時、およびその後の樹脂粒子の加工時に、ポリヒドロキシアルカノエートの微粒子が舞ってしまうため、作業環境が悪くなる場合がある。また、特許文献1に記載の方法では、例えば、生分解性樹脂発泡粒子の製造に適した、特に品質要求レベルの高い、サイズが小さいペレットの製造が困難であることが、本発明者により確認された。
また、特許文献2に記載の技術では、ポリヒドロキシアルカノエートに、アミド結合を有する化合物およびペンタエリスリトールを配合することにより、ポリヒドロキシアルカノエートの結晶化の遅さを改善し、成形加工性及び生産性に優れたものとしている。特許文献2に記載の組成物を溶融押出機からダイスを介して押し出したとき、ペレット化できる最大レベルにストランド線速を向上させることが可能である。しかし、得られるペレットは互着する場合がある。互着したペレットを用いて生分解性樹脂発泡粒子を製造する場合、頻繁にペレットが配管等に詰まってしまい、安定して発泡粒子を得ることが困難であることが、本発明者により確認された。
本発明の一態様は、生分解性樹脂粒子の生産性を高くし、かつ、互着していない生分解性樹脂粒子を得ることが可能な生分解性樹脂粒子の製造方法、生分解性樹脂粒子、および生分解性樹脂発泡粒子を実現することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、溶融押出により作製された互着した生分解性樹脂粒子を特定の条件で解砕することにより、生分解性樹脂粒子の生産性を高くし、かつ互着していない生分解性樹脂粒子を得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の一態様は、以下の構成を含むものである。
〔1〕溶融混練した生分解性樹脂組成物を、ダイスを介して押し出し、所定の大きさに切断することにより、互着した生分解性樹脂粒子を得る造粒工程と、回転するナイフの衝撃により前記互着した生分解性樹脂粒子を解きほぐし、解きほぐされた生分解性樹脂粒子を得る解砕工程と、を含み、前記解砕工程は、前記解きほぐされた生分解性樹脂粒子を、前記ナイフの外側に設置した筒状スクリーンに通過させる整粒工程を含み、前記ナイフの回転数は、500~5000rpmであり、前記筒状スクリーンの目開きは、前記解きほぐされた生分解性樹脂粒子1個の長さ以上、前記解きほぐされた生分解性樹脂粒子1個の長さ×3以下である、生分解性樹脂粒子の製造方法。
〔2〕前記造粒工程では、前記ダイスから吐出した前記生分解性樹脂組成物を冷却後に、前記生分解性樹脂組成物を所定の大きさに切断する、〔1〕に記載の生分解性樹脂粒子の製造方法。
〔3〕前記解きほぐされた生分解性樹脂粒子は、1個当たり、重量が0.3~10mgであり、かつ、長さ/直径が0.7~3である、〔1〕または〔2〕に記載の生分解性樹脂粒子の製造方法。
〔4〕前記生分解性樹脂は、ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)、ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペート、ポリブチレンアジペートテレフタレート、ポリブチレンサクシネートテレフタレート、ポリカプロラクトン、変性デンプン、変性セルロースからなる群から選択される1種以上である、〔1〕~〔3〕の何れかに記載の生分解性樹脂粒子の製造方法。
〔5〕前記生分解性樹脂は、ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)である、〔1〕~〔3〕の何れかに記載の生分解性樹脂粒子の製造方法。
〔6〕前記ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)は、ポリ(3-ヒドロキシブチレート)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシバレレート)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシバレレート-コ-3-ヒドロキシヘキサノエート)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシヘキサノエート)およびポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-4-ヒドロキシブチレート)からなる群より選択される1種以上である、〔5〕に記載の生分解性樹脂粒子の製造方法。
〔7〕〔1〕~〔6〕のいずれかに記載の生分解性樹脂粒子の製造方法によって得られた、生分解性樹脂粒子。
〔8〕〔7〕に記載の生分解性樹脂粒子を発泡させてなる、生分解性樹脂発泡粒子。
本発明の一態様によれば、生分解性樹脂粒子の生産性を高くし、かつ、互着していない生分解性樹脂粒子を得ることができる。
本発明の実施形態に係る製造方法の解砕工程にて使用する解砕機の一例を模式的に示す図である。 図1に示す解砕機のナイフの構成を模式的に示す上面図である。
本発明の実施の一形態について、以下に詳細に説明する。なお、本明細書において特記しない限り、数値範囲を表す「A~B」は、「A以上、B以下」を意味する。また、本明細書中に記載された文献の全てが、本明細書中において参考文献として援用される。
〔1.生分解性樹脂粒子の製造方法、生分解性樹脂粒子および発泡粒子〕
本発明の一実施形態に係る生分解性樹脂粒子の製造方法は、溶融混練した生分解性樹脂組成物を、ダイスを介して押し出し、所定の大きさに切断することにより、互着した生分解性樹脂粒子を得る造粒工程を含む。そして、本発明の一実施形に係る生分解性樹脂粒子の製造方法は、次の(a)~(d)を含む。(a)回転するナイフの衝撃により前記互着した生分解性樹脂粒子を解きほぐし、解きほぐされた生分解性樹脂粒子を得る解砕工程を含む。(b)前記解砕工程は、前記解きほぐされた生分解性樹脂粒子を、前記ナイフの外側に設置した筒状スクリーンに通過させる整粒工程を含む。(c)前記ナイフの回転数は、500~5000rpmである。(d)前記筒状スクリーンの目開きは、前記解きほぐされた生分解性樹脂粒子1個の長さ以上、前記解きほぐされた生分解性樹脂粒子1個の長さ×3以下である。
また、本発明の一実施形態に係る生分解性樹脂粒子は、前記製造方法によって得られる。さらに、本発明の一実施形態に係る生分解性樹脂発泡粒子は、前記生分解性樹脂粒子を発泡させてなる。
本明細書において、「生分解性樹脂組成物」を「樹脂組成物」と称する場合があり、「生分解性樹脂粒子」を「樹脂粒子」と称する場合があり、「互着した生分解性樹脂粒子」を「互着した樹脂粒子」と称する場合があり、「生分解性樹脂粒子の製造方法」を「製造方法」と称する場合があり、「本発明の一実施形態に係る生分解性樹脂粒子の製造方法」を「本製造方法」と称する場合がある。また、「生分解性樹脂発泡粒子」を「発泡粒子」と称する場合がある。
ここで、生分解性樹脂発泡粒子を製造するためには、原料となる小さいペレット状の樹脂粒子(数mg/粒)が必要となる。例えば、樹脂粒子として生分解性樹脂の樹脂粒子を溶融押出により製造したとき、生分解性樹脂はポリエチレン等の汎用樹脂よりも結晶化が遅いため、生分解性樹脂の樹脂粒子の互着が発生しやすくなる。さらに、溶融押出機のダイスから吐出する溶融混練物の量を上げるほど、互着した生分解性樹脂の樹脂粒子が多くなる。このため、溶融押出機のダイスから吐出する溶融混練物の量を上げて、樹脂粒子の生産性を向上させることが困難である。なお、互着した生分解性樹脂の樹脂粒子は、生分解性樹脂発泡粒子の製造に適していない。
本製造方法によれば、前記(a)~(d)の構成を有することによって、互着した樹脂粒子を容易に解きほぐすことができる。このため、発泡粒子の製造に使用し得る品質の樹脂粒子の製造効率を向上させ、生産性を上げることができる。したがって、本製造方法によれば、生分解性樹脂粒子の生産性を高くし、かつ、互着していない生分解性樹脂粒子を得ることができる。
なお、前記解砕工程にて得られる、解きほぐされた生分解性樹脂粒子の1個あたりの重量および大きさは、特に限定されない。本製造方法は、発泡粒子の製造に適した小さいペレット状の樹脂粒子以外の樹脂粒子の製造に対しても適用可能である。好ましくは、本製造方法は、発泡粒子の製造に適した小さいペレット状の樹脂粒子の製造に対して適用される。すなわち、本製造方法では、前記解きほぐされた生分解性樹脂粒子は、1個当たり、重量が0.3~10mgであり、かつ、長さ/直径が0.7~3であることが好ましい。
〔2.生分解性樹脂粒子の製造工程〕
(生分解性樹脂組成物)
本製造方法にて使用される生分解性樹脂組成物は、生分解性樹脂を含む。本製造方法にて使用される生分解性樹脂は、生分解性を有していれば、特に限定されない。本実施形態における「生分解性」とは、自然界において微生物によって低分子化合物に分解され得る性質をいう。具体的には、好気条件ではISO 14855(compost)及びISO 14851(activated sludge)、嫌気条件ではISO 14853(aqueous phase)及びISO 15985(solid phase)等、各環境に適合した試験に基づいて生分解性の有無が判断できる。また、海水中における微生物の分解性については、生物化学的酸素要求量(Biochemical oxygen demand)の測定により評価できる。
前記生分解性樹脂は、好ましくは、ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)、ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペート、ポリブチレンアジペートテレフタレート、ポリブチレンサクシネートテレフタレート、ポリカプロラクトン、変性デンプン、変性セルロースからなる群から選択される1種以上である。
本製造方法において、生分解性樹脂は1種を単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
これらの生分解性樹脂の中でも、優れた生分解性およびカーボンニュートラルの観点からは、前記生分解性樹脂は、ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)(以下、P3HAと称する場合がある)であることがより好ましい。P3HAは、一般式:〔-CHR-CH-CO-O-〕で示される3-ヒドロキシアルカン酸繰り返し単位(式中、Rは、C2n+1で表されるアルキル基で、nは、1以上15以下の整数である。)を必須の繰り返し単位として含む、ポリヒドロキシアルカノエートである。中でも、当該繰り返し単位を、全モノマー繰り返し単位(100モル%)に対して50モル%以上含むものが好ましく、より好ましくは70モル%以上含む。
より詳しくは、P3HAとしては、例えば、ポリ(3-ヒドロキシブチレート)(P3HB)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシバレレート)(P3HB3HV)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシバレレート-コ-3-ヒドロキシヘキサノエート)(P3HB3HV3HH)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシヘキサノエート)(P3HB3HH)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-4-ヒドロキシブチレート)(P3HB4HB)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシオクタノエート)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシデカノエート)等が挙げられる。
なお、微生物により産生されるP3HA(微生物産生P3HA)は、通常、D体(R体)のポリヒドロキシアルカン酸モノマー単位のみから構成されるP3HAである。微生物産生P3HAの中でも、工業的生産が容易である点から、P3HB、P3HB3HV、P3HB3HV3HH、P3HB3HH、P3HB4HBが好ましく、P3HB、P3HB3HV、P3HB3HH、P3HB4HBがより好ましい。
P3HA(特に、微生物産生P3HA)が3-ヒドロキシブタン酸(3HB)繰り返し単位を必須のモノマー単位として含むものである場合、そのモノマー組成比は、柔軟性と強度のバランスの観点から、全繰り返し単位(100モル%)中、3-ヒドロキシブタン酸(3HB)繰り返し単位が80モル%~99モル%であることが好ましく、より好ましくは85モル%~97モル%である。3HB繰り返し単位の組成比が80モル%以上であることにより、P3HAの剛性がより向上し、また、結晶化度が低くなり過ぎず精製が容易となる傾向がある。一方、3HB繰り返し単位の組成比が99モル%以下であることにより、柔軟性がより向上する傾向がある。なお、P3HAのモノマー組成比は、ガスクロマトグラフィー等によって測定することができる(例えば、国際公開第2014/020838号参照)。
微生物産生P3HAを生産する微生物としては、P3HA類の生産能を有する微生物であれば特に限定されない。例えば、P3HB生産菌としては、1925年に発見されたBacillus megateriumが最初で、他にもカプリアビダス・ネケイター(Cupriavidus necator)(旧分類:アルカリゲネス・ユートロファス(Alcaligenes eutrophus)、ラルストニア・ユートロフア(Ralstonia eutropha))、アルカリゲネス・ラタス(Alcaligenes latus)等の天然微生物が挙げられる。これらの微生物ではP3HBが菌体内に蓄積されることが知られている。
また、3HBとその他のヒドロキシアルカノエートとの共重合体の生産菌としては、P3HB3HVおよびP3HB3HH生産菌であるアエロモナス・キヤビエ(Aeromonas caviae)、P3HB4HB生産菌であるアルカリゲネス・ユートロファス(Alcaligenes eutrophus)等が知られている。特に、P3HB3HHに関し、P3HB3HHの生産性を上げるために、P3HA合成酵素群の遺伝子を導入したアルカリゲネス・ユートロファス AC32株(Alcaligenes eutrophus AC32, FERM BP-6038)(T.Fukui,Y.Doi,J.Bateriol.,179,p4821-4830(1997))等がより好ましく、これらの微生物を適切な条件で培養して菌体内にP3HB3HHを蓄積させた微生物菌体が用いられる。また上記以外にも、生産したいP3HAに合わせて、各種P3HA合成関連遺伝子を導入した遺伝子組換え微生物を用いても良いし、基質の種類を含む培養条件の最適化をすればよい。
P3HAの分子量は、目的とする用途で実質的に十分な物性を示すものであればよく、特に限定されない。P3HAの重量平均分子量の範囲は、20万~200万が好ましく、より好ましくは25万~150万、さらに好ましくは30万~100万である。重量平均分子量を20万未満にすると機械的強度の低下が大きくなり好ましくない。
前記重量平均分子量の測定方法は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)(昭和電工社製「Shodex GPC-101」)を用い、カラムにポリスチレンゲル(昭和電工社製「Shodex K-804」)を用い、クロロホルムを移動相とし、ポリスチレン換算した場合の分子量として求めることができる。この際、検量線は重量平均分子量31,400、197,000、668,000、1,920,000のポリスチレンを使用して作成する。当該GPCにおけるカラムとしては、前記分子量を測定するのに適切なカラムを使用すればよい。
本製造方法において、P3HAは、1種を単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
樹脂組成物は、生分解性樹脂を含む樹脂成分に加え、添加剤をさらに含んでもよい。添加剤としては、例えば、結晶核剤、気泡調整剤、滑剤、可塑剤、帯電防止剤、難燃剤、導電剤、断熱剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、無機充填剤、有機充填剤、加水分解抑制剤、含水剤等を目的に応じて使用できる。添加剤としては、特に生分解性を有する添加剤が好ましい。
結晶核剤としては、例えば、ペンタエリスリトール、オロチン酸、アスパルテーム、シアヌル酸、グリシン、フェニルホスホン酸亜鉛、窒化ホウ素、タルク等が挙げられる。これら結晶核剤の1種類を単独で使用してもよく、2種類以上を混合して使用してもよい。また、2種類以上の結晶核剤を混合して使用する場合、目的に応じて、混合比率を適宜調整してもよい。
結晶核剤の使用量は、特に限定されない。結晶核剤の使用量は、生分解性樹脂100重量部に対して、例えば、5.0重量部以下が好ましく、3.0重量部以下がより好ましく、1.5重量部以下がさらに好ましい。生分解性樹脂に対する結晶核剤の使用量の下限は特に限定されないが、例えば、生分解性樹脂100重量部に対して、0.1重量部以上でありえる。
気泡調整剤としては、例えば、タルク、シリカ、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、珪藻土、クレイ、重曹、アルミナ、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、ベントナイト等が挙げられる。これら気泡調整剤の中でも、P3HAへの分散性に特に優れている点で、タルクが好ましい。また、これら気泡調整剤の1種類を単独で使用してもよく、2種類以上を混合して使用してもよい。また、2種類以上の気泡調整剤を混合して使用する場合、目的に応じて、混合比率を適宜調整してもよい。
気泡調整剤の使用量は、特に限定されないが、生分解性樹脂100重量部に対して、0.01重量部~1.00重量部が好ましく、0.03重量部~0.50重量部がより好ましく、0.05重量部~0.30重量部がさらに好ましい。
滑剤としては、例えば、ベヘン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド、N-ステアリルベヘン酸アミド、N-ステアリルエルカ酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスエルカ酸アミド、エチレンビスラウリル酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、p-フェニレンビスステアリン酸アミド、エチレンジアミンとステアリン酸とセバシン酸の重縮合物等が挙げられる。これら滑剤の中でも、P3HAへの滑剤効果が特に優れている点で、ベヘン酸アミドおよび/またはエルカ酸アミドが好ましい。これら滑剤の1種類を単独で使用してもよく、2種類以上を混合して使用してもよい。また、2種類以上の滑剤を混合して使用する場合、目的に応じて、混合比率を適宜調整してもよい。
滑剤の使用量は、特に限定されないが、生分解性樹脂100重量部に対して、0.01重量部~5.00重量部が好ましく、0.01重量部~3.00重量部がより好ましく、0.01重量部~1.50重量部がさらに好ましい。生分解性樹脂に対する滑剤の使用量は、生分解性樹脂100重量部に対して0%でもよく、すなわち樹脂組成物は滑剤を含まなくてもよい。
可塑剤としては、例えば、グリセリンジアセトモノラウレート等のグリセリンエステル系化合物、アセチルクエン酸トリブチル等のクエン酸エステル系化合物、セバシン酸ジブチル等のセバシン酸エステル系化合物、アジピン酸エステル系化合物、ポリエーテルエステル系化合物、安息香酸エステル系化合物、フタル酸エステル系化合物、イソソルバイドエステル系化合物、ポリカプロラクトン系化合物、ベンジルメチルジエチレングリコールアジペート等の二塩基酸エステル系化合物等が挙げられる。これらの中でも、P3HAへの可塑化効果が特に優れている点で、グリセリンエステル系化合物、クエン酸エステル系化合物、セバシン酸エステル系化合物および二塩基酸エステル系化合物が好ましい。これら可塑剤の1種類を単独で使用してもよく、2種類以上を混合して使用してもよい。また、2種類以上の可塑剤を混合して使用する場合、目的に応じて、混合比率を適宜調整してもよい。
可塑剤の使用量は、特に限定されない。可塑剤の使用量は、例えば、生分解性樹脂100重量部に対して、20重量部以下好ましく、15重量部以下がより好ましく、10重量部以下がさらに好ましく、5重量部以下が特に好ましい。生分解性樹脂に対する可塑剤の使用量の下限値は、特に限定されないが、例えば0%でもよく、すなわち樹脂組成物は可塑剤を含まなくてもよい。
樹脂組成物は、イソシアネート基を有する化合物(以下、イソシアネート化合物と称する場合がある。)を含んでもよい。但し、イソシアネート化合物は毒性を持つ場合がある。また、樹脂組成物がイソシアネート化合物を含む場合、得られる発泡粒子および発泡成形体が黄色くなる場合がある。
したがって、イソシアネート化合物の使用量としては、生分解性樹脂100重量部に対して、3.0重量部未満が好ましく、1.0重量部未満がより好ましく、0.1重量部未満がさらに好ましい。樹脂組成物がイソシアネート化合物を含まないことが最も好ましい。
イソシアネート化合物としては、例えば、1分子中にイソシアネート基を2個以上有するポリイソシアネート化合物を用いることができる。イソシアネート化合物の具体的な種類としては芳香族系イソシアネート化合物、脂環族系イソシアネート化合物、脂肪族系イソシアネート化合物等が挙げられる。例えば、(a)芳香族イソシアネート化合物としては、トリレン、ジフェニルメタン、ナフチレン、トリジン、キシレンおよび/またはトリフェニルメタンを骨格とするイソシアネート化合物が挙げられ、(b)脂環族イソシアネート化合物としてはイソホロンおよび/または水素化ジフェニルメタンを骨格とするイソシアネート化合物が挙げられ、(c)脂肪族イソシアネート化合物としてはヘキサメチレンおよび/またはリジンを骨格とするイソシアネート化合物等が挙げられる。更に、これらイソシアネート化合物を2種類以上組み合わせて得られる混合物も使用可能である。イソシアネート化合物を使用する場合には、汎用性、取扱い性、耐候性等からトリレンおよび/またはジフェニルメタンを骨格とするイソシアネート化合物、特にジフェニルメタンを骨格とするイソシアネート化合物(ポリイソシアネート)を使用することが好ましい。
生分解性樹脂組成物のメルトフローレート(MFR)は、目的とする用途で実質的に十分な物性を示すものであればよく、特に限定されない。生分解性樹脂組成物のMFRの範囲は、1~20g/10min(分)が好ましく、より好ましくは1~17g/10min、さらに好ましくは1~15g/10minである。MFRが1g/10min未満では、1回の発泡だけでは見掛け密度の低い発泡粒子を得ることが難しくなる傾向がある。一方、MFRが20g/10minを超えると、得られる発泡粒子の独立気泡率が低くなる傾向がある。
生分解性樹脂組成物のMFRの測定方法は、メルトフローインデックステスター(安田精機製作所社製)を用いて、JIS K7210に準じて、荷重2.16kgまたは5kg、測定温度は160~190℃の間で測定することにより、求められる。荷重と測定温度は、生分解性樹脂の種類、特性に合わせて適宜決めればよい。
(造粒工程)
前記造粒工程では、溶融混練した生分解性樹脂組成物を、ダイスを介して押し出し、所定の大きさに切断することにより、互着した生分解性樹脂粒子を得る。
生分解性樹脂組成物の溶融混練物を得る方法は、特に限定されない。当該方法の具体例としては、例えば以下(a1)および(a2)の方法が挙げられる:
(a1)生分解性樹脂と、必要に応じて添加剤とを混合装置などで混合またはブレンドし、樹脂組成物を調製する。その後、当該樹脂組成物を溶融混練装置に供給し、溶融混練する方法;
(a2)生分解性樹脂と、必要に応じて添加剤とを溶融混練装置に供給し、溶融混練装置内で樹脂組成物を調製する(完成させる)とともに、当該樹脂組成物を溶融混練する方法。
前記(a1)の方法において、生分解性樹脂と、必要に応じて添加剤とを混合またはブレンド(ドライブレンド)する順序は特に限定されない。前記(a2)の方法において、生分解性樹脂と、必要に応じて、添加剤とを溶融混練装置に供給する順序は特に限定されない。
前記(a1)の方法において、混合装置としては、特に限定されず、リボンブレンダー、フラッシュブレンダー、タンブラーミキサー、スーパーミキサーなどが挙げられる。
前記(a1)および(a2)の方法において、溶融混練装置としては、特に限定されず、押出機、ニーダー、バンバリミキサー、およびロール等が挙げられる。生産性と利便性優れることから、溶融混練装置としては、押出機が好ましく、2軸押出機がさらに好ましい。
また、樹脂組成物を溶融混練するときの温度は、生分解性樹脂の種類、物性(融点、重量平均分子量等)および使用する添加剤の種類等によるため一概には規定できない。樹脂組成物を溶融混練するときの温度に関して、例えば、ダイスのノズルから吐出される溶融混練された樹脂組成物の温度(以下、組成物温度と称する場合がある。)を150℃~200℃とすることが好ましく、160℃~195℃とすることがより好ましく、170℃~190℃とすることがさらに好ましい。組成物温度が150℃以上である場合、樹脂組成物が溶融混練不足となる虞がない。一方、組成物温度が200℃以下である場合、生分解性樹脂が熱分解する虞がない。
また、溶融混練した樹脂組成物を切断する方法は、ダイスから樹脂組成物を押し出し所定の大きさに切断できる限り、特に限定されない。前記溶融混練装置としてダイスおよび切断装置を備える溶融混練装置を使用することにより、樹脂組成物を所望の形状に容易に成形できる。具体的には、樹脂組成物を、溶融混練装置に備えられたダイスのノズルから吐出し、吐出と同時に、または吐出後に樹脂組成物を切断装置により切断することにより、所望の形状に成形できる。得られる樹脂粒子の形状としては特に限定されないが、発泡に利用しやすいことから、円柱状、楕円柱状、球状、立方体状、直方体状などが好ましい。
造粒工程では、ダイスのノズルから吐出される樹脂組成物を冷却してもよい。ダイスのノズルから吐出される樹脂組成物を冷却する場合、樹脂組成物の冷却と同時に、または冷却後に樹脂組成物を切断装置により切断すればよい。造粒工程では、前記ダイスから吐出した前記生分解性樹脂組成物を冷却後に、前記生分解性樹脂組成物を所定の大きさに切断することが好ましい。
ダイスのノズルから吐出される樹脂組成物を冷却するとき、冷却された樹脂組成物が示す温度(以下、冷却温度と称する場合がある。)は、生分解性樹脂の種類によるため一概には規定できないが、溶融混練された樹脂組成物の結晶化の観点では、冷却温度は、10℃~80℃が好ましく、20℃~70℃がより好ましく、30℃~60℃がさらに好ましい。
造粒工程では、溶融混練した樹脂組成物は、ダイスのノズルから、ストランド状に押し出される。樹脂組成物の吐出量を大きくすると、引き取り時のストランド同士、または切断後の樹脂粒子同士にブロッキングが生じる。ここで、ブロッキングとは、ダイスのノズルから押し出した後にストランド同士が互着(互いにくっ付く)する、あるいは、ストランドを切断装置により切断した後にストランドの切断物同士が互着する現象をいう。それゆえ、造粒工程に、互着した生分解性樹脂粒子が得られる。この互着した生分解性樹脂粒子は、発泡粒子の製造に適していない。
造粒工程で得られる互着した生分解性樹脂粒子の割合としては、造粒工程で得られる全ての生分解性樹脂粒子に対して、90%以下が好ましく、50%以下がより好ましく、30%以下がさらに好ましい。
樹脂組成物の吐出量が多くなるに従い互着した樹脂粒子は多くなる。それゆえ、従来の樹脂粒子の製造では、樹脂組成物の吐出量を上げつつ、互着した樹脂粒子を少なくすることが困難であり、樹脂粒子の生産性を上げることが困難であった。
本製造方法では、特定条件の解砕工程を行うことにより、互着した樹脂粒子を容易に解きほぐすことができる。このため、樹脂組成物の吐出量を上げつつ、互着した樹脂粒子を少なくすることができる。その結果、本製造方法によれば、特に小さいペレット状の樹脂粒子の良品効率が向上し、かつ、樹脂粒子の生産性を上げることができる。
(解砕工程)
解砕工程では、互着した樹脂粒子を解きほぐし、解きほぐされた生分解性樹脂粒子を得る。図1は、解砕工程にて使用する解砕機の一例を模式的に示す図である。本製造方法においては、解砕工程にて使用される解砕機は、図1に示す構成に限定されない。
図1に示すように、解砕機100は、筒状の解砕部101と、整粒部102と、を備えている。解砕部101の上部には、互着した樹脂粒子1の投入口100aが設けられている。また、整粒部102の下部には、解砕部101にて解きほぐされた樹脂粒子2の排出口100bが設けられている。
解砕部101は、ナイフ10と、筒状スクリーン20と、シャフト30と、底板40と、を備えている。ナイフ10は、シャフト30を軸として回転する。図2に示すように、ナイフ10は、2つの刃部11および12を備えている。そして、シャフト30が伸びる方向から見て、刃部11と刃部12とは、互いに直交するように、シャフト30に取り付けられている。互着した樹脂粒子1と回転するナイフ10とが衝突することにより、互着した樹脂粒子1は解きほぐされる。筒状スクリーン20は、網目状であり、複数の孔を有する。筒状スクリーン20は、解砕部101の筒状部分の側面を構成する。また、底板40は、解砕部101の筒状部分の底面を構成する。
整粒部102は、解砕部101の筒状部分の側面と離間して覆うように設けられたカバー50を備えている。整粒部102は、解砕部101の筒状部分とカバー50とにより形成された空間を有する。この空間は、樹脂粒子2が排出口100bへ向かう通路となっている。
解砕部101と整粒部102とは、網目状の筒状スクリーン20を介して連通する一方、底板40を介して連通しない。このため、解砕部101にて解きほぐされなかった、互着した樹脂粒子1は、底板40に蓄積されることになる。一方、解砕部101にて解きほぐされた樹脂粒子2は、筒状スクリーン20を通過して、整粒部102へ到達するか、あるいは、筒状スクリーン20を通過せず、底板40に蓄積される。
本製造方法において、解砕工程は、整粒工程を含む。当該整粒工程では、解砕機100の投入口100aから互着した樹脂粒子1を投入し、解砕部101にて、回転するナイフ10の衝撃により、互着した樹脂粒子1を解きほぐし、樹脂粒子2を得る。そして、互着した樹脂粒子1を解きほぐした後にできた樹脂粒子2を、ナイフ10の外側に設置した筒状スクリーン20に通過させる。ナイフ10の衝撃により解きほぐすことができなかった互着した樹脂粒子1は、底板40に蓄積することになる。
ここで、本願発明者は、このような整粒工程を含む解砕工程において、筒状スクリーン20内部および底板40上に残存する互着した樹脂粒子1の量を小さくし、互着のない良品の樹脂粒子2を得る目的で、解砕機100の各種設定を鋭意検討した。その結果、特定のナイフ10の回転数に設定し、かつ、筒状スクリーン20を特定の目開きに設定することにより、上記目的が達成されることを見出した。
まず、ナイフ10の回転数は、500~5000rpm、好ましくは750~4500rpm、より好ましくは1000~4000rpmである。ナイフ10の回転数が500rpm以上であれば、互着した樹脂粒子を1個の樹脂粒子まで解きほぐすことができる。また、ナイフ10の回転数が5000rpm以下であれば、樹脂粒子の破壊を抑制することができる。
また、筒状スクリーン20の目開きは、解きほぐされた1個の樹脂粒子2の長さ以上、解きほぐされた1個の樹脂粒子2の長さ×3以下、好ましくは解きほぐされた1個の樹脂粒子2の長さ×2以下、より好ましくは解きほぐされた1個の樹脂粒子2の長さ×1.5以下である。筒状スクリーン20の目開きが樹脂粒子2の長さ未満である場合、樹脂粒子2が整粒部102へ移動しにくくなる。一方、筒状スクリーン20の目開きが樹脂粒子2の長さ×3を超えると、樹脂粒子2とともに互着した樹脂粒子1も整粒部102へ移動してしまう。
解砕工程を行う順番としては、前記造粒工程の後であれば、特に限定されない。当該順番の具体例としては、例えば以下(b1)および(b2)の方法が挙げられる:
(b1)造粒工程の後に、互着した樹脂粒子および互着していない樹脂粒子を全て解砕処理する。
(b2)造粒工程の後に、篩い機により、互着した樹脂粒子と互着していない樹脂粒子を分けた後に、互着した樹脂粒子を解砕処理する。
造粒工程および解砕工程で生じる、小さい樹脂粒子または微粉等の微細品の割合は、得られる全ての生分解性樹脂粒子に対して、10%以下が好ましく、5%以下がより好ましく、3%以下がさらに好ましい。微細品が少ないほど生分解性樹脂粒子の生産性が高くなる。
解砕工程の後に、篩い機および集塵機を用いて、発泡粒子の製造に使用する樹脂粒子の均一性を向上させてもよい。
〔3.生分解性樹脂粒子〕
本発明の解砕工程にて解きほぐされた樹脂粒子は、1個当たり、重量が0.3~10mgであり、かつ、長さ/直径(長さと直径との比率)が0.7~3であることが好ましい。ここで、樹脂粒子の長さとは、樹脂粒子の製造過程において、樹脂粒子を切断するときに樹脂粒子に現れる(生じる)、2つの切断面間の距離の最大値を意図する。次に、樹脂粒子の長さ方向をx方向としたとき、x方向に垂直な断面(断面x)上に、任意の直線yと、直線yに垂直な直線zとを引く。直線yが断面xで切り取られて得られる線分を線分yとし、直線zが断面xで切り取られて得られる線分を線分zとする。樹脂粒子の直径とは、線分yの長さと線分zの長さとの平均値を意図する。
樹脂粒子の1個当たりの重量が0.3mg以上であれば、造粒工程でのストランドの切断不良を少なくすることができる。一方、樹脂粒子の1個当たりの重量が10.0mg以下であれば、樹脂粒子を高い生産性で安定して製造することができる。樹脂粒子の1個当たりの重量は、好ましくは0.5~7.5mgであり、より好ましくは0.7~5.0mgである。
また、樹脂粒子の長さ/直径が0.7以上であれば、形状が良好な生分解性発泡粒子を得ることができる。一方、樹脂粒子の長さ/直径が3以下であれば、解砕工程での樹脂粒子の破壊を抑制することができる。樹脂粒子の長さ/直径は、好ましくは0.8~2.7であり、より好ましくは0.9~2.5である。
樹脂粒子の融点(以下、「Tmp」と称する場合がある)は、特に限定されないが、50℃~165℃が好ましく、60℃~155℃がより好ましい。
ここで、樹脂粒子の融点(Tmp)は、示差走査熱量計法(以降、「DSC法」と称する)により測定したものである。具体的な操作手順は以下の通りである:(1)樹脂粒子を約5mgを量り取る;(2)樹脂粒子の温度を10℃/分の昇温速度で10℃から190℃まで昇温して、樹脂粒子を融解する;(3)前記(2)の過程で得られる樹脂粒子のDSC曲線の、最も高温の融解ピークの温度を樹脂粒子の融点として求めることができる。
〔4.生分解性樹脂発泡粒子〕
本発明の一実施形態には、上述した生分解性樹脂粒子を発泡させてなる、生分解性樹脂発泡粒子が含まれ得る(以下、単に「発泡粒子」と称する場合もある。)。本実施形態に係る発泡粒子の製造方法は、小さいペレット状の生分解性樹脂粒子を発泡させることが可能であれば、従来公知の方法を採用することができる。
本実施形態に係る発泡粒子の製造方法は、
(a)樹脂粒子と、水系分散媒と、架橋剤と、発泡剤と、必要に応じて分散剤、架橋助剤、分散助剤および/または可塑剤とを容器中に分散させる分散工程と、
(b)容器内温度を一定温度まで昇温し、かつ容器内圧力を一定圧力まで昇圧する昇温-昇圧工程と、
(c)容器内温度および圧力を一定温度かつ一定圧力で保持する保持工程と、
(d)容器の一端を解放し、容器内の分散液を、発泡圧力(すなわち、容器内圧力)よりも低圧の領域(空間)に放出する放出工程と、を含むことが好ましい。
本実施形態に係る発泡粒子の製造方法は、例えば、国際公開第2019/146555号公報、国際公開第2021/002092号公報等に記載の方法が挙げられる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例によりその技術的範囲を限定されるものではない。
〔材料〕
実施例および比較例で使用した物質を以下に示す。
(生分解性樹脂)
生分解性樹脂-1:P3HB3HH(カネカ社製カネカ生分解性ポリマーPHBH X131N、モノマー比率は3HB/3HH=95/5(モル%/モル%))
生分解性樹脂-2:ポリブチレンサクシネートアジペート(三菱ケミカル社製BioPBS FD92)
生分解性樹脂-3:ポリカプロラクトン(Perstorp社製Capa 6800)
(気泡調整剤)
タルク(林化成社製タルカンパウダーPK-S)
(分散剤)
第三リン酸カルシウム(太平化学産業社製)
(分散助剤)
アルキルスルホン酸ソーダ(花王社製ラテムルPS)
(架橋剤)
t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキシルカーボネート(含有量 97%)(日油株式会社製パーブチルE)
〔測定方法〕
実施例および比較例において実施した評価方法に関して、以下に説明する。
(解きほぐされた生分解性樹脂粒子1個当たりの重量の測定)
樹脂粒子の1個当たりの重量は、電子天秤(島津製作所社製AUW120D)を用いて、測定した。具体的な操作手順は以下(1)~(3)の通りであった:(1)樹脂粒子を無作為に100個取った;(2)樹脂粒子100個の重量を測定した;(3)前記(2)で得られた重量を100で割った値を樹脂粒子の1個当たりの重量とした。
(解きほぐされた生分解性樹脂粒子1個の長さおよび直径の測定)
樹脂粒子の長さおよび直径は、デジタルノギス(ミツトヨ社製)を用いて、測定した。なお、樹脂粒子長さ/直径(長さと直径との比率)については、上記定義した樹脂粒子のx方向を樹脂粒子の長さ、また、線分yと線分zの長さを平均化した値を樹脂粒子の直径とした。
(樹脂粒子の融点の測定)
樹脂粒子の融点は、示差走査熱量計(日立ハイテクサイエンス社製DSC7020)を用いて、測定した。具体的な操作手順は以下(1)~(3)の通りであった:(1)樹脂粒子を約5mg量り取った;(2)樹脂粒子の温度を10℃/分の昇温速度で10℃から190℃まで昇温して、樹脂粒子を融解した;(3)前記(2)の過程で得られるDSC曲線の、最も高温の融解ピークの温度を樹脂粒子の融点とした。
(樹脂粒子のMFRの測定)
樹脂粒子のMFRの測定方法は、メルトフローインデックステスター(安田精機製作所社製)を用いて、JIS K7210に準じて、荷重2.16kgまたは5kg、測定温度は160~190℃の間で測定することにより、求めた。
(解砕工程での排出性)
解砕工程にて樹脂粒子を解きほぐした後に、解砕機のカバー(図1に示すカバー50に相当)を取り外した。そして、多数の孔がある筒状スクリーンの内部および底板上を目視で確認し、以下の基準にて、解砕工程での排出性を評価した。
〇:筒状スクリーンの内部および底板上に樹脂粒子がほとんど残っていない。
×:筒状スクリーンの内部および底板上に樹脂粒子が大量に残っている。
(発泡粒子の見掛け密度の測定)
発泡粒子の見掛け密度の測定方法は、以下の(1)~(5)の通りであった:(1)発泡粒子の重量Wd(g)を測定した;(2)エタノールが入ったメスシリンダーを用意し、当該メスシリンダーに前記重量Wdの発泡粒子の全量を入れた;(3)金網等を使用して発泡粒子を沈め、これにより生じるエタノールの水位上昇分から発泡粒子の容積Vd(L)を読み取った;(4)以下の式により、発泡粒子の見掛け密度を算出した;
見掛け密度(g/L)=Wd/Vd。
(発泡粒子の長さおよび直径の測定)
発泡粒子の長さおよび直径は、デジタルノギス(ミツトヨ社製)を用いて、測定した。にて定義した樹脂粒子のx方向を発泡粒子の長さ、また、線分yと線分zの長さを平均化した値を発泡粒子の直径とした。
(発泡粒子の独立気泡率の測定)
発泡粒子に対して、ASTM D2856-87の手順C(PROSEDURE C)に記載の方法に準拠して、空気比較式比重計[東京サイエンス(株)製、モデル1000]を用いて、体積Vc(cm)を測定した。次いで、Vcを測定後の該発泡粒子の全量を、エタノールの入ったメスシリンダー中に沈め、メスシリンダーの水位上昇分(水没法)から、該発泡粒子の見掛け上の体積Va(cm)を求めた。該発泡粒子の独立気泡率は、100-(Va-Vc)×100/Va(%)より求めた。
(発泡粒子の内圧の測定)
発泡粒子の内圧の測定方法は、以下の(1)~(5)の通りであった:(1)加圧工程後の発泡粒子の重量W1(g)を測定した;(2)当該発泡粒子を150℃、30分間加熱し、当該発泡粒子内の無機ガスを散逸させた;(3)無機ガスを散逸させた発泡粒子について、再度、当該発泡粒子の重量W2(g)を測定した;(4)無機ガスを散逸させる前後の発泡粒子の重量差(W1-W2)から無機ガスの重量(ΔW)を算出した;(5)理想気体の状態方程式(具体的には以下の式)より発泡粒子の内圧P(MPa(絶対圧))を算出した:
発泡粒子の内圧P(MPa(絶対圧))=(1+ΔW/M×0.082×(273
+T)×(ρ×1000/W2))/9.87
上記の式において、Mは無機ガスの平均モル分子量であり、Tは加圧工程後の発泡粒子の重量を測定した際の温度(室温)であり、ρは、加圧工程後の発泡粒子(重量W1の発泡粒子)の見かけ密度(g/cc)である。
(発泡成形体の密度の測定)
発泡成形体の密度の測定方法は以下の(1)~(3)の通りであった;(1)デジタルノギス(ミツトヨ社製)を用いて、得られた発泡成形体の縦方向(mm)、横方向(mm)、および厚さ方向の長さ(mm)を測定し、発泡成形体の体積V(L)を算出した;(2)当該発泡成形体の重量W(g)を測定した;(3)下記の式に基づき、発泡成形体の密度を算出した;
発泡成形体の密度(g/L)=W/V。
<実施例1>
(樹脂粒子の製造方法)
(造粒工程)
生分解性樹脂組成物の溶融混練には、二軸押出機(東芝機械社製TEM-26SX)を用いた。まず、100重量部の生分解性樹脂-1と、タルク0.10重量部とを計量し、ドライブレンドして、生分解性樹脂組成物を調製した。調製した生分解性樹脂組成物を二軸押出機に供給し、当該生分解性樹脂組成物を、吐出量60kg/hr、シリンダー設定温度130℃~160℃にて溶融混練した。押出機の先端に取り付けたダイスのΦ3mmノズル40穴から185℃の溶融混練された生分解性樹脂組成物を吐出した。吐出された生分解性樹脂組成物を、43℃の水で水冷後、長さ2.40mmになるように切断して、互着した樹脂粒子を得た。
(解砕工程および整粒工程)
解砕機(ダルトン社製パワーミルP-3S)を使用して、互着した樹脂粒子を解砕した。この解砕機は、8枚のナイフを備えている。筒状スクリーンの目開きをΦ2.5mmとし、ナイフの回転数を4000rpmにして、互着した樹脂粒子を解きほぐした。このとき、筒状スクリーンの内部および底板上に樹脂粒子が残っておらず、排出性は良好であった。
次に、円型振動篩い機(興和工業所社製KFCR-500-2DC)を用いて、解きほぐされた樹脂粒子の篩い分けを行った。当該円型振動篩い機は、上段金網および下段金網が装着されており、上段金網の目開きが1.40mmであり、下段金網の目開きが0.85mmである。篩い分けを行った樹脂粒子のうち、上段金網を通過し、かつ下段金網を通過しない樹脂粒子を良品とし、上段金網を通過しない樹脂粒子を互着品とし、下段金網を通過する樹脂粒子を微細品とした。得られた樹脂粒子の良品収率は96.3%であった。また、良品の樹脂粒子は、融点は145℃であり、160℃-5kgにて測定したMFRが2.3g/10minであり、1個当たりの重量は2.0mg、長さは2.40mm、直径は0.95mmであった。
(発泡粒子の製造)
前記(樹脂粒子の製造方法)で得られた良品の樹脂粒子100重量部、純水200重量部、分散剤1.0重量部、分散助剤0.1重量部、および架橋剤2重量部を、攪拌下で耐圧容器内に仕込んだ。その後、二酸化炭素で通気を十分に行い耐圧容器内の酸素を除去した。
次に、耐圧容器内に発泡剤として二酸化炭素を供給した。その後、耐圧容器内の温度を129.5℃の発泡温度まで昇温した。さらに、耐圧容器に二酸化炭素を供給して耐圧容器内の圧力を3.3MPa(ゲージ圧)の発泡圧力まで昇圧した。次いで、耐圧容器内の温度および圧力を、それぞれ、発泡温度および発泡圧力付近で60分間保持した。その後、耐圧容器下部のバルブを開き、直径3.6mmの開口オリフィスを通して、前記耐圧容器の内容物を大気圧下に放出し、P3HA系発泡粒子を得た。当該発泡粒子の表面に付着した分散剤等を水で洗浄した後、発泡粒子を75℃で乾燥した。上述のようにして得られた発泡粒子の見掛け密度は70g/Lであり、長さ/直径は1.0であり、独立気泡率は98%であった。
(発泡成形体の製造)
前記(発泡粒子の製造)にて得られた発泡粒子を80℃に加温した耐圧容器に供給した。耐圧容器内の温度を80℃に維持した状態で、耐圧容器内の発泡粒子を、空気を用いて加圧処理し、当該発泡粒子内圧を0.17MPa(絶対圧)とした。耐圧容器内部の発泡粒子(内圧を付与された発泡粒子)を取り出した。
内圧を付与された発泡粒子を金型内に充填した。金型としては、成形機(DAISEN社製EP-900L-M5)に搭載された、縦370mm×横320mm×厚さ60mmの成形空間を有する金型を使用した。
次いで、0.15MPa(ゲージ圧)の過熱水蒸気で金型内の発泡粒子を加熱して、発泡成形体を得た。得られた発泡成形体を金型から取り出し、75℃で乾燥した。発泡成形体の密度は47g/Lであり、良好であった。
<実施例2~4>
表1に示すように解砕条件を変更したこと以外は実施例1と同様の方法により、樹脂粒子を製造し、当該樹脂粒子の篩い分けを行った。各物性の測定結果および各評価結果を表1に示す。
<実施例5>
実施例1の篩い分けにて上段金網を通過しない互着品について、もう一度、実施例1と同じ方法で解砕工程および篩い分けを行った。得られた樹脂粒子の良品収率は99.4%であった。また、良品の樹脂粒子は、融点は145℃であり、160℃-5kgにて測定したMFRが2.3g/10minであり、1個当たりの重量は2.0mg、長さは2.40mm、直径は0.95mmであった。
<実施例6>
(造粒工程)
溶融混練した生分解性樹脂組成物の長さ1.45mmになるように切断条件を変更したこと以外、実施例1と同様の方法で互着した樹脂粒子を得た。
(解砕工程および整粒工程)
筒状スクリーンの目開きをΦ1.5mmとし、ナイフの回転数を4000rpmにしたこと以外、実施例1と同様の方法で互着した樹脂粒子を解きほぐした。このとき、筒状スクリーンの内部および底板上に樹脂粒子が残っておらず、排出性は良好であった。
次に、篩い機の下段金網の目開きを1.0mmにしたこと以外、実施例1と同様の方法で解きほぐされた樹脂粒子の篩い分けを行った。得られた樹脂粒子の良品収率は95.7%であった。また、良品の樹脂粒子は、融点は145℃であり、160℃-5kgにて測定したMFRが2.3g/10minであり、1個当たりの重量は1.5mg、長さは1.45mm、直径は1.05mmであった。
<実施例7>
(造粒工程)
生分解性樹脂として、生分解性樹脂-1の代わりに生分解性樹脂-2を使用し、吐出された生分解性樹脂組成物を、20℃の水で水冷に変更したこと以外、実施例1と同様の方法で互着した樹脂粒子を得た。
(解砕工程および整粒工程)
実施例1と同様の方法で互着した樹脂粒子を解きほぐした。このとき、筒状スクリーンの内部および底板上に樹脂粒子が残っておらず、排出性は良好であった。
次に、実施例1と同様の方法で解きほぐされた樹脂粒子の篩い分けを行った。得られた樹脂粒子の良品収率は98.3%であった。また、良品の樹脂粒子は、融点は85℃であり、190℃-2.16kgにて測定したMFRが4.2g/10minであり、1個当たりの重量は2.1mg、長さは2.40mm、直径は0.95mmであった。
<実施例8>
(造粒工程)
生分解性樹脂として、生分解性樹脂-2の代わりに生分解性樹脂-3を使用したこと以外、実施例7と同様の方法で互着した樹脂粒子を得た。
(解砕工程および整粒工程)
実施例1と同様の方法で互着した樹脂粒子を解きほぐした。このとき、筒状スクリーンの内部および底板上に樹脂粒子が残っておらず、排出性は良好であった。
次に、実施例1と同様の方法で解きほぐされた樹脂粒子の篩い分けを行った。得られた樹脂粒子の良品収率は94.3%であった。また、良品の樹脂粒子は、融点は60℃であり、160℃-2.16kgにて測定したMFRが3.1g/10minであり、1個当たりの重量は1.9mg、長さは2.40mm、直径は0.95mmであった。
<実施例9>
造粒工程並びに解砕工程および整粒工程の後に、篩い分けを行っていない樹脂粒子を用いた以外は実施例1と同様の方法で発泡粒子および発泡成形体を作製した。得られた発泡粒子の見掛け密度は71g/Lであり、長さ/直径は1.0であり、独立気泡率は98%であった。また得られた発泡成形体の密度は47g/Lであり、良好であった。
<比較例1>
(樹脂粒子の製造方法)
実施例1において、造粒工程を実施して互着した樹脂粒子を製造し、解砕工程を実施しなかった。
実施例1と同様の方法で互着した樹脂粒子の篩い分けを行った。その結果、得られた樹脂粒子の良品収率は3.8%であった。
(発泡粒子の製造)
前記(樹脂粒子の製造方法)にて得られた互着した樹脂粒子100重量部を使用した以外、実施例1と同様の方法で発泡粒子の製造を試みた。しかし、互着した樹脂粒子が開口オリフィスで詰まってしまい発泡粒子を得ることができなかった。
<比較例2~4>
表1に示すように解砕条件を変更したこと以外は実施例1と同様の方法により、樹脂粒子を製造し、当該樹脂粒子の篩い分けを行った。各物性の測定結果および各評価結果を表1に示す。
<比較例5>
解砕工程で、パワーミルの代わりに筒状スクリーンが無いリボンミキサー(佐竹化学機械工業社製)を用い、リボン羽根の回転数を55rpmとして5分間処理したこと以外は実施1と同様にして、樹脂粒子を作製し、篩い分けを実施した。比較例5では、整粒工程を実施していない。結果を表2にまとめた。
Figure 2022151171000002
表1に示すように、解砕工程を行った実施例1~9では、排出性が良好であり、樹脂粒子の生産性が高かった。さらに、互着していない良品の生分解性樹脂粒子の収率が高かった。
一方、解砕工程を行っていない比較例1では、生分解性樹脂粒子の良品収率が非常に低かった。また、比較例1では、発泡粒子を製造することができなかった。
比較例2では、筒状スクリーンの目開きがΦ2.0mmである一方、解きほぐされた樹脂粒子1個の長さは2.4mmである。すなわち、比較例2では、筒状スクリーンの目開きが解きほぐされた樹脂粒子1個の長さ未満となっている。このように筒状スクリーンの目開きが解きほぐされた樹脂粒子1個の長さ未満であるため、解砕工程での排出性が悪かった。それゆえ、安定に、かつ連続的に、解きほぐされた樹脂粒子を得ることができなかった。
比較例3では、筒状スクリーンの目開きがΦ8.0mmである一方、解きほぐされた樹脂粒子の長さは2.4mmである。すなわち、比較例3では、筒状スクリーンの目開きが解きほぐされた樹脂粒子1個の長さ×3より長くなっている。このように筒状スクリーンの目開きが解きほぐされた樹脂粒子1個の長さ×3より長いため、良品の収率が低かった。
比較例4では、ナイフの回転数が100rpmであり、500rpm未満である。このため、解砕工程での排出性が悪かった。それゆえ、安定に、かつ連続的に、解きほぐされた樹脂粒子を得ることができなかった。
比較例5では回転数が低く、互着した樹脂粒子への衝撃が弱過ぎるため、解きほぐすことが困難であり、良品の収率が低かった。
実施例1~9および比較例1~5の結果から、特定条件の解砕工程を実施することにより、生分解性樹脂粒子の生産性を高くし、かつ、互着していない生分解性樹脂粒子を製造できることが確認された。
本発明は、食品容器、包装材料、衛生用品、ゴミ袋、包装用緩衝材、農産箱、魚箱、自動車部材、建築材料、土木材料等の製造に好適に使用し得る。
1 樹脂粒子
2 樹脂粒子(解きほぐされた生分解性樹脂粒子)
10 ナイフ
20 筒状スクリーン
100 解砕機

Claims (8)

  1. 溶融混練した生分解性樹脂組成物を、ダイスを介して押し出し、所定の大きさに切断することにより、互着した生分解性樹脂粒子を得る造粒工程と、
    回転するナイフの衝撃により前記互着した生分解性樹脂粒子を解きほぐし、解きほぐされた生分解性樹脂粒子を得る解砕工程と、を含み、
    前記解砕工程は、前記解きほぐされた生分解性樹脂粒子を、前記ナイフの外側に設置した筒状スクリーンに通過させる整粒工程を含み、
    前記ナイフの回転数は、500~5000rpmであり、
    前記筒状スクリーンの目開きは、前記解きほぐされた生分解性樹脂粒子1個の長さ以上、前記解きほぐされた生分解性樹脂粒子1個の長さ×3以下である、生分解性樹脂粒子の製造方法。
  2. 前記造粒工程では、前記ダイスから吐出した前記生分解性樹脂組成物を冷却後に、前記生分解性樹脂組成物を所定の大きさに切断する、請求項1に記載の生分解性樹脂粒子の製造方法。
  3. 前記解きほぐされた生分解性樹脂粒子は、1個当たり、重量が0.3~10mgであり、かつ、長さ/直径が0.7~3である、請求項1または2に記載の生分解性樹脂粒子の製造方法。
  4. 前記生分解性樹脂は、ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)、ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペート、ポリブチレンアジペートテレフタレート、ポリブチレンサクシネートテレフタレート、ポリカプロラクトン、変性デンプン、変性セルロースからなる群から選択される1種以上である、請求項1~3の何れか1項に記載の生分解性樹脂粒子の製造方法。
  5. 前記生分解性樹脂は、ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)である、請求項1~3の何れか1項に記載の生分解性樹脂粒子の製造方法。
  6. 前記ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)は、ポリ(3-ヒドロキシブチレート)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシバレレート)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシバレレート-コ-3-ヒドロキシヘキサノエート)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシヘキサノエート)およびポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-4-ヒドロキシブチレート)からなる群より選択される1種以上である、請求項5に記載の生分解性樹脂粒子の製造方法。
  7. 請求項1~6のいずれか1項に記載の生分解性樹脂粒子の製造方法によって得られた、生分解性樹脂粒子。
  8. 請求項7に記載の生分解性樹脂粒子を発泡させてなる、生分解性樹脂発泡粒子。
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