JP2022150426A - 行動分析装置および方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、住民の社会参加行動を精度よく分析することで、要介護リスクなど健康状態を実態に即して分析することを課題とする。【解決手段】この課題を解決するために、携帯端末20-1、20-2、20-3から参加者の移動情報を取得して、データベース17に格納し、位置情報に基づいて参加者の社会参加行動の分類を示す社会参加カテゴリーを判別部13で判別し、この社会参加カテゴリーに応じた、参加者それぞれにおける社会とのかかわり状況を示す社会参加指標を指標算出部14で算出し、社会参加指標に基づいて、住民の社会参加行動をデータ分析部16で分析する行動分析装置10を設けた。【選択図】図2
Description
本発明は、参加者の行動を分析するための技術に関する。その中でも特に、参加者や地域等の単位社会における社会参加行動を分析するための技術に関する。なお、参加者とは、住民、顧客、利用者、関係者などの人に関する各種概念を含む。
現在、様々な分野でデータ分析がなされている。この中でも、購入動向、防犯や物流効率化などのための人の移動に関する行動の分析が注目されている。また、高齢化社会を迎えるに当たり、認知症や介護問題などの高齢者の健康問題が顕在化している。ここで、高齢者の社会参加行動(社会参加活動を含む)を活性化することにより,高齢者の認知症発症や要介護移行の抑制が可能であることが明らかになりつつある。つまり、健康指標として、従来の食事や運動に加えて、社会参加行動を可視化することが重要になる。
例えば、特許文献1には、日時、時間、場所に関連するユーザ(参加者)の社会参加行動に関する履歴情報に基づいて、健康状態に影響を及ぼす要因情報を取得し,ユーザにとって注意を要するリスクに関連する特典情報を提供する技術が開示されている。
ここで、特許文献1では、場所などのユーザの履歴情報に基づいて健康状態に影響を及ぼすリスクを提示するのみである。ここで、社会参加行動は、要介護への移行を抑制できるベネフィットである。また、場所だけでなく、就労、趣味の会、運動の会、ボランティアの会、買い物、勤務等の社会参加行動の種類(カテゴリー)に応じて、要介護支援の抑制度合いが異なる。また、さらに、社会参加行動でも、活動の種類に応じた訪問先での滞在時間、目的地への経路及び同時に訪問する施設の種別や数などの行動の多様性(複雑性)、訪問先での人との接触頻度など要介護支援の抑制度合いに関わる様々な影響が存在する。
また、高齢者を中心に参加者にとっては、複雑な要因を全て理解することは難しく、全体としての指標と社会参加行動としての改善点の両方を理解可能な情報提示方法が必要となる。上記従来技術では,このような課題を十分考慮できていない。
またさらに、行政や高齢者を顧客とする民間事業者などにとっては、高齢者の社会参加行動を促す施策(施設開設や啓蒙活動)を行う際、その施策の効果を社会参加行動の観点から定量的且つ視覚的にわかりやすく評価することが望まれる。その上、地域住民が社会参加の観点からどのように活動しているのか、現状を定量的且つ視覚的にわかりやすく評価することも必要である。あるいは,社会参加の活動には,居住地域の周囲環境(買い物先である商店,集いの場,図書館等へのアクセスのし易さ、利便性)の影響を受けやすく、住環境が異なる住民同士での比較が難しいという課題がある。
また、社会参加という視点から見た地域間での違いの把握を定量的な比較について考慮されておらず、社会参加行動のための課題把握や施策立案方法が十分にできないという課題がある。
その上、特許文献1では、参加者個人についての評価しかできず、地域、組織といった「環境」を単位としての社会参加行動については考慮されていなかった。例えば、その地域での施設などに基づく社会参加行動への参加のし易さについては分析されていなかった。
本発明の目的は、上記の課題を解決し、様々な観点により、疾病予防や介護予防などの健康状態につながる社会参加行動の評価を可能とすることである。
上記の課題を解決するための本発明は、参加者の社会参加行動を分析する行動分析装置において、複数の参加者それぞれにおける移動履歴を示す位置情報を受け付ける入力部と、前記位置情報に基づいて、前記参加者の社会参加行動の分類を示す社会参加カテゴリーを判別する判別部と、判別され前記社会参加カテゴリーに応じた指標であって、前記参加者それぞれにおける社会とのかかわり状況を示す社会参加指標を算出する指標算出部とを有する行動分析装置である。
また、本発明には、参加者の社会参加行動を分析する行動分析装置において、前記参加者の行動の履歴を示す行動履歴情報を記憶するデータベースと、前記行動履歴情報を用いて、単位社会に属する参加者に関連する施設の社会参加カテゴリーを用いて、前記単位社会ごとの社会参加の容易性を示す環境指標を算出するデータ分析部とを有する行動分析装置も含まれる。
さらに、上述の各行動分析装置を用いた行動分析方法やこの方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムやこれを格納した記憶媒体も含まれる。
本発明によれば、実態に即した木目細かな行動分析が可能となる。
以下、本発明の一実施例を、図面を用いて、説明する。まず、図1を用いて、本実施例の考え方を説明する。地域A、地域Bにおいて、住民等の各参加者が、各携帯端末20-1、20-2、20-3を携帯して社会参加行動を実行している。このため、各携帯端末20-1、20-2、20-3は、GPS機能など利用して、参加者の社会参加行動に伴う位置情報を取得することになる。なお、地域はいわゆる地区を含む概念であり、その単位には県など任意に設定可能である。また、地域は、本実施例における単位社会の一例である。そして、単位社会には、企業や健康保険組合などの組織、地域コミュニティが含まれる。
ここで、この社会参加行動には、自宅、工場(勤務先)、店舗、フィットネスクラブ(体育館)、オフィス(勤務先)などの施設への移動や施設での活動が含まれる。また、参加者は、地域内での行動に限らず、地域を跨る行動参加行動を行っている。
そして、分析サービスセンタ1に設置された行動分析装置10が、各携帯端末20-1、20-2、20-3から位置情報を収集し、これとデータベース17のデータを用いて、参加者の社会参加行動を分析する。また、参加者の位置情報については、フィットネスクラブのような施設から取得することも可能である。
この分析結果は、行動分析装置10から各運用管理端末18-1、18-2や各携帯端末20-1、20-2、20-3、ならびに、データ利用システムに出力される。ここで、各携帯端末20-1、20-2、20-3には、主に社会とのかかわり状況を示す社会参加指標が出力される。
また、データ利用システムには、分析指示に応じた分析結果が出力される。データ利用システムは、地域AやBの行政機関、保険会社、介護施設、フィットネスクラブ等の施設運営企業、ポイント運営会社で用いられるシステムが想定される。またさらに、分析結果には、地域など単位社会ごとの参加し易さを示す環境指標、各種集計情報やこれらを用いた施策計画やこれを支援するための情報が含まれる。
次に、図1に示す考え方を実現するための行動分析システムのシステム構成図を、図2に示す。本行動分析支援システムには、行動分析装置10、各施設2-1、2-2、2-3で稼働する各種装置が含まれる。また、本行動分析支援システムには、インターネットなどのネットワーク80を介して接続されるデータ利用システムも含まれる。データ利用システムには、フィットネスクラブシステム30、保険会社システム40、介護施設運営会社システム50、ポイント運営会社システム60や各地域の行政機関システム70-1、70-2など各種機関のコンピュータシステムが含まれる。
以下、行動分析システムを構成する各装置について説明する。行動分析装置10は、分析サービスセンタ1に設けられたサーバなどのコンピュータ装置で実現される。そして、行動分析装置10は、入力部11、出力部12、判別部13、指標算出部14、ポイント算出部15、データ分析部16およびデータベース17を有する。
入力部11および出力部12は、ネットワーク80や各運用管理端末18-1、18-2と接続するためにインターフェース機能を有する。
判別部13は、位置情報に基づき、参加者の社会参加カテゴリーを判別する。指標算出部14は、社会参加カテゴリーに基づき、参加者の社会参加指標を算出する。また、ポイント算出部15は、参加者へのインセンティブとなるポイントを算出する。さらに、データ分析部16は、社会参加指標などを用いて、各種データ分析を実行する。これらの詳細については後述するが、これらはコンピュータプログラム(ソフトウエア)もしくは専用ハードウエアやFPGA(Field-Programmable Gate Array)で実現できる。また、データベース17は、行動分析装置10で用いられる各種データを格納する。
また、分析サービスセンタ1には、行動分析装置10と接続する各運用管理端末18-1、18-2が設置される。各運用管理端末18-1、18-2は、行動分析装置10に対し情報処理に関する指示を出力したり、行動分析装置10の処理結果を表示したりする。
次に、各施設2-1、2-2、2-3で稼働する各種装置について説明する。まず、フィットネスクラブ2-1では、参加者が携帯する携帯端末20-1、参加者を検知する検知装置21やカウンタ端末22が稼働する。これら各装置は、参加者の位置情報を取得するものであり、ネットワーク80を経由して行動分析装置10に取得した位置情報出力する。ここで、携帯端末20-1は、スマートフォンやウエアラブルGPSセンサなどで実現し、GPS機能を用いて位置情報を取得することができる。検知装置21は、カメラなどで実現でき、画像認識技術で参加者を識別し、また、カウンタ端末22は、会員情報を用いて参加者を識別し、フィットネスクラブ2-1の位置情報を取得する。
なお、検知装置21やカウンタ端末22は、イントラネット90を介して、フィットネスクラブシステム30と接続される。また、携帯端末20-1は、参加者識別情報を保持しており、イントラネット90ないしインターネットのようなネットワーク80を介して、行動分析装置10と接続する。
次に、データ利用システムについて説明する。これらは、データを利用する各種機関で利用されるコンピュータシステムで実現される。まず、フィットネスクラブシステム30は、フィットネスクラブの本部で利用でき、イントラネット90を介して、フィットネスクラブ2-1に設置された検知装置21やカウンタ端末22と接続可能である。そして、フィットネスクラブシステム30は、行動分析装置10の分析結果を用いて、各種施策の策定を支援する。施策には、フィットネスクラブ会員のメニュー作成、ポイント運営会社が付与するポイントの利用、出店計画などが含まれる。
また、保険会社システム40は、生命保険などを販売する保険会社で利用される。そして、保険会社システム40は、行動分析装置10の分析結果を用いて、各種施策の策定および運営を支援する。施策には、保険商品の開発が含まれる。また、介護施設運営会社システム50は、介護施設を運営する介護施設運営会社で利用される。そして、介護施設運営会社システム50は、行動分析装置10の分析結果を用いて、各種施策の策定および運営を支援する。施策には、施設の建設、進出計画の策定や運営方針の策定開発が含まれる。また、ポイント運営会社システム60は、複数サービスにおいて取得、利用可能なポイントシステムを運営、管理するポイント運営会社で利用される。そして、ポイント運営会社システム60は、行動分析装置10の情報処理結果を用いて、参加者へのポイント付与などを実行する。
またさらに、行政機関システム70-1、70-2は、市役所、都道府県庁などで利用される。そして、行政機関システム70-1、70-2は、行動分析装置10の分析結果を用いて、各種施策の策定および運営を支援する。行政機関システム70-1、70-2における施策には、介護、公的保険などついての各種政策が含まれる。介護についての政策には、例えば、地域(市町村単位,あるいは小学校中学校などの校区単位)での高齢者居住人口と介護サービス供給量との関係把握などのサービスの需給バランスを把握し、高い需要が見込まれる地域への介護サービス事業者参入支援などの施策を実施する。公的保険についての政策には、例えば、将来の地域の人口と保険料支払,保健事業や介護予防事業を加味した保険料率の決定や保健事業や介護予防事業の普及策の策定などが含まれる。
ここで、行政機関システム70-1、70-2を用いて、データ利用システムの構成について、簡単に説明する。行政機関システム70-1、70-2は、それぞれ行政機関サーバ71-1、71-2で主たる処理を実行する。そして、行政機関サーバ71-1、71-2は、行政機関端末72-1、72-2と接続し、処理についての指示を受け付けたり、処理結果を出力したりする。なお、行政機関端末72-1、72-2は、それぞれ複数台設けてもよい。なお、データを利用する各種機関には、病院や健康保険組合など健康関連機関を含めてもよい。
以上で、行動分析支援システム全体の説明を終了し、本実施例の主たる処理を実行する行動分析装置10の詳細について説明する。図3は、行動分析装置10の構成図である。本実施例では、行動分析装置10をプログラムに従って処理を実行するサーバで実現する。このため、行動分析装置10は、処理装置101、I/F装置102、主記憶装置103、記憶装置104を有し、これらが互いに通信路を介して接続されている。
ここで、処理装置101は、CPUなどのプロセッサで実現でき、後述する各種プログラムに従って演算を実行する。I/F装置102は、ネットワーク80や運用管理端末18-1、18-2と接続するインターフェース機能を有し、図2の入力部11および出力部12に該当する。
主記憶装置103は、いわゆるメモリで実現可能であり、処理装置101での演算のためにプログラムが展開される。記憶装置104は、ハードディスクドライブ等のストレージで実現でき、プログラムや各種情報を記憶する。ここで、プログラムには、判別プログラム130、指標算出プログラム140、ポイント算出プログラム150およびデータ分析プログラム160が含まれる。
なお、これら各プログラムは、図2の各部と以下の対応関係を有する。
判別プログラム130:判別部13
指標算出プログラム140:指標算出部14
ポイント算出プログラム150:ポイント算出部15
データ分析プログラム160:データ分析部16
また、各プログラムは、ネットワーク80を介して配信されたり、記憶媒体に記憶されたりして、行動分析装置10にインストールされる。また、各プログラムはそれぞれが独立したプログラムでなく、それぞれで1つのプログラムを構成モジュールで実現できる。
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また、各プログラムは、ネットワーク80を介して配信されたり、記憶媒体に記憶されたりして、行動分析装置10にインストールされる。また、各プログラムはそれぞれが独立したプログラムでなく、それぞれで1つのプログラムを構成モジュールで実現できる。
また、記憶装置104は、情報として、参加者情報171、位置情報172、POIテーブル173、施設カテゴリーテーブル174、行動履歴情報175、社会参加分類テーブル176、社会参加重みテーブル177および社会参加分析データ178が含まれ、これらは図2に示すデータベース17として扱うことができる。なお、これら各種情報については、以下で説明する処理フローと共に説明する。
次に、本実施例の処理フローについて、説明する。なお、処理フローの説明では、図2に示す各部を主体として説明する。図4は、本実施例における処理の全体を示すシーケンス図である。本処理は、住民等の参加者の社会参加行動を特定するものであるが、行動分析装置10はこの参加者に関する参加者情報171を記憶している。参加者情報171の一例を図5に示す。参加者情報171は、UID、登録日、性別、生年月日、自宅経度、自宅緯度、自宅高度、自宅施設名、勤務先経度、勤務先緯度、勤務先高度、勤務先高度および勤務先施設名を含む。UIDは、参加者を識別する情報であり、他に氏名を含んでもよい。登録日は、該当の参加者情報を登録した日時を示す。但し、本情報は年月日まででもよい。性別は、男性を1、女性を2としている。
生年月日は、該当の参加者の生年月日である。自宅緯度、勤務先緯度、自宅高度は、該当の参加者の自宅の位置情報であり、住所で代用してもよい。自宅施設名は、自宅のアパート名、ビル名を用いることができる。
勤務先経度、勤務先緯度、勤務先高度は、該当の参加者の勤務先の位置情報であり、住所で代用してもよい。勤務先施設名は、勤務先ビル名、工場名、企業名を用いることができる。以上のように、参加者情報171は、参加者の属性、特に、位置に関する情報を示す。以下、各ステップについて、説明する。
まず、ステップS1において、各携帯端末20-1、20-2、20-3(以下、単に携帯端末20)が、参加者の移動に伴う位置情報を取得する。ここで、位置情報172の一例を図6に示す。図6に示すように、位置情報172は、参加者の移動履歴を示す情報である。図6は、行動分析装置10に蓄積される複数の位置情報172である。このため、図6中の各レコードが携帯端末20で検知される1つの位置情報172を表す。
ここで、位置情報172は、UID、No、測位時刻、緯度、経度、測位精度、高度、移動速度、移動方位、歩数を含む。Noは、各参加者、つまり、各UIDにおける位置情報を識別する情報である。測位時刻は、携帯端末20が当該位置情報を取得、例えば、測位した時刻を示す。測位時刻には、携帯端末20のOSが示す時刻やGPS時刻のような測位結果として得られた時刻などを用いることができる。緯度、経度は、携帯端末20で取得された位置情報を示す。測位精度は、水平方向の精度である。
高度、移動方位、移動速度、移動加速度はGPSでの測位結果として取得可能である。としての高度である。なお、移動方位は、例えば北をゼロ度として、記述可能である。歩数は、加速度センサやGPSでの測位結果を用いて取得でき、参加者の歩数を示す。
このような位置情報172の取得は、携帯端末20のGPS機能やジャイロなどの位置検知機能を用いることで実現できる。ここで、携帯端末20は、上述のようにスマートフォンなどで実現できる。また、本ステップは、参加者の目的地である施設に設けられた検知装置21やカウンタ端末22で実行してもよい。これらの位置情報は、それぞれ設置位置であり、施設に来訪した参加者を検知、識別することで参加者尾位置情報を特定できる。
次に、ステップS2において、携帯端末20は、行動分析装置10に、取得した位置情報を出力する。このために、携帯端末20は、ネットワーク80を介して、所定周期で位置情報を送信する。また、検知装置21やカウンタ端末22で位置情報172を取得した場合、取得した際に、フィットネスクラブシステム30やフィットネスクラブ2-1に設置された通信機器を用いて、イントラネット90をさらに介して位置情報を送信する。
次に、ステップS3において、行動分析装置10の入力部11が、携帯端末20から位置情報172を受け付ける。そして、ステップS4において、判別部13が、位置情報172に基づいて、参加者の行動における社会参加カテゴリーを判別する。この社会参加カテゴリーは、その名のとおり、参加者の社会参加行動の分類を示す情報である。ここで、社会参加カテゴリー判別処理の詳細を、図7に示すフローチャートを用いて説明する。
まず、ステップS41において、判別部13が、位置情報172およびPOIテーブル173から行動履歴情報175を作成する。この行動履歴情報175の概念を、図8を用いて説明する。図8は、任意の参加者が自宅P0を出発し、様々な場所(P1~P6)に立ち寄り、自宅P0に戻る様子を示す。まず、参加者は、自宅P0から場所P1へ、行動B(0)として、移動を行った。次に、参加者は、場所P1において、行動B(1)を実行した。行動B(1)後、参加者は次の目的地である場所P2に、行動B(2)を実行することで移動した。このように、目的値での移動と目的での行動の集合(例えば、繰り返し)で、参加者の行動履歴を示す行動履歴情報175が特定される。
この考え方に基づいて、判別部13は、行動履歴情報175を作成する。このため、判別部13は、行動履歴情報175の作成に当たり、まずは受け付けた位置情報172から目的地の位置情報を抽出する。このために、判別部13は、位置情報172のうち、緯度、経度が所定範囲内でかつ所定数(所定時間)位置情報を目的地の位置情報とする。なお、この際、判別部13は、所定数の位置情報に含まれる最初ないし最後の位置情報を代表として抽出することが望ましい。そして、判別部13は、抽出された位置情報とPOIテーブル173から行動履歴情報175を作成する。
ここで、まず、POIテーブル173の一例を図9Aに示す。POIテーブル173は、Point Of Interestを示すテーブルであり、場所(緯度経度等)と施設に関する情報が対応付けられている。例えば、POIテーブル173は、地図データベースで実現してもよい。POIテーブル173は、PID、登録時刻、緯度、経度、高度、施設規模、施設名称、住所、親施設PIDおよび施設カテゴリーを含む。ここで、PIDは、目的地を識別する情報である。登録時刻は、施設が登録されたタイミングを記録する。緯度、経度、高度は、該当の施設の位置を示す。施設名称、住所は、それぞれ施設の名称と存在する住所を示す。また、親施設PIDは、該当の施設が存在する施設のPIDである。例えば、図9Aの例では、PID=2の「XX薬局」やPID=3の「XX食堂」が、親施設であるPID=7の「XXショッピングセンタ」で運営される場合、これらの親PIDが「7」となる。なお、親施設がない施設においては、親施設PIDにnullを示す「-」が記録される。そして、施設カテゴリーには、該当の施設のカテゴリーを示す。
また。施設カテゴリーテーブル174は、施設名や施設PIDとその分類を示す施設カテゴリーが対応付けられているテーブルである。なお、POIテーブル173および施設カテゴリーテーブル174は、1つのテーブルで構成してもよい。
このため、判別部13は、抽出された位置情報の緯度、経度をキーにPOIテーブル173を検索し、施設規模、施設名称、住所、親施設PIDおよび施設カテゴリーを特定する。また、施設名や施設PIDから施設カテゴリーを特定できる。この結果、図9Bの行動履歴情報175が作成される。また、判別部13は、さらに、参加者情報171を用いて、施設名称の「自宅」や「勤務先」を特定できる。但し、施設名称の「自宅」や「勤務先」については、運用管理端末18-1、18-2での入力に従って特定してもよいし、行政機関システム70-1、70-2の住民票情報を用いてもよい。
ここで、行動履歴情報175を、図9Bに示す。行動履歴情報175は、判別部13が、受け付けた位置情報172およびPOIテーブル173から作成し、UID、BID、移動開始時刻、移動開始施設PID、移動終了時刻、移動終了施設PID、行動種別、移動距離、歩数、消費カロリーを含む。このうち、BIDは、当該行動履歴情報175の行動を識別する情報であり、判別部13により付与される。移動開始時刻および移動終了時刻は、該当の行動において目的地から出発した時刻と到着した時刻である。移動開始施設PIDおよび移動終了施設PIDは、該当の行動において、出発地となる施設と目的地の施設を識別する情報である。行動種別は、0が滞在、1は移動を示し、位置情報172の移動速度で判別できる。また、移動手段も同様に、移動速度から判別できる。例えば、移動速度ごとに移動手段を対応付けておくことで判別できる。ま
移動距離、歩数、消費カロリーは、該当の行動が移動における移動距離、歩数、消費カロリーを示す。これらは、参加者の体形を参加者情報171に記録しておき、この体形に基づいて、特定してもよい。以上で、ステップS41で作成される行動履歴情報175についての説明を終わり、ステップS42の説明に進む。
移動距離、歩数、消費カロリーは、該当の行動が移動における移動距離、歩数、消費カロリーを示す。これらは、参加者の体形を参加者情報171に記録しておき、この体形に基づいて、特定してもよい。以上で、ステップS41で作成される行動履歴情報175についての説明を終わり、ステップS42の説明に進む。
ステップS42において、判別部13は、行動履歴情報175を用いて行動判別を行う。つまり、各目的地を判別する。具体的には、行動履歴情報175のうち、行動種別=0、つまり、滞在のレコード中の移動終了施設PIDを、目的地として抽出する。そして、判別部13は、移動終了施設PIDとPOIテーブル173を照合して、施設カテゴリーを特定する。
次に、ステップS43において、判別部13は、特定された施設カテゴリーを、社会参加分類テーブル176で照合できるか判断する。この結果、照合できれば(可能)、ステップS45に遷移する。そして、ステップS45において、判別部13は、社会参加分類テーブル176を照合して、特定された施設カテゴリーに対応する社会参加カテゴリーを特定する。社会参加分類テーブル176を、図10に示す。社会参加分類テーブル176は、社会参加カテゴリーと施設カテゴリーの対応関係を示す。ここで、施設カテゴリーとしては、日本標準産業分類(平成25年10月改定)(平成26年4月1日施行)の分類項目名やこれを参考に設定できる。また、1つの施設で複数の社会参加カテゴリーを実施している場合、これを追加で入力してもよい。また、運用管理端末18-1、18-2もしくは携帯端末20の利用者画面にダイアログを表示して、これに対して社会参加カテゴリーの入力を受け付けてもよい。あるいは、携帯端末20などの利用者のカレンダー情報から、社会参加カテゴリー推定して自動入力する構成としてもよい。
また、ステップS43において、社会参加分類テーブル176で照合できない場合(不不可)、ステップS44に遷移する。
そして、ステップS44において、判別部13は、社会参加カテゴリー判別処理を実行する。この社会参加カテゴリー判別処理の詳細を、図11を用いて説明する。
まず、ステップS450において、判別部13は、対象とする行動履歴情報のBIDを初期化する、つまり、0とする。そして、ステップS451において、判別部13は、行動履歴情報の施設カテゴリーを特定する。これは、ステップS42で特定されたものを流用してもよい。
次に、ステップS452において、判別部13は、参加者のスケジュールデータを取得する。このスケジュールデータは、携帯端末20などから取得可能である。次に、ステップS453において、判別部13は、取得したスケジュールデータのスケジュールが体育系趣味であるかを判定する。このために、判別部13は、スケジュール情報を用いて、対象の行動履歴情報に該当するスケジュールを特定する。そして、当該スケジュールとして記載された内容を、言語処理などを用いて、体育系趣味かを判定する。
この結果、体育系趣味の場合は(Y)、ステップS457に遷移する。また、体育系趣味でない場合は(N)、ステップS454に遷移する。
次に、ステップS454において、判別部13は、行動履歴情報ないし位置情報172から、参加者の加速度情報を取得する。そして、ステップS455において、判別部13は、取得した加速度情報が所定値以上であるかで、身体活動量が高いかを判定する。つまり、所定値であれば身体活動量が高いと判定する。この結果、高い場合(Y)、ステップS457に遷移し、高くない場合(N)、ステップS456に遷移する。
次に、ステップS456において、判別部13は、該当の行動を文化系趣味(趣味(文化系)として特定する。また、ステップS457において、判別部13は、該当の行動を体育系趣味(趣味(体育系)として特定する。
次に、ステップS458において、判別部13は、他に処理すべきデータ、つまり、レコードがないかを判定する。この結果、存在しなければ(N)、処理を終了する。また、他に存在すれば(Y)、ステップS459に遷移する。そして、ステップS459において、判別部13は、BIDを更新、つまり、+1して次のレコードに処理を行うために、ステップS451に戻る。なお、この社会参加カテゴリーの判別処理の結果(ステップS456、S457)を、判別部13が社会参加分類テーブル176に設定する構成としてもよい。またさらに、判別部13は、時間帯に応じて、社会参加カテゴリーを特定してもよい。例えば、9時-17時もしくはこれの近辺を勤務時間帯として、その社会参加カテゴリーを就労と特定できる。また、判別部13は、スケジュールデータから直接社会参加カテゴリーを特定してもよい。以上で、図11の説明を終わり、図7の説明に戻る。
以上のステップS44およびS45の処理を受け、ステップS46において、判別部13は、社会参加カテゴリーを判別することになる。
これで、図7の説明、つまり、ステップS4の詳細の説明を終わり、図4に戻り、ステップS5以降の処理を説明する。
ステップS5において、指標算出部14が、判別された社会参加カテゴリーに基づいて、社会参加指標を算出する。この社会参加指標算出処理の詳細を、図12を用いて説明する。
ステップS51において、指標算出部14は、特定された社会参加カテゴリーおよびこれに対応する重みを特定する。このために、指標算出部14は、図13に示す社会参加重みテーブル177を用いる。つまり、特定された社会参加カテゴリーに対応する重みを、重みテーブル177から検索する。このことで、社会参加分類テーブル176と社会参加重みテーブル177から、社会参加カテゴリーとその重みが取得される。なお、社会参加重みテーブル177は、運用管理端末18-1、18-2での入力に基づいて設定してもよいし、履歴データに対するデータ分析結果を用いて設定してもよい。また、重みは、多様性変数に対する重みを示す情報である。
また、ステップS52~S55において、指標算出部14は、社会参加指標の変数となる多様性変数を算出する。多様性変数とは、参加した社会活動の多様性や複雑性の度合を示す指標である。このような多様性や複雑性の度合が大きいほど、参加者の行動が活発であることを示し、健康状態に関するリスクを低減できると推定できる。なお、多様性変数とは、社会活動のかかわり状況に応じた値であることがより望ましい。
ステップS52においては、まず、指標算出部14は、対象となる行動履歴情報における施設での滞在時間を算出する。このために、指標算出部14は、滞在時間として移動開始時間と移動終了時間の差分を算出する。そして、指標算出部14は、予め記憶されている滞在時間と多様性変数の1つである重みの関係情報から、滞在時間に関する多様性変数の1つである重みを特定する。ここで、関係情報の一例をグラフ形式で、図14に示す。図14に示すように、滞在時間が所定値(30前後)までは、滞在時間に応じて重みは増加し、それ以降は減少する傾向がある。
また、ステップS53において、指標算出部14は、施設への移動手段(例えば、交通手段)の多様性を算出する。この交通手段の多様性は、参加者が利用した交通手段の数や種類などの多様性の度合いを示す情報である。このために、指標算出部14は、行動履歴情報に含まれる移動手段の数を用いてもよい。そして、指標算出部14は、予め記憶されている移動手段の組合せ数と多様性変数の1つである重みの関係情報から、交通手段の組合せに関する多様性変数の1つである重みを特定する。ここで、関係情報の一例をグラフ形式で、図15に示す。図15に示すように、参加者が利用した交通手段の組合せ数が増加するほど、重みは増加するが、重みの値が大きくなるほど増加の度合は少なくなる傾向にある。
また、ステップS54において、指標算出部14は、一連の行動における目的地となる施設の数を算出する。つまり、図8における一連の行動である行動履歴での場所の数を計数する。この際、場所は訪問した延べ数で計数する。そして、指標算出部14は、予め記憶されている訪問施設数と多様性変数の1つである重みの関係情報から、参加者が訪問した訪問施設数に関する多様性変数の1つである重みを特定する。ここで、関係情報の一例をグラフ形式で、図16に示す。図16に示すように、参加者が訪問した施設数が増加するほど、重みは増加する。
また、ステップS55において、指標算出部14は、訪問した施設での滞在人員、つまり、人数を算出する。このために、携帯電話会社の位置情報の利用の人流解析サービスや、位置情報172ないし行動履歴情報175を用いることが可能である。さらに、携帯端末20間で接触アプリを利用して実現することも可能である。その他、地図情報サービスの渋滞情報や人手情報を用いることも可能である。そして、指標算出部14は、予め記憶されている滞在人員数と多様性変数の1つである重みの関係情報から、滞在人員に関する多様性変数の1つである重みを特定する。ここで、関係情報の一例をグラフ形式で、図17に示す。図17に示すように、参加者の訪問先の滞在人員数が増加するほど、重みは増加するが、重みの値が大きくなるほど増加の度合は少なくなる傾向にある。
なお、ステップS51~S55の処理順序は問わず、並行処理を実行してもよい。また、これらの多様性変数は、これらのうち少なくとも1つを算出すればよい。またさらに、これらに加え、同一の施設カテゴリーでも訪問した施設の数が多いほど、多様性変数の値を大きくしてもよい。
次に、ステップS56において、指標算出部14は、社会参加回数および社会参加指標を算出する。なお、本ステップでは、社会参加指標に限定して算出してもよい。この場合、社会参加回数を反映した社会参加指標とすることが望ましい。このために、指標算出部14は、行動履歴情報、算出結果である多様性変数、社会参加カテゴリーおよび重みをパラメータとして、社会参加回数および社会参加指標を算出する。この結果、行動履歴や社会参加カテゴリーごとに、社会参加指数や回数が特定できる。
そして、ステップS57において、指標算出部14は、ステップS56の結果を、社会参加分析データ178の1つとして記憶装置104に記憶する。さらに、指標算出部14は、運用管理端末18-1、18-2の操作に応じて、当該に運用管理端末18-1、18-2その結果を出力する。以上で、図11の説明をおわり、図4の説明に戻る。
次に、ステップS6において、ポイント算出部15が、ステップS5で算出された社会参加指数および社会参加回数の少なくとも一方を用いて、参加者のインセンティブとなるポイントを、参加者(PID)ごとに算出する。なお、ステップS6のポイント算出処理は、ポイント運営会社システム60で行ってもよい。このために、ポイント算出部15は、出力部12を介して、参加者(PID)ごとの社会参加指数や社会参加回数を送信する。また、参加者のプライバシー保護のために、社会参加指数や社会参加回数を変換した別指標を送信してもよいし、送信の際、暗号化もしくは匿名化して送信してもよい。
そして、ポイント算出部15は、社会参加指標、社会参加回数やポイントを、参加者情報171に蓄積する。
次に、ステップS8において、携帯端末20は参加者の操作に応じて、社会参加指標、社会参加回数やポイントを、行動分析装置10から読み出し表示する。但し、この表示は、行動分析装置10から、ステップS7の蓄積をトリガーにpush配信してもよい。さらに、携帯端末20以外の参加者が用いるPC等の端末装置が、ステップS8を実行してもよい。またさらに、社会参加指標および社会参加回数については、運用管理端末18-1、18-2や行政機関端末72-1、72-2でも表示可能とすることが望ましい。この場合、プライバシー保護の観点から、氏名などの個人を特定する情報を除いて表示することが望ましい。なお、携帯端末20で表示される社会参加指標やポイントは、該当する参加者のものに限定される。
ここで、ステップS8での表示内容を、図18および図19に示す。図18は、社会参加指標もしくは社会参加回数の表示例(その1)である。図18に示すように、表示内容は、各社会参加カテゴリーの値を示すグラフ形式で示している。そして、その環境の一例である地域の平均を併記している。また、各社会参加カテゴリーの数値は、1週間や11ヶ月といった一定期間の値や平均値を示す。また、総合評価は、各社会参加カテゴリーの値に、重み付け補正を行った平均値であることが望ましい。
さらに、直前の一定期間の変化を表示してもよいし、本サービスに参加開始時点からの累積値を表示してもよいし、その地域の同性/同年代など同じ属性の参加者と比較できるようにしてもよい。またさらに、これらの組み合わせの表示を行ってもよい。またさらに、社会参加指標もしくは社会参加回数の両方を併記してもよい。
次に、図19は、社会参加指標もしくは社会参加回数の表示例(その2)である。図18との相違は、社会参加カテゴリーのうち、「就労」が除かれていることである。これは、就労の有無は、社会参加指数や社会参加回数への影響が大きく、かつ新たに仕事に就くことは他の社会参加カテゴリーを比較して容易でないため、このカテゴリーの表示を選択可能としている。ここで、選択可能とは、携帯端末20や運用管理端末18-1、18-2の操作者の操作による切替や行動分析装置10の機能として選択可能としてよい。特に後者の場合、参加者情報171に勤務先の情報(勤務先施設名等)がある場合には、図18の内容が表示され、ない場合には図19の内容が表示されることが望ましい。
そして、ステップS9において、携帯端末20はポイントアプリを用いて、ポイント利用可能となる。
また、ステップS10において、データ分析部16は、分析条件を満たすかを判定する。つまり、分析時期となったかもしくは運用管理端末18-1、18-2ないし行政機関端末72-1、72-2からデータ分析指示を受け付けたかを判定する。この結果、条件を満たさない場合は(N)、ステップS3に戻る。条件を満たす場合は(Y)、ステップS11に遷移する。
次に、ステップS11において、データ分析部16が、各種情報を用いて、健康状態に関するデータ分析を実行する。そして、ステップS12において、データ分析部16が出力部12を介して、運用管理端末18-1、18-2ないし行政機関端末72-1、72-2(以下、単に行政機関端末72とする)にその結果を出力する。なお、本実施例では、行政機関端末72としたが、他のデータ利用システムにこの結果を出力してもよい。
次に、ステップS13において、行政機関端末72が、分析結果を表示する。そして、ステップS14において、分析結果や操作者の入力に応じて、行政機関システム70やその他データ利用システムで、各種施策の立案の支援を行う。
以上のように、本実施例では、図10に示す社会参加カテゴリーに応じて図12に示す手順に従って図13に示す重み付けを行った社会参加指標を算出して表示できるようにした。さらに、図14から図16に示すように、滞在時間、交通手段の多様性、複数施設への外出、訪問先施設での滞在人員などに応じて、様々な重み付けを行えるようにした。これにより、社会参加が介護予防に与える影響は、社会参加の場所だけでなく、就労、趣味の会、運動の会、ボランティアの会、買い物、勤務等の社会参加行動の種類(カテゴリー)に応じて、要介護支援の抑制度合いが異なること、社会参加行動でも、活動の種類に応じた訪問先での滞在時間、目的地への経路及び同時に訪問する施設の種別や数などの行動の多様性(複雑性)、訪問先での人との接触頻度など要介護支援の抑制度合いに関わる様々な影響が存在するという課題を解決できるという著しい効果が得られるようになる。
また、図18及び図19に示すように、総合評価としての社会参加指標と、社会参加カテゴリー別の社会参加回数を同時に比較表示できるようにした。従って,高齢者を中心に参加者にとっては、複雑な要因を全て理解することは難しく、全体としての指標と社会参加行動としての改善点の両方を理解可能な情報提示方法が必要となるという課題を解決できる素晴らしい効果が得られる。
また、以上の処理により、本実施例では、機関などで、以下に示すような様々なデータ分析を行うこと、参加者の社会参加行動を把握することが可能になる。
ここで、ステップS11~S13について、5つの分析方法を例に改めて説明する。
《データ分析(1)》
データ分析(1)として、各施設の利用状況を把握するためのデータ分析について説明する。図20は、データ分析(1)の処理を示すフローチャートである。このフローチャートは、施設ごと、つまり、PIDごとに実行される。ステップS101において、データ分析部16は、対象となる施設のPID、期間および参加者を設定する。これは、行政機関端末72からの指定を受け付けもよいし、所定ルールを適用して設定してもよい。なお、ここでは、対象の参加者としては、任意の地域の住民など複数の参加者を想定できる。
《データ分析(1)》
データ分析(1)として、各施設の利用状況を把握するためのデータ分析について説明する。図20は、データ分析(1)の処理を示すフローチャートである。このフローチャートは、施設ごと、つまり、PIDごとに実行される。ステップS101において、データ分析部16は、対象となる施設のPID、期間および参加者を設定する。これは、行政機関端末72からの指定を受け付けもよいし、所定ルールを適用して設定してもよい。なお、ここでは、対象の参加者としては、任意の地域の住民など複数の参加者を想定できる。
次に、ステップS102において、データ分析部16は、以下で処理するUID、BID、NvおよびNuに対し、初期設定、例えば、0を設定する。ここで、NvおよびNuについて説明する。Nvは、施設を利用した延べ利用人数を示す延べ訪問回数を示す。このため、各参加者の総訪問回数を積み上げたものが延べ訪問回数となる。そして、Nvを、社会参加回数として用いることができ、これに基づき社会参加指標を算出できる。また、Nuは、施設の実利用人数である。つまり、同じ人を重複カウントしない人数を示す。
次に、ステップS103~S111において、データ分析部16は、対象となるPIDおよびUIDに合致する行動履歴情報175(レコード)の数を計数する。この結果を施設の総利用回数、実利用人員数とする。これは、社会参加分析データ178の1つに含まれる。以下、その処理の各ステップを説明する。
まず、ステップS103において、データ分析部16は、データベース17から行動履歴情報175から所定レコードを読み出す。次に、ステップS104において、データ分析部16は、読み出した行動履歴情報175が、ステップS101で設定した条件に合致するかを判定する。具体的には、読み出された行動履歴情報の移動開始時刻および移動終了時刻に含まれるかが判定される。この際、いずれか一方が調査期間に含まれるかで判定してもよい。また、PIDおよびUIDのいずれも一致するかが判定される。これらが合致する場合(Y)、ステップS105に遷移する。合致しない場合(N)、ステップS106に遷移する。
次に、ステップS105において、データ分析部16は、ステップS102で設定された、つまり、現在の対象であるNvに+1する。そして、ステップS106において、データ分析部16は、ステップS102で設定された、つまり、現在の対象であるUIDが本フローでの初めての値であるかを判定する。この結果、初めてのUIDの場合(Y)、ステップS107に遷移する。初めてのUIDでない場合(N)、ステップS108に遷移する。
次に、ステップS107において、データ分析部16は、ステップS102で設定された、つまり、現在の対象であるNuに+1する。そして、ステップS108において、データ分析部16は、読み出していない行動履歴情報175(レコード)がないかを判定する。この結果、ある場合(Y)、ステップS109に遷移する。ない場合(N)、ステップS110に遷移する。
次に、ステップS109において、データ分析部16は、ステップS102で設定された、つまり、現在の対象であるBIDを更新する。このために、データ分析部16は、読み出した行動履歴情報のうち、例えば次の行動を識別するBIDを特定する。そして、ステップS103に戻る。
また、ステップS110において、データ分析部16は、他に対象とするUIDがあるかを判定する。この結果、他にUIDがある場合(Y)、ステップS111に遷移する。また、他にUIDがない場合(N)、ステップS112に遷移する。
次に、ステップS111において、データ分析部16が、対象とするUIDを更新して、ステップS103に遷移する。
また、ステップS112において、データ分析部16は、出力部12を介して、分析結果であるNvおよびNuを、行政機関端末72に表示させる。この表示の内容を、図21に示す。図21(a)は、施設ごとに円グラフで分析結果を表示している。ここで、円グラフの大きさが、該当施設の社会参加指標および社会参加回数を示す。また、円グラフの濃度が、該当施設の社会参加者数を示す。ここで、データ分析部16は、社会参加指標について、ステップS52やS55での算出結果を反映させることが望ましい。つまり、当該施設での滞在時間、当該施設の滞在人員に基づき調整をしてもよい。さらに、社会参加指標について、ステップS53やS54での算出結果を反映させることが望ましい。つまり、該当施設の社会参加指標に基づき、施設への経由機関(交通機関、他施設)の社会参加指標を調整する。また、逆に、該当施設の社会参加指標を、経由機関の社会参加指標に基づき調整してもよい。このように、経由機関と目的地となった施設の社会参加指標について、分配する構成としてもよい。
また、図21(a)中の円グラフに対して、操作者から指定を受け付けると、図21(b)に表示が変化する。図21(b)は、指定された円グラフ、つまり、該当施設における日時ごとの社会参加指標および社会参加者数を表示する。なお、グラフは円状の表示に限定されず、社会参加指標もしくは社会参加数に応じた大きさ、長さ等の形態で表示されればよい。このデータ分析(1)によれば、各施設の利用状況、つまり、施設ごとの社会参加活動の状況を把握することができる。従って、各施設が地域住民の社会参加の活性化にどの程度貢献しているか、把握できることになる。あるいは、社会参加指標及び社会参加者数の経時的な変化を把握することができるようになるので、施設の設置や改良、あるいは社会参加の新しいイベント開催などの施策が社会参加に与えた効果を定量的に把握できるようになる。また,社会参加者数と社会参加指標を同時に表示するようにしたので、同一住民がその施設を繰返し利用しているかどうか(社会参加者数の増加に比較して社会参加指標の増加が大きくなる)も把握できるようになるという著しい効果も得られる。以上で、データ分析(1)の説明を終わる。
《データ分析(2)》
次に、データ分析(2)として、社会参加分析データの1つである人別集計情報の作成、つまり、参加者別のデータ分析について説明する。図22は、データ分析(2)の処理を示すフローチャートである。このフローチャートは、参加者ごと、つまり、PIDごとに実行される。
《データ分析(2)》
次に、データ分析(2)として、社会参加分析データの1つである人別集計情報の作成、つまり、参加者別のデータ分析について説明する。図22は、データ分析(2)の処理を示すフローチャートである。このフローチャートは、参加者ごと、つまり、PIDごとに実行される。
まず、ステップS201において、データ分析部16は、対象となる施設のPID、期間およびUIDを設定する。まずは、UIDの計測回数(N)を初期設定として0を設定する。これらは、行政機関端末72からの指定を受け付けもよいし、所定ルールを適用して設定してもよい。
次に、ステップS202において、データ分析部16は、人別集計情報を示す人別集計情報テーブル(UT)を記憶する記憶領域をデータベース17に確保する。そして、ステップS203において、データベース17から行動履歴情報175から所定レコードを読み出す。
次に、ステップS204において、データ分析部16は、読み出した行動履歴情報(レコード)中の行動種別が滞在であるか判定する。滞在の場合(Y)、ステップS205に遷移する。滞在でない場合、ステップS210に遷移する。
次に、ステップS205において、データ分析部16は、読み出した行動履歴情報175が、ステップS201で設定した条件に合致するかを判定する。具体的には、読み出された行動履歴情報の移動開始時刻および移動終了時刻に含まれるかが判定される。この際、いずれか一方が調査期間に含まれるかで判定してもよい。また、PIDおよびUIDのいずれも一致するかが判定される。これらが合致する場合(Y)、ステップS206に遷移する。合致しない場合(N)、ステップS210に遷移する。
次に、ステップS206において、データ分析部16は、対象のPIDが初めてのものかを判定する。この結果、初めてのPIDの場合(Y)、ステップS208に遷移する。初めてでない場合(N)、ステップS207に遷移する。
次に、ステップS207において、データ分析部16は、読み出された行動履歴情報に該当するUIDに対する各PIDの総訪問回数や総訪問時間を更新する。
また、ステップS208において、該当するUID、PIDの総訪問回数や総訪問時間を新たに作成する。そして、ステップS209において、該当するUIDのNの値を更新する。
次に、ステップS210において、データ分析部16は、読み出していない行動履歴情報175(レコード)がないかを判定する。この結果、ある場合(Y)、ステップS211に遷移する。ない場合(N)、ステップS212に遷移する。
次に、ステップS211において、データ分析部16は、現在の対象であるBIDを更新する。このために、データ分析部16は、読み出した行動履歴情報のうち、例えば次の行動を識別するBIDを特定する。そして、ステップS203に戻る。
また、ステップS212において、データ分析部16は、該当のUIDにおける延べ訪問回数および延べ滞在時間を、訪問回数と滞在時間を積み上げることで作成する。
次に、ステップS213において、他に対象とするUIDがあるかを判定する。この結果、他にUIDがある場合(Y)、ステップS214に遷移する。また、他にUIDがない場合(N)、処理を終了する。なお、処理を終了する場合、データ分析部16は、出力部12を介して行政機関端末72に、作成された人別集計情報を表示させることが可能である。また、ステップS214において、データ分析部16が、対象とするUIDを更新して、ステップS202に遷移する。
ここで、図22の処理で作成される人別集計情報を、人別集計情報テーブル(UT)の形式で、図23に示す。人別集計情報は、該当のUID、集計開始時刻、集計終了時刻、該当PIDへの延べ訪問回数、延べ滞在時間、UIDのN、訪問施設のPID、PIDの総訪問回数、総滞在時間を含む。このデータ分析(2)によれば、各参加者の施設に対する利用状況、つまり、参加者ごとの社会参加活動の状況を把握することができる。以上で、データ分析(2)についての説明を終わる。
《データ分析(3)》
次に、データ分析(3)として、社会参加分析データの1つである施設別集計情報の作成、つまり、施設ごとのデータ分析について説明する。図24は、データ分析(3)の処理を示すフローチャートである。
《データ分析(3)》
次に、データ分析(3)として、社会参加分析データの1つである施設別集計情報の作成、つまり、施設ごとのデータ分析について説明する。図24は、データ分析(3)の処理を示すフローチャートである。
まず、ステップS301において、データ分析部16は、対象となる施設のPID、期間およびUIDを設定する。まずは、UIDの計測回数(N)を初期設定として0を設定する。これらは、行政機関端末72からの指定を受け付けもよいし、所定ルールを適用して設定してもよい。
次に、ステップS302において、データ分析部16は、施設別集計情報を示す施設別集計情報テーブル(PT)を記憶する記憶領域をデータベース17に確保する。そして、ステップS303において、データ分析部16が、対象となる施設のUIDを設定する。
次に、ステップS304において、データベース17から行動履歴情報175から所定レコードを読み出す。そして、ステップS305において、データ分析部16は、読み出した行動履歴情報(レコード)中の行動種別が滞在であるか判定する。滞在の場合(Y)、ステップS306に遷移する。滞在でない場合、ステップS311に遷移する。
次に、ステップS306において、データ分析部16は、読み出した行動履歴情報175が、ステップS301で設定した条件に合致するかを判定する。具体的には、読み出された行動履歴情報の移動開始時刻および移動終了時刻に含まれるかが判定される。この際、いずれか一方が調査期間に含まれるかで判定してもよい。また、PIDおよびUIDのいずれも一致するかが判定される。これらが合致する場合(Y)、ステップS307に遷移する。合致しない場合(N)、ステップS311に遷移する。
次に、ステップS307において、データ分析部16は、ステップS303で設定された対象のUIDが初めてのものかを判定する。この結果、初めてのPIDの場合(Y)、ステップS309に遷移する。初めてでない場合(N)、ステップS308に遷移する。
次に、ステップS308において、データ分析部16は、読み出された行動履歴情報で該当するUIDにおける各PIDの総訪問回数や総訪問時間を更新する。
また、ステップS309において、該当するUID、PIDの総訪問回数や総訪問時間を新たに作成する。そして、ステップS310において、該当するPIDのNの値を更新する。
次に、ステップS311において、データ分析部16は、読み出していない行動履歴情報175(レコード)がないかを判定する。この結果、ある場合(Y)、ステップS312に遷移する。ない場合(N)、ステップS313に遷移する。
次に、ステップS312において、データ分析部16は、現在の対象であるBIDを更新する。このために、データ分析部16は、読み出した行動履歴情報のうち、例えば次の行動を識別するBIDを特定する。そして、ステップS304に戻る。
また、ステップS313において、データ分析部16は、該当のPIDにおける延べ訪問回数および延べ滞在時間を、訪問回数と滞在時間を積み上げることで作成する。
次に、ステップS314において、他に対象とするUIDがあるかを判定する。この結果、他にUIDがある場合(Y)、ステップS315に遷移する。また、他にUIDがない場合(N)、処理を終了する。なお、処理を終了する場合、データ分析部16は、出力部12を介して行政機関端末72に、作成された人別集計情報を表示させることが可能である。また、ステップS315において、データ分析部16が、対象とするUIDを更新して、ステップS303に遷移する。
ここで、図24の処理で作成される施設別集計情報を、施設別集計情報テーブル(PT)の形式で、図25に示す。施設別集計情報は、対象のPID、集計開始時刻、集計終了時刻、対象施設における延べ訪問回数、延べ滞在時間、PIDのN、訪問者の訪問したUID、当該UIDにおける総訪問回数、総滞在時間を含む。
《データ分析(2)、(3)を使った表示内容》
以上が、データ分析(3)の処理の内容の説明であるが、データ分析(2)および(3)の結果である人別集計情報と施設別集計情報を用いて、様々な表示を行うことができる。このとき、図7及び図12、あるいはデータ分析(1)で示した手順を集計前あるいは集計後に適用することにより、上述の社会参加指標の算出処理と同様の処理により、社会参加カテゴリー、訪問回数、滞在時間などの情報を基に、社会参加指標を算出して表示を行うようにしてもよい。あるいは処理を簡略化するため、データ分析(2)及び(3)で集計した総訪問回数を社会参加指標として表示するようにしてもよい。以下、この内容を説明する。ここで説明する表示内容は、行政機関端末72など各種端末装置で表示することができる。但し、これら表示内容は、端末装置やその利用者に応じて限定的な内容とすることが望ましい。例えば、行政機関端末72の場合、該当地域の情報に限定して、表示することが望ましい。
《データ分析(2)、(3)を使った表示内容》
以上が、データ分析(3)の処理の内容の説明であるが、データ分析(2)および(3)の結果である人別集計情報と施設別集計情報を用いて、様々な表示を行うことができる。このとき、図7及び図12、あるいはデータ分析(1)で示した手順を集計前あるいは集計後に適用することにより、上述の社会参加指標の算出処理と同様の処理により、社会参加カテゴリー、訪問回数、滞在時間などの情報を基に、社会参加指標を算出して表示を行うようにしてもよい。あるいは処理を簡略化するため、データ分析(2)及び(3)で集計した総訪問回数を社会参加指標として表示するようにしてもよい。以下、この内容を説明する。ここで説明する表示内容は、行政機関端末72など各種端末装置で表示することができる。但し、これら表示内容は、端末装置やその利用者に応じて限定的な内容とすることが望ましい。例えば、行政機関端末72の場合、該当地域の情報に限定して、表示することが望ましい。
まず、図26Aは、地域住民の社会参加指標の表示内容である。この表示では、地域ごとに区切られた表示エリアを有する。そして、人別集計情報に基づき、住民の社会参加指標の1人当たりの平均値に応じた表示濃度で、各地域を表示している。例えば、社会参加指標が大きいほど、表示濃度を濃くしている。また、施設別集計情報に基づき、社会参加指標が閾値以上の施設を抽出して表示している。図26Aの例では、黒丸で表示している。なお、平均値には、相加平均、相乗平均、対数平均などのその種別は問わない。また、平均値以外の1人当たりの代表値を用いてもよい。
ここで、端末装置からの指定に応じて、表示を変更可能である。まず、施設(図中の黒丸)が指定されると、図26Bに表示が変更される。また、表示エリア、つまり、地域が指定されると、図26Cに表示が変更される。なお、図26A~Cについては、地図情報上、もしくは地図情報として表示可能である。
図26Bは、施設利用状況を表す表示内容である。つまり、図26Aで指定された施設(PID=1)を利用する住民(参加者)の数に応じた表示濃度で表示エリアを表示している。例えば、該当の施設を利用している住民が多い地域ほど、他よりも濃く表示する。このことで、指定された施設がどの地域住民の社会参加指標にどの程度寄与しているかが把握することが可能となる。
また、図26Cは、地域施設利用状況を表す表示内容である。ここでは、該当の地域の住民が利用している施設を表示している。つまり、図26Aで指定された地域(図中501)の住民(参加者)が所定条件以上に利用する施設を抽出して表示している。本図では、地域(本例では501)を指定することで、その地域住民に社会参加指標に寄与している施設を把握できるこのように、データ分析(3)によれば、地域住民に社会参加指標に寄与している施設を把握できる。
以上のように、本実施例では、図26Aから図26Cに示すように、地域住民の社会参加指標と社会参加指標に寄与する施設を地図上に同時に表示し、さらに、指示された施設を利用している住民の社会参加指標、あるいは指示された地域住民の社会参加指標の向上に寄与している施設を表示できるようにした。従って、行政や高齢者を顧客とする民間事業者などは、高齢者の社会参加行動を促す施策(施設開設や啓蒙活動)を行う際、その施策の効果を社会参加行動の観点から定量的且つ視覚的にわかりやすく評価することできるようになるという素晴らしい効果が得られる。さらに、地域住民が社会参加の観点からどのように活動しているのか、現状を定量的且つ視覚的にわかりやすく評価できるようになるという著しい効果が得られる。
《データ分析(4)》
次に、データ分析(4)として、社会参加分析データの1つである人・地域間社会参加指標の比較について説明する。つまり、参加者ごと、地域ごとの社会参加指標を算出し、これらの比較を可能とする。図27は、データ分析(4)の処理を示すフローチャートである。
《データ分析(4)》
次に、データ分析(4)として、社会参加分析データの1つである人・地域間社会参加指標の比較について説明する。つまり、参加者ごと、地域ごとの社会参加指標を算出し、これらの比較を可能とする。図27は、データ分析(4)の処理を示すフローチャートである。
まず、ステップS401において、データ分析部16が、本処理の対象とする各参加者のUIDを設定する。つまり、データ分析部16は、対象とする社会参加指標を作成する参加者のUIDと、これとの比較対象者N人分のUIDを設定する。また、データ分析部16が、比較対象となる探索範囲(x)を設定する。これらは、行政機関端末72からの指定を受け付けもよいし、所定ルールを適用して設定してもよい。ここで、社会参加指標を作成する参加者のUIDをuid_tとし、比較対象者N人分のUIDをuid_c(n)とする。
次に、ステップS402において、データ分析部16が、uid_tが示す参加者の居住施設、つまり、自宅を参加者情報171から読出す。
次に、ステップS403において、データ分析部16が、uid_tの参加者の居住施設である自宅の探索範囲(x)に含まれる社会参加カテゴリー別の施設数Np(c)を、POIテーブル173から算出する。ここで、居住施設である自宅の探索範囲(x)とは、地域などの社会単位であることが望ましい。
そして、ステップS404において、データ分析部16が、算出したNp(c)に対して、社会参加カテゴリーに応じた重みを乗じた積和演算結果をKt(社会参加指標)に代入する。ここでは、重みは社会参加重みテーブル177を用いて特定される。このため、ステップS405およびS406において、Kc(i)に関してi=0、Kc(i)=0と設定する。
次に、ステップS407において、データ分析部16が、uid_c(i)の居住施設の探索範囲(x)にある社会参加カテゴリー別の施設数Np(c)を算出する。ここでは、ステップS403と同様に、POIテーブル173を用いる。そして、ステップS408において、データ分析部16が、ステップS407で算出したNp(c)に対して、社会参加カテゴリーに応じた重みを乗じた積和演算結果をKc(i)に代入する。
次に、ステップS411において、データ分析部16が、全比較対象者(N人)について処理を実行したかを判定する。この結果、残っている場合(N)、ステップS410に遷移し、iに+1してステップS406に戻る。つまり、全比較対象者(N人)への処理を繰り返す。また、全比較対象者の処理が終了した場合(Y)、ステップS412に遷移する。
次に、ステップS412において、データ分析部16が、N人の比較対象者のKc(i)の平均値を算出し、これをKcに代入する。そして、ステップS413において、補正係数をKc/Ktに設定し、これを比較結果として特定する。
この処理に基づく、比較結果の表示内容を図28に示す。ここで説明する表示内容は、行政機関端末72など各種端末装置で表示することができる。但し、これら表示内容は、端末装置やその利用者に応じて限定的な内容とすることが望ましい。例えば、行政機関端末72の場合、該当地域の情報に限定して、表示することが望ましい。
図28Aから図28Cは、人・地域間の社会参加指標を比較した表示の一例である。図28Aは、図27に示したステップによる補正をしなかった場合の表示例である。画面右上の補正選択スイッチがOFFの状態であり、uid_tが示す参加者であるTさんの社会参加指標が30.1と算出・表示され、その比較対象者の一人であるCさんの社会参加指標が39.5、Cさんの自宅がある地域が他の地域と区別され、その地域の社会参加指標の平均値が37.1と算出され、表示されている例である。図28Bは、図27に示した補正を行った場合の表示例である。画面右上の補正選択スイッチがONの状態である。本例は、Tさんの居住環境と比較して、比較対象者の居住地域の方が社会参加につながる施設が多く存在する場合であり、ステップS413の補正係数が1.5になった場合の例である。図28Bでは、この居住環境の差の補正が働き、同図中に示すようにTさんの社会参加指標はCさんより高く表示されるようになり、積極的な社会参加を行っていること認識することができる。本人の周囲環境に応じた苦労や努力を反映した表示が行えるようになり、参加者の社会参加の意欲を高めることにつなげることができるようになる。居住地の周囲環境は個人の努力のみで変更することは容易ではなく、このような表示を行うことは、個人の苦労や努力を客観的に表現する上で大変重要である。図28Cは、図28Bの表示の別の表現例であり、社会参加の活動を把握したいと考えるCさんの指標を100%とし、Tさん及びTさんの居住地域の平均値を百分率で表示した例である。Tさんを基準とした指標を、直感的に比較結果として把握できる。
以上のように、本実施例では、図28A~Cに示すように、人・地域間の社会参加指標を比較表示できるようにした。さらに、図27に示す手順で算出される補正係数を用いることで、居住環境に差による社会参加指標への影響を補正できるようにした。従って、社会参加の活動には、居住地域の周囲環境(買い物先である商店,集いの場,図書館等へのアクセスのし易さ、利便性)の影響を受けやすく、住環境が異なる住民同士での比較が難しいという課題を解決できるようになるという著しい効果が得られるようになる。以上で、データ分析(4)についての説明を終わる。
《データ分析(5)》
次に、データ分析(5)として、社会参加分析データの1つである地域間社会参加の環境指標の比較について説明する。つまり、データ分析(5)として、地域ごとの社会参加のしやすさ、容易性ないし便利性(以下、単に容易性)について、地域ごとに比較することを可能とする。図29は、データ分析(5)の処理を示すフローチャートである。
《データ分析(5)》
次に、データ分析(5)として、社会参加分析データの1つである地域間社会参加の環境指標の比較について説明する。つまり、データ分析(5)として、地域ごとの社会参加のしやすさ、容易性ないし便利性(以下、単に容易性)について、地域ごとに比較することを可能とする。図29は、データ分析(5)の処理を示すフローチャートである。
まず、ステップS501において、データ分析部16が、環境指標の対象者指標算出の対象者(N人)のUID(以下、uid_(c))を設定する。また、データ分析部16は、その探索範囲(x)も設定する。これらは、行政機関端末72からの指定を受け付けもよいし、所定ルールを適用して設定してもよい。なお、以下の処理フローは、探索範囲(x)、つまり、地域ごとに実行される。
次に、ステップS502およびS503において、データ分析部16が、K算出のために、Kc(i)に関してi=0、Kc(i)=0と設定する。
次に、ステップS504において、データ分析部16が、uid_c(i)の居住施設、つまり、探索範囲で(x)にある社会参加カテゴリー別の施設数Np(c)を算出する。このことで自宅のある地域のカテゴリー別の施設数を特定できる。
次に、ステップS505において、データ分析部16が、Np(c)に社会参加カテゴリーに応じた重みを乗じた積和演算結果を、K(i)に代入する。
次に、ステップS506において、データ分析部16が、全比較対象者(N人)について処理を実行したかを判定する。この結果、残っている場合(N)、ステップS507に遷移し、iに+1してステップS503に戻る。つまり、全比較対象者(N人)への処理を繰り返す。また、全比較対象者の処理が終了した場合(Y)、ステップS508に遷移する。
そして、ステップS508において、データ分析部16が、N個のK(i)の平均値を Kに代入する。このことで、K(i)の平均値を、該当の地域における環境指標として特定できる。
以上の処理に基づく、比較結果の表示内容を図30Aおよび図30Bに示す。なお、ここで説明する表示内容は、行政機関端末72など各種端末装置で表示することができる。但し、これら表示内容は、端末装置やその利用者に応じて限定的な内容とすることが望ましい。例えば、行政機関端末72の場合、該当地域の情報に限定して、表示することが望ましい。
図30Aは、地域ごとに対応付けられた表示エリアに環境指標の絶対値を表示している表示内容を示す。そして、各種端末装置を用いて、地域が指定されると、図30Bに示すように、各地域の環境指標が、相対値で示される。図30Aの「30.7」の地域が指定されると、当該地域を100.0%として、他の地域はそれとの相対値(%)で環境指標が表記される。なお、図30AおよびBについては、地図情報上、もしくは地図情報として表示可能である。
以上のように、本実施例では、このデータ分析(5)によれば、社会参加カテゴリーに応じた重み付けを行った地域ごとの社会参加指標を比較できるようになる。従って、地域の住民数や高齢者数,あるいはこれらの将来予測数と合わせて比較することで、社会参加の活性化につながる公民館などの施設の設置や増強、集いの場の拡充、商業施設の誘致などの具体的な施策を立案、実施できるようになる。あるいは、これらの社会参加の指標を踏まえた要介護者の予測を行うことにより、介護保険料の設定や介護サービス提供施設の拡充などを計画的に実施できるようになるという著しい効果が得られる。特に、図示したような表示を行うことで、直感的に比較結果を把握できる。よって、社会参加という視点から見た地域間での違いの把握を定量的な比較について考慮されておらず、社会参加行動のための課題把握や施策立案方法が十分にできないという課題を解決できるようになるという著しい効果が得られる。あるいは、従来、参加者個人についての評価しかできず、地域、組織といった「環境」を単位としての社会参加行動を考慮した分析や評価、結果の活用が不十分であるという課題を解決できるという素晴らしい効果が得られる。
以上で、本実施例の説明を終了するが、各表示は、判別部13、指標算出部14、ポイント算出部15およびデータ分析部16が、出力部12を利用して、端末装置等への表示を行うことになる。
なお、本発明は、本実施例に限定されず、様々な態様で実現可能である。例えば、行動分析装置10に表示部を設け、いわゆるスタンドアロンとして実現してもよい。また、データ分析に従って、具体的な社会参加行動に関するアドバイスを出力してもよい。
1…分析サービスセンタ、10…行動分析装置、11…入力部、12…出力部、13…判別部、14…指標算出部、15…ポイント算出部、16…データ分析部、17…データベース、18-1、18-2…運用管理端末、2-1…フィットネスクラブ、2-2…店舗、2-3…自宅、20-1、20-2、20-3…携帯端末、21…検知装置21、22…カウンタ端末、30…フィットネスクラブシステム、40…保険会社システム、50…介護施設運営会社システム、60…ポイント運営会社システム、70-1、70-2…行政機関システム、71-1、71-2…行政機関サーバ、72-1、72-2…行政機関端末、80…ネットワーク、90…イントラネット
Claims (15)
- 参加者の社会参加行動を分析する行動分析装置において、
複数の参加者それぞれにおける移動履歴を示す位置情報を受け付ける入力部と、
前記位置情報に基づいて、前記参加者の社会参加行動の分類を示す社会参加カテゴリーを判別する判別部と、
判別され前記社会参加カテゴリーに応じた指標であって、前記参加者それぞれにおける社会とのかかわり状況を示す社会参加指標を算出する指標算出部とを有する行動分析装置。 - 請求項1に記載の行動分析装置において、
前記指標算出部は、前記社会参加指標を、前記参加者した行動における多様性を示す多様性変数に応じて算出する行動分析装置。 - 請求項2に記載の行動分析装置において、
前記指標算出部は、前記多様性変数として、時間、交通手段、訪問施設数および滞在人員の少なくとも1つに基づく重み情報を用いる行動分析装置。 - 請求項1に記載の行動分析装置において、
前記判別部は、
前記位置情報を用いて、前記参加者の移動終了施設を含む行動履歴情報を作成し、
前記行動履歴情報を用いて、前記移動終了施設を分類する施設カテゴリーを特定し、
前記施設カテゴリーに応じて定められる前記社会参加カテゴリーを判別する行動分析装置。 - 請求項1乃至4のいずれかに記載の行動分析装置において、
前記社会参加指標を、該当する施設ごとに、当該社会参加指標に応じた形態で出力する出力部をさらに有する行動分析装置。 - 行動分析装置を用いて、参加者の社会参加行動を分析する行動分析方法において、
入力部により、複数の参加者それぞれにおける移動履歴を示す位置情報を受け付け、
判別部により、前記位置情報に基づいて、前記参加者の社会参加行動の分類を示す社会参加カテゴリーを判別し、
指標算出部により、判別された前記社会参加カテゴリーに応じた指標であって、前記参加者それぞれにおける社会とのかかわり状況を示す社会参加指標を算出する行動分析方法。 - 請求項6に記載の行動分析方法において、
前記指標算出部により、前記社会参加指標を、前記参加者した行動における多様性を示す多様性変数に応じて算出する行動分析方法。 - 請求項7に記載の行動分析方法において、
前記指標算出部により、前記多様性変数として、時間、交通手段、訪問施設数および滞在人員の少なくとも1つに基づく重み情報を用いる行動分析方法。 - 請求項6に記載の行動分析方法において、
前記判別部により、
前記位置情報を用いて、前記参加者の移動終了施設を含む行動履歴情報を作成し、
前記行動履歴情報を用いて、前記移動終了施設を分類する施設カテゴリーを特定し、
前記施設カテゴリーに応じて定められる前記社会参加カテゴリーを判別する行動分析方法。 - 請求項6乃至9のいずれかに記載の行動分析方法において、
出力部により、前記社会参加指標を、該当する施設ごとに、当該社会参加指標に応じた形態で出力する行動分析方法。 - 参加者の社会参加行動を分析する行動分析装置において、
前記参加者の行動の履歴を示す行動履歴情報を記憶するデータベースと、
前記行動履歴情報を用いて、単位社会に属する参加者に関連する施設の社会参加カテゴリーを用いて、前記単位社会ごとの社会参加の容易性を示す環境指標を算出するデータ分析部とを有する行動分析装置。 - 請求項11に記載の行動分析装置において、
前記単位社会は、地域である行動分析装置。 - 請求項11に記載の行動分析装置において、
さらに、前記単位社会ごとの環境指標を比較して出力する出力部を有する行動分析装置。 - 請求項13に記載の行動分析装置において、
前記出力部は、前記単位社会ごとの環境指標を、相対値で出力する行動分析装置。 - 請求項11乃至14のいずれかに記載の行動分析装置において、
前記データ分析部は、
前記単位社会の参加者それぞれに関連する社会参加カテゴリー別の施設数を算出し、
前記社会参加カテゴリー別の施設数に基づいて、前記環境指標を算出する行動分析装置。
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