JP2022150345A - 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】共通液室における液体の流れの乱れ等に伴うクロストークの発生を抑制することができる液体噴射ヘッド及び液体噴射装置を提供する。【解決手段】液体を噴射するノズル21が形成されたノズル基板20と、ノズル基板20に接合され、ノズル21に連通する複数の圧力室31と、圧力室31のそれぞれに供給路34を介して供給される液体を貯留する第1共通液室32と、を有する流路基板30と、を備える液体噴射ヘッド10であって、第1共通液室32に連通して第1共通液室32内の液体の圧力変動を吸収するためのメニスカスが形成される第1貫通孔61を備える貫通孔基板60と、第1共通液室32内を、供給路34側の第1メイン液室32aと第1貫通孔61側の第1サブ液室32bとに区画すると共に、液体が流通する第1開口部71を有する第1フィルター70と、を備える構成とする。【選択図】図2
Description
本発明は、液体を噴射する液体噴射ヘッド及び液体噴射装置に関し、特に、液体としてインクを噴射するインクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置に関する。
圧電デバイスの一つである液体噴射ヘッドの代表例としては、インク滴を噴射するインクジェット式記録ヘッドが挙げられる。インクジェット式記録ヘッドとしては、例えばノズルに連通する圧力室が形成された流路基板と、この流路基板の一方面側に振動板を介して設けられた圧電アクチュエーターと、を具備し、圧電アクチュエーターによって圧力室内のインクに圧力変化を生じさせることで、ノズルからインク滴を噴射するものが知られている。
また、インクジェット式記録ヘッドとしては、複数の圧力室に共通する共通液室を備え、この共通液室から各圧力室にインクが供給されるものがある。この場合、圧電アクチュエーターの駆動による圧力室内の圧力変動が、ノズル側だけでなく共通液室側にも伝搬する。それにより共通液室内で圧力変動が生じると、各圧力室に供給されるインクの流れに乱れが生じる、いわゆるクロストークが発生し、インク滴の噴射特性が低下する虞がある。
このようなクロストークの発生に対し、共通液室内での圧力変動を抑制する構造が様々提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1には、圧力室である圧送チャンバと、流体を圧送チャンバから吐出させるアクチュエーターと、各圧送チャンバに連通する共通液室である給送チャネルとを具備する印刷ヘッドが記載されている。そして、給送チャネル内の圧力変動を吸収するためのコンプライアント微小構造として、給送チャンバの底部表面に複数のダミーノズルが形成された構造が提案されている。
特許文献1に記載の技術のように、共通液室である給送チャンバの底面表面にダミーノズルを設けることで、共通液室における液体の流れの乱れや衝撃をある程度は緩和することができる。しかしながら、近年の液体噴射ヘッドの高速化・高密度化・高精度化等に伴い、共通液室における液体の流れの乱れ等に伴うクロストークが発生し易くなっている。このため、共通液室における液体の流れの乱れや衝撃について、さらなる緩和が求められている。
上記課題を解決する本発明の一つの態様は、液体を噴射するノズルが形成されたノズル基板と、前記ノズル基板に接合され、前記ノズルに連通する複数の圧力室と、前記圧力室のそれぞれに供給路を介して供給される液体を貯留する第1共通液室と、を有する流路基板と、を備える液体噴射ヘッドであって、前記第1共通液室に連通して前記第1共通液室内の液体の圧力変動を吸収するためのメニスカスが形成される第1貫通孔を備える貫通孔基板と、前記第1共通液室内を、前記供給路側の第1メイン液室と前記第1貫通孔側の第1サブ液室とに区画すると共に、液体が流通する第1開口部を有する第1フィルターと、を備えることを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
また本願発明の他の態様は、上記液体噴射ヘッドを具備することを特徴とする液体噴射装置にある。
以下、本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。ただし、以下の説明は、本発明の一態様についての説明であり、本発明の構成は、発明の範囲内で任意に変更可能である。各図において同一部材には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
また、各図においてX、Y、Zは、互いに直交する3つの空間軸を表している。本明細書では、これらの軸に沿った方向をX方向、Y方向、及びZ方向とする。各図の矢印が向かう方向を正(+)方向、矢印の反対方向を負(-)方向として説明する。またZ方向は、鉛直方向を示し、+Z方向は鉛直下向き、-Z方向は鉛直上向きを示す。さらに、正方向及び負方向を限定しない3つのX、Y、Zの空間軸については、X軸、Y軸、Z軸として説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明に係る液体噴射装置の一例であるインクジェット式記録装置を模式的に示す図である。図2は、記録ヘッドの断面図であり、図3は、インクが流れる流路を説明する図であり、記録ヘッドの平面図である。また図4は、記録ヘッドの変形例を示す図であり、記録ヘッドの拡大断面図である。
図1は、本発明に係る液体噴射装置の一例であるインクジェット式記録装置を模式的に示す図である。図2は、記録ヘッドの断面図であり、図3は、インクが流れる流路を説明する図であり、記録ヘッドの平面図である。また図4は、記録ヘッドの変形例を示す図であり、記録ヘッドの拡大断面図である。
本発明に係るインクジェット式記録装置(以下、単に「記録装置」ともいう)は、液体の一種であるインクをインク滴として印刷用紙等の媒体に噴射・着弾させて、当該媒体に形成されるドットの配列により画像等の印刷を行う印刷装置である。なお、媒体としては、記録用紙の他、樹脂フィルムや布等の任意の材質を用いることができる。
以下において、X、Y、Zの3つの空間軸のうち、後述するインクジェット式記録ヘッドの移動方向(換言すると、主走査方向)をX軸とし、当該主走査方向と直交した媒体の搬送方向をY軸とする。またインクジェット式記録ヘッドのノズルが形成されたノズル面に平行な面をXY平面とする。さらにノズル面、すなわち、XY平面に交差する(本実施形態では、直交する)方向をZ軸とし、インク滴はZ軸に沿った+Z方向に噴射されるものとする。
図1に示すように、記録装置1は、液体容器2と、媒体Sを送り出す搬送機構3と、制御部である制御ユニット4と、移動機構5と、液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッド(以下、単に「記録ヘッド」ともいう)10と、を具備する。
液体容器2は、記録ヘッド10から噴射される複数種類(例えば、複数色)のインクを個別に貯留する。液体容器2としては、例えば、記録装置1に着脱可能なカートリッジ、可撓性のフィルムで形成された袋状のインクパック、インクを補充可能なインクタンクなどが挙げられる。なお液体容器2には、例えば、色や成分等が異なる複数種類のインクが貯留されている。
制御ユニット4は、例えば、CPU(Central Processing Unit)またはFPGA(Field Programmable Gate Array)等の制御装置と、半導体メモリー等の記憶装置と、を備えている。制御ユニット4は、記憶装置に記憶されたプログラムを制御装置が実行することで記録装置1の各要素、すなわち、搬送機構3、移動機構5、記録ヘッド10等を統括的に制御する。
搬送機構3は、制御ユニット4によって制御されて媒体SをY軸方向に搬送するものであり、搬送ローラー3aを有する。すなわち搬送機構3は、搬送ローラー3aが回転することで媒体SをY軸方向に搬送する。なお媒体Sを搬送する搬送機構3は、搬送ローラー3aを備えるものに限られず、例えば、ベルトやドラムによって媒体Sを搬送するものであってもよい。
移動機構5は、制御ユニット4によって制御されて記録ヘッド10をX軸方向に往復移動させる。移動機構5によって記録ヘッド10が往復移動するX軸方向は、媒体Sが搬送されるY軸方向に交差する方向である。
具体的には、本実施形態の移動機構5は、搬送体6と搬送ベルト7とを具備する。搬送体6は、記録ヘッド10が収容される略箱形の構造体、いわゆるキャリッジであり、搬送ベルト7に固定されている。搬送ベルト7は、X軸方向に沿って架設された無端ベルトである。そして、制御ユニット4による制御のもと搬送ベルト7が回転することで、記録ヘッド10が搬送体6と共にX軸方向に沿って往復移動する。なお搬送体6は、記録ヘッド10と共に液体容器2を搭載する構成であってもよい。
記録ヘッド10は、液体容器2から供給されるインクを複数のノズルから媒体Sに噴射する。そして記録装置1では、移動機構5による媒体Sの搬送と、搬送体6の反復的な往復とに並行して複数の各記録ヘッド10が媒体Sにインクを噴射することで、媒体Sの表面に所望の画像が形成される。
図2及び図3に示すように、記録ヘッド10は、ノズル基板20と、流路基板30と、振動板40とを具備する。これらノズル基板20と、流路基板30と、振動板40とは、それぞれY軸に沿う長尺な板状部材であり、例えば、接着剤を利用して相互に接合される。すなわち流路基板30の一方面側にノズル基板20が接合され、流路基板30の他方面側に振動板40が接合される。具体的には、流路基板30における+Z方向側の表面にノズル基板20が接合され、流路基板30における-Z方向側の表面に振動板40が接合される。
なお、ノズル基板20、流路基板30は、例えばシリコン(Si)の単結晶基板をエッチング等の半導体製造技術により加工することで形成される。
ノズル基板20には、インク滴を噴射するノズル21が、Z軸方向に貫通して設けられる。また、これら複数のノズル21は、Y軸方向に沿って一列に配置される。
流路基板30は、ノズル21に繋がるインク流路が形成される部材である。流路基板30には、インク流路を構成する圧力室31、第1共通液室32、第2共通液室33、供給路34、連結路35及び排出路36が形成される。
圧力室31は、内部に充填されたインクに対し、後述する圧電素子の駆動により圧力を付与するための空間であり、各ノズル21に対応して複数設けられる。複数の圧力室31は、Y軸方向に沿って一列に並設される。また各圧力室31は、流路基板30の-Z方向側の表面に開口して形成され、圧力室31の-Z方向側の面は振動板40によって構成される。
複数の圧力室31は、+X方向の端部で、Z軸方向に延在する供給路34を介して第1共通液室32に連通する。第1共通液室32は、液体容器2から図示しない導入口を介して供給されるインクが貯留される空間である。この第1共通液室32は、流路基板30における+Z方向の表面に開口し、複数の圧力室31に亘って連続するようにY軸方向に沿って長尺状に形成される。
また各圧力室31は、-X方向の端部で、Z軸方向に延在する連結路35を介してノズル21に連通する。なおY軸方向における供給路34の幅は、Y軸方向における圧力室31の幅よりも小さい。同様に、Y軸方向における連結路35の幅は、Y軸方向における圧力室31の幅よりも小さい。
連結路35には、排出路36を介して第2共通液室33が連通している。第2共通液室33は、圧力室31から連結路35に供給されたインクのうちノズル21から噴射されないインクが排出される空間である。第2共通液室33は、第1共通液室32と同様に、流路基板30における+Z方向の表面に開口し、複数の圧力室31に亘って連続するようにY軸方向に沿って長尺状に形成される。なお第1共通液室32と第2共通液室33とは、Z軸方向の平面視においてノズル21を挟んだ反対側に位置する。
また排出路36は、流路基板30における+Z方向の表面に開口して設けられ、その一端側が連結路35の+Z方向側の端部近傍に連結する。なおY軸方向における排出路36の幅は、Y軸方向における連結路35の幅よりも小さい。また各排出路36を介して第2共通液室33に排出されたインクは、図示しない流出路から流出し、例えば、ポンプ等を含む循環機構により第1共通液室32に環流される。
振動板40は、弾性的に変形可能な板状部材である。振動板40は、例えば、酸化ケイ素(SiO2)で形成された第1層と、酸化ジルコニウム(ZrO2)で形成された第2層との積層で構成される。勿論、振動板40の構成は、特に限定されるものではない。
振動板40の表面には、各圧力室31に対応する複数の圧電素子50が設けられる。各圧電素子50は、圧力室31の圧力を変動させる駆動素子である。具体的には、圧電素子50は、駆動波形の供給により変形する圧電アクチュエーターであり、平面視でX軸方向に沿う長尺状に形成される。複数の各圧電素子50は、複数の各圧力室31に対応してY軸方向に沿って一列に配置される。
そして、この圧電素子50の変形に連動して振動板40が撓み変形すると、圧力室31内の圧力が変動し、圧力室31に充填されたインクが連結路35を通過してノズル21から噴射される。また圧力室31から連結路35に供給されたインクのうちノズル21から噴射されないインクは、排出路36を介して第2共通液室33に排出される。
また、このような記録ヘッド10は、第1共通液室32内のインクの圧力変動を吸収するためのメニスカスが形成される第1貫通孔61を備える貫通孔基板60を具備する。本実施形態では、ノズル基板20が貫通孔基板60を兼ねており、ノズル基板20の第1共通液室32に対応する領域に複数の第1貫通孔61が形成される。すなわち第1貫通孔61は、Z軸方向において第1共通液室32に重なる位置に設けられる。
この第1貫通孔61には、上記のように第1共通液室32内のインクの圧力変動を吸収するためのメニスカスが形成される。すなわち、第1貫通孔61内のメニスカスが圧力室31から供給路34を介して第1共通液室32に伝播する圧力変動に応じて振動することで、第1共通液室32内の圧力変動が吸収される。
さらに、貫通孔基板60を兼ねるノズル基板20には、第2共通液室33内のインクの圧力変動を吸収するためのメニスカスが形成される第2貫通孔62が形成される。第2貫通孔62は、Z軸方向において第2共通液室33に重なる位置に設けられる。これにより、第2貫通孔62内のメニスカスが、排出路36を介して第2共通液室33に伝播する圧力変動に応じて振動することで、第2共通液室33内の圧力変動が吸収される。
なお本実施形態では、ノズル基板20が貫通孔基板60を兼ねていることで、製造工程を煩雑化することなく、第1貫通孔61及び第2貫通孔62を比較的容易に製造することができる。
また第1貫通孔61及び第2貫通孔62の個数は、特に限定されず、例えば、圧力室31毎に1つであってもよい。さらに第1貫通孔61及び第2貫通孔62の形状や大きさは、特に限定されず、メニスカスが適切に形成されるように適宜決定されればよい。しかしながら、第1貫通孔61及び第2貫通孔62は、ノズル21と同一形状及び大きさとすることが好ましい。これにより、第1貫通孔61及び第2貫通孔62をノズル21と同時に形成することができ、製造がより容易となる。
さらに、記録ヘッド10は、第1共通液室32内に配される第1フィルターであるフィルター部材70を具備する。第1共通液室32は、このフィルター部材70によって二つの空間に区切られる。詳しくは、第1共通液室32は、供給路34側の第1メイン液室32aと、第1貫通孔61側の第1サブ液室32bとに区画される。またフィルター部材70は、第1共通液室32内に第1開口部71を有し、第1メイン液室32aと第1サブ液室32bとは、この第1開口部71によって連通される。すなわち第1メイン液室32aと第1サブ液室32bとの間では、この第1開口部71を介してインクが流通する。
本実施形態では、流路基板30は、第1基板37と、第1基板37の+Z方向側に接合される第2基板38とで構成される。フィルター部材70は、これら第1基板37と第2基板38との間に配設される。
フィルター部材70の第1開口部71は、本実施形態では、各圧力室31に対応して複数個所に設けられる。第1開口部71には、Z軸方向に貫通する複数の孔部72が形成され、これら複数の孔部72を介して第1メイン液室32aと第1サブ液室32bとが連通される。なお第1開口部71の構成は特に限定されず、インクが通過可能な構成であればよい。
このようなフィルター部材70が設けられていることで、圧力室31の上流側に配置される第1共通液室32での液体の流れの乱れや衝撃が効果的に緩和される。したがって、第1共通液室32でのクロストークの発生を抑制することができる。例えば、記録ヘッド10が比較的高精度化・高密度化される場合には、特に効果的である。
ここで、フィルター部材70の第1開口部71の開口面積は、第1貫通孔61の開口面積よりも大きいことが好ましい。これにより、第1共通液室32内でのインクの適切な流れを維持しつつ、クロストークの発生を抑制することができる。
なお第1開口部71の開口面積とは、本実施形態では、第1開口部71に設けられた孔部72の開口面積の合計である。また第1貫通孔61を複数備える場合、第1貫通孔61の開口面積とは、複数の第1貫通孔61の開口面積の合計である。
またZ軸方向において、フィルター部材70の厚さは、貫通孔基板60の厚さよりも薄いことが好ましい。本実施形態では、フィルター部材70の厚さは、貫通孔基板60を兼ねるノズル基板20の厚さよりも薄いことが好ましい。これにより、第1共通液室32内でのインクの適切な流れをより確実に維持でき、且つクロストークの発生も抑制することができる。
またフィルター部材70は、貫通孔基板60を兼ねるノズル基板20と同様に、例えばシリコン(Si)の単結晶基板で形成されている。なおフィルター部材70の材料は、特に限定されないが、貫通孔基板60を兼ねるノズル基板20や流路基板30と線膨張係数が近い材料で形成されていることが好ましい。これにより、複数の孔部72を備える第1開口部71を高精度に形成することができ、ひいては記録ヘッド10の高品質化を図ることができる。
また第1開口部71が備える複数の孔部72は、本実施形態では、Z軸方向に亘って略一定の内径で形成されているが、孔部72の形状は、特に限定されない。例えば、図4に示すように、孔部72を、貫通孔基板60を兼ねるノズル基板20側ほど内径が狭いテーパー形状としてもよい。すなわち、孔部72を、第1メイン液室32a側の内径d1よりも第1サブ液室32b側の内径d2が狭いテーパー形状としてもよい。孔部72をこのような形状とすることで、第1貫通孔61側の第1サブ液室32bから供給路34側の第1メイン液室32aへの異物の流入を防ぎつつ、クロストークの発生を抑制することができる。
またフィルター部材70は、第1メイン液室32a側の面よりも第1サブ液室32b側の面の撥液性が高くなっていることが好ましい。そのために、例えば、フィルター部材70の第1サブ液室32b側の面は、撥液処理が施されていることが好ましい。あるいは、フィルター部材70の第1メイン液室32a側の面が、親液処理が施されていることが好ましい。さらには、フィルター部材70の第1サブ液室32b側の面に撥液処理が施され、且つ第1メイン液室32a側の面に親液処理が施されていることが好ましい。
これにより、フィルター部材70の第1サブ液室32b側の面は、第1メイン液室32a側の面よりも気泡が付きやすくなることで、ダンパー効果が高まりクロストークの発生をさらに抑制することができる。一方で、フィルター部材70の第1メイン液室32a側の面は気泡が付きにくくなるため、気泡に起因する不良、例えば、ドット抜け等の発生を抑制することができる。
以上説明したように、本実施形態に係る記録ヘッド10は、第1共通液室32に連通して第1共通液室32内の液体の圧力変動を吸収するためのメニスカスが形成される第1貫通孔61を備える貫通孔基板60を兼ねるノズル基板20と、第1共通液室32内を、供給路34側の第1メイン液室32aと第1貫通孔61側の第1サブ液室32bとに区画すると共に、インクが流通する第1開口部71を有する第1フィルターであるフィルター部材70と、を備える。これにより、第1共通液室32での液体の流れの乱れや衝撃を緩和して、第1共通液室32でのクロストークの発生を抑制することができる。
(実施形態2)
図5は、実施形態2に係る記録ヘッドの断面図であり、図6は、実施形態2に係る記録ヘッドの平面図である。なお同一部材には、同一符号を付し重複する説明は省略する。
図5は、実施形態2に係る記録ヘッドの断面図であり、図6は、実施形態2に係る記録ヘッドの平面図である。なお同一部材には、同一符号を付し重複する説明は省略する。
本実施形態は、第2共通液室内を、第2メイン液室と第2貫通孔側の第2サブ液室とに区画する第2フィルターを具備する以外は、実施形態1と同様である。
具体的には、図5及び図6に示すように、記録ヘッド10Aは、第2フィルターを兼ねるフィルター部材70Aを備えている。第2共通液室33は、フィルター部材70Aによって二つの空間に区切られる。詳しくは、第2共通液室33は、フィルター部材70Aによって、流出路側の第2メイン液室33aと、第2メイン液室33aよりも第2貫通孔62側の第2サブ液室33bとに区画される。このフィルター部材70Aは、第2共通液室33内に第2開口部73を有し、第2メイン液室33aと第2サブ液室33bとは、この第2開口部73によって連通される。すなわち第2メイン液室33aと第2サブ液室33bとの間では、この第2開口部73を介してインクが流通する。
フィルター部材70Aの第2開口部73には、第1開口部71と同様、Z軸方向に貫通する複数の孔部74が形成されており、これら複数の孔部74を介して第2メイン液室33aと第2サブ液室33bとが連通される。なお第2開口部73の構成は特に限定されず、インクが通過可能な構成であればよい。
このようなフィルター部材70Aが設けられていることで、第1共通液室32及び第2共通液室33での液体の流れの乱れや衝撃が効果的に緩和される。したがって、第1共通液室32及び第2共通液室33でのクロストークの発生を抑制することができる。例えば、記録ヘッド10Aが比較的高精度化・高密度化される場合には、特に効果的である。
なお本実施形態では、フィルター部材70Aが、第1共通液室32に対応して設けられる第1フィルターと、第2共通液室33に対応して設けられる第2フィルターとを兼ねるようにしたが、勿論、第1フィルターと第2フィルターとは別部材であってもよい。
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。
例えば、上述の実施形態では、第1開口部71が各圧力室31に対応して設けられた構成を例示したが、第1開口部71は、第1共通液室32内の流路抵抗が適切な範囲となるように形成されていればよく、例えば、第1共通液室32内の全体に亘って、すなわちY軸方向に亘って連続して設けられていてもよい。同様に、第2開口部73も、第2共通液室33内の全体に亘って連続して設けられていてもよい。
また上述の実施形態では、第1貫通孔61及び第2貫通孔62が、全長に亘って内径が略一定の円柱状である構成を例示したが、第1貫通孔61及び第2貫通孔62の形状は特に限定されない。第1貫通孔61及び第2貫通孔62は、例えば、-Z方向側の内径が+Z方向側の内径よりも大きいテーパー形状である部分を含んで構成されていてもよい。
また上述の実施形態では、ノズル基板20が貫通孔基板60を兼ねた構成を例示したが、貫通孔基板60は、勿論、ノズル基板20とは別体であってもよい。
また上述の実施形態では、第2共通液室を備える循環タイプの記録ヘッドを例示したが、勿論、本発明は、第2共通液室を備えない非循環タイプの記録ヘッドにも適用できる。
1…インクジェット式記録装置(記録装置)、2…液体容器、3…搬送機構、3a…搬送ローラー、4…制御ユニット、5…移動機構、6…搬送体、7…搬送ベルト、10,10A…記録ヘッド、20…ノズル基板、21…ノズル、30…流路基板、31…圧力室、32…第1共通液室、32a…第1メイン液室、32b…第1サブ液室、33…第2共通液室、33a…第2メイン液室、33b…第2サブ液室、34…供給路、35…連結路、36…排出路、37…第1基板、38…第2基板、40…振動板、50…圧電素子、60…貫通孔基板、61…第1貫通孔、62…第2貫通孔、70,70A…フィルター部材、71…第1開口部、72,74…孔部、73…第2開口部、S…媒体
Claims (11)
- 液体を噴射するノズルが形成されたノズル基板と、
前記ノズル基板に接合され、前記ノズルに連通する複数の圧力室と、前記圧力室のそれぞれに供給路を介して供給される液体を貯留する第1共通液室と、を有する流路基板と、を備える液体噴射ヘッドであって、
前記第1共通液室に連通して前記第1共通液室内の液体の圧力変動を吸収するためのメニスカスが形成される第1貫通孔を備える貫通孔基板と、
前記第1共通液室内を、前記供給路側の第1メイン液室と前記第1貫通孔側の第1サブ液室とに区画すると共に、液体が流通する第1開口部を有する第1フィルターと、を備える
ことを特徴とする液体噴射ヘッド。 - 前記ノズル基板、前記流路基板、前記貫通孔基板及び前記第1フィルターのそれぞれが、単結晶シリコンで形成される
ことを特徴とする請求項1に記載の液体噴射ヘッド。 - 前記第1フィルターの前記第1開口部の開口面積は、前記第1貫通孔の開口面積よりも大きい
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の液体噴射ヘッド。 - 前記第1フィルターの厚さは、前記貫通孔基板の厚さよりも薄い
ことを特徴とする請求項1~3の何れか一項に記載の液体噴射ヘッド。 - 前記第1フィルターの前記第1開口部には、液体が通過する複数の孔部が形成され、これら複数の孔部は、前記貫通孔基板側ほど面積が狭いテーパー形状である
ことを特徴とする請求項1~4の何れか一項に記載の液体噴射ヘッド。 - 前記第1フィルターの前記第1サブ液室側の面は、撥液処理が施される
ことを特徴とする請求項1~5の何れか一項に記載の液体噴射ヘッド。 - 前記第1フィルターの前記第1メイン液室側の面は、親液処理が施される
ことを特徴とする請求項1~6の何れか一項に記載の液体噴射ヘッド。 - 前記ノズル基板が、前記貫通孔基板を兼ねる
ことを特徴とする請求項1~7の何れか一項に記載の液体噴射ヘッド。 - 前記第1貫通孔は、前記ノズルと同一形状である
ことを特徴とする請求項8に記載の液体噴射ヘッド。 - 前記流路基板は、前記圧力室を通過した液体のうち前記ノズルから噴射されない液体が排出される第2共通液室を有し、前記貫通孔基板は、前記第2共通液室に連通して前記第2共通液室の液体の圧力変動を吸収するためのメニスカスが形成される第2貫通孔を備え、
さらに、前記第2共通液室内を、第2メイン液室と、前記第2メイン液室よりも前記第2貫通孔側の第2サブ液室とに区画すると共に、液体が流通する第2開口部を有する第2フィルターを備える
ことを特徴とする請求項1~9の何れか一項に記載の液体噴射ヘッド。 - 請求項1~10の何れか一項に記載の前記液体噴射ヘッドを具備する
ことを特徴とする液体噴射装置。
Priority Applications (1)
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JP2021052913A JP2022150345A (ja) | 2021-03-26 | 2021-03-26 | 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置 |
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Family Applications (1)
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2021
- 2021-03-26 JP JP2021052913A patent/JP2022150345A/ja active Pending
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