JP2022150294A - 電動ポンプ - Google Patents

Abstract

【課題】電動ポンプを被取付体へ取り付ける取付箇所の大型化を抑制する。【解決手段】電動ポンプの一態様は、駆動軸を回転駆動させるモータ部と、上記モータ部に対し、軸方向の一方側に位置するポンプ部と、を備え、上記ポンプ部が、上記駆動軸の駆動力によって回転することで上記流体を吸入側から吐出側へと送るポンプロータと、上記ポンプロータの少なくとも前記一方側を覆うポンプハウジングと、を備え、更に、上記ポンプハウジングが、上記軸方向に広がって被取付体に接触する取付面と、上記流体が内部を流れて一方が吸入側となり他方が吐出側となる第１流路および第２流路と上記取付面の範囲内、かつ、上記軸方向に見て上記モータハウジングの最大外形内で固定部材によって上記被取付体に固定される固定箇所と、を備え、上記第１流路および第２流路それぞれの上記取付面における開口箇所が当該取付面上で互いに上記軸方向にずれる。【選択図】 図３

Description

本発明は、電動ポンプに関する。

従来、取付スペースの縮小化などを目的として、被取付体への取付面が側方に設けられた電動ポンプが知られる。

例えば特許文献１には、モータケースの底部における径方向の一側面には、外側に張り出す電動ポンプ取付部が形成され、電動ポンプ取付部には取付孔が複数形成された構造が示される。

特開２０１５－１０５６０１号公報

しかし、特許文献１の構造では、電動ポンプ取付部に設けられた取付孔の箇所がモータケースから外側に大きく張り出し、この結果、オイルポンプの取付けに大きなスペースが必要となる。
そこで、本発明は、電動ポンプを被取付体へ取り付ける取付箇所の大型化を抑制することを目的とする。

本発明に係る電動ポンプの一態様は、モータハウジングによって回転自在に支持された駆動軸を有し、当該駆動軸を回転駆動させるモータ部と、上記モータ部に対し、上記駆動軸に沿った軸方向の一方側に位置し、流体を吸入して吐出するポンプ部と、を備え、上記ポンプ部が、上記駆動軸の駆動力によって回転することで上記流体を吸入側から吐出側へと送るポンプロータと、上記ポンプロータの少なくとも前記一方側を覆うポンプハウジングと、を備え、更に、上記ポンプハウジングが、上記軸方向に広がって被取付体に接触する取付面と、上記流体が内部を流れて一方が吸入側となり他方が吐出側となる第１流路および第２流路と上記取付面の範囲内、かつ、上記軸方向に見て上記モータハウジングの最大外形内で固定部材によって上記被取付体に固定される固定箇所と、を備え、上記第１流路および第２流路それぞれの上記取付面における開口箇所が当該取付面上で互いに上記軸方向にずれる。

本発明に係る電動ポンプにおける他の一態様は、駆動軸を有し、当該駆動軸を回転駆動させるモータ部と、上記モータ部に対し、上記駆動軸に沿った軸方向の一方側に位置し、流体を吸入して吐出するポンプ部と、を備え、上記ポンプ部が、上記駆動軸の駆動力によって回転することで前記流体を吸入側から吐出側へと送るポンプロータと、上記ポンプロータの少なくとも上記一方側を覆うポンプハウジングと、を備え、更に、上記ポンプハウジングが、上記軸方向に広がって被取付体に接触する取付面と、上記流体が内部を流れて一方が吸入側となり他方が吐出側となる第１流路および第２流路と、上記取付面の範囲内で固定部材によって上記被取付体に固定される固定箇所と、を備え、上記第１流路および第２流路それぞれの上記取付面における開口箇所および上記固定箇所がいずれも、当該取付面側から見て上記駆動軸に対する片側に位置する。

本発明によれば、電動ポンプを被取付体へ取り付ける取付箇所の大型化を抑制することができる。

図１は、オイルポンプの構造を概念的に示す図である。 図２は、ポンプ部の外観を示す斜視図である。 図３は、軸方向一方側から見たポンプ部の外観を示す図である。 図４は、ポンプカバーの外観構造を示す斜視図である。 図５は、ポンプ部の動作を説明する図である。 図６は、ポンプカバーの内部に設けられた吸入路と吐出路の構造を示す構造図である。 図７は、軸方向一方側から見たポンプカバーを示す図である。 図８は、軸方向に垂直で取付面に平行な方向から見たポンプカバーを示す図である。 図９は、軸方向と取付面との双方に垂直な方向から見たポンプカバーを示す図である。 図１０は、ポンプ部１３０およびモータ部１１０を取付板部１３４とは反対側から見た外観を示す斜視図である。

以下、添付の図面を参照しながら、本開示および電動ポンプの実施形態を詳細に説明する。但し、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするため、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。また、先に説明した図に記載の要素については、後の図の説明において適宜に参照する場合がある。
図１は、オイルポンプの構造を概念的に示す図である。
オイルポンプ１００は、本発明の電動ポンプの一実施形態に相当する。
オイルポンプ１００は、モータ部１１０と、センサ部１２０と、ポンプ部１３０とを備える。
モータ部１１０は、電力の供給を受けて回転駆動力を生む。
センサ部１２０は、モータ部１１０の回転を検知する。
ポンプ部１３０は、モータ部１１０によって駆動され、オイルの吸入吐出を行う。
ポンプ部１３０は、本発明にいうポンプ部の一例に相当する。
モータ部１１０は、モータハウジング１１１と、駆動軸１１２と、ロータ１１３と、ステータ１１４と、軸受１１５とを備える。

駆動軸１１２は、モータ部１１０の回転駆動力を伝達する部材であり、軸受１１５を介してモータハウジング１１１に回転自在に支持される。つまり、モータ部１１０は、モータハウジング１１１によって回転自在に支持された駆動軸１１２を有し、当該駆動軸１１２を回転駆動させる

以下の説明では、方向の基準として駆動軸１１２を用い、駆動軸１１２に沿う方向を軸方向と称する場合がある。また、以下の説明では、図示の方向に関わらず、図１における下方側を軸方向一方側と称し、図１における上方側を軸方向他方側と称する場合がある。更に、以下の説明では、駆動軸１１２の回転中心線に対して垂直に近接乖離する方向を径方向と称し、駆動軸１１２に近い方を径方向内側と称し、駆動軸１１２から遠い方を径方向外側と称する場合がある。

モータハウジング１１１は、モータ部１１０およびオイルポンプ１００の全体を支える構造体であり、例えば板金のプレス加工によって形成される。モータハウジング１１１は、軸方向に筒状に延びた筒部１１１ａと、筒部１１１ａの軸方向一方側の端部から外側に広がったフランジ部１１１ｂとを有し、モータハウジング１１１は、フランジ部１１１ｂの外縁で最大外形となる。モータハウジング１１１は、内部にロータ１１３およびステータ１１４を収容する。
ロータ１１３は、駆動軸１１２に固定され、例えば永久磁石が組み込まれ、回転磁場の作用によって駆動軸１１２と共に回転する。

ステータ１１４は、ロータ１１３に対向してモータハウジング１１１内に収容され回転磁場を発生する。なお、本実施形態では、ステータ１１４がロータ１１３の径方向外側に配置されたインナーロータ型の構造が示されるが、本発明のモータは、ステータ１１４がロータ１１３の径方向内側に配置されたアウターロータ型の構造を有してもよい。

軸受１１５は、例えばボール軸受けであり、駆動軸１１２を回転自在に支持する。軸受１１５はローラ軸受けや滑り軸受けなどであってもよい。軸受１１５は、ロータ１１３を挟んで軸方向一方側と軸方向他方側に配置され、軸方向他方側の軸受１１５は、ハウジング１１１に固定され、軸方向一方側の軸受１１５は、例えばポンプ部１３０に保持される。

センサ部１２０は、基板ケース１２１を備え、基板ケース１２１には、ステータ１１４が有するコイルから引き出された導線の端部が導かれる。本実施形態では、基板ケース１２１が、モータ部１１０に対する配線の引き出しスペースとして用いられる。また、基板ケース１２１は、例えば内部にセンサ基板１２２を収容して保持する。センサ基板１２２は磁気センサを有し、例えば駆動軸１１２の回転位置や回転速度を検出する。基板ケース１２１は、センサ基板１２２と共に、あるいはセンサ基板１２２に代えて、制御基板やインバータ基板を収容してもよい。なお、本発明の電動ポンプはセンサ部１２０を有さないものでもよい。

ポンプ部１３０は、ポンプロータ１３１とポンプボディ１３２とポンプカバー１３３とを有する。ポンプ部１３０はモータハウジング１１１の軸方向一方側に配置される。言い換えると、ポンプ部１３０は、モータ部１１０に対し、駆動軸１１２に沿った軸方向の一方側に位置し、流体（一例としてオイル）を吸入して吐出する。本実施形態では流体がオイルであるものとして説明するが、以下の説明は一般的な流体について成立する。
ポンプロータ１３１は、駆動軸１１２の駆動力によって回転することでオイルを吸入側から吐出側へと送る。
図２は、ポンプ部１３０の外観を示す斜視図であり、図３は、軸方向一方側から見たポンプ部１３０の外観を示す図である。

ポンプボディ１３２はポンプロータ１３１を収容してモータハウジング１１１に固定される。本実施形態では、ポンプボディ１３２がポンプロータ１３１の収容空間を有し、ポンプカバー１３３が収容空間およびポンプロータ１３１の軸方向一方側を覆う蓋となる。
ポンプカバー１３３はポンプロータ１３１の少なくとも軸方向一方側を覆う本発明にいうポンプハウジングの一例に相当する。

本実施形態では、モータハウジング１１１とポンプボディ１３２とポンプカバー１３３とが個別の部材であるが、本発明の電動ポンプは、ポンプボディ１３２がモータハウジング１１１と一体化したものでもよく、あるいはポンプボディ１３２がポンプカバー１３３と一体化したものでもよい。ポンプボディ１３２がモータハウジング１１１と一体化した場合は、本発明にいうモータハウジングの一例に相当し、ポンプボディ１３２がポンプカバー１３３と一体化した場合は、本発明にいうポンプハウジングの一例に相当する。

ポンプカバー１３３は、ポンプボディ１３２に複数のボルト１８０でねじ止めされることでポンプボディ１３２と結合する。ボルト１８０は本発明にいう結合部材の一例に相当する。なお、本発明にいう結合部材としては、ボルトの他に圧入ピン、リベットなどが用いられ得る。

ポンプカバー１３３は、例えば自動車のオイルパンなど、オイルポンプ１００が取り付けられる被取付体にオイルポンプ１００を取り付けるための板状の取付板部１３４を有する。取付板部１３４は軸方向に広がった取付面１３４ａを有し、オイルポンプ１００は、取付面１３４ａが被取付体に接触した状態で固定部材によって被取付体に固定される。つまり、ポンプカバー１３３は、軸方向に広がって被取付体に接触する取付面１３４ａを有する。また、ポンプカバー１３３は、軸方向一方側へと板状に突き出して取付面１３４ａを有した取付板部１３４を備える。固定部材としては例えばボルト、圧入ピン、リベットなどが用いられ得る。本実施形態では、固定部材として、分解容易性などが考慮されてボルトが採用される。

ポンプカバー１３３は、オイルが内部を流れて一方が吸入側となり他方が吐出側となる第１流路１４０（図６参照）および第２流路１５０（図６参照）を有し、第１流路１４０および第２流路１５０それぞれの開口１４１，１５１が取付面１３４ａ上に存在する。各開口１４１，１５１は、互いの位置が軸方向（図２の上下方向）に異なる。

本実施形態ではオイルが第１流路１４０側から吸入され第２流路１５０側に吐出されるので、以下の説明では、第１流路１４０を吸入路１４０と称し、第２流路１５０を吐出路１５０と称する場合がある。また、取付面１３４ａ上の第１流路（吸入路）１４０の開口１４１を吸入口１４１と称し、取付面１３４ａ上の第２流路（吐出路）１５０の開口１５１を吐出口１５１と称する場合がある。

取付面１３４ａ上には、固定部材の一例であるボルトによって被取付体に固定される固定箇所１６１，１６２，１６３，１６４が複数箇所（例えば４箇所）設けられる。４つの固定箇所１６１，……，１６４のうち第２の固定箇所１６２を除いた３つの固定箇所１６１，１６３，１６４は、図３に示すように、軸方向に見てモータハウジング１１１のフランジ部１１１ｂの範囲内に位置する。

本実施形態では、ポンプカバー１３３が、取付面１３４ａの範囲内、かつ、軸方向に見てモータハウジング１１１の最大外形内で固定部材によって被取付体に固定される固定箇所１６１，１６３，１６４を備え、且つ、第１流路１４０および第２流路１５０それぞれの取付面１３４ａにおける開口１４１，１５１の箇所が当該取付面１３４ａ上で互いに軸方向にずれる。開口（即ち吸入口１４１および吐出口）の箇所が軸方向にずれたことで、第１流路１４０および第２流路１５０が全体として径方向にサイズ抑制され、更に、固定箇所１６１，１６３，１６４がモータハウジング１１１の最大外形内に収まることで、取付板部１３４の大型化が抑制される。

なお、本実施形態では、取付面１３４ａにおける吸入口１４１および吐出口１５１の箇所は、取付面１３４ａ上で互いに、軸方向と交わる方向（図の左右方向）にもずれる。これにより吸入口１４１および吐出口１５１を径方向と軸方向との双方で近接することができるので、吸入路１４０および吐出路１５０が全体として径方向と軸方向との双方でサイズ抑制され、取付板部１３４の大型化が軸方向と径方向の双方について抑制される。

４つの固定箇所１６１，……，１６４のうち第１の固定箇所１６１は、図２の奥側から手前側に（即ちオイルポンプ１００側から被取付体側に）ボルトが貫通する貫通孔であり、第２の固定箇所１６２は、図２の手前側から奥側に（即ち被取付体側からオイルポンプ１００側に）ボルトが捻り入れられる、取付板部１３４を貫通した雌ねじ穴である。
第３および第４の固定箇所１６３，１６４は、取付面１３４ａ側から凹んで底を有した有底穴であるとともに、開口側が広くて奥側が狭い段付き穴であり、奥側の狭い部分１６３ｂ，１６４ｂは雌ねじ穴である。

第３および第４の固定箇所１６３，１６４における開口側の広い部分１６３ａ，１６４ａは、内壁（円筒部分および底部分を含む）が、被取付体に設けられるリング状の位置決め突起と接触することで位置決めに用いられる。つまり、第３および第４の固定箇所１６３，１６４は、取付面１３４ａに開口し、開口側の内径より奥側の内径が小さい段付き穴であり、当該段付き穴の開口側１６３ａ，１６４ａが被取付体の位置決め突起と接触し、当該段付き穴の奥側１６３ｂ，１６４ｂが固定部材と接触する。従って、位置決めと固定が１つの固定箇所に集約されるので取付板部１３４の大型化が更に抑制される。なお、開口側１６３ａ，１６４ａにおける位置決め突起との接触は、内壁の円筒部分および底部分の一方のみの接触でもよい。

取付板部１３４の大型化は、少なくとも１つの固定箇所１６１，……，１６４がモータハウジング１１１の最大外形内に収まることで抑制される。但し、４つの固定箇所１６１，……，１６４のうち高々１つの例外的な固定箇所１６２を除いて他の全ての固定箇所１６１，１６３，１６４がモータハウジング１１１の最大外形内に収まることで、取付板部１３４の大型化抑制が更に図られる。また、貫通孔の固定箇所１６１がモータハウジング１１１の最大外形内に収まると、オイルポンプ１００側から固定部材（ボルト）を固定箇所１６１に進入させるスペースもモータハウジング１１１の最大外形内に収まることになり、大型化抑制に効果的である。更に、貫通孔の固定箇所１６１と雌ねじ孔を有した固定箇所１６２，１６３，１６４との双方がモータハウジング１１１の最大外形内に少なくとも１つずつ存在する場合には、オイルポンプ１００側と被取付体側との双方から固定部材（ボルト）で強固に固定されるため、大型化抑制と固定強度向上との双方が実現される。
図４は、ポンプカバー１３３の外観構造を示す斜視図である。
図４には、取付板部１３４の取付面１３４ａが示されると共に、ポンプボディ１３２およびポンプロータ１３１を覆うカバー面１３３ａも示される。

ポンプカバー１３３のカバー面１３３ａには、吸入路１４０の開口１４２ａと吐出路１５０の開口１５２ａが設けられ、各開口１４２ａ，１５２ａは、駆動軸１１２を巡る周方向に延びた弧状の開口である。ポンプカバー１３３には、カバー面１３３ａ上の各開口１４２ａ，１５２ａから軸方向一方側へと凹んだ吸入ポート１４２および吐出ポート１５２が設けられる。

図４には、駆動軸１１２の中心線が一点鎖線で示され、取付板部１３４の取付面１３４ａに設けられた吸入口１４１、吐出口１５１、および４つの固定箇所１６１，……，１６４は、一点鎖線で示された駆動軸１１２の中心線よりも図の左側に位置している。つまり、第１流路１４０および第２流路１５０それぞれの取付面１３４ａにおける開口１４１，１５１および固定箇所１６１，１６２，１６３，１６４がいずれも、当該取付面１３４ａ側から見て駆動軸１１２に対する片側に位置する。このように片側に寄った配置によれば、取付面１３４ａを有した取付板部１３４の大型化が抑制される。
ここで、ポンプ部１３０の動作について説明する。
図５は、ポンプ部１３０の動作を説明する図である。

ポンプ部１３０のポンプロータ１３１は、駆動軸１１２に固定されたインナーロータ１３１ａと、インナーロータ１３１ａに噛み合ったアウターロータ１３１ｂとを有する。
ポンプカバー１３３に設けられた吸入ポート１４２および吐出ポート１５２はポンプロータ１３１側に向いて開口する。

インナーロータ１３１ａが駆動軸１１２とともに回転駆動されることにより、アウターロータ１３１ｂはインナーロータ１３１ａの回転中心とは異なる位置の回転中心周りに回転する。インナーロータ１３１ａとアウターロータ１３１ｂとで回転中心の位置が異なっていることにより、インナーロータ１３１ａとアウターロータ１３１ｂとの間には、オイルが入る部屋（空間）１３１ｃが生じる。オイルの部屋１３１ｃは、ポンプロータ１３１の回転に伴って移動し、例えば図５に示す右回りの回転であれば、オイルの部屋１３１ｃも右回りに移動する。その結果、吸入ポート１４２側から吐出ポート１５２側へとオイルが送られて、オイルの吸入と吐出が実現する。

駆動軸１１２の回転駆動が図５とは逆の左回りとなることで、オイルの吸入と吐出も逆向きとなるが、説明の便宜上、図５に示す右回りに駆動軸１１２およびポンプロータ１３１が回転駆動されるものとする。
図６は、ポンプカバー１３３の内部に設けられた吸入路１４０と吐出路１５０の構造を示す構造図である。

吸入路１４０は、上述した吸入口１４１と吸入ポート１４２を有する。また、吸入路１４０は、吸入口１４１から取付面１３４ａと交わる方向へと延びて吸入ポート１４２に繋がる延伸部１４３を有する。

吸入ポート１４２は、ポンプロータ１３１に向いた開口１４２ａから軸方向一方側へと凹むと共に、軸方向一方側の底は、開口１４２ａの広さよりも狭まる。吸入ポート１４２は全体として弧状に曲がって延び、弧状の一端１４２ｂが延伸部１４３に繋がる。

吐出路１５０は、上述した吐出口１５１と吐出ポート１５２を有する。また、吐出路１５０は、吐出口１５１から取付面１３４ａと交わる方向へと延びた取付側延伸部１５３と、吐出ポート１５２から、軸方向と交わり取付面１３４ａに沿った方向へと延びたポンプ側延伸部１５４とを有する。

取付側延伸部１５３とポンプ側延伸部１５４とは繋がっているが、取付側延伸部１５３（の中心線）とポンプ側延伸部１５４（の中心線）とは軸方向にずれたねじれの位置にある。ポンプ側延伸部１５４の、吐出ポート１５２とは反対側の端部１５４ａは、図示が省略されたキャップ部材で塞がれる。

吐出ポート１５２は、ポンプロータ１３１に向いた開口１５２ａから軸方向一方側へと凹むと共に、軸方向一方側の底は、開口１５２ａの広さよりも狭まる。また、吐出ポート１５２の底は、吸入ポート１４２の底と較べて軸方向他方側に位置し、開口１４２ａ，１５２ａから底までの深さは吸入ポート１４２の方が吐出ポート１５２よりも深い。

図５に示すポンプロータ１３１と、ポンプロータ１３１の収容空間と、図６に示す吸入路１４０および吐出路１５０とを併せたものは、ポンプ部１３０の機能を担う機能部分である。

上述した取付面１３４ａ上に設けられた４つの固定箇所のうち第４の固定箇所１６４は、取付面１３４ａ側に開口した有底の凹部であり、当該凹部を底側に延長した先にはポンプ部１３０の機能部分に含まれる吸入ポート１４２が存在する。このような位置に第４の固定箇所１６４が設けられることにより、取付面側から見てポンプ部１３０の機能部分と重なる箇所でも固定部材で固定可能であるため取付板部１３４の大型化が更に抑制される。

上述したように本実施形態では取付板部１３４の大型化が抑制されるが、取付板部１３４は軸方向一方側へと板状に突き出した構造であるため、モータ部１１０およびポンプ部１３０の駆動に伴う振動が生じやすく、騒音や破損を抑制する構造が求められる。

図７は、軸方向一方側から見たポンプカバー１３３を示す図であり、図８は、軸方向に垂直で取付面１３４ａに平行な方向から見たポンプカバー１３３を示す図であり、図９は、軸方向と取付面１３４ａとの双方に垂直な方向から見たポンプカバー１３３を示す図である。図１０は、ポンプ部１３０およびモータ部１１０を取付板部１３４とは反対側から見た外観を示す斜視図である。

ポンプカバー１３３の軸方向一方側には、複数種類のリブが組み合わされて形成され、これらのリブによってポンプカバー１３３の剛性が高められる。各リブは、軸方向一方側へと板状に突き出すとともに、図７の紙面に沿って延びる。具体的には、取付面１３４ａと垂直に延びた直交リブ１７１，１７２と、取付面１３４ａに平行に延びた平行リブ１７３，１７４，１７５と、取付面１３４ａに対して斜めに延びる斜行リブ１７６と、弧状に延びる弧状リブ１７７，１７８が設けられる。

言い換えると、ポンプカバー１３３は、軸方向一方側へと板状に突き出して取付面１３４ａに交わる方向（一例として直交方向）へと延びた直交リブ１７１，１７２を備える。直交リブ１７１，１７２によってポンプハウジングの剛性が向上して振動が抑制される。

また、ポンプカバー１３３は、軸方向一方側へと板状に突き出して取付面１３４ａに沿う方向（一例として平行方向）へと延びた平行リブ１７３，１７４，１７５を備える。平行リブによってもポンプカバー１３３の剛性が向上して振動が抑制される。

また、ポンプカバー１３３は、軸方向一方側へと板状に突き出して、結合部材であるボルト１８０と固定箇所１６１，１６４とを繋ぐ方向に延びた斜行リブ１７６を備える。斜行リブ１７６によってポンプカバー１３３の剛性が向上して振動が抑制される。また結合部材であるボルト１８０も作用的にリブの一部（延長）として利用することができる。
斜行リブ１７６が設けられることにより、図１０に示すように、取付板部１３４の固定箇所１６１から斜行リブ１７６、ボルト１８０、ポンプボディ１３２を経て、モータハウジング１１１のリブ１１１ｃに至る構造体が形成される。この構造体により、ポンプカバー１３３からモータハウジング１１１までの剛性が向上する。また、この構造体は、取付面１３４ａに交わる方向へと延びて、複数のボルト１８０のうち取付板部１３４から最も離れたボルト１８０を通るので、ポンプカバー１３３、ポンプボディ１３２、およびモータハウジング１１１を取付板部１３４と一体化させて剛性をより向上させる。

更に、ポンプカバー１３３は、軸方向一方側へと板状に突き出し、駆動軸１１２を巡る周方向、かつ、結合部材であるボルト１８０同士を繋ぐ方向に延びた弧状リブ１７７，１７８を備える。弧状リブによってポンプハウジングの剛性が向上して振動が抑制される。また結合部材であるボルト１８０作用的にリブの一部（延長）として利用することができる。

ポンプカバー１３３は、上述した直交リブ１７１，１７２と、平行リブ１７３，１７４，１７５と、斜行リブ１７６と、弧状リブ１７７，１７８とのうち、複数種類のリブを併せ持つと剛性が相乗的に向上するので望ましい。

第１の直交リブ１７１は取付板部１３４から延びており、取付板部１３４を直接支えてポンプカバー１３３の剛性を高める。また、第２の直交リブ１７２は、軸方向一方側へと板状に突き出して、結合部材であるボルト１８０同士を繋ぐ方向に延びる。第２の直交リブ１７２によってポンプカバー１３３の剛性が向上して振動が抑制される。また結合部材であるボルト１８０も作用的にリブの一部（延長）として利用することができる。

各直交リブ１７１，１７２は、図８に示すように稜線が斜めに傾き、各直交リブ１７１，１７２の高さは、取付板部１３４側（図８の右側）の方が反対側よりも高い。これにより、剛性向上を図りながら大型化抑制も図ることができる。また、平行リブ１７３，１７４，１７５同士で高さを較べると、取付板部１３４側（図８の右側）の方が反対側（図８の左側）よりも高い。これによっても剛性向上を図りながら大型化抑制を図ることができる。

第１の平行リブ１７３は、取付面１３４ａに沿う方向へと取付板部１３４から延びる。また、第１の平行リブ１７３は結合部材であるボルト１８０に向かって延びる。また、第１の平行リブ１７３の一部がボルト１８０を囲う。このような第１の平行リブ１７３により、ポンプカバー１３３の剛性が増すと共に、ボルト１８０が作用的にリブの一部（延長）として利用される。

平行リブ１７３，１７４，１７５は、図９に示すように稜線が斜めに傾き、取付板部１３４側（図９の左側）の方が反対側よりも高い。これにより、剛性向上を図りながら大型化抑制も図ることができる。

なお、ここでは、本発明の電動ポンプにおける使用方法の一例としてオイルポンプが挙げられるが、本発明の電動ポンプの使用方法は上記に限定されない。本発明の電動ポンプは、水や空気などを吸入吐出するポンプにも使用可能である。
また上記ではプレス加工により形成されたモータハウジングが例示されるが、本発明にいうモータハウジングは、ダイカストで形成されてもよいし、あるいは射出成形で形成されてもよい。

上述した実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。

１００ ：オイルポンプ
１１０ ：モータ部
１１１ ：モータケース
１１２ ：駆動軸
１１３ ：ロータ
１１４ ：ステータ
１１５ ：軸受
１２０ ：センサ部
１２１ ：基板ケース
１２２ ：センサ基板
１３０ ：ポンプ部
１３１ ：ポンプロータ
１３１ａ ：インナーロータ
１３１ｂ ：アウターロータ
１３２ ：ポンプボディ
１３３ ：ポンプカバー
１３３ａ ：カバー面
１３４ ：取付板部
１３４ａ ：取付面
１４０ ：吸入路（第１流路）
１４１ ：吸入口（開口）
１４２ ：吸入ポート
１４２ａ ：吸入路の開口
１４３ ：延伸部
１５０ ：吐出路（第２流路）
１５１ ：吐出口（開口）
１５２ ：吐出ポート
１５２ａ ：吐出路の開口
１５３ ：取付側延伸部
１５４ ：ポンプ側延伸部
１６１，１６２，１６３，１６４ ：固定箇所
１７１，１７２ ：直交リブ
１７３，１７４，１７５ ：平行リブ
１７６ ：斜行リブ
１７７，１７８ ：弧状リブ
１８０ ：ボルト

Claims (11)

1. モータハウジングによって回転自在に支持された駆動軸を有し、当該駆動軸を回転駆動させるモータ部と、
   前記モータ部に対し、前記駆動軸に沿った軸方向の一方側に位置し、流体を吸入して吐出するポンプ部と、を備え、
   前記ポンプ部が、
   前記駆動軸の駆動力によって回転することで前記流体を吸入側から吐出側へと送るポンプロータと、
   前記ポンプロータの少なくとも前記一方側を覆うポンプハウジングと、を備え、
   更に、前記ポンプハウジングが、
   前記軸方向に広がって被取付体に接触する取付面と、
   前記流体が内部を流れて一方が吸入側となり他方が吐出側となる第１流路および第２流路と、
   前記取付面の範囲内、かつ、前記軸方向に見て前記モータハウジングの最大外形内で固定部材によって前記被取付体に固定される固定箇所と、を備え、
   前記第１流路および前記第２流路それぞれの前記取付面における開口箇所が当該取付面上で互いに前記軸方向にずれた電動ポンプ。
2. 駆動軸を有し、当該駆動軸を回転駆動させるモータ部と、
   前記モータ部に対し、前記駆動軸に沿った軸方向の一方側に位置し、流体を吸入して吐出するポンプ部と、を備え、
   前記ポンプ部が、
   前記駆動軸の駆動力によって回転することで前記流体を吸入側から吐出側へと送るポンプロータと、
   前記ポンプロータの少なくとも前記一方側を覆うポンプハウジングと、を備え、
   更に、前記ポンプハウジングが、
   前記軸方向に広がって被取付体に接触する取付面と、
   前記流体が内部を流れて一方が吸入側となり他方が吐出側となる第１流路および第２流路と、
   前記取付面の範囲内で固定部材によって前記被取付体に固定される固定箇所と、を備え、
   前記第１流路および前記第２流路それぞれの前記取付面における開口箇所および前記固定箇所がいずれも、当該取付面側から見て前記駆動軸に対する片側に位置した電動ポンプ。
3. 前記固定箇所は、前記取付面側に開口した有底の凹部であり、当該凹部を底側に延長した先には前記ポンプ部の機能部分が存在する請求項１または２に記載の電動ポンプ。
4. 段落２１
   前記固定箇所は、前記取付面に開口し、開口側の内径より奥側の内径が小さい段付き穴であり、当該段付き穴の開口側が前記被取付体の位置決め突起と接触し、当該段付き穴の奥側が前記固定部材と接触する請求項１から３のいずれか１項に記載の電動ポンプ。
5. 前記ポンプハウジングが更に、
   前記一方側へと板状に突き出して前記取付面を有する取付板部と、
   前記一方側へと板状に突き出して前記取付面に交わる方向へと延びた第１リブと、
   を備えた請求項１から４のいずれか１項に記載の電動ポンプ。
6. 前記第１リブの高さは、前記取付板部側の方が反対側よりも高い請求項５に記載の電動ポンプ。
7. 前記ポンプハウジングが更に、
   前記一方側へと板状に突き出して前記取付面を有する取付板部と、
   前記一方側へと板状に突き出して前記取付面に沿う方向へと延びた第２リブと、
   を備えた請求項１から６のいずれか１項に記載の電動ポンプ。
8. 前記ポンプハウジングが更に、
   前記一方側へと板状に突き出して前記取付面を有する取付板部と、
   前記ポンプハウジングを、前記一方側に対する他方側に位置する他の部材と結合する結合部材と、
   前記一方側へと板状に突き出して、前記結合部材と前記固定箇所とを繋ぐ方向に延びた第３リブと、
   を備えた請求項１から７のいずれか１項に記載の電動ポンプ。
9. 前記ポンプハウジングが更に、
   前記一方側へと板状に突き出して前記取付面を有する取付板部と、
   前記ポンプハウジングを、前記一方側に対する他方側に位置する他の部材と結合する複数の結合部材と、
   前記一方側へと板状に突き出して、前記結合部材同士を繋ぐ方向に延びた第４リブと、
   を備えた請求項１から８のいずれか１項に記載の電動ポンプ。
10. 前記ポンプハウジングが更に、
    前記一方側へと板状に突き出して前記取付面を有する取付板部と、
    前記ポンプハウジングを、前記一方側に対する他方側に位置する他の部材と結合する複数の結合部材と、
    前記一方側へと板状に突き出し、前記駆動軸を巡る周方向、かつ、前記結合部材同士を繋ぐ方向に延びた第５リブと、
    を備えた請求項１から９のいずれか１項に記載の電動ポンプ。
11. 前記ポンプハウジングが更に、
    前記一方側へと板状に突き出して前記取付面を有する取付板部と、
    前記一方側へと板状に突き出して前記取付面に沿う方向へと前記取付板部から延びた第６リブと、
    を備えた請求項１から１０のいずれか１項に記載の電動ポンプ。

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