JP2022150008A - 鞍乗り型の乗り物の座席に用いられる、エッジ部を有するシートクッション、及びその製造方法 - Google Patents

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Eikichi Sato
徹也 益子
Tetsuya Masuko
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Wataru Tsunoda
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裕介 青山
Yusuke Aoyama
重幸 小澤
Shigeyuki Ozawa
樹人 横山
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Abstract

【課題】エッジ部を有する、鞍乗り型の乗り物用のシートクッションについて、表皮及び支持台に容易に留め付けられるようにするとともに、水はけ性を改善する。【解決手段】芯鞘型の融着性繊維と、骨格繊維とが、繊維同士の交差箇所で熱融着されて形成される3次元繊維構造を有し、融着性繊維の鞘は、熱可塑性エラストマーから形成され、これが繊維同士の融着点に偏在することで、融着点ごとに膨出部分を形成しており、骨格繊維、及び、融着性繊維の芯は非エラストマー樹脂から形成されており、骨格繊維は、捲縮処理が施された嵩高繊維であり、骨格繊維及び融着性繊維の繊度は、1~200dtexの範囲内であり、シートクッションは、それぞれに前記の3次元繊維構造を有する複数の層が互いに熱融着された形態の積層構造を有し、シートクッションの部位ごとの積層構造に起因して密度及び剛性の分布を有する。【選択図】図3

Description

本発明は、オートバイやパーソナルウォータクラフト(PWC;水上オートバイ)などの鞍乗り型の乗り物の座席に用いられるシートクッション(seat cushion)及びその製造方法に関する。より具体的には、シートクッションの周縁の少なくとも一部に沿って、エッジ部が備えられるものに関する。ここでのエッジ部は、周縁をなす部分であって、典型的には、乗員の体重を垂直下方から支える狭義の座部の近傍などの、内側にある他の領域よりも厚みが小さい部分、または、周縁に向かって厚みがテーパー状に小さくなって行く部分である。
各種のシートクッションには、一般に、軟質のウレタン樹脂発泡体が用いられている。ウレタン樹脂発泡体であると、一般に、樹脂原料となるポリエーテルまたはポリエステル、ポリカーボネートなどのポリオール、ポリイソシアネートの選択や、発泡成形条件の設定などの最適化により、多様な要求に応じた物性を比較的容易に実現できる。
一方、クッション材としては、ポリエステルなどの熱可塑性樹脂からなる網状の三次元構造のクッション材も一部に用いられており、近年、列車用の座席や、寝具(マットレス)などとしての開発が進められている。このような、ポリエステルなどからなる三次元構造のクッション材は、通気性が高く、再生利用も容易である。このようなクッション材として、帝人フロンティア株式会社の高機能ポリエステルクッション材「エルク」(登録商標)や、東洋紡株式会社の「ブレスエアー」(登録商標)が知られている。東洋紡株式会社の「ブレスエアー」(登録商標)は、インスタントラーメンを細く嵩高にしたような外観を有しており、オートバイ(自動二輪)の座席への利用も行われているとされている(非特許文献2)。
これに対し、帝人フロンティア株式会社の高機能ポリエステルクッション材「エルク」(登録商標)は、一種のサーマルボンド不織布の形態の三次元構造を有し、軟質のウレタン樹脂発泡体に類似の外観、弾力性及び耐久性を実現可能である(非特許文献1)。そのため、ブラカップや、ベビーカー用のクッション、寝装用クッション、家具用クッションなどへも利用されている。高機能ポリエステルクッション材「エルク」(登録商標)は、捲縮処理が施された嵩高繊維を用いるともに、繊維同士が交絡して融着する箇所に、融着性樹脂が偏在して強化されるという独特の三次元構造により、優れたクッション性及び耐久性を実現可能となっている。
また、高機能ポリエステルクッション材「エルク」(登録商標)について、アコーディオン状に折り畳むことで垂直に配向させたタテ型不織布とすることが行われている(非特許文献3)。そして、このようなタテ型不織布としてのシート状弾性体を積層し、金型内で加熱及び加圧して融着させることで、自動車用座席用のシートクッション構造体を得ることも試みられている(特許文献1~2)。
特許5308152(国際公開WO2007/114229) 特開平8-318066
吉田 誠「3次元弾性繊維構造体『エルク』の開発」SEN'IGAKKAISHI(繊維と工業)Vol.52,No.12(1996) 「ブレスエアー(登録商標)とは」(東洋紡株式会社ホームページ)https://www.toyobo.co.jp/seihin/breathair/what_breathair.htm elk(登録商標)ホームページ「組み合わせのご提案」(帝人フロンティア株式会社)https://www.elk-fiber.net/combination
近距離の街乗り用といえるスクータータイプのオートバイ(例えば、ヤマハ発動機株式会社の「VINO」(登録商標))であると、座席のシートクッションは、周縁部が、垂直の壁部または膨出面をなし、エッジ部を有しない場合が多い。一方、ツーリングやオフロード走行が可能なオートバイであると、座席のシートクッションは、エッジ部を有している場合が多い。パーソナルウォータクラフト(水上オートバイ)の座席のシートクッションも、エッジ部を有している場合が多い。
シートクッションは、通常、表皮が被されるのであるが、表皮が、鞍乗り型の乗り物の本体、または、エンジン室や収納室などの蓋(支持台)に、ひもなどを用いて留め付けられることで、固定される。この際、エッジ部を有するシートクッションであると、エッジ部が表皮により押されて、シートクッションの内側へと引き込まれてしまいうる。そこで、シートクッションの周縁に沿ってフレーム材を配置するか、または、固定の様式を工夫するなどの必要がある。
また、シートクッションは、水はけ性が、ある程度良好であることが好ましい。例えば、激しい雨や水しぶきに曝され続ける場合、表皮の縫い目や、表皮を固定するための、ひもや糸を通す孔から水が入り込んで、シートクッションが多量の水を含んでしまうことになりうる。このような場合、水はけ性が悪いと、重量が増加するなどの理由から取り扱いが難しくなる可能性がある。特には、シートクッションが取り付けられている支持部が、エンジン室や収納室などの蓋をなしている場合、このような蓋を開けるのに苦労する場合も生じ得る。
一方、上述のように「エルク」(登録商標)などのシート(sheet)状弾性体を相互に融着させて弾性成形体とする方式でもって、エッジ部を有する成形体を得ようとすると、製造工程にかなりの工夫を要することが予想され、また、そのような形状の用途に用いるメリットも見いだせなかった。したがって、「エルク」(登録商標)をはじめとする、熱可塑性繊維からなる網状の三次元構造のクッション材が開発されてから、そのようなエッジ部を有する成形体は、全く報告されていなかった。本件発明は、工程上の数々の工夫を経て初めてなし得たものであり、新たな用途とそこでの課題の発見に基づいてなし得たものである。
本発明の好ましい実施形態による、鞍乗り型の乗り物用のシートクッションは、エッジ部を有するものであって、芯鞘型の融着性繊維と、骨格繊維とが、繊維同士の交差箇所で熱融着されて形成される3次元繊維構造を有し、融着性繊維の鞘は、ポリエステル・ポリエーテルエラストマー、または、その他の熱可塑性エラストマーから形成され、この熱可塑性エラストマーは、繊維同士の融着点に偏在することで、融着点ごとに膨出部分を形成しており、骨格繊維、及び、融着性繊維の芯は非エラストマー樹脂から形成されており、骨格繊維は、捲縮処理が施された嵩高繊維であり、骨格繊維及び融着性繊維の繊度は、1~200dtexの範囲内であり、シートクッションは、それぞれに前記の3次元繊維構造を有する複数の層が互いに融着された形態の積層構造を有し、シートクッションの部位ごとの積層構造に起因して密度分布を有し、この密度分布に依存する剛性の分布を有する。
好ましい実施形態によると、前記積層構造をなす複数の層のうちの少なくとも一つは、シートクッションの周縁にまで延びており、前記積層構造をなす複数の層には、厚み方向に繊維を配向させた縦型配向の層が複数含まれている。また、好ましい実施形態によると、前記エッジ部は、シートクッションの周縁の少なくとも一部に沿って備えられる、他の領域よりも厚みの小さい部分、または、この周縁に向かって厚みがテーパー状に小さくなって行く部分である。
好ましい実施形態によると、シートクッションは、前記エッジ部にて、他の領域よりも密度及び剛性が高く、前記エッジ部以外にて、密度のレベルが互いに異なる少なくとも2つの領域を備える。好ましい実施形態によると、前記エッジ部は、密度が40kg/m3よりも大きく、特には45kg/m3以上または50kg/m3以上であり、シートクッションの形状を保持するための保形フレームをなす。また、好ましい実施形態によると、シートクッションは、前記エッジ部以外における密度が、40kg/m3よりも小さく、特には20~35kg/m3の範囲内にある。
本発明の好ましい実施形態による、鞍乗り型の乗り物用のシートクッションの製造方法は、非エラストマー樹脂からなる繊維に捲縮加工を施して、嵩高繊維として骨格繊維を準備し、また、非エラストマー樹脂からなる芯にポリエステル・ポリエーテルエラストマー、または、その他の熱可塑性エラストマーから形成された鞘を被せて、芯鞘型の融着性繊維を準備し、ここで、骨格繊維及び融着性繊維の繊度は、1~200dtexの範囲内であり、芯鞘型の融着性繊維と、骨格繊維とを、短繊維の状態で混合して加熱することにより、繊維同士の交差箇所で熱融着された3次元繊維構造を有するシート状弾性体を形成し、この際、融着性繊維の鞘をなす熱可塑性エラストマーは、繊維同士の融着点に偏在することで、融着点ごとに膨出部分を形成し、この際、厚み方向に繊維が配向された縦型配向のシート状弾性体を得るためには、縦型に配向される前のシート状弾性体を、アコーディオン式に褶曲させて折り畳んでから互いに融着させるのであり、このように得られた複数のシート状弾性体を重ね合わせて、金型内で、加圧しつつ熱を加えることにより、シート状弾性体を互いに熱融着させるとともに、金型の内面に沿ったシートクッションの成形を行い、この際、複数のシート状弾性体には縦型配向のものが複数含まれており、シートクッションの部位ごとにおける、金型内での圧縮の度合い、並びに、シート状弾性体の密度、厚み、及び、積層の枚数に起因して、密度分布が形成され、また、これに依存する剛性の分布が形成され、エッジ部にて、他の領域よりも密度及び剛性が高く、前記エッジ部以外にて、密度のレベルが互いに異なる少なくとも2つの領域を備える。
本発明の実施形態によると、周縁のエッジ部について、別途のフレーム材を用いることなく、容易に剛直な構造とすることができ、シートクッションを鞍乗り型の乗り物に装着するための、構造または手順をシンプルなものとすることができる。また、本発明の実施形態によると、微細な網状の特殊な三次元構造を有するので、ウレタン樹脂発泡体と同様のクッション性、特には、体圧分散性を実現できるとともに、良好な水はけ性を実現することができる。
パーソナルウォータクラフト(PWC)用のシートクッションの一例(2人乗り)を、表皮付きの状態で示す写真である。 パーソナルウォータクラフト(PWC)用のシートクッションの他の一例(3人乗り)を、図1Aと同様に、表皮付きの状態で示す写真である。 オートバイ用のシートクッションの一例を、図1A~1Bと同様に、表皮付きの状態で示す、外観斜視図である。 シートクッションの下面側を成形する上型を示す写真である。 シートクッションの上面側を成形する下型を示す写真である。 シートクッションにおける、密度及び剛性が異なる複数の領域について説明するための、模式的な平面図である。ここでは、シートクッションを平坦に押し広げた形態にて示す。 「エルク」(登録商標)のシート状弾性体が積層されて融着された様子を示す切断面の写真である。シートクッションの前後方向及び垂直方向に沿って切断されており、特に、操縦座部(操縦者を下方から支持する箇所)及びその後方の盛り上がり部(楕円部)について示す。 操縦座部及びその後方部を形成するために、「エルク」(登録商標)のシート状弾性体を金型内にて配置し重ね合わせる形態の一例について示す、図4Aに対応する模式図である。 左右のエッジ部を形成するために、「エルク」(登録商標)のシート状弾性体を金型内にて配置し重ね合わせる形態の一例について示す模式的な積層断面図である。 左右のエッジ部を形成するために、「エルク」(登録商標)のシート状弾性体を金型内にて配置し重ね合わせる形態の他の一例について示す模式的な積層断面図である。
好ましい実施形態によるシートクッションは、後で詳しく述べるように、「エルク」(登録商標)のシート状弾性体を、金型内で積層させて融着することで得られる、一体に形成された多孔性弾性体である。そして、別途のフレーム材が組付けられないエッジ部を有する。すなわち、シートクッションを成形する際に、別途のフレーム材を埋め込むか、または、成形中または成形後に、別途のフレーム材を取り付けることなしに、鞍乗り型の乗り物における支持部に装着される。この装着は、表皮を被(かぶ)せて、ひもなどにより留め付けるといった操作により行うことができる。
別途のフレーム材を省くためには、金型内でシートクッションを成形する際に、エッジ部が、剛直に形成されるようにする。具体的には、エッジ部について、他の部位に比べて圧縮の度合いを大きくしたり、積層枚数を多くしたりするなどの方策により、密度を増大させることができる。「エルク」(登録商標)のシート状弾性体は、一般に、金型内での成形時に密度を増大させると、この密度にほぼ比例するようにして剛性が増大する。なお、「エルク」(登録商標)のシート状弾性体を金型内で融着させて得た弾性成形体は、剛性について、JIS K6400-2:2012「軟質発泡材料-物理特性-第2部:硬さ及び圧縮応力-ひずみ特性の求め方」に準じた方法により40%定圧縮時の硬さまたは25%定圧縮時の硬さを測定することで評価することができる。すなわち、フレーム材を代替する形状保持性について、このような定圧縮時の硬さによって評価できると考えられる。
シートクッションを製造するのに用いられる、「エルク」(登録商標)のシート状弾性体(以下、単に「シート状弾性体」という)としては、上述のタテ型不織布を主として用いるのが好ましい。一の好ましい形態において、アコーディオン状に折り畳む前の「エルク」(登録商標)のシート、すなわち縦型配向(シート厚み方向の配向)を有さず、特に配向していないか、または、シートに水平の方向に繊維が配向されたシート状弾性体を、部分的に用いることができる。特には、操縦者の体重を垂直下方から支える箇所(以下、操縦座部という)の近傍に局部的に配置することができる。なお、好ましい形態において、各シート状弾性体は、製造の便宜から、厚み及び密度が実質的に均一である。
図1A~1Cには、シートクッションの例について、表皮付きの状態で示す。表皮は、典型的には、合成皮革であり、例えば、ナイロンやポリエステルの生地(通常、シート状の編物または織物)の上に、ポリウレタンをはじめとした樹脂層をコーティングしたものである。図1A~1Bは、それぞれ2人乗り用及び3人乗り用のパーソナルウォータクラフト(PWC)に用いられるものであり、図1Cは、大型オートバイに用いられるものである。厚みの小さい周縁部であるエッジ部は、少なくとも、左右の縁の前方部分に形成され、特には、左右の側にて、前方へと向かって上向きとなっている縁部に形成されている。一の好ましい形態において、エッジ部は、シートクッションの周縁の全体、すなわち、全周にわたって形成される。なお、図1Cの大型オートバイ用のシートクッションは、後方の副乗員座席部が、他の部分と別体になっているが、この副乗員座席部も、左右方向断面が、逆U字状またはC字状であって、左右にエッジ部が形成されている。
図2A~2Bには、シートクッションを成形するための上下の金型の例を示す。この金型は、図1Aのシートクッションと類似のものを製造するのに用いられる。図2Aは、シートクッションの下側の面を成形する上型を示しており、図2Bは、シートクッションの上側の面を成形する下型を示している。図1Aのシートクッションの下面側は、ほぼ、図2Aの上型の金型面のとおりとなっている。
図3には、シートクッションを平坦な形に押し広げたと仮定した場合の平面図であり、密度及び剛性が異なるいくつかの領域を模式的に示している。この例は、図1Aのシートクッション、及び、図2A~2Bの金型に、ほぼ対応している。密度及び剛性が高いエッジ部11は、シートクッション1の周縁の全体にわたって備えられている。エッジ部11以外の、内側の領域中、操縦者の臀部(特には座骨の近傍)を下方から支える操縦座部13にて、密度及び剛性が比較的高く、操縦座部13を左右から挟む操縦サイド部12では、密度及び剛性が比較的低い。操縦サイド部12は、操縦者の両脚の太ももや膝に接する箇所でありうる。
操縦座部13の後方には、パーソナルウォータクラフト(PWC)の急加速時などに操縦者の臀部(特には仙骨の近傍)を後方から支持するための盛り上がり部13Aが形成されている。また、さらにその後方に、副乗員座部13Bが形成されている。この盛り上がり部13A及び副乗員座部13Bについても、密度及び剛性のレベルについて、操縦座部13と同様とすることができる。また、盛り上がり部13A及び副乗員座部13Bの左右の、後方サイド部12Aについて、密度及び剛性のレベルを、操縦サイド部12と同様とすることができる。
図4Aには、成形されたシートクッション1の中央部を、中心線に沿って切断した垂直断面の写真を示す。図4Aの具体例においては、操縦座部13にて、4~6枚の縦型配向のシート状弾性体1B,1E,1F及び1Hが積層されている。また、その後方の盛り上がり部13Aでは、7~10枚の縦型配向のシート状弾性体1B~1E,1F及び1Hが積層されている。
具体的に実施形態において、図4A中に示されているように、操縦座部13と、盛り上がり部13Aとの間の境界に沿って、上下から食い込む形の切込み14が形成されている。この切込み14は、図2A~2Bに示す、上下の金型21,22からの突起21B及び22Bにより形成されたものである。これらの図から知られるように、切込み14は、スリット状であり、平面図で見て円弧ないし楕円弧に沿って、破線状に(断続的)に形成されている。この切込み14は、表皮をシートクッション1に結わえ付けるためのひもを通す孔を容易に形成可能とする。また、上下の金型21,22からの突起21B及び22Bは、成形中に、シート状弾性体の位置ずれを防止する役割も果たす。
図2A~2Bに示すように、成形に先立って、上下の金型21,22の突起21B及び22Bの近傍にのみ位置するように、柔らかいウェブ状であるシート状弾性体1A及び1Iを取り付けて置くことができる。このように、シートクッション1の中央部に対応するように配置される比較的寸法の小さいシート状弾性体1A及び1Iは、金型内での成形の際に、比較的強く圧縮されて硬い表層をなしうる。また、成形の初期段階にて、特には隣接するシート状弾性体1H及び1Bの中央部が、局部的に水平方向にずれて密度の偏差が生じるのを防止するのにも寄与すると考えられる。
これらシート状弾性体1A及び1Iには、アコーディオン状に折り畳む前の、「エルク」(登録商標)の不織布を用いることができる。すなわち、シートクッション1の切込み14の近傍にて、シートクッション1の最上層及び最下層に来るように配置されるシート状弾性体1A及び1Iとしては、(1)縦型配向でなく、また、(2)厚みが縦型配向であり厚板状(スラブ状)である他のシート状弾性体1B~1Hに比べて小さい、というものを用いることができる。これらの非縦型のシート状弾性体1A及び1Iは、製造された際に、シートに沿った水平方向の配向を有さずに、圧縮の際に、水平配向となるものであっても良い。
図4Bには、シートクッション1の中央部における、シート状弾性体1C~1F及び1Hの積層の方式の一具体例を示す。シート状弾性体1C~1Dは、左右方向に細長く形成され、盛り上がり部13Aに対応して配置されている。このうち、シート状弾性体1Dは、左右方向の中央部にのみ配置されており、図示の例で、前後方向の縁を互にずらすようにして複数枚(特には2~4枚)が重ね合わされている。シート状弾性体1Cは、シート状弾性体1Dよりも左右方向の寸法が大きく、左右へと、シートクッションの左右の縁の近傍にまで延びている。
一方、シート状弾性体1Eは、シート状弾性体1Cと同様に、左右へと、シートクッションの左右の縁の近傍にまで延びるとともに、前後方向に、操縦座部13から盛り上がり部13Aまでをカバーする。これに対し、シート状弾性体1Fは、操縦座部13の前方のエッジ部11の近傍から、副乗員座部13Bの後方の縁の近傍にまで延びる。図示の例で、シート状弾性体1Fは、同一寸法及び同一形状の複数枚(特には2~3枚)が、前後方向に少しずつ位置をずらすようにして配置される。なお、図4A~4Bに示すように、シート状弾性体1E及びシート状弾性体1Fは、積層の順序、すなわち、上下方向(厚み方向)の位置を相互に入れ替えることができる。
なお、縦型配向のシート状弾性体1B~1Hは、アコーディオン状に折り畳むことで製造することから、シート面に沿った一つの方向にも配向している。すなわち、アコーディオン状に折り畳む際の、襞(ひだ)の方向に配向している。そして、縦型配向のシート状弾性体1B~1Hを重ね合わせる際には、適宜、互いに、水平の配向方向が直交または70°以上の角度で交差するようにすることができる。例えば、図4A~4Bにて、シート状弾性体1B,1F及び1Hは、シートクッション1の前後方向に繊維が配向し、シート状弾性体1C~1Eは、シートクッション1の左右方向に繊維が配向するようにすることができる。なお、後述のシート状弾性体1Gは、その長さ方向に繊維が配向するようにすることができる。
図4C~4Dには、エッジ部11にて、他の領域よりも、密度及び剛性を格段に高くするための、積層及び成形の方式の具体例を示す。
まず、図4C~4Dのいずれにおいても、エッジ部11を形成する箇所の近傍にて、上型21に接する縦型配向のシート状弾性体1H、及び、下型22に接する縦型配向のシート状弾性体1Bが、金型2の内部から外側にまで延びている。そして、このようにはみ出した部分が、上型21の周縁部21Aと、下型22の周縁部22Aとの間に、挟み込まれて、強く圧縮される。この結果、金型内での成形の際に、シート状弾性体1H及び1Bが、周縁部にて、水平方向に位置ズレ不能に固定される。したがって、均一に密度の高いエッジ部11を確実かつ容易に形成することができる。
なお、図2A~2B中に示されているように、上型21の周縁部21Aの内縁部に設けられた溝に、下型22の周縁部22Aの内縁部に設けられたレール状突起が噛み合うようになっている。また、周縁部21A及び22Aによって、加熱されつつ強く圧縮されたシート状弾性体1H及び1Bのはみ出し部分が、一種のシール材の役割をも果たし得る。このようにして、シート状弾性体1H及び1Bのはみ出し部分を挟み込んだ条件でも、成形時に金型内を密閉することができ、加圧スチームを内部に保持することができる。また、成形の完了後、金型2の内部にて成形された成形品を切り出すように、「ばり」状の部分が切断されて除去される。
特に、シート状弾性体1H及び1Bは、シートクッション1の全面をカバーしており、シートクッション1の中央部のみに配置された非縦型のシート状弾性体1A及び1Iを除くと、金型2内にて、最上層及び最下層に位置する。そのため、特には、エッジ部11の近傍にて、これらのシート状弾性体1H及び1Bによって挟み込まれるシート状弾性体1C及び1Eについても、水平方向に位置ズレ不能に固定される。
図4Cの具体例においては、金型を用いた成形の際に、細長い縦型配向のシート状弾性体1Gが、エッジ部11に沿って延びるように配置される。このシート状弾性体1Gは、成形の際、周縁の側にて、部分的に、上下の金型の周縁部22A及び22Bにより直接に挟み込まれるか、または、金型2の外側にまで延びる上下のシート状弾性体1H及び1Bにより挟み込まれることで、位置ズレ不能に、強く圧縮されて固定される。そして、このように固定された状態にて、少なくとも内側(周縁側とは逆側)にて、エッジ部11中にまで延びる、シート状弾性体1C及び1Eの端部と、重なり合って積層されるのである。このようにして、さらに密度が高く、かつ密度が均一なエッジ部11を容易に形成することができる。
このような、エッジ部11の密度を上げるための細長いシート状弾性体1Gは、シートクッション1の周縁の全体、またはほぼ全体にわたって配置することもでき、また、一部に配置することもできる。一の具体的な実施形態において、シートクッション1の左右の縁における、前方端部及び後方端部を除く箇所に配置することができる。なお、この細長いシート状弾性体1Gは、図4Cの太い湾曲した矢印により示唆されているように、金型2の内部に他のシート状弾性体1B~E及びHが全てセットされて、金型2が完全に閉じられる直前に、上下の金型の周縁部21A及び22Aの隙間から、差し込むということも可能である。また、この細長いシート状弾性体1Gは、図4C中に模式的に示されるように、金型2の内部に、「立った」状態、すなわち、水平方向に対して20°以上、30°以上または40°以上に傾斜した状態でセットすることも可能である。
図4Dの具体例においては、エッジ部11の近傍にて、上型21に接する縦型配向のシート状弾性体1Hが、ほぼ同じ寸法の2枚重ねとなっており、これらのうち、上型21に直接接しない方のシート状弾性体1Hは、縁部が内側に折り返されている。折り返された後の縁部、すなわち、折り曲げ箇所は、成形の際、周縁の側にて、部分的に、上下の金型の周縁部22A及び22Bにより直接に挟み込まれるか、または、金型2の外側にまで延びるシート状弾性体1H及び1Bにより挟み込まれることで、位置ズレ不能に、強く圧縮されて固定される。そして、このように固定された状態にて、少なくとも内側(周縁側とは逆側)にて、エッジ部11中にまで延びているシート状弾性体1C及び1Eの端部と、重なり合って積層されるのである。このようにして、さらに密度が高く、かつ密度分布が均一なエッジ部11を容易に形成することができる。
上記の説明において、縦型配向のシート状弾性体1B~1Hは、いずれも、同一の厚み、及び同一の密度を有するように説明したが、厚み及び密度に関して、複数種のものを用いることができる。例えば、図4A~4Bに示す積層構造において、シート状弾性体1C~1F及び1Hについて、厚み及び密度が互いに同一のもの(例えば目付が1kg/m2)を用いることができる。また、縦型配向のもののうちで、最も下型22に近接(シートクッション1の最上層側)のシート状弾性体1Bについて、厚みまたは密度が、他の縦型配向のシート状弾性体1C~1F及び1Hより小さく、例えば約半分とする(例えば目付が0.5kg/m2)ことができる。さらには、図4C中に示す、エッジ部11の密度増大のための細長いシート状弾性体1Gについては、厚みまたは密度が、メインとなる縦型配向のシート状弾性体1C~1F及び1Hより大きくすることができ、例えば約2倍とする(例えば目付が2kg/m2)ことができる。
また、上記の説明において、非縦型のシート状弾性体1A及び1Iについて、シートクッション1の中央部のみに、上型21及び下型22に直接に接触させて配置するとして説明したが、これらは全面に配置することもでき、または、上型21及び下型22の一方のみに配置することもできる。さらには、非縦型のシート状弾性体は、シートクッション1の全面をカバーするものと、中央部のみに配置されたものとを重ね合わせて用いることもできる。
図3を用いて、領域間の密度レベルの大小について説明したが、具体的な実施形態において、密度について、次の(a)~(b)のように設定することができ、さら(b1)~(b2)のように設定することができる。
(a) エッジ部11
40kg/m3、43kg/m3、45kg/m3、または48kg/m3よりも大きいか、または、50kg/m3以上。(なお、シートクッション1の周縁部にて、このような密度を有する領域をエッジ部11と呼ぶこともできる。)
また、150kg/m3以下、120kg/m3以下、または100kg/m3以下。
(b) エッジ部11以外:エッジ部11に近接した箇所を除く。例えば、上記密度範囲のエッジ部11の内縁から、2cm以内、5cm以内または8cm以内の箇所を除く。
50kg/m3、48kg/m3、45kg/m3、43kg/m3、40kg/m3、38kg/m3または35kg/m3よりも小さく、10kg/m3以上、15kg/m3以上、または20kg/m3以上。
(b1) 操縦座部13,盛り上がり部13A,及び副乗員座部13B
20~35kg/m3、23~32kg/m3、または25~30kg/m3
(b2) 操縦サイド部12,及び後方サイド部
20~32kg/m3、20~30kg/m3、または23~26kg/m3。または、操縦座部13の密度の70~97%、80~95%、または83~93%などとすることができる。
前述の密度分布の説明において、操縦座部13,盛り上がり部13A,及び副乗員座部13Bについて、密度をほぼ同一のレベルにするとして説明したが、適宜に、密度に段差を設けることができる。例えば、盛り上がり部13Aの密度について、操縦座部13の密度の103~110%または103~108%に設定することができる。この場合、副乗員座部13Bは、盛り上がり部13Aまたは操縦座部13と同一の密度レベルとすることができる。
好ましい実施形態にて、シート状弾性体(「エルク」(登録商標)のシート)の製造には、下記(1)~(8)のような繊維及び条件を用いることができる。
(1)骨格繊維及び融着性繊維の繊度:1~200dtex。
(2)骨格繊維の構造:中実、中空、異型断面、シース・コア(芯鞘)構造、偏芯シース・コア(偏芯した芯鞘)構造、サイド・バイ・サイド構造の繊維断面を有し、二次元ジグザグ型捲縮または螺旋状やオメガ型の三次元捲縮を有する。
(3)骨格繊維、及び、融着性繊維の芯成分樹脂:ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリ-1,4-ジメチルシクロヘキサンテレフタレート、ポリピバロラクトン又はこれらに第3成分を共重合したポリエステルからなる短繊維ないしそれら繊維の混綿体、または上記のポリマー成分のうちの2種以上からなる複合繊維等。
(4)鞘成分樹脂(融着樹脂)の組成:熱可塑性ポリエステル・エーテル系エラストマー。詳しくは、ハードセグメント成分とソフトセグメント成分との共重合割合(重量比)を95:5~20:80とするポリエステル・エーテル系ブロック共重合体であり、該ハードセグメント成分が、主たる酸成分を40~100モル%のテレフタル酸及び0~50モル%のイソフタル酸とし、主たるグリコール成分を1,4-ブタンジオールとするポリエステルであり、該ソフトセグメント成分が、ポリエーテルであり、平均分子量400~5000のポリ(アルキレンオキシド)グリコールである。
(5)鞘成分樹脂(融着樹脂)の固有粘度:0.8~1.7dl/g、特には0.9~1.5dl/g。
(6)融着性繊維の断面における芯鞘面積比:20/80~80/20。
(7)鞘成分樹脂(融着樹脂)の融点:骨格繊維及び芯成分樹脂の融点よりも40℃以上低い。骨格繊維及び芯成分樹脂がポリエチレンテレフタレート(融点250~270℃)である場合、鞘成分樹脂の融点は、例えば120~200℃、または130~180℃。
(8)骨格繊維と、融着性繊維との混合重量比:90/10~10/90。
好ましい実施形態にて、融着性繊維の鞘(融着樹脂)をなしている熱可塑性エラストマーについて、シート状引張試験を、JISK6273:2018「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム-引張永久ひずみ,伸び率及びクリープ率の求め方」およびJISK6251:2017「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム-引張特性の求め方」に準拠して行った場合、下記(9)~(10)の特性を有する。
(9)(300±10)%伸長からの回復率(100-定伸長引張永久ひずみ(%)):60%以上、好ましくは70%以上、例えば70~90%。
(10)切断時伸び:500%以上、好ましくは800%以上、例えば、800~1200%。
好ましい実施形態にて、シート状弾性体からの金型での成形は、下記(11)の条件で行うことができ、成形後のシートクッションは、下記(12)~(14)の特性を有する。
(11)成形時の加熱:金型内に加圧スチームを一気に導入することにより、融着性繊維の鞘の融点より、3~10℃または3~8℃高い温度に、急速に加熱して保持する。例えば、5~20気圧のスチームを導入する。
(12)密度分布範囲:15~150kg/m3。エッジ部にて45~120kg/m3。エッジ部以外にて15~40kg/m3
(13)圧縮硬さ(JIS K 6400-2:2012)-エッジ部及びその近傍を除く領域
圧縮板サイズ200φ、圧縮速度100mm/minで測定した場合、40%定圧縮時の加圧側荷重が200~500Nまたは300~400N。25%定圧縮時の加圧側荷重が400~800Nまたは500~700N。
(14) デュロメータA硬さ(JIS K 7215:1986)-エッジ部
JIS K 7215「プラスチックのデュロメータ硬さ試験方法」によるデュロメータA硬さが、およそ25~75(A25~A75)。
なお、デュロメータA硬さは、密度100kg/m3で約75であり、密度50kg/m3で約25である。また、密度100kg/m3の箇所について、上記の圧縮硬さ(JIS K 6400-2:2012)を測定したとすると、1000Nを大きく超えるようであった。
<実施例>
図4A及び4Cに示された積層構造を有するシートクッション1を製造した。
製造に用いたシート状弾性体1A~1Iは、いずれも、帝人フロンティア株式会社の市販製品である「エルク」(登録商標)またはタテ型不織布であり、帝人フロンティア株式会社が製造販売する各種製品の中に組み込まれている。
非縦型のシート状弾性体1A及び1Iには、目付が0.15kg/m2の「エルク」(登録商標)の不織布を用い、縦型のシート状弾性体1B~1Hには、目付が0.45kg/m2のタテ型不織布を用いた。但し、シート状弾性体1C~1F及び1Hについては、2枚を重ね合わせて少し圧縮されたもの(目付が約1kg/m2)用い、シート状弾性体1Bについては1枚のみで少し圧縮されたもの(目付が0.5kg/m2)を用い、エッジ部11の密度増大のための細長いシート状弾性体1Gについては、2枚を重ね合わせて少し圧縮されたもの(目付が約2kg/m2)用いた。なお、ここで用いた縦型のシート状弾性体1B~1Hは、非縦型のシート状弾性体1A及び1Iと同様の「エルク」(登録商標)の不織布をアコーディオン状に折り畳んで得られたものである。
製造に用いたシート状弾性体1A~1Iには、下記(1)~(10)のような製造条件または特性を有するものを用いた。
(1)骨格繊維の繊度:13dtex。融着性繊維の繊度:6.6dtex。
(2)骨格繊維の構造:中空断面、三次元Ω型立体捲縮形状。
(3)骨格繊維、及び、融着性繊維の芯成分を構成する樹脂:ポリエチレンテレフタレート。
(4)鞘成分樹脂(融着樹脂)の組成:熱可塑性ポリエステル・エーテル系エラストマー。詳しくは、イソフタル酸共重合ポリブチレン系テレフタレートをハードセグメントとし、ポリテトラメチレングリコールをソフトセグメントとするブロック共重合体。
(5)鞘成分樹脂(融着樹脂)の固有粘度:1.15dl/g。
(6)融着性繊維の断面における芯鞘面積比:芯/鞘=60/40。
(7)鞘成分樹脂(融着樹脂)の融点:155℃。
(8)骨格繊維と、融着性繊維との混合重量比:30/70。
融着性繊維の鞘成分樹脂(融着樹脂)をなしている熱可塑性エラストマーについてシート状の引張試験を、JISK6273:2018「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム」に準拠して行った場合、下記(9)~(10)の特性を有するものである。
(9)(300±10)%伸長からの回復率:70~90%。
(10)破断伸度:1000%。
シート状弾性体からの金型での成形は、下記(11)の条件で行った。成形後のシートクッションは、下記(12)~(14)の特性を有していた。
(11)成形時の加熱:金型2内に10気圧の加圧スチームを一気に導入することにより、160℃に加熱して、しばらく保持した。
(12)密度分布範囲:20~100kg/m3。エッジ部11では50~100kg/m3。操縦座部13及び副乗員座部13Bでは26~28kg/m3。盛り上がり部13Aでは27~29kg/m3。操縦サイド部12及び後方サイド部12Aでは26~28kg/m3
(13)硬さ(JIS K6400-2:2012)測定
表皮を取り付ける前のシートクッションをそのまま試験体として用い、圧縮板サイズ200φ、圧縮速度100mm/minで測定した場合、下記表1の結果が得られた。
<表1>
Figure 2022150008000002
(14)水はけ性の評価
下記の測定方法により評価した水はけに要する時間が、24時間であった。
シートクッション1が、蓋としての支持台と、これに固定された表皮とにより全体が被覆された状態とした。ここでの表皮は、ポリエステル(PET)編地にポリウレタン樹脂を浸漬して得た非透水性の素材(原反)からなる。この表皮は、原反から切り出された複数の表皮片が、シートクッション1の稜線及び谷線などに対応した箇所で縫い合わされて形成されたものである。また、表皮には、表皮を固定するためのひも通し孔が、シートクッション1の中央部の切れ目14に沿って設けられ、この箇所に、ひもが通されて、表皮、シートクッション1及び支持台が、相互に留め付けられた。このように、留め付け孔及び縫い付け孔が複数備えられた状態の、表皮及び支持台が付いたシートクッション1を、水に24時間、完全に浸漬した。そして、水中から引き出して、重量計の上に載せ置き、この後の重量変化により、染み込んだ水が10%にまで減少するのに要する時間を求めた。
なお、染み込んだ水が80%にまで減少するのに要する時間は、2時間であった。また、水中から引き出して120時間(5日)の経過後には、ほぼ、水に浸漬する前の重量に戻り、ほぼ完全に水が抜けたことを確認できた。
比較例として、一般的な、軟質ウレタン樹脂発泡体からなるシートクッション(「ヤマハ FX」の現行品)について、同様に水はけ性を試験したところ、144時間(6日)経っても、染み込んだ水が14%までにしか減少しなかった。また、さらに重量計の上に放置し続けて30日経っても、重量にはほとんど変化がなく、抜けなかった。
なお、この比較例のシートクッションは、密度及び剛性が、ほぼ均一である。そのため、表皮を取り付ける際、エッジ部が内側へと引き込まれないようにするためには、エッジ部にこのような力がかからないように、留め付けの方式を設定する必要があった。例えば、図1Aの左端部に示すように、上面側の表皮片と、エッジ部の端面を覆う表皮片とを別体として、互いに縫い合わせるという必要があった。

Claims (22)

  1. 鞍乗り型の乗り物の座席に用いられる、エッジ部を有するシートクッションであって、
    シートクッションは、芯鞘型の融着性繊維と、骨格繊維とが、繊維同士の交差箇所で熱融着されて形成される3次元繊維構造を有し、
    融着性繊維の鞘は、ポリエステル・ポリエーテルエラストマー、または、その他の熱可塑性エラストマーから形成され、
    この熱可塑性エラストマーは、繊維同士の融着点に偏在することで、融着点ごとに膨出部分を形成しており、
    骨格繊維、及び、融着性繊維の芯は非エラストマー樹脂から形成されており、
    骨格繊維は、捲縮処理が施された嵩高繊維であり、
    骨格繊維及び融着性繊維の繊度は、1~200dtexの範囲内であり、
    シートクッションは、それぞれに前記の3次元繊維構造を有する複数の層が互いに融着された形態の積層構造を有し、シートクッションの部位ごとの積層構造に起因して密度分布を有し、この密度分布に依存する剛性の分布を有する、鞍乗り型の乗り物用のシートクッション。
  2. 前記積層構造をなす複数の層のうちの少なくとも一つは、シートクッションの周縁にまで延びており、
    前記積層構造をなす複数の層には、厚み方向に繊維を配向させた縦型配向の層が複数含まれている、請求項1に記載の鞍乗り型の乗り物用のシートクッション。
  3. 前記エッジ部は、シートクッションの周縁の少なくとも一部に沿って備えられる、他の領域よりも厚みの小さい部分、または、この周縁に向かって厚みがテーパー状に小さくなって行く部分である、請求項1または2に記載の鞍乗り型の乗り物用のシートクッション。
  4. シートクッションは、前記エッジ部にて、他の領域よりも密度及び剛性が高く、前記エッジ部以外にて、密度のレベルが互いに異なる少なくとも2つの領域を備える、請求項1~3のいずれかに記載の鞍乗り型の乗り物用のシートクッション。
  5. 前記エッジ部は、密度が40kg/m3よりも大きく、シートクッションの形状を保持するための保形フレームをなす、請求項1~4のいずれかに記載の鞍乗り型の乗り物用のシートクッション。
  6. 前記エッジ部以外にて、密度が40kg/m3よりも小さい、請求項1~5のいずれかに記載の鞍乗り型の乗り物用のシートクッション。
  7. 前記エッジ部以外にて、密度が20~35kg/m3の範囲内にあり、
    前記の少なくとも2つの領域は、操縦者を下方から支えて保持する操縦座部と、操縦者の両脚の内側が接するサイド部、または、操縦者の着座箇所の後方にある盛り上がった部分であり、操縦座部での密度が、サイド部での密度、または、盛り上がった部分の密度よりも小さい、請求項1~6のいずれかに記載の鞍乗り型の乗り物用のシートクッション。
  8. 骨格繊維は、湾曲状に捲縮された中空繊維であり、融着性繊維は、骨格繊維よりも繊度が小さい、請求項1~7のいずれかに記載の鞍乗り型の乗り物用のシートクッション。
  9. 前記積層構造をなす複数の層には、少なくとも一つの非縦型配向の層が含まれる、請求項1~8のいずれかに記載の鞍乗り型の乗り物用のシートクッション。
  10. 前記積層構造に含まれる複数の縦型配向の層は、いずれも水平方向に配向性を有し、水平の配向方向が、互いに直交するように、または、互いに平行となるように配置される、請求項1~9のいずれかに記載の鞍乗り型の乗り物用のシートクッション。
  11. 前記積層構造をなす複数の層には、下記c1~c2がそれぞれ少なくとも一つ含まれるか、または、下記c1~c3がそれぞれ少なくとも一つ含まれる、請求項1~10のいずれかに記載の鞍乗り型の乗り物用のシートクッション。
    (c1) シートクッションの全面にわたって延びるもの。
    (c2) 操縦座部から、その後方の盛り上がった部分にまでわたって延びるもの。
    (c3) 後方の盛り上がった部分にのみ配置されるもの。
  12. 下記の測定方法により評価した水はけに要する時間が、36時間以下である、請求項1~11のいずれかに記載の鞍乗り型の乗り物用のシートクッション。
    シートクッションが、蓋としての支持台と、これに固定された表皮とにより全体が被覆され、非透水性のシート材料からなる表皮に、ひも通し孔、または、縫い付け孔が複数備えられた状態で、水に24時間、完全に浸漬してから、引き出した後の重量変化により、染み込んだ水が10%にまで減少するのに要する時間を求める。
  13. 請求項1~12のいずれかに記載のシートクッションを有する鞍乗り型の乗り物。
  14. シートクッションに被せられる表皮と、
    シートクッションが載せ置かれる支持台と、
    表皮を支持台に縛りつけるのに、少なくとも部分的に用いられる、ひもまたは糸とを備え、
    前記支持台は、機械室または収納室のための、跳ね上げ式の蓋をなす、請求項13に記載の鞍乗り型の乗り物。
  15. パーソナルウォータクラフト(水上オートバイ)、またはオートバイである、請求項13または14に記載の鞍乗り型の乗り物。
  16. 鞍乗り型の乗り物の座席に用いられるシートクッションの製造方法であって、
    非エラストマー樹脂からなる繊維に捲縮加工を施して、嵩高繊維として骨格繊維を準備し、また、非エラストマー樹脂からなる芯にポリエステル・ポリエーテルエラストマー、または、その他の熱可塑性エラストマーから形成された鞘を被せて、芯鞘型の融着性繊維を準備し、ここで、骨格繊維及び融着性繊維の繊度は、1~200dtexの範囲内であり、
    芯鞘型の融着性繊維と、骨格繊維とを、短繊維の状態で混合して加熱することにより、繊維同士の交差箇所で熱融着された3次元繊維構造を有するシート状弾性体を形成し、この際、融着性繊維の鞘をなす熱可塑性エラストマーは、繊維同士の融着点に偏在することで、融着点ごとに膨出部分を形成し、
    この際、厚み方向に繊維が配向された縦型配向のシート状弾性体を得るためには、縦型に配向される前のシート状弾性体を、アコーディオン式に褶曲させて折り畳んでから互いに熱融着させるのであり、
    このように得られた複数のシート状弾性体を重ね合わせて、金型内で、加圧しつつ熱を加えることにより、シート状弾性体を互に融着させるとともに、金型の内面に沿ったシートクッションの成形を行い、この際、複数のシート状弾性体には縦型配向のものが複数含まれており、
    シートクッションの部位ごとにおける、金型内での圧縮の度合い、並びに、シート状弾性体の密度、厚み、及び、積層の枚数に起因して、密度分布が形成され、また、これに依存する剛性の分布が形成される、請求項1~12のいずれかに記載の鞍乗り型の乗り物用のシートクッションの製造方法。
  17. エッジ部にて、他の領域よりも密度及び剛性が高く、前記エッジ部以外にて、密度のレベルが互いに異なる少なくとも2つの領域を備える、請求項16に記載の鞍乗り型の乗り物用のシートクッションの製造方法。
  18. 前記エッジ部は、密度が40kg/m3よりも大きく、シートクッションの形状を保持するための保形フレームをなし、
    前記エッジ部以外にて、密度が40kg/m3よりも小さい、請求項16または17に記載の鞍乗り型の乗り物用のシートクッションの製造方法。
  19. 金型内にて互いに融着される複数のシート状弾性体には、少なくとも一つの非縦型のものが含まれる、請求項16~18のいずれかに記載の鞍乗り型の乗り物用のシートクッションの製造方法。
  20. 骨格繊維は、湾曲状に捲縮された中空繊維であり、融着性繊維は、骨格繊維よりも繊度が小さい、請求項16~19のいずれかに記載の鞍乗り型の乗り物用のシートクッションの製造方法。
  21. 前記の縦型のシート状弾性体には、下記c1~c2がそれぞれ少なくとも一つ含まれるか、または、下記c1~c3がそれぞれ少なくとも一つ含まれる、請求項16~20のいずれかに記載の鞍乗り型の乗り物用のシートクッションの製造方法。
    (c1) シートクッションの全面にわたって延びるもの。
    (c2) 操縦座部から、その後方の盛り上がった部分にまでわたって延びるもの。
    (c3) 後方の盛り上がった部分にのみ配置されるもの。
  22. 下記d1~d3の少なくともいずれか一つに由来する積層構造が形成される、請求項21に記載の鞍乗り型の乗り物用のシートクッションの製造方法。
    (d1) 前記c1のシート状弾性体が互いに重ね合わされるとともに、その一方のものが、シートクッションのサイド部の縁に沿って折り返されている。
    (d2) シートクッションサイド部の縁に沿って、細長いシート状弾性体を配置されるとともに、その幅方向が垂直に近い方向を向くように配置されて圧縮・融着されている。
    (d3) 後方の盛り上がった部分を形成するためには、この箇所にのみ配置される、シートクッションの幅方向に延びる細長いシート状弾性体を、シートクッションの前後方向の位置を互いにずらすようにして、重ね合わされている。
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