JP2022149355A - 内燃機関 - Google Patents

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Abstract

Figure 2022149355000001
【課題】大型化を抑制した上でクランク室の内外の連通させるリードバルブを設けることができる内燃機関を提供する。
【解決手段】エンジンは、密閉クランク室を画成するクランク室画成部21と、密閉クランク室に連通する吸入ポート71Lを有し、吸入ポート71Lの内外を連通させるリードバルブ90が設けられたポンプユニット50と、ポンプユニット50を囲うように配置され、ポンプユニット50よりも下方にオイル貯留空間41を画成するミッションケース部26およびオイルパン40と、を備える。リードバルブ90は、ミッションケース部26の内壁面に車両の前後方向で対向するように設けられている。
【選択図】図10

Description

本発明は、内燃機関に関するものである。
従来の内燃機関として、密閉クランク室を有するものがある。この種の内燃機関では、密閉クランク室の気密を維持しつつオイルを排出するためや、密閉クランク室の負圧を維持するため等に、密閉クランク室の隔壁にリードバルブを設ける場合がある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、クランクシャフトを回転自在に支承するとともに下部にはオイルが貯留されるクランクケースを備え、クランクケース内に隔壁で仕切られたクランク室およびオイル貯留室が形成され、隔壁にはクランク室内の下部に落下したオイルのオイル貯留室への流通だけを許容するリードバルブが配設された内燃機関が開示されている。
特開2007-107400号公報
しかしながら、特許文献1に開示された内燃機関では、リードバルブの弁口が隔壁を上下方向に貫通しているので、前後方向における弁口の開口幅の分、隔壁が前後方向に長く形成される。これにより、内燃機関が前後方向に大型化する可能性がある。
そこで本発明は、大型化を抑制した上でクランク室の内外の連通させるリードバルブを設けることができる内燃機関を提供するものである。
本発明の内燃機関は、密閉クランク室(23)を画成するクランク室画成部(21)と、前記密閉クランク室(23)に連通する内部空間(71L,71R)を有し、前記内部空間(71L,71R)の内外を連通させるリードバルブ(90)が設けられたバルブユニット(50)と、前記バルブユニット(50)を囲うように配置され、前記バルブユニット(50)よりも下方にオイル貯留空間(41)を画成する貯留空間画成部(26,40)と、を備え、前記リードバルブ(90)は、前記貯留空間画成部(26,40)の内壁面に車両の前後方向で対向するように設けられている、を備える。
本発明によれば、弁口がリードバルブのボディを前後方向に沿うように貫通するので、弁口が上下方向に貫通する従来技術と比較して、リードバルブを前後方向において小型化できる。これにより、リードバルブは、内燃機関の大型化を抑制しつつ、リードバルブの内部空間を通じて密閉クランク室の内外を連通させることができる。したがって、大型化を抑制した上でクランク室の内外の連通させるリードバルブを設けることができる内燃機関を提供できる。
上記の内燃機関において、前記リードバルブ(90)は、第1リードバルブ(90L)および第2リードバルブ(90R)を有し、前記第1リードバルブ(90L)および前記第2リードバルブ(90R)それぞれは、開口が互いに向かい合うように配置され、前記第1リードバルブ(90L)および前記第2リードバルブ(90R)の間に壁部(69F)が配置されていてもよい。
本発明によれば、第1リードバルブおよび第2リードバルブそれぞれの開口から吐出されたオイルを壁部に当てることができる。これにより、一のリードバルブから吐出されたオイルが他のリードバルブの開口を通じて逆流することを抑制できる。さらに、第1リードバルブおよび第2リードバルブそれぞれの開口から吐出されたオイルを壁部に集めた上で滴下させることができるので、オイルの消泡効果が得られる。
上記の内燃機関において、前記壁部(69F)は、前記バルブユニット(50)に形成されていてもよい。
本発明によれば、クランクケース等、バルブユニットとは別部材に壁部を設ける構成と比較して、よりリードバルブに近い位置に壁部を簡素な構成で設けることができる。これにより、壁部に当たるオイル量を容易に増やしてオイルの消泡効果をより高めることができる。
上記の内燃機関において、前記壁部(69F)には、前記クランク室画成部(21)を有するクランクケース(20)に前記バルブユニット(50)を結合するための締結部(68F2)が設けられていてもよい。
本発明によれば、壁部を締結部として併用できるので、バルブユニットを小型化できる。
上記の内燃機関において、前記バルブユニット(50)は、オイルポンプ(51L,51R)を有していてもよい。
本発明によれば、バルブユニットをオイルポンプとは別で設ける構成と比較して、バルブユニットおよびオイルポンプをコンパクトに配置することができる。
本発明によれば、内燃機関の大型化を抑制した上で、クランク室の内外の連通させるリードバルブを設けることができる。
実施形態の鞍乗り型車両の左側面図である。 実施形態のエンジンの右側面図である。 実施形態のエンジンの右断面図である。 図3のIV-IV線に相当する部分における断面図である。 図4のV-V線に相当する部分におけるポンプユニットの断面図である。 ポンプユニットの斜視図である。 ポンプユニットの平面図である。 ポンプユニットの正面図である。 図8のIX-IX線における断面図である。 図8のX-X線におけるエンジンの断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお以下の説明では、同一または類似の機能を有する構成に同一の符号を付す。そして、それら構成の重複する説明は省略する場合がある。また、以下の説明における前後上下左右等の方向は、以下に説明する車両における方向と同一とする。すなわち、上下方向は鉛直方向と一致し、左右方向は車幅方向と一致する。また、以下の説明に用いる図中において、矢印UPは上方、矢印FRは前方、矢印LHは左方をそれぞれ示している。
図1は、実施形態の鞍乗り型車両の左側面図である。
図1に示すように、本実施形態の自動二輪車1は、運転者がシート8に跨った状態で運転操作される鞍乗り型車両の一例である。自動二輪車1は、前輪2および後輪3と、前輪2を支持するフロントサスペンション4と、後輪3を支持するリヤサスペンション5と、フロントサスペンション4およびリヤサスペンション5を支持する車体フレーム6と、車体フレーム6に支持された原動機であるエンジン7(内燃機関)と、を備える。
図2は、実施形態のエンジンの右側面図である。
図2に示すように、エンジン7は、クランクシャフトの回転中心軸線Cを車幅方向に沿わせたV型4気筒エンジンである。エンジン7は、クランクケース20と、シリンダ30と、オイルパン40と、ポンプユニット50(バルブユニット)と、を備える。クランクケース20は、クランクシャフトを回転可能に支持する。クランクケース20の前部は、クランクシャフトを収容している。クランクケース20の後部は、変速機および変速段を変化させるチェンジ機構を収容している。
図3は、実施形態のエンジンの右断面図である。図4は、図3のIV-IV線に相当する部分における断面図である。
図3および図4に示すように、クランクケース20は、クランクシャフトのクランクピンおよびクランクアームを収容するクランク室画成部21と、変速機およびチェンジ機構を収容するミッションケース部26と、を備える。クランク室画成部21の下部には、ポンプユニット50が下方から取り付けられている。ミッションケース部26は、クランク室画成部21を囲うように配置されている。ミッションケース部26の下部には、オイルパン40が下方から取り付けられている。これらクランクケース20、オイルパン40およびポンプユニット50の詳細は後述する。
図2に示すように、シリンダ30は、クランクケース20の前部に立設されている。シリンダ30は、斜め上前方に起立する前傾シリンダ31と、斜め上後方に起立する後傾シリンダ32と、を備える。各シリンダ30は、クランクケース20と一体に設けられたシリンダブロック33と、シリンダブロック33に取り付けられたシリンダヘッド34と、を備えている。各シリンダブロック33内には、それぞれピストンが嵌装されている。各ピストンは、シリンダヘッド34との間に燃焼室を形成する。各ピストンは、コンロッドを介してクランクシャフトのクランクピンに連結される。ピストンの往復動は、コンロッドを介してクランクシャフトの回転動に変換される。クランクシャフトの回転駆動力は、クランク室画成部21の外側でクランクシャフトの右端部に結合したプライマリドライブギヤ36(図4参照)から後方の変速機(不図示)に入力された後、クランクケース20の後部左側から不図示のチェーンドライブ式の動力伝達機構を介して後輪3に伝達される。
クランクケース20、オイルパン40およびポンプユニット50について詳述する。
図4に示すように、クランク室画成部21は、互いに独立した一対の密閉クランク室23を画成している。一対の密閉クランク室23は、車幅方向に並んでいる。各密閉クランク室23は、車幅方向で隣り合う前後一対のシリンダ30の筒内に連通している。これにより、各密閉クランク室23には、一対のクランクピン、および一対のクランクピンに連結されたクランクアームが配置されている。クランク室画成部21の底部22には、各密閉クランク室23の開口23aが形成されている。各密閉クランク室23は、下方に開口している。
図3に示すように、ミッションケース部26は、クランク室画成部21との間にミッション室28を画成している。ミッション室28には、変速機およびチェンジ機構が配置されている。ミッションケース部26の底部27には、ミッション室28の開口28aが形成されている。ミッション室28は、下方に開口している。
オイルパン40は、ミッション室28の開口28aを閉塞するように、ミッションケース部26の下部に結合している。オイルパン40は、クランクケース20から下方に突出するように形成されている。オイルパン40は、上方に開口する箱状に形成されている。オイルパン40は、上部開口をミッション室28の開口28aに対向させるように、ミッションケース部26に密に結合している。すなわち、オイルパン40は、上端開口縁をミッションケース部26の底部27の開口縁に全周にわたって密接させている。
ミッションケース部26およびオイルパン40からなる組立体(貯留空間画成部)は、オイル貯留空間41を画成している。オイル貯留空間41は、ミッション室28に連続しており、ミッション室28の一部を含んでいてもよい。組立体は、クランク室画成部21に結合したポンプユニット50を囲うように配置されている。オイル貯留空間41は、少なくともポンプユニット50よりも下方に形成されている。
図4に示すように、ポンプユニット50は、各密閉クランク室23の開口23aを閉塞するように、クランク室画成部21の下部に結合している。ポンプユニット50は、複数のトロコイド歯形の内接歯車ポンプであるオイルポンプを車幅方向に沿って並べた構成を有する。ポンプユニット50は、左側から右側の順に、左スカベンジポンプ51L、フィードポンプ51Cおよび右スカベンジポンプ51Rを同軸に並べた構成を有する。
図5は、図4のV-V線に相当する部分におけるポンプユニットの断面図である。
図4および図5に示すように、左スカベンジポンプ51L、フィードポンプ51Cおよび右スカベンジポンプ51Rのそれぞれは、ハウジング52L,52C,52Rの内部にロータ53L,53C,53Rを備える。ロータ53L,53C,53Rは、ハウジング52L,52C,52R内の円筒空間で回転可能かつ平行移動不能に設けられた環状のアウターロータ54と、アウターロータ54の内側に配置されて、アウターロータ54に対して偏心した軸線回りに回転可能に設けられたインナーロータ55と、を備える。アウターロータ54は、内歯を有する。インナーロータ55は、アウターロータ54の内歯に噛み合う、内歯よりも少数の外歯を有する。アウターロータ54およびインナーロータ55は、内歯と外歯との間に油室56を形成する。
図6は、ポンプユニットの斜視図である。図7は、ポンプユニットの平面図である。図8は、ポンプユニットの正面図である。
図6から図8に示すように、ポンプユニット50は、左スカベンジポンプ51L、フィードポンプ51Cおよび右スカベンジポンプ51Rが共用する単一のポンプボディ60および単一の駆動軸66を有する。ポンプボディ60は、左分割体61と、左分割体61の右方に隣接する中分割体62と、中分割体62の右方に配置された右分割体63と、中分割体62および右分割体63に挟まれた隔壁板64と、を備える。左分割体61、中分割体62、右分割体63および隔壁板64は、これらを車幅方向に貫通する複数のボルトによって締結されて一体化している。
図6に示すように、駆動軸66は、車幅方向に沿う軸線回りを回転可能に設けられている。駆動軸66は、ポンプボディ60から左右に突出している。駆動軸66の右端部には、クランクシャフトの回転が伝達されるプライマリドライブギヤ36が一体回転可能に取り付けられている。駆動軸の左端部には、ウォータポンプ(不図示)に回転を伝達するギヤ37が一体回転可能に取り付けられている。図5および図6に示すように、駆動軸66は、左スカベンジポンプ51L、フィードポンプ51Cおよび右スカベンジポンプ51Rそれぞれのインナーロータ55に同軸で結合している。駆動軸66がクランクシャフトの回転に連動して回転すると、アウターロータ54およびインナーロータ55は、油室56の容積を変化させながら回転し、油室56内の流体を駆動軸66の回転方向の下流側に圧送する。
図9は、図8のIX-IX線における断面図である。
図4および図9に示すように、左スカベンジポンプ51Lのハウジング52Lは、左分割体61および中分割体62によって形成されている。ハウジング52Lは、左スカベンジポンプ51Lのロータを収容するロータ収容部70Lと、ロータ収容部70Lに連続するとともに互いに独立した吸入ポート71Lおよび吐出ポート72Lと、を備える。
図5に示すように、ロータ収容部70Lは、ロータ53Lの形状に倣った円柱状の空間を画成している。ロータ収容部70Lは、ロータ53Lの外周面(アウターロータ54の外周面)が摺接する内周面を有する。内周面は、左分割体61に形成されている。
図10は、図8のX-X線におけるエンジンの断面図である。
図4および図10に示すように、吸入ポート71Lは、アウターロータ54の外周面および車幅方向の端面に対向するように形成されている。吸入ポート71Lには、左スカベンジポンプ51Lのロータ53Lの油室56が開口している。吸入ポート71Lは、左分割体61の上部で上方に開口している。ポンプボディ60は、吸入ポート71Lの上部開口を左側の密閉クランク室23の開口に対向させるように、クランクケース20のクランク室画成部21に密に結合している。これにより、吸入ポート71Lは、密閉クランク室23に連通している。
図9および図10に示すように、吐出ポート72Lは、アウターロータ54の車幅方向の端面に対向するように形成されている。吐出ポート72Lには、吸入ポート71Lよりも駆動軸66の回転方向の下流側で油室56が開口している。吐出ポート72Lは、左分割体61で前方および後方に開口している。吐出ポート72Lには、ロータ53Lの油室56から流体を排出する方向の流れを許容するワンウェイバルブ73Lが設けられている。
図9に示すように、フィードポンプ51Cのハウジング52Cは、中分割体62および隔壁板64によって形成されている。ハウジング52Cは、フィードポンプ51Cのロータ53Cを収容するロータ収容部70Cと、ロータ収容部70Cに連続するとともに互いに独立した吸入ポート71Cおよび吐出ポート72Cと、を備える。
ロータ収容部70Cは、ロータ53Cの形状に倣った円柱状の空間を画成している。ロータ収容部70Cは、ロータ53Cの外周面(アウターロータ54の外周面)が摺接する内周面を有する。内周面は、中分割体62に形成されている。
吸入ポート71Cは、アウターロータ54の外周面および車幅方向の端面に対向するように形成されている。吸入ポート71Cには、フィードポンプ51Cのロータ53Cの油室56が開口している。吐出ポート72Cは、アウターロータ54の車幅方向の端面に対向するように形成されている。吐出ポート72Cには、吸入ポート71Cよりも駆動軸66の回転方向の下流側で油室56が開口している。
図3、図8および図9に示すように、ハウジング52Cは、ストレーナ77が接続される吸入管75と、エンジン7の各部に延びる給油管に接続される吐出管76と、を有する。吸入管75および吐出管76は、中分割体62に設けられて下方に突出している。ストレーナ77は、吸入管75との接続部から下方に延び、オイル貯留空間41の下部で開口している。吸入ポート71Cは、吸入管75内を通り、吸入管75の下端で開口している。吐出ポート72Cは、吐出管76を通り、吐出管76の下端で開口している。フィードポンプ51Cは、オイル貯留空間41に貯留されたオイルを、ストレーナ77を通じて吸入し、吸入したオイルを吐出管76からエンジン7の各部に排出する。
図4および図9に示すように、右スカベンジポンプ51Rのハウジング52Rは、右分割体63および隔壁板64によって形成されている。ハウジング52Rは、右スカベンジポンプ51Rのロータ53Rを収容するロータ収容部70Rと、ロータ収容部70Rに連続するとともに互いに独立した吸入ポート71Rおよび吐出ポート72Rと、を備える。
図9に示すように、ロータ収容部70Rは、ロータ53Rの形状に倣った円柱状の空間を画成している。ロータ収容部70Rは、ロータ53Rの外周面(アウターロータ54の外周面)が摺接する内周面を有する。内周面は、右分割体63に形成されている。
図4に示すように、吸入ポート71Rは、アウターロータ54の外周面および車幅方向の端面に対向するように形成されている。吸入ポート71Rには、右スカベンジポンプ51Rのロータ53Rの油室56が開口している。吸入ポート71Rは、右分割体63の上部で上方に開口している。ポンプボディ60は、吸入ポート71Rの上部開口を右側の密閉クランク室23の開口に対向させるように、クランクケース20のクランク室画成部21に密に結合している。これにより、吸入ポート71Rは、密閉クランク室23に連通している。
図9に示すように、吐出ポート72Rは、アウターロータ54の車幅方向の端面に対向するように形成されている。吐出ポート72Rには、吸入ポート71Rよりも駆動軸66の回転方向の下流側で油室56が開口している。吐出ポート72Rは、右分割体63で前方および後方に開口している。吐出ポート72Rには、ロータ53Rの油室56から流体を排出する方向の流れを許容するワンウェイバルブ73Rが設けられている。
図4および図5に示すように、ポンプボディ60には、フィードポンプ51Cの吐出ポート72Cから吸入ポート71Cに延びるリリーフ通路81が形成されている。リリーフ通路81は、中分割体62および左分割体61に形成されている。リリーフ通路81には、フィードポンプ51Cの吐出ポート72Cから吸入ポート71Cに向かう方向の流れを許容するワンウェイバルブ82が設けられている。
図5および図6に示すように、ポンプユニット50は、リードバルブ90をさらに備える。リードバルブ90は、密閉クランク室23に対応して、左右に一対設けられている。リードバルブ90は、左スカベンジポンプ51Lに設けられた左リードバルブ90Lと、右スカベンジポンプ51Rに設けられた右リードバルブ90Rと、を含む。リードバルブ90は、吸入ポート71L,71Rからポンプユニット50外のオイル貯留空間41へ向かう方向の流れを許容し、その逆方向の流れを規制する。リードバルブ90は、ミッションケース部26の内壁面に前後方向で対向するように設けられている(図10参照)。ただし、リードバルブ90は、ミッションケース部26およびオイルパン40からなる組立体の内壁面に前後方向で対向するように配置されていればよい。
リードバルブ90は、ポンプボディ60に一体形成されるバルブボディ91と、バルブボディ91に形成され、スカベンジポンプ51L,51Rの吸入ポート71L,71Rの内外を連通する弁口92と、吸入ポート71L,71Rの内圧に応じて弁口92を開閉する弁体93と、開弁時の弁体93の移動を規制するストッパ94と、を備える。左リードバルブ90Lは、ポンプボディ60の左分割体61に設けられている。右リードバルブ90Rは、ポンプボディ60の右分割体63に設けられている。つまり、バルブボディ91は、ポンプボディ60の一部である。
弁口92は、バルブボディ91を略前後方向に沿って貫通している。より具体的には、弁口92は、バルブボディ91における略前方を向く部分に開口している。ここで、略前方とは、前方に対する傾斜角度が前方に対して直交した全ての方向に対する傾斜角度よりも小さい方向である。すなわち、略前方とは、前方に対して傾斜角度が45°未満の方向である。本実施形態では、弁口92は、前方に対して僅かに下方に傾斜した方向に開口している。弁口92は、吐出ポート72L,72Rの前方の開口よりも上方に形成されている。
弁体93は、弾性変形可能な薄板状に形成されている。弁体93は、弁口92の全体をバルブボディ91の外側から閉塞している。弁体93は、弁口92の開口方向から見て水平方向(車幅方向)に長手方向が沿う矩形状に形成されている(図8参照)。各リードバルブ90の弁体93は、車幅方向において他方のリードバルブ90から離れた側の端部のみにおいてバルブボディ91に固定されている。
ストッパ94は、弁口92の開口方向から見て弁体93と略同形同大に形成されて、互いの外形線が略一致するように配置されている。ストッパ94は、弁体93の可動部に対して弁体93の開弁方向に間隔をあけて配置されている。ストッパ94は、締結部材によって弁体93とともにバルブボディ91に固定されている。ストッパ94における弁体93の可動部に対向する箇所には、貫通孔94aが形成されている。ストッパ94は、オイルに貫通孔94aを通過させることで、弁体93をスムーズに変位させる。
リードバルブ90は、上述した構成によって、開弁時には弁口92の開口縁と弁体93との隙間を開口として機能させる。リードバルブ90の開口は、弁体93が車幅方向において他のリードバルブ90から離れた側の端部のみにおいてバルブボディ91に固定されていることにより、車幅方向内側から上下両側にわたって形成される。これにより、左右のリードバルブ90L,90Rそれぞれは、開弁時の開口が互いに向かい合うように配置されている。
図6に示すように、ポンプボディ60には、ポンプユニット50をクランク室画成部21に結合するための締結部68が設けられている。各締結部68は、円筒状に形成され、上下方向に貫通した貫通孔を有する。締結部68の内側には、ポンプユニット50をクランク室画成部21に締結するボルトが挿通される。締結部68は、左分割体61、中分割体62および右分割体63のそれぞれに設けられている。締結部68は、前後方向から見て車幅方向に並んでいる。本実施形態では、締結部68は、ポンプボディ60の前部に設けられた前側締結部68F1,68F2と、ポンプボディ60の後部に設けられた後側締結部68Rと、を備える。
前側締結部68F1,68F2は、左分割体61、中分割体62および右分割体63のそれぞれに設けられている。前側締結部68F1,68F2は、左分割体61および右分割体63に設けられた前側締結部68F1と、中分割体62に設けられた前側締結部68F2と、である。前側締結部68F1は、それぞれ車幅方向外側の角部に設けられている。前側締結部68F2は、中分割体62から前方に突出した前アーム69F(壁部)の先端に設けられている。前アーム69Fおよび前側締結部68F2は、前方から見て一対のリードバルブ90の間に配置されている(図8参照)。
図5に示すように、前側締結部68F2は、一対のリードバルブ90よりも前方に位置する。すなわち、前アーム69Fは、車幅方向から見てリードバルブ90に重なっている。前アーム69Fは、車幅方向から見て略一定の幅で基端から先端に向けて延びている。前アーム69Fは、車幅方向に非貫通とされている。
図7に示すように、前アーム69Fは、上方から見て基端から先端に向かうに従い車幅方向の幅が漸次小さくなるように形成されている。前アーム69Fは、上方から見て後方に開放したV字状に形成され、上下方向に開口した中空状に形成されている。
図6に示すように、後側締結部68Rは、左分割体61および右分割体63のそれぞれに設けられている。後側締結部68Rは、左分割体61および右分割体63のそれぞれから後方に突出した後アーム69Rの先端に設けられている。左分割体61および右分割体63それぞれにおいて、後側締結部68Rは前側締結部68F1よりも車幅方向の内側に設けられている。後アーム69Rは、車幅方向から見て略一定の幅で基端から先端に向けて延びている(図5参照)。
このように構成されたエンジン7では、エンジン7が運転されると、密閉クランク室23内のオイルが流下して、クランク室画成部21の底部22における密閉クランク室23の開口からスカベンジポンプ51L,51Rの吸入ポート71L,71Rに流入する。スカベンジポンプ51L,51Rは、クランクシャフトの回転に連動し、駆動軸66の回転に伴って作動する。スカベンジポンプ51L,51Rは、吸入ポート71L,71Rに流入したオイルをロータ53L,53Rの回転によって吸引し、吐出ポート72L,72Rを通じてスカベンジポンプ51L,51Rの前方および後方に吐出する。スカベンジポンプ51L,51Rから吐出されたオイルは、オイル貯留空間41に一旦貯留される。
フィードポンプ51Cは、クランクシャフトの回転に連動し、駆動軸66の回転に伴って作動する。フィードポンプ51Cは、ストレーナ77および吸入ポート71Cを通じてオイル貯留空間41のオイルをロータ53Cの回転によって吸引し、吐出ポート72Cを通じてエンジン7の各部に圧送する。また、吐出ポート72C内のオイルの圧力が所定以上に増大した場合には、リリーフ通路81を通じて吐出ポート72C内のオイルを吸入ポート71Cに還流する。
ところで、エンジン7の運転時において、密閉クランク室23内はスカベンジポンプ51L,51Rによって強制的に減圧される。しかしながら、ピストンの下降時等に密閉クランク室23の内圧が増加してスカベンジポンプ51L,51Rの能力が不足した場合には、リードバルブ90が開弁し、吸入ポート71L,71R内のオイルやブローバイガス等をクランク室画成部21およびポンプユニット50の外側に排出される。これにより、ポンプユニット50は、密閉クランク室23内の負圧を維持する。
本実施形態のリードバルブ90は、ミッションケース部26の内壁面に前後方向で対向するように設けられている。この構成によれば、弁口92がバルブボディ91を前後方向に沿うように貫通するので、弁口が上下方向に貫通する従来技術と比較して、リードバルブ90を前後方向において小型化できる。これにより、リードバルブ90は、エンジン7の大型化を抑制しつつ、リードバルブ90の内部空間を通じて密閉クランク室23の内外を連通させることができる。したがって、エンジン7の大型化を抑制した上で、密閉クランク室23の内外の連通させるリードバルブ90を設けることができる。
また、リードバルブ90は、オイルポンプを有するポンプユニット50に設けられている。この構成によれば、バルブユニットをポンプユニットとは別で設ける構成と比較して、リードバルブ90およびポンプユニット50をコンパクトに配置することができる。
左リードバルブ90Lおよび右リードバルブ90Rの間には、前アーム69Fが配置されている。この構成によれば、左リードバルブ90Lおよび右リードバルブ90Rそれぞれの開口から吐出されたオイルを前アーム69Fに当てることができる。これにより、一のリードバルブ90から吐出されたオイルが他のリードバルブ90の開口を通じて逆流することを抑制できる。さらに、左リードバルブ90Lおよび右リードバルブ90Rそれぞれの開口から吐出されたオイルを前アーム69Fに集めた上で滴下させることができるので、オイルの消泡効果が得られる。
また、リードバルブ90の開口は、開弁時に車幅方向内側から上下両側にわたって形成される。すなわち、リードバルブ90の開弁時の開口は、車幅方向の外側に形成されない。この構成によれば、ポンプボディ60に対する車幅方向の外側で駆動軸66に取り付けられたギヤ36,37に、リードバルブ90からオイルが飛散することを抑制できる。これにより、オイルの粘性に起因するギヤ36,37の回転抵抗の増大を抑制できる。
前アーム69Fは、ポンプユニット50に形成されている。この構成によれば、クランクケース20等、ポンプユニット50とは別部材に前アーム69Fのような壁部を設ける構成と比較して、よりリードバルブ90に近い位置に壁部となる前アーム69Fを簡素な構成で設けることができる。これにより、前アーム69Fに当たるオイル量を容易に増やしてオイルの消泡効果をより高めることができる。
前アーム69Fには、クランクケース20にポンプユニット50を結合するための前側締結部68F2が設けられている。この構成によれば、前アーム69Fを締結部として併用できるので、ポンプユニット50を小型化できる。
なお、本発明は、図面を参照して説明した上述の実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
例えば、上記実施形態では、V型4気筒エンジンに本発明を適用しているが、本発明の適用範囲はこれに限定されない。すなわち本発明は、密閉クランク室を有する各種内燃機関に適用できる。
また、上記実施形態では、リードバルブ90がミッションケース部26の内壁面に後方から対向するように配置されているが、この構成に限定されない。リードバルブは、略後方に開口した弁口を有し、ミッションケース部26およびオイルパン40からなる組立体の内壁面に前方から対向していてもよい。
また、上記実施形態では、リードバルブ90がポンプユニット50に設けられているが、この構成に限定されない。すなわち、リードバルブが設けられたバルブユニットを、ポンプユニットとは別体で形成してもよい。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
7…内燃機関 20…クランクケース 21…クランク室画成部 23…密閉クランク室 23a…開口 26…ミッションケース部(貯留空間画成部) 40…オイルパン(貯留空間画成部) 41…オイル貯留空間 50…ポンプユニット(バルブユニット) 51L…左スカベンジポンプ(オイルポンプ) 51R…右スカベンジポンプ(オイルポンプ) 68F2…前側締結部(締結部) 69F…前アーム(壁部) 71L,71R…吸入ポート(内部空間) 90…リードバルブ 90L…左リードバルブ(第1リードバルブ) 90R…右リードバルブ(第2リードバルブ)

Claims (5)

  1. 密閉クランク室(23)を画成するクランク室画成部(21)と、
    前記密閉クランク室(23)に連通する内部空間(71L,71R)を有し、前記内部空間(71L,71R)の内外を連通させるリードバルブ(90)が設けられたバルブユニット(50)と、
    前記バルブユニット(50)を囲うように配置され、前記バルブユニット(50)よりも下方にオイル貯留空間(41)を画成する貯留空間画成部(26,40)と、
    を備え、
    前記リードバルブ(90)は、前記貯留空間画成部(26,40)の内壁面に車両の前後方向で対向するように設けられている、
    を備える内燃機関。
  2. 前記リードバルブ(90)は、第1リードバルブ(90L)および第2リードバルブ(90R)を有し、
    前記第1リードバルブ(90L)および前記第2リードバルブ(90R)それぞれは、開口が互いに向かい合うように配置され、
    前記第1リードバルブ(90L)および前記第2リードバルブ(90R)の間に壁部(69F)が配置されている請求項1に記載の内燃機関。
  3. 前記壁部(69F)は、前記バルブユニット(50)に形成されている、
    請求項2に記載の内燃機関。
  4. 前記壁部(69F)には、前記クランク室画成部(21)を有するクランクケース(20)に前記バルブユニット(50)を結合するための締結部(68F2)が設けられている、
    請求項3に記載の内燃機関。
  5. 前記バルブユニット(50)は、オイルポンプ(51L,51R)を有する、
    請求項3または請求項4に記載の内燃機関。
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