JP2022148863A - 磁気センサ - Google Patents

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Hiroyuki Tomita
功 河邊
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Abstract

【課題】磁気インピーダンス効果によって磁界を感受する感受回路を用いた磁気センサにおいて、感度対雑音比を向上させる。【解決手段】磁気センサ10は、磁気インピーダンス効果により磁界を感受する感受部を含む感受回路12Aと、磁気インピーダンス効果により磁界を感受する感受部を含む感受回路12Bとを、備え、感受回路12Aと感受回路12Bとは、少なくとも一部の電流経路が平面視において重なり、それぞれの一端部が互いに電気的に接続されている。【選択図】図5

Description

本発明は、磁気センサに関する。
公報記載の従来技術として、非磁性体からなる基板と、該基板上に形成され、その長手方向両端に電極が設けられた薄膜磁気コアとからなる磁気インピーダンス素子において、前記薄膜磁気コアは少なくとも2個以上、並列配置されてなり、かつ、前記それぞれの薄膜磁気コアは互いに電気的に直列接続されていることを特徴とする磁気インピーダンス素子が存在する(特許文献1参照)。
特開2000-292506号公報
磁気インピーダンス効果によって磁界を感受する感受回路を用いた磁気センサでは、インピーダンスの変化が検出部で検出され、磁界の強度に変換される。しかし、感受回路に交流電流を供給する端子部は感受回路の両端部に設けられるため、端子部と検出部との間に大きな電流ループが形成される。この電流ループが雑音(ノイズ)を発生し、又雑音を拾う。このような雑音により、磁気センサの感度対雑音比(S/N比)が低下する。
本発明は、磁気インピーダンス効果によって磁界を感受する感受回路を用いた磁気センサにおいて、感度対雑音比を向上させることを目的とする。
本発明が適用される磁気センサは、磁気インピーダンス効果により磁界を感受する感受部を含む第1の感受回路と、磁気インピーダンス効果により磁界を感受する感受部を含む第2の感受回路とを、備え、第1の感受回路と第2の感受回路とは、少なくとも一部の電流経路が平面視において重なり、それぞれの一端部が互いに電気的に接続されている。
このような磁気センサにおいて、第1の感受回路と第2の感受回路とは、重なって対向する部分における電流の方向が逆であることを特徴とすることができる。
そして、第1の感受回路と第2の感受回路とは、つづら折り構造を有していることを特徴とすることができる。
さらに、第1の感受回路と第2の感受回路とは、対向した状態において平面視した平面形状が同じであることを特徴とすることができる。
このような磁気センサにおいて、第1の感受回路が非磁性の第1の基板に設けられ、第2の感受回路が非磁性の第2の基板に設けられていることを特徴とすることができる。
または、第1の感受回路が非磁性の基板の表面側に設けられ、第2の感受回路が基板の裏面側に設けられていることを特徴とすることができる。
このような磁気センサにおいて、第1の感受回路と第2の感受回路とは、直列に接続されていることを特徴とすることができる。
他の観点から捉えると、本発明が適用される磁気センサは、磁気インピーダンス効果により磁界を感受する感受部を含む感受回路と、非磁性の導電体で構成された電流回路と、を備え、感受回路と電流回路とは、少なくとも一部の電流経路が平面視において重なり、それぞれの一端部が互いに電気的に接続されている。
このような磁気センサにおいて、感受回路が非磁性の第1の基板に設けられ、電流回路が非磁性の第2の基板に設けられていることを特徴とすることができる。
または、感受回路が非磁性の基板の表面側に設けられ、電流回路が基板の裏面側に設けられていることを特徴とすることができる。
さらに他の観点から捉えると、本発明が適用される磁気センサは、軟磁性体で構成され、感受回路に外部からの磁力線を集束させる集束部材を備えることを特徴とすることができる。
そして、このような磁気センサは、軟磁性体で構成されて感受回路を透過した磁力線を外部に発散させる発散部材を備えることを特徴とすることができる。
さらに、集束部材と発散部材とは、感受回路が設けられる基板の外部に設けられることを特徴とすることができる。
本発明によれば、磁気インピーダンス効果によって磁界を感受する感受回路を用いた磁気センサにおいて、感度対雑音比が向上する。
磁気センサにより磁界を測定する磁気センサシステムを説明する図である。(a)は、第1の実施の形態が適用される磁気センサを用いた磁気センサシステム、(b)は、比較のために示す、第1の実施の形態が適用されない磁気センサを用いた磁気センサシステムである。 図1(b)に示した磁気センサにおいて、磁気センサ近傍の配線が作る電流ループの面積と磁気センサ及び電流ループにより生じるインダクタンスとの関係を示す図である。 感受回路の一例を説明する図である。(a)は、平面図、(b)は、図3(a)のIIIB-IIIB線での断面図である。 感受回路の感受部の長手方向に印加された外部磁界と感受回路のインピーダンスとの関係を説明する図である。 第1の実施の形態が適用される磁気センサの構成を説明する図である。(a)は、磁気センサの斜視図、(b)は、感受回路における電流と磁界とを説明する図である。 磁気センサにおける2個の感受回路の重ね方を説明する図である。(a)は、2個の感受回路を内側で対向させた配置、(b)は、2個の感受回路を外側で対向させた配置、(c)は、2個の感受回路を積み重ねた配置、図6(d)は、2個の感受回路を一つの基板の表裏に設けた配置である。 2個の感受回路を重ねた磁気センサにおける感度を説明する図である。(a)は、電流ループの面積と感度との関係、(b)は、2個の感受回路間の間隔と感度との関係である。 2個の感受回路を重ねた磁気センサにおける感度を説明する図である。 磁力線を集束させる集束部材と、磁力線を外部に発散させる発散部材を備えた磁気センサを説明する図である。 磁気センサの構成と感度、雑音(ノイズ)及び感度対雑音比の関係を説明する図である。 第2の実施の形態が適用される磁気センサの構成を説明する図である。(a)は、磁気センサの斜視図、(b)は、感受回路及び電流回路における電流と磁界とを説明する図である。 第1の実施の形態が適用される磁気センサと第2の実施の形態が適用される磁気センサとを比較して説明する図である。(a)は、第2の実施の形態が適用される磁気センサの断面図、(b)は、第1の実施の形態が適用される磁気センサの断面図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
[第1の実施の形態]
(磁気センサシステム1)
図1は、磁気センサ10により磁界を測定する磁気センサシステム1を説明する図である。図1(a)は、第1の実施の形態が適用される磁気センサ10を用いた磁気センサシステム1、図1(b)は、比較のために示す、第1の実施の形態が適用されない磁気センサ10′を用いた磁気センサシステム1′である。
図1(a)に示す、第1の実施の形態が適用される磁気センサ10を用いた磁気センサシステム1は、磁界を感受する磁気センサ10と、交流電流発生部200と、検出部300とを備えている。磁気センサ10は、交流電流発生部200及び検出部300に接続端子20、30を介して接続されている。磁気センサ10は、磁気インピーダンス効果に基づいて磁界の変化によりインピーダンスが変化する感受部121(後述する図3(a)参照)を含む感受回路12A、12Bを備えている。感受回路12A、12Bは、重ねられている。感受回路12Aは、第1の感受回路の一例であり、感受回路12Bは、第2の感受回路の一例である。
感受回路12Aは、端子部123A、124Aを備え、感受回路12Bは、端子部123B、124Bを備えている。感受回路12Aの端子部124Aと感受回路12Bの端子部124Bとが、接続線13により接続されている。感受回路12Aと感受回路12Bとは、直列接続されている。そして、感受回路12Aの端子部123Aと接続端子20とが接続され、感受回路12Bの端子部123Bと接続端子30とが接続されている。磁気センサ10では、感受回路12Aの端子部123Aと感受回路12Bの端子部123Bとの間で電流が流れる。感受回路12Aと感受回路12Bとは直列接続されているので、流れる電流の向きが逆になる。
図1(a)に示すように、感受回路12Aの端子部123Aと感受回路12Bの端子部123Bとの中心間の距離は、感受回路12Aの端子部123Aと感受回路12Aの端子部124Aとの中心間距離や感受回路12Aの端子部123Aと感受回路12Bの端子部124Bとの中心間の距離に比べて短い。
図1(b)に示すように、第1の実施の形態が適用されない磁気センサ10′を用いた磁気センサシステム1′は、磁界を感受する磁気センサ10′と、交流電流発生部200と、検出部300とを備える。磁気センサシステム1′における交流電流発生部200及び検出部300は、図1(a)に示した磁気センサシステム1と同じである。磁気センサ10′は、交流電流発生部200及び検出部300に接続端子20、30を介して接続される。磁気センサ10′は、感受回路12Aを備える。つまり、磁気センサ10′は、感受回路12Bを備えない。
感受回路12Aの端子部123Aが接続端子20に接続され、感受回路12Aの端子部124Aが接続端子30に接続されている。
感受回路12A、12Bは、同じ構成である。よって、以下では、感受回路12A、12Bを区別しない場合は、感受回路12と表記する。
交流電流発生部200は、高周波成分を含む交流電流(以下では、高周波電流と表記する。)を発生する回路を含み、高周波電流を磁気センサ10、10′に供給する。なお、高周波とは、例えば20MHz以上である。
検出部300は、磁気センサ10、10′のインダクタンスの変化やインピーダンスの振幅や位相の変化を検出する回路を備える。
図1(a)には、磁気センサシステム1において、磁気センサ10と接続端子20、30との間で構成される電流ループαと、接続端子20、30と検出部300との間で構成される電流ループβとを示している。なお、電流ループαは、磁気センサ10近傍の配線が作る電流ループであり、電流ループβは、検出部300近傍の配線が作る電流ループである。以下では、電流ループαを、磁気センサ10近傍の配線が作る電流ループαと表記し、電流ループβを、検出部300近傍の配線が作る電流ループβと表記する。そして、電流ループαと電流ループβとを加えた電流ループは、磁気センサ10と検出部300とが囲む電流ループである。電流ループは、インダクタンスとして機能する。そして、電流ループの面積が大きいほど、インダクタンスが大きくなる。
磁気センサ10近傍の配線が作る電流ループαは、磁気センサ10における電流ループα1と、磁気センサ10と接続端子20、30との間における電流ループα2とから構成されている。磁気センサ10における電流ループα1は、感受回路12Aと感受回路12Bとの間における電流ループである。図1(a)では、電流ループα1(α)、電流ループα2(α)と表記する。
図1(b)には、磁気センサシステム1′において、磁気センサ10′と接続端子20、30との間で構成される電流ループα′と、接続端子20、30と検出部300との間で構成される電流ループβとを示している。接続端子20、30と検出部300との間で構成される電流ループβ、つまり検出部300近傍の配線が作る電流ループβは、図1(a)に示す磁気センサシステム1と同じである。
磁気センサ10′近傍の配線が作る電流ループα′は、磁気センサ10′における電流ループα′1と、磁気センサ10′と接続端子20、30との間における電流ループα′2とから構成されている。磁気センサ10′における電流ループα′1は、感受回路12Aにおける電流ループである。図1(b)では、電流ループα′1(α′)、電流ループα′2(α′)と表記する。
磁気センサシステム1′における電流ループα′は、図1(a)に示した磁気センサシステム1における電流ループαと異なっている。つまり、磁気センサ10′近傍の配線が作る電流ループα′の面積は、磁気センサ10近傍の配線が作る電流ループαに比べて大きい。これは、磁気センサ10′と接続端子20、30との間における電流ループα′2の面積が、磁気センサ10と接続端子20、30との間における電流ループα2より大きいためである。磁気センサシステム1では、端子部123A、123Bと接続端子20、30とが接続されている。一方、磁気センサシステム1′では、端子部123A、124Aと接続端子20、30とが接続されている。磁気センサシステム1(磁気センサ10)における端子部123A、123Bの中心間の距離は、磁気センサシステム1′(磁気センサ10′)における端子部123A、124Aの中心間の距離より短い。このため、電流ループα2の面積は、電流ループα′2に比べて小さくなる。
さらに、磁気センサ10における電流ループα1は、重ねて配置された感受回路12Aと感受回路12Bとの間の電流ループである。一方、磁気センサ10′の電流ループα′1は、感受回路12Aにおける電流ループである。電流ループα1は、後述するように電流が往復する電流経路が接するようになるので、電流ループα′1に比べて小さくなる。
ここで、磁気センサシステム1のインダクタンス変化に対する電流ループによるインダクタンスの影響を説明する。なお、図1(a)に示す磁気センサ10を例として説明する。
信号磁界を印加しない場合における磁気センサ10のインダクタンスをL1とし、信号磁界が印加された場合における磁気センサ10のインダクタンスの変化量をΔL1とする。そして、磁気センサ10近傍の配線が作る電流ループα、及び検出部300近傍の配線が作る電流ループβにより生じるインダクタンスをL2とする。なお、信号磁界とは、磁気センサ10の動作を説明するために、外部から磁気センサ10に印加される磁界である。磁気センサ10に信号磁界を印加すると、信号磁界を印加しない場合に対して、磁気センサ10のインピーダンスが変化する。
信号磁界が印加されていない状態におけるインダクタンスは、L1+L2である。そして、信号磁界が印加されている状態におけるインダクタンスは、L1+ΔL1+L2となる。よって、信号磁界が印加されたことによって、検出部300が検出するインダクタンスの変化率は、(L1+ΔL1+L2)/(L1+L2)となる。したがって、インダクタンスの変化率は、インダクタンスL2が小さいほど大きくなる。言い換えれば、インダクタンスL2が小さいほど、インダクタンスの変化率が大きくなり、磁界を検出する感度が向上する。つまり、磁気センサ10近傍の配線が作る電流ループα及び検出部300近傍の配線が作る電流ループβにより生じるインダクタンスL2を小さくすれば、磁気センサ10の感度が向上する。
また、磁気センサ10近傍の配線が作る電流ループα及び検出部300近傍の配線が作る電流ループβの面積が大きいほど、雑音(ノイズ)を発生しやすく、且つ雑音(ノイズ)を拾いやすい。つまり、感受回路12に高周波電流が流れることにより磁界が発生し、発生した磁界が高周波電流に雑音(ノイズ)が生じる。
図2は、図1(b)に示した磁気センサ10′において、磁気センサ10′近傍の配線が作る電流ループα′の面積と磁気センサ10′及び電流ループα′により生じるインダクタンスとの関係を示す図である。横軸は、電流ループα′の面積(図2では、電流ループの面積(mm))、縦軸は、インダクタンス(nH)である。ここでは、後述する図3に示す磁気センサ10の端子部123と端子部124とをインピーダンス測定器に接続して、インダクタンスを測定した。このとき、端子部123及び端子部124とインピーダンス測定器とを接続する配線が囲む面積を変化させた。図2では、インダクタンスを測定する周波数を、20MHz、50MHz、100MHzとした。
図2に示すように、磁気センサ10′及び電流ループα′により生じるインダクタンスは、電流ループα′の面積が大きくなるほど大きくなる。また、磁気センサ10′及び電流ループα′により生じるインダクタンスは、周波数が高いほど大きくなる。つまり、電流ループα′の面積を小さくすれば、インダクタンスが小さくなる。
なお、検出部300は、上記の磁気センサ10のインダクタンスの変化を検出する代わりに、インダクタンスL、抵抗R及び容量Cを含むインピーダンスの変化を検出してもよい。例えば、検出部300は、インピーダンスの振幅や位相を検出する回路を備えてもよい。この場合、インピーダンスZは、Z=R+jωL+1/(jωC)=R+jXと表記される。そして、振幅|Z|は、|Z|=√(R+X)であり、位相θは、θ=tan-1(X/R)と表記される。ここで、ωは角周波数、Xはリアクタンスである。
感受回路12(後述する図3(a)参照)を含んで構成される磁気センサ10′は、交流電流発生部200及び検出部300を構成する電子部品に比べ大きくなりやすい。よって、図1(b)に示すように、感受回路12Aの端子部123A、124Aと接続端子20、30とが接続される磁気センサ10′近傍の配線が作る電流ループα′の面積は、検出部300近傍の配線が作る電流ループβの面積より大きくなりやすい。よって、磁気センサ10′近傍の配線が作る電流ループα′を小さくすることが好ましい。しかし、磁気センサ10′における電流ループα′1は磁気センサ10′の形状で決まるため、磁気センサ10′においては、電流ループα′1の面積を小さくしづらい。また、磁気センサ10′における電流ループα′1の面積よりも、磁気センサ10と接続端子20、30との間の電流ループα′2の面積の方が大きくなりやすい。
よって、第1の実施の形態が適用される磁気センサ10(図1(a))では、磁気センサ10近傍の配線が作る電流ループαにおいて、磁気センサ10と接続端子20、30との間の電流ループα2の面積を、磁気センサ10′(図1(b))近傍の配線が作る電流ループα′における磁気センサ10′と接続端子20、30との間の電流ループα′2の面積より小さくしている。
(感受回路12)
ここで、磁気センサ10における感受回路12を説明する。なお、感受回路12Aと感受回路12Bとは、同じ構成である。
図3は、感受回路12の一例を説明する図である。図3(a)は、平面図、図3(b)は、図3(a)のIIIB-IIIB線での断面図である。図3(a)において、紙面の右方向が+x方向、紙面の上方向が+y方向、紙面の表面方向が+z方向である。図3(b)において、紙面の右方向が+x方向、紙面の上方向が+z方向、紙面の裏面方向が+y方向である。
図3(a)の平面図により、感受回路12の平面構造を説明する。ここでは、感受回路12は、基板11上に設けられているとして説明する。基板11は、一例として四角形の平面形状を有する。基板11の平面形状は、数mm角~数10mm角である。例えば、x方向の長さが3mm~20mm、y方向の長さが3mm~20mmである。なお、基板11は、平面形状が四角形でなくてもよく、平面形状の大きさは、他の値であってもよい。
感受回路12は、並列配置された複数の感受部121と、感受部121間をつづら折り(ミアンダ構造)に直列接続する接続部122と、端子部123、124とを備えている。端子部123、124は、感受回路12において、接続部122で接続された感受部121の一方の端部と他方の端部とに設けられている。
感受部121は、平面形状が長手方向と短手方向とを有する短冊状である。図3(a)に示す感受部121は、x方向を長手方向、y方向を短手方向とする。そして、図3(a)では、4個の感受部121がy方向に並列配置されている。感受部121が磁気インピーダンス効果を示す。よって、磁気センサ10又は感受回路12を磁気インピーダンス素子と表記することがある。そして、感受部121を、感受素子と表記することがある。
各感受部121は、例えば長手方向の長さが1mm~10mm、短手方向の幅が50μm~150μmである。厚さが0.2μm~5μmである。隣接する感受部121間の間隔は、50μm~150μmである。そして、感受部121の数は、図3(a)では4個であるが、他の数であってもよい。
なお、それぞれの感受部121の大きさ(長さ、面積、厚さ等)、感受部121の数、感受部121間の間隔等は、感受、つまり検出したい磁界の大きさなどによって設定されればよい。なお、感受部121は、1個でもよい。
接続部122は、隣接する感受部121の端部間に設けられ、複数の感受部121を直列接続する。つまり、接続部122は、隣接する感受部121をつづら折りに接続している。図3(a)に示す4個の感受部121を備える磁気センサ10では、接続部122は3個である。接続部122の数は、感受部121の数によって異なる。例えば、感受部121が5個であれば、接続部122は4個である。また、感受部121が1個であれば、接続部122を備えない。なお、接続部122の幅は、感受回路12に流す電流などによって設定すればよい。例えば、接続部122の幅は、感受部121と同じであってもよい。
図3(a)において、端子部123は、紙面の下側(-y方向側)に設けられ、端子部124は、紙面の上側(+y方向側)に設けられている。端子部123、124は、回路と接続しうる大きさであればよい。なお、図3(a)に示す感受回路12では、感受部121が4個であるため、端子部123、124は、紙面の右側(+x方向側)に設けられている。感受部121の数が奇数の場合には、端子部123、124を紙面の左右方向側(±x方向側)に分けて設けられる。なお、感受回路12を左右反転して構成してもよい。
以上説明したように、感受回路12は、感受部121が接続部122によってつづら折りに直列接続され、端子部123、124から高周波電流が流れる。よって、高周波電流が流れる経路(ここでは、電流経路と表記する。)であることから、感受回路12と表記する。
図3(b)の断面図により、感受回路12の断面構造を説明する。ここでは、感受回路12の感受部121を中心に説明する。なお、基板11を合わせて表示している。
感受回路12は、基板11上に設けられている。感受回路12は、一例として、基板11側から4層の軟磁性体層111a、111b、111c、111dを備える。そして、感受回路12は、軟磁性体層111aと軟磁性体層111bとの間に、軟磁性体層111aと軟磁性体層111bとに還流磁区の発生を抑制する磁区抑制層112aを備える。さらに、感受回路12は、軟磁性体層111cと軟磁性体層111dとの間に、軟磁性体層111cと軟磁性体層111dとに還流磁区の発生を抑制する磁区抑制層112bを備える。そしてまた、感受回路12は、軟磁性体層111bと軟磁性体層111cとの間に、感受回路12の抵抗(ここでは、電気抵抗をいう。)を低減させる導電体層113を備える。軟磁性体層111a、111b、111c、111dをそれぞれ区別しない場合は、軟磁性体層111と表記する。磁区抑制層112a、112bをそれぞれ区別しない場合には、磁区抑制層112と表記する。
基板11は、非磁性体からなる基板であって、例えばガラス、サファイアといった電気絶縁性の酸化物基板、シリコン等の半導体基板、又は、アルミニウム、ステンレススティール、ニッケルリンメッキを施した金属等の金属基板などである。なお、基板11が、シリコン等の半導体基板、又は、アルミニウム、ステンレススティール、ニッケルリンメッキを施した金属等の金属基板などであって導電性が高い場合には、感受回路12が設けられる側の基板11の表面に、基板11と感受回路12とを電気的に絶縁する絶縁体層を設けるとよい。このような絶縁体層を構成する絶縁体としては、SiO、Al、TiO等の酸化物、又は、Si、AlN等の窒化物等が挙げられる。ここでは、基板11は、ガラスであるとして説明する。このような基板11の厚さは、例えば0.3mm~2mmである。なお、基板11の厚さは他の値であってもよい。
軟磁性体層111は、磁気インピーダンス効果を示すアモルファス合金の軟磁性体で構成される。軟磁性体層111を構成する軟磁性体としては、Coを主成分とした合金に高融点金属Nb、Ta、W等を添加したアモルファス合金を用いるのがよい。このようなCoを主成分とした合金としては、CoNbZr、CoFeTa、CoWZr、CoFeCrMnSiB等が挙げられる。軟磁性体層111の厚さは、例えば100nm~1μmである。
ここで、軟磁性体とは、外部磁界によって容易に磁化されるが、外部磁界を取り除くと速やかに磁化がないか又は磁化が小さい状態に戻る、いわゆる保磁力の小さい材料である。
また、本明細書において、アモルファス合金、アモルファス金属とは、結晶のような原子の規則的な配列を有しない構造を有し、スパッタリング法などで形成されるものをいう。
磁区抑制層112は、磁区抑制層112を挟む上下の軟磁性体層111に還流磁区が発生するのを抑制する。
一般に、軟磁性体層111には、それぞれの磁化の向きが異なる複数の磁区が形成されやすい。この場合、磁化の向きが環状を呈する還流磁区が形成される。外部磁界が大きくなると、磁壁が移動し、外部磁界の向きと磁化の向きとが同じ磁区の面積が大きくなり、外部磁界の向きと磁化の向きとが逆の磁区の面積が小さくなる。そして、さらに外部磁界が大きくなると、磁化の向きが外部磁界の向きと異なる磁区において、磁化の向きが外部磁界の向きと同じ向きを向く磁化回転が生じる。そして、ついには隣接する磁区同士の間に存在していた磁壁が消滅し、1つの磁区(単磁区)となる。つまり、還流磁区が形成されていると、外部磁界の変化に伴って、還流磁区を構成する磁壁が階段状に不連続に移動するバルクハウゼン効果が生じる。この磁壁の不連続な移動は、磁気センサ10におけるノイズとなり、磁気センサ10から得られる出力におけるS/Nの低下を生じるおそれがある。磁区抑制層112は、磁区抑制層112の上下に設けられた軟磁性体層111に面積の小さな複数の磁区が形成されるのを抑制する。これにより、還流磁区が形成されることが抑制され、磁壁が不連続に移動することによるノイズの発生を抑制する。なお、磁区抑制層112は、磁区抑制層112を含まない場合に比べて、形成される磁区の数が少なく、つまり磁区の大きさが大きくなる効果が得られればよい。
このような磁区抑制層112としては、Ru、SiO等の非磁性体や、CrTi、AlTi、CrB、CrTa、CoW等の非磁性アモルファス金属が挙げられる。このような磁区抑制層112の厚さは、例えば10nm~100nmである。
導電体層113は、感受回路12の抵抗を低減する。つまり、導電体層113は、軟磁性体層111より導電性が高く、導電体層113を含まない場合に比べて、感受回路12の抵抗を小さくする。磁界は、感受回路12の端子部123、124間に交流電流を流した際におけるインピーダンス(以下では、インピーダンスZと表記する。)の変化(ΔZと表記する。)により検出される。この際、交流電流の周波数が高いほど、外部磁界の変化(ここでは、ΔHと表記する。)に対するインピーダンスZの変化率ΔZ/ΔH(以下ではインピーダンス変化率ΔZ/ΔH)が大きくなる。しかし、導電体層113を含まない状態で交流電流の周波数を高くすると、浮遊容量により、逆にインピーダンス変化率ΔZ/ΔHが小さくなってしまう。そこで、導電体層113を設けて、感受回路12の抵抗を低減させている。
このような導電体層113としては、導電性が高い金属または合金を用いることが好ましく、導電性が高く且つ非磁性の金属または合金を用いることがより好ましい。このような導電体層113としては、Ag、Al、Cu等の金属が挙げられる。導電体層113の厚さは、例えば、10nm~1μmである。導電体層113は、導電体層113を含まない場合に比べて、感受回路12の抵抗が低減されるものであればよい。
なお、磁区抑制層112を挟む上下の軟磁性体層111、及び導電体層113を挟む上下の軟磁性体層111は、互いに反強磁性結合(AFC:Antiferromagnetically Coupled)している。下上の軟磁性体層111が反強磁性結合することで、反磁界が抑制され、磁気センサ10の感度が向上する。
(感受回路12の動作)
続いて、感受回路12の動作について説明する。
図4は、感受回路12の感受部121の長手方向に印加された外部磁界Hと感受回路12のインピーダンスZとの関係を説明する図である。図4において、横軸が外部磁界H、縦軸がインピーダンスZである。なお、インピーダンスZは、図3(a)に示す感受回路12の端子部123、124間に交流電流を流して測定される。よって、インピーダンスZは感受回路12のインピーダンスであるが、磁気センサ10のインピーダンスZと表記することがある。
図4に示すように、感受回路12のインピーダンスZは、感受部121の長手方向に印加される磁界Hが大きくなるにしたがい大きくなる。そして、感受回路12のインピーダンスZは、印加する磁界Hが異方性磁界Hkより大きくなると小さくなる。感受部121の異方性磁界Hkより小さい範囲において、磁界Hの変化量ΔHに対してインピーダンスZの変化量ΔZが急峻な部分(ΔZ/ΔHが大きい)を用いると、磁界Hの微弱な変化をインピーダンスZの変化量ΔZとして取り出すことができる。図4では、ΔZ/ΔHが大きい磁界Hの中心を磁界Hbとして示している。つまり、磁界Hbの近傍(図4で矢印で示す範囲)における磁界Hの変化量(ΔH)が高精度に測定できる。ここで、インピーダンスZの変化量ΔZが最も急峻な(ΔZ/ΔHが最も大きい)部分ほど、磁気インピーダンス効果が大きく、磁界又は磁界の変化を計測しやすい。換言すれば、磁界Hに対するインピーダンスZの変化が急峻なほど感度が高くなる。磁界Hbは、バイアス磁界と呼ばれることがある。以下では、磁界Hbをバイアス磁界Hbと表記する。なお、感受回路12に流される交流電流の周波数が高いほど、感度は高くなる。
(感受回路12の製造方法)
感受回路12は、次のようにして製造される。
まず、基板11上に、感受回路12の平面形状を除いた部分を覆うフォトレジストのパターンを公知のフォトリソグラフィ技術により形成する。ついで、基板11上に、軟磁性体層111a、磁区抑制層112a、軟磁性体層111b、導電体層113、軟磁性体層111c、磁区抑制層112b、軟磁性体層111dを順に、例えばスパッタリング法により堆積する。そして、フォトレジスト上に堆積された軟磁性体層111a、磁区抑制層112a、軟磁性体層111b、導電体層113、軟磁性体層111c、磁区抑制層112b、軟磁性体層111dを、フォトレジストとともに除去する。すると、基板11上に、感受回路12の平面形状に加工された、軟磁性体層111a、磁区抑制層112a、軟磁性体層111b、導電体層113、軟磁性体層111c、磁区抑制層112b、軟磁性体層111dからなる積層体が残る。つまり、感受回路12が形成される。
軟磁性体層111は、前述したように、長手方向と交差する方向、例えば短手方向(図2(a)のy方向)に一軸磁気異方性が付与されている。一軸磁気異方性は、基板11上に形成された感受回路12を、例えば3kG(0.3T)の回転磁場中における400℃での熱処理(回転磁場中熱処理)と、それに引き続く3kG(0.3T)の静磁場中における400℃での熱処理(静磁場中熱処理)とを行うことで付与できる。一軸磁気異方性の付与は、回転磁場中熱処理及び静磁場中熱処理で行う代わりに、感受回路12を構成する軟磁性体層111の堆積時にマグネトロンスパッタリング法を用いて行ってもよい。つまり、マグネトロンスパッタリング法に用いられる磁石(マグネット)が形成する磁界により、軟磁性体層111の堆積と同時に、軟磁性体層111に一軸磁気異方性が付与される。
以上に説明した製造方法では、感受回路12の感受部121、接続部122及び端子部123、124は、同時に形成される。なお、感受部121とは別に、接続部122、端子部123、124を導電性のAl、Cu、Ag、Au等の金属で形成してもよい。また、感受部121と同時に形成された接続部122及び/又は端子部123、124上に、導電性のAl、Cu、Ag、Au等の金属を積層してもよい。
なお、感受回路12は、磁区抑制層112及び導電体層113を備えるとしたが、磁区抑制層112及び導電体層113のいずれか一方又は両方を備えなくてもよい。
(第1の実施の形態が適用される磁気センサ10)
第1の実施の形態が適用される磁気センサ10を詳細について説明する。
前述したように、磁気センサ10近傍の配線の作る電流ループαの面積を小さくすれば、インダクタンスが小さくなり、感度が向上する。第1の実施の形態が適用される磁気センサ10では、図1に示したように、感受回路12を2個重ねて直列接続し、電流ループαの面積を、重ねない場合に比べて小さくしている。
また、感受回路12に高周波電流が流れると、電流経路を取り巻く磁界が発生する。発生した磁界は、電流経路に電流を発生する。つまり、電流経路に高周波電流が流れると、磁界が発生し、流れる高周波電流に影響を与えるノイズを発生する。これにより、磁気センサ10のS/Nが低下する。
図5は、第1の実施の形態が適用される磁気センサ10の構成を説明する図である。図5(a)は、磁気センサ10の斜視図、図5(b)は、感受回路12における電流と磁界とを説明する図である。図5(a)、図5(b)におけるx方向、y方向及びz方向は、図3(a)に対応する。
磁気センサ10は、感受回路12Aと感受回路12Bとを重ねて構成されている。つまり、感受回路12Aと感受回路12Bとは同じ平面形状を有し、平面視した場合に、感受回路12Aの感受部121、接続部122、端子部123A、124Aと感受回路12Bの感受部121、接続部122、端子部123B、124Bとが、互いに重なって配置されている。なお、平面視とは、z方向から磁気センサ10を、基板11を透視して見ることをいう。そして、感受回路12Aの端子部124Aと感受回路12Bの端子部124Bとが接続線13にて接続されている。感受回路12Aの端子部123Aが接続端子20に接続され、感受回路12Bの端子部123Bが接続端子30に接続されている(図1(a)参照)。
接続線13は、導電体で構成されている。このような導電体としては、Al、Cu、Au、Agなどや、これらの合金などが挙げられる。つまり、感受回路12Aと感受回路12Bとは、それぞれの一端部において、互いに電気的に接続されている。
感受回路12Aの端子部123Aと感受回路12Bの端子部123Bとの中心間の距離は、感受回路12Aの端子部123Aと端子部124Aとの中心間の距離や感受回路12Aの端子部123Aと感受回路12Bの端子部124Bとの中心間の距離より短い距離に位置する。よって、図1(a)に示すように、磁気センサ10と接続端子20、30との間における電流ループα2は、図1(b)に示した磁気センサ10′と接続端子20、30との間における電流ループα′2より小さくなる。
なお、磁気センサ10における電流ループα1の面積は、対向する感受回路12Aと感受回路12Bとの間の面積である。
よって、図1(a)に示した磁気センサ10近傍の配線が作る電流ループα(α1+α2)の面積は、図1(b)に示した磁気センサ10′近傍の配線が作る電流ループα′(α′1+α′2)の面積より小さくなる。これにより、インダクタンスが小さくなる。
高周波電流は、感受回路12Aの端子部123Aと感受回路12Bの端子部123Bとの間で流れる。高周波電流であるので、感受回路12Aの端子部123Aと感受回路12Bの端子部123Bとの間において流れる電流の方向は、交互に入れ替わる。図5(a)には、感受回路12Aの端子部123Aから感受回路12Bの端子部123Bへ電流が流れる場合における電流の向きを白抜き矢印Iにて示している。感受回路12Aと感受回路12Bとは直列接続されているので、感受回路12Aに流れる電流と感受回路12Bに流れる電流とは大ききが同じであって、流れる方向が逆になる。
図5(b)では、磁気センサ10において、重ねて配置した感受回路12Aと感受回路12Bとを、xy平面においてずらして並列に示している。図5(b)には、感受回路12Aの端子部123Aから感受回路12Bの端子部123Bへ電流Iが流れる場合を示している。図5(b)では、電流Iの流れる向きを白抜き矢印で示している。
図5(b)に示すように、重ねて配置した感受回路12Aと感受回路12Bとで、電流Iの大きさは同じであって、流れる方向は逆である。したがって、感受回路12Aの電流経路を取り巻いて発生する磁界Hの大きさと、感受回路12Bの電流経路を取り巻いて発生する磁界Hの大きさとは等しく、向きが逆になる。つまり、感受回路12Aにより発生する磁界と、感受回路12Bにより発生する磁界とが打ち消しあう。これにより、感受回路12A及び感受回路12Bに流れる高周波電流により磁気センサ10に発生する磁界は、感受回路12A又は感受回路12Bのみの磁気センサ10′の場合(図1(b)参照)に比べて弱くなる。よって、磁界の発生による高周波電流に影響を与える雑音(ノイズ)が低減する。これにより、磁気センサ10の感度対雑音比(S/N比)が向上する。なお、図5(b)では、電流Iによって発生する磁界を磁界Hと表記し、円弧状の矢印で示している。
図6は、磁気センサ10における2個の感受回路12(感受回路12A、12B)の重ね方を説明する図である。図6(a)は、2個の感受回路12A、12Bを内側で対向させた配置、図6(b)は、2個の感受回路12A、12Bを外側で対向させた配置、図6(c)は、2個の感受回路12A、12Bを積み重ねた配置、図6(d)は、2個の感受回路12A、12Bを一つの基板11Cの表裏に設けた配置である。図6(a)~(c)に示す感受回路12A、12Bは、図3(a)のVI-VI線での断面図である。そして、感受回路12A、感受回路12Bが設けられる基板11を基板11A、11Bとする。図6(d)の基板11を基板11Cとする。なお、基板11Aが第1の基板の一例であり、基板11Bが第2の基板の一例である。
図6(a)に示す磁気センサ10は、基板11A上に設けられた感受回路12Aと、基板11B上に設けられた感受回路12Bとにおいて、感受回路12Aと感受回路12Bとが内側で対向するように、基板11B側の感受回路12Bが-z方向に向けて配置されている。この場合、電気的に絶縁するために、感受回路12Aと感受回路12Bとの間に絶縁体層を設けてもよい。
図6(b)に示す磁気センサ10は、基板11A上に設けられた感受回路12Aと、基板11B上に設けられた感受回路12Bとにおいて、感受回路12Aと感受回路12Bとが外側で対向するように、基板11A側の感受回路12Aが-z方向に向けて配置されている。
図6(c)に示す磁気センサ10は、基板11A上に設けられた感受回路12Aと、基板11B上に設けられた感受回路12Bとが+z方向に積み重ねられて配置されている。
図6(d)に示す磁気センサ10は、基板11Cの表面側に感受回路12Aが設けられ、基板11Cの裏面側に感受回路12Bが設けられている。
磁気センサ10における2個の感受回路12(感受回路12A、12B)の重ね方は、図6(a)~(d)のいずれであってもよい。なお、図6(a)~(d)に示した磁気センサ10では、感受回路12Aと感受回路12Bとは、感受部121、接続部122、端子部123、124は、互いに対向している。
図7は、2個の感受回路12を重ねた磁気センサ10における感度を説明する図である。図7(a)は、電流ループの面積と感度との関係、図7(b)は、2個の感受回路12間の間隔と感度との関係である。図7(a)において、横軸が電流ループの面積(mm)、縦軸が感度(%/Oe)である。また、図7(b)において、横軸が2個の感受回路12間の間隔(mm)、縦軸が感度(%/Oe)である。なお、感度(%/Oe)は、単位信号磁界強度に対する磁気センサ10の周波数の変化率である。
ここで、電流ループとは、図1(a)における電流ループαと電流ループβとを加えたものである。2個の感受回路12(感受回路12A、12B)の間隔を変化させて、電流ループの面積を変化させている。図7(b)における感受回路12間の間隔“0.2mm”が、図6(a)に示した感受回路12Aと感受回路12Bとを、内側で対向するように配置した場合に該当する。これに対応する磁気センサシステム1の電流ループの面積は、12mmである。なお、この電流ループの面積である12mmの内訳は、磁気センサ10近傍の配線が作る電流ループαの面積が2mmであり、検出部300近傍の配線が作る電流ループβの面積が10mmである。
図7(a)、(b)に示すように、2個の感受回路12間の間隔が増加し、電流ループの面積が増大すると、感度(%/Oe)が低下する。
図8は、2個の感受回路を重ねた磁気センサ10における感度を説明する図である。図8では、磁気センサ10を“2個重ね”と表記する。図8において、比較のために示す“300mm”は、図1(b)で説明した、磁気センサ10′を用い、電流ループα′と電流ループβ′を加えた電流ループの面積を300mmとした場合である。そして、同一構造の2個の試料A1、A2で測定された感度を示している。縦軸は、感度であるが、相対値(任意単位)で示している。
図8に示すように、2個の感受回路12A、12Bを重ねた磁気センサ10(“2個重ね”)における感度は、磁気センサ10′を用いた電流ループが300mmの場合より向上している。
(集束部材17、発散部材18)
感受回路12を透過する磁力線の密度、つまり感受回路12における磁束密度が大きくなれば、磁気センサ10の感度が向上する。これには、外部磁界Hからの磁力線を感受回路12に集束させればよい。
図9は、磁力線を集束させる集束部材17と、磁力線を外部に発散させる発散部材18を備えた磁気センサ10を説明する図である。集束部材17及び発散部材18を備える磁気センサも磁気センサ10と表記する。x方向、y方向及びz方向は、図3と同じである。図9では、外部磁界を外部磁界Hとして表記し、磁力線を矢印で示している。
磁気センサ10では、集束部材17、感受回路12、及び発散部材18が、この順で+x方向に配列されている。集束部材17は、外部磁界からの磁力線を感受回路12に集束させる。発散部材18は、感受回路12を透過した磁力線を外部に発散させる。
集束部材17は、感受回路12に対向する対向部17aと、対向部17aよりy方向の幅が広い幅広部17bと、幅広部17bの両端部からそれぞれ+x方向に延伸した延伸部17c、17dとを備えている。延伸部17c、17dは、対向部17aと平行に構成されている。対向部17aは、幅広部17bのy方向の中心部に設けられている。集束部材17は、平面形状において、幅広部17bが縦棒、対向部17a及び延伸部17c、17dがそれぞれ横棒となるE字状である。そして、集束部材17は、z方向において一定の厚さを有している。
集束部材17は、対向部17aの感受回路12に対向する部分のy方向の幅が、感受回路12のy方向の幅より広く構成されている。なお、集束部材17は、対向部17aの感受回路12に対向する部分のy方向の幅が、感受回路12のy方向の幅と同じ又は狭く構成されていてもよい。
発散部材18は、感受回路12に対向する対向部18aと対向部18aよりy方向の幅が広い幅広部18bと、幅広部18bの両端部からそれぞれ-x方向に延伸した延伸部18c、18dとを備えている。延伸部18c、18dは、対向部18aと平行に構成されている。対向部18aは、幅広部18bのy方向の中心部に設けられている。つまり、発散部材18は、平面形状において、集束部材17と同様に、平面形状がE字状である。そして、発散部材18は、+z方向において一定の厚さを有している。
発散部材18は、対向部18aの感受回路12に対向する部分のy方向の幅が、感受回路12のy方向の幅より広く構成されている。なお、発散部材18は、対向部18aの感受回路12に対向する部分のy方向の幅が、感受回路12のy方向の幅と同じ又は狭く構成されていてもよい。
集束部材17と発散部材18とは、軟磁性体で構成されている。軟磁性体とは、磁界によって容易に磁化されるが、磁界を取り除くと速やかに磁化がないか又は磁化が小さい状態に戻る、いわゆる保磁力の小さい材料である。ここでは、集束部材17と発散部材18とは、一例としてフェライトで構成されている。このようなフェライトとして、材質がMnZnで、初透磁率が2500±25%、飽和磁束密度Bsが420mTのものが挙げられる。そして、集束部材17の対向部17a、幅広部17b及び延伸部17c、17dは、一体で構成され、発散部材18の対向部18a、幅広部18b及び延伸部18c、18dは、一体で構成されている。
付言すれば、磁気センサ10は、+x方向において、集束部材17の幅広部17b、対向部17a、感受回路12、発散部材18の対向部18a、幅広部18bの順で配列されている。そして、集束部材17と発散部材18とは、平面形状が同じE字状で、x方向において感受回路12を挟んで対称に配置されている。
図9に示すように、外部空間からの磁力線は、紙面の左側(-x方向側)から集束部材17の幅広部17bに入り、一部が幅広部17bから対向部17aに進むにつれて集束され、対向部17aから出る。なお、集束部材17の幅広部17bに入った磁力線の他部は、延伸部17c、17dに進むにつれて集束され、延伸部17c、17dから出る。そして、対向部17aから出た磁力線は、感受回路12を透過し、発散部材18の対向部18aに入る。また、延伸部17c、17dから出た磁力線のそれぞれは、発散部材18の延伸部18d、18cに入る。そして、磁力線は、対向部18a、延伸部18c、18dから幅広部18bに進むにつれて発散し、幅広部18bから、外部空間に出る。つまり、外部空間からの磁力線が、集束部材17により集束され、磁力線の密度である磁束密度が大きくなって感受回路12を透過する。また、発散部材18により感受回路12を透過した磁力線が発散されるので、発散部材18を備えない場合に比べ、感受回路12において磁力線が発散することが抑制される。
以上説明したように、集束部材17は、外部空間からの磁力線を対向部17aに集束できればよい。このため集束部材17は、外部空間から磁力線が入る幅広部17bの幅(y方向の幅)が、磁力線が感受回路12に出る対向部17aの幅(y方向の幅)より広ければよい。
また、発散部材18は、磁力線を外部空間へ発散して出せればよい。このため発散部材18は、感受回路12から磁力線が入る対向部18aの幅(y方向の幅)が、発散された磁力線が出る幅広部18bの幅(y方向の幅)より狭ければよい。
なお、図7に示す集束部材17では、対向部17aは、幅広部17bのy方向の中心部に設けられ、延伸部17c、17dが、幅広部17bの±y方向の端部に設けられている。しかし、対向部17aは、幅広部17bの中心部から+y方向又は-y方向にずれて設けられてもよい。また、延伸部17c及び延伸部17dの一方を備えなくてもよい。つまり、集束部材17において、対向部17aが幅広部17bのy方向の一方の端部に設けられ、延伸部17c又は延伸部17dが幅広部17bのy方向の他方の端部に設けられてもよい。すなわち、集束部材17は、平面形状がC字形であってもよい(“C型”)。発散部材18も同様である。
また、図9に示す集束部材17において、集束部材17は、延伸部17c、17dを備えなくてもよい。この場合、集束部材17は、平面形状において、対向部17aが縦棒、幅広部17bが横棒となるT字状である。発散部材18も同様である。
さらに、磁気センサ10において、あらかじめ定められた感度が得られれば、発散部材18を備えなくてもよい。
図10は、磁気センサ10の構成と感度S、雑音(ノイズ)N及び感度対雑音比(S/N比)の関係を説明する図である。磁気センサ10の構成として、感受回路12の個数、集束部材17/発散部材18の有無を示している。感度Sは、単位信号磁界における磁気センサ10の周波数の変化率(%/Oe)、雑音(ノイズ)Nは、各磁界における、発振周波数に対する周波数標準偏差の割合(%)、つまり発振周波数の標準偏差を発振周波数で割ったものである(発振周波数の標準偏差/発振周波数×100)。感度対雑音比(S/N比)(1/Oe)は、感度Sを雑音(ノイズ)Nで割ったものである(S/N)。図10は、3種類の磁気センサ10を示している。3種類の磁気センサ10を、磁気センサ10-1、10-2、10-3と表記して区別する。磁気センサ10-1は、感受回路12が1個であって、集束部材17及び発散部材18を備えていない。磁気センサ10-2は、感受回路12が1個であって、集束部材17及び発散部材18を備えている。磁気センサ10-3は、重ねられた2個の感受回路12(感受回路12A、12B)と、集束部材17及び発散部材18とを備えている。磁気センサ10-3に対して、“2個重ね”と記載している。
磁気センサ10-2は、集束部材17及び発散部材18を備えることで、磁束密度が高くなるので、集束部材17及び発散部材18を備えない磁気センサ10-1に比べ感度Sが向上する。しかし、磁気センサ10-2から発生する雑音(ノイズ)Nが増加するので、感度対雑音比(S/N比)は改善されない。
磁気センサ10-3は、感受回路12A、12Bを重ねている。感受部121の長さが倍になるので、感度Sが向上する。そして、感受回路12A、12Bを重ねることで、磁気センサ10-3における電流ループα1が、感受回路12を重ねない磁気センサ10-2における電流ループ(図1(b)に示した電流ループα′1に相当)に比べて小さい。これにより、電流ループα1が発生する雑音(ノイズ)や電流ループα1が拾う雑音(ノイズ)が低減する。さらに、感受回路12Aと感受回路12Bとに流れる電流Iが同じ大きさで、向きが逆である。これにより、電流Iによって発生する磁界Hが打ち消しあう。よって、磁気センサ10-3では、雑音(ノイズ)Nが低い状態に維持される。これにより、磁気センサ10-3は、感度対雑音比(S/N比)が向上する。
第1の実施の形態の磁気センサ10では、2個の感受回路12Aと感受回路12Bとを重ねることで、電流によって発生する磁界による雑音(ノイズ)Nが抑制され、感度対雑音比(S/N比)が向上すればよい。よって、感受回路12Aと感受回路12Bとは同じ平面形状を備えなくともよく、感受回路12Aと感受回路12Bとで、少なくとも一部の電流経路が平面視において重なってもよい。
[第2の実施の形態]
第1の実施の形態が適用される磁気センサ10は、2個の感受回路12(感受回路12A、12B)が重ねて構成されている。これに対して、第2の実施の形態が適用される磁気センサ40は、1個の感受回路12と、電流経路が重なる電流回路15とを重ねて構成されている。以下では、1個の感受回路12は、第1の実施の形態で説明した感受回路12Aと同じであるので、感受回路12Aと表記する。
図11は、第2の実施の形態が適用される磁気センサ40の構成を説明する図である。図11(a)は、磁気センサ40の斜視図、図11(b)は、感受回路12及び電流回路15における電流と磁界とを説明する図である。図11(a)、(b)におけるx方向、y方向及びz方向は、図5(a)、(b)と同じである。
磁気センサ40は、感受回路12Aと電流回路15とが重ねて構成されている。電流回路15は、電流経路が感受回路12Aの電流経路と重なっている。平面視した場合に、電流回路15は、感受回路12Aの感受部121、接続部122、端子部123A、124Aに重ねて電流経路が設けられている。そして、電流回路15は、感受回路12Aの端子部123Aに対向する部分に端子部153、感受回路12Aの端子部124Aに対向する部分に、端子部154が設けられている。一端部で対向する感受回路12Aの端子部124Aと電流回路15の端子部154とが接続線13にて接続されている。他端部で対向する感受回路12Aの端子部123Aが接続端子20に接続され、電流回路15の端子部153が接続端子30に接続されている(図1(a)参照)。感受回路12Aの端子部123Aと電流回路15の端子部153との中心間の距離は、感受回路12Aの端子部123Aと端子部124Aとの中心間の距離や感受回路12の端子部123Aと電流回路15の端子部154との中心間の距離より短い距離に位置する。よって、図1(a)に示した磁気センサ10と同様に、磁気センサ40と接続端子20、30との間における電流ループ(図1(a)の電流ループα2に相当)は、図1(b)に示した磁気センサ10′と接続端子20、30との間における電流ループα′2より小さくなる。
なお、磁気センサ40における電流ループ(図1(a)の電流ループα1に相当)の面積は、対向する感受回路12Aと電流回路15との間の面積である。よって、磁気センサ40における電流ループ(図1(a)の電流ループα1に相当)の面積は、第1の実施の形態が適用される磁気センサ10における電流ループα1の面積との差が小さい。
よって、磁気センサ40近傍の配線が作る電流ループ(図1(a)の電流ループα(α1+α2)に相当)の面積は、図1(b)に示した磁気センサ10′近傍の配線が作る電流ループα′(α′1+α′2)の面積より小さくなる。これにより、インダクタンスが小さくなる。
電流回路15は、非磁性の低透磁率の導電体で構成されている。このような導電体としては、Al、Cu、Au、Agなどや、これらの合金などが挙げられる。
高周波電流は、感受回路12Aの端子部123Aと電流回路15の端子部153との間で流れる。高周波電流であるので、感受回路12Aの端子部123Aと電流回路15の端子部153との間において流れる電流の方向は、交互に入れ替わる。図11(a)には、感受回路12Aの端子部123Aから電流回路15の端子部153へ電流が流れる場合における電流の流れる向きを白抜き矢印Iにて示している。感受回路12Aと電流回路15とは直列接続されているので、感受回路12Aに流れる電流と電流回路15に流れる電流とは大ききが同じであって、流れる方向が逆になる。
図11(b)では、磁気センサ40において、重ねて配置した感受回路12Aと電流回路15とを、xy平面においてずらして並列に示している。そして、図11(b)には、感受回路12Aの端子部123Aから電流回路15の端子部153へ電流Iが流れる場合を示している。図11(b)では、電流Iの流れる向きを白抜き矢印で示している。
図11(b)に示すように、重ねて配置した感受回路12Aと電流回路15とで、電流Iの大きさは同じであって、流れる方向は逆である。したがって、感受回路12Aの電流経路を取り巻いて発生する磁界Hの大きさと、電流回路15の電流経路を取り巻いて発生する磁界Hの大きさとは等しく、向きが逆になる。つまり、感受回路12Aにより発生する磁界と、電流回路15により発生する磁界とが打ち消しあう。これにより、感受回路12A及び電流回路15に流れる高周波電流により磁気センサ10に発生する磁界は、感受回路12Aで構成される磁気センサ10′の場合(図1(b)参照)に比べて弱くなる。よって、磁界の発生による高周波電流に影響を与える雑音(ノイズ)が低減する。これにより、磁気センサ10の感度対雑音比(S/N比)が向上する。なお、図11(b)では、電流Iによって発生する磁界を磁界Hを表記し、円弧状の矢印で示している。
なお、磁気センサ40において、感受回路12Aと電流回路15との重ね方は、図6と同様にすればよい。つまり、図6における感受回路12Bを電流回路15に置き換えればよい。
図12は、第1の実施の形態が適用される磁気センサ10と第2の実施の形態が適用される磁気センサ40とを比較して説明する図である。図12(a)は、第2の実施の形態が適用される磁気センサ40の断面図、図12(b)は、第1の実施の形態が適用される磁気センサ10の断面図である。磁気センサ10、40は、共に集束部材17、発散部材18を備えている。図12(a)、(b)は、図9におけるX-X線での断面図である。なお、図12(a)、(b)では、集束部材17の対向部17a、発散部材18の対向部18aを示している。図12(a)では、感受回路12A、電流回路15、集束部材17及び発散部材18を示し、図12(b)では、感受回路12A、12B、集束部材17及び発散部材18を示し、他の構成の表記を省略している。
図12(a)に示すように、磁気センサ40が備えている電流回路15は、低透磁率の導電体で構成されている。よって、集束部材17の対向部17aからの磁力線(矢印で示す。)は、高透磁率の感受回路12Aに集中して透過する。
図12(b)に示すように、磁気センサ10では、集束部材17の対向部17aからの磁力線(矢印)が、共に高透磁率である感受回路12Aと感受回路12Bとに分かれて透過する。
つまり、磁気センサ40の感受回路12Aにおける磁束密度が、磁気センサ10の感受回路12A及び感受回路12Bより高くなる。よって、磁気センサ40では、磁気センサ10より少ない外部磁界で同等の磁束密度やセンサ出力変化が得られるため、感度対雑音比(S/N比)が向上する。
第2の実施の形態の磁気センサ40では、感受回路12Aと電流回路15とを重ねることで、電流によって発生する磁界による雑音(ノイズ)Nが抑制され、感度対雑音比(S/N比)が向上すればよい。よって、感受回路12Aと電流回路15とは平面視において電流経路が完全に重ならなくともよく、感受回路12Aと電流回路15とが、少なくとも一部の電流経路が平面視において重なっていてもよい。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は本実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に反しない限りにおいては様々な変形や組み合わせを行っても構わない。
1、1′…磁気センサシステム、10、10′、10-1、10-2、10-3、40…磁気センサ、11、11A、11B、11C…基板、12、12A、12B…感受回路、13…接続線、15…電流回路、17…集束部材、18…発散部材、20、30…接続端子、111、111a、111b、111c、111d…軟磁性体層、112、112a、112b…磁区抑制層、113…導電体層、121…感受部、122…接続部、123、123A、123B、124、124A、124B、153、154…端子部、200…交流電流発生部、300…検出部、α、α1、α2、α′、α′1、α′2、β、β′…電流ループ、N…雑音(ノイズ)、S…感度、S/N比…感度対雑音比

Claims (13)

  1. 磁気インピーダンス効果により磁界を感受する感受部を含む第1の感受回路と、
    磁気インピーダンス効果により磁界を感受する感受部を含む第2の感受回路とを、備え、
    前記第1の感受回路と前記第2の感受回路とは、少なくとも一部の電流経路が平面視において重なり、それぞれの一端部が互いに電気的に接続されている磁気センサ。
  2. 前記第1の感受回路と前記第2の感受回路とは、重なって対向する部分における電流の方向が逆であることを特徴とする請求項1に記載の磁気センサ。
  3. 前記第1の感受回路と前記第2の感受回路とは、つづら折り構造を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の磁気センサ。
  4. 前記第1の感受回路と前記第2の感受回路とは、対向した状態において平面視した平面形状が同じであることを特徴とする請求項3に記載の磁気センサ。
  5. 前記第1の感受回路が非磁性の第1の基板に設けられ、前記第2の感受回路が非磁性の第2の基板に設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の磁気センサ。
  6. 前記第1の感受回路が非磁性の基板の表面側に設けられ、前記第2の感受回路が当該基板の裏面側に設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の磁気センサ。
  7. 前記第1の感受回路と前記第2の感受回路とは、直列に接続されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の磁気センサ。
  8. 磁気インピーダンス効果により磁界を感受する感受部を含む感受回路と、
    非磁性の導電体で構成された電流回路と、を備え、
    前記感受回路と前記電流回路とは、少なくとも一部の電流経路が平面視において重なり、それぞれの一端部が互いに電気的に接続されている磁気センサ。
  9. 前記感受回路が非磁性の第1の基板に設けられ、前記電流回路が非磁性の第2の基板に設けられていることを特徴とする請求項8に記載の磁気センサ。
  10. 前記感受回路が非磁性の基板の表面側に設けられ、前記電流回路が当該基板の裏面側に設けられていることを特徴とする請求項8に記載の磁気センサ。
  11. 軟磁性体で構成され、前記感受回路に外部からの磁力線を集束させる集束部材を備えることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の磁気センサ。
  12. 軟磁性体で構成されて前記感受回路を透過した磁力線を外部に発散させる発散部材を備えることを特徴とする請求項11に記載の磁気センサ。
  13. 前記集束部材と前記発散部材とは、前記感受回路が設けられる基板の外部に設けられることを特徴とする請求項12に記載の磁気センサ。
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