JP2002084014A - トンネル磁気抵抗効果素子及びこの素子を用いたデバイス - Google Patents

トンネル磁気抵抗効果素子及びこの素子を用いたデバイス

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JP2002084014A
JP2002084014A JP2000269472A JP2000269472A JP2002084014A JP 2002084014 A JP2002084014 A JP 2002084014A JP 2000269472 A JP2000269472 A JP 2000269472A JP 2000269472 A JP2000269472 A JP 2000269472A JP 2002084014 A JP2002084014 A JP 2002084014A
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tunnel
magnetic
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magnetoresistive element
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Taiko Ko
太好 高
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Tohoku Ricoh Co Ltd
Ricoh Co Ltd
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Tohoku Ricoh Co Ltd
Ricoh Co Ltd
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    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y25/00Nanomagnetism, e.g. magnetoimpedance, anisotropic magnetoresistance, giant magnetoresistance or tunneling magnetoresistance
    • HELECTRICITY
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    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F10/00Thin magnetic films, e.g. of one-domain structure
    • H01F10/32Spin-exchange-coupled multilayers, e.g. nanostructured superlattices
    • H01F10/324Exchange coupling of magnetic film pairs via a very thin non-magnetic spacer, e.g. by exchange with conduction electrons of the spacer
    • H01F10/3254Exchange coupling of magnetic film pairs via a very thin non-magnetic spacer, e.g. by exchange with conduction electrons of the spacer the spacer being semiconducting or insulating, e.g. for spin tunnel junction [STJ]

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気抵抗の変化率を向上させ、検出感度等の
性能を向上させることができるトンネル磁気抵抗効果素
子及びこの素子を用いたデバイスを提供する。 【解決手段】 第2層4の絶縁膜をZnOx薄膜(x=
0.95〜1.05)により形成することで、Zn自体
がスピンを持たず隣接する第1層3及び第3層5の磁性
原子に対して影響を与えないことから、トンネル電流の
変化率がより高いスピン配置を持つバンド構造を実現す
ることができ、検出感度等の性能が向上する。特に、第
2層4のZnOx薄膜自体のバンドギャップが広く高温
においても問題なく動作させ得る上に、Znがイオン化
しやすくZnOx薄膜中の酸素原子が界面において第1
層3及び第3層5中のFeに拡散するのを防止できるの
で、初期性能を得やすく、結果として、極めて薄膜とな
る第2層4の絶縁膜に関してそのばらつきの許容度を高
めて信頼性を向上させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トンネル磁気抵抗
効果素子及びこの素子を用いた磁気センサ、磁気ヘッ
ド、磁気固体メモリデバイス等のデバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、強磁性体と絶縁膜と強磁性体との
接合構造により形成されて、両強磁性体の磁化の相対角
度に依存してトンネル効果が現れる強磁性体トンネル効
果という現象が見出され、この現象を利用したトンネル
磁気抵抗効果素子(TMR素子)の研究・開発が進めら
れている。強磁性体トンネル効果は非常に高い磁場感度
を有するため、超高密度磁気記録におけるHDD用磁気
再生ヘッドとしての利用可能性がある。この他、モータ
用磁界測定装置、ナビゲーション用地磁気センサ等の磁
気センサや、いわゆるMRAMと称される磁気固体メモ
リデバイス等への利用も可能といえる。
【0003】このようなTMR素子に関しては、例え
ば、特開平10−91925号公報、特開平10−25
5231号公報中にも記載されているように、S.Mae
ksawaand V.Gafvert等は、IEEE Trans.Mag
n.,MAG−18,707(1982)において、磁性体/絶縁体/
磁性体結合で両磁性層の磁化の相対角度に依存してトン
ネル効果が現れることが規定されることを理論的、実験
的に示している。
【0004】特開平4−42417号公報によれば、強
磁性トンネル効果膜を有するTMR素子について提案さ
れており、従来の磁気抵抗効果型ヘッドに比べて、微小
な漏洩磁束の変化を高感度、かつ、高分解能に検出でき
ること、接合面積を狭めることによりピンホールの発生
確率を低くして、再生感度を一層向上させ得る旨が記載
されている。
【0005】また、特開平4−103014号公報によ
れば、磁性層に反強磁性体からのバイアス磁界を印加す
る強磁性トンネル効果膜及びそれを用いたTMR素子が
提案されている。
【0006】さらに、T.Miyazaki及びN.Tezuka等
は、J.Magn.Magn.Mater.139(1995)L231において、
Fe/Al23/Feトンネル接合で室温においてMR
(磁気抵抗)変化率18%が得られたことが報告されてい
る。また、M.Pomerantz,J.C.Slocczewski及び
E.Spiller等は、Fe/a−Carbon/Fe膜につい
て報告されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述の従来例のよう
に、この種のTMR素子の絶縁層としてはAl系の酸化
物が用いられることが多い。このような構成では、十分
なMR比を得る上でまだ不十分であり、改良の余地が多
分にある。
【0008】また、この種の絶縁層は、トンネル電流を
流す構造上、必然的に極めて薄い薄膜構成となるため、
その成膜性能のばらつきが素子の信頼性を左右してしま
う。
【0009】そこで、本発明は、MR比を向上させ、検
出感度等の性能を向上させることができるトンネル磁気
抵抗効果素子及びこの素子を用いたデバイスを提供する
ことを目的とする。
【0010】また、本発明は、絶縁層のばらつきの許容
度を高め、信頼性を向上させることができるトンネル磁
気抵抗効果素子及びこの素子を用いたデバイスを提供す
ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
金属性強磁性体薄膜による第1層と、非磁性の絶縁膜に
よる第2層と、金属性強磁性体薄膜による第3層との接
合構造により形成されて、前記第1層から前記第2層を
介して前記第3層にトンネル電流が流れる構造のトンネ
ル磁気抵抗効果素子であって、前記第2層の絶縁膜のス
ピン偏極率が前記第1層及び第3層のスピン偏極率の1
/10以下であることを特徴とする。
【0012】従って、第2層の絶縁膜のスピン偏極率が
第1層及び第3層のスピン偏極率の1/10以下であ
り、絶縁膜が第1層及び第3層の磁性原子に対して影響
を与えないので、トンネル電流の変化率、即ち、MR比
がより高いスピン配置を持つバンド構造を実現でき、検
出感度等の性能が向上する。
【0013】請求項2記載の発明は、金属性強磁性体薄
膜による第1層と、非磁性の絶縁膜による第2層と、金
属性強磁性体薄膜による第3層との接合構造により形成
されて、前記第1層から前記第2層を介して前記第3層
にトンネル電流が流れる構造のトンネル磁気抵抗効果素
子であって、前記第2層の絶縁膜がZnOx薄膜(x=
0.95〜1.05)により形成されていることを特徴
とする。
【0014】従って、第2層の絶縁膜をZnOx薄膜
(x=0.95〜1.05)により形成することで、Z
n自体がスピンを持たず隣接する第1層及び第3層の磁
性原子に対して影響を与えないので、トンネル電流の変
化率、即ち、MR比がより高いスピン配置を持つバンド
構造を実現でき、検出感度等の性能が向上する。また、
ZnOx薄膜自体のバンドギャップが広く高温において
も問題なく動作させ得る上に、Znがイオン化しやすく
ZnOx薄膜中の酸素原子が界面において第1層及び第
3層中のFeに拡散するのを防止できるので、初期性能
を得やすい。結果として、極めて薄膜となる絶縁膜に関
してそのばらつきの許容度を高めて信頼性を向上させる
ことができる。
【0015】請求項3記載の発明は、請求項1又は2記
載のトンネル磁気抵抗効果素子において、前記第2層の
膜厚をこの膜厚とその抵抗率との積が一定となるように
可変設定することを特徴とする。
【0016】トンネル電流のための接合面積を一定とし
た場合、絶縁膜を厚くすると信頼性は向上するが抵抗値
が増して検出精度が低下し、逆に、絶縁膜を薄くすると
抵抗値が下がって検出精度が向上するが微細なホール等
の影響で絶縁破壊が生じてしまい信頼性が低下してしま
うが、第2層の膜厚をこの膜厚とその抵抗率との積が一
定となるように可変設定することにより検出精度と信頼
性とを両立させる設計が容易となる。
【0017】請求項4記載の発明は、請求項1ないし3
の何れか一に記載のトンネル磁気抵抗効果素子におい
て、前記第1層と前記第3層との何れか一方の層の近傍
に強磁性体−反強磁性体交換結合によりバイアス磁界を
付与する反強磁性体を備えることを特徴とする。
【0018】従って、反強磁性体を利用したいわゆるス
ピンバルブ構造とすることより、MR比をより一層向上
させることができる。
【0019】請求項5記載の発明は、請求項1ないし4
の何れか一に記載のトンネル磁気抵抗効果素子におい
て、前記第1層と前記第3層との少なくとも一方の層の
近傍にその層の磁区を固定するための磁界を与える硬磁
性膜を備えることを特徴とする。
【0020】従って、第1層又は第3層の磁区制御を硬
磁性膜を利用して行うことにより、ノイズの発生を抑制
でき、性能向上を図ることができる。
【0021】請求項6記載の発明の磁気センサは、請求
項1ないし5の何れか一に記載のトンネル磁気抵抗効果
素子を感磁部に有し、前記トンネル磁気抵抗効果素子の
前記第1層及び第3層の磁化状態によって流れるトンネ
ル電流が変化することにより磁界を検出することを特徴
とする。
【0022】従って、請求項1ないし5の何れか一に記
載のトンネル磁気抵抗効果素子を感磁部に有するので、
磁気抵抗の変化率が高く、トンネル電流の変化による磁
界検出感度の高い高性能な磁気センサを提供することが
できる。
【0023】請求項7記載の発明は、請求項6記載の磁
気センサにおいて、前記トンネル磁気抵抗効果素子に交
流のトンネル電流を付与し、前記第1層及び第3層の磁
化状態によって流れる交流のトンネル電流が変化するこ
とにより磁界を検出することを特徴とする。
【0024】従って、交流のトンネル電流は磁気抵抗の
変化率によって直流時の場合と同様に変化し、その変化
率も向上するので、高精度な検出が可能な磁気センサを
提供することができる。第1層、第3層に用いる磁性体
を変えることで、高周波領域でも用いることが可能なこ
とから、特に、外部磁界の検知を高周波キャリア成分を
重畳させた交流のトンネル電流に基づき行わせること
で、より高精度な検出が可能な磁気センサを提供するこ
とができる。
【0025】請求項8記載の発明は、請求項7記載の磁
気センサにおいて、前記トンネル磁気抵抗効果素子をイ
ンピーダンスを一致させた伝送線路上の一部に配設した
ことを特徴とする。
【0026】従って、高周波キャリア成分を重畳させて
検出する場合や高速で信号を検出する場合には、当該ト
ンネル磁気抵抗効果素子を含む伝送線路部や接続用配線
部を構成する伝送線路部のインピーダンスを一致させる
ことで、通電する高周波電流の損失を低く抑えることが
可能となり、高感度・高機能な感磁部を持つ磁気センサ
を提供することができる。
【0027】請求項9記載の発明は、請求項7又は8記
載の磁気センサにおいて、前記伝送線路上の一部に設け
られて前記トンネル磁気抵抗効果素子に対する反射波と
進行波とを分離する方向性結合器と、この方向性結合器
の出力側に設けられて分離された前記反射波の強度と前
記進行波の強度とを各々検知する高周波検知器と、これ
らの高周波検知器により検知された前記反射波の強度と
前記進行波の強度との比により交流のトンネル電流の変
化を検出する演算回路と、を備えることを特徴とする。
【0028】従って、伝送線路の途中に方向性結合器を
設けて反射波と進行波とに分離し、各々の強度を高周波
検知器により検知してその比をとることにより、インピ
ーダンスのずれをS−パラメータ法によって検出するこ
とができ、インピーダンス変化の検出精度を高め、磁気
センサとしての感度をさらに向上させることができる。
【0029】請求項10記載の発明は、請求項8記載の
磁気センサにおいて、前記伝送線路上の一部に薄膜で形
成されて前記トンネル磁気抵抗効果素子に対する反射波
と進行波とを分離する方向性結合器と、この方向性結合
器の出力側に設けられて分離された前記反射波の強度と
前記進行波の強度とを各々検知する高周波検知器と、こ
れらの高周波検知器により検知された前記反射波の強度
と前記進行波の強度との比により交流のトンネル電流の
変化を検出する演算回路と、を備えることを特徴とす
る。
【0030】従って、方向性結合器をバルクに代えて薄
膜で形成した場合にも請求項9記載の発明の磁気センサ
の場合と同様な作用効果が得られる。
【0031】請求項11記載の発明の磁気ヘッドは、請
求項1ないし5の何れか一に記載のトンネル磁気抵抗効
果素子を感磁部に有し、前記トンネル磁気抵抗効果素子
の前記第1層及び第3層の磁化状態によって流れるトン
ネル電流が変化することにより磁界を検出することを特
徴とする。
【0032】従って、請求項1ないし5の何れか一に記
載のトンネル磁気抵抗効果素子を感磁部に有するので、
磁気抵抗の変化率が高く、トンネル電流の変化による磁
界検出感度の高い高性能な再生用の磁気ヘッドを提供す
ることができる。
【0033】請求項12記載の発明は、請求項11記載
の磁気ヘッドにおいて、前記トンネル磁気抵抗効果素子
に交流のトンネル電流を付与し、前記第1層及び第3層
の磁化状態によって流れる交流のトンネル電流が変化す
ることにより磁界を検出することを特徴とする。
【0034】従って、交流のトンネル電流は磁気抵抗の
変化率によって直流時の場合と同様に変化し、その変化
率も向上するので、高精度な検出が可能な磁気センサを
提供することができる。第1層、第3層に用いる磁性体
を変えることで、高周波領域でも用いることが可能なこ
とから、特に、外部磁界の検知を高周波キャリア成分を
重畳させた交流のトンネル電流に基づき行わせること
で、より高精度な検出が可能な再生用の磁気ヘッドを提
供することができる。
【0035】請求項13記載の発明は、請求項12記載
の磁気ヘッドにおいて、前記トンネル磁気抵抗効果素子
をインピーダンスを一致させた伝送線路上の一部に配設
したことを特徴とする。
【0036】従って、高周波キャリア成分を重畳させて
検出する場合や高速で信号を検出する場合には、当該ト
ンネル磁気抵抗効果素子を含む伝送線路部や接続用配線
部を構成する伝送線路部のインピーダンスを一致させる
ことで、通電する高周波電流の損失を低く抑えることが
可能となり、高感度・高機能な感磁部を持つ磁気ヘッド
を提供することができる。
【0037】請求項14記載の発明は、請求項12又は
13記載の磁気ヘッドにおいて、前記トンネル磁気抵抗
効果素子に対する反射波と進行波とを分離する方向性結
合器と、この方向性結合器の出力側に設けられて分離さ
れた前記反射波の強度と前記進行波の強度とを各々検知
する高周波検知器と、これらの高周波検知器により検知
された前記反射波の強度と前記進行波の強度との比によ
り交流のトンネル電流の変化を検出する演算回路と、を
備えることを特徴とする。
【0038】従って、伝送線路の途中に方向性結合器を
設けて反射波と進行波とに分離し、各々の強度を高周波
検知器により検知してその比をとることにより、インピ
ーダンスのずれをS−パラメータ法によって検出するこ
とができ、インピーダンス変化の検出精度を高め、磁気
ヘッドとしての感度をさらに向上させることができる。
【0039】請求項15記載の発明は、請求項13記載
の磁気ヘッドにおいて、前記伝送線路上の一部に薄膜で
形成されて前記トンネル磁気抵抗効果素子に対する反射
波と進行波とを分離する方向性結合器と、この方向性結
合器の出力側に設けられて分離された前記反射波の強度
と前記進行波の強度とを各々検知する高周波検知器と、
これらの高周波検知器により検知された前記反射波の強
度と前記進行波の強度との比により交流のトンネル電流
の変化を検出する演算回路と、を備えることを特徴とす
る。
【0040】従って、方向性結合器をバルクに代えて薄
膜で形成した場合にも請求項15記載の発明の磁気ヘッ
ドの場合と同様な作用効果が得られる。
【0041】請求項16記載の発明の磁気固体メモリデ
バイスは、請求項1ないし5の何れか一に記載のトンネ
ル磁気抵抗効果素子を記録部に有し、前記トンネル磁気
抵抗効果素子の前記第1層及び第3層の磁化状態によっ
て流れるトンネル電流が変化することで記憶機能及び信
号処理機能を有することを特徴とする。
【0042】従って、請求項1ないし5の何れか一に記
載のトンネル磁気抵抗効果素子を記録部に有するので、
磁気抵抗の変化率が高く、トンネル電流の変化を利用し
た記憶機能及び信号処理機能に関して高性能な磁気固体
メモリデバイスを提供することができる。
【0043】請求項17記載の発明は、請求項16記載
の磁気固体メモリデバイスにおいて、前記トンネル磁気
抵抗効果素子に交流のトンネル電流を付与し、前記第1
層及び第3層の磁化状態によって流れる交流のトンネル
電流が変化することで記憶機能及び信号処理機能を有す
ることを特徴とする。
【0044】従って、交流のトンネル電流は磁気抵抗の
変化率によって直流時の場合と同様に変化し、その変化
率も向上するので、トンネル電流の変化を利用した記憶
機能及び信号処理機能に関して高性能な磁気固体メモリ
デバイスを提供することができる。第1層、第3層に用
いる磁性体を変えることで、高周波領域でも用いること
が可能なことから、特に、外部磁界の検知を高周波キャ
リア成分を重畳させた交流のトンネル電流に基づき行わ
せることで、より高性能な磁気固体メモリデバイスを提
供することができる。
【0045】請求項18記載の発明は、請求項17記載
の磁気固体メモリデバイスにおいて、前記トンネル磁気
抵抗効果素子をインピーダンスを一致させた伝送線路上
の一部に配設したことを特徴とする。
【0046】従って、高周波キャリア成分を重畳させて
記憶機能及び信号処理機能を発揮させる場合や高速処理
を行わせる場合には、当該トンネル磁気抵抗効果素子を
含む伝送線路部や接続用配線部を構成する伝送線路部の
インピーダンスを一致させることで、通電する高周波電
流の損失を低く抑えることが可能となり、高速度・高機
能な記録部を持つ磁気固体メモリデバイスを提供するこ
とができる。
【0047】請求項19記載の発明は、請求項17又は
18記載の磁気固体メモリデバイスにおいて、前記トン
ネル磁気抵抗効果素子に対する反射波と進行波とを分離
する方向性結合器と、この方向性結合器の出力側に設け
られて分離された前記反射波の強度と前記進行波の強度
とを各々検知する高周波検知器と、これらの高周波検知
器により検知された前記反射波の強度と前記進行波の強
度との比により交流のトンネル電流の変化を検出する演
算回路と、を備えることを特徴とする。
【0048】従って、伝送線路の途中に方向性結合器を
設けて反射波と進行波とに分離し、各々の強度を高周波
検知器により検知してその比をとることにより、インピ
ーダンスのずれをS−パラメータ法によって検出するこ
とができ、インピーダンス変化の検出精度を高め、磁気
固体メモリデバイスとしての機能をさらに向上させるこ
とができる。
【0049】請求項20記載の発明は、請求項18記載
の磁気固体メモリデバイスにおいて、前記伝送線路上の
一部に薄膜で形成されて前記トンネル磁気抵抗効果素子
に対する反射波と進行波とを分離する方向性結合器と、
この方向性結合器の出力側に設けられて分離された前記
反射波の強度と前記進行波の強度とを各々検知する高周
波検知器と、これらの高周波検知器により検知された前
記反射波の強度と前記進行波の強度との比により交流の
トンネル電流の変化を検出する演算回路と、を備えるこ
とを特徴とする。
【0050】従って、方向性結合器をバルクに代えて薄
膜で形成した場合にも請求項19記載の発明の磁気固体
メモリデバイスの場合と同様な作用効果が得られる。
【0051】
【発明の実施の形態】本発明の第一の実施の形態を図1
ないし図6に基づいて説明する。本実施の形態は、TM
R素子(トンネル磁気抵抗効果素子)1に関するもの
で、基本的には、図4に示すように絶縁性の基板2上に
積層させた金属性強磁性体薄膜による第1層3と、絶縁
膜による第2層4と、金属性強磁性体薄膜による第3層
5との所定のパターンの接合構造により形成されて、第
1層3から第2層4を介して第3層5にトンネル電流が
流れる構造の素子である。
【0052】このようなTMR素子1に関する詳細構成
をその作製方法を含めて説明する。まず、図1に示すよ
うに、石英、ガラス等の絶縁性の基板2上に第1層3と
してFe−Co50膜をスパッタリング法により成膜す
る。
【0053】次に、半導体製造工程に用いられる一般的
なフォトリソグラフィ技術とCF4+H2を用いたRIE
法(反応性イオンエッチング法)により、第1層3を図
2に示すようにパターン化する。ここでは、TMR素子
1の電極の一例として機能させるため、幅1μm×長さ
1mmのパターン形状とした。
【0054】ここに、第1層3としては、導電性金属部
材であれば、目的とする磁界強度に応じて抗磁力を選択
することでよく、上例のFe−Co50膜以外に、Fe20
−Ni80膜、CuMoパーマロイ膜、CoFeBアモル
ファス膜、FeSiCoBアモルファス膜などでもよ
い。なお、Fe−Co50膜やパーマロイ膜に関してはメ
ッキ法によって作製するようにしてもよい。また、本実
施の形態では、比較的空間分解能の広い磁気センサへの
適用を考えて膜厚を100nmとしたが、磁気ヘッド等
へ応用する場合であれば膜厚を10nm程度としてもよ
く、感度その他の条件に応じて適宜設定することにより
対応可能である。
【0055】つづいて、図3に示すように、このような
第1層3の上に第2層4の絶縁膜としてZnO薄膜をス
パッタリング法により所定のパターンで成膜する。より
具体的には、第2層4のスピン偏極率が第1層3及び第
3層5のスピン偏極率の1/10以下となるように設定
されている。また、ZnOx薄膜(x=0.95〜1.
05)とされている。
【0056】即ち、TMRの理論式は、通常、第1の強
磁性体層の分極率P1、第3の強磁性体の分極率P2と
すると、MR比は、 2P1・P2/(1−P1・P2) とされている。しかしながら、これを実現する上で、第
2層の絶縁層内には一部強磁性体原子の混入が避けられ
ない。特に、界面においては、この影響が出やすい。本
実施の形態では、絶縁層界面も含んだ絶縁層の改質を目
的とし、その指標としてスピン偏極率を選んだものであ
る。スパッタ成膜条件と熱処理条件とを選ぶと、第2層
4のスピン偏極率を第1層3及び第3層5のスピン偏極
率の1/10以下とできることが分かり、このときにM
R効果が発現しており、磁気センサ等に用いることが可
能となったものである。
【0057】特に、ZnOを成膜する際に気をつけなけ
ればならないのはその酸化度である。良好な絶縁性能を
有し、MR比が現れるのは(ZnOx薄膜としたとき
に)、x=0.95〜1.05の範囲であって、それ以
外では導電性が大きく現れたものである。
【0058】第1層3のようなCo合金の場合には、六
方晶系をとることが多いので、ZnO薄膜層も六方晶系
である分、結晶性が増加するとともに、この後、第2層
4上に積層させる第3層5のCo系合金薄膜の結晶性も
高めることができるメリットがある。本実施の形態で
は、ZnO薄膜層による第2層4の膜厚を1〜10nm
とした。なお、この第2層4の成膜法としては、CVD
法(化学気相成長法)、MBE法(分子線エピタキシャ
ル法)であってもよい。
【0059】この後、図4に示すように、第2層4上に
第3層5として第1層3と同じFe−Co50膜を再び膜
厚100nm成膜し、例えば、第1層3のパターンと直
交するパターンにパターン化する。もっとも、第3層5
はこのように第1層3と同一の薄膜としてもよいが、異
なっていてもよく、例えば、Fe90Ni10膜、Fe20
Ni80膜、CuMoパーマロイ膜、Co92Zr3Nb5
モルファス薄膜、FeSiCoBアモルファス膜などで
もよい。
【0060】このような構成のTMR素子1によれば、
第2層4の絶縁膜として用いたZnO中のZn自体はス
ピンを持たず、隣接する第1層3、第3層5の主として
Fe,Co,Niといった磁性原子に対して影響を与え
ず、この第2層4のスピン濃度(スピン偏極率)を減ら
して(具体的には、第1層3、第3層5に比較して1/
10以下)、よりトンネル電流の変化率が高いスピン配
置を持つバンド構造を実現できる。また、ZnO自体の
バンドギャップは3.1〜3.2eVと広く、高温度に
おいても問題なく動作させることが可能となる。化学的
にZnは隣接する第1層3、第3層5の磁性層内に存在
する磁性原子Feよりもイオン化しやすく、界面におい
てZnO中の酸素原子がFeに拡散するのを防止する効
果があり、初期性能を得やすいというメリットもある。
【0061】ところで、図5にこのようなTMR素子1
に対する試験回路構成例を示す。第1層3の一端と第3
層5の一端との間に直流電源6を接続し、第1層3の他
端と第3層5の他端との間に微小電流計7を接続するこ
とで、第1層3から第2層4を介して第3層5に直流の
トンネル電流を流した場合の電流の変化を微小電流計7
により検出する構成である。この検出動作において、当
該TMR素子1には一様な外部磁界が印加される。この
ような試験回路により測定したところ、磁気抵抗の変化
率(MR比)としては、15%以上の変化率が得られ、
条件次第ではさらに大きな変化率が得られたものであ
る。
【0062】また、本実施の形態の場合、第2層4の絶
縁膜(ZnO薄膜)の膜厚を一定とすることで信頼性を
向上させる素子仕様と、第2層4の絶縁膜(ZnO薄
膜)の膜厚をその抵抗率との積が常に一定となるように
可変設定することでトンネル電流の検出回路を含めた精
度の向上を図る素子仕様とをとれる。トンネル電流のた
めの接合面積(第1〜第3層3,4,5の重なり部分の
面積)を一定とした場合、例えば、第2層4の絶縁膜の
膜厚を厚くすると図6(a)中に示すように、信頼性は
向上するが抵抗値が増して検出回路の精度は低下してし
まう。逆に、第2層4の絶縁膜の膜厚を薄くすると図6
(b)中に示すように、抵抗値が下がって検出回路の精
度は高まるが、微細なホール等の影響で絶縁破壊が起き
てしまい信頼性が低下する。この点、第2層4の絶縁膜
の膜厚tと標準接合面積当たりの抵抗値rとの積Qが、
t*r=Q=一定となるようにして膜厚tを可変設定し
た場合には図6(b)に示すように、精度*信頼性はほ
ぼ一定値となる。つまり、精度と信頼性とを両立させる
ための設計が容易となる。
【0063】本実施の形態のTMR素子1は、特に形状
等を図示しないが、その強磁性トンネル効果を利用する
ことで、HDD再生用の磁気ヘッド、ナビゲーション用
地磁気センサ等の磁気センサ、或いは、磁気固体記憶デ
バイス(MRAM)等の各種デバイスに適用可能であ
る。そして、各々の用途に応じて外形、寸法その他の事
項が適宜設定される。磁気センサや磁気ヘッドの場合に
は、TMR素子1を感磁部に有し、TMR素子1の第1
層3及び第3層5の磁化状態によって流れるトンネル電
流が変化することにより磁界を検出する。また、磁気固
体記憶デバイスの場合には、TMR素子1を記録部に有
し、TMR素子1の第1層3及び第3層5の磁化状態に
よって流れるトンネル電流が変化することで記憶機能及
び信号処理機能を有することとなる。何れにしても、前
述したようなTMR素子1を備えているので、信頼性が
高く、高感度、高機能なデバイスとなる。
【0064】なお、本実施の形態では、第2層4の絶縁
膜をZnO薄膜により形成したが、この他、Al23
Al薄膜表面に熱処理等で形成したAl23膜、Al−
O膜、Cu−O膜等であってもよい。要は、そのスピン
偏極率が第1層3、第3層5のスピン偏極率に比べて低
く、1/10以下であればよい。
【0065】本発明の第二の実施の形態を図7に基づい
て説明する。本実施の形態は、第一の実施の形態に示し
たようなTMR素子1において第1層3の近傍となる下
地層としてFeMn薄膜による反強磁性体層8を設けた
ものである。この反強磁性体層8の成膜及びパターン形
成は、第1層3等の他の磁性薄膜と同様に、スパッタリ
ング法により成膜し、フォトリソエッチング法によりパ
ターン化した。なお、反強磁性体層8としては、IrM
n等のMn系の合金やCr系の合金薄膜等であってもよ
い。
【0066】これにより、本実施の形態のTMR素子1
はいわゆるスピンバルブ構造のTMR素子となり、第1
層3とこの反強磁性体層8との強磁性体−反強磁性体交
換結合でバイアス磁界を与えることができ、磁気抵抗M
Rの変化率が一層高まる素子となる。よって、磁気セン
サ、磁気ヘッド、或いは、磁気固体メモリデバイス等に
適用した場合のデバイス性能を一層向上させることがで
きる。
【0067】なお、本実施の形態では、反強磁性体層8
を第1層3の下地層として形成することにより第1層3
の近傍に位置させたが、積層構造に限らず、反強磁性体
層8が強磁性体−反強磁性体交換結合をなし得る程度に
第1層3の近傍に位置していればよい。また、第1層3
側に代えて、第3層5側の近傍に設けるようにしてもよ
い。
【0068】本発明の第三の実施の形態を図8に基づい
て説明する。本実施の形態は、第一の実施の形態に示し
たようなTMR素子1において第1層3の近傍に位置さ
せて基板2上にCoCr薄膜による硬磁性膜9を設けた
ものである。この硬磁性膜9の成膜及びパターン形成
は、第1層3等の他の磁性薄膜と同様に、スパッタリン
グ法により成膜し、フォトリソエッチング法によりパタ
ーン化した。本実施の形態では、第1層3に平行なパタ
ーン形状に形成されている。なお、硬磁性膜9として
は、CoPt等のCo系の合金やFe系の合金薄膜等で
あってもよく、必要に応じて、酸化物系薄膜により形成
するようにしてもよい。
【0069】本実施の形態によれば、硬磁性膜9が第1
層3に平行なパターン形状としてその近傍に形成されて
いるので、この第1層3の磁区制御(磁区の固定)を硬
磁性膜9により行うことができ、第1層3の磁化状態が
関与する検出動作等におけるノイズの発生を抑制でき、
結果的に素子の性能を向上させることができる。よっ
て、磁気センサ、磁気ヘッド、或いは、磁気固体メモリ
デバイス等に適用した場合のデバイス性能を一層向上さ
せることができる。
【0070】なお、本実施の形態では、第1層3の近傍
に硬磁性膜9を設けるようにしたが、第3層5の近傍、
或いは、第1層3と第3層5との各々の近傍に硬磁性膜
を設けるようにしてもよい。この際、第1層3下又は第
3層5上に非磁性層を介在させて硬磁性膜を積層させる
ことで近傍に位置させるようにしてもよい。
【0071】本発明の第四の実施の形態を図9に基づい
て説明する。本実施の形態は、TMR素子による外部磁
界の検知を交流、特に高周波キャリア成分を重畳させて
おこなうことで、より高精度化を図ったものである。本
実施の形態では、例えば、高周波キャリア成分のキャリ
ア周波数を600MHzとして与えるものとする。基本
的に、磁化状態でTMR素子の交流のトンネル電流は磁
気抵抗の変化率(MR比)によって、直流のトンネル電
流の場合と同様に変化し、その変化率も向上するので、
高精度な検出が可能となる。第1層3、第3層5に用い
る磁性体を変えることで、高周波領域でも用いることが
可能なことから、特に、本実施の形態のように、外部磁
界の検知を高周波キャリア成分を重畳させた交流のトン
ネル電流に基づき行わせることで、より高精度な検出が
可能となる。
【0072】以下、本実施の形態におけるTMR素子1
1の構成をその作製方法を含めて説明する。まず、第一
の実施の形態の場合と同様に、石英、ガラスなどの絶縁
性の基板12上に、図9(a)に示すように、Al等の
非磁性金属膜13を用いて配線用伝送線路及びパッド部
を形成する。本実施の形態では、伝送線路構造としてコ
ープレーナ型に適用しており、幅方向に見ると、中心導
体部13bを左右両側の外導体部13a,13cで挟む
如く3分割構造とされ、各々長さ方向両端にパッド13
d,13e,13fを有し、長さ方向に見ると、入力用
パッド部13A、中心導体部13bにFe−Co50膜を
有するコープレーナ伝送線路部13B、出力用パッド部
13Cの3つの領域を有する所定のパターン形状とされ
ている。このようなパターン形状は、前述した第一の実
施の形態における第1層3、第3層5の場合と同様に、
非磁性金属膜13をスパッタリング法により成膜した
後、フォトリソグラフィ法とエッチングとを用いて形成
する。Alによる非磁性金属膜13の成膜は蒸着法等で
あってもよい。また,非磁性金属膜13としてはCu,
Ag,Au或いはその合金等であってもよい。
【0073】このようにパターン形成された非磁性金属
膜13の上に、前述したコープレーナ伝送線路部13B
を形成するための金属性強磁性体薄膜であるFe−Co
50膜による第1層14をスパッタリング法により成膜す
る。もっとも、この第1層14としては、導電性金属材
料であれば、目的とする磁界強度に応じて抗磁力を選択
すればよく、Fe−Co50膜以外にFe20−Ni80膜、
CuMoパーマロイ膜、CoFeBアモルファス膜、F
eSiCoBアモルファス薄膜等であってもよい。
【0074】次に、半導体製造工程に用いられる一般的
なフォトリソグラフィ技術とCF4+H2を用いたRIE
法により、成膜された第1層14を図9(a)に示すよ
うにパターン化する。これにより、コープレーナ伝送線
路部13Bの中心導体部パターン及びグランド部(基板
裏面側)を形成する。構成としては、中心導体部13b
のみを磁性体として形成するようにしてもよい。この中
心導体部13bのパターン、形状は目的にもよるが、こ
こでは直線状であって、かつ、TMR素子として機能で
きる幅10μm×長さ1mmに形成する。もっとも、こ
のパターン化のためのエッチングはエッチング液に王水
等を用いたウェットエッチング法でもよい。
【0075】つづいて、図9(b)に示すように、第2
層15の絶縁膜としてAl23薄膜をスパッタリング法
により成膜する。ここでは、膜厚1〜5nmとして成膜
した。なお、この第2層15の成膜法としては、CVD
法やMBE法であってもよい。この後、前述の如く一般
的なフォトリソグラフィ技術とCF4+H2を用いたRI
E法により、成膜された第2層15を図9(b)に示す
ように第1層14上の所望の位置にパターン化する。
【0076】なお、第2層15の絶縁膜としてはAl2
3薄膜に限らず、第一の実施の形態で前述したような
ZnO薄膜の他、Al薄膜表面に熱処理等で形成したA
23膜、Al−O膜、Cu−O膜等であってもよい。
要は、そのスピン偏極率が第1層3、第3層5のスピン
偏極率に比べて低く、1/10以下であればよい。
【0077】このように第2層15を成膜し、パターン
化した後、保護絶縁層としてSiO 2膜(或いは、Si
窒化膜)を成膜し、フォトリソグラフィ法及びRIE法
により第2層15上にスルーホール(図示せず)を形成
する。
【0078】このように第2層15を形成した後、図9
(c)に示すように、第3層16として第1層14と同
じく金属性強磁性体薄膜であるFe−Co50膜を再び成
膜する。この第3層16としてはFe−Co50膜以外に
Fe90Ni10膜、Fe20−Ni80膜、CuMoパーマロ
イ膜、Co92Zr3Nb5アモルファス薄膜、FeSiC
oBアモルファス膜などでもよい。そして、第1層14
と同様の工程を経て、伝送線路部13B中の中心導体部
13bを形成する。なお、必要に応じて、基板裏面側の
グランドパターンまで形成する工程をとれる。このよう
に第3層16を成膜し、パターン化した後、保護絶縁層
としてSiO2膜(或いは、Si34等のSi窒化膜)
をスパッタリング法により成膜する。
【0079】なお、第2層15の絶縁膜のエッチングと
しては、ウェットエッチングでもよいが、基板12もエ
ッチングされてしまう場合には基板12の裏面側をレジ
ストなどにより保護する必要がある。基板12として
は、石英以外の絶縁性基板やポリエチレンテレフタレー
ト(PET)やポリイミドなどのフレキシブルな絶縁性
基板であってもよい。
【0080】また、本実施の形態では、伝送線路部13
Bがコープレーナ型の場合への適用例として説明した
が、この他、マイクロストリップ型、トリプレート型等
の伝送線路形態の場合であってもよい。また、中心導体
部13bを磁性金属薄膜とし、外導体部(マイクロスト
リップ型の場合にはグランドプレーン)13a,13c
を非磁性金属とする構成であってもよい。
【0081】本実施の形態のように、高周波キャリア成
分を重畳させることで高周波をキャリアとして用いる場
合や、高速で信号を検出するためには、TMR素子11
の中心導体部13bを含む伝送線路部13B及び接続配
線部13A,13Cを構成する伝送線路のインピーダン
スを一致させることで、通電する高周波電流の損失の低
下を容易に実現できる。この結果、磁気センサ、磁気ヘ
ッド、磁気固体メモリデバイス等に適用した場合、より
一層の高感度化、高機能化が可能となる。
【0082】本発明の第五の実施の形態を図10ないし
図12に基づいて説明する。本実施の形態は、デバイス
の一例として磁気センサ21への適用例を示し、図10
はその等価回路を示している。
【0083】この磁気センサ21は測定磁界の感磁部に
TMR素子22を配置させて高周波源23から高周波キ
ャリアを重畳させる方式において、その伝送線路24中
に反射波と透過波(進行波)とを分離するための方向性
結合器25を設け、かつ、この方向性結合器25の出力
側において分離された反射波の強度と透過波の強度とを
各々検知する高周波検知器26,27と、これらの高周
波検知器26,27により検知されたそれらの強度の比
により交流のトンネル電流の変化を検出する演算回路2
8とが設けられている。方向性結合器25はバルクであ
っても薄膜であってもよい。
【0084】これにより、高周波源23によってTMR
素子22に高周波キャリアを重畳させた場合に、方向性
結合器25で分離された反射波、進行波の各々の強度を
高周波検知器26,27により検知し、その比を演算回
路28でとることにより、インピーダンスの比を検知す
ることが可能である。即ち、インピーダンスのずれをS
−パラメータ法により検知可能である。このインピーダ
ンス変化の検知精度を高めることにより磁気センサ21
としての感度を向上させることができる。
【0085】ところで、本実施の形態の磁気センサ21
のより具体的な実装構成例を図11及び図12により説
明する。まず、図11はマイクロストリップ型の伝送線
路24及び方向性結合器25を含む基板29上のTMR
素子22の構成を示している。即ち、絶縁性の基板29
上において、非磁性金属膜30を用いてマイクロストリ
ップ型の伝送線路24の中心導体部30a、外導体部3
0bを平行に形成するが、中心導体部30aをV字状に
屈曲させることにより伝送線路24の一部に方向性結合
器25を形成する。そして、中心導体部30aの一端を
進行波検知用パッド30cとし、他端を反射波検知用パ
ッド30dとする。また、外導体部30b上にはTMR
素子22を形成する他、その一端を入力用パッド部30
eとし、他端を出力用パッド部30fとする。なお、基
板29の裏面側にはグランドプレーン(図示せず)が形
成されている。
【0086】このような基板29を図12に示すように
PC板32上に実装し、このPC板32上に各々実装さ
せた高周波源23、高周波検知器26,27及び演算回
路28と各々コネクタ33を介して接続ケーブル34に
より接続することにより小型の磁気センサ21が完成す
る。なお、35は終端抵抗である。また、図12では電
源部及び電源ケーブルは省略している。
【0087】本実施の形態では、伝送線路24をマイク
ロストリップ型として構成したが、平行線路型、トリプ
レート型、コープレーナ型等の伝送線路形態であっても
よい。
【0088】なお、これらの実施の形態では、TMR素
子を磁気センサ、磁気ヘッド、或いは、磁気固体メモリ
デバイス等のデバイスへ適用し得る旨、説明したが、高
感度な高周波電流プローブとしても利用可能である。ま
た、電子式複写機、ファクシミリ、印刷機、パソコン等
のOA機器、家庭用電気器機、産業器機等、各種電気・
電子危機からの電磁ノイズを検知し、また、装置内に内
在させるプリント配線基板等からのノイズを検知し、そ
の対策に用いるEMC規制対策や電磁生涯対策検査機器
にも応用可能である。
【0089】
【発明の効果】請求項1記載の発明のトンネル磁気抵抗
効果素子によれば、第2層の非磁性の絶縁膜のスピン偏
極率を第1層及び第3層のスピン偏極率の1/10以下
としたので、絶縁膜が第1層及び第3層の磁性原子に対
して影響を与えないので、トンネル電流の変化率、即
ち、MR比がより高いスピン配置を持つバンド構造を実
現することができ、検出感度等の性能を向上させること
ができる。
【0090】請求項2記載の発明のトンネル磁気抵抗効
果素子によれば、第2層の非磁性の絶縁膜をZnOx
膜(x=0.95〜1.05)により形成したので、Z
n自体がスピンを持たず隣接する第1層及び第3層の磁
性原子に対して影響を与えないことから、トンネル電流
の変化率、即ち、MR比がより高いスピン配置を持つバ
ンド構造を実現することができ、検出感度等の性能を向
上させることができる。また、ZnOx薄膜自体のバン
ドギャップが広く高温においても問題なく動作させ得る
上に、Znがイオン化しやすくZnOx薄膜中の酸素原
子が界面において第1層及び第3層中のFeに拡散する
のを防止できるので、初期性能を得やすく、結果とし
て、極めて薄膜となる絶縁膜に関してそのばらつきの許
容度を高めて信頼性を向上させることができる。
【0091】請求項3記載の発明によれば、請求項1又
は2記載のトンネル磁気抵抗効果素子において、第2層
の膜厚をこの膜厚とその抵抗率との積が一定となるよう
に可変設定させるようにしたので、検出精度と信頼性と
を両立させる設計が容易となる。
【0092】請求項4記載の発明によれば、請求項1な
いし3の何れか一に記載のトンネル磁気抵抗効果素子に
おいて、反強磁性体を利用したいわゆるスピンバルブ構
造とすることより、MR比をより一層向上させることが
できる。
【0093】請求項5記載の発明によれば、請求項1な
いし4の何れか一に記載のトンネル磁気抵抗効果素子に
おいて、第1層又は第3層の磁区制御を硬磁性膜を利用
して行うようにしたので、ノイズの発生を抑制でき、性
能向上を図ることができる。
【0094】請求項6記載の発明の磁気センサによれ
ば、請求項1ないし5の何れか一に記載のトンネル磁気
抵抗効果素子を感磁部に有するので、磁気抵抗の変化率
が高く、トンネル電流の変化による磁界検出感度の高い
高性能な磁気センサを提供することができる。
【0095】請求項7記載の発明によれば、請求項6記
載の磁気センサにおいて、トンネル磁気抵抗効果素子に
交流のトンネル電流を付与し、第1層及び第3層の磁化
状態によって流れる交流のトンネル電流が変化すること
により磁界を検出するようにしたので、交流のトンネル
電流は磁気抵抗の変化率によって直流時の場合と同様に
変化し、その変化率も向上するので、高精度な検出が可
能な磁気センサを提供することができる。第1層、第3
層に用いる磁性体を変えることで、高周波領域でも用い
ることが可能なことから、特に、外部磁界の検知を高周
波キャリア成分を重畳させた交流のトンネル電流に基づ
き行わせることで、より高精度な検出が可能な磁気セン
サを提供することができる。
【0096】請求項8記載の発明によれば、請求項7記
載の磁気センサにおいて、高周波キャリア成分を重畳さ
せて検出する場合や高速で信号を検出する場合には、当
該トンネル磁気抵抗効果素子を含む伝送線路部や接続用
配線部を構成する伝送線路部のインピーダンスを一致さ
せることで、通電する高周波電流の損失を低く抑えるこ
とが可能となり、高感度・高機能な感磁部を持つ磁気セ
ンサを提供することができる。
【0097】請求項9記載の発明によれば、請求項7又
は8記載の磁気センサにおいて、伝送線路の途中に方向
性結合器を設けて反射波と進行波とに分離し、各々の強
度を高周波検知器により検知してその比をとるようにし
たので、インピーダンスのずれをS−パラメータ法によ
って検出することができ、インピーダンス変化の検出精
度を高め、磁気センサとしての感度をさらに向上させる
ことができる。
【0098】請求項10記載の発明によれば、請求項8
記載の磁気センサにおいて、方向性結合器をバルクに代
えて薄膜で形成した場合にも請求項9記載の発明の磁気
センサの場合と同様な作用効果が得られる。
【0099】請求項11記載の発明の磁気ヘッドによれ
ば、請求項1ないし5の何れか一に記載のトンネル磁気
抵抗効果素子を感磁部に有するので、磁気抵抗の変化率
が高く、トンネル電流の変化による磁界検出感度の高い
高性能な再生用の磁気ヘッドを提供することができる。
【0100】請求項12記載の発明によれば、請求項1
1記載の磁気ヘッドにおいて、トンネル磁気抵抗効果素
子に交流のトンネル電流を付与し、第1層及び第3層の
磁化状態によって流れる交流のトンネル電流が変化する
ことにより磁界を検出するようにしたので、交流のトン
ネル電流は磁気抵抗の変化率によって直流時の場合と同
様に変化し、その変化率も向上することから、高精度な
検出が可能な磁気センサを提供することができる。第1
層、第3層に用いる磁性体を変えることで、高周波領域
でも用いることが可能なことから、特に、外部磁界の検
知を高周波キャリア成分を重畳させた交流のトンネル電
流に基づき行わせることで、より高精度な検出が可能な
再生用の磁気ヘッドを提供することができる。
【0101】請求項13記載の発明によれば、請求項1
2記載の磁気ヘッドにおいて、高周波キャリア成分を重
畳させて検出する場合や高速で信号を検出する場合に
は、当該トンネル磁気抵抗効果素子を含む伝送線路部や
接続用配線部を構成する伝送線路部のインピーダンスを
一致させることで、通電する高周波電流の損失を低く抑
えることが可能となり、高感度・高機能な感磁部を持つ
磁気ヘッドを提供することができる。
【0102】請求項14記載の発明によれば、請求項1
2又は13記載の磁気ヘッドにおいて、伝送線路の途中
に方向性結合器を設けて反射波と進行波とに分離し、各
々の強度を高周波検知器により検知してその比をとるこ
とにより、インピーダンスのずれをS−パラメータ法に
よって検出することができ、インピーダンス変化の検出
精度を高め、磁気ヘッドとしての感度をさらに向上させ
ることができる。
【0103】請求項15記載の発明によれば、請求項1
3記載の磁気ヘッドにおいて、方向性結合器をバルクに
代えて薄膜で形成した場合にも請求項15記載の発明の
磁気ヘッドの場合と同様な作用効果が得られる。
【0104】請求項16記載の発明の磁気固体メモリデ
バイスによれば、請求項1ないし5の何れか一に記載の
トンネル磁気抵抗効果素子を記録部に有するので、磁気
抵抗の変化率が高く、トンネル電流の変化を利用した記
憶機能及び信号処理機能に関して高性能な磁気固体メモ
リデバイスを提供することができる。
【0105】請求項17記載の発明によれば、請求項1
6記載の磁気固体メモリデバイスにおいて、トンネル磁
気抵抗効果素子に交流のトンネル電流を付与し、第1層
及び第3層の磁化状態によって流れる交流のトンネル電
流が変化することで記憶機能及び信号処理機能を有する
ようにしたので、交流のトンネル電流は磁気抵抗の変化
率によって直流時の場合と同様に変化し、その変化率も
向上することから、トンネル電流の変化を利用した記憶
機能及び信号処理機能に関して高性能な磁気固体メモリ
デバイスを提供することができる。第1層、第3層に用
いる磁性体を変えることで、高周波領域でも用いること
が可能なことから、特に、外部磁界の検知を高周波キャ
リア成分を重畳させた交流のトンネル電流に基づき行わ
せることで、より高性能な磁気固体メモリデバイスを提
供することができる。
【0106】請求項18記載の発明によれば、請求項1
7記載の磁気固体メモリデバイスにおいて、高周波キャ
リア成分を重畳させて記憶機能及び信号処理機能を発揮
させる場合や高速処理を行わせる場合には、当該トンネ
ル磁気抵抗効果素子を含む伝送線路部や接続用配線部を
構成する伝送線路部のインピーダンスを一致させること
で、通電する高周波電流の損失を低く抑えることが可能
となり、高速度・高機能な記録部を持つ磁気固体メモリ
デバイスを提供することができる。
【0107】請求項19記載の発明によれば、請求項1
7又は18記載の磁気固体メモリデバイスにおいて、伝
送線路の途中に方向性結合器を設けて反射波と進行波と
に分離し、各々の強度を高周波検知器により検知してそ
の比をとることにより、インピーダンスのずれをS−パ
ラメータ法によって検出することができ、インピーダン
ス変化の検出精度を高め、磁気固体メモリデバイスとし
ての機能をさらに向上させることができる。
【0108】請求項20記載の発明によれば、請求項1
8記載の磁気固体メモリデバイスにおいて、方向性結合
器をバルクに代えて薄膜で形成した場合にも請求項19
記載の発明の磁気固体メモリデバイスの場合と同様な作
用効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態を示す第1層が成膜
された基板の縦断正面図である。
【図2】第1層のパターン形状を示し、(a)は平面
図、(b)は縦断正面図である。
【図3】第1層上に成膜された第2層のパターン形状を
示し、(a)は平面図、(b)は縦断正面図である。
【図4】第2層上に成膜された第3層のパターン形状を
示し、(a)は平面図、(b)は縦断正面図である。
【図5】測定試験回路を示す平面図である。
【図6】絶縁層の膜厚可変に応じた検出回路の精度、信
頼性の特性を示す特性図である。
【図7】本発明の第二の実施の形態のTMR素子を示
し、(a)は平面図、(b)は縦断正面図である。
【図8】本発明の第三の実施の形態のTMR素子を示
し、(a)は平面図、(b)は縦断正面図である。
【図9】本発明の第四の実施の形態のTMR素子をその
作製工程順に示す平面図である。
【図10】本発明の第五の実施の形態の磁気センサを示
す等価回路図である。
【図11】そのTMR素子部を示す平面図である。
【図12】磁気センサ全体の実装構成例を示す概略平面
図である。
【符号の説明】
1 トンネル磁気抵抗効果素子 3 第1層 4 第2層 5 第3層 8 反強磁性体 9 硬磁性膜 11 トンネル磁気抵抗効果素子 14 第1層 15 第2層 16 第3層 21 磁気センサ 22 トンネル磁気抵抗効果素子 24 伝送線路 25 方向性結合器 26,27 高周波検知器 28 演算回路
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01F 10/32 G01R 33/06 R Fターム(参考) 2G017 AA00 AB07 AC09 AD55 AD65 5D034 BA03 BA05 BA15 BB14 CA08 5E049 AA04 AA09 BA12 CB02

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属性強磁性体薄膜による第1層と、非
    磁性の絶縁膜による第2層と、金属性強磁性体薄膜によ
    る第3層との接合構造により形成されて、前記第1層か
    ら前記第2層を介して前記第3層にトンネル電流が流れ
    る構造のトンネル磁気抵抗効果素子であって、前記第2
    層の絶縁膜のスピン偏極率が前記第1層及び第3層のス
    ピン偏極率の1/10以下であることを特徴とするトン
    ネル磁気抵抗効果素子。
  2. 【請求項2】 金属性強磁性体薄膜による第1層と、非
    磁性の絶縁膜による第2層と、金属性強磁性体薄膜によ
    る第3層との接合構造により形成されて、前記第1層か
    ら前記第2層を介して前記第3層にトンネル電流が流れ
    る構造のトンネル磁気抵抗効果素子であって、前記第2
    層の絶縁膜がZnOx薄膜(x=0.95〜1.05)
    により形成されていることを特徴とするトンネル磁気抵
    抗効果素子。
  3. 【請求項3】 前記第2層の膜厚をこの膜厚とその抵抗
    率との積が一定となるように可変設定することを特徴と
    する請求項1又は2記載のトンネル磁気抵抗効果素子。
  4. 【請求項4】 前記第1層と前記第3層との何れか一方
    の層の近傍に強磁性体−反強磁性体交換結合によりバイ
    アス磁界を付与する反強磁性体を備えることを特徴とす
    る請求項1ないし3の何れか一に記載のトンネル磁気抵
    抗効果素子。
  5. 【請求項5】 前記第1層と前記第3層との少なくとも
    一方の層の近傍にその層の磁区を固定するための磁界を
    与える硬磁性膜を備えることを特徴とする請求項1ない
    し4の何れか一に記載のトンネル磁気抵抗効果素子。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5の何れか一に記載のト
    ンネル磁気抵抗効果素子を感磁部に有し、前記トンネル
    磁気抵抗効果素子の前記第1層及び第3層の磁化状態に
    よって流れるトンネル電流が変化することにより磁界を
    検出することを特徴とする磁気センサ。
  7. 【請求項7】 前記トンネル磁気抵抗効果素子に交流の
    トンネル電流を付与し、前記第1層及び第3層の磁化状
    態によって流れる交流のトンネル電流が変化することに
    より磁界を検出することを特徴とする請求項6記載の磁
    気センサ。
  8. 【請求項8】 前記トンネル磁気抵抗効果素子をインピ
    ーダンスを一致させた伝送線路上の一部に配設したこと
    を特徴とする請求項7記載の磁気センサ。
  9. 【請求項9】 前記伝送線路上の一部に設けられて前記
    トンネル磁気抵抗効果素子に対する反射波と進行波とを
    分離する方向性結合器と、この方向性結合器の出力側に
    設けられて分離された前記反射波の強度と前記進行波の
    強度とを各々検知する高周波検知器と、これらの高周波
    検知器により検知された前記反射波の強度と前記進行波
    の強度との比により交流のトンネル電流の変化を検出す
    る演算回路と、を備えることを特徴とする請求項7又は
    8記載の磁気センサ。
  10. 【請求項10】 前記伝送線路上の一部に薄膜で形成さ
    れて前記トンネル磁気抵抗効果素子に対する反射波と進
    行波とを分離する方向性結合器と、この方向性結合器の
    出力側に設けられて分離された前記反射波の強度と前記
    進行波の強度とを各々検知する高周波検知器と、これら
    の高周波検知器により検知された前記反射波の強度と前
    記進行波の強度との比により交流のトンネル電流の変化
    を検出する演算回路と、を備えることを特徴とする請求
    項8記載の磁気センサ。
  11. 【請求項11】 請求項1ないし5の何れか一に記載の
    トンネル磁気抵抗効果素子を感磁部に有し、前記トンネ
    ル磁気抵抗効果素子の前記第1層及び第3層の磁化状態
    によって流れるトンネル電流が変化することにより磁界
    を検出することを特徴とする磁気ヘッド。
  12. 【請求項12】 前記トンネル磁気抵抗効果素子に交流
    のトンネル電流を付与し、前記第1層及び第3層の磁化
    状態によって流れる交流のトンネル電流が変化すること
    により磁界を検出することを特徴とする請求項11記載
    の磁気ヘッド。
  13. 【請求項13】 前記トンネル磁気抵抗効果素子をイン
    ピーダンスを一致させた伝送線路上の一部に配設したこ
    とを特徴とする請求項12記載の磁気ヘッド。
  14. 【請求項14】 前記トンネル磁気抵抗効果素子に対す
    る反射波と進行波とを分離する方向性結合器と、この方
    向性結合器の出力側に設けられて分離された前記反射波
    の強度と前記進行波の強度とを各々検知する高周波検知
    器と、これらの高周波検知器により検知された前記反射
    波の強度と前記進行波の強度との比により交流のトンネ
    ル電流の変化を検出する演算回路と、を備えることを特
    徴とする請求項12又は13記載の磁気ヘッド。
  15. 【請求項15】 前記伝送線路上の一部に薄膜で形成さ
    れて前記トンネル磁気抵抗効果素子に対する反射波と進
    行波とを分離する方向性結合器と、この方向性結合器の
    出力側に設けられて分離された前記反射波の強度と前記
    進行波の強度とを各々検知する高周波検知器と、これら
    の高周波検知器により検知された前記反射波の強度と前
    記進行波の強度との比により交流のトンネル電流の変化
    を検出する演算回路と、を備えることを特徴とする請求
    項13記載の磁気ヘッド。
  16. 【請求項16】 請求項1ないし5の何れか一に記載の
    トンネル磁気抵抗効果素子を記録部に有し、前記トンネ
    ル磁気抵抗効果素子の前記第1層及び第3層の磁化状態
    によって流れるトンネル電流が変化することで記憶機能
    及び信号処理機能を有することを特徴とする磁気固体メ
    モリデバイス。
  17. 【請求項17】 前記トンネル磁気抵抗効果素子に交流
    のトンネル電流を付与し、前記第1層及び第3層の磁化
    状態によって流れる交流のトンネル電流が変化すること
    で記憶機能及び信号処理機能を有することを特徴とする
    請求項16記載の磁気固体メモリデバイス。
  18. 【請求項18】 前記トンネル磁気抵抗効果素子をイン
    ピーダンスを一致させた伝送線路上の一部に配設したこ
    とを特徴とする請求項17記載の磁気固体メモリデバイ
    ス。
  19. 【請求項19】 前記トンネル磁気抵抗効果素子に対す
    る反射波と進行波とを分離する方向性結合器と、この方
    向性結合器の出力側に設けられて分離された前記反射波
    の強度と前記進行波の強度とを各々検知する高周波検知
    器と、これらの高周波検知器により検知された前記反射
    波の強度と前記進行波の強度との比により交流のトンネ
    ル電流の変化を検出する演算回路と、を備えることを特
    徴とする請求項17又は18記載の磁気固体メモリデバ
    イス。
  20. 【請求項20】 前記伝送線路上の一部に薄膜で形成さ
    れて前記トンネル磁気抵抗効果素子に対する反射波と進
    行波とを分離する方向性結合器と、この方向性結合器の
    出力側に設けられて分離された前記反射波の強度と前記
    進行波の強度とを各々検知する高周波検知器と、これら
    の高周波検知器により検知された前記反射波の強度と前
    記進行波の強度との比により交流のトンネル電流の変化
    を検出する演算回路と、を備えることを特徴とする請求
    項18記載の磁気固体メモリデバイス。
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