JP2022148772A - 電動ポンプ - Google Patents

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健児 水尻
Kenji MIZUSHIRI
直嗣 北山
Naotsugu KITAYAMA
正浩 川合
Masahiro Kawai
恭大 有竹
Yasuhiro Aritake
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NTN Corp
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Abstract

Figure 2022148772000001
【課題】所望のポンプ能力を安定的に発揮することができる電動ポンプを提供する。
【解決手段】ポンプ部2及びモータ部3を軸方向に並べた状態で収容したハウジング5を備え、外周にモータロータ31が結合されたモータ部3の出力軸32が回転するのに伴って、出力軸32の軸方向一方側(ポンプ部2側)の端部に設けられたポンプロータ(インナロータ21)が回転することによりオイルが吸入及び吐出される電動ポンプ1である。出力軸32は、モータロータ31の軸方向一方側及び他方側にそれぞれ配された第1軸受33A及び第2軸受33Bと、第1軸受33Aとインナロータ21との間に配した第3軸受33Cとによりハウジング5に対して回転自在に支持される。
【選択図】図1

Description

本発明は、電動ポンプに関する。
近年、自動車をはじめとする車両においては、電動ポンプを用いて必要箇所にオイルを供給する場合がある。例えば、停車中にエンジンを自動停止するアイドリングストップ機構を備えた車両やハイブリッド車両などにおいては、トランスミッションケースに電動ポンプを取り付け、この電動ポンプで停車中のトランスミッション内部で必要とされる油圧を保持するようにしている。
例えば下記の特許文献1(の図2)には、上記の各種車両に取り付けられる電動ポンプであって、ポンプ部と、ポンプ部を駆動するモータ部と、これらを軸方向に並べた状態で収容したハウジングとを備えた電動ポンプが記載されている。この電動ポンプにおいて、モータ部は、外周にモータロータが結合された出力軸を有し、この出力軸の軸方向一方側(ポンプ部側)の端部にはポンプロータとしてのインナロータが固定されている。出力軸は、モータロータの軸方向一方側及び他方側にそれぞれ配された第1軸受及び第2軸受によりハウジングに対して回転自在に支持されている。なお、上記の第1軸受は出力軸の軸方向中央部付近を支持し、上記の第2軸受は出力軸の軸方向他方側の端部を支持している。
特開2015-105601号公報
上記の構成を有する特許文献1の電動ポンプにおいては、モータ部の出力軸が、ポンプロータが固定されたポンプ部側の端部を自由状態とした片持ち梁に近い状態で支持されている。そのため、例えば、出力軸及びポンプロータの回転に伴って出力軸に曲げモーメント(モーメント荷重)が作用すると、出力軸に傾きが生じて出力軸の回転精度が低下し、所望のポンプ能力を発揮することが難しくなる可能性がある。特に、ポンプ部が吸入及び吐出する流体が粘性の高いオイルである場合には、上記の問題が生じ易くなる。
上記の問題は、例えば、出力軸の軸方向寸法(ポンプロータと第1軸受の離間距離)を短縮することで解消し得るとも考えられる。しかしながら、特許文献1に記載されているように、ハウジングのうち、ポンプロータと第1軸受の間の軸方向領域には、ポンプ部(ポンプ室)に介在するオイルがモータ部に流れ込むのを阻止するためのシールが配置されたり、オイルの吸入路及び吐出路の一部が設けられたりする場合がある。そのため、上記離間距離を短縮するという対策をむやみに採ることはできない。
上記の実情に鑑み、本発明は、軸方向一方側の端部にポンプロータが設けられるモータ出力軸の支持剛性を高め、これにより、所望のポンプ能力を安定的に発揮することのできる電動ポンプを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために創案された本発明は、オイルを吸入及び吐出するポンプ部と、ポンプ部を駆動するモータ部と、ポンプ部及びモータ部を軸方向に並べた状態で収容したハウジングと、を備え、外周にモータロータが結合されたモータ部の出力軸が回転するのに伴って、出力軸の軸方向一方側の端部に設けられたポンプロータが回転することにより、オイルが吸入及び吐出される電動ポンプにおいて、出力軸は、モータロータの軸方向一方側及び他方側にそれぞれ配された第1軸受及び第2軸受と、上記第1軸受とポンプロータとの間に配された第3軸受とによりハウジングに対して回転自在に支持されることを特徴とする。
本発明では、モータロータの軸方向一方側(ポンプ部側)及び他方側(反ポンプ部側)にそれぞれ配された第1軸受及び第2軸受に加え、モータ部の出力軸の軸方向一方側の端部に設けられたポンプロータと上記第1軸受との間に配された第3軸受により出力軸がハウジングに対して回転自在に支持される。つまり、本発明に係る電動ポンプにおいては、従来の電動ポンプに比べ、ポンプロータに近い位置でモータ部の出力軸を支持する軸受(第3軸受)が追加的に設けられる。これにより、出力軸及びポンプロータの回転に伴ってモーメント荷重が出力軸に作用しても、出力軸に傾きが生じるのを防止することができる。従って、出力軸の回転精度低下、ひいてはこれに起因したポンプ能力の低下を可及的に防止することができる。
第3軸受には、転がり軸受又はすべり軸受の何れを使用しても良いが、同サイズの転がり軸受とすべり軸受を対比すると、転がり軸受は、高い負荷容量を有する反面、部品点数が多く高コストであることに加え、専用の設置スペースを確保する必要があることから、ハウジング、ひいては電動ポンプの大型化を招来するおそれがある。そのため、第3軸受にはすべり軸受を使用するのが好ましい。すべり軸受からなる第3軸受は、例えば、ハウジングのうちポンプロータの軸方向他方側に隣接した位置に設けた円筒状の軸受面と、これに対向する出力軸の外周面の間の径方向すきまに形成される上記オイルの油膜で出力軸を支持するもの、とすることができる。この場合、上記の径方向すきまには、ポンプ部に介在するオイルを次々に供給することができるので、すべり軸受からなる第3軸受の軸受性能を安定的に維持することができる。
モータロータは基本的に重量物であることから、モータロータの軸方向一方側及び他方側にそれぞれ配される第1軸受及び第2軸受には、高い負荷容量を有する転がり軸受を使用するのが好ましい。また、ハウジングに対して出力軸(モータ部)を容易に組み込み可能としつつ、ポンプ運転時における出力軸のガタの発生を抑制又は防止するには、第1及び第2軸受の内輪を出力軸に対してしまりばめすると共に、第1及び第2軸受の外輪をハウジングに対してすきまばめするのが好ましい。なお、本明細書で言う「しまりばめ」及び「すきまばめ」とは、JIS B 0401-1に規定された「しまりばめ」及び「すきまばめ」の定義に準ずる(以下同様)。
さらに、すべり軸受からなる第3軸受における径方向すきま(軸受すきま)のすきま幅をW、ハウジングに対する第1軸受の外輪のはめあいすきまのすきま幅をW、ハウジングに対する第2軸受の外輪のはめあいすきまのすきま幅をWとしたとき、W<W<Wの関係式を満たすようにするのが好ましい。
上記構成の電動ポンプにおいて、ハウジングには、ポンプ部にオイルを吸入する吸入側流路と、ポンプ部からオイルを吐出する吐出側流路とを設けることができる。このとき、第3軸受をすべり軸受で構成すれば、第3軸受を転がり軸受で構成する場合に必要となる専用の軸受配置スペースを確保する必要がなくなるので、吸入側流路及び吐出側流路の何れか一方又は双方の少なくとも一部を、ハウジングに設けた上記軸受面の軸方向範囲内に設けることができる。この場合、電動ポンプに必要不可欠な吸入側流路及び吐出側流路を上記とは別の場所に設ける場合に比べ、電動ポンプをコンパクト化することができる。
以上のことから、本発明によれば、モータ部の出力軸の支持剛性を高め、出力軸の回転を安定的に支持することができるので、所望のポンプ能力を安定的に発揮することのできる電動ポンプを実現できる。
本発明の一実施形態に係る電動ポンプの軸方向断面図である。 図1中のII-II線断面図である。 図1中のIII-III線断面図である。 本発明の一実施形態に係る電動ポンプの斜視図である。 実装面側から見た基板の平面図である。 図1の部分拡大図である。
以下、本発明の実施の形態を図面(図1~図6)に基づいて説明する。なお、以下説明する本実施形態の電動ポンプは、例えば車両のトランスミッションケースに取り付けられ、エンジンの停止中にトランスミッションにオイルを圧送することにより、トランスミッション内部で必要とされる油圧を確保するために使用される。
図1~図3に示すように、本実施形態の電動ポンプ1は、主に、オイルを吸引及び吐出(圧送)するポンプ部2と、ポンプ部2を駆動するモータ部3と、基板4と、ポンプ部2、モータ部3及び基板4を収容したハウジング5とを備える。なお、方向性を示すために以下の説明で使用する「軸方向」、「径方向」及び「周方向」とは、それぞれ、モータ部3の軸心Oと平行な方向、軸心Oを中心とする円の径方向、及び軸心Oを中心とする円の周方向である。
図1及び図2に示すように、本実施形態のポンプ部2は、ポンプロータとしてのインナロータ21と、インナロータ21に対して偏心配置されたアウタロータ22とを有するトロコイドポンプで構成される。すなわち、インナロータ21には複数の外歯が形成され、その一部がアウタロータ22に形成された複数の内歯の一部と噛み合っている。アウタロータ22は、ハウジング5(ハウジング本体50に形成されたポンプ収容室51A)の内壁面に対して回転可能な状態で嵌合されている。係る構成により、インナロータ21が回転するのに伴ってアウタロータ22が従動回転する。なお、外歯の歯数をn(nは2以上の正の整数)とすると、内歯の歯数は(n+1)である。
図1に示すように、モータ部3はポンプ部2と軸方向に並べて配置された状態でハウジング5に収容されている。図1及び図3に示すように、モータ部3は、ハウジング5(に形成されたモータ収容室52A)の内周に固定されたステータ30と、ステータ30の径方向内側にすきまを介して対向配置されたモータロータ31とを有するラジアルギャップ型の電動モータを備え、この電動モータには、例えば三相ブラシレスモータが使用される。そのため、ステータ30は、U相、V相、W相に対応した複数のコイル30aを有する。
モータ部3は、外周にモータロータ31が結合された出力軸32を有する。出力軸32は、モータロータ31よりも軸方向寸法が長く、モータロータ31の軸方向両側に突出している。出力軸32は、軸方向に間隔を空けて配置された3つの軸受(第1軸受33A、第2軸受33B及び第3軸受33C)を介してハウジング5に対して回転自在に支持されている。第1軸受33Aは、モータロータ31の軸方向一方側(ポンプ部2側)に隣接して設けられ、出力軸32の軸方向中央部付近を支持している。第2軸受33Bは、モータロータ31の軸方向他方側(反ポンプ部側)に隣接して設けられ、出力軸32の軸方向他方側の端部を支持している。第3軸受33Cについては、後段で詳細に説明する。
重量物であるモータロータ31の軸方向両側を支持する第1軸受33A及び第2軸受33Bには、何れも、同サイズのすべり軸受に比べて負荷容量が大きい転がり軸受が使用され、ここでは、ボールを介して相対回転する内輪及び外輪を備えた玉軸受(深溝玉軸受)を使用している。詳細な図示は省略しているが、第1軸受33Aの内輪は、出力軸32に対してしまりばめされ、第1軸受33Aの外輪は、ハウジング5を構成するハウジング本体50に対してすきまばめされている。また、第2軸受33Bの内輪は、出力軸32に対してしまりばめされ、第2軸受33Bの外輪は、ハウジング5を構成する第2蓋部55(のベアリングケース55a)に対してすきまばめされている。このようなはめあいで第1軸受33A及び第2軸受33Bを装着したことにより、出力軸32(モータ部3)をハウジング5に対して容易に組み込み可能としつつ、電動ポンプ1の運転時に出力軸32にガタが生じるのを可及的に防止することができる。
出力軸32の軸方向一方側の端部外周には、出力軸32とトルク伝達可能にインナロータ21が嵌合されている。出力軸32とポンプ部2の間に減速機は配置されておらず、インナロータ21はモータ部3の出力軸32に直結されている。このインナロータ21と第1軸受33Aとの間にシール35が配置されている。シール35として、ここでは、出力軸32の外周面に摺接するシールリップを備えた接触タイプが採用されている。このようなシール35が配置されていることにより、ポンプ部2(ポンプ収容室51A)に介在するオイルのモータ部3(モータ収容室52A)への流れ込みが阻止される。また、第1軸受33Aとシール35の間には、第1軸受33Aと第2軸受33Bに軸方向の予圧を付与する(出力軸32の傾きを抑制する)ため、軸方向に圧縮された弾性部材36が配置されている。
モータ部3は、モータロータ31の回転角を検出する検出部37を有する。本実施形態の検出部37は、図1に示すように、ブラケット38を介して出力軸32の反ポンプ部側の端部に取り付けられたセンサマグネット37aと、ハウジング5に設けられた回転センサ37bとで構成される。回転センサ37bは、出力軸32の反ポンプ部側の端部と対向して配置され、かつ出力軸32と直交する方向に配置されたセンサ基板39に取り付けられる。なお、回転センサ37bには、例えばMR素子やホール素子等の磁気センサが使用され、また、センサマグネット37aには、例えばネオジムボンド磁石が使用される。
回転センサ37bは、基板4に形成される制御回路(詳細は後述する)と電気的に接続され、回転センサ37bによる検出値は制御回路に入力される。これにより、回転センサ37bによる検出値がモータ部3の作動制御に活用される。なお、この検出部37は必ずしも設ける必要はなく、省略しても構わない。つまり、電動ポンプ1(モータ部3)は、検出部37を具備しないセンサレスの状態で駆動することもできる。
図1~図5に示すように、基板4は、平面視で略矩形状に形成され、複数の電子部品41を実装した実装面40をモータ部3の軸心O及びこの軸心Oを中心とする円の接線方向に沿って配置すると共に、ハウジング5(ハウジング本体50)に設けられた基板収容部53の内底面53aに対向させた状態で基板収容室53Aに収容されている。係る態様で基板4が配置されていることにより、同種の基板が軸心Oと直交する方向に配置されている従来品(例えば特許文献1に開示されたもの)に比べ、径方向(本実施形態では基板4の厚さ方向)において電動ポンプ1をコンパクト化することができる。
電子部品41としては、例えば、電解コンデンサ等のコンデンサ41a、インダクタ41b、MOS-FET等の半導体素子41cがあり、その他にドライバIC等の集積回路や抵抗器などがある。そして、これらの電子部品41を電気的に接続することによりモータ部3の作動を制御する制御回路が形成される。
基板4(の制御回路)には、図示しない外部電源からコネクタ45を介して電力が供給される。基板4の制御回路では駆動電流の極性が制御される。制御された電流は、基板4と電気的に接続されたバスバー43を介してモータ部3のコイル30aに供給される。基板4のうち、実装面40と反対側の面42には、放熱部材としての放熱シート44が取り付けられている。放熱シート44は、熱伝導性が高くかつ圧縮可能な材料で形成されている。放熱シート44は、複数の電子部品41のうち、発熱量が大きい部品(例えば半導体素子41c)と接触するように配置される。
図1~図4に示すように、ハウジング5は、ポンプ部2を収容するポンプ収容室51Aが形成されたポンプ収容部51、モータ部3を収容するモータ収容室52Aが形成されたモータ収容部52、及び基板4を収容する基板収容室53Aが形成された基板収容部53を一部品の形で一体に有するハウジング本体50と、ポンプ収容室51Aの開口を閉塞する第1蓋部54と、モータ収容室52Aの開口を閉塞する第2蓋部55aと、基板収容室53Aの開口を閉塞する第3蓋部56とを備える。第1蓋部54、第2蓋部55a及び第3蓋部56は、それぞれ、ボルトやねじ等の締結部材を用いてハウジング本体50に固定される。ハウジング本体50、第1蓋部54及び第3蓋部56、並びに第2蓋部55を構成するベアリングケース55aは、何れも、導電性を有すると共に熱伝導性が良好な金属材料、例えばアルミニウム合金で形成される。
上記のように、ハウジング本体50が、ポンプ収容部51、モータ収容部52及び基板収容部53を一体に有していれば、高い機械的強度を具備したハウジング5を実現することができるので、電動ポンプ1の信頼性を高める上で有利となる。
第2蓋部55は、内周に第2軸受33B(の外輪)が装着される円筒形状のベアリングケース55aと、ベアリングケース55aの反ポンプ部側の開口を閉塞する円板形状のモータカバー55bとを備え、ベアリングケース55aの径方向内側にセンサ基板39が配置されている。
第3蓋部56は、ハウジング本体50に固定された状態では放熱シート44に接触している。これにより、電動ポンプ1の運転時に電子部品41から発される熱を、放熱シート44を介して第3蓋部56、さらにはハウジング本体50に効率良く逃がすことができる。この際の伝熱経路は、外表面が外気に触れ、かつ熱伝導性が良好なアルミニウム合金等の金属材料で形成された第3蓋部56(及びハウジング本体50)を含んで構成されるため、外気による冷却効果も期待できる。
図1に示すように、ハウジング本体50は、ポンプ収容部51とモータ収容部52の間に介在する環状の隔壁57を一体に有し、この隔壁57によりポンプ収容室51Aとモータ収容室52Aが軸方向で区分されている。隔壁57の内周面には径一定の円筒面34が形成され、この円筒面34は、対向する出力軸32の外周面と径方向すきま(図示せず)を介して対向している。隔壁57の内径寸法をφA、出力軸32のうち隔壁57の内周に挿通される部分の外径寸法をφBとしたとき、ここでは、例えば0<(φA-φB)≦40μmの関係式が成立するようにφA及びφBの値が設定されている。この場合、上記径方向すきまのすきま幅は半径値で20μm以下となる。
隔壁57は、オイルが介在するポンプ収容室51Aの軸方向他方側に隣接して設けられていることから、上記径方向すきまにはポンプ収容室51Aに介在するオイルが次々に流入する。そのため、出力軸32の回転時、上記径方向すきまにはポンプ収容室51Aから流入するオイルによる油膜が形成され、この油膜により出力軸32がハウジング5に対して支持(非接触支持)される。以上から、ハウジング本体50に設けられた隔壁57は、円筒面34を軸受面としたすべり軸受としても機能し、このすべり軸受は、第1軸受33Aとインナロータ21との間で出力軸32を支持(非接触支持)する第3軸受33Cを構成する。
図1(及び図6)に示すように、基板収容部53の内底面53aは、ポンプ収容部51の外周面51a及びモータ収容部52の外周面52aで形成される。基板収容部53の内底面53aにおいて、ポンプ収容部51の外周面51aとモータ収容部52の外周面52aとの間には径方向の段差があり、ポンプ収容部51の外周面51aはモータ収容部52の外周面52aよりも径方向でモータ部3の軸心Oに接近した位置にある。
この場合、図6に模式的に示すように、基板収容部53(基板収容室53A)のうちポンプ収容部51と径方向で対向する領域を、基板4に実装される電子部品41のうちで背の高い高背部品(例えばコンデンサ41a)の配置スペースとして活用することができる。これにより、基板4を基板収容部53の内底面53aに接近させて配置することが可能となるので、基板4の厚さ方向で電動ポンプ1を小型化することができる。なお、この効果を得るためには、図1に示すように、ポンプ部2の外径寸法dを、モータ部3の外径寸法Dよりも小さくする(d<D)のが好ましい。
図1及び図4に示すように、ハウジング本体50には、電動ポンプ1を取り付け対象(ここではトランスミッションケース)に取り付けるためのフランジ状の取り付け部58,59が一体的に設けられている。ポンプ部2側に設けられた取り付け部58には、ボルト等の締結部材が挿通される挿通孔58aが2つ形成され、反ポンプ部側に設けられた取り付け部59にも、締結部材の挿通孔59aが2つ形成されている。そして、これらの挿通孔58a,59aに挿通した締結部材を取り付け対象に締結することにより、電動ポンプ1が取り付け対象に取り付けられる。
取り付け部58,59に設けられた挿通孔58a,59aの外側開口部の周辺には、取り付け対象に接触する平坦な取り付け面58b,59bが形成されている。取り付け面58b,59bは、基板4の実装面40と直交する方向に延びる共通の平面上に配置されている。
図1及び図2に示すように、ハウジング本体50には、互いに分離して設けられた吸入側流路60と吐出側流路61とからなるオイル流路6が設けられる。
吸入側流路60は、インナロータ21とアウタロータ22の噛み合い部(ポンプ収容室51A)に開口した吸入側空間60aと、ハウジング本体50の外表面に開口した吸入孔60bと、吸入側空間60aとハウジング本体50の外部空間を連通させる吸入側連通路60cとを有する。また、吐出側流路61は、インナロータ21とアウタロータ22の噛み合い部(ポンプ収容室51A)に開口した吐出側空間61aと、ハウジング本体50の外表面に開口した吐出孔61bと、吐出側空間61aと外部空間を連通させる吐出側連通路61cとを有する。
吸入側空間60a及び吐出側空間61aは、何れも、モータ部2の出力軸32の周方向に延びる円弧状をなし、周方向で180°対向する位置に設けられる。また、図2及び図4に示すように、吸入孔60b及び吐出孔61bは、ハウジング本体50のうち、取り付け部58,59の取り付け面58b、59bを含む平面上に位置している。これにより、電動ポンプ1の周囲にオイル用配管を引き回す必要がなくなるので、電動ポンプ1の周辺構造を簡略化できる。
以上のように、吸入側流路60及び吐出側流路61の双方をハウジング本体50に設けておけば、ハウジング本体50がアルミニウム合金等の熱伝導性が良好な金属材料で形成されていることと相俟って、両流路60,61を流れるオイルでハウジング本体50を効率良く冷却することができる。この冷却効果により、発熱限となるモータ部3及び基板4の冷却を促進することができるので、電動ポンプ1の信頼性を高めることができる。
図1に示すように、本実施形態では、吸入孔60b及び吐出孔61bが、ハウジング本体50の外表面のうち、ポンプ収容室51Aとモータ収容室52Aの間の軸方向範囲内、つまり隔壁57が設けられた軸方向範囲内に開口している。また、吸入側連通路60c及び吐出側連通路61cも隔壁57の軸方向範囲内に形成されている。
以上の構成を有する電動ポンプ1において、モータ部3に電力が供給されるのに伴って出力軸32が回転すると、その軸方向一方側の端部にトルク伝達可能な状態で嵌合されたポンプ部2のインナロータ21が一体的に回転する。インナロータ21が回転すると、これに噛み合ったアウタロータ22が従動回転し、両ロータ21,22の歯部の間に形成される空間の容積が両ロータ21,22の回転に伴って拡大及び縮小する。これに伴い、トランスミッションケースの内部に貯留されたオイルが吸入側流路60を介してポンプ部2(ポンプ収容室51A)に吸入されると共に、吸入されたオイルが吐出側流路61を介してトランスミッション内部に吐出(圧送)される。
本実施形態の電動ポンプ1では、出力軸32が、モータロータ31の軸方向一方側(ポンプ部2側)及び他方側(反ポンプ部側)にそれぞれ配された第1軸受33A及び第2軸受33Bに加え、インナロータ21と第1軸受33Aとの間に配された第3軸受33Cによりハウジング5に対して回転自在に支持される。つまり、本実施形態の電動ポンプ1においては、従来の電動ポンプに比べ、ポンプロータ(インナロータ21)に近い位置で出力軸32を支持する軸受(第3軸受33C)が追加的に設けられる。これにより、出力軸32及びインナロータ21の回転に伴ってモーメント荷重が出力軸32に作用しても、出力軸32に曲がりや傾きが生じるのを防止することができる。従って、出力軸32の回転精度低下、ひいてはこれに起因したポンプ能力の低下を可及的に防止することができる。
第3軸受33Cには、転がり軸受又はすべり軸受の何れを使用しても良いが、転がり軸受は部品点数が多く高コストであることに加え、専用の設置スペースを確保する必要があることから、ハウジング5(ハウジング本体50)、ひいては電動ポンプ1の大型化を招来するおそれがある。そのため、本実施形態の第3軸受33Cにはすべり軸受を使用している。すべり軸受からなる第3軸受33Cは、ハウジング5のうちポンプロータが収容されたポンプ収容室51Aの軸方向他方側に隣接して設けられた隔壁57の内周面(円筒面34)を軸受面とするものであるから、この軸受面とこれに対向する出力軸32の外周面との間の径方向すきまには、ポンプ収容室51Aに介在するオイルが次々に流入する。これにより、上記径方向すきまでの油膜切れに起因した軸受性能の低下を可及的に防止し、第3軸受33Cに必要とされる軸受性能を安定的に維持することができる。
ところで、第1軸受33Aの外輪をハウジング5(ハウジング本体50)に対してすきまばめするとともに、第2軸受33Bの外輪をハウジング5(第2蓋部55のベアリングケース55a)に対してすきまばめしている本実施形態では、第3軸受33Cを構成するハウジング本体50の隔壁57の内周面(円筒面34)で形成される径方向すきまのすきま幅をW、ハウジング5に対する第1軸受33Aの外輪のはめあいすきまのすきま幅をW、ハウジング5に対する第2軸受33Bの外輪のはめあいすきまのすきま幅をWとしたとき、W<W<Wの関係式が成立するように、各部材が形成されている。
これは、出力軸32の回転時における出力軸32の曲がり、傾き及びガタ等を抑制して、必要とされる出力軸32の回転精度、ひいては電動ポンプ1のポンプ能力を確保するためには、出力軸32のうちインナロータ21に最も近い部分を支持している第3軸受33Cの負荷容量を効果的に高め(第3軸受33Cでのガタの発生を防止し)、その次にインナロータ21から軸方向で最も離れた部分を支持している第2軸受33Bを構成する外輪のはめあいすきまを小さくしてより離れた支持点でのガタの発生を抑制することが、出力軸32のモーメント剛性を高める上で好ましいからである。なお、上記のとおり、円筒面34で形成される径方向すきまのすきま幅W(半径値)の上限値が20μm(W≦20μm)の場合、W及びWの上限値は、それぞれ、例えば25μm及び30μmとすることができる(つまり、W≦25μm、W≦30μm)。
また、本実施形態では、吸入側流路60及び吐出側流路61の双方の少なくとも一部を、すべり軸受からなる第3軸受33Cを形成するハウジング本体50の隔壁57(軸受面として機能する円筒面34)の軸方向範囲内に設けている。この場合、電動ポンプ1に必要不可欠な吸入側流路60及び吐出側流路61を上記とは別の場所に設ける場合に比べ、電動ポンプ1をコンパクト化することができる。
以上から、図1等に示す本発明の一実施形態に係る電動ポンプ1は、コンパクトでありながら、モータ部3の出力軸32の回転精度が高く、所望のポンプ能力を安定的に発揮することができて信頼性に富む、という特徴を有する。
以上、本発明の一実施形態に係る電動ポンプ1について説明を行ったが、電動ポンプ1には本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜の変更を施すことができる。
例えば、以上では、ポンプ部2を、内接式ギアポンプの一種であるトロコイドポンプで構成したが、本発明は、モータ部3の出力軸32と一体回転することによりオイルを吸入及び吐出(圧送)するポンプロータを有するその他のポンプ、例えばベーンポンプがポンプ部2に使用される電動ポンプ1にも好ましく適用することができる。
本発明は以上で説明した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは言うまでもない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
1 電動ポンプ
2 ポンプ部
3 モータ部
4 基板
5 ハウジング
6 オイル流路
21 インナロータ(ポンプロータ)
30 ステータ
31 モータロータ
32 出力軸
33A 第1軸受
33B 第2軸受
33C 第3軸受
34 円筒面(軸受面)
35 シール
50 ハウジング本体
57 隔壁
60 吸入側流路
61 吐出側流路

Claims (4)

  1. オイルを吸入及び吐出するポンプ部と
    前記ポンプ部を駆動するモータ部と、
    前記ポンプ部及び前記モータ部を軸方向に並べた状態で収容したハウジングと、を備え、
    外周にモータロータが結合された前記モータ部の出力軸が回転するのに伴って、前記出力軸の軸方向一方側の端部に設けられたポンプロータが回転することにより、前記オイルが吸入及び吐出される電動ポンプにおいて、
    前記出力軸は、前記モータロータの軸方向一方側及び他方側にそれぞれ配された第1軸受及び第2軸受と、前記第1軸受と前記ポンプロータとの間に配された第3軸受とにより前記ハウジングに対して回転自在に支持されることを特徴とする電動ポンプ。
  2. 前記ハウジングが、前記ポンプロータの軸方向他方側に隣接して設けられた円筒状の軸受面を有し、
    前記第3軸受は、前記軸受面とこれに対向する前記出力軸の外周面の間の径方向すきまに形成される前記オイルの油膜で前記出力軸を支持するすべり軸受である請求項1に記載の電動ポンプ。
  3. 前記第1軸受及び前記第2軸受は、何れも、転動体を介して相対回転する内輪及び外輪を備えた転がり軸受であり、
    前記第1軸受及び前記第2軸受の内輪を前記出力軸に対してしまりばめすると共に、前記第1軸受及び前記第2軸受の外輪を前記ハウジングに対してすきまばめし、
    前記径方向すきまのすきま幅をW、前記ハウジングに対する前記第1軸受の外輪のはめあいすきまのすきま幅をW、前記ハウジングに対する前記第2軸受の外輪のはめあいすきまのすきま幅をWとしたとき、W<W<Wである請求項2に記載の電動ポンプ。
  4. 前記ハウジングに、前記ポンプ部に前記オイルを吸入する吸入側流路と、前記ポンプ部から前記オイルを吐出する吐出側流路とが設けられ、
    前記吸入側流路及び前記吐出側流路の何れか一方又は双方の少なくとも一部が、前記軸受面の軸方向範囲内に設けられている請求項2又は3に記載の電動ポンプ。
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